説明

情報提供サーバ、および情報提供システム

【課題】人間関係だけでなく、他の要素も考慮して商品などのサービスに関連する情報を提供することを可能とする。
【解決手段】商品の評価情報を生成する際、単純に過去に得られた評価の平均をとることで評価情報を生成するのではなく(図5Bに示す式(4)参照)、商品の評価に各ユーザの人間関係を反映させ(図5Bに示す式(1)、(2)参照)、かつ、当該商品と各コミュニティの関連性およびターゲットであるユーザAと各コミュニティとの距離を反映させる(図5Bに示す式(3)参照)。これにより、商品の購入等を検討するユーザに対して、より適切な評価を示すことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等のネットワークを利用した情報提供サーバなどに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやコンピュータ、PDA、携帯電話等の通信端末の普及に伴い、情報雑誌などで調べていたある店舗の情報を、インターネット上の検索サイト等を利用することで簡易に調べることができる。このような検索システムにおいては、ユーザは、パーソナルコンピュータ(以下、PC)などを利用して検索サイトにアクセスした後、例えば希望する飲食店を探すために店舗名などのキーワードを入力する。検索サイトは、入力されてきたキーワード(電話番号や名前など)をキーとして保有している店舗情報の検索を行い、検索結果をユーザのPCに返す。ユーザは、PCの液晶パネルなどに表示される検索結果を確認することで、所望の商品の評価情報(他のユーザが残したオススメ度をあらわす情報など)を得ることができる。しかしながら、商品の評価情報は人気のある商品であればあるほど件数が大量になる傾向があり、また評価にばらつきが出てくることも多い。また、いたずらで商品に対する評価を下げるような評価情報も存在し、ユーザはどの意見(評価)を信用してよいのか判断がつかなくなってしまう。このような問題を解消するべく、ユーザ間の親密度を基に親密度の高いユーザが高く評価した商品をリコメンド(お奨め)する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−326634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるように、ユーザ間の親密度を基に、本人が親密するユーザが高く評価する商品をお奨めするためには、本人は親密できるユーザを自分で探して登録しなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、ユーザ間の親密度が高いとはいえ、商品の属性などを考慮すると、常に親密できるユーザの評価が正しいとはいえない場合もある。例えば本人(以下、ユーザA)とユーザBは学校の友人であり、親密度は高いものの、ユーザAとユーザBの嗜好が大きく異なることは往往にしてある。このような場合、ユーザAが購入等を検討する商品について、たとえ親密度の高いユーザBが高い評価をしていたとしても、ユーザAとユーザBの嗜好が大きく異なるという事情を鑑みれば、その商品に対するユーザBの評価をそのまま信じることはできないという問題が生じ得る。
【0006】
本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、人間関係だけでなく、他の要素も考慮して商品などのサービスに関連する情報を提供することが可能な情報提供サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る情報提供サーバは、ユーザからの要求に応じて、管理下にある店舗が提供するサービスの評価情報を提供する情報提供サーバであって、前記ユーザの通信端末から、前記サービスの評価情報の取得要求を受信する受信手段と、前記サービスについて、他ユーザが過去に評価した内容をあらわす過去評価情報を前記店舗から取得する過去評価情報取得手段と、前記ユーザと前記他ユーザとの人間関係の深さをあらわすユーザ間親密情報を生成する親密情報取得手段と、前記他ユーザがネットコミュニティに属する場合には、前記サービスまたは前記店舗と、当該ネットコミュニティとの関連性をあらわすコミュニティ関連情報を生成するコミュニティ関連情報取得手段と、前記過去評価情報と前記ユーザ間親密情報と前記コミュニティ関連情報とに基づいて、前記サービスの新たな評価情報を生成する新評価情報生成手段と、
前記新たな評価情報を前記通信端末に送信する送信手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、商品の評価情報を生成する際、単純に過去に得られた評価の平均をとることで評価情報を生成するのではなく、商品の評価に各ユーザの人間関係を反映させ、かつ、当該商品と各コミュニティの関連性を反映させる。これにより、商品の購入等を検討するユーザに対して、より適切な評価を示すことが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、人間関係だけでなく、他の要素も考慮して商品などのサービスに関連する情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態に係る情報提供システムのアーキテクチャを示す図である。
【図2】同実施形態に係るデータベースDB2の登録内容を例示した図である。
【図3】同実施形態に係る評価情報提供サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態に係るデータベースDB4の登録内容を例示した図である。
【図5A】同実施形態に係る最適評価情報の生成方法を説明するための図である。
【図5B】同実施形態に係る最適評価情報の生成方法を説明するための図である。
【図6】同実施形態に係る情報提供システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明では、説明の理解を容易にするために商品をユーザに提供するショッピング・システムを想定するが、提供対象は商品などの有体物に限らず、情報財(例えばデジタルコンテンツ)などの無体物であっても良く、また有償・無償のいずれで提供するかは特に限定されない。
【0012】
A.本実施形態
(1)実施形態の構成
図1は、本実施形態に係る情報提供システム100のアーキテクチャを示す図である。情報提供システム100は、インターネットコミュニティ(以下、ネットコミュニティ)を提供する複数のコミュニティサーバ200−k(k≧1)と、各ユーザの人間関係をあらわす情報を管理するパーソナル情報管理サーバ300と、所望の商品を欲するユーザに当該商品の評価情報を提供する評価情報提供サーバ400とを備えている。
【0013】
ここで、ネットコミュニティとは、インターネットのアプリケーションを通じて共通の関心分野(例えば趣味嗜好)、価値観や目的(例えば情報交換や相互扶助)を持った利用者がWeb上でコミュニケートする場をいい、代表的には電子掲示板やソーシャル・ネット・ワーキング(SNS)などが挙げられる。なお、以下の説明では、コミュニティサーバ200−1が提供する「場」は、商品αとの関連性が高く、コミュニティサーバ200−2が提供する「場」は、商品αとの関連性が低い場合を想定する。また、コミュニティサーバ200−kについて特に区別する必要がない場合には、単にコミュニティサーバ200と呼ぶ。
【0014】
コミュニティサーバ200−1は、商品αとの関連性が高い関心分野A(例えば、釣り)について、コミュニケートの場(以下、コミュニティA)を提供する一方、コミュニティサーバ200−2は、商品αとの関連性が低い関心分野B(例えば、クラシック音楽)について、コミュニケートの場(以下、コミュニティB)を提供する。これらコミュニティサーバ200は、例えばサーバコンピュータやワークステーションなどによって構成されている。コミュニティサーバ200は、電子掲示板、ブログ、SNS、チャット、口コミ、メーリングリストなどを任意に組み合わせることにより、利用者間でメッセージのやり取りを可能にするパーソナルコミュニケーションツール等を提供する。
【0015】
また、各コミュニティサーバ200は、利用者間の人間関係を把握するのに必要な情報(例えばメッセージの頻度など;以下、人間関係情報)を適宜収集し、これをデータベースDB1に格納する。各コミュニティサーバ200は、パーソナル情報管理サーバ300から人間関係情報の取得要求を受け取ると、データベースDB1から人間関係情報を読み出し、これをパーソナル情報管理サーバ300に返信する(人間関係情報の具体的な態様については後述)。
【0016】
パーソナル情報管理サーバ(親密情報取得手段)300は、例えばサーバコンピュータやワークステーションなどによって構成され、各コミュニティサーバ200から得られる人間関係情報をもとに、利用者間の人間関係の深さを数値化し、親密値としてデータベースDB2に登録する。パーソナル情報管理サーバ300は、所定のタイミングで各コミュニティサーバ200へアクセスし、各コミュニティサーバ200から人間関係情報を取得する。なお、情報管理サーバ300が各コミュニティサーバ200へアクセスするタイミングは周期的(例えば1日1回など)でも良いが、非周期的であっても良く、またアクセス頻度も任意に設定変更可能である。また、親密値を求める方法については周知の手法を適宜用いれば良い。
【0017】
図2は、パーソナル情報管理サーバ300のデータベースDB2の登録内容を例示した図である。図2に示すように、データベースDB2には、人間関係が形成されたコミュニティの種類と、利用者間を特定する情報(以下、利用者間情報)と、人間関係の深さをあらわす親密値(最大値:「10」)とが対応づけて登録されている。
【0018】
詳述すると、ユーザAとユーザBは、コミュニティA(コミュニティサーバ200−1によって提供)において親密値「7」の人間関係を形成し、ユーザAとユーザCは、コミュニティAにおいて親密値「5」の人間関係を形成していることをあらわす。さらに、ユーザAとユーザBは、コミュニティB(コミュニティサーバ200−2によって提供)において親密値「9」の人間関係を形成し、ユーザAとユーザDは、コミュニティBにおいて親密値「4」の人間関係を形成していることをあらわす。図2に示すように、同じユーザ間(例えばユーザAとユーザB)であっても、所属するコミュニティに応じて得られる親密値は異なることがわかる。これは、各ユーザがコミュニティを訪れる頻度や当該コミュニティでやりとりされるメッセージの頻度などが異なるためである。なお、以下の説明では、データベースDB2に登録されているコミュニティの種類と利用者間情報と親密値とをユーザ間親密情報と呼ぶ。
【0019】
パーソナル情報管理サーバ300は、評価情報提供サーバ400からユーザ間親密情報の取得要求を受け取ると、この取得要求に応じたユーザ間親密情報をデータベースDB2から読み取り、評価情報提供サーバ400へ返す。
【0020】
詳細は後述するが、例えば評価情報提供サーバ400から「ユーザA」についてのユーザ間親密情報の取得要求があった場合、パーソナル情報管理サーバ300は、データベースDB2に登録されている利用者間情報を参照することで、「ユーザA」についてのユーザ間親密情報を特定する。図2に示す例では、コミュニティの種類「A」と利用者間情報「ユーザA−ユーザB」と親密値「7」を含むユーザ間親密情報と、コミュニティの種類「B」と利用者間情報「ユーザA−ユーザB」と親密値「9」を含むユーザ間親密情報とが、パーソナル情報管理サーバ300によって特定される。パーソナル情報管理サーバ300は、このように特定した「ユーザA」についてのユーザ間親密情報を、評価情報提供サーバ400へ返す。
【0021】
評価情報提供サーバ400は、例えばサーバコンピュータやワークステーションなどによって構成され、管理下にあるWeb上のショップが提供する商品の評価情報を分散管理または集中管理する。上述したように、評価情報提供サーバ400は、所望の商品(例えば商品α)を欲するユーザに対し、当該ユーザに適した当該商品の評価情報を提供する。なお、本実施形態では、説明の理解を容易にするために、評価情報提供サーバ400が管理するショップが1つ(図1ではショップa)の場合について説明するが、複数であっても良いのはもちろんである。
【0022】
図3は、評価情報提供サーバ400の機能構成を示すブロック図である。
評価情報提供サーバ400は、評価要求受付部410と、個別評価情報取得部420と、コミュニティ関連設定部430と、ユーザ間親密情報取得部440と、最適評価情報生成部450とを備えている。
【0023】
評価要求受付部(受信手段)410は、ショップが提供する商品について、ユーザが評価を知りたい旨の要求を受け付ける。具体的には、あるユーザ(図1ではユーザA;以下、ユーザAを想定)が自身のPCなどを利用して、特定の商品(図1では商品α;以下、商品αを想定)の評価が知りたい旨の入力を行うと、この入力内容を示す評価取得要求がインターネット等を介して評価要求受付部410によって受信される。評価要求受付部410は、受信したユーザAからの評価要求を個別評価情報取得部420、コミュニティ関連設定部430、ユーザ間親密情報取得部440に転送する。
【0024】
個別評価情報取得部(過去評価情報取得手段)420は、ユーザAからの商品αの評価取得要求を受け取ると、この商品αを提供するショップaのデータベースDB3にアクセスし、これまでに商品αを購入等した各ユーザの評価情報を取得する。個別評価情報取得部420は、各ユーザの評価情報を取得すると、これを最適評価情報生成部450へ出力する。
【0025】
図4は、データベースDB3の登録内容を例示した図である。
データベースDB3には、商品名と、評価したユーザを特定する情報(ユーザ名)と、評価内容をあらわす評価情報とが対応づけて登録されている。図4に示す例では、ユーザBは、当該商品αに対して評価「8」を与えており、ユーザCは、当該商品αに対して評価「3」を与えており、ユーザDは、当該商品αに対して評価「5」を与えていることがわかる。
【0026】
コミュニティ関連設定部(コミュニティ関連情報取得手段)430は、ユーザAからの商品αの評価取得要求を受け取ると、商品αに対して評価を行った各ユーザが属するコミュニティと商品との関連性を数値化(以下、ショップ関連値)するとともに、ターゲットであるユーザAと各コミュニティとの距離を数値化(以下、コミュニティ関心度)する。コミュニティ関連設定部430は、これらショップ関連値およびコミュニティ関心度をコミュニティ関連設定値として最適評価情報生成部450へ出力する。
【0027】
<コミュニティ関連設定値>
1.ショップ関連値値
上述したように、コミュニティAは、商品αとの関連性が高い関心分野A(例えば、釣り)についてコミュニケートの場を提供する一方、コミュニティBは、商品αとの関連性が低い関心分野B(例えば、クラシック音楽)についてコミュニケートの場を提供している。このため、コミュニティ関連設定部430は、商品αとの関係では、コミュニティAに対してショップ関連値「8」を付与する一方、コミュニティBに対してショップ関連値「3」を付与する。なお、各商品と各コミュニティとの関連性をあらわすショップ関連値については、予めデータベース(図示略)に登録しておき、これを読み出すようにしても良い。
【0028】
2.コミュニティ関心度
ターゲットとなるユーザAと各コミュニティの距離(別言すれば関心度)は、全て同一ではなく、各コミュニティでコミュニケートされている関心分野などに応じて異なるのが通常である。例えば、関心分野A(ここでは「釣り」)について関心が強く、コミュニティAに頻繁にアクセス等していれば、ユーザAとコミュニティAとの距離は近くなる(例えば、コミュニティ関心度「8」)。一方、関心分野B(ここでは、「クラシック音楽」)についてさほど関心がなく、コミュニティBに稀にしかアクセス等していなければ、ユーザAとコミュニティBとの距離は遠くなる(例えば、コミュニティ関心度「3」)。
【0029】
ここで、ターゲットとなるユーザと各コミュニティの距離は、各コミュニティに対する当該ユーザのアクセス頻度、当該コミュニティにおけるメッセージの交換頻度などに応じて決定すれば良い。なお、本実施形態では、ショップ関連値やコミュニティ関心度の最大値を「10」と設定するが、どのような値に設定するかは任意である。
【0030】
ユーザ間親密情報取得部(親密情報取得手段)440は、ユーザAからの商品αの評価取得要求を受け取ると、パーソナル情報管理サーバ300に対して、ユーザAのユーザ間親密情報の取得要求を行う。パーソナル情報管理サーバ300は、ユーザAのユーザ間親密情報の取得要求を受け、データベースDB2に登録されている利用者間情報を参照することで、ユーザAのユーザ間親密情報を特定する。図2に示す例では、コミュニティの種類「A」と利用者間情報「ユーザA−ユーザB」と親密値「7」を含むユーザ間親密情報と、コミュニティの種類「B」と利用者間情報「ユーザA−ユーザB」と親密値「9」を含むユーザ間親密情報とが、パーソナル情報管理サーバ300によって特定される。
【0031】
ユーザ間親密情報取得部440は、このように特定されたユーザAのユーザ間親密情報をパーソナル情報管理サーバ300から取得する。ユーザ間親密情報取得部440は、所得したユーザ間親密情報を最適評価情報生成部450へ出力する。
【0032】
最適評価情報生成部(新評価情報生成手段)450は、個別評価情報取得部420、コミュニティ関連設定部430、ユーザ間親密情報取得部440から与えられる情報を利用して、ユーザAにとって最適な商品αに関する評価(以下、最適評価情報)を生成し、これをユーザAに提供する。
【0033】
図5A、図5Bは、最適評価情報の生成方法を説明するための図である。
図5Aに示すように、最適評価情報の提供対象(すなわちターゲット)となるユーザAは、コミュニティA、Bに属しており、ショップaにて商品αの購入を検討している。
【0034】
ユーザBは、ユーザAと同様、コミュニティA、Bに属しており、過去に商品αを購入している。ユーザBは、この商品αについて評価「8」を与えている。また、ユーザAとの人間関係について、コミュニティAでは親密値「7」が与えられており、コミュニティBでは親密値「9」が与えられている(図2参照)。
【0035】
一方、ユーザCは、コミュニティAにのみ属しており、過去に商品αを購入している。ユーザCは、この商品αについて評価「3」を与えている。また、ユーザAとの人間関係について、コミュニティAでは親密値「5」が与えられている(図2参照)。
【0036】
さらに、ユーザDは、コミュニティBにのみ属しており、過去に商品αを購入している。ユーザDは、この商品αについて評価「5」を与えている。また、ユーザAとの人間関係について、コミュニティBでは親密値「4」が与えられている(図2参照)。
【0037】
また、商品αと各コミュニティA、Bとの関連性について、コミュニティAに対してショップ関連値「8」が与えられており、コミュニティBに対してショップ関連値「3」が与えられている。
【0038】
さらに、ターゲットであるユーザAと各コミュニティとの距離について、コミュニティAに対してコミュニティ関心度「8」が与えられており、コミュニティBに対してコミュニティ関心度「3」が与えられている。なお、ショップ関連値およびコミュニティ関心度は、コミュニティ関連設定値の一部をなす。
【0039】
以上の説明において、商品αの評価情報(例えば「8」など)は、個別評価情報取得部420から最適評価情報生成部450へ出力される。また、各コミュニティにおけるユーザAと他のユーザの人間関係の深さをあらわす親密値(例えば「7」など)は、ユーザ間親密情報取得部440から最適評価情報生成部450へ出力される。さらに、各コミュニティと商品αとの関連性を示すショップ関連値(たとえば「8」など)および各コミュニティとターゲットであるユーザAとの距離を示すコミュニティ関心度(たとえば「3」など)を含むコミュニティ関連設定値は、コミュニティ関連設定部430から最適評価情報生成部450へ出力される。
【0040】
最適評価情報生成部450は、個別評価情報取得部420、コミュニティ関連設定部430、ユーザ間親密情報取得部440から各情報を受け取ると、まず、図5Bに示す式(1)、(2)を利用することで各コミュニティにおける各ユーザの人間関係の深さを反映させた商品αの評価を求める。
【0041】
次に最適評価情報生成部(送信手段)450は、図5Bに示す式(3)を利用することでショップaと各コミュニティとの関連性および各コミュニティとターゲットであるユーザAとの距離を反映させた商品αの評価を求め、これを最適評価情報としてユーザAのPCなどに返信する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、単純に評価の平均を求めるだけでなく(図5Bに示す式(4)参照)、商品αの評価に各ユーザの人間関係を反映させ(図5Bに示す式(1)、(2)参照)、かつ、当該商品αと各コミュニティの関連性および各コミュニティとターゲットであるユーザとの距離を反映させているため(図5Bに示す式(3)参照)、商品αの購入等を検討するユーザに対して、より適切な評価を示すことが可能となる。
【0043】
なお、上述した例では、商品αと各コミュニティA、Bとの関連性に基づき、ショップ関連値を設定する場合について説明したが、商品αを取り扱うショップaと各コミュニティA、Bとの関連性に基づき、ショップ関連値を設定しても良い。
【0044】
(2)実施形態の動作
図6は、情報提供システム100の動作を示すフローチャートである。以下の説明では、ユーザAがWeb上のショップαにおいて、商品αの購入を検討する場合を想定する(図1参照)。
ユーザAは、PCを利用してWeb上のショップαにアクセスし、商品αについて評価取得要求を行う。PC(端末送信手段)に入力された評価取得要求は、インターネットなどを介して評価情報提供サーバ400の評価要求受付部410に受信される(ステップS110)。
【0045】
評価要求受付部410は、受信した評価取得要求を個別評価情報取得部420、コミュニティ関連設定部430、ユーザ間親密情報取得部440に転送する(ステップS110)。
【0046】
個別評価情報取得部420は、評価取得要求を受信すると、この商品αを提供するショップaのデータベースDB3にアクセスし、これまでに商品αを購入した各ユーザの評価情報を取得する(ステップS120)。図4に示す例では、個別評価情報取得部420は、ユーザBの評価情報として評価「8」を取得し、ユーザCの評価情報として評価「3」を取得し、ユーザDの評価情報として評価「5」を取得する。個別評価情報取得部420は、取得した各ユーザの評価情報を最適評価情報生成部450に出力する。
【0047】
ユーザ間親密情報取得部440は、評価取得要求を受け取ると、パーソナル情報管理サーバ300に対して、ユーザAのユーザ間親密情報の取得要求を行う。パーソナル情報管理サーバ300は、ユーザAのユーザ間親密情報の取得要求を受け、データベースDB2に登録されている利用者間情報を参照することで、ユーザAのユーザ間親密情報を特定する。図2に示す例では、コミュニティの種類「A」と利用者間情報「ユーザA−ユーザB」と親密値「7」を含むユーザ間親密情報と、コミュニティの種類「B」と利用者間情報「ユーザA−ユーザB」と親密値「9」を含むユーザ間親密情報とが、パーソナル情報管理サーバ300によって特定される。パーソナル情報管理サーバ300は、特定したユーザ間親密情報(ここでは、ユーザAのユーザ間親密情報)を評価情報提供サーバ400へ返信する。評価情報提供サーバ400のユーザ間親密情報取得部440は、通信インタフェースなどを介してユーザAのユーザ間親密情報を取得すると(ステップS130)、これを最適評価情報生成部450に出力する。
【0048】
コミュニティ関連設定部430は、評価取得要求を受信すると、この商品αに対して評価を行った各ユーザが属するコミュニティと商品との関連性を数値化したショップ関連値を生成するとともに、ターゲットであるユーザAと各コミュニティとの距離を数値化したコミュニティ関心度を生成する。そして、コミュニティ関連設定部430は、これらショップ関連値およびコミュニティ関心度をコミュニティ関連設定値とし(ステップS140)、最適評価情報生成部450へ出力する。
【0049】
上述したように、コミュニティAは、商品αとの関連性が高い関心分野A(例えば、釣り)についてコミュニケートの場を提供する一方、コミュニティBは、商品αとの関連性が低い関心分野B(例えば、クラシック音楽)についてコミュニケートの場を提供している。このため、コミュニティ関連設定部430は、商品αとの関係では、コミュニティAに対してショップ関連値「8」を付与する一方、コミュニティBに対してショップ関連値「3」を付与する。
【0050】
また、ターゲットであるユーザAは、関心分野A(ここでは「釣り」)について関心が強く、コミュニティAに頻繁にアクセス等しているため、コミュニティ関連設定部430は、コミュニティ関心度「8」を付与する。一方、ユーザAは、関心分野B(ここでは、「クラシック音楽」)についてさほど関心がなく、コミュニティBに稀にしかアクセス等していないため、コミュニティ関連設定部430は、コミュニティ関心度「3」を付与する。コミュニティ関連設定部430は、このようにしてショップ関連値およびコミュニティ関心度を含むコミュニティ関連設定値を生成する。
【0051】
最適評価情報生成部450は、最適評価情報生成部450は、個別評価情報取得部420、コミュニティ関連設定部430、ユーザ間親密情報取得部440から与えられる情報を利用して、ユーザAにとって最適な商品αに関する評価(別言すれば最適評価情報)を生成する(ステップS150)。最適評価情報の生成方法に関する詳細は、上述したため省略するが、生成される最適評価情報には、各ユーザの人間関係(図5Bに示す式(1)、(2)参照)と、当該商品αと各コミュニティの関連性およびターゲットであるユーザAと各コミュニティとの距離(図5Bに示す式(3)参照)が反映される。最適評価情報生成部450は、このように生成した最適評価情報を、インターネットなどを介してユーザAのPC宛に送信する(ステップS160)。ユーザAは、PC(通信端末)は、図示せぬ通信インタフェース(端末受信手段)を介して最適評価情報を受信すると、これを液晶表示パネルなどの表示装置(報知手段)に供給する。ユーザAは、表示装置に表示される商品αの最適評価情報(例えば評価「6.11」など)を参照することで、商品αが自分にとって価値を有するものであるか否かを適切に判断することが可能となる。なお、最適評価情報は、表示する態様に限らず、ユーザAに識別可能なあらゆる態様(音や振動など)で提供可能である。
【0052】
B.変形例
<変形例1>
本実施形態では、ショップ関連値およびコミュニティ関心度を含むコミュニティ関連設定値を想定したが、これに限る趣旨ではなく、ショップ関連値またはコミュニティ関心度の少なくともいずれか一方を含んでいれば良い。
なお、コミュニティ関心度やユーザ間親密情報などは、時間経過に応じて変化するものであるから、周期的であるか非周期的であるかを問わず、任意のタイミングで更新するようにしても良い。
【0053】
<変形例2>
本実施形態では、ターゲットユーザ(ユーザA)以外の他のユーザ(ユーザB、C、D)が全てコミュニティに所属する場合について説明したが、例えば他のユーザ(ユーザBなど)がいずれのコミュニティにも所属しない場合や、ターゲットユーザが所属していないコミュニティ(コミュニティZなど)にのみ所属している場合も想定される。このような場合には、例えば一律に親密値「2」を与え、最適評価情報の生成に利用すれば良い。なお、どのような親密値を与えるかは任意に設定・変更可能である。
【0054】
<変形例3>
本実施形態では、各ユーザがコミュニティを訪れる頻度や当該コミュニティでやりとりされるメッセージの頻度などに基づいてユーザ間の人間関係の深さを数値化(すなわち、親密値を生成)したが、例えば、以下に示すいずれかの方法(または組み合わせ)を採用しても良い。
【0055】
(1)Twitter(登録商標)を利用する場合
両者のフォロー関係やフォローしている人の類似性、ダイレクトメッセージの頻度、特定キーワードの利用頻度などを考慮して人間関係の深さを数値化する。
【0056】
(2)ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用する場合
所属しているコミュニティの種類や、フレンド関係の有無、メッセージの頻度やフレンド関係の類似性などを考慮して人間関係の深さを数値化する。
【0057】
(3)メールサービスを利用する場合
メールの頻度や特定キーワードの利用頻度などを考慮して人間関係の深さを数値化する。
【0058】
(4)その他
ソーシャルアドレスブックを利用する場合には、互いの電話帳登録の有無や電話帳に登録されているデータ項目、互いのフレンド関係の類似性など考慮して人間関係の深さを数値化する。
また、ソーシャルフォトサービスを利用する場合には、互いの写真の共有頻度や登録ジャンルの類似性などを考慮して人間関係の深さを数値化する。
【0059】
以上説明したように、コミュニティごとに様々なパラメータを利用して人間関係の深さを数値化するようにしても良い。
【0060】
<変形例4>
本実施形態では、商品(すなわちサービス)とコミュニティの関連性を数値化する際、どのような基準に基づいて設定するかは特に言及しなかったが、例えばユーザの重複率やターゲット顧客層、ユーザアンケートの結果、コミュニティ内で使用されるキーワードの頻度などを利用して数値化しても良い。もちろん、サービス提供者が商品とコミュニティの関連性を任意に数値化しても良い。
【0061】
<変形例5>
本実施形態では、商品(すなわちサービス)の評価を行う場合について説明したが、例えばお奨め商品やお奨めショップ、お奨めコミュニティを決定する場合、注目商品や注目ショップなど(別言すれば推奨情報)を決定する場合にも適用可能である。なお、お奨め商品などをユーザに提示する場合、ユーザが商品等を選択した場合にお奨め度(例えば☆3つなど)を提示しても良いが、ユーザが商品ジャンル等を選択した時点で、そのジャンルに属する商品の中からお奨め商品を順次提示しても良い。さらに、ユーザのプロフィールや行動履歴などに応じてお奨め商品を順次提示しても良く、類似商品も含めてお奨め商品を提示しても良い。
【0062】
<変形例6>
また、商品(すなわちサービス)数はジャンルによって異なるため、商品の代りに(あるいはこれに加えて)お奨めジャンルを提示しても良い。例えば、(1)ユーザに関係が深いであろうジャンル(以下、関連ジャンル)や、(2)注目ジャンル、(3)評価が多数存在するジャンル(以下、評価ジャンル)などを奨めるようにしても良い。
【0063】
例えば、(1)の関連ジャンルを奨める場合には、コミュニティ内でユーザに嗜好の近いユーザをまとめ(クラスタ化)、クラスタ内のキーワード等を分析することでお奨めジャンルを決定すれば良い。また、(2)の注目ジャンルを奨める場合には、コミュニケーション分析することでクラスタ内のホット・トピックを特定し、ホット・トピックに最も関連したジャンルをお奨めジャンルとして決定することができる。さらに、(3)の評価ジャンルを奨める場合には、コミュニティ動向分析することで、クラスタと関連性の高い情報のみを抽出し、抽出した情報に基づいて評価ジャンルを決定することができる。もちろん、どのようにお奨めジャンルを決定するかは任意であり、その他の方法によりお奨めジャンルを決定しても良い。
【0064】
なお、本実施形態および各変形例において示した各処理のステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。さらに本明細書等において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。さらにまた、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されてもよい。また、本発明に係るソフトウェアの開発支援プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の光学ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークなどを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストール又はロードすることができる。
【符号の説明】
【0065】
100…情報提供システム、200…コミュニティサーバ、300…パーソナル管理サーバ、400…評価情報提供サーバ、410…評価要求受付部、420…個別評価情報取得部、430…コミュニティ関連設定部、440…ユーザ間親密情報取得部、450…最適評価情報生成部、DB1,DB2,DB3…データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザからの要求に応じて、管理下にある店舗が提供するサービスの評価情報を提供する情報提供サーバであって、
前記ユーザの通信端末から、前記サービスの評価情報の取得要求を受信する受信手段と、
前記サービスについて、他ユーザが過去に評価した内容をあらわす過去評価情報を取得する過去評価情報取得手段と、
前記ユーザと前記他ユーザとの人間関係の深さをあらわすユーザ間親密情報を生成する親密情報取得手段と、
前記他ユーザがネットコミュニティに属する場合には、前記サービスまたは前記店舗と、当該ネットコミュニティとの関連性をあらわすコミュニティ関連情報を生成するコミュニティ関連情報取得手段と、
前記過去評価情報と前記ユーザ間親密情報と前記コミュニティ関連情報とに基づいて、前記サービスの新たな評価情報を生成する新評価情報生成手段と、
前記新たな評価情報を前記通信端末に送信する送信手段と
を具備する、情報提供サーバ。
【請求項2】
前記親密情報取得手段は、前記ユーザと前記他ユーザとが同一のネットコミュニティに属する場合には、メッセージ交換の頻度、特定キーワードの利用頻度の少なくともいずれかを利用して前記ユーザ間親密情報を生成する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項3】
前記親密情報取得手段は、前記ユーザと前記他ユーザとが属する同一のネットコミュニティが複数存在する場合には、前記ネットコミュニティごとに前記ユーザ間親密情報を生成する、請求項2に記載の情報提供サーバ。
【請求項4】
前記コミュニティ関連情報取得手段は、前記ネットコミュニティ内で交換されるメッセージに含まれるキーワードを利用して前記ユーザコミュニティ関連情報を生成する、請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項5】
当該情報提供サーバは、前記評価情報に代えて、前記サービスの推奨内容をあらわす推奨情報を提供する、請求項1〜4のいずれか1の請求項に記載の情報提供サーバ。
【請求項6】
ユーザからの要求に応じて、管理下にある店舗が提供するサービスの評価情報を提供する情報提供サーバであって、
前記ユーザの通信端末から、前記サービスの評価情報の取得要求を受信する受信手段と、
前記サービスについて、他ユーザが過去に評価した内容をあらわす過去評価情報を取得する過去評価情報取得手段と、
前記ユーザと前記他ユーザとの人間関係の深さをあらわすユーザ間親密情報を生成する親密情報取得手段と、
前記ユーザがネットコミュニティに属する場合には、前記ユーザと当該ネットコミュニティとの距離をあらわすコミュニティ関連情報を生成するコミュニティ関連情報取得手段と、
前記過去評価情報と前記ユーザ間親密情報と前記コミュニティ関連情報とに基づいて、前記サービスの新たな評価情報を生成する新評価情報生成手段と、
前記新たな評価情報を前記通信端末に送信する送信手段と
を具備する、情報提供サーバ。
【請求項7】
前記コミュニティ関連情報取得手段は、
前記ユーザと前記他のユーザがネットコミュニティに属する場合、
前記サービスまたは前記店舗と当該ネットコミュニティとの関連性をあらわすショップ関連値、および前記ユーザと当該ネットコミュニティとの距離をあらわすコミュニティ関心度を含む前記コミュニティ関連情報を生成する、請求項6に記載の情報提供サーバ。
【請求項8】
ユーザの通信端末と、管理下にある店舗が提供するサービスの評価情報を提供する情報提供サーバとが通信ネットワークを介して接続された情報提供システムであって、
前記情報提供サーバは、
前記ユーザの通信端末から、前記サービスの評価情報の取得要求を受信する受信手段と、
前記サービスについて、他ユーザが過去に評価した内容をあらわす過去評価情報を記憶する記憶手段と、
前記ユーザと前記他ユーザとの人間関係の深さをあらわすユーザ間親密情報を生成する親密情報取得手段と、
前記他ユーザがネットコミュニティに属する場合には、前記サービスまたは前記店舗と、当該ネットコミュニティとの関連性をあらわすコミュニティ関連情報を生成するコミュニティ関連情報取得手段と、
前記過去評価情報と前記ユーザ間親密情報と前記コミュニティ関連情報とに基づいて、前記サービスの新たな評価情報を生成する新評価情報生成手段と、
前記新たな評価情報を前記通信端末に送信する送信手段とを備え、
前記通信端末は、
前記サービスの評価情報の取得要求を送信する端末送信手段と、
前記新たな評価情報を受信する端末受信手段と、
受信した前記新たな評価情報を報知する報知手段とを備える、情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−227714(P2011−227714A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96993(P2010−96993)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(509281313)株式会社SUGAO (5)
【Fターム(参考)】