情報提示装置、情報提示方法およびプログラム
【課題】 ウェブ等のような膨大な情報の中から、ユーザの興味に関連する体験の情報を探し出し、体験情報をユーザにとって利用しやすい形で提示することのできる情報提示装置を提供する。
【解決手段】 情報提示装置10は、ユーザから入力された検索条件に基づいてブログ記事を取得する情報取得部12と、ブログ記事に含まれる行動を示す単語に基づいて、ブログ記事を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類部16と、各グループに属するブログ記事に含まれる単語を解析して、各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定部17と、体験コストの高さに応じて各グループを配置した表示画面を生成する提示部18とを備える。
【解決手段】 情報提示装置10は、ユーザから入力された検索条件に基づいてブログ記事を取得する情報取得部12と、ブログ記事に含まれる行動を示す単語に基づいて、ブログ記事を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類部16と、各グループに属するブログ記事に含まれる単語を解析して、各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定部17と、体験コストの高さに応じて各グループを配置した表示画面を生成する提示部18とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばウェブ等のように膨大な情報の中から所望の情報を取得して提示する情報提示装置、情報提示方法およびプログラムに関し、特に、体験情報を取得して提示する情報提示装置、情報提示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ上にはさまざまな情報が存在し、ユーザは、休日や長期休暇等の行動予定を検討する際に、ウェブ上の他人の体験情報を参考にできる。しかしながら、ウェブ上の情報の量は膨大であるので、ユーザが必要とする体験情報をウェブから効率よく取得することは容易ではない。
【0003】
ウェブ上には検索エンジンが提供されている。検索エンジンは、ユーザが指定したキーワードを含むウェブページを抽出して、そのリンク情報をユーザに提供する。ユーザは、体験情報に関するキーワードを指定して検索エンジンで検索することで、キーワードに関連するウェブページを見つけ出すことができる。
【0004】
但し、休日や長期休暇等の行動予定を検討する場合に、ユーザが興味のあるキーワードを指定して従来の検索エンジンでウェブページを検索すると、抽出されたウェブページの中には、例えばそのキーワードについての知識を提供するページのように、体験情報とは関係のないウェブページも含まれてしまう。よって、興味のある事項についてキーワードを指定して従来の検索エンジンで検索をしただけでは、そのキーワードに関連する他人の体験情報を効率よく取得できない。
【0005】
この場合に、従来の検索エンジンにて、キーワードとともに「体験」というキーワードで検索すると、そのキーワードと「体験」という用語とを含むウェブページが抽出される。例えば、「氷」にまつわる行動予定を検討する場合に、「氷」というキーワードと「体験」というキーワードを用いて、従来の検索エンジンによって検索をすると、「氷」および「体験」という用語を含むウェブページが抽出される。しかしながら、例えば「かき氷を食べた」、「流氷を見た」等の内容を含むウェブページに「体験」という用語が用いられていない場合には、このようなウェブページは抽出されないことになる。
【0006】
この点を考慮して、例えば、「食べる」、「見る」等のキーワードを、「氷」というキーワードと共に用いて検索をすると、「かき氷を食べた」、「流氷を見た」等の体験情報を含むウェブページを検索することが可能である。
【0007】
特許文献1には、ある文書が与えられた時に、キーワードなどの入力がなくても、その文書の筆者が何についてどのような体験を記述しているか、すなわちその文書の筆者の体験の対象と体験した事柄を提示する体験情報抽出装置が開示されている。この体験情報抽出装置は、物事を利用もしくは体験・経験したことを表すような語句(体験表現)と体験の対象となる語句との関係、体験表現と体験の対象が属するカテゴリとの関係、または、体験表現と体験の対象とカテゴリとの関係のいずれかを定義した体験表現辞書を参照して、入力文書中で該当する体験表現に対応する語句やカテゴリを選定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−280052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のように、ユーザが検索対象に応じてキーワードを工夫して、従来の検索エンジンによって体験情報を検索する方法では、体験情報が無秩序に大量に抽出される。ユーザは、自分の行動予定の検討において、それらの大量かつ無秩序な体験情報のうちの何れの体験情報を参考にすればよいか、判断が困難となる。
【0010】
特許文献1の技術では、体験表現と、体験の対象または体験の対象のカテゴリとの組み合わせの情報が得られる。しかしながら、特許文献1は、所定の文書が与えられたときに、その文書の中から体験の記述を抽出する技術であり、膨大な情報から体験情報を取得する手法、および、得られた情報をどのようにしてユーザの行動予定の決定に結びつけるかという手法は示されていない。
【0011】
また、キーワードを用いて従来の検索エンジンで体験情報を検索した場合には、指定されたキーワードを含まない体験情報は一切検索されない。このために、ユーザは、所望の体験情報を得るためにキーワードを多面的に選択する必要がある。しかし、多くの種類のキーワードを用いて検索を行ったとしても、ユーザが思いつかない行動の種類については、体験情報は検索されない。
【0012】
例えば、「氷」という対象キーワードに対して、「食べる」「見る」という行動キーワードを組み合わせて検索を行った場合には、「氷」について、「食べる」、「見る」以外の体験情報が得られない。ウェブ上に「氷のホテルに泊まった」という体験情報があった場合に、氷のホテルがあるということを知らないユーザは、「泊まる」というキーワードを用いることはない。その結果、ユーザは、氷のホテルがあってそこに泊まったという他人の体験情報を得ることはできず、行動予定の検討に当たって、ユーザ自らの発想を超えた新たな発見が得られない。
【0013】
特許文献1の技術では、各体験の対象または各体験の対象のカテゴリについて、当該対象またはカテゴリに対する一般的な行動表現が予め固定されている。従って、文書中に、各対象または各カテゴリに対して、固定されたこれらの行動表現以外の行動表現があった場合には、それは体験情報とは判断されないことになる。よって、この場合も、一般的な体験の情報しか得られず、このような体験情報を参考にしたとしても、ユーザが行動予定を検討する際に、一般的な発想を超えた新たな発見が得られない。
【0014】
そこで、本発明は、ウェブ等のような膨大な情報の中から、ユーザの興味に関連する体験情報を探し出し、体験情報をユーザにとって利用しやすい形で提示する情報提示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ユーザの発想や一般的な発想を超えた体験を発見できる情報提示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の情報提示装置は、ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得部と、前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類部と、前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定部と、前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示部とを備える。
【0016】
この構成により、取得された体験情報が、体験の種類に応じて複数のグループに分類された上で、表示画面上で、各グループがその体験コストの高さに応じて配置される。ユーザは、この表示画面を見ることで、複数の種類の体験を俯瞰して、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握できる。また、情報分類部が、行動を示す単語に基づいて、取得された文書情報をグループ分けするので、ユーザが行動のキーワードを指定しなくても文書情報中の体験が抽出される。これにより、取得された文書情報中にユーザが思いつかなかった体験があった場合にも、そのような体験の情報が抽出されて提示されるので、ユーザは、自分の発想を超えた新しい体験や忘れていた体験に気づき、行動予定の検討において視野を広げることができる。
【0017】
また、本発明の情報提示装置は、前前記情報取得部が取得した文書情報に対して形態素解析を行う形態素解析部をさらに備え、前記情報分類部は、前記形態素解析によって抽出された動詞に基づいて、前記文書情報をグループに分類する。
【0018】
この構成により、形態素解析によって動詞と判断された単語を、行動を示す単語として用い、文書情報を適切にグループ分けできる。
【0019】
また、本発明の情報提示装置において、前記情報分類部は、前記行動を示す単語に加えて前記行動の対象を示す語句に基づいて、前記文書情報を分類する。
【0020】
この構成により、「何について、どうした」という行動の対象と行動の種類の組み合わせでグループ分けがされるので、複数の種類のより具体的な体験を俯瞰できる。
【0021】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストのうち最低の体験コストを当該グループの体験コストとして決定する。
【0022】
この構成により、各グループは、表示画面上において、そのグループに含まれる複数の文書情報の体験コストのうちの最低の体験コストに応じて配置される。よって、この構成は、ユーザが体験コストを重視して行動予定を検討する場合に有効である。
【0023】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストの平均値を当該グループの体験コストとして決定する。
【0024】
この構成により、各グループは、表示画面上において、そのグループに含まれる複数の文書情報の体験コストの平均値に応じて配置される。よって、この構成は、ユーザが各グループの平均的な体験コストを参考にして行動予定を検討する場合に有効である。
【0025】
また、本発明の情報提示装置は、前記行動を示す単語と前記体験コストとを関連付けて記憶したテーブルを備え、前記体験コスト決定部は、前記テーブルから前記グループの行動を示す単語に対応する体験コストを読み出す。
【0026】
この構成によれば、体験コストを容易に決定できる。なお、テーブルは、過去に求めた体験コストとその体験コストに対応する単語との関係を学習することにより、生成してもよい。
【0027】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のうちの代表の文書情報から求めた体験コストを当該グループの体験コストとして決定する。この構成によっても、体験コストを容易に決定できる。
【0028】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、ユーザの端末から取得したユーザ傾向情報から、ユーザの嗜好を学習し、体験コストの決定に反映させる。
【0029】
この構成により、決定された体験コストは、ユーザの嗜好に沿うようになり、体験コストの決定に対するユーザのより高い満足度が得られる。
【0030】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コストは、距離的コスト、時間的コスト、金銭的コスト、難易度、希少度、ユーザ属性一致度、流行度のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる。
【0031】
また、本発明の情報提示装置において、前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を体験コスト以外の指標の軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置する。
【0032】
この構成によれば、ユーザは、体験コストだけでなく、他の要素も考慮して行動予定を検討できる。
【0033】
また、本発明の情報提示装置において、前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を前記体験コストと異なる種類の体験コストの軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置する。
【0034】
この構成によれば、ユーザは、複数種類の体験コストの組み合わせを考慮して行動予定を検討できる。
【0035】
また、本発明の情報提示装置は、体験コストの種類の変更を受け付ける変更受付部をさらに備え、前記提示部は、前記変更を受け付けたときに、当該変更後の種類に係る体験コストの高さに応じて前記各グループを表示画面上に配置し直す。
【0036】
この構成によれば、ユーザは、簡易な操作で、さまざまな種類の体験コストを参考にでき、体験コストを多面的に考慮して行動予定を検討できる。
【0037】
また、本発明の情報提示装置において、前記提示部は、変更前における配置から変更後の配置へ前記各グループを移動する過程を表示するアニメーションを生成する。
【0038】
この構成によれば、各グループの体験コストが複数の種類の体験コストの間でどの程度の高さの差を有するかを視覚的に把握できる。
【0039】
また、本発明の情報提示装置において、前記検索条件は、キーワードであり、前記情報取得部は、前記キーワードを用いて検索を行うことで前記文書情報を取得する。この構成によれば、ユーザが指定したキーワードを含む体験情報が得られる。
【0040】
また、本発明の情報提示装置において、前記検索条件は、キーワードであり、前記情報取得部は、前記キーワードおよび当該キーワードに関連する用語を用いて検索を行うことで前記文書情報を取得する。この構成によれば、ユーザの指定したキーワード以外の関連する体験情報も得られる。
【0041】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コストは、距離的コストであり、前記体験コスト決定部は、前記各グループ内の文書情報に含まれる地名とユーザの住所地との間の距離に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定する。
【0042】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コストは、難易度であり、前記体験コスト決定部は、前記行動を示す単語に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定する。
【0043】
また、本発明の情報提示装置において、前記情報取得部は、複数のブログ記事を格納したブログデータベースから、前記検索条件に該当するブログ記事を取得する。
【0044】
ウェブ上の情報の中でも、ブログ記事は、体験情報を含む割合が高いと考えられる。よって、この構成により、ブログデータベースからブログ記事を取得することで、体験情報を得る精度が向上する。
【0045】
本発明の情報提示方法は、情報提示装置によってユーザに情報を提示する方法であって、前記情報提示装置が、ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得ステップと、前記情報提示装置が、前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類ステップと、前記情報提示装置が、前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定ステップと、前記情報提示装置が、前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示ステップとを含む。
【0046】
また、本発明のプログラムは、上記の方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0047】
本発明の情報提示装置によれば、ユーザは、行動予定を検討する際に、複数の種類の他人の体験を俯瞰して、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握でき、かつ、自分の発想を超えた新しい体験や忘れていた体験に気づくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置を含むシステムの構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置のハードウェア構成図
【図4】本発明の第1の実施の形態における文書情報の解析結果を示す図
【図5】本発明の第1の実施の形態における距離的コストの決定方法を説明する図
【図6】本発明の第1の実施の形態における難易度の決定方法を説明する図
【図7】本発明の第1の実施の形態における表示画面の一例を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置の動作を示す処理フロー
【図9】本発明の第2の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の第2の実施の形態における表示画面の一例を示す図
【図11】本発明の第3の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の第3の実施の形態における表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態の情報提示装置について、図面を参照しながら説明する。
【0050】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における情報提示装置を含むシステムの構成図である。図3は本発明の第1の実施の形態における情報提示装置のハードウェア構成図である。まず、図2および図3を参照して、情報提示装置を含むシステムの構成および情報提示装置のハードウェア構成を説明して、第1の実施の形態における情報提示装置について、詳しく説明する。
【0051】
図2に示すように、情報提示装置10は、WWW(World Wide Web、以下「ウェブ」という)のサーバとして、インターネットに接続されている。また、ウェブ上には、ウェブログ(Weblog、以下「ブログ」という)の記事を格納したブログデータベース50が接続されている。ブログには、文書情報のみならず画像も含んでいてもよい。また、ユーザは、ユーザ端末40をインターネットに接続することで、情報提示装置10の後述する機能を利用する。このように、本発明の実施の形態では、情報提示装置10、ブログデータベース50、およびユーザ端末40が、インターネットを介して接続されてシステムが構成される。
【0052】
図3に示すように、情報提示装置10は、通信インターフェース101と、CPU102と、RAM103と、ROM104と、ハードディスク105とが内部バスで接続されて構成されている。通信インターフェース101は、インターネットからデータを受信し、かつインターネットにデータを送信する。CPU102は、ROM104からプログラムを読み出して実行し、情報提示装置10全体を制御する。RAM103は、CPU102が処理をするときの一時記憶メモリとして用いられる。ROM104には、CPU102にて実行されるプログラムが記憶されている。ハードディスク105には、後述するユーザ属性や形態素解析に用いる辞書等の情報データが記憶されている。また、ハードディスク105には、後述する文書情報の検索の結果や形態素解析の結果等が記憶されてもよい。
【0053】
図1は、本発明の第1の実施の形態の情報提示装置の構成を示すブロック図である。図3に示すハードウェア構成を有する情報提示装置が本発明の実施の形態のプログラムを実行することにより、図1に示す構成が実現される。
【0054】
図1に示すように、情報提示装置10は、ネットワーク接続部11と、情報取得部12と、形態素解析部13と、検索条件決定部14と、ユーザ属性記憶部15と、体験情報分類部16と、体験コスト決定部17と、提示部18とを備える。
【0055】
ネットワーク接続部11は、インターネットを介してデータを送受信する。ネットワーク接続部11は、データを受信して、情報取得部12や検索条件決定部14やユーザ属性記憶部15に提供する。ネットワーク接続部11は、情報取得部12や提示部18からデータを受けて、これを送信する。
【0056】
情報取得部12は、検索条件決定部14が決定した検索実行用の検索条件を用いて、当該検索条件に合致する文書情報をウェブから取得する。本実施の形態では、情報取得部12は、検索条件を用いてブログデータベース50を検索して、文書情報としてブログ記事を取得する。情報取得部12は、複数のブログデータベースを検索してよい。また、情報取得部12は、ブログデータベースを検索してブログ記事を取得するだけでなく、広くインターネット上のウェブサイトから文書情報を取得してもよい。
【0057】
形態素解析部13は、ブログ記事に含まれる文書情報について、形態素解析を行う。形態素解析部13は、形態素解析をして、特に、動詞を抽出する。
【0058】
検索条件決定部14は、ネットワーク接続部11にて受信した検索条件に基づいて、情報取得部12での検索に用いる検索条件を決定する。具体的には、ネットワーク接続部11が、ユーザがユーザ端末40にて入力したキーワード(興味キーワード)を受信すると、受信した興味キーワードに基づいて、当該興味キーワードに関連する用語を含むキーワード群を検索実行用の検索条件として決定する。ここで、関連する用語とは、例えば、興味キーワードのシソーラス(狭義語、広義語、同義語、関連語等)である。また、多数のユーザのキーワードの入力状況を統計的に分析し、所定のキーワードと一緒に入力されることの多い別のキーワードを記憶しておき、セットで用いられるキーワードを関連する用語として用いてもよい。
【0059】
なお、検索条件決定部14は、ユーザがユーザ端末40にて入力した興味キーワードのみを、情報取得部12にて行う検索の検索条件として決定してもよい。検索条件決定部14は、情報取得部12にて行う検索の検索条件として、キーワードのほかに、情報の更新日時の条件等を含めてもよい。検索条件決定部14は、キーワードのほかに、ウェブ全体を検索するか、ブログデータベースのみを検索するかという検索範囲に関する条件を検索条件として決定してよい。情報取得部12がブログデータベースを検索する場合には、検索条件決定部14は、複数あるブログデータベースのうちのどのブログデータベースを検索するかという検索範囲に関する条件も検索条件として決定してよい。
【0060】
ユーザ属性記憶部15は、ネットワーク接続部11にて受信したユーザ属性を記憶する。ユーザ属性は、ユーザがユーザ端末40にて入力し、ユーザ端末40から送信されてくる。ユーザ属性記憶部15に記憶されるユーザ属性には、ユーザの年齢、性別、住所等の情報が含まれる。
【0061】
体験情報分類部16は、情報取得部12にて取得した文書情報に含まれる、行動を示す単語、および検索条件決定部14にて決定されたキーワード群のキーワードを含む語句を解析する。検索条件決定部14にて決定されたキーワード群のキーワードを含む語句は、行動を示す単語に対して、その行動の対象を示す語句となる。
【0062】
図4は、本発明の実施の形態における文書情報の解析結果を示す図である。体験情報分類部16は、情報取得部12により取得されたブログ記事の各々について、キーワードを含む語句を、行動の対象を示す語句(「何について」を示す語句、以下「行動対象語句」という)として、その出現回数をカウントして、図4に示すようなターム・ドキュメント・マトリクスを作成する。
【0063】
図4の例では、ユーザにより「氷」という興味キーワードが入力され、これに対して検索条件決定部14が「氷」、「アイス」、「雪」というキーワード群を情報取得部12に与えて検索を行った場合を示している。体験情報分類部16は、文書情報から「氷」、「アイス」(「氷」の同義語)、「雪」(「氷」の関連語)というキーワードを含む語句(「かき氷」、「アイススケート」、「雪祭り」、「氷の音楽会」等)を抽出して、その出現回数をカウントする。
【0064】
また、情報分類部16は、情報取得部12により取得されたブログ記事の各々について、形態素解析部13にて抽出された動詞を、行動を示す単語(「どうする」を示す単語、以下「行動単語」という)として、その出願回数をカウントする。
【0065】
本実施の形態では、体験情報分類部16は、各ブログ記事について、最も出現回数の多い行動対象語句と最も出現回数の多い行動単語との組み合わせに基づいて、各ブログ記事が属するグループを決定し、クラスタリングを行う。図4の例では、記事1では、行動対象語句として、「かき氷」が5回出現し、キーワード群に合致する他の語句は抽出されていない。また、記事1において、行動単語として、「作る」が3回出現し、「食べる」が2回出現し、他の動詞は出現していない。よって、記事1は、行動対象語句として最も出現回数の多い「かき氷」と、行動単語として最も出現回数の多い「作る」とに基づいて、「かき氷を作る」というグループに分類される。
【0066】
記事2、記事3、記事4、記事5、記事6、・・・についても、同様にしてそれぞれグループに分類する。記事2は、「アイストレーを買う」というグループに分類され、記事3は、「アイススケートに行く」というグループに分類され、記事4は、「氷祭りを見る」というグループに分類され、記事5は記事1同じ「かき氷を作る」というグループに分類され、記事6は「流氷を見る」というグループに分類される。
【0067】
なお、グループはあらかじめ用意されているものではなく、文書情報のクラスタリング処理の際に、文書情報に含まれる行動対象語句と行動単語との組み合わせに基づいて生成される。
【0068】
クラスタリングの精度を向上させるために、体験情報分類部16は、行動対象語句から近い位置に記述されている動詞のみを行動単語として、その出現回数をカウントしてよい。具体的には、行動対象語句との間に入る文字数が所定数以下の範囲内にある動詞のみを行動単語としてカウントしてよい。また、行動対象語句と同じ一文に含まれる動詞のみを行動単語としてカウントしてもよい。
【0069】
上記の例では、体験情報分類部16は、出現回数が最も高い行動対象語句および行動単語のみに基づいて、1つの記事を1つのグループに分類した。しかし、体験情報分類部16は、出現したすべての行動対象語句および行動単語に基づいて、1つの記事を複数のグループに分類してよい。この場合には、例えば、記事1には、行動単語として、「作る」および「食べる」が出現しているので、体験情報分類部16は、記事1を「かき氷を作る」というグループと「かき氷を食べる」というグループに分類する。また、記事4には、「雪祭り」および「流氷」という行動対象語句と「見る」という行動単語が出現しているので、体験情報分類部16は、記事4を「雪祭りを見る」というグループと「流氷を見る」というグループに分類する。
【0070】
図1に戻って、体験コスト決定部17は、体験情報分類部16で生成されたグループに属する文書情報に含まれる単語を解析して、当該グループの体験コストの高さを決定する。
【0071】
ここで、体験コストとは、体験を実現するためのコストであり、当該体験の実現困難性を示す指標である。体験コストには、距離的コスト、時間的コスト、金銭的コスト、難易度、希少度、ユーザ属性一致度、流行度等が含まれる。
【0072】
距離的コストは、ユーザの住所地から各グループの体験を実行する場所までの地理的距離を示すコスト指標である。距離的コストは、ユーザの住所地から各グループの体験を実行する場所までの地理的距離に基づいて決定され、距離が遠いほど距離的コストが高くなる。
【0073】
図5は、距離的コストの決定方法を説明する図である。体験コスト決定部17は、ユーザの住所地を基準地として、当該基準地とブログ記事に含まれる地名との間の距離を求める。体験コスト決定部17は、グループに含まれる複数のブログ記事の各々について、基準地とブログ記事に含まれる地名との間の距離を求める。そして、体験コスト決定部17は、1つのグループに含まれる複数のブログ記事の距離のうち、最も近い距離をそのグループの距離的コストとして決定する。
【0074】
体験コスト決定部17は、ユーザ属性記憶部15からユーザの住所を読み出して、これを基準地とする。ブログ記事に含まれる地名は、形態素解析部13によって抽出される。基準地と抽出された地名との間の距離は、地図ソフトの経路検索機能を用いて求めることができる。
【0075】
図5の例では、「かき氷を食べる」というグループには、記事1〜3が含まれている。そして、記事1には、「愛知県刈谷市」という地名が含まれ、記事2には、「目黒区目黒二丁目」という地名が含まれ、記事3には、「横浜市」という地名が含まれる。記事1〜3の地名と基準地との距離は、それぞれ「329(km)」、「3.9(km)」、「33.7(km)」である。この場合は、体験コスト決定部17は、最も小さい「3.9」を、「かき氷を食べる」というグループの距離的コストとして決定する。
【0076】
なお、上記の例では、グループ内の複数のブログ記事のそれぞれに含まれる地名と基準地との距離のうち、最短の距離を距離的コストとしたが、距離的コストの決定方法はこれに限られない。体験コスト決定部17は、グループ内の複数のブログ記事のそれぞれに含まれる地名と基準地との距離の平均値を当該グループの距離的コストとしてよい。体験コスト決定部17は、グループ内の複数のブログ記事のうちの代表のブログ記事に含まれる地名と基準地との距離を当該グループの距離的コストとしてよい。この場合、体験コスト決定部17は、例えば行動対象語句を最も多く含むブログ記事、作成日時の最も新しいブログ記事等を代表のブログ記事としてよい。
【0077】
時間的コストは、体験を実現するのに要する時間の長さを示すコスト指標である。時間的コストは、ユーザの住所地とブログ記事に含まれる地名との間の距離と、当該体験を完了するのにかかる時間とに基づいて決定される。距離が長いほど時間的コストは高くなり、完了するのにかかる時間が長いほど時間的コストは高くなる。
【0078】
体験コスト決定部17は、行動単語の候補ごとに、当該行動単語が示す行動の完了にかかる時間が定義されたテーブルを有している。体験コスト決定部17は、このテーブルを参照して、各グループに含まれる行動単語が示す行動の完了にかかる時間を求める。このテーブルには、例えば、「食べる」という行動単語は「1時間」、「見る」という行動単語は「2.5時間」というように、各行動単語が示す行動の完了にかかる時間が定義されている。
【0079】
金銭的コストは、体験を実現するのに要する金額を示すコスト指標である。金銭的コストは、ユーザの住所地とブログ記事に含まれる地名との間の距離と、当該体験を実行するのに必要な金額とに基づいて決定される。距離が長いほど交通費が多くかかるため、金銭的コストは高くなる。また、実現に必要な金額が大きいほど金銭的コストは高くなる。
【0080】
体験コスト決定部17は、行動単語の候補ごとに、当該行動単語が示す行動の実現に必要な金額が定義されたテーブルを有している。体験コスト決定部17は、このテーブルを参照して、各グループに含まれる行動単語が示す行動の実現に必要な金額を求める。このテーブルには、例えば、「行く」という行動は「0円」(交通費は別途で考慮しているので、「行く」だけを実現するのに要する金銭は0としている)、「泊まる」という行動は「1.5万円」というように、各行動単語が示す行動の実現に要する金額が定義されている。なお、体験コスト決定部17は、文書情報中から金額に関する単語を抽出して、その文書情報の行動の実現に必要な金額を決定してもよい。
【0081】
難易度は、体験に必要な労力やスキルの程度を示すコスト指標である。難易度は、行動単語の行動属性難度と、各グループ内における行動単語の出現回数とに基づいて決定される。行動属性難度が高いほど難度は高くなり、グループ内における行動単語の出現回数が多いほど難度は低くなる。
【0082】
体験コスト決定部17は、行動単語の候補ごとに、行動属性難度が定義されたテーブルを有している。体験コスト決定部17は、このテーブルを参照して、各グループに含まれる行動単語が示す行動の行動属性難度を求める。このテーブルには、例えば、「なる」という行動は「100」、「見る」という行動は「30」、「買う」という行動は「10」というように、各行動単語が示す行動の行動属性難度が定義されている。
【0083】
図6は、本発明の実施の形態における難易度の決定方法を説明する図である。図6の例では、「流氷を見る」というグループについては、「見る」という行動単語の行動属性難度が「30」であり、当該グループにおける「見る」という行動単語の出現回数は「6」である。体験コスト決定部17は、行動属性難度「30」を、出現回数「6」で割って、難易度を「5.0」と決定する。「アイストレーを買う」というグループについても、同様に、体験コスト決定部17は、「買う」の行動属性難度「10」を、当該グループ内での「買う」の出現回数「4」で割って、難易度を「2.5」と決定する。
【0084】
希少度は、体験を実現する機会の少なさを示すコスト指標である。希少度は、各グループに含まれるブログ記事の件数に基づいて決定される。グループ内のブログ記事の件数が少ないほど希少度は高くなる。
【0085】
ユーザ属性一致度は、ユーザの属性とブログ記事の作者の属性との一致の度合いを示すコスト指標である。ユーザ属性一致度は、ユーザの各属性とブログ記事の作者の対応する属性とが一致する数に基づいて決定される。一致する属性の数が多いほどユーザ属性一致度は高くなる。
【0086】
体験コスト決定部17は、ブログ記事を解析して、当該ブログ記事の作者の年齢および性別を判別する。そして、体験コスト決定部17は、ユーザ属性記憶部15からユーザの属性を読み出して、解析して得られたブログ記事の作者の年齢および性別と、ユーザ属性記憶部15から読み出したユーザの年齢および性別とを比較する。体験コスト決定部17は、この比較結果に基づいてユーザ属性一致度を決定する。
【0087】
流行度は、体験が現在どれだけ流行しているかを示すコスト指標である。流行度は、グループに含まれるブログ記事の件数および各ブログ記事の作成日時に基づいて決定される。ブログ記事の件数が多いほど流行度は高くなり、ブログ記事の作成日時が新しいほど流行度は高くなる。
【0088】
以上のように、各種の体験コストは、ブログ記事に含まれる単語(地名や動作単語等)、ブログ記事の関連情報(件数や作成日時等)といった、ブログ記事側の情報だけでなく、ユーザ属性記憶部15に記憶されたユーザ属性情報(住所、年齢、性別等)というユーザ側の情報にも基づいて決定される。但し、本発明において体験コストの決定に使用されるユーザ側の情報は、これらの住所、年齢、性別等のユーザ属性情報に限られない。
【0089】
変形例では、体験コスト決定部17は、ユーザ端末40から取得した、ユーザの操作履歴情報、アプリケーション設定情報、および設問回答情報を含むユーザ傾向情報に基づいて、体験コストを決定してもよい。
【0090】
ここで、ユーザ操作履歴情報は、ユーザが過去にどのようなキーワードで検索を行ったかといったユーザの操作履歴を示す情報である。アプリケーション設定情報とは、本システムを利用する際のユーザ端末40のアプリケーションに対して、ユーザが各種の設定を行える場合において、ユーザがどのような設定をしているかを示す情報である。設問回答情報は、情報提示装置10からユーザ端末40に、設問内容を含み、設問への回答を促すウェブページを送り、ユーザがこの設問に対する回答を情報提示装置10に送信した場合における当該回答の情報である。体験コスト決定部17は、これらのユーザ傾向情報から、ユーザの嗜好を学習して、これを体験コストの決定に反映させる。これにより、体験コストの決定において、ユーザの嗜好に沿った、満足度のより高い体験コスト算出を行うことができる。
【0091】
提示部18は、体験情報分類部17で分類された各グループを2次元座標上に配置した表示画面を生成する。提示部18は、体験コスト決定部17で決定された各グループの体験コストの高さに応じて、2次元座標上に各グループを配置して、表示画面を生成する。
【0092】
図7は、本発明の第1の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。図7は、横軸を距離的コストとし、縦軸を難易度とする2次元座標上に各グループを配置した例を示している。距離的コストの高いグループは、より右に配置され、難易度の高いグループは、より上に配置されている。なお、各グループのサムネイル画像には、各グループに含まれる代表のブログ記事の画像を用いることができる。
【0093】
図8は、本発明の実施の形態における情報提示装置10の動作を示す処理フローである。図8を参照して、情報提示装置10の動作を説明する。
【0094】
情報提示装置10における処理に先立って、まず、ユーザは、ユーザ端末40からインターネットを介して情報提示装置10にアクセスする。情報提示装置10は、ユーザ端末40から要求を受けると、ユーザ端末40に、キーワードおよびユーザの属性の入力を促すウェブページを提供する。
【0095】
ユーザは、このウェブページを通じて、行動予定を検討するにあたって、自分が興味のある事項をキーワードとして入力し、また、自分の年齢、性別等の属性も入力し、これらの情報を情報提示装置10に送信する。検索範囲等の検索条件を指定できる場合には、ユーザはそれらの検索条件も入力して、情報提示装置10に送信する。なお、ユーザの属性は、あらかじめ情報提示装置10に送信しておいて、情報提示装置10のユーザ属性記憶部15に記憶しておいてもよい。
【0096】
情報提示装置10は、ユーザ端末40から送信された検索条件(キーワード、検索範囲等)をネットワーク接続部11で受け付ける(ステップS81)。検索条件決定部14は、ネットワーク接続部11で受け付けたキーワードおよびそれに関連する用語を含むキーワード群を検索実行用の検索条件として決定する(ステップS82)。検索条件決定部14は、キーワード以外の検索条件があるときは、その検索条件も決定する。
【0097】
情報取得部12は、検索条件決定部14が決定した検索実行用の検索条件に従って、ブログデータベース50を検索して、その検索条件に合致するブログ記事を取得する(ステップS83)。
【0098】
形態素解析部13は、情報取得部12で取得されたブログ記事中の文書情報から行動単語(動詞)を抽出し、体験情報分類部16は、行動単語と行動対象語句との組み合わせごとに、文書情報をグループに分類する(ステップS84)。体験コスト決定部17は、体験情報分類部16にて分類された各グループについて、その体験コストを決定する(ステップS85)。
【0099】
提示部18は、体験情報分類部16にて分類された各グループを、体験コスト決定部17にて決定された体験コストの高さに従って、2次元座標上にマッピングして、表示画面を生成する(ステップS86)。提示部18は、ネットワーク接続部11を介してユーザ端末40に表示画面のデータを送信することで、当該表示画面の情報を提示する(ステップS87)。
【0100】
ユーザ端末40では、この表示画面のデータを所定のブラウザで表示することで、図7に示すような表示画面を表示する。
【0101】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の情報提示装置によれば、ユーザは、さまざまな他人の体験を2次元座標上で俯瞰できる。また、ユーザは、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握できる。さらに、情報分類部16が、行動を示す単語として、文書情報の中の動詞に基づいて、文書情報のグループ分類を行うので、ユーザやシステム設計者があらかじめ行動を示す単語を制限することはない。よって、ユーザの発想や一般的な発想を超えて、より視野を広げた体験情報の発見が可能になる。
【0102】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。図9を参照して、本発明の第2の実施の形態の情報提示装置を説明する。第2の実施の形態の情報提示装置において、第1の実施の形態の情報提示装置と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第2の実施の形態におけるシステムの構成や情報提示装置のハードウェア構成等は第1の実施の形態と同様であり、以下では、主として第1の実施の形態とは異なる部分を説明する。
【0103】
情報提示装置20は、ネットワーク接続部11と、情報取得部12と、形態素解析部13と、検索条件決定部14と、ユーザ属性記憶部15と、体験情報分類部16と、体験指標決定部170と、提示部18とを備える。
【0104】
体験指標決定部170は、体験コスト決定部171と非コスト指標決定部172を有する。体験コスト決定部171は、第1の実施の形態の体験コスト決定部17と同様にして、各グループの体験コストを決定する。非コスト指標決定部172は、各グループについて、体験コスト以外の他の指標(非コスト指標)を決定する。
【0105】
非コスト指標は、例えば、体験の感動度、ブログ記事に含まれる画像の数、体験の人気度等である。感動度は、ブログ記事に含まれる形容詞の数に基づいて決定される。人気度は、ブログ記事のトラックバック数に基づいて決定される。
【0106】
非コスト指標決定部172は、グループに含まれる複数のブログ記事のうち、形容詞を最大に含むブログ記事の形容詞数、画像を最も多く含むブログ記事の画像数、トラックバックが最も多いブログ記事のトラックバック数を、それぞれ当該グループの感動度、画像数、人気度とする。
【0107】
なお、非コスト指標決定部172は、グループに含まれる複数のブログ記事の、平均の形容詞数、平均の画像数、平均のトラックバック数を、それぞれ当該グループの感動度、画像数、人気度としてよい。また、非コスト指標決定部172は、グループに含まれる複数のブログ記事のうちの代表のブログ記事の、形容詞数、画像数、トラックバック数を、それぞれ当該グループの感動度、画像数、人気度としてもよい。この場合、最も作成日時の新しいブログ記事を代表のブログ記事としてよい。
【0108】
提示部18は、体験指標決定部170にて決定された体験コストと非コスト指標とを用いて、一方を体験コストの軸、他方を非コスト指標の軸とする2次元座標上に、各グループを配置して、表示画面を生成する。
【0109】
図10は、本発明の第2の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。図10の例では、縦軸が非コスト指標の一つである「感動度」であり、横軸が体験コストの一つである「金銭的コスト」である。図10の2次元座標において、右上の領域は、感動度は高いが金銭的コストも高い領域であり、左下の領域は、感動度は低いが金銭的コストも低い領域である。左上の領域に配置されるグループは、低い金銭的コストで高い感動度を得られるグループであり、右下の領域に配置されるグループは、金銭的コストは高いが低い感動度しか得られないグループである。
【0110】
このように、2次元座標の2軸のうち一方の軸を体験コストとし、他方の軸を非コスト指標とすると、体験コストに対する体験コスト以外の効果を視覚的に把握でき、行動予定の検討に役立てることができる。なお、体験コストと非コスト指標のいずれを縦軸とし、いずれを横軸とするかは任意である。
【0111】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。図11を参照して、本発明の第3の実施の形態における情報提示装置の構成を説明する。第3の実施の形態の情報提示装置において、第1の実施の形態の情報提示装置と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第3の実施の形態におけるシステムの構成や情報提示装置のハードウェア構成等は第1の実施の形態と同様であり、以下では、主として第1の実施の形態とは異なる部分を説明する。
【0112】
情報提示装置30は、ネットワーク接続部11と、情報取得部12と、形態素解析部13と、検索条件決定部14と、ユーザ属性記憶部15と、体験情報分類部16と、体験コスト決定部170と、提示部18とを備える。
【0113】
図12は、本発明の第3の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。本実施の形態の表示画面では、2次元座標の座標軸の内容を変更するためのプルダウンメニュー181が設けられている。プルダウンメニュー181では、複数の体験コストの種類が提供される。ユーザは、表示画面においてプルダウンメニュー181からいずれかの体験コストを選択できる。
【0114】
図11および図12を参照して、表示画面の2次元座標における座標の内容を変更する方法について説明する。まず、ユーザが表示画面にてプルダウンメニュー181を展開させる。プルダウンメニュー181には、複数の種類の体験コストが表示される。ユーザは、表示された複数の体験コストのうちのいずれかの体験コストを選択する。図12では、「距離的コスト」が選択されていた状態から、プルダウンメニュー181を展開して「希少度」を選択した例が示されている。
【0115】
ユーザが、「距離的コスト」を「希少度」に変更すると、ユーザ端末40から、横軸を「距離的コスト」から「希少度」に変更することを指示する変更指示が送信される。情報提示装置30では、ネットワーク接続部11にて、この変更指示を受け付ける。提示部18は、体験情報分類部16が生成した各グループについて、ネットワーク接続部11で受け付けた変更指示にて指示された体験コストを体験コスト決定部17から読み出す。
【0116】
提示部18は、各グループを、選択された体験コストに応じた2次元座標上の位置に配置し直して表示画面を生成する。このとき、提示部18は、各グループが、元の体験コストに応じた配置から新たに選択された体験コストに応じた配置に移動する過程を表示するアニメーションを生成する。このアニメーションは、ネットワーク接続部11によって、インターネットを介してユーザ端末40に送信される。
【0117】
本実施の形態の情報提示装置30によれば、さまざまな種類の体験コストに応じた配置で複数の体験のグループを俯瞰できる。また、アニメーションによって、複数の種類の体験コストの間で各グループの配置がどのように変化するかを視覚的に把握できる。
【0118】
なお、図11および図12の例では、横軸の体験コストのみを選択可能としたが、縦軸の体験コストについても横軸の体験コストと同様に変更可能としてよい。
【0119】
(変形例)
上記の実施の形態では、情報提示装置10〜30と、ユーザ端末40と、ブログデータベース50とがインターネットを介して接続することでシステムが構成されたが、システムの構成はこれに限られない。情報提示装置10〜30の一部または全部の機能がユーザ端末40に備えられていてもよい。
【0120】
例えば、情報提示装置10〜30の情報取得部12のみがウェブ上に存在し、情報提示装置10〜30の他の機能がユーザ端末40に備えられていてもよい。ユーザ端末40は、本発明の実施の形態のプログラムを読み込んで実行することで、情報提示装置10〜30の一部または全部の機能を実現できる。さらに、ブログデータベース50が情報提示装置10〜30に備えられていてもよい。
【0121】
また、上記の実施の形態では、情報分類部16が、検索条件決定部14にて決定されたキーワード群のキーワードを含む語句を行動対象語句として、クラスタリングを行ったが、情報分類部16は、情報取得部12にて取得された文書情報中の、検索条件決定部14にて決定されたキーワード群以外の任意の名詞又は名詞句を行動対象語句としてクラスタリングを行ってもよい。この場合には、情報分類部16は、形態素解析部13で解析された形態素の情報に基づいて、構文解析を行うことで、行動単語と行動対象語句との組み合わせを抽出してターム・ドキュメント・マトリクスを作成し、抽出された組み合わせに基づいてクラスタリングを行ってよい。
【0122】
この変形例によれば、ユーザが指定した興味キーワードが含まれるブログ記事中の当該興味キーワード又はそれに関連する用語以外の対象について、体験情報が得られる。よって、ユーザは、自分が指定した興味キーワードに関連する対象であって、より広範囲の対象について体験情報が得られ、より視野を広げて行動予定を検討できる。
【0123】
また、上記の実施の形態では、体験情報分類部16が、文書情報に含まれる行動単語と行動対象語句との組み合わせごとに各ブログ記事をクラスタリングしたが、体験情報分類部16は、行動単語ごとに各ブログ記事をクラスタリングしてもよい。この場合は、体験情報分類部16は、各ブログ記事について各種の行動単語の出現回数をカウントしてターム・ドキュメント・マトリクスを生成し、提示部18は、「見る」、「行く」、「買う」等の行動単語ごとに、表示画面上に各グループを配置する。
【0124】
また、上記の実施の形態では、各グループが、少なくとも一方の軸が体験コストの軸である2次元座標上に配置されて表示画面が生成されたが、各グループを1種類の体験コストの高さに応じて1次元状に配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明にかかる情報提示装置は、複数の種類の体験を俯瞰して、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握できるため、ユーザによる行動予定の検討を支援する情報提示装置等として有用である。
【符号の説明】
【0126】
10、20、30 情報提示装置
11 ネットワーク接続部
12 情報取得部
13 形態素解析部
14 検索条件決定部
15 ユーザ属性記憶部
16 体験情報分類部
17、171 体験コスト決定部
172 非コスト指標決定部
18 提示部
181 プルダウンメニュー
40 ユーザ端末
50 ブログデータベース
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばウェブ等のように膨大な情報の中から所望の情報を取得して提示する情報提示装置、情報提示方法およびプログラムに関し、特に、体験情報を取得して提示する情報提示装置、情報提示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ上にはさまざまな情報が存在し、ユーザは、休日や長期休暇等の行動予定を検討する際に、ウェブ上の他人の体験情報を参考にできる。しかしながら、ウェブ上の情報の量は膨大であるので、ユーザが必要とする体験情報をウェブから効率よく取得することは容易ではない。
【0003】
ウェブ上には検索エンジンが提供されている。検索エンジンは、ユーザが指定したキーワードを含むウェブページを抽出して、そのリンク情報をユーザに提供する。ユーザは、体験情報に関するキーワードを指定して検索エンジンで検索することで、キーワードに関連するウェブページを見つけ出すことができる。
【0004】
但し、休日や長期休暇等の行動予定を検討する場合に、ユーザが興味のあるキーワードを指定して従来の検索エンジンでウェブページを検索すると、抽出されたウェブページの中には、例えばそのキーワードについての知識を提供するページのように、体験情報とは関係のないウェブページも含まれてしまう。よって、興味のある事項についてキーワードを指定して従来の検索エンジンで検索をしただけでは、そのキーワードに関連する他人の体験情報を効率よく取得できない。
【0005】
この場合に、従来の検索エンジンにて、キーワードとともに「体験」というキーワードで検索すると、そのキーワードと「体験」という用語とを含むウェブページが抽出される。例えば、「氷」にまつわる行動予定を検討する場合に、「氷」というキーワードと「体験」というキーワードを用いて、従来の検索エンジンによって検索をすると、「氷」および「体験」という用語を含むウェブページが抽出される。しかしながら、例えば「かき氷を食べた」、「流氷を見た」等の内容を含むウェブページに「体験」という用語が用いられていない場合には、このようなウェブページは抽出されないことになる。
【0006】
この点を考慮して、例えば、「食べる」、「見る」等のキーワードを、「氷」というキーワードと共に用いて検索をすると、「かき氷を食べた」、「流氷を見た」等の体験情報を含むウェブページを検索することが可能である。
【0007】
特許文献1には、ある文書が与えられた時に、キーワードなどの入力がなくても、その文書の筆者が何についてどのような体験を記述しているか、すなわちその文書の筆者の体験の対象と体験した事柄を提示する体験情報抽出装置が開示されている。この体験情報抽出装置は、物事を利用もしくは体験・経験したことを表すような語句(体験表現)と体験の対象となる語句との関係、体験表現と体験の対象が属するカテゴリとの関係、または、体験表現と体験の対象とカテゴリとの関係のいずれかを定義した体験表現辞書を参照して、入力文書中で該当する体験表現に対応する語句やカテゴリを選定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−280052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のように、ユーザが検索対象に応じてキーワードを工夫して、従来の検索エンジンによって体験情報を検索する方法では、体験情報が無秩序に大量に抽出される。ユーザは、自分の行動予定の検討において、それらの大量かつ無秩序な体験情報のうちの何れの体験情報を参考にすればよいか、判断が困難となる。
【0010】
特許文献1の技術では、体験表現と、体験の対象または体験の対象のカテゴリとの組み合わせの情報が得られる。しかしながら、特許文献1は、所定の文書が与えられたときに、その文書の中から体験の記述を抽出する技術であり、膨大な情報から体験情報を取得する手法、および、得られた情報をどのようにしてユーザの行動予定の決定に結びつけるかという手法は示されていない。
【0011】
また、キーワードを用いて従来の検索エンジンで体験情報を検索した場合には、指定されたキーワードを含まない体験情報は一切検索されない。このために、ユーザは、所望の体験情報を得るためにキーワードを多面的に選択する必要がある。しかし、多くの種類のキーワードを用いて検索を行ったとしても、ユーザが思いつかない行動の種類については、体験情報は検索されない。
【0012】
例えば、「氷」という対象キーワードに対して、「食べる」「見る」という行動キーワードを組み合わせて検索を行った場合には、「氷」について、「食べる」、「見る」以外の体験情報が得られない。ウェブ上に「氷のホテルに泊まった」という体験情報があった場合に、氷のホテルがあるということを知らないユーザは、「泊まる」というキーワードを用いることはない。その結果、ユーザは、氷のホテルがあってそこに泊まったという他人の体験情報を得ることはできず、行動予定の検討に当たって、ユーザ自らの発想を超えた新たな発見が得られない。
【0013】
特許文献1の技術では、各体験の対象または各体験の対象のカテゴリについて、当該対象またはカテゴリに対する一般的な行動表現が予め固定されている。従って、文書中に、各対象または各カテゴリに対して、固定されたこれらの行動表現以外の行動表現があった場合には、それは体験情報とは判断されないことになる。よって、この場合も、一般的な体験の情報しか得られず、このような体験情報を参考にしたとしても、ユーザが行動予定を検討する際に、一般的な発想を超えた新たな発見が得られない。
【0014】
そこで、本発明は、ウェブ等のような膨大な情報の中から、ユーザの興味に関連する体験情報を探し出し、体験情報をユーザにとって利用しやすい形で提示する情報提示装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ユーザの発想や一般的な発想を超えた体験を発見できる情報提示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の情報提示装置は、ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得部と、前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類部と、前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定部と、前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示部とを備える。
【0016】
この構成により、取得された体験情報が、体験の種類に応じて複数のグループに分類された上で、表示画面上で、各グループがその体験コストの高さに応じて配置される。ユーザは、この表示画面を見ることで、複数の種類の体験を俯瞰して、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握できる。また、情報分類部が、行動を示す単語に基づいて、取得された文書情報をグループ分けするので、ユーザが行動のキーワードを指定しなくても文書情報中の体験が抽出される。これにより、取得された文書情報中にユーザが思いつかなかった体験があった場合にも、そのような体験の情報が抽出されて提示されるので、ユーザは、自分の発想を超えた新しい体験や忘れていた体験に気づき、行動予定の検討において視野を広げることができる。
【0017】
また、本発明の情報提示装置は、前前記情報取得部が取得した文書情報に対して形態素解析を行う形態素解析部をさらに備え、前記情報分類部は、前記形態素解析によって抽出された動詞に基づいて、前記文書情報をグループに分類する。
【0018】
この構成により、形態素解析によって動詞と判断された単語を、行動を示す単語として用い、文書情報を適切にグループ分けできる。
【0019】
また、本発明の情報提示装置において、前記情報分類部は、前記行動を示す単語に加えて前記行動の対象を示す語句に基づいて、前記文書情報を分類する。
【0020】
この構成により、「何について、どうした」という行動の対象と行動の種類の組み合わせでグループ分けがされるので、複数の種類のより具体的な体験を俯瞰できる。
【0021】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストのうち最低の体験コストを当該グループの体験コストとして決定する。
【0022】
この構成により、各グループは、表示画面上において、そのグループに含まれる複数の文書情報の体験コストのうちの最低の体験コストに応じて配置される。よって、この構成は、ユーザが体験コストを重視して行動予定を検討する場合に有効である。
【0023】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストの平均値を当該グループの体験コストとして決定する。
【0024】
この構成により、各グループは、表示画面上において、そのグループに含まれる複数の文書情報の体験コストの平均値に応じて配置される。よって、この構成は、ユーザが各グループの平均的な体験コストを参考にして行動予定を検討する場合に有効である。
【0025】
また、本発明の情報提示装置は、前記行動を示す単語と前記体験コストとを関連付けて記憶したテーブルを備え、前記体験コスト決定部は、前記テーブルから前記グループの行動を示す単語に対応する体験コストを読み出す。
【0026】
この構成によれば、体験コストを容易に決定できる。なお、テーブルは、過去に求めた体験コストとその体験コストに対応する単語との関係を学習することにより、生成してもよい。
【0027】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のうちの代表の文書情報から求めた体験コストを当該グループの体験コストとして決定する。この構成によっても、体験コストを容易に決定できる。
【0028】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コスト決定部は、ユーザの端末から取得したユーザ傾向情報から、ユーザの嗜好を学習し、体験コストの決定に反映させる。
【0029】
この構成により、決定された体験コストは、ユーザの嗜好に沿うようになり、体験コストの決定に対するユーザのより高い満足度が得られる。
【0030】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コストは、距離的コスト、時間的コスト、金銭的コスト、難易度、希少度、ユーザ属性一致度、流行度のいずれか、またはこれらの組み合わせからなる。
【0031】
また、本発明の情報提示装置において、前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を体験コスト以外の指標の軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置する。
【0032】
この構成によれば、ユーザは、体験コストだけでなく、他の要素も考慮して行動予定を検討できる。
【0033】
また、本発明の情報提示装置において、前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を前記体験コストと異なる種類の体験コストの軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置する。
【0034】
この構成によれば、ユーザは、複数種類の体験コストの組み合わせを考慮して行動予定を検討できる。
【0035】
また、本発明の情報提示装置は、体験コストの種類の変更を受け付ける変更受付部をさらに備え、前記提示部は、前記変更を受け付けたときに、当該変更後の種類に係る体験コストの高さに応じて前記各グループを表示画面上に配置し直す。
【0036】
この構成によれば、ユーザは、簡易な操作で、さまざまな種類の体験コストを参考にでき、体験コストを多面的に考慮して行動予定を検討できる。
【0037】
また、本発明の情報提示装置において、前記提示部は、変更前における配置から変更後の配置へ前記各グループを移動する過程を表示するアニメーションを生成する。
【0038】
この構成によれば、各グループの体験コストが複数の種類の体験コストの間でどの程度の高さの差を有するかを視覚的に把握できる。
【0039】
また、本発明の情報提示装置において、前記検索条件は、キーワードであり、前記情報取得部は、前記キーワードを用いて検索を行うことで前記文書情報を取得する。この構成によれば、ユーザが指定したキーワードを含む体験情報が得られる。
【0040】
また、本発明の情報提示装置において、前記検索条件は、キーワードであり、前記情報取得部は、前記キーワードおよび当該キーワードに関連する用語を用いて検索を行うことで前記文書情報を取得する。この構成によれば、ユーザの指定したキーワード以外の関連する体験情報も得られる。
【0041】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コストは、距離的コストであり、前記体験コスト決定部は、前記各グループ内の文書情報に含まれる地名とユーザの住所地との間の距離に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定する。
【0042】
また、本発明の情報提示装置において、前記体験コストは、難易度であり、前記体験コスト決定部は、前記行動を示す単語に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定する。
【0043】
また、本発明の情報提示装置において、前記情報取得部は、複数のブログ記事を格納したブログデータベースから、前記検索条件に該当するブログ記事を取得する。
【0044】
ウェブ上の情報の中でも、ブログ記事は、体験情報を含む割合が高いと考えられる。よって、この構成により、ブログデータベースからブログ記事を取得することで、体験情報を得る精度が向上する。
【0045】
本発明の情報提示方法は、情報提示装置によってユーザに情報を提示する方法であって、前記情報提示装置が、ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得ステップと、前記情報提示装置が、前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類ステップと、前記情報提示装置が、前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定ステップと、前記情報提示装置が、前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示ステップとを含む。
【0046】
また、本発明のプログラムは、上記の方法をコンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0047】
本発明の情報提示装置によれば、ユーザは、行動予定を検討する際に、複数の種類の他人の体験を俯瞰して、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握でき、かつ、自分の発想を超えた新しい体験や忘れていた体験に気づくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置を含むシステムの構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置のハードウェア構成図
【図4】本発明の第1の実施の形態における文書情報の解析結果を示す図
【図5】本発明の第1の実施の形態における距離的コストの決定方法を説明する図
【図6】本発明の第1の実施の形態における難易度の決定方法を説明する図
【図7】本発明の第1の実施の形態における表示画面の一例を示す図
【図8】本発明の第1の実施の形態における情報提示装置の動作を示す処理フロー
【図9】本発明の第2の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の第2の実施の形態における表示画面の一例を示す図
【図11】本発明の第3の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の第3の実施の形態における表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態の情報提示装置について、図面を参照しながら説明する。
【0050】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における情報提示装置を含むシステムの構成図である。図3は本発明の第1の実施の形態における情報提示装置のハードウェア構成図である。まず、図2および図3を参照して、情報提示装置を含むシステムの構成および情報提示装置のハードウェア構成を説明して、第1の実施の形態における情報提示装置について、詳しく説明する。
【0051】
図2に示すように、情報提示装置10は、WWW(World Wide Web、以下「ウェブ」という)のサーバとして、インターネットに接続されている。また、ウェブ上には、ウェブログ(Weblog、以下「ブログ」という)の記事を格納したブログデータベース50が接続されている。ブログには、文書情報のみならず画像も含んでいてもよい。また、ユーザは、ユーザ端末40をインターネットに接続することで、情報提示装置10の後述する機能を利用する。このように、本発明の実施の形態では、情報提示装置10、ブログデータベース50、およびユーザ端末40が、インターネットを介して接続されてシステムが構成される。
【0052】
図3に示すように、情報提示装置10は、通信インターフェース101と、CPU102と、RAM103と、ROM104と、ハードディスク105とが内部バスで接続されて構成されている。通信インターフェース101は、インターネットからデータを受信し、かつインターネットにデータを送信する。CPU102は、ROM104からプログラムを読み出して実行し、情報提示装置10全体を制御する。RAM103は、CPU102が処理をするときの一時記憶メモリとして用いられる。ROM104には、CPU102にて実行されるプログラムが記憶されている。ハードディスク105には、後述するユーザ属性や形態素解析に用いる辞書等の情報データが記憶されている。また、ハードディスク105には、後述する文書情報の検索の結果や形態素解析の結果等が記憶されてもよい。
【0053】
図1は、本発明の第1の実施の形態の情報提示装置の構成を示すブロック図である。図3に示すハードウェア構成を有する情報提示装置が本発明の実施の形態のプログラムを実行することにより、図1に示す構成が実現される。
【0054】
図1に示すように、情報提示装置10は、ネットワーク接続部11と、情報取得部12と、形態素解析部13と、検索条件決定部14と、ユーザ属性記憶部15と、体験情報分類部16と、体験コスト決定部17と、提示部18とを備える。
【0055】
ネットワーク接続部11は、インターネットを介してデータを送受信する。ネットワーク接続部11は、データを受信して、情報取得部12や検索条件決定部14やユーザ属性記憶部15に提供する。ネットワーク接続部11は、情報取得部12や提示部18からデータを受けて、これを送信する。
【0056】
情報取得部12は、検索条件決定部14が決定した検索実行用の検索条件を用いて、当該検索条件に合致する文書情報をウェブから取得する。本実施の形態では、情報取得部12は、検索条件を用いてブログデータベース50を検索して、文書情報としてブログ記事を取得する。情報取得部12は、複数のブログデータベースを検索してよい。また、情報取得部12は、ブログデータベースを検索してブログ記事を取得するだけでなく、広くインターネット上のウェブサイトから文書情報を取得してもよい。
【0057】
形態素解析部13は、ブログ記事に含まれる文書情報について、形態素解析を行う。形態素解析部13は、形態素解析をして、特に、動詞を抽出する。
【0058】
検索条件決定部14は、ネットワーク接続部11にて受信した検索条件に基づいて、情報取得部12での検索に用いる検索条件を決定する。具体的には、ネットワーク接続部11が、ユーザがユーザ端末40にて入力したキーワード(興味キーワード)を受信すると、受信した興味キーワードに基づいて、当該興味キーワードに関連する用語を含むキーワード群を検索実行用の検索条件として決定する。ここで、関連する用語とは、例えば、興味キーワードのシソーラス(狭義語、広義語、同義語、関連語等)である。また、多数のユーザのキーワードの入力状況を統計的に分析し、所定のキーワードと一緒に入力されることの多い別のキーワードを記憶しておき、セットで用いられるキーワードを関連する用語として用いてもよい。
【0059】
なお、検索条件決定部14は、ユーザがユーザ端末40にて入力した興味キーワードのみを、情報取得部12にて行う検索の検索条件として決定してもよい。検索条件決定部14は、情報取得部12にて行う検索の検索条件として、キーワードのほかに、情報の更新日時の条件等を含めてもよい。検索条件決定部14は、キーワードのほかに、ウェブ全体を検索するか、ブログデータベースのみを検索するかという検索範囲に関する条件を検索条件として決定してよい。情報取得部12がブログデータベースを検索する場合には、検索条件決定部14は、複数あるブログデータベースのうちのどのブログデータベースを検索するかという検索範囲に関する条件も検索条件として決定してよい。
【0060】
ユーザ属性記憶部15は、ネットワーク接続部11にて受信したユーザ属性を記憶する。ユーザ属性は、ユーザがユーザ端末40にて入力し、ユーザ端末40から送信されてくる。ユーザ属性記憶部15に記憶されるユーザ属性には、ユーザの年齢、性別、住所等の情報が含まれる。
【0061】
体験情報分類部16は、情報取得部12にて取得した文書情報に含まれる、行動を示す単語、および検索条件決定部14にて決定されたキーワード群のキーワードを含む語句を解析する。検索条件決定部14にて決定されたキーワード群のキーワードを含む語句は、行動を示す単語に対して、その行動の対象を示す語句となる。
【0062】
図4は、本発明の実施の形態における文書情報の解析結果を示す図である。体験情報分類部16は、情報取得部12により取得されたブログ記事の各々について、キーワードを含む語句を、行動の対象を示す語句(「何について」を示す語句、以下「行動対象語句」という)として、その出現回数をカウントして、図4に示すようなターム・ドキュメント・マトリクスを作成する。
【0063】
図4の例では、ユーザにより「氷」という興味キーワードが入力され、これに対して検索条件決定部14が「氷」、「アイス」、「雪」というキーワード群を情報取得部12に与えて検索を行った場合を示している。体験情報分類部16は、文書情報から「氷」、「アイス」(「氷」の同義語)、「雪」(「氷」の関連語)というキーワードを含む語句(「かき氷」、「アイススケート」、「雪祭り」、「氷の音楽会」等)を抽出して、その出現回数をカウントする。
【0064】
また、情報分類部16は、情報取得部12により取得されたブログ記事の各々について、形態素解析部13にて抽出された動詞を、行動を示す単語(「どうする」を示す単語、以下「行動単語」という)として、その出願回数をカウントする。
【0065】
本実施の形態では、体験情報分類部16は、各ブログ記事について、最も出現回数の多い行動対象語句と最も出現回数の多い行動単語との組み合わせに基づいて、各ブログ記事が属するグループを決定し、クラスタリングを行う。図4の例では、記事1では、行動対象語句として、「かき氷」が5回出現し、キーワード群に合致する他の語句は抽出されていない。また、記事1において、行動単語として、「作る」が3回出現し、「食べる」が2回出現し、他の動詞は出現していない。よって、記事1は、行動対象語句として最も出現回数の多い「かき氷」と、行動単語として最も出現回数の多い「作る」とに基づいて、「かき氷を作る」というグループに分類される。
【0066】
記事2、記事3、記事4、記事5、記事6、・・・についても、同様にしてそれぞれグループに分類する。記事2は、「アイストレーを買う」というグループに分類され、記事3は、「アイススケートに行く」というグループに分類され、記事4は、「氷祭りを見る」というグループに分類され、記事5は記事1同じ「かき氷を作る」というグループに分類され、記事6は「流氷を見る」というグループに分類される。
【0067】
なお、グループはあらかじめ用意されているものではなく、文書情報のクラスタリング処理の際に、文書情報に含まれる行動対象語句と行動単語との組み合わせに基づいて生成される。
【0068】
クラスタリングの精度を向上させるために、体験情報分類部16は、行動対象語句から近い位置に記述されている動詞のみを行動単語として、その出現回数をカウントしてよい。具体的には、行動対象語句との間に入る文字数が所定数以下の範囲内にある動詞のみを行動単語としてカウントしてよい。また、行動対象語句と同じ一文に含まれる動詞のみを行動単語としてカウントしてもよい。
【0069】
上記の例では、体験情報分類部16は、出現回数が最も高い行動対象語句および行動単語のみに基づいて、1つの記事を1つのグループに分類した。しかし、体験情報分類部16は、出現したすべての行動対象語句および行動単語に基づいて、1つの記事を複数のグループに分類してよい。この場合には、例えば、記事1には、行動単語として、「作る」および「食べる」が出現しているので、体験情報分類部16は、記事1を「かき氷を作る」というグループと「かき氷を食べる」というグループに分類する。また、記事4には、「雪祭り」および「流氷」という行動対象語句と「見る」という行動単語が出現しているので、体験情報分類部16は、記事4を「雪祭りを見る」というグループと「流氷を見る」というグループに分類する。
【0070】
図1に戻って、体験コスト決定部17は、体験情報分類部16で生成されたグループに属する文書情報に含まれる単語を解析して、当該グループの体験コストの高さを決定する。
【0071】
ここで、体験コストとは、体験を実現するためのコストであり、当該体験の実現困難性を示す指標である。体験コストには、距離的コスト、時間的コスト、金銭的コスト、難易度、希少度、ユーザ属性一致度、流行度等が含まれる。
【0072】
距離的コストは、ユーザの住所地から各グループの体験を実行する場所までの地理的距離を示すコスト指標である。距離的コストは、ユーザの住所地から各グループの体験を実行する場所までの地理的距離に基づいて決定され、距離が遠いほど距離的コストが高くなる。
【0073】
図5は、距離的コストの決定方法を説明する図である。体験コスト決定部17は、ユーザの住所地を基準地として、当該基準地とブログ記事に含まれる地名との間の距離を求める。体験コスト決定部17は、グループに含まれる複数のブログ記事の各々について、基準地とブログ記事に含まれる地名との間の距離を求める。そして、体験コスト決定部17は、1つのグループに含まれる複数のブログ記事の距離のうち、最も近い距離をそのグループの距離的コストとして決定する。
【0074】
体験コスト決定部17は、ユーザ属性記憶部15からユーザの住所を読み出して、これを基準地とする。ブログ記事に含まれる地名は、形態素解析部13によって抽出される。基準地と抽出された地名との間の距離は、地図ソフトの経路検索機能を用いて求めることができる。
【0075】
図5の例では、「かき氷を食べる」というグループには、記事1〜3が含まれている。そして、記事1には、「愛知県刈谷市」という地名が含まれ、記事2には、「目黒区目黒二丁目」という地名が含まれ、記事3には、「横浜市」という地名が含まれる。記事1〜3の地名と基準地との距離は、それぞれ「329(km)」、「3.9(km)」、「33.7(km)」である。この場合は、体験コスト決定部17は、最も小さい「3.9」を、「かき氷を食べる」というグループの距離的コストとして決定する。
【0076】
なお、上記の例では、グループ内の複数のブログ記事のそれぞれに含まれる地名と基準地との距離のうち、最短の距離を距離的コストとしたが、距離的コストの決定方法はこれに限られない。体験コスト決定部17は、グループ内の複数のブログ記事のそれぞれに含まれる地名と基準地との距離の平均値を当該グループの距離的コストとしてよい。体験コスト決定部17は、グループ内の複数のブログ記事のうちの代表のブログ記事に含まれる地名と基準地との距離を当該グループの距離的コストとしてよい。この場合、体験コスト決定部17は、例えば行動対象語句を最も多く含むブログ記事、作成日時の最も新しいブログ記事等を代表のブログ記事としてよい。
【0077】
時間的コストは、体験を実現するのに要する時間の長さを示すコスト指標である。時間的コストは、ユーザの住所地とブログ記事に含まれる地名との間の距離と、当該体験を完了するのにかかる時間とに基づいて決定される。距離が長いほど時間的コストは高くなり、完了するのにかかる時間が長いほど時間的コストは高くなる。
【0078】
体験コスト決定部17は、行動単語の候補ごとに、当該行動単語が示す行動の完了にかかる時間が定義されたテーブルを有している。体験コスト決定部17は、このテーブルを参照して、各グループに含まれる行動単語が示す行動の完了にかかる時間を求める。このテーブルには、例えば、「食べる」という行動単語は「1時間」、「見る」という行動単語は「2.5時間」というように、各行動単語が示す行動の完了にかかる時間が定義されている。
【0079】
金銭的コストは、体験を実現するのに要する金額を示すコスト指標である。金銭的コストは、ユーザの住所地とブログ記事に含まれる地名との間の距離と、当該体験を実行するのに必要な金額とに基づいて決定される。距離が長いほど交通費が多くかかるため、金銭的コストは高くなる。また、実現に必要な金額が大きいほど金銭的コストは高くなる。
【0080】
体験コスト決定部17は、行動単語の候補ごとに、当該行動単語が示す行動の実現に必要な金額が定義されたテーブルを有している。体験コスト決定部17は、このテーブルを参照して、各グループに含まれる行動単語が示す行動の実現に必要な金額を求める。このテーブルには、例えば、「行く」という行動は「0円」(交通費は別途で考慮しているので、「行く」だけを実現するのに要する金銭は0としている)、「泊まる」という行動は「1.5万円」というように、各行動単語が示す行動の実現に要する金額が定義されている。なお、体験コスト決定部17は、文書情報中から金額に関する単語を抽出して、その文書情報の行動の実現に必要な金額を決定してもよい。
【0081】
難易度は、体験に必要な労力やスキルの程度を示すコスト指標である。難易度は、行動単語の行動属性難度と、各グループ内における行動単語の出現回数とに基づいて決定される。行動属性難度が高いほど難度は高くなり、グループ内における行動単語の出現回数が多いほど難度は低くなる。
【0082】
体験コスト決定部17は、行動単語の候補ごとに、行動属性難度が定義されたテーブルを有している。体験コスト決定部17は、このテーブルを参照して、各グループに含まれる行動単語が示す行動の行動属性難度を求める。このテーブルには、例えば、「なる」という行動は「100」、「見る」という行動は「30」、「買う」という行動は「10」というように、各行動単語が示す行動の行動属性難度が定義されている。
【0083】
図6は、本発明の実施の形態における難易度の決定方法を説明する図である。図6の例では、「流氷を見る」というグループについては、「見る」という行動単語の行動属性難度が「30」であり、当該グループにおける「見る」という行動単語の出現回数は「6」である。体験コスト決定部17は、行動属性難度「30」を、出現回数「6」で割って、難易度を「5.0」と決定する。「アイストレーを買う」というグループについても、同様に、体験コスト決定部17は、「買う」の行動属性難度「10」を、当該グループ内での「買う」の出現回数「4」で割って、難易度を「2.5」と決定する。
【0084】
希少度は、体験を実現する機会の少なさを示すコスト指標である。希少度は、各グループに含まれるブログ記事の件数に基づいて決定される。グループ内のブログ記事の件数が少ないほど希少度は高くなる。
【0085】
ユーザ属性一致度は、ユーザの属性とブログ記事の作者の属性との一致の度合いを示すコスト指標である。ユーザ属性一致度は、ユーザの各属性とブログ記事の作者の対応する属性とが一致する数に基づいて決定される。一致する属性の数が多いほどユーザ属性一致度は高くなる。
【0086】
体験コスト決定部17は、ブログ記事を解析して、当該ブログ記事の作者の年齢および性別を判別する。そして、体験コスト決定部17は、ユーザ属性記憶部15からユーザの属性を読み出して、解析して得られたブログ記事の作者の年齢および性別と、ユーザ属性記憶部15から読み出したユーザの年齢および性別とを比較する。体験コスト決定部17は、この比較結果に基づいてユーザ属性一致度を決定する。
【0087】
流行度は、体験が現在どれだけ流行しているかを示すコスト指標である。流行度は、グループに含まれるブログ記事の件数および各ブログ記事の作成日時に基づいて決定される。ブログ記事の件数が多いほど流行度は高くなり、ブログ記事の作成日時が新しいほど流行度は高くなる。
【0088】
以上のように、各種の体験コストは、ブログ記事に含まれる単語(地名や動作単語等)、ブログ記事の関連情報(件数や作成日時等)といった、ブログ記事側の情報だけでなく、ユーザ属性記憶部15に記憶されたユーザ属性情報(住所、年齢、性別等)というユーザ側の情報にも基づいて決定される。但し、本発明において体験コストの決定に使用されるユーザ側の情報は、これらの住所、年齢、性別等のユーザ属性情報に限られない。
【0089】
変形例では、体験コスト決定部17は、ユーザ端末40から取得した、ユーザの操作履歴情報、アプリケーション設定情報、および設問回答情報を含むユーザ傾向情報に基づいて、体験コストを決定してもよい。
【0090】
ここで、ユーザ操作履歴情報は、ユーザが過去にどのようなキーワードで検索を行ったかといったユーザの操作履歴を示す情報である。アプリケーション設定情報とは、本システムを利用する際のユーザ端末40のアプリケーションに対して、ユーザが各種の設定を行える場合において、ユーザがどのような設定をしているかを示す情報である。設問回答情報は、情報提示装置10からユーザ端末40に、設問内容を含み、設問への回答を促すウェブページを送り、ユーザがこの設問に対する回答を情報提示装置10に送信した場合における当該回答の情報である。体験コスト決定部17は、これらのユーザ傾向情報から、ユーザの嗜好を学習して、これを体験コストの決定に反映させる。これにより、体験コストの決定において、ユーザの嗜好に沿った、満足度のより高い体験コスト算出を行うことができる。
【0091】
提示部18は、体験情報分類部17で分類された各グループを2次元座標上に配置した表示画面を生成する。提示部18は、体験コスト決定部17で決定された各グループの体験コストの高さに応じて、2次元座標上に各グループを配置して、表示画面を生成する。
【0092】
図7は、本発明の第1の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。図7は、横軸を距離的コストとし、縦軸を難易度とする2次元座標上に各グループを配置した例を示している。距離的コストの高いグループは、より右に配置され、難易度の高いグループは、より上に配置されている。なお、各グループのサムネイル画像には、各グループに含まれる代表のブログ記事の画像を用いることができる。
【0093】
図8は、本発明の実施の形態における情報提示装置10の動作を示す処理フローである。図8を参照して、情報提示装置10の動作を説明する。
【0094】
情報提示装置10における処理に先立って、まず、ユーザは、ユーザ端末40からインターネットを介して情報提示装置10にアクセスする。情報提示装置10は、ユーザ端末40から要求を受けると、ユーザ端末40に、キーワードおよびユーザの属性の入力を促すウェブページを提供する。
【0095】
ユーザは、このウェブページを通じて、行動予定を検討するにあたって、自分が興味のある事項をキーワードとして入力し、また、自分の年齢、性別等の属性も入力し、これらの情報を情報提示装置10に送信する。検索範囲等の検索条件を指定できる場合には、ユーザはそれらの検索条件も入力して、情報提示装置10に送信する。なお、ユーザの属性は、あらかじめ情報提示装置10に送信しておいて、情報提示装置10のユーザ属性記憶部15に記憶しておいてもよい。
【0096】
情報提示装置10は、ユーザ端末40から送信された検索条件(キーワード、検索範囲等)をネットワーク接続部11で受け付ける(ステップS81)。検索条件決定部14は、ネットワーク接続部11で受け付けたキーワードおよびそれに関連する用語を含むキーワード群を検索実行用の検索条件として決定する(ステップS82)。検索条件決定部14は、キーワード以外の検索条件があるときは、その検索条件も決定する。
【0097】
情報取得部12は、検索条件決定部14が決定した検索実行用の検索条件に従って、ブログデータベース50を検索して、その検索条件に合致するブログ記事を取得する(ステップS83)。
【0098】
形態素解析部13は、情報取得部12で取得されたブログ記事中の文書情報から行動単語(動詞)を抽出し、体験情報分類部16は、行動単語と行動対象語句との組み合わせごとに、文書情報をグループに分類する(ステップS84)。体験コスト決定部17は、体験情報分類部16にて分類された各グループについて、その体験コストを決定する(ステップS85)。
【0099】
提示部18は、体験情報分類部16にて分類された各グループを、体験コスト決定部17にて決定された体験コストの高さに従って、2次元座標上にマッピングして、表示画面を生成する(ステップS86)。提示部18は、ネットワーク接続部11を介してユーザ端末40に表示画面のデータを送信することで、当該表示画面の情報を提示する(ステップS87)。
【0100】
ユーザ端末40では、この表示画面のデータを所定のブラウザで表示することで、図7に示すような表示画面を表示する。
【0101】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の情報提示装置によれば、ユーザは、さまざまな他人の体験を2次元座標上で俯瞰できる。また、ユーザは、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握できる。さらに、情報分類部16が、行動を示す単語として、文書情報の中の動詞に基づいて、文書情報のグループ分類を行うので、ユーザやシステム設計者があらかじめ行動を示す単語を制限することはない。よって、ユーザの発想や一般的な発想を超えて、より視野を広げた体験情報の発見が可能になる。
【0102】
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。図9を参照して、本発明の第2の実施の形態の情報提示装置を説明する。第2の実施の形態の情報提示装置において、第1の実施の形態の情報提示装置と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第2の実施の形態におけるシステムの構成や情報提示装置のハードウェア構成等は第1の実施の形態と同様であり、以下では、主として第1の実施の形態とは異なる部分を説明する。
【0103】
情報提示装置20は、ネットワーク接続部11と、情報取得部12と、形態素解析部13と、検索条件決定部14と、ユーザ属性記憶部15と、体験情報分類部16と、体験指標決定部170と、提示部18とを備える。
【0104】
体験指標決定部170は、体験コスト決定部171と非コスト指標決定部172を有する。体験コスト決定部171は、第1の実施の形態の体験コスト決定部17と同様にして、各グループの体験コストを決定する。非コスト指標決定部172は、各グループについて、体験コスト以外の他の指標(非コスト指標)を決定する。
【0105】
非コスト指標は、例えば、体験の感動度、ブログ記事に含まれる画像の数、体験の人気度等である。感動度は、ブログ記事に含まれる形容詞の数に基づいて決定される。人気度は、ブログ記事のトラックバック数に基づいて決定される。
【0106】
非コスト指標決定部172は、グループに含まれる複数のブログ記事のうち、形容詞を最大に含むブログ記事の形容詞数、画像を最も多く含むブログ記事の画像数、トラックバックが最も多いブログ記事のトラックバック数を、それぞれ当該グループの感動度、画像数、人気度とする。
【0107】
なお、非コスト指標決定部172は、グループに含まれる複数のブログ記事の、平均の形容詞数、平均の画像数、平均のトラックバック数を、それぞれ当該グループの感動度、画像数、人気度としてよい。また、非コスト指標決定部172は、グループに含まれる複数のブログ記事のうちの代表のブログ記事の、形容詞数、画像数、トラックバック数を、それぞれ当該グループの感動度、画像数、人気度としてもよい。この場合、最も作成日時の新しいブログ記事を代表のブログ記事としてよい。
【0108】
提示部18は、体験指標決定部170にて決定された体験コストと非コスト指標とを用いて、一方を体験コストの軸、他方を非コスト指標の軸とする2次元座標上に、各グループを配置して、表示画面を生成する。
【0109】
図10は、本発明の第2の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。図10の例では、縦軸が非コスト指標の一つである「感動度」であり、横軸が体験コストの一つである「金銭的コスト」である。図10の2次元座標において、右上の領域は、感動度は高いが金銭的コストも高い領域であり、左下の領域は、感動度は低いが金銭的コストも低い領域である。左上の領域に配置されるグループは、低い金銭的コストで高い感動度を得られるグループであり、右下の領域に配置されるグループは、金銭的コストは高いが低い感動度しか得られないグループである。
【0110】
このように、2次元座標の2軸のうち一方の軸を体験コストとし、他方の軸を非コスト指標とすると、体験コストに対する体験コスト以外の効果を視覚的に把握でき、行動予定の検討に役立てることができる。なお、体験コストと非コスト指標のいずれを縦軸とし、いずれを横軸とするかは任意である。
【0111】
(第3の実施の形態)
図11は、本発明の第3の実施の形態における情報提示装置の構成を示すブロック図である。図11を参照して、本発明の第3の実施の形態における情報提示装置の構成を説明する。第3の実施の形態の情報提示装置において、第1の実施の形態の情報提示装置と同一の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第3の実施の形態におけるシステムの構成や情報提示装置のハードウェア構成等は第1の実施の形態と同様であり、以下では、主として第1の実施の形態とは異なる部分を説明する。
【0112】
情報提示装置30は、ネットワーク接続部11と、情報取得部12と、形態素解析部13と、検索条件決定部14と、ユーザ属性記憶部15と、体験情報分類部16と、体験コスト決定部170と、提示部18とを備える。
【0113】
図12は、本発明の第3の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。本実施の形態の表示画面では、2次元座標の座標軸の内容を変更するためのプルダウンメニュー181が設けられている。プルダウンメニュー181では、複数の体験コストの種類が提供される。ユーザは、表示画面においてプルダウンメニュー181からいずれかの体験コストを選択できる。
【0114】
図11および図12を参照して、表示画面の2次元座標における座標の内容を変更する方法について説明する。まず、ユーザが表示画面にてプルダウンメニュー181を展開させる。プルダウンメニュー181には、複数の種類の体験コストが表示される。ユーザは、表示された複数の体験コストのうちのいずれかの体験コストを選択する。図12では、「距離的コスト」が選択されていた状態から、プルダウンメニュー181を展開して「希少度」を選択した例が示されている。
【0115】
ユーザが、「距離的コスト」を「希少度」に変更すると、ユーザ端末40から、横軸を「距離的コスト」から「希少度」に変更することを指示する変更指示が送信される。情報提示装置30では、ネットワーク接続部11にて、この変更指示を受け付ける。提示部18は、体験情報分類部16が生成した各グループについて、ネットワーク接続部11で受け付けた変更指示にて指示された体験コストを体験コスト決定部17から読み出す。
【0116】
提示部18は、各グループを、選択された体験コストに応じた2次元座標上の位置に配置し直して表示画面を生成する。このとき、提示部18は、各グループが、元の体験コストに応じた配置から新たに選択された体験コストに応じた配置に移動する過程を表示するアニメーションを生成する。このアニメーションは、ネットワーク接続部11によって、インターネットを介してユーザ端末40に送信される。
【0117】
本実施の形態の情報提示装置30によれば、さまざまな種類の体験コストに応じた配置で複数の体験のグループを俯瞰できる。また、アニメーションによって、複数の種類の体験コストの間で各グループの配置がどのように変化するかを視覚的に把握できる。
【0118】
なお、図11および図12の例では、横軸の体験コストのみを選択可能としたが、縦軸の体験コストについても横軸の体験コストと同様に変更可能としてよい。
【0119】
(変形例)
上記の実施の形態では、情報提示装置10〜30と、ユーザ端末40と、ブログデータベース50とがインターネットを介して接続することでシステムが構成されたが、システムの構成はこれに限られない。情報提示装置10〜30の一部または全部の機能がユーザ端末40に備えられていてもよい。
【0120】
例えば、情報提示装置10〜30の情報取得部12のみがウェブ上に存在し、情報提示装置10〜30の他の機能がユーザ端末40に備えられていてもよい。ユーザ端末40は、本発明の実施の形態のプログラムを読み込んで実行することで、情報提示装置10〜30の一部または全部の機能を実現できる。さらに、ブログデータベース50が情報提示装置10〜30に備えられていてもよい。
【0121】
また、上記の実施の形態では、情報分類部16が、検索条件決定部14にて決定されたキーワード群のキーワードを含む語句を行動対象語句として、クラスタリングを行ったが、情報分類部16は、情報取得部12にて取得された文書情報中の、検索条件決定部14にて決定されたキーワード群以外の任意の名詞又は名詞句を行動対象語句としてクラスタリングを行ってもよい。この場合には、情報分類部16は、形態素解析部13で解析された形態素の情報に基づいて、構文解析を行うことで、行動単語と行動対象語句との組み合わせを抽出してターム・ドキュメント・マトリクスを作成し、抽出された組み合わせに基づいてクラスタリングを行ってよい。
【0122】
この変形例によれば、ユーザが指定した興味キーワードが含まれるブログ記事中の当該興味キーワード又はそれに関連する用語以外の対象について、体験情報が得られる。よって、ユーザは、自分が指定した興味キーワードに関連する対象であって、より広範囲の対象について体験情報が得られ、より視野を広げて行動予定を検討できる。
【0123】
また、上記の実施の形態では、体験情報分類部16が、文書情報に含まれる行動単語と行動対象語句との組み合わせごとに各ブログ記事をクラスタリングしたが、体験情報分類部16は、行動単語ごとに各ブログ記事をクラスタリングしてもよい。この場合は、体験情報分類部16は、各ブログ記事について各種の行動単語の出現回数をカウントしてターム・ドキュメント・マトリクスを生成し、提示部18は、「見る」、「行く」、「買う」等の行動単語ごとに、表示画面上に各グループを配置する。
【0124】
また、上記の実施の形態では、各グループが、少なくとも一方の軸が体験コストの軸である2次元座標上に配置されて表示画面が生成されたが、各グループを1種類の体験コストの高さに応じて1次元状に配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明にかかる情報提示装置は、複数の種類の体験を俯瞰して、各体験にどの程度のコストがかかるかを視覚的に把握できるため、ユーザによる行動予定の検討を支援する情報提示装置等として有用である。
【符号の説明】
【0126】
10、20、30 情報提示装置
11 ネットワーク接続部
12 情報取得部
13 形態素解析部
14 検索条件決定部
15 ユーザ属性記憶部
16 体験情報分類部
17、171 体験コスト決定部
172 非コスト指標決定部
18 提示部
181 プルダウンメニュー
40 ユーザ端末
50 ブログデータベース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得部と、
前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類部と、
前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定部と、
前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示部と、
を備えることを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記情報取得部が取得した文書情報に対して形態素解析を行う形態素解析部をさらに備え、
前記情報分類部は、前記形態素解析によって抽出された動詞に基づいて、前記文書情報をグループに分類することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記情報分類部は、前記行動を示す単語に加えて前記行動の対象を示す語句に基づいて、前記文書情報を分類する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストのうち最低の体験コストを当該グループの体験コストとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストの平均値を当該グループの体験コストとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記行動を示す単語と前記体験コストとを関連付けて記憶したテーブルを備え、
前記体験コスト決定部は、前記テーブルから前記グループの行動を示す単語に対応する体験コストを読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のうちの代表の文書情報から求めた体験コストを当該グループの体験コストとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記体験コスト決定部は、ユーザの端末から取得したユーザ傾向情報から、ユーザの嗜好を学習し、体験コストの決定に反映させることを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項9】
前記体験コストは、距離的コスト、時間的コスト、金銭的コスト、難易度、希少度、ユーザ属性一致度、流行度のいずれか、またはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項10】
前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を体験コスト以外の指標の軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項11】
前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を前記体験コストと異なる種類の体験コストの軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項12】
体験コストの種類の変更を受け付ける変更受付部をさらに備え、
前記提示部は、前記変更を受け付けたときに、当該変更後の種類に係る体験コストの高さに応じて前記各グループを表示画面上に配置し直すことを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項13】
前記提示部は、変更前における配置から変更後の配置へ前記各グループを移動する過程を表示するアニメーションを生成することを特徴とする請求項12に記載の情報提示装置。
【請求項14】
前記検索条件は、キーワードであり、
前記情報取得部は、前記キーワードを用いて検索を行うことで前記文書情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項15】
前記検索条件は、キーワードであり、
前記情報取得部は、前記キーワードおよび当該キーワードに関連する用語を用いて検索を行うことで前記文書情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項16】
前記体験コストは、距離的コストであり、
前記体験コスト決定部は、前記各グループ内の文書情報に含まれる地名とユーザの住所地との間の距離に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項17】
前記体験コストは、難易度であり、
前記体験コスト決定部は、前記行動を示す単語に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項18】
前記情報取得部は、複数のブログ記事を格納したブログデータベースから、前記検索条件に該当するブログ記事を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項19】
情報提示装置によってユーザに情報を提示する方法であって、
前記情報提示装置が、ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報提示装置が、前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類ステップと、
前記情報提示装置が、前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定ステップと、
前記情報提示装置が、前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示ステップと、
を含むことを特徴とする情報提示方法。
【請求項20】
情報を提示するためのプログラムであって、コンピュータに、
ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得ステップと、
前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類ステップと、
前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定ステップと、
前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得部と、
前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類部と、
前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定部と、
前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示部と、
を備えることを特徴とする情報提示装置。
【請求項2】
前記情報取得部が取得した文書情報に対して形態素解析を行う形態素解析部をさらに備え、
前記情報分類部は、前記形態素解析によって抽出された動詞に基づいて、前記文書情報をグループに分類することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項3】
前記情報分類部は、前記行動を示す単語に加えて前記行動の対象を示す語句に基づいて、前記文書情報を分類する請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項4】
前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストのうち最低の体験コストを当該グループの体験コストとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項5】
前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のそれぞれから求めた体験コストの平均値を当該グループの体験コストとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項6】
前記行動を示す単語と前記体験コストとを関連付けて記憶したテーブルを備え、
前記体験コスト決定部は、前記テーブルから前記グループの行動を示す単語に対応する体験コストを読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項7】
前記体験コスト決定部は、前記グループに含まれる複数の文書情報のうちの代表の文書情報から求めた体験コストを当該グループの体験コストとして決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項8】
前記体験コスト決定部は、ユーザの端末から取得したユーザ傾向情報から、ユーザの嗜好を学習し、体験コストの決定に反映させることを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項9】
前記体験コストは、距離的コスト、時間的コスト、金銭的コスト、難易度、希少度、ユーザ属性一致度、流行度のいずれか、またはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の情報提示装置。
【請求項10】
前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を体験コスト以外の指標の軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項11】
前記提示部は、一方を体験コストの軸、他方を前記体験コストと異なる種類の体験コストの軸とする2次元座標上に、前記各グループを配置することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項12】
体験コストの種類の変更を受け付ける変更受付部をさらに備え、
前記提示部は、前記変更を受け付けたときに、当該変更後の種類に係る体験コストの高さに応じて前記各グループを表示画面上に配置し直すことを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項13】
前記提示部は、変更前における配置から変更後の配置へ前記各グループを移動する過程を表示するアニメーションを生成することを特徴とする請求項12に記載の情報提示装置。
【請求項14】
前記検索条件は、キーワードであり、
前記情報取得部は、前記キーワードを用いて検索を行うことで前記文書情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項15】
前記検索条件は、キーワードであり、
前記情報取得部は、前記キーワードおよび当該キーワードに関連する用語を用いて検索を行うことで前記文書情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項16】
前記体験コストは、距離的コストであり、
前記体験コスト決定部は、前記各グループ内の文書情報に含まれる地名とユーザの住所地との間の距離に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項17】
前記体験コストは、難易度であり、
前記体験コスト決定部は、前記行動を示す単語に基づいて、前記各グループの前記体験コストの高さを決定することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項18】
前記情報取得部は、複数のブログ記事を格納したブログデータベースから、前記検索条件に該当するブログ記事を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報提示装置。
【請求項19】
情報提示装置によってユーザに情報を提示する方法であって、
前記情報提示装置が、ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得ステップと、
前記情報提示装置が、前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類ステップと、
前記情報提示装置が、前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定ステップと、
前記情報提示装置が、前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示ステップと、
を含むことを特徴とする情報提示方法。
【請求項20】
情報を提示するためのプログラムであって、コンピュータに、
ユーザから入力された検索条件に基づいて文書情報を取得する情報取得ステップと、
前記文書情報に含まれる行動を示す単語に基づいて、前記文書情報を体験の種類に応じて複数のグループに分類する情報分類ステップと、
前記各グループに含まれる前記文書情報中の単語を解析して、前記各グループの体験をするための体験コストの高さを決定する体験コスト決定ステップと、
前記体験コストの高さに応じて前記各グループを配置した表示画面を生成する提示ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−18152(P2011−18152A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161509(P2009−161509)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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