説明

情報提供システム

【課題】サービス業が顧客に情報を提供する場合に特に好適であり、印刷物に表示される1つの標準印刷情報をカスタム化した情報を容易に提供できる情報提供システムを提供する。
【解決手段】標準印刷情報と、この標準印刷情報に対応してコード情報が印刷されている印刷物1のコード情報を読み取る情報読取装置2と、コード情報にリンクさせて標準印刷情報に対応した表示用コンテンツを格納させた情報データベース6と、読み出されたコード情報に基づいて、情報データベース6から対応する表示用コンテンツを読み出すコンテンツ検索部30と、読み出された表示用コンテンツを表示するモニター3aとを備え、標準印刷情報に対して複数のコード情報が印刷物1に印刷され、この複数のコード情報の夫々に対応して、標準コンテンツとこの標準コンテンツをカスタム化した補助コンテンツが情報データベース6に格納されており、モニター3aに、読み出された表示用コンテンツを表示可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷情報と、この印刷情報に対応してコード情報が印刷されている印刷物のコード情報を読み取る情報読取装置と、コード情報にリンクさせて印刷情報に対応した表示用コンテンツを格納させた情報データベースと、読み出されたコード情報に基づいて、情報データベースから対応する表示用コンテンツを読み出すコンテンツ検索部と、読み出された表示用コンテンツを表示する情報表示装置とを備えた情報提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報を提供する手段として一般的には印刷物が用いられており、印刷物の各ページには情報が印刷されており、その情報は写真、図解、文章による説明などにより構成される。印刷物の場合は、印刷できるページ数に制限があるため、掲載される情報についても代表的なものが1つだけ印刷されているというのが現実である。例えば、結婚式や披露宴やその他のセレモニーの会場を提供するホテルは、印刷物を用いて会場内の様子を写真により提供することが行なわれている。しかしながら、会場の構成(例えば、テーブルの種類、配置、数など)はセレモニーの主催者の意向により変わるものであり、同じ会場の写真を提供するにしても、1つの写真のみからは会場の良し悪しを判断することが難しいというケースがある。この問題を解決するために、1つの会場に関して構成を種々変更した写真(テーブルの数や配置などを変更した写真)を印刷物の掲載するという方法は考えられるものの、ページ数が膨大なものになり現実的な対応ではない。
【0003】
印刷物ではない情報を提供する手段としては、ネットワークを利用した下記特許文献1,2が先行技術として知られている。特許文献1は、携帯型の情報処理装置は、携帯可能な筐体内にデータ記録媒体からデータを読み取るデータ読み取り部と、読み取られたデータを加工するためのデータ処理部と、テキスト・画像・音声データの入力のためのデータ入力部と、表示部、スピーカなどを備えている。具体的には、観光案内所や展示会会場内等にデータ記録媒体を固定したインフォーメーションボックスを配置し、携帯型の情報処理装置を持ってインフォーメーションボックスの近傍に近づくことで情報を読み取るものである。
【0004】
特許文献2は、情報入手システムに関するものであり、印刷物の視覚情報に付加されたドットコードを読取装置により読み取り、読み取ったドットコードに基づき、記憶手段に記憶された音声データ及び画像データを読み出して、音声の出力及び画像表示手段への画像の表示を行なうものである。これにより、印刷物の視覚情報のみでは表現できない種々の情報を入手し、視覚と聴覚の両方からより多くの情報を得ることができるようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】特開2002−318999号公報
【特許文献2】特開2005−38252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記先行技術に関しても次のような課題が存在する。特許文献1の場合は、データが格納された場所に近づかなければ必要な情報が得られないため、観光地の案内等には好適であるが、ホテル等のサービス業における情報提供システムには用いることが難しい。また、特許文献2は、印刷物に表示されている視覚情報以外の情報を取得することができるが、1つの印刷情報については1種類のデータが記憶手段に格納されているのみであり、1つの印刷情報の内容を種々変更した場合のデータを提供することはできず、特にサービス業が顧客に情報を提供する場合に用いるシステムとしては改善の余地がある。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、サービス業が顧客に情報を提供する場合に特に好適であり、印刷物に表示される標準印刷情報をカスタム化した情報を容易に提供できる情報提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明に係る情報提供システムは、
標準印刷情報と、この標準印刷情報に対応してコード情報が印刷されている印刷物のコード情報を読み取る情報読取装置と、
コード情報にリンクさせて標準印刷情報に対応した表示用コンテンツを格納させた情報データベースと、
読み出されたコード情報に基づいて、情報データベースから対応する表示用コンテンツを読み出すコンテンツ検索部と、
読み出された表示用コンテンツを表示する情報表示装置とを備えた情報提供システムであって、
前記標準印刷情報の1つに対して複数のコード情報が印刷物に印刷され、この複数のコード情報の夫々に対応して、複数のコンテンツが前記情報データベースに格納されており、
情報表示装置に、表示用コンテンツとして、少なくとも1つのコンテンツを表示可能に構成したことを特徴とするものである。
【0009】
かかる構成による情報提供システムの作用・効果を説明する。印刷物には、標準印刷情報とこれに対応してコード情報が印刷されている。そして1つの標準印刷情報に対して、複数のコード情報が印刷されており、各コード情報に対応してコンテンツが情報データベースに格納されている。表示用コンテンツには、複数のコンテンツ(例えば、標準コンテンツと少なくとも1つの補助コンテンツ)が用意されており、コンテンツ数に応じて印刷されるコード情報の数を決めることができる。従って、例えば、テーブルクロスが白に設定された会場内写真が標準コンテンツとして用意されている場合、テーブルクロスが青に設定された会場内写真を見たい場合は、それに対応したコード情報を読み取ることで、情報表示装置に表示させて確認することができる。このように、多様な内容の複数のコンテンツ(例えば、1つの標準コンテンツに対応した種々のカスタム化した補助コンテンツ)を提供することができるので、コンテンツの提供を受ける側も判断材料を容易に取得できる。
【0010】
また、1つのコード情報を読み取ることで、全てのコンテンツを表示させるようにすると、表示内容が煩雑になる可能性があるが、本発明の場合は、コンテンツごとにコード情報を印刷しており、表示が煩雑になることなくコンテンツごとの内容確認が容易に行なえる。なお、情報表示装置にコンテンツを表示する場合には、各コンテンツを夫々別個に表示させても良いし、比較判断のために、例えば、標準コンテンツと補助コンテンツを並べて表示するような形態を採用してもよい。以上のように、サービス業が顧客に情報を提供する場合に特に好適であり、印刷物に表示される1つの標準印刷情報をカスタム化した情報を容易に提供できる情報提供システムを提供することができる。
【0011】
なお、本発明において、コンテンツは、画像データ(静止画、動画)、音声データなど種々の形態のデータにより構成することができ、特定の形態のデータに限定されるものではない。
【0012】
本発明において、各コンテンツに対するアクセス回数のデータを集計するデータ集計手段を備えていることが好ましい。
【0013】
かかるデータ集計手段を備えることで、各コンテンツに対するアクセス回数を知ることができ、例えば、コンテンツに対する人気の有無情報を獲得することができる。これにより、コンテンツの変更や差し替えなどの判断材料とすることができる。
【0014】
本発明において、読み取られたコード情報と、これに対応した表示用コンテンツの格納場所を示すアドレスデータとから構成されるデータテーブルを備え、コンテンツ検索部は、このアドレスデータに基づいて、表示用コンテンツを読み出すように構成されていることが好ましい。
【0015】
かかるデータテーブルを用意しておくことで、読み取られたコード情報に対応する、コンテンツの格納場所を容易に取得することができる。また、コンテンツの格納場所が変更になった場合にも、データテーブルを書き直せばよく、容易に対応することができる。
【0016】
本発明において、前記コード情報は、肉眼では視認できないインクにより形成されるドットコードであることが好ましい。
【0017】
肉眼で視認できないインクを使用することで、印刷物の見栄えを損ねることなく、多様なコンテンツを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る情報提供システムの好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1はシステム全体の構成を示す概念図である。
【0019】
<システムの構成>
図1において、印刷物1には、種々の標準印刷情報が印刷されている。また、各標準印刷情報に対して複数のコード情報も印刷されている。コード情報は、ドットコードであり、肉眼では見えないインクで印刷されている。情報読取装置2は、印刷物1に印刷されているドットコードを読み取り、コード情報を解析する機能を有する。具体的には、コード情報は通し番号により構成される数値データである。
【0020】
コンピュータ3は、汎用のパソコンシステムにより構成することができ、モニター3a(情報表示装置に相当)、コンピュータ本体部3b、キーボード3c、音声出力用のスピーカ3dにより構成される。また、情報読取装置2は、コンピュータ3の本体部3bに所定のインターフェイスを介して接続されている。コンピュータ3は、インターネット等のネットワーク4を介してサーバー5に接続され、このサーバー5は各種コンテンツを格納した情報データベース6を備えている。
【0021】
この情報提供システムは、情報読取装置2により印刷物1上のドットコードを読み取り、解析されたコード情報に対応したコンテンツを情報データベース6から読み出して、モニター3aに表示させるものである。
【0022】
<印刷物の構成例>
次に、印刷物の構成例を図2により説明する。この印刷物(パンフレット)は、結婚式、披露宴、祝賀会、そのほかのセレモニーのための会場を提供するホテルにおいて使用されるものである。印刷物には、標準印刷情報として3枚の写真10,11,12が印刷されている。写真10は、披露宴会場で使用するテーブルクロスとチェアーカバーを撮影した写真、写真11はウェディングドレスを着用した女性の写真、写真12はフラワーとテーブルブーケを撮影した写真である。
【0023】
例えば、結婚披露宴を主催しようとする顧客は、写真10を見てテーブルクロスの好みの色の選択を行なう。ただし、写真10には、選択可能な色のうち、白色についての写真10が印刷されている。他の色についての写真は、印刷物に印刷されていない。写真10の右側のエリアには、選択可能な色が印刷されているエリア10aがあり、具体例として、白、緑、黄色、ピンク、青の5色が印刷されている。各色の下方には、各色に対応して5つのコード情報が印刷されているエリア10bが設けられている。好みの色についてのテーブルクロスを表示させたい場合は、それに該当するコード情報を情報読取装置2により読み取るようにする。例えば、緑色のテーブルクロスとチェアーカバーを表示させたい場合は、コード情報10bgを情報読取装置2により読み取る。これにより、緑色のテーブルクロスとチェアーカバーの画像が、コンピュータ3のモニター3aに表示される。他の色に関しても同様である。このように、写真10を標準印刷情報として、これをカスタム化した内容の情報をモニター3aに表示させることができる。写真11及び12に関しても同様にカスタム化した内容の情報を表示させることができる。
【0024】
<システムの機能ブロック図>
次に、システムの主要な機能を図3のブロック図により説明する。図3において、印刷物1は、層構造で示すと、用紙部1aと、通常印刷部1bと、コード情報印刷部1cにより構成される。通常印刷部1bは、図2における写真10などが印刷されている部分であり、肉眼で視認できるインクが使用されている。コード情報印刷部1cは、コード情報が印刷される部分であり、肉眼では視認できないインクにより印刷される。コード情報は、ドットコードで数値情報が印刷されている。また、通常印刷部1bにおけるインクは赤外線を透過する性質を有するが、コード情報印刷部1cにおけるインクは赤外線を吸収する性質を有する。この性質の差を利用して、情報読取装置2によりコード情報を読み取るものである。コード情報は、図2に示す印刷例では、写真10〜12とは別の場所に印刷されているが、肉眼では見えないため、写真10〜12に重ねて印刷しても見栄えを損ねることが無いという利点を有する。
【0025】
次に情報読取装置2の構成を説明する。情報読取装置2は、コード情報を読み取るための撮像素子2aと光源2bを有する。光源2bは、赤外線を照射するLEDにより構成され、撮像素子2bは赤外線による反射光像を読み取るものである。撮像素子2bは、C−MOS型のセンサーの他にCCDセンサーを使用することができる。
【0026】
画像処理部2cは、撮像素子2aから得られた画像信号の処理してデジタルの画像データを獲得し、情報解析部2dは、獲得されたドットコードの画像データを解析し数値データを取得する。情報出力部2aは、解析されたコード情報(数値データ)をコンピュータ3に出力する。
【0027】
コンピュータ3の内部には、情報読取装置2から送信されるコード情報に基づいて、対応するコンテンツを取得して表示するための機能が設けられており、かかる機能は、コンピュータ3自身に設けられたハードウェア(CPU、ハードディスク、メモリ)とソフトウェア(OS及びアプリケーション)により提供される。
【0028】
コンテンツ検索部30は、送信されてきたコード情報に対応するコンテンツを情報データベース6から取得する機能を有する。情報データベース6を検索するために、図示するようなデータテーブル31が記憶されている。このデータテーブルは、コード情報(数値データ)とこれに対応するアドレスデータの組み合わせにより構成される。このアドレスデータは、コンテンツが格納されているネットワーク上のアドレスを示すものである。例えば、コード情報が「0001」であれば、それに対応するアドレスは「0.abcd.htm」である。ここで「0」はネットワークに置かれた情報データベース6を示すものであり、「1」はコンピュータ3自身が備えるデータベース6A(ハードディスク)を示すものである。従って、コンテンツ検索部30はコード情報を受け取ると、データテーブル31を参照して対応するアドレスデータを取得し、このアドレスにあるコンテンツを取得するものである。
【0029】
情報アクセス部32は、抽出されたアドレスにアクセスして、そこに格納されているコンテンツをダウンロードする。ダウンロードされたコンテンツは、モニター3aに表示される。また、コンテンツに音声データが含まれる場合(動画ファイルなど)は、モニター3aによる表示とスピーカ3dによる音声出力の両方が行なわれる。
【0030】
データ集計手段33は、各コンテンツに対するアクセスがあった場合に、それをカウントして集計する機能を有する。集計した結果は、モニター3aに表示させてアクセス状況を確認することができる。かかるデータ集計手段33を設けることで、コンテンツの人気の有無等、顧客の好みの動向を知ることができ、必要に応じてコンテンツの変更や修正、追加等を行なうことができる。また、今後のサービス内容の改善に役立てるでこともできる。
【0031】
情報データベース6には、コード情報に対応したコンテンツが指定されたアドレスに格納されている。コンテンツとしては、静止画、動画、音声データ、テキストデータ、HTMLファイル、あるいは、これらの適宜の組み合わせにより構成することができ、特定の形式のデータに限定されるものではない。情報データベース6は、1箇所ではなく、データ量に応じて複数個所に分散配置してもよい。また、コンピュータ3自身がデータベース6Aを備えていてもよい。
【0032】
<コンテンツを表示するまでの手順>
次に、印刷物1に印刷されているコード情報を読み取ってモニター3aにコンテンツを表示させるまでの手順を図4のフローチャートにより説明する。ここでは、図2に示す印刷物において、写真10に関して設けられたコード情報10bgに対応したコンテンツを表示させる場合の手順を説明する。まず、情報読取装置2の先端部をコード情報10bgが印刷されているエリアに当ててクリックする(#1)。これにより、撮像素子2aにより、印刷されているドットコードを読み取り、情報解析部2dによりコード情報に含まれる数値データを抽出する(#2)。解析されたコード情報は、情報読取装置2から出力され(#3)、コンピュータ3に送信される。
【0033】
コンピュータ3のコンテンツ検索部30は、データテーブル31を参照し、アドレスデータを抽出する(#4,5)。抽出されたアドレスデータは、情報アクセス部32に引き渡され、情報データベース6にアクセスされる(#6)。そして、情報データベース6の指定されたアドレスに格納されているコンテンツをダウンロードし、モニター3aに表示させる(#7,8)。
【0034】
ここで再び図2に戻り、コンテンツの内容に関して説明する。写真10に対しては、テーブルクロスの色が白色が標準として用意され、カスタム化された色として、白以外の4色が用意されている。従って、白の下のエリアにあるコード情報10bwを読み取ると、モニター3aには、写真10と同じテーブルクロスが白色であるコンテンツがモニター3aに表示されるため、このコンテンツは標準印刷情報に対応するものとして用意された標準コンテンツに相当するものである。また、他の4色に対応して用意された4つのコンテンツは、標準コンテンツをカスタム化した補助コンテンツに相当するものである。
【0035】
このように、印刷物1には、1つの標準印刷情報しか印刷されていないが、カスタム化された情報は、モニター3aに表示させることができるので、印刷物1のボリュームを増やすことなく多様な情報を提供できるようになる。また、標準コンテンツをモニター3aに表示させる場合に写真10(標準印刷情報)と同じものを表示させるのではなく、更に付加的な情報を表示させることが好ましい。これにより、サービス提供者側は、顧客側により詳しく有用な情報を提供できるようになる。また、印刷物1の写真10は静止画であるが、表示されるコンテンツは静止画である必要はなく、例えば、動画により表示するようにしてもよい。
【0036】
また、カスタム化された補助コンテンツをダウンロードした場合に、補助コンテンツのみをモニター3aに表示させるのではなく、これを標準コンテンツと対比できる形でモニター3aに表示させるようにしてもよい。これにより、いずれを選択するのかの判断を容易にすることができる。また、補助コンテンツ同士を対比判断できるようにモニター3aに表示させるようにしてもよい。
【0037】
図2に示す例では、色についてのカスタム化のみを説明しているがこれに限定されるものではないのは当然のことである。例えば、写真10の場合は、テーブルクロスの種類や模様等が違うものをカスタム化した補助コンテンツを多数用意しておいてもよい。
【0038】
<印刷物の別実施形態>
図5は別実施形態にかかる印刷物の構成例を示す図である。ここには披露宴会場を示す写真13,14(夫々標準印刷情報に相当)が印刷されており、標準コンテンツを表示するためのコード情報13aと、補助コンテンツを表示するためのコード情報13bが印刷されている。ここで、カスタム化されたコンテンツは、会場を異なる場所から見た映像をモニター3aに表示させるものである。会場を選択する場合に、会場内の雰囲気を異なる方向から見ることで確認したいという要望がある。そこで、正面からみた映像を標準コンテンツとして用意し、異なる方向から見た映像を補助コンテンツとして容易することができる。会場の様子自体は、実際に会場に足を運ぶことで確認することができるが、会場が現在使用中であるとか、他の種々の会場の雰囲気についても確認したい場合などは、時間を節約して効率よく判断するために、上記のようにコンテンツとして用意しておくことが好ましい。
【0039】
図6は、更に別実施形態の印刷物の構成例を示す図である。これは自動車のカタログを示すものであり、標準印刷情報として車の内部の写真15が印刷されている。そして、車の各部の仕様、性能などについてのコンテンツを用意しておき、これを表示させることができる。ここで、写真15に重ねて、コード情報15aが印刷されており、印刷されている部分に関する詳細な情報を知りたい場合は、該当するエリアのコード情報15aを情報読取装置2により読み取ればよい。また、自動車の基本的な性能についてのコンテンツを表示させるためのコード情報16も印刷されている。
【0040】
以上のように、本発明によれば、1つの写真(標準印刷情報)に対して複数のコード情報を印刷しておくことで、カスタム化されたコンテンツの表示、あるいは、標準印刷情報に関する多様な内容のコンテンツを表示させることができる。これにより、印刷物のボリュームを増やすことなく、多様な内容のコンテンツを提供できるようになり、特にサービス業者がサービスを提供する場合に役立つものである。
【0041】
<別実施形態>
印刷物の具体例として、ホテルが提供する会場等に関する情報、自動車のカタログに印刷される情報を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。その他の具体例として、飲食店、レストラン等におけるメニュー、自動車以外の種々の製品のカタログ、旅行会社の提供するパンフレットなど、あらゆる分野において応用できるものである。
【0042】
本実施形態として、肉眼で視認できないインクによりドットコードを印刷する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。肉眼で視認できるインクを使用してコード情報を印刷してもよい。また、コード情報もドットコードに限定されるものではなく、例えば、1次元バーコードなどを印刷してもよい。あるいは、具体的な数字を印刷して、これを読み取りOCR機能により数値データを取得するようにしてもよい。
【0043】
本発明として、1ページに印刷される標準印刷情報の数については、特に限定されるものではない。また、標準印刷情報の1つに対して設けられるコード情報の数についても同様である。また、コード情報は、標準印刷情報が印刷されるエリアの中に印刷しても良いし外に印刷してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】情報提供システム全体の構成を示す概念図
【図2】印刷物の構成例を示す図
【図3】図1に示すシステムの主要な機能を示すブロック図
【図4】コンテンツを表示させるまでの手順を示すフローチャート
【図5】印刷物の別実施形態を示す図
【図6】印刷物の別実施形態を示す図
【符号の説明】
【0045】
1 印刷物
1c コード情報印刷部
2 情報読取装置
3 コンピュータ
3a モニター
3d スピーカ
4 ネットワーク
5 サーバー
6,6A 情報データベース
10bg コード情報
13b コード情報
15 コード情報
30 コンテンツ検索部
31 データテーブル
32 情報アクセス部
33 データ集計手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標準印刷情報と、この標準印刷情報に対応してコード情報が印刷されている印刷物のコード情報を読み取る情報読取装置と、
コード情報にリンクさせて標準印刷情報に対応した表示用コンテンツを格納させた情報データベースと、
読み出されたコード情報に基づいて、情報データベースから対応する表示用コンテンツを読み出すコンテンツ検索部と、
読み出された表示用コンテンツを表示する情報表示装置とを備えた情報提供システムであって、
前記標準印刷情報の1つに対して複数のコード情報が印刷物に印刷され、この複数のコード情報の夫々に対応して、複数のコンテンツが前記情報データベースに格納されており、
情報表示装置に、表示用コンテンツとして、少なくとも1つのコンテンツを表示可能に構成したことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記複数のコンテンツは、標準印刷情報に対応した1つの標準コンテンツと、この標準コンテンツをカスタム化した少なくとも1つの補助コンテンツであることを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
各コンテンツに対するアクセス回数のデータを集計するデータ集計手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
読み取られたコード情報と、これに対応した表示用コンテンツの格納場所を示すアドレスデータとから構成されるデータテーブルを備え、コンテンツ検索部は、このアドレスデータに基づいて、表示用コンテンツを読み出すように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記コード情報は、肉眼では視認できないインクにより形成されるドットコードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−172356(P2007−172356A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−370264(P2005−370264)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000143695)株式会社パトライト (39)
【出願人】(000132998)株式会社タカラ (35)
【Fターム(参考)】