説明

情報短縮再生装置、方法及びプログラム

【課題】 ユーザが特別な操作を行わなくても、音情報又は映像情報の再生速度を調整することができる情報短縮再生装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】 音情報又は映像情報を取得する情報取得部12と、映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出するユーザ情報検出部11を有する。また、ユーザ情報検出部11が取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を情報取得部から読み出す短縮情報抽出部14と、短縮情報抽出部14が読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生する情報再生部15を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音情報又は映像情報を短縮化して再生するための情報短縮再生装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、音情報や映像情報を短縮化して再生する情報短縮再生装置に関する技術が知られていた。例えば、ビデオデッキや映像再生ツール等の情報短縮再生装置では、高速再生を行う場合には、映像情報を一定の速度で再生する方法が一般的に使用されていた。この方法では映像情報を高速再生する場合、標準の速度の2倍〜20倍程度で再生していたが、音情報は全く再生されない場合が多かった。
一方、映像情報の高速再生時に音情報を再生する方法としては、音情報の一部だけを途切れ途切れに再生する技術が知られている。また、映像情報は一定速度で高速再生するとともに、音情報については無音区間を除くことにより、高速再生できない音情報を少なくする技術が知られている。この他にも、映像情報を短縮化して再生する技術として幾つかの研究がなされている(特許文献1、非特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−169298号公報
【非特許文献1】Michael A. Smith and Takeo Kanade, Video Skimming and Characterization through the Combination of Image and Language Understanding Techniques, Proceedings of Computer Vision and Pattern Recognition, pp. 775-781, June 1997
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来用いられていた技術では、音情報や映像情報を試聴するユーザが、情報短縮再生装置に制御命令を送信するリモコンを操作すること等により、音情報や映像情報の高速再生を行っていた。よって、ユーザがリモコンを操作等しなければ、音情報や映像情報の再生速度を調整することができなかった。
【0004】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものでその目的は、ユーザが特別な操作を行わなくても、音情報又は映像情報の再生速度を調整することができる情報短縮再生装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、音情報又は映像情報を再生する情報短縮再生装置であって、前記音情報又は映像情報を取得する情報取得手段と、前記映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出するユーザ情報検出手段と、前記ユーザ情報検出手段が取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を前記情報取得手段から読み出す短縮情報抽出手段と、前記短縮情報抽出手段が読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生する情報再生手段と、を有することを特徴とする情報短縮再生装置である。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、前記ユーザ情報検出手段は、前記ユーザの滞在時間を検出できるか否かを判定し、前記短縮情報抽出手段は、前記ユーザ情報検出手段が検出する滞在時間が所定時間よりも短い場合には前記情報取得手段から音情報又は映像情報を読み出し、前記ユーザ情報検出手段が検出する滞在時間が所定時間以上である場合には前記情報取得手段から短縮化した音情報又は映像情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報短縮再生装置である。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、前記ユーザ情報検出手段は、前記ユーザとの距離を検出し、前記短縮情報抽出手段は、前記ユーザ情報検出手段が検出する距離が所定距離よりも短い場合には前記情報取得手段から音情報又は映像情報を読み出し、前記ユーザ情報検出手段が検出する距離が所定距離以上である場合には前記情報取得手段から短縮化した音情報又は映像情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報短縮再生装置である。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、前記ユーザ情報検出手段は、前記ユーザの視線が所定方向を向いているか否かを検出し、前記短縮情報抽出手段は、前記ユーザ情報検出手段が検出するユーザの視線が所定方向を向いている場合には前記情報取得手段から音情報又は映像情報を読み出し、前記ユーザ情報検出手段が検出するユーザの視線が所定方向を向いていない場合には前記情報取得手段から短縮化した音情報又は映像情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報短縮再生装置である。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、前記短縮情報抽出手段は、前記情報取得手段が取得する音情報が所定の音量値以上である区間を抽出することにより前記短縮化した音情報を生成し、その短縮化した音情報に対応する映像情報を抽出することにより短縮化した映像情報を生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の情報短縮再生装置である。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、音情報又は映像情報を再生する情報短縮再生方法であって、前記音情報又は映像情報を取得する第1のステップと、前記映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出する第2のステップと、前記第2のステップで取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を前記第1のステップで取得した音情報又は映像情報から読み出す第3のステップと、前記第3のステップで読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生する第4のステップと、を有することを特徴とする情報短縮再生方法である。
【0011】
また、請求項7に記載の発明は、音情報又は映像情報を再生する情報短縮再生装置の制御プログラムであって、前記音情報又は映像情報を取得させる第1のステップと、前記映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出させる第2のステップと、前記第2のステップで取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を前記第1のステップで取得した音情報又は映像情報から読み出させる第3のステップと、前記第3のステップで読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生させる第4のステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする情報短縮再生装置の制御プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、ユーザ情報検出手段が検出する情報に基づいて、音情報又は映像情報を再生するか、短縮化した音情報又は映像情報を再生するかを制御するようにした。
これにより、音情報や映像情報を試聴するユーザが、情報短縮再生装置を直接操作しなくても、ユーザ情報検出手段が検出するユーザに関する情報に基づいて、音情報や映像情報の再生速度を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による情報短縮再生装置10の構成を示すブロック図である。この情報短縮再生装置10は、ユーザ情報検出部11、情報取得部12、情報格納部13、短縮情報抽出部14、情報再生部15を有する。
ユーザ情報検出部11は、情報短縮再生装置10で再生する音情報や映像情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出する。本実施形態では、ユーザ情報検出部11が、所定距離以内にユーザがいるか否かについてのユーザ検出可否情報と、検出可能な領域にユーザが滞在している時間についての滞在時間情報とを検出する場合について説明する。ユーザ情報検出部11は、ユーザ検出可否情報と滞在時間情報をユーザ情報として短縮情報抽出部14へ出力する。
【0014】
情報取得部12は、音情報又は映像情報が記録されているビデオテープやHDD(Hard Disk Drive)などの記録媒体等から、音情報又は映像情報を読み出す。情報格納部13は、情報取得部12が読み出す音情報又は映像情報を記録する。
短縮情報抽出部14は、ユーザ情報検出部11から出力されるユーザ検出可否情報からユーザを検出できないと判定した場合には、情報格納部13から音情報及び映像情報を読み出さず、情報再生部15に対して音情報及び映像情報を出力しないように制御する。
【0015】
また、短縮情報抽出部14は、ユーザ情報検出部11から出力される滞在時間情報が所定時間よりも短いと判定した場合には、情報格納部13から音情報及び映像情報を短縮化して読み出し情報再生部15へ出力する。一方、ユーザ情報検出部11から出力される滞在時間情報が所定時間以上である場合には、短縮化の処理を行わずに情報格納部13から音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する。
短縮化した音情報は、例えば、音情報の音量値が所定の閾値よりも大きい区間を抽出することにより生成する。また、短縮化した映像情報は、例えば、短縮化した音情報に同期する映像情報を抽出することにより生成する。
情報再生部15は、短縮情報抽出部14から出力される音情報又は映像情報を、スピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする。
【0016】
次に、本実施形態による情報短縮再生装置10の動作について説明する。
図2は、本実施形態による情報短縮再生装置10の処理の流れを示すフローチャートである。始めに、情報取得部12はビデオテープやHDDなどの記録媒体等を読み取ることにより、音情報と映像情報を取得する(ステップS11)。情報取得部12は、音情報及び映像情報を情報格納部13に記録する(ステップS12)。
【0017】
ユーザ情報検出部11は、所定距離以内にユーザがいるか否かについて判定する(ステップS13)。所定距離以内にユーザがいない場合には、ステップS13で「NO」と判定しステップS14へ進む。この場合、短縮情報抽出部14は、情報格納部13から音情報及び映像情報の読み出しを行わなず、情報再生部15で音情報や映像情報を再生しないように制御する(ステップS14)。
一方、所定距離以内にユーザがいる場合には、ステップS13で「YES」と判定し、ユーザを検出することが可能な領域にユーザが所定時間以上滞在しているか否かについて判定する(ステップS15)。ユーザが所定時間以上滞在していない場合には、ステップS15で「NO」と判定しステップS17へ進む。短縮情報抽出部14は、情報格納部13から短縮化した音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する(ステップS17)。情報再生部15は短縮化した音情報及び映像情報を情報再生部15のスピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする(ステップS19)。そして、ステップS13へ進む。
【0018】
一方、ユーザが所定時間以上滞在している場合には、ステップS15で「YES」と判定しステップS16へ進む。短縮情報抽出部14は、情報格納部13から短縮化の処理を行わずに音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する(ステップS16)。情報再生部15は音情報及び映像情報を情報再生部15のスピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする(ステップS18)。そして、ステップS13へ進む。
【0019】
上述した第1の実施形態による情報短縮再生装置10では、情報短縮再生装置10のユーザ情報検出部11により、所定時間以上ユーザが検出可能な領域に滞在しているか否かについて判定し、その判定結果に応じて、音情報及び映像情報の情報再生部15からの再生方法を変化させるようにした。よって、情報短縮再生装置10をショールーム等に設置することにより、そのショールームに客がいない場合には音情報や映像情報を再生せず、客が近づいてきた場合に短縮化した音情報や映像情報を出力することにより要点のみの再生を行い、客が長時間立ち止まるなどして所定時間以上滞在する場合には音情報や映像情報を短縮化せずに再生することにより客がゆっくりとVTR(Video Tape Recorder)等を試聴可能なようにすることができる。
【0020】
なお、本実施形態では、短縮情報抽出部14がユーザ情報検出部11から出力される滞在時間情報が所定時間以上であるか否かに応じて、情報再生部15に対して音情報及び映像情報、又は、短縮化した音情報及び映像情報を出力する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、ユーザ情報検出部11から出力される滞在時間情報の長短に応じて、情報格納部13から読み出す音情報及び映像情報の短縮化の割り合いを変化させて、情報再生部15で再生するようにしてもよい。
【0021】
次に、本発明の第2の実施形態による情報短縮再生装置について説明する。
本実施形態による情報短縮再生装置の構成は、第1の実施形態による情報短縮再生装置の構成(図1参照)と同じであるので、その説明を省略する。ただし、第1の実施形態によるユーザ情報検出部11は、ユーザが所定時間以上滞在しているか否かを検出していたのに対し、本実施形態によるユーザ情報検出部11は、ユーザがどの程度離れた距離にいるのかについて検出する点において相違する。
次に、本実施形態による情報短縮再生装置10の動作について説明する。
図3は、本実施形態による情報短縮再生装置10の処理の流れを示すフローチャートである。始めに、情報取得部12は記録媒体等から、音情報と映像情報を取得する(ステップS21)。情報取得部12は、音情報及び映像情報を情報格納部13に記録する(ステップS22)。
【0022】
ユーザ情報検出部11は、所定距離以内にユーザがいるか否かについて判定する(ステップS23)。所定距離以内にユーザがいない場合には、ステップS23で「NO」と判定し再度ステップS23へ進む。一方、所定距離以内にユーザがいる場合には、ステップS23で「YES」と判定しステップS24へ進む。そして、ユーザ情報検出手段11は、ユーザとの距離が所定距離以上離れているかについて判定する(ステップS24)。ユーザとの距離が所定距離以上離れている場合には、ステップS24で「NO」と判定しステップS26へ進む。短縮情報抽出部14は、情報格納部13から短縮化した音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する(ステップS26)。情報再生部15は短縮化した音情報及び映像情報を情報再生部15のスピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする(ステップS28)。そして、ステップS23へ進む。
【0023】
一方、ユーザとの距離が所定距離よりも短い場合には、ステップS24で「YES」と判定しステップS25へ進む。短縮情報抽出部14は、情報格納部13から短縮化の処理を行わずに音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する(ステップS25)。情報再生部15は音情報及び映像情報を情報再生部15のスピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする(ステップS27)。そして、ステップS23へ進む。
【0024】
上述した第2の実施形態による情報短縮再生装置10では、情報短縮再生装置10のユーザ情報検出部11により、ユーザとの距離が所定距離以上離れているか否かについて判定し、その判定結果に応じて、音情報及び映像情報の情報再生部15からの再生方法を変化させるようにした。よって、ユーザが情報再生部15に顔を近づけるなど、ユーザとの距離が所定距離より短くなった場合に、音情報や映像情報を短縮化せずに再生するといった処理を行うことが可能になる。
【0025】
なお、本実施形態では、短縮情報抽出部14がユーザとの距離が所定距離以上離れているか否かに応じて、情報再生部15に対して音情報及び映像情報、又は、短縮化した音情報及び映像情報を出力する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、ユーザとの距離に応じて、情報格納部13から読み出す音情報及び映像情報の短縮化の割り合いを変化させて、情報再生部15で再生するようにしてもよい。
【0026】
次に、本発明の第3の実施形態による情報短縮再生装置について説明する。
本実施形態による情報短縮再生装置の構成は、第1の実施形態による情報短縮再生装置の構成(図1参照)と同じであるので、その説明を省略する。ただし、第1の実施形態によるユーザ情報検出部11は、ユーザが所定時間以上滞在しているか否かを検出していたのに対し、本実施形態によるユーザ情報検出部11は、ユーザの視線がどこを向いているかについて検出する点において相違する。
次に、本実施形態による情報短縮再生装置10の動作について説明する。
図4は、本実施形態による情報短縮再生装置10の処理の流れを示すフローチャートである。始めに、情報取得部12は記録媒体等から、音情報と映像情報を取得する(ステップS31)。情報取得部12は、音情報及び映像情報を情報格納部13に記録する(ステップS32)。
【0027】
ユーザ情報検出部11は、所定距離以内にユーザがいるかどうかについて判定する(ステップS33)。所定距離以内にユーザがいない場合には、ステップS33で「NO」と判定し再度ステップS33へ進む。一方、所定距離以内にユーザがいる場合には、ステップS33で「YES」と判定しステップS34へ進む。そして、ユーザ情報検出手段11は、ユーザの視線が情報再生部15のディスプレイの方向を向いているか否かについて判定する(ステップS34)。ユーザの視線がディスプレイ以外の方向を向いている場合には、ステップS34で「NO」と判定しステップS36へ進む。短縮情報抽出部14は、情報格納部13から短縮化した音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する(ステップS36)。情報再生部15は短縮化した音情報及び映像情報を情報再生部15のスピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする(ステップS38)。そして、ステップS33へ進む。
【0028】
一方、ユーザの視線がディスプレイの方向を向いている場合には、ステップS34で「YES」と判定しステップS35へ進む。短縮情報抽出部14は、情報格納部13から短縮化の処理を行わずに音情報及び映像情報を読み出し、情報再生部15へ出力する(ステップS35)。情報再生部15は音情報及び映像情報を情報再生部15のスピーカから出力したり、ディスプレイに表示したりする(ステップS37)。そして、ステップS33へ進む。
【0029】
上述した第3の実施形態による情報短縮再生装置10では、情報短縮再生装置10のユーザ情報検出部11により、ユーザの視線が所定の方向を向いているか否かについて判定し、その判定結果に応じて、音情報及び映像情報の情報再生部15からの再生方法を変化させるようにした。よって、ユーザが情報再生部15のディスプレイを見ている場合に、音情報や映像情報を短縮化せずに再生するといった処理を行うことができる。
【0030】
なお、本実施形態では、短縮情報抽出部14がユーザの視線が情報再生部15のディスプレイの方向を向いているか否かに応じて、情報再生部15に対して音情報及び映像情報、又は、短縮化した音情報及び映像情報を出力する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、ユーザがディスプレイに視線を向けている時間に応じて、情報格納部13から読み出す音情報及び映像情報の短縮化の割り合いを変化させて、情報再生部15で再生するようにしてもよい。
【0031】
次に、情報短縮再生装置10の適用例について説明する。この適用例では、前述した第2の実施形態による情報短縮再生装置10をショールームに設置する場合について説明する。このショールームには、幅が2mの通路の両側に巨大なディスプレイが埋め込まれているものとする。ユーザが入り口の通路の扉を開くとユーザ情報検出部11がユーザの存在を検出し、情報再生部15のディスプレイに映像情報が映し出す。ユーザがディスプレイの前に歩いていき、ディスプレイの前1mより近づいたときには、近づいた側のディスプレイの映像を見ていると考えられるので、近い側のディスプレイでは映像情報を通常の速度で再生し、遠い側のディスプレイでは映像情報を短縮化して再生する。
【0032】
また、ユーザがディスプレイの前30cm程度に近づいた場合には、ユーザとディスプレイの距離が近すぎるので、ユーザは反対側のディスプレイを見ていると考えられる。よって、反対側のディスプレイの映像情報を通常の速度で再生し、近い側のディスプレイでは映像情報を短縮化して再生する。
なお、上述したショールームの例は、あくまで一例であり、ユーザ情報検出部11が出力するユーザ情報に応じて、ユーザが近づいたときに映像情報等を通常の速度で再生するのか短縮化して再生するのか等は、映像情報等の種類や情報短縮再生装置10の設置場所等、複数の要因を考慮することにより設定する。
【0033】
なお、上述した第1〜第3の実施形態では、情報短縮再生装置10にユーザ情報検出部11を1台設置する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、ユーザ情報検出部11を複数台設置して、それぞれからユーザ情報を取得することにより、音情報や映像情報を再生する速度を調整するようにしてもよい。
【0034】
なお、以上説明した実施形態において、図1の短縮情報再生部14の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより情報短縮再生装置10の制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0035】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0036】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態による情報短縮再生装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による情報短縮再生装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態による情報短縮再生装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の第3の実施形態による情報短縮再生装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0038】
10・・・情報短縮再生装置、11ユーザ情報検出部、12情報取得部、13情報格納部、14短縮情報抽出部、15情報再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音情報又は映像情報を再生する情報短縮再生装置であって、
前記音情報又は映像情報を取得する情報取得手段と、
前記映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出するユーザ情報検出手段と、
前記ユーザ情報検出手段が取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を前記情報取得手段から読み出す短縮情報抽出手段と、
前記短縮情報抽出手段が読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生する情報再生手段と、
を有することを特徴とする情報短縮再生装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報検出手段は、前記ユーザの滞在時間を検出できるか否かを判定し、
前記短縮情報抽出手段は、前記ユーザ情報検出手段が検出する滞在時間が所定時間よりも短い場合には前記情報取得手段から音情報又は映像情報を読み出し、前記ユーザ情報検出手段が検出する滞在時間が所定時間以上である場合には前記情報取得手段から短縮化した音情報又は映像情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報短縮再生装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報検出手段は、前記ユーザとの距離を検出し、
前記短縮情報抽出手段は、前記ユーザ情報検出手段が検出する距離が所定距離よりも短い場合には前記情報取得手段から音情報又は映像情報を読み出し、前記ユーザ情報検出手段が検出する距離が所定距離以上である場合には前記情報取得手段から短縮化した音情報又は映像情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報短縮再生装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報検出手段は、前記ユーザの視線が所定方向を向いているか否かを検出し、
前記短縮情報抽出手段は、前記ユーザ情報検出手段が検出するユーザの視線が所定方向を向いている場合には前記情報取得手段から音情報又は映像情報を読み出し、前記ユーザ情報検出手段が検出するユーザの視線が所定方向を向いていない場合には前記情報取得手段から短縮化した音情報又は映像情報を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の情報短縮再生装置。
【請求項5】
前記短縮情報抽出手段は、前記情報取得手段が取得する音情報が所定の音量値以上である区間を抽出することにより前記短縮化した音情報を生成し、その短縮化した音情報に対応する映像情報を抽出することにより短縮化した映像情報を生成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の情報短縮再生装置。
【請求項6】
音情報又は映像情報を再生する情報短縮再生方法であって、
前記音情報又は映像情報を取得する第1のステップと、
前記映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出する第2のステップと、
前記第2のステップで取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を前記第1のステップで取得した音情報又は映像情報から読み出す第3のステップと、
前記第3のステップで読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生する第4のステップと、
を有することを特徴とする情報短縮再生方法。
【請求項7】
音情報又は映像情報を再生する情報短縮再生装置の制御プログラムであって、
前記音情報又は映像情報を取得させる第1のステップと、
前記映像情報又は音情報を試聴するユーザに関するユーザ情報を検出させる第2のステップと、
前記第2のステップで取得したユーザ情報に基づいて、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を前記第1のステップで取得した音情報又は映像情報から読み出させる第3のステップと、
前記第3のステップで読み出した、音情報又は映像情報、若しくは、短縮化した音情報又は映像情報を再生させる第4のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報短縮再生装置の制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−333341(P2006−333341A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−157393(P2005−157393)
【出願日】平成17年5月30日(2005.5.30)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】