説明

情報表示用具

【課題】外部から発見を容易とし、低価格で長期間経過しても劣化しにくい目印表示用具、指示表示用具または名称表示用具となる情報表示用具を提供する。
【解決手段】情報表示用具100の帯体110は、端部と中央部があり、中央部には情報担持部が設けられている。締結具120は筒体状の構造があり、開口と筒空を備えている。筒空の径は、内部に通し入れた帯体110の外径と略同一に調整され、摩擦力を与えて帯体110の動きを抑えて輪の径を保持せしめ、かつ、摩擦力を超える力が帯体110に加わると帯体110の動きを可能として輪の径を可変とする摩擦調整構造が設けられている。樹木200などの幹の周りに帯体110で輪を形成し、端部を締結具120の開口から通し入れて行く。輪の径を幹の径と略同一に引き締めると摩擦調整構造により帯体110の動きが止まる。樹木の成長に合わせて帯体110の輪の径は摩擦調整構造により自然に調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目印表示用具、指示表示用具または名称表示用具に関する。目印表示用具は特に用途は問われず、様々な目印が含まれる。例えば、土地境界などを示す境界杭の発見を容易とする目印表示や、危険な場所がこの先に存在することを示す目印表示なども含まれる。また、指示表示用具も特に指示内容は問われず、様々な指示を表示するものが含まれる。例えば、危険な場所への立ち入りを禁止する立ち入り禁止の指示表示なども含まれる。また、名称表示用具も特に名称表示の対象物は限定されず、例えば、樹木の名称を表示する名称表示や、町名番地を表示する名称表示なども含まれる。
【背景技術】
【0002】
一般に、発見しにくい対象物を容易に見つけ出せるように当該対象物またはその近辺に何らかの目印を付けたいというニーズがある。発見しにくい対象物として、例えば、土地境界を示す境界杭がある。一般に、土地や敷地などの境界を示す境界杭として、石製またはコンクリート製の小さな柱状の境界杭が使用されている。この境界杭を土地境界上に打ち込んでおき、後日、この土地境界杭を手掛かりに境界を把握する。
なお、境界杭の上面に表示板が取付けられているものもある。表示板が取り付けられている場合には、土地所有者の名前や管理番号などが彫刻されたり手書きされたりしており、必要な情報を表示する機能を果たすことができる。
【0003】
しかし、境界杭が山林の地面に埋設されている場合、もともと人が頻繁には近づきにくい場所であったり、木々や草で覆われて見えなくなったり、土砂崩れにより倒壊、流出していたりすることもあり、境界杭の場所が分からないことがしばしばあった。
そこで、従来技術において、上記欠点を克服し、境界杭の表示板などが草木で覆われて見えにくい状態であっても、その発見を容易とする境界杭の発見支援の工夫を施したものが知られている。
【0004】
例えば、特開平9−21642号公報に開示された技術は、比較的に地面の低い位置に設置されている土地境界杭の存在を、周囲から容易に確認するため境界杭の上部に設置するための位置標示板を提供したものである。同公報の図1に示すように、標示板(1)に土地境界杭(5)の上部に差込み固定するための差込筒部(2)を設けておき、その上部に土地境界抗の中心位置と同位置に十字印(3)を設け、標示板(1)の位置を高くするため支持棒(6)を差込筒部(2)との間に設けるという技術である。
つまり、この特開平9−21642号公報に開示された技術を用いれば、地面の地表近くにある土地境界杭(5)に対して、差込筒部(2)を介して背の高い支持棒(6)を差し込むことにより、人目に付きやすい状態とするものである。
【0005】
また、例えば、特開2005−61994号公報に開示された技術は、境界杭の上面の表示板が草木により隠れてしまった状態においても、境界地点に関する位置情報が得られるように、電磁波を用いたものである。同公報の図1に示すように、頭部10の少なくとも一部分が地表から露出するようにして地盤に標示杭Aを埋設しておき、その頂面10aに、外部からの読み出し用電磁波を受けたとき記憶した情報を発信する識別体2を備えた釘形の止着部材15を挿入する挿入孔13に対して埋設したものであり、識別体2に必要な情報を担持させている。
利用者が標示杭Aそのものを見つけられなくても、読み出し用電磁波を放射すれば、標示杭Aの頂面10aに埋設された識別体2から返信される電磁波を捉えることにより担持しておいた情報をもとに隣接する境界杭の方向や距離などその位置を判別できる仕組みとなっている。
【0006】
【特許文献1】特開平9−21642号公報
【特許文献2】特開2005−61994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の境界杭の発見支援の技術には以下の問題がある。
まず、特開平9−21642号公報に開示された技術では、地表に埋設されただけの境界杭に比べて発見しやすい状態となっているが、支持棒(6)の高さが十分でないとやはり樹木に隠れてしまうという問題がある。また、もし、樹木に隠れにくいように支持棒(6)の高さを十分高いものとすれば、構造的に弱くなり、強風による風圧や大型動物との衝突などの外力により、支持棒(6)が折れたり飛ばされたりしてしまうという問題が発生する。
【0008】
一方、特開2005−61994号公報に開示された技術は、特開平9−21642号公報に開示された技術では問題となった強風による風圧や大型動物との衝突などの外力に対して強く、安定しているが、コストの問題と範囲の問題があった。まず、電磁波の送受信機能を備えたICチップである識別体2を用いるため、識別体2のコスト増を招くこととなる。また、現在の技術では、電力装置を持たない、いわゆる受動型のICチップであれば、受信した電磁波により起電力を得て送信する電磁波のエネルギーとするが、その送信距離はせいぜい1〜2m程度と短く、実際には境界杭のすぐ近くに到達していないと正しい送受信が成立しない。もし、いわゆる能動型のICチップであれば、自ら電源を持ち、その電力により送信する電磁波のエネルギーとするが、長期間の駆動を可能とする電源装置は高価であり、コスト増を招くこととなってしまう。また、このように電子機器を用いる装置は、一般に雨風やホコリに弱く、厳しい環境にさらされる山林の境界杭に用いると、直ぐに識別体2が劣化してしまうという問題に直面する。
【0009】
なお、上記は境界杭を発見するための装置について述べたが、上記問題は、例えば、危険な場所への立ち入りを禁止する立ち入り禁止の指示表示用具などでも同様であり、また、例えば、樹木の名称を表示する名称表示や町名番地を表示する名称表示用具についても同様である。
【0010】
そこで、本発明は、上記問題を解決し、外部から発見を容易とし、かつ、低価格で長期間経過しても劣化しにくい特徴を持つ目印表示用具、指示表示用具または名称表示用具となる情報表示用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の情報表示用具は、対象物に対して取り付け、前記対象物に近づいた者に情報を提示する情報表示用具であって、前記対象物の取り付け箇所の外周よりも長い長さに調整され、情報の担持が可能な帯体と、前記帯体において前記情報が前記者に把握できるように担持せしめた情報担持部分と、前記帯体により輪を形成した後、帯体の一部に摩擦力を与えて前記帯体の動きを抑えて前記輪の径を保持せしめ、かつ、前記摩擦力を超える力が前記帯体に加わると前記帯体の動きを可能として前記輪の径を可変とする摩擦調整構造により前記帯体を締結せしめることができる締結具とを備え、前記対象物の前記取り付け箇所の周囲に前記帯体を沿わせつつ前記輪を形成し、前記摩擦調整構造により前記輪の径を前記対象物の前記取り付け箇所の径に調節して締結せしめる情報表示用具である。
【0012】
上記のように、前記締結具の前記摩擦調整構造により帯体の輪の径が調整可能に締結せしめられるものであるため、例えば、前記対象物が樹木であれば、前記対象物である樹木の成長に合わせて前記締結具の前記摩擦調整構造により前記帯体で形成した輪の径が自然に調整される。
【0013】
なお、前記締結具として、以下のものがある。
例えば、いわゆる筒体タイプがある。
1つの構成例は、前記締結具が1本の筒空を備えた筒体であり、前記摩擦調整構造が前記筒空の内径が前記帯体の両方の前記端部同士を合わせて通し入れられる程度の内径として前記筒空の内周壁面と前記帯体の表面との間で適度な摩擦力が生じせしめるものがある。つまり、1つの筒空の中に帯体の両端とも通し入れる構成である。
【0014】
また、別の構成例として、前記締結具が2本の筒空を備えた筒体であり、前記摩擦調整構造がそれぞれの前記筒空の内径が前記帯体の一方の前記端部を通し入れられる程度の内径として前記筒体の筒空の内周壁面と前記帯体の表面との間で適度な摩擦力が生じせしめるものであり、それぞれの前記筒空に前記帯体の前記端部を1つずつ通し入れて締結するものがある。つまり、1つの筒体に2つの筒空を持ち、それぞれの筒空に帯体のそれぞれの端部を通し入れる構成である。
【0015】
なお、筒体は両端にのみ開口を持ち、内部はシンプルな筒空となっている筒体のほか、様々な構造が可能である。例えば、両端の開口に加え、側面の少なくとも一部にも開口が設けられた筒体であっても良い。一例としては、筒体の軸断面形状がいわゆる馬蹄形となるように側面の一部が開口したものがある。側面の一部が開口して軸断面形状がいわゆる馬蹄形であれば、いわゆる径が多少伸縮して変化することができ、内部に通し入れた帯体の太さや折り曲げ具合いの違いを吸収し、筒体の筒空の内周壁面と帯体の表面との間で適度な摩擦力が得られやすくなる。
【0016】
次に、筒空内に帯体の端部を通し入れやすいように、以下の構造を備えることが好ましい。
まず、筒空側の工夫として、前記筒体の前記筒空の少なくとも一端の開口部分がラッパ状に拡径した構造を備え、前記帯体の前記端部を通し入れやすいようにした構造がある。
【0017】
次に、帯体側の工夫として、前記帯体が、端部付近において幅を細くして前記筒体に挿入しやすくした挿入支援構造を備えた構造がある。
【0018】
締結具の別の構成例として帯体を挟んで挟持する挟持体がある。この場合、摩擦調整構造が、前記挟持体と前記帯体の間または重なり合った前記帯体同士の間に生じる摩擦力とする。例えば、いわゆるクリップ型のものなどである。
木の幹が成長して太くなっても、クリップによる留められている帯体が摩擦力に打ち勝ってずれることができ、帯体の輪の径が成長した木の幹の太さに対応した径に調整される。
【0019】
次に、締結具の別の構成例として、帯体の一部に取り付けられた第1の磁石体と、帯体の周回方向に配設された、第1の磁石体と吸着する磁性体または第2の磁石体である磁石吸着体の組み合わせがある。この場合、摩擦調整構造が、前記第1の磁石体が前記磁石吸着体に吸着しながら前記帯体の周回方向にスライド移動する際に生じる摩擦力とする。
木の幹が成長して太くなっても、磁力により留められている帯体が摩擦力に打ち勝ってずれることができ、帯体の輪の径が成長した木の幹の太さに対応した径に調整される。
【0020】
次に、締結具の別の構成例として、弾性体を用いるものがある。
弾性体を用いる場合、帯体の長さが対象物の径よりも短くても弾性体の長さが加わることにより対応できるため、かならずしも帯体の長さが対象物の径よりも長い必要はない。
弾性体を用いる場合、帯体により輪を形成した後、帯体の輪の一端側と輪の他端側の間に渡した弾性体により帯体の動きを抑えて輪の径を保持せしめ、弾性力により帯体を締結せしめる。
木の幹が成長して太くなっても、弾性体が適切な弾性力を維持しつつ延びることにより対応することができ、弾性体の弾性力により帯体および弾性体の長さを成長した木の幹の太さに対応した径に対応するように調節して締結せしめる。
なお、前記帯体の素材は特に限定されないが、劣化しにくい素材であれば使用することができ、天然繊維、化学繊維を問わない。例えば、ポリプロピレン繊維がある。
【0021】
次に、前記情報担持部であるが、やはり容易に消えたりしないように、劣化しにくいものが好ましい。例えば、情報担持部そのものが、前記帯体に縫い込んだ糸により字体を表示したものなどがある。
その他にも、前記情報担持部が、インクが染み込みやすいように繊維状または多孔質状に成型されたものであり、前記情報を前記インクで記載可能とする構成がある。
またさらに、前記情報担持部が、無線で情報をやり取りできるICチップであり、前記情報を前記無線により提示可能とする構成がある。
【0022】
上記構成を備えた本発明の情報表示用具は、多様な利用方法が想定される。
例えば、前記対象物が樹木であり、前記情報担持部に近隣に土地境界があることを示す情報を担持させ、土地境界表示用具として使用する利用方法がある。
また、前記情報担持部に担持される情報が近隣に探索目的物があることを示す情報であり、本発明の情報表示用具を目印として使用する利用方法がある。
また、前記情報担持部に担持される情報がそれを見た者に対する指示を示す情報であり、本発明の情報表示用具を指示表示用具として使用する利用方法がある。
また、前記情報担持部に担持される情報が前記対象物の名称を示す情報であり、本発明の情報表示用具を名称表示用具として使用する利用方法がある。
【発明の効果】
【0023】
本発明の情報表示用具によれば、対象物に対して簡単に締結することができ、その輪の径は締結具の前記摩擦調整構造により対象物の径に合わせて調整が容易にでき、さらに、樹木など年月が経つと径が変化するようなものであっても、樹木の成長に合わせて帯体の輪の径を自然に拡げ、常に適切に樹木の幹に巻きついて落ちることがない。
本発明の情報表示用具は、情報担持部に表示する内容により多様な利用が可能である。例えば、情報担持部に近隣に土地境界があることを示す情報を書けば土地境界表示用具として使用できる。また、情報担持部に近隣に探索目的物があることを示す情報を書けば目印として使用できる。また、情報担持部にそれを見た者に対する指示を示す情報を書けば指示表示用具として使用できる。また、情報担持部に対象物の名称を示す情報を書けば名称表示用具として使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の情報表示用具の実施例を説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に示した具体的な用途、形状、本数、個数などには限定されないことは言うまでもない。
また、ここでは、対象物の例を樹木とし、情報担持部には近隣に土地境界があることを示す情報が表示され、土地境界杭の目印として使用する利用例を中心に説明する。しかし、情報表示用具の取り付け対象物は樹木に限らず、木柱、鉄柱、石材など柱状のものであれば何でも取り付けることができ、また、利用の用途は土地境界杭の目印のみならず、様々な目印、指示表示、名称表示に用いることができる。
【実施例1】
【0025】
実施例1にかかる本発明の情報表示用具の例を示す。
図1は、実施例1にかかる情報表示用具100の一構成例を示す図である。
図1に示すように、実施例1にかかる情報表示用具100は、帯部110、締結具120を備えた構造となっている。なお、帯部110と締結具120は分離した状態で示されている。
【0026】
帯部110は、対象物の取り付け箇所の外周よりも長い長さに調整され、情報の担持が可能な帯状のものである。素材は特に限定されず、可撓性あり耐久性のあるものであれば適用することができる。例えば、天然繊維、化学繊維、金属薄板などがある。この例では一枚のポリプロピレン繊維製の帯とする。ポリプロピレン繊維とは畳み縁などに広く用いられるものであり、可撓性があり、耐久性があり、比較的安価であり、また、光沢を出しやすいので遠目からの視認性も高い。また、糸の色が豊富であり、後述するように情報担持部において情報を表示する際、糸を縫着することにより字体を形成することにも向いている。
この構成例では、帯部110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっている。
【0027】
端部111,端部113は、帯部110の端を形成する部分である。この構成例では、後述するように締結具120の開口121から筒空122内に通し入れられる。なお、帯体110の長さが対象物の外周よりも少し長い程度であれば、端部111、端部113の一部が締結具120の筒空122内にとどまり、摩擦力により適度に締結される部分ともなる。
この構成例では、端部111,113付近において帯体110の幅が細くなっており、後述するように締結具120の開口121から筒空122内に挿入されやすくした挿入支援構造となっている。なお、挿入支援構造は、いわゆる断ち切りで形成しても良く、いわゆる縫い合わせにより形成しても良い。いわゆる断ち切りの場合、ほつれやすいので手間はかかるが縫い合わせの方がその耐久性が向上する。
【0028】
中央部112は、帯の中央付近を占める部分であり、対象物に巻き付ける部分となる。また、少なくとも一部に情報担持部114が設けられている。
情報担持部114は、見た者に情報が把握できるように担持せしめる部分である。情報の担持方法としては様々あり、帯体110に縫い込んだ糸により字体を表示することにより情報を担持するものや インクが染み込みやすいように帯体110が繊維状または多孔質状に成型されたものであり、担持する情報をインクで記載したものがある。またさらに、情報担持部として無線で情報をやり取りできるICチップを帯体110内に埋設したものも可能である。無線を介して情報を提示可能となる。
【0029】
この構成例では、帯体110に縫い込んだ糸により字体を表示することにより情報を担持せしめた例となっている。担持した情報は「境界」という字であり、後述するように、取り付けた樹木200のそばに土地境界があることを近づいた者に対して示すものとなっている。
【0030】
次に、締結具120について説明する。
実施例1に説明する締結具120は、筒体の例である。
図1に示すように、締結具120である筒体は、開口121、筒空部122、開口123を備えているが、この構成例では、筒空部121は1つのみの構成例となっている。また、この構成例では、開口121と開口123は同じ形状であり、後述する帯体110の挿入において、どちらが入口でどちらが出口であっても良い。
【0031】
この例では、摩擦調整構造として、筒空122の内径は2本分の帯体110を合わせて通し入れられる程度の内径に調整されている。このように筒空122の内径を調整しておくことにより筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間が適度に押圧し合い、適度な摩擦力が生じることとなる。適度な摩擦力が生じれば、容易には締結具120から帯体110が抜け出なくなり、後述するように形成されている帯体110の輪が解けることなく対象物をしっかりと挟持した状態を維持することができる。
【0032】
一方、筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間に生じる摩擦力が適度なものであれば、その摩擦力を超える力を加えれば、帯体110で形成した輪を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができる。
【0033】
次に、実施例1の情報表示用具100を対象物に取り付ける方法を説明する。
図2は、情報表示用具100を対象物に取り付ける様子を示した図である。この例では木200の幹に対して締結する様子を示す図となっている。
【0034】
まず、図2(a)に示すように、木200の幹の周りに帯体110を回して両端部111,113を合わせ、帯体110によって輪を形成する。
【0035】
次に、図2(b)に示すように、筒体である締結具120の一方の開口121から筒空122内に帯体110の端部111,113を突っ込んで行く。このように、挿入支援構造があれば、端部111,113付近において径が小さくなり、端部111,113付近は筒体の筒空122内に通しやすい。
【0036】
次に、図2(c)に示すように、他方の開口123から出てきた帯体110の端部111,113を掴んで引っ張り出す。帯体110を締結具120に通し入れて引き出すことにより帯体110で形成した輪の径が小さくなってゆく。帯体110の輪が対象物である樹木200の樹皮をしっかり捉えたところで帯体110の端部111,113の引き出しを停止する。
【0037】
この構成例では、締結具120である筒体の筒空122内に帯体110の2本の中央部122が中にとどまり、筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間が適度に押圧し合い、適度な摩擦力が生じている。この摩擦力調整構造により適度な摩擦力が生じているため、本発明の情報表示用具100は対象物である樹木200に対してしっかりと安定して取り付けることができ、長期間にわたって担持した情報を周囲の者に提示する事が出来る状態となる。
【0038】
図2(d)に示すように、樹木200が成長して幹が太くなった場合、本発明の情報表示用具100のように摩擦調整構造があれば、締結具120の締結位置が幹の成長に合わせてずれてゆき、常に帯体110で形成する輪の径が幹の径と略同一に調整され、帯体110が幹の樹皮の周囲に適度な強さで巻きつけられる。
【0039】
以上、本発明の情報表示用具によれば、対象物に対して簡単に締結することができ、その輪の径は締結具の前記摩擦調整構造により対象物の径に合わせて調整が容易にでき、さらに、樹木など年月が経つと径が変化するようなものであっても、樹木の成長に合わせて帯体の輪の径を自然に拡げ、常に適切に樹木の幹に巻きついて落ちることがない。
【実施例2】
【0040】
実施例2として、締結具120aに工夫を加えた情報表示用具100aの構成例を説明する。
実施例2の情報表示用具100aは、図3(a)に示すように、帯体110、締結具120aを備えている。
【0041】
帯体110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっており、実施例1の帯体110と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0042】
締結具120aは、図3(a)に示すように、開口121、筒空部122、開口123に加え、側面開口124を備えた構成となっている。なお、この構成例では、筒空部121は1つのみの構成例となっている。また、この構成例では、開口121と開口123は同じ形状であり、後述する帯体110の挿入において、どちらが入口でどちらが出口であっても良い。
【0043】
実施例2の摩擦調整構造は、筒空122の内径が2本分の帯体110を合わせて通し入れられる程度の内径に調整されている構造となっている点に加え、側面開口124を設けておくことにより、筒空122の内径が伸縮できる弾性構造となっている。
【0044】
まず、筒空122の内径が2本分の帯体110を合わせて通し入れられる程度の内径に調整されている構造によって、実施例1と同様、筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間が適度に押圧し合い、適度な摩擦力が生じることとなる。適度な摩擦力が生じれば、容易には締結具120aから帯体110が抜け出なくなり、後述するように形成されている帯体110の輪が解けることなく対象物をしっかりと挟持した状態を維持することができる。
【0045】
次に、側面開口124を設けておく構造により、締結具120aの軸断面が、図3(b)に示すように、いわゆる馬蹄形となっている。締結具120aの素材にもよるが、例えばプラスチック製の素材で形成されておれば、図3(b)に示すように、内圧に応じて多少の拡径、縮径ができる構造となる。つまり、筒空122の内径が伸縮できる弾性構造となっている。このように筒空122の内径が伸縮できる弾性構造であれば、摩擦調整構造として、筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間に生じる摩擦力のバラツキを小さくできるというメリットが得られる。
【0046】
つまり、帯体110を筒空122に通す際の帯体110の折れ曲がり方や捩じれ方によって帯体110の締結具120aの筒体の筒空122内で生じる押圧力に多少バラツキがあり、ある姿勢では摩擦力が強く、別の姿勢では摩擦力が弱いという現象が生じ得る。しかし、実施例2の締結具120aの筒体では、側面開口124を設けておく構造であるため、帯体110の筒空122内での姿勢によってバラツキがある内圧に応じて多少の拡径、縮径ができるため、略一定の内圧状態になったところで締結具120aの筒体の径が安定する。つまり、摩擦調整構造として、筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間に生じる摩擦力のバラツキが小さくなるというメリットが得られる。
【0047】
なお、実施例1で説明したように、実施例2の締結具120aの筒体においても、得られている摩擦力を超える力を加えれば、帯体110を移動させることができ、帯体110で形成した輪を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができるというメリットは得られる。
取り付け方法については、実施例1の図2と同様であるので、ここでは省略する。
また、使用方法についても、実施例1と同様、情報担持部114に担持させる情報に応じて様々な利用が可能となる。
【実施例3】
【0048】
実施例3として、締結具120bが異なる情報表示用具100bの構成例を説明する。
実施例3の情報表示用具100bは、図4に示すように、帯体110、締結具120bを備えている。
【0049】
帯体110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっており、実施例1の帯体110と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0050】
締結具120bは、図4に示すように、2つの筒体が設けられた構造となっている。つまり、第1の筒体120b−1を形成する開口121b−1、筒空部122b−1、開口123b−1、第2の筒体120b−2を形成する開口121b−2、筒空部122b−2、開口123b−2を備えた構成となっている。この構成例では、第1の筒体120b−1と第2の筒体120b−2は同じ形状である。
【0051】
実施例3の摩擦調整構造は、第1の筒体120b−1の筒空122b−1、第2の筒体120b−2の筒空122b−2とも、その内径が1本分の帯体110を通し入れられる程度の内径に調整されている構造となっている。
【0052】
筒空122b−1および筒空122b−2の内径が1本分の帯体110を通し入れられる程度の内径に調整されている構造によって、実施例1と同様、筒空122b−1および筒空122b−2の内周壁面と帯体110の表面との間が適度に押圧し合い、適度な摩擦力が生じることとなる。適度な摩擦力が生じれば、容易には締結具120bから帯体110が抜け出なくなり、後述するように形成されている帯体110の輪が解けることなく対象物をしっかりと挟持した状態を維持することができる。
【0053】
一方、筒空122b−1および筒空122b−2の内周壁面と帯体110の表面との間に生じる摩擦力が適度なものであれば、その摩擦力を超える力を加えれば、帯体110で形成した輪を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができる。
【0054】
次に、実施例3の情報表示用具100bを対象物に取り付ける方法を説明する。
図5は、情報表示用具100を対象物に取り付ける様子を示した図である。この例では木200の幹に対して締結する様子を示す図となっている。
【0055】
まず、図5(a)に示すように、木200の幹の周りに帯体110を回して両端部111,113を合わせ、帯体110によって輪を形成する。
【0056】
次に、図5(b)に示すように、締結具120bの第1の筒体120b−1の一方の開口121b−1から筒空122内に帯体110の端部111を突っ込んで行く。同様に、締結具120bの第2の筒体120b−2の一方の開口121b−2から筒空122内に帯体110の端部113を突っ込んで行く。
【0057】
次に、図5(c)に示すように、第1の筒体120b−1の開口123b−1から出てきた帯体110の端部111と、第2の筒体120b−2の開口123b−2から出てきた帯体110の端部113を掴んで引っ張り出す。帯体110を締結具120b−1に通し入れて引き出すことにより帯体110で形成した輪の径が小さくなってゆく。
【0058】
図5(d)に示すように、帯体110の輪が対象物である樹木200の樹皮をしっかり捉えたところで第1の筒体120b−1および第2の筒体120b−2から帯体110の端部111,113の引き出しを停止する。
【0059】
この構成例では、締結具120bである第1の筒体120b−1の筒空122b−1内および第2の筒体120b−2の筒空122b−2内に、帯体110の中央部122が中にとどまり、筒空122b−1および筒空122b−2の内周壁面と帯体110の表面との間が適度に押圧し合い、適度な摩擦力が生じている。この摩擦力調整構造により適度な摩擦力が生じているため、本発明の情報表示用具100は対象物である樹木200に対してしっかりと安定して取り付けることができ、長期間にわたって担持した情報を周囲の者に提示する事が出来る状態となる。
【実施例4】
【0060】
実施例4として、締結具120cが異なる情報表示用具100cの構成例を説明する。
実施例3の情報表示用具100cは、図6に示すように、帯体110、締結具120cを備えている。
【0061】
帯体110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっており、実施例1の帯体110と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0062】
締結具120cは、図6に示すように、開口121c、筒空部122、開口123を備えた構成となっている。なお、この構成例では、開口121cの形状がいわゆるラッパ状に拡径した形状となっている。また、この構成例では、開口123はラッパ状になっておらず、通常の筒を軸に対して垂直に断ち切ったような端面となっているが、開口123についても開口121cと同様、いわゆるラッパ状の形状となっているものも可能である。
【0063】
この工夫は、以下のように説明できる。
摩擦力調整構造により、筒空122の内径が2本分の帯体110を合わせて通し入れられる程度の内径に調整されており、実施例1と同様、筒空122の内周壁面と帯体110の表面との間が適度に押圧し合い、適度な摩擦力が生じることとなる。このように摩擦力を生じさせるためには、筒空122の内径と、筒空122内に通しいれられた帯体110の外径とが略同一程度である必要がある。この場合、開口121cが通常の筒を軸に対して垂直に断ち切ったような端面となっていると、コンディションによっては帯体110がうまく折り曲がらずに挿入しにくい場合もあり得る。そこで、開口121cの形状をラッパ状の形状としておけば、帯体110が開口121cを介して内部の筒空122内に入って行きやすくなるというメリットが得られる。
【0064】
図7は、実施例4に示した情報表示用具100cの樹木200への装着方法を簡単に示した図である。図7(b)に示すように、開口121cの形状をラッパ状の形状であるので、帯体110の端部111及び端部113が開口121cを介して内部の筒空122内に入って行きやすくなっている。
【0065】
帯体110の端部111及び端部113が反対の開口123から出てくれば、端部111及び端部113を引っ張って輪の径を樹木200の径と略同一となるまで引き締めれば良い。
【0066】
以上、実施例4に示した情報表示用具100cによれば、開口121cの形状をいわゆるラッパ状に拡径した形状としておくことで帯体110が開口121cを介して内部の筒空122内に入って行きやすくなるというメリットが得られる。
【実施例5】
【0067】
実施例5として、締結具120dが異なる情報表示用具100dの構成例を説明する。
図8は、実施例5にかかる情報表示用具100dの一構成例を示す図である。
実施例5の情報表示用具100dは、図8に示すように、帯体110、締結具120dを備えている。
【0068】
帯体110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっており、実施例1の帯体110と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0069】
締結具120dは、実施例1から実施例4とは異なり、いわゆるクリップ型の締結具となっている。
例えば、クリップ型の締結具120dとして、バネなどの弾性体126の弾性力を利用した締結具120d1、線材の曲げ弾性力を利用した締結具120d2などがある。
【0070】
締結具120d1は、2つの締結面125と、弾性体126を備えている。つまり、弾性体126が供給する弾性力を利用して締結面125の間の幅を伸縮させる締結具となっている。摩擦調整構造は、帯体110の両方の端部を合わせて締結面125の間に挟持せしめ、弾性体126にて挟持圧力を与えることで、帯体110同士の間で適度な摩擦力が生じるものとなっている。
【0071】
締結具120d1は、いわゆる渦を巻くように線材が加工されたタイプであるが、帯体110の厚みによって線材を曲げるように線材の間に帯体110を入れ込み、線材の曲げ弾性力を利用して帯体110を留めるものである。
摩擦調整構造は、帯体110を合わせて締結具120d2の線材の間に入れ込んで挟持せしめ、曲げ弾性力による挟持圧力を与えることで、帯体110同士の間で適度な摩擦力が生じるものとなっている。
【0072】
なお、実施例1で説明したように、実施例5の締結具120d1、締結具120d2においても、得られている摩擦力を超える力を加えれば、帯体110をスライド移動させることができ、帯体110で形成した輪を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができるというメリットは得られる。情報担持部114に担持させる情報に応じて様々な利用が可能となる点は実施例1と同様である。
【0073】
次に、実施例5の情報表示用具100dを対象物に取り付ける方法を説明する。
図9(a)、図9(b)は、締結具120d1を用いて情報表示用具100dを対象物に取り付ける様子を示した図である。この例では木200の幹に対して締結する様子を示す図となっている。
【0074】
まず、図9(a)に示すように、木200の幹の周りに帯体110を回して両端部111,113を合わせ、帯体110によって輪を形成する。
【0075】
次に、図9(b)に示すように、クリップ状の締結具120d1の締結面を拡げ、帯体110の端部111,113を締結面にて挟み込み、弾性体126の弾性力により帯体110の端部111,113を挟持させる。この際、締結具120d1により締結する部分は、樹木200と帯体110の輪との間で不要な遊び空間が生じないように樹木200の樹皮のそばで締結具120d1を取り付ける。
【0076】
この構成例では、締結具120d1の締結面により帯体110の一部が合わさるように留められ、締結具120d1の締結面と帯体110の表面、さらに、重なり合っている帯体110の表面同士において適度な摩擦力が生じている。この摩擦力調整構造により適度な摩擦力が生じているため、本発明の情報表示用具100は対象物である樹木200に対してしっかりと安定して取り付けることができ、長期間にわたって担持した情報を周囲の者に提示する事が出来る状態となる。
【0077】
一方、締結具120d1の弾性体から加えられる弾性力が適度なものであれば、締結具120d1の締結面と帯体110の表面、さらに、重なり合っている帯体110の表面同士に生じる摩擦力が適度なものとなり、摩擦力調整構造として、その摩擦力を超える力を加えれば、締結具120d1の弾性力に打ち勝って帯体110が締結具120d1の内部で擦れ動き、輪の径を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができる。
【0078】
次に、図9(c)、図9(d)は、締結具120d2を用いて情報表示用具100dを対象物に取り付ける様子を示した図である。この例では木200の幹に対して締結する様子を示す図となっている。
【0079】
まず、図9(c)に示すように、木200の幹の周りに帯体110を回して両端部111,113を合わせ、帯体110によって輪を形成する。
【0080】
次に、図9(d)に示すように、クリップ状の締結具120d2の線材の間に帯体110の端部111,113を挟み込み、線材の弾性力により帯体110の端部111,113を挟持させる。この際、締結具120d2により締結する部分は、樹木200と帯体110の輪との間で不要な遊び空間が生じないように樹木200の樹皮のそばで締結具120d2を取り付ける。
【0081】
この構成例では、締結具120d2の線材により帯体110の一部が合わさるように留められ、重なり合っている帯体110の表面同士において適度な摩擦力が生じている。この摩擦力調整構造により適度な摩擦力が生じているため、本発明の情報表示用具100は対象物である樹木200に対してしっかりと安定して取り付けることができ、長期間にわたって担持した情報を周囲の者に提示する事が出来る状態となる。
【0082】
一方、締結具120d2の線材の曲げ弾性力が適度なものであれば、重なり合っている帯体110の表面同士に生じる摩擦力が適度なものとなり、摩擦力調整構造として、その摩擦力を超える力を加えれば、締結具120d2の曲げ弾性力に打ち勝って帯体110が締結具120d2の内部で擦れ動き、輪の径を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができる。
【実施例6】
【0083】
実施例6として、締結具120eが異なる情報表示用具100eの構成例を説明する。
図10は実施例6にかかる情報表示用具100eの一構成例を示す図である。
実施例6の情報表示用具100eは、図10に示すように、帯体110、締結具120eを備えている。
【0084】
帯体110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっており、実施例1の帯体110と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0085】
締結具120eは、帯体110の一部に取り付けられた第1の磁石体127と、帯体の周回方向に配設された、第1の磁石体127と吸着する磁性体または第2の磁石体である磁石吸着体128の組み合わせとなっている。
図10(a)の構成例では、帯体110の一端側の表面に第1の磁石体127が取り付けられており、帯体110の裏面には周回方向にライン状に金属板などの磁性体の磁石吸着体128が設けられている例となっている。なお、この配置は一例であり、他の配置が可能であることは言うまでもない。
【0086】
この構成例における締結具120eの装着方法は、図10(b)に示すように、第1の磁石体127が取り付けられている一端側を裏面に沿わせつつ輪を形成して対象物の周囲に巻き付け、第1の磁石体127を帯体110の裏面の磁石吸着体128に吸着させる。
ここで、摩擦調整構造は、第1の磁石体127が磁石吸着体128に吸着しながら帯体110の周回方向にスライド移動する際に生じる摩擦力となる。
【0087】
次に、図11は、締結具120eを用いて情報表示用具100eを対象物に取り付ける様子を示した図である。この例では木200の幹に対して締結する様子を示す図となっている。
図11に示すように、木200の幹の周りに帯体110を回し、第1の磁石体127が取り付けられている一端側を裏面に沿わせつつ輪を形成して対象物の周囲に巻き付け、第1の磁石体127を帯体110の裏面の磁石吸着体128に吸着させる。
【0088】
この際、締結具120eの第1の磁石体127の吸着位置は、樹木200と帯体110の輪との間で不要な遊び空間が生じないように磁石吸着体128に対して取り付ける。
【0089】
第1の磁石体127が磁石吸着体128に吸着すれば、対向面方向に吸着力が生じているため、本発明の情報表示用具100の帯体110の径が安定し、対象物である樹木200に対してしっかりと安定して取り付けることができ、長期間にわたって担持した情報を周囲の者に提示する事が出来る状態となる。
【0090】
また、対向面方向に吸着力のほか、第1の磁石体127と磁石吸着体128の間には、周回方向のスライドに対しては、第1の磁石体127と磁石吸着体128同士において適度な摩擦力が生じる構成となっている。この摩擦力調整構造により適度な摩擦力が生じているため、木の幹が成長して太くなっても、磁力により留められている帯体110において、第1の磁石体127が摩擦力に打ち勝って磁石吸着体128上をスライド移動することができ、帯体110の輪の径が成長した木の幹の太さに対応した径に調整される。
【実施例7】
【0091】
実施例7として、締結具120fが異なる情報表示用具100fの構成例を説明する。
図12は実施例7にかかる情報表示用具100fの一構成例を示す図である。
情報表示用具100fは、図12に示すように、帯体110、締結具120fを備えている。
【0092】
帯体110は、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114を備えた構成となっており、実施例1の帯体110と同様であるのでここでの説明は省略する。
【0093】
締結具120fは、いわゆるバックル上の締結具である。図12の構成例では、締結具120fには第1の孔129−1、第2の孔129−2が設けられている。帯体110を締結具120fの第1の孔129−1と第2の孔129−2を縫うように蛇行させて通し入れることにより第1の孔129−1および第2の孔129−2の縁と帯体110との間の摩擦力を生じせしめるものとなっている。
なお、締結具120fに設けた孔の配置は一例であり、他の配置が可能であることは言うまでもない。
【0094】
次に、実施例7の情報表示用具100fを対象物に取り付ける方法を説明する。
図13は、締結具120fを用いて情報表示用具100fを対象物に取り付ける様子を示した図である。この例では木200の幹に対して締結する様子を示す図となっている。
【0095】
図13に示すように、木200の幹の周りに帯体110を回して帯体110によって輪を形成しつつ、帯体110を締結具120fの第1の孔129−1と第2の孔129−2を縫うように蛇行させて通し入れる。
この際、樹木200と帯体110の輪との間で不要な遊び空間が生じないように締結具120fで適度に締めるように取り付ける。
【0096】
この構成例では、締結具120fにより帯体110の一部が合わさるように留められ、締結具120fと帯体110、さらに、重なり合っている帯体110の表面同士において適度な摩擦力が生じている。この摩擦力調整構造により適度な摩擦力が生じているため、本発明の情報表示用具100は対象物である樹木200に対してしっかりと安定して取り付けることができ、長期間にわたって担持した情報を周囲の者に提示する事が出来る状態となる。
【0097】
一方、締結具120fにより与えられる摩擦力が適度なものであれば、木の成長に伴って幹が太くなり、その摩擦力を超える力が加われば、帯体110が締結具120fの内部で擦れ動き、輪の径を拡げることができる。後述するように、樹木が成長するなど対象物の径が大きくなる場合に拡がった径の分だけ輪の径を拡げることができる。
【実施例8】
【0098】
実施例8として、弾性体を用いた締結具を用いた構成例を示す。
図14は、実施例8にかかる情報表示用具100gの一構成例を示す図である。
図14に示すように、実施例8にかかる情報表示用具100gは、帯部110、締結具120gを備えた構造となっている。なお、図14(a)は帯体110gの表面側、図14(b)は帯体110gの裏面側が図示されており、図14(c)は帯体110gの長さを調整する様子を模式的に図示したものとなっている。
【0099】
この構成例では、帯部110gは、一方の端部111、中央部112、他方の端部113、情報担持部114に加え、小孔115g、長さ調整機構116gおよび117gを備えた構成となっている。
【0100】
帯部110gの長さは、対象物の取り付け箇所の外周よりも若干短い長さ、または、長さを対象物の取り付け箇所の外周よりも短く調整可能な構造を備えたものとなっている。後述するように、弾性体120gを用いる場合、帯体の長さが対象物の径よりも短くても弾性体の長さが加わることにより対応できるため、かならずしも帯体の長さが対象物の径よりも長い必要はない。
【0101】
次に、小孔115gは、後述するように弾性体である締結具120gを取り付ける部分である。この構成例では、締結具120gの端部が鉤状のフックとなっており、このフックを小孔115gに引っ掛けるようにして取り付けるものとなっている。
【0102】
次に、長さ調整機構116gおよび117gは、対象物となる木の幹などの太さに応じて帯体110gの長さを変えるものである。この構成例では、面ファスナーを用いた例となっている。いわゆる雄の面ファスナー116gを帯体110gの裏面の一端に貼り付け、いわゆる雌の面ファスナー117gを帯体110gの裏面の周回方向にライン上に貼り付けたものなっている。
【0103】
帯体110gの長さの調整は、図14(c)に示すように、雄の面ファスナー116gが取り付けられた一端側を適切な位置において折り曲げ、雄の面ファスナー116gを雌の面ファスナー117gに取り付けて固定し、帯体110gを折り曲げることにより帯体110gの長さを所望の長さに調整する。このように面ファスナーを用いて帯体110gを折り曲げることにより帯体110gの長さを調整することができる。
【0104】
次に、締結具120gについて説明する。
実施例8に説明する締結具120gは、弾性体を用いた例である。
この構成例では締結具120gはバネの例となっているが、弾性体であれば良く、例えば、ゴムなどであっても良い。しかし、風雨に晒される場合も想定されるため、弾性体の素材としては錆びたり劣化したりしにくい素材、例えば、ステンレス製のバネなどが好ましい。
【0105】
次に、締結具120gを用いた情報表示用具100gの取り付けについて説明する。
図15は、情報表示用具100gを対象物200である木の幹に取り付ける様子を示す図である。
図15に示すように、帯体110gにより輪を形成した後、帯体110gの輪の一端側と輪の他端側の間に弾性体120gを渡すことにより輪の径を適度に保持せしめ、弾性力により帯体110gを対象物200に締結せしめる。
【0106】
図15に示す状態において、締結具120gの弾性力は、帯体110gの輪の径を小さくする方向に働き、帯体110gにより対象物200の表面を適度に締め付ける効果が生じ、帯体110gの裏面と対象物200の表面との間で適度な摩擦力が生じることとなり、帯体110gが対象物200の取り付け箇所に取り付けることができる。
【0107】
なお、弾性体120gを用いる場合、図15に示すように、木の幹が成長して太くなっても、弾性体が適切な弾性力を維持しつつ延びることにより対応することができ、弾性体の弾性力により帯体および弾性体の長さを成長した木の幹の太さに対応した径に対応するように調節して締結せしめることができる。
【実施例9】
【0108】
実施例9として、本発明の情報表示用具の多様な利用方法について説明する。
例えば、情報担持部に担持される情報が近隣に探索目的物があることを示す情報であり、本発明の情報表示用具を目印として使用する利用方法がある。図16(a)の例では、対象物が樹木であり、情報担持部114に近隣に土地境界があることを示す情報である「土地境界」という情報を担持させ、情報表示用具100を土地境界表示用具として使用する利用方法を示している。
【0109】
山林など一般には土地境界が一見して良く分からず、土地境界を示す境界杭310自体が草木で覆われて発見が難しい状態であっても、近隣の目立つ樹木200の目立つ位置、例えば、目線の高さ付近の幹に本発明の情報表示用具100を取り付けておいて、情報担持部に「土地境界」などの情報を担持させておけば、遠目から樹木200に取り付けた情報表示用具100が見え、情報表示用具100を目標として近づくことができ、情報担持部に担持させた情報が読める位置までくると「境界」という情報を認識することができる。この「土地境界」という情報提示により、土地境界の探索者はこの付近に境界杭があることを察知して探索をすれば、草木に覆われている境界杭310を発見しやすくなる。
【0110】
その他にも多様な利用法がある。図16(b)の例は、情報担持部123に担持されている情報が「鳥獣罠」となっている。本発明の情報表示用具100が取り付けられた樹木200のそばに何らかの鳥獣罠320が仕掛けられていることを示している。罠を仕掛けた猟師なら本発明の情報表示用具100を見つけるだけで近隣に鳥獣罠320が仕掛けられていることを察知でき、また、一般の入山者は、情報担持部123に書かれた「鳥獣罠」の字を見て、付近に鳥獣罠320が仕掛けられているという事実を把握することができる。
【0111】
その他にも本発明の情報表示用具100には多様な利用方法がある。
例えば、情報担持部123に担持される情報がそれを見た者に対する指示を示す情報であり、本発明の情報表示用具100を指示表示用具として使用する利用方法がある。
【0112】
図17(a)の例は、情報担持部123に担持されている情報が「登山道」となっている。
山道には行く先々で分岐している場合が良くある。その際、登山客向けに良く整備された登山道においては、分岐点において案内板が設けられていることがある。しかし、小さな山道などでは分岐点に何らの案内板も設けられていない場合もしばしばある。そこで、「登山道」と情報を担持させた本発明の情報表示用具100を樹木などに取り付けておいて、入山者が道に迷わぬように指示を与える。
【0113】
図17(b)の例は、情報担持部123に担持されている情報が「危険:立ち入り禁止」となっている。山道には行く先々で崖、陥没、クマの通り道、ハチの巣など、一般者が近寄ると危険な場所が多々ある。そこで、危険であり、立ち入りが禁止されていることを入山者に知らせる必要がある地点の樹木などに本発明の情報表示用具100を指示表示用具として取り付けておく。
【0114】
次に、情報担持部123に担持される情報が取り付けた対象物の名称を示す情報であり、本発明の情報表示用具100を名称表示用具として使用する利用方法がある。
【0115】
図18の例は、情報担持部123に担持されている情報が「うるし」となっている。
山の中には、様々な樹木が生えているが、一般者には種類が分からない場合がある。本発明の情報表示用具100の情報担持部123に、その樹木名を書きこんで取り付ければ、樹木200の名称を容易に知ることができる。植物園など雨風の影響が少ない環境や、観光登山用の山道など人の手入れが行き届いた環境では、珍しい樹木のそばに看板を立てて樹木名を表示している例があるが、雨風にさらされ、周囲が草木で覆われやすい一般の山の中では看板の類は直ぐに用をなさなくなる場合がある。
【0116】
一方、本発明の情報表示用具100では、ポリプロピレン繊維のように劣化しづらく、樹木自体の幹に取り付けることができ、かつ、年月が経って樹木が成長しても摩擦力調整構造により常に所定範囲の摩擦力にて樹木200に取り付けられており、長期間にわたり樹木の名称を提示することができる。例えば、目線の高さ付近の幹に本発明の情報表示用具100を取り付けておいて、情報担持部に「うるし」など樹木名の情報を担持させておけば、遠目から樹木200に取り付けた情報表示用具100が見え、情報表示用具100を目標として近づくことができ、情報担持部に担持させた情報が読める位置までくると「うるし」という情報を認識することができる。
【0117】
なお、情報担持部123に担持させた情報は、糸などを縫い込んで字体を形成すれば基本的には半永久的に消えることはないが、当初から汎用的に用途を定めず、対象物に取り付ける際に情報担持部に担持させる情報が決まる場合、情報担持部123はインクが染み込みやすいように繊維状または多孔質状に成型されたものであり、当初ブランクとしておいて、担持したい情報が決まれたインクで記載するということも可能である。
【実施例10】
【0118】
実施例10は、情報担持部が無線で外部と情報のやり取りができる無線ICチップとし、担持させた情報を外部の無線送受信装置との間で無線にてやり取りできる情報表示用具100eの構成例である。
【0119】
図19は、情報担持部114eとして小型の無線ICチップを帯体の肉厚の中に埋め込んだ状態で装着した、情報表示用具100eの構成例を示す図である。
図19(b)に示すように、外部から無線送受信装置400から発信した電波を受け、情報担持部114eである小型の無線ICチップ内で起電力を得て、内部に担持している情報を返信する機能を備えている。
【0120】
無線送受信装置400は情報担持部114eである無線ICチップから受信した電波をデコードし、担持させていた情報を得る。例えば、情報担持部114eである無線ICチップ内に土地境界という情報が担持されていれば、受信者は近くに土地境界杭があることを知ることができる。
【0121】
なお、無線の場合、送受信範囲が広すぎると情報表示用具100eを取り付けた場所自体の発見がかえって難しくなる場合もあるが、小型の無線ICチップの電波発信能力を10m程度に抑えるなどの工夫を行うことも可能である。
【実施例11】
【0122】
実施例11は、帯体110の繊維に蓄光糸を用いて帯体110を光らせる工夫を施した例である。
図20は、帯体110の繊維に蓄光糸を用いて帯体110を光らせる工夫を施した例を示す図である。
【0123】
例えば、近隣に土地境界杭の存在があることを知らせる用途の情報表示用具100である場合、野外であるため、曇りや雨天など天候に応じて、また、季節に応じて、昼間でも周囲が高い草木に覆われている場合、情報表示用具100が取り付けられている箇所が暗い場合もあり得る。このように情報表示用具100が取り付けられている箇所が暗い場合、情報表示用具100自体が発見しにくい場合もある。そこで、帯体110の繊維に蓄光糸を用いたものであれば、帯体110が発光することができ、周囲が暗い中でも比較的に帯体110を発見しやすくなるというメリットが得られる。
蓄光糸としては、蓄光材を練り込んだ糸であれば良く、特に限定されない。
【0124】
以上、本発明の情報表示用具の好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明は、目印表示用具、指示表示用具、名称表示用具など情報を表示する用具として広く適用することができ、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】実施例1にかかる情報表示用具100の一構成例を示す図である。
【図2】実施例1の情報表示用具100を対象物に取り付ける様子を示す図である。
【図3】実施例2にかかる情報表示用具100aの一構成例を示す図である。
【図4】実施例3にかかる情報表示用具100bの一構成例を示す図である。
【図5】実施例3の情報表示用具100bを対象物に取り付ける様子を示す図である。
【図6】実施例4にかかる情報表示用具100cの一構成例を示す図である。
【図7】実施例4の情報表示用具100cを対象物に取り付ける様子を示す図である。
【図8】実施例5にかかる情報表示用具100dの一構成例を示す図である。
【図9】締結具120d1を用いて情報表示用具100dを対象物に取り付ける様子を示した図である。
【図10】実施例6にかかる情報表示用具100eの一構成例を示す図である。
【図11】締結具120eを用いて情報表示用具100eを対象物に取り付ける様子を示した図である。
【図12】実施例7にかかる情報表示用具100fの一構成例を示す図である。
【図13】締結具120fを用いて情報表示用具100fを対象物に取り付ける様子を示した図である。
【図14】実施例8にかかる情報表示用具100gの一構成例を示す図である。
【図15】情報表示用具100gを対象物200である木の幹に取り付ける様子を示す図である。
【図16】情報表示用具100を目印表示用具として使用する利用方法を示す図である。
【図17】情報表示用具100を指示表示用具として使用する利用方法を示す図である。
【図18】情報表示用具100を名称表示用具として使用する利用方法を示す図である。
【図19】情報担持部114eとして小型の無線ICチップを帯体の肉厚の中に埋め込んだ状態で装着した、情報表示用具100eの構成例を示す図である。
【図20】帯体110の繊維に蓄光糸を用いて帯体110を光らせる工夫を施した例を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
100 情報表示用具
110 帯体
111 端部
112 中央部
113 端部
114 情報担持部
120 締結具
121 開口
122 筒空
123 開口
124 側面開口
125 締結面
126 弾性体
127 第1の磁石体
128 磁石吸着体
129 孔
200 樹木
310 境界杭
320 鳥獣罠
400 無線送受信装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に対して取り付け、前記対象物に近づいた者に情報を提示する情報表示用具であって、
前記対象物の取り付け箇所の外周よりも長い長さに調整され、情報の担持が可能な帯体と、
前記帯体において前記情報が前記者に把握できるように担持せしめた情報担持部分と、
前記帯体により輪を形成した後、帯体の一部に摩擦力を与えて前記帯体の動きを抑えて前記輪の径を保持せしめ、かつ、前記摩擦力を超える力が前記帯体に加わると前記帯体の動きを可能として前記輪の径を可変とする摩擦調整構造により前記帯体を締結せしめることができる締結具とを備え、
前記対象物の前記取り付け箇所の周囲に前記帯体を沿わせつつ前記輪を形成し、前記摩擦調整構造により前記輪の径を前記対象物の前記取り付け箇所の径に調節して締結せしめる情報表示用具。
【請求項2】
前記対象物が樹木であり、前記対象物である樹木の成長に合わせて前記締結具の前記摩擦調整構造により前記帯体で形成した輪の径が自然に調整される請求項1に記載の情報表示用具。
【請求項3】
前記締結具が1本の筒空を備えた筒体であり、前記摩擦調整構造が、前記筒空の内径が前記帯体の両方の前記端部同士を合わせて通し入れられる程度の内径として前記筒空の内周壁面と前記帯体の表面との間で適度な摩擦力が生じるものである請求項1乃至2に記載の情報表示用具。
【請求項4】
前記締結具が2本の筒空を備えた筒体であり、前記摩擦調整構造が、それぞれの前記筒空の内径が前記帯体の一方の前記端部を通し入れられる程度の内径として前記筒体の内周壁面と前記帯体の表面との間で適度な摩擦力が生じるものであり、それぞれの前記筒空に前記帯体の前記端部を1つずつ通し入れて締結するものである請求項1乃至2に記載の情報表示用具。
【請求項5】
前記筒体の前記筒空の少なくとも一端の開口部分がラッパ状に拡径した構造を備え、前記帯体の前記端部を通し入れやすいようにした請求項3乃至4に記載の情報表示用具。
【請求項6】
前記筒体の前記筒空が、両端の開口に加え、側面の少なくとも一部にも開口が設けられた筒体である請求項3乃至5に記載の情報表示用具。
【請求項7】
前記帯体が、端部付近において幅を細くして前記筒体に挿入しやすくした挿入支援構造を備えたものである請求項1乃至6に記載の情報表示用具。
【請求項8】
前記締結具が、前記帯体の一部に取り付けられた第1の磁石体と、前記帯体の周回方向に配設された、前記第1の磁石体と吸着する磁性体または第2の磁石体である磁石吸着体を備え、前記摩擦調整構造が、前記第1の磁石体が前記磁石吸着体に吸着しながら前記帯体の周回方向にスライド移動する際に生じる摩擦力である請求項1乃至2に記載の情報表示用具。
【請求項9】
前記締結具が前記帯体を挟んで挟持する挟持体であり、前記摩擦調整構造が、前記挟持体と前記帯体の間または重なり合った前記帯体同士の間に生じる摩擦力である請求項1乃至2に記載の情報表示用具。
【請求項10】
対象物に対して取り付け、前記対象物に近づいた者に情報を提示する情報表示用具であって、
前記対象物の取り付け箇所の外周に巻き付けることにより情報の担持が可能な帯体と、
前記帯体において前記情報が前記者に把握できるように担持せしめた情報担持部分と、
前記帯体により輪を形成した後、前記帯体の前記輪の一端側と前記輪の他端側の間に渡した弾性体により前記帯体を前記対象物の周囲に締結せしめることができる締結具とを備え、
前記対象物の前記取り付け箇所の周囲に前記帯体を沿わせつつ前記輪を形成し、前記弾性体の前記弾性力により前記帯体および前記弾性体の長さを前記対象物の前記取り付け箇所の径に対応するように調節して締結せしめる情報表示用具。
【請求項11】
前記帯体が、ポリプロピレン繊維でできた帯である請求項1乃至10に記載の情報表示用具。
【請求項12】
前記情報担持部が、前記帯体に縫い込んだ糸により字体を表示したものである請求項1乃至11に記載の情報表示用具。
【請求項13】
前記情報担持部が、インクが染み込みやすいように繊維状または多孔質状に成型されたものであり、前記情報を前記インクで記載可能とした請求項1乃至12に記載の情報表示用具。
【請求項14】
前記情報担持部が、無線で情報をやり取りできるICチップであり、前記情報を前記無線により提示可能とした請求項1乃至13に記載の情報表示用具。
【請求項15】
前記対象物が樹木であり、前記情報担持部に近隣に土地境界があることを示す情報であり、土地境界表示用具として使用される請求項1乃至14に記載の情報表示用具。
【請求項16】
前記情報担持部に担持される情報が近隣に探索目的物があることを示す情報であり、目印として使用される請求項1乃至14に記載の情報表示用具。
【請求項17】
前記情報担持部に担持される情報がそれを見た者に対する指示を示す情報であり、指示表示用具として使用される請求項1乃至14に記載の情報表示用具。
【請求項18】
前記情報担持部に担持される情報が前記対象物の名称を示す情報であり、名称表示用具として使用される請求項1乃至14に記載の情報表示用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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