説明

情報提供システムおよび情報提供方法

【課題】アクセスログを解析することで、ユーザ毎にサイト内の閲覧履歴を求められるにして、サイト全体として、サイト内で多く見られている重複情報をユーザに推薦提案する。
【解決手段】推薦ページ画面表示処理手段が、集合した全部のセッションの中から、画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッションを抽出し、抽出された全部のセッションのそれぞれに重複して包含されて出現する関連するページの出現回数をページ毎に集計し、集計の結果、出現回数の高いページを所定の範囲で特定し、特定されたページについて推薦ページとして任意のページを表示する画面に付随させて画面表示指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供システムおよび情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、インターネット上のリンク集ページの解析情報を蓄積しておき、ユーザがクライアント端末で参照中のWebページのURLから、該ページが含まれるトピックのトップURLを判定し、このトピックトップURLに対してリンクしているリンク集をユーザに提示するブラウジング支援情報提示方法が記載されている。
【0003】
特許文献2には、情報へのアクセスログを所定のアクセス単位で集計し、所定のアクセス単位においてアクセスされた複数の情報を、関連性がある情報として関連付ける関連付け手段と、関連付け手段によって関連付けされた複数の情報のうちの何れかが要求された際に、要求された情報を提供し、併せて、要求された情報に関連付けられた他の情報を提供するかまたは他の情報へのアクセス手段を提供する情報提供手段とを備える情報提供システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−092829号公報
【特許文献2】特開2009−80598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来アクセス単位においてアクセスされた複数の情報を関連性がある情報として関連づけておいて、要求された情報に関連付けられた他の情報を提供することが行われている。
【0006】
しかし上述の技術にあってはアクセス単位においてアクセスされた複数の情報を関連づけるものであって、サイト全体として多くのユーザがどんな情報を見ているのかを調べ、提供することに対して不充分である。ユーザ毎にサイト内の閲覧履歴を求められるようにして、サイト全体として、サイト内で多く見られている重複情報をユーザに簡便に提供することが求められる。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みアクセスログを解析することで、ユーザ毎にサイト内の閲覧履歴を求められるにして、サイト全体として、サイト内で多く見られている重複情報をユーザに推薦提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、要求に応じて蓄積された情報を提供する情報提供システムにおいて、
ユーザ毎に、関連するものとして並べられた複数のページで構成されたセッションであって、複数のセッションにはユーザ間で重複するページが設定され、これらのセッションを集合して格納するデータベースと、
アクセスログを解析してユーザがアクセスしたページを求め、該アクセスしたページが包含されるセッションの全部を集合させるセッション解析手段と、
ユーザの要求によってアクセスされて任意のページが画面表示手段の画面に表示された時に、当該ページを表示する画面に、該画面に関連して推薦するページを表示する画面を加えて推薦ページを表示指示する画面表示指示手段と、を備えて推薦ページ画面表示処理手段が構成され、
該推薦ページ画面表示処理手段が、前記集合した全部のセッションの中から、前記画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッションを抽出し、該抽出された全部のセッションのそれぞれに重複して包含されて出現する関連するページの出現回数をページ毎に集計し、集計の結果、出現回数の高いページを所定の範囲で特定し、特定されたページについて推薦ページとして前記任意のページを表示する画面に付随させて画面表示指示し、
当該画面表示指示に基づいて前記画面表示手段が画面に前記任意のページに付随させて推薦ページを表示すること
を特徴とする情報提供システムを提供する。
【0009】
本発明は、また、前記データベースには、複数のページが時系列関連を含んで並べられて格納されることを特徴とする情報提供システムを提供する。
【0010】
本発明は、また、前記推薦ページ画面表示処理手段は、前記抽出された全部のセッションのそれぞれに包含されて出現する関連するページの出現回数として、各セッションで当該ページが最新にアクセスされた後の関連ページについての出現回数を集計することを特徴とする情報提供システム。
【0011】
本発明は、ユーザ毎に、関連するものとして並べられた複数のページで構成されたセッションであって、複数のセッションにはユーザ間で重複するページが設定され、これらのセッションを集合して格納するデータベースと、
アクセスログを解析してユーザがアクセスしたページを求め、該アクセスしたページが包含されるセッションの全部を集合させるセッション解析手段と、
ユーザの要求によってアクセスされて任意のページが画面表示手段の画面に表示された時に、当該ページを表示する画面に、該画面に関連して推薦するページを表示する画面を加えて推薦ページを表示指示する画面表示指示手段と、を備えて構成された推薦ページ画面表示処理手段を有して、要求に応じて蓄積された情報を提供する情報提供方法において、
該推薦ページ画面表示処理手段によって、前記集合した全部のセッションの中から、前記画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッションが抽出され、該抽出された全部のセッションのそれぞれに重複して包含されて出現する関連するページの出現回数がページ毎に集計され、集計の結果、出現回数の高いページが所定の範囲で特定され、特定されたページが推薦ページとして前記任意のページを表示する画面に付随させて画面表示指示されること
を特徴とする情報提供方法を提供する。
【0012】
本発明は、また、前記データベースには、複数のページが時系列関連を含んで並べられて格納されることを特徴とする情報提供方法を提供する。
【0013】
本発明は、また、前記推薦ページ画面表示処理手段によって、前記抽出された全部のセッションのそれぞれに包含されて出現する関連するページの出現回数として、各セッションで当該ページが最新にアクセスされた後の関連ページについての出現回数が集計されることを特徴とする情報提供方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
推薦ページ画面表示処理手段が、集合した全部のセッションの中から、前記画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッションを抽出し、抽出された全部のセッションのそれぞれに重複して包含されて出現する関連するページの出現回数をページ毎に集計するようにしているので、アクセスログを解析することで、ユーザ毎にサイト内の閲覧履歴を求めることができ、サイト全体として、サイト内で多く見られる重複情報をユーザに簡単に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例の処理フローを示す図。
【図3】本実施例に画面に表示された例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0017】
図1は、本発明の実施例である情報提供システムの構成を示す図であり、図2は、この情報提供システムによる処理フローを示す図である。これらの図を用いて本実施例を説明する。
【0018】
図1において、情報提供システム100は、推薦ページ表示処理手段1、画像表示手段3から構成される。
【0019】
推薦ページ表示処理手段1は、セッション解析手段4、抽出手段5、集計手段6、推薦ページ決定手段7、画像表示手段8およびデータベース9を含んで構成される。
【0020】
入力手段3は、WEBサーバーアクセスログ(以下アクセスログという)を推薦ページ表示処理手段1のセッション解析手段4に出力する。すなわちセッション解析手段4は、アクセスログを入力する。セッション解析手段4は、解析プログラムを有してアクセスログを解析して、ユーザ毎にサイト内のページ閲覧履歴を求めることができる。
【0021】
データベース9には、セッションが格納される。
【0022】
図2に示すように、セッションは1−Nの複数のセッションから構成され、ユーザ毎に構成される(ユーザ1−N)。各セッションは関連するものとして並べられた複数のページで構成される。図には、ページが/eco.html、/earth.html、/green.htmlのように表示してある。そして、複数のセッションにはユーザ間で重複するページが設定される。例えば、図2にはセッション1とセッションNにおいて重複したページが表示してある。一部のページのみが重複する形体であってもよい。
【0023】
図2には、関連するページとして時系列的な関連を有するページが例として示してある。
【0024】
このように、データベース9には、ユーザ毎に、関連するものとして並べられた複数のページで構成されたセッションであって、複数のセッション1−Nにはユーザ1−N間で重複するページが設定され、これらのセッションを集合して格納する。
【0025】
セッション解析手段4は、図2に示すように、アクセスログを入力し、解析プログラムP1を用いて、ユーザ毎にアクセス、閲覧されたページを関連するものとして、例えば時系列で並べたセッションを出力する。この場合に、セッション解析手段4は、セッションの全部を集合させ、全セッション集合Sとして出力することができる。
【0026】
セッション解析手段4は、入力したアクセスログを解析してユーザがアクセスしたページを求め、このアクセスしたページが包含されるセッションの全部を全セッション集合Sとして集合させる。
このようにして、事前処理としてのセッション解析がなされる。
【0027】
図1において、推薦ページ表示処理手段1は、抽出手段5を備える。
【0028】
図2において、抽出手段5は、任意ページ(例えば、/eco.html)の入力および集合された全セッション(全セッション集合S)の入力を行い、抽出プログラムP2を用いて、例えば/eco.htmlを含むセッションを全セッション集合Sから抽出する。すなわち当該セッションや全セッション集合Sを参照し、特定することを行う。図2には、このようにして抽出されたセッション1、セッション2およびセッション3が表示され、それぞれ/eco.htmlが共通のページがアクセスされたことを示す。
【0029】
この結果、/eco.htmlを含むセッションが/eco.htmlを含むセッション集合S´として求められた。すなわち、重複する共通のページを含むセッション集合S´が生成される。このように、当該任意ページを含むセッションの集合、抽出されたセッションの集合がセッションS´として生成される。
【0030】
図1において、推薦ページ表示処理装置手段1は、集計手段6を備える。
【0031】
図2において、集計手段6は集計プログラムP3を用いて関連したページ(関連ページ)の集計を行う。典型的な例は、抽出された全部のセッションS´のそれぞれのセッション1−3に包含されて出現する関連するページの出現回数として、各セッション(セッション1−3)で当該ページが最新にアクセスされた後の関連ページについての出現回数を集計することである。このように、各セッションで、/eco.html以降にアクセスしたページ(例えばN個後まで)の出現回数が集計される。
【0032】
図1において、推薦ページ表示処理手段1は、推薦ページ決定手段を備える。データベース9は、推薦ページおすすめルールを格納する。推薦ページおすすめルールは、出現回数あるいは頻度(以下、双方を含めて出現回数で説明する)に対応して推薦ページを決定する方則である。そして、このルールは、画面に表示する個数に対応して、推薦ページ数が決定し得る方則とされる。
【0033】
推薦ページ決定手段7は、ルールをプログラム化した推薦ページ決定プログラムを用いて推薦ページの決定を行う。
【0034】
図2において、集計結果Rとして関連ページ/earth.html、/green.html、/team6.html、/news.html、/topics.htmlについての出現回数がセッション1−3に包含された関連ページに基づいて、表示される。これらの集計結果の出現回数がそのページのおすすめ度を示し、ルールに従って、推薦ページが決定される。
【0035】
図1において、推薦ページ表示処理手段1は、画像表示指示手段8を備える。
画像表示指示手段8は、任意のページ(上述の例では、/eco.html)に付随する形体で決定された推薦ページを画像表示手段2の画面に表示するよう指示し、データを出力する。
【0036】
このように、推薦ページ画面表示処理手段1が、集合した全部のセッション(全セッション集合S)の中から、画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッション(全セッション集合S´)を抽出し、抽出された全部のセッションのそれぞれに包含されて出現する関連するページの出現回数をページ毎に集計し、集計の結果、出現回数の高いページを所定の範囲で特定し、特定されたページについて推薦ページとして任意のページを表示する画面に付随させて画面表示指示し、この画面表示指示に基づいて前記画面表示手段が画面に前記任意のページに付随させて推薦ページを表示する。
【0037】
なお、データベース9には、複数のページが時系列関連を含んで並べられて格納される。
【0038】
図3は、画面表示手段2が、画面に任意のページに付随させて推薦ページを表示した例を示す。
【0039】
任意のページを表示する画面には、
・ごみの分け方・出し方
・リサイクル事業
・マイバックを持参しよう
が表示されている。
【0040】
このページがアクセスされると、上述した推薦ページ画面表示処理手段1の処理によって、推薦ページが“このページを見た人はこんなページも見ています”のようにして一体の画面として表示される。この例では、5件が表示される。
・粗大ゴミの出し方
・ごみ・資源の収集曜日
・ごみの分け方・出し方
・燃えないごみの出し方
・3R運動
上述のように、ごみ、資源の正しい分け方、出し方に加えて5つの推薦ページが表示される。
【0041】
このように、本実施例によれば、WEBサーバーのアクセスログを解析することによって、ユーザ毎にサイト内のページの閲覧履(セッション)を求めることができる。
【0042】
ある特定のページXを見た後に、サイト全体にとってどんなページが多く見られているかを、各セッションでページXのアクセス後に閲覧されているページを調べることで知ることができる。
【0043】
そして、上述の手段によって得られた多く見られている関連ページを,ページXを見ているユーザに推薦ページとして画面表示し、推薦することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…推薦ページ表示処理手段、2…画像表示手段、3…入力手段、4…セッション解析手段、5…抽出手段、6…集計手段、7…推薦ページ決定手段、8…画像表示指示手段、100…情報提供システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求に応じて蓄積された情報を提供する情報提供システムにおいて、
ユーザ毎に、関連するものとして並べられた複数のページで構成されたセッションであって、複数のセッションにはユーザ間で重複するページが設定され、これらのセッションを集合して格納するデータベースと、
アクセスログを解析してユーザがアクセスしたページを求め、該アクセスしたページが包含されるセッションの全部を集合させるセッション解析手段と、
ユーザの要求によってアクセスされて任意のページが画面表示手段の画面に表示された時に、当該ページを表示する画面に、該画面に関連して推薦するページを表示する画面を加えて推薦ページを表示指示する画面表示指示手段と、を備えて推薦ページ画面表示処理手段が構成され、
該推薦ページ画面表示処理手段が、前記集合した全部のセッションの中から、前記画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッションを抽出し、該抽出された全部のセッションのそれぞれに重複して包含されて出現する関連するページの出現回数をページ毎に集計し、集計の結果、出現回数の高いページを所定の範囲で特定し、特定されたページについて推薦ページとして前記任意のページを表示する画面に付随させて画面表示指示し、
当該画面表示指示に基づいて前記画面表示手段が画面に前記任意のページに付随させて推薦ページを表示すること
を特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
請求項1において、前記データベースには、複数のページが時系列関連を含んで並べられて格納されることを特徴とする情報提供システム。
【請求項3】
請求項1または2において、前記推薦ページ画面表示処理手段は、前記抽出された全部のセッションのそれぞれに包含されて出現する関連するページの出現回数として、各セッションで当該ページが最新にアクセスされた後の関連ページについての出現回数を集計することを特徴とする情報提供システム。
【請求項4】
ユーザ毎に、関連するものとして並べられた複数のページで構成されたセッションであって、複数のセッションにはユーザ間で重複するページが設定され、これらのセッションを集合して格納するデータベースと、
アクセスログを解析してユーザがアクセスしたページを求め、該アクセスしたページが包含されるセッションの全部を集合させるセッション解析手段と、
ユーザの要求によってアクセスされて任意のページが画面表示手段の画面に表示された時に、当該ページを表示する画面に、該画面に関連して推薦するページを表示する画面を加えて推薦ページを表示指示する画面表示指示手段と、を備えて構成された推薦ページ画面表示処理手段を有して、要求に応じて蓄積された情報を提供する情報提供方法において、
該推薦ページ画面表示処理手段によって、前記集合した全部のセッションの中から、前記画面に表示された任意のページがそれぞれ含まれる全部のセッションが抽出され、該抽出された全部のセッションのそれぞれに重複して包含されて出現する関連するページの出現回数がページ毎に集計され、集計の結果、出現回数の高いページが所定の範囲で特定され、特定されたページが推薦ページとして前記任意のページを表示する画面に付随させて画面表示指示されること
を特徴とする情報提供方法。
【請求項5】
請求項4において、前記データベースには、複数のページが時系列関連を含んで並べられて格納されることを特徴とする情報提供方法。
【請求項6】
請求項4または5において、前記推薦ページ画面表示処理手段によって、前記抽出された全部のセッションのそれぞれに包含されて出現する関連するページの出現回数として、各セッションで当該ページが最新にアクセスされた後の関連ページについての出現回数が集計されることを特徴とする情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−70378(P2011−70378A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220550(P2009−220550)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(596127554)日立公共システムエンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】