説明

情報出力装置および名称設定方法

【課題】日本語表記およびローマ字表記の2種類の商取引に関わる名称を容易に設定でき、設定時間を短縮することができる。
【解決手段】ローマ字入力方式による商取引に関わる日本語の部門またはメニュー名の入力に用いられるローマ字列の入力を受付ける設定画面501に、部門またはメニュー名の入力を行うとともに、入力された部門またはメニュー名を日本語で表示する日本語フィールド(入力表示フィールド)502と、日本語フィールド502に日本語で表示された部門またはメニュー名を、ローマ字入力方式により入力されたローマ字で表示するローマ字フィールド(表示フィールド)503とを設け、日本語の部門またはメニュー名と入力されたローマ字の部門またはメニュー名とを対応付けて保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品名などの商取引に関わる名称を設定する名称設定方法、および商品を取り扱う店舗に設置され、該名称設定方法により設定した商取引に関わる名称を出力する情報出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばファミリーレストランや居酒屋等の多くの飲食店では、飲食メニューの注文(オーダー)から会計までを一元的に管理することが可能な注文管理システムが構築されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1のシステムの一部である情報出力装置では、日本語で表示された注文入力画面中のメニュー品目欄の各メニューボタンをタッチすることによって、注文の入力を行なっている。
【0003】
しかし、近年、飲食店などでは、外国人の従業員が増加している傾向にある。外国人従業員は、例えば平仮名は読めるが漢字は読めないなど、日本語に不慣れである。そのような外国人従業員は、特許文献1のように日本語で表記された複数のメニューボタンから、お客様により注文を受けたメニューの記載されたメニューボタンを特定することは困難であった。そこで、商品の属する分類名や部門を外国語で印字・表記するPOS(Point Of Sales)システムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このように商品の情報を日本語および日本語以外の言語で設定(登録)する場合、日本語とは別に当該言語に対応する商品の情報を設定しなくてはならないため、日本語のみの設定時間と比較すると多くの設定時間が必要となる。特に、飲食店などのメニュー名を設定する場合、複雑なメニュー名や長いメニュー名があったり、居酒屋などではメニュー数が膨大であるため、異なった言語ごとのメニュー名を設定するのは、大変な作業となってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、日本語表記およびローマ字表記の2種類の商取引に関わる名称を容易に設定でき、商取引に関わる名称の設定時間を短縮することができる情報出力装置および名称設定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ローマ字入力方式による商取引に関わる日本語名称の入力に用いられるローマ字列の入力を受付ける入力受付手段と、入力を受付けた前記ローマ字列を前記日本語名称に変換する変換手段と、変換した前記日本語名称と入力された前記ローマ字列とを対応付けて記憶手段に保存することで、商取引に関わる名称の設定を行う名称設定手段と、前記記憶手段に対応付けて記憶された前記日本語名称と前記ローマ字列とを併記した前記商取引に関わる名称を視認可能な態様で出力する出力手段と、を備えることを特徴とする情報出力装置である。
【0007】
また、本発明は、情報出力装置で実行される名称設定方法において、ローマ字入力方式による商取引に関わる日本語名称の入力に用いられるローマ字列の入力を受付ける入力受付ステップと、入力を受付けた前記ローマ字列を前記日本語名称に変換する変換ステップと、変換した前記日本語名称と入力された前記ローマ字列とを対応付けて記憶手段に保存することで、商取引に関わる名称の設定を行う名称設定ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる情報出力装置は、日本語表記およびローマ字表記の2種類の商取引に関わる名称を容易に設定でき、商取引に関わる名称の設定時間を短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】情報端末の電気的接続を示すブロック図である。
【図2】部門ファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図3】PLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【図4】設定画面の一例を示す説明図である。
【図5】注文入力画面の一例を示す説明図である。
【図6】メニュー名の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】メニュー名の修正処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報出力装置および名称設定方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
本実施の形態は、来店したお客様から飲食に関する注文を受け付ける場所に設置された注文データ入力装置を情報出力装置とした例である。また、商取引に関わる名称を、飲食店のメニュー名や該メニューをグループ化した部門(カテゴリ)として、これらの名称を設定して表示等を行う例である。
【0012】
本実施の形態にかかる情報出力装置である情報端末は、メニューオーダーについての注文情報の入力が可能であり、注文情報に応じた内容の伝票を印字発行する。印字発行する伝票は、注文されたメニュー品目をキッチンの調理人に指示するための調理指示伝票である。また、情報端末は、POS端末としても機能し、会計処理を実行する。
【0013】
図1は、本実施の形態にかかる情報端末の電気的接続を示すブロック図である。図1に示すように、情報端末102(注文データ入力装置)には、マイクロコンピュータ201が備えられており、このマイクロコンピュータ201が各部を駆動制御する。マイクロコンピュータ201は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)202に、バスライン203を介して制御プログラム等の固定的情報を予め記憶するROM(Read Only Member)204と、各種情報を書き換え自在に記憶してワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)205とが接続されて構成されている。したがって、マイクロコンピュータ201は、情報処理を実行する情報処理部を構成する。
【0014】
マイクロコンピュータ201には、バスライン203を介して、タッチパネルコントローラ206、表示コントローラ207、HDD(Hard Disk Drive)208、インターフェース(I/F)209、および通信インターフェース210が接続されている。
【0015】
タッチパネルコントローラ206は、タッチパネル110からの入力信号をマイクロコンピュータ201に取り込む。表示コントローラ207は、画像データに基づいて液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)109を駆動制御し、画像データに応じた画像を液晶ディスプレイ109に表示させる。インターフェース209は、キーボード、マウス、プリンタや客面表示装置などをマイクロコンピュータ201に接続させるためのインターフェースであり、USB等によって構成されている。通信インターフェース210は、マイクロコンピュータ201をLAN(Local Area Network)経由で他の機器とデータ通信可能にするためのインターフェースである。
【0016】
HDD208には、OS(Operating System)、コンピュータアプリケーションプログラム(APPLI)、各種ファイル等が格納されている。これらのOS、APPLI、各種ファイル等は、情報端末102の起動時にその全部又は一部がRAM205にコピーされてCPU202にアクセスされる。CPU202は、こうしてコピーされたOS及びAPPLIに従った処理を実行する。
【0017】
HDD208は、メニューをグループ化した部門(カテゴリ)を、日本語(日本語名称)とローマ字(ローマ字列)とにより並列に対応付けた部門ファイル401をマスターデータとして記憶している。ここで、マスターデータとは、共通に使用される定型的な表現や名称、コードなどを事前に登録して一元管理しておき、必要なときにそれらを呼び出して使用するものである。
【0018】
図2は、部門ファイル401のファイル構造を示す模式図である。部門ファイル401は、領域欄401aの各欄に各々格納される部門番号に対応させて、部門(日本語)名(領域欄401b)、部門(ローマ字)名(領域欄401e)、およびタグ位置(領域欄401c)というレコードからなる部門データを登録している。図2には、部門データの例として、以下のような対応関係を持った部門番号、部門(日本語)名、部門(ローマ字)名(一部の部門に関しては英語)が示されている。
01:ドリンク:drink
02:デザート:dessert
03:和膳:wazen
04:和洋食:wayoshoku
05:丼もの:donmono
06:鍋もの:nabemono
07:うどん&そば:udon&soba
08:一品料理:ipinryouri
09:健菜とサラダ:kensai&salad
領域欄401bには、領域欄401aに登録される部門番号に対応する部門名のテキストが日本語(漢字、ひらがな、カタカナなど)で登録される。また、領域欄401eには、領域欄401bに登録される部門(日本語)名に対応付けて、領域欄401aに登録される部門番号の部門名のテキストがローマ字(アルファベット)で登録される。領域欄401cには、注文入力画面D(図5参照)に表示される部門タグD11(図5参照)に対する個々の部門(日本語)と部門(ローマ字)とのレコードの割り付けを定義している。
【0019】
また、HDD208は、メニュー名を日本語(日本語名称)とローマ字(ローマ字列)とにより並列に対応付けたPLU(Price Look Up)ファイル402をマスターデータとして記憶している。図3は、PLUファイルのファイル構造を示す模式図である。
【0020】
PLUファイル402は、領域欄402aの各々に格納されるコードに対応させて、部門番号(領域欄402b)、画像(領域欄402c)、メニュー名(日本語)(領域欄402d)、メニュー名(ローマ字)(領域欄402g)、単価(領域欄402e)、割付(領域欄402f)などからなるレコードをメニューデータとして登録している。コードは、メニュー毎に固有であり、当該メニューを特定することができる。部門は、部門ファイル401中の領域欄401bに登録される部門番号で定義されている部門を表している。画像は、メニュー品目欄D12(図5参照)内のメニューボタンD12a(図5参照)内に表示される画像である。
【0021】
領域欄402dには、領域欄402aに登録されるコードに対応付けられるメニュー品目の品名のテキストが日本語で登録される。また、領域欄402gには、領域欄402dに登録されるメニュー名(日本語)に対応付けられて、領域欄402aに登録されるコードで定義されるメニュー品目の品名のテキストがローマ字(一部の文字に関しては英語とする。)で登録される。また、領域欄402eには、領域欄402aに登録されているコードで定義されるメニュー品目の単価が登録される。領域欄402fには、領域欄402aに登録されるコードで定義されるメニュー品目のメニュー品目欄D12(図5参照)におけるメニューボタンD12aの割付位置が登録される。
【0022】
例えば、コード「0001」には、「ドリンク」という部門の「ブレンドコーヒー」および「blend coffee」が対応付けられており、「¥350」という単価が設定され、コード「0002」には、「ドリンク」という部門の「アイスコーヒー」および「ice coffee」が対応付けられており、「¥350」という単価が設定される。
【0023】
次いで、情報端末102のHDD208にインストールされたOSおよびAPPLIによりマイクロコンピュータ201が実行する処理のうち、本実施の形態の情報端末102が有している特徴的な処理について説明する。注文受け可能なメニュー名を画面表示し、選択指定された飲食注文のデータを受け付け、入力する。
【0024】
本実施の形態にかかる情報端末102で実行されるAPPLIは、文字入力受付部、設定画面表示部、変換部、名称設定部、注文入力受付部、注文画面表示部、印刷部通信部を含むモジュール構成となっている。これらの各モジュールは、マイクロコンピュータ201のCPU202によってHDD208から適宜読み出されて、RAM205上にロードされ、実行されることで、文字入力受付、設定画面表示部、変換、名称設定、注文入力受付、注文画面表示、印刷、通信という各機能を情報端末102に果たさせるようになっている。
【0025】
ここで、本実施の形態にかかる情報端末102は、上述したように、お客様からの注文の受付け業務を行う。この注文の受付け業務は、液晶ディスプレイ109に表示された注文入力画面に配置された部門やメニュー名が表記された部門ボタンやメニューボタンを操作することによって行われる。情報端末102では、日本語と表音文字のローマ字によりメニュー名を表示しておくことで、お客様からの注文の際のメニュー名の称呼とローマ字の称呼がほぼ同一音となるため、日本語が不慣れな従業員でもメニュー名を検索することが容易となる。
【0026】
以下の情報端末102は、1回のローマ字入力で「日本語」と「ローマ字」の2種類のメニュー名を設定可能として、メニュー名の設定時間を短縮し、さらにメニュー入力画面に日本語とローマ字のメニュー名を併記したメニューボタンを表示可能としている。
【0027】
文字入力受付部は、部門ファイル401に日本語およびローマ字の部門を設定する場合、およびPLUファイル402に日本語およびローマ字のメニュー名を設定する場合に、設定画面表示部により表示された設定画面(図4参照)から、ローマ字で日本語を入力する方式であるローマ字入力方式によって、部門やメニュー名の入力に用いられるローマ字列の入力を受付けるものである。そして、設定画面において入力された部門やメニュー名が確定である旨の入力を受付ける。
【0028】
変換部は、日本語およびローマ字の部門またはメニュー名を設定する場合に、文字入力受付部によりローマ字入力方式により受付けた部門やメニュー名を、不図示の日本語辞書によって平仮名に変換し、さらにそれらの平仮名を必要に応じて漢字またはカタカナに変換するものである。
【0029】
設定画面表示部は、部門ファイル401に日本語およびローマ字の部門を設定する場合、およびPLUファイル402に日本語およびローマ字のメニュー名を設定する場合に、部門またはメニュー名の入力を行う設定画面を液晶ディスプレイ109に表示するものである。図4は、設定画面の一例を示す説明図である。図4に示すように、設定画面501には、部門またはメニュー名の入力を行うとともに、入力された部門またはメニュー名を日本語で表示する日本語フィールド(入力表示フィールド)502と、日本語フィールド502に日本語で表示された部門またはメニュー名を、ローマ字入力方式により入力されたローマ字で表示するローマ字フィールド(表示フィールド)503とを設けている。
【0030】
ここで、設定画面501への部門またはメニュー名の入力、変換および表示の詳細について説明する。この設定画面501では、日本語フィールド502にフォーカスがある場合(日本語フィールド502にカーソルが点滅している場合)に、日本語フィールド502から日本語およびローマ字による部門またはメニュー名の入力が可能となっている。すなわち、日本語フィールド502にローマ字入力方式により部門またはメニュー名がローマ字列で入力されると、日本語フィールド502に日本語に変換された日本語の部門またはメニュー名が表示されるとともに、ローマ字フィールド503にローマ字による部門またはメニュー名が表示される。なお、フォーカスの移動などは、インターフェース209に接続されたマウスの操作によって行い、各文字の入力などは、同様にインターフェース209に接続されたキーボードの操作によって行うものとする。
【0031】
また、既に入力された日本語およびローマ字の部門またはメニュー名を修正する場合、日本語フィールド502に入力された文字列の末尾または末尾以外の位置にカーソルがある時に修正入力を受付けると、カーソルの位置の文字が修正され、日本語フィールド502に日本語に変換された修正後の部門またはメニュー名が表示されるが、ローマ字フィールド503では、既に入力されたメニュー名の末尾にローマ字の修正文字を追加して表示する。
【0032】
また、日本語フィールド502にフォーカスがある時に、Delキーまたはバックスペースキーが打鍵されたときは、日本語フィールド502における日本語の部門またはメニュー名の所望の文字を削除する。この場合、ローマ字フィールド503ではいずれの文字も削除されない。
【0033】
さらに、既に入力されたローマ字の部門またはメニュー名を修正する場合、ローマ字フィールド503に入力された文字列の末尾または末尾以外の位置にカーソルがある時に修正入力を受付けると、カーソルの位置の文字が修正され、ローマ字フィールド503には修正後のローマ字の部門またはメニュー名が表示される。この場合、日本語フィールド502では何も修正されない。例えば、図2に示すように、日本語では「ドリンク」であるメニュー名をローマ字で表記する場合、本来は「dorinku」であるが、英語の方が外国人従業員等にも読みやすいと判断した場合、ローマ字の表記のみを英語の「drink」に修正することができる。
【0034】
また、ローマ字フィールド503にフォーカスがある時に、Delキーまたはバックスペースキーが打鍵されたときは、ローマ字フィールド503におけるローマ字の部門またはメニュー名の所望の文字を削除する。この場合、日本語フィールド502ではいずれの文字も削除されない。
【0035】
また、ローマ字フィールド503は、英数字および記号文字(a〜z、A〜Z、0〜9、“、.、-、+、_、@、*、”など)のみ表示が可能となっており、その他の文字は入力不可であるため表示されず、漢字変換も受け付けない。
【0036】
名称設定部は、設定画面表示部により表示された設定画面において、文字入力受付部により入力を受付け、変換部により変換された日本語とローマ字の部門を並列に対応付けて、HDD208に記憶された部門ファイル401に保存することで、部門の設定を行うものである。また、同様に、設定画面表示部により表示された設定画面において、文字入力受付部により入力を受付け、変換部により変換された日本語とローマ字のメニュー名を並列に対応付けて、HDD208に記憶されたPLUファイル402に保存することで、メニュー名の設定を行う。
【0037】
注文入力受付部は、お客様から注文を受けた場合に、注文画面表示部により表示された注文入力画面(図5参照)から、部門ボタンD11a、メニューボタンD12a等をタッチ指定されることにより、部門やメニュー名等の操作入力(商取引に関わる操作)を受付けるものである。
【0038】
注文画面表示部は、お客様から注文を受けた場合に、注文可能な部門およびメニュー名等が少なくとも付され、かつ操作入力を受け付ける部門ボタンやメニューボタン等を、部門およびメニュー名毎に備えた注文入力画面を液晶ディスプレイ109に表示するものである。このとき、注文画面表示部は、部門ボタンやメニューボタンに、HDD208に記憶された部門ファイル401およびPLUファイル402に対応付けられた日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名を視認可能な態様で併記して表示する。なお、本実施の形態では、日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名を部門ボタンやメニューボタンに表記しているが、当該ボタンの近傍に視認可能な態様で表示してもよい。
【0039】
図5は、注文入力画面の一例を示す説明図である。図5に示すように、注文入力画面Dには、部門タグD11、メニュー品目欄D12、注文リストD13などが表示されている。
【0040】
部門タグD11には、部門ファイル401の領域欄401aに登録されている部門番号に対応して、領域欄401bに登録されている部門名の日本語のテキストが上段に、領域欄401eに登録されている部門名のローマ字のテキストが下段に併記された部門ボタンD11aがタッチパネル110によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0041】
メニュー品目欄D12には、初期状態では、PLUファイル402の領域欄402aに登録されているコードに対応して、領域欄402cに登録されている画像データが表示され、領域欄402dに登録されている注文可能な商品名の日本語のテキストと、領域欄402eに登録されている注文可能な商品名のローマ字のテキストとが併記されたメニューボタンD12aが、タッチパネル110によるタッチ指定が可能なオブジェクトとして表示されている。
【0042】
注文リストD13には、タッチパネル110によって注文入力画面D上でタッチ指定されたメニュー品目、注文数および金額(単価×注文数)が一覧表示される。
【0043】
このような注文入力画面Dにおいて、メニュー品目を入力するに際しては、所望の部門タグD11のタッチ指定によって、「ドリンク」、「デザート」、「和膳」、「和洋食」、「丼もの」、「鍋もの」、「うどん&そば」、「一品料理」、「健菜とサラダ」のうちから所望の部門の選択が可能である。例えば、部門タグD11のうち、「一品料理」の部門ボタンD11aをタッチ指定した場合には、図5に例示するような「一品料理」についての注文入力画面Dが表示される。
【0044】
また、図5に示すように、注文入力画面Dにおいて、部門タグD11では、「和膳」と「wazen」、「うどん&そば」と「udon&soba」、「一品料理」と「ipinryouri」のように、日本語表記とローマ字表記とを併記した部門が表示されている。そして、メニュー品目欄D12では、「枝豆」と「edamame」、「大根と水菜のサラダ」と「daikon&mizuna salad」のように、日本語表記とローマ字表記とを併記したメニュー名が表示されている。なお、この場合、「サラダ」は、ローマ字で「sarada」と表記するより、図5に示すように英語で表記した方が一般的に認識され易いため修正している。このように、日本語表記とローマ字表記を併記して部門やメニュー名を表示することで、お客様からの注文された部門のメニュー名の称呼と表記された部門のメニュー名の称呼がほぼ同一音となるため、日本語が不慣れな外国人従業員等でも注文入力画面から注文を受けた部門のメニュー名の検索が容易となっている。
【0045】
印刷部は、HDD208に記憶された部門ファイル401およびPLUファイル402に対応付けられた日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名を紙媒体などの記録媒体に視認可能な態様で併記して印刷するものである。たとえば、調理指示伝票やレシート等に日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名を併記して印刷可能となっている。
【0046】
通信部は、HDD208に記憶された部門ファイル401およびPLUファイル402に対応付けられた日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名をキッチンプリンタ103等の他の装置に送信するものである。そして、キッチンプリンタ103等の他の装置により、調理指示伝票やレシート等に日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名を併記して印刷可能となっている。
【0047】
次に、以上のように構成された情報端末102による部門およびメニュー名の設定処理について説明する。図6は、本実施の形態にかかる情報端末によるメニュー名の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
まず、メニュー名をPLUファイル402に設定する場合、文字入力受付部は、設定画面表示部により表示された設定画面501の日本語フィールド502からローマ字入力方式によりメニュー名のローマ字列の入力を受付ける(ステップS10)。メニュー名のローマ字列の入力を受付けると、設定画面表示部は、日本語フィールド502に変換部により平仮名に変換された日本語のメニュー名を表示し、かつローマ字フィールド503にローマ字のメニュー名を表示する(ステップS11)。
【0049】
そして、変換部は、文字入力受付部により受付けたメニュー名の漢字またはカタカナへの変換があるか否かを判断する(ステップS12)。該変換がない場合(ステップS12:No)、ステップS14の処理へ進む。一方、該変換がある場合(ステップS12:Yes)、変換部は、日本語辞書によってメニュー名の変換をし、設定画面表示部が変換したメニュー名を表示する(ステップS13)。
【0050】
そして、文字入力受付部は、入力されたメニュー名が確定されたか否かを判断し(ステップS14)、確定されていない場合(ステップS14:No)、ステップS10へ戻って処理を繰り返す。一方、確定された場合(ステップS14:Yes)、名称設定部は、日本語とローマ字のメニュー名を並列に対応付けて、HDD208に記憶されたPLUファイル402に保存することで、メニュー名の設定を行い(ステップS15)、設定処理を終了する。
【0051】
情報端末による部門の設定処理の流れも図6と同様であるが、部門の設定処理を行う場合、ステップS15で、名称設定部は、日本語とローマ字の部門を並列に対応付けて、HDD208に記憶された部門ファイル401に保存することで、部門の設定を行う。
【0052】
次に、情報端末102により設定された部門およびメニュー名の修正処理について説明する。図7は、本実施の形態にかかる情報端末によるメニュー名の修正処理の流れを示すフローチャートである。
【0053】
まず、PLUファイル402に設定されたメニュー名を修正する場合、文字入力受付部は、日本語フィールド502のメニュー名を修正するか否かを判断する(ステップS30)。具体的には、文字入力受付部は、日本語フィールド502にフォーカスがあるかローマ字フィールド503にフォーカスがあるかにより、日本語フィールド502のメニュー名を修正するかローマ字フィールド503を修正するかを判断する。
【0054】
日本語フィールド502のメニューを修正する場合(ステップS30:Yes)、文字入力受付部は、日本語フィールド502からメニュー名の修正入力を受付けたか否かを判断する(ステップS31)。メニュー名の修正入力を受付けなかった場合(ステップS31:No)、ステップS35の処理へ進む。一方、メニュー名の修正入力を受付けた場合(ステップS31:Yes)、設定画面表示部は、日本語フィールド502に変換部により平仮名に変換された修正後のメニュー名を表示し、ローマ字フィールド503の既に入力されたメニュー名の末尾に修正文字を追加表示する(ステップS32)。
【0055】
そして、変換部は、文字入力受付部により受付けた修正したメニュー名(修正文字)の漢字またはカタカナへの変換があるか否かを判断する(ステップS33)。該変換がない場合(ステップS33:No)、ステップS35の処理へ進む。一方、該変換がある場合(ステップS33:Yes)、変換部は、日本語辞書によって修正したメニュー名の変換をし、設定画面表示部が変換したメニュー名を表示する(ステップS34)。
【0056】
次に、文字入力受付部は、日本語フィールド502のメニュー名の文字の削除入力を受付けたか否かを判断する(ステップS35)。削除入力を受付けなかった場合(ステップS35:No)、ステップS37の処理へ進む。一方、削除入力を受付けた場合(ステップS35:Yes)、設定画面表示部は、日本語フィールド502のメニュー名から所望の文字を削除する(ステップS36)。なお、この時、設定画面表示部は、ローマ字フィールド503に表示しているいずれの文字も削除しない。
【0057】
そして、文字入力受付部は、修正入力されたメニュー名が確定されたか否かを判断し(ステップS37)、確定されていない場合(ステップS37:No)、ステップS30へ戻って処理を繰り返す。一方、確定された場合(ステップS37:Yes)、名称設定部は、修正後の日本語とローマ字のメニュー名を並列に対応付けて、HDD208に記憶されたPLUファイル402に保存することで、設定されたメニュー名の修正を行い(ステップS38)、設定処理を終了する。
【0058】
一方、ステップS30において、日本語フィールド502のメニューを修正しない場合(ステップS30:No)、すなわちローマ字フィールド503のメニュー名を修正する場合、文字入力受付部は、ローマ字フィールド503からメニュー名の修正入力を受付けたか否かを判断する(ステップS39)。メニュー名の修正入力を受付けなかった場合(ステップS39:No)、ステップS41の処理へ進む。一方、メニュー名の修正入力を受付けた場合(ステップS39:Yes)、設定画面表示部は、ローマ字フィールド503に修正後のメニュー名を表示する(ステップS40)。なお、この時、設定画面表示部20は、日本語フィールド502に表示しているいずれの文字も修正しない。
【0059】
次に、文字入力受付部は、ローマ字フィールド503のメニュー名の文字の削除入力を受付けたか否かを判断する(ステップS41)。削除入力を受付けなかった場合(ステップS41:No)、ステップS37の処理へ進む。一方、削除入力を受付けた場合(ステップS41:Yes)、設定画面表示部は、ローマ字フィールド503のメニュー名から所望の文字を削除する(ステップS42)。なお、この時、設定画面表示部は、日本語フィールド502に表示しているいずれの文字も削除しない。
【0060】
そして、日本語フィールド502における修正処理と同様、文字入力受付部は、修正入力されたメニュー名が確定されたか否かを判断し(ステップS37)、確定されていない場合(ステップS37:No)、ステップS30へ戻って処理を繰り返す。一方、確定された場合(ステップS37:Yes)、名称設定部は、修正後の日本語とローマ字のメニュー名を並列に対応付けて、HDD208に記憶されたPLUファイル402に保存することで、設定されたメニュー名の修正を行い(ステップS38)、設定処理を終了する。
【0061】
情報端末による部門の修正処理の流れも図7と同様であるが、部門の修正処理を行う場合は、ステップS38で、名称設定部は、修正後の日本語とローマ字の部門を並列に対応付けて部門ファイル401に保存することで、部門の修正を行う。
【0062】
このように、本実施の形態の情報端末102は、注文入力画面に表示される部門およびメニュー名を設定する際に、ローマ字入力方式により部門およびメニュー名をローマ字列で入力することによって、1回の入力により日本語表記とローマ字表記の2つを並列に対応付けたマスターデータ(部門ファイル401、PLUファイル402)の設定が可能となっている。これによって、日本語およびローマ字の2種類の商取引に関わる名称、例えば部門およびメニュー名を容易に設定でき、日本語およびローマ字の商取引に関わる名称を別個に設定する設定時間と比較して、設定時間を短縮することができる。
【0063】
また、情報端末102は、日本語とローマ字の2種類のマスターデータを持たずに、1種類のマスターデータのみで、注文入力画面における部門ボタンやメニューボタンに、日本語とローマ字の2つの部門やメニュー名を併記して表示することができる。従って、ひらがなは読めるが漢字が読めない等の日本語に不慣れな外国人従業員などは、部門やメニュー名がローマ字で表示されていることで、日本語を読まなくてもお客様から注文されたメニュー等を容易に検索して、入力することができる。
【0064】
また、本実施の形態の情報端末102において表示する注文入力画面は、日本語とローマ字による部門やメニュー名が併記されているため、日本語で表示された画面からローマ字で表示された画面に切り替える必要がなく、日本人オペレーターと外国人オペレーターが1つの注文入力画面で操作が可能となっているため、迅速に注文が入力できる。また、日本語に不慣れな外国人従業員等の労働条件の枠を広げる手立てにもなる。
【0065】
また、本実施の形態の情報端末102は、日本語とローマ字とによる部門およびメニュー名を紙媒体などに視認可能な態様で併記して印刷したり、キッチンプリンタ等の他の装置に送信することができるため、注文入力画面等の画面への表示だけでなく、レシートやキッチンプリンタ、CCP(カスタマーチェックプリンター)への印字にも対応することができる。
【0066】
さらに、外国人従業員だけでなく、海外のお客様が使うオーダー端末やPOS客面表示装置などで、日本語とローマ字との併記表示が実現すると、各言語のメニュー表などを準備する手間が省け、潤滑な注文入力の操作が可能となる。
【0067】
また、本実施の形態の情報端末102が表示する注文入力画面Dに、「かな検索キー」を表示させ、このキーの操作検知に応じてマスターデータ(部門ファイル401、PLUファイル402)を検索対象として検索処理を行なわせるように構成することで、日本語およびローマ字の両方から、あ行、か行、さ行・・・で表される五十音に基づく部門やメニュー名などの名称を検索可能としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
201 マイクロコンピュータ
202 CPU
203 バスライン
206 タッチパネルコントローラ
207 表示コントローラ
208 HDD
209 インターフェース
210 通信インターフェース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2008−299821号公報
【特許文献2】特開平3−91893号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローマ字入力方式による商取引に関わる日本語名称の入力に用いられるローマ字列の入力を受付ける入力受付手段と、
入力を受付けた前記ローマ字列を前記日本語名称に変換する変換手段と、
変換した前記日本語名称と入力された前記ローマ字列とを対応付けて記憶手段に保存することで、商取引に関わる名称の設定を行う名称設定手段と、
前記記憶手段に対応付けて記憶された前記日本語名称と前記ローマ字列とを併記した前記商取引に関わる名称を視認可能な態様で出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項2】
前記出力手段は、商取引に関わる操作入力を受け付ける入力ボタンを表示し、前記記憶手段に対応付けて記憶された前記日本語名称と前記ローマ字列とを併記した前記商取引に関わる名称を、前記入力ボタン、若しくはその近傍に表示することを特徴とする請求項1に記載の情報出力装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記記憶手段に対応付けて記憶された前記日本語名称と前記ローマ字列とを併記した前記商取引に関わる名称を、記録媒体に印刷することを特徴とする請求項1または2に記載の情報出力装置。
【請求項4】
情報出力装置で実行される名称設定方法において、
ローマ字入力方式による商取引に関わる日本語名称の入力に用いられるローマ字列の入力を受付ける入力受付ステップと、
入力を受付けた前記ローマ字列を前記日本語名称に変換する変換ステップと、
変換した前記日本語名称と入力された前記ローマ字列とを対応付けて記憶手段に保存することで、商取引に関わる名称の設定を行う名称設定ステップと、
を含むことを特徴とする名称設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−211630(P2010−211630A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−58494(P2009−58494)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】