説明

情報検索装置およびリスト表示方法

【課題】コラボレーションしているアーティストや冠詞が付くアーティストなどをアーティスト一覧の中から効率的に探すことが可能な「情報検索装置およびリスト表示方法」を提供する。
【解決手段】コラボレーションを表す所定のコラボ文字が含まれているアーティスト名が、当該アーティスト名に含まれる少なくとも2種類の文字(コラボ文字を挟んで前後に表記されている複数のアーティストの文字列)に従って一覧中の少なくとも2箇所に含まれるように、アーティスト一覧を生成して表示することにより、昇順のアーティスト一覧において異なる位置に二重表示された同じコラボレーション名を利用して、コラボレーション名の先に表記されるアーティスト名からでも後に表記されるアーティスト名からでも所望のコラボレーション名を効率的に探すことができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報検索装置およびリスト表示方法に関し、特に、アーティスト名をその文字列に従って昇順または降順にリスト化して表示するようにした情報検索装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体メモリやハードディスクなどの記録媒体について、小型化・大容量化が進んでいる。そして、このような小型・大容量の記録媒体を搭載した携帯型のオーディオ装置が広く提供されている。この種の携帯型オーディオ装置によれば、多数曲のオーディオデータを記録媒体に録音することにより、多数曲の中から所望の楽曲を選択して再生することができる。
【0003】
また、携帯型オーディオ装置を車載用オーディオ装置にケーブルで接続して携帯型オーディオ装置から車載用オーディオ装置に情報を送信したり、携帯型オーディオ装置にFMトランスミッタを装着して車載用オーディオ装置のFM受信部へ情報を無線で送信したりすることにより、車載用オーディオ装置の表示画面で所望の楽曲を検索して再生し、車載用オーディオ装置に備えられたスピーカから楽曲の音声を出力することも可能となっている。
【0004】
例えば、録音されている楽曲データの楽曲リストを他の装置に送信する構成とすることにより、他の装置で楽曲データの検索を行うことができるようにしたオーディオ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、楽曲リストとして楽曲データの曲名、アーティスト名、アルバム名またはファイル名等の識別名称の一覧を作成し、識別名称を昇順またはは降順に並べる構成とすることにより、複数の楽曲リストから検索を行う場合に、検索を高速化することができるようにしている。
【特許文献1】特開特開2007−58947号公報
【0005】
一般に、所望の楽曲を選択する際には、録音されている楽曲のリストを表示画面に表示し、操作子の操作によりリストを順次スクロールさせていくことによって、所望の楽曲を検索する。ところが、記録媒体に録音される曲数が多くなると、その中からリストのスクロールによって所望の楽曲を探し出すのが大変になる。そこで、例えばアーティストやアルバム等のリスト中から何れかのリストを指定して絞り込み検索を行う方法が存在する。
【0006】
例えば、アーティストでの絞り込み検索を選択すると、表示画面上にアーティスト名の一覧が表示される。ユーザはスクロール操作をすることで、アーティスト一覧の中から希望のアーティストを選択し、決定操作を行う。これにより、選択されたアーティストに該当する楽曲またはアルバムの一覧が表示画面上に表示されることになる。ユーザはさらにスクロール操作を行って、楽曲一覧またはアルバム一覧の中から希望する楽曲またはアルバムを検索し、決定する。
【0007】
通常、アーティスト一覧は、日本名であれば五十音順、英名であればアルファベット順に表示される。そのため、例えば複数のアーティストがコラボレーションしている場合、コラボレーション名は、その先頭にくるアーティストの頭文字に従って昇順のリスト中に並べられる。例えば、頭文字が“m”で始まるアーティスト(例えば、“m−flo”と他のアーティストとのコラボレーション名において、“m−flo”の名称が先に表記されるならば、図8に示すように、そのコラボレーション名はアーティスト一覧の中で“m”の位置にて昇順に並べられる。
【0008】
このため、ユーザは一覧表示をスクロールして所望のコラボレーション名を探すときに、そのコラボレーション名を必ず先頭のアーティスト名(この場合は“m−flo”)から探さなければならない。これにより、コラボレーションの一方のアーティストが“m−flo”と分かっていれば探すことができるが、他方のアーティストしか思い出せないような場合には、そのコラボレーション名をリスト中から効率的に探し出すことができないという問題があった。
【0009】
また、一般的にコラボレーション名は文字数が多く、表示したときの長さが長くなる傾向にある。そのため、表示サイズの小さいディスプレイを使っているオーディオ装置では、図9のように、コラボレーション名を全て画面上に表示し切れないことがある。この場合には、ユーザがコラボレーション名の全体を正確に覚えていても、画面上でコラボレーション名を区別することができず(図9の上から2つ目と3つ目は同じに見えてしまう)、所望のコラボレーション名を探し出すことができないという問題があった。
【0010】
また、例えば“The beatles”のように先頭に冠詞が付くアーティスト名の場合は、そのアーティスト名はは冠詞の頭文字に従って昇順のリスト中に並べられる。すなわち、“The beatles”は、アーティスト一覧の中で名称が“t”で始まるアーティスト群の位置に並べられる。このため、そのアーティスト名に“The”などの冠詞が付くことを知らないユーザは、その冠詞付きのアーティスト名をリスト中から効率的に探し出すことができないという問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、コラボレーションしているアーティストや名称の先頭に冠詞が付くアーティストなどをアーティスト一覧の中から効率的に探し出せるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した課題を解決するために、本発明では、所定の文字が含まれているアーティスト名が、当該アーティスト名に含まれる少なくとも2種類の文字に従って一覧中の少なくとも2箇所に含まれるように、アーティスト一覧を生成して表示するようにしている。例えば、複数のアーティストのコラボレーションであることを表す所定の文字を挟んで前後に表記されている複数のアーティストの文字列に従って、文字順の一覧中において複数のアーティストの文字列に該当する箇所にそれぞれコラボレーションを表すアーティスト名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。本発明の他の態様では、冠詞およびその後に表記されている名称の文字列に従って、文字順の一覧中において冠詞およびその後の名称の文字列に該当する箇所にそれぞれ冠詞付きのアーティスト名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成した本発明によれば、例えば複数のアーティスト構成によるコラボレーション名であれば、文字順のアーティスト一覧の中で当該コラボレーション名が、所定の文字を挟んで前後に表記されている複数のアーティストの文字列に該当する箇所にそれぞれ表示されるようになる。これにより、文字順のアーティスト一覧において異なる位置に表示された同じコラボレーション名を利用して、コラボレーション名の何番目に表記されるアーティスト名からでも所望のコラボレーションを効率的に探すことができる。
【0014】
また、冠詞付きのアーティスト名であれば、文字順のアーティスト一覧の中で当該冠詞付きのアーティスト名が、冠詞およびその後に表記されている名称の文字列に該当する箇所にそれぞれ表示されるようになる。これにより、文字順のアーティスト一覧において異なる位置に表示された同じアーティスト名を利用して、冠詞を含めたアーティスト名からでも冠詞抜きのアーティスト名からでも所望のアーティストを効率的に探すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明による第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による情報検索装置10の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態の情報検索装置10は、ハードディスク1(以下、HD1と記す。)、操作部2、表示装置3およびコントローラ4を備えて構成されている。
【0016】
HD1は、多数の楽曲の音楽データを記憶している。各音楽データには、曲名、ジャンル名、アルバム名、アーティスト名などのデータが属性情報として付加されている。このHD1は、検索対象とするアーティスト名の情報を記憶するアーティスト情報記憶部に相当する。
【0017】
操作部2は、ユーザが情報検索装置10に対して各種の情報を設定したり、各種の操作を行ったりするためのものである。例えば、この操作部2は、曲名やアーティスト名などのリストをスクロールするための操作子を備えている。この操作子は、アップ/ダウンキーであっても良いし、ジョグダイヤル、ロータリエンコーダなどであっても良い。また、操作部2は、表示装置3に表示されたアップ/ダウンボタン等のGUI(Graphical User Interface)を操作するマウス等のポインティングデバイスであっても良い。
【0018】
表示装置3は、例えば液晶パネルにより構成されている。この表示装置3には、再生中の楽曲の曲名、アーティスト名、アルバム名、演奏時間などが表示される。また、HD1に記憶されている複数の楽曲の中からユーザが所望の楽曲を探したいときに、複数の楽曲名のリストが表示装置3に表示される。その検索の際に、ユーザがアーティストでの絞り込み検索を選択すると、楽曲一覧が表示される前に、アーティスト名の一覧が表示装置3に表示される。このアーティスト一覧を操作部2の操作によりスクロールしていくことにより、所望のアーティストを探して選択することができる。
【0019】
コントローラ4は、例えば、CPU、ROMおよびRAMから成るマイクロコンピュータにより構成されている。ROMには、情報検索装置10を制御するための各種プログラムが記憶されている。CPUは、ROMに記憶されている各種プログラムに従って、RAMをワークメモリとして使用しながら各種の制御を実行する。このコントローラ4が持つ機能を、図1に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1では、コントローラ4の機能構成を示している。すなわち、図1に示すように、コントローラ4は、その機能構成として、アーティスト情報取得部11、文字判定部12、一覧生成部13、リスト表示部14、操作状態検出部15および割当機能実行制御部16を備えている。
【0021】
アーティスト情報取得部11は、HD1(アーティスト情報記憶部)に記憶されているアーティスト名の情報を読み出して取得する。文字判定部12は、アーティスト情報取得部11によりHD1から読み出されたアーティスト名の中に、所定の文字が含まれているかどうかを判定する。本実施形態では、文字列判定部12は、アーティスト名の中に、複数のアーティストのコラボレーションであることを表す所定の文字が含まれているかどうかを判定する。
【0022】
ここで、コラボレーションであることを表す所定の文字(以下、コラボ文字と称する)としては、“&”、“featuring”、“Loves”、“with”、“+”、“VS”、“★”などが考えられる。文字判定部12は、これらのコラボ文字の少なくとも何れか1つがアーティスト名の中に含まれているかどうかを判定する。
【0023】
一覧生成部13は、文字判定部12によりコラボ文字が含まれていると判断されたアーティスト名が、当該アーティスト名に含まれる少なくとも2種類の文字に従って一覧中の少なくとも2箇所に含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。具体的には、コラボ文字を挟んで前後に表記されている複数のアーティストの文字列に従って、昇順または降順(五十音順またはアルファベット順)の一覧中において当該複数のアーティストの文字列に該当する箇所にそれぞれコラボレーション名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。
【0024】
例えば、“m−flo”と“BENNIE K”とのコラボレーションとして“m−flo Loves BENNIE K”というアーティスト名(コラボレーション名)が存在する場合を想定する。この場合、一覧生成部13は、“Loves”というコラボ文字を挟んで前後に表記されている二人のアーティストの文字列に従って、アルファベットの昇順の一覧中において名称が“b”および“m”で始まるアーティスト群の2箇所にそれぞれ“m−flo Loves BENNIE K”というコラボレーション名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。
【0025】
リスト表示部14は、一覧生成部13により生成されたアーティスト一覧を表示装置3にリスト表示する制御を行う。その際にリスト表示部14は、コラボ文字の後側に表記されているアーティストの文字列に従ってアーティスト一覧の該当する箇所に並べられるコラボレーション名については、他のアーティスト名と識別可能なようにリスト表示する。
【0026】
図2は、リスト表示部14によって表示装置3に表示されるアーティスト一覧の例を示す図である。図2に示すように、例えば“m−flo Loves BENNIE K”というコラボレーション名は、アルファベットの昇順のアーティスト一覧中において、“b”の頭文字で始まるアーティスト群の位置と、“m”の頭文字で始まるアーティスト群の位置との2箇所にそれぞれ表示される。
【0027】
この場合、“b”の頭文字で始まるアーティスト群の位置に表示されるコラボレーション名は、本来の昇順の位置に表示されるものではないため、そのことをユーザが明示的に認識できるように、アーティスト名の先頭に“※”のマークを付している。なお、アーティスト名の先頭に付すマークは“※”に限定されない。また、マークを付すことにより識別力を持たせる代わりに、文字の装飾(フォント、色、サイズなど)を他のアーティスト名と異ならせるようにしても良い。また、アーティスト名を点滅表示したり、網掛け表示したりするようにしても良い。
【0028】
なお、図2の例では、“b”の頭文字で始まる“BENNIE K”のリスト中での表示位置において、“m−flo”とのコラボレーション名である“m−flo Loves BENNIE K”の他に、ソロのアーティスト名である“m−flo”も表示している。すなわち、本実施形態では、一方のアーティストのリスト中での昇順の表示位置に、当該一方のアーティストとコラボレーションの関係にあるもう一方のアーティストの名称も関連付けて表示している。ただし、この表示は必須ではない。
【0029】
図1において、操作状態検出部15は、操作部2の操作状態を検出するものである。例えば、操作状態検出部15は、操作部2によりリストをスクロールアップする操作、スクロールダウンする操作、リスト中のアーティストあるいは楽曲を選択する操作などが行われたか否かを検出する。操作状態検出部15は、これらの操作が行われたことを検出すると、そのことを割当機能実行制御部16に通知する。
【0030】
割当機能実行制御部16は、操作状態検出部15により検出された操作部2の操作状態に対してあらかじめ割り当てられている機能の実行を制御する。例えば、操作状態検出部15によりリストのスクロールアップ操作やスクロールダウン操作が検出されたときは、割当機能実行制御部16は、リスト表示部14を制御して、表示装置3に表示されるリストのスクロールアップ処理またはスクロールダウン処理を実行する。
【0031】
また、所望のアーティスト名を選択する操作が操作状態検出部15により検出されたときは、割当機能実行制御部16は、選択されたアーティストに属するアルバムの一覧または楽曲の一覧を生成するように一覧生成部13に指示を出す。これに応じて一覧生成部13は、選択されたアーティストのアルバムリストまたは楽曲リスト生成し、リスト表示部14に供給する。アルバムリストまたは楽曲リストを生成する際には、音楽データに属性情報として付属しているアルバム名または曲名を使用する。そして、一覧生成部13により生成されたアルバムリストまたは楽曲リストがリスト表示部14によって表示装置3に表示される。
【0032】
また、楽曲リストの中から所望の楽曲を選択する操作が操作状態検出部15により検出されたときは、割当機能実行制御部16は、選択された楽曲を再生するように図示しない再生制御部に指示を出す。これに応じて再生制御部は、選択された楽曲の音楽データをHD1から読み出して再生する。これにより、再生された楽曲が図示しないスピーカから出力される。
【0033】
ところで、昇順のアーティスト一覧中において2箇所に表示されたコラボレーション名のそれぞれに対して、当該コラボレーション名が選択された場合に実行する機能として同じ機能が割り当てられている。すなわち、上述した“m−flo Loves BENNIE K”の例で、アーティスト一覧中において“b”の頭文字で始まるアーティスト群の位置に表示されたコラボレーション名と、“m”の頭文字で始まるアーティスト群の位置に表示されたコラボレーション名との何れが選択された場合も、当該コラボレーションのアルバムリストまたは楽曲リストを表示装置3に表示するという処理が割当機能実行制御部16により行われる。
【0034】
次に、上記のように構成した本実施形態による情報検索装置10の動作を説明する。図3は、情報検索装置10の動作例を示すフローチャートである。図3において、操作状態検出部15は、操作部2の操作によってアーティスト一覧の表示が指示されたか否かを判定する(ステップS1)。アーティスト一覧の表示が指示されたと操作状態検出部15にて判断されると、アーティスト情報取得部11は、HD1からアーティスト名の情報を読み出して取得する(ステップS2)。
【0035】
そして、文字判定部12は、アーティスト情報取得部11によりHD1から読み出されたアーティスト名を1つ1つ見ていき、所定のコラボ文字が含まれているアーティスト名が存在するかどうかを判定する(ステップS3)。ここで、コラボ文字を含むアーティスト名が1つ以上存在すると文字判定部12にて判断された場合、一覧生成部13は、当該コラボ文字を含んでいるアーティスト名(コラボレーション名)が昇順の一覧中において少なくとも複数箇所に含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する(ステップS4)。
【0036】
一方、コラボ文字を含むアーティスト名が1つも存在しないと文字判定部12にて判断された場合、一覧生成部13は、通常の昇順のアーティスト一覧を生成する(ステップS5)。そして、リスト表示部14は、ステップS4またはステップS5で生成されたアーティスト一覧を表示装置3にリスト表示する(ステップS6)。
【0037】
続いて、操作状態検出部15は、アーティスト一覧の中から所望のアーティストを選択する操作が操作部2にて行われたか否かを判定する(ステップS7)。ここで、アーティストの選択操作が行われたことが操作状態検出部15にて検出されると、割当機能実行制御部16は、その選択操作に対してあらかじめ割り当てられている機能を実行する(ステップS8)。例えば、割当機能実行制御部16は、選択されたアーティストに属する楽曲の一覧を生成するように一覧生成部13に指示を出す。
【0038】
これに応じて一覧生成部13は、選択されたアーティストの楽曲リスト生成して、これをリスト表示部14に供給する。これにより、一覧生成部13により生成された楽曲リストがリスト表示部14によって表示装置3に表示される。さらに、この楽曲リストの中から所望の楽曲を選択する操作が行われると、割当機能実行制御部16の制御により、選択された楽曲が再生される。
【0039】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態によれば、所定のコラボ文字が含まれているコラボレーション名については、昇順のアーティスト一覧の中で、コラボレーションを構成している各アーティストの文字列に該当する複数の箇所にそれぞれ表示されるので、昇順のアーティスト一覧において異なる位置に表示される同じコラボレーション名を利用して、コラボレーション名の何番目に表記されるアーティスト名からでも所望のコラボレーション名を効率的に探すことができる。これにより、コラボレーションしているアーティストについて、ユーザが全体のコラボレーション名を正確に覚えていなくても、アーティスト一覧の中から所望のコラボレーション名を容易に探し出すことができるようになる。
【0040】
また、仮に表示装置3の表示サイズが小さくてコラボレーション名の全体を画面上に表示し切れない場合であっても、アーティスト一覧の中で2箇所に二重表示されたコラボレーション名の何れかから所望のコラボレーション名を判別することができる。すなわち、図4に示すように、アーティスト一覧中において“b”の頭文字で始まるアーティスト群の位置に表示された“m−flo Loves BENNIE K”のコラボレーション名が途中までしか表示されていなくても、ユーザは“m−flo”と“BENNIE K”とのコラボレーションであることを表示内容から容易に判別することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明による第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図5は、第2の実施形態による情報検索装置20の構成例を示す図である。なお、この図5において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。図5に示すように、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なる機能の文字判定部22および一覧生成部23を備えている。
【0042】
文字判定部22は、アーティスト情報取得部11によりHD1から読み出されたアーティスト名の中に、冠詞を表す所定の文字が先頭に含まれているかどうかを判定する。例えば、文字判定部22は、“The”、“A”、“An”の少なくとも何れか1つがアーティスト名の中に含まれているかどうかを判定する。
【0043】
一覧生成部23は、冠詞およびその後に表記されている名称の文字列に従って、昇順(五十音順またはアルファベット順)の一覧中において当該冠詞およびその後の名称の文字列に該当する箇所にそれぞれ冠詞付きのアーティスト名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。
【0044】
例えば、“The beatles”というアーティスト名を想定する。この場合、一覧生成部23は、“The”という冠詞の文字列およびこの冠詞の後に続く“beatles”という名称の文字列に従って、アルファベットの昇順の一覧中において名称が“b”および“t”で始まるアーティスト群の2箇所にそれぞれ“The beatles”というアーティスト名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する。
【0045】
第2の実施形態においても第1の実施形態と同様に、昇順のアーティスト一覧中において複数の箇所に表示された冠詞付きのアーティスト名のそれぞれに対して、当該アーティスト名が選択された場合に実行する機能として同じ機能が割り当てられている。すなわち、アーティスト一覧中において“b”の頭文字で始まるアーティスト群の位置に表示された“The beatles”と、“t”の頭文字で始まるアーティスト群の位置に表示された“The beatles”との何れが選択された場合も、当該アーティストのアルバムリストまたは楽曲リストを表示装置3に表示するという処理が割当機能実行制御部16により行われる。
【0046】
リスト表示部14は、一覧生成部13により生成されたアーティスト一覧を表示装置3にリスト表示する制御を行う。その際にリスト表示部14は、冠詞の文字列に該当する箇所に並べられるアーティスト名については、他のアーティスト名と識別可能なようにリスト表示する。識別力を持たせるための表示態様は、第1の実施形態と同様である。
【0047】
図6は、リスト表示部14によって表示装置3に表示されるアーティスト一覧の例を示す図である。図6に示すように、例えば“The beatles”という冠詞付きのアーティスト名は、アルファベットの昇順のアーティスト一覧中において、“b”の頭文字で始まるアーティスト群の位置と、“t”の頭文字で始まるアーティスト群の位置との2箇所にそれぞれ表示される。
【0048】
次に、上記のように構成した本実施形態による情報検索装置20の動作を説明する。図7は、情報検索装置20の動作例を示すフローチャートである。図7において、操作状態検出部15は、操作部2の操作によってアーティスト一覧の表示が指示されたか否かを判定する(ステップS11)。アーティスト一覧の表示が指示されたと操作状態検出部15にて判断されると、アーティスト情報取得部11は、HD1からアーティスト名の情報を読み出して取得する(ステップS12)。
【0049】
そして、文字判定部22は、アーティスト情報取得部11によりHD1から読み出されたアーティスト名を1つ1つ見ていき、冠詞が含まれているアーティスト名が存在するかどうかを判定する(ステップS13)。ここで、冠詞を含むアーティスト名が1つ以上存在すると文字判定部22にて判断された場合、一覧生成部23は、当該冠詞を含んでいるアーティスト名が昇順の一覧中において2箇所に含まれるように構成したアーティスト一覧を生成する(ステップS14)。
【0050】
一方、冠詞を含むアーティスト名が1つも存在しないと文字判定部22にて判断された場合、一覧生成部23は、通常の昇順のアーティスト一覧を生成する(ステップS15)。そして、リスト表示部14は、ステップS14またはステップS15で生成されたアーティスト一覧を表示装置3にリスト表示する(ステップS16)。
【0051】
続いて、操作状態検出部15は、アーティスト一覧の中から所望のアーティストを選択する操作が操作部2にて行われたか否かを判定する(ステップS17)。ここで、アーティストの選択操作が行われたことが操作状態検出部15にて検出されると、割当機能実行制御部16は、その選択操作に対してあらかじめ割り当てられている機能を実行する(ステップS18)。例えば、割当機能実行制御部16は、選択されたアーティストに属する楽曲の一覧を生成するように一覧生成部23に指示を出す。
【0052】
これに応じて一覧生成部23は、選択されたアーティストの楽曲リスト生成して、これをリスト表示部14に供給する。これにより、一覧生成部23により生成された楽曲リストがリスト表示部14によって表示装置3に表示される。さらに、この楽曲リストの中から所望の楽曲を選択する操作が行われると、割当機能実行制御部16の制御により、選択された楽曲が再生される。
【0053】
以上詳しく説明したように、第2の実施形態によれば、冠詞が含まれているアーティスト名については、昇順のアーティスト一覧の中で、冠詞の文字列およびその後に続く名称の文字列に該当する複数の箇所にそれぞれ表示されるので、冠詞を含めたアーティスト名からでも冠詞抜きのアーティスト名からでも所望のアーティスト名を効率的に探すことができる。これにより、名称に冠詞が付いているアーティストについて、冠詞が付いていることをユーザが正確に覚えていなくても、アーティスト一覧の中から所望のアーティストを容易に探し出すことができるようになる。
【0054】
なお、上記第1および第2の実施形態では、情報検索装置10,20が備えるHD1にアーティストの情報が記憶されていて、この情報を利用してアーティスト一覧を生成するする例について説明したが、これに限定されない。例えば、内部のHDに音楽データおよびその属性情報(アーティスト情報を含む)を記憶した携帯型オーディオ装置と、本実施形態の情報検索装置10,20を備えた車載用オーディオ装置とをケーブルで接続する。そして、携帯型オーディオ装置から車載用オーディオ装置にアーティスト情報を送信して、車載用オーディオ装置内の情報検索装置10,20でアーティスト一覧を生成するようにしても良い。
【0055】
このようにすれば、コラボレーション名や冠詞付きアーティスト名の二重表示を行う機能が携帯型オーディオ装置にはなくても、携帯型オーディオ装置からアーティスト情報を取得した車載用オーディオ装置において、コラボレーション名や冠詞付きアーティスト名の二重表示をしたアーティスト一覧をユーザに提供することができる。
【0056】
その他、上記第1および第2の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】第1の実施形態による情報検索装置の構成例を示す図である。
【図2】第1の実施形態によるアーティスト一覧の表示例を示す図である。
【図3】第1の実施形態による情報検索装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態によるアーティスト一覧の他の表示例を示す図である。
【図5】第2の実施形態による情報検索装置の構成例を示す図である。
【図6】第2の実施形態によるアーティスト一覧の表示例を示す図である。
【図7】第2の実施形態による情報検索装置の動作例を示すフローチャートである。
【図8】従来のアーティスト一覧の表示例を示す図である。
【図9】従来のアーティスト一覧の他の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 HD(アーティスト情報記憶部)
2 操作部
3 表示装置
4 コントローラ
11 アーティスト情報取得部
12,22 文字判定部
13,23 一覧生成部
14 リスト表示部
15 操作状態検出部
16 割当機能実行制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象とするアーティスト名の情報を記憶するアーティスト情報記憶部と、
上記アーティスト情報記憶部に記憶されているアーティスト名の中に、所定の文字が含まれているかどうかを判定する文字判定部と、
上記文字判定部により上記所定の文字が含まれていると判定されたアーティスト名が、当該アーティスト名に含まれる少なくとも2種類の文字に従って一覧中の少なくとも2箇所に含まれるように、アーティスト一覧を生成する一覧生成部と、
上記一覧生成部により生成されたアーティスト一覧をリスト表示するリスト表示部とを備えたことを特徴とする情報検索装置。
【請求項2】
上記文字判定部は、上記アーティスト名の中に、複数のアーティストのコラボレーションであることを表す所定の文字が含まれているかどうかを判定し、
上記一覧生成部は、上記所定の文字を挟んで前後に表記されている複数のアーティストの文字列に従って、文字順の一覧中において上記複数のアーティストの文字列に該当する箇所にそれぞれ上記コラボレーションを表すアーティスト名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項3】
上記リスト表示部は、上記所定の文字の後側に表記されているアーティストの文字列に従って上記文字順の一覧中の該当する箇所に並べられる上記コラボレーションを表すアーティスト名を、他のアーティスト名と識別可能なようにリスト表示することを特徴とする請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項4】
上記所定の文字は、“&”、“featuring”、“Loves”、“with”、“+”、“VS”、“★”の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項5】
上記文字順の一覧中において複数の箇所に表示された上記コラボレーションを表すアーティスト名のそれぞれに対して、当該アーティスト名が選択された場合に実行する機能として同じ機能が割り当てられていることを特徴とする請求項2に記載の情報検索装置。
【請求項6】
上記文字判定部は、上記アーティスト名の中に、冠詞を表す所定の文字が先頭に含まれているかどうかを判定し、
上記一覧生成部は、上記冠詞およびその後に表記されている名称の文字列に従って、文字順の一覧中において上記冠詞およびその後の名称の文字列に該当する箇所にそれぞれ冠詞付きのアーティスト名が含まれるように構成したアーティスト一覧を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報検索装置。
【請求項7】
上記リスト表示部は、上記冠詞の文字列に従って上記文字順の一覧中の該当する箇所に並べられる上記冠し付きのアーティスト名を、他のアーティスト名と識別可能なようにリスト表示することを特徴とする請求項6に記載の情報検索装置。
【請求項8】
上記所定の文字は、“The”、“A”、“An”の少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項6に記載の情報検索装置。
【請求項9】
上記文字順の一覧中において複数の箇所に表示された上記冠詞付きのアーティスト名のそれぞれに対して、当該アーティスト名が選択された場合に実行する機能として同じ機能が割り当てられていることを特徴とする請求項6に記載の情報検索装置。
【請求項10】
アーティスト情報記憶部に情報として記憶されているアーティスト名の中に、所定の文字が含まれているかどうかを判定する第1のステップと、
上記第1のステップにより上記所定の文字が含まれていると判定されたアーティスト名が、当該アーティスト名に含まれる少なくとも2種類の文字に従って一覧中の少なくとも2箇所に含まれるように、アーティスト一覧を生成する第2のステップと、
上記第2のステップにより生成されたアーティスト一覧をリスト表示する第3のステップとを有することを特徴とするリスト表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−287316(P2008−287316A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128972(P2007−128972)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】