情報検索システム
【課題】 検索結果の情報に検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を、確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることを目的とする。
【解決手段】 検索結果の情報だけでなく、結果を見て判断した内容等の再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索でそれらを再検索できるようにする。そのために、検索条件と検索結果と追加した追加情報を保存する。検索者の指示を受けて、検索結果の全てまたは一部を表示し編集できるエディタを備える。これらは他者にも公開し、他者が自分たち専用の検索情報を蓄積して再利用でき、情報検索システムの作成・公開元が独自に構築した検索情報に対し、公開された他者が情報を追加したり参照できることで、検索利便性を高める。
【解決手段】 検索結果の情報だけでなく、結果を見て判断した内容等の再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索でそれらを再検索できるようにする。そのために、検索条件と検索結果と追加した追加情報を保存する。検索者の指示を受けて、検索結果の全てまたは一部を表示し編集できるエディタを備える。これらは他者にも公開し、他者が自分たち専用の検索情報を蓄積して再利用でき、情報検索システムの作成・公開元が独自に構築した検索情報に対し、公開された他者が情報を追加したり参照できることで、検索利便性を高める。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信手段を用いて、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムに関し、特に、検索された情報に加えて、検索者が任意の情報を加えて保存し、再利用することができる情報検索システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報検索に関しては、従来は、独自に構築されたシステム内や、ワープロやパソコンなど単独の情報処理機器内での検索、それも主にテキストを対象にしたものが多かった。しかし、近年のインターネット等の通信手段の発達に伴い、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムが多くなってきており、その代表例として、Google(登録商標)やYahoo(登録商標)などのWeb上のポータルサイトが有名である。
【0003】
インターネットブラウザを用いて、Google(登録商標)やYahoo(登録商標)などのWeb上のポータルサイトからキーワード検索を行うと、検索結果として、検索候補の一覧が表示される。この一覧ページは、ブラウザのURL保存機能を使って保存できるが、あくまでも機械的に検索された結果の一覧を一塊として保存するだけであり、そこに個々の項目に対する人間の判定結果を加えることや、再検索の対象とすることはできない。
【0004】
検索結果を再利用する技術としては、特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。しかし、これらはいずれも、前回の検索結果を保持して差分のみに注目することで、再検索の時間短縮を図るものである。
【0005】
また、検索者が検索結果に満足したか否かの情報を検索結果に付与して、次の検索者の検索時に参考情報として与えることで検索のヒット率を向上する技術として、特許文献3に記載の技術がある。これは、検索が成功したかどうかの情報のみを検索結果に付与するものである。さらに、検索結果に対してコメントをつけて保存し、再利用の便を図る技術として、特許文献4に記載の技術がある。これは、一つの文書を対象として文字列を検索したときに、検索された文字列が発見された箇所と、それに対応するテキストのコメントをペアにして保存し、検索結果の再利用時における利便性を向上させたものである。しかし、前記コメントはあくまで識別情報であり、再利用時の検索箇所を限定する過程でのみ用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3451646号公報
【特許文献2】特許3631676号公報
【特許文献3】特開2009-244922号公報
【特許文献4】特開平7-319907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
インターネットブラウザを用いて、Google(登録商標)やYahoo(登録商標)などのWeb上のポータルサイトからキーワード検索を行うと、キーワードの設定にもよるが、通常、数百から数万の検索候補が表示され、検索者はこの中から、自分が必要とする情報を見つけ出すために、さらに、キーワードを追加して絞り込み検索を行う。しかしながら、検索だけで目指す情報にたどり着けることは稀であり、最後は検索候補を一つずつ開いて内容を確認し、必要な情報か否かを判定しなければならない。
【0008】
そのような行為を繰り返していると、中には、過去に検索したことがある情報を何度も検索しなおしたり、逆に、以前は検索できたものが検索キーワードの組み合わせの一部を思い出せないために、検索できなくなったりすることがあり、折角の検索結果の情報を効率的に保持して再利用することができない。
【0009】
以上の問題は、検索者個人の情報の蓄積活動にとってマイナスであるばかりでなく、活動目的を共有している検索者の所属するグループや、あるいは人類全体にとっても、個人の検索活動によって獲得された知識が共有され再利用されにくいというより大きな問題を含んでいる。
【0010】
本発明は、検索結果の情報に、結果を見て判断した内容等の検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、適宜、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、検索結果の情報だけでなく、その検索結果を見て判断した内容等、検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、適宜、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を、確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることを特徴とするものである。
【0012】
すなわち、インターネット等の通信手段を用いて、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムを構築する。このときに、検索された情報に加えて、検索者が任意の情報を加えて保存し、その情報を含めて、再検索する機能を提供する。
【0013】
また、検索された情報のすべてまたは一部、あるいは、情報所在場所の情報のみを、検索者の意図によって選択させ、それを保存する。保存する情報の格納場所としては、検索者が操作する情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合と、当該機器と通信手段によって接続された他の情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合を、検索者またはシステム管理者の意図によって選べる機能を付加しておくとよい。
【0014】
当然、検索された情報から、検索者が自分の意図に従って、検索された情報の一部分を選択して保存できるように、まず、検索者が指定したひとつまたは複数のキーワードを含む情報を、元の情報が格納されたまとまり単位や、または、格納される場所は異なっても、関連する情報をまとめて表示する指定がされている場合は、その表示される情報全てを、表示させる。その上で、表示された情報の中から、検索者が、マウス等のポインティングデバイスによって、保存する部分を指定する機能を付加する。
【0015】
検索された情報から保存する部分を指定する方法としては、他に、検索された情報から、検索キーワードを含む文のみを自動的に抽出して保存する機能も付加する。このとき、該当する文の前後の文も、検索者が指定した文の数だけ前後の文を数えて自動的に範囲を決める方法や、検索キーワードを含む文から前の部分のみを範囲とするか、または、検索キーワードを含む文から後の部分のみを範囲とするかを検索者が指定することによって保存する範囲を決める機能も用意するとよい。保存する範囲がどのように決められようと、検索の際に使用された検索キーワードは、項目の見出しとして使用するため、自動的に保存される。
【0016】
さらに、以前に検索された情報の所在場所の情報のみを保存している場合でも、そこから元の情報全体を再度取得し、検索者が加えた情報とともに再検索する機能も提供する。
【0017】
その上で、検索の際に、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めるか否かを、検索者の意図によって選べる機能を提供する。また、その際に、逆に以前に検索した情報を保存している場所のみを検索対象にして再検索する機能も提供する。
【0018】
また、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めて検索する際は、保存した情報のうち、検索者が追加した情報部分に限って検索対象に含める場合と、元の検索情報として保存された情報に限って検索対象に含める場合と、その両方を含めて検索対象とする場合を、検索者の意図によって選べる手段も提供する。両方を含めて検索対象とする場合、検索時間を短縮するオプション機能として、まず最初に検索者が追加した情報部分に限って検索を行い、検索に該当した項目のみを、再度、元の検索情報として保存された情報を利用して検索する機能を付加しておく。
【0019】
次に、以前に検索して保存している情報を、いつでも作業者が見たいときに、項目単位または全項目を一覧にして表示し、編集や削除を行うことができる機能も提供する。その場合、表示順序として、元の検索キーワードのあいうえお順やアルファベット順に基づいて表示するとよい。このときに、情報の保存場所の情報さえ適切に与えれば、操作する情報機器のOSが用意している既存のファイルシステムに従って、同一機器内やネットワーク上からその情報にアクセスができるように、保存する情報は、テキストにせよ画像データにせよ汎用的なフォーマットに従うものとするのがよい。
【0020】
一覧表示から検索者が選択した項目は、その保存されている内容を適切なエディタに送って全て表示し、それが、検索者が追加した情報部分であろうと、また、元の検索情報として保存された情報であろうと、どちらもその内容を編集や削除ができる機能を提供する。
【0021】
そのようにして、以前に検索して適宜情報を加えて保存した結果を含めて検索する際には、検索者を個人として特定して検索者本人が検索した過去の検索情報に限って検索する場合と、検索に使用する情報機器を特定して当該情報機器で過去に検索された検索情報に限って検索する場合と、複数の検索者または情報機器をグループとして特定して当該グループで過去に検索された検索情報に限って検索する場合と、当検索システム全体として過去に検索され蓄積された検索情報全てを対象に検索する場合を、検索者自身や、検索者が所属するグループの責任者や、あるいは当システム全体の責任者がそれぞれの有する権限に従って、選択できる機能も提供する。
【0022】
このような検索者やその所属するグループの資格によってアクセスを制御するやり方は、上記のように検索のときだけでなく、保存した情報にアクセスして編集する場合にも、同様の制御をかける。
【0023】
以上の機能は、当該情報検索システムの作成者・提供者・管理者・利用者等、関係するものが、同一の組織に属し、所属するグループや会社という単位の差こそあれ、自組織に対してサービスを提供するために用意されたものであるが、自組織以外の他者に対して、サービスを提供するための以下の機能も、本発明では提供する。
【0024】
すなわち、当該情報検索システムの作成者が、その一部もしくは全てをインターネット等の通信手段を用いて他者に公開し、他者が自分たち専用の検索情報を蓄積して自分たち自身で再利用することを許可することで、または、情報検索システムの作成・公開元が独自に構築した検索情報を、公開された他者が検索に利用することを許可することで、対価を獲得することを可能にするために、インターネットを介したアクセスを許可したり、制限する機能、ユーザー認証や課金の機能、使用来歴情報の蓄積等ユーザー個別のアクセス管理機能を提供する。
【0025】
さらに、他者が個人やグループとして、当該情報検索システムを利用し、自分もしくは自グループ専用の検索情報を蓄積して利用できるようにするために、情報の蓄積場所やグループ員の登録・削除、個別のアクセス権限の設定を、あらかじめ認定された他者の管理者が自由に行う公開機能も提供する。
【0026】
また、当該情報検索システムの作成・公開元が、全利用者共通の蓄積場所を用意して、公開された他者が自由に検索して参照したり、他者自身が行った検索結果を追加したり、その検索結果に他者自身の情報を付加したりすることを許可するため、その運営に必要な以下の機能も提供する。
【0027】
登録された情報が各国の法律に違反したり、違反する恐れがあるとき、運営者として、その情報自体を削除したり、その情報へのアクセスを利用者の資格に応じて制限したりする機能や、登録された情報を定期的に監視する機能、さらには登録時にその内容をチェックする機能も、あらかじめ用意されたキーワードリストを元に、前述の検索機能および自動検索のためのタイマーを用いて実現する。当然、当該情報検索システム全体の運営管理者には、上記キーワードリストを作成・更新する機能も提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の情報検索システムによれば、利用者は、検索を重ねるごとに、より適切に目的とする検索結果に辿り着けるだけでなく、過去の検索結果の蓄積の上に自分自身の知見を加えて、新たな情報データベースを構築することができ、検索活動を通じてより高い知見に到達できる。また、この情報データベースを、個人だけでなく、その所属するグループに公開して検索結果や付加した知見を共同利用することで、グループ内の知識の底上げ効果や、グループ全体の知見の向上効果が期待できる。本発明は、さらにインターネット上のすべての利用者の知見を集めることで、単純な個人の行為としての検索行為が、情報の蓄積効果を生み、人類全体の知見の向上に役立つことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報検索システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す情報検索システムの内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示す情報検索システムの検索結果および編集情報を記憶するデータ構造のうち、個々の検索情報を管理する検索管理データのデータ構造を例示する概略図である。
【図4】図2に示す情報検索システムの検索結果および編集情報を記憶するデータ構造のうち、個々の検索条件を管理する検索条件データのデータ構造を例示する概略図である。
【図5】図2に示す情報検索システムの検索結果および編集情報を記憶するデータ構造のうち、個々の検索結果や編集・追加情報を管理する検索結果データおよび追加情報データのデータ構造を例示する概略図である。
【図6】図2に示す検索結果等蓄積データに記憶されているグループ管理情報について、そのデータ構造のうち、グループ管理データおよび個人管理データのデータ構造を例示する概略図である。
【図7】図2に示す検索結果等蓄積データに記憶されているグループ管理情報について、そのデータ構造のうち、機器管理データおよび属性情報データのデータ構造を例示する概略図である。
【図8】図2に示す検索結果等蓄積データに記憶されているアクセス管理情報について、そのデータ構造のうち、アクセス管理データのデータ構造を例示する概略図である。
【図9】図1や図2に示す情報検索システムの処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図10】図1や図2に示す情報検索システムの利用者認証画面である。
【図11】図1や図2に示す情報検索システムにおいて検索実施中は常に表示される検索メイン画面である。
【図12】図1や図2に示す情報検索システムの検索や表示、データ保存に関する詳細オプション指定画面である。
【図13】図1や図2に示す情報検索システムの検索結果を、一覧形式で表示する検索結果一覧表示画面である。
【図14】図1や図2に示す情報検索システムの個々の検索結果を、詳細に表示する検索結果詳細表示画面である。
【図15】図1や図2に示す情報検索システムの個々の検索結果を、保存するための新規text編集画面である。
【図16】図1や図2に示す情報検索システムの個々の検索結果に対し、検索者が追加の情報を作成して保存するための情報追加画面である。
【図17】図1や図2に示す情報検索システムの蓄積された検索結果情報に対し、検索者が情報の削除、追加、および編集を行うための蓄積データ編集メイン画面である。
【図18】図1や図2に示す情報検索システムの蓄積された検索結果情報を検索者が編集する際に、蓄積データを所有者や検索日時によって一括して選択するための、蓄積データ編集一括選択画面である。
【図19】図1や図2に示す情報検索システムの蓄積された検索結果情報を検索者が編集する際に、個々の蓄積データの内容を確認しながら作業するための、蓄積データ編集個別画面である。
【図20】図1や図2に示す情報検索システムの利用を終了する際に、保留データの取り扱いを決めて、元の蓄積データを更新するための、終了処理画面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の情報検索システムを実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と言う)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ番号を付している。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報検索システムについて、その全体構成を示す概略図である。
【0032】
図1において、本実施形態の情報検索システムは、情報検索サーバ110、その内部に格納された検索システムおよび作業一時データ120、並びに、検索結果等蓄積データ130を主要な構成部としている。検索システムおよび作業一時データ120は、検索エンジン121、検索関連アプリ122、情報管理アプリ123、および作業用一時データ124を備える。また、検索結果等蓄積データ130には、共通公開情報131、グループA専用情報132、グループB専用情報133等が含まれる。
【0033】
また、情報検索サーバ110は、イントラネット回線網100を通じ、システムの管理者がこのサーバ110を管理するための管理用PC端末170だけでなく、社内の他の情報格納サーバ150やPC端末160と接続されている。このイントラネット回線網100は、Gate−Wayサーバ101を介して、インターネット回線網と接続され、社内ユーザだけでなく、社外のユーザも、本情報検索システムを利用することが可能である。
【0034】
社外ユーザは、インターネット回線網に接続されたPC端末181だけでなく、携帯端末192からも、電波を使用して基地局191および携帯端末プロバイダサーバ190を経由してインターネット回線網に接続し、同じくインターネット回線網に接続された多数の情報格納サーバ180、183や、本情報検索システム自体を運営している企業の情報検索サーバ110や情報格納サーバ150に格納されている情報を検索することができる。社外ユーザの中には、PC端末182のように情報格納サーバ183を経由してインターネット回線網に接続しているユーザもいるが、このユーザも直接接続する情報格納サーバ183上に蓄積された自分たち専用の情報だけでなく、インターネット回線網を通じて、情報検索サーバ110に格納された共通公開情報131や、このユーザがグループAに所属しているとするとグループA専用情報132、さらには、情報格納サーバ150、180等の一般情報も検索することが可能となっている。
【0035】
図2に、上記情報検索システムの内部構成を概略的に表した機能ブロック図を示す。情報検索サーバ110上に構築された検索システムおよび作業一時データ120に対し、Webサイト上に設けられた入出力画面を通じ、インターネット回線網よりユーザからの検索要求が入ってくる。これを要求処理部230が処理して、検索語や検索条件を判別して、外部検索エンジン201を起動する。外部検索エンジン201が、インターネット上に接続された情報格納サーバ180等から抽出してきた検索結果の候補リストや詳細情報は外部情報検索結果210に格納される。この情報を要求処理部230が再度取得して、表示処理部280を経由して、ユーザに検索結果の候補リストや詳細情報として表示する。ユーザから候補を選択された場合は、その詳細情報を表示し、さらに追加の検索が必要であれば、外部検索エンジン201を通じて、再度、外部から情報抽出を行う。
【0036】
このとき、ユーザの検索条件によっては、要求処理部230は、同時に内部検索エンジン250に対しても検索指示を行う。検索指示を受けた内部検索エンジン250は、情報格納サーバ150や検索結果等蓄積データ130より、当該ユーザの所属するグループの権限や設定条件に従って、該当する部分の情報を検索し、その検索結果の情報を取得して、内部情報検索結果215に格納する。同様に要求処理部230が、表示処理部280を通じ、ユーザに検索結果の候補リストや詳細情報として表示する。
【0037】
ユーザがこれらの検索結果に対し、保存や情報追加の指示を行うと、それを受けて要求処理部230が、抽出処理部240を起動する。検索語や検索条件は、検索語・指示抽出処理241を通じて、また、検索結果は、検索結果抽出処理242を通じて、さらに、ユーザからの追加情報は、追加情報抽出処理243を通じて抽出され、編集処理部260を経由して、抽出情報編集結果220内部のそれぞれ該当する部分に格納される。
【0038】
ユーザは、単に検索結果をWebページのアーカイブ形式(Webページを構成する複数ファイルを1つにまとめて再現できるようにしたもの)や文字データとして保存するだけでなく、その結果情報が文字データであれば、それを編集して自分の言葉に直したり、不要部分の削除や、追加の情報を結果の文中に加えたりして保存することが出来る。また、検索結果とは別に、自分の指示する別のWebページのアーカイブ結果を追加情報として加えたり、文字データの形式で他の文書からのデータをコピー&ペーストしたり、あるいは自分で文書を追加作成して加えたりして保存することも可能である。
【0039】
そのため、すでに自分たち専用の情報として、検索結果等蓄積データ130に格納している情報が、内部検索エンジン250によって再度検索されて表示された場合や、あるいは検索行為を行わず、単純に、自分たち専用の情報を項目別や一覧形式で呼び出して編集する場合は、編集処理部260による編集を始める前に、データ入出力処理部270を起動して、検索結果等蓄積データ130に格納している詳細情報を、抽出情報編集結果220に予め格納しておく。次に編集処理部260が、ユーザの指示に応じて、それぞれ内部の追加処理261、削除処理262、編集処理263、更新処理264を呼び出して、編集を行い、その編集結果を抽出情報編集結果220に反映させる。さらに、ユーザの編集処理が終了した後は、ユーザの格納指示を受けて、要求処理部230が、データ入出力処理部270を起動して、その編集結果を、元の検索結果等蓄積データ130の該当する領域に格納する。もちろん、ユーザの所属するグループや保有する権限に応じて、グループ管理情報136やアクセス管理情報137を参照して、許可された権限内での編集のみを実行可能として制御を行う。検索結果等蓄積データ130には、共通公開情報131のほかグループA専用情報132やグループB専用情報133など、いろいろなグループの専用情報を保持するようになっているので、前述のアクセス権だけでなく、その更新履歴情報も、データ構成管理情報135によって管理する。また、それぞれのグループや個人に対して、サービス提供に伴う課金を行う必要があるので、課金管理情報138も検索結果等蓄積データ130には含まれている。
【0040】
図9に、以上の処理の流れを概略フローチャートとして示す。本情報検索システムの利用者は、Webサイト上に設けられた本情報検索システムのホームページより、ログインを行い、検索システムにおける利用者の認証処理905を受けることで、検索サービスを利用できるようになる。それに先立ち、本情報検索システムでは、内部検索エンジン250のための内部用検索DB更新処理900を日次で実行し、高速で検索できるように準備を整えておく。利用者がログインを行うと、利用者の認証処理905が、検索結果等蓄積データ130に格納された利用者情報との照合を行う。登録されたパスワードが一致すると、検索システムは、既存基本情報取得処理910により、検索結果等蓄積データ130に格納された利用者に関係する基本情報を追加で取得する。ここで取得されたデータを元に、検索メイン画面へ遷移する処理915が実行され、利用者の端末機器に検索用のメイン画面が表示される。
【0041】
図10に、本情報検索システムの認証画面例を示す。利用者は、各自の使用機器に搭載されたWebブラウザを使用して本情報検索システムへアクセスする。利用者がブラウザ固有領域1001にあるURL入力領域1003に本情報検索システムのURLを入力すると、情報検索システム固有領域1010に認証画面が表示される。1002は、ブラウザに対して各種の指示を与えるための操作ボタン領域を示す。利用者は、ログインID入力領域1020に、あらかじめ本情報検索システムの管理者より付与された利用者のログインIDを入力し、パスワード入力領域1030にパスワードを入力して、認証実行ボタン1040をクリックする。入力された情報に誤り等があれば、メッセージ出力領域1050にメッセージが表示され、その指示に従って再入力を行う。図9の利用者の認証処理905により適正な利用者であることが認証されると、図9の検索メイン画面へ遷移する処理915により、利用者の端末機器に図11に示す検索メイン画面が表示される。以降、画面の表示例を示す図は、ブラウザ固有領域1001を全て省いて図示するものとする。
【0042】
図11の検索メイン画面を用いて検索方法を説明する。利用者は、検索キー入力領域1120に複数の検索キーをスペースで区切って入力する。入力した複数の検索キー同士をAND条件でつないで検索するかOR条件でつないで検索するかは、同一入力領域内検索キー間の関係指示選択ボタン1130で選択する。同様に、その下の検索キー入力領域1125にも複数の検索キーを入力することができ、ボタン1130と同様の選択ボタンでそれらの間の検索条件を選択する。領域1120に入力した検索キー群と領域1125に入力した検索キー群とは、検索キー入力領域間の関係指示選択ボタン1140を用いて、AND条件でつなぐかOR条件でつなぐかを指定する。検索キー群は4つまで取り扱うことができる。
【0043】
次に、検索対象選択ボタン1160を用いて、インターネットで接続された外部のサーバのみに対して検索を行うか、本情報検索システム内に蓄積された情報を含む社内等自分たちのグループ内部に対してのみ検索を行うか、外部と内部の両方に対して検索を行うかを指定する。デフォルトは、外部と内部を両方検索するになっている。さらに、内部に関しては、本情報検索システム内に蓄積された情報のみを対象にするか、それ以外の内部情報を対象にするか、その両方を対象にするかを、内部検索範囲選択ボタン1170を用いて指定する。デフォルトは、両方を含む内部全体となっている。また、本情報検索システム内に蓄積された情報に関しては、蓄積データ検索範囲選択ボタン1180により、検索範囲を、検索結果をそのまま格納している部分ではなく、自分たちで追加した追加情報のみに絞ったり、それらの追加情報以外に絞ったり、情報全体としたりすることができる。ここのデフォルトは、両方を含む蓄積情報全体となっている。以上の選択が終わった後、検索実行ボタン1150をクリックする(図9の検索要求920)と、検索が実行される。
【0044】
ここで、図9の処理の流れを示す概略フローチャートに戻る。図11の画面における検索要求920を受け、検索要求分析処理922が、外部検索と内部検索に処理を分ける。外部検索処理924は、図2の外部検索エンジン201を起動して、図1の180や183に示す外部サーバに格納された情報を検索する。内部検索処理926は、図2の内部検索エンジン250を起動して、情報格納サーバ150や検索結果等蓄積データ130に格納された情報を検索する。それらの検索結果を受け取り、検索結果表示処理928が利用者の端末機器に検索結果を表示する。
【0045】
図13に、検索結果の一覧表示画面例を示す。検索結果は、検索結果一覧表示領域1320に、スコア順等に並べられて、例えば20件ごとにページ分けされ、検索キーを含む抽出部分の例とともに表示される。アンダーライン付のタイトルやURLアドレス表示部分をクリックすると、個々の検索結果の詳細表示画面が別ウインドウとして表示される。図14が、その検索結果詳細表示画面である。利用者は、検索結果詳細表示領域1420を確認し、動作実行ボタン群1430より、例えば、“URL保存”ボタンを押すと、表示されたページのURLが、検索条件とともに保存される。また、“アーカイブ保存”ボタンを押すと、表示されたページのアーカイブが作成され、アーカイブデータとしてやはり検索条件とともに保存される。表示された情報の一部分だけを保存したい場合は、“新規text”ボタンを押して、図15に示す別ウインドウを表示し、そこに指定したエディタの新規作成ページが現れているので、図14の表示されたウインドウから、カットアンドペースト等で、必要部分を図15の新規作成ページに貼り付け、動作実行ボタン群1530の中の“結果保存”ボタンを押して、該エディタで編集した情報をやはり検索条件とともに保存する。
【0046】
図14の検索結果詳細表示画面では、さらに“コメント入力”ボタンで簡単なコメントをつけて保存したり、また“情報追加”ボタンで図16に示す別ウインドウを開いて、やはりエディタの新規ページに自由に情報を追加できる。ここでは、まったく違う情報リソースからの情報を持ってきて保存したり、利用者自身の理解した内容を記述して保存したりということが可能である。これにより、検索で得た情報に、さらに自分たちの知識を加えて保存して、知識ライブラリを構築できる。
【0047】
図14の検索結果詳細表示画面の残りの操作ボタンを説明する。“保留(仮保存)”ボタンは、これを押しておくことで、情報を保存しておくかどうかの判断が難しいものに関して、その判断を一時保留にして、作業終了時に改めて保存するかどうかを判断するために使用する。図15および図16の“保留(仮保存)”ボタンも同様である。また、“直接編集”ボタンは、この例ではグレーアウト表示されて押せないようになっている。検索結果の中には、過去に保存した自分たち自身の追加情報等、エディタで直接編集できるものも含まれるので、その場合はこのボタンがグレーアウト表示ではなく押せるボタンとして通常表示され、このボタンを押すことで直接内容を編集することができる。
【0048】
図9の処理の流れを示す概略フローチャートの結果確認930に伴う確認結果保持処理935、および情報追加940に伴う追加情報保持処理945が、図13〜図16で説明した利用者の作業に対応して行われる。
【0049】
次に、既存情報編集950について説明する。ここまで検索とその結果の蓄積や情報追加について述べてきたが、蓄積された情報に対して、その情報を編集する必要が発生することがある。この編集要求が出されると、検索システムでは、既存詳細情報取得処理955が動作し、検索結果等蓄積データ130より、関連する既存情報を全て読み込み、編集メイン画面遷移処理957を行って、蓄積データ編集メイン画面を表示する。
【0050】
図17に、蓄積データ編集メイン画面の例を示す。この画面1710は、図11に示す検索メイン画面から、“蓄積データ編集”ボタン1190を押すことで、別ウインドウとして表示される。図17の蓄積データ一覧表示領域1720には、利用者が編集することのできる過去の検索結果が一覧となって表示される。表示される順番は、検索キーや検索日時等から選んだ表示のための表示キーに対し、昇順か降順で決められる。一覧画面には、表示キーのほかに、検索条件、検索結果、追加情報、および管理データへのリンクとその一部の内容が表示され、個々の検索単位に、選択するためのチェックボックスが用意されている。個別データへのリンクを直接クリックするか、チェックボックスにチェックを入れて動作実行ボタン1730のうちの“編集”ボタンを押すことで、それぞれの詳細データが別ウインドウとして表示される。これが、図19に示す蓄積データ編集個別画面である。この画面1910上で編集や追加を行って動作実行ボタン1930のうちの“編集結果保存”ボタンを押すと、編集結果が保存される。“削除”ボタンを押せば、データ単位で削除される。
【0051】
上記手順で編集や削除が実行できるが、蓄積されたデータ数が多いと、目指す検索結果にたどり着くのが大変になる。そこで、図17の蓄積データ編集メイン画面1710で、“一括選択へ”ボタンを押すと、図18に示す蓄積データ編集一括選択画面1810が別ウインドウで表示される。この画面1810上で、個人やグループ単位に選択対象のデータを指定することができ、さらに検索日時より以前あるいは以降のレベルでデータの絞込みが可能になる。これらの条件を決めて、動作実行ボタン1840のうちの“選択実行”ボタンを押すと、蓄積データ選択結果表示領域1830に、選択されたデータの一覧が表示される。この一覧にある選択チェックボックスにチェックが一括して入っているので、必要に応じてチェックをはずした後、“結果確定”ボタンを押すと、図17の一覧データが絞り込まれて再表示される。この機能を活用して編集を効率的に実施することができる。
【0052】
図11の検索メイン画面や図17の編集メイン画面等いくつかの画面には、“詳細オプション”ボタンが用意されている。このボタンを押すと、図12に示される詳細オプション指定画面1210が表示される。この画面を用いて、各種の設定を行うことができる。まず、“共通蓄積データ利用”の選択ボックスは、蓄積データの利用範囲を、個人やグループ、さらにはシステム共通で提供されている範囲にまで拡張できる。具体的には、「個人データ」が選択されたときにはそのユーザ個人の蓄積データを検索対象とし、「グループ内」が選択されたときにはそのユーザが属するグループの蓄積データを検索対象とし、「全て利用」が選択されたときにはシステム全体の蓄積データを検索対象とする。なお、ここでは図示しないが、利用範囲を“機器”に限定する設定も可能である。“元データURL展開”は、検索結果としてURLしか保存されていない場合でも、内部検索の際に、URLを展開して、その場所のデータに書かれている内容も検索対象に含めるかどうかを指定する。“検索結果表示順序”では、検索結果の表示順序としてスコア順か更新日付順かを選ぶことができ、“表示件数”は1ページに表示する件数を指定する。“検索結果優先表示”は、外部検索と内部検索を同時に行った場合に、それらの結果を混在して表示するか、内部または外部を優先するかを指定できるものである。さらに、“データ蓄積先URL”で情報を格納する場所を指定でき、“エディタ選択”で編集に用いるエディタを選択できる。また、“蓄積データ一覧表示順序”では、一覧表示の順序として昇順か降順を選ぶことができ、“表示件数”で1ページに表示する検索結果件数を指定できる。“蓄積データ一覧表示キー”では、編集時に表示する一覧の表示順序を決めるキーとして、検索キー、コメント、追加情報、および検索日時を指定できる。検索キー、コメント、追加情報を指定した場合は、先頭の単語を採用する。図12に示したチェックボックスのチェックの位置や数字は、デフォルトの値であり、“初期値回復”ボタンによって、いつでも初期値に戻すことができる。“変更実行”ボタンによって、上述したように選択されたオプションの設定を確定することができ、“キャンセル”ボタンでキャンセルすることができる。
【0053】
以上が、図9の処理の流れを示す概略フローチャートの情報編集960と、それを受けての編集情報保持処理965での作業内容となる。
【0054】
また、利用者から作業結果保存970の要求を受けると、検索システムは、図1のデータ入出力処理部270により実行される作業結果情報出力処理975により、作業結果を検索結果等蓄積データ130に反映させる。最後に、利用者からログアウト要求が出されると、検索システムは、利用者終了処理980により利用情報を更新して一連の処理を終了する。
【0055】
図11の検索メイン画面1110で、“終了処理”ボタン1195を押すと、図20に示す終了処理画面2010に遷移する。保留データ処理選択領域2020のデフォルトの設定は“個別画面で確認”となっており、そのまま“終了実行”ボタンを押しても、保留データ(図14,15,16,19において“保留(仮保存)”ボタンで保留が指定されていたデータ)を保存するかどうかを、個別の保留処理を実行した画面を再度呼び出して確認させる仕様になっている。すなわち、誤って保存したり、逆に保存しないまま終了することが無いように配慮されている。また、作業途中でも、この終了処理画面2010を呼び出して“データ更新”ボタンを押せば、それまでの作業内容を検索結果等蓄積データ130に反映させることができる。もちろん、その時点で保留データがあれば、同様に処理される。
【0056】
以上で、本情報検索システムの構成要素と処理の概要を説明したので、以降では、情報処理における具体的なデータ構造を例示しながら、詳細な処理を説明していく。
【0057】
本情報検索システムの目的は、検索結果の情報だけでなく、結果を見て判断した内容等、検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、適宜、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を、確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることにある。そのために、インターネット等の通信手段を用いて、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムを構築する。そして、検索された情報に加えて、検索者が任意の情報を加えて保存し、その情報を含めて、再検索する機能を提供する。
【0058】
この処理を実現可能とするためには、検索結果情報を上記目的で再利用できるように整理して格納しておく必要がある。そのためのデータ構造を図3、図4、および図5に示す。まず、図3は、検索結果情報300の詳細なデータ構造を示す。このデータ構造は、図2の抽出情報編集結果220あるいは検索結果等蓄積データ130上に検索結果情報を保持する際のデータ構造を示している。検索結果情報300は、検索管理データ310、検索条件データ330、検索結果データ350、および追加情報データ370より構成される。検索管理データ310は、検索条件データ330、検索結果データ350、および追加情報データ370を、検索した本人や検索に使用した情報機器と関連付けて、格納するために用いる。
【0059】
以下、検索管理データ310の中身を詳細に説明する。ユーザが本情報検索システムを利用するために、インターネット回線網やイントラネット回線網を用いて、本情報検索システムのホームページを閲覧すると、複数の検索キーワードとそれらの関係性を示す検索条件を指定する画面(図11)が表示される。この画面で検索条件を指定して検索が指示されると、検索結果として、検索された候補のURLが一覧となって表示される(図13)。ユーザは、表示された一覧から見たいURLを指定して、その詳細な情報を見ていくわけであるが、Webページ上のボタンにより、その結果の保存がユーザから指示されると、検索行為1回ごとに対応して、以下の情報が保存される。
【0060】
まず、個人ID311のフィールドには、検索した本人を特定するために、事前に登録されたユーザ情報が個人管理データ630(図6)として保存されており、その個人管理データ630中の当該ユーザを特定するレコードを指すアドレスが格納される。次に、検索時間312のフィールドには、西暦年4桁+月2桁+日2桁+時間2桁+分2桁+秒2桁として、検索された時間が格納される。時間データとしてはその検索に使用したPC等情報検索機器に設定された現地時間を採用している。1個1個の検索行為を識別するための検索IDとしては、この2つのフィールドを結合したものを使用する。同一個人ポインタ(昇順)313と同一個人ポインタ(降順)314は、個人管理データ630より、この検索管理データ310が参照されるときに、先頭のレコードのアドレスとレコードの個数を頼りに参照するので(図6の検索管理アドレス633と検索管理個数参照)、同一個人に属する検索データを結ぶためのポインタとして使用する。昇順と降順の2つのポインタを使用するのは、データ削除や追加に伴うレコードのつなぎ替えを高速に行うためである。検索条件TBLアドレス315と検索条件TBL個数316は、図4で詳細を説明する検索条件データ330を参照するときに用いるポインタである。同様に、検索結果TBLアドレス317と検索結果TBL個数318は、図5で説明する検索結果データ350を参照するときに用いるポインタである。同じく、追加情報TBLアドレス319と追加情報TBL個数320は、図5の追加情報データ370を参照するときに用いるポインタである。また、検索情報機器ID321と同一機器ポインタ322は、この検索管理データ310が、機器管理データ650(図7)から参照できるようにするためのものである。
【0061】
また、参照可能範囲323以下のフィールドは、図8のアクセス管理データ810と連動して、この検索結果情報300へのアクセス制限を、検索管理データ310のレコード単位に掛けるためのものである。すなわち、参照可能範囲323は、当該検索管理データに係る検索情報を参照できる範囲を指定するもので、検索した個人や機器に留めるか、指定したグループ内で参照を許すか、さらには本情報検索システムを利用している全ての人への参照を許すかを指定する。このとき、グループを指定すると、参照グループ指定324のフィールドを使用して、図6のグループ管理データ610に登録されているグループの中から、そのアドレスを特定する。同様に、参照および追加可能範囲325では、参照に加えて情報追加を許す範囲を、やはり、検索した個人や機器に留めるか、指定したグループ内で許すか、さらには本情報検索システムを利用している全ての人へ許すかを指定する。ここでも、グループを指定した場合は、参照追加グループ指定326で、グループを指定する。ここで、本情報検索システムを利用する全てのユーザに参照だけでなく情報追加をも許すのは奇異に感じられるかもしれないが、人類全体の知見の向上に役立てたいとの発明者の意図により、選択して実施することを可能としている。変更や削除は許さないが、追加であれば後からでも復元可能との判断に基づいている。その意味で、変更および削除可能なレベル327は、「全て」は選択肢に入れず、個人や機器、グループ全体や、グループ管理者から選択するようにしている。グループやグループ管理者を指定した場合は、変更削除グループ指定328で、グループを特定する。
【0062】
なお、図1の検索結果等蓄積データ130中の共通公開情報131は、上述のデータ構造の参照可能範囲323が“全て”であるような検索結果情報の集まりである。同様に、グループA専用情報132は、参照可能範囲323が“グループ”で参照グループ指定324がグループAであるような検索結果情報の集まりである。
【0063】
以上が、図3に示した1件1件の検索情報を管理する検索管理データ310の詳細である。
【0064】
次に、図4を参照して、検索条件データ330について詳細に説明する。検索結果を保存しておく際には、検索に用いた検索条件とペアで保存することで、再利用性が高まる。そのため、検索条件データ330に検索条件を保存しておき、検索管理データ310より参照できるようにしている。検索キーTBLアドレス331と検索キーTBL個数332は、検索キーTBLに格納される複数の検索語をたどるためのポインタとして使用する。すなわち、検索キーTBLアドレス331が示す検索キーTBL内の位置から、連続して検索キーTBL個数332が示す個数分が、検索条件データ330の1レコード分に対応する検索語である。これら複数の検索語の間をAND条件でつなぐのかOR条件でつなぐのかを示すのが、検索キー同士の関係333である。このとき、検索語の文字数を可変で扱えるようにするために、検索キーTBLは、検索キー文字TBLアドレス341と検索キー文字TBL個数342で検索キーの文字列を示すようにしている。すなわち、検索キー文字TBLアドレス341が指す検索キー文字TBL内の位置から、検索キー文字TBL個数342が示す個数分の文字コードを連続してみることで、検索キーの文字345に格納されている文字コードを1字1字追うことができる。
【0065】
1件1件の検索行為に対応する検索管理データ310から検索条件データ330をたどる際には、図3の検索条件TBLアドレス315と検索条件TBL個数316を使って、連続して複数の検索条件(図4)をたどることが出来る構造にしているのは、検索条件データ330を複数レコード分組み合わせて、括弧付きの検索条件も覚えられるようにするためである。このとき、検索条件データ330の1個のレコードが1個の括弧に相当し、それらの間の関係を示すANDまたはORの条件を、前の検索キー群との関係334に示している。検索条件TBL個数316が1個のとき、すなわち括弧を使わない複数検索語での検索の際には、検索条件データ330が1個しか存在しないので、検索条件TBLアドレス315が指す先頭のレコードのみとなり、前の検索キー群との関係334は使用しないので、便宜上ゼロを入れておく。
【0066】
次に、図5を参照して、検索結果を格納する検索結果データ350と追加情報を格納する追加情報データ370の詳細を説明する。まず、検索結果データ350には、元データのURLを格納する元データのURL351のフィールドがある。これは、検索結果として、検索された情報全てを格納するのではなく、元データのURLのみを保存しておき、必要に応じて参照できれば良いという検索者の意図に対応するものである。検索結果の情報を具体的に格納する場合は、検索結果格納TBLアドレス352と検索結果格納TBL個数353を使用する。このポインタを使って、結果格納TBLを個数分参照する。そこには、Web頁アーカイブのURLまたは文字データ格納先URL361があり、検索者または検索者が所属するグループの管理者が指定した結果の格納先における当該データの具体的なURLが格納されている。Web頁アーカイブの場合は、ブラウザを用いて表示するのみであるが、文字データの場合は、エディタを用いて編集が可能となるように、編集対象(文字データ)識別フラグ362も用意されている。
【0067】
以上の仕掛けを用意した上で、検索された情報のすべてまたは一部、あるいは、情報所在場所の情報のみを、検索者の意図によって選択させ、それを保存する。保存する情報の格納場所としては、検索者が操作する情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合と、当該機器と通信手段によって接続された他の情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合を、検索者または検索者の所属するグループの管理者、さらにはシステム全体の管理者の意図によって選べる機能を付加しておく(図12のデータ蓄積先URLの指定等)。
【0068】
当然、検索された情報から、検索者が自分の意図に従って、検索された情報の一部分を選択して保存できるように、まず、検索者が指定したひとつまたは複数のキーワードを含む情報を、元の情報が格納されたまとまり単位や、または、格納される場所は異なっても、関連する情報をまとめて表示する指定がされている場合は、その表示されるべき情報全てを、表示させる。その上で、表示された情報の中から、検索者がマウス等のポインティングデバイスによって、保存する部分を指定する機能が付加されている(図14の“新規text”の指定等)。検索された情報から保存する部分を指定する方法としては、他に、検索された情報から、検索キーワードを含む文のみを自動的に抽出して保存する機能も付加する。このとき、当該する文の前後の文も、検索者が指定した文の数だけ前後の文を数えて自動的に範囲を決める方法や、検索キーワードを含む文から前の部分のみを範囲とするか、または、検索キーワードを含む文から後の部分のみを範囲とするかを検索者が指定することによって保存する範囲を決める機能も付加されている。保存する範囲がどのように決められようと、検索の際に使用された検索キーワードは、項目の見出しとして使用するため、自動的に保存される。
【0069】
さらに、以前に検索された情報の所在場所の情報のみを保存している場合でも、そこから元の情報全体を再度取得し、検索者が加えた情報とともに再検索する機能も実装されている。その上で、検索の際に、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めるか否かを、検索者の意図によって選べる機能も付加されているので、検索者はその条件を指定する。また、その際に、逆に以前に検索した情報を保存している場所のみを検索対象にして再検索することも可能である。また、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めて検索する際は、保存した情報のうち、検索者が追加した情報部分に限って検索対象に含める場合と、元の検索情報として保存された情報に限って検索対象に含める場合と、その両方を含めて検索対象とする場合を、検索者の意図によって選ぶことが可能である。両方を含めて検索対象とする場合、検索時間を短縮するオプション機能として、まず最初に検索者が追加した情報部分に限って検索を行い、検索に該当した項目のみを、再度、元の検索情報として保存された情報を利用して検索する機能も用意されている。
【0070】
このとき、検索者が追加した情報の種類としては、検索結果として保存された文字データに対して、検索者が同じデータ中で追加や削除など編集を加えた場合と、別の文字データ格納先を用意して、そこに自分自身によって新たに文字データを作成して保存した場合、また、単に、元データに対して、本情報検索システムが用意した専用エリアにコメントを付加しただけの場合がある。そのため、それらの情報を区別して格納するために、検索結果データ350の中に、以下のフィールドも用意している。まず、元の検索結果格納場所は、先ほど紹介した結果格納TBLアドレス352と結果格納TBL個数353によって参照される結果格納TBL上なので、このままでは、単に元の情報が格納されただけなのか、それに対して文字データの編集が行われているのかの区別がつかない。そこで、結果編集フラグ358のフィールドを用意して、該フィールドに、単純に元データが保存されただけの場合は保存フラグを設定し、編集された場合は編集フラグを設定するようにしている。ちなみに、検索結果を最終的に保存するかどうかは、候補一覧を一通り見終わってから決定することが多いので、とりあえず保存の候補として保留にする機能も用意しており、その場合は、この結果編集フラグ358に保留フラグが記録される。検索終了時にこの保留フラグが残っていると、保存するかどうかを検索者に問い合わせる機能により確認をとり、保存しない場合は、削除フラグに変更され、保存の際に破棄される。保存を選んだ場合は、元データが編集されているかいないかにより編集または保存のフラグが格納される。次に、元の検索結果に対して別の文字データ格納先を用意して、そこに自分自身によって新たに文字データを作成して保存する場合に備えて、検索結果データ350の中に、追加情報TBLアドレス354、追加情報TBL個数355のフィールドが用意されている。このポインタを使用して、追加情報データ370中の追加情報TBLにアクセスする。追加情報TBLには、検索者が検索結果とは別に独自で追加した情報の格納先を示すWeb頁アーカイブのURLまたは文字データ格納先URL371のフィールドがある。この場合も先ほどの結果格納TBLと同様に、Web頁アーカイブの場合は、ブラウザを用いて表示するのみであるが、文字データの場合は、エディタを用いて編集が可能となるように、編集対象(文字データ)識別フラグ372が用意されている。最後に残るもう1種類のコメント付与の場合に対応するため、コメント文字TBLアドレス356とコメント文字TBL個数357のフィールドが用意され、これをポインタとして、コメント文字TBL(図4)のコメントの文字375のフィールドにコメントの文字コードが文字数分だけ格納される。
【0071】
以上の仕組みを複数の利用者に対して効率的に提供するためには、グループ管理情報136が重要になる。図6と図7を使って、グループ管理情報136の詳細を説明する。
【0072】
まず、図6に示すように、グループ管理情報136は、グループ管理データ610、個人管理データ630、機器管理データ650、および属性情報データ670から構成される。そのうち、グループ管理データ610は、さらに以下に示すフィールドにより構成される。最初に、グループ名称611は、該当するレコードのグループ名称の文字列を保存する。上位グループアドレス612は、グループの階層構造のうち、上位(1つ上)のグループに相当するレコードの本TBL上でのアドレスを示す。逆に、下位グループアドレス613と下位グループ個数614は、本グループの下位(1つ下)に属するグループに相当するレコード群をたどるためのポインタである。本グループのレコードにも、同列グループポインタ615のフィールドがあるが、これは、同階層に所属するグループ同士を繋ぐチェーンとして、同階層の次のグループの本TBL上でのアドレスを示している。上位階層のグループは1つであるが、下位階層のグループは複数存在することが可能なため、それらの階層構造を取り扱うために、上記4つのフィールドが用意されている。同列グループポインタ615を用いることで、グループ間の階層構造の変化にも追随できる仕組みとしている。
【0073】
グループ管理データ610には、他に、管理権限保有者アドレス616があり、当該グループの管理権限を持っている個人を特定できる。所属個人アドレス617と所属個人人数618は、個人管理データ630を参照する際のポインタの役目を果たし、当該グループに所属する個人全員をたどることが出来る。課金管理アドレス619は、グループと課金管理情報138を結びつける役割を果たし、アクセス管理アドレス620は、同様にグループとアクセス管理情報137を結びつける役割を果たす。所属機器アドレス621と所属機器の個数622は、当該グループに所属する機器の情報を得るために、機器管理データ650を参照するポインタとして使用する。
【0074】
次に、個人管理データ630の詳細であるが、個人名称631は、個人名称の文字列を格納し、同一グループポインタ632は、同一グループに所属する個人をたどるためのポインタである。検索管理アドレス633と検索管理個数634は、個人単位に検索管理データ310をたどるためのもので、同一個人ポインタ(昇順)313と同一個人ポインタ(降順)314を用いて、たどることができる。所属グループアドレス635は、個人と所属グループを結びつける役割を果たし、アクセス管理アドレス636は、同様に個人とアクセス管理情報137を結びつける役割を果たす。属性情報アドレス637と属性情報個数638は、属性情報データ670を参照する際のポインタとして使用する。
【0075】
図7に、機器管理データ650の詳細を示す。機器名称651は、機器名称の文字列を格納する。同一グループポインタ652は、同一グループに所属する機器をたどる際に用いる。検索管理アドレス653と検索管理個数654は、機器から検索管理データ310をたどるのに用い、同一機器ポインタ322を利用する。所属グループアドレス655は、機器と所属するグループを結びつける役割を果たし、アクセス管理アドレス656は、同様に機器とアクセス管理情報137を結びつける役割を果たす。属性情報アドレス657と属性情報個数658は、属性情報データ670を参照する際のポインタとして使用する。あと、機器のMacアドレス659は、当該機器のMacアドレスを格納し、機器を特定する際に用い、管理権限保有者アドレス660は、当該機器の管理権限を有する個人を特定する。
【0076】
次に、属性情報データ670の詳細であるが、属性文字TBLアドレス671と属性文字TBL個数672は、属性文字TBL中の属性の文字675に格納された可変長の文字コードを参照するために用いる。従って、属性の文字列は任意に設定可能である。同一個人/機器ポインタ673は、特定の個人または機器に関して、複数の属性を持てるようにするために用いる。あと、属性分類674は、属性自体の文字列は任意に設定できるが、属性として何種類かの分類が可能になるように、属性分類コードを格納する。
【0077】
次に図8を用いて、アクセス管理情報137の詳細を示す。アクセス管理データ810には、以下のフィールドがあり、グループ管理データや個人管理データや機器管理データから参照する。アクセス権限設定可能な最下位レベル811は、当該グループ/個人/機器に属する検索管理データ310の各レコードに対して、参照・追加・変更・削除等のアクセス権を設定するとき、設定権限を持つ最下位が、検索を行った個人または機器レベルまで許されているのか、それとも、それより上位のグループ管理者や場合によっては本情報検索システム全体の管理者しか許されていないのかを設定するために用いる。このフィールドの設定内容がグループ管理者の場合、どのグループかを特定するために用いるのが、最下位グループ指定812のフィールドである。最下位グループとあるように、このときに指定されたグループより、上位階層のグループの管理者は、自動的に設定権限を有する。あと、上記アクセス権限変更可能な最下位レベル813のフィールドは、811の設定内容を変更する権限を持つ人を指定するもので、上位のグループ管理者が権限委譲を可能とするために用いられる。ここも同様に、グループ管理者が設定された場合、どのグループかを特定するために用いるのが、最下位グループ指定814のフィールドである。これらを用いて、それぞれのレベルの管理者が配下のグループに関して、検索情報へのアクセス権限を適切に設定することが可能となる。認証用パスワード815は、グループや個人や機器に設定されたパスワードを格納するフィールドであり、パスワード設定日816は、パスワードの最終更新日付を格納する。パスワード認証管理方法選択817は、グループや機器の場合、個人認証で代用できるように設定することも可能である。パスワード有効期間818は、パスワードの有効期限切れを管理するためにパスワード有効日数を格納する。認証用ログインID819は、グループや個人や機器の認証用のログインIDを格納し、認証許可フラグ820は、認証禁止の場合や、初回ログイン時に仮パスワードの変更を求めるメッセージを出す場合等に活用する。
【0078】
次に、以前に検索して保存している情報を、いつでも作業者が見たいときに、項目単位または全項目を一覧にして表示し、編集や削除を行うことができる機能(図17)について補足する。その場合、表示順序として、元の検索キーワード等のあいうえお順やアルファベット順に基づいて表示したり、検索日時にしたがって表示したりする。このときに、情報の保存場所の情報さえ適切に与えれば、操作する情報機器のOSが用意している既存のファイルシステムに従って、同一機器内やネットワーク上からその情報にアクセスができるように、保存する情報は、テキストにせよ画像データを含むWebページのアーカイブにせよ汎用的なフォーマットに従うものとしている。また、一覧表示から検索者が選択した項目は、その保存されている内容を適切なブラウザやエディタに送って全て表示し、それが、検索者が追加した情報部分であろうと、また、元の検索情報として保存された情報であろうと、文字データであれば、エディタを用いてどちらもその内容を編集や削除ができる。
【0079】
そのようにして、以前に検索して適宜情報を加えて保存した結果を含めて検索する際には、検索者を個人として特定して検索者本人が検索した過去の検索情報に限って検索する場合と、複数の検索者または情報機器をグループとして特定して当該グループで過去に検索された検索情報に限って検索する場合と、当検索システム全体として過去に検索され蓄積された検索情報全てを対象に検索する場合とを、検索者自身や、検索者が所属するグループの責任者や、あるいは当システム全体の責任者がそれぞれの有する権限に従って選択できる機能も、今までに説明したデータ構造を用いて実装されている。このような検索者やその所属するグループの資格によってアクセスを制御するやり方は、上記のように検索のときだけでなく、保存した情報にアクセスして編集する場合にも、同様の制御を掛けている。
【0080】
以上、今まで説明した機能は、主に当該情報検索システムの作成者・提供者・管理者・利用者等、関係するものが、同一の組織に属し、所属するグループや会社という単位の差こそあれ、自組織に対してサービスを提供するために用意されたものであるが、自組織以外の他者に対して、サービスを提供するための以下の機能も、本発明では提供している。すなわち、当該情報検索システムの作成者が、その一部もしくは全てをインターネット等の通信手段を用いて他者に公開し、他者が自分たち専用の検索情報を蓄積して自分たち自身で再利用することを許可することで、または、情報検索システムの作成・公開元が独自に構築した検索情報を、公開された他者が検索に利用することを許可することで、対価を獲得することを可能にするために、インターネットを介したアクセスを許可したり、制限する機能、ユーザー認証や課金の機能、使用来歴情報の蓄積等ユーザー個別のアクセス管理機能が、本情報検索システムには用意されている。図1の情報検索サーバ110上に構築された検索結果等蓄積データ130には、全利用者が参照および追加が可能な共通公開情報131が用意されており、また、グループ専用情報として、幾つかのグループ専用情報、131、132等が用意されているが、これらは、社外のPC端末182から、その組織が保有する情報格納サーバ183を経由して本情報検索システムを利用する検索者が、自組織の情報格納サーバ183にグループ専用情報を構築したいと希望すれば、それは可能であり、図2のデータ構成管理情報135にその情報が記録され、本情報検索システムが当該グループ専用情報を情報格納サーバ183上に構築して運用する。
【0081】
さらに、他者が個人やグループとして、当該情報検索システムを利用し、自分もしくは自グループ専用の検索情報を蓄積して利用できるようにするために、情報の蓄積場所やグループ員の登録・削除、個別のアクセス権限の設定を、あらかじめ認定された他者の管理者が自由に行う公開機能も、前述のグループ管理情報136やアクセス管理情報137の詳細データ構造を利用して提供することが可能となっている。
【0082】
また、当該情報検索システムの作成・公開元が、全利用者共通の蓄積場所を用意して、公開された他者が自由に検索して参照したり、他者自身が行った検索結果を追加したり、その検索結果に他者自身の情報を付加したりすることを許可するため、その運営に必要な以下の機能も用意されている。例えば、登録された情報が各国の法律に違反したり、違反する恐れがあるとき、運営者として、その情報自体を削除したり、その情報へのアクセスを利用者の資格に応じて制限したりする機能や、登録された情報を定期的に監視する機能、さらには登録時にその内容をチェックする機能も、あらかじめ用意されたキーワードリストを元に、前述の検索機能および自動検索のためのタイマーを用いて実現できる。当然、当該情報検索システム全体の運営管理者には、上記キーワードリストを作成・更新する機能も提供される。
【0083】
以上、本発明の情報検索システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態または他の実施形態にかかる発明の構成および機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
【0084】
特に、検索結果の格納形態に関しては、画像データ、図形データ、音声データ、動画データ、および表形式データ、等々、いろいろな形式が考えられ、適切なエディタが用意できれば、表示のみでなく、前述の各種データの編集や情報の追加も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の情報検索システムは、インターネット回線網を通じての検索行為により、個人の各種情報収集に役立つだけでなく、検索者の所属するグループにとっての教育ツールや、個人、グループ、さらには人類全体の知識データベース構築ツールとしても、利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
100…イントラネット回線網、101…Gate−Wayサーバ、110…情報検索サーバ、120…検索システムおよび作業一時データ、121…検索エンジン、122…検索関連アプリ、123…情報管理アプリ、124…作業用一時データ、130…検索結果等蓄積データ、131…共通公開情報、132…グループA専用情報、133…グループB専用情報、135…データ構成管理情報、136…グループ管理情報、137…アクセス管理情報、138…課金管理情報、150…情報格納サーバ、160…PC端末、170…管理用PC端末、180、183…情報格納サーバ、181、182…PC端末、190…携帯端末プロバイダサーバ、191…基地局、192…携帯端末、201…外部検索エンジン、210…外部情報検索結果、215…内部情報検索結果、220…抽出情報編集結果、230…要求処理部、240…抽出処理部、241…検索語・指示抽出、242…検索結果抽出、243…追加情報抽出、250…内部検索エンジン、260…編集処理部、261…追加処理、262…削除処理、263…編集処理、264…更新処理、270…データ入出力処理部、280…表示処理部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信手段を用いて、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムに関し、特に、検索された情報に加えて、検索者が任意の情報を加えて保存し、再利用することができる情報検索システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
情報検索に関しては、従来は、独自に構築されたシステム内や、ワープロやパソコンなど単独の情報処理機器内での検索、それも主にテキストを対象にしたものが多かった。しかし、近年のインターネット等の通信手段の発達に伴い、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムが多くなってきており、その代表例として、Google(登録商標)やYahoo(登録商標)などのWeb上のポータルサイトが有名である。
【0003】
インターネットブラウザを用いて、Google(登録商標)やYahoo(登録商標)などのWeb上のポータルサイトからキーワード検索を行うと、検索結果として、検索候補の一覧が表示される。この一覧ページは、ブラウザのURL保存機能を使って保存できるが、あくまでも機械的に検索された結果の一覧を一塊として保存するだけであり、そこに個々の項目に対する人間の判定結果を加えることや、再検索の対象とすることはできない。
【0004】
検索結果を再利用する技術としては、特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。しかし、これらはいずれも、前回の検索結果を保持して差分のみに注目することで、再検索の時間短縮を図るものである。
【0005】
また、検索者が検索結果に満足したか否かの情報を検索結果に付与して、次の検索者の検索時に参考情報として与えることで検索のヒット率を向上する技術として、特許文献3に記載の技術がある。これは、検索が成功したかどうかの情報のみを検索結果に付与するものである。さらに、検索結果に対してコメントをつけて保存し、再利用の便を図る技術として、特許文献4に記載の技術がある。これは、一つの文書を対象として文字列を検索したときに、検索された文字列が発見された箇所と、それに対応するテキストのコメントをペアにして保存し、検索結果の再利用時における利便性を向上させたものである。しかし、前記コメントはあくまで識別情報であり、再利用時の検索箇所を限定する過程でのみ用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許3451646号公報
【特許文献2】特許3631676号公報
【特許文献3】特開2009-244922号公報
【特許文献4】特開平7-319907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
インターネットブラウザを用いて、Google(登録商標)やYahoo(登録商標)などのWeb上のポータルサイトからキーワード検索を行うと、キーワードの設定にもよるが、通常、数百から数万の検索候補が表示され、検索者はこの中から、自分が必要とする情報を見つけ出すために、さらに、キーワードを追加して絞り込み検索を行う。しかしながら、検索だけで目指す情報にたどり着けることは稀であり、最後は検索候補を一つずつ開いて内容を確認し、必要な情報か否かを判定しなければならない。
【0008】
そのような行為を繰り返していると、中には、過去に検索したことがある情報を何度も検索しなおしたり、逆に、以前は検索できたものが検索キーワードの組み合わせの一部を思い出せないために、検索できなくなったりすることがあり、折角の検索結果の情報を効率的に保持して再利用することができない。
【0009】
以上の問題は、検索者個人の情報の蓄積活動にとってマイナスであるばかりでなく、活動目的を共有している検索者の所属するグループや、あるいは人類全体にとっても、個人の検索活動によって獲得された知識が共有され再利用されにくいというより大きな問題を含んでいる。
【0010】
本発明は、検索結果の情報に、結果を見て判断した内容等の検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、適宜、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、検索結果の情報だけでなく、その検索結果を見て判断した内容等、検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、適宜、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を、確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることを特徴とするものである。
【0012】
すなわち、インターネット等の通信手段を用いて、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムを構築する。このときに、検索された情報に加えて、検索者が任意の情報を加えて保存し、その情報を含めて、再検索する機能を提供する。
【0013】
また、検索された情報のすべてまたは一部、あるいは、情報所在場所の情報のみを、検索者の意図によって選択させ、それを保存する。保存する情報の格納場所としては、検索者が操作する情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合と、当該機器と通信手段によって接続された他の情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合を、検索者またはシステム管理者の意図によって選べる機能を付加しておくとよい。
【0014】
当然、検索された情報から、検索者が自分の意図に従って、検索された情報の一部分を選択して保存できるように、まず、検索者が指定したひとつまたは複数のキーワードを含む情報を、元の情報が格納されたまとまり単位や、または、格納される場所は異なっても、関連する情報をまとめて表示する指定がされている場合は、その表示される情報全てを、表示させる。その上で、表示された情報の中から、検索者が、マウス等のポインティングデバイスによって、保存する部分を指定する機能を付加する。
【0015】
検索された情報から保存する部分を指定する方法としては、他に、検索された情報から、検索キーワードを含む文のみを自動的に抽出して保存する機能も付加する。このとき、該当する文の前後の文も、検索者が指定した文の数だけ前後の文を数えて自動的に範囲を決める方法や、検索キーワードを含む文から前の部分のみを範囲とするか、または、検索キーワードを含む文から後の部分のみを範囲とするかを検索者が指定することによって保存する範囲を決める機能も用意するとよい。保存する範囲がどのように決められようと、検索の際に使用された検索キーワードは、項目の見出しとして使用するため、自動的に保存される。
【0016】
さらに、以前に検索された情報の所在場所の情報のみを保存している場合でも、そこから元の情報全体を再度取得し、検索者が加えた情報とともに再検索する機能も提供する。
【0017】
その上で、検索の際に、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めるか否かを、検索者の意図によって選べる機能を提供する。また、その際に、逆に以前に検索した情報を保存している場所のみを検索対象にして再検索する機能も提供する。
【0018】
また、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めて検索する際は、保存した情報のうち、検索者が追加した情報部分に限って検索対象に含める場合と、元の検索情報として保存された情報に限って検索対象に含める場合と、その両方を含めて検索対象とする場合を、検索者の意図によって選べる手段も提供する。両方を含めて検索対象とする場合、検索時間を短縮するオプション機能として、まず最初に検索者が追加した情報部分に限って検索を行い、検索に該当した項目のみを、再度、元の検索情報として保存された情報を利用して検索する機能を付加しておく。
【0019】
次に、以前に検索して保存している情報を、いつでも作業者が見たいときに、項目単位または全項目を一覧にして表示し、編集や削除を行うことができる機能も提供する。その場合、表示順序として、元の検索キーワードのあいうえお順やアルファベット順に基づいて表示するとよい。このときに、情報の保存場所の情報さえ適切に与えれば、操作する情報機器のOSが用意している既存のファイルシステムに従って、同一機器内やネットワーク上からその情報にアクセスができるように、保存する情報は、テキストにせよ画像データにせよ汎用的なフォーマットに従うものとするのがよい。
【0020】
一覧表示から検索者が選択した項目は、その保存されている内容を適切なエディタに送って全て表示し、それが、検索者が追加した情報部分であろうと、また、元の検索情報として保存された情報であろうと、どちらもその内容を編集や削除ができる機能を提供する。
【0021】
そのようにして、以前に検索して適宜情報を加えて保存した結果を含めて検索する際には、検索者を個人として特定して検索者本人が検索した過去の検索情報に限って検索する場合と、検索に使用する情報機器を特定して当該情報機器で過去に検索された検索情報に限って検索する場合と、複数の検索者または情報機器をグループとして特定して当該グループで過去に検索された検索情報に限って検索する場合と、当検索システム全体として過去に検索され蓄積された検索情報全てを対象に検索する場合を、検索者自身や、検索者が所属するグループの責任者や、あるいは当システム全体の責任者がそれぞれの有する権限に従って、選択できる機能も提供する。
【0022】
このような検索者やその所属するグループの資格によってアクセスを制御するやり方は、上記のように検索のときだけでなく、保存した情報にアクセスして編集する場合にも、同様の制御をかける。
【0023】
以上の機能は、当該情報検索システムの作成者・提供者・管理者・利用者等、関係するものが、同一の組織に属し、所属するグループや会社という単位の差こそあれ、自組織に対してサービスを提供するために用意されたものであるが、自組織以外の他者に対して、サービスを提供するための以下の機能も、本発明では提供する。
【0024】
すなわち、当該情報検索システムの作成者が、その一部もしくは全てをインターネット等の通信手段を用いて他者に公開し、他者が自分たち専用の検索情報を蓄積して自分たち自身で再利用することを許可することで、または、情報検索システムの作成・公開元が独自に構築した検索情報を、公開された他者が検索に利用することを許可することで、対価を獲得することを可能にするために、インターネットを介したアクセスを許可したり、制限する機能、ユーザー認証や課金の機能、使用来歴情報の蓄積等ユーザー個別のアクセス管理機能を提供する。
【0025】
さらに、他者が個人やグループとして、当該情報検索システムを利用し、自分もしくは自グループ専用の検索情報を蓄積して利用できるようにするために、情報の蓄積場所やグループ員の登録・削除、個別のアクセス権限の設定を、あらかじめ認定された他者の管理者が自由に行う公開機能も提供する。
【0026】
また、当該情報検索システムの作成・公開元が、全利用者共通の蓄積場所を用意して、公開された他者が自由に検索して参照したり、他者自身が行った検索結果を追加したり、その検索結果に他者自身の情報を付加したりすることを許可するため、その運営に必要な以下の機能も提供する。
【0027】
登録された情報が各国の法律に違反したり、違反する恐れがあるとき、運営者として、その情報自体を削除したり、その情報へのアクセスを利用者の資格に応じて制限したりする機能や、登録された情報を定期的に監視する機能、さらには登録時にその内容をチェックする機能も、あらかじめ用意されたキーワードリストを元に、前述の検索機能および自動検索のためのタイマーを用いて実現する。当然、当該情報検索システム全体の運営管理者には、上記キーワードリストを作成・更新する機能も提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明の情報検索システムによれば、利用者は、検索を重ねるごとに、より適切に目的とする検索結果に辿り着けるだけでなく、過去の検索結果の蓄積の上に自分自身の知見を加えて、新たな情報データベースを構築することができ、検索活動を通じてより高い知見に到達できる。また、この情報データベースを、個人だけでなく、その所属するグループに公開して検索結果や付加した知見を共同利用することで、グループ内の知識の底上げ効果や、グループ全体の知見の向上効果が期待できる。本発明は、さらにインターネット上のすべての利用者の知見を集めることで、単純な個人の行為としての検索行為が、情報の蓄積効果を生み、人類全体の知見の向上に役立つことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報検索システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す情報検索システムの内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示す情報検索システムの検索結果および編集情報を記憶するデータ構造のうち、個々の検索情報を管理する検索管理データのデータ構造を例示する概略図である。
【図4】図2に示す情報検索システムの検索結果および編集情報を記憶するデータ構造のうち、個々の検索条件を管理する検索条件データのデータ構造を例示する概略図である。
【図5】図2に示す情報検索システムの検索結果および編集情報を記憶するデータ構造のうち、個々の検索結果や編集・追加情報を管理する検索結果データおよび追加情報データのデータ構造を例示する概略図である。
【図6】図2に示す検索結果等蓄積データに記憶されているグループ管理情報について、そのデータ構造のうち、グループ管理データおよび個人管理データのデータ構造を例示する概略図である。
【図7】図2に示す検索結果等蓄積データに記憶されているグループ管理情報について、そのデータ構造のうち、機器管理データおよび属性情報データのデータ構造を例示する概略図である。
【図8】図2に示す検索結果等蓄積データに記憶されているアクセス管理情報について、そのデータ構造のうち、アクセス管理データのデータ構造を例示する概略図である。
【図9】図1や図2に示す情報検索システムの処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【図10】図1や図2に示す情報検索システムの利用者認証画面である。
【図11】図1や図2に示す情報検索システムにおいて検索実施中は常に表示される検索メイン画面である。
【図12】図1や図2に示す情報検索システムの検索や表示、データ保存に関する詳細オプション指定画面である。
【図13】図1や図2に示す情報検索システムの検索結果を、一覧形式で表示する検索結果一覧表示画面である。
【図14】図1や図2に示す情報検索システムの個々の検索結果を、詳細に表示する検索結果詳細表示画面である。
【図15】図1や図2に示す情報検索システムの個々の検索結果を、保存するための新規text編集画面である。
【図16】図1や図2に示す情報検索システムの個々の検索結果に対し、検索者が追加の情報を作成して保存するための情報追加画面である。
【図17】図1や図2に示す情報検索システムの蓄積された検索結果情報に対し、検索者が情報の削除、追加、および編集を行うための蓄積データ編集メイン画面である。
【図18】図1や図2に示す情報検索システムの蓄積された検索結果情報を検索者が編集する際に、蓄積データを所有者や検索日時によって一括して選択するための、蓄積データ編集一括選択画面である。
【図19】図1や図2に示す情報検索システムの蓄積された検索結果情報を検索者が編集する際に、個々の蓄積データの内容を確認しながら作業するための、蓄積データ編集個別画面である。
【図20】図1や図2に示す情報検索システムの利用を終了する際に、保留データの取り扱いを決めて、元の蓄積データを更新するための、終了処理画面である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の情報検索システムを実施するための最良の形態(以下、「実施形態」と言う)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ番号を付している。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報検索システムについて、その全体構成を示す概略図である。
【0032】
図1において、本実施形態の情報検索システムは、情報検索サーバ110、その内部に格納された検索システムおよび作業一時データ120、並びに、検索結果等蓄積データ130を主要な構成部としている。検索システムおよび作業一時データ120は、検索エンジン121、検索関連アプリ122、情報管理アプリ123、および作業用一時データ124を備える。また、検索結果等蓄積データ130には、共通公開情報131、グループA専用情報132、グループB専用情報133等が含まれる。
【0033】
また、情報検索サーバ110は、イントラネット回線網100を通じ、システムの管理者がこのサーバ110を管理するための管理用PC端末170だけでなく、社内の他の情報格納サーバ150やPC端末160と接続されている。このイントラネット回線網100は、Gate−Wayサーバ101を介して、インターネット回線網と接続され、社内ユーザだけでなく、社外のユーザも、本情報検索システムを利用することが可能である。
【0034】
社外ユーザは、インターネット回線網に接続されたPC端末181だけでなく、携帯端末192からも、電波を使用して基地局191および携帯端末プロバイダサーバ190を経由してインターネット回線網に接続し、同じくインターネット回線網に接続された多数の情報格納サーバ180、183や、本情報検索システム自体を運営している企業の情報検索サーバ110や情報格納サーバ150に格納されている情報を検索することができる。社外ユーザの中には、PC端末182のように情報格納サーバ183を経由してインターネット回線網に接続しているユーザもいるが、このユーザも直接接続する情報格納サーバ183上に蓄積された自分たち専用の情報だけでなく、インターネット回線網を通じて、情報検索サーバ110に格納された共通公開情報131や、このユーザがグループAに所属しているとするとグループA専用情報132、さらには、情報格納サーバ150、180等の一般情報も検索することが可能となっている。
【0035】
図2に、上記情報検索システムの内部構成を概略的に表した機能ブロック図を示す。情報検索サーバ110上に構築された検索システムおよび作業一時データ120に対し、Webサイト上に設けられた入出力画面を通じ、インターネット回線網よりユーザからの検索要求が入ってくる。これを要求処理部230が処理して、検索語や検索条件を判別して、外部検索エンジン201を起動する。外部検索エンジン201が、インターネット上に接続された情報格納サーバ180等から抽出してきた検索結果の候補リストや詳細情報は外部情報検索結果210に格納される。この情報を要求処理部230が再度取得して、表示処理部280を経由して、ユーザに検索結果の候補リストや詳細情報として表示する。ユーザから候補を選択された場合は、その詳細情報を表示し、さらに追加の検索が必要であれば、外部検索エンジン201を通じて、再度、外部から情報抽出を行う。
【0036】
このとき、ユーザの検索条件によっては、要求処理部230は、同時に内部検索エンジン250に対しても検索指示を行う。検索指示を受けた内部検索エンジン250は、情報格納サーバ150や検索結果等蓄積データ130より、当該ユーザの所属するグループの権限や設定条件に従って、該当する部分の情報を検索し、その検索結果の情報を取得して、内部情報検索結果215に格納する。同様に要求処理部230が、表示処理部280を通じ、ユーザに検索結果の候補リストや詳細情報として表示する。
【0037】
ユーザがこれらの検索結果に対し、保存や情報追加の指示を行うと、それを受けて要求処理部230が、抽出処理部240を起動する。検索語や検索条件は、検索語・指示抽出処理241を通じて、また、検索結果は、検索結果抽出処理242を通じて、さらに、ユーザからの追加情報は、追加情報抽出処理243を通じて抽出され、編集処理部260を経由して、抽出情報編集結果220内部のそれぞれ該当する部分に格納される。
【0038】
ユーザは、単に検索結果をWebページのアーカイブ形式(Webページを構成する複数ファイルを1つにまとめて再現できるようにしたもの)や文字データとして保存するだけでなく、その結果情報が文字データであれば、それを編集して自分の言葉に直したり、不要部分の削除や、追加の情報を結果の文中に加えたりして保存することが出来る。また、検索結果とは別に、自分の指示する別のWebページのアーカイブ結果を追加情報として加えたり、文字データの形式で他の文書からのデータをコピー&ペーストしたり、あるいは自分で文書を追加作成して加えたりして保存することも可能である。
【0039】
そのため、すでに自分たち専用の情報として、検索結果等蓄積データ130に格納している情報が、内部検索エンジン250によって再度検索されて表示された場合や、あるいは検索行為を行わず、単純に、自分たち専用の情報を項目別や一覧形式で呼び出して編集する場合は、編集処理部260による編集を始める前に、データ入出力処理部270を起動して、検索結果等蓄積データ130に格納している詳細情報を、抽出情報編集結果220に予め格納しておく。次に編集処理部260が、ユーザの指示に応じて、それぞれ内部の追加処理261、削除処理262、編集処理263、更新処理264を呼び出して、編集を行い、その編集結果を抽出情報編集結果220に反映させる。さらに、ユーザの編集処理が終了した後は、ユーザの格納指示を受けて、要求処理部230が、データ入出力処理部270を起動して、その編集結果を、元の検索結果等蓄積データ130の該当する領域に格納する。もちろん、ユーザの所属するグループや保有する権限に応じて、グループ管理情報136やアクセス管理情報137を参照して、許可された権限内での編集のみを実行可能として制御を行う。検索結果等蓄積データ130には、共通公開情報131のほかグループA専用情報132やグループB専用情報133など、いろいろなグループの専用情報を保持するようになっているので、前述のアクセス権だけでなく、その更新履歴情報も、データ構成管理情報135によって管理する。また、それぞれのグループや個人に対して、サービス提供に伴う課金を行う必要があるので、課金管理情報138も検索結果等蓄積データ130には含まれている。
【0040】
図9に、以上の処理の流れを概略フローチャートとして示す。本情報検索システムの利用者は、Webサイト上に設けられた本情報検索システムのホームページより、ログインを行い、検索システムにおける利用者の認証処理905を受けることで、検索サービスを利用できるようになる。それに先立ち、本情報検索システムでは、内部検索エンジン250のための内部用検索DB更新処理900を日次で実行し、高速で検索できるように準備を整えておく。利用者がログインを行うと、利用者の認証処理905が、検索結果等蓄積データ130に格納された利用者情報との照合を行う。登録されたパスワードが一致すると、検索システムは、既存基本情報取得処理910により、検索結果等蓄積データ130に格納された利用者に関係する基本情報を追加で取得する。ここで取得されたデータを元に、検索メイン画面へ遷移する処理915が実行され、利用者の端末機器に検索用のメイン画面が表示される。
【0041】
図10に、本情報検索システムの認証画面例を示す。利用者は、各自の使用機器に搭載されたWebブラウザを使用して本情報検索システムへアクセスする。利用者がブラウザ固有領域1001にあるURL入力領域1003に本情報検索システムのURLを入力すると、情報検索システム固有領域1010に認証画面が表示される。1002は、ブラウザに対して各種の指示を与えるための操作ボタン領域を示す。利用者は、ログインID入力領域1020に、あらかじめ本情報検索システムの管理者より付与された利用者のログインIDを入力し、パスワード入力領域1030にパスワードを入力して、認証実行ボタン1040をクリックする。入力された情報に誤り等があれば、メッセージ出力領域1050にメッセージが表示され、その指示に従って再入力を行う。図9の利用者の認証処理905により適正な利用者であることが認証されると、図9の検索メイン画面へ遷移する処理915により、利用者の端末機器に図11に示す検索メイン画面が表示される。以降、画面の表示例を示す図は、ブラウザ固有領域1001を全て省いて図示するものとする。
【0042】
図11の検索メイン画面を用いて検索方法を説明する。利用者は、検索キー入力領域1120に複数の検索キーをスペースで区切って入力する。入力した複数の検索キー同士をAND条件でつないで検索するかOR条件でつないで検索するかは、同一入力領域内検索キー間の関係指示選択ボタン1130で選択する。同様に、その下の検索キー入力領域1125にも複数の検索キーを入力することができ、ボタン1130と同様の選択ボタンでそれらの間の検索条件を選択する。領域1120に入力した検索キー群と領域1125に入力した検索キー群とは、検索キー入力領域間の関係指示選択ボタン1140を用いて、AND条件でつなぐかOR条件でつなぐかを指定する。検索キー群は4つまで取り扱うことができる。
【0043】
次に、検索対象選択ボタン1160を用いて、インターネットで接続された外部のサーバのみに対して検索を行うか、本情報検索システム内に蓄積された情報を含む社内等自分たちのグループ内部に対してのみ検索を行うか、外部と内部の両方に対して検索を行うかを指定する。デフォルトは、外部と内部を両方検索するになっている。さらに、内部に関しては、本情報検索システム内に蓄積された情報のみを対象にするか、それ以外の内部情報を対象にするか、その両方を対象にするかを、内部検索範囲選択ボタン1170を用いて指定する。デフォルトは、両方を含む内部全体となっている。また、本情報検索システム内に蓄積された情報に関しては、蓄積データ検索範囲選択ボタン1180により、検索範囲を、検索結果をそのまま格納している部分ではなく、自分たちで追加した追加情報のみに絞ったり、それらの追加情報以外に絞ったり、情報全体としたりすることができる。ここのデフォルトは、両方を含む蓄積情報全体となっている。以上の選択が終わった後、検索実行ボタン1150をクリックする(図9の検索要求920)と、検索が実行される。
【0044】
ここで、図9の処理の流れを示す概略フローチャートに戻る。図11の画面における検索要求920を受け、検索要求分析処理922が、外部検索と内部検索に処理を分ける。外部検索処理924は、図2の外部検索エンジン201を起動して、図1の180や183に示す外部サーバに格納された情報を検索する。内部検索処理926は、図2の内部検索エンジン250を起動して、情報格納サーバ150や検索結果等蓄積データ130に格納された情報を検索する。それらの検索結果を受け取り、検索結果表示処理928が利用者の端末機器に検索結果を表示する。
【0045】
図13に、検索結果の一覧表示画面例を示す。検索結果は、検索結果一覧表示領域1320に、スコア順等に並べられて、例えば20件ごとにページ分けされ、検索キーを含む抽出部分の例とともに表示される。アンダーライン付のタイトルやURLアドレス表示部分をクリックすると、個々の検索結果の詳細表示画面が別ウインドウとして表示される。図14が、その検索結果詳細表示画面である。利用者は、検索結果詳細表示領域1420を確認し、動作実行ボタン群1430より、例えば、“URL保存”ボタンを押すと、表示されたページのURLが、検索条件とともに保存される。また、“アーカイブ保存”ボタンを押すと、表示されたページのアーカイブが作成され、アーカイブデータとしてやはり検索条件とともに保存される。表示された情報の一部分だけを保存したい場合は、“新規text”ボタンを押して、図15に示す別ウインドウを表示し、そこに指定したエディタの新規作成ページが現れているので、図14の表示されたウインドウから、カットアンドペースト等で、必要部分を図15の新規作成ページに貼り付け、動作実行ボタン群1530の中の“結果保存”ボタンを押して、該エディタで編集した情報をやはり検索条件とともに保存する。
【0046】
図14の検索結果詳細表示画面では、さらに“コメント入力”ボタンで簡単なコメントをつけて保存したり、また“情報追加”ボタンで図16に示す別ウインドウを開いて、やはりエディタの新規ページに自由に情報を追加できる。ここでは、まったく違う情報リソースからの情報を持ってきて保存したり、利用者自身の理解した内容を記述して保存したりということが可能である。これにより、検索で得た情報に、さらに自分たちの知識を加えて保存して、知識ライブラリを構築できる。
【0047】
図14の検索結果詳細表示画面の残りの操作ボタンを説明する。“保留(仮保存)”ボタンは、これを押しておくことで、情報を保存しておくかどうかの判断が難しいものに関して、その判断を一時保留にして、作業終了時に改めて保存するかどうかを判断するために使用する。図15および図16の“保留(仮保存)”ボタンも同様である。また、“直接編集”ボタンは、この例ではグレーアウト表示されて押せないようになっている。検索結果の中には、過去に保存した自分たち自身の追加情報等、エディタで直接編集できるものも含まれるので、その場合はこのボタンがグレーアウト表示ではなく押せるボタンとして通常表示され、このボタンを押すことで直接内容を編集することができる。
【0048】
図9の処理の流れを示す概略フローチャートの結果確認930に伴う確認結果保持処理935、および情報追加940に伴う追加情報保持処理945が、図13〜図16で説明した利用者の作業に対応して行われる。
【0049】
次に、既存情報編集950について説明する。ここまで検索とその結果の蓄積や情報追加について述べてきたが、蓄積された情報に対して、その情報を編集する必要が発生することがある。この編集要求が出されると、検索システムでは、既存詳細情報取得処理955が動作し、検索結果等蓄積データ130より、関連する既存情報を全て読み込み、編集メイン画面遷移処理957を行って、蓄積データ編集メイン画面を表示する。
【0050】
図17に、蓄積データ編集メイン画面の例を示す。この画面1710は、図11に示す検索メイン画面から、“蓄積データ編集”ボタン1190を押すことで、別ウインドウとして表示される。図17の蓄積データ一覧表示領域1720には、利用者が編集することのできる過去の検索結果が一覧となって表示される。表示される順番は、検索キーや検索日時等から選んだ表示のための表示キーに対し、昇順か降順で決められる。一覧画面には、表示キーのほかに、検索条件、検索結果、追加情報、および管理データへのリンクとその一部の内容が表示され、個々の検索単位に、選択するためのチェックボックスが用意されている。個別データへのリンクを直接クリックするか、チェックボックスにチェックを入れて動作実行ボタン1730のうちの“編集”ボタンを押すことで、それぞれの詳細データが別ウインドウとして表示される。これが、図19に示す蓄積データ編集個別画面である。この画面1910上で編集や追加を行って動作実行ボタン1930のうちの“編集結果保存”ボタンを押すと、編集結果が保存される。“削除”ボタンを押せば、データ単位で削除される。
【0051】
上記手順で編集や削除が実行できるが、蓄積されたデータ数が多いと、目指す検索結果にたどり着くのが大変になる。そこで、図17の蓄積データ編集メイン画面1710で、“一括選択へ”ボタンを押すと、図18に示す蓄積データ編集一括選択画面1810が別ウインドウで表示される。この画面1810上で、個人やグループ単位に選択対象のデータを指定することができ、さらに検索日時より以前あるいは以降のレベルでデータの絞込みが可能になる。これらの条件を決めて、動作実行ボタン1840のうちの“選択実行”ボタンを押すと、蓄積データ選択結果表示領域1830に、選択されたデータの一覧が表示される。この一覧にある選択チェックボックスにチェックが一括して入っているので、必要に応じてチェックをはずした後、“結果確定”ボタンを押すと、図17の一覧データが絞り込まれて再表示される。この機能を活用して編集を効率的に実施することができる。
【0052】
図11の検索メイン画面や図17の編集メイン画面等いくつかの画面には、“詳細オプション”ボタンが用意されている。このボタンを押すと、図12に示される詳細オプション指定画面1210が表示される。この画面を用いて、各種の設定を行うことができる。まず、“共通蓄積データ利用”の選択ボックスは、蓄積データの利用範囲を、個人やグループ、さらにはシステム共通で提供されている範囲にまで拡張できる。具体的には、「個人データ」が選択されたときにはそのユーザ個人の蓄積データを検索対象とし、「グループ内」が選択されたときにはそのユーザが属するグループの蓄積データを検索対象とし、「全て利用」が選択されたときにはシステム全体の蓄積データを検索対象とする。なお、ここでは図示しないが、利用範囲を“機器”に限定する設定も可能である。“元データURL展開”は、検索結果としてURLしか保存されていない場合でも、内部検索の際に、URLを展開して、その場所のデータに書かれている内容も検索対象に含めるかどうかを指定する。“検索結果表示順序”では、検索結果の表示順序としてスコア順か更新日付順かを選ぶことができ、“表示件数”は1ページに表示する件数を指定する。“検索結果優先表示”は、外部検索と内部検索を同時に行った場合に、それらの結果を混在して表示するか、内部または外部を優先するかを指定できるものである。さらに、“データ蓄積先URL”で情報を格納する場所を指定でき、“エディタ選択”で編集に用いるエディタを選択できる。また、“蓄積データ一覧表示順序”では、一覧表示の順序として昇順か降順を選ぶことができ、“表示件数”で1ページに表示する検索結果件数を指定できる。“蓄積データ一覧表示キー”では、編集時に表示する一覧の表示順序を決めるキーとして、検索キー、コメント、追加情報、および検索日時を指定できる。検索キー、コメント、追加情報を指定した場合は、先頭の単語を採用する。図12に示したチェックボックスのチェックの位置や数字は、デフォルトの値であり、“初期値回復”ボタンによって、いつでも初期値に戻すことができる。“変更実行”ボタンによって、上述したように選択されたオプションの設定を確定することができ、“キャンセル”ボタンでキャンセルすることができる。
【0053】
以上が、図9の処理の流れを示す概略フローチャートの情報編集960と、それを受けての編集情報保持処理965での作業内容となる。
【0054】
また、利用者から作業結果保存970の要求を受けると、検索システムは、図1のデータ入出力処理部270により実行される作業結果情報出力処理975により、作業結果を検索結果等蓄積データ130に反映させる。最後に、利用者からログアウト要求が出されると、検索システムは、利用者終了処理980により利用情報を更新して一連の処理を終了する。
【0055】
図11の検索メイン画面1110で、“終了処理”ボタン1195を押すと、図20に示す終了処理画面2010に遷移する。保留データ処理選択領域2020のデフォルトの設定は“個別画面で確認”となっており、そのまま“終了実行”ボタンを押しても、保留データ(図14,15,16,19において“保留(仮保存)”ボタンで保留が指定されていたデータ)を保存するかどうかを、個別の保留処理を実行した画面を再度呼び出して確認させる仕様になっている。すなわち、誤って保存したり、逆に保存しないまま終了することが無いように配慮されている。また、作業途中でも、この終了処理画面2010を呼び出して“データ更新”ボタンを押せば、それまでの作業内容を検索結果等蓄積データ130に反映させることができる。もちろん、その時点で保留データがあれば、同様に処理される。
【0056】
以上で、本情報検索システムの構成要素と処理の概要を説明したので、以降では、情報処理における具体的なデータ構造を例示しながら、詳細な処理を説明していく。
【0057】
本情報検索システムの目的は、検索結果の情報だけでなく、結果を見て判断した内容等、検索者にとって再利用が可能な情報を付加して保存し、次回以降の検索で、適宜、保存された内容を再検索することで、過去の検索結果や判断内容を、確実かつ効率的に呼び出して、検索者個人やその所属するグループ、さらには人類全体の進歩に役立てることにある。そのために、インターネット等の通信手段を用いて、作業者が通信に使用する情報機器単体だけでなく、通信先として接続された全ての情報機器に格納された情報を検索するシステムを構築する。そして、検索された情報に加えて、検索者が任意の情報を加えて保存し、その情報を含めて、再検索する機能を提供する。
【0058】
この処理を実現可能とするためには、検索結果情報を上記目的で再利用できるように整理して格納しておく必要がある。そのためのデータ構造を図3、図4、および図5に示す。まず、図3は、検索結果情報300の詳細なデータ構造を示す。このデータ構造は、図2の抽出情報編集結果220あるいは検索結果等蓄積データ130上に検索結果情報を保持する際のデータ構造を示している。検索結果情報300は、検索管理データ310、検索条件データ330、検索結果データ350、および追加情報データ370より構成される。検索管理データ310は、検索条件データ330、検索結果データ350、および追加情報データ370を、検索した本人や検索に使用した情報機器と関連付けて、格納するために用いる。
【0059】
以下、検索管理データ310の中身を詳細に説明する。ユーザが本情報検索システムを利用するために、インターネット回線網やイントラネット回線網を用いて、本情報検索システムのホームページを閲覧すると、複数の検索キーワードとそれらの関係性を示す検索条件を指定する画面(図11)が表示される。この画面で検索条件を指定して検索が指示されると、検索結果として、検索された候補のURLが一覧となって表示される(図13)。ユーザは、表示された一覧から見たいURLを指定して、その詳細な情報を見ていくわけであるが、Webページ上のボタンにより、その結果の保存がユーザから指示されると、検索行為1回ごとに対応して、以下の情報が保存される。
【0060】
まず、個人ID311のフィールドには、検索した本人を特定するために、事前に登録されたユーザ情報が個人管理データ630(図6)として保存されており、その個人管理データ630中の当該ユーザを特定するレコードを指すアドレスが格納される。次に、検索時間312のフィールドには、西暦年4桁+月2桁+日2桁+時間2桁+分2桁+秒2桁として、検索された時間が格納される。時間データとしてはその検索に使用したPC等情報検索機器に設定された現地時間を採用している。1個1個の検索行為を識別するための検索IDとしては、この2つのフィールドを結合したものを使用する。同一個人ポインタ(昇順)313と同一個人ポインタ(降順)314は、個人管理データ630より、この検索管理データ310が参照されるときに、先頭のレコードのアドレスとレコードの個数を頼りに参照するので(図6の検索管理アドレス633と検索管理個数参照)、同一個人に属する検索データを結ぶためのポインタとして使用する。昇順と降順の2つのポインタを使用するのは、データ削除や追加に伴うレコードのつなぎ替えを高速に行うためである。検索条件TBLアドレス315と検索条件TBL個数316は、図4で詳細を説明する検索条件データ330を参照するときに用いるポインタである。同様に、検索結果TBLアドレス317と検索結果TBL個数318は、図5で説明する検索結果データ350を参照するときに用いるポインタである。同じく、追加情報TBLアドレス319と追加情報TBL個数320は、図5の追加情報データ370を参照するときに用いるポインタである。また、検索情報機器ID321と同一機器ポインタ322は、この検索管理データ310が、機器管理データ650(図7)から参照できるようにするためのものである。
【0061】
また、参照可能範囲323以下のフィールドは、図8のアクセス管理データ810と連動して、この検索結果情報300へのアクセス制限を、検索管理データ310のレコード単位に掛けるためのものである。すなわち、参照可能範囲323は、当該検索管理データに係る検索情報を参照できる範囲を指定するもので、検索した個人や機器に留めるか、指定したグループ内で参照を許すか、さらには本情報検索システムを利用している全ての人への参照を許すかを指定する。このとき、グループを指定すると、参照グループ指定324のフィールドを使用して、図6のグループ管理データ610に登録されているグループの中から、そのアドレスを特定する。同様に、参照および追加可能範囲325では、参照に加えて情報追加を許す範囲を、やはり、検索した個人や機器に留めるか、指定したグループ内で許すか、さらには本情報検索システムを利用している全ての人へ許すかを指定する。ここでも、グループを指定した場合は、参照追加グループ指定326で、グループを指定する。ここで、本情報検索システムを利用する全てのユーザに参照だけでなく情報追加をも許すのは奇異に感じられるかもしれないが、人類全体の知見の向上に役立てたいとの発明者の意図により、選択して実施することを可能としている。変更や削除は許さないが、追加であれば後からでも復元可能との判断に基づいている。その意味で、変更および削除可能なレベル327は、「全て」は選択肢に入れず、個人や機器、グループ全体や、グループ管理者から選択するようにしている。グループやグループ管理者を指定した場合は、変更削除グループ指定328で、グループを特定する。
【0062】
なお、図1の検索結果等蓄積データ130中の共通公開情報131は、上述のデータ構造の参照可能範囲323が“全て”であるような検索結果情報の集まりである。同様に、グループA専用情報132は、参照可能範囲323が“グループ”で参照グループ指定324がグループAであるような検索結果情報の集まりである。
【0063】
以上が、図3に示した1件1件の検索情報を管理する検索管理データ310の詳細である。
【0064】
次に、図4を参照して、検索条件データ330について詳細に説明する。検索結果を保存しておく際には、検索に用いた検索条件とペアで保存することで、再利用性が高まる。そのため、検索条件データ330に検索条件を保存しておき、検索管理データ310より参照できるようにしている。検索キーTBLアドレス331と検索キーTBL個数332は、検索キーTBLに格納される複数の検索語をたどるためのポインタとして使用する。すなわち、検索キーTBLアドレス331が示す検索キーTBL内の位置から、連続して検索キーTBL個数332が示す個数分が、検索条件データ330の1レコード分に対応する検索語である。これら複数の検索語の間をAND条件でつなぐのかOR条件でつなぐのかを示すのが、検索キー同士の関係333である。このとき、検索語の文字数を可変で扱えるようにするために、検索キーTBLは、検索キー文字TBLアドレス341と検索キー文字TBL個数342で検索キーの文字列を示すようにしている。すなわち、検索キー文字TBLアドレス341が指す検索キー文字TBL内の位置から、検索キー文字TBL個数342が示す個数分の文字コードを連続してみることで、検索キーの文字345に格納されている文字コードを1字1字追うことができる。
【0065】
1件1件の検索行為に対応する検索管理データ310から検索条件データ330をたどる際には、図3の検索条件TBLアドレス315と検索条件TBL個数316を使って、連続して複数の検索条件(図4)をたどることが出来る構造にしているのは、検索条件データ330を複数レコード分組み合わせて、括弧付きの検索条件も覚えられるようにするためである。このとき、検索条件データ330の1個のレコードが1個の括弧に相当し、それらの間の関係を示すANDまたはORの条件を、前の検索キー群との関係334に示している。検索条件TBL個数316が1個のとき、すなわち括弧を使わない複数検索語での検索の際には、検索条件データ330が1個しか存在しないので、検索条件TBLアドレス315が指す先頭のレコードのみとなり、前の検索キー群との関係334は使用しないので、便宜上ゼロを入れておく。
【0066】
次に、図5を参照して、検索結果を格納する検索結果データ350と追加情報を格納する追加情報データ370の詳細を説明する。まず、検索結果データ350には、元データのURLを格納する元データのURL351のフィールドがある。これは、検索結果として、検索された情報全てを格納するのではなく、元データのURLのみを保存しておき、必要に応じて参照できれば良いという検索者の意図に対応するものである。検索結果の情報を具体的に格納する場合は、検索結果格納TBLアドレス352と検索結果格納TBL個数353を使用する。このポインタを使って、結果格納TBLを個数分参照する。そこには、Web頁アーカイブのURLまたは文字データ格納先URL361があり、検索者または検索者が所属するグループの管理者が指定した結果の格納先における当該データの具体的なURLが格納されている。Web頁アーカイブの場合は、ブラウザを用いて表示するのみであるが、文字データの場合は、エディタを用いて編集が可能となるように、編集対象(文字データ)識別フラグ362も用意されている。
【0067】
以上の仕掛けを用意した上で、検索された情報のすべてまたは一部、あるいは、情報所在場所の情報のみを、検索者の意図によって選択させ、それを保存する。保存する情報の格納場所としては、検索者が操作する情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合と、当該機器と通信手段によって接続された他の情報機器内に設置された情報格納場所に保存する場合を、検索者または検索者の所属するグループの管理者、さらにはシステム全体の管理者の意図によって選べる機能を付加しておく(図12のデータ蓄積先URLの指定等)。
【0068】
当然、検索された情報から、検索者が自分の意図に従って、検索された情報の一部分を選択して保存できるように、まず、検索者が指定したひとつまたは複数のキーワードを含む情報を、元の情報が格納されたまとまり単位や、または、格納される場所は異なっても、関連する情報をまとめて表示する指定がされている場合は、その表示されるべき情報全てを、表示させる。その上で、表示された情報の中から、検索者がマウス等のポインティングデバイスによって、保存する部分を指定する機能が付加されている(図14の“新規text”の指定等)。検索された情報から保存する部分を指定する方法としては、他に、検索された情報から、検索キーワードを含む文のみを自動的に抽出して保存する機能も付加する。このとき、当該する文の前後の文も、検索者が指定した文の数だけ前後の文を数えて自動的に範囲を決める方法や、検索キーワードを含む文から前の部分のみを範囲とするか、または、検索キーワードを含む文から後の部分のみを範囲とするかを検索者が指定することによって保存する範囲を決める機能も付加されている。保存する範囲がどのように決められようと、検索の際に使用された検索キーワードは、項目の見出しとして使用するため、自動的に保存される。
【0069】
さらに、以前に検索された情報の所在場所の情報のみを保存している場合でも、そこから元の情報全体を再度取得し、検索者が加えた情報とともに再検索する機能も実装されている。その上で、検索の際に、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めるか否かを、検索者の意図によって選べる機能も付加されているので、検索者はその条件を指定する。また、その際に、逆に以前に検索した情報を保存している場所のみを検索対象にして再検索することも可能である。また、以前に検索した情報を保存している場所を検索対象に含めて検索する際は、保存した情報のうち、検索者が追加した情報部分に限って検索対象に含める場合と、元の検索情報として保存された情報に限って検索対象に含める場合と、その両方を含めて検索対象とする場合を、検索者の意図によって選ぶことが可能である。両方を含めて検索対象とする場合、検索時間を短縮するオプション機能として、まず最初に検索者が追加した情報部分に限って検索を行い、検索に該当した項目のみを、再度、元の検索情報として保存された情報を利用して検索する機能も用意されている。
【0070】
このとき、検索者が追加した情報の種類としては、検索結果として保存された文字データに対して、検索者が同じデータ中で追加や削除など編集を加えた場合と、別の文字データ格納先を用意して、そこに自分自身によって新たに文字データを作成して保存した場合、また、単に、元データに対して、本情報検索システムが用意した専用エリアにコメントを付加しただけの場合がある。そのため、それらの情報を区別して格納するために、検索結果データ350の中に、以下のフィールドも用意している。まず、元の検索結果格納場所は、先ほど紹介した結果格納TBLアドレス352と結果格納TBL個数353によって参照される結果格納TBL上なので、このままでは、単に元の情報が格納されただけなのか、それに対して文字データの編集が行われているのかの区別がつかない。そこで、結果編集フラグ358のフィールドを用意して、該フィールドに、単純に元データが保存されただけの場合は保存フラグを設定し、編集された場合は編集フラグを設定するようにしている。ちなみに、検索結果を最終的に保存するかどうかは、候補一覧を一通り見終わってから決定することが多いので、とりあえず保存の候補として保留にする機能も用意しており、その場合は、この結果編集フラグ358に保留フラグが記録される。検索終了時にこの保留フラグが残っていると、保存するかどうかを検索者に問い合わせる機能により確認をとり、保存しない場合は、削除フラグに変更され、保存の際に破棄される。保存を選んだ場合は、元データが編集されているかいないかにより編集または保存のフラグが格納される。次に、元の検索結果に対して別の文字データ格納先を用意して、そこに自分自身によって新たに文字データを作成して保存する場合に備えて、検索結果データ350の中に、追加情報TBLアドレス354、追加情報TBL個数355のフィールドが用意されている。このポインタを使用して、追加情報データ370中の追加情報TBLにアクセスする。追加情報TBLには、検索者が検索結果とは別に独自で追加した情報の格納先を示すWeb頁アーカイブのURLまたは文字データ格納先URL371のフィールドがある。この場合も先ほどの結果格納TBLと同様に、Web頁アーカイブの場合は、ブラウザを用いて表示するのみであるが、文字データの場合は、エディタを用いて編集が可能となるように、編集対象(文字データ)識別フラグ372が用意されている。最後に残るもう1種類のコメント付与の場合に対応するため、コメント文字TBLアドレス356とコメント文字TBL個数357のフィールドが用意され、これをポインタとして、コメント文字TBL(図4)のコメントの文字375のフィールドにコメントの文字コードが文字数分だけ格納される。
【0071】
以上の仕組みを複数の利用者に対して効率的に提供するためには、グループ管理情報136が重要になる。図6と図7を使って、グループ管理情報136の詳細を説明する。
【0072】
まず、図6に示すように、グループ管理情報136は、グループ管理データ610、個人管理データ630、機器管理データ650、および属性情報データ670から構成される。そのうち、グループ管理データ610は、さらに以下に示すフィールドにより構成される。最初に、グループ名称611は、該当するレコードのグループ名称の文字列を保存する。上位グループアドレス612は、グループの階層構造のうち、上位(1つ上)のグループに相当するレコードの本TBL上でのアドレスを示す。逆に、下位グループアドレス613と下位グループ個数614は、本グループの下位(1つ下)に属するグループに相当するレコード群をたどるためのポインタである。本グループのレコードにも、同列グループポインタ615のフィールドがあるが、これは、同階層に所属するグループ同士を繋ぐチェーンとして、同階層の次のグループの本TBL上でのアドレスを示している。上位階層のグループは1つであるが、下位階層のグループは複数存在することが可能なため、それらの階層構造を取り扱うために、上記4つのフィールドが用意されている。同列グループポインタ615を用いることで、グループ間の階層構造の変化にも追随できる仕組みとしている。
【0073】
グループ管理データ610には、他に、管理権限保有者アドレス616があり、当該グループの管理権限を持っている個人を特定できる。所属個人アドレス617と所属個人人数618は、個人管理データ630を参照する際のポインタの役目を果たし、当該グループに所属する個人全員をたどることが出来る。課金管理アドレス619は、グループと課金管理情報138を結びつける役割を果たし、アクセス管理アドレス620は、同様にグループとアクセス管理情報137を結びつける役割を果たす。所属機器アドレス621と所属機器の個数622は、当該グループに所属する機器の情報を得るために、機器管理データ650を参照するポインタとして使用する。
【0074】
次に、個人管理データ630の詳細であるが、個人名称631は、個人名称の文字列を格納し、同一グループポインタ632は、同一グループに所属する個人をたどるためのポインタである。検索管理アドレス633と検索管理個数634は、個人単位に検索管理データ310をたどるためのもので、同一個人ポインタ(昇順)313と同一個人ポインタ(降順)314を用いて、たどることができる。所属グループアドレス635は、個人と所属グループを結びつける役割を果たし、アクセス管理アドレス636は、同様に個人とアクセス管理情報137を結びつける役割を果たす。属性情報アドレス637と属性情報個数638は、属性情報データ670を参照する際のポインタとして使用する。
【0075】
図7に、機器管理データ650の詳細を示す。機器名称651は、機器名称の文字列を格納する。同一グループポインタ652は、同一グループに所属する機器をたどる際に用いる。検索管理アドレス653と検索管理個数654は、機器から検索管理データ310をたどるのに用い、同一機器ポインタ322を利用する。所属グループアドレス655は、機器と所属するグループを結びつける役割を果たし、アクセス管理アドレス656は、同様に機器とアクセス管理情報137を結びつける役割を果たす。属性情報アドレス657と属性情報個数658は、属性情報データ670を参照する際のポインタとして使用する。あと、機器のMacアドレス659は、当該機器のMacアドレスを格納し、機器を特定する際に用い、管理権限保有者アドレス660は、当該機器の管理権限を有する個人を特定する。
【0076】
次に、属性情報データ670の詳細であるが、属性文字TBLアドレス671と属性文字TBL個数672は、属性文字TBL中の属性の文字675に格納された可変長の文字コードを参照するために用いる。従って、属性の文字列は任意に設定可能である。同一個人/機器ポインタ673は、特定の個人または機器に関して、複数の属性を持てるようにするために用いる。あと、属性分類674は、属性自体の文字列は任意に設定できるが、属性として何種類かの分類が可能になるように、属性分類コードを格納する。
【0077】
次に図8を用いて、アクセス管理情報137の詳細を示す。アクセス管理データ810には、以下のフィールドがあり、グループ管理データや個人管理データや機器管理データから参照する。アクセス権限設定可能な最下位レベル811は、当該グループ/個人/機器に属する検索管理データ310の各レコードに対して、参照・追加・変更・削除等のアクセス権を設定するとき、設定権限を持つ最下位が、検索を行った個人または機器レベルまで許されているのか、それとも、それより上位のグループ管理者や場合によっては本情報検索システム全体の管理者しか許されていないのかを設定するために用いる。このフィールドの設定内容がグループ管理者の場合、どのグループかを特定するために用いるのが、最下位グループ指定812のフィールドである。最下位グループとあるように、このときに指定されたグループより、上位階層のグループの管理者は、自動的に設定権限を有する。あと、上記アクセス権限変更可能な最下位レベル813のフィールドは、811の設定内容を変更する権限を持つ人を指定するもので、上位のグループ管理者が権限委譲を可能とするために用いられる。ここも同様に、グループ管理者が設定された場合、どのグループかを特定するために用いるのが、最下位グループ指定814のフィールドである。これらを用いて、それぞれのレベルの管理者が配下のグループに関して、検索情報へのアクセス権限を適切に設定することが可能となる。認証用パスワード815は、グループや個人や機器に設定されたパスワードを格納するフィールドであり、パスワード設定日816は、パスワードの最終更新日付を格納する。パスワード認証管理方法選択817は、グループや機器の場合、個人認証で代用できるように設定することも可能である。パスワード有効期間818は、パスワードの有効期限切れを管理するためにパスワード有効日数を格納する。認証用ログインID819は、グループや個人や機器の認証用のログインIDを格納し、認証許可フラグ820は、認証禁止の場合や、初回ログイン時に仮パスワードの変更を求めるメッセージを出す場合等に活用する。
【0078】
次に、以前に検索して保存している情報を、いつでも作業者が見たいときに、項目単位または全項目を一覧にして表示し、編集や削除を行うことができる機能(図17)について補足する。その場合、表示順序として、元の検索キーワード等のあいうえお順やアルファベット順に基づいて表示したり、検索日時にしたがって表示したりする。このときに、情報の保存場所の情報さえ適切に与えれば、操作する情報機器のOSが用意している既存のファイルシステムに従って、同一機器内やネットワーク上からその情報にアクセスができるように、保存する情報は、テキストにせよ画像データを含むWebページのアーカイブにせよ汎用的なフォーマットに従うものとしている。また、一覧表示から検索者が選択した項目は、その保存されている内容を適切なブラウザやエディタに送って全て表示し、それが、検索者が追加した情報部分であろうと、また、元の検索情報として保存された情報であろうと、文字データであれば、エディタを用いてどちらもその内容を編集や削除ができる。
【0079】
そのようにして、以前に検索して適宜情報を加えて保存した結果を含めて検索する際には、検索者を個人として特定して検索者本人が検索した過去の検索情報に限って検索する場合と、複数の検索者または情報機器をグループとして特定して当該グループで過去に検索された検索情報に限って検索する場合と、当検索システム全体として過去に検索され蓄積された検索情報全てを対象に検索する場合とを、検索者自身や、検索者が所属するグループの責任者や、あるいは当システム全体の責任者がそれぞれの有する権限に従って選択できる機能も、今までに説明したデータ構造を用いて実装されている。このような検索者やその所属するグループの資格によってアクセスを制御するやり方は、上記のように検索のときだけでなく、保存した情報にアクセスして編集する場合にも、同様の制御を掛けている。
【0080】
以上、今まで説明した機能は、主に当該情報検索システムの作成者・提供者・管理者・利用者等、関係するものが、同一の組織に属し、所属するグループや会社という単位の差こそあれ、自組織に対してサービスを提供するために用意されたものであるが、自組織以外の他者に対して、サービスを提供するための以下の機能も、本発明では提供している。すなわち、当該情報検索システムの作成者が、その一部もしくは全てをインターネット等の通信手段を用いて他者に公開し、他者が自分たち専用の検索情報を蓄積して自分たち自身で再利用することを許可することで、または、情報検索システムの作成・公開元が独自に構築した検索情報を、公開された他者が検索に利用することを許可することで、対価を獲得することを可能にするために、インターネットを介したアクセスを許可したり、制限する機能、ユーザー認証や課金の機能、使用来歴情報の蓄積等ユーザー個別のアクセス管理機能が、本情報検索システムには用意されている。図1の情報検索サーバ110上に構築された検索結果等蓄積データ130には、全利用者が参照および追加が可能な共通公開情報131が用意されており、また、グループ専用情報として、幾つかのグループ専用情報、131、132等が用意されているが、これらは、社外のPC端末182から、その組織が保有する情報格納サーバ183を経由して本情報検索システムを利用する検索者が、自組織の情報格納サーバ183にグループ専用情報を構築したいと希望すれば、それは可能であり、図2のデータ構成管理情報135にその情報が記録され、本情報検索システムが当該グループ専用情報を情報格納サーバ183上に構築して運用する。
【0081】
さらに、他者が個人やグループとして、当該情報検索システムを利用し、自分もしくは自グループ専用の検索情報を蓄積して利用できるようにするために、情報の蓄積場所やグループ員の登録・削除、個別のアクセス権限の設定を、あらかじめ認定された他者の管理者が自由に行う公開機能も、前述のグループ管理情報136やアクセス管理情報137の詳細データ構造を利用して提供することが可能となっている。
【0082】
また、当該情報検索システムの作成・公開元が、全利用者共通の蓄積場所を用意して、公開された他者が自由に検索して参照したり、他者自身が行った検索結果を追加したり、その検索結果に他者自身の情報を付加したりすることを許可するため、その運営に必要な以下の機能も用意されている。例えば、登録された情報が各国の法律に違反したり、違反する恐れがあるとき、運営者として、その情報自体を削除したり、その情報へのアクセスを利用者の資格に応じて制限したりする機能や、登録された情報を定期的に監視する機能、さらには登録時にその内容をチェックする機能も、あらかじめ用意されたキーワードリストを元に、前述の検索機能および自動検索のためのタイマーを用いて実現できる。当然、当該情報検索システム全体の運営管理者には、上記キーワードリストを作成・更新する機能も提供される。
【0083】
以上、本発明の情報検索システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態または他の実施形態にかかる発明の構成および機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
【0084】
特に、検索結果の格納形態に関しては、画像データ、図形データ、音声データ、動画データ、および表形式データ、等々、いろいろな形式が考えられ、適切なエディタが用意できれば、表示のみでなく、前述の各種データの編集や情報の追加も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の情報検索システムは、インターネット回線網を通じての検索行為により、個人の各種情報収集に役立つだけでなく、検索者の所属するグループにとっての教育ツールや、個人、グループ、さらには人類全体の知識データベース構築ツールとしても、利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
100…イントラネット回線網、101…Gate−Wayサーバ、110…情報検索サーバ、120…検索システムおよび作業一時データ、121…検索エンジン、122…検索関連アプリ、123…情報管理アプリ、124…作業用一時データ、130…検索結果等蓄積データ、131…共通公開情報、132…グループA専用情報、133…グループB専用情報、135…データ構成管理情報、136…グループ管理情報、137…アクセス管理情報、138…課金管理情報、150…情報格納サーバ、160…PC端末、170…管理用PC端末、180、183…情報格納サーバ、181、182…PC端末、190…携帯端末プロバイダサーバ、191…基地局、192…携帯端末、201…外部検索エンジン、210…外部情報検索結果、215…内部情報検索結果、220…抽出情報編集結果、230…要求処理部、240…抽出処理部、241…検索語・指示抽出、242…検索結果抽出、243…追加情報抽出、250…内部検索エンジン、260…編集処理部、261…追加処理、262…削除処理、263…編集処理、264…更新処理、270…データ入出力処理部、280…表示処理部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する情報機器に格納された情報だけでなく、ネットワークを介して通信可能な外部の情報機器に格納された情報を検索する情報検索システムであって、
前記ユーザが使用する情報機器内部に格納されている情報を検索するための内部検索エンジンと、
前記ネットワークを介して通信可能な外部の情報機器に格納された情報を検索する外部検索エンジンと、
検索条件を入力する手段と、
入力された検索条件で前記検索エンジンによる検索を実行し、その検索結果を取得する手段と、
前記検索に関して、ユーザが任意に追加する追加情報を入力する手段と、
前記検索条件と検索結果とユーザが入力した追加情報とを関連付けて保存する手段と、
保存した検索条件と検索結果と追加情報を編集する手段と
を備え、
前記検索エンジンにより前記保存された検索条件と検索結果と追加情報を再検索可能としたことを特徴とする情報検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報検索システムにおいて、
前記検索結果を保存する手段は、検索エンジンから返された検索結果のうち、ユーザにより指定された範囲を保存するものであることを特徴とする情報検索システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報検索システムにおいて、
前記検索結果を保存する手段として、前記ユーザが使用する情報機器に接続された記憶手段または外部の情報機器に接続された記憶手段を選択する手段を、さらに備えることを特徴とする情報検索システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つに記載の情報検索システムにおいて、
前記保存した情報のうち、ユーザが追加した追加情報に限って検索対象とするか、該追加情報以外を検索対象とするか、その両方を検索対象とするかを、選択する手段を、さらに備えることを特徴とする情報検索システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つに記載の情報検索システムにおいて、
前記検索条件とその検索結果とユーザが入力した追加情報とを関連付けて保存する際、それらの情報に、当該検索を行った個人を特定する情報と該個人が属するグループを特定する情報とを関連付けて保存し、
ユーザが検索する際、当該ユーザ自身が過去に検索した検索情報を対象として検索するか、当該ユーザ自身が過去に検索した検索情報に加えて当該ユーザが属するグループのメンバが過去に検索した検索情報も対象として検索するか、さらに本システム全体を検索対象とするかを、選択する手段を、さらに備えることを特徴とする情報検索システム。
【請求項1】
ユーザが使用する情報機器に格納された情報だけでなく、ネットワークを介して通信可能な外部の情報機器に格納された情報を検索する情報検索システムであって、
前記ユーザが使用する情報機器内部に格納されている情報を検索するための内部検索エンジンと、
前記ネットワークを介して通信可能な外部の情報機器に格納された情報を検索する外部検索エンジンと、
検索条件を入力する手段と、
入力された検索条件で前記検索エンジンによる検索を実行し、その検索結果を取得する手段と、
前記検索に関して、ユーザが任意に追加する追加情報を入力する手段と、
前記検索条件と検索結果とユーザが入力した追加情報とを関連付けて保存する手段と、
保存した検索条件と検索結果と追加情報を編集する手段と
を備え、
前記検索エンジンにより前記保存された検索条件と検索結果と追加情報を再検索可能としたことを特徴とする情報検索システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報検索システムにおいて、
前記検索結果を保存する手段は、検索エンジンから返された検索結果のうち、ユーザにより指定された範囲を保存するものであることを特徴とする情報検索システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報検索システムにおいて、
前記検索結果を保存する手段として、前記ユーザが使用する情報機器に接続された記憶手段または外部の情報機器に接続された記憶手段を選択する手段を、さらに備えることを特徴とする情報検索システム。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つに記載の情報検索システムにおいて、
前記保存した情報のうち、ユーザが追加した追加情報に限って検索対象とするか、該追加情報以外を検索対象とするか、その両方を検索対象とするかを、選択する手段を、さらに備えることを特徴とする情報検索システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つに記載の情報検索システムにおいて、
前記検索条件とその検索結果とユーザが入力した追加情報とを関連付けて保存する際、それらの情報に、当該検索を行った個人を特定する情報と該個人が属するグループを特定する情報とを関連付けて保存し、
ユーザが検索する際、当該ユーザ自身が過去に検索した検索情報を対象として検索するか、当該ユーザ自身が過去に検索した検索情報に加えて当該ユーザが属するグループのメンバが過去に検索した検索情報も対象として検索するか、さらに本システム全体を検索対象とするかを、選択する手段を、さらに備えることを特徴とする情報検索システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
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【図6】
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【図11】
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【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−8613(P2012−8613A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−141198(P2010−141198)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】
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