説明

情報表示用パネルの製造装置および製造方法

【課題】凝集体による不良品の発生を抑止できると共に、粒子群の充填効率の向上を図ることができる情報表示用パネルの製造装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板1、2間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に粒子群からなる表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造装置30であって、前記基板が載置される載置台32を内部に配備してある粒子充填槽31と、前記粒子充填槽内に前記粒子群を散布するノズル33とを備えており、前記粒子群を吐出する先端部33FRが前記載置台に載置された前記基板の上方領域を回避して設定されていると共に、当該先端部から吐出される前記粒子群が前記基板の上方に向かって吹き上がるように仰角EAをもって前記ノズル33の姿勢が配置してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群からなる表示媒体を封入し、この表示媒体を移動させて画像等の情報を表示するようにした情報表示用パネルに係るパネル基板上に形成したセル内に表示媒体とする粒子群を充填するときに用いる製造装置、及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報表示装置として液晶表示装置(LCD)が広く普及している。しかし、一般に液晶表示装置は電力消費量が大きく、視野角が狭いなどの欠点があることが知られていた。そこで、液晶表示装置に代わるものとして、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、このセル内に粒子群からなる表示媒体を封入して、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの提案がある。このような情報表示用パネルを作製する際には、先ず基板(例えばガラス基板)上にセルを構成するための隔壁(例えば格子状隔壁)を形成する。次に、基板上の隔壁によって仕切られた複数のセル内に表示媒体とする粒子群を充填し封入して情報表示用パネルを製造する。
【0003】
上記のような情報表示用パネルの製造装置としては、例えば特許文献1で開示する製造装置(図6を参照)などがある。この製造装置は粒子群を貯留したフィーダを備えており、このフィーダに接続したノズルがチャンバ内に設置されている。このノズルから粒子群を吐出(噴射)してチャンバの所定位置に載置した基板のセル内に表示媒体となる粒子群を充填して粒子充填工程を行うようにしている。
【特許文献1】特開2005−258240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のような従来の情報表示用パネルの製造装置で、粒子充填工程を連続して行っているとノズルの先端などに粒子群が次第に付着し始め、これが凝集して大きくなる場合がある(以下、このように凝集した粒子の集合体を「凝集体」と称す)。
そして、特許文献1で開示するノズルが基板の上方(基板面に対向する、鉛直方向の領域)に配置されている。そのため情報表示用パネルの製造中に凝集体が発生して、これが基板上に落下することが懸念される。そして、実際に凝集体が基板上に落下すると、粒子充填を終了した基板が不良品(NG品)となり歩留まりが低下してしまう。
【0005】
さらに、特許文献1で例示しているパネルの製造装置は、ノズルの吐出口が基板面に対向するように配備されており、基板面に粒子群を吹き付けるようにしながら粒子充填工程が実行される。そのため、基板に対する付着力が弱い粒子群を採用した場合にあっては、一旦、基板上のセル内に入ったものが、その後の吹き付け流により吹き飛ばされて、再び舞い上がってしまうという不都合がある。このような状態になると、セル内に必要量の粒子群を充填するのに大幅な時間を要するので充填効率が低下するという問題が生じる。
【0006】
本発明は、上述した従来技術の課題を解決して、凝集体による不良品の発生を抑止でき、更に粒子群の充填効率の向上を図ることができる情報表示用パネルの製造装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に粒子群からなる表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造装置であって、
前記基板が載置される載置台を内部に配備してある粒子充填槽と、前記粒子充填槽内に前記粒子群を散布するノズルとを備えており、前記粒子群を吐出する先端部が前記載置台に載置された前記基板の上方領域を回避して設定されていると共に、当該先端部から吐出される前記粒子群が前記基板の上方に向かって吹き上がるように仰角をもって前記ノズルが配置してある情報表示用パネルの製造装置によって達成できる。
【0008】
また、前記ノズルの先端部は、上下方向で前記載置台に載置された前記基板の位置よりも高い位置に設定してあることが望ましい。
【0009】
また、前記ノズルを、前記載置台に載置された前記基板の中央部を中心にして、対称に複数配置してあることが望ましい。また、前記仰角が30〜60度に設定してあることが望ましい。
【0010】
また、前記ノズルの前記仰角及びこれと垂直な方位角の少なくとも一方を変更可能とする吐出方向変更手段を更に備えている構造とするのが、より望ましい。
【0011】
さらに、上記目的は、少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に粒子群からなる表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、
前記粒子群を前記セル内に充填する粒子充填工程を行う際に、基板上方の領域を回避した位置から仰角をもって前記粒子群を吐出して、上方に向かって吹き上げながら前記セル内に粒子群を充填する情報表示用パネルの製造方法によっても達成できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ノズルの先端部が基板の上方領域(基板面に対向する、鉛直方向の領域)を回避して配置されているので、情報表示用パネルの製造中に仮に凝集体が発生してノズルの先端から落下することがあっても、その下には基板が存在しないので、従来のように凝集体落下による不良品の発生を抑制できる。
さらには、先端部から吐出される前記粒子群が基板の上方に向かって吹き上がるように仰角をもってノズルの姿勢が設定してあるので、一旦、基板のセル内に入った粒子群がその後に吹き飛ばされるという状況を抑制して充填効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る一実施形態の情報表示用パネルの製造装置を、図面に基づき詳細に説明する。ここでは、本発明の理解を容易とするため、先ず情報表示用パネルの製造装置によって製造される、一例の帯電粒子移動方式の情報表示用パネルについて、その概略構成を説明する。
【0014】
情報表示用パネルは、対向する2枚の基板間の空間に封入した帯電性粒子を含んだ粒子群として構成した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向に沿って、表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電界方向の変化によって移動することにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示情報を書き換える時、或いは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
【0015】
本発明によって製造可能な帯電粒子移動方式の情報表示用パネルの例を、図1(a)、(b)〜図4(a)、(b)、図5(a)〜(d)を参照して説明する。
【0016】
図1(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(画素電極)と基板2に設けた電極6(画素電極)とで形成する電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図1(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示、あるいは、図1(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示をすることができる。
なお、図1(a)、(b)においては、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
【0017】
また、図2(a)、(b)に示す例では、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種類の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5(ライン電極)と基板2に設けた電極6(ライン電極)とが対向直交交差に形成する画素電極対の間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図2(a)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図2(b)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。
なお、図2(a)、(b)において、手前にある隔壁は省略している。各電極5、6は、基板1、2の外側に設けても、基板の内側に設けても、基板内部に埋め込むように設けてもよい。
【0018】
また、図3(a)、(b)に示す例では、3個のセルで表示単位(1ドット)を構成するカラー表示の例を示している。図3(a)、(b)に示す例では、表示媒体としてはセル21−1〜21−3の全てに負帯電性白色表示媒体3Wと正帯電性黒色表示媒体3Bとを充填してある。第1のセル21−1の観察者側に赤色カラーフィルター22Rを設け、第2のセル21−2の観察者側に緑色カラーフィルター22Gを設け、第3のセル21−3の観察者側に青色カラーフィルター22Bを設けてある。これら第1のセル21−1、第2のセル21−2および第3のセル21−3の3個のセルで表示単位(1ドット)を構成している。
本例では、カラー表示を行う際には、第1セル21−1〜第3のセル21−3のいずれかを白色ドット表示にすると共に他を黒色ドット表示にして赤色、緑色、青色の表示を行う。そして、図3(a)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて白色表示媒体3Wを移動することで、観察者に対し白色ドット表示を行う。さらに、図3(b)に示すように、観察者側に、第1セル21−1〜第3のセル21−3の全てにおいて黒色表示媒体3Bを移動することで、観察者に対し黒色ドット表示を行っている。なお、この図3(a)、(b)に例示の構成でも、手前にある隔壁は省略している。各セル内での表示媒体の移動を適宜に行って多色カラー表示を行うことができる。
【0019】
図4(a)、(b)に示す例は、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される1種類の表示媒体(ここでは負帯電性表示媒体用白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1に設けた電極5と黒色電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と平行方向に移動させる。そして、図4(a)に示すように、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図4(b)に示すように、黒色電極6の色を観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図4(a)、(b)で示す例でも手前にある隔壁は省略している。
【0020】
更に、図5(a)〜(d)に示す例は、まず、図5(a)、(c)に示すように、少なくとも光学的反射率および帯電性を有する粒子を含んだ粒子群として構成される互いに光学的反射率および帯電特性が異なる少なくとも2種以上の表示媒体(ここでは負帯電性白色粒子3Waを含んだ粒子群として構成した白色表示媒体3Wと正帯電性黒色粒子3Baを含んだ粒子群として構成した黒色表示媒体3Bを示す)を、隔壁4で形成された各セルにおいて、基板1の外側に設けた外部電界形成手段7と基板2の外側に設けた外部電界形成手段8との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直に移動させる。そして、図5(b)に示すように白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色ドット表示を行うか、あるいは、図5(d)に示すように黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色ドット表示を行っている。なお、図5(a)〜(d)で示す例でも手前にある隔壁は省略している。また、基板1の内側には導電部材9を設けるとともに、基板2の内側には導電部材10を設けている。これら導電部材は設けなくてもよい。
【0021】
次に、上記で説明した情報表示用パネルを製造する際の粒子充填工程で、好適に採用できる情報表示用パネルの製造装置について詳述する。
図6は、本発明の実施形態に係る情報表示用パネルの製造装置30の側断面図である。この情報表示用パネルの製造装置30は、前述した透明の基板1が載置される載置台(ステージ)32を内部に配備してある粒子充填槽(チャンバ)31を備えている。更に、この粒子充填槽31内には粒子群を散布するノズル33が配備されている。このノズル33は、粒子群を吐出する先端部33FRが載置台32に載置された基板1の上方領域を回避して配置されている。更に、ノズル33は、その先端部33FRから吐出される粒子群が基板1の上方に向かって吹き上がるように仰角EAをもって当該ノズル33の姿勢が設定してある。
情報表示用パネルの製造装置30は上記のように設定したノズル33を備えることで、粒子充填工程を継続的に実施したときに先端部33FRに凝集体が発生して、これが落下しても基板1上に載ることを防止できる。更に、一旦、基板1上に充填した粒子群を後の気流で吹き飛ばしてしまうことを抑制できる。このノズル33については、更に後述することとし、情報表示用パネルの製造装置30が備える他の構成を説明する。
【0022】
図6では、上記ノズル33に粒子群を供給する粒子供給装置となる、粒子貯留装置(フィーダ)および粒子群を搬送する配管の図示は省略してあるが、例えば搬送用ガスとして窒素ガスをフィーダ内に導入して、配管を介して粒子群をノズル33の先端部33FRから吐出させて粒子充填槽31内に散布することができる。
【0023】
また、この図6では、粒子充填槽31内の載置台32上に下側の基板1が載置されている状態を図示している。そして、この基板1上に、スペーサ34がセットされている。スペーサ34は基板1上に形成する隔壁4(前記図1など参照)の高さと、情報表示用パネル1個分の切欠空間SPが設定されている。この図6では、図示を省略しているが、この空間SP内に隔壁により形成された微細なセルが多数存在している。
【0024】
更に、図6の例示では、スペーサ34上に少なくとも表面を導電性とした導電性マスク35が配備されている。この導電性マスク35は情報表示用パネルを多数個同時に取り出す(多個取り、と称す)ためのもので、情報表示用パネル1個分に対応した開口35CAが複数(ここでは、後述するように6個)形成してある。なお、例えば導電性マスク35を基板1に設けた透明電極と重ねて等電位とするのが好ましい。このような導電性マスク35を採用すると電気的な外乱の影響も抑制して、更に確実に粒子群をセル内に均一充填できるので好ましい。
【0025】
上記基板1としては、ガラス基板、樹脂シート基板、樹脂フィルム基板等の基板を用いることができる。基板1を表示面側(観察側)とする場合には、基板1は透明基板とする。この基板1には、所定の電圧および極性(正・負)を有する電圧を印加するための電極(図1などで説明した、個別またはライン電極5)が配設されている。図6で示す粒子充填工程が完了すると、スペーサ34及び導電性マスク35を外して、上側の基板2がセットされて情報表示用パネルの積層構造が完成する。このように製造された情報表示用パネルを構成する表裏2枚の基板1、2の表面には、マトリックス状電極対を構成するように画素電極もしくはライン電極が形成されており、電流を流したときに、表示媒体(粒子群)に電界をかけることにより移動して所望の表示を行う前述の構造が実現される。
【0026】
更に、図を参照して、情報表示用パネルの製造装置30に内に設置されるノズル33について、より好ましい形態例を説明する。なお、ここでは更に図7を参照する。図7は、上述した情報表示用パネルの製造装置30の平面構成を示した俯瞰図である。
【0027】
先に説明したようにノズル33は先端部から吐出する粒子群が上向きに吹き上がるように仰角EAをもってその姿勢が設定してあるが、その先端部33FRは、図6で示すように、上下方向(鉛直方向)で載置台32に載置された基板の位置よりも高い位置に設定するのが望ましい。これにより粒子群を散布する吐出口が常に基板1より上側となるので、粒子群が広がりを持って散布されても、これが導電性マスク35や基板1の下側に回り込んでしまうという不都合を防止できる。
【0028】
そして、上記仰角EAは水平に対して0度より大きく、90度より小さい範囲であればよいが、30〜60度内に設定するのがより望ましい。下記の表は、図6の情報表示用パネルの製造装置30により100枚の基板上のセル内に粒子群を連続して充填した場合で、仰角EAをそれぞれ30度、45度、60度としたときを実施例1、実施例2よび実施例3、そして従来装置によって充填したものを比較結果として示したものである。なお、ここでは基板1に設けた電極と導電性マスク35を重ねて等電位としている。
【表1】

【0029】
この表に示すように、従来装置では粒子群を充填する枚数が一定数量以上になってくるとノズルの先端から落下する凝集体の影響を受けて、一定割合(数%程度)で不良品が発生した。これに対して実施例1〜3では不良品の発生が無かった。
【0030】
また、各パネルに標準量の粒子群を充填するのに要する時間(規格化充填時間)を確認して、比較例の所要時間を1として、実施例1〜3による場合の充填所要時間を相対値で同表に示した。各実施例とも従来装置による場合と比較して、30%以上の充填時間の短縮を達成していた。さらに、+(プラス)帯電粒子および−(マイナス)帯電粒子のどちらを充填する場合でも、同様の効果を確認できた。
以上のように、本発明に係る情報表示用パネルの製造装置によると、不良品の発生を抑制して歩留りを向上させることができる。更に、粒子群を基板上のセル内に粒子群を充填する時間を短縮して充填効率の向上を図ることができる。
なお、仰角EAが30度より小さいと粒子群を横に吹き飛ばす流れが強くなりセル内への充填が不均一になり、吹き飛ばされるため充填時間も長くなる傾向がある。また、仰角EAが60度より大きいと吹き上がりの高さが過度となって粒子群が落下するまでの時間が長くなり充填効率が低下傾向となる。よって、仰角EAの範囲は上記のように30度〜60度とするのが好ましい。
【0031】
更に、上述した情報表示用パネルの製造装置30が備えていることが好ましい構成について、説明する。図6で示すようにノズル33の基部には吐出方向変更手段として、粒子群の吐出方向を変更するためのノズル駆動機構40を配備しておくのが好ましい。このようなノズル駆動機構40は、公知の構造を適宜に採用して形成すればよく、例えばヒンジ部41を中心にして上下方向(すなわち、仰角EAを変更する方向)での所定範囲でノズル33が回動可能とされている。このようにノズル33の姿勢を上下方向で変更可能に設計されていれば、粒子群の吐出速度に応じて最適な仰角EAを簡易に調整できる。
【0032】
そして、図7で示すように、ノズル駆動機構40が更に仰角EAとは垂直な方位角についても、ノズル33の姿勢を変更可能とに設計しておくのがより好ましい。この場合、ノズル33が方位角方向(水平方向)で首振り可能な形態となる。この方位角を変更する動作については、例えば所定範囲内を連続的に首振り動作するように設定してもよい。このようにすると粒子充填槽31内に散布した粒子群の雰囲気を均質にできる。
なお、上記のようノズル33は、図6、図7で示すように仰角EA、及びこれと垂直な方位角についても変更可能としておくことがより好ましいが、装置構造の簡素化などのためいずれか一方だけを変更可能としても一定の効果を得ることができる。
【0033】
また、上記ノズル33は載置台32に載置された基板を中心に対称に複数配置しておくのが好ましい。例えば図7で一例を例示するように配置した基板の中央部を中心としてノズル33を四隅に点対称的に配設する。ただし、図7は情報表示用パネルを多個取り(ここでは6個取り)用のマスク35を載置した状態を図示しているので、マスク35の中心部に対して点対称にノズル33を配置してある。例えば、図7のように4個の場合は基板中心に対する中心角90度でノズル33を配置し、3個の場合は中心角120度、2個の場合は中心角180度とすればよい。そして、各ノズル33から粒子群を均一に、すなわち同様の条件で吐出するのが望ましい。このように設定すれば粒子充填槽31内の粒子群雰囲気を均一にした好ましい状態で粒子群の充填を行える。
なお、図6、7では粒子充填槽31の側壁にノズル33を設置する場合を例示しているが、粒子充填槽31の底面側に設置してもよい。ただし、この場合には、前述と同様に先端部33FRが載置台32上の基板位置よりも高い位置に設定するのが望ましい。
【0034】
上記のように、図6或いは図7で示す情報表示用パネルの製造装置30内では、情報表示用パネルの製造に際して粒子を充填する工程が実行される。ここでは、粒子群を基板1に形成してあるセル内に充填する粒子充填工程を行う際に、基板上方の領域を回避した位置から仰角EAをもって粒子群を吐出して、上方に向かって吹き上げながら前記セル内に粒子群を充填するようにしているので、前述したように不良品の発生を抑制して歩留りを向上させることができると共に。粒子群を基板上のセル内に粒子群を充填する時間を短縮して充填効率の向上を図ることができる。
【0035】
以下では、更に、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
【0036】
前述した基板としては、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体の色が確認できる透明基板であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。もう一方の基板となる背面基板は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフィン(PES)、アクリル等の有機高分子系基板や、ガラスシート、石英シート、金属シート等を用い、表示面側にはこのうち透明なものを用いる。基板の厚みは、2〜2000μmが好ましく、さらに5〜1000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、2000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合となる。
【0037】
必要に応じて、上記基板に設ける電極の形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛アルミニウム(AZO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピローラ、ポリチオフェンなどの導電性高分子類を例示でき、これらを適宜に選択して用いることができる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、金属箔をラミネートする方法(例えば圧延銅箔法)や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法を用いることができる。
視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、0.01〜10μm、好ましくは0.05〜5μmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。
【0038】
基板に設ける隔壁については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmである。隔壁の高さは、基板間ギャップ以内で、基板用ギャップ確保用部分は基板間ギャップと同じに、それ以外のセル形成用部分は基板間ギャップと同じか、それよりも低くすることができる。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。隔壁の高さは、基板間距離に合わせるが、部分的に基板間距離よりも低くすることもできる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図8に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方がよく、表示状態の鮮明さを増すことができる。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法を好適に用いられる。
【0039】
次に、本発明の装置あるいは方法により製造される一例である帯電粒子移動方式の情報表示用パネルにおいて、表示媒体として用いる粒子群を構成する光学的反射率と帯電性とを有する粒子(以下、表示媒体用粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたりして用いられる。
表示媒体用粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含めることができる。更に、以下で樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
【0040】
表示媒体用粒子の主成分となる樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
【0041】
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
【0042】
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
【0043】
また、黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
【0044】
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
【0045】
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
【0046】
また、表示媒体用粒子は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなり過ぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
【0047】
さらに本発明では、各表示媒体用粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とするのが望ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
【0048】
さらにまた、使用した表示媒体用粒子の内、最大径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)に対する最小径を有する表示媒体用粒子のd(0.5)の比を10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる表示媒体用粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズを同程度にし、互いの表示媒体用粒子反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
【0049】
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行うことができる。
【0050】
さらに、表示媒体用粒子で構成する表示媒体を気体中空間で駆動させる乾式の情報表示用パネルでは、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、上記図1(a)、(b)〜図4(a)、(b)、図5(a)〜(d)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
【0051】
本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに、帯電粒子移動方式の情報表示用パネルでは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
対向する基板間の気体中空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。なお、70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
【0052】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る情報表示用パネルの製造装置、あるいは製造方法により製造される情報表示用パネルは、ノートパソコン、電子手帳、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子書籍、電子新聞、電子マニュアル(電子取扱説明書)等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板やホワイトボード等の掲示板、電子卓上計算機、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence、Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部のほか、POS端末、カーナビゲーション装置、時計など様々な電子機器の表示部に好適に用いられる。他に、リライタブルペーパーとしても好適に用いられる。
なお、本発明に係る情報表示用パネルの駆動方式については、パネル自体にスイッチング素子を用いない単純マトリックス駆動方式やスタティック駆動方式、また、薄膜トランジスタ(TFT)で代表される三端子スイッチング素子あるいは薄膜ダイオード(TFD)で代表される二端子スイッチング素子を用いたアクティブマトリックス駆動方式や、外部電界形成手段を用いた外部電界駆動方式など、種々のタイプの駆動方式が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)、(b)は本発明の対象となる情報表示用パネルの原理的構成を説明するために示した図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の対象となる情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。
【図3】(a)、(b)は本発明の対象となる情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。
【図4】(a)、(b)は本発明の対象となる情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。
【図5】(a)〜(d)は本発明の対象となる情報表示用パネルの他の原理的構成を説明するために示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報表示用パネルの製造装置の側断面図である。
【図7】図6で示す情報表示用パネルの製造装置の平面構成を示した俯瞰図である。
【図8】本発明の対象となる情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1、2 基板
3 表示媒体(粒子群)
4 隔壁
5、6 電極
30 情報表示用パネルの製造装置
33 ノズル
31 粒子充填槽
32 載置台
33FR ノズルの先端部
40 ノズル駆動機構(吐出方向変更手段)
EA 仰角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に粒子群からなる表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造装置であって、
前記基板が載置される載置台を内部に配備してある粒子充填槽と、前記粒子充填槽内に前記粒子群を散布するノズルとを備えており、
前記粒子群を吐出する先端部が前記載置台に載置された前記基板の上方領域を回避して設定されていると共に、当該先端部から吐出される前記粒子群が前記基板の上方に向かって吹き上がるように仰角をもって前記ノズルが配置してある、ことを特徴とする情報表示用パネルの製造装置。
【請求項2】
前記ノズルの先端部は、上下方向で前記載置台に載置された前記基板の位置よりも高い位置に設定してある、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造装置。
【請求項3】
前記ノズルを、前記載置台に載置された前記基板の中央部を中心にして、対称に複数配置してある、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造装置。
【請求項4】
前記仰角が30〜60度に設定してある、ことを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの製造装置。
【請求項5】
前記ノズルの前記仰角及びこれと垂直な方位角の少なくとも一方を変更可能とする吐出方向変更手段を更に備えている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の情報表示用パネルの製造装置。
【請求項6】
少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に粒子群からなる表示媒体を封入し、当該表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルの製造方法であって、
前記粒子群を前記セル内に充填する粒子充填工程を行う際に、基板上方の領域を回避した位置から仰角をもって前記粒子群を吐出して、上方に向かって吹き上げながら前記セル内に粒子群を充填する、ことを特徴とする情報表示用パネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−282249(P2009−282249A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133573(P2008−133573)
【出願日】平成20年5月21日(2008.5.21)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】