情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラム
【課題】移動する対象物に関する情報をユーザに提供できる情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供する。
【解決手段】携帯端末3は、表示部27とカメラとを備えている。表示部27には、カメラによって撮影された撮影画像が表示される。表示部27には、携帯端末を携帯するユーザのユーザ画像9が含まれている。ユーザ画像9には、ユーザの個人情報を示す個人情報画像10が重ねて表示されている。携帯端末3は、サーバから送信される位置情報に基づいて、撮影画像に重ねて表示する個人情報画像の位置を特定できる。ユーザ画像が移動した場合、サーバから送信される位置情報も移動する。携帯端末3は、移動するユーザ画像に個人情報画像を追従させて表示させることができる。
【解決手段】携帯端末3は、表示部27とカメラとを備えている。表示部27には、カメラによって撮影された撮影画像が表示される。表示部27には、携帯端末を携帯するユーザのユーザ画像9が含まれている。ユーザ画像9には、ユーザの個人情報を示す個人情報画像10が重ねて表示されている。携帯端末3は、サーバから送信される位置情報に基づいて、撮影画像に重ねて表示する個人情報画像の位置を特定できる。ユーザ画像が移動した場合、サーバから送信される位置情報も移動する。携帯端末3は、移動するユーザ画像に個人情報画像を追従させて表示させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。より詳細には、携帯端末に表示される情報を提供する情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯通信端末を携行するユーザが周辺地域の情報を把握できる情報提供システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。該情報提供システムでは、携帯通信端末を携行するユーザの現在位置と進行方向とが、中央情報処理装置において特定される。ユーザの周辺に存在する施設に関する情報(周辺地域情報)が、中央情報処理装置から携帯通信端末に対して送信される。携帯通信端末は、中央情報処理装置から受信した情報をディスプレイに表示する。携帯通信端末のユーザは、自身の現在位置及び進行方向に適した周辺地域情報を、ディスプレイを視認することで容易に把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−199140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の情報提供システムでは、周辺施設に関する情報は携帯通信端末のディスプレイに表示されるものの、ユーザの周辺を移動する対象物に関する情報はディスプレイに表示されない。このためユーザは、移動する対象物に関する情報を把握できないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、移動する対象物に関する情報をユーザに提供できる情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る情報提供装置は、入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報から選択する位置選択手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段とを備えている。
【0007】
本発明の第一態様によれば、情報提供装置は、携帯端末の第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する。情報提供装置は、撮影可能な領域内に他のユーザ(他ユーザ)が存在するか判断する。領域内に他ユーザが存在する場合、該当する他ユーザの個人情報及び位置情報を携帯端末に対して送信する。携帯端末は、撮影画像のうち位置情報に相当する部位に、個人情報を対応付けて表示する。これによって、携帯端末のユーザに対して、個人情報と他ユーザとを対応付けて認識させることができる。記憶手段に記憶される位置情報は、位置取得手段によって取得され更新されるので、情報提供装置は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、正確な位置情報を関連情報(個人情報)とともに携帯端末に対して送信し、これらを関連付けてユーザに提供できる。
【0008】
また、第一態様において、前記ユーザを撮影可能な第二撮影手段によって撮影された前記ユーザの撮影画像を取得する画像取得手段を備え、前記位置取得手段は、前記画像取得手段によって取得された前記撮影画像に基づいて、前記ユーザの前記位置情報を取得してもよい。情報提供装置は、第二撮影手段によって撮影された撮影画像を画像処理することで、ユーザの位置情報を特定できる。情報提供装置は、GPS等の大規模な装置を使用することなく、簡易な方法で容易にユーザの位置情報を特定できる。
【0009】
また、第一態様において、前記画像取得手段は、前記情報取得手段において前記個人情報が最初に取得された場合に、前記第二撮影手段によって撮影された前記撮影画像の取得を開始してもよい。これによって情報提供装置は、個人情報を受け付けていない状態では、第二撮影手段からの撮影画像の取得を停止できる。情報提供装置は、撮影画像が必要な状態で確実に撮影画像を取得し、ユーザの位置を特定できる。
【0010】
また、第一態様において、前記位置取得手段は、前記情報取得手段において前記個人情報が取得された時点で所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得してもよい。これによって情報提供装置は、個人情報を入力したユーザを容易に特定し、位置情報を取得できる。例えば、ユーザが個人情報を入力する入力装置の近傍領域を所定領域とすることによって、情報提供装置は、個人情報を入力したユーザを確実に特定できる。
【0011】
また、第一態様において、前記位置取得手段は、所定時間継続して所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得してもよい。これによって情報提供装置は、個人情報を入力したユーザを正確に特定し、位置情報を取得できる。所定領域内を偶然通過した者の位置情報を、個人情報を入力したユーザの位置情報として取得してしまうことを防止できる。
【0012】
また、第一態様において、前記携帯端末から送信され、前記撮影方向を特定可能な情報を受信する第一受信手段を備え、前記方向取得手段は、前記第一受信手段によって受信された情報に基づいて前記撮影方向を特定することで、前記撮影方向を取得してもよい。これによって情報提供装置は、容易に撮影方向を取得できる。例えば、携帯端末に電子コンパスを設けることで、情報提供装置は、撮影方向を高い精度で取得できる。
【0013】
また、第一態様において、前記画像取得手段は、前記携帯端末に付された識別部であって前記撮影方向を特定可能な識別部が、前記第二撮影手段によって撮影された場合の前記撮影画像を取得し、前記方向取得手段は、前記識別部が撮影された前記撮影画像を解析することによって、前記撮影方向を取得してもよい。これによって情報提供装置は、撮影された識別部を画像解析することで、撮影方向を特定できる。携帯端末が撮影方向を特定するための特別な装置(電子コンパスなど)を備えていない場合であっても、情報提供装置は、容易に撮影方向を特定できる。
【0014】
また、第一態様において、前記携帯端末から送信される前記個人情報を受信する第二受信手段を備え、前記位置抽出手段は、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記第二受信手段において受信された前記個人情報に関連付けられた前記位置情報を、前記携帯端末を携帯するユーザの前記位置情報として抽出してもよい。これによって情報提供装置は、携帯端末に予め登録されている個人情報(氏名、電話番号など)を受信し、受信した個人情報に対応する位置情報を、携帯端末の位置情報として特定できる。情報提供装置は、携帯端末を携帯するユーザの個人情報に基づいて位置情報を記憶手段から抽出できるので、携帯端末の位置情報を確実に特定できる。
【0015】
本発明の第二態様に係る携帯端末は、前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段とを備えている。
【0016】
本発明の第二態様によれば、携帯端末は、情報提供装置から位置情報及び個人情報を受信する。携帯端末は、第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、位置情報に対応する部分に個人情報を重ねて表示する。個人情報が重ねられた部分には、個人情報を入力した他ユーザの画像が位置している。ユーザは、撮影画像中の他ユーザの画像と個人情報とを対応付けて容易に認識できる。情報提供装置から取得する位置情報は、逐次最新の情報に更新されているので、携帯端末は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、情報を正確に対象物に対応付けて表示し、ユーザに認識させることができる。
【0017】
また、第二態様において、前記位置情報及び前記個人情報の送信を要求する要求パケットを、前記情報提供装置に対して送信する要求送信手段を備え、前記情報受信手段は、前記要求パケットに応じて前記情報提供装置から送信される前記個人情報及び前記位置情報を受信してもよい。これによって携帯端末は、自身が表示手段に撮影画像を表示するタイミングで、情報提供装置から位置情報及び個人情報を取得できる。携帯端末は、個人情報を重ねた撮影画像を確実に作成し、表示手段に表示できる。携帯端末は、最新の位置情報に基づいて、個人情報の表示位置を特定できる。
【0018】
本発明の第三態様に係る情報提供システムは、携帯端末、及び、前記携帯端末に情報を提供する情報提供装置を備えた情報提供システムであって、前記情報提供装置は、入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択定手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段とを備え、前記携帯端末は、前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段とを備えている。
【0019】
本発明の第三態様によれば、情報提供装置は、携帯端末の第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する。情報提供装置は、撮影可能な領域内に他のユーザ(他ユーザ)が存在するか判断する。領域内に他ユーザが存在する場合、該当する他ユーザの個人情報及び位置情報を携帯端末に対して送信する。携帯端末は、撮影画像のうち位置情報に相当する部位に、個人情報を対応付けて表示する。これによって、携帯端末のユーザに対して、個人情報と他ユーザとを対応付けて認識させることができる。記憶手段に記憶される位置情報は、位置取得手段によって取得され更新されるので、情報提供装置は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、正確な位置情報を関連情報(個人情報)とともに携帯端末に対して送信し、これらを関連付けてユーザに提供できる。
【0020】
本発明の第四態様に係る情報提供方法は、入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得ステップにおいて取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御ステップと、前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得ステップと、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出ステップと、前記位置抽出ステップにおいて抽出された前記位置情報と、前記方向取得ステップにおいて取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定ステップと、前記領域特定ステップにおいて特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択ステップと、前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定ステップと、前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報、及び、前記情報特定ステップによって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信ステップとを備えている。
【0021】
本発明の第四態様によれば、情報提供装置は、携帯端末の第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する。情報提供装置は、撮影可能な領域内に他のユーザ(他ユーザ)が存在するか判断する。領域内に他ユーザが存在する場合、該当する他ユーザの個人情報及び位置情報を携帯端末に対して送信する。携帯端末は、撮影画像のうち位置情報に相当する部位に、個人情報を対応付けて表示する。これによって、携帯端末のユーザに対して、個人情報と他ユーザとを対応付けて認識させることができる。記憶手段に記憶される位置情報は、位置取得手段によって取得され更新されるので、情報提供装置は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、正確な位置情報を関連情報(個人情報)とともに携帯端末に対して送信し、これらを関連付けてユーザに提供できる。
【0022】
本発明の第五態様に係る情報提供プログラムは、前記情報提供装置の各処理手段としてコンピュータを機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】情報提供システム1の概要を示す模式図である。
【図2】携帯端末3の表示部27に表示される表示画像の一例を示す図である。
【図3】サーバ5の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザテーブル151を示す図である。
【図5】携帯端末3の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】携帯端末3、受付装置4、サーバ5、及びカメラ6において実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】カメラ6において撮影される撮影画像18の一例を示す図である。
【図8】入力処理を示すフローチャートである。
【図9】位置特定処理を示すフローチャートである。
【図10】送信処理を示すフローチャートである。
【図11】表示処理を示すフローチャートである。
【図12】携帯端末3の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態における情報提供システム1について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0025】
図1を参照し、情報提供システム1の概要について説明する。情報提供システム1は、携帯端末3、受付装置4、サーバ5、及びカメラ6を備えている。受付装置4、サーバ5、及びカメラ6は、ネットワーク7に接続している。携帯端末3は、公衆電話網を介してネットワーク7に接続している。携帯端末3はユーザ2によって携帯される。携帯端末3は、表示部27及びカメラ28(図5参照)を備えている。表示部27は、携帯端末3の正面側に設けられている。カメラ28は、携帯端末3の背面側に設けられている。携帯端末3は、カメラ28によって撮影された撮影画像を表示部27に表示できる。サーバ5は、携帯端末3の表示部27に表示された撮影画像にユーザ2が含まれている場合、該ユーザの個人情報を携帯端末3に対して送信できる。携帯端末3は、カメラ28によって撮影された撮影画像のうちユーザに相当する部分に、サーバ5から受信した個人情報を重ねて表示できる。受付装置4には、ユーザ2によって個人情報が入力される。カメラ6は、ユーザ2を頭上から撮影する。
【0026】
図2を参照し、携帯端末3の表示部27に表示される表示画像の一例について説明する。表示画像は、カメラ28によって撮影された撮影画像8に、個人情報が示された個人情報画像10を重ねた態様を有している。撮影画像8には、携帯端末3を携帯するユーザの画像(以下「ユーザ画像」という。)9が含まれている。個人情報画像10は、個人情報(氏名、所属、年齢)と、個人情報を囲む枠部とを備えている。個人情報画像10は、ユーザ画像9に重ねて表示されている。表示画像を視認する携帯端末3のユーザは、ユーザ画像9と個人情報画像10とを容易に対応付けて認識できるので、各ユーザの個人情報を簡単に知ることができる。また、撮影画像8内をユーザ画像9が移動した場合(矢印31)、ユーザ画像9に重ねて表示されている個人情報画像10も、ユーザ画像9の移動に追従して移動する(矢印32)。従って携帯端末3のユーザ2は、ユーザ画像が移動した後でも、各ユーザの個人情報を継続して認識できる。
【0027】
なお、ユーザ画像に対応付けられる情報は、個人情報に限定ず、他の情報であってもよい。また、情報が対象づけられる対象物はユーザに限定されず、他の対象物であってもよい。
【0028】
図3を参照し、サーバ5の電気的構成について説明する。サーバ5は、CPU11、通信部12、ROM13、RAM14、及びハードディスクドライブ(HDD)15を備えている。CPU11は、サーバ5全体の動作を制御する。ROM13には、ブートプログラムやBIOSが記憶される。RAM14には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。HDD15には、OSやCPU11のプログラムが記憶される。またHDD15には、後述するユーザテーブル151が記憶される。通信部12は、ネットワーク7を介して通信を行う場合の同期制御を行う。CPU11は、通信部12、ROM13、RAM14、及びHDD15と電気的に接続している。
【0029】
図4を参照し、サーバ5のHDD15に記憶されるユーザテーブルの一例である、ユーザテーブル151について説明する。ユーザテーブル151には、位置情報及び個人情報が、各ユーザを特定するIDに対応付けて格納されている。位置情報は、カメラ6の撮影画像中におけるユーザ画像の位置を、座標(x,y)にて示している。位置情報は、カメラ6によって撮影された撮影画像に基づいて特定され、ユーザテーブル151に格納される。個人情報は、「氏名」「所属」「年齢」及び「住所」を含んでいる。個人情報には、受付装置4から受信した個人情報が格納される。
【0030】
図5を参照し、携帯端末3の電気的構成について説明する。携帯端末3は、CPU21、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、通信部25、入力部26、表示部27、カメラ28、及び電子コンパス29を備えている。CPU21は、携帯端末3全体の動作を制御する。ROM22には、ブートプログラムやBIOS、CPU21のプログラムが記憶される。RAM23には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。フラッシュメモリ24には、予めユーザによって登録された個人情報や、カメラ28によって撮影された撮影画像が記憶される。通信部25は、ネットワーク7を介して通信を行う場合の同期制御を行う。入力部26は、ユーザからの入力を受け付けるボタンやタッチセンサである。表示部27は、撮影画像が少なくとも表示されるLCD(Liquid Crystal Display)である。カメラ28は、像の撮影が可能なCCDカメラである。電子コンパス29は、地磁気センサを備えており、携帯端末3の方位を検出できる。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、通信部25、入力部26、表示部27、カメラ28、及び電子コンパス29と電気的に接続している。
【0031】
図6を参照し、携帯端末3、受付装置4、サーバ5、及びカメラ6において実行される処理の概要について説明する。はじめに、携帯端末3を携帯するユーザは、受付装置4を介して自身の個人情報を入力する(S1)。受付装置4は、入力された個人情報をサーバ5に送信する(S2)。サーバ5は、受付装置4から送信された個人情報を受信する(S5)。カメラ6は、個人情報を入力したユーザを含む所定の領域を撮影する(S3)。カメラ6は、撮影された撮影画像をサーバ5に送信する(S4)。カメラ6は、一定周期で繰り返し撮影画像をサーバ5に対して送信する。サーバ5は、カメラ6から送信された撮影画像を受信する(S6)。
【0032】
図7は、カメラ6によって撮影された撮影映像の一例である撮影画像18を示している。複数のユーザ2(2a〜2d)が、撮影画像18に含まれている。受付装置4の正面に、ユーザ2dが位置している。サーバ5は、受信した撮影画像18のうち、個人情報を受付装置4から受信した時点で受付装置4の近傍の所定領域17内に位置するユーザ2dを、受付装置4を介して個人情報を入力したユーザとして特定する。サーバ5は、撮影画像18を画像解析することによって、所定領域17内に位置するユーザ画像を特定する。撮影画像からユーザ画像を特定する方法としては、従来周知のパターン認識が使用できる。サーバ5は、特定したユーザ画像の位置情報(x,y)を、ユーザ2dの位置情報として特定する。サーバ5は、受付装置4から受信した個人情報と、特定されたユーザ2dの位置情報とを対応付け、ユーザテーブル151(図4参照)に格納する。以上の処理が繰り返されることによって、受付装置4を介して個人情報を入力した全てのユーザ(2a〜2d)の位置情報と個人情報は、ユーザテーブル151に格納される。
【0033】
カメラ6は、撮影画像をサーバ5に対して周期的に送信する。サーバ5は、カメラ6から送信される撮影画像を周期的に受信する。サーバ5は、前回受信した撮影画像に含まれるユーザ画像と同一のユーザ画像を、今回受信した撮影画像の中から抽出する。これによってサーバ5は、ユーザの位置を追跡する。ユーザの位置を追跡する方法として、例えば特許文献2に記載された方法が使用可能である。サーバ5は、ユーザの位置情報を周期的に特定する。ユーザテーブル151に格納した位置情報は、周期的に特定される位置情報によって更新される。
【0034】
【特許文献2】特開2009−55139号公報
【0035】
図6に示すように、サーバ5から個人情報を取得して表示部27に表示することを望む携帯端末3は、ユーザによって予め登録されている個人情報を、サーバ5に対して送信する。また携帯端末3は、電子コンパス29によって検出される携帯端末3の方向の情報であって、携帯端末3が備えるカメラ28が撮影可能な方向の情報(以下「撮影方向」という。)を、サーバ5に対して送信する(S10)。サーバ5は、携帯端末3から送信された個人情報及び撮影方向を受信する(S7)。サーバ5は、ユーザテーブル151を参照し、以下の処理を行うことによって、携帯端末3に対して送信する位置情報及び個人情報をユーザテーブル151から選択する(S8)。
【0036】
例えば図7のうち、携帯端末3aがサーバ5に対して個人情報及び撮影方向を送信し、サーバ5がこれらを受信したとする。サーバ5は、ユーザテーブル151のうち、携帯端末3から受信した個人情報と同一の個人情報に対応付けられている位置情報を選択する。サーバ5は、選択した位置情報を、携帯端末3aの位置情報として特定する(特定された位置情報を(s,t)とする。)。次いでサーバ5は、携帯端末3aのカメラ28によって撮影可能な領域(以下「撮影可能領域」という。)16を特定する。撮影可能領域16は、携帯端末3aの位置情報(s,t)、携帯端末3aから受信した撮影方向(矢印33)、及び、位置情報(s,t)からの距離Uに基づいて特定される。撮影方向に対する角度が所定角θ(°)の範囲内であり、且つ(s,t)からの距離が所定距離U(m)の範囲内の領域が、撮影可能領域16として特定される。
【0037】
なお上述のパラメータ(θ、U)は、予めサーバ5のHDD15に記憶されていてもよいし、ユーザが携帯端末3を介して入力できるようにしてもよい。携帯端末3は、個人情報及び撮影方向をサーバ5に送信する場合に、入力されたパラメータをサーバ5に対して送信してもよい。サーバ5は、携帯端末3から受信したパラメータに基づいて、撮影可能領域を特定してもよい。
【0038】
続いて、ユーザテーブル151に格納された位置情報のうち、撮影可能領域16内に相当する位置情報が選択される。図7では、ユーザ2b,2c,2dが撮影可能領域16内に位置しているので、ユーザ2b,2c,2dの位置情報が選択されることになる。続いてサーバ5は、ユーザテーブル151に基づいて、選択された位置情報の其々に対応付けられている個人情報を特定する。特定された個人情報は、ユーザ2b,2c,2dの個人情報に該当する。
【0039】
図6に示すように、上述のようにして選択された位置情報及び個人情報は、携帯端末3に送信される(S9)。携帯端末3は、位置情報及び個人情報を受信する(S11)。携帯端末3は、カメラ28によって撮影された撮影画像(例えば撮影画像8、図2参照)のうち、サーバ5から受信した位置情報に対応する位置を特定する。撮影画像のうち特定された位置には、ユーザ2b,2c,2dのユーザ画像が位置している。特定した位置に、受信した個人情報を示す個人情報画像が重ねて表示される(S12)。このように携帯端末3は、表示画像に含まれているユーザ画像に個人情報画像を対応付けて表示できる。
【0040】
例えば図7に示す例では、ユーザ2b,2c,2dの位置情報及び個人情報が、サーバ5から携帯端末3aに対して送信される。携帯端末3aは、表示部27に表示された撮影画像のうち、受信した位置情報に相当する位置に、受信した個人情報を重ねて表示する。ユーザ2bの個人情報画像は、ユーザ2bのユーザ画像に重ねて表示される。ユーザ2cの個人情報画像は、ユーザ2cのユーザ画像に重ねて表示される。ユーザ2dの個人情報画像は、ユーザ2dのユーザ画像に重ねて表示される。これによって、図2に示す表示画像が表示部27に表示される。
【0041】
なお、携帯端末3は、所定の周期で繰り返しサーバ5に対して個人情報及び撮影方向を送信する(S10、図6参照)。サーバ5は、個人情報及び撮影方向を携帯端末3から受信する(S7、図6参照)。サーバ5は、周期的にカメラ6から撮影画像を取得して位置情報を更新しているので、ユーザテーブル151には、携帯端末3の最新の位置情報が記憶されている。サーバ5は、位置情報が更新された最新の位置情報に基づいて、携帯端末3に対して送信する位置情報及び個人情報をユーザテーブル151から再抽出できる(S8、図6参照)。携帯端末3は、最新の位置情報に基づいて再抽出された位置情報及び個人情報をサーバ5から受信し(S11、図6参照)、表示部27に表示できる(S12、図6参照)。このように携帯端末3は、ユーザが移動してユーザ画像が撮影画像内を移動した場合であっても、移動後のユーザ画像に個人情報画像を対応付けることができる。携帯端末3を視認するユーザは、ユーザ画像と個人情報画像とを容易に対応付けて認識できる。
【0042】
図8から図10を参照し、サーバ5のCPU11において実行される処理(入力処理、位置特定処理、送信処理)について説明する。サーバ5の電源が投入された場合に、各処理は起動され実行される。各処理は、OSによって適宜スイッチングされる。
【0043】
図8を参照し、入力処理について説明する。受付装置4から送信される信号を監視することで、ユーザが受付装置4を介して個人情報の入力を開始したかが判断される(S21)。受付装置4は、ユーザが個人情報の入力を開始した場合、サーバ5に対して開始通知信号を送信する。サーバ5において開始通知信号が受信されていない場合、受付装置4への個人情報の入力は開始していないので(S21:NO)、処理はS21に戻る。受付装置4から送信される開始通知信号の受信が継続して監視される。受付装置4から送信される開始通知信号を受信した場合(S21:YES)、受付装置4を介して個人情報の入力が開始されたことになる。カメラ6の状態が監視される(S23)。カメラ6が起動していない場合(S23:NO)、カメラ6を起動し、撮影を開始させる(S25)。処理は、S27に進む。カメラ6が既に起動している場合(S23:YES)、処理はS27に進む。このようにサーバ5は、個人情報の入力が開始された時点でカメラ6の撮影を開始できるので、撮影画像が必要な場合に確実に撮影画像をカメラ6から取得できる。
【0044】
S27では、カメラ6から周期的に送信される撮影画像が受信される(S27)。受信された撮影画像が解析される。撮影画像のうち、受付装置4近傍の所定領域内に、ユーザ画像が含まれているかが判断される(S29)。受付装置4近傍の所定領域内にユーザ画像が含まれていない場合(S29:NO)、受付装置4に対して個人情報の入力を中止させるための中止通知信号が送信される(S33)。受付装置4では、個人情報の入力処理が中止される。処理はS21に戻る。一方、撮影画像のうち、受付装置4近傍の所定領域内にユーザ画像が含まれている場合(S29:YES)、ユーザ画像が所定時間継続して所定領域内に含まれているかが判断される(S31)。所定時間の経過前に、ユーザ画像が所定領域内からなくなってしまった場合(S31:NO)、受付装置4に対して中止通知信号を送信し(S33)、入力処理を中止させる。処理はS21に戻る。
【0045】
ユーザ画像が所定時間継続して所定領域内に含まれていた場合(S31:YES)、受付装置4から送信される個人情報が受信される(S35)。個人情報が受信された時点で所定領域内に位置するユーザ画像は、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定される。これによってサーバ5は、個人情報を入力したユーザを確実に特定できる。特定されたユーザ画像の位置情報が特定される(S37)。ユーザを特定するIDが割り当てられる。ID、位置情報、及び位置情報が対応付けられ、ユーザテーブル151に格納される(S39)。処理は、S21に戻る。
【0046】
図9を参照し、位置特定手段について説明する。入力処理(図8参照)において、ID、位置情報、及び個人情報がユーザテーブル151に格納されたかが判断される(S41)。ID、位置情報、及び個人情報がユーザテーブル151に格納されていない場合(S41:NO)、処理はS41に戻る。個人情報がユーザテーブル151に格納された場合(S41:YES)、カメラ6から周期的に送信される撮影画像が受信される(S43)。撮影画像内に含まれているユーザ画像を特定し、その位置情報を特定する処理が、ユーザテーブル151に格納されているID毎に実行される(S45)。ユーザ画像が特定され、且つ位置情報が特定された場合(S47:YES)、ユーザテーブル151に格納されている位置情報は、特定された位置情報によって上書きされる(S49)。処理はS51に進む。一方、ユーザ画像又は位置情報が特定できなかった場合(S47:NO)、そのまま処理はS51に進む。
【0047】
S51では、ユーザ画像及び位置情報の特定が試みられていないIDが、ユーザテーブル151内に残っているかが判断される(S51)。位置情報の特定が試みられていない情報が残っている場合(S51:YES)、処理はS47に戻る。未処理のIDがユーザテーブル151から選択され、選択されたIDに対応するユーザのユーザ画像及びその位置情報の特定が試みられる(S47、S49)。ユーザテーブル151に格納された全てのIDに対して、ユーザ画像及び位置情報を特定する処理が実行された場合(S51:NO)、所定時間待機される(S53)。所定時間は、カメラ6が撮影画像を送信する周期と略同一とされる。所定時間待機後、処理はS41に戻る。これによって、周期的に撮影画像をカメラ6から受信してユーザ画像の位置情報を更新する処理が繰り返し実行される。このようにサーバ5は、周期的に繰り返しユーザ画像の位置情報を特定してユーザテーブル151に記憶するので、ユーザ画像が撮影画像内を移動した場合であっても、ユーザ画像の位置情報を最新の情報に更新できる。
【0048】
図10を参照し、送信処理について説明する。携帯端末3から送信される個人情報及び撮影方向を受信したかが判断される(S61)。個人情報及び撮影方向を受信していない場合(S61:NO)、処理はS61に戻る。個人情報及び撮影方向を受信した場合(S61:YES)、受信した個人情報が取得される(S63)。受信した撮影方向が取得される(S65)。ユーザテーブル151に格納されている個人情報が検索され、取得された個人情報と同一の個人情報が格納されているかが判断される(S67)。なお、同一の個人情報が格納されているか否かの判断は、複数ある個人情報のうち特定の情報(例えば氏名)のみが一致するかを判断してもよいし、複数ある個人情報の全てが一致するかを判断してもよい。受信した個人情報と同一の個人情報がユーザテーブル151に格納されていない場合(S69:NO)、処理はS61に戻る。
【0049】
受信した個人情報と同一の個人情報がユーザテーブル151に格納されている場合(S69:YES)、該当する個人情報に対応付けられている位置情報が選択される(S71)。選択された位置情報と、取得された撮影方向とに基づいて、個人情報及び撮影方向を送信した携帯端末3の撮影可能領域が特定される(S73)。特定された撮影可能領域内に含まれる位置情報が、ユーザテーブル151から選択される(S75)。選択された位置情報に対応する個人情報が、ユーザテーブル151から特定される(S77)。S71で選択された位置情報、及び、S77で特定された個人情報は、個人情報及び撮影方向を送信した携帯端末3に対して送信される(S79)。処理はS61に戻る。
【0050】
図11を参照し、携帯端末3のCPU21において実行される表示処理について説明する。表示処理は、個人情報を撮影画像に重ねて表示するためのアプリケーションが起動された場合に、CPU21において起動され実行される。
【0051】
表示処理が起動されると、カメラ28による撮影が開始される(S81)。予めフラッシュメモリ24に記憶された個人情報が読み出される。個人情報として、サーバ5のユーザテーブル151に記憶された複数の個人情報全てが記憶されていてもよいし、特定の個人情報のみ記憶されていてもよい。電子コンパス29において検出される方位の情報に基づいて、撮影方向が取得される(S82)。個人情報と撮影方向とが、サーバ5に対して送信される(S83)。このように携帯端末3は、電子コンパス29を使用することで、撮影方向を高い精度で特定できる。
【0052】
送信された個人情報と撮影方向とに応じ、サーバ5から返信される位置情報及び個人情報の受信が監視される(S85)。位置情報及び個人情報が受信されない場合(S85:NO)、処理はS85に戻る。位置情報及び個人情報が受信された場合(S85:YES)、カメラ28によって撮影された撮影画像のうち、受信された位置情報に相当する部分が特定される(S87)。撮影画像のうち特定された部分には、ユーザ画像が位置している。特定された部分に、受信された個人情報を示す個人情報画像が重ねられる。これによって、撮影画像に個人情報画像が重ねられた表示画像が表示部27に表示される(S89)。これによって、ユーザ画像に個人情報画像が対応付けられる。
【0053】
起動中のアプリケーションを終了させる指示が入力されたかが判断される(S91)。アプリケーションを終了させる指示が入力された場合(S91:YES)、表示処理は終了する。アプリケーションを終了させる指示が入力されていない場合(S91:NO)、所定時間待機される(S93)。所定時間の待機後、処理はS82に戻る。撮影方向が新たに取得され(S82)、個人情報及び撮影方向が繰り返しサーバ5に対して送信される。
【0054】
以上説明したように、サーバ5は、携帯端末3の撮影可能領域を特定する。サーバ5は、撮影可能領域内に、他ユーザが存在するか判断する。他ユーザが撮影可能領域内に存在する場合、サーバ5は、該当する他ユーザの個人情報を位置情報と共に携帯端末3に対して送信する。携帯端末3は、撮影画像のうち受信した位置情報に該当する位置に、個人情報を重ねて表示する。これによってサーバ5は、移動する対象物(人など)の位置情報に情報(個人情報など)を対応付けて携帯端末3に提供できる。携帯端末3は、移動対象物と関連情報とを対応付けて表示できる。ユーザは、移動対象物と関連情報とを容易に対応付けて認識できる。
【0055】
サーバ5は、カメラ6によって撮影された撮影画像を画像処理することで、携帯端末3を携帯するユーザの位置情報を特定できる。サーバ5は、GPS等を使用することなく、簡易な方法で容易にユーザの位置情報を特定できる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述では、サーバ5は、個人情報を受付装置4から受信した時点で所定領域内に位置するユーザ画像を、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定した。本発明はこれに限定されない。例えばサーバ5は、所定時間以上継続して所定領域内に位置するユーザ画像を、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定してもよい。これによって例えば、所定領域内を偶然通過した者のユーザ画像が、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定されてしまうことを防止できる。
【0057】
上述では、携帯端末3は、電子コンパス29において検出される方位に基づいて決定された撮影方向をサーバ5に対して送信していた。サーバ5は、携帯端末3から送信される撮影方向を受信し、受信した撮影方向に基づいて、撮影可能領域を特定していた。本発明はこれに限定されない。撮影方向は、別の方法で特定されてもよい。例えば図12に示すように、携帯端末3の側端面には、矢印状の識別部35が付されていてもよい。サーバ5は、カメラ6によって撮影された撮影画像から、識別部35を特定してもよい。サーバ5は、特定した識別部35のうち矢印の向く方向を、撮影方向として特定してもよい。これによって、携帯端末3が電子コンパス29を備えていない場合であっても、サーバ5は容易に撮影方向を特定できる。
【0058】
上述では、サーバ5は、携帯端末3から個人情報を受信し、受信した個人情報と同一の個人情報をユーザテーブル151から選択することによって、個人情報を送信した携帯端末3の位置情報を特定していた。本発明はこれに限定されない。携帯端末3は、IDをサーバ5に対して送信してもよい。サーバ5は、受信したIDと同一IDに対応付けられた位置情報をユーザテーブル151から選択することによって、携帯端末3の位置情報を特定してもよい。
【0059】
上述では、受付装置4を介して入力された個人情報がユーザテーブル151に格納された。本発明はこれに限定されない。サーバ5は、携帯端末3から受信した個人情報をユーザテーブル151に格納してもよい。
【0060】
上述では、携帯端末3はサーバ5に対して周期的に個人情報及び撮影方向を送信することで、サーバ5から位置情報及び個人情報を受信していた。本発明はこれに限定されない。サーバ5は、ユーザテーブル151に記憶された位置情報のうちいずれかが更新された場合に、携帯端末3に位置情報及び個人情報を送信してもよい。これによって携帯端末3は、サーバ5に対して個人情報及び撮影方向を繰り返し送信することなく、サーバ5から最新の位置情報及び個人情報を受信できる。また携帯端末3は、移動に伴って撮影方向が変化した場合にのみ、撮影方向をサーバ5に対して送信してもよい。
【0061】
上述では、カメラ6は周期的に撮影画像をサーバ5に対して送信していたが、本発明はこれに限定されない。例えば以下の手順でカメラ6は撮影画像をサーバ5に対して送信してもよい。携帯端末3は、自身が移動した場合に、サーバ5に対して通知信号を送信する。サーバ5は、携帯端末3から通知信号を受信した場合に、カメラ6に対して撮影を指示する。カメラ6は、サーバ5から指示があった場合に、撮影画像を撮影してサーバ5に対して送信する。サーバ5は、受信された撮影画像に基づいて、ユーザの位置情報を特定する。これによってサーバ5は、ユーザが移動した場合にのみ撮影画像を取得してユーザの位置情報を特定できるので、サーバ5の処理負荷を軽減できる。なお、携帯端3の移動時には、サーバ5は撮影画像を取得してユーザの位置情報を特定できるので、サーバ5は最新の位置情報を確実にユーザテーブル151に格納できる。
【0062】
なお、図8のS35の処理を行うCPU11が本発明の「情報取得手段」に相当する。図8のS37、図9のS45の処理を行うCPU11が本発明の「位置取得手段」に相当する。図8のS39、図9のS49の処理を行うCPU11が本発明の「記憶制御手段」に相当する。図10のS65の処理を行うCPU11が本発明の「方向取得手段」に相当し、S71の処理を行うCPU11が本発明の「位置抽出手段」に相当し、S73の処理を行うCPU11が本発明の「領域特定手段」に相当し、S75の処理を行うCPU11が本発明の「位置選択手段」に相当し、S77の処理を行うCPU11が本発明の「情報特定手段」に相当し、S79の処理を行うCPU11が本発明の「情報送信手段」に相当する。図8のS27、図9のS43の処理を行うCPU11が本発明の「画像取得手段」に相当する。図10のS61の処理を行うCPU11が本発明の「第一受信手段」「第二受信手段」に相当する。図11のS85の処理を行うCPU21が本発明の「情報受信手段」に相当し、S87の処理を行うCPU21が本発明の「部分特定手段」に相当し、S89の処理を行うCPU21が本発明の「表示制御手段」に相当し、図11のS83の処理を行うCPU21が本発明の「要求送信手段」に相当する。ユーザテーブル151を記憶する図3のHDD15が本発明の「記憶手段」に相当する。図5のカメラ28が本発明の「第一撮影手段」に相当する。図1のカメラ6が本発明の「第二撮影手段」に相当する。
【0063】
図8のS35の処理が本発明の「情報取得手段」に相当する。図8のS37、図9のS45の処理が本発明の「位置取得手段」に相当する。図8のS39、図9のS49の処理が本発明の「記憶制御手段」に相当する。図10のS65の処理が本発明の「方向取得手段」に相当し、S71の処理が本発明の「位置抽出手段」に相当し、S73の処理が本発明の「領域特定手段」に相当し、S75の処理が本発明の「位置選択手段」に相当し、S77の処理が本発明の「情報特定手段」に相当し、S79の処理が本発明の「情報送信手段」に相当する。
【符号の説明】
【0064】
1 情報提供システム
3 携帯端末
4 受付装置
5 サーバ
6 カメラ
11,21 CPU
15 HDD
16 撮影可能領域
17 所定領域
24 フラッシュメモリ
26 電子コンパス
27 表示部
28 カメラ
29 電子コンパス
151 ユーザテーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。より詳細には、携帯端末に表示される情報を提供する情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯通信端末を携行するユーザが周辺地域の情報を把握できる情報提供システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。該情報提供システムでは、携帯通信端末を携行するユーザの現在位置と進行方向とが、中央情報処理装置において特定される。ユーザの周辺に存在する施設に関する情報(周辺地域情報)が、中央情報処理装置から携帯通信端末に対して送信される。携帯通信端末は、中央情報処理装置から受信した情報をディスプレイに表示する。携帯通信端末のユーザは、自身の現在位置及び進行方向に適した周辺地域情報を、ディスプレイを視認することで容易に把握できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−199140号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述の情報提供システムでは、周辺施設に関する情報は携帯通信端末のディスプレイに表示されるものの、ユーザの周辺を移動する対象物に関する情報はディスプレイに表示されない。このためユーザは、移動する対象物に関する情報を把握できないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、移動する対象物に関する情報をユーザに提供できる情報提供装置、携帯端末、情報提供システム、情報提供方法、及び情報提供プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様に係る情報提供装置は、入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報から選択する位置選択手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段とを備えている。
【0007】
本発明の第一態様によれば、情報提供装置は、携帯端末の第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する。情報提供装置は、撮影可能な領域内に他のユーザ(他ユーザ)が存在するか判断する。領域内に他ユーザが存在する場合、該当する他ユーザの個人情報及び位置情報を携帯端末に対して送信する。携帯端末は、撮影画像のうち位置情報に相当する部位に、個人情報を対応付けて表示する。これによって、携帯端末のユーザに対して、個人情報と他ユーザとを対応付けて認識させることができる。記憶手段に記憶される位置情報は、位置取得手段によって取得され更新されるので、情報提供装置は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、正確な位置情報を関連情報(個人情報)とともに携帯端末に対して送信し、これらを関連付けてユーザに提供できる。
【0008】
また、第一態様において、前記ユーザを撮影可能な第二撮影手段によって撮影された前記ユーザの撮影画像を取得する画像取得手段を備え、前記位置取得手段は、前記画像取得手段によって取得された前記撮影画像に基づいて、前記ユーザの前記位置情報を取得してもよい。情報提供装置は、第二撮影手段によって撮影された撮影画像を画像処理することで、ユーザの位置情報を特定できる。情報提供装置は、GPS等の大規模な装置を使用することなく、簡易な方法で容易にユーザの位置情報を特定できる。
【0009】
また、第一態様において、前記画像取得手段は、前記情報取得手段において前記個人情報が最初に取得された場合に、前記第二撮影手段によって撮影された前記撮影画像の取得を開始してもよい。これによって情報提供装置は、個人情報を受け付けていない状態では、第二撮影手段からの撮影画像の取得を停止できる。情報提供装置は、撮影画像が必要な状態で確実に撮影画像を取得し、ユーザの位置を特定できる。
【0010】
また、第一態様において、前記位置取得手段は、前記情報取得手段において前記個人情報が取得された時点で所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得してもよい。これによって情報提供装置は、個人情報を入力したユーザを容易に特定し、位置情報を取得できる。例えば、ユーザが個人情報を入力する入力装置の近傍領域を所定領域とすることによって、情報提供装置は、個人情報を入力したユーザを確実に特定できる。
【0011】
また、第一態様において、前記位置取得手段は、所定時間継続して所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得してもよい。これによって情報提供装置は、個人情報を入力したユーザを正確に特定し、位置情報を取得できる。所定領域内を偶然通過した者の位置情報を、個人情報を入力したユーザの位置情報として取得してしまうことを防止できる。
【0012】
また、第一態様において、前記携帯端末から送信され、前記撮影方向を特定可能な情報を受信する第一受信手段を備え、前記方向取得手段は、前記第一受信手段によって受信された情報に基づいて前記撮影方向を特定することで、前記撮影方向を取得してもよい。これによって情報提供装置は、容易に撮影方向を取得できる。例えば、携帯端末に電子コンパスを設けることで、情報提供装置は、撮影方向を高い精度で取得できる。
【0013】
また、第一態様において、前記画像取得手段は、前記携帯端末に付された識別部であって前記撮影方向を特定可能な識別部が、前記第二撮影手段によって撮影された場合の前記撮影画像を取得し、前記方向取得手段は、前記識別部が撮影された前記撮影画像を解析することによって、前記撮影方向を取得してもよい。これによって情報提供装置は、撮影された識別部を画像解析することで、撮影方向を特定できる。携帯端末が撮影方向を特定するための特別な装置(電子コンパスなど)を備えていない場合であっても、情報提供装置は、容易に撮影方向を特定できる。
【0014】
また、第一態様において、前記携帯端末から送信される前記個人情報を受信する第二受信手段を備え、前記位置抽出手段は、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記第二受信手段において受信された前記個人情報に関連付けられた前記位置情報を、前記携帯端末を携帯するユーザの前記位置情報として抽出してもよい。これによって情報提供装置は、携帯端末に予め登録されている個人情報(氏名、電話番号など)を受信し、受信した個人情報に対応する位置情報を、携帯端末の位置情報として特定できる。情報提供装置は、携帯端末を携帯するユーザの個人情報に基づいて位置情報を記憶手段から抽出できるので、携帯端末の位置情報を確実に特定できる。
【0015】
本発明の第二態様に係る携帯端末は、前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段とを備えている。
【0016】
本発明の第二態様によれば、携帯端末は、情報提供装置から位置情報及び個人情報を受信する。携帯端末は、第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、位置情報に対応する部分に個人情報を重ねて表示する。個人情報が重ねられた部分には、個人情報を入力した他ユーザの画像が位置している。ユーザは、撮影画像中の他ユーザの画像と個人情報とを対応付けて容易に認識できる。情報提供装置から取得する位置情報は、逐次最新の情報に更新されているので、携帯端末は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、情報を正確に対象物に対応付けて表示し、ユーザに認識させることができる。
【0017】
また、第二態様において、前記位置情報及び前記個人情報の送信を要求する要求パケットを、前記情報提供装置に対して送信する要求送信手段を備え、前記情報受信手段は、前記要求パケットに応じて前記情報提供装置から送信される前記個人情報及び前記位置情報を受信してもよい。これによって携帯端末は、自身が表示手段に撮影画像を表示するタイミングで、情報提供装置から位置情報及び個人情報を取得できる。携帯端末は、個人情報を重ねた撮影画像を確実に作成し、表示手段に表示できる。携帯端末は、最新の位置情報に基づいて、個人情報の表示位置を特定できる。
【0018】
本発明の第三態様に係る情報提供システムは、携帯端末、及び、前記携帯端末に情報を提供する情報提供装置を備えた情報提供システムであって、前記情報提供装置は、入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択定手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段とを備え、前記携帯端末は、前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段とを備えている。
【0019】
本発明の第三態様によれば、情報提供装置は、携帯端末の第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する。情報提供装置は、撮影可能な領域内に他のユーザ(他ユーザ)が存在するか判断する。領域内に他ユーザが存在する場合、該当する他ユーザの個人情報及び位置情報を携帯端末に対して送信する。携帯端末は、撮影画像のうち位置情報に相当する部位に、個人情報を対応付けて表示する。これによって、携帯端末のユーザに対して、個人情報と他ユーザとを対応付けて認識させることができる。記憶手段に記憶される位置情報は、位置取得手段によって取得され更新されるので、情報提供装置は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、正確な位置情報を関連情報(個人情報)とともに携帯端末に対して送信し、これらを関連付けてユーザに提供できる。
【0020】
本発明の第四態様に係る情報提供方法は、入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得ステップにおいて取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御ステップと、前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得ステップと、前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出ステップと、前記位置抽出ステップにおいて抽出された前記位置情報と、前記方向取得ステップにおいて取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定ステップと、前記領域特定ステップにおいて特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択ステップと、前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定ステップと、前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報、及び、前記情報特定ステップによって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信ステップとを備えている。
【0021】
本発明の第四態様によれば、情報提供装置は、携帯端末の第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する。情報提供装置は、撮影可能な領域内に他のユーザ(他ユーザ)が存在するか判断する。領域内に他ユーザが存在する場合、該当する他ユーザの個人情報及び位置情報を携帯端末に対して送信する。携帯端末は、撮影画像のうち位置情報に相当する部位に、個人情報を対応付けて表示する。これによって、携帯端末のユーザに対して、個人情報と他ユーザとを対応付けて認識させることができる。記憶手段に記憶される位置情報は、位置取得手段によって取得され更新されるので、情報提供装置は、情報を付加する対象物が移動する場合であっても、正確な位置情報を関連情報(個人情報)とともに携帯端末に対して送信し、これらを関連付けてユーザに提供できる。
【0022】
本発明の第五態様に係る情報提供プログラムは、前記情報提供装置の各処理手段としてコンピュータを機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】情報提供システム1の概要を示す模式図である。
【図2】携帯端末3の表示部27に表示される表示画像の一例を示す図である。
【図3】サーバ5の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】ユーザテーブル151を示す図である。
【図5】携帯端末3の電気的構成を示すブロック図である。
【図6】携帯端末3、受付装置4、サーバ5、及びカメラ6において実行される処理の概要を示すフローチャートである。
【図7】カメラ6において撮影される撮影画像18の一例を示す図である。
【図8】入力処理を示すフローチャートである。
【図9】位置特定処理を示すフローチャートである。
【図10】送信処理を示すフローチャートである。
【図11】表示処理を示すフローチャートである。
【図12】携帯端末3の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態における情報提供システム1について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0025】
図1を参照し、情報提供システム1の概要について説明する。情報提供システム1は、携帯端末3、受付装置4、サーバ5、及びカメラ6を備えている。受付装置4、サーバ5、及びカメラ6は、ネットワーク7に接続している。携帯端末3は、公衆電話網を介してネットワーク7に接続している。携帯端末3はユーザ2によって携帯される。携帯端末3は、表示部27及びカメラ28(図5参照)を備えている。表示部27は、携帯端末3の正面側に設けられている。カメラ28は、携帯端末3の背面側に設けられている。携帯端末3は、カメラ28によって撮影された撮影画像を表示部27に表示できる。サーバ5は、携帯端末3の表示部27に表示された撮影画像にユーザ2が含まれている場合、該ユーザの個人情報を携帯端末3に対して送信できる。携帯端末3は、カメラ28によって撮影された撮影画像のうちユーザに相当する部分に、サーバ5から受信した個人情報を重ねて表示できる。受付装置4には、ユーザ2によって個人情報が入力される。カメラ6は、ユーザ2を頭上から撮影する。
【0026】
図2を参照し、携帯端末3の表示部27に表示される表示画像の一例について説明する。表示画像は、カメラ28によって撮影された撮影画像8に、個人情報が示された個人情報画像10を重ねた態様を有している。撮影画像8には、携帯端末3を携帯するユーザの画像(以下「ユーザ画像」という。)9が含まれている。個人情報画像10は、個人情報(氏名、所属、年齢)と、個人情報を囲む枠部とを備えている。個人情報画像10は、ユーザ画像9に重ねて表示されている。表示画像を視認する携帯端末3のユーザは、ユーザ画像9と個人情報画像10とを容易に対応付けて認識できるので、各ユーザの個人情報を簡単に知ることができる。また、撮影画像8内をユーザ画像9が移動した場合(矢印31)、ユーザ画像9に重ねて表示されている個人情報画像10も、ユーザ画像9の移動に追従して移動する(矢印32)。従って携帯端末3のユーザ2は、ユーザ画像が移動した後でも、各ユーザの個人情報を継続して認識できる。
【0027】
なお、ユーザ画像に対応付けられる情報は、個人情報に限定ず、他の情報であってもよい。また、情報が対象づけられる対象物はユーザに限定されず、他の対象物であってもよい。
【0028】
図3を参照し、サーバ5の電気的構成について説明する。サーバ5は、CPU11、通信部12、ROM13、RAM14、及びハードディスクドライブ(HDD)15を備えている。CPU11は、サーバ5全体の動作を制御する。ROM13には、ブートプログラムやBIOSが記憶される。RAM14には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。HDD15には、OSやCPU11のプログラムが記憶される。またHDD15には、後述するユーザテーブル151が記憶される。通信部12は、ネットワーク7を介して通信を行う場合の同期制御を行う。CPU11は、通信部12、ROM13、RAM14、及びHDD15と電気的に接続している。
【0029】
図4を参照し、サーバ5のHDD15に記憶されるユーザテーブルの一例である、ユーザテーブル151について説明する。ユーザテーブル151には、位置情報及び個人情報が、各ユーザを特定するIDに対応付けて格納されている。位置情報は、カメラ6の撮影画像中におけるユーザ画像の位置を、座標(x,y)にて示している。位置情報は、カメラ6によって撮影された撮影画像に基づいて特定され、ユーザテーブル151に格納される。個人情報は、「氏名」「所属」「年齢」及び「住所」を含んでいる。個人情報には、受付装置4から受信した個人情報が格納される。
【0030】
図5を参照し、携帯端末3の電気的構成について説明する。携帯端末3は、CPU21、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、通信部25、入力部26、表示部27、カメラ28、及び電子コンパス29を備えている。CPU21は、携帯端末3全体の動作を制御する。ROM22には、ブートプログラムやBIOS、CPU21のプログラムが記憶される。RAM23には、プログラムで使用される各種の情報が一時的に記憶される。フラッシュメモリ24には、予めユーザによって登録された個人情報や、カメラ28によって撮影された撮影画像が記憶される。通信部25は、ネットワーク7を介して通信を行う場合の同期制御を行う。入力部26は、ユーザからの入力を受け付けるボタンやタッチセンサである。表示部27は、撮影画像が少なくとも表示されるLCD(Liquid Crystal Display)である。カメラ28は、像の撮影が可能なCCDカメラである。電子コンパス29は、地磁気センサを備えており、携帯端末3の方位を検出できる。CPU21は、ROM22、RAM23、フラッシュメモリ24、通信部25、入力部26、表示部27、カメラ28、及び電子コンパス29と電気的に接続している。
【0031】
図6を参照し、携帯端末3、受付装置4、サーバ5、及びカメラ6において実行される処理の概要について説明する。はじめに、携帯端末3を携帯するユーザは、受付装置4を介して自身の個人情報を入力する(S1)。受付装置4は、入力された個人情報をサーバ5に送信する(S2)。サーバ5は、受付装置4から送信された個人情報を受信する(S5)。カメラ6は、個人情報を入力したユーザを含む所定の領域を撮影する(S3)。カメラ6は、撮影された撮影画像をサーバ5に送信する(S4)。カメラ6は、一定周期で繰り返し撮影画像をサーバ5に対して送信する。サーバ5は、カメラ6から送信された撮影画像を受信する(S6)。
【0032】
図7は、カメラ6によって撮影された撮影映像の一例である撮影画像18を示している。複数のユーザ2(2a〜2d)が、撮影画像18に含まれている。受付装置4の正面に、ユーザ2dが位置している。サーバ5は、受信した撮影画像18のうち、個人情報を受付装置4から受信した時点で受付装置4の近傍の所定領域17内に位置するユーザ2dを、受付装置4を介して個人情報を入力したユーザとして特定する。サーバ5は、撮影画像18を画像解析することによって、所定領域17内に位置するユーザ画像を特定する。撮影画像からユーザ画像を特定する方法としては、従来周知のパターン認識が使用できる。サーバ5は、特定したユーザ画像の位置情報(x,y)を、ユーザ2dの位置情報として特定する。サーバ5は、受付装置4から受信した個人情報と、特定されたユーザ2dの位置情報とを対応付け、ユーザテーブル151(図4参照)に格納する。以上の処理が繰り返されることによって、受付装置4を介して個人情報を入力した全てのユーザ(2a〜2d)の位置情報と個人情報は、ユーザテーブル151に格納される。
【0033】
カメラ6は、撮影画像をサーバ5に対して周期的に送信する。サーバ5は、カメラ6から送信される撮影画像を周期的に受信する。サーバ5は、前回受信した撮影画像に含まれるユーザ画像と同一のユーザ画像を、今回受信した撮影画像の中から抽出する。これによってサーバ5は、ユーザの位置を追跡する。ユーザの位置を追跡する方法として、例えば特許文献2に記載された方法が使用可能である。サーバ5は、ユーザの位置情報を周期的に特定する。ユーザテーブル151に格納した位置情報は、周期的に特定される位置情報によって更新される。
【0034】
【特許文献2】特開2009−55139号公報
【0035】
図6に示すように、サーバ5から個人情報を取得して表示部27に表示することを望む携帯端末3は、ユーザによって予め登録されている個人情報を、サーバ5に対して送信する。また携帯端末3は、電子コンパス29によって検出される携帯端末3の方向の情報であって、携帯端末3が備えるカメラ28が撮影可能な方向の情報(以下「撮影方向」という。)を、サーバ5に対して送信する(S10)。サーバ5は、携帯端末3から送信された個人情報及び撮影方向を受信する(S7)。サーバ5は、ユーザテーブル151を参照し、以下の処理を行うことによって、携帯端末3に対して送信する位置情報及び個人情報をユーザテーブル151から選択する(S8)。
【0036】
例えば図7のうち、携帯端末3aがサーバ5に対して個人情報及び撮影方向を送信し、サーバ5がこれらを受信したとする。サーバ5は、ユーザテーブル151のうち、携帯端末3から受信した個人情報と同一の個人情報に対応付けられている位置情報を選択する。サーバ5は、選択した位置情報を、携帯端末3aの位置情報として特定する(特定された位置情報を(s,t)とする。)。次いでサーバ5は、携帯端末3aのカメラ28によって撮影可能な領域(以下「撮影可能領域」という。)16を特定する。撮影可能領域16は、携帯端末3aの位置情報(s,t)、携帯端末3aから受信した撮影方向(矢印33)、及び、位置情報(s,t)からの距離Uに基づいて特定される。撮影方向に対する角度が所定角θ(°)の範囲内であり、且つ(s,t)からの距離が所定距離U(m)の範囲内の領域が、撮影可能領域16として特定される。
【0037】
なお上述のパラメータ(θ、U)は、予めサーバ5のHDD15に記憶されていてもよいし、ユーザが携帯端末3を介して入力できるようにしてもよい。携帯端末3は、個人情報及び撮影方向をサーバ5に送信する場合に、入力されたパラメータをサーバ5に対して送信してもよい。サーバ5は、携帯端末3から受信したパラメータに基づいて、撮影可能領域を特定してもよい。
【0038】
続いて、ユーザテーブル151に格納された位置情報のうち、撮影可能領域16内に相当する位置情報が選択される。図7では、ユーザ2b,2c,2dが撮影可能領域16内に位置しているので、ユーザ2b,2c,2dの位置情報が選択されることになる。続いてサーバ5は、ユーザテーブル151に基づいて、選択された位置情報の其々に対応付けられている個人情報を特定する。特定された個人情報は、ユーザ2b,2c,2dの個人情報に該当する。
【0039】
図6に示すように、上述のようにして選択された位置情報及び個人情報は、携帯端末3に送信される(S9)。携帯端末3は、位置情報及び個人情報を受信する(S11)。携帯端末3は、カメラ28によって撮影された撮影画像(例えば撮影画像8、図2参照)のうち、サーバ5から受信した位置情報に対応する位置を特定する。撮影画像のうち特定された位置には、ユーザ2b,2c,2dのユーザ画像が位置している。特定した位置に、受信した個人情報を示す個人情報画像が重ねて表示される(S12)。このように携帯端末3は、表示画像に含まれているユーザ画像に個人情報画像を対応付けて表示できる。
【0040】
例えば図7に示す例では、ユーザ2b,2c,2dの位置情報及び個人情報が、サーバ5から携帯端末3aに対して送信される。携帯端末3aは、表示部27に表示された撮影画像のうち、受信した位置情報に相当する位置に、受信した個人情報を重ねて表示する。ユーザ2bの個人情報画像は、ユーザ2bのユーザ画像に重ねて表示される。ユーザ2cの個人情報画像は、ユーザ2cのユーザ画像に重ねて表示される。ユーザ2dの個人情報画像は、ユーザ2dのユーザ画像に重ねて表示される。これによって、図2に示す表示画像が表示部27に表示される。
【0041】
なお、携帯端末3は、所定の周期で繰り返しサーバ5に対して個人情報及び撮影方向を送信する(S10、図6参照)。サーバ5は、個人情報及び撮影方向を携帯端末3から受信する(S7、図6参照)。サーバ5は、周期的にカメラ6から撮影画像を取得して位置情報を更新しているので、ユーザテーブル151には、携帯端末3の最新の位置情報が記憶されている。サーバ5は、位置情報が更新された最新の位置情報に基づいて、携帯端末3に対して送信する位置情報及び個人情報をユーザテーブル151から再抽出できる(S8、図6参照)。携帯端末3は、最新の位置情報に基づいて再抽出された位置情報及び個人情報をサーバ5から受信し(S11、図6参照)、表示部27に表示できる(S12、図6参照)。このように携帯端末3は、ユーザが移動してユーザ画像が撮影画像内を移動した場合であっても、移動後のユーザ画像に個人情報画像を対応付けることができる。携帯端末3を視認するユーザは、ユーザ画像と個人情報画像とを容易に対応付けて認識できる。
【0042】
図8から図10を参照し、サーバ5のCPU11において実行される処理(入力処理、位置特定処理、送信処理)について説明する。サーバ5の電源が投入された場合に、各処理は起動され実行される。各処理は、OSによって適宜スイッチングされる。
【0043】
図8を参照し、入力処理について説明する。受付装置4から送信される信号を監視することで、ユーザが受付装置4を介して個人情報の入力を開始したかが判断される(S21)。受付装置4は、ユーザが個人情報の入力を開始した場合、サーバ5に対して開始通知信号を送信する。サーバ5において開始通知信号が受信されていない場合、受付装置4への個人情報の入力は開始していないので(S21:NO)、処理はS21に戻る。受付装置4から送信される開始通知信号の受信が継続して監視される。受付装置4から送信される開始通知信号を受信した場合(S21:YES)、受付装置4を介して個人情報の入力が開始されたことになる。カメラ6の状態が監視される(S23)。カメラ6が起動していない場合(S23:NO)、カメラ6を起動し、撮影を開始させる(S25)。処理は、S27に進む。カメラ6が既に起動している場合(S23:YES)、処理はS27に進む。このようにサーバ5は、個人情報の入力が開始された時点でカメラ6の撮影を開始できるので、撮影画像が必要な場合に確実に撮影画像をカメラ6から取得できる。
【0044】
S27では、カメラ6から周期的に送信される撮影画像が受信される(S27)。受信された撮影画像が解析される。撮影画像のうち、受付装置4近傍の所定領域内に、ユーザ画像が含まれているかが判断される(S29)。受付装置4近傍の所定領域内にユーザ画像が含まれていない場合(S29:NO)、受付装置4に対して個人情報の入力を中止させるための中止通知信号が送信される(S33)。受付装置4では、個人情報の入力処理が中止される。処理はS21に戻る。一方、撮影画像のうち、受付装置4近傍の所定領域内にユーザ画像が含まれている場合(S29:YES)、ユーザ画像が所定時間継続して所定領域内に含まれているかが判断される(S31)。所定時間の経過前に、ユーザ画像が所定領域内からなくなってしまった場合(S31:NO)、受付装置4に対して中止通知信号を送信し(S33)、入力処理を中止させる。処理はS21に戻る。
【0045】
ユーザ画像が所定時間継続して所定領域内に含まれていた場合(S31:YES)、受付装置4から送信される個人情報が受信される(S35)。個人情報が受信された時点で所定領域内に位置するユーザ画像は、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定される。これによってサーバ5は、個人情報を入力したユーザを確実に特定できる。特定されたユーザ画像の位置情報が特定される(S37)。ユーザを特定するIDが割り当てられる。ID、位置情報、及び位置情報が対応付けられ、ユーザテーブル151に格納される(S39)。処理は、S21に戻る。
【0046】
図9を参照し、位置特定手段について説明する。入力処理(図8参照)において、ID、位置情報、及び個人情報がユーザテーブル151に格納されたかが判断される(S41)。ID、位置情報、及び個人情報がユーザテーブル151に格納されていない場合(S41:NO)、処理はS41に戻る。個人情報がユーザテーブル151に格納された場合(S41:YES)、カメラ6から周期的に送信される撮影画像が受信される(S43)。撮影画像内に含まれているユーザ画像を特定し、その位置情報を特定する処理が、ユーザテーブル151に格納されているID毎に実行される(S45)。ユーザ画像が特定され、且つ位置情報が特定された場合(S47:YES)、ユーザテーブル151に格納されている位置情報は、特定された位置情報によって上書きされる(S49)。処理はS51に進む。一方、ユーザ画像又は位置情報が特定できなかった場合(S47:NO)、そのまま処理はS51に進む。
【0047】
S51では、ユーザ画像及び位置情報の特定が試みられていないIDが、ユーザテーブル151内に残っているかが判断される(S51)。位置情報の特定が試みられていない情報が残っている場合(S51:YES)、処理はS47に戻る。未処理のIDがユーザテーブル151から選択され、選択されたIDに対応するユーザのユーザ画像及びその位置情報の特定が試みられる(S47、S49)。ユーザテーブル151に格納された全てのIDに対して、ユーザ画像及び位置情報を特定する処理が実行された場合(S51:NO)、所定時間待機される(S53)。所定時間は、カメラ6が撮影画像を送信する周期と略同一とされる。所定時間待機後、処理はS41に戻る。これによって、周期的に撮影画像をカメラ6から受信してユーザ画像の位置情報を更新する処理が繰り返し実行される。このようにサーバ5は、周期的に繰り返しユーザ画像の位置情報を特定してユーザテーブル151に記憶するので、ユーザ画像が撮影画像内を移動した場合であっても、ユーザ画像の位置情報を最新の情報に更新できる。
【0048】
図10を参照し、送信処理について説明する。携帯端末3から送信される個人情報及び撮影方向を受信したかが判断される(S61)。個人情報及び撮影方向を受信していない場合(S61:NO)、処理はS61に戻る。個人情報及び撮影方向を受信した場合(S61:YES)、受信した個人情報が取得される(S63)。受信した撮影方向が取得される(S65)。ユーザテーブル151に格納されている個人情報が検索され、取得された個人情報と同一の個人情報が格納されているかが判断される(S67)。なお、同一の個人情報が格納されているか否かの判断は、複数ある個人情報のうち特定の情報(例えば氏名)のみが一致するかを判断してもよいし、複数ある個人情報の全てが一致するかを判断してもよい。受信した個人情報と同一の個人情報がユーザテーブル151に格納されていない場合(S69:NO)、処理はS61に戻る。
【0049】
受信した個人情報と同一の個人情報がユーザテーブル151に格納されている場合(S69:YES)、該当する個人情報に対応付けられている位置情報が選択される(S71)。選択された位置情報と、取得された撮影方向とに基づいて、個人情報及び撮影方向を送信した携帯端末3の撮影可能領域が特定される(S73)。特定された撮影可能領域内に含まれる位置情報が、ユーザテーブル151から選択される(S75)。選択された位置情報に対応する個人情報が、ユーザテーブル151から特定される(S77)。S71で選択された位置情報、及び、S77で特定された個人情報は、個人情報及び撮影方向を送信した携帯端末3に対して送信される(S79)。処理はS61に戻る。
【0050】
図11を参照し、携帯端末3のCPU21において実行される表示処理について説明する。表示処理は、個人情報を撮影画像に重ねて表示するためのアプリケーションが起動された場合に、CPU21において起動され実行される。
【0051】
表示処理が起動されると、カメラ28による撮影が開始される(S81)。予めフラッシュメモリ24に記憶された個人情報が読み出される。個人情報として、サーバ5のユーザテーブル151に記憶された複数の個人情報全てが記憶されていてもよいし、特定の個人情報のみ記憶されていてもよい。電子コンパス29において検出される方位の情報に基づいて、撮影方向が取得される(S82)。個人情報と撮影方向とが、サーバ5に対して送信される(S83)。このように携帯端末3は、電子コンパス29を使用することで、撮影方向を高い精度で特定できる。
【0052】
送信された個人情報と撮影方向とに応じ、サーバ5から返信される位置情報及び個人情報の受信が監視される(S85)。位置情報及び個人情報が受信されない場合(S85:NO)、処理はS85に戻る。位置情報及び個人情報が受信された場合(S85:YES)、カメラ28によって撮影された撮影画像のうち、受信された位置情報に相当する部分が特定される(S87)。撮影画像のうち特定された部分には、ユーザ画像が位置している。特定された部分に、受信された個人情報を示す個人情報画像が重ねられる。これによって、撮影画像に個人情報画像が重ねられた表示画像が表示部27に表示される(S89)。これによって、ユーザ画像に個人情報画像が対応付けられる。
【0053】
起動中のアプリケーションを終了させる指示が入力されたかが判断される(S91)。アプリケーションを終了させる指示が入力された場合(S91:YES)、表示処理は終了する。アプリケーションを終了させる指示が入力されていない場合(S91:NO)、所定時間待機される(S93)。所定時間の待機後、処理はS82に戻る。撮影方向が新たに取得され(S82)、個人情報及び撮影方向が繰り返しサーバ5に対して送信される。
【0054】
以上説明したように、サーバ5は、携帯端末3の撮影可能領域を特定する。サーバ5は、撮影可能領域内に、他ユーザが存在するか判断する。他ユーザが撮影可能領域内に存在する場合、サーバ5は、該当する他ユーザの個人情報を位置情報と共に携帯端末3に対して送信する。携帯端末3は、撮影画像のうち受信した位置情報に該当する位置に、個人情報を重ねて表示する。これによってサーバ5は、移動する対象物(人など)の位置情報に情報(個人情報など)を対応付けて携帯端末3に提供できる。携帯端末3は、移動対象物と関連情報とを対応付けて表示できる。ユーザは、移動対象物と関連情報とを容易に対応付けて認識できる。
【0055】
サーバ5は、カメラ6によって撮影された撮影画像を画像処理することで、携帯端末3を携帯するユーザの位置情報を特定できる。サーバ5は、GPS等を使用することなく、簡易な方法で容易にユーザの位置情報を特定できる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上述では、サーバ5は、個人情報を受付装置4から受信した時点で所定領域内に位置するユーザ画像を、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定した。本発明はこれに限定されない。例えばサーバ5は、所定時間以上継続して所定領域内に位置するユーザ画像を、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定してもよい。これによって例えば、所定領域内を偶然通過した者のユーザ画像が、個人情報を入力したユーザのユーザ画像として特定されてしまうことを防止できる。
【0057】
上述では、携帯端末3は、電子コンパス29において検出される方位に基づいて決定された撮影方向をサーバ5に対して送信していた。サーバ5は、携帯端末3から送信される撮影方向を受信し、受信した撮影方向に基づいて、撮影可能領域を特定していた。本発明はこれに限定されない。撮影方向は、別の方法で特定されてもよい。例えば図12に示すように、携帯端末3の側端面には、矢印状の識別部35が付されていてもよい。サーバ5は、カメラ6によって撮影された撮影画像から、識別部35を特定してもよい。サーバ5は、特定した識別部35のうち矢印の向く方向を、撮影方向として特定してもよい。これによって、携帯端末3が電子コンパス29を備えていない場合であっても、サーバ5は容易に撮影方向を特定できる。
【0058】
上述では、サーバ5は、携帯端末3から個人情報を受信し、受信した個人情報と同一の個人情報をユーザテーブル151から選択することによって、個人情報を送信した携帯端末3の位置情報を特定していた。本発明はこれに限定されない。携帯端末3は、IDをサーバ5に対して送信してもよい。サーバ5は、受信したIDと同一IDに対応付けられた位置情報をユーザテーブル151から選択することによって、携帯端末3の位置情報を特定してもよい。
【0059】
上述では、受付装置4を介して入力された個人情報がユーザテーブル151に格納された。本発明はこれに限定されない。サーバ5は、携帯端末3から受信した個人情報をユーザテーブル151に格納してもよい。
【0060】
上述では、携帯端末3はサーバ5に対して周期的に個人情報及び撮影方向を送信することで、サーバ5から位置情報及び個人情報を受信していた。本発明はこれに限定されない。サーバ5は、ユーザテーブル151に記憶された位置情報のうちいずれかが更新された場合に、携帯端末3に位置情報及び個人情報を送信してもよい。これによって携帯端末3は、サーバ5に対して個人情報及び撮影方向を繰り返し送信することなく、サーバ5から最新の位置情報及び個人情報を受信できる。また携帯端末3は、移動に伴って撮影方向が変化した場合にのみ、撮影方向をサーバ5に対して送信してもよい。
【0061】
上述では、カメラ6は周期的に撮影画像をサーバ5に対して送信していたが、本発明はこれに限定されない。例えば以下の手順でカメラ6は撮影画像をサーバ5に対して送信してもよい。携帯端末3は、自身が移動した場合に、サーバ5に対して通知信号を送信する。サーバ5は、携帯端末3から通知信号を受信した場合に、カメラ6に対して撮影を指示する。カメラ6は、サーバ5から指示があった場合に、撮影画像を撮影してサーバ5に対して送信する。サーバ5は、受信された撮影画像に基づいて、ユーザの位置情報を特定する。これによってサーバ5は、ユーザが移動した場合にのみ撮影画像を取得してユーザの位置情報を特定できるので、サーバ5の処理負荷を軽減できる。なお、携帯端3の移動時には、サーバ5は撮影画像を取得してユーザの位置情報を特定できるので、サーバ5は最新の位置情報を確実にユーザテーブル151に格納できる。
【0062】
なお、図8のS35の処理を行うCPU11が本発明の「情報取得手段」に相当する。図8のS37、図9のS45の処理を行うCPU11が本発明の「位置取得手段」に相当する。図8のS39、図9のS49の処理を行うCPU11が本発明の「記憶制御手段」に相当する。図10のS65の処理を行うCPU11が本発明の「方向取得手段」に相当し、S71の処理を行うCPU11が本発明の「位置抽出手段」に相当し、S73の処理を行うCPU11が本発明の「領域特定手段」に相当し、S75の処理を行うCPU11が本発明の「位置選択手段」に相当し、S77の処理を行うCPU11が本発明の「情報特定手段」に相当し、S79の処理を行うCPU11が本発明の「情報送信手段」に相当する。図8のS27、図9のS43の処理を行うCPU11が本発明の「画像取得手段」に相当する。図10のS61の処理を行うCPU11が本発明の「第一受信手段」「第二受信手段」に相当する。図11のS85の処理を行うCPU21が本発明の「情報受信手段」に相当し、S87の処理を行うCPU21が本発明の「部分特定手段」に相当し、S89の処理を行うCPU21が本発明の「表示制御手段」に相当し、図11のS83の処理を行うCPU21が本発明の「要求送信手段」に相当する。ユーザテーブル151を記憶する図3のHDD15が本発明の「記憶手段」に相当する。図5のカメラ28が本発明の「第一撮影手段」に相当する。図1のカメラ6が本発明の「第二撮影手段」に相当する。
【0063】
図8のS35の処理が本発明の「情報取得手段」に相当する。図8のS37、図9のS45の処理が本発明の「位置取得手段」に相当する。図8のS39、図9のS49の処理が本発明の「記憶制御手段」に相当する。図10のS65の処理が本発明の「方向取得手段」に相当し、S71の処理が本発明の「位置抽出手段」に相当し、S73の処理が本発明の「領域特定手段」に相当し、S75の処理が本発明の「位置選択手段」に相当し、S77の処理が本発明の「情報特定手段」に相当し、S79の処理が本発明の「情報送信手段」に相当する。
【符号の説明】
【0064】
1 情報提供システム
3 携帯端末
4 受付装置
5 サーバ
6 カメラ
11,21 CPU
15 HDD
16 撮影可能領域
17 所定領域
24 フラッシュメモリ
26 電子コンパス
27 表示部
28 カメラ
29 電子コンパス
151 ユーザテーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、
前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報から選択する位置選択手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段と
を備えたことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記ユーザを撮影可能な第二撮影手段によって撮影された前記ユーザの撮影画像を取得する画像取得手段を備え、
前記位置取得手段は、
前記画像取得手段によって取得された前記撮影画像に基づいて、前記ユーザの前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記画像取得手段は、
前記情報取得手段において前記個人情報が最初に取得された場合に、前記第二撮影手段によって撮影された前記撮影画像の取得を開始することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記位置取得手段は、
前記情報取得手段において前記個人情報が取得された時点で所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記位置取得手段は、
所定時間継続して所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記携帯端末から送信され、前記撮影方向を特定可能な情報を受信する第一受信手段を備え、
前記方向取得手段は、
前記第一受信手段によって受信された情報に基づいて前記撮影方向を特定することで、前記撮影方向を取得することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記画像取得手段は、
前記携帯端末に付された識別部であって前記撮影方向を特定可能な識別部が、前記第二撮影手段によって撮影された場合の前記撮影画像を取得し、
前記方向取得手段は、
前記識別部が撮影された前記撮影画像を解析することによって、前記撮影方向を取得することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記携帯端末から送信される前記個人情報を受信する第二受信手段を備え、
前記位置抽出手段は、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記第二受信手段において受信された前記個人情報に関連付けられた前記位置情報を、前記携帯端末を携帯するユーザの前記位置情報として抽出することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の情報提供装置から情報を受信して表示手段に表示する携帯端末であって、
前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、
像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、
前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、
前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記位置情報及び前記個人情報の送信を要求する要求パケットを、前記情報提供装置に対して送信する要求送信手段を備え、
前記情報受信手段は、
前記要求パケットに応じて前記情報提供装置から送信される前記個人情報及び前記位置情報を受信することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
携帯端末、及び、前記携帯端末に情報を提供する情報提供装置を備えた情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、
前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択定手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段と
を備え、
前記携帯端末は、
前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、
像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、
前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、
前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項12】
入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得ステップにおいて取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御ステップと、
前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得ステップと、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出ステップと、
前記位置抽出ステップにおいて抽出された前記位置情報と、前記方向取得ステップにおいて取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定ステップと、
前記領域特定ステップにおいて特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択ステップと、
前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定ステップと、
前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報、及び、前記情報特定ステップによって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信ステップと
を備えたことを特徴とする情報提供方法。
【請求項13】
請求項1から8のいずれかに記載の情報提供装置の各処理手段としてコンピュータを機能させるための情報提供プログラム。
【請求項1】
入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、
前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報から選択する位置選択手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段と
を備えたことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記ユーザを撮影可能な第二撮影手段によって撮影された前記ユーザの撮影画像を取得する画像取得手段を備え、
前記位置取得手段は、
前記画像取得手段によって取得された前記撮影画像に基づいて、前記ユーザの前記位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記画像取得手段は、
前記情報取得手段において前記個人情報が最初に取得された場合に、前記第二撮影手段によって撮影された前記撮影画像の取得を開始することを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記位置取得手段は、
前記情報取得手段において前記個人情報が取得された時点で所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得することを特徴とする請求項2又は3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記位置取得手段は、
所定時間継続して所定領域内に存在するユーザの前記位置情報を、前記個人情報を入力したユーザの前記位置情報として取得することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記携帯端末から送信され、前記撮影方向を特定可能な情報を受信する第一受信手段を備え、
前記方向取得手段は、
前記第一受信手段によって受信された情報に基づいて前記撮影方向を特定することで、前記撮影方向を取得することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記画像取得手段は、
前記携帯端末に付された識別部であって前記撮影方向を特定可能な識別部が、前記第二撮影手段によって撮影された場合の前記撮影画像を取得し、
前記方向取得手段は、
前記識別部が撮影された前記撮影画像を解析することによって、前記撮影方向を取得することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記携帯端末から送信される前記個人情報を受信する第二受信手段を備え、
前記位置抽出手段は、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記第二受信手段において受信された前記個人情報に関連付けられた前記位置情報を、前記携帯端末を携帯するユーザの前記位置情報として抽出することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の情報提供装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の情報提供装置から情報を受信して表示手段に表示する携帯端末であって、
前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、
像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、
前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、
前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
前記位置情報及び前記個人情報の送信を要求する要求パケットを、前記情報提供装置に対して送信する要求送信手段を備え、
前記情報受信手段は、
前記要求パケットに応じて前記情報提供装置から送信される前記個人情報及び前記位置情報を受信することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
携帯端末、及び、前記携帯端末に情報を提供する情報提供装置を備えた情報提供システムであって、
前記情報提供装置は、
入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得手段において取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得手段と、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出手段と、
前記位置抽出手段において抽出された前記位置情報と、前記方向取得手段において取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定手段と、
前記領域特定手段において特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択定手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定手段と、
前記位置選択手段において選択された前記位置情報、及び、前記情報特定手段によって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信手段と
を備え、
前記携帯端末は、
前記情報提供装置から送信される前記位置情報及び前記個人情報を受信する情報受信手段と、
像を撮影可能な撮影手段である前記第一撮影手段と、
前記第一撮影手段によって撮影された撮影画像のうち、前記情報受信手段によって受信された前記位置情報に相当する部分を特定する部分特定手段と、
前記部分特定手段において特定された部分に、前記情報受信手段によって受信された前記個人情報を重ね、表示手段に表示する表示制御手段と
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項12】
入力手段によって入力されたユーザの個人情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報に対応するユーザの位置を示す位置情報を取得する位置取得ステップと、
前記情報取得ステップによって取得された前記個人情報、及び、前記位置取得ステップにおいて取得された前記位置情報を、前記ユーザ毎に関連付けて記憶手段に記憶する記憶制御ステップと、
前記ユーザの携帯する携帯端末が備える撮影手段である第一撮影手段によって撮影可能な撮影方向を取得する方向取得ステップと、
前記記憶手段に記憶された情報を参照し、前記携帯端末を携帯する前記ユーザの前記位置情報を抽出する位置抽出ステップと、
前記位置抽出ステップにおいて抽出された前記位置情報と、前記方向取得ステップにおいて取得された前記撮影方向とに基づいて、前記携帯端末の前記第一撮影手段によって撮影可能な領域を特定する領域特定ステップと、
前記領域特定ステップにおいて特定された撮影可能な領域内に含まれる前記位置情報を、前記記憶手段に記憶された前記位置情報に基づいて選択する位置選択ステップと、
前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報に関連付けられた前記個人情報を特定する情報特定ステップと、
前記位置選択ステップにおいて選択された前記位置情報、及び、前記情報特定ステップによって特定された前記個人情報を、前記携帯端末に対して送信する情報送信ステップと
を備えたことを特徴とする情報提供方法。
【請求項13】
請求項1から8のいずれかに記載の情報提供装置の各処理手段としてコンピュータを機能させるための情報提供プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−199800(P2011−199800A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−67272(P2010−67272)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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