説明

情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法

【課題】情報が提供されるユーザの利便性を向上する。
【解決手段】情報提供装置4は、提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体6に書き込む書込部22と、情報を提供する際に操作される操作部15とを有する。書込部22は、操作部15が操作される前に、提供に係る情報を記録媒体6に予め書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにより利用可能な情報を提供する情報提供装置、情報提供システム、情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータシステムの発展により、あらゆるコンテンツ、情報が電子化されつつある。
たとえば映画、放送番組などは動画データとしてデジタルデータ化され、音楽なども音声データとしてデジタル化されている。
また、新聞、雑誌なども電子データ化されつつある。
【0003】
そして、ユーザは、このようなコンテンツデータやコンピュータで利用するプログラムを入手するために、これらの電子データが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスクなどの記録媒体を購入している。または、ユーザは、これらの電子データをインターネットからダウンロードしている。
また、ユーザは、入手した記録媒体または電子データを、コンピュータ、再生装置、携帯機器などの装置で利用する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4320842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、DVD、ブルーレイディスクなどの記録媒体を購入する場合、ユーザは、その記録媒体が販売されている店舗へわざわざ出向く必要がある。そして、所望の記録媒体が売り切れている場合もある。この場合、ユーザは、その店舗に発注し、記録媒体が届くまで待たなければならない。また、ユーザは、何度も店舗に足を運ばなくてはならない。
インターネットからの電子データのダウンロードは、記録媒体を店舗で購入する場合に比べて手軽である。しかしながら、手軽であると言っても、ユーザは、インターネット上での購入後に、電子データがダウンロードされることを待たなければならない。また、ダウンロードした電子データをユーザが使用する他の電子機器で利用する場合には、ユーザは、ダウンロードした電子データを記録媒体に書き込む必要がある。
そして、映画のタイトルなどは、コンテンツサイズが大きいため、膨大なデータ量の電子データとなる。この場合、電子データの書込みには、たとえば40分から1時間程度の時間が必要になる。
【0006】
このように情報が提供されるユーザの利便性を向上することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点の情報提供装置は、提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体に書き込む書込部と、情報を提供する際に操作される操作部とを有する。そして、書込部は、操作部が操作される前に、提供に係る情報を記録媒体に予め書き込む。
【0008】
第1の観点では、操作部が操作される前に、提供に係る情報が記録媒体に予め書き込まれる。
よって、ユーザは、操作部を操作して、所望の情報を記録媒体により受け取ることができる。
【0009】
本発明の第2の観点の情報提供システムは、提供に係る情報を記録媒体に記録して提供する情報提供装置と、情報提供装置と通信して、情報提供装置から提供する情報を情報提供装置へ送信する情報源装置とを有する。情報提供装置は、提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体に書き込む書込部と、情報を提供する際に操作される操作部とを有する。そして、書込部は、操作部が操作される前に、提供に係る情報を記録媒体に予め書き込む。
【0010】
本発明の第3の観点の情報提供方法は、提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体に書き込む書込部と、情報を提供する際に操作される操作部とを有する情報提供装置により情報を提供するために、操作部が操作される前に、書込部が、提供に係る情報を記録媒体に予め書き込むステップと、操作部が操作された場合に、情報が書き込まれた記録媒体を提供するステップとを有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、情報が提供されるユーザの利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る情報提供システムの概略の全体構成図である。
【図2】図2は、図1のキオスク端末の外観の一例の説明図である。
【図3】図3は、図2のキオスク端末に内蔵される電子回路の説明図である。
【図4】図4は、コンテンツデータの更新処理の一例のフローチャートである。
【図5】図5は、コンテンツ販売処理の一例のフローチャートである。
【図6】図6は、図2のキオスク端末における販売処理の模式的な説明図である。
【図7】図7は、半導体メモリ交換後のデータ更新処理の一例のフローチャートである。
【図8】図8は、予約要求受信時のデータ更新処理の一例のフローチャートである。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態の半導体メモリのデータ構造の一例の説明図である。
【図10】図10は、第2実施形態のコンテンツ販売処理の一例のフローチャートである。
【図11】図11は、第2実施形態のキオスク端末の販売処理の模式的な説明図である。
【図12】図12は、本発明の第3実施形態の半導体メモリのデータ構造の一例の説明図である。
【図13】図13は、第3実施形態のコンテンツ販売処理の一例のフローチャートである。
【図14】図14は、第3実施形態のキオスク端末の販売処理の模式的な説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に関連付けて説明する。
説明は以下の順に行う。
1.第1実施形態(各半導体メモリに予めコンテンツデータを書き込む情報提供システム1の例。)
2.第2実施形態(予め書き込んだコンテンツデータを提供時に削除する情報提供システム1の例。)
3.第3実施形態(交換時にライセンスデータを書き込む情報提供システム1の例。)
【0014】
<1.第1実施形態>
本発明の第1実施形態は、キオスク端末4において半導体メモリ6に予め書き込んだ動画などのコンテンツデータをユーザへ提供する情報提供システム1の例である。第1実施形態は、各半導体メモリ6にコンテンツデータを1つずつ書き込む例である。
【0015】
[情報提供システム1の構成と全体的な動作]
図1は、第1実施形態に係る情報提供システム1の概略の全体構成を示す図である。
図1の情報提供システム1は、複数のコンテンツサーバ装置2、管理サーバ装置3、および複数のキオスク端末4が共通の通信ネットワーク5に接続されている。
具体的には、図1には、第1コンテンツサーバ装置2−1、第2コンテンツサーバ装置2−2、第1キオスク端末4−1から第nキオスク端末4−nが図示されている。
キオスク端末4には、ユーザへ情報を提供するために利用する半導体メモリ6を複数枚収容可能である。
また、図1には、通信ネットワーク5に接続され、ユーザが使用する携帯電話機7と無線通信する基地局8も図示されている。
【0016】
通信ネットワーク5は、たとえばインターネット、電話回線網、無線通信網などのデータ通信可能な通信網であればよい。
なお、通信ネットワーク5は、複数の通信網をプロトコル変換装置などにより相互接続したものであってもよい。
また、通信ネットワーク5は、一部に放送網などの一方向のデータ通信が可能な通信網が含まれていてもよい。
【0017】
第1コンテンツサーバ装置2−1、第2コンテンツサーバ装置2−2などのコンテンツサーバ装置2は、動画などのコンテンツデータを記憶する。
コンテンツサーバ装置2は、通信ネットワーク5から送信要求を受信すると、要求に係るコンテンツデータを通信ネットワーク5へ送信する。
なお、各コンテンツサーバ装置2は、たとえば放送局、新聞社、通信社、映画配給会社、ビデオ配給会社などの、各々のコンテンツデータについての配信権利を有する会社などにより各々管理運営されればよい。
【0018】
管理サーバ装置3は、複数のキオスク端末4による情報提供サービスの管理情報を有する。
このような管理情報としては、たとえばキオスク端末4により提供可能なコンテンツのリスト(コンテンツリスト)などがある。これらの管理情報は、管理サーバ装置3においてデータ化されて記憶される。
管理サーバ装置3は、通信ネットワーク5を通じて管理情報を周期的に複数のキオスク端末4へ送信する。
また、管理サーバ装置3は、各コンテンツサーバ装置2などから提供されるコンテンツ情報に基づいて、コンテンツリストを更新する。
これにより、各キオスク端末4は、提供可能なコンテンツデータのリストを取得する。
【0019】
半導体メモリ6には、たとえばメモリースティック(登録商標)カード、SDカードなどがある。
これらの半導体メモリ6は、情報(データ)を再書込み可能である。
また、書き込まれた情報(データ)は、不揮発的に半導体メモリ6に保存される。
【0020】
第1キオスク端末4−1、第nキオスク端末4−nなどのキオスク端末4には、ユーザへ情報を提供するために利用する半導体メモリ6を複数枚収容可能である。
そして、キオスク端末4は、周期的に、コンテンツリストから複数のコンテンツデータを選択し、コンテンツサーバ装置2から各コンテンツデータをダウンロードする。
キオスク端末4は、ダウンロードした複数のコンテンツデータを複数の半導体メモリ6に書き込む。
キオスク端末4は、この予め半導体メモリ6に書き込んだコンテンツデータを、ユーザが使用していた別の半導体メモリ6uと交換に、ユーザへ提供する。
【0021】
このようにキオスク端末4は、ユーザが使用していた別の半導体メモリ6uと交換に、新たなコンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6をユーザへ提供する。
これにより、ユーザは、常に1枚の半導体メモリ6の提供により、随時新しいコンテンツデータの提供を受けることができる。ユーザからすれば、半導体メモリ6の枚数が増えたりしないので、コンテンツデータのみの提供を継続的に受けていることになる。
また、キオスク端末4には、交換により新たな半導体メモリ6が追加補充されるので、常に一定数の半導体メモリ6によりユーザへ情報を提供することが可能になる。
【0022】
また、キオスク端末4は、周期的なコンテンツデータの更新処理により、複数の動画などのコンテンツデータを複数の半導体メモリ6に書き込む。
このため、通常は、ユーザがコンテンツデータの提供を受けるためにキオスク端末4を操作するときには、予め所望のコンテンツデータが半導体メモリ6に書き込まれた状態となっている。
ユーザは、キオスク端末4において待つことなく、所望のコンテンツデータの提供を受けることが可能である。
【0023】
なお、複数のキオスク端末4は、たとえば駅、デパートなどの商業施設、高速道路のサービスエリア、空港、書店、レコード店、ビデオ店、喫茶店などの店舗、店先に設置されればよい。
【0024】
[キオスク端末4の構成と制御]
図2は、図1のキオスク端末4の外観の一例の説明図である。
図2のキオスク端末4は、略箱型のハウジング11を有する。
ハウジング11の前面上部には、コンテンツを選択するための表示部14と操作部15とが配置される。
ハウジング11の前面下部には、半導体メモリ6を個別に収容する複数の収容部12が二列に配置されている。
各収容部12は、蓋を有する。この蓋を開けることにより、ユーザは、収容部12から半導体メモリ6を取り出したり、使用していた半導体メモリ6を収容部12に入れることができる。
複数の半導体メモリ6は、個別に出し入れ可能になっている。
【0025】
図3は、図2のキオスク端末4に内蔵される電子回路の説明図である。
図3のキオスク端末4の電子回路は、通信部(COM)13、表示部(DISP)14、操作部(KEY)15、タイマ(TMR)16を有する。また、電子回路は、CPU(Central Processing Unit)17、メモリ(MEM)18、入出力部(I/O)19、およびこれらを接続するシステムバス20を有する。
入出力部19には、複数のリーダライタ21が接続される。
【0026】
通信部13は、ネットワークカードなどである。通信部13は、通信ネットワーク5に接続される。
通信部13は、CPU17の制御の下、通信ネットワーク5に対応する所定の通信プロトコルにより通信データを送受する。通信プロトコルには、TCP/IPプロトコルなどがある。
なお、通信部13は、通信ネットワーク5との間で無線通信により通信データを送受してもよい。
これにより、通信部13は、管理サーバ装置3からコンテンツデータのリストを受信し、コンテンツサーバ装置2からコンテンツデータを受信する。
通信部13は、受信した通信データをCPU17へ出力する。
【0027】
表示部14は、たとえば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどである。
表示部14は、CPU17の制御の下、キオスク端末4において提供可能なコンテンツを表示する。
表示部14は、たとえばキオスク端末4が半導体メモリ6に予め記録したコンテンツのリストを表示する。
表示部14は、管理サーバから受信したコンテンツリストを表示してもよい。
【0028】
操作部15は、ユーザにより操作される複数の操作キーを有する。
操作キーは、たとえばテンキー、決定キー、方向キーである。
操作部15は、ユーザにより操作された操作キーに対応する入力信号をCPU17へ出力する。
【0029】
タイマ16は、時刻、経過時間などの時間を計測する。
タイマ16は、CPU17の制御の下、計測した時間情報をCPU17へ出力する。
【0030】
リーダライタ21には、半導体メモリ6が取外し可能に挿入される。
リーダライタ21は、入出力部19に接続される。
入出力部19は、システムバス20に接続されたCPU17と複数のリーダライタ21との間のデータ授受を実現する入出力ポートとして機能する。
リーダライタ21は、CPU17の制御の下、半導体メモリ6にデータを書き込む。
リーダライタ21は、半導体メモリ6からデータを読み出し、CPU17へ出力する。
リーダライタ21は、半導体メモリ6に記憶されているデータを消去する。
【0031】
メモリ18は、たとえばハードディスクドライブ、半導体メモリ6などである。
メモリ18は、キオスク端末4の動作を制御するブログラム、そのプログラムの実行に必要となる各種のデータを記憶する。たとえばコンテンツリスト、メディアリストなどである。
メモリ18は、通信ネットワーク5からダウンロードしたコンテンツデータを記憶する。
【0032】
CPU17は、メモリ18からプログラムを読み込んで実行する。
これにより、CPU17に、制御部22が実現される。
【0033】
制御部22は、システムバス20に接続された各部の動作を制御し、キオスク端末4を制御する。
たとえば、制御部22は、キオスク端末4に挿入されている複数の半導体メモリ6のコンテンツデータを周期的に更新する。
また、制御部22は、ユーザにより新たなコンテンツデータの提供が要求された場合、当該ユーザが使用していた半導体メモリ6と交換に提供する処理を実行する。
【0034】
図4は、コンテンツデータの更新処理の一例のフローチャートである。
制御部22は、図4のコンテンツデータの更新処理を、たとえば数時間毎に定期的に実行する。
この更新周期は、1日に1回であってもよいが、好適には、朝、昼、夕方、夜、深夜などの1日を複数の時間帯に分けた各時間帯毎に実行するとよい。
これにより、駅などの利用者の変化に応じて最適なコンテンツデータを提供することが可能になる。
【0035】
図4において、制御部22は、まず、キオスク端末4に収容されている半導体メモリ6の確認処理を実行する(ステップST1)。
この確認処理により、制御部22は、複数のリーダライタ21にアクセスし、キオスク端末4に収容されている半導体メモリ6の枚数、利用可能な半導体メモリ6の枚数などを把握する。
【0036】
次に、制御部22は、メディアリストを生成する(ステップST2)。
メディアリストは、メモリ18に記憶される。
メディアリストには、利用可能な半導体メモリ6が登録される。
メディアリストには、各半導体メモリ6の情報として、たとえば各々に固有の識別情報、各々に記録されているコンテンツデータの情報が登録される。
制御部22は、このメディアリストに基づいて、ユーザの提供要求時に即座に提供可能な半導体メモリ6を判断することができる。
【0037】
次に、制御部22は、ダウンロード可能なコンテンツデータのリストであるコンテンツリストを取得する(ステップST3)。
コンテンツリストが予めメモリ18に登録されている場合には、メモリ18からダウンロード可能リストを読み込む。
メモリ18に登録されていない場合、制御部22は、リクエストを通信部13へ出力する。通信部13は、そのリクエストを通信ネットワーク5を介して管理サーバ装置3へ送信する。また、通信部13は、管理サーバ装置3から最新のコンテンツリストを受信する。コンテンツリストは、メモリ18に保存される。
これにより、制御部22は、最新のコンテンツリストを取得できる。
【0038】
次に、制御部22は、コンテンツリストの中から、ダウンロードするデータを選択する(ステップST4)。
たとえば、制御部22は、キオスク端末4の設置地域、時間帯、顧客情報、および販売状況などに基づいて利用者層を判断し、その利用者層に利用されると予想されるデータを選択する。
また、制御部22は、メディアリストに登録されている半導体メモリ6の枚数と同数のデータを選択する。
【0039】
次に、制御部22は、ダウンロード処理を実行する(ステップST5)。
制御部22は、選択した複数のコンテンツデータの送信要求を通信部13へ出力する。
通信部13は、その送信要求を、コンテンツの提供元のコンテンツサーバ装置2へ送信する。
通信部13は、コンテンツサーバ装置2からの要求に係るコンテンツデータを受信する。
コンテンツデータは、メモリ18に保存される。
【0040】
なお、制御部22は、ダウンロード処理に先立って、ダウンロードしようとしているコンテンツデータが既にメディアリストに登録されているか否かを判断してもよい。
そして、ダウンロードしようとしているコンテンツデータが既にメディアリストに登録されている場合、制御部22は、通信部13へコンテンツデータの送信要求を出力する替わりに、以下の処理を実行すればよい。
制御部22は、メディアリストに基づいて、選択したコンテンツデータを記憶する半導体メモリ6が挿入されているリーダライタ21を選択する。
制御部22は、入出力部19へコンテンツデータの読出し要求を出力する。
制御部22は、半導体メモリ6から読出したコンテンツデータをメモリ18に保存する。
これにより、リーダライタ21からのデータ読出し速度は通信速度より高速であるため、コンテンツテータのダウンロード時間を短縮できる。
【0041】
次に、制御部22は、半導体メモリ6のデータの更新処理を開始する。
制御部22は、半導体メモリ6毎にデータを更新する。
このため、制御部22は、まず、1個の半導体メモリ6を選択し、ダウンロードしたコンテンツデータを書き込む(ステップST6)。
また、制御部22は、半導体メモリ6に既存のコンテンツデータが記憶されている場合、その既存のコンテンツデータを削除する。
【0042】
次に、制御部22は、メディアリストの当該半導体メモリ6の情報を更新する(ステップST7)。
具体的には、メディアリストに登録されている当該半導体メモリ6のコンテンツデータを更新したコンテンツデータの情報に更新する。
【0043】
1つの半導体メモリ6の更新処理が完了すると、制御部22は、更新処理が完了したか否かを判断する(ステップST8)。
制御部22は、たとえばキオスク端末4に収容されているすべての半導体メモリ6に選択したすべてのコンテンツデータが格納されているか否かに基づいて、更新処理の完了を判断する。
【0044】
未処理のコンテンツデータが残っている場合、制御部22は、半導体メモリ6のデータの更新処理を継続する。
制御部22は、次の半導体メモリ6を選択し、当該半導体メモリ6のコンテンツデータをダウンロードした次のコンテンツデータにより更新する(ステップST6、ST7)。
【0045】
以上の処理を繰り返し、ダウンロードしたすべてのコンテンツデータが半導体メモリ6に記憶されると、制御部22は、半導体メモリ6の更新処理が完了したと判断する(ステップST8)。
これにより、制御部22は、図4のコンテンツデータの更新処理を終了する。
【0046】
なお、制御部22は、図4のコンテンツデータの更新処理中に、ユーザ操作による割り込み処理を受け付ける。
このような割り込みがあった場合、制御部22は、図4のコンテンツデータの更新処理を中断する。
そして、図4のコンテンツデータの更新処理では、複数の半導体メモリ6のコンテンツデータを1枚ずつ順番に更新し、かつ、その更新毎にメディアリストを更新している。
このため、たとえば半導体メモリ6の更新処理中に割り込みが発生したとしても、その更新途中の状態で複数の半導体メモリ6に記憶されたコンテンツデータにより情報を提供することができる。
また、制御部22は、ユーザの購入処理後に、図4のコンテンツデータの更新処理を中断時点から再開する。
これにより、所望のコンテンツデータの提供が可能となる。
【0047】
図5は、コンテンツ販売処理の一例のフローチャートである。
制御部22は、たとえばユーザ操作に基づく操作部15からの割り込みがあると、図5のコンテンツ販売処理を実行する。
【0048】
図5において、制御部22は、まず、利用可能リストを表示する(ステップST11)。
制御部22は、メモリ18からメディアリストを読み込んで、表示部14へ出力する。
これにより、表示部14には、キオスク端末4により即座に提供可能なコンテンツデータのリストが表示される。
【0049】
次に、操作部15からユーザ操作に基づく信号が入力されると、制御部22は、その入力信号が表示中のコンテンツの選択であるか否かを判断する(ステップST12)。
そして、たとえば表示切替である場合、制御部22は、メモリ18からコンテンツリストを読み込み、表示部14に表示させる(ステップST11)。
【0050】
また、操作部15からの入力信号が表示中のコンテンツの選択である場合、制御部22は、ユーザが選択したコンテンツデータの提供処理を実行する。
このコンテンツデータの提供処理において、制御部22は、まず、ユーザが使用していた半導体メモリ6がキオスク端末4に挿入されたか否かを判断する(ステップST13)。
ユーザが使用していた半導体メモリ6は、キオスク端末4の空き取出し口に入れられる。
これにより、新たな半導体メモリ6がリーダライタ21に接続される。
【0051】
新たな半導体メモリ6が検出されると、制御部22は、ユーザが選択したコンテンツデータが半導体メモリ6に予め書き込んであるか否かを判断する(ステップST14)。
たとえばユーザがメディアリストに基づいて選択している場合、制御部22は、ユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んであると判断する。
また、ユーザがコンテンツリストに基づいて選択している場合、制御部22は、ユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んでいないと判断する。
【0052】
ユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んであると判断すると、制御部22は、イジェクト処理を即座に実行する(ステップST15)。
これにより、ユーザは、所望のコンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6を即座に受け取ることができる。
次に、制御部22は、メディアリストから、イジェクト処理した半導体メモリ6を削除する(ステップST16)。
【0053】
また、ユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んでいない場合、制御部22は、そのユーザ選択コンテンツを、新たに挿入された半導体メモリ6(すなわち、ユーザが使用していた半導体メモリ6)へ書き込む(ステップST17)。
この際、メモリ18に当該コンテンツデータが無い場合、制御部22は、そのコンテンツデータをダウンロードし、半導体メモリ6に書き込む。
その後、制御部22は、イジェクト処理を実行する(ステップST15)。
これにより、ユーザは、所望のコンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6は、取り出し可能となる。
ユーザは、所望のコンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6を受け取ることができる。
次に、制御部22は、メディアリストから、イジェクト処理した半導体メモリ6を削除する(ステップST16)。
【0054】
[キオスク端末4による交換による販売処理の説明]
図6は、図2のキオスク端末4における販売処理の模式的な説明図である。
図6の説明図には、キオスク端末4とユーザとが図示されている。
また、図6において、時間は、上から下に経過している。
【0055】
ユーザ購入前に、キオスク端末4には、4枚の半導体メモリ6が格納されている。
4枚の半導体メモリ6の各々には、タイトルA、タイトルBが格納されている。
【0056】
このような状態で、ユーザがタイトルAの購入を選択し(ステップST21)、それまで使用していた別の半導体メモリ(User Media)6uをキオスク端末4に挿入する(ステップST22)。
これに応じて、キオスク端末4は、タイトルAが予め記録された半導体メモリ(Media 1)6をユーザへ提供する(ステップST23)。
【0057】
これにより、ユーザには、タイトルAのコンテンツデータが提供される。
また、ユーザが所持する半導体メモリ6は、別の半導体メモリ(User Media)6uから半導体メモリ(Media 1)6に変化しているものの、1枚のままである。
よって、実質的に、キオスク端末4は、ユーザに対してタイトルAのコンテンツデータのみを提供したことになる。
また、キオスク端末4では、新たに収容した別の半導体メモリ(User Media)6uに、販売したタイトルAを書き込む。
これにより、別の半導体メモリ(User Media)6uは、再利用される。
【0058】
[キオスク端末4のその他の制御]
次に、上述した以外のキオスク端末4の動作を説明する。
図7は、メディア交換後のデータ更新処理の一例のフローチャートである。
制御部22は、周期的にまたはユーザ購入処理後に、図7のデータ更新処理を実行する。
【0059】
図7において、制御部22は、まず、新規メディアの有無を確認する(ステップST31)。
制御部22は、たとえば、キオスク端末4に収容されている半導体メモリ6の確認処理を実行する。
また、制御部22は、メモリ18からメディアリストを読み込み、メディアリストに登録されていない半導体メモリ6の有無を確認する。
【0060】
次に、制御部22は、当該新規の半導体メモリ6に記憶させるコンテンツデータを選択する(ステップST32)。
制御部22は、たとえばメモリ18に記憶されているダウンロードされた複数のコンテンツデータのうち、メディアリストに登録されていないコンテンツデータを選択する。
【0061】
次に、制御部22は、選択したコンテンツデータを、新規の半導体メモリ6に書き込む(ステップST33)。
その後、制御部22は、メディアリストを更新し、新たにコンテンツデータを書き込んだ半導体メモリ6の情報を登録する(ステップST34)。
【0062】
図8は、予約要求受信時のデータ更新処理の一例のフローチャートである。
図8において、制御部22は、まず、予約情報を受信したか否かを判断する(ステップST41)。
制御部22は、たとえば通信部13が図1の基地局8を経由してユーザ端末からコンテンツデータの予約要求を受信すると、予約情報を受信したと判断する。
【0063】
次に、制御部22は、予約要求に係るコンテンツデータが既に書き込み済みであるか否かを判断する(ステップST42)。
制御部22は、たとえばメディアリストに、予約要求に係るコンテンツデータが含まれているか否かに基づいて判断する。
【0064】
予約要求に係るコンテンツデータが既に書き込み済みでない場合、制御部22は、当該コンテンツデータのダウンロード処理を開始する(ステップST43)。
また、制御部22は、複数の半導体メモリ6から1つを選択し(ステップST44)、ダウンロードしたコンテンツデータを書き込む(ステップST45)。
これにより、半導体メモリ6に予約要求に係るコンテンツデータが格納される。
【0065】
その後、制御部22は、予約設定を実行する(ステップST46)。
具体的には、制御部22は、たとえばメディアリストから当該半導体メモリ6の情報を削除する(ステップST47)。
または、制御部22は、たとえばメディアリストの当該半導体メモリ6の情報に、予約番号を追加する。予約番号が追加された半導体メモリ6は、表示部14に表示されないように制御される。
これにより、予約をしたユーザ以外は、当該半導体メモリ6によるコンテンツデータの提供を受けることができなくなる。
【0066】
また、予約をしたユーザは、図5の購入処理のステップST12において、予約したユーザを特定するための予約番号などを入力する。
制御部22は、入力された予約番号を確認すると、ユーザが使用していた半導体メモリ6の挿入を検出した後、イジェクト処理を実行する。
これにより、ユーザは、ユーザ端末を利用して予約したコンテンツデータを、キオスク端末4において即座に受け取ることができる。
【0067】
次に、図4のステップST4におけるダウンロードデータの選択処理について詳しく説明する。
【0068】
上述した説明では、制御部22は、キオスク端末4の設置地域、時間帯、顧客情報、および販売状況などに基づいて利用者層を判断し、その利用者層に利用されると予想されるデータをコンテンツリストから選択している。
このような選択を制御部22が実行するためには、コンテンツリストには、たとえば各コンテンツデータの利用者層、年齢層、内容、視聴制限などの情報が格納されていればよい。
また、メモリ18には、キオスク端末4の設置場所に関する情報が記録されていればよい。
【0069】
そして、具体的には、たとえば秋葉原などの特定の嗜好の人が集まる地域に設置されている場合、制御部22は、当該地域の利用者の特殊性を考慮してデータを選択する。
また、制御部22は、当該地域の利用者層の変化を時間帯などで予測し、更新するデータを選択する。
【0070】
また、郊外の住宅地の駅などに接地されている場合、制御部22は、細かい時間帯毎にデータを更新するとよい。
たとえば制御部22は、朝には朝刊やニュースのコンテンツデータを選択し、昼には、主婦向けのコンテンツデータを選択し、夕方には夕刊や学生向けのコンテンツデータを選択する。
また、制御部22は、平日には経済情報を優先的に選択し、週末はレジャー情報を優先的に選択する。
【0071】
この他にも例えば、制御部22は、映画や音楽などのコンテンツデータを優先する場合、ヒットチャートのトップテン情報などに基づいて、これらを優先的に選択してもよい。
また、制御部22は、所定の提携会社から薦められたコンテンツデータを優先的に選択してもよい。
このような選択を制御部22が実行するためには、コンテンツリストには、トップテン情報、推薦情報が格納されていればよい。
【0072】
また、制御部22は、広告、宣伝を選択してもよい。
制御部22は、広告、宣伝をすべての半導体メモリ6に記録してもよい。
この場合、制御部22は、例えば記録するコンテンツデータに関連する広告を選択するとよい。
このような選択を制御部22が実行するためには、コンテンツリストには、たとえば各コンテンツデータと関連づけて広告、宣伝のための情報の取得先データ(たとえばURLなど)が格納されていればよい。
この場合、制御部22は、コンテンツデータを取得するとともに、広告データを取得する。
【0073】
以上のように、第1実施形態では、ユーザが利用可能なコンテンツデータが半導体メモリ6に予め書き込まれて提供される。
ユーザは、ユーザ端末を利用して予約が可能である。
このため、ユーザは、キオスク端末4においてコンテンツデータが書き込まれる時間を待つ必要がない。
ユーザは、所望のコンテンツデータを、キオスク端末4において即座に且つ確実にレンタルまたは購入することができる。
また、半導体メモリ6は、複数のユーザの間で巡回して繰り返し利用される。
【0074】
また、第1実施形態では、予め準備されていないコンテンツデータについては、直ちにダウンロードして半導体メモリ6記録される。
よって、半導体メモリ6の不足による売り切れも発生しない。
また、半導体メモリ6の循環利用を妨げることなく、未準備のコンテンツデータについても、半導体メモリ6を使用して提供できる。
その結果、第1実施形態では、ユーザの利便性が格段に向上する。
【0075】
また、第1実施形態では、ユーザが利用を希望するコンテンツデータが予め書き込まれた半導体メモリ6は、ユーザが使用していた別の半導体メモリ6uと交換にユーザへ提供される。
よって、ユーザからすれば、コンテンツデータを利用する度に、新たな半導体メモリ6を購入する必要がなくなる。
ユーザは、あたかも、自ら所持していた半導体メモリ6に、希望するコンテンツデータが即座に書き込まれたかのような状態で、希望するコンテンツデータの提供を受けることができる。
また、半導体メモリ6を交換しているので、キオスク端末4には、常に一定数の半導体メモリ6が収容された状態に維持される。
よって、キオスク端末4は、その一定数の半導体メモリ6を用いて、コンテンツデータを継続的に提供することができる。
【0076】
また、第1実施形態では、キオスク端末4は、異なるコンテンツデータを複数の半導体メモリ6に書き込んでいる。
よって、ユーザは、利用可能な複数のコンテンツデータの中から、所望のコンテンツデータを選択することができる。ユーザに選択の機会が与えられる。
【0077】
また、第1実施形態では、複数の半導体メモリ6に予め書き込むコンテンツデータを、時間帯、地域などに応じて更新している。
よって、第1実施形態では、半導体メモリ6が再書込み可能であることを好適に利用して、半導体メモリ6を入れ替えることなく、提供するコンテンツデータを、動的に変化させることができる。
その結果、第1実施形態では、たとえば地域毎、時間帯毎に応じた売れ筋の情報を常に提供することができる。半導体メモリ6に情報が固定化されないことを好適に利用して、少ない半導体メモリ6の枚数で、より多くのコンテンツデータを提供できる。
【0078】
<2.第2実施形態>
本発明の第2実施形態は、キオスク端末4において各半導体メモリ6に予め複数の動画などのコンテンツデータ31を書き込み、提供時に不要なコンテンツデータ31を削除する情報提供システム1の例である。
第2実施形態の情報提供システム1の構成は、第1実施形態と同様である。
このため、第1実施形態と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
【0079】
図9は、第2実施形態において半導体メモリ6に書き込まれるデータの構造の一例の説明図である。
図9の半導体メモリ6は、第1コンテンツデータ31−1から第pコンテンツデータ31−pまでの複数のコンテンツデータ31を記憶する。
これら複数のコンテンツデータ31は、図4のコンテンツデータ31の更新処理において制御部22により書き込まれる。
このように各半導体メモリ6に複数のコンテンツデータ31を予め書き込むことにより、メディアリストに基づいて即時提供可能なコンテンツデータ31の数を増やすことができる。
【0080】
[キオスク端末4の構成と制御]
図10は、第2実施形態におけるコンテンツ販売処理の一例のフローチャートである。
制御部22は、たとえばユーザ操作に基づく操作部15からの割り込みがあると、図10のコンテンツ販売処理を実行する。
図10のステップST11からステップST14までの一連の処理は、第1実施形態の図5の処理と同様である。
そして、この一連の処理により、ユーザが所望のコンテンツデータ31を選択すると(ステップST12)、制御部22は、ユーザが使用していた半導体メモリ6がキオスク端末4に挿入されたか否かを判断する(ステップST13)。
また、制御部22は、メディアリストに基づいて、ユーザが選択したコンテンツデータ31が半導体メモリ6に予め書き込んであるか否かを判断する(ステップST14)。
【0081】
ユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んであると判断すると、制御部22は、当該半導体メモリ6を選択する。
また、制御部22は、ユーザにより選択されたコンテンツデータ31以外のコンテンツデータ31の削除処理を実行する(ステップST51)。
図9の半導体メモリ6であれば、たとえば第1コンテンツデータ31−1がユーザにより選択される。
この場合、制御部22は、第2コンテンツデータ31−2から第pコンテンツデータ31−pまでの複数のコンテンツデータ31を半導体メモリ6から削除する。
【0082】
その後、制御部22は、イジェクト処理を実行する(ステップST15)。
これにより、ユーザは、所望のコンテンツデータ31が書き込まれた半導体メモリ6を即座に受け取ることができる。
なお、イジェクト処理後の処理(ステップST16)およびユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込まれていない場合の処理(ステップST17)は、図5と同様であり、説明を省略する。
【0083】
[キオスク端末4による交換による販売処理の説明]
図11は、第2実施形態のキオスク端末4における販売処理の模式的な説明図である。
図11の説明図には、キオスク端末4とユーザとが図示されている。また、図11において、時間は、上から下に経過している。
【0084】
ユーザ購入前に、キオスク端末4には、3枚の半導体メモリ6が格納されている。
3枚の半導体メモリ6の各々には、タイトルAからCの3個のコンテンツデータ31が格納されている。
【0085】
このような状態で、ユーザがタイトルAの購入を選択し(ステップST61)、それまで使用していた別の半導体メモリ(User Media)6uをキオスク端末4に挿入する(ステップST62)。
これに応じて、キオスク端末4は、タイトルAが予め記録された1枚の半導体メモリ(Media 1)6を選択し、当該半導体メモリ6からタイトルB,Cを削除する。
その後、キオスク端末4は、タイトルB,Cを削除した半導体メモリ6(Media 1)をユーザへ提供する(ステップST63)。
【0086】
これにより、ユーザには、タイトルAのコンテンツデータ31が提供される。
また、ユーザが所持する半導体メモリ6は、別の半導体メモリ(User Media)6uから半導体メモリ(Media 1)6に変化しているものの、1枚のままである。
よって、実質的に、キオスク端末4は、ユーザに対してタイトルAのコンテンツデータ31のみを提供したことになる。
また、キオスク端末4では、新たに収容した別の半導体メモリ(User Media)6uに、タイトルAからCを書き込む。
これにより、別の半導体メモリ(User Media)6uは、再利用される。
【0087】
以上のように、第2実施形態では、半導体メモリ6に書き込まれた不要なコンテンツデータ31を削除して、当該半導体メモリ6を提供している。
一般的に、半導体メモリ6の書込み時間は長いのに対し、消去時間は短い。
よって、第2実施形態では、この半導体メモリ6の特性を好適に生かして、ユーザに長い待ち時間を発生させることなく、半導体メモリ6より多い数のコンテンツデータ31を提供できる。
【0088】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、キオスク端末4において各半導体メモリ6に予め複数の動画などのコンテンツデータ41を書き込み、提供時に必要なライセンスデータ42を書き込む情報提供システム1の例である。
第3実施形態の情報提供システム1の構成は、第1実施形態と同様である。
このため、第1実施形態と同じ符号を使用し、詳細な説明を省略する。
【0089】
図12は、本発明の第3実施形態において半導体メモリ6に書き込まれるデータの構造の一例の説明図である。
図12の半導体メモリ6は、第1コンテンツデータ41−1から第pコンテンツデータ41−pまでの複数のコンテンツデータ41を記憶する。
また、各コンテンツデータ41に対応する第1ライセンスデータ42−1から第pライセンスデータ42−pを記憶可能である。
各コンテンツデータ41は、対応するライセンスデータ42が書き込まれていない場合、再生可能とならない。
【0090】
このようなコンテンツデータ41としては、たとえばMemory StickTM Secure Video File Formatによる動画データがある。
また、コンテンツデータ41は、EMPR(Embedded Memory with Playback and Recording Function System)のフォーマットによる動画データでもよい。
これらの規格では、著作権保護のためのライセンス管理データが、暗号化された動画データとは別のファイルとして管理される。
ライセンス管理データのサイズは、数kB程度である。
【0091】
これら複数のコンテンツデータ41は、図4のコンテンツデータ41の更新処理において制御部22により書き込まれる。
このように各半導体メモリ6に複数のコンテンツデータ41を予め書き込むことにより、メディアリストに基づいて即時提供可能なコンテンツデータ41の数を増やすことができる。
【0092】
[キオスク端末4の構成と制御]
図13は、第3実施形態におけるコンテンツ販売処理の一例のフローチャートである。
制御部22は、たとえばユーザ操作に基づく操作部15からの割り込みがあると、図13のコンテンツ販売処理を実行する。
図13のステップST11からステップST14までの一連の処理は、第1実施形態の図5の処理と同様である。
そして、この一連の処理により、ユーザが所望のコンテンツデータ41を選択すると(ステップST12)、制御部22は、ユーザが使用していた半導体メモリ6がキオスク端末4に挿入されたか否かを判断する(ステップST13)。
また、制御部22は、メディアリストに基づいて、ユーザが選択したコンテンツデータ41が半導体メモリ6に予め書き込んであるか否かを判断する(ステップST14)。
【0093】
ユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んであると判断すると、制御部22は、当該半導体メモリ6を選択する。
また、制御部22は、ユーザにより選択されたコンテンツデータ41についてのライセンスデータ42を当該半導体メモリ6に書き込む(ステップST71)。
【0094】
一般的にライセンスデータ42のデータ量は、コンテンツデータ41のデータ量より格段に少ない。
よって、このライセンスデータ42の書込み処理は、直ちに終了する。
【0095】
図12の半導体メモリ6において、たとえば第1コンテンツデータ41−1がユーザにより選択される。
この場合、制御部22は、第1ライセンスデータ42−1を半導体メモリ6に書き込む。
また、制御部22は、第2ライセンスデータ42−2から第pライセンスデータ42−pまでの複数のライセンスデータ42を書き込まない。
【0096】
その後、制御部22は、イジェクト処理を実行する(ステップST15)。
これにより、ユーザは、所望のコンテンツデータ41が書き込まれた半導体メモリ6を即座に受け取ることができる。
なお、イジェクト処理後の処理(ステップST16)およびユーザ選択コンテンツが半導体メモリ6に予め書き込んでいない場合の処理(ステップST17)は、図5と同様であり、説明を省略する。
ただし、ステップST17では、ユーザが使用していた半導体メモリ6に、コンテンツデータ41およびそのライセンスデータ42を書き込む。
【0097】
[キオスク端末4による交換による販売処理の説明]
図14は、第3実施形態のキオスク端末4における販売処理の模式的な説明図である。
図14の説明図には、キオスク端末4とユーザとが図示されている。また、図14において、時間は、上から下に経過している。
【0098】
ユーザ購入前に、キオスク端末4には、3枚の半導体メモリ6が格納されている。
3枚の半導体メモリ6の各々には、タイトルAからCの3個のコンテンツデータ41が格納されている。
【0099】
このような状態で、ユーザがタイトルAの購入を選択し(ステップST81)、それまで使用していた別の半導体メモリ(User Media)6uをキオスク端末4に挿入する(ステップST82)。
これに応じて、キオスク端末4は、タイトルAが予め記録された1枚の半導体メモリ(Media 1)6を選択し、当該半導体メモリ6にタイトルAのライセンスデータ42を書き込む。
これにより、当該半導体メモリ6において、タイトルAは再生可能となる。
その後、キオスク端末4は、タイトルAを再生可能とした半導体メモリ(Media 1)6をユーザへ提供する(ステップST83)。
【0100】
これにより、ユーザには、タイトルAのコンテンツデータ41が再生可能な状態で提供される。
また、ユーザが所持する半導体メモリ6は、別の半導体メモリ(User Media)6uから半導体メモリ(Media 1)6に変化しているものの、1枚のままである。
よって、実質的に、キオスク端末4は、ユーザに対してタイトルAのコンテンツデータ41のみを提供したことになる。
また、キオスク端末4では、新たに収容した別の半導体メモリ(User Media)6uに、タイトルAからCを書き込む。
これにより、別の半導体メモリ(User Media)6uは、再利用される。
【0101】
また、第3実施形態では、ユーザへ提供された半導体メモリ6に、再生可能でないコンテンツデータ41(たとえばタイトルB,Cのコンテンツデータ41)が残存している。
この場合、ユーザは、インターネットに接続された再生装置において再生する際に、残存するコンテンツデータ41についてのライセンスを事後的に取得することで、再生することができる。コンテンツデータ41自体をダウンロードする必要がない。
【0102】
以上のように、第3実施形態では、半導体メモリ6の提供時に、ライセンスデータ42を書き込んでいる。
一般的に、ユーザが利用する動画などのコンテンツデータ41のデータ量は多いのに対し、そのライセンスデータ42のデータ量は少ない。
よって、第3実施形態では、このデータ量の違いを好適に利用して、ユーザに長い待ち時間を発生させることなく、半導体メモリ6より多い数の情報を提供できる。
【0103】
なお、上述した各実施形態の制御は、1つのキオスク端末4で利用されてもよい。
上述した各実施形態の制御は、1つのキオスク端末4において適宜切り替えて利用されてもよい。
【0104】
たとえば、第3実施形態のように半導体メモリ6に追加のライセンスデータ42を必要とする余分なコンテンツデータ41(たとえばタイトルB,Cのコンテンツデータ)が存在する場合に、制御部22は、その一部について削除してもよい。
また、制御部22は、余分なコンテンツデータ41のすべてを削除してもよい。
【0105】
また、ユーザが複数のコンテンツを選択し、そのすべてが合致するデータが予め記録された半導体メモリ6が無い場合、制御部22は、不足しているコンテンツデータ41を追加書き込みしてもよい。
また、制御部22は、提供する半導体メモリ6に記録されているコンテンツデータ41に関連する他のコンテンツデータを追加書込みしてもよい。
また、制御部22は、ユーザが使用していた半導体メモリ6uのコンテンツデータ41を、新たに提供する半導体メモリ6uへコピーまたは移動してもよい。
【0106】
以上の実施形態は、本発明の好適な実施形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形または変更が可能である。
【0107】
たとえば上記実施形態の情報提供システム1では、ユーザが使用していた半導体メモリ6と交換で、新たなコンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6を提供している。
この他にもたとえば、情報提供システム1は、ユーザが使用していた半導体メモリ6が無い場合でも、有償などにより、コンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6を提供してもよい。
【0108】
上記実施形態では、ユーザは、1個のコンテンツデータを選択している。
この他にもたとえば、ユーザは、1回の提供において、複数個のコンテンツデータを選択してもよい。
【0109】
上記実施形態では、ユーザが使用していた1枚の半導体メモリ6と交換で、新たなコンテンツデータが書き込まれた1枚の半導体メモリ6を提供している。
この他にもたとえば、ユーザが使用していた半導体メモリ6と、新たなコンテンツデータが書き込まれた半導体メモリ6とは、1対多、多対1、多対多の対応関係で交換されてもよい。
これにより、半導体メモリ6の容量により制限されることなく、複数のコンテンツデータを一度に提供することが可能になる。
【0110】
上記実施形態では、半導体メモリ6を情報提供用のメディアに利用している。
この他にもたとえば、CD−RW、DVD−RWなどの再書込み可能な光メディア、1回のみの書込みが可能な光メディアなどを、情報提供用のメディアとして利用してもよい。
【0111】
上記実施形態では、主に動画データなどのコンテンツデータを提供する場合について説明している。
この他にもたとえば情報提供システム1は、動画以外の静止画、楽曲などのコンテンツデータ、コンピュータに実行されるプログラムを提供してもよい。
また、情報提供システム1は、電子化された広告データ、新聞、雑誌などの定期配信される記事データ、放送番組データを提供してもよい。
また、情報提供システム1は、SMS(Short Message Service)などのメッセージの蓄積データ、特定サイトのウェブページの更新データ、電子化された公共サービスの申込書データなどを提供してもよい。
これらの情報を一元的に提供することにより、高い利便性が得られる。
【0112】
上記実施形態では、通信ネットワーク5を介してダウンロードしたコンテンツデータを、半導体メモリ6に記録している。
この他にもたとえば、キオスク端末4において読取可能な記録媒体に記録されたコンテンツデータを、半導体メモリ6に記録してもよい。
【0113】
上記実施形態のキオスク端末4は、半導体メモリ6などのメディアを用いてコンテンツデータなどの情報を提供する情報提供装置である。
そして、キオスク端末4は、駅などの公共地域に設置されている。
この他にも例えば、情報提供装置は、電車、バスなどの移動する車両内、一般家庭などに設置されてもよい。
【符号の説明】
【0114】
1…情報提供システム、2…コンテンツサーバ装置(情報源装置)、4…キオスク端末(情報提供装置)、6…半導体メモリ(記録媒体)、12…収容部、13…通信部(情報取得部、通信部)、15…操作部、22…制御部(書込部、制御部)、31,41…コンテンツデータ(情報)、42…ラインセンス情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体に書き込む書込部と、
前記情報を提供する際に操作される操作部と
を有し、
前記書込部は、
前記操作部が操作される前に、提供に係る前記情報を前記記録媒体に予め書き込む
情報提供装置。
【請求項2】
情報の提供に用いる複数の前記記録媒体を収容可能な収容部を有し、
前記収容部は、
使用済みの別の記録媒体を収容した場合に、前記情報が予め書き込まれた前記記録媒体を提供する
請求項1記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記操作部に対する操作がなされた場合に、前記複数の記録媒体による情報の提供を制御する制御部を有し、
前記書込部は、
前記複数の記録媒体に異なる複数の情報を予め書き込み、
前記制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、前記書込部が書き込んだ複数の情報から情報を選択し、
当該選択した情報が書き込まれた記録媒体を選択し、
当該選択した記録媒体を前記収容部から提供する
請求項2記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記操作部に対する操作がなされた場合に、前記複数の記録媒体による情報の提供を制御する制御部を有し、
前記書込部は、
前記複数の記録媒体の各々に、複数の情報を予め書き込み、
前記制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、前記書込部が書き込んだ複数の情報から情報を選択し、
当該選択した情報が書き込まれた記録媒体を選択し、
当該選択した記録媒体から選択されていない情報を削除し、
削除後の前記記録媒体を前記収容部から提供する
請求項2記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記操作部に対する操作がなされた場合に、前記複数の記録媒体による情報の提供を制御する制御部を有し、
前記書込部は、
前記複数の記録媒体に、情報毎のライセンス情報が前記記録媒体に追加記録されることにより利用可能となる情報を予め書き込み、
前記制御部は、
前記操作部の操作に基づいて、前記書込部が書き込んだ複数の情報から情報を選択し、
当該選択した情報が書き込まれた記録媒体を選択し、
当該選択した記録媒体に、選択した情報のラインセンス情報を書き込み、
当該選択した記録媒体を前記収容部から提供する
請求項2記載の情報提供装置。
【請求項6】
提供に係る情報を取得する情報取得部を有し、
前記記録媒体は、再書込み可能であり、
前記情報取得部は、
当該情報提供装置の設置地域、時間帯、顧客情報、および販売状況の少なくとも1つの条件に応じて、繰り返し情報を取得し、
前記書込部は、
前記情報取得部により新たな情報が取得された場合、当該新たに取得された情報により前記記録媒体の情報を更新する
請求項1から5のいずれか一項記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記記録媒体により情報が提供されるユーザが利用するユーザ端末と通信可能な通信部を有し、
前記書込部は、
前記通信部が情報提供の要求を受信した場合、前記操作部に対する操作がされていない状況において、前記記録媒体に、要求に係る情報を予め書き込む
請求項1から6のいずれか一項記載の情報提供装置。
【請求項8】
使用済みの前記別の記録媒体は、再書込み可能であり、
前記制御部は、
前記収容部に収容されている前記記録媒体に、選択した情報が予め書き込まれていない場合、交換により前記収容部に新たに収容された前記別の記録媒体に、当該情報を書き込み、
前記別の記録媒体を前記収容部から再提供する
請求項3から5のいずれか一項記載の情報提供装置。
【請求項9】
使用済みの前記別の記録媒体は、再書込み可能であり、
前記書込部は、
交換により前記収容部に新たに収容された前記別の記録媒体に、予め情報を書き込み、
前記別の記録媒体を含む複数の記録媒体により情報を提供する
請求項2記載の情報提供装置。
【請求項10】
提供に係る情報を記録媒体に記録して提供する情報提供装置と、
前記情報提供装置と通信して、前記情報提供装置から提供する情報を前記情報提供装置へ送信する情報源装置と
を有し、
前記情報提供装置は、
提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体に書き込む書込部と、
前記情報を提供する際に操作される操作部と
を有し、
前記書込部は、
前記操作部が操作される前に、提供に係る前記情報を前記記録媒体に予め書き込む
情報提供システム。
【請求項11】
提供に係る情報を、当該情報の提供に用いる記録媒体に書き込む書込部と、前記情報を提供する際に操作される操作部とを有する情報提供装置により情報を提供するために、
前記操作部が操作される前に、前記書込部が、提供に係る前記情報を前記記録媒体に予め書き込むステップと、
前記操作部が操作された場合に、前記情報が書き込まれた記録媒体を提供するステップと
を有する情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−18636(P2012−18636A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157180(P2010−157180)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】