情報表示装置、情報表示方法、およびそのプログラム
【課題】背景画像に配置された複数のオブジェクトを移動させる際の操作性に優れた情報表示装置、情報表示方法、およびそのプログラムを提供すること。
【解決手段】情報表示装置1は、制御部10と、記憶部20と、入力部30と、出力部40と、を備えている。制御部10は、入力部30からの入力信号に応じて背景画像を三次元的に変化させ、仮想的な重力を形成する。そして、背景画像に生じる勾配に沿ってオブジェクトが移動する態様を水滴が葉の上を移動する態様に模してアニメーションで表示する。
【解決手段】情報表示装置1は、制御部10と、記憶部20と、入力部30と、出力部40と、を備えている。制御部10は、入力部30からの入力信号に応じて背景画像を三次元的に変化させ、仮想的な重力を形成する。そして、背景画像に生じる勾配に沿ってオブジェクトが移動する態様を水滴が葉の上を移動する態様に模してアニメーションで表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面に背景画像と背景画像上に配置されたオブジェクトとを表示する情報表示装置、情報表示方法、およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なオペレーティングシステム(OS:Operating System)においては、コンピュータ等に接続されたディスプレイ上にデスクトップ画面を表示し、このデスクトップ画面上に複数のアイコンを配置している。これらのアイコンにはアプリケーションやファイルが保存されているが、アイコン間には何の関係性(階層)もなくすべて同じである。したがって、デスクトップ画面には多数のアイコンが散在した状態になりやすい。これらのアイコンを整理するには、ユーザがマウス等を用いてアイコンを1つ1つ選択するか複数のアイコンを一括選択して、所望の位置まで移動させる操作を行っている。また、OSが有するアイコンの自動整理機能を利用する方法もある。
【0003】
一方で、ウェブページ画面に対するユーザの指示操作性を向上させるための技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、表示画面に対するユーザのタッチ入力位置を中心としてほぼ環状に複数のメニュー項目を表示している。すなわち、ユーザのタッチ入力位置に応じて複数のメニュー項目を移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−139615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デスクトップ画面で多数のアイコンを移動させる場合、アイコンを1つ1つ選択するのは面倒であり、アイコンを一括選択する場合でもユーザが所望するとおりのアイコンを選択することが困難な場合がある。また、デスクトップ画面に多数のアイコンが配置されている場合は、アイコンが重なって配置されないように移動先のスペースを確保する必要があり、操作が煩雑となってしまう。さらに、アイコンの自動整理機能にも限界があり、ユーザが所望するとおりにアイコンを移動できない場合がある。したがって、さらなる操作性の向上が望まれている。
【0006】
また、特許文献1では、タッチ入力位置に応じて複数のメニュー項目(オブジェクト)を所望の位置に移動させることはできるものの、予め決められた特定のオブジェクトを移動させるものであるため、上述のようにデスクトップ画面に散在する多数のアイコンを移動させることはできない。
【0007】
本発明の目的は、背景画像に配置された複数のオブジェクトを移動させる際の操作性に優れた情報表示装置、情報表示方法、およびそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報表示装置は、背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示装置であって、前記背景画像に対するユーザの操作を受ける入力手段と、前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記入力手段による前記ユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるとともに、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明では、背景画像に対する入力操作を行うだけで背景画像を三次元的に変化させ、複数のオブジェクトをまとめて移動させることができる。三次元的に変化した背景画像上を仮想的な重力に沿ってオブジェクトが移動する態様は、ユーザにとってより自然かつ容易に想定することができるため、背景画像に対する操作入力を直感的に行うことができる。これによれば、ユーザは、オブジェクトを選択する必要がなく、直感的に背景画像に対して入力操作を行えばよいので、操作性に優れている。特に、ユーザの操作が背景画像の変化に直接反映されるため、操作性にも視覚的にも優れている。
また、平面的な背景画像を仮想的な三次元空間に変化させ、背景画像の変形に沿って仮想的な重力に基づいた移動態様は自然法則に基づいた自然な態様であり、視覚的に優れている。
【0010】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する凹状のくぼみ部を形成し、前記複数のオブジェクトを前記くぼみ部に移動させるアニメーションの表示制御を行うことが好ましい。
【0011】
この発明によれば、背景画像を三次元的に変化させて凹状のくぼみ部を形成することにより、背景画像上に勾配(傾斜)が発生する。したがって、複数のオブジェクトを、この勾配に沿って重力方向に移動させ、くぼみ部に複数のオブジェクトを集めることができる。すなわち、ユーザは背景画像の所望の位置にくぼみ部を形成する入力操作を行うだけで、その位置に複数のオブジェクトを集めることができる。
また、このように仮想的な重力に沿った移動はより自然な表示態様であるため、ユーザは直感的に認識しやすく操作性に優れる。また、視覚的にも優れている。
なお、くぼみ部を形成する入力操作は特に限定されず、入力手段に応じて適宜決定すればよい。入力手段としてマウス等のポインティングデバイスやタッチパネル等が挙げられる。例えば、マウスを使用する場合は背景画像上の任意の位置に対するクリック操作によってくぼみ部を形成してもよい。また、タッチパネルを使用する場合は背景画像上の任意の位置にタッチ操作を行うことでくぼみ部を形成してもよい。
【0012】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する孔部を形成し、前記複数のオブジェクトを前記孔部に移動させるアニメーションの表示制御を行うとともに、前記孔部に移動したオブジェクトを削除する処理を行うことが好ましい。
【0013】
この発明によれば、背景画像を三次元的に変化させて孔部を形成し、複数のオブジェクトを孔部に移動させ、孔部へ移動したオブジェクトを削除することができる。すなわち、ユーザは背景画像の所望の位置に孔部を形成する入力操作を行うだけで、その位置に複数のオブジェクトを集めて削除することができ、操作性に優れる。
また、孔部をゴミ箱と想定した処理を行うため、ユーザは直感的に認識しやすく操作性に優れ、視覚的にも優れている。
なお、孔部を形成する入力操作は特に限定されず、入力手段に応じて適宜決定すればよい。
【0014】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記ユーザの操作に応じて前記背景画像の重力方向とは反対方向に突出する尾根状の突出部を形成し、前記尾根状の突出部を境界として互いに反対の方向へ前記複数のオブジェクトを移動させるアニメーションの表示制御を行うことが好ましい。
【0015】
この発明によれば、背景画像を三次元的に変化させて尾根状の突出部を形成することにより、背景画像上に勾配(傾斜)が発生する。したがって、複数のオブジェクトをこの勾配に沿って重力方向に移動させ、尾根状の突出部を境界として二分割することができる。すなわち、ユーザは背景画像の所望の位置に尾根状の突出部を形成する入力操作を行うだけで、その位置で複数のオブジェクトを二分割することができる。
また、このように仮想的な重力に沿った移動はより自然な表示態様であるため、ユーザは直感的に認識しやすく操作性に優れる。また、視覚的にも優れている。
なお、突出部を形成する入力操作は特に限定されず、入力手段に応じて適宜決定すればよい。
【0016】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記複数のオブジェクトのうち、前記背景画像の変形位置から所定の範囲内に位置するオブジェクトを移動させることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、背景画像の変形位置から所定の範囲内のオブジェクトのみを移動させることができる。所定の範囲内とは特に限定されず、視覚的に違和感のない範囲である。ユーザの入力操作による背景画像の変形により背景画像上に勾配(傾斜)が発生するので、例えばこの勾配が発生している範囲を所定の範囲内とする。
【0018】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記オブジェクトを、水滴を模した画像で表示し、前記オブジェクトの移動状態を、水滴の移動状態を模してアニメーションの表示制御を行うことが好ましい。
【0019】
この発明では、背景画像上に複数の水滴を模した形状のオブジェクトが配置されている。ユーザの操作により背景画像が変形し、水滴オブジェクトがその勾配に沿って重力方向に移動する態様は、葉の上を水滴が滑り落ちる態様を模しているため、ユーザにとってより自然に認識することができる。したがって、水滴オブジェクトの移動状態を容易に想定できるため、背景画像に対する入力の操作性が向上する。
また、平面的な背景画像上でこのように三次元的に変化する態様は、視覚的にも優れている。
【0020】
本発明の情報表示装置において、前記入力手段は、前記背景画像に重なる入力領域を有するタッチ入力部であり、前記ユーザの操作は、前記タッチ入力部に対するタッチ操作であることが好ましい。
この発明によれば、入力手段としてタッチ入力部を利用することにより、背景画像に対してより直接的な指示(入力)を行うことができ、操作性の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の情報表示方法は、背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示方法であって、前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0022】
この発明では、背景画像に対する入力操作を行うだけで背景画像を三次元的に変化させ、複数のオブジェクトをまとめて移動させることができる。三次元的に変化した背景画像上を仮想的な重力に沿ってオブジェクトが移動する態様は、ユーザにとってより自然かつ容易に想定することができるため、背景画像に対する操作入力を直感的に行うことができる。これによれば、ユーザは、オブジェクトを選択する必要がなく、直感的に背景画像に対して入力操作を行えばよいので、操作性に優れている。特に、ユーザの操作が背景画像の変化に直接反映されるため、操作性にも視覚的にも優れている。
また、平面的な背景画像を仮想的な三次元空間に変化させ、背景画像の変形に沿って仮想的な重力に基づいた移動態様は自然法則に基づいた自然な態様であり、視覚的に優れている。
【0023】
本発明のプログラムは、背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示するプログラムであって、前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、コンピュータに前述の情報表示方法を実行させるため、このプログラムをインストールするだけの簡単な構成で、前述と同様の作用効果を得ることができ、有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態における情報表示装置の動作を示すフローチャート。
【図3】前記実施形態においてモニタに表示された初期画像を示す概略図。
【図4】前記実施形態においてユーザが初期画像に対してパターン1の操作入力をする様子を示す概略図。
【図5】前記実施形態においてユーザのパターン1の操作入力に対する背景画像の変化を示す概略図。
【図6】前記実施形態においてユーザのパターン1の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図7】前記実施形態においてユーザのパターン2の操作入力に対する背景画像の変化とオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【図8】前記実施形態においてユーザのパターン2の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図9】前記実施形態においてユーザのパターン3の操作入力に対する背景画像の変化とオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【図10】前記実施形態においてユーザのパターン3の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図11】前記実施形態においてユーザのパターン4の操作入力に対する背景画像の変化とオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【図12】前記実施形態においてユーザのパターン4の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図13】前記実施形態においてユーザのパターン5の操作入力に対するオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、背景画像上に複数のオブジェクトを表示する情報表示装置として、デスクトップ画面にアイコンを表示可能なモバイルパーソナルコンピュータ(PC)を例示する。
[1.情報表示装置の構成]
図1に示すように、情報表示装置1は、制御部10と、記憶部20と、入力部30と、出力部40と、を備えている。
【0027】
制御部10は、情報の演算および処理を行う演算処理装置(CPU、Central Processing Unit)であり、情報表示装置1全体の制御を行う。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェア(記憶部20、入力部30、出力部40)と協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部10は、本発明の表示制御手段として機能するユーザインターフェース(UI)を提供し、入力部30からの入力信号に応じて画像の表示制御を行う。具体的には、制御部10は、オブジェクト配置取得部11と、入力操作検知部12と、背景画像3D加工部13と、背景画像勾配算出部14と、オブジェクト配置算出部15と、アニメーション表示部16と、を備えている。
【0028】
オブジェクト配置取得部11は、背景画像上に配置されている全ての水滴オブジェクトの位置情報を取得する。
入力操作検知部12は、入力部30からの入力信号に基づいて、ユーザのタッチパネルに対する操作入力を検知する。
背景画像3D加工部13は、背景画像を三次元平面とし、ユーザの操作入力に応じて三次元平面に対する垂直方向に仮想的な重力を形成(シミュレーション)し、この重力に基づいて背景画像を三次元的に変化させる。
【0029】
背景画像勾配算出部14は、三次元的に変化させた背景画像に生じた勾配(傾斜)を算出する。
オブジェクト配置算出部15は、算出された背景画像の勾配に基づいて、水滴オブジェクトの移動先の位置を算出する。また、勾配の程度に応じて、水滴オブジェクトの移動速度や移動距離を調整する。
アニメーション表示部16は、水滴オブジェクトの移動先の位置情報と、移動速度と、に基づいて、葉の上を水滴が移動する態様を模した水滴オブジェクトの移動態様をアニメーションで表示する。
【0030】
記憶部20は、制御部10によるOSや各種アプリケーション等のプログラムの実行に使用するローカルメモリ、大容量のハードディスク(HD)、および当該HDの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリ等を含んでいる。記憶部20としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的にコンピュータが読み取り可能な媒体が用いられる。
記憶部20は、背景画像として使用する画像データや、水滴オブジェクトに保存されるアプリケーションやファイル等のアイコンデータを記憶する。
【0031】
入力部30は、ユーザによる操作を受けるものであり、キーボードおよびタッチパネルを含む。図3に示すように、タッチパネル32は、背景画像を全面に表示するモニタ41に重なる入力領域を有しており、この入力領域に対するユーザのタッチ操作により入力を受ける。タッチ操作は、指やペンを用いて直接行うことができる。タッチパネル32からの操作入力を受けると、その入力信号は制御部10に送信される。
【0032】
出力部40は、モニタ41を有し、制御部10から入力される表示制御信号により表示制御され、モニタ41に背景画像上に水滴オブジェクトが配置された画像を表示する。
【0033】
[2.情報表示装置の動作]
次に、情報表示装置1の動作について説明する。
図1の制御部10によって実行される水滴オブジェクト表示制御処理を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御部10は、記憶部20に記憶されている背景画像データを取得してモニタ41に背景画像として表示させるとともに、記憶部20に記憶されているアプリケーションやファイル等のアイコンデータを取得し、背景画像上にランダムに配置する。これらのアイコンデータは全て水滴を模した形状の水滴オブジェクト120に保存されており、図3に示すように、背景画像110上に複数の水滴オブジェクト120がランダムに配置されている。なお、図示しないが、各アイコンの画像を水滴オブジェクト120上に表示することにより各水滴オブジェクト120を識別可能とするようにしてもよい。
このようにしてモニタ41に表示された画像を初期画像100とする。初期画像100は、図3に示すように、モニタ41の全面に表示される背景画像110と、背景画像110上にランダムに配置された複数の水滴オブジェクト120と、を有している。
【0034】
本実施形態では、初期画像100に対するユーザの入力操作に応じて5パターンの移動態様を例示して説明する。なお、本実施形態では、背景画像110によって形成される平面を三次元平面として仮想的な重力を形成する。三次元平面に対して垂直な方向を鉛直(重力)方向とする。すなわち、ユーザから見て、モニタ41(背景画像110)の手前側へ延びる方向が鉛直上方向、モニタ41(背景画像110)の向こう側へ延びる方向が鉛直下方向である。
【0035】
[2−1.パターン1]
上述の初期画像100が表示された状態では、制御部10は、タッチパネル32に対する操作入力を監視している。
ここで、ユーザが、図4に示すように親指51と人差し指52を背景画像110の任意の領域111を挟んだ状態でタッチパネル32にタッチした後、図5に示すように親指51と人差し指52をタッチパネル32に沿って互いに近づく方向に移動させ、任意の領域111をつまんで背景画像110を鉛直上方向に引き上げる動作を行う(操作入力パターン1)。
入力部30は、この動作を受け、入力信号に変換して制御部10へ送信する。
以下、図2のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS11において、制御部10が入力部30からの入力信号を受信すると、入力操作検知部12は、この入力信号に含まれるユーザの操作入力パターンを検知する。操作入力パターンが検知されると、ステップS12に進む。操作入力パターンが検出されない場合は、制御部10は監視状態を続行する。
【0036】
ステップS12では、オブジェクト配置取得部11は、背景画像110に配置された全ての水滴オブジェクト120の位置情報を取得する。この位置情報は、初期画像100がモニタ41に表示される際に、記憶部20に記憶されているものである。取得後、ステップS13へ進む。
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、ステップS11で検知したユーザの操作入力に応じて、背景画像110を三次元的に変化させる。上述の操作入力パターン1の場合、図4に示す任意の領域111を背景画像110の鉛直上方向に突出させ、図5に示す尾根状の突出部112を三次元的に形成する。形成後、ステップS14へ進む。
【0037】
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、三次元的に形成された尾根状の突出部112により背景画像110に生じる勾配を算出してステップS15へ進む。例えば、図4に示すように、背景画像110上における親指51のタッチ位置をA、人差し指52のタッチ位置をBとして検出し、AB間の中点をCとする。そして、図5に示すように、親指51と人差し指52を移動させた後の親指51のタッチ位置をA’、人差し指52のタッチ位置をB’として検出する。次に、これらの指の移動距離、すなわちAA’間の距離およびBB’間の距離を算出し、これらのうち距離が長い方(例えば、AA’間の距離)を突出部112の高さとする。ここで、突出部112は断面略三角形状に形成される。そこで、親指51の移動前のタッチ位置Aと中点Cとを結ぶ直線を底辺とし、前述のAA’間の距離を高さとする直角三角形を三次元空間に仮想的に形成し、この直角三角形の頂点からAを結ぶ直線(斜面)の勾配(角度)を算出する。なお、直角三角形の頂点からAを結ぶ線が曲線状に形成される場合は、背景画像の任意の複数の位置における勾配をそれぞれ算出しておく。
【0038】
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、ステップS12で取得した水滴オブジェクト120の位置情報と、ステップS14で算出した勾配と、に基づいて、水滴オブジェクト120の移動先の位置情報および移動速度を算出する。例えば、上述した直角三角形の斜面に水滴オブジェクト120が配置されている場合に生じる重力に基づいた加速度を算出する。この場合、各水滴オブジェクト120には、データ量やデータ種別に応じた重さを予め設定しておき、この重さに基づいて算出してもよい。また、上述した直角三角形の斜面が曲面状に形成される場合は、背景画像110の突出部112の尾根に近いほど勾配は大きくなるため、突出部112の尾根に近い位置にある水滴オブジェクト120ほど移動距離および移動速度を大きくする。算出後、ステップS16へ進む。
【0039】
ステップS16では、アニメーション表示部16は、初期画像100における水滴オブジェクト120の位置情報と、ステップS15で算出された移動先の位置情報および移動速度に基づいて、各水滴オブジェクト120が移動する状態をアニメーション表示する。水滴オブジェクト120は水滴を模しているので、その移動状態は、葉の上を水滴が移動する状態を模してアニメーション表示する。したがって、図5に示すように、移動途中では、水滴オブジェクト120の形状を重力方向に弛むように変形させ、楕円形状やその他の形状に変形させながら新しい位置へ移動させる。
このようにして移動した水滴オブジェクト120は、図6に示すように、背景画像110上で二分割された状態となる。
【0040】
[2−2.パターン2]
次に、ユーザが、図7に示すように人差し指52で背景画像110の任意の位置にタッチパネル32を介してタッチする動作を行う(操作入力パターン2)。
ステップS11およびS12では、上述と同様の動作を行う。
【0041】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、上述の操作入力パターン2に応じて背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、図7に示すように、ユーザがタッチした位置を中心とした凹状のくぼみ部113を形成する。くぼみ部113は、背景画像110の三次元平面上に開口部を有し、鉛直下方向に凹んだ形状である。なお、くぼみ部113の深さは、ユーザがタッチしている時間に応じて調整する。例えば、タッチする時間が長いほどくぼみ部113を深くしたり、開口部を広くしたりする。
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、重力方向に凹んだくぼみ部113によって背景画像110に生じる勾配を算出する。例えば、ユーザのタッチパネル32に対するタッチ時間に応じて、くぼみ部113の深さと広さ(タッチ位置を中心とする半径)を決定し、この深さを高さとし、半径を底辺とする直角三角形を仮想的に形成し、この直角三角形の斜辺の角度を勾配として算出する。なお、直角三角形の斜辺が曲線状に形成される場合は、背景画像110の任意の複数の位置における勾配をそれぞれ算出しておく。
【0042】
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、背景画像110のくぼみ部113に近いほど勾配は大きくなるため、くぼみ部113に近い位置にある水滴オブジェクト120ほど移動距離を大きくする。また、勾配が大きい位置にある水滴オブジェクト120の移動速度を速くする。
ステップS16では、アニメーション表示部16は、背景画像110の勾配が生じた位置にある水滴オブジェクト120を、くぼみ部113の方向へ移動させる。
このようにして、図8に示すように、背景画像110の任意の位置に複数の水滴オブジェクト120を集めることができる。
【0043】
[2−3.パターン3]
次に、ユーザが、図9に示すように人差し指52で背景画像110の任意の位置にタッチパネル32を介して連続で2回タッチする動作を行う(操作入力パターン3)。
ステップS11およびS12では、上述と同様の動作を行う。
【0044】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、上述の操作入力パターン3に応じて背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、図9に示すように、ユーザがタッチした位置を中心として背景画像110を鉛直方向に貫通する孔部114を形成する。孔部114は、背景画像110の三次元平面上に開口部を有している。
ステップS14では、孔部114により背景画像110に勾配が生じないため、背景画像勾配算出部14は処理を行わずにステップS15へ進む。
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、背景画像110の孔部114から所定の範囲内にある水滴オブジェクト120を特定し、これらの水滴オブジェクト120の移動先を、孔部114の位置に設定する。
ステップS16では、アニメーション表示部16は、ステップS15で特定された水滴オブジェクト120を孔部114へ移動させるとともに、孔部114へ移動した水滴オブジェクトを削除する。
このようにして、図10に示すように、背景画像110の任意の領域から複数の水滴オブジェクト120を削除することができる。なお、水滴オブジェクト120が移動する間に時間的猶予があるため、この間に削除を中止することができる。具体的な操作としては、例えば、再度画面にタッチするなどのタッチ操作により削除を中止するようにしてもよい。
【0045】
[2−4.パターン4]
次に、ユーザが、親指51と人差し指52と中指53とを背景画像110の任意の領域を挟んだ状態でタッチパネル32にタッチした後、図11に示すように、親指51と人差し指52と中指53とをタッチパネル32に沿って互いに近づく方向に移動させ、任意の領域をつまんで背景画像110の鉛直上方向に引き上げる動作を行う(操作入力パターン4)。なお、操作入力パターン4は、3つ(親指51、人差し指52、中指53)以上のタッチ位置を互いに近づく方向に移動させる操作入力である。
ステップS11およびS12では、上述と同様の動作を行う。
【0046】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、上述の操作入力パターン4に応じて背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、図11に示すように、任意の領域を鉛直上方向に突出させて、円形状の突出部115を三次元的に形成する。
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、鉛直上方向に突出した突出部115によって背景画像110に生じる勾配を算出する。すなわち、背景画像110の任意の複数の位置における勾配をそれぞれ算出しておく。この勾配は、上述のパターン1と同様にして算出することができる。
【0047】
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、背景画像110の突出部115により生じる勾配に沿って移動する水滴オブジェクト120の移動先の位置情報を算出する。このとき、各水滴オブジェクト120の移動距離および移動速度を調整する。各水滴オブジェクト120の移動距離は勾配が大きいほど長く、移動速度は勾配が大きいほど速い。
ステップS16では、アニメーション表示部16は、背景画像110の勾配が生じた位置にある水滴オブジェクト120を、算出された移動速度で新しく算出された位置に移動させる状態をアニメーションで表示する。
このようにして、図12に示すように、背景画像110の複数の水滴オブジェクト120を任意の領域から移動させることができる。
【0048】
[2−5.パターン5]
次に、特定の水滴オブジェクト120を所望の位置に移動させる場合を図13に基づいて説明する。
ユーザは、タッチパネル32を介して特定の水滴オブジェクト120にタッチ(第1のタッチ)した後、水滴オブジェクト120の移動先の任意の位置をタッチ(第2のタッチ)する。そして、特定の水滴オブジェクト120から移動先の任意の位置を結ぶ連結線を指で描く動作(第3のタッチ)を行う(操作入力パターン5)。
ステップS11およびS12は前述と同様の動作を行う。
【0049】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、ステップS11で検知したユーザの操作入力に応じて、背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、第1のタッチが為された特定の水滴オブジェクト120を収納可能な第1のくぼみ部116を三次元的に形成する。また、第2のタッチが為された任意の位置を中心とする第2のくぼみ部117を三次元的に形成する。さらに、第3のタッチにより描かれた連結線を中心軸とする連結溝部118を形成する。第1のくぼみ部116、第2のくぼみ部117および連結溝部118は、背景画像110の三次元平面の鉛直下方向に凹んだ形状に形成される。形成後、ステップS14へ進む。
【0050】
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、三次元的に形成された連結溝部118に生じる勾配を算出してステップS15へ進む。なお、連結溝部118には、ユーザがタッチパネル32上で連結線を指で描く際のタッチしている時間の長さに応じて勾配を生じさせる。例えば、タッチしている時間が長いほど勾配を大きくする。
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、特定の水滴オブジェクト120の移動先を第2のくぼみ部117とし、さらに、ステップS14で算出した勾配に基づいて特定の水滴オブジェクト120の移動速度を算出する。連結溝部118に生じる勾配が大きいほど移動速度を速くするように調整する。算出後、ステップS16へ進む。
【0051】
ステップS16では、アニメーション表示部16は、特定の水滴オブジェクト120を連結溝部118に沿って第2のくぼみ部117に移動させる態様を、葉の上を水滴が移動する態様を模してアニメーションで表示する。
このようにして、特定の水滴オブジェクト120を、所望の位置へ移動させることができる。
【0052】
[3.本実施形態の作用効果]
上述した実施形態では、以下に示す作用効果を奏することができる。
ユーザがタッチパネル32を介して背景画像110に直接タッチ操作を行うだけで、背景画像3D加工部13は背景画像110を三次元的に変化させる。この変化により背景画像110に勾配が生じ、仮想的な重力が生じる。したがって、この仮想的な空間内に存在する水滴オブジェクト120は、背景画像110の勾配に沿って重力方向へ自然に移動する。このような移動態様は、自然現象である水滴の移動態様を模したものであるため、ユーザにとってより自然に認識しやすい。したがって、ユーザは水滴オブジェクト120の移動を容易に想定できるため、その想定に基づいた操作を行うことができ、操作性に優れる。
また、このような自然現象を模した移動態様を平面的なモニタ41上で描画することは視覚的に優れ、ユーザの嗜好に適している。
特に、タッチパネル32を介して背景画像110を直接指で変形させることができるので、ユーザには操作しやすい。
【0053】
上述のパターン1においては、背景画像110に対してタッチ操作を1回行うだけで、背景画像110にランダムに配置された複数の水滴オブジェクト120をまとめて移動させ、二分割して配置することができる。
上述のパターン2において、背景画像110に対する入力操作を1回行うだけで、背景画像110の任意の領域に複数の水滴オブジェクト120を集めることができる。また、背景画像110にくぼみ部113を生成する際、背景画像3D加工部13は、タッチパネル32上でユーザがタッチする長さに応じて、背景画像110の勾配を変化させる表示制御を行っている。これによれば、ユーザは操作入力の長さを調整することにより、所望の勾配のくぼみ部113を背景画像110に自由に形成させることができる。このように、ユーザの所望どおりに背景画像110が変化し、その変化に応じて水滴オブジェクト120を移動させることができるため、ユーザは水滴オブジェクト120の移動態様を容易に想定することができ、操作性に優れる。
【0054】
上述のパターン3において、背景画像110に対して連続2回タッチする入力操作を行うだけで、所定の範囲内の複数の水滴オブジェクト120をまとめて移動させて削除することができる。これによれば、水滴オブジェクト120が孔部114へ移動するまでに時間的猶予があるため、ユーザが削除を思い直した場合には、即座に削除処理を中止することができ、操作性に優れる。
【0055】
上述のパターン4において、背景画像110に対する入力操作を1回行うだけで、背景画像110の任意の領域に突出部115を三次元的に形成し、この領域に配置された複数の水滴オブジェクト120をまとめて移動させることができる。
上述のパターン5において、背景画像110に対する入力操作により、特定の水滴オブジェクト120を所望の位置まで移動させることができる。
【0056】
[4.変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
例えば、上記実施形態では背景画像110に生じる勾配に応じて移動速度を調整したが、移動速度の調整方法はこれに限られない。例えば、水滴オブジェクト120に保存されているアイコンデータのデータ量を水滴オブジェクト120の重さと仮定し、この重さに応じて水滴オブジェクト120の移動速度を調整する。すなわち、データ量が大きいほど移動速度を大きくする。これによれば、ユーザは水滴オブジェクト120の移動状態を見るだけで、各アイコンのデータ量をある程度把握することができる。
【0057】
上記実施形態において、水滴オブジェクト120それぞれに属性を持たせる構成としてもよい。この場合、各属性に基づいた移動態様となるため、操作性が向上する。
例えば、上述のパターン2の移動態様においては、背景画像110にくぼみ部113を形成する際、くぼみ部113に属性を付与する。属性を付与する方法としては、例えば、タッチパネル32をタッチしたときに属性に関するメニューを表示し、表示されたメニューからユーザに選択させる方法がある。このように属性が付与されたくぼみ部113には、同じ属性または下位の属性を有する水滴オブジェクト120のみが移動してくる。例えば、背景画像110上にランダムに配置された水滴オブジェクト120に保存されているアプリケーションデータまたはファイルのうち、ファイルという属性をくぼみ部113に付与した場合、このくぼみ部113には、ファイルが保存された水滴オブジェクト120のみを集めることができる。
【0058】
また、上述のパターン3において、ユーザが連続で2回タッチする動作を行った場合に孔部114を形成することとしたが、ユーザの操作入力はこれに限られない。例えば、ユーザがタッチしている時間が所定時間以上である場合に、孔部114を形成することとしてもよい。
さらに、上述のパターン3において、背景画像110上に孔部114のみを形成することとしたが、孔部114の構成はこれに限られない。例えば、ユーザが入力操作を行った位置にくぼみ部を形成するとともに、このくぼみ部の中心に孔部を形成する。すなわち、孔部の周囲に三次元空間における勾配が形成する構成としてもよい。
【0059】
そして、上述のパターン3の移動態様において、背景画像110に孔部114を形成する際、孔部114に属性を付与する。属性を付与する方法は前述のパターン2の場合と同様である。このように属性が付与された孔部114には、同じ属性または下位の属性を有する水滴オブジェクト120のみが移動し、削除される。例えば、背景画像110上にランダムに配置された水滴オブジェクト120に保存されているファイルのうち、更新日時が2008年12月31日以前のファイルという属性を孔部114に付与した場合、この孔部114には、更新日時が2008年12月31日以前のファイルが保存された水滴オブジェクト120のみを移動させて削除することができる。
【0060】
また、上述のパターン5の移動態様において、第1のタッチにより任意の水滴オブジェクト120を選択して背景画像110に第1のくぼみ部116を形成し、第2のタッチにより別の水滴オブジェクト120を選択して背景画像110に第2のくぼみ部117を形成する。そして、第3のタッチにより第1のくぼみ部116および第2のくぼみ部117を連結する連結溝部118を背景画像110に形成する。連結溝部118には、第3のタッチにより勾配が生じ、任意の水滴オブジェクト120が第1のくぼみ部116から第2のくぼみ部117に向かって移動する。任意の水滴オブジェクト120とくぼみ部117に位置する別の水滴オブジェクト120との属性が同じである場合には、これら2つの水滴オブジェクト120が融合して大きな水滴オブジェクト120となる。このとき、大きな水滴オブジェクト120には、2つのファイルが保存されることになる。また、2つの水滴オブジェクト120の属性が異なる場合は融合しない。これによれば、背景画像110上にランダムに配置された水滴オブジェクト120を、同じ属性を有する水滴オブジェクト120ごとにまとめて整理することができる。
【0061】
上記実施形態では入力手段としてタッチパネル32を用いたが、例えば、感圧式のタッチパネルを用いてもよい。これによれば、ユーザが指で押す圧力に基づいて、背景画像110に生じる勾配を算出することにしてもよい。
また、入力手段としてマウス等のポインティングデバイスを用いてもよい。この場合、上述のパターン1〜5の処理は以下のように行うことができる。
パターン1のように背景画像110を変化させるためのマウスによるユーザの操作入力としては、例えば、背景画像110上の任意の位置で、マウスのドラッグ&ドロップ操作により線を描く動作を行う。これにより、線が描かれた位置に尾根状の突出部112が形成される。したがって、尾根状の突出部112を境界として互いに反対方向に水滴オブジェクト120を移動させ、二分割することができる。
【0062】
また、パターン2の場合は、例えば、ユーザは背景画像110の任意の位置でマウスのクリック操作を行う。このクリック操作に応じて、背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の位置にくぼみ部113を三次元的に形成する。
また、パターン3の場合は、例えば、ユーザは背景画像110の任意の位置でマウスのダブルクリック操作を行う。このダブルクリック操作に応じて、背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の位置に孔部114を三次元的に形成する。
また、パターン4の場合は、例えば、ユーザは背景画像110の任意の領域をマウスのドラッグ&ドロップ操作により円を描く動作を行い、描いた円の中心位置でマウスのクリック操作を行う。これらの操作に応じて、背景画像3D加工部13は円を描いた領域に突出部115を三次元的に形成する。
【0063】
また、パターン5の場合は、例えば、ユーザは任意の水滴オブジェクト120の位置でマウスのクリック操作を行う。このクリック操作により背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の水滴オブジェクト120を収納可能な第1のくぼみ部116を三次元的に形成する。次に、ユーザは背景画像110の任意の位置でマウスのクリック操作を行う。このクリック操作により背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の位置に第2のくぼみ部117を三次元的に形成する。次に、ユーザはマウスのドラッグ&ドロップ操作によって第1のくぼみ部116と第2のくぼみ部117とを連結するように線を描く。この操作により、背景画像3D加工部13は第1のくぼみ部116と第2のくぼみ部117とを連結する連結溝部118を三次元的に形成する。
以上のようなマウスを用いた操作により、背景画像110を三次元的に変化させ、この変化に応じて水滴オブジェクト120を移動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、表示画面を有するパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、携帯ゲーム機等で利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…情報表示装置
10…制御部
20…記憶部
30…入力部
40…出力部
41…モニタ
100…初期画像
110…背景画像
112…尾根状の突出部
113…くぼみ部
114…孔部
120…水滴オブジェクト
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面に背景画像と背景画像上に配置されたオブジェクトとを表示する情報表示装置、情報表示方法、およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なオペレーティングシステム(OS:Operating System)においては、コンピュータ等に接続されたディスプレイ上にデスクトップ画面を表示し、このデスクトップ画面上に複数のアイコンを配置している。これらのアイコンにはアプリケーションやファイルが保存されているが、アイコン間には何の関係性(階層)もなくすべて同じである。したがって、デスクトップ画面には多数のアイコンが散在した状態になりやすい。これらのアイコンを整理するには、ユーザがマウス等を用いてアイコンを1つ1つ選択するか複数のアイコンを一括選択して、所望の位置まで移動させる操作を行っている。また、OSが有するアイコンの自動整理機能を利用する方法もある。
【0003】
一方で、ウェブページ画面に対するユーザの指示操作性を向上させるための技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、表示画面に対するユーザのタッチ入力位置を中心としてほぼ環状に複数のメニュー項目を表示している。すなわち、ユーザのタッチ入力位置に応じて複数のメニュー項目を移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−139615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、デスクトップ画面で多数のアイコンを移動させる場合、アイコンを1つ1つ選択するのは面倒であり、アイコンを一括選択する場合でもユーザが所望するとおりのアイコンを選択することが困難な場合がある。また、デスクトップ画面に多数のアイコンが配置されている場合は、アイコンが重なって配置されないように移動先のスペースを確保する必要があり、操作が煩雑となってしまう。さらに、アイコンの自動整理機能にも限界があり、ユーザが所望するとおりにアイコンを移動できない場合がある。したがって、さらなる操作性の向上が望まれている。
【0006】
また、特許文献1では、タッチ入力位置に応じて複数のメニュー項目(オブジェクト)を所望の位置に移動させることはできるものの、予め決められた特定のオブジェクトを移動させるものであるため、上述のようにデスクトップ画面に散在する多数のアイコンを移動させることはできない。
【0007】
本発明の目的は、背景画像に配置された複数のオブジェクトを移動させる際の操作性に優れた情報表示装置、情報表示方法、およびそのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の情報表示装置は、背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示装置であって、前記背景画像に対するユーザの操作を受ける入力手段と、前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記入力手段による前記ユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるとともに、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行う表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この発明では、背景画像に対する入力操作を行うだけで背景画像を三次元的に変化させ、複数のオブジェクトをまとめて移動させることができる。三次元的に変化した背景画像上を仮想的な重力に沿ってオブジェクトが移動する態様は、ユーザにとってより自然かつ容易に想定することができるため、背景画像に対する操作入力を直感的に行うことができる。これによれば、ユーザは、オブジェクトを選択する必要がなく、直感的に背景画像に対して入力操作を行えばよいので、操作性に優れている。特に、ユーザの操作が背景画像の変化に直接反映されるため、操作性にも視覚的にも優れている。
また、平面的な背景画像を仮想的な三次元空間に変化させ、背景画像の変形に沿って仮想的な重力に基づいた移動態様は自然法則に基づいた自然な態様であり、視覚的に優れている。
【0010】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する凹状のくぼみ部を形成し、前記複数のオブジェクトを前記くぼみ部に移動させるアニメーションの表示制御を行うことが好ましい。
【0011】
この発明によれば、背景画像を三次元的に変化させて凹状のくぼみ部を形成することにより、背景画像上に勾配(傾斜)が発生する。したがって、複数のオブジェクトを、この勾配に沿って重力方向に移動させ、くぼみ部に複数のオブジェクトを集めることができる。すなわち、ユーザは背景画像の所望の位置にくぼみ部を形成する入力操作を行うだけで、その位置に複数のオブジェクトを集めることができる。
また、このように仮想的な重力に沿った移動はより自然な表示態様であるため、ユーザは直感的に認識しやすく操作性に優れる。また、視覚的にも優れている。
なお、くぼみ部を形成する入力操作は特に限定されず、入力手段に応じて適宜決定すればよい。入力手段としてマウス等のポインティングデバイスやタッチパネル等が挙げられる。例えば、マウスを使用する場合は背景画像上の任意の位置に対するクリック操作によってくぼみ部を形成してもよい。また、タッチパネルを使用する場合は背景画像上の任意の位置にタッチ操作を行うことでくぼみ部を形成してもよい。
【0012】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する孔部を形成し、前記複数のオブジェクトを前記孔部に移動させるアニメーションの表示制御を行うとともに、前記孔部に移動したオブジェクトを削除する処理を行うことが好ましい。
【0013】
この発明によれば、背景画像を三次元的に変化させて孔部を形成し、複数のオブジェクトを孔部に移動させ、孔部へ移動したオブジェクトを削除することができる。すなわち、ユーザは背景画像の所望の位置に孔部を形成する入力操作を行うだけで、その位置に複数のオブジェクトを集めて削除することができ、操作性に優れる。
また、孔部をゴミ箱と想定した処理を行うため、ユーザは直感的に認識しやすく操作性に優れ、視覚的にも優れている。
なお、孔部を形成する入力操作は特に限定されず、入力手段に応じて適宜決定すればよい。
【0014】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記ユーザの操作に応じて前記背景画像の重力方向とは反対方向に突出する尾根状の突出部を形成し、前記尾根状の突出部を境界として互いに反対の方向へ前記複数のオブジェクトを移動させるアニメーションの表示制御を行うことが好ましい。
【0015】
この発明によれば、背景画像を三次元的に変化させて尾根状の突出部を形成することにより、背景画像上に勾配(傾斜)が発生する。したがって、複数のオブジェクトをこの勾配に沿って重力方向に移動させ、尾根状の突出部を境界として二分割することができる。すなわち、ユーザは背景画像の所望の位置に尾根状の突出部を形成する入力操作を行うだけで、その位置で複数のオブジェクトを二分割することができる。
また、このように仮想的な重力に沿った移動はより自然な表示態様であるため、ユーザは直感的に認識しやすく操作性に優れる。また、視覚的にも優れている。
なお、突出部を形成する入力操作は特に限定されず、入力手段に応じて適宜決定すればよい。
【0016】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記複数のオブジェクトのうち、前記背景画像の変形位置から所定の範囲内に位置するオブジェクトを移動させることが好ましい。
【0017】
この発明によれば、背景画像の変形位置から所定の範囲内のオブジェクトのみを移動させることができる。所定の範囲内とは特に限定されず、視覚的に違和感のない範囲である。ユーザの入力操作による背景画像の変形により背景画像上に勾配(傾斜)が発生するので、例えばこの勾配が発生している範囲を所定の範囲内とする。
【0018】
本発明の情報表示装置において、前記表示制御手段は、前記オブジェクトを、水滴を模した画像で表示し、前記オブジェクトの移動状態を、水滴の移動状態を模してアニメーションの表示制御を行うことが好ましい。
【0019】
この発明では、背景画像上に複数の水滴を模した形状のオブジェクトが配置されている。ユーザの操作により背景画像が変形し、水滴オブジェクトがその勾配に沿って重力方向に移動する態様は、葉の上を水滴が滑り落ちる態様を模しているため、ユーザにとってより自然に認識することができる。したがって、水滴オブジェクトの移動状態を容易に想定できるため、背景画像に対する入力の操作性が向上する。
また、平面的な背景画像上でこのように三次元的に変化する態様は、視覚的にも優れている。
【0020】
本発明の情報表示装置において、前記入力手段は、前記背景画像に重なる入力領域を有するタッチ入力部であり、前記ユーザの操作は、前記タッチ入力部に対するタッチ操作であることが好ましい。
この発明によれば、入力手段としてタッチ入力部を利用することにより、背景画像に対してより直接的な指示(入力)を行うことができ、操作性の向上を図ることができる。
【0021】
本発明の情報表示方法は、背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示方法であって、前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、を有することを特徴とする。
【0022】
この発明では、背景画像に対する入力操作を行うだけで背景画像を三次元的に変化させ、複数のオブジェクトをまとめて移動させることができる。三次元的に変化した背景画像上を仮想的な重力に沿ってオブジェクトが移動する態様は、ユーザにとってより自然かつ容易に想定することができるため、背景画像に対する操作入力を直感的に行うことができる。これによれば、ユーザは、オブジェクトを選択する必要がなく、直感的に背景画像に対して入力操作を行えばよいので、操作性に優れている。特に、ユーザの操作が背景画像の変化に直接反映されるため、操作性にも視覚的にも優れている。
また、平面的な背景画像を仮想的な三次元空間に変化させ、背景画像の変形に沿って仮想的な重力に基づいた移動態様は自然法則に基づいた自然な態様であり、視覚的に優れている。
【0023】
本発明のプログラムは、背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示するプログラムであって、前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、コンピュータに前述の情報表示方法を実行させるため、このプログラムをインストールするだけの簡単な構成で、前述と同様の作用効果を得ることができ、有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態にかかる情報表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】前記実施形態における情報表示装置の動作を示すフローチャート。
【図3】前記実施形態においてモニタに表示された初期画像を示す概略図。
【図4】前記実施形態においてユーザが初期画像に対してパターン1の操作入力をする様子を示す概略図。
【図5】前記実施形態においてユーザのパターン1の操作入力に対する背景画像の変化を示す概略図。
【図6】前記実施形態においてユーザのパターン1の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図7】前記実施形態においてユーザのパターン2の操作入力に対する背景画像の変化とオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【図8】前記実施形態においてユーザのパターン2の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図9】前記実施形態においてユーザのパターン3の操作入力に対する背景画像の変化とオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【図10】前記実施形態においてユーザのパターン3の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図11】前記実施形態においてユーザのパターン4の操作入力に対する背景画像の変化とオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【図12】前記実施形態においてユーザのパターン4の操作入力に対する処理終了後の画像を示す概略図。
【図13】前記実施形態においてユーザのパターン5の操作入力に対するオブジェクトの移動態様を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、背景画像上に複数のオブジェクトを表示する情報表示装置として、デスクトップ画面にアイコンを表示可能なモバイルパーソナルコンピュータ(PC)を例示する。
[1.情報表示装置の構成]
図1に示すように、情報表示装置1は、制御部10と、記憶部20と、入力部30と、出力部40と、を備えている。
【0027】
制御部10は、情報の演算および処理を行う演算処理装置(CPU、Central Processing Unit)であり、情報表示装置1全体の制御を行う。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェア(記憶部20、入力部30、出力部40)と協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
制御部10は、本発明の表示制御手段として機能するユーザインターフェース(UI)を提供し、入力部30からの入力信号に応じて画像の表示制御を行う。具体的には、制御部10は、オブジェクト配置取得部11と、入力操作検知部12と、背景画像3D加工部13と、背景画像勾配算出部14と、オブジェクト配置算出部15と、アニメーション表示部16と、を備えている。
【0028】
オブジェクト配置取得部11は、背景画像上に配置されている全ての水滴オブジェクトの位置情報を取得する。
入力操作検知部12は、入力部30からの入力信号に基づいて、ユーザのタッチパネルに対する操作入力を検知する。
背景画像3D加工部13は、背景画像を三次元平面とし、ユーザの操作入力に応じて三次元平面に対する垂直方向に仮想的な重力を形成(シミュレーション)し、この重力に基づいて背景画像を三次元的に変化させる。
【0029】
背景画像勾配算出部14は、三次元的に変化させた背景画像に生じた勾配(傾斜)を算出する。
オブジェクト配置算出部15は、算出された背景画像の勾配に基づいて、水滴オブジェクトの移動先の位置を算出する。また、勾配の程度に応じて、水滴オブジェクトの移動速度や移動距離を調整する。
アニメーション表示部16は、水滴オブジェクトの移動先の位置情報と、移動速度と、に基づいて、葉の上を水滴が移動する態様を模した水滴オブジェクトの移動態様をアニメーションで表示する。
【0030】
記憶部20は、制御部10によるOSや各種アプリケーション等のプログラムの実行に使用するローカルメモリ、大容量のハードディスク(HD)、および当該HDの検索を効率的に行うために使用するキャッシュメモリ等を含んでいる。記憶部20としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的にコンピュータが読み取り可能な媒体が用いられる。
記憶部20は、背景画像として使用する画像データや、水滴オブジェクトに保存されるアプリケーションやファイル等のアイコンデータを記憶する。
【0031】
入力部30は、ユーザによる操作を受けるものであり、キーボードおよびタッチパネルを含む。図3に示すように、タッチパネル32は、背景画像を全面に表示するモニタ41に重なる入力領域を有しており、この入力領域に対するユーザのタッチ操作により入力を受ける。タッチ操作は、指やペンを用いて直接行うことができる。タッチパネル32からの操作入力を受けると、その入力信号は制御部10に送信される。
【0032】
出力部40は、モニタ41を有し、制御部10から入力される表示制御信号により表示制御され、モニタ41に背景画像上に水滴オブジェクトが配置された画像を表示する。
【0033】
[2.情報表示装置の動作]
次に、情報表示装置1の動作について説明する。
図1の制御部10によって実行される水滴オブジェクト表示制御処理を、図2のフローチャートに基づいて説明する。
まず、制御部10は、記憶部20に記憶されている背景画像データを取得してモニタ41に背景画像として表示させるとともに、記憶部20に記憶されているアプリケーションやファイル等のアイコンデータを取得し、背景画像上にランダムに配置する。これらのアイコンデータは全て水滴を模した形状の水滴オブジェクト120に保存されており、図3に示すように、背景画像110上に複数の水滴オブジェクト120がランダムに配置されている。なお、図示しないが、各アイコンの画像を水滴オブジェクト120上に表示することにより各水滴オブジェクト120を識別可能とするようにしてもよい。
このようにしてモニタ41に表示された画像を初期画像100とする。初期画像100は、図3に示すように、モニタ41の全面に表示される背景画像110と、背景画像110上にランダムに配置された複数の水滴オブジェクト120と、を有している。
【0034】
本実施形態では、初期画像100に対するユーザの入力操作に応じて5パターンの移動態様を例示して説明する。なお、本実施形態では、背景画像110によって形成される平面を三次元平面として仮想的な重力を形成する。三次元平面に対して垂直な方向を鉛直(重力)方向とする。すなわち、ユーザから見て、モニタ41(背景画像110)の手前側へ延びる方向が鉛直上方向、モニタ41(背景画像110)の向こう側へ延びる方向が鉛直下方向である。
【0035】
[2−1.パターン1]
上述の初期画像100が表示された状態では、制御部10は、タッチパネル32に対する操作入力を監視している。
ここで、ユーザが、図4に示すように親指51と人差し指52を背景画像110の任意の領域111を挟んだ状態でタッチパネル32にタッチした後、図5に示すように親指51と人差し指52をタッチパネル32に沿って互いに近づく方向に移動させ、任意の領域111をつまんで背景画像110を鉛直上方向に引き上げる動作を行う(操作入力パターン1)。
入力部30は、この動作を受け、入力信号に変換して制御部10へ送信する。
以下、図2のフローチャートに基づいて説明する。
ステップS11において、制御部10が入力部30からの入力信号を受信すると、入力操作検知部12は、この入力信号に含まれるユーザの操作入力パターンを検知する。操作入力パターンが検知されると、ステップS12に進む。操作入力パターンが検出されない場合は、制御部10は監視状態を続行する。
【0036】
ステップS12では、オブジェクト配置取得部11は、背景画像110に配置された全ての水滴オブジェクト120の位置情報を取得する。この位置情報は、初期画像100がモニタ41に表示される際に、記憶部20に記憶されているものである。取得後、ステップS13へ進む。
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、ステップS11で検知したユーザの操作入力に応じて、背景画像110を三次元的に変化させる。上述の操作入力パターン1の場合、図4に示す任意の領域111を背景画像110の鉛直上方向に突出させ、図5に示す尾根状の突出部112を三次元的に形成する。形成後、ステップS14へ進む。
【0037】
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、三次元的に形成された尾根状の突出部112により背景画像110に生じる勾配を算出してステップS15へ進む。例えば、図4に示すように、背景画像110上における親指51のタッチ位置をA、人差し指52のタッチ位置をBとして検出し、AB間の中点をCとする。そして、図5に示すように、親指51と人差し指52を移動させた後の親指51のタッチ位置をA’、人差し指52のタッチ位置をB’として検出する。次に、これらの指の移動距離、すなわちAA’間の距離およびBB’間の距離を算出し、これらのうち距離が長い方(例えば、AA’間の距離)を突出部112の高さとする。ここで、突出部112は断面略三角形状に形成される。そこで、親指51の移動前のタッチ位置Aと中点Cとを結ぶ直線を底辺とし、前述のAA’間の距離を高さとする直角三角形を三次元空間に仮想的に形成し、この直角三角形の頂点からAを結ぶ直線(斜面)の勾配(角度)を算出する。なお、直角三角形の頂点からAを結ぶ線が曲線状に形成される場合は、背景画像の任意の複数の位置における勾配をそれぞれ算出しておく。
【0038】
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、ステップS12で取得した水滴オブジェクト120の位置情報と、ステップS14で算出した勾配と、に基づいて、水滴オブジェクト120の移動先の位置情報および移動速度を算出する。例えば、上述した直角三角形の斜面に水滴オブジェクト120が配置されている場合に生じる重力に基づいた加速度を算出する。この場合、各水滴オブジェクト120には、データ量やデータ種別に応じた重さを予め設定しておき、この重さに基づいて算出してもよい。また、上述した直角三角形の斜面が曲面状に形成される場合は、背景画像110の突出部112の尾根に近いほど勾配は大きくなるため、突出部112の尾根に近い位置にある水滴オブジェクト120ほど移動距離および移動速度を大きくする。算出後、ステップS16へ進む。
【0039】
ステップS16では、アニメーション表示部16は、初期画像100における水滴オブジェクト120の位置情報と、ステップS15で算出された移動先の位置情報および移動速度に基づいて、各水滴オブジェクト120が移動する状態をアニメーション表示する。水滴オブジェクト120は水滴を模しているので、その移動状態は、葉の上を水滴が移動する状態を模してアニメーション表示する。したがって、図5に示すように、移動途中では、水滴オブジェクト120の形状を重力方向に弛むように変形させ、楕円形状やその他の形状に変形させながら新しい位置へ移動させる。
このようにして移動した水滴オブジェクト120は、図6に示すように、背景画像110上で二分割された状態となる。
【0040】
[2−2.パターン2]
次に、ユーザが、図7に示すように人差し指52で背景画像110の任意の位置にタッチパネル32を介してタッチする動作を行う(操作入力パターン2)。
ステップS11およびS12では、上述と同様の動作を行う。
【0041】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、上述の操作入力パターン2に応じて背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、図7に示すように、ユーザがタッチした位置を中心とした凹状のくぼみ部113を形成する。くぼみ部113は、背景画像110の三次元平面上に開口部を有し、鉛直下方向に凹んだ形状である。なお、くぼみ部113の深さは、ユーザがタッチしている時間に応じて調整する。例えば、タッチする時間が長いほどくぼみ部113を深くしたり、開口部を広くしたりする。
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、重力方向に凹んだくぼみ部113によって背景画像110に生じる勾配を算出する。例えば、ユーザのタッチパネル32に対するタッチ時間に応じて、くぼみ部113の深さと広さ(タッチ位置を中心とする半径)を決定し、この深さを高さとし、半径を底辺とする直角三角形を仮想的に形成し、この直角三角形の斜辺の角度を勾配として算出する。なお、直角三角形の斜辺が曲線状に形成される場合は、背景画像110の任意の複数の位置における勾配をそれぞれ算出しておく。
【0042】
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、背景画像110のくぼみ部113に近いほど勾配は大きくなるため、くぼみ部113に近い位置にある水滴オブジェクト120ほど移動距離を大きくする。また、勾配が大きい位置にある水滴オブジェクト120の移動速度を速くする。
ステップS16では、アニメーション表示部16は、背景画像110の勾配が生じた位置にある水滴オブジェクト120を、くぼみ部113の方向へ移動させる。
このようにして、図8に示すように、背景画像110の任意の位置に複数の水滴オブジェクト120を集めることができる。
【0043】
[2−3.パターン3]
次に、ユーザが、図9に示すように人差し指52で背景画像110の任意の位置にタッチパネル32を介して連続で2回タッチする動作を行う(操作入力パターン3)。
ステップS11およびS12では、上述と同様の動作を行う。
【0044】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、上述の操作入力パターン3に応じて背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、図9に示すように、ユーザがタッチした位置を中心として背景画像110を鉛直方向に貫通する孔部114を形成する。孔部114は、背景画像110の三次元平面上に開口部を有している。
ステップS14では、孔部114により背景画像110に勾配が生じないため、背景画像勾配算出部14は処理を行わずにステップS15へ進む。
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、背景画像110の孔部114から所定の範囲内にある水滴オブジェクト120を特定し、これらの水滴オブジェクト120の移動先を、孔部114の位置に設定する。
ステップS16では、アニメーション表示部16は、ステップS15で特定された水滴オブジェクト120を孔部114へ移動させるとともに、孔部114へ移動した水滴オブジェクトを削除する。
このようにして、図10に示すように、背景画像110の任意の領域から複数の水滴オブジェクト120を削除することができる。なお、水滴オブジェクト120が移動する間に時間的猶予があるため、この間に削除を中止することができる。具体的な操作としては、例えば、再度画面にタッチするなどのタッチ操作により削除を中止するようにしてもよい。
【0045】
[2−4.パターン4]
次に、ユーザが、親指51と人差し指52と中指53とを背景画像110の任意の領域を挟んだ状態でタッチパネル32にタッチした後、図11に示すように、親指51と人差し指52と中指53とをタッチパネル32に沿って互いに近づく方向に移動させ、任意の領域をつまんで背景画像110の鉛直上方向に引き上げる動作を行う(操作入力パターン4)。なお、操作入力パターン4は、3つ(親指51、人差し指52、中指53)以上のタッチ位置を互いに近づく方向に移動させる操作入力である。
ステップS11およびS12では、上述と同様の動作を行う。
【0046】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、上述の操作入力パターン4に応じて背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、図11に示すように、任意の領域を鉛直上方向に突出させて、円形状の突出部115を三次元的に形成する。
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、鉛直上方向に突出した突出部115によって背景画像110に生じる勾配を算出する。すなわち、背景画像110の任意の複数の位置における勾配をそれぞれ算出しておく。この勾配は、上述のパターン1と同様にして算出することができる。
【0047】
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、背景画像110の突出部115により生じる勾配に沿って移動する水滴オブジェクト120の移動先の位置情報を算出する。このとき、各水滴オブジェクト120の移動距離および移動速度を調整する。各水滴オブジェクト120の移動距離は勾配が大きいほど長く、移動速度は勾配が大きいほど速い。
ステップS16では、アニメーション表示部16は、背景画像110の勾配が生じた位置にある水滴オブジェクト120を、算出された移動速度で新しく算出された位置に移動させる状態をアニメーションで表示する。
このようにして、図12に示すように、背景画像110の複数の水滴オブジェクト120を任意の領域から移動させることができる。
【0048】
[2−5.パターン5]
次に、特定の水滴オブジェクト120を所望の位置に移動させる場合を図13に基づいて説明する。
ユーザは、タッチパネル32を介して特定の水滴オブジェクト120にタッチ(第1のタッチ)した後、水滴オブジェクト120の移動先の任意の位置をタッチ(第2のタッチ)する。そして、特定の水滴オブジェクト120から移動先の任意の位置を結ぶ連結線を指で描く動作(第3のタッチ)を行う(操作入力パターン5)。
ステップS11およびS12は前述と同様の動作を行う。
【0049】
ステップS13では、背景画像3D加工部13は、ステップS11で検知したユーザの操作入力に応じて、背景画像110を三次元的に変化させる。すなわち、第1のタッチが為された特定の水滴オブジェクト120を収納可能な第1のくぼみ部116を三次元的に形成する。また、第2のタッチが為された任意の位置を中心とする第2のくぼみ部117を三次元的に形成する。さらに、第3のタッチにより描かれた連結線を中心軸とする連結溝部118を形成する。第1のくぼみ部116、第2のくぼみ部117および連結溝部118は、背景画像110の三次元平面の鉛直下方向に凹んだ形状に形成される。形成後、ステップS14へ進む。
【0050】
ステップS14では、背景画像勾配算出部14は、三次元的に形成された連結溝部118に生じる勾配を算出してステップS15へ進む。なお、連結溝部118には、ユーザがタッチパネル32上で連結線を指で描く際のタッチしている時間の長さに応じて勾配を生じさせる。例えば、タッチしている時間が長いほど勾配を大きくする。
ステップS15では、オブジェクト配置算出部15は、特定の水滴オブジェクト120の移動先を第2のくぼみ部117とし、さらに、ステップS14で算出した勾配に基づいて特定の水滴オブジェクト120の移動速度を算出する。連結溝部118に生じる勾配が大きいほど移動速度を速くするように調整する。算出後、ステップS16へ進む。
【0051】
ステップS16では、アニメーション表示部16は、特定の水滴オブジェクト120を連結溝部118に沿って第2のくぼみ部117に移動させる態様を、葉の上を水滴が移動する態様を模してアニメーションで表示する。
このようにして、特定の水滴オブジェクト120を、所望の位置へ移動させることができる。
【0052】
[3.本実施形態の作用効果]
上述した実施形態では、以下に示す作用効果を奏することができる。
ユーザがタッチパネル32を介して背景画像110に直接タッチ操作を行うだけで、背景画像3D加工部13は背景画像110を三次元的に変化させる。この変化により背景画像110に勾配が生じ、仮想的な重力が生じる。したがって、この仮想的な空間内に存在する水滴オブジェクト120は、背景画像110の勾配に沿って重力方向へ自然に移動する。このような移動態様は、自然現象である水滴の移動態様を模したものであるため、ユーザにとってより自然に認識しやすい。したがって、ユーザは水滴オブジェクト120の移動を容易に想定できるため、その想定に基づいた操作を行うことができ、操作性に優れる。
また、このような自然現象を模した移動態様を平面的なモニタ41上で描画することは視覚的に優れ、ユーザの嗜好に適している。
特に、タッチパネル32を介して背景画像110を直接指で変形させることができるので、ユーザには操作しやすい。
【0053】
上述のパターン1においては、背景画像110に対してタッチ操作を1回行うだけで、背景画像110にランダムに配置された複数の水滴オブジェクト120をまとめて移動させ、二分割して配置することができる。
上述のパターン2において、背景画像110に対する入力操作を1回行うだけで、背景画像110の任意の領域に複数の水滴オブジェクト120を集めることができる。また、背景画像110にくぼみ部113を生成する際、背景画像3D加工部13は、タッチパネル32上でユーザがタッチする長さに応じて、背景画像110の勾配を変化させる表示制御を行っている。これによれば、ユーザは操作入力の長さを調整することにより、所望の勾配のくぼみ部113を背景画像110に自由に形成させることができる。このように、ユーザの所望どおりに背景画像110が変化し、その変化に応じて水滴オブジェクト120を移動させることができるため、ユーザは水滴オブジェクト120の移動態様を容易に想定することができ、操作性に優れる。
【0054】
上述のパターン3において、背景画像110に対して連続2回タッチする入力操作を行うだけで、所定の範囲内の複数の水滴オブジェクト120をまとめて移動させて削除することができる。これによれば、水滴オブジェクト120が孔部114へ移動するまでに時間的猶予があるため、ユーザが削除を思い直した場合には、即座に削除処理を中止することができ、操作性に優れる。
【0055】
上述のパターン4において、背景画像110に対する入力操作を1回行うだけで、背景画像110の任意の領域に突出部115を三次元的に形成し、この領域に配置された複数の水滴オブジェクト120をまとめて移動させることができる。
上述のパターン5において、背景画像110に対する入力操作により、特定の水滴オブジェクト120を所望の位置まで移動させることができる。
【0056】
[4.変形例]
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で、以下に示される変形をも含むものである。
例えば、上記実施形態では背景画像110に生じる勾配に応じて移動速度を調整したが、移動速度の調整方法はこれに限られない。例えば、水滴オブジェクト120に保存されているアイコンデータのデータ量を水滴オブジェクト120の重さと仮定し、この重さに応じて水滴オブジェクト120の移動速度を調整する。すなわち、データ量が大きいほど移動速度を大きくする。これによれば、ユーザは水滴オブジェクト120の移動状態を見るだけで、各アイコンのデータ量をある程度把握することができる。
【0057】
上記実施形態において、水滴オブジェクト120それぞれに属性を持たせる構成としてもよい。この場合、各属性に基づいた移動態様となるため、操作性が向上する。
例えば、上述のパターン2の移動態様においては、背景画像110にくぼみ部113を形成する際、くぼみ部113に属性を付与する。属性を付与する方法としては、例えば、タッチパネル32をタッチしたときに属性に関するメニューを表示し、表示されたメニューからユーザに選択させる方法がある。このように属性が付与されたくぼみ部113には、同じ属性または下位の属性を有する水滴オブジェクト120のみが移動してくる。例えば、背景画像110上にランダムに配置された水滴オブジェクト120に保存されているアプリケーションデータまたはファイルのうち、ファイルという属性をくぼみ部113に付与した場合、このくぼみ部113には、ファイルが保存された水滴オブジェクト120のみを集めることができる。
【0058】
また、上述のパターン3において、ユーザが連続で2回タッチする動作を行った場合に孔部114を形成することとしたが、ユーザの操作入力はこれに限られない。例えば、ユーザがタッチしている時間が所定時間以上である場合に、孔部114を形成することとしてもよい。
さらに、上述のパターン3において、背景画像110上に孔部114のみを形成することとしたが、孔部114の構成はこれに限られない。例えば、ユーザが入力操作を行った位置にくぼみ部を形成するとともに、このくぼみ部の中心に孔部を形成する。すなわち、孔部の周囲に三次元空間における勾配が形成する構成としてもよい。
【0059】
そして、上述のパターン3の移動態様において、背景画像110に孔部114を形成する際、孔部114に属性を付与する。属性を付与する方法は前述のパターン2の場合と同様である。このように属性が付与された孔部114には、同じ属性または下位の属性を有する水滴オブジェクト120のみが移動し、削除される。例えば、背景画像110上にランダムに配置された水滴オブジェクト120に保存されているファイルのうち、更新日時が2008年12月31日以前のファイルという属性を孔部114に付与した場合、この孔部114には、更新日時が2008年12月31日以前のファイルが保存された水滴オブジェクト120のみを移動させて削除することができる。
【0060】
また、上述のパターン5の移動態様において、第1のタッチにより任意の水滴オブジェクト120を選択して背景画像110に第1のくぼみ部116を形成し、第2のタッチにより別の水滴オブジェクト120を選択して背景画像110に第2のくぼみ部117を形成する。そして、第3のタッチにより第1のくぼみ部116および第2のくぼみ部117を連結する連結溝部118を背景画像110に形成する。連結溝部118には、第3のタッチにより勾配が生じ、任意の水滴オブジェクト120が第1のくぼみ部116から第2のくぼみ部117に向かって移動する。任意の水滴オブジェクト120とくぼみ部117に位置する別の水滴オブジェクト120との属性が同じである場合には、これら2つの水滴オブジェクト120が融合して大きな水滴オブジェクト120となる。このとき、大きな水滴オブジェクト120には、2つのファイルが保存されることになる。また、2つの水滴オブジェクト120の属性が異なる場合は融合しない。これによれば、背景画像110上にランダムに配置された水滴オブジェクト120を、同じ属性を有する水滴オブジェクト120ごとにまとめて整理することができる。
【0061】
上記実施形態では入力手段としてタッチパネル32を用いたが、例えば、感圧式のタッチパネルを用いてもよい。これによれば、ユーザが指で押す圧力に基づいて、背景画像110に生じる勾配を算出することにしてもよい。
また、入力手段としてマウス等のポインティングデバイスを用いてもよい。この場合、上述のパターン1〜5の処理は以下のように行うことができる。
パターン1のように背景画像110を変化させるためのマウスによるユーザの操作入力としては、例えば、背景画像110上の任意の位置で、マウスのドラッグ&ドロップ操作により線を描く動作を行う。これにより、線が描かれた位置に尾根状の突出部112が形成される。したがって、尾根状の突出部112を境界として互いに反対方向に水滴オブジェクト120を移動させ、二分割することができる。
【0062】
また、パターン2の場合は、例えば、ユーザは背景画像110の任意の位置でマウスのクリック操作を行う。このクリック操作に応じて、背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の位置にくぼみ部113を三次元的に形成する。
また、パターン3の場合は、例えば、ユーザは背景画像110の任意の位置でマウスのダブルクリック操作を行う。このダブルクリック操作に応じて、背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の位置に孔部114を三次元的に形成する。
また、パターン4の場合は、例えば、ユーザは背景画像110の任意の領域をマウスのドラッグ&ドロップ操作により円を描く動作を行い、描いた円の中心位置でマウスのクリック操作を行う。これらの操作に応じて、背景画像3D加工部13は円を描いた領域に突出部115を三次元的に形成する。
【0063】
また、パターン5の場合は、例えば、ユーザは任意の水滴オブジェクト120の位置でマウスのクリック操作を行う。このクリック操作により背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の水滴オブジェクト120を収納可能な第1のくぼみ部116を三次元的に形成する。次に、ユーザは背景画像110の任意の位置でマウスのクリック操作を行う。このクリック操作により背景画像3D加工部13は背景画像110の任意の位置に第2のくぼみ部117を三次元的に形成する。次に、ユーザはマウスのドラッグ&ドロップ操作によって第1のくぼみ部116と第2のくぼみ部117とを連結するように線を描く。この操作により、背景画像3D加工部13は第1のくぼみ部116と第2のくぼみ部117とを連結する連結溝部118を三次元的に形成する。
以上のようなマウスを用いた操作により、背景画像110を三次元的に変化させ、この変化に応じて水滴オブジェクト120を移動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、表示画面を有するパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、携帯ゲーム機等で利用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…情報表示装置
10…制御部
20…記憶部
30…入力部
40…出力部
41…モニタ
100…初期画像
110…背景画像
112…尾根状の突出部
113…くぼみ部
114…孔部
120…水滴オブジェクト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示装置であって、
前記背景画像に対するユーザの操作を受ける入力手段と、
前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記入力手段による前記ユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるとともに、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行う表示制御手段と、を備える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する凹状のくぼみ部を形成し、
前記複数のオブジェクトを前記くぼみ部に移動させるアニメーションの表示制御を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する孔部を形成し、
前記複数のオブジェクトを前記孔部に移動させるアニメーションの表示制御を行うとともに、前記孔部に移動したオブジェクトを削除する処理を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記ユーザの操作に応じて前記背景画像の重力方向とは反対方向に突出する尾根状の突出部を形成し、
前記尾根状の突出部を境界として互いに反対の方向へ前記複数のオブジェクトを移動させるアニメーションの表示制御を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記複数のオブジェクトのうち、前記背景画像の変形位置から所定の範囲内に位置するオブジェクトを移動させる
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトを、水滴を模した画像で表示し、
前記オブジェクトの移動状態を、水滴の移動状態を模してアニメーションの表示制御を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記入力手段は、前記背景画像に重なる入力領域を有するタッチ入力部であり、
前記ユーザの操作は、前記タッチ入力部に対するタッチ操作である
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示方法であって、
前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、
前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、を有する
ことを特徴とする情報表示方法。
【請求項9】
背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示するプログラムであって、
前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、
前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示装置であって、
前記背景画像に対するユーザの操作を受ける入力手段と、
前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記入力手段による前記ユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるとともに、前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行う表示制御手段と、を備える
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する凹状のくぼみ部を形成し、
前記複数のオブジェクトを前記くぼみ部に移動させるアニメーションの表示制御を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記ユーザの操作に応じて前記背景画像に開口部を有する孔部を形成し、
前記複数のオブジェクトを前記孔部に移動させるアニメーションの表示制御を行うとともに、前記孔部に移動したオブジェクトを削除する処理を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記ユーザの操作に応じて前記背景画像の重力方向とは反対方向に突出する尾根状の突出部を形成し、
前記尾根状の突出部を境界として互いに反対の方向へ前記複数のオブジェクトを移動させるアニメーションの表示制御を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記複数のオブジェクトのうち、前記背景画像の変形位置から所定の範囲内に位置するオブジェクトを移動させる
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記表示制御手段は、
前記オブジェクトを、水滴を模した画像で表示し、
前記オブジェクトの移動状態を、水滴の移動状態を模してアニメーションの表示制御を行う
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の情報表示装置において、
前記入力手段は、前記背景画像に重なる入力領域を有するタッチ入力部であり、
前記ユーザの操作は、前記タッチ入力部に対するタッチ操作である
ことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示する情報表示方法であって、
前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、
前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、を有する
ことを特徴とする情報表示方法。
【請求項9】
背景画像を三次元平面とし、該背景画像上に複数のオブジェクトを配置して表示するプログラムであって、
前記三次元平面の垂直方向に仮想的な重力を形成し、前記背景画像に対するユーザの操作に応じて前記重力の方向に対する前記背景画像の傾きを三次元的に変化させるステップと、
前記背景画像の変化に応じた前記重力に沿って、前記複数のオブジェクトの位置を前記三次元平面上で移動させるアニメーションの表示制御を行うステップと、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−133961(P2011−133961A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290516(P2009−290516)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
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