説明

情報提供システム

【課題】、音楽や音声等の他の音(ソース音)が存在し、情報の音とソース音が重畳されて端末に取り込まれる場合であっても、符号化された情報をソース音と確実に分離して復元できる情報提供システムを提供する。
【解決手段】本実施形態に係る情報提供システム1の発振装置10は、サウンドコードの発信周波数として、発信周波数及びその低調波が平均率音階の各音の隙間に位置するような周波数を利用して、各種情報を発信する。受信する端末側では、FFT回路206及びサウンドコード抽出回路207等により、サウンドコードをソース音から分離して抽出・復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に対して各種情報を提供するための情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末に対して各種情報を提供するシステムが従来から提供されている。例えば、ラジオやテレビ放送にて、放送信号に文字コードや図形情報、番組に関する情報等を重畳(多重)し、テレビ受信機やラジオ受信機に通常の番組内容に付加して各種情報を提供する文字多重放送が行われている。
【0003】
ところが、文字多重放送のシステムでは、テレビやラジオの電波にデジタル情報を重畳して乗せる必要があるため、大掛かりな放送局の設備が必須となり、コストがかかり、端末に対して手軽に情報を提供することができない。また、携帯電話のカメラを用いてQRコードを撮影する方法は、カメラを搭載していない端末では使用することができないと共に、初心者や機械に不慣れな人にとっては、非常に困難な作業である。
【0004】
このような問題点に鑑み、新規の情報提供方法として、空気を媒体とした音として、各種情報を端末に提供するものが開発されており、例えば、下記特許文献1乃至3に開示されている。このように、空気を媒体とした音として情報を伝達する方法であれば、既存のスピーカーと、端末に搭載されているマイクロフォンを使うことで、低コストで手軽に情報を伝達することが可能である。
【特許文献1】特開2003−186500号公報
【特許文献2】特許第3822224号公報
【特許文献3】特許第3834579号公報
【0005】
特許文献1に開示されているのは、伝達対象情報を音声に変換する情報符号化装置を用いることにより、既存の音声を扱う音響機器の入出力インターフェースを介して、伝達対象情報を音声として伝達し、情報復号装置により受信した音声に基づいて伝達対象情報を再生する情報伝達システムであり、符号化された情報を含む音が、人間に積極的に聴かせられるような快適な音楽となることを目的とした符号化方式である。
【0006】
また、特許文献2及び3に開示された情報提供システムは、本発明者らが開発したものであり、タイミングを同期するためのプリアンブルを含むミリ秒単位のデータフレームとして各種情報を符号化したうえで、空気を媒体とした音として情報を伝達するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記特許文献2及び3に開示されているような、空気を媒体とした音として情報を伝達するシステムを開発する過程で生まれた発明である。そして、空気を媒体とした音として情報が伝達される環境において、音楽や音声等の他の音(ソース音)が存在し、情報の音とソース音が重畳されて端末に取り込まれる場合であっても、符号化された情報をソース音と確実に分離して復元できる情報提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る情報提供システムは、符号化された各種情報を、可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信する発信装置と、前記音圧振動を受信して復号化することで前記各種情報を復元する端末であって、前記発信装置の発信周波数及びその低調波の周波数近傍をフィルタリングするフィルタリング手段を有する端末と、を備え、前記発信装置から前記端末に対して、空気を媒体とした音として情報を伝達することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る発信装置は、情報提供システムにおいて端末に対して各種情報を発信するための発信装置であって、各種情報を符号化するための演算手段と、前記符号化された各種情報を、可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信するためのスピーカーと、を備え、前記端末に対して、空気を媒体とした音として情報を伝達することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る情報提供方法は、端末に対して各種情報を提供する情報提供方法であって、各種情報を符号化する符号化工程と、前記符号化された各種情報を、可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信する発信工程と、端末において前記音圧変動を受信する受信工程と、端末において前記発信工程の発信周波数及びその低調波の周波数近傍をフィルタリングしながら前記音圧振動を復号化して、前記各種情報を復元する復元工程と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る放送設備は、テレビやラジオ等の放送を行う放送設備であって、各種情報を符号化して放送信号に重畳させるための演算手段と、前記放送信号を電波として送信するための送信アンテナと、を備え、前記符号化された各種情報が重畳された放送信号は、放送受信機に受信されて再生されるときに、前記放送信号に重畳されている符号化された各種情報が、放送受信機のスピーカーから可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信されるように構成された信号であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、音楽や音声等の他の音楽系の音(ソース音)が存在し、情報の音とソース音が重畳されて端末に取り込まれる場合であっても、符号化された情報をソース音と確実に分離して復元できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係る情報提供システムは、情報の発信装置側では、メッセージ等の各種情報を音(音圧振動)として端末に向けてスピーカーから発信し、端末側では、マイクロフォンからこの音圧振動を受信してデコードすることにより、発信された情報を認識する。そして、本実施形態は、音圧振動情報(以下、「サウンドコード」と称する)の発信周波数を、平均律音階と重ならないようにしたことを特徴としている。
【0014】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係る情報提供システム1の構成を概略的に示す図である。同図に示すように、情報提供システム1は、各種情報を音圧振動の情報として発信する発信装置10と、各種情報を受信する端末としての携帯電話20、インターネット40を介して発信装置10に接続されたサーバ50から構成されている。発信装置10は、入力手段としてのキーボード11、ディスプレイ12、各種情報を音として発信するためのスピーカー(PA)13及びこれらと接続されたPC(パーソナルコンピュータ)本体14とから構成される。ここで、PAとは、Public Addressの略であり、電気的な音響拡声装置の総称を意味する。
【0015】
また、図示は省略するが、PC本体14内には、各種演算や制御を行うための演算手段としてのMPU(マイクロプロセッサ)、演算の際にワークエリアとして使用されるメモリ、各種データやプログラム等を保存しておく記憶装置(ハードディスク)が内蔵されている。
【0016】
携帯電話20は、スピーカー13からの音を拾うためのマイクロフォン21、ディスプレイ22を備えている。また、図示は省略するが、携帯電話20内には、各種演算や制御を行うための演算手段としてのプロセッサーやメモリが内蔵されている。
【0017】
上述した情報提供システム1の発信装置10は、百貨店、スーパー、商店街、映画館、遊園地等の商業施設、娯楽施設等に設置される。また、音圧振動に変換された各種情報(音圧振動情報)は、単独で、又は当該施設で流されている音楽やアナウンス等の他の音声に重畳されて、スピーカー13から発信される。当該施設を訪れた客は、自分の携帯電話20を使ってこの音圧振動情報を受信することで、各種情報を得ることができる。
【0018】
各種情報として、商品、イベント、施設案内等に関するメッセージや、関連するHPのURL等の文字情報が、端末の所有者に提供される。当該施設を訪れている客は、URLを読み込んでから、端末のネット機能を用いてインターネットにアクセスすることで、さらなる情報を入手したり、直接商品説明を読んだりすることができる。
【0019】
もちろん、発信装置を設置する場所は、情報提供者の自由であり、適宜、他の場所に設置しても良い。提供される情報の内容も、文字情報に限らず、イメージ情報等を提供しても良い。
【0020】
次に、発信装置10において、携帯電話20に向けて発信するサウンドコードを生成する処理について詳細に説明する。図2は、サウンドコードを生成する機能を実現するための概念的な回路を示すブロックダイアグラムである。
【0021】
同図に示すPA Source(PAソース)は、発信装置10が設置されている施設等において、PAから流されているソース音、すなわち、サウンドコードが重畳される音声を意味している。例えば、PAから音楽CDが流されているときには、その音楽の音声信号がPAソース信号であり、何も流されていない場合には、PAソース信号はゼロである。
【0022】
PAソース信号は、サウンドコードを生成するタイミング、音圧レベル等を決定するために用いられる。PAソース信号は、まず、A/D変換回路101によってデジタル信号に変換され、フレーム分割回路102、ピーク・アベレージ検出器103、立ち上がり検出器104、マスキング回路105へと送られ、サウンドコードを生成するためのパラメータが決定される。各回路は、コードプロファイル(Code Profile)を参照しながら、適切なパラメータを設定する。
【0023】
コードプロファイルとは、予め情報提供者が発信装置10を介してサーバ50にアクセスして、発信したい各種情報(メッセージ)を登録すると共に、情報提供者が要求する信号レベル、発信周波数、タイミング等を設定することにより作成されるプロファイルである。情報提供者は、サーバ50にアクセスし、ディスプレイ11に表示される要求項目に従って入力を行うことで、コードプロファイルを簡単に作成することができる。作成されたコードプロファイルは、サーバ50からPC本体14へと送信されて格納され、上述したように、サウンドコードを生成する際に参照される。
【0024】
フレーム分割回路102では、PAソース信号が、1〜5ms毎にフレーム単位に分割され、以降の処理がフレーム単位で行われる。この処理単位は、PAソースの特性やコードプロファイルを参照して適宜最適値が設定される。
【0025】
ピーク・アベレージ検出器103では、PAソース信号のピーク値及び平均値が検出され、サウンドコードを発信する際の音圧レベルを設定するためのリファレンス・パラメータとなる。
【0026】
立ち上がり検出器104では、PAソース信号の立ち上がりエッジを検出する。PAソース信号が立ち上がる箇所は、音が急激に大きくなることを意味しているおり、ここでの検出値は、後述するマスキング効果を得るために用いられる。
【0027】
マスキング回路105では、上記PAソース信号の立ち上がりエッジを参照して、マスキング効果が顕著に得られるタイミングでサウンドコードを発信するためのパラメータの設定が行われる。マスキング効果とは、小さな音(音圧の低い信号)が大きな音(音圧の高い信号)によってかき消されてしまう心理聴覚評価の1つである。
【0028】
続いて、このようにして求められたパラメータに基づき、コード生成回路106において、コードプロファイルに含まれる各種情報(メッセージ)が符号化され、サウンドコードが生成される。また、コード生成回路106では、コード生成の際に、スクランブル(Scramble)処理が行われる。スクランブル処理とは、0又は1何れかの信号が連続して発生することを防ぐための処理であり、ここでは、疑似ランダム信号が用いられる。後述するように、本システムでは、NRZ変調が用いられているため、0又は1何れかの信号が連続すると、連続した数だけ見かけの周波数が低くなってしまう。これを避けるために、スクランブル処理を行い、0,1の発生頻度が、できるだけ1対1に近付けられる。
【0029】
生成されるサウンドコードの発信周波数は、コードプロファイルに設定されており、ソース音やサウンドコードが提供される場所の状況に応じて、情報提供者が設定する。本実施形態では、サウンドコードの発信周波数を、1オクターブを12等分した平均率音階の各音と重ならないように設定することを特徴としているので、以下、これについて詳細に説明する。
【0030】
図3は、平均率音階の各音の周波数を示す図である。基音を、ラ(220Hz)、ラ#(233Hz)、シ(247Hz)、ド(262Hz)、ド#(277Hz)、レ(294Hz)、レ#(311Hz)、ミ(330Hz)、ファ(349Hz)、ファ#(370Hz)、ソ(392Hz)、ソ#(415Hz)とし、これらの倍音(2〜9倍、16倍、32倍)の周波数が示されている。基音の各周波数は、ラの周波数(220Hz)を基にして、220×2n/12(nは1から12の整数)で求められる。倍音の周波数は、これら基音の周波数を2倍、3倍、4倍…したものであり、2倍音が1オクターブ、4倍音が2オクターブ、8倍音が3オクターブ、16倍音が4オクターブ、32倍音が5オクターブ上の音階となる。
【0031】
ここで、楽器等の音が発せられるときには、その倍音も発せられている。図3でみると、基音が発せられると、その2倍音、3倍音、4倍音…も、徐々に音圧は低下するが同時に発せられる。本実施形態では、これら基本及び倍音の周波数の隙間の周波数を、サウンドコードの発信周波数として使用している。サウンドコードは、上述したように、スクランブル処理をかけられて発信されるが、1又は0が連続することもあるので、サウンドコードの発信周波数をf0とすると、1/2 f0、1/3 f0、1/4 f0の低調波信号も発生することになる。本実施形態では、f0及びその低調波の何れもが、平均率音階の基音及び倍音に重ならないように、f0を設定している。なお、本実施形態では、スクランブル処理をかけており、サウンドコードの低調波としては、1/4 f0まで考慮すれば充分である。
【0032】
このように、サウンドコードの発信周波数f0及びその低調波が、平均率音階の各音の隙間に位置するようにf0を決定すれば、特にソース音が音楽系の音の場合、サウンドコードの送信波とソース音とが重ならないので、受信側で所定のフィルタリング処理を行えば、容易にサウンドコードをソース音から分離して抜き出すことができる。
【0033】
図4は、このようにして求められた発信周波数f0及びその低調波(1/4まで)の周波数を示す図である。同図には、f0の候補として、7,249Hz、7,680Hz、8,137Hz、8,621Hz、9,133Hz、9,677Hz、10,252Hz、10,862Hz、11,508Hz、12,192Hzが記載されているが、これらの低調波も含めて、何れも図3の平均率音階の各音と重なっていない。
【0034】
f0の選択にあたっては、f0を大きくすればデータの伝送レートも上がるので、この点では、f0が大きい方が良いが、スピーカーやマイクロフォンの性能や、ソース音の特性等を考慮し、図4に示すf0から最適なf0を決定すれば良い。もちろん、本実施形態におけるサウンドコードの発信周波数は、図4に示すf0に限定されるものではなく、平均率音階の各音に重ならない限り、適宜他の周波数を使用することが可能である。
【0035】
ここで、発信周波数f0=12,192Hzは、例えば、ファ#とソの基音の中間の周波数を求め、これを32倍することで求めることができる。すなわち、((370+392)/2)×32=12,192となる。他の図4に示すf0も同様にして求めることができる。もちろん、サウンドコードの発信周波数f0は、平均率音階の各音間の真ん中である必要はなく、各音と重ならない周波数であれば、受信側でソース音と分離可能である。但し、サウンドコードの発信波は空気中を伝搬中に雑音の影響を受け、ある程度の帯域幅を有することになる。よって、受信側でもある程度の幅を持った周波数帯域をフィルタリングして抽出する必要があり、ある程度発信周波数f0を平均率音階の各音から離しておく必要がある。このことは、同様に低調波1/2〜1/4 f0についても考慮する必要がある。
【0036】
このような点を鑑みると、発信周波数f0は、平均率音階の隣り合う音の低い方の音から隣り合う音の間隔(周波数の差)の20%上の位置と、高い方の音から同20%下の位置との間の周波数とすることが望ましい。すなわち、平均率音階の各音の隙間のうち中心側60%の周波数をf0として用いることが望ましい。例えば、12kHz付近の発信周波数としたい場合には、図3のファ#の32倍音(11,840Hz)とソの32倍音(12,544kHz)の隙間にf0を設定することになり、この隣り合う音の周波数差が704Hzであるから、低い方のファ#の32倍音から141Hz(704×0.2)上の位置である11,981Hzと、高い方のソの32倍音から141Hz下の位置である12,403Hzとの間の周波数をf0(11,981<f0<12,403)として設定すればよい。
【0037】
続いて、サウンドコード信号とソース音の重畳の様子を説明する。図5は、サウンドコードの送信波と、ソース音との重畳をイメージ的に示す概念図である。同図の横軸は周波数、縦軸は音圧を示し、太い矢印がサウンドコードの送信波、細い矢印がソース音を示している。なお、ソース音は、楽器演奏による音楽系であり、平均率音階の音が出されているものとする。サウンドコードの送信波は、発信周波数f0と、その低調波である1/2 f0、1/3 f0が示されているが、何れもソース音の隙間に位置している。よって、後述するように、受信側でサウンドコードの送信帯域の信号をフィルタリングすることで、サウンドコードを確実に抽出することができる。
【0038】
次に、サウンドコードのデータ構造について図6を参照して説明する。図6は、サウンドコードのデータ構造を示す図である。同図に示すデータフレームは、タイミングを同期するためのプリアンブル(preamble)の後に、ファイルの先頭を識別するためのSOF(Start Of File)、データのタイプ(type)、データの長さを表す(length)が順に設けられている。その後に、data1、data2、…、data7、CRC(Cyclic Redundancy Code)から構成されるデータ列が16列設けられており、この一つのフレームで112バイトのデータを扱うことができる。
【0039】
typeは、情報提供者の識別や、受信者を特定の相手に限定する場合、サウンドコードの発信周波数の識別に必要な情報等のために用いられる。また、lengthは、サウンドコードの長さを表し、同図に示すフレームを最大16フレーム、すなわち2048バイトのデータまで扱うことができるように構成されている。
【0040】
CRCは、エラー訂正のために付加されている。CRCとは、データの誤り検出及び誤り訂正のための多項巡回符号を意味し、発信データに前もって誤り信号コード(CRC)を付加し、受信時に誤り補正が行われる。ここでは、フレーム毎の処理ではなく、7バイト毎にCRCを付加して誤り訂正を行うようにしており、列単位でデータ量を適宜可変にすることも可能である。
【0041】
このようにして生成されたサウンドコードは、発信周波数f0及びマスキング回路105で決定されたタイミングに従って送出される。このときの1フレーム(1024ビット)の伝送時間は、f0=12,192Hzであるから41.99msとなり、最大16フレームの場合でも671.84msである。
【0042】
続いて、サウンドコードは、D/A変換回路107において、NRZ(Non
Return to Zero)変調されると共にアナログ信号に変換される。このとき、ピーク・アベレージ検出器での検出結果に追随して、ビットを割り当てることで、サウンドコードの音圧レベルが決定される。ビットサイズは任意の範囲に設定できるが、10乃至16ビットが適当である。例えば、16ビットの場合、最も小さい0,1の音圧レベルは、0000,0x0001、最も大きい音圧レベルは、0000,0xFFFFとなる。
【0043】
アナログ信号に変換されたサウンドコードは、ローパスフィルター(LPF)108により、高周波成分がカットされてサイン波となる。このように整形されたサウンドコードのアナログ信号は加算回路109において、PAソース信号と加算され、スピーカーから発信される。図2中、「PA source+」は、PAソース信号にサウンドコードが重畳されていることを示している。
【0044】
上述したサウンドコードを生成する処理は、発信装置10の演算手段が、記憶装置に格納されているアプリケーションを実行することにより、ソフトウェア的に実現されるが、このような処理を行うための専用回路を設け、ハードウェア的に実現しても良い。
【0045】
次に、端末側の携帯電話20において、サウンドコードを受信する処理について、図7を参照して説明する。図7は、サウンドコードを受信する機能を実現するための概念的な回路を示すブロックダイアグラムである。
【0046】
サウンドコードが重畳されたPAソースの音は、携帯電話20のマイクロフォン21によって拾われ、図中PA Source+で示される電気信号に変換される。この電気信号は、まず、バンドパスフィルター(BPF)201を通過する。BPF201は、サウンドコードの発信周波数近傍以外の周波数をカットするように構成されており、PA Source+のうち主にサウンドコード成分を含む近傍の信号がA/D変換回路202へと送られる。ただ、BPF201は減衰度が低いため、サウンドコードのみを取り出す処理は、後述するサウンドコード抽出回路207で行われる。なお、サウンドコードの発信周波数は、上述したデータフレームのタイプ(type)内に含まれる情報を参照して認識することができるが、受信側で自動学習検出するように構成しても良い。
【0047】
A/D変換回路202は、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換する。この変換処理は、サウンドコードの2倍(もしくは4倍)の速度で行われる。続いて、位相評価回路203において、A/D変換された信号の位相が調べられ、最適値になるように全データの補正が行われる。
【0048】
サブサンプリング回路204においては、A/D変換された信号をサウンドコード信号の発信周波数の速度に戻す。ハミング窓回路205では、フレーム周期で取り込まれる信号の始まりと終わりの信号レベルを相対的に低くする処理が行われる。サウンドコードはフレーム構造のため、重畳されたPAソース信号がフレーム周期で切られたデータとして取り込まれてしまい、フレーム周期の始まりと終わりには誤認識される要素が多く発生するが、ハミング窓関数をかけることで、この両端の影響を抑えることができる。
【0049】
続いて、FFT(Fast Fourier Transform)回路206において、高速フーリエ変換を行う。すなわち、時間軸上の受信信号を周波数軸上の信号に変換する。そして、周波数軸上の信号から、サウンドコード抽出回路(extract sound code)207において、図5に示すようなサウンドコードの存在すべき周波数(f0、1/2 f0、1/3 f0、1/4 f0)上の信号だけをフィルタリングして取り出し、IFFT(Inverse FFT)回路208において時間軸信号に変換することで、サウンドコードを復元することができる。
【0050】
なお、サウンドコードの発信周波数は、上述したデータフレームのタイプ(type)内に含まれる情報を参照して認識することができるが、受信側で自動学習検出するように構成しても良い。このように、FFT回路206及びサウンドコード抽出回路207等を用いてデジタル処理により抽出すれば、高精度にサウンドコード成分のみを抽出することができる。
【0051】
なお、本実施形態においては説明を省略したが、受信側では、スクランブル解除回路によるスクランブル解除、CRC回路による誤り訂正も行われる。このようにして復号されたサウンドコードからメッセージが復元され、携帯電話20のディスプレイ22に表示されることになる。復元されたメッセージを端末の所有者に呈示する方法としては、視覚的にディスプレイに表示する方法に限らず、携帯電話20のスピーカー(不図示)から音声により呈示させるようにしても良い。
【0052】
上述したサウンドコードを受信してメッセージを復元する制御・処理は、携帯電話20の演算手段に所定のプログラムを実行させることで、ソフトウェア的に実現されるが、特定の機能を実現するための回路を設置し、ハードウェア的に実現するように構成しても良い。
【0053】
以上、第1実施形態に係る情報提供システム1の構成について説明したが、続いて、本システムを用いて、各種情報(メッセージ)を発信する手順について説明する。
【0054】
まず、本情報提供システムを用いて各種情報を発信したい情報発信者が、コードプロファイルを作成する。コードプロファイルは、発信装置10を介して、サーバ50にアクセスすることで作成することができる。コードプロファイルには、発信したいメッセージを登録すると共に、発信のタイミング、発信するサウンドコードの音圧レベル、発信周波数等に関して、情報発信者が希望する設定値が登録される。
【0055】
発信周波数f0は、上述したように、平均率音階の隙間を利用して設定される。発信のタイミングとしては、例えば、1分ごとに10回(サウンドコードが16フレームから成る場合であれば、1回あたりの伝送時間は、上述したように671.84ms)連続して発信する、といったタイミングや、10秒ごとにエンドレスで繰り返し発信するといったタイミングが設定される。
【0056】
次に、情報発信者が、発信装置10に対してサウンドコードの発信指令を出すと、上述した処理に従って、サウンドコードが生成され、発信装置10のスピーカー13からサウンドコードが発信される。このとき、PAソース信号が存在する場合には、PAソース音に、サウンドコードの音声信号が重畳されて発信され、PAソース信号が存在しない場合には、プロファイル・データに従いサウンドコードの音声信号のみが発信される。
【0057】
本実施形態に係るサウンドコードは、可聴音帯域の平均率音階の隙間を利用して送信されるため、ソース音が音楽系の場合には、サウンドコードの信号とソース音信号が重なることがないため、受信側でフィルタリングをかけることで簡単且つ確実にサウンドコードを分離・復元することが可能である。
【0058】
サウンドコードの受信を行いたい携帯電話の所有者は、携帯電話20上で、サウンドコードを受信するためのJAVA(登録商標)やBREW(登録商標)のアプリケーションを実行させることで、マイクロフォン21からサウンドコードを拾って、ディスプレイ22上に、発信された各種情報(メッセージ)を表示させることができる。サウンドコードの受信感度が低い場合には、スピーカー13に対してマイクロフォン21を向けるように携帯電話20の向きを変えたり、携帯電話20をスピーカー13に近付けたりすることで確実に受信できる。
【0059】
サウンドコードを用いて各種情報の発信をしていることに関しては、施設内の掲示板や音声アナウンス等で告知することで、施設を訪れた客に知らせておけば良い。また、予めサウンドコードが埋め込まれたアカペラのジングルを用意しておき、所定のタイミングで定期的にジングルを流すことにより、サウンドコードの存在の周知を図ることも可能である。サウンドコードのメッセージがURLである場合には、受信した客は携帯電話のインターネット接続機能を利用してホームページにアクセスすることで、さらなる情報を得ることができる。
【0060】
本実施形態に係る情報提供システムによれば、既存の設備等を利用して、低コストで、施設を訪れた客に対して各種情報を提供することができる。情報の受信端末としても、既存の携帯電話には会話用のマイクロフォンが内蔵されており、本情報提供システム用のアプリケーションを組み込むだけで、サウンドコードによる各種情報を受信することが可能である。
【0061】
なお、本実施形態では、説明を分かり易くするために、発信装置10のスピーカー13が一つの場合を例に挙げて説明したが、施設内の複数の場所でサウンドコードを受信させたい場合には、複数のスピーカーが設置されることになる。
【0062】
また、本実施形態では、発信したい場所に設置された発信装置によりサウンドコードを生成するように構成したが、予めサーバにアクセスする等してサウンドコードを作成しておき、現場に設置された発信装置は、予め作成されたサウンドコードを所定のタイミングで発信(再生)するだけにしても良い。
【0063】
なお、上述したように、実施形態は、ソース音が音楽系の場合に最も適しているが、ソース音が無い場合や、ソース音が自然系の音の場合にも適用できる。但し、ソース音が自然系の音であって、サウンドコードの発信周波数と重なるソース音がある場合には、サウンドコードの音圧レベルをソース音よりも10デシベル以上(好ましくは10〜15デシベル)にして発信すれば、受信側でも確実にサウンドコードを抽出・復元できる。
【0064】
続いて、本実施形態の変形例1について説明する。本実施形態では、サウンドコードをNRZ変調して送出するようにしたが、本変形例1では、差動位相偏移変調(DPSK:Differential Phase Shift Keying)によりアナログ変調を行う点が異なる。ここで、DPSK変調は、一つ前に送られてきた波の位相を基準に次の波の位相を検出する方式であるため、発信周波数をf0とすると、f0±1/2 f0、f0±1/3 f0、±1/4 f0の周波数をもった上側及び下側側波帯が発生することになる。
【0065】
したがって、NRZ変調の場合には、図5に示すようにサウンドコード信号の送信波と、ソース音の波とが重畳するが、DPSK変調の場合には、図8に示すように重畳することになる。ここで、図5と同様に、図8の横軸が周波数、縦軸が音圧を示し、太い矢印がサウンドコードの送信波、細い矢印がソース音を示している。
【0066】
したがって、DPSK変調を採用する場合には、発信周波数f0及びその側波帯が、図3に示した平均率音階の隙間に位置するように、f0を決定する必要がある。また、受信側のサウンドコード抽出回路では、発信周波数f0及びその側波帯f0±1/2 f0、f0±1/3 f0、±1/4 f0をフィルタリングして抜き出すことになる。
【0067】
続いて、本実施形態の変形例2について説明する。本実施形態では、受信側でFFT回路を使って、デジタル信号処理によりサウンドコードを抽出・復元するように構成したが、本変形例2では、コムフィルタ(櫛形フィルタ)を用いてアナログ処理によりサウンドコードを抽出する点が異なる。コムフィルタは、遅延回路を用いることで実現でき、FFTの場合と同様に、発信周波数f0及びその低調波f0±1/2 f0、f0±1/3 f0、±1/4 f0をフィルタリングして抜き出すように構成すれば良い。コムフィルタを用いれば、端末での演算処理に対する負荷を大幅に低減することができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。第1実施形態は、PCに接続されたスピーカーからサウンドコードを発信する構成の情報提供システムであったが、第2実施形態においては、テレビやラジオ放送等の公共放送にサウンドコード(音圧振動情報)を重畳させて放送し、放送電波を受信した受信機のスピーカーからサウンドコードが音圧振動として発信される構成である点が大きく異なる。以下、第1実施形態と共通する構成についての説明は省略し、異なる構成について詳細に説明する。
【0069】
図9は、第2実施形態に係る情報提供システム2の構成を概略的に示す図である。ここでは、ラジオ放送を例に挙げて説明する。同図に示すように情報提供システム2は、ラジオ番組の放送を行っている放送局60、放送電波を受信して再生し、放送電波に重畳されているサウンドコードを音圧振動として発信する放送受信機70、音圧振動を受信するための携帯電話20を備えている。
【0070】
放送局60は、放送電波を送信するための機材(不図示)及び送信アンテナ61を備えると共に、図示しないコードプロファイルを生成するためのシステムや、サウンドコードを生成して番組情報の電波に重畳させて放送するためのシステムをも備えている。また、放送受信機70は、放送電波を受信するためのアンテナ71及び放送番組の音声情報(及びサウンドコード)を再生するためのスピーカー72を備えている。
【0071】
このような構成の情報提供システム2において、まず、放送局60からサウンドコードが重畳された番組情報が放送される。コードプロファイルは、予めサウンドコードの発信を希望する情報提供者(広告主等)の要望に沿って作成されている。コードプロファイルを参照しながら、所定の発信のタイミング、音圧レベル、周波数等に基づいて生成されたサウンドコードが、番組情報信号(PAソース信号)に重畳され、送信アンテナ61から広域に放送される。
【0072】
サウンドコードが重畳された放送電波をアンテナ71から受信した放送受信機70は、番組の音声情報をスピーカー72から再生すると同時に、サウンドコードの音声情報もスピーカー72から再生、すなわち音圧振動として発信する。
【0073】
ここで、放送番組の中では、URL等のメッセージがサウンドコードとして重畳放送されている旨のアナウンスがなされている。メッセージを受信したい携帯電話20の所有者は、サウンドコードを受信するためのアプリケーションを起動させてから、携帯電話20のマイクロフォン21をスピーカー72に向けることで、マイクロフォン21を介してサウンドコードを携帯電話20に取り込ませることができる。取り込まれたサウンドコードは、携帯電話20内でデコードされ、サウンドコードのメッセージがディスプレイ22上に表示されることになる。また、予めサウンドコードが埋め込まれたアカペラのジングルを用意しておき、所定のタイミングで定期的にジングルを流すことにより、サウンドコードの存在の周知を図ることも可能である。
【0074】
以上、第2実施形態について詳細に説明したが、本実施形態によれば、第1実施形態による作用効果に加えて、公共放送を利用してサウンドコードを広域に放送し、放送を受信した受信機を介して、サウンドコードの音圧振動を多くの場所で発信することが可能である。また、既存の放送設備に、サウンドコードを重畳させるための簡単なシステムを追加するだけで良く、少ない設備投資で広域にサウンドコードを発信することができる。
【0075】
また、本実施形態によれば、番組の中で伝えきれない文字情報等を視聴者に伝えるために有効に利用することが可能である。また、視聴者に番組のホームページやスポンサーのホームページにアクセスし易くするために、URL情報をサウンドコードとして送れば、広告媒体として有効活用することもできる。
【0076】
なお、本実施形態では、情報提供システム2を地上波ラジオに適用した場合を例に挙げて説明したが、地上波テレビに適用しても良いし、地上波放送だけでなく、ケーブルテレビ等の有線放送、CS放送やBS放送等の衛星放送に適用しても良い。
【0077】
以上、第1及び第2実施形態に基づいて、本発明に係る情報提供システムについて説明したが、本情報提供システムによれば、サウンドコードの発信周波数として、発信周波数及びその低調波の周波数が平均率音階の各音の隙間に位置するような周波数を利用しているので、ソース音が音楽系の音であった場合には、サウンドコード信号の周波数とソース音の周波数とが重なることがなく、受信側で確実にサウンドコードを分離・復元することができる。
【0078】
なお、本発明の実施形態は、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変形が可能である。例えば、サウンドコードのフォーマット構造は、適宜変更可能であり、エラー訂正の方式や、符号化の方式も適宜自由に設定できることは言うまでもない。
【0079】
また、受信側の端末は携帯電話に限定されるものではなく、マイクロフォンを備えた端末であれば、どのような端末であっても良い。例えば、PDA、ICレコーダー、携帯ラジオ、携帯テレビ、ノートパソコン、ラジカセ、ゲーム機等であっても良い。また、本発明を適用するための専用端末を提供しても良い。
【0080】
また、受信側の端末は、ディスプレイを備えていない端末であっても、スピーカーを備えていれば良く、各種情報を音声で再生することで端末の所有者に知らせることができる。また、端末は携帯端末に限定されるものではなく、据え置き型の端末であっても良く、サウンドコードの音を拾うためのマイクロフォンを備えた端末であれば良い。
【0081】
また、コードプロファイルは、サーバにアクセスして作成するものに限定されず、ユーザのPC本体にコードプロファイルを作成するためのアプリケーションをインストールしておいて、PC本体を使って作成するように構成しても良い。また、予めコードプロファイルを作成するのではなく、サウンドコードを生成する際に、その場で各パラメータを設定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は第1実施形態に係る情報提供システムの構成を概略的に示す図である
【図2】図2は、サウンドコードを生成する機能を実現するための概念的な回路を示すブロックダイアグラムである。
【図3】図3は、平均率音階の各音の周波数を示す図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る発信周波数及びその低調波の周波数を示す図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係るサウンドコード信号とソース音の重畳の様子を示す図である。
【図6】図6は、サウンドコードのデータ構造を示す図である。
【図7】図7は、サウンドコードを受信する機能を実現するための概念的な回路を示すブロックダイアグラムである。
【図8】図8は、第1実施形態の変形例1に係るサウンドコード信号とソース音の重畳の様子を示す図である。
【図9】図9は、第2実施形態に係る情報提供システムの構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1,2 情報提供システム
10 発信装置
11 ディスプレイ
12 キーボード
13 スピーカー
14 PC本体
20 携帯電話
21 マイクロフォン
22 ディスプレイ
40 インターネット
50 サーバ
60 放送局
61 送信アンテナ
70 放送受信機
71 アンテナ
72 スピーカー
【0084】
101 A/D変換回路
102 フレーム分割回路
103 ピーク・アベレージ検出器
104 立ち上がり検出器
105 マスキング回路
106 コード生成回路
107 D/A変換回路
108 ローパスフィルター
109 加算回路
201 バンドパスフィルター
202 A/D変換回路
203 位相評価回路
204 サブサンプリング回路
205 ハミング窓回路
206 FFT回路
207 サウンドコード抽出回路
208 IFFT回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
符号化された各種情報を、可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信する発信装置と、
前記音圧振動を受信して復号化することで前記各種情報を復元する端末であって、前記発信装置の発信周波数、及びその低調波又は側波帯の周波数近傍をフィルタリングするフィルタリング手段を有する端末と、を備え、
前記発信装置から前記端末に対して、空気を媒体とした音として情報を伝達することを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記発振装置は、発信周波数、及びその低調波又は側波帯の周波数が、前記平均率音階の隙間の周波数であることを特徴とする請求項1記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記発振装置は、平均率音階の各音の隙間のうち中心側60%の周波数を利用して発信周波数とする装置であることを特徴とする請求項1又は2記載の情報提供システム。
【請求項4】
情報提供システムにおいて端末に対して各種情報を発信するための発信装置であって、
各種情報を符号化するための演算手段と、
前記符号化された各種情報を、可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信するためのスピーカーと、を備え、前記端末に対して、空気を媒体とした音として情報を伝達することを特徴とする発信装置。
【請求項5】
端末に対して各種情報を提供する情報提供方法であって、
各種情報を符号化する符号化工程と、
前記符号化された各種情報を、可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信する発信工程と、
端末において前記音圧変動を受信する受信工程と、
端末において前記発信工程の発信周波数、及びその低調波又は側波帯の周波数近傍をフィルタリングしながら前記音圧振動を復号化して、前記各種情報を復元する復元工程と、を備えることを特徴とする情報提供方法。
【請求項6】
テレビやラジオ等の放送を行う放送設備であって、
各種情報を符号化して放送信号に重畳させるための演算手段と、
前記放送信号を電波として送信するための送信アンテナと、を備え、
前記符号化された各種情報が重畳された放送信号は、放送受信機に受信されて再生されるときに、前記放送信号に重畳されている符号化された各種情報が、放送受信機のスピーカーから可聴音域のうち平均率音階の各音の隙間の周波数を利用する音圧振動に変換して発信されるように構成された信号であることを特徴とする放送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−129078(P2008−129078A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310497(P2006−310497)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(502441950)株式会社フィールドシステム (4)