説明

情報処理装置

【課題】メディアプレイヤが切り替わった場合であっても、切り替え後のメディアプレイヤに好適な情報を対向機器に表示させることができることができるようにする。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機においては、リモコンコマンド送受信部24は、対向機器から送信されてきたリモコンコマンドを無線通信を介して受信し、リモコンコマンド解析部25は、受信されたリモコンコマンドを解析し、解析されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドである場合、コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであるか否かを判定し、コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定された場合、応答コマンド生成部26は、コンテンツ属性情報をセットできない旨の情報を用いた応答コマンドを生成し、リモートコマンド送受信部24は、生成された応答コマンドを対向機器に無線通信を介して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置に係り、特に、メディアプレイヤを対向機器のリモコンにより制御することができるようにした情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置としての携帯電話機には、単なる通話による通信機能だけでなく、アドレス帳機能、基地局やインターネットなどのネットワークを介したメール機能や、Webページなどを閲覧することが可能なブラウザ機能だけでなく、オーディオデータを聞くことができる音楽制御機能や、地上波ディジタル放送波、地上波ディジタルラジオ放送波、およびFMラジオ放送波を受信することができる機能などのマルチメディア機能が搭載されるようになってきている。
【0003】
例えば電子機器などに適用することができる無線通信技術として例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))が知られている。このブルートゥースの無線通信技術を用いれば、携帯電話機などの携帯情報端末や携帯型音楽再生機から、オーディオケーブルを用いることなく、例えばヘッドセットなどの対向機器にオーディオデータを転送することができる。
【0004】
オーディオデータの伝送用のプロファイルとして、例えば“Advanced Audio Distribution Profile(A2DP)”(非特許文献1)や“Generic Advanced Audio/Video Distribution Profile”(非特許文献2)などが知られている。これらは、ブルートゥース接続された機器間でオーディオデータをリアルタイムにストリーミング転送を行うための規格である。
【0005】
例えば携帯電話機などの携帯情報端末や携帯型音楽再生機では、オーディオデータをSBC(Sub Band Coding)、MP3(MPEG1 Audio Layer-3)、ATRAC(Advanced Transform Acoustic Coding)3などの形式により圧縮してパケット単位で転送する。一方、スピーカやヘッドセットなどの対向機器では、すべてのパケットを受信するのを待たずに、データの受信と同時にその再生を行なう。これにより、ユーザは、携帯情報端末や携帯型音楽再生機などからの音をほぼリアルタイムに、スピーカやヘッドセットなどの対向機器において聴くことが可能となる。
【0006】
最近では、ブルートゥースを用いてオーディオデータ(音声ファイル形式のデータ)を再生する技術として、音楽再生装置に記録されている複数の音声ファイルから任意のファイルを特定して再生することができるように、携帯電話機から操作することができる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0007】
また、例えば携帯電話機からヘッドセットなどの対向機器にオーディオデータをブルートゥースを用いて転送する場合に、対向機器に予め設けられたリモコンによりコマンドを携帯電話機に送信することで、オーディオデータの転送や再生・停止などを制御するAVリモコンサービスに関する技術も提案されている。このAVリモコンサービスに関する技術については、“AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)”(非特許文献3)の規格によってその仕様が規定されている。
【0008】
このAVRCPは、AVリモコンコマンドのためのパケットフォーマットを規定したものであり、リモコンコマンドの解釈や運用方法などに関して規定していない。そのため、AVリモコンサービスに関する技術については、携帯電話機などの実装に依存している。
【特許文献1】特開2006−94448号公報
【非特許文献1】Advanced Audio/Video Distribution Profile(Bluetooth SIG)
【非特許文献2】Generic Advanced Audio/Video Distribution Profile(Bluetooth SIG)
【非特許文献3】Audio/Video Remote Control Profile(Bluetooth SIG)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
最近、上述したAVRCPに、コンテンツの属性を示すコンテンツ属性情報を対向機器で取得するためのコマンドが定義された。このコンテンツ属性情報には、メディアプレイヤ(MP:Media Player)の設定や再生状態(再生中なのか、一時停止中なのかなどの状態)、現在再生している楽曲に関する情報(例えば楽曲名、歌手名、演奏時間などに関する情報)などが含まれている。
【0010】
これにより、例えばユーザが対向機器に設けられたリモコンを操作することで、コンテンツ属性情報の取得要求を対向機器から携帯電話機に送信させると、コンテンツ属性情報が携帯電話機から対向機器に送信され、対向機器にて受信されたコンテンツ属性情報を表示することが可能となる
近年では、携帯電話機にはオーディオデータを聞くことができる音楽制御機能だけでなく、地上波ディジタル放送波、地上波ディジタルラジオ放送波、およびFMラジオ放送波を受信することができる機能などが搭載されるようになってきており、メディアプレイヤには音楽プレイヤ以外のアプリケーションプログラム(例えば地上波ディジタル放送波を受信する際のアプリケーションプログラムなど)も含まれるようになってきている。
【0011】
例えば地上波ディジタル放送波を受信する際のアプリケーションプログラムの場合、音楽プレイヤとは異なり、楽曲のトラックもなく、原則的にコンテンツ属性情報を携帯電話機から対向機器に送信することはできない。
【0012】
ところが、現状のAVRCPでは、音楽プレイヤ以外のメディアプレイヤは考慮されておらず、例えば音楽プレイヤから地上波ディジタル放送波を受信する際のアプリケーションプログラムにメディアプレイヤが切り替えられた場合、その後に対向機器から送信されてきたコンテンツ属性情報の取得要求に対して単なるエラー応答を返すこととなり、対向機器側で現在使用されているメディアプレイヤとは異なる内容を表示してしまうという課題があった。このよう場合、対向機器側における動作に何らかの支障が起きる可能性もある。
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、メディアプレイヤが切り替わった場合であっても、切り替え後のメディアプレイヤに好適な情報を対向機器に表示させることができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の情報処理装置は、上述した課題を解決するために、対向機器から送信されてきたリモコンコマンドを無線通信を介して受信する受信手段と、受信手段により受信されたリモコンコマンドを解析する解析手段と、解析手段により解析されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドである場合、コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであるか否かを判定するメディアプレイヤ判定手段と、メディアプレイヤ判定手段によりコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定された場合、コンテンツ属性情報をセットできない旨の情報を用いた応答コマンドを生成する生成手段と、生成手段により生成された応答コマンドを対向機器に無線通信を介して送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の情報処理装置においては、対向機器から送信されてきたリモコンコマンドが無線通信を介して受信され、受信されたリモコンコマンドが解析され、解析されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドである場合、コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであるか否かが判定され、コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定された場合、コンテンツ属性情報をセットすることができない旨の情報を用いた応答コマンドが生成され、生成された応答コマンドが対向機器に無線通信を介して送信される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、メディアプレイヤが切り替わった場合であっても、切り替え後のメディアプレイヤに好適なコンテンツ属性情報を対向機器に表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示されるように、携帯電話機1の近傍には、本発明に係る対向機器として適用可能なヘッドセット2が配置されている。ヘッドセット2は、携帯電話機2から無線通信(例えばブルートゥースなど)を用いて転送されたオーディオデータ(地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波によるオーディオデータも含む)を受信し、リアルタイムに再生することができる。なお、ヘッドセット2には、携帯電話機1に対して無線通信を介してリモート操作することが可能なリモコン3が設けられている。
【0018】
図2は、図1の携帯電話機1の内部の構成を表している。図2に示されるように、携帯電話機1は、制御部11、表示部12、入力部13、記憶部14、無線電話通信部15、信号処理部16、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17、PCMコーデック18、マイクロフォン19、スピーカ20、メディアプレイヤ制御部21、コンテンツ処理部22、および近距離無線通信部23がバス29により相互に接続されて構成されている。
【0019】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などからなり、CPUは、ROMに記憶されているプログラムまたは記憶部14からRAMにロードされた各種のアプリケーションプログラムに従って各種の処理を実行するとともに、種々の制御信号を生成し、各部に供給することにより携帯電話機1を統括的に制御する。RAMは、CPUが各種の処理を実行する上において必要なデータなどを適宜記憶する。
【0020】
表示部12は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などからなり、入力部13は図示せぬ操作キーや操作ボタンなどにより構成される。
【0021】
無線電話通信部15は、図示せぬ基地局から送信された無線信号を、図示せぬアンテナを介して受信し、受信された無線信号のダウンコンバートを行って中間周波信号を求め、さらに直交復調処理、RAKE受信機(図示せず)による各パスの逆拡散及び合成処理などを行う。その後、このRAKE受信機から出力された受信パケットデータは、信号処理部16に入力される。
【0022】
信号処理部16は、例えばDSP(Digital Signal Processor)などからなり、受信パケットデータをまずメディア毎に分離し、分離されたメディア毎のデータに対してそれぞれ復号処理を施す。
【0023】
信号処理部16は、例えば受信パケットデータにオーディオデータが含まれている場合、このオーディオデータをスピーチコーデックにより復号する。また、信号処理部16は、受信パケットデータに動画像データが含まれている場合、この動画像データをビデオコーデックにより復号する。さらに、信号処理部16は、受信パケットデータがダウンロードコンテンツである場合、このダウンロードコンテンツを伸長する。
【0024】
復号処理により得られたディジタルオーディオ信号は、PCMコーデック18によりPCM復号された後、増幅されてスピーカ20により出力される。一方、ビデオコーデックにより復号されたディジタル動画像信号は、バス29を介して表示部12に供給され表示される。
【0025】
地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17は、放送局(図示せぬ)からの地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を受信し、受信された地上波ディジタルワンセグ放送波や地上波ディジタルラジオ放送波を信号処理部16または記憶部14に供給する。
【0026】
メディアプレイヤ制御部21は、例えば音楽制御機能を有する音楽プレイヤや、例えば地上波ディジタルワンセグ放送波を受信する際のアプリケーションプログラムを実行することにより実現される地上波ディジタルワンセグプレイヤなどの各種のメディアプレイヤを制御する。
【0027】
コンテンツ処理部22は、例えばメディアプレイヤ制御部21により音楽プレイヤを制御する際に、例えばAACやMP3などの符号化方式で符号化されたオーディオデータを、一旦、その符号化方式に対応する復号化方式で復号化した後、他の符号化方式(例えばSBC(Sub Band Coding)など)によって再符号化処理などを施す。
【0028】
近距離無線通信部23は、例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))による無線通信を行うモジュールなどからなり、携帯電話機1の近傍に存在するヘッドセット2などと無線通信を行う。勿論、ブルートゥース以外の無線通信(例えば赤外線通信)を用いるようにしてもよい。近距離無線通信部23は、リモコンコマンド送受信部24、リモコンコマンド解析部25、応答コマンド生成部26、メディアパケット送信部27、およびメディアプレイヤ切り替え判定部28などからなる。
【0029】
リモコンコマンド送受信部24は、ヘッドセット2に設けられたリモコン3からの種々のコマンドを近距離無線通信を介して受信すると、受信された種々のコマンドをリモコンコマンド解析部25に供給する。また、リモコンコマンド送受信部24は、応答コマンド生成部26から供給された応答コマンドを取得し、取得された応答コマンドを近距離無線通信を介してヘッドセット2に送信する。
【0030】
リモコンコマンド解析部25は、リモコンコマンド送受信部24から供給されたリモコンコマンドをメディアプレイヤごとに応じた解釈方法にて解釈し、解釈結果に基づいて送信されてきたリモコンコマンドに対して応答を行うか否かなどを判断する。応答コマンド生成部26は、リモコンコマンド解析部25における判断に従い、ヘッドセット2から送信されてきたリモコンコマンドに対して適切な応答コマンドを生成する。また、応答コマンド生成部26は、メディアプレイヤ切り替え判定部28による判定結果に基づいて、ヘッドセット2に対して送信する適切なコマンドを生成する。
【0031】
メディアパケット送信部27は、各種のメディアプレイヤとデータの符号化方式に応じたメディアパケットを生成し、生成されたメディアパケットを近距離無線通信を介してヘッドセット2に送信する。メディアプレイヤ切り替え判定部28は、メディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたか否か、または、例えば地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が変更したか否かなどを判定する。
【0032】
次に、図3のフローチャートを参照して、図2の携帯電話機1におけるメディアプレイヤ制御処理について説明する。このメディアプレイヤ制御処理は、ユーザにより入力部13が操作されることにより、近距離無線通信部23が起動された後、いずれかのメディアプレイヤが実行されたときに開始される。
【0033】
ステップS1において、近距離無線通信部23のメディアプレイヤ切り替え判定部28は、メディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたか否かを判定する。例えば、現在、メディアプレイヤのうちの音楽プレイヤがメディアプレイヤ制御部21により実行されている場合に、例えば地上波ディジタル放送波を受信する際のアプリケーションプログラムにより実行されるメディアプレイヤの起動が指示されたとき、メディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたと判定される。
【0034】
ステップS1においてメディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられていないと判定された場合、近距離無線通信部23のリモコンコマンド送受信部24は、制御部11の制御に従い、対向機器としてのヘッドセット2から送信されるリモコンコマンドの受信を待つ。
【0035】
ステップS3において、リモコンコマンド送受信部24は、ユーザにより対向機器としてのヘッドセット2に設けられたリモコン3が操作されたときに、ヘッドセット2から無線通信を介して送信されてきたリモコンコマンド(例えば“Play”や“Pause”や“Forward”などのコマンド)を無線通信を介して受信し、受信されたリモコンコマンドをリモコンコマンド解析部25に供給する。
【0036】
ステップS4において、リモコンコマンド解析部25は、リモコンコマンド送受信部24から供給されたリモコンコマンドを取得すると、現在、ヘッドセット2に対してストリーミング動作がなされているか否かを判定する(すなわち、ヘッドセット2以外の他の対向機器(例えばカーナビゲーション(図示せず)など)に対してストリーミング動作がなされているか否かを判定する)。
【0037】
ステップS4において現在ヘッドセット2に対してストリーミング動作がなされていると判定された場合、リモコンコマンド解析部25はステップS5で、取得されたリモコンコマンを、メディアプレイヤごとに応じた解釈方法にて解釈し、解釈結果に基づいて送信されてきたリモコンコマンドに対して応答を行うか否かなどを判断する。このとき、受信されたリモコンコマンドが例えば“Play”や“Pause”や“Forward”などのコマンドであるか否かなどが解析される。
【0038】
ステップS6において、リモコンコマンド解析部25は、解析結果に基づいて、受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドであるか否かを判定する。ステップS6において受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドであると判定された場合、リモコンコマンド解析部25はステップS7で、メディアプレイヤ制御部21により制御されている現在のメディアプレイヤが、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであるか否かを判定する。
【0039】
例えばメディアプレイヤ制御部21により制御されている現在のメディアプレイヤが音楽プレイヤの場合、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであると判定されるが、例えば地上波ディジタル放送波を受信する際のアプリケーションプログラムにより実行されるメディアプレイヤの場合には、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定される。
【0040】
ステップS7において再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであると判定された場合、リモコンコマンド解析部25は、その旨の判定結果を応答コマンド生成部26に供給する。ステップS8において、応答コマンド生成部26は、リモコンコマンド解析部25から供給された判定結果(再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤである旨の判定結果)に従い、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を用いてパケットを生成し、ヘッドセット2から送信されてきたコンテンツ属性情報の取得要求のリモコンコマンドに対する応答である応答コマンドを生成する。
【0041】
このコンテンツ属性情報には、メディアプレイヤ(MP:Media Player)の設定や再生状態(再生中なのか、一時停止中なのかなどの状態)、現在再生している楽曲に関する情報(例えば楽曲名、歌手名、演奏時間などに関する情報)などが含まれている。
【0042】
一方、ステップS7において再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定された場合、リモコンコマンド解析部25は、その旨の判定結果を応答コマンド生成部26に供給する。ステップS9において、応答コマンド生成部26は、リモコンコマンド解析部25から供給された判定結果(再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではない旨の判定結果)に従い、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報をセットできない旨の情報を用いてパケットを生成し、ヘッドセット2から送信されてきたコンテンツ属性情報の取得要求のリモコンコマンドに対する応答である応答コマンド(再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報をセットできない旨の応答コマンド)を生成する。
【0043】
応答コマンド生成部26は、生成された応答コマンドをリモコンコマンド送受信部24に供給する。
【0044】
ステップS10において、リモコンコマンド送受信部24は、応答コマンド生成部26から供給された応答コマンドを取得し、取得された応答コマンドを無線通信を介してヘッドセット2に送信する。これにより、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報をセットできない旨をヘッドセット2の図示せぬ表示部に表示することができる。
【0045】
一方、ステップS6において受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドではないと判定された場合、ステップS7乃至S9の処理はスキップされ、処理はステップS10に進み、ステップS10においてヘッドセット2から送信されてきたリモコンコマンド(例えば“Play”や“Pause”や“Forward”などのコマンドなど)に対して適切な応答コマンドが応答コマンド生成部26にて生成され、生成された応答コマンドがリモコンコマンド送受信部24にて無線通信を介してヘッドセット2に送信される。その後、処はステップS1に進み、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
【0046】
ステップS4において現在ヘッドセット2に対してストリーミング動作がなされていないと判定された場合、すなわち、ヘッドセット2以外の他の対向機器(例えばカーナビゲーション(図示せず)など)に対してストリーミング動作がなされていると判定された場合、リモコンコマンド解析部25はステップS11で、ヘッドセット2に対してストリーミング動作がなされているときと同様に、取得されたリモコンコマンドを、メディアプレイヤごとに応じた解釈方法にて解釈し、解釈結果に基づいて送信されてきたリモコンコマンドに対して応答を行うか否かなどを判断する。
【0047】
ステップS12において、リモコンコマンド解析部25は、解析結果に基づいて、受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドであるか否かを判定する。ステップS12において受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドであると判定された場合、リモコンコマンド解析部25は、その判定結果を応答コマンド生成部26に供給する。ステップS13において、応答コマンド生成部26は、リモコンコマンド解析部25から供給された判定結果に従い、対向機器としてのヘッドセット2にメディアパケットを送信するサービスの制御用の論理チャネルが確立されていないことから、ヘッドセット2から送信されてきたコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドに対する応答としてエラー応答コマンドを生成し、生成されたエラー応答コマンドをヘッドセット2に供給する。
【0048】
ステップS14において、リモコンコマンド送受信部24は、応答コマンド生成部26から供給されたエラー応答コマンドを取得し、取得されたエラー応答コマンドを無線通信を介してヘッドセット2に送信する。これにより、エラー情報をヘッドセット2の図示せぬ表示部に表示することができる。
【0049】
なお、ステップS12において受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドであると判定された場合、エラー応答コマンドを生成し、送信するようにしたが、このような場合に限られず、そもそも、コンテンツ属性情報の取得要求のコマンドに対する応答コマンドを生成せず、応答コマンド自体を送信しないようにしてもよい。
【0050】
一方、ステップS12において受信されたリモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドではないと判定された場合、ステップS15においてヘッドセット2から送信されてきたリモコンコマンド(例えば“Play”や“Pause”や“Forward”などのコマンドなど)に対して適切な応答コマンドが応答コマンド生成部26にて生成され、生成された応答コマンドがリモコンコマンド送受信部24にて無線通信を介してヘッドセット2に送信される。その後、処はステップS1に進み、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
【0051】
ステップS1においてメディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたと判定された場合、メディアプレイヤ切り替え判定部28は、その旨の判定結果を応答コマンド生成部26に供給する。ステップS16において、応答コマンド生成部26は、メディアプレイヤ切り替え判定部28による判定結果に基づいて、リモコンのための論理チャネルの切断を指示するためのコマンドを生成し、生成されたリモコンのための論理チャネルの切断を指示するためのコマンドをリモコンコマンド送受信部24に供給する。
【0052】
ステップS17において、リモコンコマンド送受信部24は、応答コマンド生成部26から供給された、リモコンのための論理チャネルの切断を指示するためのコマンドを取得し、取得されたこのコマンドを無線通信を介してヘッドセット2に送信する。ステップS18において、近距離無線通信部23は、リモコンのための論理チャネルを切断する。
【0053】
これにより、メディアプレイヤが切り替えられた場合に、対向機器としてのヘッドセット2に初期設定を間接的に促すことができ、ヘッドセット2におけるメディアプレイヤの設定に関する情報を初期化することができる。従って、メディアプレイヤが切り替えられたとしても、ヘッドセット2側においてメディアプレイヤが切り替えられたことを直ちに認識することができ、ヘッドセット2におけるメディアプレイヤの設定に関する情報の初期化を簡単に、かつ、迅速に行うことができる。その後、処理はステップS1に戻り、ステップS1以降の処理が繰り返し実行される。
【0054】
なお、ステップS16乃至S18において、リモコンのための論理チャネルの切断を指示するためのコマンドを生成・送信するのではなく、メディアパケットを送信するためのトランスポート用の論理チャネルの切断を指示するコマンドを生成し、ヘッドセット2に送信した後、メディアパケットを送信するためのトランスポート用の論理チャネルを切断するようにしてもよい。これにより、メディアプレイヤが切り替えられた場合に、対向機器としてのヘッドセット2におけるパラメータ情報などの更新を間接的に促すことができ、切り替え後のメディアプレイヤに応じたヘッドセット2におけるパラメータ情報などに更新することができる。従って、メディアプレイヤが切り替えられたとしても、ヘッドセット2側においてメディアプレイヤが切り替えられたことを直ちに認識することができ、切り替え後のメディアプレイヤに応じたヘッドセット2におけるパラメータ情報などに簡単に、かつ、迅速に更新することができる。
【0055】
本発明の実施形態においては、メディアプレイヤ制御部21により制御されている現在のメディアプレイヤが、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであるか否かを判定し、メディアプレイヤ制御部21により制御されている現在のメディアプレイヤが、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであると判定された場合、リモコンコマンド解析部25から供給された判定結果に従い、ヘッドセット2から送信されてきたコンテンツ属性情報の取得要求のリモコンコマンドに対する応答である応答コマンドを生成し、ヘッドセット2に送信する一方、メディアプレイヤ制御部21により制御されている現在のメディアプレイヤが、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定された場合、リモコンコマンド解析部25から供給された判定結果に従い、再生中のコンテンツに関するコンテンツ属性情報をセットできない旨の情報を用いてパケットを生成し、ヘッドセット2から送信されてきたコンテンツ属性情報の取得要求のリモコンコマンドに対する応答である応答コマンドを生成し、ヘッドセット2に送信することができる。
【0056】
また、ヘッドセットから送信されてきたリモコンコマンドを受信した場合に、現在、ヘッドセット2に対してストリーミング動作がなされているか否かを判定し(すなわち、ヘッドセット2以外の他の対向機器(例えばカーナビゲーション(図示せず)など)に対してストリーミング動作がなされているか否かを判定し)、現在、ヘッドセット2に対してストリーミング動作がなされていないと判定された場合(すなわち、ヘッドセット2以外の他の対向機器(例えばカーナビゲーション(図示せず)など)に対してストリーミング動作がなされていると判定された場合)、コンテンツ属性情報の取得要求のコマンドに対する応答であるエラー応答コマンドを生成し、送信したり、あるいは、コンテンツ属性情報の取得要求のコマンドに対して応答コマンドを生成しないようにすることができる。
【0057】
一方、メディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたと判定された場合、リモコンのための論理チャネルの切断を指示するためのコマンドまたはトランスポート用の論理チャネルの切断を指示するためのコマンドを生成し、生成されたリモコンのための論理チャネルの切断を指示するためのコマンドまたはトランスポート用の論理チャネルの切断を指示するためのコマンドをヘッドセット2に送信するとともに、リモコンのための論理チャネルまたはトランスポート用の論理チャネルを切断することができる。
【0058】
これにより、メディアプレイヤが切り替わった場合であっても、切り替え後のメディアプレイヤに好適な情報(例えばコンテンツ属性情報や、コンテンツ属性情報をセットできない旨の情報、コンテンツ属性情報の取得要求に対するエラー情報など)を対向機器に表示させることができる。
【0059】
従って、メディアプレイヤが切り替わったとしても、対向機器としてのヘッドセット2側において、現在用いられているメディアと表示される情報を一致させることができ、携帯電話機1において複数のメディアプレイヤが用いられる場合における利用性を向上させることができる。
【0060】
なお、メディアプレイヤが切り替えられた場合や、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が変更した場合に、トラックが変更した旨をヘッドセット2に通知することによって携帯電話機1におけるメディアプレイヤの再生状態が変化したことを通知するようにしてもよい。この場合におけるメディアプレイヤ制御処理は、図4のフローチャートに示されている。
【0061】
なお、図4のステップS22乃至S35の処理は、図3のステップS2乃至S15の処理と同様であり、その説明は繰り返しになるので省略する。
【0062】
ステップS1において、近距離無線通信部23のメディアプレイヤ切り替え判定部28は、メディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたか、または、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が変更したか否かを判定する。例えば、現在、メディアプレイヤのうちの音楽プレイヤがメディアプレイヤ制御部21により実行されている場合に、例えば地上波ディジタル放送波を受信する際のアプリケーションプログラムにより実行されるメディアプレイヤの起動が指示されたとき、メディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたと判定される。また、現在、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が「3」チャネルであり、その後、「7」チャネルへの変更が指示されると、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が変更したと判定される。
【0063】
ステップS21においてメディアプレイヤ制御部21により制御されるメディアプレイヤが他のメディアプレイヤに切り替えられたか、または、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が変更したと判定された場合、ステップS36おいて、応答コマンド生成部26は、メディアプレイヤ切り替え判定部28による判定結果に基づいて、携帯電話機1におけるメディアプレイヤの再生状態(使用状態)が変化したことを通知するために、トラックを変更した旨のコマンドを生成し、生成されたトラックを変更した旨のコマンドをリモコンコマンド送受信部24に供給する。
【0064】
ステップS37において、リモコンコマンド送受信部24は、応答コマンド生成部26から供給された、トラックを変更した旨のコマンドを取得し、取得されたこのコマンドを無線通信を介してヘッドセット2に送信する。
【0065】
これにより、携帯電話機1におけるメディアプレイヤの再生状態(使用状態)が変化したことをヘッドセット2に通知することができ、その後、ヘッドセット2による次曲などに関する情報の取得を間接的に開始させることができる。従って、メディアプレイヤが切り替えられたり、あるいは、地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部17を介して視聴している地上波ディジタルワンセグ放送波による放送局が変更したとしても、トラック変更コマンドの受信をトリガに、ヘッドセット2側においてこのことを直ちに認識することができ、ヘッドセット2に対してメディアプレイヤに関する情報の更新やチェックなどを簡単に、かつ、迅速に行わせることができる。
【0066】
なお、本発明は、携帯電話機1以外にも、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型音楽再生機、携帯型動画再生機、その他の情報処理装置にも適用することができる。
【0067】
また、本発明の実施形態において説明した一連の処理は、ソフトウェアにより実行させることもできるが、ハードウェアにより実行させることもできる。
【0068】
さらに、本発明の実施形態では、フローチャートのステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理の例を示したが、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る情報授受のシステムの概略的な構成を示す図。
【図2】本発明に係る情報処理装置に適用可能な携帯電話機の内部の構成を示すブロック図。
【図3】図2の携帯電話機におけるメディアプレイヤ制御処理を説明するフローチャート。
【図4】図2の携帯電話機における他のメディアプレイヤ制御処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
【0070】
1…携帯電話機、2…ヘッドセット、3…リモコン、11…制御部、12…表示部、13…入力部、14…記憶部、15…無線電話通信部、16…信号処理部、17…地上波ディジタルワンセグ・ラジオ受信部、18…PCMコーデック、19…マイクロフォン、20…スピーカ、21…メディアプレイヤ制御部、22…コンテンツ処理部、23…近距離無線通信部、24…リモコンコマンド送受信部、25…リモコンコマンド解析部、26…応答コマンド生成部、27…メディアパケット送信部、28…メディアプレイヤ切り替え判定部、29…バス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向機器から送信されてきたリモコンコマンドを無線通信を介して受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記リモコンコマンドを解析する解析手段と、
前記解析手段により解析された前記リモコンコマンドがコンテンツ属性情報の取得要求のコマンドである場合、前記コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤであるか否かを判定するメディアプレイヤ判定手段と、
前記メディアプレイヤ判定手段により前記コンテンツ属性情報を取得することが可能なメディアプレイヤではないと判定された場合、前記コンテンツ属性情報をセットできない旨の情報を用いた応答コマンドを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された前記応答コマンドを前記対向機器に無線通信を介して送信する送信手段とを備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記対向機器に対してストリーミング動作がなされているか否かを判定するストリーミング動作判定手段をさらに備え、
前記ストリーミング動作判定手段により前記対向機器に対してストリーミング動作がなされていないと判定された場合、前記生成手段は、コンテンツ属性情報の取得要求のコマンドに対する応答コマンドを生成しないことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対向機器に対してストリーミング動作がなされているか否かを判定するストリーミング動作判定手段をさらに備え、
前記ストリーミング動作判定手段により前記対向機器に対してストリーミング動作がなされていないと判定された場合、前記生成手段は、コンテンツ属性情報の取得要求のコマンドに対するエラー応答コマンドを生成し、前記送信手段は、前記エラー応答コマンドを前記対向機器に無線通信を介して送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
メディアプレイヤが切り替えられたか否かを判定するメディア切替判定手段と、
リモコンのための論理チャネルまたはトランスポート用の論理チャネルを切断する切断手段とをさらに備え、
前記メディア切替判定手段によりメディアプレイヤが切り替えられたと判定された場合、前記生成手段は、リモコンのための論理チャネルまたはトランスポート用の論理チャネルの切断を指示するためのコマンドを生成し、前記送信手段は、リモコンのための論理チャネルまたはトランスポート用の論理チャネルの切断を指示するためのコマンドを前記対向機器に無線通信を介して送信し、前記切断手段は、リモコンのための論理チャネルまたはトランスポート用の論理チャネルを切断することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
メディアプレイヤが切り替えられたか否か、または、視聴中の放送局が変更したか否かを判定する判定手段をさらに備え、
前記判定手段によりメディアプレイヤが切り替えられた、または、視聴中の放送局が変更したと判定された場合、前記生成手段は、トラックを変更した旨のコマンドを生成し、前記送信手段は、トラックを変更した旨のコマンドを前記対向機器に無線通信を介して送信することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−259068(P2008−259068A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−101029(P2007−101029)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】