説明

情報処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】所定の場所から所定のサイトに誘導することで、情報発信を行えるようにする。
【解決手段】端末301は、時間貸しの駐車場に設置されている発券機や精算機である。発券精算処理部321により発券または精算の処理が実行されると、URL設定部325によりURLが設定される。設定されるURLには、携帯電話機のID、リーダライタ328のID、携帯電話機がリーダライタ328にかざされた回数、およびその累積回数がパラメータとして付加される。設定されたURLは、リーダライタ328の通信によりかざされた携帯電話機に提供される。本発明は、時間貸しの駐車場に設置される端末に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、駐車場などの所定の場所からメディアサイトへの誘導をすることで、情報発信を行えるようにする情報処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コインパーキングなどと称される時間貸しの駐車場が存在している。このコインパーキングは、所定の時間、所定の金額で車、バイク、自転車などが駐車(駐輪)できる駐車場(駐輪場)である。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−009725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コインパーキングの利用を促進するために、例えば、特許文献1では、駐車料金を割り引くポイントサービスを提供し、そのようなサービスを提供するのに、煩雑な入会手続を行わなくても入会できる方法が提案されている。このようにコインパーキングの利用を促進する仕組みが提供されることは、コインパーキングの管理者により望まれている。
【0005】
ところで、近年、ネットワークの普及に伴い、ネットワーク上でさまざまなサービスが提供されている。そのようなサービスを提供するメディアサイトは多数存在しているため、いかにして、ユーザに所定のメディアサイトの存在を知らせ、利用してもらうかが、メディアサイトを管理する側の課題としてある。
【0006】
駐車場などの所定の場所を利用したときに、その場所から上記したメディアサイトへの誘導は行われておらず、そのような誘導を行うことで、メディアサイトの存在をユーザに知らせ、利用してもらうことが望まれている。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、所定の場所の利用から、所定のメディアサイトへの誘導を促進することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面の情報処理装置は、時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタを備え、前記リーダライタは、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLを前記所定の装置に提供する。
【0009】
前記リーダライタは、前記端末が、発券または精算の処理を実行したときに、前記所定の装置に対して提供する前記URLを生成するようにすることができる。
【0010】
前記URLは、所定の期間に、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したときの回数、その累積回数、前記所定の装置のID、および前記リーダライタのIDをパラメータとして含むようにすることができる。
【0011】
前記所定の期間は、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置した時点から、所定の時間が経過した時点までであるようにすることができる。
【0012】
前記前記リーダライタは、前記端末が、発券または精算の処理を開始したときに電源がオンにされ、その後、所定の時間が経過したときオフにされるようにすることができる。
【0013】
前記URLは、そのURLで接続されるサイトでの所定のサービスを受ける権利を有する第1のURLと、権利を有さない第2のURLがそれぞれ設定され、前記第1のURLは、所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したときから所定の時間が経過した時点まで前記所定の装置に提供され、前記第2のURLは、前記第1のURLが提供されていないときに前記所定の装置に提供されるようにすることができる。
【0014】
本発明の一側面の情報処理方法は、時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタを備え、前記リーダライタが、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLを設定し、その設定したURLを、前記所定の装置に提供するステップを含む。
【0015】
本発明の一側面のプログラムは、時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタを備え、前記リーダライタが、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLを設定し、その設定したURLを、前記所定の装置に提供するステップを含む処理を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラムである。
【0016】
本発明の一側面の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタが備えられ、リーダライタが、所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLが設定され、その設定されたURLが、所定の装置に提供される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一側面によれば、所定の場所の利用から、所定のメディアサイトへの誘導を促進することが可能となる。また、その所定の場所の利用を促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を適用した情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】発券機の外観の構成を示す図である。
【図3】事前精算機の外観の構成を示す図である。
【図4】精算機の外観の構成を示す図である。
【図5】情報処理システムの他の構成を示す図である。
【図6】精算機の外観の構成を示す図である。
【図7】端末の機能を説明するための図である。
【図8】端末の動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】端末の機能を説明するための図である。
【図10】端末の動作について説明するためのフローチャートである。
【図11】記録媒体について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
[情報処理システムの構成について]
図1は、本発明を適用した情報処理装置を含む情報処理システムの一実施の形態の構成を示す図である。図1に示した情報処理システムは、コインパーキングなどと称される時間貸しの駐車場のシステムに、本発明の情報処理システムの構成を適用した場合を示している。
【0021】
図1に示した情報処理システム11は、発券機21、ゲート22、事前精算機23、精算機24、ゲート25を含む。発券機21は、ループコイル31とループコイル32を備える。発券機21は、ループコイル31で、自動車41が進入したことを検知すると、駐車券を発券する。この駐車券は、出庫のときの料金の精算時に必要とされる。発券機21は、発券後、ゲート22を制御して、ゲート22に備えられているバー33を上方向に動かし、自動車41が駐車場内に入れるようにする。また発券機21は、ループコイル32上を自動車41が通過することで、ゲート22を通過したことを検知すると、ゲート22を制御して、バー33を下方向に動かし、次の自動車が駐車場内に入れないようにする。
【0022】
事前精算機23は、出庫のとき、駐車料金を、実際の出庫より前の時点で精算するときに利用される。実際の出庫のときに精算が行われるときには、精算機24が用いられる。精算機24は、発券機21と同じく、2つのループコイル34とループコイル35を備える。精算機24は、ループコイル34に自動車42が位置していることを検知し、駐車券が挿入された場合、精算処理を実行する。事前精算機23により事前に生成が行われた駐車券が挿入された場合、または、駐車券に打刻されている時刻からの駐車時間に応じた料金が支払われた場合、ゲート25を制御して、バー36を上方向に動かすことで、自動車42が駐車場内から出られるようにする。また、精算機24は、ループコイル35上を自動車42が通過することで、ゲート25を通過したことを検知すると、ゲート25を制御して、バー36を下方向に動かし、次の自動車が駐車場外に出られないようにする。
【0023】
図2は、発券機21の外観の構成を示す図である。発券機21は、表示部101、駐車券出力部102、およびリーダライタ103を備える。表示部101は、時刻などが表示される。駐車券出力部102は、時刻が打刻された駐車券を出力する。リーダライタ(Reader/Writer)103は、ICカードと通信を行う部分である。ICカードとは、例えば、フェリカ(FeliCa)(商標)である。リーダライタ103は、ICカードからの情報を読み出したり、ICカードに情報を書き込んだりする機能を有する。またリーダライタ103は、後述するURL(Uniform Resource Locator)、そのURLにアクセスを促すメッセージなどを表示する機能も有する。
【0024】
ここでは、ICカードが組み込まれている携帯電話機が、リーダライタ103と通信を行うとして説明を続ける。しかしながら、本発明が、携帯電話機に限定されるわけでなく、非接触で通信を行う装置に適用できる。また、リーダライタ103は、情報処理システム11(図1)に含まれる発券機21、事前精算機23、または精算機24のいずれか1台に備え付けられていればよい。ここでは、各機器に備え付けられている場合を例にあげて説明を続ける。また、各機器の外観の構成は一例であり限定を示すものではない。例えば、リーダライタ103の設置位置は、駐車券出力部102の下側に限定されるわけではなく、下側以外の位置に備え付けられても勿論良い。しかしながら、リーダライタ103の設置位置は、発券機21の場合、車内から届く範囲が好ましく、例えば、駐車券出力部102の近傍が好ましい設置位置の一例であり、そのような例を、図2では図示している。
【0025】
またリーダライタ103は、発券機21に外付け(後付)で備えられるようにすることも可能であるし、内蔵(一体化)で備えられるようにすることも可能である。リーダライタ103を後付けするようにした場合、既に設置されている発券機21に対して装着できることを意味している。また、外付けである場合であっても、発券機21の所定の位置に備え付けられることが好ましく、例えば、発券機21と離れた位置に全く別の装置として存在することを意味するものではない。他の装置においても同様に、リーダライタを一体化で構成しても良いし、別体として構成しても良い。
【0026】
図3は、事前精算機23の外観の構成を示す図である。事前精算機23は、表示部121、駐車券挿入部122、料金挿入部123、およびリーダライタ124を備える。表示部121は、駐車料金などを表示する。駐車券挿入部122は、時刻が打刻された駐車券が、ユーザにより挿入される部分である。また、処理済みの駐車券が出力される部分でもある。
【0027】
リーダライタ124は、ICカードの機能を備える携帯電話機と通信を行う部分である。リーダライタ124は、後述するURL、そのURLにアクセスを促すメッセージなども表示する。事前精算機23には、これらの部分以外にも備えられているものがあるが、以下の説明において必要な部分のみ説明し、それ以外の部分についての説明は省略する。
【0028】
図4は、精算機24の外観の構成を示す図である。精算機24は、表示部151、駐車券挿入部152、料金挿入部153、およびリーダライタ154を備える。精算機24の構成は、基本的に事前精算機23と同様であるので、その説明は省略する。
【0029】
時間貸しの駐車場のシステムとしては、図1に示したシステムの他に、図5に示す構成を有する駐車場のシステムも存在する。図5は、本発明を適用した情報処理装置を含む情報処理システムの他の実施の形態の構成を示す図であり、駐車場のシステムに適用した場合の例を示す図である。
【0030】
図5に示した情報処理システム211は、精算機221、フラップ222−1乃至222−7を含む構成とされている。フラップ222−1乃至222−7をそれぞれ区別する必要がない場合、単にフラップ222と記載する。フラップ222は、自動車が駐車しているときに上げられた状態とされることで、駐車している自動車が移動できないようにする。そして、精算機221により精算が行われると、フラップ222は下げられ、自動車が移動できる状態とされる。
【0031】
例えば、図5においては、自動車232が、フラップ222−4が設置されている駐車スペースに駐車されているため、フラップ222−4は上げられた状態である。そしてフラップ222−4以外のフラップ222−1乃至222−3,222−5乃至222−7は、それぞれ下げられた状態とされている。下げられた状態のフラップ222のところに、新たに駐車場内に進入してきた自動車231は、駐車することができる。
【0032】
各フラップ222には、ユーザが認識できる識別番号が付けられている。ユーザは、自車を駐車した駐車スペースのフラップ222の識別番号を精算機221に入力する。精算機221は、入力された識別番号を基に、駐車時間を算出し、その駐車時間に応じた料金を、ユーザに請求する。ユーザがその請求に対応して料金を支払うと、精算機221は、対応するフラップ222を下げる制御を行う。
【0033】
精算機221は、例えば、図6に示すような外観の構成を有している。精算機221は、表示部251、識別番号入力部252、料金支払い部253、およびリーダライタ254を備える。表示部251は、駐車料金などを表示する。識別番号入力部252は、上述したフラップ222を識別する識別番号を、ユーザが入力するときに操作される部分である。料金支払い部253は、表示部251に表示されている駐車料金の支払いを行うときに使用される部分である。リーダライタ254は、ICカードの機能を備える携帯電話機と通信を行う部分である。また、リーダライタ254は、後述するURL、そのURLにアクセスを促すメッセージなどを表示する。
【0034】
ここでは、駐車場を例にあげて説明するが、バイクや自転車を駐輪する駐輪場などに対しても本発明を適用した情報処理装置を含む情報処理システムを適用することができる。
【0035】
[所定のメディアサイトへの誘導について]
上記した情報処理システム11または情報処理システム211においては、ユーザが駐車場を利用すると、ユーザの携帯電話機に所定のURLが提供される。ユーザは、提供されたURLに基づき、所定のメディアサイトへアクセスすることができるように構成されている。よって、駐車場という所定の場所から、メディアサイトへの誘導を実現することが可能となる。また、そのようなことが実現されることで、メディアサイトへアクセスするためのURLを取得するために、駐車場の利用を行うユーザが増えることを期待することができる。このことにより、他の駐車場との差別化を図ることが可能となる。
【0036】
このようなことを可能とするために、発券機21、事前精算機23、精算機24、および精算機221は、それぞれリーダライタを備え、その備えているリーダライタにより、携帯電話機にURLが提供される。なお、上記したように、発券機21、事前精算機23、精算機24、および精算機221の全てにリーダライタが備えられるようにしても勿論良いが、1システムに1台のリーダライタが備えられているように構成されていても勿論良い。
【0037】
そのような処理を行う発券機21、事前精算機23、精算機24、および精算機221についてさらに説明を加える。以下の説明においては、発券機21、事前精算機23、精算機24、および精算機221を、端末として表記する。図7に端末301の機能を示す機能ブロック図を示す。
【0038】
端末301は、発券精算処理部321、メッセージ表示制御部322、ID取得部323、カウンタ324、URL設定部325、URL提供部326、計時部327、およびリーダライタ328を含む。発券精算処理部321は、端末301が、発券機21である場合、発券処理を行う機能であり、端末301が事前精算機23、精算機24、または精算機221である場合、精算処理を行う機能である。
【0039】
メッセージ表示制御部322は、リーダライタ328に表示されるユーザに対するメッセージやURLの表示を制御する機能である。ここでは、メッセージ表示制御部322を設け、リーダライタ328にメッセージなどを表示させるとして説明を続けるが、リーダライタ328の近傍に、メッセージが印刷されたシールを貼るような実施の形態でも良い。ID取得部323は、携帯電話機のIDや、端末301自体のIDを取得する機能である。カウンタ324は、携帯電話機がリーダライタ328にかざされた回数をカウントする機能である。URL設定部325は、リーダライタ328にかざされた携帯電話機に提供するURLを設定する機能である。
【0040】
URL提供部326は、携帯電話機にURLを提供する機能である。計時部327は、発券精算処理部321が処理を実行してからの時間を計時する機能である。リーダライタ328は、リーダライタ103(図2)、リーダライタ124(図3)、リーダライタ154(図4)、またはリーダライタ254(図6)に対応する機能であり、リーダライタとしての処理を実行する機能である。
【0041】
リーダライタ154は、端末301に一体型(内蔵)で構成されるようにすることも可能であるし、別体(外付け)で構成されてるようにすることも可能である。リーダライタ154が内蔵されているか、外付けであるかに係わらず、リーダライタ154は、端末301としての、例えば、発券機21と通信を行い、ICカードの機能を備える携帯電話機と通信を行う機能を有する。
【0042】
ここでは、図7に示すように、リーダライタ328と、その他の機能を別々に図示し、説明を続けるが、メッセージ表示制御部322、ID取得部323、カウンタ324、URL設定部325、URL提供部326、計時部327が、リーダライタ328に含む構成とすることは可能である。
【0043】
このような機能が、リーダライタ328に含まれるようにした場合、リーダライタ328と発券精算処理部321が通信を行うようにそれぞれ構成される。また、このような機能が、リーダライタ328に含まれるようにした場合、リーダライタ328と発券精算処理部321が通信を行えるように接続するだけで、既存の端末(発券機21など)にリーダライタ328を装着し、以下に説明するようなURLの提供といったサービスを実施することができるようになる。
【0044】
次に、図8のフローチャートを参照し、端末301で実行される処理について説明を加える。ステップS101において、発券精算処理部321が発券または精算処理を行う。端末301が、発券機21の場合、ループコイル21(図1)で自動車が検知されると、発券精算処理部321により発券処理が実行される。端末301が、事前精算機23、精算機24、または精算機221の場合、駐車券が挿入されたとき、または駐車スペースに割り当てられた番号が入力されたときに、発券精算処理部321により精算処理が開始され、ユーザにより料金が支払われることにより精算処理が実行される。
【0045】
このようにして、発券または精算処理が行われると、ステップS102において、メッセージ表示制御部322の処理により、リーダライタ328にメッセージが表示される。この処理でリーダライタ328に表示されるメッセージは、例えば、“発券された後に、ここに携帯電話機をかざしてください。駐車場のご利用の方に、商品が当たるチャンスがあります”といったメッセージである。
【0046】
このメッセージは、リーダライタ328に携帯電話機をかざすことを、ユーザに促すメッセージであればよい。また、リーダライタ328に携帯電話機をかざすことを促すために、例えば、リーダライタ328の所定の部分、例えば、リーダライタ328の輪郭や中央の部分に設けられたLED(Light Emitting Diode)などが点滅(点灯)することで、ユーザの注目を集めるような仕組みを設けても良い。このようなメッセージを表示させるための表示部や、LEDをリーダライタ328は、携帯電話機と通信を行う機能に加えて備えている。
【0047】
なお、ここでは、発券または精算の処理が行われた後に、メッセージが表示されるとしたが、この順番に限定されるわけではない。例えば、メッセージは常に表示されていても良いし、自動車が検知されたときに表示され、その後、発券や精算の処理が行われるようにしても良い。
【0048】
ステップS103において、携帯電話機がかざされたか否かが判断される。携帯電話機が備えるICカードとしての機能と、リーダライタ328は、非接触で通信を行うため、ユーザは、携帯電話機をリーダライタ328にかざすだけでよい。リーダライタ328は、携帯電話機がかざされた場合、その携帯電話機から、携帯電話機固有のIDを取得する。携帯電話機固有のIDとしては、ICカードが、FeliCa(商標)である場合、そのFeliCaのIDを用いることができる。また、リーダライタ328が携帯電話機と通信を行うことで取得されたID(以下、適宜、携帯電話機IDと記述する)は、ID取得部323により取得され、ID取得部323がIDを取得したときに、携帯電話機がかざされたと判断される。
【0049】
ステップS103において、携帯電話機がかざされたと判断された場合、ステップS104に処理が進められる。ステップS104において、IDとカウンタ値が取得される。URL設定部325は、かざされた携帯電話機に対して提供するURLを、IDとカウンタ値を含めたURLとするために、ID取得部323で取得されたIDと、カウンタ324から供給されるカウンタ値を取得する。カウンタ324から供給されるカウンタ値は、携帯電話機がかざされた回数(以下、適宜、タッチ回数と記述する)と、その累積回数である。なお、詳細は後述するが、タッチ回数は、抽選券が付与されたURLの提供が開始されている間、またはリーダライタ328の電源がオンにされた間に、携帯電話機がかざされた回数である。
【0050】
ステップS105において、URL設定部325は、URLを設定する。設定されるURLは、所定のサイトにアクセスするためのURLに、IDとカウンタ値を付加することで設定される。付加されるIDは、携帯電話機IDと、リーダライタ328に割り振られているID(以下、適宜、リーダライタIDと記述する)である。また、付加されるカウンタ値は、タッチ回数と累積回数の値である。
【0051】
これらの携帯電話機ID、リーダライタID、タッチ回数、および累積回数は、暗号化され、所定のURLにパラメータとして付加されることで、ユーザ側に提供するURLが設定される。このように、所定のURLに、携帯電話機ID、リーダライタID、タッチ回数、および累積回数から構成されるパラメータを付加するのは、1回の利用に対して1枚の抽選券を、接続されたサイト側で発行できるようにするためである。
【0052】
例えば、1回の利用で、同一の携帯電話機が複数回かざされた場合、上記したパラメータを設けないと、かざされた回数だけ、抽選券が発行されてしまうことになる。しかしながら、上記したパラメータを設けることで、仮に1回の利用で、同一の携帯電話機が複数回かざされたとしても、パラメータが異なる(タッチ回数が異なる)ので、有効な抽選券は1枚とすることが可能となる。また、仮に、1回の利用で、複数の携帯電話機がかざされたとしても、パラメータが異なる(携帯電話機IDが異なる)ため、有効な抽選券を1枚とすることが可能である。
【0053】
サイト側では、パラメータに含まれる、携帯電話機ID、リーダライタID、タッチ回数、および累積回数がユニークのときだけ抽選が行えるように制御することで、1回の利用で1回の抽選のみが行われるように制御することが可能となる。なおここで、抽選と記載しているが、この抽選とは、例えば、接続先のサイトで、プレゼントに応募する、ゲームを楽しめる、何らかの情報の提供を受ける、ポイントが付与され、そのポイント数に応じたサービスを受けられるといった、ユーザに取って魅力的なサービスの提供を含む。
【0054】
例えば、携帯電話機が、提供されたURLに基づきサイトにアクセスすれば、ポイントが付与されるようにしても良い。付与されるポイントは、精算金額に応じたポイント数としても良い。例えば、駐車場の精算料金が、200円の場合、200ポイントが付与されるようにしても良い。このようにした場合であり、例えば、100ポイントで1回の懸賞などのサービスが受けられるようにした場合、200ポイントが付与された時点で、2回のサービスを受けることができる。このように、精算金額と連動してサービスの回数が決定されるようにすることも可能である。このようにした場合、サービスの提供回数を増やすために、ユーザは、積極的に長時間駐車したり、利用回数を増やすようにするといった効果を期待することができる。
【0055】
また、駐車場の1回の利用で、所定のポイント数が付与されるようにしても良い。例えば、1回乗利用で、120ポイントが付与されるようにし、100ポイントで1回のサービスの提供を受けられるようにした場合、5回の利用で、600ポイント付与され、6回のサービスの提供が受けられるようになる。このように、利用回数に応じてポイントが付与されるようにしても良い。このようにした場合、ユーザは、積極的に利用回数を増やしたりするといった効果を期待することができる。なお、ここで例にあげた付与されるポイント数や、1回のサービスを受けるときに必要とされるポイント数などは一例であり、限定を示すものではない。また、以下の説明において抽選券とは、このようなポイントの付与を受けるための権利を含む表現として用いる。
【0056】
なお、パラメータが付加される所定のURLは、URL発行部325に記憶されていても良いし、ネットワークなどから取得されるようにしても良い。また、1つのサイトのURLが記憶されているようにしても良いし、複数のサイトのURLが記憶されているようにしても良い。複数のサイトのURLが記憶されている場合、周期的に変更される。周期的に変更される場合、例えば、1回の発券または精算の処理が実行される毎にURLが他のサイトのURLに変更されたり、所定の回数、同一のURLが提供された後、変更されたりする。さらに、例えば、駐車時間に応じて(精算料金に応じて)、異なるURLが提供されるようにしても良い。
【0057】
ステップS105において、URLが設定されると、ステップS106において、その設定されたURLが、URL提供部326の処理により、リーダライタ328に供給され、リーダライタ328における通信が実行されることで、携帯電話機に提供される。URLが携帯電話機に提供されたとき、そのことをユーザに認識させるために、リーダライタのLEDが点灯や点滅されるようにしてもよい。また、音が発せられることで、そのようなことを認識させるようにしても良い。また、URLが提供されたときには、リーダライタに表示されているメッセージが、提供されたURLの表示に切り替えられるようにしても良いし、そのURLの表示は、そのURLで接続できるサイトの紹介文などであっても良い。
【0058】
URLの提供が終了されると、処理は、ステップS103に戻され、それ以降の処理が繰り返される。すなわち、携帯電話機がかざされたか否かが判断され、携帯電話機がかざされたときにはURLが提供される。上述したように、仮に、複数回、携帯電話機がかざされたとしても、有効な抽選券は1枚だけであるが、かざされた全ての携帯電話機にURLが提供されることで、それらの携帯電話機のユーザが、そのURLで指定されるサイトにアクセスする可能性がある。そのような可能性があるため、抽選券がないために抽選に参加できないユーザに対しても、広くサイトの存在を知らしめることが可能となる。
【0059】
ステップS103において、携帯電話機がかざされていないと判断された場合、ステップS107に処理が進められる。ステップS107において、所定の時間が経過したか否かが判断される。計時部327は、発券または精算の処理が開始されたときから計時を開始する。そして、予め設定されている時間が経過すると、URL設定部325に新たにURLを設定するように指示を出すように構成されている。
【0060】
ステップS107において、計時部327により、所定の時間は経過していないと判断された場合、ステップS103に処理が戻され、それ以降の処理が繰り返される。一方、ステップS107において、所定の時間が経過したと判断された場合、ステップS108に処理が進められる。ステップS108において、URL設定部325は、抽選券が付与されないURLを設定する。抽選券が付与されてないURLとは、例えば、上記したパラメータが付与されないURLであっても良いし、抽選券とは関係のないURLでも良い。
【0061】
上記のように処理が実行されるため、携帯電話機がかざされた回数を示すタッチ回数は、ステップS108においてURLが設定されたときにリセットされるか、または、ステップS101において、発券または精算の処理が実行されたときにリセットされる(初期化される)。このような処理が実行されることでタッチ回数は、計時部327が計時する所定の時間内に、携帯電話機がかざされた回数となる。
【0062】
本実施の形態においては、このように、発券または精算の処理が実行されたときに、抽選券が付与されるURLが設定され、それ以外のときには、抽選券が付与されないURLが設定される。発券または精算の処理が実行されないときに、抽選券が付与されないURLが設定されることで、発券や精算のとき以外でも、所定のサイトにアクセスするためのURLを提供することが可能となる。このようなことが可能となることで、例えば、駐車場を利用していないユーザに対して、または駐車場が利用されていないときでもユーザに対して、URLを提供することが可能となる。
【0063】
このように、本実施の形態においては、駐車場を利用したユーザに対して、抽選券が付与されたURLを提供することが可能となる。また、駐車場を利用していないユーザに対しても、駐車場という所定の場所から、URLを提供することが可能となる。
【0064】
ユーザは、URLが提供された携帯電話機を利用して、その提供されたURLに基づくサイトにアクセスすることができる。抽選券があると、例えば、接続先のサイトで提供されているゲームを楽しめたり、懸賞に応募できたり、ユーザ登録できたりする。抽選券がない場合には、接続先のサイトの紹介などを閲覧したりすることができる。またユーザ登録された場合、そのサイトから、電子メールなどで情報が配信されてくるようにしても良い。その情報は、駐車場の近辺の情報であるようしてもよい。
【0065】
[他の実施の形態について]
次に、他の実施の形態について説明する。図9は、端末の他の構成を示す図である。図9に示した端末401は、発券精算処理部421、メッセージ表示制御部422、ID取得部423、カウンタ424、URL設定部425、URL提供部426、計時部427、電源制御部428、およびリーダライタ429を含む。図9に示した端末401は、発券または精算の処理が実行されたときだけ、リーダライタ429の電源がオンになるように構成されている。その電源の制御を電源制御部428が行う。その他の部分に関しては、図7に示した端末301と基本的に同様であるため、その説明は省略する。
【0066】
図10のフローチャートを参照し、端末401の動作について説明する。図8に示した端末301の動作と同様の処理を含むため、同様の処理に関しては、その説明を適宜省略する。ステップS201において、発券精算処理部421により発券または精算の処理が実行されると、ステップS202において、リーダライタ429の電源がオンにされる。電源制御部428は、発券精算処理部421が処理を実行したとき、リーダライタ429の電源をオンにする。
【0067】
電源がオンにされるタイミングとしては、端末401が発券機21の場合、発券が行われたときである。端末401が、事前精算機23、精算機24、または精算機221の場合、精算が開始されたときである。リーダライタ429の電源がオンにされると、ステップS203において、リーダライタ429にメッセージが表示される。ステップS203乃至S208の各ステップにおける処理は、図8に示したフローチャートのステップS102乃至S107の各ステップにおける処理と同様に行われるため、その説明は省略する。
【0068】
ステップS208において、計時部427により所定の時間が経過したと判断された場合、ステップS209に処理が進められる。ステップS209において、電源制御部428は、リーダライタ429の電源をオフにする。
【0069】
このように制御することで、発券や精算の処理が実行されたときに、換言すれば、ユーザが発券機や精算機を操作しているときにのみ、リーダライタ429の電源をオンにし、URLを提供することができ、リーダライタ429の無駄な電力消費を抑えることができるとともに、効率良くURLを提供することが可能となる。
【0070】
このように、本発明を適用することで、駐車場などの所定の場所から、所定のサイトに誘導することができ、情報発信することが可能となる。
【0071】
[記録媒体について]
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0072】
図11は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インタフェース1005が接続されている。入出力インタフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記憶部1008、通信部1009、及びドライブ1010が接続されている。
【0073】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記憶部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011を駆動する。
【0074】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0075】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0076】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0077】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0078】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0079】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
21 発券機, 22 ゲート, 23 事前精算機, 24 精算機, 25 ゲート, 221 精算機, 301 端末, 321 発券精算処理部, 322 メッセージ表示制御部, 323 ID取得部, 324 カウンタ, 325 URL設定部, 326 URL提供部, 327 計時部, 328 リーダライタ, 401 端末, 421 発券精算処理部, 422 メッセージ表示制御部, 423 ID取得部, 424 カウンタ, 425 URL設定部, 426 URL提供部, 427 計時部, 428 電源制御部, 429 リーダライタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタを備え、
前記リーダライタは、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLを前記所定の装置に提供する
情報処理装置。
【請求項2】
前記リーダライタは、前記端末が、発券または精算の処理を実行したときに、前記所定の装置に対して提供する前記URLを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記URLは、所定の期間に、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したときの回数、その累積回数、前記所定の装置のID、および前記リーダライタのIDをパラメータとして含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の期間は、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置した時点から、所定の時間が経過した時点までである
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記前記リーダライタは、前記端末が、発券または精算の処理を開始したときに電源がオンにされ、その後、所定の時間が経過したときオフにされる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記URLは、そのURLで接続されるサイトでの所定のサービスを受ける権利を有する第1のURLと、権利を有さない第2のURLがそれぞれ設定され、
前記第1のURLは、所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したときから所定の時間が経過した時点まで前記所定の装置に提供され、
前記第2のURLは、前記第1のURLが提供されていないときに前記所定の装置に提供される
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタを備え、
前記リーダライタが、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLを設定し、
その設定したURLを、前記所定の装置に提供する
ステップを含む情報処理方法。
【請求項8】
時間貸しの駐車場または駐輪場に設置される端末に、非接触で所定の装置と通信を行うリーダライタを備え、
前記リーダライタが、前記所定の装置が非接触通信を行える位置に位置したとき、所定のURLを設定し、
その設定したURLを、前記所定の装置に提供する
ステップを含む処理を実行させるコンピュータが読み取り可能なプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−159022(P2011−159022A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18838(P2010−18838)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(506225813)イクス株式会社 (12)
【Fターム(参考)】