説明

情報処理装置及びプログラム

【課題】決済終了前において、商品登録画面に表示される商品情報に対するキャッシャの後付け操作を容易化する。
【解決手段】一取引の商品に関する商品情報を表示する商品登録画面320を表示するキャッシャ用のディスプレイ32を備えたPOS端末3において、決済終了前に、商品登録画面320における商品情報に対する後付け操作のためのソート操作を受け付ける操作受付部331と、その操作受付部331で受け付けたソート操作に従って、商品登録画面320における商品情報の表示順をソートするソート処理部335と、ソート処理部335によるソート処理後に決済終了前の商品情報に対する後付け処理を実行する後付け処理部336とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットなどの商品を販売する店舗においては、売上商品の登録処理を行うPOS端末(例えば、特許文献1参照)が導入されている。
【0003】
具体的には、この種のPOS端末では、スキャナ装置のスキャンにより取得した商品コードに対応する商品情報(商品名や単価など)を売上ファイルに登録するとともに、登録した商品情報をキャッシャ用のディスプレイに表示する登録処理を行う。
【0004】
ところで、この種のPOS端末を使用するキャッシャにあっては、客が決済場所に持ってきた買い物カゴの中から無作為に商品を取り出し、その商品のバーコードをスキャナ装置でスキャンするのが一般的であり、この種のPOS端末では、スキャンされた順番に従って複数種類の商品に関する商品情報を上から下へ順番に表示する商品登録画面をディスプレイに表示する構成となっている。
【0005】
また、この種のPOS端末を設置する店舗においては、店舗販売促進の一つとして、決済終了前の登録済み商品、即ち、商品登録画面に表示されている商品情報に対し、決済処理担当の店員であるキャッシャの後付け操作に応じて、値引、割引、取消等の後付け処理をPOS端末に行わせることが一般的に良く行われている。
【0006】
なお、特許文献1のPOS端末では、客に手渡すレシートとして、所定の商品分類順に並び替えた商品情報を印字したレシートを発行するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のPOS端末にあっては、スキャンされた順番に対応した表示順でしか商品情報を表示することができない商品登録画面を採用しているため、キャッシャが前記したような後付け操作をする場合、キャッシャは、キーボードの矢印キーなどを操作して、商品登録画面においてランダムに並んだ複数種類の商品情報を上下にスクロールさせて、そのランダムに並んだ複数種類の商品情報の中から当該後付け操作対象となる商品情報を検索する必要があり、これにより、キャッシャによる後付け操作に時間がかかってしまい、決済時における接客サービスの低下を招く虞があった。
【0008】
即ち、従来のPOS端末にあっては、店舗販売促進の一つとして後付け処理を行うようにしていたにも係らず、前記したような接客サービスの低下が発生すると、客によっては、それを契機にして二度と来店しなくなってしまう虞があり、それにより、店舗の営業利益が下がるまたは上がらないなどの不都合が発生する虞もあった。
【0009】
特に、一取引における登録商品の登録数が多ければ多いほど、キャッシャによる後付け操作に時間がかかるものとなっていた。
【0010】
また、一取引中における複数種類の登録商品の中に、同一の商品であっても見切り品のため割引になっている商品と、割引となってない通常の商品が混在しているような場合では、予め定められている単価が同一であることから商品登録画面に表示される商品情報の内容が類似しており、キャッシャがそれら商品を区別するのが困難であるため、この場合も、キャッシャによる後付け操作に時間がかかるものとなっていた。
【0011】
そこで、本発明では、前記課題に鑑みてなされたものであり、決済終了前において、商品登録画面に表示される商品情報に対するキャッシャの後付け操作を容易化することが可能な情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、決済終了前に、前記商品登録画面における商品情報に対するソート操作を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段で受け付けたソート操作に従って、前記商品登録画面における商品情報の表示順をソートするソート処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、商品登録画面に表示される商品情報の表示順をキャッシャの操作によりソート可能な構成としたため、キャッシャが後付け対象の商品を簡単に探すことができる。また、これにより、キャッシャによる後付け操作にかかる時間を短縮し、決済時における接客サービスを向上させて店舗の営業利益の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態に係るPOSシステムの概略構成を説明するための概要図である。
【図2】図2は、一つのチェックアウトシステムの外観構成を説明するための斜視図である。
【図3】図3は、POS端末のキャッシャ用のディスプレイに表示される商品登録画面の一構成例を示す図である。
【図4】図4は、ストアサーバのハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図5は、POS端末のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【図6】図6は、POS端末における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【図7】図7は、POS端末が実行する処理の手順を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、図7におけるステップS5の詳細な処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0016】
なお、本発明は、商品を販売する商品販売店舗に設置されるPOS(Point Of Sales System)システム(:販売時点情報管理システム)に適用されるものであるが、以下の実施形態では、スーパーマーケットなどの店舗に設置されるPOSシステムに本発明を適用した場合について説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の概略構成を説明するための概要図である。
【0018】
図1に示すように、このPOSシステム1では、1台のストアサーバ2と、複数台のPOS端末3A〜3N(以下、特定しないPOS端末を単にPOS端末3と称する。)とが、LAN(Local Area Network)などの内部ネットワーク4を介して接続されており、更に、各POS端末3A〜3Nには、スキャナ装置5A〜5N(以下、特定しないスキャナ装置を単にスキャナ装置5と称する。)がそれぞれ電気的に接続されている。
【0019】
ここで、ストアサーバ2は、店舗のバックヤードなどに設置され、POS端末3の上位装置としてのサーバ装置である。
【0020】
なお、ストアサーバ2は、パーソナルコンピュータなどで実現され、ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)204(図4参照)などの記憶手段に商品情報ファイル204aを保持しており、各POS端末3A〜3Nからの問合せに応じて商品情報ファイル204aから必要な商品情報を返信する。
【0021】
ここで、商品情報ファイル204aとは、商品の種別毎に固有に割り振られた商品を特定するための商品コードと、商品の名称(商品名)や単価などを含む商品情報とを対応付けて記憶するファイルのことである。
【0022】
POS端末3は、店舗の決済場所に設置され、客が購入する商品の決済を行うための端末であり、ストアサーバ2及びスキャナ装置5との間で各種データ通信を行うものである。
【0023】
スキャナ装置5は、客が決済場所に持参した購入対象の商品に付けられたバーコードなどのコードを読み取るコード読取装置であり、読み取ったコードから取得した商品コードをPOS端末3に送信するための装置である。
【0024】
なお、各POS端末3A〜3Nとそれぞれ対となる各スキャナ装置5A〜5Nとにより、それぞれ一つのチェックアウトシステム6A〜6N(以下、特定しないチェックアウトシステムを単にチェックアウトシステム6と称する。)を構成している。
【0025】
図2は、一つのチェックアウトシステム6の外観構成を説明するための斜視図である。
【0026】
図2に示すように、チェックアウトシステム6は、一対のPOS端末3及びスキャナ装置5を主体に構成されており、POS端末3とスキャナ装置5とは、通信ケーブル7を介して接続されており、相互に各種データの送受信が可能となっている。
【0027】
POS端末3は、レジ台8に載置されたドロワ9の上面に載置されており、スキャナ装置5は、サッカー台(通称:チェックアウトカウンタ)10の上面略中央に固定されている。
【0028】
なお、ドロワ9とは、営業開始前に準備金として入金された貨幣を保管するとともに、営業中に客から受け取った貨幣を保管する機器であり、ドロワ9のハウジング内部に貨幣を収容する引き出し(不図示)が設けられているものである。
【0029】
また、POS端末3は、ハウジング30の上面に、キーボード31、キャッシャ用のディスプレイ32、客用のディスプレイ33、レシート発行口34等を備え、ハウジング30の内部に、取引単位のレシートの印字やジャーナルの印字を行うプリンタ35(図5参照)を備えている。
【0030】
なお、キャッシャとは、決済処理担当の店員のことであり、チャックアウトシステム6、即ち、一対のPOS端末3及びスキャナ装置5を使用操作するオペレータのことである。
【0031】
図3は、前記したキャッシャ用のディスプレイ32に表示される商品登録画面の一構成例を示す図であり、図3(a)が、後述のソート処理部335(図6参照)によるソート実行前の商品登録画面320Aの一構成例を示し、図3(b)が、ソート処理部335によるソート実行後の商品登録画面320Bの一構成例を示している。なお、以下、特定しない商品登録画面を単に商品登録画面320と称する。
【0032】
図3(a)及び図3(b)に示すように、各商品登録画面320A、320Bは、後述の売上ファイル302a(図5参照)に登録する一客の一取引における商品に関する情報、即ち、POS端末3が、一客の一取引においてスキャナ装置5から受信した商品コードに対応する商品情報をキャッシャに提示するための表示画面である。
【0033】
本実施形態の商品登録画面320A、320Bでは、前記した一取引における1または複数の商品情報を表示する第1の表示エリア321と、最後に取得した最新の商品コードに対応した商品情報や、第1の表示エリア321上でカーソルCで指示された商品に関する商品情報や、小計金額などのキャッシャのキーボード31の操作に対応した処理情報を表示する第2の表示エリア322と、商品登録した商品の小計、外税、値割引合計、合計金額等の各種金額情報を表示する第3の表示エリア323などを有している。
【0034】
なお、第1の表示エリア321は、各商品に関する商品情報として、各商品の商品名を示す「商品名」項目321aと、予め定められた各商品の単価を示す「単価」項目321bと、各商品の点数を示す「点数」項目321cと、各商品の単価に対する割引または値引の値を示す「割引/値引」項目321dと、各商品の金額であって、割引/値引が有る場合にはその割引/値引を反映した金額の値を示す「金額」項目321eなどを有している。なお、同一の商品が複数ある場合には、前記した「点数」項目321cの値が増加すする。
【0035】
即ち、図3(a)に示す商品登録画面320Aは、キャッシャにより商品情報に対する所定のソート操作が行われる前の状態における商品情報を表示する画面であり、具体的には、この商品登録画面320Aは、キャッシャがスキャナ装置5を用いて客の購入対象の商品Gに付けられたバーコードを順次読取る商品登録作業を行った際、POS端末3が商品コードの受信順に従って対応する商品情報を順番(例えば、上から下など)に表示した場合の表示画面である。
【0036】
また、図3(b)に示す商品登録画面320Bは、キャッシャにより商品情報に対する所定のソート操作が行われた場合における商品情報を表示する画面であり、具体的には、この商品登録画面320Bは、図3(a)の商品登録画面320Aなどが表示されている状態で、キャッシャが所定のソート操作を行って、商品情報の表示順を変更した場合の表示画面である。
【0037】
なお、図3(b)の例は、図3(a)のソート前の商品登録画面320Aがキャッシャ用のディスプレイ32に表示されている状態で、キャッシャが単価によるソートを指定する所定のソートキー操作を行った場合であり、この場合には、各商品に対応する商品情報が、単価の高い商品Gから低い商品Gと降順表示される場合の商品登録画面320Bを示している。
【0038】
より具体的には、商品登録画面320Bでは、単価の高い順に、一番上から、商品名「海老フライ」という商品Gの商品情報、商品名「バラ がんもどき」という商品Gの商品情報、商品名「バラ 生あげ」という商品Gの商品情報、商品名「バラ 生あげ」という商品Gの商品情報が表示されている。
【0039】
なお、本実施形態のソート後の商品登録画面320Bでは、降順表示の場合について説明したが、これに限定されず、昇順表示とすることも可能である。
【0040】
また、図2に戻って、図2の符号E1の指す拡大図に示すように、POS端末3のキーボード31には、POS端末3に各種機能実行を指示するための複数の機能キーが実装されており、例えば、ソート宣言キー31a、部門キー31b、クラスキー31c、数値キー31d、金額キー31e、ログインキー31f、ログアウトキー31g、上矢印キー31h、下矢印キー31i、値引キー31j、割引キー31k、取消キー31l、預/現計キー31m、クリア(C)キー31n等を有している。
【0041】
ここで、ソート宣言キー31aは、キャッシャがソート機能の使用宣言をする際に押下される機能キーである。また、部門キー31b、クラスキー31c、数値キー31d及び金額キー31eは、ソート宣言キー31aが押下された場合にソートキーとして用いられる機能キーである。
【0042】
ログインキー31f、ログアウトキー31gは、キャッシャがチェックアウトシステム6の使用を宣言または終了する際に押下される機能キーである。
【0043】
また、上矢印キー31h、下矢印キー31iは、キャッシャ用のディスプレイ32に表示される各種画面上においてカーソルを上下にスクロールするための機能キーである。
【0044】
また、値引キー31j、割引キー31k及び取消キー31lは、後付け操作をする場合に押下される機能キーである。
【0045】
また、預/現計キー31mは、1客の1取引の終了を宣言する際に用いられる機能キーである。また、クリア(C)キー31nは、ソート宣言キー31aが押下された場合に、ソート処理をキャンセルする場合に押下される機能キーである。
【0046】
なお、図2のキーボード31の例では、固有のキーにそれぞれ割り当てられた各機能キー31a〜31lを実装したキーボード31を備えるPOS端末3の場合について説明したが、これ以外にも、例えば、複数のキーを組み合わせて前記したような各機能を指示することができるキーボード31を備えるPOS端末3とすることも可能である。
【0047】
また、図2のスキャナ装置5は、サッカー台10の上面に立設された縦型ハウジング51と、この縦型ハウジング51の上端に連結されたキャッシャ用の操作表示部52及び客用のディスプレイ53とを備えている。
【0048】
そして、縦型ハウジング51のキャッシャと対向する面51Aに、読取窓51aが設けられ、また、その読取窓51aを介して商品Gに付けられたバーコードを読み取り、当該商品の商品コードを取得するための読取部(CPU、ROM、RAM、画像処理部等の集積回路部(不図示)やカメラ54など)が縦型ハウジング51内部に実装されている。
【0049】
また、キャッシャ用の操作表示部52は、キャッシャ用のディスプレイ52aと、キーボード52bとを備えている。
【0050】
図4は、ストアサーバ2のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0051】
図4に示すように、このストアサーバ2は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっており、例えば、CPU(Central Processing Unit)201と、このCPU201とバスラインBL0を介して接続されるROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、ハードディスク装置(HDD)204、外部記憶媒体処理部205、通信I/F206、LANI/F207、入出力処理部208、表示コントローラ209、音声処理部210等と、電源装置211などを備えている。
【0052】
ここで、CPU201は、ストアサーバ2全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御するものである。また、ROM202は、ストアサーバ2における各種処理を実行するための制御プログラムなどの各種ファイルを記憶するものである。また、RAM203は、入力データや表示データなどの作業中のデータを一時的に記憶したり、ストアサーバ2の起動時にROM202から読み出された制御プログラムやHDD204から読み出された商品情報ファイル204aなどを一時的に記憶するものである。
【0053】
外部記憶媒体処理部205は、CD−RW(Compact Disk Rewritable)などの外部記録媒体に対する読み書き処理を行う装置である。
【0054】
通信I/F(インタフェース)206は、インターネットなどの外部ネットワークを介して接続された本部のサーバ装置と各種データの送受信を行うものである。また、LANI/F(インタフェース)207は、LAN4を介して接続されたPOS端末3と各種データの送受信を行うものである。
【0055】
入出力処理部208は、キーボード21またはマウス22からの操作信号を入力し、その入力した操作信号をCPU201に出力するものである。また、表示コントローラ209は、ディスプレイ23の画面表示を制御するものである。また、音声処理部210は、スピーカ24から警告音などの各種音を鳴動させる処理を行うものである。
【0056】
電源装置211は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電圧をストアサーバ2の内部回路に供給する直流電圧に変換して出力するものである。
【0057】
図5は、POS端末3のハードウェア構成を説明するためのブロック図であり、特に、ハウジング30(図2参照)内のハードウェア構成を示している。
【0058】
図5に示すように、このPOS端末3は、ハウジング30内に、CPU(Central Processing Unit)301と、このCPU301とバスラインBL1を介して接続されるROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、時計部304、通信I/F305、LANI/F306、キーボードコントローラ307、第1表示コントローラ308、第2表示コントローラ309、プリンタコントローラ310、音声処理部311と、I/O(Input/Output)ポート312等と、電源装置313などを備えている。
【0059】
ここで、CPU301は、POS端末3全体の制御、即ち、各種演算や各構成要素部に対する各種処理を制御するものである。また、ROM302は、POS端末3における各種処理を実行するための制御プログラム、特に、本実施形態では、後述の図7及び図8の処理を実行するためのソート処理プログラムP1や、売上ファイル302aなどの各種ファイルを記憶するものである。また、RAM303は、入力データや表示データなどの作業中のデータを一時的に記憶したり、POS端末3の起動時にROM302から読み出された制御プログラムや売上ファイル302aなどを一時的に記憶するものである。
【0060】
時計部304は、現在の日時及び時刻を計時するものである。
【0061】
通信I/F(インタフェース)305は、通信ケーブル7を介して接続されたスキャナ装置5と各種データの送受信を行うものである。また、LANI/F(インタフェース)306は、LAN4を介して接続されたストアサーバ2と各種データの送受信を行うものである。
【0062】
キーボードコントローラ307は、キーボード31の各種操作キー毎に対応したキー信号を入力し、その入力したキー信号をCPU301に出力するものである。また、第1表示コントローラ308は、キャッシャ用のディスプレイ32の画面表示を制御するものである。また、第2表示コントローラ309は、客用のディスプレイ33の画面表示を制御するものである。また、プリンタコントローラ310は、プリンタ35のレシートやジャーナルの印字を制御するものである。
【0063】
音声処理部311は、スピーカ36から後述の複数読み防止処理における警告音などの各種音を鳴動させる処理を行うものである。
【0064】
I/Oポート312は、決済時にドロワ9に引き出しの開放を命令する信号を出力するものである。なお、前記信号を受信したドロワ9は、貨幣を収納する引き出し(不図示)を開放する。
【0065】
電源装置313は、コンセントなどの商用電源にプラグなどの差込み器具が接続されることで、商用電源からの電圧をPOS端末3の内部回路に供給する直流電圧に変換して出力するものである。
【0066】
図6は、POS端末3における機能的構成を説明するためのブロック図である。
【0067】
図6に示すように、POS端末3は、機能的構成として、例えば、操作受付部331、商品情報取得部332、商品登録部333、画面表示部334、ソート処理部335、後付け処理部336、締め処理部337等を有している。
【0068】
ここで、操作受付部331は、キーボード31の各種機能キーの押下により発生した各種操作信号の入力を受け付け処理を実行するものであり、本実施形態では、決済終了前に、キャッシャによる所定のソート操作を受け付けるものである。
【0069】
商品情報取得部332は、スキャナ装置5から商品コードを受信して、該受信した商品コードに対応する商品名や単価などの商品情報をストアサーバ2から取得する処理を実行する。
【0070】
商品登録部333は、商品情報取得部332で取得した商品情報を売上ファイル302aに登録する処理を実行する。
【0071】
画面表示部334は、キャッシャ用のディスプレイ32に各種表示画面を表示する処理を実行するものであり、本実施形態では、図3に示した商品登録画面320A、320Bなどをキャッシャ用のディスプレイ32に表示する。
【0072】
ソート処理部335は、決済終了前に、操作受付部331で受け付けた所定のソート操作に従って、商品登録画面320の第1の表示エリア321で表示される商品情報の表示順をソート(並び替え)する処理を実行する。
【0073】
具体的には、例えば、このソート処理部335は、第1の表示エリア321で表示される各商品に関する商品情報(商品名、単価、商品コード等)を更新管理する。また、このソート処理部335は、各商品の部門やクラスを示す商品属性情報をストアサーバ2などから取得する。
【0074】
そして、このソート処理部335は、操作受付部331でソート操作を受け付けた場合、当該ソート操作(例えば、部門キー31b、クラスキー31c、数値キー31d、金額キー31e等の押下操作)からソートの種別を解析する、即ち、当該受け付けたソート操作によるソート種別が、商品属性(部門またはクラスなど)別のソート、属性コード別のソート、単価別のソートのいずれであるかを解析する。
【0075】
その後、ソート処理部335は、解析されたソート種別毎のソート処理を実行する。即ち、ソート種別が部門やクラスなどの商品属性別のソートである場合には、前記した商品属性情報を参照して、商品登録画面320における複数の商品情報が商品属性別の並び順となる表示情報を生成する。一方、ソート種別が属性コード別のソートである場合には、商品コードを参照して、商品登録画面320における複数の商品情報が属性コード別の並び順となる表示情報を生成する。また、一方、ソート種別が単価別のソートである場合には、単価情報を参照して、商品登録画面320における複数の商品情報が単価の高低別の並び順となる表示情報を生成する。
【0076】
その後、ソート処理部335は、前記生成した表示情報を画面表示部334に出力する。これにより、画面表示部334が、入力した表示情報に従って、ソート後の並び順で商品情報を表示する商品登録画面320(例えば、図3(b)参照)をキャッシャ用のディスプレイ32に表示する。
【0077】
後付け処理部336は、決済終了前の商品情報に対する後付け処理を実行するものであり、具体的には、操作受付部331を介してキャッシャによる値引、割引、取消等の所定の後付け操作(例えば、値引キー31j、割引キー31k、取消キー31l等の押下操作)を受け付けた場合に、値引、割引、取消等の所定の後付け処理を実行する。
【0078】
なお、ここでいう後付け処理における「値引処理」とは、商品毎に予め定められた単価から所定の金額を減ずる処理のことである。また、「割引処理」とは、商品毎に予め定められた単価から所定割を減ずる処理のことである。更に、「取消処理」とは、商品登録された商品の中から客が購入を止めた商品の登録を取り消す処理のことである。
【0079】
締め処理部337は、キャッシャによる所定の締め操作(例えば、預/現計キー31mの押下操作)があった場合に、売上ファイル302aの登録内容の確定処理を行うとともに、プリンタ35(図5参照)にレシートを発行させ、ドロワ9(図5参照)に引き出し(不図示)を開放させて一取引の処理を終了する締め処理を実行する。
【0080】
なお、この締め処理部337が、ソート処理部335によるソート処理が反映されたレシートをプリンタ35に発行させる処理を実行するようにすることも可能である。これにより、レシートに印字される商品情報が、商品属性別、属性コード別、単価別等で整列された並び順になっていることで、客は自己の購入した商品の内容を簡単に把握することが可能となる。
【0081】
次に、前記説明した構成のPOS端末3における処理動作の詳細について図7及び図8を用いて説明する。
【0082】
図7は、POS端末3が実行する処理の手順を説明するためのフローチャートであり、図8は、図7におけるステップS5の詳細な処理を説明するためのフローチャートである。
【0083】
図7に示すように、まず、ステップS1において、POS端末3では、キャッシャによりチェックアウトシステム6が使用されていない場合、画面表示部334が不図示のアイドル画面をキャッシャ用のディスプレイ32に表示し、ステップS2において、キャッシャによる所定のログイン操作、即ち、ログインキー31fの押下操作の待ち受け処理を行う。
【0084】
ステップS2において、キャッシャによる所定のログイン操作が行われると(ステップS2:YES)、続いて、ステップS3において、POS端末3では、画面表示部334が商品登録画面320をキャッシャ用のディスプレイ32に表示する登録画面表示処理、及び、キャッシャによるソート宣言操作、後付け操作、締め操作等の各種操作の待ち受け処理を実行する。
【0085】
このステップS3において、POS端末3が、スキャナ装置5から商品コードを受信すると、ステップS4において、商品情報取得部332が当該受信した商品コードに対応する商品情報をストアサーバ2から取得し、商品登録部333は商品情報取得部332が取得した商品情報を売上ファイル302aに登録する。その後、ステップS3に戻って、同様の処理を行う。なお、この場合には、商品情報取得部332が取得した商品情報を表示した商品登録画面320がキャッシャ用のディスプレイ32に表示される。
【0086】
また、ステップS3において、キャッシャによる所定のソート宣言操作、即ち、ソート宣言キー31aの押下操作があった場合、それ以降、ステップS5において所定のソート処理が実行される。
【0087】
具体的には、このステップS5のソート処理では、図8に示すように、ステップS51において、キャッシャによるソート宣言キー31aの押下操作があった場合、続いて、ステップS52〜ステップS55において、ソート処理部335が、ソートの種別を指定する操作、及び、このソート処理をキャンセルする操作の監視を行う。
【0088】
この監視の結果、商品属性によるソートを指示する操作、即ち、部門キー31bまたはクラスキー31cの押下操作があった場合には(ステップS52:YES)、続いて、ステップS56において、ソート処理部335が商品属性によるソートであることを解析し、ソート処理部335が商品属性によるソート処理を実行する。これにより、画面表示部334が、商品属性によるソートをした表示順で商品情報を表示する商品登録画面320をキャッシャ用のディスプレイ32に表示する。
【0089】
一方、前記した監視の結果、属性コードによるソートを指示する操作、即ち、数値キー31dの押下操作があった場合には(ステップS53:YES)、続いて、ステップS57において、ソート処理部335が属性コードによるソートであることを解析し、ソート処理部335が属性コードによるソート処理を実行する。これにより、画面表示部334が、属性コードによるソートをした表示順で商品情報を表示する商品登録画面320をキャッシャ用のディスプレイ32に表示する。
【0090】
また、一方、前記した監視の結果、単価によるソートを指示する操作、即ち、金額キー31eの押下操作があった場合には(ステップS54:YES)、続いて、ステップS58において、ソート処理部335が単価によるソートであることを解析し、ソート処理部335が単価によるソート処理を実行する。これにより、画面表示部334が、単価によるソートをした表示順で商品情報を表示する商品登録画面320をキャッシャ用のディスプレイ32に表示する。
【0091】
なお、前記したステップS56〜58の処理後、または、前記した監視の結果、キャンセルキー31nの押下操作があった場合には(ステップS55:YES)、処理をステップS3に戻し以下同様の処理を繰り返す。
【0092】
即ち、前記説明してきた実施形態によれば、決済終了前、即ち、キャッシャによる所定の締め操作(例えば、現/預計キー31mの押下操作)が行われる前に、商品登録画面320の商品情報に対するソート操作を受け付け、当該受け付けたソート操作に従って、商品登録画面320における商品情報の表示順をソートするソート処理を実行する構成としたため、決済終了前において、キャッシャに商品登録画面320に表示される商品情報の中から後付け対象となる商品情報を簡単に探させることができる。
【0093】
これにより、キャッシャによる後付け操作にかかる時間を短縮し、決済時における接客サービスの低下を抑制することができ、それにより、店舗の営業利益が下がるまたは上がらないなどの不都合を解消することができる。
【0094】
特に、客が購入しようとする商品、即ち、決済終了前の登録商品の中に、同一の商品であっても見切り品のため割引になっている商品(例えば、図3に示す、割引が−10%のバラ 生あげ)と、割引となってない通常の商品(例えば、図3に示す、割引、値引のないバラ 生あげ)が混在しているような場合でも、決済終了前において、キャッシャに商品登録画面320に表示される商品情報の中から後付け対象となる商品情報(例えば、一番単価の高い商品に関する商品情報)を簡単に探させることができる。
【0095】
以上、例示的な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前記した実施形態により限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載により表される技術的思想の範囲内において種々の変更、改変を行うことが可能である。
【0096】
例えば、前記した実施形態では、商品登録画面320で表示される商品情報のソートを行う情報処理装置としてPOS端末に適用した場合について説明したが、これ以外にも、図2に示すスキャナ装置5のような他の情報処理装置に適用することも可能である。
【0097】
また、前記した実施形態では、ソート種別として、商品属性(部門またはクラスなど)別のソート、属性コード別のソート、単価別のソートの3種類について説明したが、これ以外のソート種別を設定することも可能である。
【0098】
また、前記した実施形態では、図2に示すような一対の固定型のスキャナ装置5が通信接続されたPOS端末3の場合について説明したが、これ以外にも、例えば、前記したような固定型のスキャナ装置5の代わりに、手持ち型のバーコード読取装置(通称:タッチスキャナ)を備えるPOS端末とすることも可能である。
【0099】
また、前記した実施形態では、POS端末3及びスキャナ装置5の各種ディスプレイ(32、33、52a及び53)は単なる表示器である場合について説明したが、これ以外にも、例えば、タッチパネル式のディスプレイとすることも可能である。
【0100】
また、前記した実施形態では、準備金または客より受け取った貨幣を保管する機器としてドロワ9を適用した場合について説明したが、これ以外にも、例えば、POS端末3からの払出命令信号を受けて自動的に釣銭分の貨幣を払出す自動釣銭機などを適用することも可能である。
【0101】
また、前記した実施形態のPOS端末3で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0102】
その他、前記した実施形態における装置構成及び機能構成、または、表示画面の構成などは単なる例として記載したものであり、本発明はこれらにより限定されない。
【符号の説明】
【0103】
1 POSシステム
2 ストアサーバ
3、3A〜3N POS端末(情報処理装置)
4 LAN
5、5A〜5N スキャナ装置
6、6A〜6N チェックアウトシステム
G 商品
31 キーボード
31a ソート宣言キー
31b 部門キー
31c クラスキー
31d 数値キー
31e 金額キー
32 キャッシャ用のディスプレイ
331 操作受付部(操作受付手段)
332 商品情報取得部
333 商品登録部
334 画面表示部
335 ソート処理部(ソート処理手段)
336 後付け処理部(後付け処理手段)
337 締め処理部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0104】
【特許文献1】特開平10−269461号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一取引の商品に関する商品情報を表示する商品登録画面を表示する表示装置を備えた情報処理装置であって、
決済終了前に、前記商品登録画面における商品情報に対するソート操作を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段で受け付けたソート操作に従って、前記商品登録画面における商品情報の表示順をソートするソート処理手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
決済終了前の商品情報に対する後付け処理を実行する後付け処理手段を更に有することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ソート処理手段は、前記商品登録画面における商品情報の表示順のソート処理として、商品属性別のソート処理、属性コード別のソート処理及び単価の高低によるソート処理のいずれかのソート処理を実行することを特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ソート処理手段は、降順または昇順のいずれかによるソート処理を実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記後付け処理手段は、値引、割引及び取消のいずれかの後付け処理を実行することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項記載の情報処理装置。
【請求項6】
一取引の商品に関する商品情報を表示する商品登録画面を表示する表示装置を備えた情報処理装置に実装されるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
操作受付手段が、決済終了前に、前記商品登録画面における商品情報に対するソート操作を受け付ける操作受付ステップと、
ソート処理手段が、前記操作受付ステップで受け付けたソート操作に従って、前記商品登録画面における商品情報の表示順をソートするソート処理ステップと、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−186949(P2011−186949A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53766(P2010−53766)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】