情報処理装置
【課題】より薄型化を図ることができる情報処理装置を提供することにある。
【解決手段】情報処理装置としてのCDプレーヤ1は機器本体3と機器本体3内にCD2を出し入れする搬送ユニット5とCD2に記録された情報を読み出す再生ユニット6と弾性支持部8bと連動機構7を備えている。弾性支持部8bは再生ユニット6を機器本体3に移動自在に支持するダンパ部材36と弾性支持アーム37とを備えている。弾性支持アーム37は機器本体3に移動自在に設けられかつダンパ部材36を取り付けている。連動機構7は機器本体3にCD2を出し入れする際に弾性支持アーム37を機器本体3の底板17に近づける。
【解決手段】情報処理装置としてのCDプレーヤ1は機器本体3と機器本体3内にCD2を出し入れする搬送ユニット5とCD2に記録された情報を読み出す再生ユニット6と弾性支持部8bと連動機構7を備えている。弾性支持部8bは再生ユニット6を機器本体3に移動自在に支持するダンパ部材36と弾性支持アーム37とを備えている。弾性支持アーム37は機器本体3に移動自在に設けられかつダンパ部材36を取り付けている。連動機構7は機器本体3にCD2を出し入れする際に弾性支持アーム37を機器本体3の底板17に近づける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、Compact Discなどの記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、情報処理装置としてのCDプレーヤ(例えば、特許文献1参照)が取り付けられる。CDプレーヤは、記録媒体としてのCompact Disc(以下CDと呼ぶ)が記録した情報を読み出す。
【0003】
特許文献1に示されたCDプレーヤは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、前記機器本体に開口した記録媒体挿入口と、CDを機器本体の内外に出し入れする搬送ユニットと、前記CDに記録された情報を読み出すための再生ユニットと、連動機構等を備えている。機器本体は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状に形成されたシャーシを備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
【0004】
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体内から排出する。搬送ユニットは、互いに接離自在に設けられた一対の挟持部材を備えている。
【0005】
これら一対の挟持部材のうち一方は、モータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラを備えている。搬送ローラは、前記モータなどの駆動源によって回転駆動されることによって、CDを搬送する。他方の挟持部材は、摩擦係数の小さい滑り部材を備えている。滑り部材は、前記搬送ローラとの間に前記CDを挟んで、該CDの搬送方向を案内する。搬送ユニットは、一対の挟持部材間にCDを挟んで、前記CDを搬送する。
【0006】
再生ユニットは、互いに接離自在に設けられたキャリッジシャーシと、クランパとを備えている。キャリッジシャーシには、前記CDを回転するために回転テーブルと、前記CDに記録された情報を読み出すための光ピックアップ等が設けられている。クランパは、回転テーブルとの間にCDを挟んで、当該CDをクランプする。再生ユニットは、前記CDを前記再生位置に位置決め(クランプ)して、回転テーブルがCDを回転して、光ピックアップが前記CDに記録された情報を読み出す。
【0007】
また、前述した再生ユニットは、機器本体に取り付けられた弾性支持部材としてのダンパによって、機器本体に対して移動自在に設けられている。ダンパは、機器本体に対して再生ユニットを移動自在に支持するとともに、機器本体に対して再生ユニットが振動すると、当該再生ユニットの振動を徐々に減衰させる。
【0008】
連動機構は、CDを機器本体に出し入れする際には、搬送ユニットの一対の挟持部材同士を近づけて再生ユニットのキャリッジシャーシとクランパとを互いに遠ざけておく。連動機構は、CDから情報を読み出す際には、搬送ユニットの一対の挟持部材同士を遠ざけて再生ユニットのキャリッジシャーシとクランパとを互いに近づける。このように、連動機構は、搬送ユニットと再生ユニットとを互いに連動させて動作させる。
【0009】
前記CDが記録媒体挿入口を通して機器本体内に挿入されると、まず、CDが互いに近づいた前記一対の挟持部材間に挟まれる。搬送ローラの回転によってCDが機器本体内に搬送される。
【0010】
そして、連動機構が一対の挟持部材同士を相対的に遠ざけて、キャリッジシャーシとクランパとを互いに近づける。すると、CDは再生ユニットにクランプされて、回転テーブルがCDを回転させて、該再生ユニットによって情報を取り出される。情報処理装置は、取り出された情報を音声として出力する。CDを機器本体外に搬出する際には、まず、回転テーブルの回転を止める。搬送ユニットの搬送ローラを先ほどとは逆方向に回転させて、CDを記録媒体挿入口内に通して機器本体内から機器本体外に徐々に搬送する。
【0011】
前述したCDプレーヤは、前記自動車の走行中の振動によって機器本体3が振動しても、前記ダンパなどによって、機器本体3に対して再生ユニットを移動させる。そして、前記ダンパなどは、前記自動車の走行中の振動などが前記CD2に記録されている情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【特許文献1】特開2000−207802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した特許文献1に示されたCDプレーヤは、ダンパを機器本体に取り付けていた。このため、ダンパの弾性変形可能な範囲で、CDを出し入れする際などにキャリッジシャーシとクランパなどを移動させる必要があって、当該ダンパの弾性変形可能な範囲を大きくする必要が生じて、結果として機器本体の厚みが増加する傾向であった。前述した特許文献1などに記載されたCDプレーヤは、勿論、より小型化即ち薄型化が望まれている。しかしながら、前述した特許文献1に示されたCDプレーヤは、ダンパを機器本体に取り付けていたため、薄型化には限界があった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、例えば、より薄型化を図ることができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、機器本体と、前記機器本体内に収容されかつ記録媒体から情報を読み出す再生部と、前記再生部を前記機器本体に対して移動自在に支持しかつ前記再生部の前記機器本体に対する移動を減衰させる弾性支持部材と、を備えた情報処理装置において、少なくとも一つの前記弾性支持部材が取り付けられかつ機器本体に対して移動自在に設けられた移動部材と、前記機器本体に前記記録媒体を出し入れする際に、前記移動部材を前記機器本体の内面に近づける移動部と、を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、機器本体に移動自在に設けられて移動部によって機器本体に対して移動する移動部材に再生部を弾性支持する弾性支持部材を取り付けている。こうすることで弾性支持部材の弾性変形可能な範囲を再生部の移動範囲よりも大きくする必要が生じなくして(小さくすることができ)、弾性支持部材の小型化即ち機器本体の薄型化を図ることを可能としている。
【0016】
また、少なくとも再生状態では、移動部の一部を付勢して、当該移動部ががたつくことを防止する付勢手段を備えてもよい。この場合、移動部材を移動自在としても、当該移動部ががたついて異音を生じることを防止できる。
【0017】
さらに、移動部が、搬送部と再生部とを連動させて動作させても良い。この場合、搬送部の記録媒体の搬送動作を再生部が妨げることを防止でき、かつ再生部の再生動作を搬送部が妨げることを防止できる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図15に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、外径が例えば12cmの記録媒体としてのCD2を後述する機器本体3内に収容して、該CD2に記録された情報を読み出して(再生して)音声として出力する。
【0019】
なお、CD2は、勿論、ディスク形に形成されており、特許請求の範囲に記載された記録媒体をなしているとともに、円板状のコンピュータなどの電子機器で情報を読み取り可能な記録媒体である。
【0020】
CDプレーヤ1は、図1ないし図4に示すように、機器本体3(図1などに示す)と、駆動源としてのモータ4(図2などに示す)と、案内部8a(図2などに示す)と、搬送部としての搬送ユニット5(図2及び図3などに示す)と、再生部としての再生ユニット6(図2及び図3に示す)と、弾性支持部8b(図2に示す)と、移動部としての連動機構7(図3及び図4に示す)とを備えている。なお、以下、CD2の表面と搬送ユニット5のCD2の搬送方向との双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2の表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2の表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0021】
機器本体3は、外側ケース9(図1に示す)と、シャーシ10(図2及び図3に示す)とを備えている。外側ケース9は、合成樹脂で構成され、かつ扁平な箱状に形成されている。外側ケース9は、CDプレーヤ1の外殻をなしている。外側ケース9の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面9a(図1に示す)には、CD2を出し入れ可能な挿入口11が一つのみ設けられている。なお、前面9aは、外側ケース9即ちCDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する機器本体3の一つの面である。
【0022】
挿入口11は、外側ケース9の外壁を貫通している。挿入口11は、内側にCD2を通すことができる。挿入口11を通して、前記CD2は、外側ケース9則ち機器本体3内に収容されたり、該外側ケース9則ち機器本体3内から排出される。即ち、挿入口11は、機器本体3の内外を連通して、機器本体3にCD2を出し入れ自在とする。
【0023】
さらに、前述した前面9aには、表示パネルとしての蛍光表示管12と、各種のスイッチ13とが設けられている。
【0024】
蛍光表示管12は、前面9aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。蛍光表示管12は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0025】
各種のスイッチ13は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ13が使用者などに操作されることによって、例えば、再生ユニット6が再生するCD2のプログラムの選択や、このCD2の出し入れなどが行われる。
【0026】
シャーシ10は、外側ケース9内に収容されているとともに、該外側ケース9に固定されている。シャーシ10は、図3に示すように、底板部14と、天井板15と、中間板16とを備えている。
【0027】
底板部14は、薄手の板金が折り曲げられるなどして構成され、かつ凹凸や孔などが形成された平板状に形成された底板17と、該底板17の外縁から立設した周板18とを備えている。底板17は、外側ケース9の底壁の内面上に重ねられる。周板18は、三つ設けられ、底板17の挿入口11寄りの外縁を除く当該底板17の外縁から立設して設けられている。周板18は、勿論、外側ケース9の側壁の内面上に重ねられる。
【0028】
天井板15は、薄手の板金で構成され、かつ外側ケース9の天井壁の内面に重ねられている。天井板15は、底板17と間隔をあけて配置されている。また、天井板15は、底板17と間隔をあけて相対した状態で底板部14に固定されている。
【0029】
中間板16は、薄手の板金が折り曲げられるなどして構成され、かつ略平板状に形成されている。中間板16は、図3に示すように、底板17と天井板15との間に、これらと平行に配置されている。中間板16は、機器本体3の幅方向Xの一方側としての図2中の右側の端部に設けられている。
【0030】
モータ4は、シャーシ10の底板部14の底板17に取り付けられたモータブラケットに固定されているとともに、挿入口11と図2中左側に位置する周板18の近傍に配置されている。モータ4の出力軸には、勿論、ウォーム72が取り付けられている。
【0031】
案内部8aは、挿入口11の近傍に配置され、かつ、図4に示すように、一対の案内部材19と図示しないばねと連動歯車20とを備えている。一対の案内部材19は、それぞれ、板金などで構成され、帯板状に形成されている。一対の案内部材19は、長手方向が幅方向Xと平行に配置され、かつ互いに奥行き方向Yに沿って互いに間隔をあけて配置されている。
【0032】
一対の案内部材19は、それぞれ、幅方向Xに沿ってスライド自在にシャーシ10の底板部14の底板17に支持されている。一対の案内部材19には、奥行き方向Yに沿って互いに相対した縁に形成されたラック部21と、挿入口11の近傍に位置しかつ幅方向Xに沿って互いに離れた側の縁から立設した案内ピン22とが設けられている。
【0033】
ばねは、一対の案内部材19の案内ピン22同士が近づく方向に、当該一対の案内部材19同士を付勢している。連動歯車20は、シャーシ10の底板部14の底板17に回転自在に支持されている。連動歯車20は、一対の案内部材19の双方のラック部21にかみ合っている。連動歯車20は、底板17に対して回転することで、一対の案内ピン22が互いに接離するように、一対の案内部材19を互いに連動させて幅方向Xに沿って移動させる。
【0034】
前述した案内部8aは、挿入口11内に挿入されたCD2が案内ピン22に当接する。そして、案内部8aは、機器本体3内にCD2が挿入されるのにしたがって、ばねの付勢力に抗して、案内ピン22が互いに離れる方向に、案内部材19が移動する。そして、案内部8aは、ばねの付勢力によって、機器本体3内に挿入されたCD2を、一対の案内ピン22同士が近づく方向押圧して、該CD2を機器本体3の中央に案内する。
【0035】
搬送ユニット5は、図11及び図12に示すように、ディスクガイド23と、一対のローラアーム24と、伝達歯車群25とを備えている。ディスクガイド23は、合成樹脂で構成されかつ帯板状に形成されている。ディスクガイド23は、シャーシ10の天井板15の挿入口11寄りの縁部に取り付けられている。ディスクガイド23は、その長手方向が幅方向Xと平行に配置されている。
【0036】
ローラアーム24は、ディスクガイド23と厚み方向Zに沿って間隔をあけて配置されている。ローラアーム24は、その長手方向が前述した幅方向Xと平行に配置されている。一対のローラアーム24は、奥行き方向Yに沿って互いに並べられている。挿入口11寄りの一方のローラアーム24は、その挿入口11寄りの一端部が底板17から立ち曲げられた支持片に形成された奥行きY方向に長い長穴と係合し、他方のローラアーム24は、挿入口11から離れた側の一端部を中心として回転自在にシャーシ10の底板部14の底板17から立ち曲げられた支持片に形成された穴と係合している。一対のローラアーム24は、互いに連結ピン28により中央部が回動自在に連結されている。
【0037】
一対のローラアーム24は、それぞれ、他端部にモータ4によって回転駆動される搬送ローラ26が、回転自在に取り付けられている。さらに、各搬送ローラ26には、歯車27が同軸に取り付けられている。歯車27は、ローラアーム24に回転自在に支持されている。搬送ローラ26と歯車27とは、互いに連動して(一体に)回転する。
【0038】
さらに、一対のローラアーム24は、その一端部と他端部との間の中央部が、連結ピン28によって、互いに回転自在に連結されている。前述したローラアーム24は、前述した一端部を中心として回転することで、他端部即ち搬送ローラ26を厚み方向Zに沿って移動させる。また、一対のローラアーム24は、図示しないねじりコイルばねによって、前記他端部即ち搬送ローラ26がディスクガイド23に近づく方向に付勢されている。さらに、一対のローラアーム24は、連結ピン28によって中央部が回転自在に連結されているので、他端部即ち搬送ローラ26が同時にディスクガイド23に対して接離する。
【0039】
また、前述した一方のローラアーム24の他端部の伝達歯車群25側の端には、幅方向Xに沿って該伝達歯車群25に向かって延在したカムピン29(図4に示す)が立設している。
【0040】
伝達歯車群25は、モータ4とローラアーム24との近傍に配置されている。伝達歯車群25は、互いに噛み合った複数の歯車30を備えている。これらの歯車30は、モータ4とともにモータブラケットに取り付けられている。複数の歯車30のうちひとつの歯車30は、搬送ローラ26と同軸に配置された歯車27間に配置されているとともに、これらの歯車27と噛み合っている。また、残りの歯車30は、(図示しない)モータブラケットに回転自在に支持されている。残りの歯車30のうちの一つは、ウォーム72と噛み合い、他の一つは、搬送ローラ26と同軸に配置された歯車27の一方と噛み合っている。前述した伝達歯車群25は、モータ4の回転駆動力を搬送ローラ26に伝達して、当該搬送ローラ26を軸芯回りに回転させる。
【0041】
また、ローラアーム24に回転自在に支持された搬送ローラ26とディスクガイド23とは、ローラアーム24が一端部を中心として回転することで、互いに接離自在に設けられている。搬送ユニット5は、ローラアーム24に回転自在に支持された搬送ローラ26とディスクガイド23とが互いに近づいて、これらの間にCD2を挟み込んで、搬送ローラ26がモータ4に回転駆動されることで、CD2を機器本体3に出し入れする。即ち、搬送ローラ26は、機器本体3の内外にCD2を搬送する。搬送ユニット5は、CD2の両表面と平行な方向(図3中に矢印で示し、特許請求の範囲に記載された出し入れ方向に相当し、以下、搬送方向と呼ぶ)に沿って、該CD2を搬送する。また、搬送ユニット5は、再生ユニット6がCD2をクランプして該CD2の情報を読み取る際に、ローラアーム24とディスクガイド23とが互いに離れて、再生ユニット6の動作を妨げることがない。このように、搬送ユニット5は、機器本体3の内外にCD2を搬送する。
【0042】
再生ユニット6は、図2及び図3に示すように、クランパ31(図3に示す)と、キャリッジシャーシ32(図2に示す)と、回転テーブル33と、光ピックアップ部34(図2に示す)とを備えている。クランパ31は、円板状に形成され、かつ天井板15の中央に取り付けられている。
【0043】
キャリッジシャーシ32は、薄手の板金などで構成され、かつ中間板16の側方でかつ底板17と天井板15との間に配置されている。キャリッジシャーシ32は、弾性支持部8bによって、機器本体3に対して移動自在に設けられている。キャリッジシャーシ32の挿入口11寄りの端部には、奥行き方向Yに沿って挿入口11に向かって延在したカムピン35が立設している。
【0044】
回転テーブル33は、機器本体3の中央に配置され、かつクランパ31と厚み方向Zに沿って間隔をあけて配置されている。回転テーブル33は、キャリッジシャーシ32に取り付けられた図示しないスピンドルモータによって、回転駆動される。回転テーブル33は、クランパ31との間にCD2を挟む。そして、回転テーブル33は、当該回転テーブル33に設けたディスククランプ部がCD2の中央孔に係合して当該CD2を保持して、スピンドルモータ4によって回転されることで、CD2とともに回転される。なお、本明細書では、回転テーブル33に設けたディスククランプ部が中央孔に係合してスピンドルモータが回転可能なCD2の位置を所定の位置としての再生位置とする。また、挿入口11と前記再生位置との間は、CD2の搬送経路をなしている。
【0045】
光ピックアップ部34は、回転テーブル33に接離自在に設けられている。光ピックアップ部34は、回転テーブル33に接離することで、CD2の所望の位置から情報を読み出す。
【0046】
前述した再生ユニット6は、搬送ユニット5によって機器本体3内に挿入されたCD2をキャリッジシャーシ32とクランパ31との間に一旦挟んで、当該CD2を回転テーブル33に位置決めした後、CD2を回転テーブル33が回転させて、当該CD2の情報を光ピックアップ部34が読み出して再生する。
【0047】
弾性支持部8bは、図9に示すように、複数のダンパ部材36と、一つの移動部材としての弾性支持アーム37と、を備えている。ダンパ部材36は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂(即ち、弾性材料)で構成されている。ダンパ部材36は、互いに間隔をあけてキャリッジシャーシ32の外縁に取り付けられている。なお、図示例では、ダンパ部材36は、三つ設けられている。ダンパ部材36は、特許請求の範囲などに記載された弾性支持部材をなしている。
【0048】
これら複数(三つ)のダンパ部材36は、後述するように、底板17や弾性支持アーム37に取り付けられて、弾性変形することで、キャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を機器本体3に対して移動自在に支持する。このように、弾性変形することで、キャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を機器本体3に対して移動自在に支持することを、弾性支持するという。また、ダンパ部材36は、前記自動車の走行中の振動などが機器本体3に作用すると、機器本体3に対してキャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を移動させる。さらに、ダンパ部材36は、弾性変形した際の弾性復元力によって、機器本体3に対してキャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6の振動(移動)を徐々に減衰させる。
【0049】
これら複数(三つ)のダンパ部材36のうちの挿入口11から離れた側の二つの(最も挿入口11寄りのダンパ部材36を除く)ダンパ部材36は、シャーシ10の底板部14の底板17に固定されている。なお、最も挿入口11寄りのダンパ部材36は、キャリッジシャーシ32の挿入口11寄りの端部に取り付けられている。
【0050】
弾性支持アーム37は、板金などで構成され、かつ帯板状に形成されている。弾性支持アーム37は、その長手方向が奥行き方向Yと平行に配置されている。弾性支持アーム37は、複数のダンパ部材36のうちの最も挿入口11寄りのダンパ部材36の近傍に配置されている。
【0051】
弾性支持アーム37は、挿入口11から離れた側の一端部が中間板16に回転自在に連結されている。弾性支持アーム37は、挿入口11寄りの他端部に最も挿入口11寄りのダンパ部材36を取り付けている。弾性支持アーム37は、一端部を中心としてシャーシ10の中間板16に回転自在に連結されていることで、機器本体3に対して移動自在に設けられている。また、弾性支持アーム37には、その長手方向の中央部から幅方向Xに沿ってキャリッジシャーシ32から離れる方向にカムピン38が立設している。
【0052】
前述した弾性支持部8bは、ダンパ部材36が弾性変形して、前記自動車の走行中の振動などによって機器本体3に対してキャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を移動させることで、CD2に記録されている情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【0053】
連動機構7は、図4ないし図8に示すように、一対の案内アーム39と、リンク部40と、スライドカム41と、スライドラック42と、昇降部43と、付勢手段としての板ばね44とを備えている。
【0054】
一対の案内アーム39は、合成樹脂で構成され、かつ幅方向Xに沿って互いに並べられている。案内アーム39は、クランパ31よりも挿入口11から離れた側に配置されている。案内アーム39は、幅方向Xの中央寄りの一端部を中心として、シャーシ10の天井板15に回転自在に支持されている。案内アーム39の一端部には、互いに噛み合う歯車部45が一体に設けられている。
【0055】
案内アーム39の他端部には、底板部14の底板17に向かって立設して、機器本体3内に挿入されるCD2の外縁と当接する当接ピン46が立設している。また、一対の案内アーム39のうち図4中右側に位置する一方の案内アーム39の一端部の外縁には、リンク棒47が設けられている。リンク棒47は、一方の案内アーム39の一端部の外縁から当該一端部の外周方向に凸に形成されている。
【0056】
前述した案内アーム39は、他端部に設けられた当接ピン46が互いに接離するように、一端部を中心として、互いに連動して回転する。また、案内アーム39は、挿入口11内に挿入されたCD2が当接ピン46に当接する。そして、案内アーム39は、機器本体3内にCD2が挿入されるのにしたがって、当接ピン46が互いに離れる方向に、一端部を中心として互いに連動して回転する。そして、案内アーム39は、機器本体3内に挿入されたCD2を機器本体3の中央に案内する。
【0057】
リンク部40は、図4ないし図8に示すように、第1スライド部材48と、リンク部材49と、第2スライド部材50とを備えている。第1スライド部材48は、中間板16の挿入口11から離れた側の縁部上に設けられ、幅方向Xに沿ってスライド自在に中間板16上に支持されている。第1スライド部材48には、幅方向Xの中央寄りの一端部に一方の案内アーム39のリンク棒47と回転自在に係合した係合受け部51が設けられ、かつ幅方向Xの中央部にリンク部材49の一端部に設けられた後述するリンクピン53と回転自在に係合した係合受け部52が設けられている。
【0058】
リンク部材49は、薄手の板金で構成され、かつ平面形状がく字状に形成されている。リンク部材49は、第1スライド部材48よりも挿入口11に寄りに配置され、当該第1スライド部材48と奥行き方向Yに沿って並ぶ位置に配置されている。リンク部材49は、その中央部を中心として回転自在に中間板16に支持されている。リンク部材49の両端部には、それぞれ、リンクピン53が立設している。リンク部材49の挿入口11から離れた側の一端部に設けられたリンクピン53は、第1スライド部材48の係合受け部52と回転自在に係合している。
【0059】
第2スライド部材50は、薄手の板金で構成され、かつ直線状に延在した帯板状に形成されている。第2スライド部材50は、リンク部材49の他端部に一端部が重なる状態で、その長手方向が奥行き方向Yと平行に配置されている。第2スライド部材50は、中間板16にその長手方向に沿ってスライド自在に支持されている。第2スライド部材50は、挿入口11から離れた側の一端部がリンク部材49の他端部のリンクピン53と連結している。第2スライド部材50の挿入口11寄りの他端部には、中間板16を貫通して底板17に向かって立設したリンクピン54が立設している。第2スライド部材50は、図示しないコイルばねによって、挿入口11に向かって付勢されると同時にリンクピン54を中心として図4中の反時計方向に付勢されている。
【0060】
リンク部40は、当接ピン46同士が互いに離れる方向に一対の案内アーム39が回転すると、リンク棒47によって第1スライド部材48が、機器本体3の中央寄りに引っ張られる。そして、リンク部40は、当接ピン46同士が互いに離れる方向の一対の案内アーム39の回転に連動して、第1スライド部材48が機器本体3の中央に向かって移動して、当該第1スライド部材48の移動に連動して、リンク部材49が中央部を中心として回転する。リンク部40は、リンク部材49の回転により、第2スライド部材50の円弧状穴部と係合するリンクピン53が当該円弧状穴部内を空走後、同穴の端部に当接してから第2スライド部材50をコイルばねの付勢力に抗して、挿入口11から離れる方向に移動する。
【0061】
スライドカム41は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。スライドカム41は、直線状に延在した棒状に形成されている。スライドカム41は、図9に示すように、キャリッジシャーシ32と第2スライド部材50との間で、かつ中間板16と底板17との間に配置されている。スライドカム41は、その長手方向が奥行き方向Yと平行に配置されている、スライドカム41は、その長手方向に沿って移動自在に底板17などに支持されている。
【0062】
スライドカム41には、図10に示すように、キャリッジシャーシ32と相対する側面にカム溝55が設けられている。カム溝55は、勿論、スライドカム41の前記側面から凹に形成されている。カム溝55は、スライドカム41の挿入口11寄りの一端部に設けられ、互いに連通したロード部56と第1傾斜部57とクランプ部58と第2傾斜部59と再生部60とを備えている。
【0063】
ロード部56は、底板17と天井板15との双方と平行で、かつ奥行き方向Yに沿って直線状に形成されているとともに、スライドカム41の厚み方向Zの底板17寄りの縁部に設けられている。第1傾斜部57は、ロード部56に連なりかつロード部56から挿入口11に向かうにしたがって徐々に天井板15に近づく方向に直線状に延在している。第1傾斜部57の長手方向は、底板17と天井板15との双方に対して交差している。
【0064】
クランプ部58は、第1傾斜部57に連なり、かつ底板17と天井板15との双方と平行であるとともに、奥行き方向Yに沿って直線状に形成されている。第2傾斜部59は、クランプ部58に連なりかつクランプ部58から挿入口11に向かうにしたがって徐々に底板17に近づく方向に直線状に延在している。第2傾斜部59の長手方向は、底板17と天井板15との双方に対して交差しているとともに、第1傾斜部57よりも短く形成されている。再生部60は、第2傾斜部59に連なり、かつ底板17と天井板15との双方と平行であるとともに、奥行き方向Yに沿って直線状に形成されている。再生部60は、ロード部56よりも底板17から離れた位置(厚み方向Zの中央寄り)に設けられている。
【0065】
また、前述したスライドカム41は、スライドラック42が幅方向Xに沿って伝達歯車群25に近づく方向に移動するのに連動して、奥行き方向Yに沿って挿入口11から離れる方向に移動するように設けられている。また、スライドカム41は、スライドラック42が幅方向Xに沿って伝達歯車群25から離れる方向に移動するのに連動して、奥行き方向Yに沿って挿入口11に近づく方向に移動するように設けられている。
【0066】
前述したスライドカム41は、カム溝55内に弾性支持アーム37から立設したカムピン38を位置付ける。そして、スライドカム41は、奥行き方向Yに沿って移動することで、カムピン38をカム溝55内で移動させて、カムピン38即ち弾性支持アーム37を厚み方向Zに沿って移動させる。即ち、スライドカム41は、奥行き方向Yに沿って移動することで、カムピン38をカム溝55内で移動させることで、弾性支持アーム37及びダンパ部材36とを介して、キャリッジシャーシ32の挿入口11寄りの端部を機器本体3の内面としての底板17に対して接離させる。なお、接離とは、勿論、互いに近づいたり離れることをいう。
【0067】
スライドラック42は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。スライドラック42は、直線状に延在した棒状に形成されている。スライドラック42は、キャリッジシャーシ32と挿入口11即ち搬送ローラ26との間で、かつ底板17上に配置されている。スライドラック42は、その長手方向が幅方向Xと平行に配置されている、スライドラック42は、その長手方向に沿って移動自在に底板17などに支持されている。
【0068】
スライドラック42には、キャリッジシャーシ32と相対する側面に前述したスライドカム41のカム溝55と同じ構成の図示しないカム溝が設けられている。このスライドラック42に設けられたカム溝は、スライドカム41に設けられたカム溝55と同じ構成であるので、説明を省略する。このカム溝には、キャリッジシャーシ32から立設したカムピン35が侵入するとともに、当該カムピン35が移動自在である。
【0069】
また、スライドラック42には、搬送ユニット5の伝達歯車群25寄りの一端部にラック61を一体に設け、かつ搬送ユニット5の伝達歯車群25から離れた側の他端部に第2スライド部材50の挿入口11寄りの他端部から立設したリンクピン54が侵入したカム溝62が設けられている。
【0070】
カム溝62には、伝達歯車群25から離れるのに、したがって徐々に挿入口11に離れるように、幅方向Xと奥行き方向Yとの双方に対して傾斜した傾斜部が設けられている。
【0071】
前述したスライドラック42は、第2スライド部材50が挿入口11から離れる方向に移動すると、リンクピン54がカム溝62内を移動するとともに該リンクピン54によってカム溝62の内面が伝達歯車群25に向かって押圧される。すると、スライドラック42は、第2スライド部材50が挿入口11から離れる方向に移動するのに連動して、伝達歯車群25に近づく方向に移動して、ラック61が昇降部43の後述する昇降用歯車63と噛み合う。そして、スライドラック42は、モータ4からの駆動力が昇降用歯車63を介して伝えられて、当該駆動力によって伝達歯車群25に近づく方向に移動される。
【0072】
昇降部43は、図4に示すように、複数の昇降用歯車63と、回転部材64と、スライドカム65とを備えている。昇降用歯車63は、スライドラック42とモータ4の出力軸に取り付けられたウォーム72との間に配置されている。昇降用歯車63は、それぞれ、シャーシ10の底板部14の底板17に回転自在に支持されているとともに、互いに噛み合って配置されている。一つの昇降用歯車63は、モータ4出力軸に取り付けられたウォーム72と噛み合っている。他の一つの昇降用歯車63は、伝達歯車群25に向かって移動したスライドラック42のラック61と噛み合うことが可能である。これらの昇降用歯車63は、図示例では、三つ設けられている。これらの昇降用歯車63は、モータ4によって、回転駆動される。そして、これらの昇降用歯車63は、他の一つの昇降用歯車63にラック61が噛み合うと、スライドラック42を幅方向Xに沿って移動させる。
【0073】
回転部材64は、スライドラック42と周板18との間に配置されている。回転部材64は、挿入口11寄りでかつ機器本体3の内側寄りの縁部を中心として回転自在に底板部14の底板17に支持されている。回転部材64には、挿入口11から離れた側の縁部から奥行き方向Yに沿って挿入口11から離れる方向に立設した当接ピン66と、周板18寄りの縁部から幅方向Xに沿って周板18に近づく方向に立設した係合ピン67とが一体に設けられている。前述した回転部材64は、伝達歯車群25に近づいたスライドラック42が当接ピン66に当接して、当該当接ピン66が周板18に向かって押圧される。すると、回転部材64は、当接ピン66が周板18に近づきかつ係合ピン67が挿入口11に近づく方向に回転する。
【0074】
スライドカム65は、搬送ユニット5と周板18との間に設けられている。スライドカム65は、図11、図12、図16及び図17に示すように、底板17上に配置される底部68と、該底部68から厚み方向Zに沿って立設した立設部69とを一体に備えている。底板部14即ちスライドカム65は、奥行き方向Yに沿って、移動自在に底板部14の底板17に支持されている。底板部14には、回転部材64の係合ピン67が回転自在に係合した係合受け部70が設けられている。
【0075】
立設部69には、カム孔71(図11、図12及び図16に示す)が設けられている。カム孔71には、搬送ユニット5の一方のローラアーム24の他端部から立設したカムピン29が侵入するとともに、当該カムピン29が移動自在である。カム孔71は、挿入口11に向かうにしたがって、徐々に底板17から離れて天井板15に近づく方向に直線状に延在している。カム孔71の長手方向は、奥行き方向Yと厚み方向Zとの双方に対して交差している。また、カム孔71は、挿入口11側の端部の幅が他の部分の幅よりも広く形成されている。カム孔71は、挿入口11側の端部内では、カムピン29を厚み方向Zに沿って移動自在とするとともに、搬送ローラ26とディスクガイド23との間にCD2を挟ませる。即ち、カム孔71は、搬送ローラ26とディスクガイド23との間にCD2を挟むと、当該搬送ローラ26を厚み方向Zに沿って移動自在とする、また、カムピン29とスライドカムとには、カムピン29をディスクガイド23に向かって付勢する図示しないねじりコイルばねが取り付けられている。
【0076】
スライドカム65は、係合ピン67が挿入口11に近づく方向に回転部材64が回転すると、該係合ピン67とともに、挿入口11に近づく方向に移動する。そして、スライドカム65は、カム孔71内でカムピン29を移動させることで、ローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26を厚み方向Zに沿って移動させる。
【0077】
前述した構成の昇降部43は、伝達歯車群25にスライドラック42が近づくと、当該スライドラック42のラック61を昇降用歯車63にかみ合わせて、当該スライドラック42を伝達歯車群25に近づく方向に移動させる。また、昇降部43は、伝達歯車群25に近づいたスライドラック42によって回転部材64の当接ピン66が押圧されて、スライドカム65が挿入口11に近づく方向に移動する。そして、昇降部43は、カムピン29をスライドカム65のカム孔71内で移動させて、ローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26を徐々に底板17に近づける。このように、昇降部43は、ローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26を昇降させる。
【0078】
板ばね44は、一端部が中間板16に取り付けられ、他端部がスライドカム41上に位置付けられている。そして、板ばね44は、再生状態となると、他端部がスライドカム41の突起部即ち連動機構7の一部を底板17に近づく方向に付勢する。板ばね44は、スライドカム41の突起部を底板17に向かって付勢することで、この突起部がスライドカム41内で弾性支持されているために、当該突起部がカムピン38を底板17に向かって押さえ、カムピン38がカム溝55の内壁を押さえて、スライドカム41自体を底板17に向かって押し付ける。こうして、板ばね44は、少なくとも再生状態では、スライドカム41即ち連動機構7が機器本体3に対してがたつくことを防止する。
【0079】
前述した構成のCDプレーヤ1は、以下のように、CD2を機器本体3に出し入れする。まず、連動機構7は、CD2が機器本体3内に挿入される前では、図4に示すように、スライドカム41を挿入口11に最も近い位置に配置しかつスライドラック42を伝達歯車群25から最も離れた位置に配置するとともに、スライドカム65を挿入口11から最も離れた位置に配置する。そして、連動機構7は、図13に示すように、カムピン35,38をカム溝55のロード部56内に位置付けて、弾性支持アーム37即ちキャリッジシャーシ32を最も機器本体3の内面としての底板17寄りに位置付けるとともに、図11に示すように、カムピン29をカム孔71の最も挿入口11寄りでかつ底板17から離れた側の端部内に位置付けて、搬送ローラ26を最もディスクガイド23に近づける即ち搬送ユニット5を厚み方向Zの機器本体3の中央に位置付けておく。
【0080】
こうして、まず、連動機構7は、CD2が機器本体3内に挿入される前では、搬送ユニット5のディスクガイド23とローラアーム24の搬送ローラ26とを互いに近づけ、キャリッジシャーシ32とクランパ21とを互いに遠ざけておく。さらに、CDプレーヤ1は、案内部8aの一対の案内部材19を案内ピン22同士が互いに最も近づいた状態に位置付けておくとともに、一対の案内アーム39を当接ピン46が挿入口11寄りでかつこれら当接ピン46同士が最も近づいた状態に位置付けておく。
【0081】
そして、機器本体3内にCD2が挿入されると、該CD2の外縁が案内部材19の案内ピン22に当接して、該案内ピン22同士が互いに離れる方向に、案内部材19が押圧されるとともに、モータ4が駆動して、伝達歯車群25の歯車30などを介して、機器本体3内にCD2を収容する方向に搬送ローラ26を回転させる。このとき、スライドラック42のラック61と昇降用歯車63とは、互いに間隔をあけて噛み合っていないので、昇降用歯車63が空転している。そして、CD2がディスクガイド23とローラアーム24の搬送ローラ26との間に挟まれて、搬送ローラ26の回転によって、機器本体3内に収容されていく。CD2が機器本体3内に収容されるのに連動して、案内ピン22が当該CD2の外縁に当接するように、案内部材19が幅方向Xに沿って移動する。
【0082】
すると、図4に示すように、CD2の外縁が案内アーム39の当接ピン46に当接する。さらに、CD2を機器本体3内の奥に収容していくと、CDプレーヤ1は、CD2の外縁によって押圧されて、当接ピン46同士が離れる方向に案内アーム39が回転される。そして、CDプレーヤ1は、案内アーム39の回転に連動して、第1スライド部材48が幅方向Xに沿って機器本体3の中央に向かって移動し、リンク部材49の回転により、第2スライド部材50の円弧状穴部と係合するリンクピン53が当該円弧状穴部内を空走後、同穴の端部に当接してから第2スライド部材50が奥行き方向Yに沿って挿入口11から離れる方向に移動するとともに、カム溝62内でリンクピン54が移動することで、スライドラック42が幅方向Xに沿って伝達歯車群25に向かって移動される。
【0083】
すると、図5に示すように、スライドラック42のラック61が昇降用歯車63と噛み合う。そして、CD2が更に機器本体3の奥に収容されていくのに連動して、CDプレーヤ1は、モータ4の駆動力によって、スライドラック42を幅方向Xに沿って伝達歯車群25に向かって移動する。このスライドラック42の伝達歯車群25への移動に連動して、スライドカム41が、奥行き方向Yに沿って、挿入口11から離れる方向に移動する。
【0084】
そして、カム溝55の第1傾斜部57内などをカムピン35,38が移動して、キャリッジシャーシ32が天井板15に徐々に近づいて、図6に示すように、CD2の中央孔が回転テーブル33とクランパ31との間に位置する。
【0085】
さらに、CDプレーヤ1は、モータ4を駆動して、スライドラック42を伝達歯車群25に近づけるとともに、スライドカム41を挿入口11から離れる方向に移動する。すると、図14に示すように、カムピン35,38がカム溝55のクランプ部58に位置付けられる。すると、キャリッジシャーシ32がクランパ31に最も近づいて、CD2の中央孔内に回転テーブル33に設けたディスククランプ部が侵入するとともに、該回転テーブル33とクランパ31との間にCD2を挟んで、当該CD2を回転テーブル33上に保持する。
【0086】
また、図7に示すように、スライドラック42によって当接ピン66が押圧されて、係合ピン67が挿入口11に近づく方向に、回転部材64が回転する。すると、スライドカム65が挿入口11に向かって押圧されて、当該スライドカム65が挿入口11に徐々に近づく。すると、カムピン29がスライドカム65のカム孔71内を底板17寄りでかつ挿入口11から離れた側の端部に向かって移動して、カムピン29及びローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26が底板17に向かって移動する。すると、勿論、搬送ローラ26がディスクガイド23即ちCD2から離れる。
【0087】
さらに、CDプレーヤ1は、モータ4を駆動して、スライドラック42を伝達歯車群25に近づけるとともに、スライドカム41を挿入口11から離れる方向に移動する。このとき、搬送ローラ26とCD2とが互いに離れているので、搬送ローラ26は、勿論、空転している。すると、カムピン35,38がカム溝55の第2傾斜部59内を移動して、キャリッジシャーシ32が底板17に徐々に近づけられるとともに、カムピン29がカム孔71の挿入口11から離れた側の端部に向かって移動して、搬送ローラ26が底板17に徐々に近づけられる。
【0088】
そして、図8及び図15に示すように、カムピン35,38がカム溝55の再生部60内に位置付けられて、キャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6が機器本体3の厚み方向Zの中央に位置付けられるとともに、図12に示すように、カムピン29がカム孔71の挿入口11から離れた側の端部に位置付けられる。そして、搬送ローラ26即ち搬送ユニット5が最も機器本体3の内面としての底板17寄りに位置付けられた後、CDプレーヤ1は、モータ4を停止する。なお、この状態では、案内部8aの案内部材19が互いに最も近づいているとともに、案内ピン22がCD2の外縁と間隔をあけている。
【0089】
そして、CDプレーヤ1は、スピンドルモータで回転テーブル33を介してCD2を回転させて、光ピックアップ部34でCD2の所望の箇所から情報を読み出して再生する。CDプレーヤ1は、機器本体3内からCD2を排出する際には、スピンドルモータを停止してCD2からの情報の読み出しを停止した後、モータ4を先ほどと逆向きに駆動して、連動機構7などを動作させる。このように、CDプレーヤ1は、連動機構7が、機器本体3にCD2を出し入れする際に搬送ユニット5の搬送ローラ26などを機器本体3の厚み方向Zの中央寄りに位置付けかつ弾性支持アーム37を機器本体3の内面としての底板17に近づけるとともに、再生ユニット6がCD2から情報を読み出す際に搬送ユニット5の搬送ローラ26などを機器本体3の内面としての底板17寄りに位置付ける。
【0090】
本実施例によれば、機器本体3に移動自在に設けられて、連動機構7によって機器本体に対して移動する弾性支持アーム37に再生ユニット6のキャリッジシャーシ32を弾性支持するダンパ部材36を取り付けている。このように、弾性支持アーム37自体を移動することで、再生ユニット6のキャリッジシャーシ32の機器本体3に対する移動範囲を確保できるので、ダンパ部材36の弾性変形可能な範囲を、CD2の出し入れ時に必要とされる再生ユニット6のキャリッジシャーシ32の移動範囲よりも大きくする必要が生じない。したがって、ダンパ部材36の小型化即ち機器本体3の薄型化を図ることができる。
【0091】
また、少なくとも再生状態では、連動機構7の一部としてのスライドカム41を付勢して、当該連動機構7ががたつくことを防止する板ばね44を備えている。このため、弾性支持アーム37を移動自在としても、連動機構7ががたついて異音を生じることを防止できる。
【0092】
さらに、連動機構7が、搬送ユニット5と再生ユニット6とを連動させて動作させている。このため、搬送ユニット5のCD2の搬送動作を再生ユニット6が妨げることを防止でき、かつ再生ユニット6の再生動作を搬送ユニット5が妨げることを防止できる。
【0093】
前述した実施例では、記録媒体として、ディスク形記録媒体としてのCD2を示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのMD(Mini Disc)、DVD(Digital VersatileDisc)などの他の記録媒体を用いても良い。また、本発明では、ディスク形に限らず種々の形状の記録媒体を用いても良い。
【0094】
また、前述した実施例では、記録媒体から情報を読み出す(情報を再生する)CDプレーヤ1を示している。しかしながら、本発明では、記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に限ることなく、例えば、情報を記録媒体に記録する記録装置や、情報の再生及び記録を行う情報記録再生装置としても適用可能しても良い。
【0095】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0096】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1が得られる。
【0097】
(付記) 機器本体3と、
前記機器本体3内に収容されかつCD2から情報を読み出す再生ユニット6と、
前記再生ユニット6を前記機器本体3に対して移動自在に支持しかつ前記再生ユニット6の前記機器本体3に対する移動を減衰させるダンパ部材36と、を備えたCDプレーヤ1において、
少なくとも一つの前記ダンパ部材36が取り付けられかつ機器本体3に対して移動自在に設けられた弾性支持アーム37と、
前記機器本体3に前記CD2を出し入れする際に、前記弾性支持アーム37を前記機器本体3の底板17に近づける連動機構7と、
を備えたことを特徴とするCDプレーヤ1。
【0098】
付記に記載のCDプレーヤ1は、機器本体3に移動自在に設けられて、連動機構7によって機器本体に対して移動する弾性支持アーム37に再生ユニット6を弾性支持するダンパ部材36を取り付けている。このように、弾性支持アーム37自体を移動することで、再生ユニット6の機器本体3に対する移動範囲を確保できるので、ダンパ部材36の弾性変形可能な範囲を、CD2の出し入れ時に必要とされる再生ユニット6の移動範囲よりも大きくする必要が生じない。したがって、ダンパ部材36の小型化即ち機器本体3の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施例にかかる情報処理装置としてのCDプレーヤの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたCDプレーヤの主要構成部分を示す平面図である。
【図3】図2中のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2に示されたCDプレーヤ内にCDが挿入され始めた状態を示す平面図である。
【図5】図4に示されたCDプレーヤの連動機構のスライドラックのラックが昇降用歯車と噛み合った状態を示す平面図である。
【図6】図5に示されたCDプレーヤのキャリッジシャーシが上昇し始めた状態を示す平面図である。
【図7】図6に示されたCDプレーヤのキャリッジシャーシが最も上昇した状態を示す平面図である。
【図8】図7に示されたCDプレーヤの搬送ローラが最も降下した状態を示す平面図である。
【図9】図8に示されたCDプレーヤの再生ユニットと弾性支持部を示す平面図である。
【図10】図9に示されたCDプレーヤのスライドカムの図2中の左側からみた側面図である。
【図11】図4に示されたCDプレーヤの搬送ユニットを示す側面図である。
【図12】図8に示されたCDプレーヤの搬送ユニットを示す側面図である。
【図13】図4に示されたCDプレーヤのスライドカムとキャリッジシャーシなどを示す側面図である。
【図14】図7に示されたCDプレーヤのスライドカムとキャリッジシャーシなどを示す側面図である。
【図15】図8に示されたCDプレーヤのスライドカムとキャリッジシャーシなどを示す側面図である。
【図16】図2に示されたCDプレーヤの案内部の昇降部のスライドカムの図2中の左側からみた側面図である。
【図17】図16に示されたスライドカムの平面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 CDプレーヤ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
5 搬送ユニット(搬送部)
6 再生ユニット(再生部)
7 連動機構(移動部)
17 底板(機器本体の内面)
36 ダンパ部材(弾性支持部材)
37 弾性支持アーム(移動部材)
44 板ばね(付勢手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、Compact Discなどの記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下インパネと呼ぶ)には、情報処理装置としてのCDプレーヤ(例えば、特許文献1参照)が取り付けられる。CDプレーヤは、記録媒体としてのCompact Disc(以下CDと呼ぶ)が記録した情報を読み出す。
【0003】
特許文献1に示されたCDプレーヤは、前記インパネに取り付けられる機器本体と、前記機器本体に開口した記録媒体挿入口と、CDを機器本体の内外に出し入れする搬送ユニットと、前記CDに記録された情報を読み出すための再生ユニットと、連動機構等を備えている。機器本体は、複数の板金などが互いに組み付けられて箱状に形成されたシャーシを備えている。記録媒体挿入口は、内側に前記CDが通される。
【0004】
搬送ユニットは、記録媒体挿入口内を通されたCDを所定の再生位置まで搬送したり、前記再生位置からCDを記録媒体挿入口まで搬送して該CDを機器本体内から排出する。搬送ユニットは、互いに接離自在に設けられた一対の挟持部材を備えている。
【0005】
これら一対の挟持部材のうち一方は、モータなどの駆動源によって回転駆動される搬送ローラを備えている。搬送ローラは、前記モータなどの駆動源によって回転駆動されることによって、CDを搬送する。他方の挟持部材は、摩擦係数の小さい滑り部材を備えている。滑り部材は、前記搬送ローラとの間に前記CDを挟んで、該CDの搬送方向を案内する。搬送ユニットは、一対の挟持部材間にCDを挟んで、前記CDを搬送する。
【0006】
再生ユニットは、互いに接離自在に設けられたキャリッジシャーシと、クランパとを備えている。キャリッジシャーシには、前記CDを回転するために回転テーブルと、前記CDに記録された情報を読み出すための光ピックアップ等が設けられている。クランパは、回転テーブルとの間にCDを挟んで、当該CDをクランプする。再生ユニットは、前記CDを前記再生位置に位置決め(クランプ)して、回転テーブルがCDを回転して、光ピックアップが前記CDに記録された情報を読み出す。
【0007】
また、前述した再生ユニットは、機器本体に取り付けられた弾性支持部材としてのダンパによって、機器本体に対して移動自在に設けられている。ダンパは、機器本体に対して再生ユニットを移動自在に支持するとともに、機器本体に対して再生ユニットが振動すると、当該再生ユニットの振動を徐々に減衰させる。
【0008】
連動機構は、CDを機器本体に出し入れする際には、搬送ユニットの一対の挟持部材同士を近づけて再生ユニットのキャリッジシャーシとクランパとを互いに遠ざけておく。連動機構は、CDから情報を読み出す際には、搬送ユニットの一対の挟持部材同士を遠ざけて再生ユニットのキャリッジシャーシとクランパとを互いに近づける。このように、連動機構は、搬送ユニットと再生ユニットとを互いに連動させて動作させる。
【0009】
前記CDが記録媒体挿入口を通して機器本体内に挿入されると、まず、CDが互いに近づいた前記一対の挟持部材間に挟まれる。搬送ローラの回転によってCDが機器本体内に搬送される。
【0010】
そして、連動機構が一対の挟持部材同士を相対的に遠ざけて、キャリッジシャーシとクランパとを互いに近づける。すると、CDは再生ユニットにクランプされて、回転テーブルがCDを回転させて、該再生ユニットによって情報を取り出される。情報処理装置は、取り出された情報を音声として出力する。CDを機器本体外に搬出する際には、まず、回転テーブルの回転を止める。搬送ユニットの搬送ローラを先ほどとは逆方向に回転させて、CDを記録媒体挿入口内に通して機器本体内から機器本体外に徐々に搬送する。
【0011】
前述したCDプレーヤは、前記自動車の走行中の振動によって機器本体3が振動しても、前記ダンパなどによって、機器本体3に対して再生ユニットを移動させる。そして、前記ダンパなどは、前記自動車の走行中の振動などが前記CD2に記録されている情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【特許文献1】特開2000−207802号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述した特許文献1に示されたCDプレーヤは、ダンパを機器本体に取り付けていた。このため、ダンパの弾性変形可能な範囲で、CDを出し入れする際などにキャリッジシャーシとクランパなどを移動させる必要があって、当該ダンパの弾性変形可能な範囲を大きくする必要が生じて、結果として機器本体の厚みが増加する傾向であった。前述した特許文献1などに記載されたCDプレーヤは、勿論、より小型化即ち薄型化が望まれている。しかしながら、前述した特許文献1に示されたCDプレーヤは、ダンパを機器本体に取り付けていたため、薄型化には限界があった。
【0013】
したがって、本発明の目的は、例えば、より薄型化を図ることができる情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の情報処理装置は、機器本体と、前記機器本体内に収容されかつ記録媒体から情報を読み出す再生部と、前記再生部を前記機器本体に対して移動自在に支持しかつ前記再生部の前記機器本体に対する移動を減衰させる弾性支持部材と、を備えた情報処理装置において、少なくとも一つの前記弾性支持部材が取り付けられかつ機器本体に対して移動自在に設けられた移動部材と、前記機器本体に前記記録媒体を出し入れする際に、前記移動部材を前記機器本体の内面に近づける移動部と、を備えたことを特徴としている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態にかかる情報処理装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる情報処理装置は、機器本体に移動自在に設けられて移動部によって機器本体に対して移動する移動部材に再生部を弾性支持する弾性支持部材を取り付けている。こうすることで弾性支持部材の弾性変形可能な範囲を再生部の移動範囲よりも大きくする必要が生じなくして(小さくすることができ)、弾性支持部材の小型化即ち機器本体の薄型化を図ることを可能としている。
【0016】
また、少なくとも再生状態では、移動部の一部を付勢して、当該移動部ががたつくことを防止する付勢手段を備えてもよい。この場合、移動部材を移動自在としても、当該移動部ががたついて異音を生じることを防止できる。
【0017】
さらに、移動部が、搬送部と再生部とを連動させて動作させても良い。この場合、搬送部の記録媒体の搬送動作を再生部が妨げることを防止でき、かつ再生部の再生動作を搬送部が妨げることを防止できる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例にかかる情報処理装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図15に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、外径が例えば12cmの記録媒体としてのCD2を後述する機器本体3内に収容して、該CD2に記録された情報を読み出して(再生して)音声として出力する。
【0019】
なお、CD2は、勿論、ディスク形に形成されており、特許請求の範囲に記載された記録媒体をなしているとともに、円板状のコンピュータなどの電子機器で情報を読み取り可能な記録媒体である。
【0020】
CDプレーヤ1は、図1ないし図4に示すように、機器本体3(図1などに示す)と、駆動源としてのモータ4(図2などに示す)と、案内部8a(図2などに示す)と、搬送部としての搬送ユニット5(図2及び図3などに示す)と、再生部としての再生ユニット6(図2及び図3に示す)と、弾性支持部8b(図2に示す)と、移動部としての連動機構7(図3及び図4に示す)とを備えている。なお、以下、CD2の表面と搬送ユニット5のCD2の搬送方向との双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2の表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2の表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0021】
機器本体3は、外側ケース9(図1に示す)と、シャーシ10(図2及び図3に示す)とを備えている。外側ケース9は、合成樹脂で構成され、かつ扁平な箱状に形成されている。外側ケース9は、CDプレーヤ1の外殻をなしている。外側ケース9の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面9a(図1に示す)には、CD2を出し入れ可能な挿入口11が一つのみ設けられている。なお、前面9aは、外側ケース9即ちCDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する機器本体3の一つの面である。
【0022】
挿入口11は、外側ケース9の外壁を貫通している。挿入口11は、内側にCD2を通すことができる。挿入口11を通して、前記CD2は、外側ケース9則ち機器本体3内に収容されたり、該外側ケース9則ち機器本体3内から排出される。即ち、挿入口11は、機器本体3の内外を連通して、機器本体3にCD2を出し入れ自在とする。
【0023】
さらに、前述した前面9aには、表示パネルとしての蛍光表示管12と、各種のスイッチ13とが設けられている。
【0024】
蛍光表示管12は、前面9aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。蛍光表示管12は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0025】
各種のスイッチ13は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ13が使用者などに操作されることによって、例えば、再生ユニット6が再生するCD2のプログラムの選択や、このCD2の出し入れなどが行われる。
【0026】
シャーシ10は、外側ケース9内に収容されているとともに、該外側ケース9に固定されている。シャーシ10は、図3に示すように、底板部14と、天井板15と、中間板16とを備えている。
【0027】
底板部14は、薄手の板金が折り曲げられるなどして構成され、かつ凹凸や孔などが形成された平板状に形成された底板17と、該底板17の外縁から立設した周板18とを備えている。底板17は、外側ケース9の底壁の内面上に重ねられる。周板18は、三つ設けられ、底板17の挿入口11寄りの外縁を除く当該底板17の外縁から立設して設けられている。周板18は、勿論、外側ケース9の側壁の内面上に重ねられる。
【0028】
天井板15は、薄手の板金で構成され、かつ外側ケース9の天井壁の内面に重ねられている。天井板15は、底板17と間隔をあけて配置されている。また、天井板15は、底板17と間隔をあけて相対した状態で底板部14に固定されている。
【0029】
中間板16は、薄手の板金が折り曲げられるなどして構成され、かつ略平板状に形成されている。中間板16は、図3に示すように、底板17と天井板15との間に、これらと平行に配置されている。中間板16は、機器本体3の幅方向Xの一方側としての図2中の右側の端部に設けられている。
【0030】
モータ4は、シャーシ10の底板部14の底板17に取り付けられたモータブラケットに固定されているとともに、挿入口11と図2中左側に位置する周板18の近傍に配置されている。モータ4の出力軸には、勿論、ウォーム72が取り付けられている。
【0031】
案内部8aは、挿入口11の近傍に配置され、かつ、図4に示すように、一対の案内部材19と図示しないばねと連動歯車20とを備えている。一対の案内部材19は、それぞれ、板金などで構成され、帯板状に形成されている。一対の案内部材19は、長手方向が幅方向Xと平行に配置され、かつ互いに奥行き方向Yに沿って互いに間隔をあけて配置されている。
【0032】
一対の案内部材19は、それぞれ、幅方向Xに沿ってスライド自在にシャーシ10の底板部14の底板17に支持されている。一対の案内部材19には、奥行き方向Yに沿って互いに相対した縁に形成されたラック部21と、挿入口11の近傍に位置しかつ幅方向Xに沿って互いに離れた側の縁から立設した案内ピン22とが設けられている。
【0033】
ばねは、一対の案内部材19の案内ピン22同士が近づく方向に、当該一対の案内部材19同士を付勢している。連動歯車20は、シャーシ10の底板部14の底板17に回転自在に支持されている。連動歯車20は、一対の案内部材19の双方のラック部21にかみ合っている。連動歯車20は、底板17に対して回転することで、一対の案内ピン22が互いに接離するように、一対の案内部材19を互いに連動させて幅方向Xに沿って移動させる。
【0034】
前述した案内部8aは、挿入口11内に挿入されたCD2が案内ピン22に当接する。そして、案内部8aは、機器本体3内にCD2が挿入されるのにしたがって、ばねの付勢力に抗して、案内ピン22が互いに離れる方向に、案内部材19が移動する。そして、案内部8aは、ばねの付勢力によって、機器本体3内に挿入されたCD2を、一対の案内ピン22同士が近づく方向押圧して、該CD2を機器本体3の中央に案内する。
【0035】
搬送ユニット5は、図11及び図12に示すように、ディスクガイド23と、一対のローラアーム24と、伝達歯車群25とを備えている。ディスクガイド23は、合成樹脂で構成されかつ帯板状に形成されている。ディスクガイド23は、シャーシ10の天井板15の挿入口11寄りの縁部に取り付けられている。ディスクガイド23は、その長手方向が幅方向Xと平行に配置されている。
【0036】
ローラアーム24は、ディスクガイド23と厚み方向Zに沿って間隔をあけて配置されている。ローラアーム24は、その長手方向が前述した幅方向Xと平行に配置されている。一対のローラアーム24は、奥行き方向Yに沿って互いに並べられている。挿入口11寄りの一方のローラアーム24は、その挿入口11寄りの一端部が底板17から立ち曲げられた支持片に形成された奥行きY方向に長い長穴と係合し、他方のローラアーム24は、挿入口11から離れた側の一端部を中心として回転自在にシャーシ10の底板部14の底板17から立ち曲げられた支持片に形成された穴と係合している。一対のローラアーム24は、互いに連結ピン28により中央部が回動自在に連結されている。
【0037】
一対のローラアーム24は、それぞれ、他端部にモータ4によって回転駆動される搬送ローラ26が、回転自在に取り付けられている。さらに、各搬送ローラ26には、歯車27が同軸に取り付けられている。歯車27は、ローラアーム24に回転自在に支持されている。搬送ローラ26と歯車27とは、互いに連動して(一体に)回転する。
【0038】
さらに、一対のローラアーム24は、その一端部と他端部との間の中央部が、連結ピン28によって、互いに回転自在に連結されている。前述したローラアーム24は、前述した一端部を中心として回転することで、他端部即ち搬送ローラ26を厚み方向Zに沿って移動させる。また、一対のローラアーム24は、図示しないねじりコイルばねによって、前記他端部即ち搬送ローラ26がディスクガイド23に近づく方向に付勢されている。さらに、一対のローラアーム24は、連結ピン28によって中央部が回転自在に連結されているので、他端部即ち搬送ローラ26が同時にディスクガイド23に対して接離する。
【0039】
また、前述した一方のローラアーム24の他端部の伝達歯車群25側の端には、幅方向Xに沿って該伝達歯車群25に向かって延在したカムピン29(図4に示す)が立設している。
【0040】
伝達歯車群25は、モータ4とローラアーム24との近傍に配置されている。伝達歯車群25は、互いに噛み合った複数の歯車30を備えている。これらの歯車30は、モータ4とともにモータブラケットに取り付けられている。複数の歯車30のうちひとつの歯車30は、搬送ローラ26と同軸に配置された歯車27間に配置されているとともに、これらの歯車27と噛み合っている。また、残りの歯車30は、(図示しない)モータブラケットに回転自在に支持されている。残りの歯車30のうちの一つは、ウォーム72と噛み合い、他の一つは、搬送ローラ26と同軸に配置された歯車27の一方と噛み合っている。前述した伝達歯車群25は、モータ4の回転駆動力を搬送ローラ26に伝達して、当該搬送ローラ26を軸芯回りに回転させる。
【0041】
また、ローラアーム24に回転自在に支持された搬送ローラ26とディスクガイド23とは、ローラアーム24が一端部を中心として回転することで、互いに接離自在に設けられている。搬送ユニット5は、ローラアーム24に回転自在に支持された搬送ローラ26とディスクガイド23とが互いに近づいて、これらの間にCD2を挟み込んで、搬送ローラ26がモータ4に回転駆動されることで、CD2を機器本体3に出し入れする。即ち、搬送ローラ26は、機器本体3の内外にCD2を搬送する。搬送ユニット5は、CD2の両表面と平行な方向(図3中に矢印で示し、特許請求の範囲に記載された出し入れ方向に相当し、以下、搬送方向と呼ぶ)に沿って、該CD2を搬送する。また、搬送ユニット5は、再生ユニット6がCD2をクランプして該CD2の情報を読み取る際に、ローラアーム24とディスクガイド23とが互いに離れて、再生ユニット6の動作を妨げることがない。このように、搬送ユニット5は、機器本体3の内外にCD2を搬送する。
【0042】
再生ユニット6は、図2及び図3に示すように、クランパ31(図3に示す)と、キャリッジシャーシ32(図2に示す)と、回転テーブル33と、光ピックアップ部34(図2に示す)とを備えている。クランパ31は、円板状に形成され、かつ天井板15の中央に取り付けられている。
【0043】
キャリッジシャーシ32は、薄手の板金などで構成され、かつ中間板16の側方でかつ底板17と天井板15との間に配置されている。キャリッジシャーシ32は、弾性支持部8bによって、機器本体3に対して移動自在に設けられている。キャリッジシャーシ32の挿入口11寄りの端部には、奥行き方向Yに沿って挿入口11に向かって延在したカムピン35が立設している。
【0044】
回転テーブル33は、機器本体3の中央に配置され、かつクランパ31と厚み方向Zに沿って間隔をあけて配置されている。回転テーブル33は、キャリッジシャーシ32に取り付けられた図示しないスピンドルモータによって、回転駆動される。回転テーブル33は、クランパ31との間にCD2を挟む。そして、回転テーブル33は、当該回転テーブル33に設けたディスククランプ部がCD2の中央孔に係合して当該CD2を保持して、スピンドルモータ4によって回転されることで、CD2とともに回転される。なお、本明細書では、回転テーブル33に設けたディスククランプ部が中央孔に係合してスピンドルモータが回転可能なCD2の位置を所定の位置としての再生位置とする。また、挿入口11と前記再生位置との間は、CD2の搬送経路をなしている。
【0045】
光ピックアップ部34は、回転テーブル33に接離自在に設けられている。光ピックアップ部34は、回転テーブル33に接離することで、CD2の所望の位置から情報を読み出す。
【0046】
前述した再生ユニット6は、搬送ユニット5によって機器本体3内に挿入されたCD2をキャリッジシャーシ32とクランパ31との間に一旦挟んで、当該CD2を回転テーブル33に位置決めした後、CD2を回転テーブル33が回転させて、当該CD2の情報を光ピックアップ部34が読み出して再生する。
【0047】
弾性支持部8bは、図9に示すように、複数のダンパ部材36と、一つの移動部材としての弾性支持アーム37と、を備えている。ダンパ部材36は、ゴムなどの弾性変形自在な合成樹脂(即ち、弾性材料)で構成されている。ダンパ部材36は、互いに間隔をあけてキャリッジシャーシ32の外縁に取り付けられている。なお、図示例では、ダンパ部材36は、三つ設けられている。ダンパ部材36は、特許請求の範囲などに記載された弾性支持部材をなしている。
【0048】
これら複数(三つ)のダンパ部材36は、後述するように、底板17や弾性支持アーム37に取り付けられて、弾性変形することで、キャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を機器本体3に対して移動自在に支持する。このように、弾性変形することで、キャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を機器本体3に対して移動自在に支持することを、弾性支持するという。また、ダンパ部材36は、前記自動車の走行中の振動などが機器本体3に作用すると、機器本体3に対してキャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を移動させる。さらに、ダンパ部材36は、弾性変形した際の弾性復元力によって、機器本体3に対してキャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6の振動(移動)を徐々に減衰させる。
【0049】
これら複数(三つ)のダンパ部材36のうちの挿入口11から離れた側の二つの(最も挿入口11寄りのダンパ部材36を除く)ダンパ部材36は、シャーシ10の底板部14の底板17に固定されている。なお、最も挿入口11寄りのダンパ部材36は、キャリッジシャーシ32の挿入口11寄りの端部に取り付けられている。
【0050】
弾性支持アーム37は、板金などで構成され、かつ帯板状に形成されている。弾性支持アーム37は、その長手方向が奥行き方向Yと平行に配置されている。弾性支持アーム37は、複数のダンパ部材36のうちの最も挿入口11寄りのダンパ部材36の近傍に配置されている。
【0051】
弾性支持アーム37は、挿入口11から離れた側の一端部が中間板16に回転自在に連結されている。弾性支持アーム37は、挿入口11寄りの他端部に最も挿入口11寄りのダンパ部材36を取り付けている。弾性支持アーム37は、一端部を中心としてシャーシ10の中間板16に回転自在に連結されていることで、機器本体3に対して移動自在に設けられている。また、弾性支持アーム37には、その長手方向の中央部から幅方向Xに沿ってキャリッジシャーシ32から離れる方向にカムピン38が立設している。
【0052】
前述した弾性支持部8bは、ダンパ部材36が弾性変形して、前記自動車の走行中の振動などによって機器本体3に対してキャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6を移動させることで、CD2に記録されている情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【0053】
連動機構7は、図4ないし図8に示すように、一対の案内アーム39と、リンク部40と、スライドカム41と、スライドラック42と、昇降部43と、付勢手段としての板ばね44とを備えている。
【0054】
一対の案内アーム39は、合成樹脂で構成され、かつ幅方向Xに沿って互いに並べられている。案内アーム39は、クランパ31よりも挿入口11から離れた側に配置されている。案内アーム39は、幅方向Xの中央寄りの一端部を中心として、シャーシ10の天井板15に回転自在に支持されている。案内アーム39の一端部には、互いに噛み合う歯車部45が一体に設けられている。
【0055】
案内アーム39の他端部には、底板部14の底板17に向かって立設して、機器本体3内に挿入されるCD2の外縁と当接する当接ピン46が立設している。また、一対の案内アーム39のうち図4中右側に位置する一方の案内アーム39の一端部の外縁には、リンク棒47が設けられている。リンク棒47は、一方の案内アーム39の一端部の外縁から当該一端部の外周方向に凸に形成されている。
【0056】
前述した案内アーム39は、他端部に設けられた当接ピン46が互いに接離するように、一端部を中心として、互いに連動して回転する。また、案内アーム39は、挿入口11内に挿入されたCD2が当接ピン46に当接する。そして、案内アーム39は、機器本体3内にCD2が挿入されるのにしたがって、当接ピン46が互いに離れる方向に、一端部を中心として互いに連動して回転する。そして、案内アーム39は、機器本体3内に挿入されたCD2を機器本体3の中央に案内する。
【0057】
リンク部40は、図4ないし図8に示すように、第1スライド部材48と、リンク部材49と、第2スライド部材50とを備えている。第1スライド部材48は、中間板16の挿入口11から離れた側の縁部上に設けられ、幅方向Xに沿ってスライド自在に中間板16上に支持されている。第1スライド部材48には、幅方向Xの中央寄りの一端部に一方の案内アーム39のリンク棒47と回転自在に係合した係合受け部51が設けられ、かつ幅方向Xの中央部にリンク部材49の一端部に設けられた後述するリンクピン53と回転自在に係合した係合受け部52が設けられている。
【0058】
リンク部材49は、薄手の板金で構成され、かつ平面形状がく字状に形成されている。リンク部材49は、第1スライド部材48よりも挿入口11に寄りに配置され、当該第1スライド部材48と奥行き方向Yに沿って並ぶ位置に配置されている。リンク部材49は、その中央部を中心として回転自在に中間板16に支持されている。リンク部材49の両端部には、それぞれ、リンクピン53が立設している。リンク部材49の挿入口11から離れた側の一端部に設けられたリンクピン53は、第1スライド部材48の係合受け部52と回転自在に係合している。
【0059】
第2スライド部材50は、薄手の板金で構成され、かつ直線状に延在した帯板状に形成されている。第2スライド部材50は、リンク部材49の他端部に一端部が重なる状態で、その長手方向が奥行き方向Yと平行に配置されている。第2スライド部材50は、中間板16にその長手方向に沿ってスライド自在に支持されている。第2スライド部材50は、挿入口11から離れた側の一端部がリンク部材49の他端部のリンクピン53と連結している。第2スライド部材50の挿入口11寄りの他端部には、中間板16を貫通して底板17に向かって立設したリンクピン54が立設している。第2スライド部材50は、図示しないコイルばねによって、挿入口11に向かって付勢されると同時にリンクピン54を中心として図4中の反時計方向に付勢されている。
【0060】
リンク部40は、当接ピン46同士が互いに離れる方向に一対の案内アーム39が回転すると、リンク棒47によって第1スライド部材48が、機器本体3の中央寄りに引っ張られる。そして、リンク部40は、当接ピン46同士が互いに離れる方向の一対の案内アーム39の回転に連動して、第1スライド部材48が機器本体3の中央に向かって移動して、当該第1スライド部材48の移動に連動して、リンク部材49が中央部を中心として回転する。リンク部40は、リンク部材49の回転により、第2スライド部材50の円弧状穴部と係合するリンクピン53が当該円弧状穴部内を空走後、同穴の端部に当接してから第2スライド部材50をコイルばねの付勢力に抗して、挿入口11から離れる方向に移動する。
【0061】
スライドカム41は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。スライドカム41は、直線状に延在した棒状に形成されている。スライドカム41は、図9に示すように、キャリッジシャーシ32と第2スライド部材50との間で、かつ中間板16と底板17との間に配置されている。スライドカム41は、その長手方向が奥行き方向Yと平行に配置されている、スライドカム41は、その長手方向に沿って移動自在に底板17などに支持されている。
【0062】
スライドカム41には、図10に示すように、キャリッジシャーシ32と相対する側面にカム溝55が設けられている。カム溝55は、勿論、スライドカム41の前記側面から凹に形成されている。カム溝55は、スライドカム41の挿入口11寄りの一端部に設けられ、互いに連通したロード部56と第1傾斜部57とクランプ部58と第2傾斜部59と再生部60とを備えている。
【0063】
ロード部56は、底板17と天井板15との双方と平行で、かつ奥行き方向Yに沿って直線状に形成されているとともに、スライドカム41の厚み方向Zの底板17寄りの縁部に設けられている。第1傾斜部57は、ロード部56に連なりかつロード部56から挿入口11に向かうにしたがって徐々に天井板15に近づく方向に直線状に延在している。第1傾斜部57の長手方向は、底板17と天井板15との双方に対して交差している。
【0064】
クランプ部58は、第1傾斜部57に連なり、かつ底板17と天井板15との双方と平行であるとともに、奥行き方向Yに沿って直線状に形成されている。第2傾斜部59は、クランプ部58に連なりかつクランプ部58から挿入口11に向かうにしたがって徐々に底板17に近づく方向に直線状に延在している。第2傾斜部59の長手方向は、底板17と天井板15との双方に対して交差しているとともに、第1傾斜部57よりも短く形成されている。再生部60は、第2傾斜部59に連なり、かつ底板17と天井板15との双方と平行であるとともに、奥行き方向Yに沿って直線状に形成されている。再生部60は、ロード部56よりも底板17から離れた位置(厚み方向Zの中央寄り)に設けられている。
【0065】
また、前述したスライドカム41は、スライドラック42が幅方向Xに沿って伝達歯車群25に近づく方向に移動するのに連動して、奥行き方向Yに沿って挿入口11から離れる方向に移動するように設けられている。また、スライドカム41は、スライドラック42が幅方向Xに沿って伝達歯車群25から離れる方向に移動するのに連動して、奥行き方向Yに沿って挿入口11に近づく方向に移動するように設けられている。
【0066】
前述したスライドカム41は、カム溝55内に弾性支持アーム37から立設したカムピン38を位置付ける。そして、スライドカム41は、奥行き方向Yに沿って移動することで、カムピン38をカム溝55内で移動させて、カムピン38即ち弾性支持アーム37を厚み方向Zに沿って移動させる。即ち、スライドカム41は、奥行き方向Yに沿って移動することで、カムピン38をカム溝55内で移動させることで、弾性支持アーム37及びダンパ部材36とを介して、キャリッジシャーシ32の挿入口11寄りの端部を機器本体3の内面としての底板17に対して接離させる。なお、接離とは、勿論、互いに近づいたり離れることをいう。
【0067】
スライドラック42は、絶縁性の合成樹脂で構成されている。スライドラック42は、直線状に延在した棒状に形成されている。スライドラック42は、キャリッジシャーシ32と挿入口11即ち搬送ローラ26との間で、かつ底板17上に配置されている。スライドラック42は、その長手方向が幅方向Xと平行に配置されている、スライドラック42は、その長手方向に沿って移動自在に底板17などに支持されている。
【0068】
スライドラック42には、キャリッジシャーシ32と相対する側面に前述したスライドカム41のカム溝55と同じ構成の図示しないカム溝が設けられている。このスライドラック42に設けられたカム溝は、スライドカム41に設けられたカム溝55と同じ構成であるので、説明を省略する。このカム溝には、キャリッジシャーシ32から立設したカムピン35が侵入するとともに、当該カムピン35が移動自在である。
【0069】
また、スライドラック42には、搬送ユニット5の伝達歯車群25寄りの一端部にラック61を一体に設け、かつ搬送ユニット5の伝達歯車群25から離れた側の他端部に第2スライド部材50の挿入口11寄りの他端部から立設したリンクピン54が侵入したカム溝62が設けられている。
【0070】
カム溝62には、伝達歯車群25から離れるのに、したがって徐々に挿入口11に離れるように、幅方向Xと奥行き方向Yとの双方に対して傾斜した傾斜部が設けられている。
【0071】
前述したスライドラック42は、第2スライド部材50が挿入口11から離れる方向に移動すると、リンクピン54がカム溝62内を移動するとともに該リンクピン54によってカム溝62の内面が伝達歯車群25に向かって押圧される。すると、スライドラック42は、第2スライド部材50が挿入口11から離れる方向に移動するのに連動して、伝達歯車群25に近づく方向に移動して、ラック61が昇降部43の後述する昇降用歯車63と噛み合う。そして、スライドラック42は、モータ4からの駆動力が昇降用歯車63を介して伝えられて、当該駆動力によって伝達歯車群25に近づく方向に移動される。
【0072】
昇降部43は、図4に示すように、複数の昇降用歯車63と、回転部材64と、スライドカム65とを備えている。昇降用歯車63は、スライドラック42とモータ4の出力軸に取り付けられたウォーム72との間に配置されている。昇降用歯車63は、それぞれ、シャーシ10の底板部14の底板17に回転自在に支持されているとともに、互いに噛み合って配置されている。一つの昇降用歯車63は、モータ4出力軸に取り付けられたウォーム72と噛み合っている。他の一つの昇降用歯車63は、伝達歯車群25に向かって移動したスライドラック42のラック61と噛み合うことが可能である。これらの昇降用歯車63は、図示例では、三つ設けられている。これらの昇降用歯車63は、モータ4によって、回転駆動される。そして、これらの昇降用歯車63は、他の一つの昇降用歯車63にラック61が噛み合うと、スライドラック42を幅方向Xに沿って移動させる。
【0073】
回転部材64は、スライドラック42と周板18との間に配置されている。回転部材64は、挿入口11寄りでかつ機器本体3の内側寄りの縁部を中心として回転自在に底板部14の底板17に支持されている。回転部材64には、挿入口11から離れた側の縁部から奥行き方向Yに沿って挿入口11から離れる方向に立設した当接ピン66と、周板18寄りの縁部から幅方向Xに沿って周板18に近づく方向に立設した係合ピン67とが一体に設けられている。前述した回転部材64は、伝達歯車群25に近づいたスライドラック42が当接ピン66に当接して、当該当接ピン66が周板18に向かって押圧される。すると、回転部材64は、当接ピン66が周板18に近づきかつ係合ピン67が挿入口11に近づく方向に回転する。
【0074】
スライドカム65は、搬送ユニット5と周板18との間に設けられている。スライドカム65は、図11、図12、図16及び図17に示すように、底板17上に配置される底部68と、該底部68から厚み方向Zに沿って立設した立設部69とを一体に備えている。底板部14即ちスライドカム65は、奥行き方向Yに沿って、移動自在に底板部14の底板17に支持されている。底板部14には、回転部材64の係合ピン67が回転自在に係合した係合受け部70が設けられている。
【0075】
立設部69には、カム孔71(図11、図12及び図16に示す)が設けられている。カム孔71には、搬送ユニット5の一方のローラアーム24の他端部から立設したカムピン29が侵入するとともに、当該カムピン29が移動自在である。カム孔71は、挿入口11に向かうにしたがって、徐々に底板17から離れて天井板15に近づく方向に直線状に延在している。カム孔71の長手方向は、奥行き方向Yと厚み方向Zとの双方に対して交差している。また、カム孔71は、挿入口11側の端部の幅が他の部分の幅よりも広く形成されている。カム孔71は、挿入口11側の端部内では、カムピン29を厚み方向Zに沿って移動自在とするとともに、搬送ローラ26とディスクガイド23との間にCD2を挟ませる。即ち、カム孔71は、搬送ローラ26とディスクガイド23との間にCD2を挟むと、当該搬送ローラ26を厚み方向Zに沿って移動自在とする、また、カムピン29とスライドカムとには、カムピン29をディスクガイド23に向かって付勢する図示しないねじりコイルばねが取り付けられている。
【0076】
スライドカム65は、係合ピン67が挿入口11に近づく方向に回転部材64が回転すると、該係合ピン67とともに、挿入口11に近づく方向に移動する。そして、スライドカム65は、カム孔71内でカムピン29を移動させることで、ローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26を厚み方向Zに沿って移動させる。
【0077】
前述した構成の昇降部43は、伝達歯車群25にスライドラック42が近づくと、当該スライドラック42のラック61を昇降用歯車63にかみ合わせて、当該スライドラック42を伝達歯車群25に近づく方向に移動させる。また、昇降部43は、伝達歯車群25に近づいたスライドラック42によって回転部材64の当接ピン66が押圧されて、スライドカム65が挿入口11に近づく方向に移動する。そして、昇降部43は、カムピン29をスライドカム65のカム孔71内で移動させて、ローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26を徐々に底板17に近づける。このように、昇降部43は、ローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26を昇降させる。
【0078】
板ばね44は、一端部が中間板16に取り付けられ、他端部がスライドカム41上に位置付けられている。そして、板ばね44は、再生状態となると、他端部がスライドカム41の突起部即ち連動機構7の一部を底板17に近づく方向に付勢する。板ばね44は、スライドカム41の突起部を底板17に向かって付勢することで、この突起部がスライドカム41内で弾性支持されているために、当該突起部がカムピン38を底板17に向かって押さえ、カムピン38がカム溝55の内壁を押さえて、スライドカム41自体を底板17に向かって押し付ける。こうして、板ばね44は、少なくとも再生状態では、スライドカム41即ち連動機構7が機器本体3に対してがたつくことを防止する。
【0079】
前述した構成のCDプレーヤ1は、以下のように、CD2を機器本体3に出し入れする。まず、連動機構7は、CD2が機器本体3内に挿入される前では、図4に示すように、スライドカム41を挿入口11に最も近い位置に配置しかつスライドラック42を伝達歯車群25から最も離れた位置に配置するとともに、スライドカム65を挿入口11から最も離れた位置に配置する。そして、連動機構7は、図13に示すように、カムピン35,38をカム溝55のロード部56内に位置付けて、弾性支持アーム37即ちキャリッジシャーシ32を最も機器本体3の内面としての底板17寄りに位置付けるとともに、図11に示すように、カムピン29をカム孔71の最も挿入口11寄りでかつ底板17から離れた側の端部内に位置付けて、搬送ローラ26を最もディスクガイド23に近づける即ち搬送ユニット5を厚み方向Zの機器本体3の中央に位置付けておく。
【0080】
こうして、まず、連動機構7は、CD2が機器本体3内に挿入される前では、搬送ユニット5のディスクガイド23とローラアーム24の搬送ローラ26とを互いに近づけ、キャリッジシャーシ32とクランパ21とを互いに遠ざけておく。さらに、CDプレーヤ1は、案内部8aの一対の案内部材19を案内ピン22同士が互いに最も近づいた状態に位置付けておくとともに、一対の案内アーム39を当接ピン46が挿入口11寄りでかつこれら当接ピン46同士が最も近づいた状態に位置付けておく。
【0081】
そして、機器本体3内にCD2が挿入されると、該CD2の外縁が案内部材19の案内ピン22に当接して、該案内ピン22同士が互いに離れる方向に、案内部材19が押圧されるとともに、モータ4が駆動して、伝達歯車群25の歯車30などを介して、機器本体3内にCD2を収容する方向に搬送ローラ26を回転させる。このとき、スライドラック42のラック61と昇降用歯車63とは、互いに間隔をあけて噛み合っていないので、昇降用歯車63が空転している。そして、CD2がディスクガイド23とローラアーム24の搬送ローラ26との間に挟まれて、搬送ローラ26の回転によって、機器本体3内に収容されていく。CD2が機器本体3内に収容されるのに連動して、案内ピン22が当該CD2の外縁に当接するように、案内部材19が幅方向Xに沿って移動する。
【0082】
すると、図4に示すように、CD2の外縁が案内アーム39の当接ピン46に当接する。さらに、CD2を機器本体3内の奥に収容していくと、CDプレーヤ1は、CD2の外縁によって押圧されて、当接ピン46同士が離れる方向に案内アーム39が回転される。そして、CDプレーヤ1は、案内アーム39の回転に連動して、第1スライド部材48が幅方向Xに沿って機器本体3の中央に向かって移動し、リンク部材49の回転により、第2スライド部材50の円弧状穴部と係合するリンクピン53が当該円弧状穴部内を空走後、同穴の端部に当接してから第2スライド部材50が奥行き方向Yに沿って挿入口11から離れる方向に移動するとともに、カム溝62内でリンクピン54が移動することで、スライドラック42が幅方向Xに沿って伝達歯車群25に向かって移動される。
【0083】
すると、図5に示すように、スライドラック42のラック61が昇降用歯車63と噛み合う。そして、CD2が更に機器本体3の奥に収容されていくのに連動して、CDプレーヤ1は、モータ4の駆動力によって、スライドラック42を幅方向Xに沿って伝達歯車群25に向かって移動する。このスライドラック42の伝達歯車群25への移動に連動して、スライドカム41が、奥行き方向Yに沿って、挿入口11から離れる方向に移動する。
【0084】
そして、カム溝55の第1傾斜部57内などをカムピン35,38が移動して、キャリッジシャーシ32が天井板15に徐々に近づいて、図6に示すように、CD2の中央孔が回転テーブル33とクランパ31との間に位置する。
【0085】
さらに、CDプレーヤ1は、モータ4を駆動して、スライドラック42を伝達歯車群25に近づけるとともに、スライドカム41を挿入口11から離れる方向に移動する。すると、図14に示すように、カムピン35,38がカム溝55のクランプ部58に位置付けられる。すると、キャリッジシャーシ32がクランパ31に最も近づいて、CD2の中央孔内に回転テーブル33に設けたディスククランプ部が侵入するとともに、該回転テーブル33とクランパ31との間にCD2を挟んで、当該CD2を回転テーブル33上に保持する。
【0086】
また、図7に示すように、スライドラック42によって当接ピン66が押圧されて、係合ピン67が挿入口11に近づく方向に、回転部材64が回転する。すると、スライドカム65が挿入口11に向かって押圧されて、当該スライドカム65が挿入口11に徐々に近づく。すると、カムピン29がスライドカム65のカム孔71内を底板17寄りでかつ挿入口11から離れた側の端部に向かって移動して、カムピン29及びローラアーム24の他端部即ち搬送ローラ26が底板17に向かって移動する。すると、勿論、搬送ローラ26がディスクガイド23即ちCD2から離れる。
【0087】
さらに、CDプレーヤ1は、モータ4を駆動して、スライドラック42を伝達歯車群25に近づけるとともに、スライドカム41を挿入口11から離れる方向に移動する。このとき、搬送ローラ26とCD2とが互いに離れているので、搬送ローラ26は、勿論、空転している。すると、カムピン35,38がカム溝55の第2傾斜部59内を移動して、キャリッジシャーシ32が底板17に徐々に近づけられるとともに、カムピン29がカム孔71の挿入口11から離れた側の端部に向かって移動して、搬送ローラ26が底板17に徐々に近づけられる。
【0088】
そして、図8及び図15に示すように、カムピン35,38がカム溝55の再生部60内に位置付けられて、キャリッジシャーシ32即ち再生ユニット6が機器本体3の厚み方向Zの中央に位置付けられるとともに、図12に示すように、カムピン29がカム孔71の挿入口11から離れた側の端部に位置付けられる。そして、搬送ローラ26即ち搬送ユニット5が最も機器本体3の内面としての底板17寄りに位置付けられた後、CDプレーヤ1は、モータ4を停止する。なお、この状態では、案内部8aの案内部材19が互いに最も近づいているとともに、案内ピン22がCD2の外縁と間隔をあけている。
【0089】
そして、CDプレーヤ1は、スピンドルモータで回転テーブル33を介してCD2を回転させて、光ピックアップ部34でCD2の所望の箇所から情報を読み出して再生する。CDプレーヤ1は、機器本体3内からCD2を排出する際には、スピンドルモータを停止してCD2からの情報の読み出しを停止した後、モータ4を先ほどと逆向きに駆動して、連動機構7などを動作させる。このように、CDプレーヤ1は、連動機構7が、機器本体3にCD2を出し入れする際に搬送ユニット5の搬送ローラ26などを機器本体3の厚み方向Zの中央寄りに位置付けかつ弾性支持アーム37を機器本体3の内面としての底板17に近づけるとともに、再生ユニット6がCD2から情報を読み出す際に搬送ユニット5の搬送ローラ26などを機器本体3の内面としての底板17寄りに位置付ける。
【0090】
本実施例によれば、機器本体3に移動自在に設けられて、連動機構7によって機器本体に対して移動する弾性支持アーム37に再生ユニット6のキャリッジシャーシ32を弾性支持するダンパ部材36を取り付けている。このように、弾性支持アーム37自体を移動することで、再生ユニット6のキャリッジシャーシ32の機器本体3に対する移動範囲を確保できるので、ダンパ部材36の弾性変形可能な範囲を、CD2の出し入れ時に必要とされる再生ユニット6のキャリッジシャーシ32の移動範囲よりも大きくする必要が生じない。したがって、ダンパ部材36の小型化即ち機器本体3の薄型化を図ることができる。
【0091】
また、少なくとも再生状態では、連動機構7の一部としてのスライドカム41を付勢して、当該連動機構7ががたつくことを防止する板ばね44を備えている。このため、弾性支持アーム37を移動自在としても、連動機構7ががたついて異音を生じることを防止できる。
【0092】
さらに、連動機構7が、搬送ユニット5と再生ユニット6とを連動させて動作させている。このため、搬送ユニット5のCD2の搬送動作を再生ユニット6が妨げることを防止でき、かつ再生ユニット6の再生動作を搬送ユニット5が妨げることを防止できる。
【0093】
前述した実施例では、記録媒体として、ディスク形記録媒体としてのCD2を示している。しかしながら、本発明では、例えば、記録媒体としてのMD(Mini Disc)、DVD(Digital VersatileDisc)などの他の記録媒体を用いても良い。また、本発明では、ディスク形に限らず種々の形状の記録媒体を用いても良い。
【0094】
また、前述した実施例では、記録媒体から情報を読み出す(情報を再生する)CDプレーヤ1を示している。しかしながら、本発明では、記録媒体から情報を読み出す情報処理装置に限ることなく、例えば、情報を記録媒体に記録する記録装置や、情報の再生及び記録を行う情報記録再生装置としても適用可能しても良い。
【0095】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0096】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1が得られる。
【0097】
(付記) 機器本体3と、
前記機器本体3内に収容されかつCD2から情報を読み出す再生ユニット6と、
前記再生ユニット6を前記機器本体3に対して移動自在に支持しかつ前記再生ユニット6の前記機器本体3に対する移動を減衰させるダンパ部材36と、を備えたCDプレーヤ1において、
少なくとも一つの前記ダンパ部材36が取り付けられかつ機器本体3に対して移動自在に設けられた弾性支持アーム37と、
前記機器本体3に前記CD2を出し入れする際に、前記弾性支持アーム37を前記機器本体3の底板17に近づける連動機構7と、
を備えたことを特徴とするCDプレーヤ1。
【0098】
付記に記載のCDプレーヤ1は、機器本体3に移動自在に設けられて、連動機構7によって機器本体に対して移動する弾性支持アーム37に再生ユニット6を弾性支持するダンパ部材36を取り付けている。このように、弾性支持アーム37自体を移動することで、再生ユニット6の機器本体3に対する移動範囲を確保できるので、ダンパ部材36の弾性変形可能な範囲を、CD2の出し入れ時に必要とされる再生ユニット6の移動範囲よりも大きくする必要が生じない。したがって、ダンパ部材36の小型化即ち機器本体3の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の一実施例にかかる情報処理装置としてのCDプレーヤの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示されたCDプレーヤの主要構成部分を示す平面図である。
【図3】図2中のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図2に示されたCDプレーヤ内にCDが挿入され始めた状態を示す平面図である。
【図5】図4に示されたCDプレーヤの連動機構のスライドラックのラックが昇降用歯車と噛み合った状態を示す平面図である。
【図6】図5に示されたCDプレーヤのキャリッジシャーシが上昇し始めた状態を示す平面図である。
【図7】図6に示されたCDプレーヤのキャリッジシャーシが最も上昇した状態を示す平面図である。
【図8】図7に示されたCDプレーヤの搬送ローラが最も降下した状態を示す平面図である。
【図9】図8に示されたCDプレーヤの再生ユニットと弾性支持部を示す平面図である。
【図10】図9に示されたCDプレーヤのスライドカムの図2中の左側からみた側面図である。
【図11】図4に示されたCDプレーヤの搬送ユニットを示す側面図である。
【図12】図8に示されたCDプレーヤの搬送ユニットを示す側面図である。
【図13】図4に示されたCDプレーヤのスライドカムとキャリッジシャーシなどを示す側面図である。
【図14】図7に示されたCDプレーヤのスライドカムとキャリッジシャーシなどを示す側面図である。
【図15】図8に示されたCDプレーヤのスライドカムとキャリッジシャーシなどを示す側面図である。
【図16】図2に示されたCDプレーヤの案内部の昇降部のスライドカムの図2中の左側からみた側面図である。
【図17】図16に示されたスライドカムの平面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 CDプレーヤ(情報処理装置)
2 CD(記録媒体)
3 機器本体
5 搬送ユニット(搬送部)
6 再生ユニット(再生部)
7 連動機構(移動部)
17 底板(機器本体の内面)
36 ダンパ部材(弾性支持部材)
37 弾性支持アーム(移動部材)
44 板ばね(付勢手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体と、
前記機器本体内に収容されかつ記録媒体から情報を読み出す再生部と、
前記再生部を前記機器本体に対して移動自在に支持しかつ前記再生部の前記機器本体に対する移動を減衰させる弾性支持部材と、を備えた情報処理装置において、
少なくとも一つの前記弾性支持部材が取り付けられかつ機器本体に対して移動自在に設けられた移動部材と、
前記機器本体に前記記録媒体を出し入れする際に、前記移動部材を前記機器本体の内面に近づける移動部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
少なくとも再生状態では、前記移動部の一部を付勢して当該移動部ががたつくことを規制する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機器本体の内外に前記記録媒体を搬送するとともに、前記機器本体に移動自在に設けられた搬送部を備え、
前記移動部が、前記機器本体に前記記録媒体を出し入れする際に前記搬送部を前記機器本体内の中央寄りに位置付け、かつ前記再生部が前記記録媒体から情報を読み出す際に前記搬送部を前記機器本体の内面寄りに位置付けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報処理装置。
【請求項1】
機器本体と、
前記機器本体内に収容されかつ記録媒体から情報を読み出す再生部と、
前記再生部を前記機器本体に対して移動自在に支持しかつ前記再生部の前記機器本体に対する移動を減衰させる弾性支持部材と、を備えた情報処理装置において、
少なくとも一つの前記弾性支持部材が取り付けられかつ機器本体に対して移動自在に設けられた移動部材と、
前記機器本体に前記記録媒体を出し入れする際に、前記移動部材を前記機器本体の内面に近づける移動部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
少なくとも再生状態では、前記移動部の一部を付勢して当該移動部ががたつくことを規制する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記機器本体の内外に前記記録媒体を搬送するとともに、前記機器本体に移動自在に設けられた搬送部を備え、
前記移動部が、前記機器本体に前記記録媒体を出し入れする際に前記搬送部を前記機器本体内の中央寄りに位置付け、かつ前記再生部が前記記録媒体から情報を読み出す際に前記搬送部を前記機器本体の内面寄りに位置付けることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の情報処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−165910(P2008−165910A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354446(P2006−354446)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(591224825)株式会社ゼロエンジニアリング (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(591224825)株式会社ゼロエンジニアリング (22)
【Fターム(参考)】
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