情報処理装置および方法、並びに、プログラム
【課題】設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作が簡単にできるようにする。
【解決手段】 タイマ機能として、次のプリタイマ、ポストタイマ、および、プリポストタイマを時計に搭載させる。プリタイマとは、設定時刻にアクションが終了するように調整された機能をいう。ポストタイマとは、設定時刻にアクションが開始するように調整された機能をいう。プリポストタイマとは、設定時刻を境にプリタイマとポストタイマの両者に対応する動作を連続して実行するように調整された機能をいう。本発明は、設定時刻とアクションとを設定可能なタイマ機能を搭載した時計に適用可能である。
【解決手段】 タイマ機能として、次のプリタイマ、ポストタイマ、および、プリポストタイマを時計に搭載させる。プリタイマとは、設定時刻にアクションが終了するように調整された機能をいう。ポストタイマとは、設定時刻にアクションが開始するように調整された機能をいう。プリポストタイマとは、設定時刻を境にプリタイマとポストタイマの両者に対応する動作を連続して実行するように調整された機能をいう。本発明は、設定時刻とアクションとを設定可能なタイマ機能を搭載した時計に適用可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法並びにプログラムに関し、特に、設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作が簡単にできるようになった情報処理装置および方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タイマ機能が搭載されている時計は存在する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここでいうタイマ機能とは、ユーザ等により設定された時刻(以下、設定時刻)を、ユーザ等に通知するために所定のアクションを行う、といった機能をいう。
【0004】
また、ここでいうアクションとは、指定された条件をみたしたときに実行する所定の動作をいう。所定の動作の一例として、ベルを鳴らせる動作、コンテンツの再生動作、表示機器を光らせる動作、からくりものを動かせる動作等が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−127726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のタイマ機能は、設定時刻にアクションを開始する機能であった。即ち、従来のタイマ機能では、実行(プレイ)中のアクションをユーザが認識する時点とは、設定時刻が既に過ぎ去った時点になる。従って、ユーザにとっては、従来のタイマ機能を単に利用しただけでは、設定時刻の前に、その設定時刻に近づいていることを認識できず、不便であった。
【0007】
従って、従来、ユーザは、設定時刻に近づいていることを認識するために、本来設定時刻とすべき時刻よりも前の時刻を、設定時刻として設定したり、設定時刻よりも前の時刻を別のタイマの設定時刻として設定する必要があった。かかる設定には、数多くの煩雑なユーザ操作が伴うという問題がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作を簡単にできるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面の情報処理装置は、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有する情報処理装置であって、計時動作を行う計時手段と、前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第1の制御を行うタイマ制御手段とを備える。
【0010】
前記タイマ制御手段は、前記所定のアクションの実行時間長を認識し、前記設定時刻から前記実行時間長だけ前の時刻を前記所定のアクションの開始時刻として演算し、前記計時手段による計時動作の結果である現在時刻が前記開始時刻となったとき、前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行うことができる。
【0011】
前記設定時刻、前記所定のアクションの前記開始時刻、および、前記所定のアクションを特定可能な特定情報を少なくとも記憶する記憶手段をさらに設け、前記タイマ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記設定時刻に基づいて前記開始時刻を演算し、前記開始時刻を前記記憶手段に記憶させる制御をさらに行い、その後、前記記憶手段に記憶された前記開始時刻と前記現在時刻とを比較し、前記開始時刻と前記現在時刻とが一致したとき、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報で特定される前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行うことができる。
【0012】
前記タイマ制御手段は、さらに、前記所定のアクションの開始時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第2の制御を行うことができる。
【0013】
ユーザの操作内容に基づいて、前記設定時刻の設定、前記所定のアクションの設定、および、前記第1の制御と前記第2の制御とのうちの何れの制御を行わせるのかの設定を少なくとも行う設定手段をさらに設け、前記タイマ制御手段は、前記設定手段による設定内容に基づいて、前記第1の制御または前記第2の制御を行うことができる。
【0014】
前記設定手段は、前記所定のアクションの設定として、前記第1の制御と前記第2の制御とのそれぞれについて、第1のアクションと第2のアクションとのそれぞれを個別に設定し、前記タイマ制御手段は、前記第1の制御を行う場合には前記第1のアクションを実行し、前記第2の制御を行う場合には前記第2のアクションを実行することができる。
【0015】
前記設定手段は、前記第1の制御と前記第2の制御とに対して、前記第1の制御の実行後に引き続き前記第2の制御を実行する第3の制御をさらに加えた3つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第3の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第3の制御を行うことができる。
【0016】
前記設定手段は、前記第1の制御乃至前記第3の制御に対して、前記第1のアクションの途中の所定の時点が前記設定時刻となるように前記第1のアクションを実行する第4の制御をさらに加えた4つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第4の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第4の制御を行うことができる。
【0017】
前記タイマ制御手段は、前記第1のアクションの前記所定の時点を決定し、前記第1のアクションの開始時点から前記所定の時点までの時間長を認識し、前記設定時刻から前記時間長だけ前の時刻を前記第1のアクションの開始時刻として演算し、前記現在時刻がその開始時刻となったとき、前記第1のアクションの実行を開始することで、前記第4の制御を行うことができる。
【0018】
前記設定手段は、さらに、実行対象のアクションを、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションから、第3のアクションに切り替える設定を行い、前記タイマ制御手段は、前記第1の制御乃至前記第4の制御のうちの何れかの制御を行っている最中に、前記設定手段により前記第3のアクションに切り替える設定が行われた場合、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションの実行を終了し、前記第3のアクションの実行を開始することができる。
【0019】
前記情報処理装置自身または周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力するセンサ手段をさらに設け、前記タイマ制御手段は、さらに、前記センサ手段から出力された前記所定のレベルがスレッショルドレベルを超えた場合、前記第1の制御乃至前記第4の制御の実行を禁止することができる。
【0020】
本発明の一側面の情報処理方法/プログラムは、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える情報処理装置の情報処理方法/時計を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行うステップを含む。
【0021】
本発明の一側面においては、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える情報処理装置/時計が制御される。即ち、前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御が行われる。
【発明の効果】
【0022】
以上のごとく、本発明の一側面によれば、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を実現できる。特に、設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作が簡単にできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0024】
本発明の一側面の情報処理装置(例えば、図1の外観構成を有し、図2の内部構成を有する時計1)は、
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有する情報処理装置において、
計時動作を行う計時手段(例えば、図2のリアルタイムクロック24)と、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第1の制御(例えば図3のプリタイマを実現させる制御)を行うタイマ制御手段(例えば図2のCPU21)と
を備える。
【0025】
前記タイマ制御手段は、前記所定のアクションの実行時間長(例えば図8のプレイ時間)を認識し、前記設定時刻から前記実行時間長だけ前の時刻を前記所定のアクションの開始時刻として演算し(例えば図8に示されるように演算し)、前記計時手段による計時動作の結果である現在時刻が前記開始時刻となったとき、前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う。
【0026】
前記設定時刻、前記所定のアクションの前記開始時刻、および、前記所定のアクションを特定可能な特定情報を少なくとも記憶する記憶手段(例えば図4のようなレジスタ構成を有する図2のRAM23)をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記設定時刻に基づいて前記開始時刻を演算し、前記開始時刻を前記記憶手段に記憶させる制御をさらに行い、その後、前記記憶手段に記憶された前記開始時刻と前記現在時刻とを比較し、前記開始時刻と前記現在時刻とが一致したとき、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報で特定される前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う。
【0027】
前記タイマ制御手段は、さらに、前記所定のアクションの開始時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第2の制御(例えば図3のポストタイマを実現させる制御)を行う。
【0028】
ユーザの操作内容に基づいて、前記設定時刻の設定、前記所定のアクションの設定、および、前記第1の制御と前記第2の制御とのうちの何れの制御を行わせるのかの設定を少なくとも行う設定手段(例えば図2の操作部13)をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段による設定内容に基づいて、前記第1の制御または前記第2の制御を行う。
【0029】
前記設定手段は、前記所定のアクションの設定として、前記第1の制御と前記第2の制御とのそれぞれについて、第1のアクションと第2のアクションとのそれぞれを個別に設定し、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御を行う場合には前記第1のアクションを実行し、前記第2の制御を行う場合には前記第2のアクションを実行する。
前記設定手段は、前記第1の制御と前記第2の制御とに対して、前記第1の制御の実行後に引き続き前記第2の制御を実行する第3の制御(例えば図3のプリポストタイマを実現させる制御)をさらに加えた3つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第3の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第3の制御を行う。
【0030】
前記設定手段は、前記第1の制御乃至前記第3の制御に対して、前記第1のアクションの途中の所定の時点(例えば後述するクライマックスポイント)が前記設定時刻となるように前記第1のアクションを実行する第4の制御(例えば後述するクライマックスタイマを実現させる制御)をさらに加えた4つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第4の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第4の制御を行う。
【0031】
前記設定手段は、さらに、実行対象のアクションを、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションから、第3のアクション(例えば図4のレジスタ71に記述される番号で特定される代替アクション)に切り替える設定を行い、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御乃至前記第4の制御のうちの何れかの制御を行っている最中に、前記設定手段により前記第3のアクションに切り替える設定が行われた場合、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションの実行を終了し、前記第3のアクションの実行を開始する。
【0032】
前記情報処理装置自身または周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力するセンサ手段(例えば図2のセンサ部25)をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、さらに、前記センサ手段から出力された前記所定のレベルがスレッショルドレベルを超えた場合、前記第1の制御乃至前記第4の制御の実行を禁止する。
【0033】
本発明の一側面の情報処理方法/プログラムは、
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段(例えば、図2のリアルタイムクロック24)を少なくとも備える情報処理装置/時計(例えば、図1の外観構成を有し、図2の内部構成を有する時計1)の情報処理方法/それを制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行う(例えば図5のタイマ付き時計の処理であって、具体的にはステップS7の切り換え処理でプリタイマ機能の設定を行い、かかるプリタイマ機能が動作状態となるようにした後、ステップS2のアクションプレイ処理実行する制御を行う)
ステップを含む。
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
図1は、本発明を適用した情報処理装置としてのタイマ機能付き時計(以下、単に時計と称する)の外観の構成例を示す図である。
【0036】
図1の例の時計1は、例えばリストバンド等を装着することで、腕時計として機能させることができる。腕時計として機能している時計1がユーザ(人間)の腕にはめられた場合、ユーザが見る面(図1に示される面であって、以下表面と称する)には、例えばスピーカ等で構成される音声出力部11−1,11−2、例えば低温ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)型のLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示部12、および、例えばタクトスイッチ等で構成される操作部13−1乃至13−4が設けられている。
【0037】
なお、以下、音声出力部11−1,11−2のそれぞれを、個々に区別する必要が無い場合、それらをまとめて音声出力部11と称する。同様に、操作部13−1乃至13−4のそれぞれを、個々に区別する必要が無い場合、それらをまとめて操作部13と称する。
【0038】
図2は、図1の外観構成を有する時計1の内部のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0039】
図2の例では、時計1には、上述した音声出力部11乃至操作部13の他、CPU21乃至センサ部25が設けられている。
【0040】
CPU21は、ROM22からRAM23にロードされた各種プログラムに従って各種処理を実行する。その際、CPU21は、ユーザによる操作部13の操作内容を適宜利用して、各種処理を実行する。これにより、時計1全体の動作が制御される。RAM23にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0041】
具体的には例えば本実施の形態では、本発明が適用されるタイマ機能(かかるタイマ機能については、図3等を参照して後述する)で利用されるアクションを実行するためのプログラム(以下、アクション実行ソフトウエア)がROM22に格納されている。
【0042】
この場合、CPU21は、本発明が適用されるタイマ機能を実現するために、所定のタイミング(かかるタイミングについては後述する)になると、所定のアクション実行ソフトウエアを、ROM22からRAM23にロードして実行することで、所定のアクションを実行可能なファイル(以下、アクションファイルと称する)を再生する。これにより、所定のアクションが行われることになる。
【0043】
具体的には例えばアクションとしてコンテンツの再生動作が採用されている場合には、コンテンツの再生を制御するプログラムがアクション実行ソフトウエアである。また、そのコンテンツに対応する動画やオーディオのファイル、或いはFlashやMIDIファイル、テキストファイル、音声合成記号列ファイル等がアクションファイルである。なお、例えば本実施の形態では、7つのアクションファイルがRAM23に格納されている(後述する図4のアクションファイル記憶領域81参照)。
【0044】
この場合、CPU21は、かかるアクション実行ソフトウエアを実行することで、所定のアクションファイルの再生を行う。即ち、アクションファイルに画像ファイルが含まれている場合には、CPU21は、その画像ファイルに対応する画像を表示部12に表示させる制御を行う。また、オーディオファイル、Flashファイル、MIDIファイル等の音のファイルが含まれている場合には、CPU21は、その音のファイルに対応する音を、音声出力部11から出力させる制御を行う。即ち、音声出力部11や表示部12が、コンテンツ再生というアクション(音の出力動作と画像の表示動作からなるアクション)を実行するといえる。
【0045】
リアルタイムクロック24は、図示はしないが例えば発振回路やカウンタ等を内蔵しており、所定の基準時刻から計時動作(時を刻む動作)を開始し、その計時動作の結果、即ち、現在時刻を示す情報(以下、時刻情報と称する)を必要に応じてCPU21に提供する。
【0046】
センサ部25は、温度センサ、明るさセンサ、加速度(振動)センサ、圧力センサ等の1以上のセンサで構成される。ここで、センサとは、時計1自身またはその周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力する機器であれば足り、何れの状態を検出するのかについては特に限定されない。各センサからの出力レベルはCPU21に提供される。
【0047】
以上、図2を参照して、時計1のハードウエア構成例について説明した。
【0048】
ここで、図3を参照して、図2の時計1に搭載されているタイマ機能、即ち、本発明が適用されるタイマ機能(以下、本発明のタイマ機能と称する)の例について説明する。
【0049】
本発明のタイマ機能とは、図3に示されるように、プリタイマを少なくとも有する機能である。例えば本実施の形態では、本発明のタイマ機能として、プリタイマに加えてさらに、図3に示されるポストタイマやプリポストタイマ、後述するクライマックスタイマ等の複数の機能をあわせもったタイマ機能が採用されている。
【0050】
プリタイマとは、設定時刻にアクションの実行が終了する(対応するアクションファイルの再生が終了する)ように調整された機能をいう。
【0051】
即ち、プリタイマにおけるアクションの実行が開始される時刻(以下、アクション開始時刻と称する)は、設定時刻よりも前の時刻になる。従って、ユーザは、このプリタイマにより実行されるアクションを、設定時刻前に認識することで、その設定時刻に近づいていることを認識することができる。
【0052】
ここで注目すべき点は、アクション開始時刻は時計1により演算されるので(かかる演算の手法については図8等を参照して後述する)、プリタイマの設定に必要なユーザ操作は、単に設定時刻等の必要最低限な事項の設定操作だけで済むという点である。即ち、ユーザは、単に設定時刻等の必要最低限な事項の設定操作といった簡単な操作を行うだけで、その設定時刻に近づいていることを認識することができる点である。
【0053】
ポストタイマとは、上述した従来のタイマ機能と同様の機能であり、設定時刻にアクションが開始する(対応するアクションファイルの再生が開始する)ように調整された機能をいう。
【0054】
プリポストタイマとは、プリタイマとポストタイマとを併せた機能、即ち、設定時刻を境に、プリタイマによる第1のアクションと、ポストタイマによる第2のアクションとが連続して実行されるように調整された機能をいう。即ち、プリポストタイマが実現された場合には、設定時刻よりも前に第1のアクションが開始して設定時刻になると終了し(対応する第1のアクションファイルの再生が開始して設定時刻になると終了し)、それとほぼ同時に(設定時刻になると)、第2のアクションが開始する(対応する第2のアクションファイルの再生が開始する)ことになる。
【0055】
かかる本発明のタイマ機能を実現するために、図2のRAM23には、例えば図4に示されるように、レジスタ51乃至78、および、アクションファイル記憶領域81が設けられている。なお、以下、レジスタ51乃至78およびアクションファイル記憶領域81以外の領域を、図4の記載とあわせて、その他記憶領域82と称する。
【0056】
レジスタ51には、動作モードが記述される。例えば本実施の形態では、動作モードとして、現在時刻を表示部12(図2)に表示させる通常の動作モード(以下、ノーマルモードと称する)、計時動作を行う際の基準時刻(計時動作の開始時刻、即ち、計時動作開始時の現在時刻)を設定するための動作モード(以下、タイムセットモードと称する)、本発明のタイマ機能を実現させるために必要な各種設定(例えば、設定時刻の設定や、後述するモードの設定)を行うための動作モード(以下、タイマセットモードと称する)、センサ部25を構成する各センサの各種設定を行うための動作モード(以下、センサセットモードと称する)、並びに、現在時刻の表示動作と本発明のタイマ機能の実現動作との両動作(ただし、アクションに画像表示動作が含まれる場合、現在時刻の表示動作は行われない場合もある)を行う動作モード(以下、並列動作モードと称する)が用意されている。
【0057】
具体的には例えば、レジスタ51は、次のようなレジスタ51−1乃至51−5から構成されている。
【0058】
レジスタ51−1には、ノーマルモードが動作状態であるのか非動作状態であるのかを示すビット(以下、かかるビットを動作状態ビットと称する)が記述される。
【0059】
レジスタ51−2には、タイムセットモードについての動作状態ビットが記述される。
【0060】
レジスタ51−3には、タイマセットモードについての動作状態ビットが記述される。
【0061】
レジスタ51−4には、センサセットモードについての動作状態ビットが記述される。
【0062】
レジスタ51−5は、次のようなレジスタ51−5−1,51−5−2から構成される。
【0063】
レジスタ51−5−1は、本発明のタイマ機能で動作対象とされるアクションについての情報として、その動作状態または非動作状態を示す動作状態ビットと、そのアクション番号とがそれぞれ記述される。なお、ここでいう動作状態とは、動作対象のアクションのプレイ中またはプレイ開始が可能な状態をいう。従って、それ以外の状態が、ここでいうアクションの非動作状態である。また、ここでいうアクション番号とは、本実施の形態では、後述するアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの動作対象として選択されたアクションファイルに付されている番号、即ち、1乃至7のうちの所定の1つをいう。
【0064】
レジスタ51−5−2は、動作対象のアクションのプレイ位置を時間で指定する情報(以下、プレイポインタと称する)が記述される。
【0065】
レジスタ52には、図2のリアルアイムクロック24からの時刻情報で特定される時刻、即ち、現在時刻が記述される。
【0066】
レジスタ53には、直近のイベント(アクション)の時刻が記述される。即ち、例えば本実施の形態では、3つのタイマ(以下、それぞれタイマ1、タイマ2、およびタイマ3と称する)が使用可能とされており、タイマ1乃至3についての各設定時刻のうちの、現在時刻以後で最も近い設定時刻が記述される。なお、以下、かかるレジスタ53に記述される設定時刻を、直近イベント時刻と称する。
【0067】
レジスタ54乃至58には、タイマ1についての設定内容(タイマセットモードにおいて設定された内容や、その内容に基づいて図2のCPU21により生成された情報)が記述される。レジスタ59乃至63には、タイマ2についての設定内容が記述される。レジスタ64乃至68には、タイマ3についての設定内容が記述される。
【0068】
具体的には、レジスタ54,59,64のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての設定時刻が記述される。
【0069】
レジスタ55,60,65のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、プリタイマのアクション開示時刻(またはプリポストタイマのうちの、プリタイマによる第1のアクションのアクション開始時刻)が記述される。なお、プリタイマのアクション開示時刻は、図2のCPU21の処理(後述する図7のTime set処理Sd3)により演算されるが、その演算手法については後述する。
【0070】
レジスタ56,61,66のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、プリタイマのアクションの番号(またはプリポストタイマのうちの、プリタイマの第1のアクショの番号)が記述される。例えば本実施の形態では、後述するアクションファイル記憶領域81には、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97が格納されているので、1乃至7のうちの何れかの番号が記述される。なお、以下、かかるレジスタ56,61,66に記述される番号を、プリタイマアクション番号と称する。
【0071】
レジスタ57,62,67のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、ポストタイマのアクションの番号(またはプリポストタイマのうちの、ポストタイマの第2のアクションの番号)が記述される。例えば本実施の形態では、後述するアクションファイル記憶領域81には、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97が格納されているので、1乃至7のうちの何れかの番号が記述される。なお、以下、かかるレジスタ57,62,67に記述される番号を、ポストタイマアクション番号と称する。
【0072】
レジスタ58,63,68のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、動作モード(以下、タイマ動作モードと称する)が記述される。具体的には例えば本実施の形態では、タイマのモードとして、タイマを動作させないモード(以下、オフモードと称する)、プリタイマを動作させるモード(以下、プリタイマ動作モードと称する)、ポストタイマを動作させるモード(以下、ポストタイマ動作モードと称する)、プリポストタイマを動作させるモード(以下、プリポストタイマ動作モードと称する)、および、クライマックスタイマ動作モード(かかるモードについては、後述する図7のTimer mode set処理Sd4の説明と併せて説明する)といった5種類のモードが存在する。即ち、これらの5種類のモードのうちの、タイマ1,2,3のそれぞれについて設定された種類のモードが、レジスタ58,63,68のそれぞれに記述されることになる。その他、必要に応じて、エフェクト設定等が、レジスタ58,63,68のそれぞれに記述される。ただし、エフェクト設定については、後述する図7のTimer mode set処理Sb4の説明と併せて説明する。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態では、3つのタイマ1乃至3が使用可能とされているため、RAM23には、タイマ1乃至3についての各設定内容が記述されるレジスタ54乃至68が設けられている。ただし、使用するタイマの個数は特に3個に限定されず任意の個数でよく、例えば3個以上のタイマが使用できる場合には、単に、そのタイマの個数分だけのレジスタをRAM23に追加すればよい。
【0074】
レジスタ69には、図2のセンサ部25を構成する各センサのうちの所定の1つについての情報、例えばスレッショルド値(閾値)や各種設定値等が記述される。レジスタ70には、図2のセンサ部25を構成するセンサのうちの別の1つについての情報、例えばスレッショルド値や各種設定値等が記述される。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態では、所定のセンサについてのスレッショルド値等を記述するためのレジスタが2つ設けられている。ただし、かかるレジスタの個数は特に2つに限定されず、センサ部25を構成するセンサの総数に応じて自在に増減可能である。
【0076】
レジスタ71には、代替アクションの番号が記述される。代替アクションとは、次のようなアクションをいう。即ち、本実施の形態では、ユーザが所定の操作を行うことで、例えば図1の操作部13−1乃至13−4のうちの所定の1つをワンタッチする操作を行うことで、プレイ(動作)対象のアクションを、プレイ中の第1のアクションから、別の第2のアクションに切り替える機能(かかる機能の詳細については後述する)が、時計1に搭載されている。本明細書では、かかる第2のアクションを、代替アクションと称している。
【0077】
レジスタ72乃至78のそれぞれには、RAM23の後述するアクションファイル記憶領域81における、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のそれぞれのスタートアドレス(ファイルの先頭部分が格納されるアドレス)が記述される。
【0078】
また、アクションファイル記憶領域81は、所定のアクションに対応するアクションファイルが1以上記憶される領域である。本実施の形態では、上述したように、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97といった7つのアクションファイルがアクションファイル記憶領域81に予め記憶されている。
【0079】
次に、図5を参照して、図2の時計1のCPU21が実行する処理のうちのタイマ機能に関連する処理(以下、タイマ機能付き時計の処理と称する)の一例について説明する。
【0080】
なお、本実施の形態では、ROM22には、後述する各ステップS1乃至S8のそれぞれの処理を実現可能なプログラムモジュールが1つずつ格納されており、CPU21が、各ステップS1乃至S8のそれぞれの処理を実行するときに、対応するプログラムモジュールをROM22からRAM23のその他記憶領域82(図4)にロードして実行するとする。
【0081】
ステップS1において、CPU21は、アクションプレイ処理を実行するか否かを判断する。
【0082】
かかるステップS1の判定処理の条件は特に限定されないが、例えば本実施の形態では次の条件が採用されているとする。即ち、アクションプレイ処理を実行する条件として、上述した図4のレジスタ51−5−1に、実行対象のアクションが動作状態であるという記述がなされているという条件が本実施の形態では採用されているとする。
【0083】
従って、本実施の形態では、レジスタ51−5−1に動作状態と記述されている場合(動作状態ビットが立っている場合)には、ステップS1においてYESであると判定されて、ステップS2においてアクションプレイ処理が実行された後、処理はステップS3に進むことになる。ただし、アクションプレイ処理については、図9を参照して後述する。
【0084】
これに対して、レジスタ51−5−1に非動作状態と記述されている場合(動作状態ビットがおりている場合)には、ステップS1においてNOであると判定されて、ステップS2のアクションプレイ処理は実行されずに、処理はステップS3に進むことになる。
【0085】
ステップS3において、CPU21は、動作モード、即ち、レジスタ51(図4)の記述内容を確認する。
【0086】
ステップS4において、CPU21は、操作部13とセンサ部25(図2)の状況を確認する。ここで、操作部13の状況とは、例えば、ユーザによる操作部13の操作が行われているのか否か、行われている場合にはその操作内容は如何なる内容であるのかといった状況をいう。また、センサ部25の状況とは、センサ部25を構成する各センサの出力状況、例えば、その出力レベル(出力値)が、スレッショルドレベル(レジスタ69または70の記述値)を超えているか否かといった状況等をいう。
【0087】
ステップS5において、CPU21は、現在時刻を取得する。例えば、本実施の形態では、このタイマ機能付き時計の処理とは独立して、次のような一連の処理が実行されているとする。即ち、リアルタイムクロック24(図2)は、時刻情報をCPU21に周期的に提供してくる。そこで、CPU21は、時刻情報が提供される毎に、その時刻情報で特定される時刻を、現在時刻としてレジスタ52(図4)に記述する。その際、動作モードがノーマルモード等である場合には、CPU21は、現在時刻を示す画像を表示部12(図2)に表示させる制御を行う。本実施の形態では、このような一連の処理が実行されているので、ステップS5において、CPU21は、例えばその時点のレジスタ52の記述値を取得することで、現在時刻を取得する。
【0088】
ステップS6において、CPU21は、切り替え処理を実行するか否かを判定する。
【0089】
かかるステップS6の判定処理の条件は特に限定されないが、例えば本実施の形態では次の条件が採用されているとする。即ち、切り替え処理を実行する条件として、直前のステップS4で確認した状態が、それよりも1つ前の回のステップS4で確認した状態と変化しているという条件や、直前のステップS5の処理で取得された現在時刻が所定の時刻になったという条件等が本実施の形態では採用されているとする。ただし、センサ部25(図2)を構成する各センサの出力レベルは変化していることが多いので、本実施の形態では、各センサのうちの所定の1つの出力レベル(出力値)が、スレッショルドレベル(図4のレジスタ69または70の記述値)以下(または未満)の場合には、センサ部25の状態は変化せず、スレッショルド値を超えた(または以上の)場合に、センサ部25の状態が変化したとみなすとする。
【0090】
ステップS6において、かかる条件が満たされて、切り替え処理を実行すると判定された場合、ステップS7において、切り替え処理が実行される。そして、その切り替え処理が終了した後、処理はステップS8に進むことになる。ただし、切り替え処理については、図6と図7を参照して後述する。
【0091】
これに対して、ステップS6において、かかる条件が満たされずに切り替え処理を実行しないと判定された場合、ステップS7の切り替え処理は実行されずに、処理はステップS8に進むことになる。
【0092】
ステップS8において、CPU21は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
【0093】
ステップS8において、処理の終了がまだ指示されていないと判定された場合、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0094】
これに対して、処理の終了が指示されたと判定された場合、このタイマ機能付き時計の処理は終了となる。
【0095】
次に、図6を参照して、図5のステップS7の切り換え処理の詳細例について説明する。
【0096】
本実施の形態では、切り替え処理は、図6に示されるように、選択処理Sa乃至終了処理Siから構成されている。換言すると、本実施の形態では例えば、ROM22(図2)には、選択処理Sa乃至終了処理Siのそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールが1つずつ格納されており、CPU21が、選択処理Sa乃至終了処理Siのそれぞれの処理を実行するときに、対応する小プログラムモジュールをROM22からRAM23のその他記憶領域82(図4)にロードして実行するとする。この場合、選択処理Sa乃至終了処理Siのそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールの集合体が、ステップS7の切り換え処理を実現可能なプログラムモジュールとなる。
【0097】
選択処理Saとは、直前のステップS3(図5)の処理で確認された動作モード、直前のステップS4の処理で確認された状態、および、直前のステップS5の処理で取得された現在時刻等に基づいて、Mode change処理Sb乃至Sensor set処理Shのうちの所定の1つを実行対象処理として選択し、その実効対象処理を開始させる、といった処理をいう。
【0098】
Mode change処理Sbとは、動作モードを切り換え、その結果をレジスタ51(図4)に記述する(レジスタ51の記述内容を更新する)、といった処理をいう。
【0099】
Time set処理Scとは、動作モードがタイムセットモードのときに実行される処理であって、リアルタイムクロック24(図2)の計時動作の基準時刻(計時動作の開始時刻、即ち、計時動作開始時の現在時刻)を設定する、といった処理をいう。
【0100】
Timer set処理Sdとは、動作モードがタイマセットモードのときに実行される処理であって、本発明のタイマ機能(上述した図3参照)を実現させるために必要な各種設定を行う、といった処理をいう。Timer set処理Sdの詳細については、図7を参照して後述する。
【0101】
Action start処理Seとは、例えば動作モードが並列動作モードであって、現在時刻が直近イベント時刻よりも所定の時間だけ前の時刻(具体的には例えば3分前の時刻等)になったときに実行される処理であって、レジスタ51−5−1(図4)に対して、動作状態を示す情報を記述し(動作状態ビットを立て)、かつ、動作対象のアクション番号を記述する、といった処理をいう。
【0102】
例えば本実施の形態では、動作対象のアクション番号とは、タイマ1乃至3のうちの、直近イベント時刻で特定されるタイマ(設定時刻が直近イベント時刻となっているタイマ)に設定されているアクション番号であって、そのタイマ動作モードがプリタイマ動作モードまたは後述するクライマックスタイマ動作モードの場合には、プリタイマアクション番号であり、そのタイマ動作モードがポストタイマ動作モードの場合には、ポストタイマアクション番号であり、そのタイマ動作モードがプリポストタイマ動作モードの場合には、プリタイマアクション番号とポストタイマアクション番号との両番号である。
【0103】
具体的には例えば、直近イベント時刻で特定されるタイマがタイマ1であるとする。即ち、図4のレジスタ53と54の記述値が同一であるとする。この場合、そのタイマ動作モード(レジスタ58の記述値)がプリタイマ動作モードまたは後述するクライマックスタイマ動作モードのときには、Action start処理Seにより、レジスタ56の記述値であるプリタイマアクション番号が、動作対象のアクション番号としてレジスタ51−5−1に記述される。一方、タイマ動作モードがポストタイマ動作モードのときには、Action start処理Seにより、レジスタ57の記述値であるポストタイマアクション番号が、動作対象のアクション番号としてレジスタ51−5−1に記述される。また、タイマ動作モードがプリポストタイマ動作モードのときには、Action start処理Seにより、レジスタ56の記述値であるプリタイマアクション番号とレジスタ57の記述値であるポストタイマアクション番号との両番号が、動作対象のアクション番号としてレジスタ51−5−1に記述される。
【0104】
Action end処理Sfとは、例えば、センサ部25(図2)を構成する各センサのうちの所定の1つの出力レベル(出力値)がスレッショルドレベル(図4のレジスタ69または70の記述値)を超えた場合(または以上の場合)や、所定のアクションが終了した場合等に実行される処理であって、レジスタ51−5−1(図4)に対して、非動作状態を示す情報を記述する(動作状態ビットを下ろす)、といった処理をいう。
【0105】
このように、本実施の形態では、Action end処理Sfが実行可能とされているので、センサ部25がその週囲の状況を把握し、そのセンサ部25の状態によって、アクションのプレイ(動作)を禁止することができる。その結果、時計1の無駄な電力を削減できる効果や、音を出力するアクションが採用されている場合には、その音声の出力禁止により近所迷惑を防止できる効果等を奏することが可能になる。
【0106】
Action change処理Sgとは、例えば、所定のアクションのプレイ(動作)中にユーザが操作部13(図1や図2)をワンタッチ操作することで、代替アクションのプレイを指令してきた場合等に実行される処理であって、レジスタ51−5−1(図4)における動作対象のアクション番号を、これまでプレイ中であったアクションのアクション番号から代替アクション番号(レジスタ71の記述値)に変更し、かつ、レジスタ51−5−2に対して、残時間(現在時刻から、これまでプレイ中であったアクションの終了予定時刻までの時間)の位置から代替アクションが開始されるようにプレイポインタを設定する(そのような値を記述する)、といった処理をいう。
【0107】
このように本実施の形態では、ユーザは、所定のアクションのプレイ中にワンタッチ操作を行うだけで、プレイ対象のアクションを、所定のアクションから代替アクションに切り換えることができる。具体的には例えば、所定のアクションとして、時間のカウントダウンを動画像として表示部12(図2)に表示させるアクションがプレイされている最中に、ユーザは、ワンタッチ操作を行うだけで、時間のカウントダウンを音声で告知する代替アクションに切り替えることができる。この場合、ユーザは、設定時刻までの残時間をより直接的に認知できたり、気分を変えたりできる、といった様々な効果を奏することが可能になる。
【0108】
Sensor set処理Shとは、動作モードがセンサセットモードのときに実行される処理であって、図2のセンサ部25を構成する各センサの各種設定を行ったり、スレッショルドレベルの設定(図4のレジスタ69,70の記述値の更新)を行う、といった処理をいう。
【0109】
終了処理Siとは、以上説明したMode change処理Sb乃至Sensor set処理Shが終了した場合、必要に応じて所定の処理を実行した後、切り替え処理全体が終了したことを通知する、といった処理をいう。即ち、この終了処理Siによる通知が行われると、図5のステップS7の処理は終了となり、処理はステップS8に進むことになる。
【0110】
なお、以上説明したMode change処理Sb乃至Sensor set処理Shのそれぞれは、図2の操作部13のユーザ操作内容に従って行うこともできるし、CPU21自身の判断で(自動的に)行うこともできる。
【0111】
次に、図7を参照して、図6のTimer set処理Sdの詳細例について説明する。
【0112】
本実施の形態では、Timer set処理Sdは、図7に示されるように、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10から構成されている。換言すると、本実施の形態では例えば、ROM22(図2)には、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10のそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールが1つずつ格納されており、CPU21が、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10のそれぞれの処理を実行するときに、対応する小プログラムモジュールをROM22からRAM23のその他記憶領域82(図4)にロードして実行するとする。この場合、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10のそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールの集合体が、Timer set処理Sdを実現可能なプログラムモジュールとなる。
【0113】
選択処理Sd1とは、ユーザによる操作部13(図2)の操作内容等に基づいて、Timer No.change処理Sd2乃至Action time change処理Sd9のうちの所定の1つを実行対象処理として選択し、その実効対象処理を開始させる、といった処理をいう。
【0114】
Timer No. change処理Sd2とは、このTimer set処理Sdの設定対象のタイマの番号、即ち、本実施の形態ではタイマk(kは、1乃至3のうちの何れかの整数値)のkを選択(更新)する、といった処理をいう。
【0115】
Time set処理Sd3とは、タイマkの設定時刻を設定して、その設定値をレジスタ54,59,64(図4)のうちの対応する1つに記述し、また、タイマkのプリタイマアクション開始時刻を演算し、その演算結果をレジスタ55,60,65のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0116】
なお、プリタイマのアクション開始時刻の演算手法は、特に限定されないが、例えば本実施の形態では、図8に示されるように、設定時刻に対して、実行対象のアクションのプレイ時間分だけ前の時刻(早い時刻)を、アクション開始時刻とする手法、即ち、「アクション開始時刻 = 設定時刻 − プレイ時間」という式に従った演算を行う手法が採用されているとする。
【0117】
この場合、CPU21(図2)は、例えば次のようにして、実行対象のアクションのプレイ時間を取得または演算することができる。
【0118】
即ち、例えば、実行対象のアクションに対応するアクションファイル(本実施の形態では図4の1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つ)が動画やオーディオのファイルの場合、そのヘッダ等に演奏時間長(再生時間長)が記述されているときには、CPU21は、その演奏時間長をプレイ時間として取得できる。また、演奏時間長の記述が無く、ビットレートとファイルサイズがヘッダ等に記述されているときには、CPU21は、(ヘッダ部分を除いたファイルサイズ/ビットレート)を演算し、その演算結果をプレイ時間として採用できる。さらにまた、これらの情報が一切記述されていないときには、CPU21は、そのアクションファイルを実際に再生させてみて(ただし、可能な限り高速で再生させるとよい)、その再生時間を計測し、その計測値をプレイ時間として採用できる。
【0119】
また、例えば、実行対象のアクションに対応するアクションファイルがFlashやMIDIファイルの場合には、そのヘッダ等に演奏時間長が記述されているときには、CPU21は、その演奏時間長をプレイ時間として取得できる。また、演奏時間長が記述されていないときには、CPU21は、そのアクションファイルを実際に再生させてみて(ただし、可能な限り高速で再生させるとよい)、その再生時間を計測し、その計測値をプレイ時間として採用できる。或いは、実行対象のアクションに対応するアクションファイルが特にMIDIファイルの場合には、CPU21は、演奏スピードに関わる全パラメータをチェックし、そのチェック結果に基づいて演奏時間を算出し、その算出結果をプレイ時間として採用することもできる。
【0120】
図7に戻り、Timer mode set 処理Sd4とは、タイマkのタイマ動作モードとして、上述した5種類のモード、即ち、オフモード、プリタイマ動作モード、ポストタイマ動作モード、プリポストタイマ動作モード、および、クライマックスタイマ動作モードのうちの所定の1種類を設定して、その設定モードをレジスタ58,63,68(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0121】
ここで、クライマックスタイマ動作モードとは、次のようなクライマックスタイマと称する機能を動作させるモードをいう。即ち、クライマックスタイマとは、プリタイマの特別な一形態をいい、具体的には、通常形態のプリタイマのように設定時刻にアクションが終了するのではなく、そのアクションのクライマックスポイントが設定時刻になるように調整する機能をいう。
【0122】
なお、このクライマックスタイマ動作モードが設定されている場合には、上述したTime set処理Sd3によるアクション開始時刻の演算手法で利用されるプレイ時間とは、アクションの開始時刻から、クライマックスポイントの時刻までの時間となる。
【0123】
また、クライマックスポイントの設定手法は特に限定されず、例えば次のような手法を採用することができる。即ち、例えば音声出力のアクションの場合には、CPU21が音量の一番大きいポイント等をクライマックスポイントとして自動検出して設定する、といった手法を適用することができる。ここで、自動(或いは自動的)とは、CPU21がユーザ操作(トリガ操作除く)を介在することなく自分自身の判断で処理を実行することをいう。
【0124】
さらに、CPU21は、かかる手法を利用してクライマックスポイントを設定した後に、そのクライマックスポイントを修正することもできる。この場合、その修正手法も特に限定されず、例えば次のような手法を採用することができる。即ち、音量が一番大きいポイント(最初にクライマックスポイントとして設定されるポイント)を基準ポイントとして、その基準ポイントから順にm番目(mは2以上の任意の整数値)までの音量のm個のポイントを検出し、m個のポイントの中から所定の1つを選択して設定する、という手法を採用することができる。また、クライマックスポイントをアクションプレイ中の経過時間で表示し、その時間を修正する、という手法も採用することができる。
【0125】
また、以上説明したTimer mode set 処理Sd4には、必要に応じて、フェードイン、フェードアウト、リバーブ付フェードイン、リバーブ付フェードアウトなどのエフェクト設定を行い、そのエフェクト設定の内容をレジスタ58,63,68(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理も含まれる場合もある。
【0126】
Pre Action No. set 処理Sd5とは、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つを、タイマkのプリタイマのアクションファイルとして設定し、設定されたアクションファイルの番号をプリタイマアクション番号として、レジスタ56,61,66(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0127】
なお、このPre Action No. set 処理Sd5により設定されたアクションファイルが、上述したTime set処理Sd3による、タイマkのプリタイマのアクション開始時刻の演算対象となる。即ち、このPre Action No. set 処理Sd6により設定されたアクションファイルから、上述したプレイ時間が取得または演算される。
【0128】
Post Action No. set 処理Sd6とは、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つを、タイマkのポストタイマのアクションファイルとして設定し、設定されたアクションファイルの番号をポストタイマアクション番号として、レジスタ57,62,67(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0129】
Change Action No. set 処理Sd7とは、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つを、代替アクションファイルとして設定し、設定された代替アクションファイルの番号を、レジスタ71(図4)に代替アクション番号として記述する、といった処理をいう。
【0130】
Change Action mode set 処理Sd8とは、レジスタ71の記述値である代替アクション番号を固定(指定された番号)とするのか、或いは、可変するのかを選択する、といった処理をいう。具体的には例えば、代替アクション番号を指定のものにするか、或いは、シャッフルして自動的に代替アクション番号を変更するかを選択する、といった処理が、Change Action mode set 処理Sd8として実行される。
【0131】
Action time change 処理Sd9とは、タイマkのアクションのプレイ時間の長さを変更でき、プリタイマに対応したアクションのプレイ時間の長さを変更した場合は、変更後のプレイ時間に基づいてプリタイマのアクション開始時刻を更新し、その更新値をレジスタ55,60,65のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。また、プレイ時間の長さ変更後におけるアクションのプレイ方法の設定、具体的には例えば、プレイ時間の長さを変更した分だけプレイ速度を変更したり、プレイ時間の長さをオリジナルより短い時間に設定した場合にはアクションの途中からプレイを開始させたり或いは終了させる、といった様々な設定を行い、その設定内容をRAM23内の所定のレジスタ(図4には図示せず)に記述する、といった処理も、Action time change 処理Sd9に含まれる場合がある。
【0132】
終了処理Sd10とは、以上説明したTimer No. change処理Sd2乃至Action time change 処理Sd9が終了した場合、必要に応じて所定の処理を実行した後、Timer set処理Sd全体が終了したことを、図6の終了処理Siに通知する、といった処理をいう。
【0133】
なお、以上説明したTimer No. change処理Sd2乃至Action time change 処理Sd9のそれぞれは、図2の操作部13のユーザ操作内容に従って行うこともできるし、CPU21自身の判断で(自動的に)行うこともできる。
【0134】
前者の場合、即ち、操作部13のユーザ操作内容に従ってTimer No. change処理Sd2乃至Action time change 処理Sd9が行われる場合、ユーザの視点に立つと、ユーザにとっては、アクションのプレイ時間等を特に気にすることなく容易にタイマのセット操作ができる、という効果を奏することが可能になる。
【0135】
次に、図9のフローチャートを参照して、図5のステップS2のアクションプレイ処理の詳細例について説明する。
【0136】
ステップS21において、図2のCPU21は、図4のレジスタ58,63,68のうちの対応する1つの記述値を参照することで、タイマ動作モードがオフモードであるか否かを判定する。
【0137】
オフモードに設定されている場合、ステップS21においてYESであると判定されて、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0138】
これに対して、オフモード以外のタイマ動作モードが設定されている場合、ステップS21においてNOであると判定されて、処理はステップS22に進む。ステップS22において、CPU21は、アクションプレイ中であるか否かを判定する。
【0139】
ステップS22において、アクションプレイ中であると判定された場合、処理はステップS27に進む。ただし、ステップS27以降の処理については後述する。
【0140】
これに対して、ステップS22において、アクションプレイ中ではないと判定された場合、処理はステップS23に進む。ステップS23において、CPU21は、図4のレジスタ58,63,68のうちの対応する1つの記述値を参照することで、タイマ動作モードがポストタイマ動作モードであるか否かを判定する。
【0141】
ポストタイマ動作モードに設定されている場合、ステップS23においてYESであると判定されて、処理はステップS24に進む。
【0142】
ステップS24において、CPU21は、直前のステップS5(図5)の処理で取得された現在時刻が、設定時刻となったか否かを判定する。
【0143】
ステップS24において、現在時刻がまだ設定時刻となっていないと判定された場合、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0144】
これに対して、ステップS24において、現在時刻が設定時刻となったと判定された場合、処理はステップS25に進む。ステップS25において、CPU21は、アクションを開始させる。即ち、CPU21は、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至97のうちの、図4のレジスタ51−5−1に記述されている番号のアクションファイルの再生を開始する。これにより、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0145】
ステップS23の処理の説明に戻り、プリタイマ動作モード、プリポストタイマ動作モード、または、クライマックスタイマ動作モードに設定されている場合、ステップS23においてNOであると判定されて、処理はステップS26に進む。
【0146】
ステップS26において、CPU21は、直前のステップS5(図5)の処理で取得された現在時刻が、アクション開始時刻となったか否かを判定する。
【0147】
なお、ここで注意すべき点は、プリポストタイマ動作モードの場合には、アクション開始時刻には、プリタイマの第1のアクションについての第1のアクション開始時刻と、ポストタイマの第2のアクションについての第2のアクション開始時刻とが存在し、第2のアクション開始時刻は設定時刻となる、という点である(上述した図3参照)。
【0148】
ステップS26において、現在時刻がまだアクション開始時刻となっていないと判定された場合、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0149】
これに対して、ステップS26において、現在時刻がアクション開始時刻となったと判定された場合、処理はステップS25に進む。ステップS25において、CPU21は、アクションを開始させる。即ち、CPU21は、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至97のうちの、図4のレジスタ51−5−1に記述されている番号のアクションファイルの再生を開始する。これにより、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0150】
ステップS22の説明に戻り、アクションプレイ中である場合には、上述したように、ステップS22の処理でYESであると判定されて、処理はステップS27に進む。ステップS27において、CPU21は、図2のセンサ部25の各センサの出力値(出力レベル)が閾値(図4のレジスタ69または70の記述値であるスレッショルドレベル)を超えたか否かを判定する。
【0151】
ステップS27において、センサの出力値が閾値を超えたと判定された場合、処理はステップS28に進む。ステップS28において、CPU21は、アクションを強制終了、即ち、対応するアクションファイルの再生を強制終了させる。これにより、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0152】
このように、本実施の形態では、アクションプレイ中であっても、センサの出力値が閾値を超えた場合には、そのアクションが強制終了されるので、時計1の無駄な電力を削減できる効果や、音を出力するアクションがプレイ中の場合には、その音声の出力禁止により近所迷惑を防止できる効果等を奏することが可能になる。
【0153】
これに対して、ステップS27において、センサの出力値が閾値を超えていないと判定された場合、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、アクションプレイ中の場合には、センサの出力値が閾値を超えない限り、そのアクションプレイが継続された状態で、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0154】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0155】
即ち、上述した図2は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータの構成の例を示すブロック図である、と捉えることもできる。
【0156】
また、図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。即ち、本発明が適用される情報処理装置の実施の形態は、上述した図2の例に限定されず、様々な実施の形態を取ることが可能であり、かかる様々な実施の形態のうちの所定の1つの構成例が図10に示されている。
【0157】
図10において、CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202、または記憶部208に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)203には、CPU201が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204により相互に接続されている。
【0158】
CPU201にはまた、バス204を介して入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部206、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207が接続されている。CPU201は、入力部206から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU201は、処理の結果を出力部207に出力する。
【0159】
CPU201はまた、図示はしないが内蔵クロックを有し、上述した図2のリアルタイムクロック24と同様の機能を有している。
【0160】
入出力インタフェース205に接続されている記憶部208は、例えばハードディスクからなり、CPU201が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部209は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0161】
また、通信部209を介してプログラムを取得し、記憶部208に記憶してもよい。
【0162】
入出力インタフェース205に接続されているドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部208に転送され、記憶される。
【0163】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図10に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア211、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM202や、記憶部208を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部209を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0164】
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0165】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明が適用される情報処理装置としての時計の外観の構成例を示す図である。
【図2】図1の時計のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明が適用されるタイマ機能、即ち、図2の時計に搭載されているタイマ機能の例を説明する図である。
【図4】図2の時計のRAMの詳細な構成例を示す図である。
【図5】図2の時計、即ち、タイマ機能付き時計の処理の例を説明するフローチャートである。
【図6】図5のステップS7の切り換え処理の詳細例を説明する図である。
【図7】図6の切り換え処理のうちのTimer set処理の詳細例を説明する図である。
【図8】図7のTime set処理の一部として実行される、アクション開始時刻の演算処理に適用可能な演算手法の一例を説明する図である。
【図9】図2のステップS2のアクションプレイ処理の詳細例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明が適用される情報処理装置としてのパーソナルコンピュータのハードウエア構成例、即ち、図2とは異なる例を示す図である。
【符号の説明】
【0167】
1 時計, 11,11−1,11−2 音声出力部, 12 表示部, 13,13−1乃至13−4 操作部, 21 CPU, 22 ROM, 23 RAM23 リアルタイムクロック, 25 センサ部, 51乃至78 レジスタ, 81 アクションファイル記憶領域, 82 その他領域, 91乃至97 アクションファイル, 201 CPU, 202 ROM, 203 RAM, 211 リムーバブルメディア
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法並びにプログラムに関し、特に、設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作が簡単にできるようになった情報処理装置および方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タイマ機能が搭載されている時計は存在する(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ここでいうタイマ機能とは、ユーザ等により設定された時刻(以下、設定時刻)を、ユーザ等に通知するために所定のアクションを行う、といった機能をいう。
【0004】
また、ここでいうアクションとは、指定された条件をみたしたときに実行する所定の動作をいう。所定の動作の一例として、ベルを鳴らせる動作、コンテンツの再生動作、表示機器を光らせる動作、からくりものを動かせる動作等が挙げられる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−127726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のタイマ機能は、設定時刻にアクションを開始する機能であった。即ち、従来のタイマ機能では、実行(プレイ)中のアクションをユーザが認識する時点とは、設定時刻が既に過ぎ去った時点になる。従って、ユーザにとっては、従来のタイマ機能を単に利用しただけでは、設定時刻の前に、その設定時刻に近づいていることを認識できず、不便であった。
【0007】
従って、従来、ユーザは、設定時刻に近づいていることを認識するために、本来設定時刻とすべき時刻よりも前の時刻を、設定時刻として設定したり、設定時刻よりも前の時刻を別のタイマの設定時刻として設定する必要があった。かかる設定には、数多くの煩雑なユーザ操作が伴うという問題がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作を簡単にできるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面の情報処理装置は、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有する情報処理装置であって、計時動作を行う計時手段と、前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第1の制御を行うタイマ制御手段とを備える。
【0010】
前記タイマ制御手段は、前記所定のアクションの実行時間長を認識し、前記設定時刻から前記実行時間長だけ前の時刻を前記所定のアクションの開始時刻として演算し、前記計時手段による計時動作の結果である現在時刻が前記開始時刻となったとき、前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行うことができる。
【0011】
前記設定時刻、前記所定のアクションの前記開始時刻、および、前記所定のアクションを特定可能な特定情報を少なくとも記憶する記憶手段をさらに設け、前記タイマ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記設定時刻に基づいて前記開始時刻を演算し、前記開始時刻を前記記憶手段に記憶させる制御をさらに行い、その後、前記記憶手段に記憶された前記開始時刻と前記現在時刻とを比較し、前記開始時刻と前記現在時刻とが一致したとき、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報で特定される前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行うことができる。
【0012】
前記タイマ制御手段は、さらに、前記所定のアクションの開始時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第2の制御を行うことができる。
【0013】
ユーザの操作内容に基づいて、前記設定時刻の設定、前記所定のアクションの設定、および、前記第1の制御と前記第2の制御とのうちの何れの制御を行わせるのかの設定を少なくとも行う設定手段をさらに設け、前記タイマ制御手段は、前記設定手段による設定内容に基づいて、前記第1の制御または前記第2の制御を行うことができる。
【0014】
前記設定手段は、前記所定のアクションの設定として、前記第1の制御と前記第2の制御とのそれぞれについて、第1のアクションと第2のアクションとのそれぞれを個別に設定し、前記タイマ制御手段は、前記第1の制御を行う場合には前記第1のアクションを実行し、前記第2の制御を行う場合には前記第2のアクションを実行することができる。
【0015】
前記設定手段は、前記第1の制御と前記第2の制御とに対して、前記第1の制御の実行後に引き続き前記第2の制御を実行する第3の制御をさらに加えた3つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第3の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第3の制御を行うことができる。
【0016】
前記設定手段は、前記第1の制御乃至前記第3の制御に対して、前記第1のアクションの途中の所定の時点が前記設定時刻となるように前記第1のアクションを実行する第4の制御をさらに加えた4つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第4の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第4の制御を行うことができる。
【0017】
前記タイマ制御手段は、前記第1のアクションの前記所定の時点を決定し、前記第1のアクションの開始時点から前記所定の時点までの時間長を認識し、前記設定時刻から前記時間長だけ前の時刻を前記第1のアクションの開始時刻として演算し、前記現在時刻がその開始時刻となったとき、前記第1のアクションの実行を開始することで、前記第4の制御を行うことができる。
【0018】
前記設定手段は、さらに、実行対象のアクションを、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションから、第3のアクションに切り替える設定を行い、前記タイマ制御手段は、前記第1の制御乃至前記第4の制御のうちの何れかの制御を行っている最中に、前記設定手段により前記第3のアクションに切り替える設定が行われた場合、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションの実行を終了し、前記第3のアクションの実行を開始することができる。
【0019】
前記情報処理装置自身または周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力するセンサ手段をさらに設け、前記タイマ制御手段は、さらに、前記センサ手段から出力された前記所定のレベルがスレッショルドレベルを超えた場合、前記第1の制御乃至前記第4の制御の実行を禁止することができる。
【0020】
本発明の一側面の情報処理方法/プログラムは、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える情報処理装置の情報処理方法/時計を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行うステップを含む。
【0021】
本発明の一側面においては、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える情報処理装置/時計が制御される。即ち、前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御が行われる。
【発明の効果】
【0022】
以上のごとく、本発明の一側面によれば、設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を実現できる。特に、設定時刻に近づいていることをユーザが認識できるタイマ機能を実現し、かつ、そのタイマ機能に伴うユーザ操作が簡単にできるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0024】
本発明の一側面の情報処理装置(例えば、図1の外観構成を有し、図2の内部構成を有する時計1)は、
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有する情報処理装置において、
計時動作を行う計時手段(例えば、図2のリアルタイムクロック24)と、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第1の制御(例えば図3のプリタイマを実現させる制御)を行うタイマ制御手段(例えば図2のCPU21)と
を備える。
【0025】
前記タイマ制御手段は、前記所定のアクションの実行時間長(例えば図8のプレイ時間)を認識し、前記設定時刻から前記実行時間長だけ前の時刻を前記所定のアクションの開始時刻として演算し(例えば図8に示されるように演算し)、前記計時手段による計時動作の結果である現在時刻が前記開始時刻となったとき、前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う。
【0026】
前記設定時刻、前記所定のアクションの前記開始時刻、および、前記所定のアクションを特定可能な特定情報を少なくとも記憶する記憶手段(例えば図4のようなレジスタ構成を有する図2のRAM23)をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記設定時刻に基づいて前記開始時刻を演算し、前記開始時刻を前記記憶手段に記憶させる制御をさらに行い、その後、前記記憶手段に記憶された前記開始時刻と前記現在時刻とを比較し、前記開始時刻と前記現在時刻とが一致したとき、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報で特定される前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う。
【0027】
前記タイマ制御手段は、さらに、前記所定のアクションの開始時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第2の制御(例えば図3のポストタイマを実現させる制御)を行う。
【0028】
ユーザの操作内容に基づいて、前記設定時刻の設定、前記所定のアクションの設定、および、前記第1の制御と前記第2の制御とのうちの何れの制御を行わせるのかの設定を少なくとも行う設定手段(例えば図2の操作部13)をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段による設定内容に基づいて、前記第1の制御または前記第2の制御を行う。
【0029】
前記設定手段は、前記所定のアクションの設定として、前記第1の制御と前記第2の制御とのそれぞれについて、第1のアクションと第2のアクションとのそれぞれを個別に設定し、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御を行う場合には前記第1のアクションを実行し、前記第2の制御を行う場合には前記第2のアクションを実行する。
前記設定手段は、前記第1の制御と前記第2の制御とに対して、前記第1の制御の実行後に引き続き前記第2の制御を実行する第3の制御(例えば図3のプリポストタイマを実現させる制御)をさらに加えた3つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第3の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第3の制御を行う。
【0030】
前記設定手段は、前記第1の制御乃至前記第3の制御に対して、前記第1のアクションの途中の所定の時点(例えば後述するクライマックスポイント)が前記設定時刻となるように前記第1のアクションを実行する第4の制御(例えば後述するクライマックスタイマを実現させる制御)をさらに加えた4つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第4の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第4の制御を行う。
【0031】
前記設定手段は、さらに、実行対象のアクションを、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションから、第3のアクション(例えば図4のレジスタ71に記述される番号で特定される代替アクション)に切り替える設定を行い、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御乃至前記第4の制御のうちの何れかの制御を行っている最中に、前記設定手段により前記第3のアクションに切り替える設定が行われた場合、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションの実行を終了し、前記第3のアクションの実行を開始する。
【0032】
前記情報処理装置自身または周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力するセンサ手段(例えば図2のセンサ部25)をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、さらに、前記センサ手段から出力された前記所定のレベルがスレッショルドレベルを超えた場合、前記第1の制御乃至前記第4の制御の実行を禁止する。
【0033】
本発明の一側面の情報処理方法/プログラムは、
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段(例えば、図2のリアルタイムクロック24)を少なくとも備える情報処理装置/時計(例えば、図1の外観構成を有し、図2の内部構成を有する時計1)の情報処理方法/それを制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行う(例えば図5のタイマ付き時計の処理であって、具体的にはステップS7の切り換え処理でプリタイマ機能の設定を行い、かかるプリタイマ機能が動作状態となるようにした後、ステップS2のアクションプレイ処理実行する制御を行う)
ステップを含む。
【0034】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
図1は、本発明を適用した情報処理装置としてのタイマ機能付き時計(以下、単に時計と称する)の外観の構成例を示す図である。
【0036】
図1の例の時計1は、例えばリストバンド等を装着することで、腕時計として機能させることができる。腕時計として機能している時計1がユーザ(人間)の腕にはめられた場合、ユーザが見る面(図1に示される面であって、以下表面と称する)には、例えばスピーカ等で構成される音声出力部11−1,11−2、例えば低温ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)型のLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示部12、および、例えばタクトスイッチ等で構成される操作部13−1乃至13−4が設けられている。
【0037】
なお、以下、音声出力部11−1,11−2のそれぞれを、個々に区別する必要が無い場合、それらをまとめて音声出力部11と称する。同様に、操作部13−1乃至13−4のそれぞれを、個々に区別する必要が無い場合、それらをまとめて操作部13と称する。
【0038】
図2は、図1の外観構成を有する時計1の内部のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0039】
図2の例では、時計1には、上述した音声出力部11乃至操作部13の他、CPU21乃至センサ部25が設けられている。
【0040】
CPU21は、ROM22からRAM23にロードされた各種プログラムに従って各種処理を実行する。その際、CPU21は、ユーザによる操作部13の操作内容を適宜利用して、各種処理を実行する。これにより、時計1全体の動作が制御される。RAM23にはまた、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0041】
具体的には例えば本実施の形態では、本発明が適用されるタイマ機能(かかるタイマ機能については、図3等を参照して後述する)で利用されるアクションを実行するためのプログラム(以下、アクション実行ソフトウエア)がROM22に格納されている。
【0042】
この場合、CPU21は、本発明が適用されるタイマ機能を実現するために、所定のタイミング(かかるタイミングについては後述する)になると、所定のアクション実行ソフトウエアを、ROM22からRAM23にロードして実行することで、所定のアクションを実行可能なファイル(以下、アクションファイルと称する)を再生する。これにより、所定のアクションが行われることになる。
【0043】
具体的には例えばアクションとしてコンテンツの再生動作が採用されている場合には、コンテンツの再生を制御するプログラムがアクション実行ソフトウエアである。また、そのコンテンツに対応する動画やオーディオのファイル、或いはFlashやMIDIファイル、テキストファイル、音声合成記号列ファイル等がアクションファイルである。なお、例えば本実施の形態では、7つのアクションファイルがRAM23に格納されている(後述する図4のアクションファイル記憶領域81参照)。
【0044】
この場合、CPU21は、かかるアクション実行ソフトウエアを実行することで、所定のアクションファイルの再生を行う。即ち、アクションファイルに画像ファイルが含まれている場合には、CPU21は、その画像ファイルに対応する画像を表示部12に表示させる制御を行う。また、オーディオファイル、Flashファイル、MIDIファイル等の音のファイルが含まれている場合には、CPU21は、その音のファイルに対応する音を、音声出力部11から出力させる制御を行う。即ち、音声出力部11や表示部12が、コンテンツ再生というアクション(音の出力動作と画像の表示動作からなるアクション)を実行するといえる。
【0045】
リアルタイムクロック24は、図示はしないが例えば発振回路やカウンタ等を内蔵しており、所定の基準時刻から計時動作(時を刻む動作)を開始し、その計時動作の結果、即ち、現在時刻を示す情報(以下、時刻情報と称する)を必要に応じてCPU21に提供する。
【0046】
センサ部25は、温度センサ、明るさセンサ、加速度(振動)センサ、圧力センサ等の1以上のセンサで構成される。ここで、センサとは、時計1自身またはその周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力する機器であれば足り、何れの状態を検出するのかについては特に限定されない。各センサからの出力レベルはCPU21に提供される。
【0047】
以上、図2を参照して、時計1のハードウエア構成例について説明した。
【0048】
ここで、図3を参照して、図2の時計1に搭載されているタイマ機能、即ち、本発明が適用されるタイマ機能(以下、本発明のタイマ機能と称する)の例について説明する。
【0049】
本発明のタイマ機能とは、図3に示されるように、プリタイマを少なくとも有する機能である。例えば本実施の形態では、本発明のタイマ機能として、プリタイマに加えてさらに、図3に示されるポストタイマやプリポストタイマ、後述するクライマックスタイマ等の複数の機能をあわせもったタイマ機能が採用されている。
【0050】
プリタイマとは、設定時刻にアクションの実行が終了する(対応するアクションファイルの再生が終了する)ように調整された機能をいう。
【0051】
即ち、プリタイマにおけるアクションの実行が開始される時刻(以下、アクション開始時刻と称する)は、設定時刻よりも前の時刻になる。従って、ユーザは、このプリタイマにより実行されるアクションを、設定時刻前に認識することで、その設定時刻に近づいていることを認識することができる。
【0052】
ここで注目すべき点は、アクション開始時刻は時計1により演算されるので(かかる演算の手法については図8等を参照して後述する)、プリタイマの設定に必要なユーザ操作は、単に設定時刻等の必要最低限な事項の設定操作だけで済むという点である。即ち、ユーザは、単に設定時刻等の必要最低限な事項の設定操作といった簡単な操作を行うだけで、その設定時刻に近づいていることを認識することができる点である。
【0053】
ポストタイマとは、上述した従来のタイマ機能と同様の機能であり、設定時刻にアクションが開始する(対応するアクションファイルの再生が開始する)ように調整された機能をいう。
【0054】
プリポストタイマとは、プリタイマとポストタイマとを併せた機能、即ち、設定時刻を境に、プリタイマによる第1のアクションと、ポストタイマによる第2のアクションとが連続して実行されるように調整された機能をいう。即ち、プリポストタイマが実現された場合には、設定時刻よりも前に第1のアクションが開始して設定時刻になると終了し(対応する第1のアクションファイルの再生が開始して設定時刻になると終了し)、それとほぼ同時に(設定時刻になると)、第2のアクションが開始する(対応する第2のアクションファイルの再生が開始する)ことになる。
【0055】
かかる本発明のタイマ機能を実現するために、図2のRAM23には、例えば図4に示されるように、レジスタ51乃至78、および、アクションファイル記憶領域81が設けられている。なお、以下、レジスタ51乃至78およびアクションファイル記憶領域81以外の領域を、図4の記載とあわせて、その他記憶領域82と称する。
【0056】
レジスタ51には、動作モードが記述される。例えば本実施の形態では、動作モードとして、現在時刻を表示部12(図2)に表示させる通常の動作モード(以下、ノーマルモードと称する)、計時動作を行う際の基準時刻(計時動作の開始時刻、即ち、計時動作開始時の現在時刻)を設定するための動作モード(以下、タイムセットモードと称する)、本発明のタイマ機能を実現させるために必要な各種設定(例えば、設定時刻の設定や、後述するモードの設定)を行うための動作モード(以下、タイマセットモードと称する)、センサ部25を構成する各センサの各種設定を行うための動作モード(以下、センサセットモードと称する)、並びに、現在時刻の表示動作と本発明のタイマ機能の実現動作との両動作(ただし、アクションに画像表示動作が含まれる場合、現在時刻の表示動作は行われない場合もある)を行う動作モード(以下、並列動作モードと称する)が用意されている。
【0057】
具体的には例えば、レジスタ51は、次のようなレジスタ51−1乃至51−5から構成されている。
【0058】
レジスタ51−1には、ノーマルモードが動作状態であるのか非動作状態であるのかを示すビット(以下、かかるビットを動作状態ビットと称する)が記述される。
【0059】
レジスタ51−2には、タイムセットモードについての動作状態ビットが記述される。
【0060】
レジスタ51−3には、タイマセットモードについての動作状態ビットが記述される。
【0061】
レジスタ51−4には、センサセットモードについての動作状態ビットが記述される。
【0062】
レジスタ51−5は、次のようなレジスタ51−5−1,51−5−2から構成される。
【0063】
レジスタ51−5−1は、本発明のタイマ機能で動作対象とされるアクションについての情報として、その動作状態または非動作状態を示す動作状態ビットと、そのアクション番号とがそれぞれ記述される。なお、ここでいう動作状態とは、動作対象のアクションのプレイ中またはプレイ開始が可能な状態をいう。従って、それ以外の状態が、ここでいうアクションの非動作状態である。また、ここでいうアクション番号とは、本実施の形態では、後述するアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの動作対象として選択されたアクションファイルに付されている番号、即ち、1乃至7のうちの所定の1つをいう。
【0064】
レジスタ51−5−2は、動作対象のアクションのプレイ位置を時間で指定する情報(以下、プレイポインタと称する)が記述される。
【0065】
レジスタ52には、図2のリアルアイムクロック24からの時刻情報で特定される時刻、即ち、現在時刻が記述される。
【0066】
レジスタ53には、直近のイベント(アクション)の時刻が記述される。即ち、例えば本実施の形態では、3つのタイマ(以下、それぞれタイマ1、タイマ2、およびタイマ3と称する)が使用可能とされており、タイマ1乃至3についての各設定時刻のうちの、現在時刻以後で最も近い設定時刻が記述される。なお、以下、かかるレジスタ53に記述される設定時刻を、直近イベント時刻と称する。
【0067】
レジスタ54乃至58には、タイマ1についての設定内容(タイマセットモードにおいて設定された内容や、その内容に基づいて図2のCPU21により生成された情報)が記述される。レジスタ59乃至63には、タイマ2についての設定内容が記述される。レジスタ64乃至68には、タイマ3についての設定内容が記述される。
【0068】
具体的には、レジスタ54,59,64のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての設定時刻が記述される。
【0069】
レジスタ55,60,65のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、プリタイマのアクション開示時刻(またはプリポストタイマのうちの、プリタイマによる第1のアクションのアクション開始時刻)が記述される。なお、プリタイマのアクション開示時刻は、図2のCPU21の処理(後述する図7のTime set処理Sd3)により演算されるが、その演算手法については後述する。
【0070】
レジスタ56,61,66のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、プリタイマのアクションの番号(またはプリポストタイマのうちの、プリタイマの第1のアクショの番号)が記述される。例えば本実施の形態では、後述するアクションファイル記憶領域81には、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97が格納されているので、1乃至7のうちの何れかの番号が記述される。なお、以下、かかるレジスタ56,61,66に記述される番号を、プリタイマアクション番号と称する。
【0071】
レジスタ57,62,67のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、ポストタイマのアクションの番号(またはプリポストタイマのうちの、ポストタイマの第2のアクションの番号)が記述される。例えば本実施の形態では、後述するアクションファイル記憶領域81には、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97が格納されているので、1乃至7のうちの何れかの番号が記述される。なお、以下、かかるレジスタ57,62,67に記述される番号を、ポストタイマアクション番号と称する。
【0072】
レジスタ58,63,68のそれぞれには、タイマ1,2,3のそれぞれについての、動作モード(以下、タイマ動作モードと称する)が記述される。具体的には例えば本実施の形態では、タイマのモードとして、タイマを動作させないモード(以下、オフモードと称する)、プリタイマを動作させるモード(以下、プリタイマ動作モードと称する)、ポストタイマを動作させるモード(以下、ポストタイマ動作モードと称する)、プリポストタイマを動作させるモード(以下、プリポストタイマ動作モードと称する)、および、クライマックスタイマ動作モード(かかるモードについては、後述する図7のTimer mode set処理Sd4の説明と併せて説明する)といった5種類のモードが存在する。即ち、これらの5種類のモードのうちの、タイマ1,2,3のそれぞれについて設定された種類のモードが、レジスタ58,63,68のそれぞれに記述されることになる。その他、必要に応じて、エフェクト設定等が、レジスタ58,63,68のそれぞれに記述される。ただし、エフェクト設定については、後述する図7のTimer mode set処理Sb4の説明と併せて説明する。
【0073】
以上説明したように、本実施の形態では、3つのタイマ1乃至3が使用可能とされているため、RAM23には、タイマ1乃至3についての各設定内容が記述されるレジスタ54乃至68が設けられている。ただし、使用するタイマの個数は特に3個に限定されず任意の個数でよく、例えば3個以上のタイマが使用できる場合には、単に、そのタイマの個数分だけのレジスタをRAM23に追加すればよい。
【0074】
レジスタ69には、図2のセンサ部25を構成する各センサのうちの所定の1つについての情報、例えばスレッショルド値(閾値)や各種設定値等が記述される。レジスタ70には、図2のセンサ部25を構成するセンサのうちの別の1つについての情報、例えばスレッショルド値や各種設定値等が記述される。
【0075】
以上説明したように、本実施の形態では、所定のセンサについてのスレッショルド値等を記述するためのレジスタが2つ設けられている。ただし、かかるレジスタの個数は特に2つに限定されず、センサ部25を構成するセンサの総数に応じて自在に増減可能である。
【0076】
レジスタ71には、代替アクションの番号が記述される。代替アクションとは、次のようなアクションをいう。即ち、本実施の形態では、ユーザが所定の操作を行うことで、例えば図1の操作部13−1乃至13−4のうちの所定の1つをワンタッチする操作を行うことで、プレイ(動作)対象のアクションを、プレイ中の第1のアクションから、別の第2のアクションに切り替える機能(かかる機能の詳細については後述する)が、時計1に搭載されている。本明細書では、かかる第2のアクションを、代替アクションと称している。
【0077】
レジスタ72乃至78のそれぞれには、RAM23の後述するアクションファイル記憶領域81における、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のそれぞれのスタートアドレス(ファイルの先頭部分が格納されるアドレス)が記述される。
【0078】
また、アクションファイル記憶領域81は、所定のアクションに対応するアクションファイルが1以上記憶される領域である。本実施の形態では、上述したように、1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97といった7つのアクションファイルがアクションファイル記憶領域81に予め記憶されている。
【0079】
次に、図5を参照して、図2の時計1のCPU21が実行する処理のうちのタイマ機能に関連する処理(以下、タイマ機能付き時計の処理と称する)の一例について説明する。
【0080】
なお、本実施の形態では、ROM22には、後述する各ステップS1乃至S8のそれぞれの処理を実現可能なプログラムモジュールが1つずつ格納されており、CPU21が、各ステップS1乃至S8のそれぞれの処理を実行するときに、対応するプログラムモジュールをROM22からRAM23のその他記憶領域82(図4)にロードして実行するとする。
【0081】
ステップS1において、CPU21は、アクションプレイ処理を実行するか否かを判断する。
【0082】
かかるステップS1の判定処理の条件は特に限定されないが、例えば本実施の形態では次の条件が採用されているとする。即ち、アクションプレイ処理を実行する条件として、上述した図4のレジスタ51−5−1に、実行対象のアクションが動作状態であるという記述がなされているという条件が本実施の形態では採用されているとする。
【0083】
従って、本実施の形態では、レジスタ51−5−1に動作状態と記述されている場合(動作状態ビットが立っている場合)には、ステップS1においてYESであると判定されて、ステップS2においてアクションプレイ処理が実行された後、処理はステップS3に進むことになる。ただし、アクションプレイ処理については、図9を参照して後述する。
【0084】
これに対して、レジスタ51−5−1に非動作状態と記述されている場合(動作状態ビットがおりている場合)には、ステップS1においてNOであると判定されて、ステップS2のアクションプレイ処理は実行されずに、処理はステップS3に進むことになる。
【0085】
ステップS3において、CPU21は、動作モード、即ち、レジスタ51(図4)の記述内容を確認する。
【0086】
ステップS4において、CPU21は、操作部13とセンサ部25(図2)の状況を確認する。ここで、操作部13の状況とは、例えば、ユーザによる操作部13の操作が行われているのか否か、行われている場合にはその操作内容は如何なる内容であるのかといった状況をいう。また、センサ部25の状況とは、センサ部25を構成する各センサの出力状況、例えば、その出力レベル(出力値)が、スレッショルドレベル(レジスタ69または70の記述値)を超えているか否かといった状況等をいう。
【0087】
ステップS5において、CPU21は、現在時刻を取得する。例えば、本実施の形態では、このタイマ機能付き時計の処理とは独立して、次のような一連の処理が実行されているとする。即ち、リアルタイムクロック24(図2)は、時刻情報をCPU21に周期的に提供してくる。そこで、CPU21は、時刻情報が提供される毎に、その時刻情報で特定される時刻を、現在時刻としてレジスタ52(図4)に記述する。その際、動作モードがノーマルモード等である場合には、CPU21は、現在時刻を示す画像を表示部12(図2)に表示させる制御を行う。本実施の形態では、このような一連の処理が実行されているので、ステップS5において、CPU21は、例えばその時点のレジスタ52の記述値を取得することで、現在時刻を取得する。
【0088】
ステップS6において、CPU21は、切り替え処理を実行するか否かを判定する。
【0089】
かかるステップS6の判定処理の条件は特に限定されないが、例えば本実施の形態では次の条件が採用されているとする。即ち、切り替え処理を実行する条件として、直前のステップS4で確認した状態が、それよりも1つ前の回のステップS4で確認した状態と変化しているという条件や、直前のステップS5の処理で取得された現在時刻が所定の時刻になったという条件等が本実施の形態では採用されているとする。ただし、センサ部25(図2)を構成する各センサの出力レベルは変化していることが多いので、本実施の形態では、各センサのうちの所定の1つの出力レベル(出力値)が、スレッショルドレベル(図4のレジスタ69または70の記述値)以下(または未満)の場合には、センサ部25の状態は変化せず、スレッショルド値を超えた(または以上の)場合に、センサ部25の状態が変化したとみなすとする。
【0090】
ステップS6において、かかる条件が満たされて、切り替え処理を実行すると判定された場合、ステップS7において、切り替え処理が実行される。そして、その切り替え処理が終了した後、処理はステップS8に進むことになる。ただし、切り替え処理については、図6と図7を参照して後述する。
【0091】
これに対して、ステップS6において、かかる条件が満たされずに切り替え処理を実行しないと判定された場合、ステップS7の切り替え処理は実行されずに、処理はステップS8に進むことになる。
【0092】
ステップS8において、CPU21は、処理の終了が指示されたか否かを判定する。
【0093】
ステップS8において、処理の終了がまだ指示されていないと判定された場合、処理はステップS1に戻され、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0094】
これに対して、処理の終了が指示されたと判定された場合、このタイマ機能付き時計の処理は終了となる。
【0095】
次に、図6を参照して、図5のステップS7の切り換え処理の詳細例について説明する。
【0096】
本実施の形態では、切り替え処理は、図6に示されるように、選択処理Sa乃至終了処理Siから構成されている。換言すると、本実施の形態では例えば、ROM22(図2)には、選択処理Sa乃至終了処理Siのそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールが1つずつ格納されており、CPU21が、選択処理Sa乃至終了処理Siのそれぞれの処理を実行するときに、対応する小プログラムモジュールをROM22からRAM23のその他記憶領域82(図4)にロードして実行するとする。この場合、選択処理Sa乃至終了処理Siのそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールの集合体が、ステップS7の切り換え処理を実現可能なプログラムモジュールとなる。
【0097】
選択処理Saとは、直前のステップS3(図5)の処理で確認された動作モード、直前のステップS4の処理で確認された状態、および、直前のステップS5の処理で取得された現在時刻等に基づいて、Mode change処理Sb乃至Sensor set処理Shのうちの所定の1つを実行対象処理として選択し、その実効対象処理を開始させる、といった処理をいう。
【0098】
Mode change処理Sbとは、動作モードを切り換え、その結果をレジスタ51(図4)に記述する(レジスタ51の記述内容を更新する)、といった処理をいう。
【0099】
Time set処理Scとは、動作モードがタイムセットモードのときに実行される処理であって、リアルタイムクロック24(図2)の計時動作の基準時刻(計時動作の開始時刻、即ち、計時動作開始時の現在時刻)を設定する、といった処理をいう。
【0100】
Timer set処理Sdとは、動作モードがタイマセットモードのときに実行される処理であって、本発明のタイマ機能(上述した図3参照)を実現させるために必要な各種設定を行う、といった処理をいう。Timer set処理Sdの詳細については、図7を参照して後述する。
【0101】
Action start処理Seとは、例えば動作モードが並列動作モードであって、現在時刻が直近イベント時刻よりも所定の時間だけ前の時刻(具体的には例えば3分前の時刻等)になったときに実行される処理であって、レジスタ51−5−1(図4)に対して、動作状態を示す情報を記述し(動作状態ビットを立て)、かつ、動作対象のアクション番号を記述する、といった処理をいう。
【0102】
例えば本実施の形態では、動作対象のアクション番号とは、タイマ1乃至3のうちの、直近イベント時刻で特定されるタイマ(設定時刻が直近イベント時刻となっているタイマ)に設定されているアクション番号であって、そのタイマ動作モードがプリタイマ動作モードまたは後述するクライマックスタイマ動作モードの場合には、プリタイマアクション番号であり、そのタイマ動作モードがポストタイマ動作モードの場合には、ポストタイマアクション番号であり、そのタイマ動作モードがプリポストタイマ動作モードの場合には、プリタイマアクション番号とポストタイマアクション番号との両番号である。
【0103】
具体的には例えば、直近イベント時刻で特定されるタイマがタイマ1であるとする。即ち、図4のレジスタ53と54の記述値が同一であるとする。この場合、そのタイマ動作モード(レジスタ58の記述値)がプリタイマ動作モードまたは後述するクライマックスタイマ動作モードのときには、Action start処理Seにより、レジスタ56の記述値であるプリタイマアクション番号が、動作対象のアクション番号としてレジスタ51−5−1に記述される。一方、タイマ動作モードがポストタイマ動作モードのときには、Action start処理Seにより、レジスタ57の記述値であるポストタイマアクション番号が、動作対象のアクション番号としてレジスタ51−5−1に記述される。また、タイマ動作モードがプリポストタイマ動作モードのときには、Action start処理Seにより、レジスタ56の記述値であるプリタイマアクション番号とレジスタ57の記述値であるポストタイマアクション番号との両番号が、動作対象のアクション番号としてレジスタ51−5−1に記述される。
【0104】
Action end処理Sfとは、例えば、センサ部25(図2)を構成する各センサのうちの所定の1つの出力レベル(出力値)がスレッショルドレベル(図4のレジスタ69または70の記述値)を超えた場合(または以上の場合)や、所定のアクションが終了した場合等に実行される処理であって、レジスタ51−5−1(図4)に対して、非動作状態を示す情報を記述する(動作状態ビットを下ろす)、といった処理をいう。
【0105】
このように、本実施の形態では、Action end処理Sfが実行可能とされているので、センサ部25がその週囲の状況を把握し、そのセンサ部25の状態によって、アクションのプレイ(動作)を禁止することができる。その結果、時計1の無駄な電力を削減できる効果や、音を出力するアクションが採用されている場合には、その音声の出力禁止により近所迷惑を防止できる効果等を奏することが可能になる。
【0106】
Action change処理Sgとは、例えば、所定のアクションのプレイ(動作)中にユーザが操作部13(図1や図2)をワンタッチ操作することで、代替アクションのプレイを指令してきた場合等に実行される処理であって、レジスタ51−5−1(図4)における動作対象のアクション番号を、これまでプレイ中であったアクションのアクション番号から代替アクション番号(レジスタ71の記述値)に変更し、かつ、レジスタ51−5−2に対して、残時間(現在時刻から、これまでプレイ中であったアクションの終了予定時刻までの時間)の位置から代替アクションが開始されるようにプレイポインタを設定する(そのような値を記述する)、といった処理をいう。
【0107】
このように本実施の形態では、ユーザは、所定のアクションのプレイ中にワンタッチ操作を行うだけで、プレイ対象のアクションを、所定のアクションから代替アクションに切り換えることができる。具体的には例えば、所定のアクションとして、時間のカウントダウンを動画像として表示部12(図2)に表示させるアクションがプレイされている最中に、ユーザは、ワンタッチ操作を行うだけで、時間のカウントダウンを音声で告知する代替アクションに切り替えることができる。この場合、ユーザは、設定時刻までの残時間をより直接的に認知できたり、気分を変えたりできる、といった様々な効果を奏することが可能になる。
【0108】
Sensor set処理Shとは、動作モードがセンサセットモードのときに実行される処理であって、図2のセンサ部25を構成する各センサの各種設定を行ったり、スレッショルドレベルの設定(図4のレジスタ69,70の記述値の更新)を行う、といった処理をいう。
【0109】
終了処理Siとは、以上説明したMode change処理Sb乃至Sensor set処理Shが終了した場合、必要に応じて所定の処理を実行した後、切り替え処理全体が終了したことを通知する、といった処理をいう。即ち、この終了処理Siによる通知が行われると、図5のステップS7の処理は終了となり、処理はステップS8に進むことになる。
【0110】
なお、以上説明したMode change処理Sb乃至Sensor set処理Shのそれぞれは、図2の操作部13のユーザ操作内容に従って行うこともできるし、CPU21自身の判断で(自動的に)行うこともできる。
【0111】
次に、図7を参照して、図6のTimer set処理Sdの詳細例について説明する。
【0112】
本実施の形態では、Timer set処理Sdは、図7に示されるように、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10から構成されている。換言すると、本実施の形態では例えば、ROM22(図2)には、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10のそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールが1つずつ格納されており、CPU21が、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10のそれぞれの処理を実行するときに、対応する小プログラムモジュールをROM22からRAM23のその他記憶領域82(図4)にロードして実行するとする。この場合、選択処理Sd1乃至終了処理Sd10のそれぞれの処理を実現可能な小プログラムモジュールの集合体が、Timer set処理Sdを実現可能なプログラムモジュールとなる。
【0113】
選択処理Sd1とは、ユーザによる操作部13(図2)の操作内容等に基づいて、Timer No.change処理Sd2乃至Action time change処理Sd9のうちの所定の1つを実行対象処理として選択し、その実効対象処理を開始させる、といった処理をいう。
【0114】
Timer No. change処理Sd2とは、このTimer set処理Sdの設定対象のタイマの番号、即ち、本実施の形態ではタイマk(kは、1乃至3のうちの何れかの整数値)のkを選択(更新)する、といった処理をいう。
【0115】
Time set処理Sd3とは、タイマkの設定時刻を設定して、その設定値をレジスタ54,59,64(図4)のうちの対応する1つに記述し、また、タイマkのプリタイマアクション開始時刻を演算し、その演算結果をレジスタ55,60,65のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0116】
なお、プリタイマのアクション開始時刻の演算手法は、特に限定されないが、例えば本実施の形態では、図8に示されるように、設定時刻に対して、実行対象のアクションのプレイ時間分だけ前の時刻(早い時刻)を、アクション開始時刻とする手法、即ち、「アクション開始時刻 = 設定時刻 − プレイ時間」という式に従った演算を行う手法が採用されているとする。
【0117】
この場合、CPU21(図2)は、例えば次のようにして、実行対象のアクションのプレイ時間を取得または演算することができる。
【0118】
即ち、例えば、実行対象のアクションに対応するアクションファイル(本実施の形態では図4の1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つ)が動画やオーディオのファイルの場合、そのヘッダ等に演奏時間長(再生時間長)が記述されているときには、CPU21は、その演奏時間長をプレイ時間として取得できる。また、演奏時間長の記述が無く、ビットレートとファイルサイズがヘッダ等に記述されているときには、CPU21は、(ヘッダ部分を除いたファイルサイズ/ビットレート)を演算し、その演算結果をプレイ時間として採用できる。さらにまた、これらの情報が一切記述されていないときには、CPU21は、そのアクションファイルを実際に再生させてみて(ただし、可能な限り高速で再生させるとよい)、その再生時間を計測し、その計測値をプレイ時間として採用できる。
【0119】
また、例えば、実行対象のアクションに対応するアクションファイルがFlashやMIDIファイルの場合には、そのヘッダ等に演奏時間長が記述されているときには、CPU21は、その演奏時間長をプレイ時間として取得できる。また、演奏時間長が記述されていないときには、CPU21は、そのアクションファイルを実際に再生させてみて(ただし、可能な限り高速で再生させるとよい)、その再生時間を計測し、その計測値をプレイ時間として採用できる。或いは、実行対象のアクションに対応するアクションファイルが特にMIDIファイルの場合には、CPU21は、演奏スピードに関わる全パラメータをチェックし、そのチェック結果に基づいて演奏時間を算出し、その算出結果をプレイ時間として採用することもできる。
【0120】
図7に戻り、Timer mode set 処理Sd4とは、タイマkのタイマ動作モードとして、上述した5種類のモード、即ち、オフモード、プリタイマ動作モード、ポストタイマ動作モード、プリポストタイマ動作モード、および、クライマックスタイマ動作モードのうちの所定の1種類を設定して、その設定モードをレジスタ58,63,68(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0121】
ここで、クライマックスタイマ動作モードとは、次のようなクライマックスタイマと称する機能を動作させるモードをいう。即ち、クライマックスタイマとは、プリタイマの特別な一形態をいい、具体的には、通常形態のプリタイマのように設定時刻にアクションが終了するのではなく、そのアクションのクライマックスポイントが設定時刻になるように調整する機能をいう。
【0122】
なお、このクライマックスタイマ動作モードが設定されている場合には、上述したTime set処理Sd3によるアクション開始時刻の演算手法で利用されるプレイ時間とは、アクションの開始時刻から、クライマックスポイントの時刻までの時間となる。
【0123】
また、クライマックスポイントの設定手法は特に限定されず、例えば次のような手法を採用することができる。即ち、例えば音声出力のアクションの場合には、CPU21が音量の一番大きいポイント等をクライマックスポイントとして自動検出して設定する、といった手法を適用することができる。ここで、自動(或いは自動的)とは、CPU21がユーザ操作(トリガ操作除く)を介在することなく自分自身の判断で処理を実行することをいう。
【0124】
さらに、CPU21は、かかる手法を利用してクライマックスポイントを設定した後に、そのクライマックスポイントを修正することもできる。この場合、その修正手法も特に限定されず、例えば次のような手法を採用することができる。即ち、音量が一番大きいポイント(最初にクライマックスポイントとして設定されるポイント)を基準ポイントとして、その基準ポイントから順にm番目(mは2以上の任意の整数値)までの音量のm個のポイントを検出し、m個のポイントの中から所定の1つを選択して設定する、という手法を採用することができる。また、クライマックスポイントをアクションプレイ中の経過時間で表示し、その時間を修正する、という手法も採用することができる。
【0125】
また、以上説明したTimer mode set 処理Sd4には、必要に応じて、フェードイン、フェードアウト、リバーブ付フェードイン、リバーブ付フェードアウトなどのエフェクト設定を行い、そのエフェクト設定の内容をレジスタ58,63,68(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理も含まれる場合もある。
【0126】
Pre Action No. set 処理Sd5とは、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つを、タイマkのプリタイマのアクションファイルとして設定し、設定されたアクションファイルの番号をプリタイマアクション番号として、レジスタ56,61,66(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0127】
なお、このPre Action No. set 処理Sd5により設定されたアクションファイルが、上述したTime set処理Sd3による、タイマkのプリタイマのアクション開始時刻の演算対象となる。即ち、このPre Action No. set 処理Sd6により設定されたアクションファイルから、上述したプレイ時間が取得または演算される。
【0128】
Post Action No. set 処理Sd6とは、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つを、タイマkのポストタイマのアクションファイルとして設定し、設定されたアクションファイルの番号をポストタイマアクション番号として、レジスタ57,62,67(図4)のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。
【0129】
Change Action No. set 処理Sd7とは、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至7番アクションファイル97のうちの所定の1つを、代替アクションファイルとして設定し、設定された代替アクションファイルの番号を、レジスタ71(図4)に代替アクション番号として記述する、といった処理をいう。
【0130】
Change Action mode set 処理Sd8とは、レジスタ71の記述値である代替アクション番号を固定(指定された番号)とするのか、或いは、可変するのかを選択する、といった処理をいう。具体的には例えば、代替アクション番号を指定のものにするか、或いは、シャッフルして自動的に代替アクション番号を変更するかを選択する、といった処理が、Change Action mode set 処理Sd8として実行される。
【0131】
Action time change 処理Sd9とは、タイマkのアクションのプレイ時間の長さを変更でき、プリタイマに対応したアクションのプレイ時間の長さを変更した場合は、変更後のプレイ時間に基づいてプリタイマのアクション開始時刻を更新し、その更新値をレジスタ55,60,65のうちの対応する1つに記述する、といった処理をいう。また、プレイ時間の長さ変更後におけるアクションのプレイ方法の設定、具体的には例えば、プレイ時間の長さを変更した分だけプレイ速度を変更したり、プレイ時間の長さをオリジナルより短い時間に設定した場合にはアクションの途中からプレイを開始させたり或いは終了させる、といった様々な設定を行い、その設定内容をRAM23内の所定のレジスタ(図4には図示せず)に記述する、といった処理も、Action time change 処理Sd9に含まれる場合がある。
【0132】
終了処理Sd10とは、以上説明したTimer No. change処理Sd2乃至Action time change 処理Sd9が終了した場合、必要に応じて所定の処理を実行した後、Timer set処理Sd全体が終了したことを、図6の終了処理Siに通知する、といった処理をいう。
【0133】
なお、以上説明したTimer No. change処理Sd2乃至Action time change 処理Sd9のそれぞれは、図2の操作部13のユーザ操作内容に従って行うこともできるし、CPU21自身の判断で(自動的に)行うこともできる。
【0134】
前者の場合、即ち、操作部13のユーザ操作内容に従ってTimer No. change処理Sd2乃至Action time change 処理Sd9が行われる場合、ユーザの視点に立つと、ユーザにとっては、アクションのプレイ時間等を特に気にすることなく容易にタイマのセット操作ができる、という効果を奏することが可能になる。
【0135】
次に、図9のフローチャートを参照して、図5のステップS2のアクションプレイ処理の詳細例について説明する。
【0136】
ステップS21において、図2のCPU21は、図4のレジスタ58,63,68のうちの対応する1つの記述値を参照することで、タイマ動作モードがオフモードであるか否かを判定する。
【0137】
オフモードに設定されている場合、ステップS21においてYESであると判定されて、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0138】
これに対して、オフモード以外のタイマ動作モードが設定されている場合、ステップS21においてNOであると判定されて、処理はステップS22に進む。ステップS22において、CPU21は、アクションプレイ中であるか否かを判定する。
【0139】
ステップS22において、アクションプレイ中であると判定された場合、処理はステップS27に進む。ただし、ステップS27以降の処理については後述する。
【0140】
これに対して、ステップS22において、アクションプレイ中ではないと判定された場合、処理はステップS23に進む。ステップS23において、CPU21は、図4のレジスタ58,63,68のうちの対応する1つの記述値を参照することで、タイマ動作モードがポストタイマ動作モードであるか否かを判定する。
【0141】
ポストタイマ動作モードに設定されている場合、ステップS23においてYESであると判定されて、処理はステップS24に進む。
【0142】
ステップS24において、CPU21は、直前のステップS5(図5)の処理で取得された現在時刻が、設定時刻となったか否かを判定する。
【0143】
ステップS24において、現在時刻がまだ設定時刻となっていないと判定された場合、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0144】
これに対して、ステップS24において、現在時刻が設定時刻となったと判定された場合、処理はステップS25に進む。ステップS25において、CPU21は、アクションを開始させる。即ち、CPU21は、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至97のうちの、図4のレジスタ51−5−1に記述されている番号のアクションファイルの再生を開始する。これにより、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0145】
ステップS23の処理の説明に戻り、プリタイマ動作モード、プリポストタイマ動作モード、または、クライマックスタイマ動作モードに設定されている場合、ステップS23においてNOであると判定されて、処理はステップS26に進む。
【0146】
ステップS26において、CPU21は、直前のステップS5(図5)の処理で取得された現在時刻が、アクション開始時刻となったか否かを判定する。
【0147】
なお、ここで注意すべき点は、プリポストタイマ動作モードの場合には、アクション開始時刻には、プリタイマの第1のアクションについての第1のアクション開始時刻と、ポストタイマの第2のアクションについての第2のアクション開始時刻とが存在し、第2のアクション開始時刻は設定時刻となる、という点である(上述した図3参照)。
【0148】
ステップS26において、現在時刻がまだアクション開始時刻となっていないと判定された場合、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0149】
これに対して、ステップS26において、現在時刻がアクション開始時刻となったと判定された場合、処理はステップS25に進む。ステップS25において、CPU21は、アクションを開始させる。即ち、CPU21は、図4のアクションファイル記憶領域81に記憶されている1番アクションファイル91乃至97のうちの、図4のレジスタ51−5−1に記述されている番号のアクションファイルの再生を開始する。これにより、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0150】
ステップS22の説明に戻り、アクションプレイ中である場合には、上述したように、ステップS22の処理でYESであると判定されて、処理はステップS27に進む。ステップS27において、CPU21は、図2のセンサ部25の各センサの出力値(出力レベル)が閾値(図4のレジスタ69または70の記述値であるスレッショルドレベル)を超えたか否かを判定する。
【0151】
ステップS27において、センサの出力値が閾値を超えたと判定された場合、処理はステップS28に進む。ステップS28において、CPU21は、アクションを強制終了、即ち、対応するアクションファイルの再生を強制終了させる。これにより、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0152】
このように、本実施の形態では、アクションプレイ中であっても、センサの出力値が閾値を超えた場合には、そのアクションが強制終了されるので、時計1の無駄な電力を削減できる効果や、音を出力するアクションがプレイ中の場合には、その音声の出力禁止により近所迷惑を防止できる効果等を奏することが可能になる。
【0153】
これに対して、ステップS27において、センサの出力値が閾値を超えていないと判定された場合、アクションプレイ処理は終了となる。即ち、アクションプレイ中の場合には、センサの出力値が閾値を超えない限り、そのアクションプレイが継続された状態で、図5のステップS2の処理が終了し、処理はステップS3に進む。
【0154】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0155】
即ち、上述した図2は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータの構成の例を示すブロック図である、と捉えることもできる。
【0156】
また、図10は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。即ち、本発明が適用される情報処理装置の実施の形態は、上述した図2の例に限定されず、様々な実施の形態を取ることが可能であり、かかる様々な実施の形態のうちの所定の1つの構成例が図10に示されている。
【0157】
図10において、CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202、または記憶部208に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)203には、CPU201が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204により相互に接続されている。
【0158】
CPU201にはまた、バス204を介して入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部206、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207が接続されている。CPU201は、入力部206から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU201は、処理の結果を出力部207に出力する。
【0159】
CPU201はまた、図示はしないが内蔵クロックを有し、上述した図2のリアルタイムクロック24と同様の機能を有している。
【0160】
入出力インタフェース205に接続されている記憶部208は、例えばハードディスクからなり、CPU201が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部209は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0161】
また、通信部209を介してプログラムを取得し、記憶部208に記憶してもよい。
【0162】
入出力インタフェース205に接続されているドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア211が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部208に転送され、記憶される。
【0163】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図10に示されるように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア211、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM202や、記憶部208を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部209を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0164】
なお、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0165】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明が適用される情報処理装置としての時計の外観の構成例を示す図である。
【図2】図1の時計のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図3】本発明が適用されるタイマ機能、即ち、図2の時計に搭載されているタイマ機能の例を説明する図である。
【図4】図2の時計のRAMの詳細な構成例を示す図である。
【図5】図2の時計、即ち、タイマ機能付き時計の処理の例を説明するフローチャートである。
【図6】図5のステップS7の切り換え処理の詳細例を説明する図である。
【図7】図6の切り換え処理のうちのTimer set処理の詳細例を説明する図である。
【図8】図7のTime set処理の一部として実行される、アクション開始時刻の演算処理に適用可能な演算手法の一例を説明する図である。
【図9】図2のステップS2のアクションプレイ処理の詳細例を説明するフローチャートである。
【図10】本発明が適用される情報処理装置としてのパーソナルコンピュータのハードウエア構成例、即ち、図2とは異なる例を示す図である。
【符号の説明】
【0167】
1 時計, 11,11−1,11−2 音声出力部, 12 表示部, 13,13−1乃至13−4 操作部, 21 CPU, 22 ROM, 23 RAM23 リアルタイムクロック, 25 センサ部, 51乃至78 レジスタ, 81 アクションファイル記憶領域, 82 その他領域, 91乃至97 アクションファイル, 201 CPU, 202 ROM, 203 RAM, 211 リムーバブルメディア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有する情報処理装置において、
計時動作を行う計時手段と、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第1の制御を行うタイマ制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記タイマ制御手段は、前記所定のアクションの実行時間長を認識し、前記設定時刻から前記実行時間長だけ前の時刻を前記所定のアクションの開始時刻として演算し、前記計時手段による計時動作の結果である現在時刻が前記開始時刻となったとき、前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定時刻、前記所定のアクションの前記開始時刻、および、前記所定のアクションを特定可能な特定情報を少なくとも記憶する記憶手段をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記設定時刻に基づいて前記開始時刻を演算し、前記開始時刻を前記記憶手段に記憶させる制御をさらに行い、その後、前記記憶手段に記憶された前記開始時刻と前記現在時刻とを比較し、前記開始時刻と前記現在時刻とが一致したとき、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報で特定される前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記タイマ制御手段は、さらに、前記所定のアクションの開始時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第2の制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザの操作内容に基づいて、前記設定時刻の設定、前記所定のアクションの設定、および、前記第1の制御と前記第2の制御とのうちの何れの制御を行わせるのかの設定を少なくとも行う設定手段をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段による設定内容に基づいて、前記第1の制御または前記第2の制御を行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記所定のアクションの設定として、前記第1の制御と前記第2の制御とのそれぞれについて、第1のアクションと第2のアクションとのそれぞれを個別に設定し、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御を行う場合には前記第1のアクションを実行し、前記第2の制御を行う場合には前記第2のアクションを実行する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記第1の制御と前記第2の制御とに対して、前記第1の制御の実行後に引き続き前記第2の制御を実行する第3の制御をさらに加えた3つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第3の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第3の制御を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記第1の制御乃至前記第3の制御に対して、前記第1のアクションの途中の所定の時点が前記設定時刻となるように前記第1のアクションを実行する第4の制御をさらに加えた4つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第4の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第4の制御を行う
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記タイマ制御手段は、前記第1のアクションの前記所定の時点を決定し、前記第1のアクションの開始時点から前記所定の時点までの時間長を認識し、前記設定時刻から前記時間長だけ前の時刻を前記第1のアクションの開始時刻として演算し、前記現在時刻がその開始時刻となったとき、前記第1のアクションの実行を開始することで、前記第4の制御を行う
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定手段は、さらに、実行対象のアクションを、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションから、第3のアクションに切り替える設定を行い、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御乃至前記第4の制御のうちの何れかの制御を行っている最中に、前記設定手段により前記第3のアクションに切り替える設定が行われた場合、さらに、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションの実行を終了し、前記第3のアクションの実行を開始する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置自身または周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力するセンサ手段をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記センサ手段から出力された前記所定のレベルがスレッショルドレベルを超えた場合、さらに、前記第1の制御乃至前記第4の制御の実行を禁止する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える情報処理装置の情報処理方法において、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行う
ステップを含む情報処理方法。
【請求項13】
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える時計を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行う
ステップを含むプログラム。
【請求項1】
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有する情報処理装置において、
計時動作を行う計時手段と、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第1の制御を行うタイマ制御手段と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記タイマ制御手段は、前記所定のアクションの実行時間長を認識し、前記設定時刻から前記実行時間長だけ前の時刻を前記所定のアクションの開始時刻として演算し、前記計時手段による計時動作の結果である現在時刻が前記開始時刻となったとき、前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定時刻、前記所定のアクションの前記開始時刻、および、前記所定のアクションを特定可能な特定情報を少なくとも記憶する記憶手段をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記記憶手段に記憶されている前記設定時刻に基づいて前記開始時刻を演算し、前記開始時刻を前記記憶手段に記憶させる制御をさらに行い、その後、前記記憶手段に記憶された前記開始時刻と前記現在時刻とを比較し、前記開始時刻と前記現在時刻とが一致したとき、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報で特定される前記所定のアクションの実行を開始することで、前記第1の制御を行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記タイマ制御手段は、さらに、前記所定のアクションの開始時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する第2の制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
ユーザの操作内容に基づいて、前記設定時刻の設定、前記所定のアクションの設定、および、前記第1の制御と前記第2の制御とのうちの何れの制御を行わせるのかの設定を少なくとも行う設定手段をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段による設定内容に基づいて、前記第1の制御または前記第2の制御を行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定手段は、前記所定のアクションの設定として、前記第1の制御と前記第2の制御とのそれぞれについて、第1のアクションと第2のアクションとのそれぞれを個別に設定し、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御を行う場合には前記第1のアクションを実行し、前記第2の制御を行う場合には前記第2のアクションを実行する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定手段は、前記第1の制御と前記第2の制御とに対して、前記第1の制御の実行後に引き続き前記第2の制御を実行する第3の制御をさらに加えた3つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第3の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第3の制御を行う
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定手段は、前記第1の制御乃至前記第3の制御に対して、前記第1のアクションの途中の所定の時点が前記設定時刻となるように前記第1のアクションを実行する第4の制御をさらに加えた4つの制御のうちの何れの制御を行わせるのかを設定し、
前記タイマ制御手段は、前記設定手段により前記第4の制御を行わせることが設定されている場合、さらに、前記第4の制御を行う
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記タイマ制御手段は、前記第1のアクションの前記所定の時点を決定し、前記第1のアクションの開始時点から前記所定の時点までの時間長を認識し、前記設定時刻から前記時間長だけ前の時刻を前記第1のアクションの開始時刻として演算し、前記現在時刻がその開始時刻となったとき、前記第1のアクションの実行を開始することで、前記第4の制御を行う
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定手段は、さらに、実行対象のアクションを、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションから、第3のアクションに切り替える設定を行い、
前記タイマ制御手段は、前記第1の制御乃至前記第4の制御のうちの何れかの制御を行っている最中に、前記設定手段により前記第3のアクションに切り替える設定が行われた場合、さらに、前記第1のアクションまたは前記第2のアクションの実行を終了し、前記第3のアクションの実行を開始する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置自身または周囲の所定の状態を検出し、その検出結果を所定のレベルに変換して出力するセンサ手段をさらに備え、
前記タイマ制御手段は、前記センサ手段から出力された前記所定のレベルがスレッショルドレベルを超えた場合、さらに、前記第1の制御乃至前記第4の制御の実行を禁止する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項12】
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える情報処理装置の情報処理方法において、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行う
ステップを含む情報処理方法。
【請求項13】
設定時刻を通知するために所定のアクションを実行するタイマ機能を有し、計時動作を行う計時手段を少なくとも備える時計を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記計時手段による計時動作の結果に基づいて、前記所定のアクションの終了時点が前記設定時刻となるように、前記所定のアクションを実行する制御を行う
ステップを含むプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−47063(P2007−47063A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−233022(P2005−233022)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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