説明

情報機器ライフサイクル管理システム及びその管理方法、情報管理センタ、情報管理装置並びにその情報管理方法

【課題】情報機器が交換される場合、管理データに基づき自動的にインストール設定ができ、利用者が利用する情報機器へのソフトウェアのインストール作業の効率化が図れ、機器への個別の設定、インストールを正確に実施することができる情報機器ライフサイクル管理システム及びその方法などを提供することにある。
【解決手段】利用者の情報機器の機器特定情報と利用者の利用者番号を関連付けして情報管理センタにて保管、管理する構成としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アプリケーションを含む複数のソフトウェアをインストールして使用する情報機器、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン)、携帯端末、携帯電話などを管理する情報機器ライフサイクル管理システム及びその管理方法、情報管理センタ、情報管理装置並びにその情報管理方法に関する。
【0002】
更に詳しくは情報機器を新しい機器に変更し、変更前に使用していたソフトウェアを継続して使用したい場合、そのソフトウェアを利用者(ユーザ)に代わって管理し、そのインストールなどを容易に実行することが可能な情報機器ライフサイクル管理システム及び方法、並びに情報管理センタに関する。
【背景技術】
【0003】
情報機器を新規に購入した場合や希望するサービス、機能などを追加利用する場合、そのサービス、機能に必要なソフトウェアのインストールや機器個別に割り振られた情報(設定情報)、例えば認証情報、サービス区分情報などを、利用開始前に利用者がすべて手作業若しくは、一部を効率化した設定ソフトウェアを用いて情報機器に設定する必要がある。
【0004】
一般的には、例えばパソコンなどの情報機器を購入したあと、そのマニュアルなどを基に、利用者が個別に設定作業やソフトウェアのインストール作業を実施する必要がある。
【0005】
しかし、それらの設定やインストール作業は、誰しもが容易に実施できるものではなく、一般的には、情報機器を使用目的に応じて利用可能な状態にするまで、IT部署などの指示に従って利用者が操作する、或いは外部の専門業者によるソフトウェアのインストールや設定情報の設定などの出張サービスを利用者が依頼する、必要があった。
【0006】
また、その後、順次ソフトウェアを追加インストールした情報機器を、新しい情報機器に取り替えるまでの、情報機器のライフサイクルにおいて、以下のような課題があった。
【0007】
(1)利用開始時における利用したいソフトウェア、サービスの導入
利用者は、情報機器によるサービスや機能を利用したいと考えたとき、情報機器の購入やリースを申請・契約するが、その後、各自が実施する作業内容を利用者が理解できない場合、情報機器が使えない状態のままになる。また、利用者が今まで利用していたソフトウェアなどを継続して使用したい場合、各自が実施する更新手続き内容を利用者が理解することは容易でなく、結局ソフトウェアを継続して使えない状態になり兼ねない。
【0008】
(2)機器故障時における故障前の状態への容易な復旧
情報機器が故障したとき、利用者が利用開始以降に追加したサービス、機能などについて把握できていない場合が多く、或いは忘れてしまった場合、故障前に戻すことは困難である。IT部署や外部の専門業者の協力を得るにしても故障前の状態に戻すことは容易でない。その理由は、履歴調査などを実施すること、追加、削除分のインストール情報や設定情報を把握すること、が困難であることに起因する。
【0009】
(3)機種変更時における利用ソフトウェア、サービスの継続した形での変更
機種変更(情報機器更新)を実施する場合は、履歴調査などを実施し、追加、削除分のインストール情報や設定情報を把握した上で、ライセンス、保守の停止や廃棄機器からのソフトウェアの削除、格納してあるデータの消去など情報漏洩対策を利用者が意識して講じる必要があった。その上で、新機種用のソフトウェアのインストール、サービス契約変更の作業が発生する。
【0010】
すなわち、現状にあっては、例えばPC等の情報機器の購入後、前述したように利用者自身が、設定作業やソフトウェアのインストール作業や専門のIT部署の指示或いは外部の専門業者による設定・インストール出張サービス依頼を行う必要があった。
【0011】
作業の効率化、ミス低減のために、初期出荷時に多量の機器に対して、同一の手順で設定する作業をシステムとして実施したものがある。例えば、従来技術として利用者側のコンピュータからセンタ側にネットワークを介して通信接続し、センタからコンピュータに対して、コンピュータのネットワーク通信機能を設定(初期設定)する遠隔設定方法が提案されている。(特許文献1参照)
【0012】
しかし、従来技術は、利用者に代わって、センタ側が、予め決められたソフトウェアのインストール、設定作業を代行する方法に過ぎず、追加、削除などの履歴管理、特に上記課題の(3)については考慮されていない。
従って、例えば、利用者側が、初期から利用していたソフトウェア、追加したソフトウェア、或いはネット接続などに必要な設定項目などを忘れた場合に対応することはできない、という問題が生じる。
また、従来技術として、例えば、プログラムがバージョンアップされたとき、該バージョンアッププログラムをネットワークからダウンロード可能とし、適用するシステム(例えばJava(登録商標))があるが、これはあくまでバージョンアップに限られ、利用者が必要とする新たなソフトウェアや設定情報まで考慮されていない。(特許文献2参照)
また、従来技術として、例えば、コンピュータを貸し出す時に、必要なソフトウェアの動作できる性能をチェックする、或いは、ハードウェアの耐用年数が貸し出し期間より長いことを確認するシステムがあるが、これはあくまで、貸し出し時の要件チェックに限られ、利用者が利用中にインストール・アンインストールしたソフトウェアや、サービスの利用・終了の履歴は、考慮されていない。(特許文献3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平11―338805号公報
【特許文献2】特開2011―14094号公報
【特許文献3】特開2010―225052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、係る現状における課題に鑑みなされたものであり、利用者が情報機器の使用開始にあたって利用を始めたソフトウェアやサービス、機能、及び使用中に追加したソフトウェアやサービス、機能を履歴情報として管理し、該管理した情報に基づいて、さらにソフトウェアやサービス、機能を追加する場合や、情報機器の機種を変更する場合に、利用者に代わって自動的に設定やインストールなどを可能とするものである。
【0015】
すなわち、本発明の目的は、データ及び利用するソフトウェアやサービス、機能という利用環境の保存性を保ちながら、機器の利用、返却を柔軟にできる情報機器ライフサイクル管理システム及びその管理方法、情報管理センタ、情報管理装置並びに情報管理センタを提供することにある。
【0016】
また、本発明の目的は、個別の設定、インストールに関する情報を、関係者以外、例えば情報管理センタと利用者以外の作業員等にも開示することなく、設定、インストールができ、情報漏洩を防止することが可能な情報機器ライフサイクル管理システム及びその管理方法、情報管理センタ、情報管理装置並びに情報管理センタを提供することにある。
【0017】
また、本発明の目的は、機器への個別の設定、インストールを正確に実施することができる情報機器ライフサイクル管理システム及びその管理方法、情報管理センタ、情報管理装置並びに情報管理センタを提供することにある。
【0018】
また、本発明の目的は、例えば情報機器が交換される場合、管理データに基づき自動的にインストール設定ができ、利用者が利用する情報機器へのソフトウェアのインストール作業の効率化が図れ、機器への個別の設定、インストールを正確に実施することができる情報機器ライフサイクル管理システム及びその管理方法、情報管理センタ、情報管理装置並びに情報管理センタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明では、利用者の使用する情報機器の機器特定情報と利用者の利用者番号を関連付けして情報管理センタにて保管、管理する構成としたものである。
【0020】
例えば、具体的には、情報管理センタが、機器ベンダより、機器固有情報(MACアドレスや製造番号など)の提供を受け、機器特定情報として登録し、機器自身が持っている機器固有情報を用いて機器を特定し、利用者は、利用したいサービス、機能を選択して情報管理センタに申請し、情報管理センタが、申請に基づき、利用者が利用したいサービス、機能に適した設定及びソフトウェアを選択して機器に対応付けし、機器ベンダが、利用者が機器を使用する場所に機器を出荷し、設置した後に、利用者が、機器をネットワークに接続することにより、情報管理センタと連携し、前記機器特定情報を基に、個別の設定、インストールを実施するシステム構成、方法、情報管理センタとしたものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、必要なサービス、機能を利用可能な機器を必要な時に利用、返却することにより、従来技術による機器購入と運用維持に比べ少ない機器で利用者の需要を満たすことができるため、機器維持コストが削減できる。
【0022】
また、設定、インストールを第三者の作業者に依頼することで発生する情報漏洩リスクを低減できる。
【0023】
また、設定、インストールに関する利用者の教育、作業などの減少により、利用開始までにかかる初期コスト削減が図れる。
【0024】
利用者が情報機器を購入するに際して、予め必要とするソフトウェアや設定情報を事前に申請しておけば、利用者が情報機器をネットワーク、例えばインターネット、社内ネットワークなどに接続し、かつ機器特定情報を基に、個別の設定、インストールがされた情報機器の例えば利用者番号(情報機器を受領したことを兼ねたものとしても良い)を入力することにより、情報管理センタと連携して利用者が必要とするソフトウェアや設定情報を利用者の情報機器に自動的にインストール、設定し、利用者の事前申請どおりの利用が可能となる。これは、例えばサービス、機能の追加やリプレースによるハードウェア交換時にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の情報機器ライフサイクル管理システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、図1のシステムを構成するベンダ側装置と利用者側装置と情報管理センタ装置との関係を示すブロック図である。
【図3】図3は、図2のベンダ側装置、利用者側装置と情報管理センタ装置の一構成例を示す機能ブロック図である。
【図4】図4は、利用者端末の機能部と登録受付サーバの利用者機器制御部により制御される利用者に関連する各機能部間の処理を説明するフローチャートである。
【図5】図5は、情報管理データベースの申請関連テーブル、設定値テーブル、ソフト・サービステーブル、ハードウェアテーブル、マスタテーブルの各情報を示す図である。
【図6】図6は、新規利用開始する場合における機器設定情報やソフトウェアなどの情報管理データベースへの登録及び利用者側の機器に機器設定情報やソフトウェアなどを自動インストールする流れを模式的に示した図である(実施例1)。
【図7】図7は、自動インストールが完了したときの情報管理データベースの管理・設定データのレコードを示す図である。
【図8】図8は、図6の利用者の申請から利用者側の機器に設定情報やソフトウェアを自動インストールして利用可能とするまでの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、そのときの情報管理データベースの管理・設定データのレコードの変遷を示す図である。
【図10】図10は、サービスや機能を追加する場合における機器設定情報やソフトウェアなどの情報管理データベースへの登録及び利用者側の機器に機器設定情報やソフトウェアなどを自動インストールする流れを模式的に示した図である(実施例2)。
【図11】図11は、追加前後の情報管理データベースの管理・設定データのレコードの変化を示す図である。
【図12】図12は、図8のサービスや機能を追加する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、そのときの情報管理データベースの管理・設定データのレコードの変遷を示す図である。
【図14】図14は、不良発生時、もしくはリプレースによるハードウェア交換の流れを模式的に示した図である(実施例3)。
【図15】図15は、そのときの情報管理データベースの管理・設定データのレコードの変化を示す図である。
【図16】図16は、図10の不良時、もしくはリプレースによるハードウェア交換する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】図17は、そのときの情報管理データベースの管理・設定データのレコードの変遷を示す図である。
【図18】図18は、図17につづき、そのときの情報管理データベースの管理・設定データのレコードの変遷を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明においては、利用者は、情報機器を購入するとき、該機器で利用したいサービス、機能などをサービスを提供する側である情報管理センタに申請する。この申請を受けた情報管理センタは、その申請の情報(内容)に基づき必要なソフトウェアや設定情報を情報機器(機器ベンダなどが利用者側に提供する機器)に関連付け(括り付け)した上で利用者側の情報機器へ送付する。該機器を受け取った利用者側は、該機器をネットワーク(インターネット、社内ネットワークなど)に接続し、情報管理センタから必要とする設定情報及びソフトウェアを取得し、該取得した設定情報やソフトウェアを情報機器にインストールし、利用者が申請したサービスや機能を情報機器で利用できるようにする。
【0027】
以下、その実施例について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例を示すシステム構成図である。
【0028】
同図において、1は機器ベンダ、ソフトベンダやリース会社側(以下、ベンダ側と称する)を示し、該ベンダ側は、設定対象の情報機器11などを、外出先、自宅、オフィス等の利用者側(以下利用者側2と称する)に提供するものである。ベンダ側から利用者側への情報機器の提供は、例えば、配送車や郵送(機器送付ルート(5))により行なう。
【0029】
またベンダ側1は、該情報機器11に関する機器特定情報1111、例えば機器特定ID、機器型式、製造番号などの情報を、ネットワーク4(機器特定情報登録ルート(1))を介して後述する情報管理センタ3に送信する。これらの情報は、後述する情報管理データベース314の機器テーブル31417(図5参照)に登録し、記録される。
【0030】
従って、情報機器11を利用者側2に提供(配送、設置)するベンダ側1には、その機器固有の機器特定情報1111を、ネットワーク4(機器特定情報登録ルート(1))を介して情報管理センタ3に送信する機能を有する装置を備えている。この機能については後述する。
【0031】
情報機器11は、例えばパーソナルコンピュータ(パソコン;以下PCと称する)、携帯端末、携帯電話などの利用者端末であり、機器特定情報1111には、上記情報以外にMACアドレス、シリアル番号などが利用できる。携帯電話の場合は、電話番号や、SIM番号を機器特定情報として利用しても良い。
【0032】
クラウドのようなサービスを受ける場合、情報機器11には、認証情報またはサービス区分情報などが個別に割り振られる。このときの前記情報機器の利用者を特定する情報が、利用者番号、または電話番号であり、前記機器特定情報が、MACアドレスまたはシリアル番号である。
【0033】
また、情報機器11は、情報管理センタ3からの設定情報、ソフトウェアなどを、ネットワーク4(ソフトウェア配布・設定情報送付ルート(8))を介して受信する機能を有している。
【0034】
利用者側2において、新規な情報機器の利用、或いは既存の情報機器に対する新たなサービス、機能の追加を希望する場合、利用申請書2111を情報管理センタ3に送付することにより申請する。利用申請書2111は、利用者が利用したい機能を選択するものであり、その内容は、例えば、図6に示す如く、1)利用したい機能、例えば、文書作成、金銭管理、電子メール、書簡閲覧、絵画、音楽鑑賞、ビデオ鑑賞、ビデオ編集、データ保管など、及び2)既存サービス利用番号などである。これらの情報は後述する情報管理データベース314の申請関連テーブル31413と31414(図5参照)に登録、記録される。
【0035】
この利用申請書2111による申請は、紙、ICカード、WEBなどにより行う。WEBの場合には、利用者側2にある利用者端末(新規な情報機器の利用の場合は設定対象の情報機器11とは別の利用者端末)からネットワーク4(利用申請送付ルート(2))を介して行われる。利用申請書受付け処理後に情報管理センタ3から送付される申請控えには、利用者番号(情報管理センタ3で採番され、情報管理データベース314の利用者テーブル31412に登録)が含まれている。また、WEBの場合には、この申請控えもネットワーク4(申請控え送付ルート(4))を介して利用者側2にある利用者端末にて受けることができる。
【0036】
利用者側2には、ベンダ側から提供される情報機器11が送付され、設置される(機器受領(6))。利用者側2では、設置された情報機器に所定の設定を行い、ネットワーク4に接続して情報管理センタ3との送受信を可能にする。
利用者側2は、情報機器11を通じて、該機器固有の機器特定情報1111(MACアドレス、シリアル番号など)とともに、上記申請控えに含まれている利用者番号を、ネットワーク4(機器特定情報通知ルート(7))を介して情報管理センタ3に送付する。情報管理センタ3は、機器特定情報及び利用者番号の送付を受け、機器を特定し、利用者を認証した後に、ネットワーク4(ソフトウェア配布・設定情報送付ルート(8))を介して、利用者側2にソフトウェア及び設定情報を送付する。
【0037】
従って、設定対象の情報機器11には、ネットワーク4(機器特定情報通知ルート(7))を介して機器特定情報1111及び利用者番号を送信し、またネットワーク4(ソフトウェア配布、設定情報送付ルート(8))を介してソフトウェア及び設定情報を受信する送受信機能を有した機能部を備えている。その機能部の動作は図4を参照して後述する。
【0038】
情報機器11の利用を終了(利用開始(9)から利用終了(10)に移行)する場合は、利用開始時の利用申請書2111と同様に利用申請書2113として紙やWEBなどにより情報管理センタ3に利用終了申請(11)を行う。しかるのち、ネットワーク4(ソフトウェア配布、設定情報送付ルート(8))を介して情報管理センタ3から送付されるデータ消去ソフトウェアをダウンロードして、情報機器11のデータ消去を行ったうえで、情報機器11を機器返却ルート(13)を介してベンダ側1に返却する。
【0039】
情報管理センタ3は、利用者側2からの申請に応じたソフトウェアやサービスの選定、必要な設定情報及びソフトウェア情報3141を作成する利用申請代行機能を有する装置(受付者端末34)及びこれらデータを管理、保存する情報管理データベース314を含む情報機器ライフサイクル管理装置31(図2参照)を備えている。情報管理データベース314は、図5に示す如く、管理・設定データ情報31411などを記録するテーブルを含む各種のテーブルを備えている。このテーブルについては後述する。
【0040】
情報管理センタ3は、利用者側2から紙、ICカードやWEBなどにより申請書の情報を受けたとき、利用者側2に対して利用者番号を含む申請控えを送付するが、この申請控えの送付は、前述したように紙、ICカードやWEBなどで通知する。
【0041】
情報管理データベース314の管理、設定データは、機器ベンダ側からの機器特定情報1111と、情報管理センタのデータベース314の設定情報、ソフトウェア情報3141とを対応付けして管理、設定するものである。データベース314から利用者側に配布される情報は、ソフトウェア情報や設定情報であり、実施例では、情報管理センタで利用者の利用申請を代行して、例えば利用者の申請内容に応じてセンタ内に用意したソフトウェア、サービス(クラウド)を選定し、必要なソフトウェア情報や設定情報を作成するものである。ソフトウェア情報、設定情報は、例えば情報管理センタ3の外部から調達しても良い。係る選定、申請代行の処理手順は後述する。
【0042】
該情報管理センタ3は、例えば、図2に示す如く、情報機器ライフサイクル管理装置31と、申請情報などの各種情報を登録する受付者端末34と、登録用端末111、ファイアウォール112、ルータ113を含むベンダ側1及び利用者PC22や利用者携帯23を含む利用者側2の利用者端末からネットワーク4を介して送信されてくる各種情報(機器特定情報1111及び申請者情報など)を受け、情報機器ライフサイクル管理装置31や受付者端末34などに供給するルータ32やファイアウォール33などを備えている。
【0043】
情報機器ライフサイクル管理装置31は、ネットワーク4を介して届く申請情報を受付ける申請受付サーバ311と、ベンダ側1から送信される機器特定情報や出荷情報を受付け、登録する登録受付サーバ312と、各情報の各種データを格納する情報管理データベース314及びその情報を管理する情報管理サーバ313などから構成される。
【0044】
情報管理データベース314は、利用者側2からの申請に対応した設定・ソフトウェア情報3111や機器特定情報1111などを格納するものであり、情報管理サーバ313は、利用者側からの申請書で申請された利用したい機能に必要な情報、つまりソフトウェア情報、設定情報3111などをデータベース314から選択、抽出し、前記利用者側2の情報機器11にネットワーク4を介して供給する、或いは情報を管理するものである。
【0045】
受付者端末34は、申請書の情報を紙で受け取った場合に、該情報を情報管理センタ3の管理者により入力するときに使用される。紙の申請書の場合は、利用者側2から情報管理センタ3に送付された利用申請書2111の内容を、受付者端末34から入力し、情報管理サーバ313を介して、情報管理データベース314に登録する。情報管理センタ3は利用申請書受付け処理後に申請控えを紙で出力し、利用者側2に送付する。
該申請書情報を、ネットワーク4を介して受け取る場合には、該情報はルータ32を介して申請受付サーバ311にて受付けた後、情報管理サーバ313を介して情報管理データベース314に登録される。
【0046】
図3は、利用者側2と、情報管理センタ3、及びベンダ側1の登録用端末111との関係を説明するブロック図である。
【0047】
同図において、利用者側2の利用者端末(例えば図2に示す利用者PC22や利用者携帯23)は、情報管理センタ3の申請受付サーバ311に利用申請書情報をWEBなどで申請する利用申請書送信機能部211を備えている。
【0048】
また、利用者端末は利用者情報(機器特定情報1111、利用者番号、作業履歴情報など)を送信する利用者情報送信機能部231、ソフトウェアをインストールするソフトウェアインストール機能部232、設定情報を個別設定する個別設定機能部233、データなどを消去するデータ消去機能部234などを備えている。
【0049】
また、利用者端末は図示していないがこれらの情報やソフトウェアを格納するメモリやインストールされたソフトウェアを実行する制御部なども備えている。
【0050】
情報管理センタ3の申請受付サーバ311は、利用者端末(例えば利用者PC22や利用者携帯23)からの利用申請書の情報を受け付ける申請受付機能部3111、申請受付情報を情報管理サーバ313の情報管理データベース314に管理・設定データとして蓄積できるようにする申請蓄積機能部3112を備えている。
【0051】
登録受付サーバ312は、ベンダ側1に設置された登録用端末111からの機器特定情報1111を受ける機器管理機能部3122と、該機器管理機能部からの出力と受付者端末34の括り付け入力部3621からの出力及び情報管理データベース314の管理・設定データを受け、ソフトウェアとハードウェアとを括り付けて情報管理データベース314に蓄積するソフト・ハード括り付け機能部3121を備えている。機器管理機能部3122は、データベース314から情報機器11を配送、設置すべき利用者に関する管理・設定データを抽出して登録用端末111側に出荷指示をメールやWEBなどで実行する
【0052】
また、利用者端末(例えば利用者PC22や利用者携帯23)から送信される機器特定情報1111、利用者情報、作業履歴情報などを受ける利用者確認機能部3125及び利用者端末(例えば利用者PC22や利用者携帯23)のソフトウェアインストール機能部232、個別設定機能部233、データ消去機能部234などにソフトウェアや設定情報を配信するソフトウェア配信機能部3126、設定情報配信機能部3127、消去ソフト配信機能部3128などを備えている。また、上記各機能部と情報管理データベース314とに接続され、それらを制御する利用者機器制御部231を備えている。
【0053】
受付者端末34は、登録受付サーバ312のソフト・ハード括り付け機能部3121に括り付け入力を供給する括り付け入力部3621を備え、ベンダ側1の登録用端末111は、メール、WEBなどにより機器特定情報1111を送信し、出荷指示3521を受信する図示しない送受信部を備えている。なお、図示していないが、作業履歴を蓄積する機能部を設けることにより、履歴を容易に知り得る。
【0054】
すなわち、前記情報機器11が利用するサービス、ソフトウェア及び/又は設定情報を管理・設定データとして管理する情報管理データベース314を含む情報管理サーバ313と、前記情報機器11を含む利用者端末(例えば利用者PC22や利用者携帯23)からサービス、ソフトウェア及び/又は設定情報の利用を申請する申請書を受付け、申請受付け処理を実行し、前記情報管理データベース314に記憶する機能を有する申請受付サーバ311と、受付者端末34からの括り付け入力を受付け、ソフトウェアと情報機器11を括り付ける機能と、その機能を管理する機能と、またベンダ側の登録用端末111及び情報機器11を含む利用者端末(例えば利用者PC22や利用者携帯23)との間で必要な情報などの送受を実行する機能を有する登録受付サーバ312は、情報機器11の情報機器ライフサイクル管理装置31を構成しており、
前記登録受付サーバ312は、前記情報機器11から利用者情報を受け付け、該利用者を認証する利用者確認機能部3125、前記情報管理部314から前記情報機器11に関する申請に合致するソフトウェア及び/又は設定情報を抽出し、前記情報機器11に配信するソフトウェア配信機能部3126、設定情報配信機能部3127、消去ソフト配信機能部3128と、前記各機能部を制御する利用者機器制御部3124と、前記情報機器11と前記ソフトウェア及び/又は前記設定情報とを関連付けるソフト・ハード括り付け機能部3121と、その機能を管理する機器管理機能部3122などを含んでいる。
【0055】
図4は、設定対象の情報機器11の機能部と、登録受付サーバ312の利用者機器制御部3124により制御される該情報機器に関連する各機能部間の処理を説明するフローチャートである。同図において、ネットワーク接続された情報機器11では、利用者情報送信機能部231の図示しないキーボードなどの入力装置から、利用者番号が入力され(ステップS4001)、該情報機器を特定する機器特定情報1111とともに登録受付サーバ312の利用者確認機能部3125に送信される(ステップS4002)。
【0056】
登録受付サーバ312の利用者確認機能部3125は、利用者情報送信機能部231からの機器特定情報と利用者番号を受信する(ステップS4010)。次に、該受信データに基づいて、データベース314の管理・設定データを検索し、案件区分(新規、変更、回収など)を決定する(ステップS4011)。案件区分が新規、変更の場合には、実施項目リスト(図5のソフトウェア・サービス管理テーブル31416と、設定値情報テーブル31415)をデータベース314から取得する(ステップS4012)。
【0057】
続いて、ソフトウェア配信機能部3126は、該リストに対応するインストールソフトウェアをデータベース314から取得する(ステップS4013)。次に、該リストに対して、1件ずつ、該ソフトウェアのインストールが必要有りか、無しかを判断する(ステップS4014)。
ソフトウェアのインストールが必要有り(要)の場合には、ソフトウェアを設定対象の情報機器11のソフトウェアインストール機能部232に送信する(ステップS4015)。
【0058】
該情報機器は、ソフトウェアインストール機能部232において、登録受付サーバ312から送信されたソフトウェアを受信し、ダウンロードし(ステップS4003)、ソフトウェアをインストールする(ステップS4004)。また、このとき、インストールの結果を登録受付サーバ312のソフトウェア配信機能部3126に通知し、該通知は実施履歴として登録受付サーバ312を介してデータベース314に蓄積する(ステップS4016)。
インストールソフトウェアの対象数分、インストール必要有無の判断を繰り返す。(ステップS4014)
【0059】
すべてのインストールソフトウェアについて、インストールの必要が無し(否)の状態になったとき、設定情報配信機能部3127に処理が引き継がれる。
設定情報配信機能部3127は、設定対象を1件ずつ、設定必要有り(要)か、無し(否)かを判断する(ステップS4021)。
設定必要有り(要)の場合には、設定ツールを設定対象の情報機器11の個別設定機能部233に送信する(ステップS4023)。また、設定値を送信する(ステップS4024)。
該情報機器は、個別設定機能部233において登録受付サーバ312から送信された設定ツールを受信し、ダウンロードするとともに(ステップS4005)、設定値を受信し(ステップS4006)、機器自体に設定を実施する(ステップS4007)。また、このとき設定実施の結果を登録受付サーバ312の設定情報配信機能部3127に通知し、該通知は実施履歴として登録受付サーバ312を介してデータベース314に蓄積する(ステップS4025)。
設定の対象数分、設定必要有無の判断を繰り返す。(ステップS4021)
すべての設定対象について、設定の必要が無し(否)の状態になった場合には、利用開始状態となる。(ステップS4022)
【0060】
設定対象の情報機器11の個別設定機能部233は、設定情報配信機能部3127から送信された設定ツールを受信し、ダウンロードし(ステップS4005)、また設定値を受信し(ステップS4006)、設定値の設定を実施する(ステップS4007)。このとき、設定情報配信機能部3127は、該情報機器から設定実施の通知を受け、データベース314に蓄積する(ステップS4025)。
【0061】
ステップS4011にて判断し、回収の場合には、消去ソフト配信機能部3128において、データ消去ソフトウェアを対象機器11のデータ消去機能部235に送信する(ステップS4031)。
データ消去機能部235は、データ消去ソフトウェアを受信し、ダウンロードし(ステップS4008)、データ消去を実施するとともに実施結果を消去ソフトウェア配信機能部3128に通知し(ステップS4009)、該通知は実施履歴として登録受付サーバ312を介してデータベース314に蓄積され(ステップS4032)、機器回収が行われる(ステップS4033)。
【0062】
図5は、情報管理データベース314の各種情報を蓄積した管理・設定データの項目の一例を示すテーブルである。
【0063】
同図において、管理・設定データ項目は、以下、テーブル群から構成する。
機器特定情報、利用者番号、サービス・ソフト、設定値、状態、管理用のマスタ情報などを含み、以下のテーブルを備えている。
【0064】
1)申請情報を登録、記録する申請書テーブル31413、申請書詳細テーブル31414と、2)管理・設定データ情報を登録、記録する情報管理テーブル31411と、3)機器特定情報を登録、記録する機器特定テーブル31417と、4)利用者情報を登録、記録する利用者テーブル31412と、5)ソフトウェア、サービス情報を登録、記録するソフトウェア・サービス管理テーブル31416と、6)設定情報を登録、記録する設定値情報テーブル31415と、7)マスタテーブルである機器マスタ31418、ソフトウェア・サービス管理マスタ31419、ソフトウェア・サービス設定値マスタ31420である。
【0065】
申請書テーブル31413には、申請番号、情報管理ID、申請者名、申請者住所、申請者電話番号、申請者メールアドレスなどの申請書情報が含まれている。
【0066】
申請詳細テーブル31414には、申請番号、詳細番号、利用したいソフトウェア、サービスを特定するソフトウェア・サービスID、申請日、利用・解除フラグ(利用/解除を記録)などの申請の詳細情報が含まれている。
上記申請の詳細情報は、申請発生のたびにレコードが追加される。
【0067】
情報管理テーブル31411には、情報管理ID、機器特定ID、利用者番号、設定値管理ID、ソフトウェア・サービス管理ID、利用開始日、利用終了日、インストール確認などの各状態を示す情報が含まれている。
機器の利用開始時にレコードを追加し、回収するまで、普遍的に状態管理を実施する。
【0068】
機器テーブル31417には、機器特定ID、機器型式、製造番号、代替機器特定ID、利用中フラグ、利用開始日、利用終了日などの情報が含まれている。
機器の詳細情報を管理する。
【0069】
利用者テーブル31412には、利用者番号、利用者名、利用者住所、利用者電話番号、利用者メールアドレスなどの利用者情報が含まれている。
利用者の詳細情報を管理する。
【0070】
ソフトウェア・サービス管理テーブル31416には、ソフトウェア・サービス管理ID、詳細番号、ソフトウェア・サービスID、利用中フラグなどの情報が含まれている。
ソフトウェア・サービスの詳細情報を管理する。
【0071】
設定値管理テーブル31415には、設定値管理ID(設定情報を記録)、詳細番号、ソフトウェア・サービスID、設定番号、設定値などの情報が含まれている。
設定値の詳細情報を管理する。
【0072】
機器マスタテーブル31418には、機器型式、詳細番号、利用可能ソフトウェア・サービスマスタID、制限事項などの情報が含まれている。
【0073】
ソフトウェア・サービス管理マスタテーブル31419には、ソフトウェア・サービスID、ソフトウェア・サービス名称、機能説明などの情報が含まれている。
【0074】
ソフトウェア・サービス設定値マスタテーブル31420には、ソフトウェア・サービスID、設定番号、設定先、設定方法などの情報が含まれている。
【0075】
以上の構成及び各種情報を参照し、新規利用開始時、サービス、機能追加時、不良時もしくはリプレースによるハードウェア交換時の処理について以下説明する。
【実施例1】
【0076】
図6及び図8は、情報機器11を新規に購入又はリースなどで新規に利用する場合について、利用者番号、機器特定情報、ソフトウェア、設定などの利用履歴情報を情報管理センタ側にて登録、記録し、またソフトウェア、設定などを機器に自動インストールする流れを模式的に示した図及び処理手順を示すフローチャートである。図7は設定を完了した状態の管理・設定データ、図9は管理・設定データのレコード変遷を示す図である。
【0077】
図6において、利用者側2は、上述した申請書2111の申請情報をもって情報管理センタ3に申請処理手続きをする。この申請に基づき、利用者側2には、機器ベンダ側1から提供された機器特定情報1111を有する設定対象の情報機器11が送付、設置される。該機器をネットワークに接続したあと、情報管理センタ3より受け取った申請書控えに含まれる利用者番号(利用者番号A)を設定対象の情報機器11に入力する。この入力した利用者番号は、機器固有の機器特定情報1111、例えばMACアドレスやシリアル番号などと共に情報管理センタ3にネットワーク4を介して送られる。
【0078】
ここで、申請は、利用者側2により所定のフォーマットの申請書2111に利用したい機能を記載、若しくはチェックして紙、若しくはWEBを通して実施する。情報機器11を受領した利用者側2では、機器特定情報1111と利用者番号を登録する。
【0079】
情報管理センタ3は、利用者側の情報機器11よりネットワーク4を介して送られてきた利用者番号と機器特定情報1111とを受信し、以下の手順で処理を実行する。
【0080】
すなわち、図8において、情報管理センタ3は、前記利用者側2からの申請情報と前記ベンダ側1からの機器特定情報とを基にサービス、ソフトウェアを選定し(ステップS3001)、利用手続きを行う(ステップS3002)。この利用手続きは、選定したサービス、ソフトウェアの利用開始をベンダ側に通知して利用登録を依頼し(ステップS1003)、また、利用者側2の情報をベンダ側1に通知して、ベンダ側1に対して、情報機器11を利用者側に発送するよう依頼する。また、利用申請受付処理後に前記利用者側2に送信される利用者番号と機器特定情報とを関連付けして情報管理データベース314に管理・設定データとして登録、記録する(ステップS3003)。
【0081】
ここで、ソフトウェア、サービスの選定に際しては、利用者側の申請内容に応じてソフトウェアやサービスを選定する。サービスについては、利用申請の代行を実施する。また、このとき、利用者側の環境に合わせた設定情報を作成する。本実施例では、利用者側の利用申請内容から、サービスAとソフトウェアDを選択した例を示している。これらの処理は、登録受付サーバ312にて実行される。
【0082】
また、機器特定情報の関連付けは、利用者側2へベンダ側1から出荷する情報機器11の機器特定情報1111と、ソフトウェア・サービス情報を対応付ける。本実施例では、機器特定情報1111として機器特定情報Aとし、ソフトウェア・サービス情報としてサービスA、設定値A、ソフトウェアD、設定値Dとして対応付けしている。そして、これらは、情報管理データベース314に管理・設定データとして登録、記録(レコード)される(図9参照)。これらの処理は、登録受付サーバ312にて実行される。
【0083】
情報管理センタから利用者側に通知される利用者番号の受領は、紙やWEBなどで行われる(ステップS2002)。
【0084】
次に、ベンダ側1は、情報管理センタ3からの利用手続きを登録(ステップS1003)し、また情報管理センタ3からの依頼に基づき、利用者側に情報機器の発送を行う(ステップS1002)。この発送のとき、情報機器11の設置を行う。
【0085】
情報機器11が設置された利用者側2では、該情報機器11をネットワーク4に接続し(S2004)、管理センタ3にネットワーク4を介して機器特定情報を送付し(ステップS2005)、利用者番号を送付する(ステップS2006)。
【0086】
情報管理センタ3は、利用者側2からの機器特定情報1111に基づき機器の特定を行い(ステップS3004)、利用者番号をもって利用者を検証した(ステップS3005)あと、利用者側の申請に対応するソフトウェア・設定情報を利用者側に送信、配布する(ステップS3006)。
【0087】
利用者側2は、この配布されたソフトウェアを自動インストールし(ステップS2007)、また自動機器設定を実行する(ステップS2008)。ソフトウェアのインストール及び機器設定は、情報管理データベースに管理・設定データとして登録している情報に基づき実施する。本実施例では、サービスAの設定、ソフトウェアDのインストール、ソフトウェアDの設定としている。これらの処理は、登録受付サーバ312にて実行される。
これらの手順により、利用者側2は利用者が申請したとおりの利用が可能となる(ステップS2009)。
【0088】
このときの配布ソフトウェアや設定情報は、情報管理データベース314に履歴として登録しておく。その登録、記録例は、図7に示すとおりである。すなわち、機器特定情報欄には、機器特定情報A、利用者番号欄には、利用者番号A、サービス・ソフト欄には、サービスA、ソフトウェアD、設定値欄には設定値A,設定値D、状態欄には、稼動中、稼動中として登録、記録する。
なお、図9には管理・設定データ項目が図8のフローに沿って変遷する様子を示している。
【実施例2】
【0089】
図10及び図12は、情報機器11にサービス、機能を追加する場合について、利用者番号、機器特定情報、ソフトウェア、設定などの利用履歴情報を情報管理センタにて登録、記録する流れを模式的に示した図及びその処理手順を示すフローチャートである。図11及び図13は、情報管理データベースの管理・設定データのレコード変遷を示す図である。
【0090】
この実施例の場合には、情報管理センタ3は、利用者番号、機器特定情報が既に分かっているので、申請書2111’にて追加したいサービスなどを情報管理センタ3に上述した方法で申請すれば良い。従って、情報管理センタ3から利用者側2への利用者番号の通知及びベンダ側1への機器発送依頼は不要である。
【0091】
すなわち、図10では、ソフトウェアC、設定値Cを追加する例を示し、図11に、その追加前(変更前)と追加後(変更後)の管理・設定データの例を示している。図13は、そのときの情報管理データベースの管理・設定データのレコード変遷を示す図である。
【0092】
変更したい場合には、新規申請と同様に申請書2111’を用いて、利用したい内容を記載すればよい。情報管理センタは、申請に応じて、ソフトウェアやサービスを選定する。情報管理センタに登録、管理されている既に利用している機器及びソフトウェアやサービスを示す既存のサービス利用番号を用いて、既存の情報に対して、更新する。本実施例では、図11に示す如く、管理・設定データにソフトウェアCを追加した例である。これらの処理は、登録受付サーバ312にて実行される。
【実施例3】
【0093】
図14及び図16は、情報機器11に不良が発生したとき、若しくはリプレースによりハードウェアを交換する場合について、利用者番号、機器特定情報、ソフトウェア、設定などの利用履歴情報を情報管理センタ3にて登録、記録する流れを模式的に示した図及びその処理手順を示す図である。図15及び図17、図18は、情報管理データベースの管理・設定データのレコード変遷を示す図である。
【0094】
この実施例の場合には、ハードウェア交換申請書2111”をもって新情報機器の申請と同様に申請するが、旧情報機器については、再利用可能であれば旧情報機器の回収を依頼する情報を利用者側2から情報管理センタ3にネットワーク4を介して送る。すると、情報管理センタ3は、データ消去ソフトウェアを、ネットワーク4を介して利用者側2の旧情報機器に送り、旧情報機器のデータを消去させる。旧情報機器は、データ消去を行ったあとに回収される。
【0095】
すなわち、機器を変更する場合には、図14に示す申請書2111”をもってハードウェア交換申請を行う。この申請は、既存のサービス利用番号を用いて、既存の情報を参照して行う。
【0096】
ソフトウェア、サービスの選定は、上述したとおりであるが、本実施例では、情報管理データベース314の既存の管理内容から、サービスA、ソフトウェアC、ソフトウェアDを新しい機器の機器特定情報Bに紐付けし、該紐付けされた機器特定情報Bに対して、情報管理データベース314の管理・設定データにレコードを追加したものである。
【0097】
データ消去は、旧機器に対して、データ消去ソフトウェアをダウンロードし、実行する。旧機器の返却完了後、旧機器の管理・設定データを返却済にする。
【0098】
図15、図17及び図18は、管理・設定データの変遷を示している。すなわち、新しい機器設定後には、機器特定情報Aが機器特定情報Bとなり、旧機器の返却後には、既存の利用状況を示す利用者番号、サービス・ソフト、設定値などの欄をクリアし、状態の欄が返却済みに状態変更される。
【0099】
以上述べたように、利用者が、サービス、機能の利用開始を管理センタに申請し、該管理センタが、必要なソフトウェア、設定情報を選定、作成、用意、調達などしたものを、情報として管理、記録した上で、機器ベンダやリース会社が提供する利用者へ送付予定の情報機器を特定する情報、例えば機器固有情報と利用者情報を関連付けし、利用者側にて、ネットワーク、例えばインターネット、社内ネットワークなどに情報機器を接続時に、情報管理センタと連携することにより、利用者が必要とするソフトウェアや設定情報を情報機器にインストールし、申請通りの利用が容易になり利便性が向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
企業内に情報管理センタを設置し、機器運用、例えば人事異動、組織改正などの支援サービスとして利用可能である。また、個人企業、代理店向けに、アプリケーション導入済み機器のリースサービス、つまり機器リースと専用アプリケーションの選択による、柔軟な機器のリースを実現できる。
【符号の説明】
【0101】
1 ベンダ側
11 設定対象の情報機器
2 利用者側
22 利用者PC
23 利用者携帯
231 利用者情報送信機能部
232 ソフトウェアインストール機能部
233 個別設定機能部
234 データ消去機能部
3 情報管理センタ
31 情報機器ライフサイクル管理装置
311 申請受付サーバ
312 登録受付サーバ
313 情報管理サーバ
314 情報管理データベース
3121 ソフト・ハード括り付け機能部
3122 機器管理機能部
3124 利用者機器制御部
3125 利用者確認機能部
3126 ソフトウェア配信機能部
3127 設定情報配信機能部
3128 消去ソフトウェア配信機能部
4 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報機器と情報管理センタと該情報機器を提供する機器ベンダをネットワークを介して接続し、前記情報機器が利用するサービス、ソフトウェア及び前記情報機器に個別に割り振りされた情報を管理、設定する情報機器ライフサイクル管理システムにおいて、
前記情報管理センタは、前記情報機器の利用者側からサービス、機能の新規申請、若しくはサービス、機能の追加申請がされたとき、該利用申請に基づきサービス、ソフトウェアを含む情報を選定する手段と
前記サービス、ソフトウェアを含む情報を、前記情報機器の利用者を特定する情報と対応付けしてデータ格納部に登録し、管理、設定する手段と、
前記データ格納部に登録し、管理、設定したソフトウェアを含む情報と、前記機器ベンダより送付された前記情報機器から、前記ネットワークを介して該情報機器を特定する機器特定情報(図6の機器特定情報A;機器自身の情報)と利用者を特定する情報(図6の利用者番号A;利用者により入力される)とを受け、前記情報機器を特定する手段と、
前記機器特定情報を持つ情報機器に対して前記管理、設定手段のソフトウェアを含む情報を、前記ネットワークを介して配布する手段と、を備え、
前記情報機器は、前記情報管理センタに対して情報機器特定情報と前記利用者を特定する情報含とを、前記ネットワークを介して送付する手段と、
前記情報管理センタから配布された前記ソフトウェアを含む情報を自動的にインストールし、自動的に機器を設定する手段と、
を備えたことを特徴とする情報機器ライフサイクル管理システム。
【請求項2】
請求項1の情報機器ライフサイクル管理システムにおいて、前記情報機器は、さらに該情報機器に不良が発生し、若しくはリプレースによりハードウェア交換を交換するとき、該情報機器のデータを消去する手段を備えていることを特徴とする情報機器ライフサイクル管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の情報機器ライフサイクル管理システムにおいて、前記情報管理センタは、さらに前記サービス、ソフトウェアを選定したとき、その利用手続きをソフトベンダ側に送付、登録する手段を備えていることを特徴とする情報機器ライフサイクル管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の内の1の請求項記載の情報機器ライフサイクル管理システムにおいて、前記情報機器に個別に割り振りされた情報が、設定情報、認証情報、またはサービス区分情報であり、前記情報機器の利用者を特定する情報が、利用者番号、または電話番号であり、前記機器特定情報が、MACアドレスまたはシリアル番号であることを特徴とする情報機器ライフサイクル管理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の内の1の請求項記載の情報機器ライフサイクル管理システムにおいて、前記データ格納部が、前記情報機器を特定する機器特定情報、利用者情報及び前記利用申請情報に基づくサービス、ソフトウェア、及び機器設定情報を対応付けして格納するデータベースであることを特徴とする情報機器ライフサイクル管理システム。
【請求項6】
利用者側から利用したいサービスの申請を受付け、該申請に基づきサービスを実行するソフトウェアを選定する処理と、
前記選定したソフトウェアを含む情報をデータ格納部に登録し、管理、設定する処理と、
前記データ格納部に登録し、管理、設定したソフトウェアを含む情報と前記利用者側から送付される情報機器特定情報と利用者を特定する情報とを受け、利用者側が使用する情報機器を特定する処理と、
前記情報機器特定処理にて特定された情報機器にインストールされるソフトウェアを含む情報を、ネットワークを介して前記情報機器に配布する処理と
を備えた情報機器ライフサイクル管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報機器ライフサイクル管理方法において、更に利用者側から利用したいサービスの申請情報と前記情報機器のベンダから機器特定情報を受け、これらの情報に基づきサービス、ソフトウェアとともに前記機器を選定する処理を含む情報機器ライフサイクル管理方法。
【請求項8】
情報機器と該情報機器を提供する機器ベンダとにネットワークを介して接続され、前記情報機器が利用するサービス、ソフトウェア及び前記情報機器に個別に割り振りされた情報を管理、設定する情報管理センタにおいて、
前記情報機器のライフサイクルを管理する情報機器ライフサイクル管理装置を備え、
前記装置が、前記情報機器の利用者側からサービス、機能の新規申請、若しくはサービス、機能の追加申請がされたとき、該利用申請に基づきサービス、ソフトウェアを含む情報を選定する手段と、
前記サービス、ソフトウェアを含む情報を、前記情報機器の利用者を特定する情報と対応付けしてデータ格納部に登録し、管理、設定する手段と、
前記データ格納部に登録し、管理、設定したソフトウェアを含む情報と、前記機器ベンダより送付された前記情報機器から、前記ネットワークを介して該情報機器を特定する機器特定情報と利用者を特定する情報とを受け、前記情報機器を特定する手段と、
前記機器特定情報を持つ情報機器に対して前記管理、設定手段のソフトウェアを含む情報を、前記ネットワークを介して配布する手段と、
を備えたことを特徴とする情報管理センタ。
【請求項9】
情報機器の情報管理装置であって、
前記情報機器が使用するサービス、ソフトウェア及び/又は設定情報を管理・設定データとして管理する情報管理部と、前記情報機器からサービス、機能の利用申請を受付け、前記情報管理部に登録し、記録する申請受付処理部と、前記情報機器を提供する機器ベンダからの機器特定情報を受付け、前記情報管理部に登録し、記録する登録受付け処理部とからなり、
前記登録受付け処理部が、
前記管理・設定データの前記情報機器への転送を実行する利用者情報機器処理部と、前記情報機器と前記ソフトウェア及び/又は前記設定情報とを括り付けるソフト・ハード括り付け処理部からなり、
前記利用者情報機器処理部が、
前記情報機器から利用者を特定する情報を受付け、該利用者を認証する確認機能部と、
前記情報管理部から前記情報機器からの申請に合致するソフトウェア及び/又は設定情報を抽出し、前記情報機器に配信する配信機能部とを含み、
前記ソフト・ハード括り付け処理部が、
前記情報機器と前記ソフトウェア及び/又は前記設定情報とを関連付けるソフト・ハード括り付け機能部と、
前記ソフト・ハード括り付け機能部を制御する機器管理機能部を含む、
ことを特徴とする情報管理装置。
【請求項10】
前記請求項9に記載の情報管理装置において、前記登録受付け処理部が、さらに消去ソフトウェアを前記情報機器に配信する消去ソフト配信機能部を含む情報管理装置。
【請求項11】
情報機器の情報管理装置であって、
前記情報機器が使用するサービス、ソフトウェア及び/又は設定情報を管理・設定データとして管理するデータベースを含む情報管理サーバと、
前記情報機器からサービス、機能の利用申請を受付け、前記情報管理部に記録する機能を有する申請受付サーバと、
受付者端末からの括り付け入力を受付けてソフト・ハードを括り付け、前記情報機器との間で必要なソフトウェア及び設定情報などの送受を実行する登録受付サーバから構成され、
前記登録受付サーバは、前記情報機器から利用者を特定する情報を受付け、該利用者を認証する利用者確認機能部と、前記情報管理サーバから前記情報機器の申請に合致するソフトウェア及び/又は設定情報を抽出し、前記情報機器側に配信するソフトウェア配信機能部と、設定情報配信機能部と、消去ソフト配信機能部と、前記各機能部を制御する機器制御部と、前記情報機器と前記ソフトウェア及び/又は前記設定情報とを関連付けるソフト・ハード括り付け機能部と、その機能を管理する機器管理機能部を含む、
ことを特徴とする情報機器の情報管理装置。
【請求項12】
情報機器の情報管理方法であって、
前記情報機器が使用するサービス・ソフトウェア及び/又は設定情報を管理・設定データとして情報管理部で管理する情報管理処理と、
前記情報機器からサービス、機能の利用申請を受付け、前記情報管理部に登録し、記録する申請受付処理と、前記情報機器を提供する機器ベンダからの機器特定情報を受付け、前記情報管理部に登録し、記録する登録受付処理とからなり、
前記登録受付処理が、
前記管理・設定データの前記情報機器への転送を実行する利用者情報機器処理と、前記情報機器と前記ソフトウェア及び/又は前記設定情報とを括り付けるソフト・ハード括り付け処理とからなり、
前記利用者情報機器処理が、
前記情報機器から利用者を特定する情報を受付け、該利用者を認証する確認処理と、
前記情報管理部から前記情報機器の申請に合致するソフトウェア及び/又は設定情報を抽出し、前記情報機器に配信する配信処理とからなる、
ことを特徴とする情報管理方法。
【請求項13】
情報機器の情報管理方法であって、
前記情報機器が使用するサービス・ソフトウェア及び/又は設定情報を管理・設定データとして情報管理部で管理する処理と、
前記情報機器からサービス、機能の利用申請を受付け、前記情報管理部に登録し、記録する申請受付処理と、
受付者端末からの括り付け入力を受付けてソフト・ハードを括り付け、前記情報機器との間で必要なソフトウェア及び設定情報などの送受を実行する登録受付処理とからなり、
前記登録受付処理は、
前記情報機器から利用者を特定する情報を受付け、該利用者を認証する利用者確認処理と、
前記情報管理部から前記情報機器の申請に合致するソフトウェア及び/又は設定情報を抽出し、該ソフトウェア及び/又は設定情報を、前記情報機器側に配信する処理と、
前記情報機器と前記ソフトウェア及び/又は前記設定情報とを関連付けるソフト・ハード括り付ける処理と、
を含むことを特徴とする情報機器の情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−252401(P2012−252401A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122551(P2011−122551)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000233491)株式会社日立システムズ (394)
【Fターム(参考)】