説明

情報提示システム

【課題】利用者が過去に利用したコンテンツの中から、所望のコンテンツを容易に選択可能な情報提示システムを提供すること。
【解決手段】
コンテンツ提示装置が利用者にコンテンツを提示している利用期間(S10:Yes)の、利用者の所定部位の動き、及びコンテンツ提示装置に対する所定操作の少なくとも一方を検出し、検出情報を作成する(S15)。検出情報に基づき、利用期間中の利用者のコンテンツに対する関心度を算出する(S15)。関心度を、利用者が利用したコンテンツに関するコンテンツ情報と対応付けて、利用履歴を作成する(S25)。利用履歴を、関心度に基づき編集し、コンテンツ情報及び関心度を含む提示情報を作成する(S35)。提示情報を利用者に提示する(S40)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が過去に利用したコンテンツの履歴を利用者に提示する情報提示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやパソコン通信の普及により、インターネット等のネットワークを介して多数のコンテンツ利用者にコンテンツを提供するサービスが広く行われている。また、企業や教育の現場においては、他者が作成した文章ファイルや、表計算ファイル等のコンテンツを頻繁に閲覧するようになっている。コンテンツ利用者は、多数のコンテンツを利用するため、所望のコンテンツをすぐに見つけ出せる環境を整えることが重要となっている。
【0003】
そこでこれまでに、利用者所望のコンテンツをすぐに見つけ出すための検索方法が種々提案されている。例えば、ウェブページの閲覧を行うソフトウェアであるブラウザにおいて、利用者が一定期間内に閲覧したウェブページの履歴をリンクによるネットワーク構造で表示する文書検索結果表示方法及び文書検索・表示装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2006−343905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1記載の文書検索結果表示方法及び文書検索・表示装置では、所望とするウェブページを表示した際の表示経路や表示時期を失念した場合には、検索できないという問題があった。また、表示経路や表示時期を記憶していた場合にも、リンク表示されたウェブページを個別に閲覧し、所望とするウェブページであるか否かを確認しなければならなかった。このため、所望とするウェブページを表示するための作業が煩雑であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、利用者が過去に利用したコンテンツの中から、所望のコンテンツを容易に選択可能な情報提示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の情報提示システムは、利用者にコンテンツを提示するコンテンツ提示装置と、前記コンテンツ提示装置が前記利用者に前記コンテンツを提示している利用期間の、当該利用者の所定部位の動き、及び前記コンテンツ提示装置に対する所定操作の少なくとも一方を検出し、検出情報を作成する検出情報作成手段と、前記検出情報作成手段が作成した前記検出情報に基づき、前記利用期間中の前記利用者の前記コンテンツに対する関心度を算出する関心度算出手段と、前記関心度算出手段が算出した前記関心度を、前記利用者が利用した前記コンテンツに関するコンテンツ情報と対応付けて、利用履歴を作成する利用履歴作成手段と、前記利用履歴作成手段が作成した前記利用履歴を、前記関心度に基づき編集し、前記コンテンツ情報及び前記関心度を含む提示情報を作成する提示情報作成手段と、前記提示情報作成手段が作成した前記提示情報を前記利用者に提示する提示手段とを備えている。
【0008】
また、請求項2に係る発明の情報提示システムは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間と、前記利用者の体の動きの検出結果に基づき求められ、前記利用者が静止している時間を表す静止時間とを含み、前記関心度算出手段は、前記コンテンツ提示時間と前記静止時間とに基づき前記関心度を算出する。
【0009】
また、請求項3に係る発明の情報提示システムは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間と、所定条件を満たした場合の前記利用者の目の動きの検出結果に基づき求められた目線時間とを含み、前記関心度算出手段は、前記コンテンツ提示時間と前記目線時間とに基づき前記関心度を算出する。
【0010】
また、請求項4に係る発明の情報提示システムは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間と、所定条件を満たした場合の前記コンテンツ提示装置の画面に提示されるポインタに対する操作の有無に基づく操作時間とを含み、前記関心度算出手段は、前記コンテンツ提示時間と前記操作時間とに基づき前記関心度を算出する。
【0011】
また、請求項5に係る発明の情報提示システムは、請求項3又は4に記載の発明の構成に加え、前記所定条件は、前記利用者が体を動かしていない条件であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明の情報提示システムは、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記検出手段が検出した前記検出情報に基づき、前記利用者にとっての前記コンテンツの重要度を算出する重要度算出手段をさらに備え、前記利用履歴作成手段は、前記関心度算出手段が算出した前記関心度、及び前記重要度算出手段が算出した前記重要度を、前記コンテンツ情報と対応付けて、前記利用履歴を作成し、前記提示情報作成手段は、前記利用履歴作成手段が作成した前記利用履歴を、前記関心度及び前記重要度に基づき編集して前記提示情報を作成する。
【0013】
また、請求項7に係る発明の情報提示システムは、請求項6に記載の発明の構成に加え、前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツの提示を開始した時と、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツの提示を終了した時とにおける、前記利用者と前記コンテンツ提示装置との距離を比較した姿勢情報を含み、前記重要度算出手段は、少なくとも前記検出情報作成手段が作成した前記姿勢情報に基づき、前記重要度を算出する。
【0014】
また、請求項8に係る発明の情報提示システムは、請求項6又は7に記載の発明の構成に加え、前記検出情報は、前記所定操作である前記コンテンツ提示装置に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動された操作に基づく操作情報を含み、前記重要度算出手段は、少なくとも前記検出情報作成手段が作成した前記操作情報に基づき、前記重要度を算出する。
【0015】
また、請求項9に係る発明の情報提示システムは、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間を、当該コンテンツ毎に積算した累積時間を含み、前記重要度算出手段は、少なくとも前記検出情報作成手段が作成した前記累積時間に基づき、前記重要度を算出する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明の情報提示システムによれば、過去に利用したコンテンツの中から、利用者が興味、関心を持ったコンテンツを見つけ出したい場合に、利用者は提示情報に含まれるコンテンツ情報及び関心度を参照しながら、所望のコンテンツを容易に探すことができる。提示情報に含まれる関心度は、利用者がコンテンツを利用している期間に、検出・作成された検出情報に基づき自動的に作成される。したがって、利用者は、関心を持ったコンテンツを履歴に登録したり、コンテンツに対する評価を入力したりする煩雑な操作をすることなく、容易に提示情報を取得することができる。
【0017】
請求項2に係る発明の情報提示システムによれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、検出情報は、利用者の体の動きの検出結果に基づき求められ、利用者が静止している時間を表す静止時間を含む。一般に、閲覧するタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者は静止している。閲覧するタイプのコンテンツとしては、文章ファイル、表計算ファイル、テレビ番組、映画等の動画、ウェブページが挙げられる。このため、静止時間を用いれば、関心度を的確に求めることができる。
【0018】
請求項3に係る発明の情報提示システムによれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、検出情報は、所定条件を満たした場合の利用者の目の動きの検出結果に基づき求められた目線時間を含む。一般に、文字を目で追うタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者の目は文字をなぞった動きをする。文字を目で追うタイプのコンテンツとしては、例えば、文章ファイル、表計算ファイル、ウェブページが挙げられる。一方、コンテンツが動画である場合には、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者の目は所定の範囲を注視した動きをする。このため、目線時間を用いれば、関心度を的確に求めることができる。
【0019】
請求項4に係る発明の情報提示システムによれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、検出情報は、所定条件を満たした場合のコンテンツ提示装置に対する所定操作の有無に基づく操作時間を含む。文字を目で追うタイプのコンテンツの場合、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間に、利用者はポインタに文字を反転表示させたり、文字をなぞった動きをさせたりする。一方、動画が再生されるタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、ポインタは操作されない。このため、操作時間を用いれば、関心度を的確に求めることができる。
【0020】
請求項5に係る発明の情報提示システムによれば、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、利用者が体を動かしていない条件を満たすときの目線時間又は操作時間を用いて、関心度を作成する。前述のように、閲覧するタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者は体を動かしていない、すなわち、静止している。このため、利用者が体を動かしていない条件を満たすときの目線時間又は操作時間を用いれば、関心度をより的確に求めることができる。
【0021】
請求項6に係る発明の情報提示システムによれば、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加え、提示情報は、関心度に加え、重要度に基づき編集される。提示情報に含まれる履歴が多い場合等、コンテンツ情報及び関心度のみでは、所望のコンテンツを見つけることが困難な場合が想定される。このような場合にも、第3の要素として重要度を参照することにより、所望のコンテンツを容易に探すことができる。提示情報に含まれる重要度は、利用者がコンテンツを利用している期間に、検出・作成された検出情報に基づき自動的に作成される。したがって、利用者は、コンテンツの重要度を入力する煩雑な操作をすることなく、容易に重要度を含む提示情報を取得することができる。
【0022】
請求項7に係る発明の情報提示システムによれば、請求項6に記載の発明の効果に加え、提示情報には姿勢情報に基づき求められた重要度が含まれる。一般に、利用者にとって重要度の高いコンテンツでは、コンテンツの提示を開始した時に比べ、コンテンツの提示を終了した時には、利用者とコンテンツ提示装置との距離が近くなる。このため、姿勢情報を用いれば、重要度を的確に求めることができる。
【0023】
請求項8に係る発明の情報提示システムによれば、請求項6又は7に記載の発明の効果に加え、提示情報にはコンテンツ提示装置に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動された操作に基づく操作情報に基づき求められた重要度が含まれる。一般に、画面のスクロールバーが表示されるタイプのコンテンツの場合、利用者にとって重要度の高いコンテンツでは、一度閲覧した箇所を再度確認することがある。このような場合、コンテンツ提示装置に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動される操作が実行される。このため、操作情報を用いれば、重要度を的確に求めることができる。
【0024】
請求項9に係る発明の情報提示システムによれば、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明の効果に加え、提示情報にはコンテンツ提示時間を、コンテンツ毎に積算した累積時間が含まれる。利用者にとって重要度の高いコンテンツは、繰り返し利用され、累積時間が多くなることが想定される。このため、累積時間を用いれば、重要度を的確に求めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明を適用した例として、第1〜第7の実施形態を、図面を参照して順に説明する。まず、第1〜第7の実施形態の情報提示システム1の共通するシステム構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、情報提示システム1の外観を示す模式図である。図2は、情報提示システム1のブロック図である。図1及び図2に示すように、情報提示システム1は、センサ部10,パーソナルコンピュータ(PC)30,出力装置50,及び入力装置60を備える。以下、各構成要素の電気的構成について、図2を参照して詳述する。
【0026】
まず、PC30の電気的構成について図2を参照して説明する。PC30は、所謂汎用のパーソナルコンピュータであり、本発明の「コンテンツ提示装置」に相当する。図2に示すように、PC30は、CPU31,ROM32,RAM33,I/Oインタフェイス(I/F)34〜38,及びハードディスク装置(HDD)39を備える。ROM32,RAM33,I/Oインタフェイス(I/F)34〜38,及びHDD39は、バスを介して、CPU31に接続している。また、入力装置60は、所謂キーボード及びマウスで構成され、I/F34を介しCPU31に接続されている。出力装置50は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、I/F35を介してCPU31に接続している。また、PC30は、I/F36を経由してインターネット等のネットワーク4に接続可能である。PC30は、入力装置60を用いて入力された指示に応じて、PC30内に記憶されたコンテンツ又はネットワーク4を介して取得されたコンテンツを、出力装置50に出力する。
【0027】
次に、センサ部10の電気的構成について、図2を参照して説明する。センサ部10は、PC30がコンテンツを利用者に提示している利用期間に、利用者の所定の動きを検出するセンサを備える。具体的には、センサ部10は、センサとして、焦電センサ12,赤外線センサ13,及びカメラ22を備える。
【0028】
ここで、焦電センサ12及び赤外線センサ13の測定対象について、図3を参照して説明する。図3は、焦電センサ12及び赤外線センサ13の測定対象の説明図である。焦電センサ12は、焦電型赤外線センサであり、利用者3から放出される赤外線61の変化を検出する。赤外線センサ13は、照射した赤外線62のうち、利用者3により反射された赤外線63を検出する。焦電センサ12及び赤外線センサ13からの出力データは、I/F11を介してPC30に入力される。PC30において、焦電センサ12及び赤外線センサ13からの出力データに基づき、利用者の体の動きの有無、及び利用者がPC30の周囲の所定の範囲にいるか否かが判断される。次に、カメラ22の測定対象について説明する。カメラ22は利用者の体、特に利用者の目の周囲を撮影するのに用いられる。カメラ22により撮影された利用者の画像データは、I/F21を介してPC30に入力される。そして、PC30において画像データは公知の画像解析プログラムを用いて解析され、利用者の目線の動きが判断される。
【0029】
上記構成を有する情報提示システム1では、利用者がコンテンツを利用している利用期間に、利用中のコンテンツの関心度を自動的に作成する処理が実行される。そして、作成された関心度は、利用者が過去に利用したコンテンツ中から、所望のコンテンツを選択する際に利用される。
【0030】
次に、第1の実施形態のPC30のメイン処理について、図4〜図9を参照して説明する。図4は、PC30のメイン処理のフローチャートである。図5は、図4に示すメイン処理において実行される関心度算出処理のフローチャートである。図6は、焦電センサ12及び赤外線センサ13の出力値を例示するグラフである。図7は、静止時間がコンテンツ提示時間に占める割合と関心度との関係を定めたテーブルである。図8は、コンテンツ情報と、関心度とを記憶した利用履歴である。図9は、利用者に提示される画面の説明図である。尚、図4及び図5に示す各処理を実行させるプログラムは、ROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図4及び図5に示す各処理において取得されたデータは、適宜RAM33(図2参照)に記憶される。
【0031】
図4に示すように、メイン処理ではまず、CPU31は、初期化処理を実行する(S5)。S5では、CPU31は、例えば、RAM33に記憶されている全てのパラメータをクリアする。続いて、コンテンツが開始されるか否かを判断する(S10)。具体的には、利用者が入力装置60を操作して、コンテンツを利用する指示を入力した場合に、CPU31はコンテンツを開始すると判断する。コンテンツが開始されない場合(S10:No)の処理は後述する。コンテンツが開始される場合(S10:Yes)、関心度算出処理を実行する(S15)。
【0032】
関心度算出処理を、図5を参照して説明する。図5に示すように、関心度算出処理ではまず、CPU31は、コンテンツ提示時間の計測を開始させる(S105)。コンテンツ提示時間は、関心度算出処理とは別途実行されるプログラムにより所定時間毎(例えば、1sec毎)に更新され、RAM33に記憶される。またS105において、CPU31は、センサ部10が備える焦電センサ12,赤外線センサ13,及びカメラ22を起動させる。
【0033】
続いて、CPU31は、赤外線センサ13の出力データに基づき、利用者を検知したか否かを判断する(S110)。図6に示す出力データを例に、S110の処理を説明する。図6において、紙面上側のグラフ101は、赤外線センサの出力値とコンテンツ提示時間(t)との関係を示している。グラフ101において、期間t1及び期間t2の出力値は、利用者により反射された赤外線63を検出している場合の出力値を示し、期間t3の出力値は、利用者により反射された赤外線63(図3参照)を検出していない場合の出力値を示している。期間t3の出力値が検出された場合(S110:No)、後述するS125の処理を行う。一方、期間t1及び期間t2の出力値が検出された場合には、(S110:Yes)、利用者が動いているか否かを判断する(S115)。
【0034】
図6に示す出力データを例に、S115の処理を説明する。図6の紙面下側のグラフ102は、焦電センサの出力値とコンテンツ提示時間(t)との関係を示している。グラフ102において、期間t2の出力値は、赤外線61(図3参照)の変動を検出した場合、すなわち、利用者が動いた場合の出力値を示す。一方、グラフ102において、期間t1及び期間t3の出力値は、赤外線61(図3参照)の変動を検出していない場合、すなわち、利用者が動いていない場合、又は利用者がいない場合の出力値を示す。期間t1の出力値を検出した場合(S115:No)、CPU31は静止時間を所定時間増加させ、RAM33に記憶させる(S120)。所定時間は、S115の実行頻度に応じて定められている。続いて、後述するS125の処理を行う。期間t2の出力値を検出した場合(S115:Yes)、コンテンツ終了か否かを判断する(S125)。具体的には、利用者が入力装置60を操作して、コンテンツを終了させる指示を入力した場合に、コンテンツ終了と判断する。コンテンツを終了しない場合(S125:No)、CPU31は、S110に戻り処理を繰り返す。コンテンツを終了する場合(S125:Yes)、コンテンツ提示時間の計測を停止させる(S130)。また、CPU31は、センサ部10が備える焦電センサ12,赤外線センサ13,及びカメラ22を停止させる。
【0035】
続いて、CPU31はRAM33に記憶されている静止時間、及びコンテンツ提示時間を取得する(S135)。続いて、S135において取得した静止時間がコンテンツ提示時間に占める割合に基づき、関心度を求め、RAM33に記憶させる(S140)。具体的には、CPU31は、図7に例示するテーブルと、S135において取得した静止時間がコンテンツ提示時間に占める割合とを比較して、関心度を求める。例えば、静止時間がコンテンツ提示時間に占める割合が25%である場合、図7に基づき、関心度は30%と求められる。続いて、RAM33及びHDD39を参照し、累積時間を算出し、RAM33に記憶させる(S145)。累積時間とは、コンテンツ毎にコンテンツ提示時間を累積した時間である。CPU31は、HDD39に記憶されている利用履歴120(図8参照)を参照し、利用されたコンテンツが過去に利用されている場合、コンテンツ提示時間を累積する。続いて、CPU31は、関心度算出処理を終了し、図4に示すメイン処理に戻る。
【0036】
引き続き図4を参照して、PC30のメイン処理を説明する。CPU31は、コンテンツ提示時間が下限値以上、かつ上限値以下であるか否かを判断する(S20)。コンテンツ提示時間は、図5の関心度算出処理のS130において算出され、RAM33に記憶されている。下限値及び上限値は、コンテンツに含まれる情報量に応じて定められる。コンテンツに含まれる情報量としては、例えば、文字数、ファイル容量、再生時間が挙げられる。S20において、コンテンツ提示時間が下限値以上であるか否かを判断するのは、コンテンツの関心度を算出するのに十分な時間、コンテンツが提示されていたか否かを判断するためである。また、S20において、コンテンツ提示時間が上限値以下であるか否かを判断するのは、コンテンツが適切に利用されていたか否かを判断するためである。コンテンツが適切に利用されていない場合の具体的な例としては、例えば、コンテンツ提示時間内に利用者が中座した場合や、利用者がコンテンツの利用以外の作業を行った場合が挙げられる。
【0037】
コンテンツ提示時間が下限値以上、かつ、上限値以下ではない場合(S20:No)、CPU31はS15において算出した関心度は利用履歴120(図8参照)に記憶させず、後述するS30の処理を実行する。コンテンツ提示時間が下限値以上、かつ、上限値以下である場合(S20:Yes)、図8に例示する利用履歴120を更新させる(S25)。具体的には、CPU31はS15において算出した関心度と、利用されたコンテンツのコンテンツ情報とを、利用履歴120に追加し、HDD39に記憶させる(S25)。第1の実施形態では、図8に示すように、利用日時121,コンテンツ情報としてアドレス122,タイトル123,内容124が利用履歴120に記憶される。また、図5に示す関心度算出処理において求めたコンテンツ提示時間125,関心度126,及び累積時間127がそれぞれコンテンツ情報と対応付けて利用履歴120に記憶される。
【0038】
続いて、CPU31は、提示命令が入力されたか否かを判断する(S30)。具体的には、利用者が入力装置60を操作して、コンテンツの関心度に基づき利用履歴120を編集した提示情報を提示する指示を入力した場合に、提示命令ありと判断する。提示命令がない場合(S30:No)、S5に戻り処理を繰り返す。提示命令がある場合(S30:Yes)、利用履歴120を関心度126に基づき編集し、提示情報を作成する(S35)。第1の実施形態では、利用履歴120に含まれる情報を、関心度126が高い順にソートして提示情報を作成する。関心度126が同じコンテンツが複数ある場合、関心度126が同じコンテンツ内で累積時間127が長い順にソートして提示情報を作成する。
【0039】
続いて、CPU31は、S35において編集した提示情報を、利用者に提示する(S40)。具体的には、CPU31は、図9の画面130に例示するように、提示情報を出力装置50に出力する。画面130に示される各項目は、アドレスに示されるコンテンツの記憶場所へのリンクが挿入されている。よって、利用者は、画面130に示された提示情報の中から、所望のコンテンツを見つけ出した場合、各項目に挿入されたリンクを利用して、容易にそのコンテンツにアクセスすることができる。続いて、S5に戻り処理を繰り返す。以上のように、CPU31はメイン処理を実行する。
【0040】
尚、第1の実施形態において、利用者にコンテンツを提示する図1及び図2に示すPC30は、本発明のコンテンツ提示装置に相当する。PC30が利用者にコンテンツを提示している利用期間(図4のS10:Yes)の、利用者の体の動きを検出し、検出情報としてコンテンツ提示時間(図5のS105,S130)及び静止時間を算出する(図5のS120)、図2に示すCPU31は、本発明の検出情報作成手段として機能する。図5のS140において、コンテンツ提示時間と静止時間とに基づき関心度を算出するCPU31は、本発明の関心度算出手段として機能する。図4のS25において、関心度を、利用者が利用したコンテンツ情報と対応付けて、利用履歴を更新するCPU31は、本発明の利用履歴作成手段として機能する。図4のS35において、利用履歴120を、関心度に基づき編集し、コンテンツ情報及び関心度を含む提示情報を作成するCPU31は、本発明の提示情報作成手段として機能する。図4のS40において、提示情報を利用者に提示するCPU31は、本発明の提示手段として機能する。
【0041】
上記第1の実施形態によれば、利用者がコンテンツを利用している利用期間に、検出、作成された検出情報に基づき、そのコンテンツに対する利用者の関心度が自動的に推定、作成される。具体的には、利用期間中における、焦電センサ12及び赤外線センサ13からの出力値に基づき、利用者が静止している時間を表す静止時間を検出情報として関心度を算出する。一般に、閲覧するタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者は静止している。閲覧するタイプのコンテンツとしては、文章ファイル、表計算ファイル、テレビ番組、映画等の動画、ウェブページが挙げられる。このため、静止時間を用いれば、関心度を的確に求めることができる。このように、関心度の作成に際し、利用者は、関心を持ったコンテンツを履歴に登録したり、コンテンツに対する評価を入力したりする煩雑な操作をする必要がない。一方利用者は、過去に利用したコンテンツの中から、利用者が興味、関心を持ったコンテンツを見つけ出したい場合に、提示情報に含まれる関心度を参照しながら、所望のコンテンツを容易に探すことができる。さらに、コンテンツがPC30に記憶されている場合、提示情報に含まれる関心度を用いて、不要なコンテンツの整理(削除や移動等)をすることも可能である。
【0042】
次に、第2の実施形態のPC30のメイン処理について、図10を参照して説明する。また、図10において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。図10に示すように、第2の実施形態のPC30のメイン処理は、S16,S26,S36,及びS41において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、まず、S16において実行される第2の実施形態の関心度算出処理について、図11〜図13を参照して説明する。次に、図10のS26,S36,及びS41について、図14及び図15を参照して説明する。図11は、第2の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。図12は、赤外線センサ13の測定対象の説明図である。図13は、赤外線センサ13の出力値の説明図である。尚、図10及び図11に示す各処理を実行させるプログラムはROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図11において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。
【0043】
図11に示すように、第2の実施形態の関心度算出処理では、S106,S126,S131,及びS132が実行される点で、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と異なる。第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、以下、第1の実施形態と異なる、S106,S126,S131,及びS132について順に説明する。
【0044】
S106では、CPU31は、赤外線センサ13の出力値から、コンテンツ提示開始時の、利用者と赤外線センサ13との間の距離を取得し、RAM33に記憶させる(S106)。S106は、コンテンツ提示開始時における利用者と赤外線センサ13との間の距離を基準として、コンテンツ提示開始時とコンテンツ提示終了時とにおける利用者の姿勢の変化を評価するための処理である。S126では、CPU31は、赤外線センサ13の出力値から、コンテンツ提示終了時の、利用者と赤外線センサ13との間の距離を取得し、RAM33に記憶させる(S126)。
【0045】
S131では、CPU31は、S106で取得した開始時の距離より、S126で取得した終了時の距離よりも小さいか否かを判断する(S131)。第2の実施形態では、利用者の姿勢の変化を、赤外線センサ13と利用者との間の距離の変化により判断している。例えば、図12に示すように、利用者3の姿勢が、破線で示す姿勢から実線で示す姿勢に変化した場合を想定する。この場合、赤外線センサ13の出力値は、図13に示すように、赤外線センサ13と利用者との間の距離に応じて、期間t4で示す期間の出力値から、期間t5で示す期間の出力値へと変化する。尚、S106で取得した開始時の距離と、S126で取得した終了時の距離とを比較した情報は、本発明の姿勢情報に相当する。
【0046】
一般に、利用者にとって重要度の高いコンテンツでは、コンテンツの提示を開始した時に比べ、コンテンツの提示を終了した時にはPC30と利用者の距離が小さくなる。よって、S106で取得した開始時の距離より、S126で取得した終了時の距離の方が小さくなる(S131:Yes)。この場合、CPU31は、重みに1をセットし、RAM33に記憶させる(S132)。第2の実施形態では、コンテンツの重要度を示す重みを0又は1で付与し、重みの初期値は0としている。重みに1が設定されたコンテンツは、重みに0が設定されているコンテンツに比べ、利用者にとって重要度の高いコンテンツであることを示している。S106で取得した開始時の距離より、S126で取得した終了時の距離の方が小さくはない場合(S131)、又はS132に続いて、第1の実施形態と同様のS135を実行する。以上のように、CPU31は、第2の実施形態の関心度算出処理を実行する。
【0047】
次に、図10のS26,S36,及びS41について、図14及び図15を参照して説明する。図14は、第2の実施形態の利用履歴である。図15は、利用者に提示される画面の説明図である。
【0048】
S26では、CPU31は、図14に例示する利用履歴180を更新させる(S26)。具体的には、CPU31は図10のS16において算出した関心度及び重みと、利用されたコンテンツのコンテンツ情報とを、利用履歴180に追加し、HDD39に記憶させる(S26)。図14の利用履歴180に含まれる情報は、第1の実施形態の利用履歴120(図8参照)に含まれる情報に加え、重み128が含まれる。
【0049】
図10のS36では、CPU31は、関心度126及び重み128に基づき利用履歴180を編集し、提示情報を作成する(S36)。第2の実施形態では、利用履歴180に含まれる情報を、まず、関心度126が高い順にソートする。関心度126が同じコンテンツが複数ある場合、関心度126が同じコンテンツ内で重み128が大きい順にソートして提示情報を作成する。図10のS41では、S36において編集した提示情報を、利用者に提示する(S41)。具体的には、CPU31は、画面190(図15参照)に例示するように、S36で編集した提示情報を出力装置50に出力する。続いて、S5に戻り処理を繰り返す。以上のように、CPU31は第2の実施形態のメイン処理を実行する。
【0050】
尚、上記第2の実施形態において、図11のS106とS126とにおいて、PC30と利用者との間の距離を取得し、S131において、両距離を比較した姿勢情報を検出情報として、重みを算出するCPU31は、本発明の重要度算出手段として機能する。図10のS26において、関心度及び重みを、コンテンツ情報と対応付けて、利用履歴180を更新するCPU31は、本発明の利用履歴作成手段として機能する。図10のS36において、利用履歴180を、関心度126及び重要度を表す重み128に基づき編集して提示情報を作成するCPU31は、本発明の提示情報作成手段として機能する。
【0051】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、提示情報は、関心度に加え、重みに基づき編集される。提示情報に含まれるコンテンツが多い場合等、コンテンツ情報及び関心度のみでは、所望のコンテンツを見つけることが困難な場合が想定される。このような場合にも、第3の要素として重みを参照することにより、所望のコンテンツを容易に探すことができる。提示情報に含まれる重みは、利用者がコンテンツを利用している期間に、検出・作成された検出情報に基づき自動的に作成される。したがって、利用者は、コンテンツの重要度を入力する煩雑な操作をすることなく、容易に重要度を含む提示情報を取得することができる。第2の実施形態では、重みを姿勢情報に基づき求めている。一般に、利用者にとって重要度の高いコンテンツでは、コンテンツの提示を開始した時に比べ、コンテンツの提示を終了した時には、利用者とPC30との距離が近くなる。このため、姿勢情報を用いれば、重みを的確に求めることができる。
【0052】
次に、第3の実施形態のPC30のメイン処理について説明する。図示しないが、第3の実施形態のPC30のメイン処理は、S15の関心度算出処理において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1の実施形態と異なる第3の実施形態の関心度算出処理について、図16〜図19を参照して説明する。図16は、第3の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。図17は、図16の関心度算出処理において実行される目線検出処理のフローチャートである。図18は、コンテンツが文章である場合の、利用者の目線の動きの説明図である。図19は、目線時間がコンテンツ提示時間に占める割合と関心度との関係を定めたテーブルである。尚、図16及び図17に示す各処理を実行させるプログラムはROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図16において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。
【0053】
図16に示すように、第3の実施形態の関心度算出処理では、S111,S136,及びS141が実行される点で、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と異なる。第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、以下、第1の実施形態と異なる、S111,S136,及びS141について順に説明する。
【0054】
S111では、CPU31は目線検出処理を実行する(S111)。目線検出処理の詳細を、図17を参照して説明する。図17に示すように、目線検出処理ではまず、CPU31は、提示されているコンテンツが動画であるか否かを判断する(S205)。コンテンツが動画であるか否かは、例えば、コンテンツに付随する情報を参照して判断する。また例えば、コンテンツを提示するために利用中のソフトウェアの種類に基づき判断する。コンテンツが動画ではない場合(S205:No)の処理は後述する。コンテンツが動画である場合(S205:Yes)、CPU31は、利用者の目線が動いているか否かを判断する(S210)。第3の実施形態では、カメラ22を用いて利用者の顔を撮影した画像データを、図17に示す目線検出処理とは別途実行される公知のプログラムを用いて解析する。そして、CPU31は、S210においてその解析結果に基づき、利用者の目線が動いているか否かを判断する。
【0055】
利用者の目線が動いていない場合(S210:No)、CPU31は、目線時間を所定時間増加させ、RAM33に記憶させる(S215)。所定時間は、目線検出処理の実行頻度に応じて定められている。目線時間は、利用者が集中してコンテンツを利用している時間を反映している。利用者の目線が動いていない場合に、目線時間をカウントするのは、次の理由による。すなわち、コンテンツが動画である場合は、一般に、利用者がコンテンツを集中して利用しているときには、利用者は画面を注視し、目線が動かないからである。利用者の目線が動いている場合(S210:Yes)、又はS215に続いて、図16に示す関心度算出処理に戻る。
【0056】
S205において、コンテンツが動画ではない場合(S205:No)、CPU31は利用者の目線が文章をなぞっているか否かを判断する(S220)。「利用者の目線が文章をなぞっている」状態について、図18を例に説明する。利用者に提示されているコンテンツが図18に例示するような横書きの文章である場合、利用者は矢印のように目線を動かしてコンテンツに含まれる文章を読む。CPU31は、上述の画像データの解析結果に基づき、利用者の目線がコンテンツに含まれる文章を読んでいる場合の動きをしていると判断される場合に、「利用者の目線が文章をなぞっている」と判断する。利用者の目線が文章をなぞっている場合(S220:Yes)、目線時間を所定時間増加させ、RAM33に記憶させる(S215)。所定時間は、目線検出処理の実行頻度に応じて定められている。利用者の目線が文章をなぞっている場合に、目線時間をカウントするのは、次の理由による。すなわち、コンテンツが文章である場合は、一般に、利用者がコンテンツを集中して利用しているときには、利用者は文章を読んでいるため、利用者の目線が文章をなぞるように動くからである。利用者の目線が文章をなぞっていない場合(S220:No)、又はS225に続いて、CPU31は、図16に示す関心度算出処理に戻る。
【0057】
図16のS136では、CPU31はRAM33を参照し、目線時間及びコンテンツ提示時間を取得する(S136)。続いて、S136において取得した目線時間がコンテンツ提示時間に占める割合に基づき、関心度を求め、RAM33に記憶させる(S141)。具体的には、CPU31は、図19に例示するテーブルと、S136において取得した目線時間がコンテンツ提示時間に占める割合とを比較して、関心度を求める。例えば、目線時間がコンテンツ提示時間に占める割合が15%である場合、図19のテーブルに基づき関心度は20%であると求められる。以上のように、CPU31は、第3の実施形態の関心度算出処理を実行する。
【0058】
尚、上記第3の実施形態において、検出情報として、コンテンツ提示時間に加え、利用期間中の利用者の目の動きの検出結果(S210:No,S220:Yes)に基づき求められた目線時間を取得する(S215,S225)CPU31は、本発明の検出情報作成手段として機能する。また、図16のS141において、コンテンツ提示時間と目線時間とに基づき関心度を算出するCPU31は、本発明の関心度算出手段として機能する。
【0059】
上記第3の実施形態によれば、検出情報は、利用期間中の利用者の目の動きの検出結果に基づき求められた目線時間を含む。一般に、コンテンツが文章を含む場合は、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者の目は文章をなぞった動きをする。文章を目で追うタイプのコンテンツとしては、例えば、文章ファイル、表計算ファイル、ウェブページが挙げられる。一方、コンテンツが動画である場合には、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者の目は所定の範囲を注視した動きをする。このため、目線時間を用いれば、関心度を的確に求めることができる。第3の実施形態においても、関心度の作成に際し、利用者は、関心を持ったコンテンツを履歴に登録したり、コンテンツに対する評価を入力したりする煩雑な操作をする必要がない。一方利用者は、過去に利用したコンテンツの中から、利用者が興味、関心を持ったコンテンツを見つけ出したい場合に、提示情報を参照しながら、所望のコンテンツを容易に探すことができる。
【0060】
次に、第4の実施形態のPC30のメイン処理について説明する。図示しないが、第4の実施形態のPC30のメイン処理は、S15の関心度算出処理において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1の実施形態と異なる第4の実施形態の関心度算出処理について、図20を参照して説明する。図20は、第4の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。尚、図20に示す各処理を実行させるプログラムはROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図20において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理、又は図16に示す第3の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。
【0061】
図20に示すように、第4の実施形態の関心度算出処理では、S120に代えてS121が実行され、S136,及びS141が実行される点で、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と異なる。S121の処理は、図16に示す第3の実施形態の関心度算出処理のS111の処理と同様であり、S136,及びS141の処理は、第3の実施形態の関心度算出処理のS136,及びS141と同様である。よって、説明を省略する。以上のように、CPU31は、第4の実施形態では、利用者が動いていない場合に(S115:No)、第3の実施形態と同様の目線検出処理を行う(S121)。
【0062】
尚、上記第4の実施形態において、検出情報として、コンテンツ提示時間に加え、利用者が体を動かしていない期間に(S115:No)、利用者の目の動きの検出結果(S210:No,S220:Yes)に基づき求められた目線時間を取得する(S121)CPU31は、本発明の検出情報作成手段として機能する。
【0063】
上記第4の実施形態の情報提示システム1によれば、利用者が体を動かしていない条件を満たすときの目線時間を用いて、関心度を作成する。前述のように、閲覧するタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者は体を動かしていない、すなわち、静止している。このため、利用者が体を動かしていない条件を満たすときの目線時間を用いれば、関心度をより的確に求めることができる。
【0064】
次に、第5の実施形態のPC30のメイン処理について説明する。図示しないが、第5の実施形態のPC30のメイン処理は、S15の関心度算出処理において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1の実施形態と異なる第5の実施形態の関心度算出処理について、図21〜図25を参照して説明する。図21は、第5の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。図22は、図21の関心度算出処理において実行されるポインタ検出処理のフローチャートである。図23は、コンテンツが動画である場合の画面の説明図である。図24は、コンテンツが文章である場合の画面の説明図である。図25は、操作時間がコンテンツ提示時間に占める割合と関心度との関係を定めたテーブルである。尚、図21及び図22に示す各処理を実行させるプログラムはROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図21において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。
【0065】
図21に示すように、第5の実施形態の関心度算出処理では、S112,S137,及びS142が実行される点で、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と異なる。第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、以下、第1の実施形態と異なる、S112,S137,及びS142について順に説明する。
【0066】
S112では、CPU31はポインタ検出処理を実行する(S112)。ポインタ検出処理の詳細を、図22を参照して説明する。図22に示すように、ポインタ検出処理ではまず、CPU31は、提示されているコンテンツが動画であるか否かを判断する(S305)。コンテンツが動画であるか否かの判断方法は、図17に示す目線検出処理のS205と同様である。コンテンツが動画ではない場合(S305:No)の処理は後述する。コンテンツが動画である場合(S305:Yes)、CPU31は、ポインタが動いているか否かを判断する(S310)。ポインタは、出力装置50に表示されるカーソル、又はポインタ(矢印)を言い、入力装置60を利用者が操作した場合に移動される。ポインタが動いているか否かは、例えば、入力装置60からポインタを移動させるための指示が入力されたか否かにより判断する。
【0067】
ポインタが動いていない場合(S310:No)、CPU31は操作時間を所定時間増加させ、RAM33に記憶させる(S315)。所定時間は、ポインタ検出処理の実行頻度に応じて定められている。操作時間は、利用者が集中してコンテンツを利用している時間を反映している。ポインタが動いていない場合に(S310:No)、操作時間をカウントする(S315)のは、次の理由による。すなわち、図23に示すようにコンテンツが動画である場合は、ポインタ71はコンテンツを、停止、再生、早送り、巻き戻し等をすることを指示するために用いられる。そして、一般に、利用者がコンテンツを集中して利用しているときには、利用者はポインタ71を動かす指示を入力しないからである。ポインタが動いている場合(S310:Yes)、又はS315に続いて、図21に示す関心度算出処理に戻る。
【0068】
S305において、コンテンツが動画ではない場合(S305:No)、CPU31は文章が白黒反転されているか否かを判断する(S220)。「文章が白黒反転されている」状態について、図24を例に説明する。「文章が白黒反転されている」とは、図24のように、ポインタ72を矢印66の方向に移動させ、コンテンツに含まれる文字列の一部73を白黒反転させている状態をいう。CPU31は、例えば、入力装置60から入力される指示に基づき、文章が白黒反転されているか否かを判断する。また例えば、別途実行される出力装置50に提示されている画像データを解析結果に基づき、文章が白黒反転されているか否かを判断する。
【0069】
文章が白黒反転されている場合(S320:Yes)、CPU31は操作時間を所定時間増加させ、RAM33に記憶させる(S325)。所定時間は、ポインタ検出処理の実行頻度に応じて定められている。文章が白黒反転されている場合に、操作時間をカウントするのは、次の理由による。すなわち、コンテンツが文章である場合は、一般に、利用者がコンテンツに興味を示している場合には、利用者は文章の特に興味がある部分を白黒反転表示させるからである。文章が白黒反転されていない場合(S320:No)、又はS325に続いて、図21に示す関心度算出処理に戻る。
【0070】
図21のS137では、CPU31はRAM33を参照し、操作時間及びコンテンツ提示時間を取得する(S137)。続いて、S137において取得した操作時間がコンテンツ提示時間に占める割合に基づき、関心度を求め、RAM33に記憶させる(S142)。具体的には、図25に例示するテーブルと、S137において取得した操作時間がコンテンツ提示時間に占める割合とを比較して、関心度を求める。例えば、操作時間がコンテンツ提示時間に占める割合が5%であった場合、図25のテーブルに基づき関心度が10%と求められる。以上のように、CPU31は、第5の実施形態の関心度算出処理を実行する。
【0071】
尚、上記第5の実施形態において、検出情報として、コンテンツ提示時間に加え、利用期間中のPC30の出力装置50の画面に提示されるポインタに対する操作の有無に基づき(図22のS310,S320)操作時間を算出する(図22のS315,S325)CPU31は、本発明の検出情報作成手段として機能する。また、図21のS142において、コンテンツ提示時間と操作時間とに基づき関心度を算出するCPU31は、本発明の関心度算出手段として機能する。
【0072】
上記第5の実施形態の情報提示システム1によれば、検出情報は、利用期間中のPC30に対するポインタの有無に基づく操作時間を含む。コンテンツが文章を含む場合、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間に、利用者はポインタに文章の一部又は全部を反転表示させることが想定される。一方、コンテンツが動画である場合には、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、ポインタは操作されない。このため、第5の実施形態のポインタ検出処理に基づき求めた操作時間を用いれば、関心度を的確に求めることができる。
【0073】
次に、第6の実施形態のPC30のメイン処理について説明する。図示しないが、第6の実施形態のPC30のメイン処理は、S15の関心度算出処理において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1の実施形態と異なる第6の実施形態の関心度算出処理について、図26を参照して説明する。図26は、第6の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。尚、図26に示す各処理を実行させるプログラムはROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図26において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理、又は図21に示す第5の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。
【0074】
図26に示すように、第6の実施形態の関心度算出処理では、S120に代えてS122が実行され、S137,及びS142が実行される点で、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と異なる。S122の処理は、図21に示す第5の実施形態の関心度算出処理のS112の処理と同様であり、S137,及びS142の処理は、第5の実施形態の関心度算出処理のS137,及びS142と同様である。よって、説明を省略する。このように、第6の実施形態では、CPU31は、利用者が動いていない場合に(S115:No)、第5の実施形態と同様なポインタ検出処理(S122)を行う。
【0075】
尚、上記第6の実施形態において、検出情報として、コンテンツ提示時間に加え、利用者が体を動かしていない期間に(S115:No)のPC30の出力装置50の画面に提示されるポインタに対する操作の有無に基づき(図22のS310,S320)操作時間を算出する(図22のS315,S325)CPU31は、本発明の検出情報作成手段として機能する。
【0076】
上記第6の実施形態の情報提示システム1によれば、利用者が体を動かしていない条件を満たすときの操作時間を用いて、関心度を作成する。前述のように、閲覧するタイプのコンテンツでは、利用者がコンテンツに関心を持って利用している期間は、利用者は体を動かしていない、すなわち、静止している。このため、利用者が体を動かしていない条件を満たすときの操作時間を用いれば、関心度をより的確に求めることができる。
【0077】
次に、第7の実施形態のPC30のメイン処理について説明する。図示しないが、第7の実施形態のPC30のメイン処理は、S15の関心度算出処理において、図4に示す第1の実施形態のメイン処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1の実施形態と異なる第7の実施形態の関心度算出処理について、図27〜図29を参照して説明する。図27は、第7の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。図28は、図27の関心度算出処理において実行される重み設定処理のフローチャートである。図29は、出力装置50に提示される画面の説明図である。尚、図27及び図28に示す各処理を実行させるプログラムはROM32(図2参照)に記憶されており、CPU31(図2参照)が実行する。また、図27において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を行うステップには、同じステップ番号を付与している。
【0078】
図27に示すように、第7の実施形態の関心度算出処理では、S124が実行される点で、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理と異なる。よって、第1の実施形態と同様な処理については説明を省略し、第1の実施形態と異なるS124について説明する。
【0079】
一例として、出力装置50に図29に示す画面が出力されている場合について説明する。S124では、CPU31は重み設定処理を行う(S124)。重み設定処理の詳細を、図28及び図29を参照して説明する。図28に示すように、重み設定処理ではまず、CPU31は、現在のスクロールバー85の位置を検出し、RAM33に記憶させる(S400)。スクロールバー85の位置は、公知の方法により取得される。続いて、RAM33を参照し、重みフラグにONがセットされているか否かを判断する(S405)。重みフラグは、スクロールバー85が下限まで移動したか否かを判別するためのフラグであり、RAM33に記憶されている。重みフラグの初期値はOFFであり、後述するS425においてONに設定される。重みフラグがONではない場合(S405:No)の処理は後述する。
【0080】
重みフラグがONである場合、CPU31はスクロールバー85が上方(図29において矢印86で示す方向)に移動したか否かを判断する(S410)。スクロールバー85が上方に移動したか否かは、S400で検出した現在のスクロールバー85の位置と、前回実行時のS400で検出した前回のスクロールバー85の位置とを比較して判断する。スクロールバー85が上方に移動している場合には(S410:Yes)、CPU31は重みを1に設定し、RAM33に記憶させる。第7の実施形態では、コンテンツの重要度を示す重みを0又は1で付与し、重みの初期値は0としている。重みに1が設定されたコンテンツは、重みに0が設定されているコンテンツに比べ、利用者にとって重要度の高いコンテンツであることを示している。
【0081】
スクロールバー85が上方に移動している場合に(S410:Yes)、重みを1に設定するのは、次の理由による。すなわち、一般に、画面のスクロールバー85が表示されるタイプのコンテンツの場合、利用者にとって重要度の高いコンテンツでは、一度閲覧した箇所を再度確認することがある。このような場合、PC30に提示された画面のスクロールバー85が終了側から開始側に移動される操作が実行される。よって、第7の実施形態では、スクロールバー85が一旦下限まで移動された後(S405:Yes)、スクロールバーが上方に移動された場合には(S410:Yes)、重みを1に設定している。スクロールバー85が上方に移動していない場合(S410:No)、又はS415に続いて、CPU31は図27に示す関心度算出処理に戻り処理を繰り返す。
【0082】
S405において、重みフラグがONではない場合(S405:No)、CPU31はS400において取得したスクロールバー85の位置が下限であるか否かを判断する(S420)。スクロールバー85が下限まで移動されている場合(S420:Yes)、重みフラグにONを設定し、RAM33に記憶させる(S425)。スクロールバー85が下限まで移動されていない場合(S420:No)、又はS425に続いて、図27に示す関心度算出処理に戻り処理を繰り返す。以上のように、CPU31は、第7の実施形態の関心度算出処理を実行する。
【0083】
尚、上記第7の実施形態において、検出情報として、PC30に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動された操作に基づく操作情報を取得する(図28のS400,S405,S410,S420,S425)CPU31は、本発明の検出情報作成手段として機能する。また、操作情報に基づき、重みを付与する(S415)CPU31は、本発明の重要度算出手段として機能する。
【0084】
上記第7の実施形態の情報提示システム1によれば、提示情報にはPC30に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動された操作に基づく操作情報に基づき求められた重みが含まれる。一般に、画面のスクロールバーが表示されるタイプのコンテンツの場合、利用者にとって重要度の高いコンテンツでは、一度閲覧した箇所を再度確認することがある。このような場合、コンテンツ提示装置に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動される操作が実行される。このため、第7の実施形態の重み設定処理により検出した操作情報を用いれば、重要度を的確に求めることができる。
【0085】
尚、本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、以下の(1)〜(13)に示す変形を適宜加えてもよい。
【0086】
(1)情報提示システム1が備える各構成は適宜変更可能である。例えば、情報提示システム1のセンサ部10は、焦電センサ12,赤外線センサ13及びカメラ22を備えていたが、センサ部10が備えるセンサは、検出情報に応じて適宜変更可能である。より具体的には、第1,第2,及び第5〜第7の実施形態では、カメラ22を備えていなくともよい。また、第3の実施形態では、焦電センサ12及び赤外線センサ13を備えていなくてもよい。また、PC30が備える記憶装置は、図2に例示したROM32,RAM33,HDD39の他、フラッシュメモリやEEPROM等の他の記憶装置を適宜組み合わせてもよい。PC30のメイン処理を実行するためのプログラムは、メモリカードやCD−ROM等の外部記憶装置に記憶されたプログラムを用いてもよい。この場合、PC30に外部記憶装置と接続するためのコネクタを設ければよい。
【0087】
(2)利用者が利用するコンテンツは、上記実施形態で例示した、動画や文章ファイルに限定されない。利用の対象となるコンテンツとしては、例えば、ウェブページ、メール、動画(テレビ番組、映画等)、文章ファイル、表計算ファイルが挙げられる。
【0088】
(3)利用履歴には、少なくとも関心度及びコンテンツ情報が含まれればよく、上記実施形態の場合に限定されない。例えば、利用履歴120(図8参照)に含まれる、利用日時121,アドレス122,タイトル123,及び内容124の一部をコンテンツ情報としてもよい。また、利用履歴120に含まれるコンテンツ情報以外の情報をコンテンツ情報としてもよい。例えば、コンテンツ情報として、コンテンツID,コンテンツ作成者、コンテンツ作成時期、及びコンテンツに含まれる情報量から選択した1又は複数の組み合わせた情報を含ませてもよい。
【0089】
(4)関心度の算出に用いる検出情報は、上記実施形態に限定されず、各種センサによって検出可能な情報を適宜採用可能である。例えば、検出情報として、利用者の所定の動きの回数を用いてもよい。利用者の所定の動きとしては、利用者がうなずく動作、あくびをする動作が挙げられる。利用者が関心を持ってコンテンツを利用する場合には、利用期間中に利用者がうなずく動作をすることが想定される。このため、利用期間中に利用者がうなずいた回数に基づき関心度を算出すれば、関心度を的確に求めることができる。また、利用者がコンテンツに関心を示していない場合、利用期間中に利用者があくびをする動作をすることが想定される。このため、利用期間中に利用者があくびをした回数に基づき関心度を算出すれば、関心度を的確に求めることができる。利用者の所定の動きを検出するには、例えば、カメラで利用者を撮影し、その画像データを公知の方法により解析すればよい。
【0090】
(5)上記実施形態では、検出情報に基づき、関心度を0〜100%で表される関心度を算出していたが、関心度の表現方法はこれに限定されない。例えば、1〜5段階で関心度を表してもよい。
【0091】
(6)上記実施形態では、検出情報と予め定められているテーブルとを比較して関心度を算出していたが、関心度の算出方法はこれに限定されない。例えば、検出情報としてコンテンツ提示時間と静止時間とを用いて関心度を求める場合、上記実施形態では、静止時間がコンテンツ提示時間に占める割合と、図7に示すテーブルとを比較していたが、これに限定されない。例えば、静止時間とコンテンツ提示時間とを、予め定められた方程式に代入して関心度を求めてもよい。検出情報としてコンテンツ提示時間と目線時間又は操作時間とを用いて関心度を求める場合も同様である。さらに、コンテンツの種類に応じて、関心度の算出に用いる検出情報や、算出方法を変えてもよい。
【0092】
(7)重要度の算出に用いる検出情報は、上記実施形態に限定されず、例えば、重要度の算出に用いる検出情報として、累積時間を用いてもよい。利用者にとって重要度の高いコンテンツは、繰り返し利用され、累積時間が多くなることが想定される。このため、累積時間を用いれば、重要度を的確に求めることができる。また例えば、重要度の算出に用いる検出情報として、利用回数を用いてもよい。利用者にとって重要度の高いコンテンツは、繰り返し利用され、利用回数が多くなることが想定される。このため、利用回数を用いれば、重要度を的確に求めることができる。
【0093】
(8)上記実施形態では、検出情報に基づき、重要度として0又は1で表される重みを算出していたが、重要度の表現方法はこれに限定されない。例えば、1〜5段階で重要度を表してもよい。
【0094】
(9)第2の実施形態では、姿勢情報に基づき重要度を付与し、第7の実施形態では、スクロールバーの移動に基づき重要度を付与していたが、重要度の算出方法はこれに限定されない。例えば、予め定められた方程式に検出情報を代入して重要度を算出してもよい。さらに、コンテンツの種類に応じて、重要度の算出に用いる検出情報や、算出方法を変えてもよい。
【0095】
(10)提示情報の編集方法は、少なくとも利用履歴に含まれる関心度を用いた編集方法であればよく、上記実施形態の場合に限定されない。例えば、利用履歴に含まれる情報を、所定条件で検索・抽出、ソート等することにより、提示情報を編集すればよい。より具体的には、利用者に提示情報の作成条件を入力させ、入力された作成条件に基づき提示情報を編集してもよい。作成条件としては、利用履歴に含まれる条件を適宜組み合わせた条件であればよい。作成条件として、例えば、利用期間の範囲、タイトル、関心度の範囲、重要度の範囲、及び累積時間の範囲を組み合わせた条件が挙げられる。作成条件の入力時期は、提示命令を入力する際でもよいし、提示命令を入力した後、一旦提示情報を提示した後であってもよい。
【0096】
(11)提示情報には、コンテンツ情報及び関心度が含まれればよく、上記実施形態の場合に限定されない。例えば、コンテンツのタイトル及び関心度を提示情報としてもよい。また、提示情報に含ませるコンテンツ情報を、利用者に指定させてもよい。このようにすれば、利用者は所望の情報を提示情報として取得することができる。
【0097】
提示情報の編集条件を利用者が指定する場合を、図30に示す具体例を用いて説明する。図30は、提示情報の編集条件を指定するための画面の説明図である。図30に示す画面90は、出力装置50に提示される画面である。画面90には、提示条件欄91,コンテンツ情報欄92,及び順序条件欄93が設けられている。画面90に示す編集条件は、利用期間が2007年11月5日〜2007年11月6日、関心度が5%〜50%であり、コンテンツ情報として利用日時及びタイトルが含まれ、かつ、関心度が高い順に提示する条件である。画面191に示す編集条件を用い、図8に示す利用履歴120から提示情報を編集した場合、図4に示すメイン処理のS40では、図31に示す画面191が提示される。このように、提示条件欄91において指定された条件に基づき、提示情報に含まれるコンテンツの数を絞り込むことができる。また、コンテンツ情報欄92において指定された条件に基づき、関心度及び所望のコンテンツ情報を提示させることができる。また、順序条件欄93において指定された条件に基づき、所望の順序で並べ替えられた提示情報を提示することができる。尚、提示情報の編集条件や、編集画面のレイアウトは、図30に示す具体例に限定されず、適宜変更可能である。
【0098】
(12)提示情報の提示方法は、情報提示システム1が備える出力装置に応じて適宜変更可能であり、上記実施形態の場合に限定されない。例えば、出力装置としてプリンタ等の印刷装置を備える場合には、提示情報を印刷させてもよい。また、出力装置が表示装置である場合、提示情報を表示装置に表示させる際の、レイアウト等は適宜変更可能である。
【0099】
(13)上記実施形態及び変形例は適宜組み合わせてもよい。上記実施形態及び変形例を組み合わせた変形例を、図32を参照して説明する。図32は、変形例の関心度算出処理のフローチャートである。図32において、図5に示す第1の実施形態の関心度算出処理、図20に示す第4の実施形態の関心度算出処理,及び図26に示す第6の実施形態の関心度算出処理と同様な処理を実行する場合には、同じステップ番号を付与している。図32に示すように、関心度算出処理は、第1,第4,及び第6の実施形態を組み合わせてもよい。図32に示す変形例のS143では、コンテンツ提示時間に占める静止時間の割合、コンテンツ提示時間に占める目線時間の割合、及びコンテンツ提示時間に占める操作時間のそれぞれに対応する3種類の関心度と求めてもよい。このようにすれば、異なる観点から複数の関心度を自動的に作成することができる。この場合、利用者は複数種類の関心度を組み合わせることにより、所望のコンテンツを探す際の利便性を向上させることが可能である。また例えば、S143において、静止時間、目線時間、操作時間及びコンテンツ提示時間から、1種類の関心度を求めてもよい。この場合には、静止時間、目線時間、操作時間及びコンテンツ提示時間を総合的に考慮して、関心度を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】情報提示システム1の外観を示す模式図である。
【図2】情報提示システム1のブロック図である。
【図3】焦電センサ12及び赤外線センサ13の測定対象の説明図である。
【図4】PC30のメイン処理のフローチャートである。
【図5】図4に示すメイン処理において実行される関心度算出処理のフローチャートである。
【図6】焦電センサ12及び赤外線センサ13の出力値を例示するグラフである。
【図7】静止時間がコンテンツ提示時間に占める割合と関心度との関係を定めたテーブルである。
【図8】コンテンツ情報と、関心度とを記憶した利用履歴である。
【図9】利用者に提示される画面の説明図である。
【図10】第2の実施形態のメイン処理のフローチャートである。
【図11】第2の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。
【図12】赤外線センサ13の測定対象の説明図である。
【図13】赤外線センサ13の出力値の説明図である。
【図14】第2の実施形態の利用履歴である。
【図15】利用者に提示される画面の説明図である。
【図16】第3の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。
【図17】図16の関心度算出処理において実行される目線検出処理のフローチャートである。
【図18】コンテンツが文章である場合の、利用者の目線の動きの説明図である。
【図19】目線時間がコンテンツ提示時間に占める割合と関心度との関係を定めたテーブルである。
【図20】第4の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。
【図21】第5の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。
【図22】図21の関心度算出処理において実行されるポインタ検出処理のフローチャートである。
【図23】コンテンツが動画である場合の画面の説明図である。
【図24】コンテンツが文章である場合の画面の説明図である。
【図25】操作時間がコンテンツ提示時間に占める割合と関心度との関係を定めたテーブルである。
【図26】第6の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。
【図27】第7の実施形態の関心度算出処理のフローチャートである。
【図28】図27の関心度算出処理において実行される重み設定処理のフローチャートである。
【図29】出力装置50に提示される画面の説明図である。
【図30】編集条件を入力する画面の説明図である。
【図31】利用者に提示される画面の説明図である。
【図32】変形例の関心度算出処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
1 情報提示システム
10 センサ部
12 焦電センサ
13 赤外線センサ
22 カメラ
30 PC
31 CPU
32 ROM
33 RAM
39 HDD
50 出力装置
60 入力装置
71,72 ポインタ
120,180 利用履歴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者にコンテンツを提示するコンテンツ提示装置と、
前記コンテンツ提示装置が前記利用者に前記コンテンツを提示している利用期間の、当該利用者の所定部位の動き、及び前記コンテンツ提示装置に対する所定操作の少なくとも一方を検出し、検出情報を作成する検出情報作成手段と、
前記検出情報作成手段が作成した前記検出情報に基づき、前記利用期間中の前記利用者の前記コンテンツに対する関心度を算出する関心度算出手段と、
前記関心度算出手段が算出した前記関心度を、前記利用者が利用した前記コンテンツに関するコンテンツ情報と対応付けて、利用履歴を作成する利用履歴作成手段と、
前記利用履歴作成手段が作成した前記利用履歴を、前記関心度に基づき編集し、前記コンテンツ情報及び前記関心度を含む提示情報を作成する提示情報作成手段と、
前記提示情報作成手段が作成した前記提示情報を前記利用者に提示する提示手段と
を備えることを特徴とする情報提示システム。
【請求項2】
前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間と、前記利用者の体の動きの検出結果に基づき求められ、前記利用者が静止している時間を表す静止時間とを含み、
前記関心度算出手段は、前記コンテンツ提示時間と前記静止時間とに基づき前記関心度を算出することを特徴とする請求項1に記載の情報提示システム。
【請求項3】
前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間と、所定条件を満たした場合の前記利用者の目の動きの検出結果に基づき求められた目線時間とを含み、
前記関心度算出手段は、前記コンテンツ提示時間と前記目線時間とに基づき前記関心度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提示システム。
【請求項4】
前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間と、所定条件を満たした場合の前記コンテンツ提示装置の画面に提示されるポインタに対する操作の有無に基づく操作時間とを含み、
前記関心度算出手段は、前記コンテンツ提示時間と前記操作時間とに基づき前記関心度を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報提示システム。
【請求項5】
前記所定条件は、前記利用者が体を動かしていない条件であることを特徴とする請求項3又は4に記載の情報提示システム。
【請求項6】
前記検出手段が検出した前記検出情報に基づき、前記利用者にとっての前記コンテンツの重要度を算出する重要度算出手段をさらに備え、
前記利用履歴作成手段は、前記関心度算出手段が算出した前記関心度、及び前記重要度算出手段が算出した前記重要度を、前記コンテンツ情報と対応付けて、前記利用履歴を作成し、
前記提示情報作成手段は、前記利用履歴作成手段が作成した前記利用履歴を、前記関心度及び前記重要度に基づき編集して前記提示情報を作成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の情報提示システム。
【請求項7】
前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツの提示を開始した時と、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツの提示を終了した時とにおける、前記利用者と前記コンテンツ提示装置との距離を比較した姿勢情報を含み、
前記重要度算出手段は、少なくとも前記検出情報作成手段が作成した前記姿勢情報に基づき、前記重要度を算出することを特徴とする請求項6に記載の情報提示システム。
【請求項8】
前記検出情報は、前記所定操作である前記コンテンツ提示装置に提示された画面のスクロールバーが終了側から開始側に移動された操作に基づく操作情報を含み、
前記重要度算出手段は、少なくとも前記検出情報作成手段が作成した前記操作情報に基づき、前記重要度を算出することを特徴とする請求項6又は7に記載の情報提示システム。
【請求項9】
前記検出情報は、前記コンテンツ提示装置が前記コンテンツを提示しているコンテンツ提示時間を、当該コンテンツ毎に積算した累積時間を含み、
前記重要度算出手段は、少なくとも前記検出情報作成手段が作成した前記累積時間に基づき、前記重要度を算出することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の情報提示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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