説明

情報処理装置及びスイッチ装置

【課題】所望の位置に直接スライド移動することが可能な小型のスライド式のスイッチ部を備え、このスイッチ部により容易且つ確実に複数のモードを切り替え可能な情報処理装置を提供すること。
【解決手段】情報処理装置は、スイッチ部7と、制御部とを有する。スイッチ部7は、可動部200と、カバー500及びガイド部100と、スイッチモジュール300とを有する。カバー500及びガイド部100は、可動部200を3以上の位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持する。スイッチモジュール300は、可動部200が各々の上記位置に移動したことを検知する。制御部は、スイッチモジュール300の検知結果に基いて制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ部を備える情報処理装置及びスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のモードを実行可能であり、スイッチ部を用いてこの複数のモードを切り替えることが可能な電子機器が提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の電子機器には、直線上に設けられた3つのモード位置に亘ってスライド移動可能なスライドツマミが設けられている。このスライドツマミを所望のモード位置にスライド移動することにより、そのモード位置に応じてモードを切り替えることができる。この電子機器には、スライドツマミをスライド方向の一端のモード位置から中間のモード位置へ移動するとき、スライドツマミがスライド方向の他端のモード位置へとさらに移動するのを規制する係合手段がさらに設けられている。これにより、モードの切り替えミスを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−5156号公報(段落[0008]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の電子機器によれば、スライドツマミをスライド方向の一端のモード位置から他端のモード位置へと移動する場合にも、必ず中間のモード位置において移動が規制されることになる。このため、一端のモード位置に対応するモードから他端のモード位置に対応するモードに直接切り替えたいような場合でも、スライドツマミが中間のモード位置に位置すれば、その中間のモード位置に対応するモードが実行されてしまうおそれがある。そのため、スライドツマミが中間のモード位置を素通りする操作と、モード切り替えのためのスライドツマミの移動の操作とを識別するためのメカニズムが必要になる等、構成が煩雑になるおそれがある。
【0005】
また、複数のモードを直接切り替え可能とするために、モードごとのスイッチを個別に設けた場合、スイッチ全体のサイズが大型化するおそれがある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、可動部を所望の位置に直接移動させることが可能な小型のスイッチ部を備え、このスイッチ部により容易且つ確実に複数の動作状態を切り替え可能な情報処理装置を提供することにある。本発明の別の目的は、可動部を所望の位置に直接移動させることが可能な小型のスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る情報処理装置は、スイッチ部と、制御部とを有する。
スイッチ部は、可動部と、支持部と、検知部とを有する。
上記可動部は、利用者により操作されることが可能である。
上記支持部は、上記可動部を3以上の位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持する。
上記検知部は、上記可動部が各々の上記位置に移動したことを検知する。
上記制御部は、上記検知部の検知結果を認識する。
【0008】
これにより、可動部がどの位置にあっても、可動部を他の各々の位置へ直接移動させることができる。これにより、利用者によるスイッチ切り替え操作が容易になるとともに、可動部の移動した位置の検知結果をもとに利用者のスイッチ切り替え操作を認識する制御部の構成が単純になる。
【0009】
上記スイッチ部は、上記可動部を各々の上記位置で定位させる定位手段をさらに有してもよい。
【0010】
これにより、各々の位置で可動部を安定させることができ、スイッチ部の誤動作を防止できる。
【0011】
上記スイッチ部は、各々の上記2位置間に設けられ、上記可動部が各々の上記2位置間を移動する過程で、上記可動部とそれぞれ異なるタイミングで干渉して、上記可動部の上記移動を規制する第1のテーパ面及び上記可動部の移動を促す第2のテーパ面を有する係合部をさらに有してもよい。
【0012】
これにより、可動部を操作する利用者に、可動部が第1のテーパ面と干渉するタイミングと、第2のテーパ面と干渉するタイミングとでそれぞれ異なる抵抗感の変化を与えることができる。
【0013】
上記スイッチ部は、上記係合部の上記各テーパ面と上記可動部とを圧接させるように付勢する付勢手段をさらに有してもよい。
【0014】
可動部は、第1のテーパ面との干渉位置においては、付勢手段の付勢力に抗いつつ第1のテーパ面を押下げる。従って、この間、可動部の移動操作において利用者は抵抗感を受ける。この抵抗感は、可動部が第1のテーパ面から離脱したところで急激に減少する。このような抵抗感の変化がクリック感として利用者に与えられる。
可動部は、第2のテーパ面との干渉位置に達すると、付勢手段の付勢力によって第2のテーパ面に沿って引き込まれ、この結果、可動部の移動が促される。このような付勢手段の付勢力と第2のテーパ面のテーパ作用とにより可動部が誘導される動作が引き込み感として利用者に与えられる。
【0015】
上記制御部は、上記検知結果に基いて上記情報処理装置の動作状態を切り替えててもよい。
【0016】
これにより、3以上の制御における全ての組み合わせの2つの動作状態を直接切り替えることができる。
【0017】
本発明の一形態に係るスイッチ装置は、可動部と、支持部と、検知部とを有する。
上記可動部は、利用者により操作されることが可能である。
上記支持部は、上記可動部を3以上の位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持する。
上記検知部は、上記可動部が各々の上記位置に移動したことを検知する。
【0018】
これにより、可動部がどの位置にあっても、可動部を他の各々の位置へ直接移動させることができる。
【0019】
上記スイッチ装置は、上記可動部を各々の上記位置で定位させる定位手段をさらに有してもよい。
【0020】
これにより、各々の位置で可動部を安定させることができ、スイッチ装置の誤動作を防止できる。
【0021】
上記スイッチ装置は、各々の上記2位置間に設けられ、上記可動部が各々の上記2位置間を移動する過程で、上記可動部とそれぞれ異なるタイミングで干渉して、上記可動部の上記移動を規制する第1のテーパ面及び上記可動部の移動を促す第2のテーパ面を有する係合部をさらに有してもよい。
【0022】
これにより、可動部を操作する利用者に、可動部が第1のテーパ面と干渉するタイミングと、第2のテーパ面と干渉するタイミングとでそれぞれ異なる抵抗感の変化を与えることができる。
【0023】
上記スイッチ装置は、上記係合部の上記各テーパ面と上記可動部とを圧接させるように付勢する付勢手段をさらに有してもよい。
【0024】
可動部は、第1のテーパ面との干渉位置においては、付勢手段の付勢力に抗いつつ第1のテーパ面を押下げる。従って、この間、可動部の移動操作において利用者は抵抗感を受ける。この抵抗感は、可動部が第1のテーパ面から離脱したところで急激に減少する。このような抵抗感の変化がクリック感として利用者に与えられる。
可動部は、第2のテーパ面との干渉位置に達すると、付勢手段の付勢力によって第2のテーパ面に沿って引き込まれ、この結果、可動部の移動が促される。このような付勢手段の付勢力と第2のテーパ面のテーパ作用とにより可動部が誘導される動作が引き込み感として利用者に与えられる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、可動部を所望の位置に直接移動させることが可能な小型のスイッチ部を備え、このスイッチ部により容易且つ確実に複数の動作状態を切り替え可能な情報処理装置を提供することができる。本発明によれば、さらに、可動部を所望の位置に直接移動させることが可能な小型のスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係るPC(Personal Computer)の閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】図1のPCの開いた状態を示す斜視図である。
【図3】マザーボード及び冷却ファンを下面側から示す平面図である。
【図4】マザーボード及び冷却ファンを上面側から示す平面図である。
【図5】スイッチ部の上面図である。
【図6】スイッチ部の分解斜視図である。
【図7】スイッチ部の別の分解斜視図である。
【図8】スイッチ部の下面図である。
【図9】規制部の6面図である。
【図10】規制部の上面図である。
【図11】図11(a)は、操作部がコーナ位置Aに位置する様子を示す。図11(b)は、操作部がコーナ位置Bに位置する様子を示す。図11(c)は、操作部がコーナ位置Cに位置する様子を示す。
【図12】可動部及び規制部の動作を示す模式図である。
【図13】操作部がコーナ位置Aに位置するときのスイッチ部を模式的に示す透過上面図である。
【図14】操作部がコーナ位置Bに位置するときのスイッチ部を模式的に示す透過上面図である。
【図15】操作部がコーナ位置Cに位置するときのスイッチ部を模式的に示す透過上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。本実施形態では、情報処理装置としてノート型のパーソナルコンピュータ(Personal Computer。以下、単にPCと呼ぶ)を一例に挙げて説明する。
【0028】
[1.PCの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るPCの閉じた状態を示す斜視図である。
PC1は、本体部2と、表示部3とを有する。
【0029】
図2は、PC1の開いた状態を示す斜視図である。
本体部2と表示部3とは、ヒンジ4により相対的に回動可能に連結される。表示部3は、表示部3が本体部2に対して閉じたとき本体部2に対面する領域に、表示画面3aを有する。
【0030】
本体部2は、表示部3が本体部2に対して閉じたとき表示部3に対面する領域に、キーボード等の入力操作部2aと、利用者が入力操作時に手首を置くためのパームレスト2bと、非接触型IC(Integrated Circuit)カード用アンテナ2cと、スライド式のスイッチ部7(スイッチ装置)とを有する。本体部2は、さらに、本体部2の側面に、電源スイッチ2dと、外部ディスプレイ出力端子2eと、USB(Universal Serial Bus)コネクタ2fと、ディスクドライブ(図示せず)のディスク出入口2gと、マイク入力端子2hと、ヘッドホン出力端子2iとを有する。なお、スイッチ部7の構成については後で詳細に説明する。
【0031】
本体部2は、トップケース32とボトムケース31とが組み合わされてなる筐体30をさらに有する。トップケース32には、上記入力操作部2aやスイッチ部7等が設けられている。ボトムケース31は、PC1を机等に載置する載置面を含む。本体部2は、筐体30の内部にマザーボード10及び冷却ファン20等をさらに備える。
【0032】
図3は、マザーボード及び冷却ファンを下面側から示す平面図である。図4は、マザーボード及び冷却ファンを上面側から示す平面図である。
マザーボード10の上面10a及び下面10bには、メインメモリ、CPU12、外部グラフィックスチップ13、チップセット18、その他の制御回路などの電子部品が実装されている。
【0033】
CPU12の上面には受熱板21が密着した状態で設けられ、外部グラフィックスチップ13の上面には受熱板22が密着した状態で設けられている。受熱板21、22にはヒートパイプ23が熱的に接続され、このヒートパイプ23には冷却ファン20が熱的に接続される。冷却ファン20は、マザーボード10に実装されたCPU12、外部グラフィックスチップ13等の発熱素子を冷却する。
【0034】
チップセット18は、PC1の内部において各デバイスとの間のデータの受け渡しを管理するチップである。チップセット18は、内蔵グラフィックスチップ等を含む。また、チップセット18は、不揮発性メモリやEC(Embedded Controller)等の各周辺デバイスとの接続インターフェースを有する。
【0035】
外部グラフィックスチップ13及び内蔵グラフィックスチップは、CPU12が出力したデータを基に描画処理を行い、生成した映像信号を表示部3の表示画面3aへ表示させるために出力する。
【0036】
内蔵グラフィックスチップは、外部グラフィックスチップ13に比べて描画処理能力に劣るが、消費電力は低い。一方、外部グラフィックスチップ13は3D処理や高解像度描画処理等において高い処理能力を有する反面、自身及び周辺デバイスを駆動するために消費電力は高くなり、PC1のシステム全体に対する電力負荷も高くなる。ゆえに外部グラフィックスチップ13は、例えばPC1に外部モニタやAC(Alternating Current)アダプタを接続して使用する場合、ブルーレイディスクドライブを駆動する場合、3Dアプリケーションを実行する場合、高解像度画像を表示する場合等に有用である。一方、内蔵グラフィックスチップは、バッテリ残量が少なくなってきた場合、ファンの回転数を低減させ静音化させたい場合等に有用である。
【0037】
なお、PC1は上記以外にも、バッテリ、HDD(Hard Disk Drive)、端子等のインターフェース等、コンピュータとして必要なデバイスを有する。
【0038】
[2.PCの動作状態の一例]
次に、PC1の動作状態の一例について説明する。PC1は、内蔵グラフィックスチップにより描画処理を行うモード、外部グラフィックスチップ13により描画処理を行うモード、PC1の使用状況を判断して現在の使用状況に適したグラフィックスチップにより描画処理を行うモードを実行可能である。PC1は、これら3つのモードを切り替えて何れか1つのモードを実行する。これにより、内蔵グラフィックスチップ及び外部グラフィックスチップ13の何れか一方が描画処理を行うこととなる。
【0039】
描画処理を行うグラフィックスチップの切り替えは、例えば、制御部としてのECが外部グラフィックスチップ13に対する電源供給のオン/オフ状態等を制御することにより行うことが可能である。
【0040】
すなわちECは、スイッチ部7のスイッチモジュール300(後で説明する)が検知したスイッチ切替位置の検知結果を取得する。ECは、取得した検知結果に基き、外部グラフィックスチップ13に対する電源供給のオン/オフ状態を切り替えるための電源オン/オフ制御信号を電源供給回路(図示せず)に出力する。電源供給回路は、ECからの電源オン/オフ制御信号に基いて外部グラフィックスチップ13に対する電源の供給のオン/オフ状態を切り替える。電源供給回路から外部グラフィックスチップ13に対して電源が供給されていることで、外部グラフィックスチップ13により描画処理を行うことが可能となる。一方、電源供給回路から外部グラフィックスチップ13に対して電源が供給されていないときは、内部グラフィックスチップでのみ描画処理が行われる。
【0041】
[3.スイッチ部の構成]
次に、スイッチ部7の構成について説明する。なお、本明細書でスイッチ部7と記述するときは、筐体30のトップケース32の一部を含むものとする。このスイッチ部7に含まれるトップケース32の一部を、「カバー500」と呼ぶこととする。
【0042】
図5は、スイッチ部7の上面図である。
スイッチ部7は、例えば描画処理の3つのモードを利用者に選択させるためのスライド式のスイッチ部である。カバー500のカバー開口501から露出する可動部200の操作部203をカバー開口501内の所定位置に移動させることで、描画処理のモードを切り替えることができる。本実施形態では、操作部203は角丸三角形のカバー開口501の3つの頂点に相当する位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動可能である。
【0043】
図6は、スイッチ部7の分解斜視図であり、スイッチ部7をトップケース32側(カバー500側)から示す。図7は、スイッチ部7の別の分解斜視図であり、スイッチ部7をボトムケース31(図2参照)側から示す。図8は、スイッチ部7の下面図である。なお、本明細書において、各部材が筐体30内に配置されたときにトップケース32に対向する面を「上面」、ボトムケース31に対向する面を「下面」と記述する。
【0044】
スイッチ部7は、カバー500(支持部)と、ガイド部100(支持部)と、可動部200と、スイッチモジュール300(検知部)と、規制部400とを有する。これら各部材は、トップケース32側(カバー500側)からボトムケース31側へと、この順に組み合わされる。
【0045】
[3−1.カバーの構成]
カバー500は、スイッチ部7の内部を保護するとともに、可動部200の移動をガイドするためのものである。
【0046】
カバー500は、例えばアルミニウム等の金属や、樹脂等からなる。カバー500には、上面503側と下面504側との間を貫通するカバー開口501が設けられる。カバー開口501は、可動部200の操作部203をカバー開口501の面方向に移動しうるようにガイドする。本実施形態では、カバー開口501は角丸三角形状である。カバー500には、スイッチモジュール300をカバー500に螺子止めするためのボス孔506と、スイッチモジュール300及び規制部400をカバー500に螺子止めするためのボス孔507が設けられる。
【0047】
カバー開口501の近傍には、スイッチ部の3つの切替位置それぞれに対応させるようにして3つのLED(Light Emitting Diode)用開口502が設けられている。カバー500の下部には、PC1の本体部2に設けられた複数の例えばLED等の発光源からの光をそれぞれのLED用開口502に導くための導光系が設けられている。そしてこれら3つのLED用開口502においては、スイッチ部7にて選択された切替位置つまり描画処理のモードに応じて、一つのLED用開口502からのみ光が露出し、点灯/点滅することで、利用者にモードの切替状態を提示できるようになっている。
【0048】
[3−2.ガイド部の構成]
カバー500の下面504側には、ガイド部100が設けられる。ガイド部100は、カバー開口501と協働して可動部200の移動をガイドするためのものである。
【0049】
ガイド部100は、例えば導光樹脂等で構成される。ガイド部100は、カバー500の下面に対して固定される。すなわち、ガイド部100の上面101には、カバー500の3つのLED用開口502にそれぞれ挿入される3つの挿入部104が設けられる。これらの挿入部104によって、ガイド部100のカバー500に対する3点での位置決めとともに、各々のLED用開口502への導光が達成される。ガイド部100の上面101は、カバー500の下面504に両面テープにより貼着される。
【0050】
ガイド部100には、上面101側と下面102側との間を貫通するガイド開口103が設けられる。ガイド開口103は、可動部200の板部201(後で説明する)をガイド開口103の面方向に移動しうるように内周面111でガイドする。
【0051】
なお、以下の説明において、ガイド開口103の開口面をなす2つの軸を「X軸」及び「Y軸」と記述する。ガイド開口103の開口面に直交する軸を「Z軸」と記述する。また、Z軸上でのボトムケース31側からトップケース32側(カバー500側)へ向かう方向を「Z軸上方向」と記述する。Z軸上でのトップケース32側(カバー500側)からボトムケース31側へ向かう方向を「Z軸下方向」と記述する。
【0052】
ガイド部100の下面102には、スイッチモジュール300及び規制部400をガイド部100に対して位置決めするためのボス105、106と、スイッチモジュール300及び規制部400をガイド部100に螺子止めするためのボス孔107とが設けられる。
【0053】
ガイド部100の下面102のガイド開口103の周囲には、凹部108、109、110が設けられる。凹部108、109、110は、可動部200の上側凸部213、214、215(後で説明する)と係合して、可動部200のXY面上での移動をガイドする。本実施形態では、凹部108、109、110は、全て同一の形状且つ同一の大きさである。凹部108、109、110のXY面での平面形状は、カバー開口501のXY面での平面形状とほぼ相似の角丸三角形である。凹部108、109、110は何れも、ガイド部100が固定されたカバー開口501に対し、各々の三角形の対応する辺同士が互いに平行になるような位置関係に設けられる。
【0054】
[3−3.可動部の構成]
可動部200は、板部201と、操作部203と、3つの延出部209、210、211と、係合突起205と、第1の押圧突起207と、第2の押圧突起208とを有する。
【0055】
板部201のXY面での平面形状は、ガイド部100のガイド開口103のXY面上での平面形状とほぼ相似である。板部201はガイド開口103内に配置される。このとき板部201の外周面223は、ガイド開口103の内周面111に対し、各々の対応する面同士が互いに対向するような位置関係に配置される。外周面223がガイド開口103の内周面111にガイドされることにより、板部201はガイド開口103内をXY面上に移動可能である。
【0056】
操作部203は、板部201の上面202にZ軸方向に突出するようにして設けられる。操作部203のXY面での平面形状は、カバー開口501のXY面上での平面形状とほぼ相似である。カバー開口501のガイド開口103に対する位置関係と等しくなるような位置関係で、操作部203が板部201に設けられる。これにより、板部201をガイド開口103内に配置したとき、操作部203の外周面221がカバー開口501の内周面508に対し、各々の対応する面同士が互いに対向するような位置関係に配置される。外周面221がカバー開口501の内周面508にガイドされることにより、操作部203はカバー開口501内をXY面上に移動可能である。
【0057】
可動部200は、このように板部201の外周面223がガイド開口103の内周面111にガイドされるとともに、操作部203の外周面221がカバー開口501の内周面508にガイドされることによってXY面上を移動可能となる。すなわち可動部200は、ガイド開口103の内周面111及びカバー開口501の内周面508により、操作部203が角丸三角形のカバー開口501の3つの頂点に相当する位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在となるように支持される。なお、以下の説明において、角丸三角形のカバー開口501の何れかのコーナに相当する位置にある操作部203の位置を、「コーナ位置」と記述する。
【0058】
延出部209、210、211は、外周面223より突出させるようにして板部201の下面204の端部に設けられる。延出部209、210、211の先端の上面には、半円錐状の上側凸部212、213、214がそれぞれZ軸方向に突出するようにして設けられる。上側凸部212、213、214は、それぞれガイド部100の凹部108、109、110に係合される。これにより、可動部200がガイド部100に保持される。また、凹部108、109、110の底面により、上側凸部212、213、214のZ軸上方向への移動が規制される。
【0059】
延出部209、210、211の先端の下面には、略半球状の下側凸部215、216、217がそれぞれZ軸方向に突出するようにして設けられる。延出部209の下面には、略半球状の下側凸部218がZ軸方向に突出するようにして設けられる。また、板部201の下面204には、略半球状の下側凸部219がZ軸方向に突出するようにして設けられる。下側凸部215〜219の先端は、同一のXY面上に位置する。
【0060】
板部201の下面204には、係合突起205が設けられる。係合突起205は、規制部400の係合部403(後で説明する)に係合可能に設計される。本実施形態では、係合突起205は、操作部203の略中心に相当する位置に設けられ、Z軸方向に突出する。係合突起205は略円筒状であり、略半球形の先端206を有する。
【0061】
操作部203の外周面221がカバー開口501の内周面508に沿い、板部201の外周面223がガイド開口103の内周面111に沿うようにして可動部200が環状に移動するとき、係合突起205は、三角形の軌跡を描いて移動する。上側凸部212、213、214もそれぞれ、凹部108、109、110の内周面の内周面に沿うようにして、係合突起205の移動の軌跡と同じ三角形の軌跡を描いて移動する。
【0062】
第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208は、板部201の下面204の外周に沿って設けられ、Z軸方向に突出する。第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208はそれぞれ、スイッチモジュール300の第1の操作片311及び第2の操作片312(後で説明する)を押圧可能に設計される。本実施形態では、第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208は、下面204における操作部203の三角形の所定の2辺に対応する位置にそれぞれ設けられる。
【0063】
[3−4.スイッチモジュールの構成]
カバー500に固定されたガイド部100の下方にはスイッチモジュール300が設けられる。スイッチモジュール300は、配線パターンが形成されたプリント基板315と、マザーボードコネクタ314と、LED基板コネクタ313と、第1のスイッチ素子309と、第2のスイッチ素子310とを有する。
【0064】
プリント基板315には、上面301側と下面302側との間を貫通して、ガイド部100のボス105、106にそれぞれ挿入される位置決め孔303、304と、ボス孔506、507、107にそれぞれ螺子止めするのに用いられる貫通孔305、306、307とが設けられる。
【0065】
プリント基板315には、上面301側と下面302側との間を貫通する開口308が設けられる。開口308は、可動部200の第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208及び係合突起205が開口308から常に露出し、且つ、可動部200の下側凸部215〜219の先端がスイッチモジュール300の上面301に常に当接可能であるように設計される。可動部200の下側凸部215〜219の先端が上面301に当接することにより、可動部200のZ軸下方向への移動が規制される。
【0066】
マザーボードコネクタ314はプリント基板315の下面302に実装され、LED基板コネクタ313はプリント基板315の上面301に実装される。マザーボードコネクタ314及びLED基板コネクタ313のコンタクト群としての複数の接続端子は、それぞれプリント基板315の配線パターンに接続される。マザーボードコネクタ314は、フレキシブルフラットケーブル(図示せず)を介してマザーボード10と接続される。LED基板コネクタ313は、フレキシブルフラットケーブル(図示せず)を介してLED基板(図示せず)と接続される。このようにして、スイッチモジュール300は、LED基板とマザーボード10とを中継する役割をも担う。
【0067】
第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310は、プリント基板315の上面301の開口308の近傍に実装される。第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310は、XY軸方向にて可動部200の第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208にそれぞれ対向する位置に設けられる。第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310には、第1の操作片311及び第2の操作片312がそれぞれ設けられる。第1の操作片311及び第2の操作片312はそれぞれ、第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208によりXY軸方向に押圧可能に設計される。本実施形態では、第1の操作片311及び第2の操作片312はそれぞれ、第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208に対向する方向に付勢されてXY面上に突出する。第1の操作片311及び第2の操作片312をそれぞれ第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310に接近する方向に押圧することにより、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310をオン状態に切り替えることができる。本実施形態では、可動部200のXY方向への移動に伴い、可動部200の第1の押圧突起207が第1の操作片311を押圧することで第1のスイッチ素子309がオン状態に切り替えられ、第2の押圧突起208が第2の操作片312を押圧することで第2のスイッチ素子310がオン状態に切り替えられる。第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310はそれぞれオン/オフ状態をマザーボードコネクタ314に接続されたフレキシブルフラットケーブルを通じてECに出力する。
【0068】
[3−5.規制部の構成]
図9は、規制部400の6面図である。
スイッチモジュール300の下方には、規制部400が設けられる。規制部400は、例えば付勢手段としての板ばね401と、板ばね401に設けられた係合部403とを有する。この板ばね401と、係合部403と、可動部200の係合突起205とにより、移動可能な可動部200を所定位置に定位させるための定位手段が構成される。
【0069】
板ばね401は例えばステンレス等の薄い金属や樹脂等を用いて構成される。板ばね401の一端部412には、上面402側と下面404側との間を貫通して、ガイド部100のボス105に挿入される位置決め孔405と、カバー500のボス孔507に螺子止めするのに用いられる貫通孔406とが設けられる。板ばね401の他端部413には、上面402側と下面404側との間を貫通して、ガイド部100のボス106に挿入される位置決め孔407と、ガイド部100のボス孔107に螺子止めするのに用いられる貫通孔408とが設けられる。板ばね401は、これら各孔405〜408を介して両端部412、413が支持されている。
【0070】
係合部403は、たとえば樹脂により構成される。係合部403は、支持点としての各々の両端部412、413の中間の部位419に、可動部200の係合突起205に対向しうるように固定される。係合部403は、板ばね401の付勢力によりZ軸方向に移動可能となる。
【0071】
係合部403は、基部416と、膨出部417とを有する。基部416は、板ばね401に設置され、平板状を有する。膨出部417は、基部416の上面にZ軸方向に膨出して設けられる。膨出部417は、テーパ面419と、ほぼ平坦な頂面418とを有する。
【0072】
図10は、規制部400の上面図であり、可動部200の係合突起205の移動の軌跡を示す図である。
図中3つの点線円で示すように、係合部403は、操作部203がカバー開口501の3つのコーナ位置にあるとき、係合突起205がテーパ面419に対応して位置するように設計される。また、図中点線三角形で示すように、膨出部417は、操作部203が任意の1つのコーナ位置から他のコーナ位置に直接移動するとき、係合突起205が膨出部417の頂面418上を移動するように設計される。
【0073】
[4.可動部及び規制部の動作]
次に、以上のように構成されたスイッチ部7における、操作部203が三角形のカバー開口501の内周面508に沿って3つのコーナ位置間を移動するときの、可動部200及び規制部400の動作について説明する。
【0074】
図11は、それぞれ操作部203がカバー開口501の3つのコーナ位置に位置する様子を示す。
以下の説明において、この3つのコーナ位置を、「コーナ位置A、B、C」と記述する。図11(a)は、操作部203がコーナ位置Aに位置する様子を示す。図11(b)は、操作部203がコーナ位置Bに位置する様子を示す。図11(c)は、操作部203がコーナ位置Cに位置する様子を示す。
【0075】
ここでは、操作部203が三角形のカバー開口501の内周面508に沿ってコーナ位置Bからコーナ位置AへとX軸方向に移動するときの、可動部200及び規制部400の動作について説明する。
【0076】
図12は、可動部200及び規制部400の動作を示す模式図である。なお、本模式図は、説明を分かりやすくするため、実際の形状から変更して描いている。
図12(a)に示すように、操作部203はコーナ位置Bに定位されている。このとき、係合突起205の先端206が板ばね401の付勢力により規制部400の係合部403の膨出部417のテーパ面419a(第1のテーパ面)に圧接している。板ばね401の付勢力による係合突起205の先端206と膨出部417のテーパ面419aとの干渉により、可動部200の、係合突起205が膨出部417に向かう方向への移動が規制される。また、板ばね401の付勢力による係合突起205の先端206と膨出部417のテーパ面419aとの干渉により、操作部203の外周面221がカバー開口501の内周面508に当接され、板部201の外周面223がガイド開口103の内周面111に当接されている。これにより、可動部200の、操作部203が当接しているカバー開口501の内周面508に向かう方向への移動が規制される。このように、可動部200の、係合突起205が膨出部417に向かう方向への移動が規制され、操作部203が当接しているカバー開口501の内周面508に向かう方向への移動が規制されることにより、可動部200のXY面内での移動が規制される。
【0077】
図12(b)に示すように、利用者(図中Uで示す)が、コーナ位置Bで定位された可動部200の操作部203をX軸方向に移動させるため、X軸方向に圧力をかける。利用者からの圧力が所定値を超えると、可動部200はX軸方向に移動し始める。可動部200が移動を始めると、係合突起205は、係合突起205の略半球形の先端206と膨出部417のテーパ面419aとの干渉により、板ばね401の付勢力に抗いつつ膨出部417を押下げる。従って、この間、可動部200の移動操作において利用者は抵抗感を受ける。この抵抗感は、係合突起205が膨出部417の頂面418に達したところで急激に減少し、係合突起205の略半球形の先端206と膨出部417の頂面418との摩擦に起因するもののとなる。このような抵抗感の変化がクリック感として利用者に与えられる。
【0078】
図12(c)に示すように、利用者は引き続き、操作部203をX軸方向に移動させると、係合突起205は、膨出部417の頂面418を経て逆側のテーパ面419b(第2のテーパ面)との干渉位置に達する。すると、板ばね401の付勢力によって、係合突起205はテーパ面419bに沿って引き込まれ、この結果、操作部がコーナ位置Aまで移動される。これにより、係合突起205はコーナ位置Aで定位される。このような板ばね401の付勢力とテーパ作用とにより係合突起205が誘導される動作が引き込み感として利用者に与えられる。
【0079】
なお、ここでは操作部203がコーナ位置Bからコーナ位置AへとX軸方向に移動するときの、可動部200及び規制部400の動作について説明したが、操作部203のコーナ位置A、B、Cの全ての組み合わせの2位置間での移動についても同様である。
【0080】
[5.スイッチ部の動作]
次に、操作部203が三角形のカバー開口501の内周面508に沿って各1つのコーナ位置から他のコーナ位置へと移動するときの、スイッチ部7の動作について説明する。
【0081】
操作部203がコーナ位置A、コーナ位置B、コーナ位置C、コーナ位置Aの順(反時計回り)に移動するときのスイッチ部7の動作について説明する。
図13は、操作部203がコーナ位置Aに位置するときのスイッチ部7を模式的に示す透過上面図である。
なお、同図においては、図をわかりやすくするため、以下の説明に直接必要ない部位については図示を省略している。以下の図についても同様である。
【0082】
可動部200(太線で示す)において、操作部203がコーナ位置Aに位置するとき、操作部203の外周面221がカバー開口501の内周面に当接し、板部201の外周面223がガイド開口103の内周面111に当接している。係合突起205は、テーパ面419上に位置する。上側凸部212、213、214は、ガイド部100の凹部108、109、110における、カバー開口501のコーナ位置Aに相当するコーナ位置に位置する。操作部203がコーナ位置Aに位置するとき、第1の操作片311及び第2の操作片312は操作されず、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310はオフ状態とされている。
【0083】
可動部200において、操作部203がコーナ位置Aからコーナ位置Bに移動するとき、係合突起205は頂面418を通過する。可動部200は、操作部203がカバー開口501の内周面に沿い、板部201がガイド開口103の内周面111に沿って移動する。上側凸部212、213、214は、凹部108、109、110の内周面に沿って移動する。第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208は、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310の第1の操作片311及び第2の操作片312に当接し、第1の操作片311及び第2の操作片312の付勢力に抗うようにして第1の操作片311及び第2の操作片312を押圧する。これにより、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310がオン状態に切り替わる。
【0084】
図14は、操作部203がコーナ位置Bに位置するときのスイッチ部7を模式的に示す透過上面図である。
可動部200において、操作部203がコーナ位置Bに到達するとき、係合突起205もテーパ面419に到達する。上側凸部212、213、214は、ガイド部100の凹部108、109、110における、カバー開口501のコーナ位置Bに相当するコーナ位置に位置する。第1の押圧突起207及び第2の押圧突起208は、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310の第1の操作片311及び第2の操作片312をさらに押圧する。
【0085】
可動部200において、操作部203がコーナ位置Bからコーナ位置Cに移動するとき、係合突起205は頂面418を通過する。可動部200は、操作部203がカバー開口501の内周面に沿い、板部201がガイド開口103の内周面111に沿って移動する。上側凸部212、213、214は、ガイド部100の凹部108、109、110の内周面に沿って移動する。第1の押圧突起207は、第1の操作片311の付勢力により第1の操作片311の先端が第1の押圧突起207の側面に当接したまま、第1のスイッチ素子309から離間する方向に移動する。第2の押圧突起208は、第2の操作片312の押圧状態を維持したまま移動する。
【0086】
図15は、操作部203がコーナ位置Cに位置するときのスイッチ部7を模式的に示す透過上面図である。
可動部200において、操作部203がコーナ位置Cに到達するとき、係合突起205もテーパ面419に到達する。上側凸部212、213、214は、ガイド部100の凹部108、109、110における、カバー開口501のコーナ位置Cに相当するコーナ位置に位置する。第1の押圧突起207は、第1の操作片311から離間する。これにより、第1のスイッチ素子309がオフ状態に切り替わる。第2の押圧突起208は、第2の操作片312を引き続き押圧している。これにより、第2のスイッチ素子310のオン状態が維持される。
【0087】
可動部200において、操作部203がコーナ位置Cからコーナ位置Aに移動するとき、係合突起205は頂面418を通過する。可動部200は、操作部203がカバー開口501の内周面に沿い、板部201がガイド開口103の内周面111に沿って移動する。上側凸部212、213、214は、ガイド部100の凹部108、109、110の内周面に沿って移動する。第2の押圧突起208は、第2の操作片312の付勢力により第2の操作片312の先端が第2の押圧突起208の側面に当接したまま、第2のスイッチ素子310から離間する方向に移動する。操作部203がコーナ位置Aに到達すると、第2の押圧突起208は、第2の操作片312から離間する。これにより、第2のスイッチ素子310がオフ状態に切り替わる。
【0088】
このように、操作部203がコーナ位置Aにあるとき、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310はオフ状態となり、コーナ位置Bにあるとき、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310はオン状態となり、コーナ位置Cにあるとき、第1のスイッチ素子309はオフ状態且つ第2のスイッチ素子310はオン状態となる。第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310はそれぞれオン/オフ状態をECに出力する。
【0089】
ここでは、操作部203がコーナ位置Aから反時計回りに移動するときのスイッチ部7の動作について説明したが、操作部203がコーナ位置Aから時計回りに移動するときのスイッチ部7の動作についても同様である。このように、本実施形態のスイッチ部7によれば、操作部203をコーナ位置A、B、Cの全ての組み合わせの2位置間で直接移動することができる。これにより、本実施形態のスイッチ部7によれば、描画処理の3つのモードを全てのモードの間で直接切り替えることができる。
【0090】
本実施形態のスイッチ部7によれば、可動部200の移動方向であるXY軸方向からの押圧により、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310のオン/オフ状態が3種類の組み合わせで切り替えられるスイッチモジュール300を採用しているため、スイッチ機構を簡素化できる。また、操作部200は定位手段によって3つのコーナ位置に定位されることで、第1のスイッチ素子309及び第2のスイッチ素子310のオン/オフ状態が利用者の意に反して変更されるおそれが少なく、信頼性が向上する。
【0091】
複数のモードを直接切り替え可能とするために、モードごとのスイッチを個別に設ける場合、スイッチ全体のサイズが大型化するおそれがある。しかしながら、本実施形態のスイッチ部7は構造的に3つのモードの直接の切替を実現しているため、各機構部品を小さく構成することで、スイッチ部7を小型化することができる。また、カバー開口501を可動部200の板部201で内側から覆うことにより、スイッチ部7の内部が外部から視認されることがなく、デザイン性が良い。
【0092】
本発明に係る実施形態は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態が考えられる。
【0093】
本実施形態のスイッチ部7の構造は、種々のスライド式のスイッチ部に適応可能である。
【0094】
例えば、本実施形態では、可動部200は、カバー開口501の三角形の3つのコーナ位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持され、3つのコーナ位置でそれぞれ定位された。しかしながら、これに限定されない。カバー開口501、ガイド開口103及び可動部200の形状、膨出部417の形状等を変更することで、可動部を、4以上のコーナを持つ多角形のコーナ位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持し、4以上のコーナ位置でそれぞれ定位させることができる。これにより、スイッチ部7の誤動作を防止することができる。
【0095】
あるいは、直線上の2以上の位置で可動部が移動可能なスライド式のスイッチ部の隣接する各2位置間に規制部400等を設けて可動部200の移動を規制可能としてもよい。これにより、スライド移動の終点位置におけるガタツキをなくし、クリック感及び引き込み感を利用者に与えることができる。これにより、スイッチ部7の誤動作を防止することができる。
【0096】
可動部200の動作力は、規制部400の板ばね401の付勢力を調整することにより調整することが可能である。また、膨出部417の形状、可動部200の係合突起205の形状又は板ばね401の付勢力等を変更することにより、所望のクリック感及び引き込み感を利用者に与えることができる。
【0097】
スイッチ部7は、描画処理のモードの切り替えに使用するものとして説明したが、これに限定されず、種々の動作処理の切り替えに用いることができる。
【符号の説明】
【0098】
1…PC(Personal Computer)
7…スイッチ部
100…ガイド部
103…ガイド開口
501…カバー開口
200…可動部
201…板部
203…操作部
205…係合突起(定位手段)
300…スイッチモジュール(検知部)
400…規制部
401…板ばね(定位手段)
403…係合部(定位手段)
417…膨出部
418…頂面
419…テーパ面
419a…第1のテーパ面
419b…第2のテーパ面
500…カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者により操作されることが可能な可動部と、前記可動部を3以上の位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持する支持部と、前記可動部が各々の前記位置に移動したことを検知する検知部とを有するスイッチ部と、
前記検知部の検知結果を認識する制御部と
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記スイッチ部は、前記可動部を各々の前記位置で定位させる定位手段をさらに有する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記スイッチ部は、各々の前記2位置間に設けられ、前記可動部が各々の前記2位置間を移動する過程で、前記可動部とそれぞれ異なるタイミングで干渉して、前記可動部の前記移動を規制する第1のテーパ面及び前記可動部の移動を促す第2のテーパ面を有する係合部をさらに有する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記スイッチ部は、前記係合部の前記各テーパ面と前記可動部とを圧接させるように付勢する付勢手段をさらに有する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記検知結果に基いて前記情報処理装置の動作処理を切り替える
情報処理装置。
【請求項6】
利用者により操作されることが可能な可動部と、
前記可動部を3以上の位置における全ての組み合わせの2位置間で直接移動自在に支持する支持部と、
前記可動部が各々の前記位置に移動したことを検知する検知部と
を具備するスイッチ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のスイッチ装置であって、
前記可動部を各々の前記位置で定位させる定位手段
をさらに具備するスイッチ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のスイッチ装置であって、
各々の前記2位置間に設けられ、前記可動部が各々の前記2位置間を移動する過程で、前記可動部とそれぞれ異なるタイミングで干渉して、前記可動部の前記移動を規制する第1のテーパ面及び前記可動部の移動を促す第2のテーパ面を有する係合部
をさらに具備するスイッチ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のスイッチ装置であって、
前記係合部の前記各テーパ面と前記可動部とを圧接させるように付勢する付勢手段
をさらに具備するスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−134608(P2011−134608A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293397(P2009−293397)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】