説明

情報処理装置および表示制御方法

【課題】専用のハードウェアを用いること無く、無線通信の使用に関するユーザの利便性の向上を図る。
【解決手段】実施形態によれば、情報処理装置は、無線通信デバイスと、表示装置と、ログオン処理手段と、表示制御手段と、起動手段とを具備する。ログオン処理手段は、オペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面を前記表示装置に表示させる。表示制御手段は、無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントを示すアクセスポイントリストを前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信を実行可能な情報処理装置及び同装置に適用される表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、PDAのような様々な情報処理装置が普及している。このような情報処理装置の多くは無線通信機能を有している。代表的な無線通信機能としては、無線LANが知られている。無線LANは、IEEE 801.11規格で規定された無線通信方式である。
【0003】
近年、無線LANは広く普及されている。無線LANのアクセスポイント(基地局)は、オフィス内のみならず、街中や空港内の公衆無線LANサービスエリアにも存在する。したがって、ユーザは、様々な場所でWebブラウジング、電子メールの送受信などを行うことができる。
【0004】
通常のコンピュータにおいては、コンピュータの周辺にアクセスポイントが存在するか否かを調べるために、ユーザは、コンピュータにログオンした後に、無線接続を管理するためのソフトウェアを操作することが必要となる。例えば、街中に存在する公衆無線LANエリア(アクセスポイント)を探そうとした場合、ユーザは、まず、コンピュータをパワーオンまたはスリープ状態から動作状態に復帰させる。そして、ユーザは、ログオン操作(たとえば、ユーザ名、パスワード等の入力)を行い、コンピュータにログオンする。その後に、ユーザは、ソフトウェアを操作する。ユーザは、ソフトウェアによって表示されるアクセスポイントのリストを見て、利用可能なアクセスポイントが存在するか否かを判断する。
【0005】
しかし、もしアクセスポイントがコンピュータの現在位置の近くに無ければ、ユーザは、せっかくコンピュータにログオンしたにもかかわらず、そのコンピュータを使用して無線ネットワークに接続することができない。
【0006】
この場合、ユーザは、コンピュータをシャットダウンまたはスリープ状態に設定した後、そのコンピュータを持って別の場所に移動し、そして移動先の場所で、再度同じ操作(コンピュータをパワーオンまたはスリープ状態から動作状態に復帰させる操作、ログオン操作、アクセスポイントリストを表示させる操作)を行うことが必要になる。
【0007】
ところで、最近では、コンピュータが電源オフ状態の間に、アクセスポイントの検出結果をLED等に表示する技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−166242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、コンピュータが電源オフされている状態においては、通常、CPUおよび無線通信デバイスは電源オフされており、またオペレーティングシステムの全てのサービスも停止されている。したがって、コンピュータが電源オフ状態の間にアクセスポイントの検出結果を表示するためには、専用のハードウェアを用意することが必要となる。この結果、システム構成が複雑化され、システムのコストアップが引き起こされるかもしれない。
【0010】
本発明の目的は、専用のハードウェアを用いること無く、無線ネットワークの使用に関するユーザの利便性の向上を図ることができる情報処理装置およびアクセスポイント表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態によれば、情報処理装置は、無線通信デバイスと、表示装置と、ログオン処理手段と、表示制御手段と、起動手段とを具備する。ログオン処理手段は、オペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面を前記表示装置に表示させる。表示制御手段は、無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントの状態を前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る情報処理装置の構成を示す斜視図。
【図2】同実施形態の情報処理装置のシステム構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の情報処理装置によって表示されるログオン画面とアクセスポイントインジケータダイアログを示す図。
【図4】同実施形態の情報処理装置によって表示されるログオン画面の内容が変化される様子を示す図。
【図5】同実施形態の情報処理装置によって表示される別のログオン画面の例を示す図。
【図6】同実施形態の情報処理装置によって表示されるアクセスポイントインジケータダイアログの例を示す図。
【図7】同実施形態の情報処理装置によって実行されるアクセスポイントインジケータ設定処理で使用されるアクセスポイントインジケータ設定画面の例を示す図。
【図8】同実施形態の情報処理装置において用いられる機能拡張用DLLによって、ログオン処理開始時に実行される手順を説明するフローチャート。
【図9】同実施形態の情報処理装置において用いられる機能拡張用DLLによって、インジケータ起動ボタンクリック時に実行される手順を説明するフローチャート。
【図10】同実施形態の情報処理装置において用いられる機能拡張用DLLによって、ログオン処理終了時に実行される手順を説明するフローチャート。
【図11】同実施形態の情報処理装置において用いられるアクセスポイントインジケータプログラムによって実行される手順を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置の外観を示す斜視図である。この情報処理装置は、ポータブルデバイス、例えば、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ(PC)、スレートPC、PDAとして実現してもよい。以下では、情報処理装置がノートブックタイプのパーソナルコンピュータ10として実現されている場合を想定する。
【0014】
図1に示すように、本コンピュータ10は、コンピュータ本体11と、ディスプレイユニット12とから構成されている。ディスプレイユニット12には、LCD(liquid crystal display)17が組み込まれている。ディスプレイユニット12は、コンピュータ本体11の上面が露出される開放位置とコンピュータ本体11の上面を覆う閉塞位置との間を回動自在にコンピュータ本体11に取り付けられている。
【0015】
コンピュータ本体11は、薄い箱形の筐体を有しており、その上面には、キーボード13、本コンピュータ10をパワーオン/パワーオフするためのパワーボタン14、入力操作パネル15、タッチパッド16、スピーカ18A,18Bなどが配置されている。入力操作パネル15上には、各種操作ボタンが設けられている。
【0016】
また、コンピュータ本体11の右側面には、例えばUSB(universal serial bus)規格のUSBケーブルやUSBデバイスを接続するためのUSBコネクタ19が設けられている。さらに、コンピュータ本体11の背面には、例えばHDMI(high−definition multimedia interface)規格に対応した外部ディスプレイ接続端子(図示せず)が設けられている。この外部ディスプレイ接続端子は、デジタル映像信号を外部ディスプレイに出力するために用いられる。
【0017】
図2は、本コンピュータ10のシステム構成を示す図である。
本コンピュータ10は、図2に示されているように、CPU(central processing unit)101、ノースブリッジ102、主メモリ103、サウスブリッジ104、GPU(Graphics Processing Unit)105、VRAM(ビデオRAM:random access memory)105A、サウンドコントローラ106、BIOS−ROM(Basic input/output system−read only memory)107、LAN(local area network)コントローラ108、ハードディスクドライブ(HDD)109、光ディスクドライブ(ODD)110、USBコントローラ111A、カードコントローラ111B、無線通信デバイス112A、無線通信デバイス112B、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラ(EC/KBC)113、EEPROM114等を備える。
【0018】
CPU101は、本コンピュータ10内の各部の動作を制御するプロセッサである。CPU101は、HDD109から主メモリ103にロードされる、オペレーティングシステム(OS)201、及び各種アプリケーション/ユーティリティプログラムを実行する。オペレーティングシステム201は、オペレーティングシステム201を使用するユーザアカウントを識別するためのログオン処理を実行する。このログオン処理において、オペレーティングシステム201は、ログオン画面をディスプレイに表示させる。ログオン処理が開始される典型的なタイミングの例としては、本コンピュータ10がパワーオンされた直後、または本コンピュータ10がスリープ状態から動作状態へ復帰した直後である。本コンピュータ10がパワーオンされた直後、または本コンピュータ10がスリープ状態から動作状態へ復帰した直後に、オペレーティングシステム201は、ログオン画面をLCD17に表示し、ログオン画面上のユーザ操作に従ってオペレーティングシステム201を使用するユーザアカウントを識別する。
【0019】
ログオン画面は、オペレーティングシステム201を使用するユーザアカウント(ユーザ名)をオペレーティングシステム201に識別させるためのログオン処理(ログオンセッションとも云う)のために使用される。“Administrator”も、ユーザアカウントの一つである。通常は、個々のユーザアカウント(ユーザ名)には、それら個々のユーザアカウントに対応する動作環境を示すプロファイルがそれぞれ関連づけられている。
【0020】
ログオン画面上には、あらかじめ作成された個々のユーザアカウントに対応するアイコン群を表示してもよい。ユーザは、あるアイコンをクリックすることによって、ユーザアカウント群の1つを、コンピュータ10のリソースを使用すべきユーザアカウントとして選択することができる。オペレーティングシステム201は、選択されたユーザアカウント(ユーザ名)に従って、コンピュータ201にログオンするユーザアカウントを識別する。さらに、オペレーティングシステム201は、ユーザによって入力される資格情報(たとえば、パスワード)を検証することによってユーザを認証する(本人確認)。
【0021】
ログオンが成功すると、コンピュータ10の動作環境つまりオペレーティングシステム201の動作環境は、ログオンされたユーザアカウントに関連づけられたプロファイルによって示される動作環境に設定される。
【0022】
一つのユーザアカウントだけが生成されている場合には、ログオン画面上には、その一つのユーザアカウントに対応する一つのアイコンだけを表示してもよい。
【0023】
アプリケーション/ユーティリティプログラムには、アクセスポイントインジケータプログラム202が含まれている。このアクセスポイントインジケータプログラム202は、コンピュータ10の周辺に存在するアクセスポイント(無線アクセスポイントとも云う)の一覧を示すアクセスポイントリストをディスプレイに表示するためのプログラムである。ここで、アクセスポイントは、たとえば、IEEE802.11規格の無線LANに対応するアクセスポイント(基地局)である。アクセスポイントリストは、コンピュータ10の現在の位置をカバーする個々のアクセスポイントを表示しても良い。
【0024】
いま、無線通信デバイス112AがIEEE802.11規格の無線通信を実行する無線LANデバイスである場合を想定する。この場合、アクセスポイントインジケータプログラム202は、オペレーティングシステム201を通じて無線通信デバイス112Aからアクセスポイントの一覧を取得しても良い。
【0025】
アクセスポイントインジケータプログラム202は、ログオン処理において、上述のアクセスポイントリストを、ログオン画面と共にLCD17に表示させる。したがって、ユーザは、ログオン画面上でログオン操作を行う前に、ログオン画面と一緒にアクセスポイントリストを見ることができる。よって、ユーザは、ログオン操作を行う前に、より詳しくは、ログオン画面上でログオン操作を行う直前タイミングで、周辺に利用可能なアクセスポイントがあるかどうかを容易に確認することができる。アクセスポイントリストはログオン画面とは別個に表示しても良いが、ユーザの利便性のためにアクセスポイントリストをログオン画面上に表示するという表示形態を利用しても良い。この場合、この表示形態においては、アクセスポイントリストを含むログオン画面がLCD17に表示される。アクセスポイントリストを表示するウィンドウをログオン画面上に開いてもよい。ユーザは、ログオン画面と一緒にアクセスポイントリストを見ることができ、周辺に利用可能なアクセスポイントがあるかどうかを容易に確認することができる。
【0026】
ログオン処理の開始時においては、CPU101および無線通信デバイス112Aを含む全てのシステムコンポーネントにはすでに電力が供給されている。さらに、オペレーティングシステム201もすでにCPU101上で実行されている。したがって、ログオン処理においてアクセスポイントリストを表示する構成は、専用のハードウェアを用いることなく、アクセスポイントの一覧を表示することを可能にする。換言すれば、アクセスポイントインジケータプログラム202は、オペレーティングシステム201を通じて、無線通信デバイス112Aによって検出されるアクセスポイントの一覧を容易に取得することができる。さらに、無線通信デバイス112Aによって検出されるアクセスポイントの一覧を示す上述のアクセスポイントリストは、LEDのような専用の表示装置を用いることなく、ログオン画面と一緒にLCD17に表示することができる。
【0027】
ログオンしようとしたユーザは、ログオン画面と一緒に表示されるアクセスポイントリストを見ることにより、コンピュータ10に実際にログオンする前に、ユーザが存在する現在の場所において利用可能なアクセスポイントの一覧を理解することができる。よって、ユーザは、アクセスポイントリストを見て、ログオンの方法を変えることもできる。
【0028】
たとえば、ユーザは、利用可能なアクセスポイントがない場合には、ログオン操作をキャンセルすることもできる。代わりに、ユーザは、利用可能なアクセスポイントに基づき、ログオンすべきユーザアカウントを、ネットワーク接続のために使用される無線通信方式が互いに異なる複数のユーザアカウントから選択し、その選択したユーザアカウントを用いてオペレーティングシステム201にログオンしてもよい。
【0029】
いま、“ユーザアカウントA”と“ユーザアカウントB”があらかじめ作成されている場合を想定する。“ユーザアカウントA”に関連づけられたプロファイルにおいては、ネットワーク接続のためのデフォルトの無線通信方式は、たとえば無線LANである。一方、“ユーザアカウントB”に関連づけられたプロファイルにおいては、ネットワーク接続のためのデフォルトの無線通信方式は、無線LAN以外の他の無線通信方式、たとえば、第三世代移動通信方式のような移動通信方式、あるいはWiMAX(登録商標)、等である。
【0030】
ユーザは、外部ネットワーク(インターネット)に接続したいと思った場所で、コンピュータ10をパワーオンまたはスリープ状態から動作状態に復帰させる。そして、ユーザは、ログオン画面上のアクセスポイントリストを見て、現在の場所における無線LANの接続性、つまり周辺のアクセスポイント(無線LANアクセスポイント)を知ることができる。
【0031】
コンピュータ10の周辺に無線LANのアクセスポイントが存在するならば、あるいはコンピュータ10の周辺に存在する無線LANのアクセスポイントの中にユーザが接続したことがあるアクセスポイントが存在するならば、ユーザは、無線LANを使用する“ユーザアカウントA”を用いてコンピュータ10にログオンするかもしれない。
【0032】
一方、コンピュータ10の周辺に無線LANのアクセスポイントが存在しないならば、あるいはコンピュータ10の周辺に存在する無線LANのアクセスポイントの中にユーザが接続したことがあるアクセスポイントが存在しなかったならば、ユーザは、無線LAN以外の他の無線通信方式を使用する“ユーザアカウントB”を用いてコンピュータ10にログオンしてもよい。
【0033】
このように、本実施形態では、ログオン処理において、ログオン画面と共にアクセスポイントリストがLCD17に表示される。したがって、ユーザは、ログオン画面上で実際にログオン操作を行う前に、ログオンするかどうかを判断することができる。また、ユーザは、どのユーザアカウントでログオンしたらよいかを判断することもできる。
【0034】
また、上述のCPU101は、BIOS−ROM107に格納されたBIOSも実行する。BIOSは、ハードウェア制御のためのプログラムである。
【0035】
ノースブリッジ102は、CPU101のローカルバスとサウスブリッジ104との間を接続するブリッジデバイスである。ノースブリッジ102には、主メモリ103をアクセス制御するメモリコントローラも内蔵されている。また、ノースブリッジ102は、例えば、PCI EXPRESS規格のシリアルバスなどを介してGPU105との通信を実行する機能も有している。
【0036】
GPU105は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD17を制御する表示コントローラである。このGPU105によって生成される表示信号はLCD17に送られる。また、GPU105は、HDMI制御回路3およびHDMI端子2を介して、外部ディスプレイ1にデジタル映像信号を送出することもできる。
【0037】
HDMI端子2は、前述の外部ディスプレイ接続端子である。HDMI端子2は、非圧縮のデジタル映像信号とデジタルオーディオ信号とを1本のケーブルでテレビのような外部ディスプレイ1に送出することができる。HDMI制御回路3は、HDMIモニタと称される外部ディスプレイ1にデジタル映像信号をHDMI端子2を介して送出するためのインタフェースである。
【0038】
サウスブリッジ104は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス上の各デバイス及びLPC(Low Pin Count)バス上の各デバイスを制御する。また、サウスブリッジ104は、HDD109及びODD110を制御するためのIDE(Integrated Drive Electronics)コントローラを内蔵している。さらに、サウスブリッジ104は、サウンドコントローラ106との通信を実行する機能も有している。
【0039】
サウンドコントローラ106は音源デバイスであり、再生対象のオーディオデータをスピーカ18A,18BまたはHDMI制御回路3に出力する。LANコントローラ108は、例えばIEEE 802.3規格の有線通信を実行する有線通信デバイスである。
【0040】
無線通信デバイス112Aは、IEEE 802.11規格の無線通信を実行する無線LANデバイスである。この無線通信デバイス112Aは、コンピュータ10の現在位置をカバーするアクセスポイントを検出する機能を有している。この検出は、よく知られたアクティブスキャンまたはパッシブスキャンのどちらによって実行しても良い。
【0041】
無線通信デバイス112Bは、無線LAN以外の別の無線通信方式、たとえば、WiMAX、または3G移動無線通信、等で無線通信を実行するように構成されている。
【0042】
なお、無線LANデバイス112Aとしては、無線LANとWiMAXの双方をサポートするコンボ無線通信デバイスを用いてもよい。この場合、無線LANデバイス112Aのみで、2つの無線通信方式(無線LANとWiMAX)をサポートすることができる。
【0043】
USBコントローラ111Aは、(USBコネクタ19を介して接続される)例えばUSB 2.0規格に対応した外部機器との通信を実行する。例えば、USBコントローラ111Aは、例えば、デジタルカメラに格納されている画像データファイルを受信するために使用される。カードコントローラ111Bは、コンピュータ本体11に設けられたカードスロットに挿入される、SDカードのようなメモリカードに対するデータの書き込み及び読み出しを実行する。
【0044】
EC/KBC113は、電力管理のためのエンベデッドコントローラと、キーボード13及びタッチパッド16を制御するためのキーボードコントローラとが集積された1チップマイクロコンピュータである。EC/KBC113は、ユーザによるパワーボタン14の操作に応じて本コンピュータ10に電力を供給して、本コンピュータ10をパワーオンするかまたは本コンピュータ10をスリープ状態から動作状態に復帰させる。
【0045】
本コンピュータ10がオフ状態でパワーボタン14が操作されたならば、本コンピュータ10はパワーオンされ、オペレーティングシステム(OS)201をブートするためのブートシーケンスが開始される。ブートシーケンスにおいては、オペレーティングシステム201によって様々なサービスが開始される。そして、その後に、オペレーティングシステム201によって上述のログオン画面が表示される。
【0046】
一方、本コンピュータ10がスリープ状態でパワーボタン14が操作されたならば、本コンピュータ10はスリープ状態から動作状態に復帰される。主メモリ103内またはHDD109内に格納されているシステムコンテクストを用いて、各システムコンポーネントの状態は、本コンピュータ10がスリープ状態に入る直前の状態に復元される。これにより、オペレーティングシステム(OS)201が動作を開始し、上述のログオン画面を表示する。
【0047】
次いで、図3を参照して、本コンピュータ10によって表示されるログオン画面とアクセスポイントリストとを説明する。
【0048】
上述のログオン処理は、オペレーティングシステム201内のログオン処理プログラム201Aによって実行される。ログオン処理プログラム201Aは、ユーザアカウントの識別およびユーザの認証を行うための認証プログラム301を備えている。認証プログラム301は、オペレーティングシステム201を使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面401をLCD17に表示させる。
【0049】
本実施形態では、さらに、ログオン処理プログラム201Aには、そのログオン処理プログラム201Aの機能を拡張するためのプログラムとして、機能拡張用DLL302が含まれている。機能拡張用DLL302は、アクセスポイントリストがログオン画面と共に表示されるように、ログオン処理において、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動するように構成されている。アクセスポイントインジケータプログラム202の起動は、たとえば、ログオン処理の開始に応答して実行してもよい。たとえば、機能拡張用DLL302は、ログオン処理の開始および終了に連動して、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動および終了してもよい。さらに、機能拡張用DLL302は、ログオン画面401上にインジケータ起動アイコン701を表示することもできる。このインジケータ起動アイコン701がユーザによって操作されたときに、機能拡張用DLL302は、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動しても良い。
【0050】
ログオン処理の開始時に、認証プログラム301は、ログオン画面401をLCD17に表示する。ログオン画面401は、予め作成された個々のユーザアカウントに対応するアイコンを表示してもよい。図3においては、2つのアイコン、つまり、ユーザアカウント“ユーザA”に対応するアイコン501およびユーザアカウント“ユーザB”に対応するアイコン502、がログオン画面401上に表示されている例が示されている。ユーザは、希望するユーザアカウントに対応するアイコンをクリックすることによって、使用すべきユーザアカウントを選択することができる。希望するユーザアカウントに対応するアイコン(たとえばアイコン501)がクリックされた時、認証プログラム301は、ログオン画面401を図5に示すように変更し、選択されたユーザアカウントに対応する資格情報(パスワード)の入力をユーザに促すための入力フィールド501Aをログオン画面401上に表示してもよい。
【0051】
上述したように、機能拡張用DLL302は、たとえばログオン処理の開始時に、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動する。起動されたアクセスポイントインジケータプログラム202は、オペレーティングシステム201のAPIを通じて無線LANデバイス(無線通信デバイス112A)によって検出されるアクセスポイントの一覧を取得する。そして、アクセスポイントインジケータプログラム202は、取得したアクセスポイントの一覧に基づいてアクセスポイントリストを作成する。そして、アクセスポイントインジケータプログラム202は、作成したアクセスポイントリストを、ログオン画面401上に表示(オープン)された移動可能なウィンドウ(インジケータウィンドウ)601上に表示する。
【0052】
インジケータウィンドウ601は、インジケータダイアログと称されることもある。インジケータウィンドウ601には、無線LANデバイス(無線通信デバイス112A)によって検出されたアクセスポイントの一覧、つまりコンピュータ10の現在位置をカバーする無線LANアクセスポイントの一覧が表示される。
【0053】
ユーザは、ポインティングデバイスによるドラッグ操作によって、インジケータウィンドウ601をログオン画面401上の任意に位置に移動させることもできる。よって、インジケータウィンドウ601によってログオン画面上の表示アイテムが隠されるという事態の発生を防止することができる。したがって、インジケータウィンドウ601をログオン画面401上に表示しても、ログオン操作自体に支障を及ぼす可能性を低減することができる。
【0054】
アクセスポイントインジケータプログラム202は、インジケータウィンドウ601が移動されたログオン画面401上の移動先位置を示す位置情報を内部設定情報として格納する。次回のログオン処理においては、アクセスポイントインジケータプログラム202は、格納されている位置情報によって示されるログオン画面401上の位置にインジケータウィンドウ601を表示する。よって、ユーザは、ログオン処理の度にインジケータウィンドウ601をログオン画面401上の希望位置に移動するといった操作を行うことなく、常に見やすい位置に、インジケータウィンドウ601を表示させることができる。
【0055】
インジケータウィンドウ601は閉じるボタン(×印で示されるボタン)を有しているので、ユーザは、必要に応じて、インジケータウィンドウ601を閉じること、つまり、アクセスポイントインジケータプログラム202を終了させることもできる。
【0056】
なお、上述したようにインジケータ起動アイコン701をログオン画面401上に表示してもよい。そして、ログオン処理の開始時等にアクセスポイントインジケータプログラム202を自動的に起動する代わりに、インジケータ起動アイコン701がユーザによってクリックされた時に、機能拡張用DLL302が、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動してもよい。これにより、ユーザは、ログオン処理の間の任意のタイミングで、必要に応じて、インジケータウィンドウ601をログオン画面401上に表示することができる。
【0057】
機能拡張用DLL302は、ログオン処理の終了時に(たとえば、ログオン成功時、ログオンキャンセル時、等)、アクセスポイントインジケータプログラム202を終了させる。これにより、ログオン画面401上のインジケータウィンドウ601が閉じられ、アクセスポイントインジケータプログラム202のプロセスも終了される。
【0058】
図5には、ログオン画面401の他の例が示されている。図5のログオン画面401においては、個々のユーザアカウントに対応するアイコンの代わりに、ユーザアカウント名(ユーザ名)を入力するためのフィールド801と資格情報(パスワード)を入力するためのフィールド802とが表示される。ユーザは、オペレーティングシステム201にログオンすべきユーザアカウント名と、そのユーザアカウント名に対応する資格情報(パスワード)とをログオン画面401上のフィールド801,802に入力することにより、オペレーティングシステム201にログオンすることができる。
【0059】
次に、図6を参照して、インジケータウィンドウ601上に表示される内容について説明する。
【0060】
インジケータウィンドウ601は、コネクションステータス表示エリア601A、アクセスポイントリスト表示エリア601B、再スキャンボタン601Cを表示する。コネクションステータス表示エリア601Aは、無線LANデバイス(無線通信デバイス112A)についての現在の接続状態を表示する。
【0061】
たとえば、無線LANデバイスがアクセスポイントに現在無線接続中である場合、現在の接続状態は“現在接続中”である。現在の接続状態が“現在接続中”である時、コネクションステータス表示エリア601Aには、“Currently connected to”の文字列の後に、無線LANデバイスが接続されているアクセスポイントの識別子(たとえばSSID等)が表示される。さらに、コネクションステータス表示エリア601Aには、このアクセスポイントから受信される無線信号の強度を示すアイコンも表示される。
【0062】
無線LANデバイスによって検出されたアクセスポイントの中に無線LANデバイスが接続したことがあるアクセスポイント(登録済みアクセスポイント)が含まれている場合、オペレーティングシステム201の制御の下、無線LANデバイスをその登録済みアクセスポイントに自動的に接続するようにしてもよい。
【0063】
アクセスポイントリスト表示エリア601Bは、無線LANデバイスによって検出されたアクセスポイントの一覧を表示する。無線LANデバイスの周辺に存在する全てのアクセスポイントを表示しても良いし、無線LANデバイスの周辺に存在する登録済みアクセスポイントのみを表示しても良い。接続中のアクセスポイントの識別子(SSID)の横には、接続中を示す文字例“Connected”が表示される。登録済みアクセスポイントの識別子(SSID)の横には、登録済みであることを示す文字例“Registered”が表示される。
【0064】
さらに、アクセスポイントリスト表示エリア601Bは、個々のアクセスポイントから受信される無線信号の強度をそれぞれ示すアイコン群も表示する。
【0065】
再スキャンボタン601Cがユーザによってクリックされた時、アクセスポイントインジケータプログラム202は、オペレーティングシステム201を介して無線LANデバイスからアクセスポイントの一覧を示す情報を再び受信し、その受信した情報に基づいて、インジケータウィンドウ601上に表示される内容を更新する。
【0066】
次に、図7を参照して、アクセスポイントインジケータプログラム202の動作を制御するための構成について説明する。
【0067】
図7は、アクセスポイントインジケータプログラム202の動作環境を設定するための設定画面の例を示している。この設定画面は、予めHDD109に格納されている設定プログラムがユーザによって起動された時にLCD17に表示される。設定画面は、以下の設定項目を含む。
【0068】
(1)“アクセスポイントインジケータを有効にする”: “アクセスポイントインジケータを有効にする”のチェックボックスがユーザによってチェックされた場合、アクセスポイントインジケータプログラム202が有効になる。“アクセスポイントインジケータを有効にする”のチェックボックスのチェックが外された場合、アクセスポイントインジケータプログラム202は実行されない。
【0069】
(2)“無線LANネットワークに接続可能な場合のみ表示する”: この設定項目は、“アクセスポイントインジケータを有効にする”のチェックボックスがチェックされた場合にのみ使用することができる。“無線LANネットワークに接続可能な場合のみ表示する”のチェックボックスがユーザによってチェックされた場合、アクセスポイントインジケータプログラム202は、検出されたアクセスポイントの中に登録済みアクセスポイントが存在するか否かを判定する。アクセスポイントインジケータプログラム202は、登録済みアクセスポイントが存在する場合にのみ、図6のインジケータウィンドウ601を表示し、登録済みアクセスポイントが存在しない場合には、図6のインジケータウィンドウ601を表示しない。
【0070】
(3)“アイコンのみ表示する” : この設定項目は、“アクセスポイントインジケータを有効にする”のチェックボックスがチェックされた場合にのみ使用可能となる。“アイコンのみ表示する”の設定項目は、ログオン処理の開始時にインジケータウィンドウ601を自動的に表示するか否かを設定するために用いられる。“アイコンのみ表示する”のチェックボックスがユーザによってチェックされた場合、ログオン処理の開始時には、インジケータアイコン701のみがログオン画面401上に表示され、インジケータウィンドウ601はログオン画面401上に表示されない。
【0071】
(4)“登録していない無線LANアクセスポイントを表示する”: この設定項目は、“アクセスポイントインジケータを有効にする”のチェックボックスがチェックされた場合にのみ使用可能となる。“登録していない無線LANアクセスポイントを表示する” のチェックボックスがユーザによってチェックされた場合、アクセスポイントインジケータプログラム202は、コンピュータ10がこれまでに接続したことがないアクセスポイントも、図6のインジケータウィンドウ601のアクセスポイントリスト表示エリア601Bに表示する。
【0072】
図7の設定画面によって設定された設定項目の値は、設定ファイルに設定値として保存される。設定ファイルはHDD109内に格納しても良い。
【0073】
次に、図8乃至図10のフローチャートを参照して、機能拡張用DLL302によって実行される処理の手順を説明する。
【0074】
機能拡張用DLL302は、ログオン処理を開始するイベント(ログオンセッションスタートイベント)が発生した時、図8に示す処理を実行する。ログオン処理を開始するイベントとしては、オペレーティングシステム201へのログオン要求の発生の他、ユーザ切り替え要求の発生、ロック解除要求の発生、等がある。
【0075】
ログオン処理の開始時に、機能拡張用DLL302は、個々の設定項目に対応する設定値を設定ファイルからリードする(ステップS11)。そして、機能拡張用DLL302は、ログオン処理時にアクセスポイントインジケータプログラム202を起動するという設定になっているか否か、つまり、“アクセスポイントインジケータを有効にする”の設定項目が“有効”を示すか否かを判定する(ステップS12)。
【0076】
“アクセスポイントインジケータを有効にする”の設定項目が“有効”を示すならば(ステップS12のYES)、機能拡張用DLL302は、ログオン画面401と共にインジケータウィンドウ601が表示されるようにするために、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動する(ステップS13)。そして、機能拡張用DLL302は、ログオン画面401上にインジケータ起動アイコン(インジケータ起動ボタンとも云う)701を表示する(ステップS14)。
【0077】
“アクセスポイントインジケータを有効にする”の設定項目が“有効”を示さないならば(ステップS12のNO)、機能拡張用DLL302は、ステップS13をスキップし、そして、ログオン画面401上にインジケータ起動アイコン701を表示する(ステップS14)。
【0078】
機能拡張用DLL302は、インジケータ起動アイコン701がクリック操作された時、図9に示す処理を実行する。すなわち、インジケータ起動アイコン701がクリック操作された時、機能拡張用DLL302は、ログオン画面401と共にインジケータウィンドウ601が表示されるようにするために、アクセスポイントインジケータプログラム202を起動する(ステップS21)。
【0079】
機能拡張用DLL302は、ログオン処理終了イベント(ログオンセッション終了イベント)が発生した時、図10に示す処理を実行する。ログオン処理終了イベントとしては、たとえば、ログオンの成功、ユーザ切り替えの成功、ログオンのキャンセル、ユーザ切り替えのキャンセル、ロック解除の成功、ロック解除のキャンセル等がある。
【0080】
ログオン処理の終了時に、機能拡張用DLL302は、インジケータウィンドウ601が表示されているか否かを判定する(ステップS31)。インジケータウィンドウ601が表示されているならば(ステップS31のYES)、機能拡張用DLL302は、終了処理#Aを実行する(ステップS32)。終了処理#Aでは、機能拡張用DLL302は、インジケータウィンドウ601を閉じる処理、アクセスポイントインジケータプログラム202を終了させる処理を実行する。
【0081】
インジケータウィンドウ601が表示されていないならば(ステップS31のNO)、機能拡張用DLL302は、終了処理#Bを実行する(ステップS33)。終了処理#Bでは、機能拡張用DLL302は、アクセスポイントインジケータプログラム202を終了させる処理を実行する。
【0082】
次に、図11を参照して、アクセスポイントインジケータプログラム202によって実行される処理手順を説明する。
【0083】
アクセスポイントインジケータプログラム202が起動された時、アクセスポイントインジケータプログラム202は、オペレーティングシステム201のAPIを介して無線通信デバイス112Aからアクセスポイント検出結果(スキャン結果)を取得する(ステップS34)。ステップ34では、アクセスポイントインジケータプログラム20はオペレーティングシステム201のAPIに無線ネットワーク検出要求を送信してもよい。この無線ネットワーク検出要求に応答して、オペレーティングシステム201は無線通信デバイス112Aに対してスキャン要求を送信しても良い。無線通信デバイス112Aはスキャン処理を実行してコンピュータ10の現在位置をカバーするアクセスポイントを検出する。アクセスポイントの検出結果は、オペレーティングシステム201のAPIを介してアクセスポイントインジケータプログラム202に戻される。
【0084】
アクセスポイントインジケータプログラム202は、オペレーティングシステム201のAPIを介して取得したアクセスポイント検出結果に基づき、1以上のアクセスポイントが検出されたか否かを判定する(ステップS35)。1以上のアクセスポイントが検出されたならば(ステップS35のYES)、アクセスポイントインジケータプログラム202は、検出されたアクセスポイントの一覧の中に、接続可能なアクセスポイントがあるか否かを判定する(ステップS36)。接続可能なアクセスポイントは、たとえば、登録済みアクセスポイントである。登録済みアクセスポイントに接続するための暗号キーなどの情報はすでにオペレーティングシステム201内に存在しているからである。このステップS36では、アクセスポイントインジケータプログラム202は、無線通信デバイス112Aによって検出されるアクセスポイントの一覧の中に、オペレーティングシステム201によって管理されている登録済みアクセスポイントが存在するか否かを判定する。
【0085】
登録済みアクセスポイントが存在するならば(ステップS36のYES)、アクセスポイントインジケータプログラム202は、アクセスポイントリスト601が登録済みアクセスポイントを示すように当該アクセスポイントリスト601を作成し(ステップS37)、そのアクセスポイントリスト601をログオン画面401上に表示する(ステップS38)。
【0086】
なお、設定値によっては、アクセスポイントリスト601上に、登録済みアクセスポイントのみならず、登録されていないアクセスポイントリストを表示しても良い。この場合、以下の処理が行われる。
【0087】
アクセスポイントが検出されなかった場合(ステップS35のNO)、または検出されたアクセスポイントの中に利用可能なアクセスポイント(登録済みアクセスポイント)が存在しなかった場合には(ステップS36のNO)、アクセスポイントインジケータプログラム202は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS39)。たとえば、“無線LANネットワークに接続可能な場合のみ表示する”の設定項目が有効であるならば、アクセスポイントインジケータプログラム202は、処理を終了する。
【0088】
一方、“無線LANネットワークに接続可能な場合のみ表示する”の設定項目が有効でなかった場合には、アクセスポイントインジケータプログラム202は、検出された全てのアクセスポイントの一覧が表示されるようにアクセスポイントリスト601を作成し(ステップS37)、そのアクセスポイントリスト601をログオン画面401上に表示する(ステップS38)。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によれば、アクセスポイントリストがログオン画面と共に表示される。よって、専用のハードウェアを用いること無く、アクセスポイントリストをタイムリーにユーザに提示することができ、無線ネットワークの使用に関するユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0090】
なお、物理的に異なる2つの表示装置を備えたコンピュータにおいては、2つの表示装置の内の一方の表示装置にログオン画面を表示しながら、他方の表示装置にアクセスポイントリストを表示するようにしても良い。この場合でも、ログオン画面401と共にインジケータウィンドウ601が表示することができるので、無線ネットワークの使用に関するユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0091】
また、本実施形態のアクセスポイントリスト表示処理の手順は全てソフトウェアによって実行することができる。このため、アクセスポイントリスト表示処理の手順を実行するプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を通じてこのプログラムを通常のコンピュータにインストールして実行するだけで、本実施形態と同様の効果を容易に実現することができる。
【0092】
また本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以下に、本願原出願の特許査定時の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]無線通信デバイスと、
表示装置と、
オペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面を前記表示装置に表示させるログオン処理手段と、
前記無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントを示すアクセスポイントリストを前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる表示制御手段とを具備する情報処理装置。
[2]前記表示制御手段は、前記アクセスポイントリストを前記ログオン画面上に表示するように構成されていることを特徴とする[1]記載の情報処理装置。
[3]前記ログオン処理の開始に応答して、前記表示制御手段を起動する起動手段をさらに具備することを特徴とする[1]記載の情報処理装置。
[4]前記ログオン画面上に起動ボタンを表示し、前記起動ボタンが操作された場合、前記表示制御手段を起動する起動手段をさらに具備することを特徴とする[1]記載の情報処理装置。
[5]前記表示制御手段は、前記アクセスポイントリストを、前記ログオン画面上に表示された移動可能なウィンドウ上に表示すると共に、前記ウィンドウが移動された前記ログオン画面上の移動先位置を示す位置情報を格納し、次回のログオン処理において、前記格納された位置情報によって示される前記ログオン画面上の位置に前記ウィンドウを表示することを特徴とする[1]記載の情報処理装置。
[6]前記表示制御手段は、前記無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントの一覧の中に、前記オペレーティングシステムによって管理されている、前記無線通信デバイスに接続されたことがある登録済みアクセスポイントが存在するか否かを判定し、前記登録済みアクセスポイントが存在する場合、前記アクセスポイントリストが前記登録済みアクセスポイントを示すように前記アクセスポイントリストを作成することを特徴とする[1]記載の情報処理装置。
[7]情報処理装置の周辺の無線ネットワークに関する情報を表示する表示制御方法であって、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面を前記情報処理装置の表示装置に表示させ、
前記無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントを示すアクセスポイントリストを前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させることを特徴とする表示制御方法。
[8]オペレーティングシステムを実行可能なコンピュータに前記コンピュータの周辺の無線ネットワークに関する情報を表示させるプログラムであって、
前記オペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するためのログオン処理においてログオン画面を表示装置に表示させる手順と、
前記コンピュータ内の無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントを示すアクセスポイントリストを前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる手順とを前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0093】
101…CPU、112A,112B…無線通信デバイス、201…オペレーティングシステム、202…アクセスポイントインジケータプログラム、301…認証プログラム、302…機能拡張用DLL、401…ログオン画面、601…インジケータウィンドウ、701…起動アイコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信デバイスと、
表示装置と、
オペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面を前記表示装置に表示させるログオン処理手段と、
前記無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントの状態を前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる表示制御手段とを具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記アクセスポイントの状態は、前記アクセスポイントから受信される無線信号の強度の状態である請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの状態を前記ログオン画面上に表示するように構成されている請求項1記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ログオン処理の開始に応答して、前記表示制御手段を起動する起動手段をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ログオン画面上に起動ボタンを表示し、前記起動ボタンが操作された場合、前記表示制御手段を起動する起動手段をさらに具備する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記アクセスポイントの状態を、前記ログオン画面上に表示された移動可能なウィンドウ上に表示すると共に、前記ウィンドウが移動された前記ログオン画面上の移動先位置を示す位置情報を格納し、次回のログオン処理において、前記格納された位置情報によって示される前記ログオン画面上の位置に前記ウィンドウを表示する請求項1記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントの一覧の中に、前記オペレーティングシステムによって管理されている、前記無線通信デバイスに接続されたことがある登録済みアクセスポイントが存在するか否かを判定し、前記登録済みアクセスポイントが存在する場合、前記登録済みアクセスポイントを、前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる請求項1記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置の周辺の無線ネットワークに関する情報を表示する表示制御方法であって、
前記情報処理装置のオペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するログオン処理において、ログオン画面を前記情報処理装置の表示装置に表示させ、
前記無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントの状態を前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる表示制御方法。
【請求項9】
オペレーティングシステムを実行可能なコンピュータに前記コンピュータの周辺の無線ネットワークに関する情報を表示させるプログラムであって、
前記オペレーティングシステムを使用するユーザアカウントを識別するためのログオン処理においてログオン画面を表示装置に表示させる手順と、
前記コンピュータ内の無線通信デバイスによって検出されるアクセスポイントの状態を前記ログオン画面と共に前記表示装置に表示させる手順とを前記コンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−190443(P2012−190443A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−16370(P2012−16370)
【出願日】平成24年1月30日(2012.1.30)
【分割の表示】特願2011−51464(P2011−51464)の分割
【原出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】