説明

情報表示装置および方法とその情報表示プログラム

【課題】アナログ時計の文字盤に付帯的な表示情報を表示する情報表示装置および方法とその情報表示プログラムにおいて、時刻情報と表示情報の視認性の向上させる。
【解決手段】情報表示装置1は、表示情報表示部5により、表示情報記憶部2から表示情報を読み出すとともに、時刻情報記憶部3からアナログ時計の文字盤における時針及び分針のなす角度を読み出し、表示情報を角度の大きい方の領域に表示することで、時計の針と表示情報が重なることなく、文字盤上に表示情報を表示することができ、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示技術に関し、特に、アナログ時計の文字盤に付帯的な表示情報を表示する情報表示装置および方法とその情報表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク経由の情報を表示する情報家電として、液晶表示装置を使用した様々な宅内調度品型の情報表示装置が提案されている。
【0003】
例えば、遠隔地にいる親しい人の写真と組み合わせて、その人の現在の状態に関するオンライン情報を自動取得して表示する写真立て型の情報表示装置、カレンダーと組み合わせて、イベントや商品発売日に関するオンライン情報を自動取得して表示するカレンダー型の情報表示装置、現在時刻と組み合わせて、テレビ番組に関するオンライン情報を自動取得して表示する時計型の情報表示装置などがある。
【0004】
このような装置を利用した場合には、例えば、遠隔地にいる親しい人を気にかけて写真立て型の情報表示装置に目をやったときや、スケジュールを気にかけてカレンダー型の情報表示装置に目をやったとき、或いは現在時刻を気にかけて時計型の情報表示装置に目をやったときなどに、状況に応じて特に興味を引くようなオンライン情報を付帯的に知ることができるので便利である(非特許文献1参照)。
【0005】
中でも時計型の情報表示装置においては、時計としての受け入れやすさを優先して時刻を表示する部分には、人々が最も慣れ親しんでいるアナログ時計式(文字盤の数字を針で示して時刻を表す時計)の表示方法が採用され、現在時刻と、オンライン情報などの付帯的な表示情報とを表示するための様々な表示技術が考えられている。以下、例を挙げて説明する。
【0006】
図8に示すような時計型の情報表示装置801は、表示面内において、時刻表示領域802と表示情報表示領域803とを設け、各領域に時刻情報と表示情報とを別々に表示する。このような場合は、情報表示装置801に目を向けたときに時刻情報を第1に伝達したい場合は不向きである。
【0007】
これに対し、図9に示すような時計型の情報表示装置901は、従来のアナログ時計と同様、装置の表示面を時刻表示領域902とし、アナログ時計の文字盤を表示し、さらに、文字盤の内側の定位置(同図では中央下)を表示情報表示領域903とし、表示情報を表示する。このような場合は、情報表示装置901に目を向けたときに時刻情報を第1に伝達することが可能である。
【非特許文献1】前田篤彦,筒井章博「実世界指向ポータル:ハンディデバイスを介した受動的メディアと能動的メディアの統合環境」,情報処理学会,インタラクション2004論文集,p.249−250
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図9の時計型の情報表示装置901においては、図10に示すように、時刻情報を表す時計の針と表示情報が重なってしまい、表示面の視認性が悪くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、アナログ時計の文字盤に付帯的な表示情報を表示する情報表示装置および方法とその情報表示プログラムにおいて、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明に係る情報表示装置は、アナログ時計の文字盤に表示する付帯的な表示情報を記憶しておく表示情報記憶手段と、アナログ時計の時刻情報を記憶しておく時刻情報記憶手段と、時刻情報記憶手段から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出して記憶手段に格納する角度算出手段と、表示情報記憶手段から前記表示情報を読み出すとともに、記憶手段から角度を読み出し、前記表示情報を文字盤において前記時針及び分針に重ならないように表示する表示情報表示手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、角度算出手段により、時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出し、表示情報表示手段により、表示情報を文字盤において時針及び分針に重ならないように表示するようにしたことで、時計の針と表示情報が重なることなく、文字盤上に表示情報を表示することができる。
【0012】
上記情報表示装置は、時刻情報を時刻情報記憶手段から取得し、この時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出して記憶手段に格納する数字算出手段と、記憶手段から数字を読み出して、この数字を文字盤の該当する位置に表示する文字盤数字表示手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、数字算出手段により、時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれ最も近い文字盤における数字を算出し、文字盤数字表示手段により、数字を文字盤の該当する位置に表示するようにしたことで、文字盤の数字と表示情報が密集することなく、文字盤上に表示情報を表示することができる。
【0014】
また、上記情報表示装置において、表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、記憶手段から角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出してこの各等分線に関する情報を表示位置として記憶手段に格納する表示位置算出手段をさらに有し、表示情報表示手段は、記憶手段から表示位置を読み出し、文字盤におけるこの等分線に対応する位置に各表示情報を表示することを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、表示情報がn個ある場合に、表示位置算出手段により、広いほうの角度をn+1等分したn本の等分線を算出し、表示情報表示手段により、この等分線に対応する位置に各表示情報を表示するようにしたことで、表示情報が複数あったとしても時計の針が表示情報と重なることなく、文字盤上の各表示情報を均等な間隔で表示することができる。
【0016】
第2の本発明に係る情報表示方法は、アナログ時計の文字盤に表示する付帯的な表示情報を表示情報記憶手段に記憶するステップと、アナログ時計の時刻情報を時刻情報記憶手段に記憶するステップと、角度算出手段により、時刻情報記憶手段から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出して記憶手段に格納するステップと、表示情報表示手段により、表示情報記憶手段から表示情報を読み出すとともに、記憶手段から角度を読み出し、表示情報を文字盤において時針及び分針に重ならないように表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、角度算出手段により、時刻情報に基づいてアナログ時計の文字盤における時針と分針のなす角度を算出するステップと、表示情報表示手段により、表示情報を文字盤において時針及び分針に重ならないように表示するステップとを有するようにしたことで、時計の針と表示情報が重なることなく、文字盤上に表示情報を表示することができる。
【0018】
上記情報表示方法においては、数字算出手段により、時刻情報記憶手段から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出して記憶手段に格納するステップと、文字盤数字表示手段により、記憶手段から数字を読み出して、この数字を文字盤の該当する位置に表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、数字算出手段により、時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれ最も近い文字盤における数字を算出するステップと、文字盤数字表示手段により、数字を文字盤の該当する位置に表示するステップとを有するようにしたことで、文字盤の数字と表示情報が密集することなく、文字盤上に表示情報を表示することができる。
【0020】
上記情報表示方法においては、表示位置算出手段により、表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、記憶手段から角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出してこの各等分線に関する情報を表示位置として記憶手段に格納するステップをさらに有し、表示情報表示手段により、記憶手段から表示位置を読み出し、文字盤におけるこの等分線に対応する位置に前記各表示情報を表示するステップを有することを特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、表示情報がn個ある場合に、表示情報位置算出手段により、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出するステップと、表示情報表示手段により、この等分線に対応する位置に書く表示情報を表示するステップを有するようにしたことで、表示情報が複数あったとしても時計の針が表示情報と重なることなく、文字盤上の各表示情報を均等な間隔で表示することができる。
【0022】
第3の本発明に係る情報表示プログラムは、アナログ時計の文字盤に表示する付帯的な表示情報を表示情報記憶手段に記憶する処理と、アナログ時計の時刻情報を時刻情報記憶手段に記憶する処理と、角度算出手段により、時刻情報記憶手段から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出して記憶手段に格納する処理と、表示情報表示手段により、表示情報記憶手段から表示情報を読み出すとともに、記憶手段から角度を読み出し、前記表示情報を文字盤において前記時針及び分針に重ならないように表示する処理と、をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする。
【0023】
上記情報表示プログラムにおいては、数字算出手段により、時刻情報記憶手段から時刻情報を取得し、この時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出して記憶手段に格納する処理と、文字盤数字表示手段により、記憶手段から数字を読み出して、この数字を文字盤の該当する位置に表示する処理と、をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする。
【0024】
上記情報表示プログラムにおいては、表示位置算出手段により、表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、記憶手段から角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出してこの各等分線に関する情報を表示位置として記憶手段に格納する処理と、表示情報表示手段により、記憶手段から表示位置を読み出し、文字盤におけるこの等分線に対応する位置に各表示情報を表示する処理と、をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする。
【0025】
尚、本発明におけるコンピュータシステムとは、制御装置、演算装置、入力装置、出力装置、表示装置、記憶装置などの要素を備え、プログラムに従って各種の処理を実行することが可能な情報処理機器をさし、例えばパーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デジタルビデオカメラ、小型携帯情報端末、携帯電話などをさす。
【発明の効果】
【0026】
本発明のアナログ時計の文字盤に付帯的な表示情報を表示する情報表示装置および方法とその情報表示プログラムによれば、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施の形態に係る時計型の情報表示装置1(以下、本情報表示装置1とする)の全体構成図である。
【0029】
同図の本情報表示装置1は、表示情報記憶部2と、時刻情報記憶部3と、角度算出部4と、表示情報表示部5と、表示位置算出部6と、数字算出部7と、文字盤数字表示部8、現在時刻算出部9と、通信部10と、表示情報処理部11とを備える。
【0030】
表示情報記憶部2は、アナログ時計の文字盤に表示させる付帯的な表示情報を記憶する。時刻情報記憶部3は、アナログ時計の時刻情報を記憶する。
【0031】
角度算出部4は、時刻情報記憶部3から時刻情報を取得し、時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出し、その結果を例えば、時刻情報記憶部3に格納する。
【0032】
表示情報表示部5は、表示情報記憶部2から表示情報を読み出すとともに、時刻情報記憶部3から時計針の角度を読み出し、表示情報を文字盤において時針及び分針に重ならないように表示する。ここでは例えば、表示情報を時計針のなす角度の大きい方の領域に表示する。
【0033】
表示位置算出部6は、表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、時刻情報記憶部3から時計針の角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出し、この各等分線に関する表示情報の表示位置を、例えば表示情報記憶部2に格納する。
【0034】
数字算出部7は、時刻情報を時刻情報記憶部3から取得し、この時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出し、その結果を例えば、時刻情報記憶部3に格納する。
【0035】
文字盤数字表示部8は、時刻情報記憶部3から数字を読み出して、この数字を文字盤の該当する位置に表示する。このとき、例えば文字盤数字表示部8は、時刻情報記憶部3から時計の針の角度を読み出してアナログ時計の時針と分針も表示する。
【0036】
現在時刻算出部9は現在時刻を算出し、例えば時刻情報記憶部3の現在時刻の情報を更新する。通信部10は、赤外線通信又はインターネットなどのネットワークを経由して情報の送受信を行う。表示情報処理部11は、通信部10からネットワーク経由で得られた表示情報に関する命令を処理する又は、表示情報の内容を表示情報記憶部2に格納する。
【0037】
また、本情報表示装置1はアラーム機能などの各種設定条件の入力指示又は変更指示を受け付ける入力手段を備えている(図1では図示せず)。
【0038】
図2は、本情報表示装置1の正面図である。ここでは本情報表示装置1の正面に表示面がほぼ全面に配置されている。同図に示すように本情報表示装置1は、アナログ時計式の時刻表示を行い、ここでは時刻は2時37分の状態を示している。表示情報はアナログ時計の文字盤上において、チャンネルと呼ばれる矩形状の表示領域に時針と分針に重ならないように表示する。ここでは例えばチャンネルは時計針のなす角度の大きいほうの領域に表示する。
【0039】
また、チャンネルは複数表示することが可能であり、同図ではチャンネル1とチャンネル2が表示されている。チャンネル1には表示情報Aが、チャンネル2には表示情報Bが表示されている。
【0040】
次に本情報表示装置1における文字盤上に表示する数字について図2の正面図を用いて説明する。文字盤上に表示する数字は、時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤上の数字を文字盤の該当する位置に表示し、それ以外は非表示にする。
【0041】
以下、文字盤に表示する数字の算出方法について説明する。ここでは、現在時刻を30分進めた時刻の時に対応する文字盤上の数字を、時針に最も近い文字盤上の数字とし、現在時刻を4分進めたときと4分戻した時の分針のなす小さいほうの角度の内側に含まれる数字を、分針に最も近い文字盤の数字とする。
【0042】
例えば、図2において時刻は2時37分の状態である。この時間を30分進めると3時07分であるので、文字盤上の「3」が表示されている。また2時37分を4分戻した2時33分のときの分針と、4分進めた2時41分のときの分針のなす小さいほうの角の内側には「7」及び「8」が含まれるので、これらの数字も表示されている。残りの数字は非表示になっている。
【0043】
図3は図2で示した時刻状態において本情報表示装置1の各記憶部に格納されるデータの構成を示すテーブル図である。同図(a)の表示情報テーブルは、表示情報記憶部2に格納される表示情報を表しており、各チャンネルに対応して、アナログ時計の文字盤に表示する表示情報とその表示位置とが格納される。チャンネルは、通信部10からのネットワーク経由で受信される命令により登録又は削除される。表示情報は、通信部10からのネットワーク経由で受信される文字情報や画像情報などのオンライン情報であり、新しい情報に随時更新される。表示位置は、各チャンネルの表示角度を表している。
【0044】
同図の例ではチャンネル1に対応する表示情報Aの内容とその表示位置を表す表示角度294.2°、チャンネル2に対応する表示情報Bの内容とその表示位置を表す表示角度6.3°がそれぞれ格納されている。
【0045】
同図(b)の時刻情報テーブルは、時刻情報記憶部3に格納されるアナログ時計の時刻情報を表しており、時計の針に対応して、時針及び分針それぞれの時計針の角度と文字盤上に表示する数字が格納される。
【0046】
同図の例では時針に対応する時計針の角度78.5°と文字盤上に表示する数字3、分針に対応する時計針の角度222°と文字盤上に表示する数字7,8がそれぞれ格納されている。
【0047】
次に、本情報表示装置1の情報表示方法について図4の正面図と図5のフローチャートを用いて具体的に説明する。ここでは本情報表示装置1は、現在時刻が2時37分の状態において、表示面上にチャンネル1及びチャンネル2を表示する。
【0048】
ステップ1:本情報表示装置1において、例えば通信部10が、チャンネル名と命令が指定されている「チャンネル命令(登録又は削除)」を受信すると、表示情報処理部11へ転送する。ここで例えば「チャンネル命令」はチャンネル1とチャンネル2の登録命令である。
【0049】
ステップ2:表示情報処理部11は、表示するチャンネルの名前を表示情報記憶部2に格納する(削除命令の場合には、格納されているチャンネルの名前を削除する)。ここで格納するチャンネル名は、チャンネル1とチャンネル2である(図3の表示情報テーブル(a)参照)。
【0050】
ステップ3:次に、例えば通信部10がチャンネル名と表示情報の内容が指定された「表示情報」を受信すると、表示情報処理部11に転送する。ここで例えば「表示情報」は、チャンネル1には表示情報A、チャンネル2には表示情報Bが対応する。
【0051】
ステップ4:表示情報処理部11は「表示情報」を表示情報記憶部2に格納する。ここで格納する「表示情報」は、チャンネル1には表示情報Aが、チャンネル2には表示情報Bが対応する(図3の表示情報テーブル(a)参照)。
【0052】
ステップ5:角度算出部4は、時刻情報記憶部3から現在時刻を取得し、表示面で表示する時針及び分針の角度を算出する。そして、算出した時針及び分針の角度を時刻情報記憶部3に格納する。ここで格納する時針の角度は78.5°、分針の角度は222°である(図3の時刻情報テーブル(b)参照)。
【0053】
ステップ6:次に、表示位置算出部6は各チャンネルの表示位置を算出する。まず、時刻情報記憶部3から時計の時針と分針の角度を読み出し、時針と分針がなす大きいほうの角度を算出する。さらに、登録されたチャンネル数がnであれば、時針と分針のなす大きいほうの角度の(n+1)等分線を算出する。図4では、チャンネル数が2個であるので大きいほうの角の3等分線を算出する。その結果、チャンネル1、チャンネル2に対応して3等分線である線101と線201が求まる。次に、これらの直線上で時計の中心(時針と分針の付け根)から予め設定された定距離rの点102、202が求まる。ここでは、算出された線101と線201のなす角度が各チャンネルの表示角度に対応する。
【0054】
表示位置算出部6は、ここではチャンネル1の表示角度294.2°とチャンネル2の表示角度6.3°を、チャンネルの表示位置とし、各チャンネルの表示位置を表示情報記憶部2に格納する。ここで格納するチャンネル1の表示位置は294.2°、チャンネル2の表示位置は6.3°である(図3の表示情報テーブル(a)参照)。
【0055】
ステップ7:次に、数字算出部7は時針、分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出する。ここでは現在時刻を30分進めた時刻の時に対応する文字盤上の数字を時針に最も近い文字盤上の数字とし、現在時刻を4分進めたときと、4分戻した時の分針のなす角度の内側に含まれる数字を分針に最も近い文字盤の数字とする。
【0056】
まず、数字算出部7は時刻情報記憶部3から現在時刻(ここでは2時37分)に関する情報を取得する。現在時刻を30分進めた時刻は3時07分となるので、時針に対応する文字盤の数字は3になる。また現在時刻を4分戻した時刻2時33分の分針と、現在時刻を4分進めた時刻2時41分での分針のなす小さいほうの角の内側に含まれる文字盤の数字は7,8となるので、分針に対応する文字盤の数字は7,8になる。
【0057】
そして、数字算出部7は、算出された時針分針に対応する文字盤の数字3と、分針に対応する文字盤の数字7,8とを時刻情報記憶部3に格納する。ここで格納する文字盤の数字は、時針の数字が3で、分針の数字が7,8である(図3の時刻情報テーブル(b)参照)。
【0058】
ステップ8:表示情報表示部5は表示情報記憶部2から各チャンネルの表示情報及びその表示位置と、時刻情報記憶部3から時計針の角度を読み出し、各チャンネルを時計針の角度の広いほうの文字盤上の領域に表示する。図4では、チャンネル1を、ステップ6で算出した線101の直線上において時計の中心(時針と分針の付け根)から定距離rの点102に、チャンネル1の中心が重なるように表示し、チャンネル2を、線201の直線上において時計の中心から定距離rの点202に、チャンネル2の中心が重なるように表示する。このとき、チャンネルは、登録されてあるチャンネル番号順に時計回りに表示する。
【0059】
また、文字盤数字表示部8は時刻情報記憶部3から数字を読み出し、この数字を文字盤の該当する位置に表示する。このとき、例えば文字盤数字表示部8は、時刻情報記憶部3から時計の針の角度を読み出して、この角度を基にしてアナログ時計の時針と分針も表示する。このようにして本情報表示装置1は、時計の文字盤の数字、時計の針、チャンネルを表示面に表示する。
【0060】
これ以降は、これらのステップを繰り返し、各記憶手段に格納された情報は随時更新される。
【0061】
図6は、本情報表示装置の表示面における表示が、時間経過に従ってどのように変わるかを4つの異なる時刻(1)〜(4)を用いて表した図である。同図においてもチャンネル1とチャンネル2が設定され、チャンネル1の内側には表示情報Aが、チャンネル2の内側には表示情報Bが表示される。
【0062】
最初の時刻(1)は、2時37分頃の状態を示している。この場合は時針と分針のなす大きいほうの角度は表示面内の上方に位置するので、チャンネル1及びチャンネル2は表示面内の上方に表示される。文字盤上に表示される数字は、時針に近い数字が3、分針に近い数字が7及び8である。
【0063】
次の時刻(2)は、2時43分頃の状態を示している。この場合も時針と分針のなす大きいほうの角度は、表示面内の上方に位置するので、両チャンネルは時刻(1)の状態に比べ表示位置が若干移動するが、表示面内の上方に表示される。文字盤上に表示される数字は、時針に近い数字が3、分針に近い数字が8及び9である。
【0064】
次の時刻(3)は、2時47分頃の状態を示している。この場合は時針と分針のなす大きいほうの角は、表示面内の下方に位置するので、両チャンネルは下方に表示される。文字盤上に表示される数字は、時針に近い数字が3、分針に近い数字が9及び10である。
【0065】
最後の時刻(4)は、3時02分頃の状態を示している。この場合は時針と分針のなす大きいほうの角が表示面内の左方から下方に位置するので、両チャンネルは左方から下方にかけて表示される。文字盤上に表示される数字は、時針に近い数字が3、分針に近い数字が1及び12である。
【0066】
このように、時間経過に従って、本情報表示装置1の表示面においては、表示情報が複数あったとしても時計の針及び文字盤の数字が表示情報と重なる若しくは密集することなく、文字盤上の各表示情報を均等な間隔で表示することができ、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることが可能となる。
【0067】
したがって、本実施の形態によれば、角度算出部4により、時刻情報に基づいてアナログ時計の文字盤における時針と分針のなす角度を算出し、表示情報表示部5により、文字盤における角度の大きいほうの領域に表示情報を表示することで、時計の針と表示情報が重なることなく、文字盤上に表示情報を表示することができ、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施の形態によれば、数字算出部7により、時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれ最も近い文字盤における数字を算出し、文字盤数字表示部8により、数字を文字盤の該当する位置に表示することで、文字盤の数字と表示情報が密集することなく、文字盤上に表示情報を表示することができ、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることが可能となる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、表示位置算出部6により、広いほうの角度をn+1等分したn本の等分線を算出し、表示情報表示部5により、この等分線に対応する位置に各表示情報を表示することで、表示情報が複数あったとしても時計の針が表示情報と重なることなく、文字盤上の各表示情報を均等な間隔で表示することができ、時刻情報と表示情報の視認性を向上させることが可能となる。
【0070】
尚、本実施の形態によれば、表示情報表示部5により、表示情報を文字盤における時針と分針のなす大きいほうの角度の領域に表示したが、時針及び分針に重ならないように表示することが可能であれば、これに限られるものではなく、例えば、表示情報を、時計針のなす角度の大きいほうの領域だけでなく角度の小さいほうの領域にも表示するようにしてもよい。
【0071】
また、本実施の形態の本情報表示装置1は、制御装置、演算装置、入力装置、出力装置、記憶装置などの要素を備え、プログラムに従って各種の処理を実行することが可能なコンピュータシステムによって構成することが可能である。ここで例えばコンピュータシステムは、パーソナルコンピュータ、ノートブックコンピュータ、デジタルビデオカメラ、小型携帯情報端末、携帯電話などをさし、上記装置を備えた腕時計も含む。
【0072】
以下に図7のコンピュータシステムの構成図を用いて例を示す。同図のコンピュータシステム110は、CPU111と、メモリ112と、外部記憶装置113と、入力装置114と、表示装置115と、通信制御装置116と、水晶発振器117と、これら各装置を接続する専用バス118で構成される。
【0073】
この場合は、例えば同図におけるメモリ112又はハードディスクドライブなどの外部記憶装置113が表示情報記憶部2又は時刻情報記憶部3に、演算機能を有するCPU111が角度算出部4及び表示位置算出部6及び数字算出部7及び表示情報処理部11に、液晶表示装置などの表示装置115が表示情報表示部5及び文字盤数字表示部8に、水晶発振器117が現在時刻算出部9に、インターネット等のネットワークを介して通信を行うモデム等の通信制御装置116が通信部10にそれぞれ相当する。入力装置114はアラーム機能などの各種設定条件の入力指示又は変更指示を受け付ける。ここでは、例えばCPU111がメモリ112上にロードされた所定のプログラムを実行することで、各装置の各機能が実現される。
【0074】
さらに、本実施の形態における文字盤数字表示部8は、時刻情報記憶部3から読み出した時計の針の角度を基にして、アナログ時計の時針と分針を表示するようにしたが、これに限られるものではなく、例えば、情報表示装置は、表示面上に実物のアナログ時計の時計針を備えるような構成にしてもよい。
【0075】
また、本実施の形態における表示情報は、インターネット経由で随時更新可能なオンライン情報としたが、これに限られるものではない。例えば、ニュースなどのリアルタイム性の高い情報だけでなく、予めダウンロードするなどした壁紙や交通機関の時刻表などといったリアルタイム性の低い情報であってもよい。
【0076】
また、本実施の形態における表示情報の表示位置は、中心からの定距離rと等分線の角度を用いたが、平面上において位置を特定することが可能な情報であればこれに限られるものではなく、例えば表示情報の表示位置は、中心からの定距離rと等分線上の点の座標を用いてもよい。
【0077】
また、本実施の形態において、表示情報であるチャンネルに関する設定は、チャンネルの形は矩形で、中心からの距離は定距離rであったが、これに限られるものではない。また、それ以外にもチャンネルの大きさに応じて最大チャンネル数を変更するなどの設定が可能な構成にしてもよい。その際は、通信部10がネットワーク経由で受信する「チャンネル命令」に、それらの情報を加えてもよいし、アラーム機能等の設定と同様に入力手段からそれらの情報を入力するようにしてもよい。
【0078】
また、本実施の形態においては、文字盤上に数字を表示する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、時計のデザイン性を考慮し、文字盤上には数字を表示しないようにしてもよい。この場合は図5に示したフローチャートにおいて、ステップ7の文字盤の数字を算出するステップを省略すればよい。
【0079】
また、本実施の形態において、文字盤上に表示する数字の算出方法は、現在時刻を30分進めた時刻の時に対応する文字盤上の数字を時針に最も近い文字盤上の数字とし、現在時刻を4分進めたときと、4分戻した時の分針のなす角度の内側に含まれる数字を分針に最も近い文字盤の数字とするようにしたが、これに限られるものではなく、時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を文字盤の該当する位置に表示することができる方法であれば、それ以外のものであっても構わない。
【0080】
また、本実施の形態における本情報表示装置1は、通信部10及び表示情報処理部11を備えた構成について説明したが、これに限られるものではない。例えば、アラーム機能などの基本設定を行う入力手段において、表示情報であるチャンネルの登録・削除等に関する「チャンネル命令」といった設定を可能な構成にし、表示情報をリアルタイム性の低い情報とした場合には、本情報表示装置1は、必ずしも通信部10及び表示情報処理手段を備える必要が無くなり、このような構成においては、低コスト化を実現することが可能となる。
【0081】
また、本実施の形態においては、各記憶手段に記憶される時刻情報又は表示情報などの情報は表示情報記憶部2又は時刻情報記憶部3に格納するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、ハードディスクドライブなどの外部記憶装置又はメモリのいずれか一方を表示情報記憶部2及び時刻情報記憶部3とし、各情報を格納するようにしてもよいし、表示情報記憶部2又は時刻情報記憶部3をハードディスク又はメモリに割り当てて、これらに各情報を格納するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】一実施の形態に係る本情報表示装置の全体を示す構成図である。
【図2】一実施の形態に係る本情報表示装置の正面図である。
【図3】一実施の形態に係る本情報表示装置の各記憶手段に格納されるデータの構成を示すテーブル図である。
【図4】一実施の形態に係る情報表示方法を説明するための本情報表示装置の正面図である。
【図5】一実施の形態に係る情報表示方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】一実施の形態に係る本情報表示装置が4つの異なる時刻を表示した図である。
【図7】一実施の形態を適用可能なコンピュータシステムの構成図である。
【図8】時計型情報表示装置の第1の従来例を示す平面図である。
【図9】時計型情報表示装置の第2の従来例を示す平面図である。
【図10】時計型情報表示装置の第2の従来例の問題点を示す平面図である。
【符号の説明】
【0083】
1…情報表示装置
2…表示情報記憶部
3…時刻情報記憶部
4…角度算出部
5…表示情報表示部
6…表示位置算出部
7…数字算出部
8…文字盤数字表示部
9…現在時刻算出部
10…通信部
11…表示情報処理部
801…時計型情報表示装置の第1の従来例
802…第1の従来例における時刻表示領域
803…第1の従来例における表示情報表示領域
901…時計型情報表示装置の第2の従来例
902…第2の従来例における時刻表示領域
903…第2の従来例における表示情報表示領域
101…チャンネル1に対応する3等分線
102…チャンネル1の中心点
201…チャンネル2に対応する3等分線
202…チャンネル2の中心点
110…コンピュータシステム
111…CPU
112…メモリ
113…外部記憶装置
114…入力装置
115…表示装置
116…通信制御装置
117…水晶発振器
118…専用バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ時計の文字盤に表示する付帯的な表示情報を記憶しておく表示情報記憶手段と、
アナログ時計の時刻情報を記憶しておく時刻情報記憶手段と、
時刻情報記憶手段から前記時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出して記憶手段に格納する角度算出手段と、
表示情報記憶手段から前記表示情報を読み出すとともに、前記記憶手段から前記角度を読み出し、前記表示情報を文字盤において前記時針及び分針に重ならないように表示する表示情報表示手段と、
を有することを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
前記時刻情報を時刻情報記憶手段から取得し、当該時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出して記憶手段に格納する数字算出手段と、
前記記憶手段から前記数字を読み出して、当該数字を文字盤の該当する位置に表示する文字盤数字表示手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、前記記憶手段から前記角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出して当該各等分線に関する情報を表示位置として記憶手段に格納する表示位置算出手段をさらに有し、
前記表示情報表示手段は、前記記憶手段から前記表示位置を読み出し、文字盤における当該等分線に対応する位置に前記各表示情報を表示することを特徴とする請求項1又は2記載の情報表示装置。
【請求項4】
アナログ時計の文字盤に表示する付帯的な表示情報を表示情報記憶手段に記憶するステップと、
アナログ時計の時刻情報を時刻情報記憶手段に記憶するステップと、
角度算出手段により、時刻情報記憶手段から前記時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出して記憶手段に格納するステップと、
表示情報表示手段により、表示情報記憶手段から前記表示情報を読み出すとともに、前記記憶手段から前記角度を読み出し、前記表示情報を文字盤において前記時針及び分針に重ならないように表示するステップと、
を有することを特徴とする情報表示方法。
【請求項5】
数字算出手段により、時刻情報記憶手段から前記時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出して記憶手段に格納するステップと、
文字盤数字表示手段により、前記記憶手段から前記数字を読み出して、当該数字を文字盤の該当する位置に表示するステップと、
を有することを特徴とする請求項4記載の情報表示方法。
【請求項6】
表示位置算出手段により、前記表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、前記記憶手段から前記角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出して当該各等分線に関する情報を表示位置として記憶手段に格納するステップをさらに有し、
前記表示情報表示手段により、前記記憶手段から前記表示位置を読み出し、文字盤における当該等分線に対応する位置に前記各表示情報を表示するステップを有することを特徴とする請求項4又は5記載の情報表示方法。
【請求項7】
アナログ時計の文字盤に表示する付帯的な表示情報を表示情報記憶手段に記憶する処理と、
アナログ時計の時刻情報を時刻情報記憶手段に記憶する処理と、
角度算出手段により、時刻情報記憶手段から前記時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて時針と分針のなす角度を算出して記憶手段に格納する処理と、
表示情報表示手段により、表示情報記憶手段から前記表示情報を読み出すとともに、前記記憶手段から前記角度を読み出し、前記表示情報を文字盤において前記時針及び分針に重ならないように表示する処理と、
をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする情報表示プログラム。
【請求項8】
数字算出手段により、時刻情報記憶手段から前記時刻情報を取得し、当該時刻情報に基づいて時針及び分針のそれぞれに最も近い文字盤における数字を算出して記憶手段に格納する処理と、
文字盤数字表示手段により、前記記憶手段から前記数字を読み出して、当該数字を文字盤の該当する位置に表示する処理と、
をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする請求項7記載の情報表示プログラム。
【請求項9】
表示位置算出手段により、前記表示情報がn個(nは2以上の整数)ある場合に、前記記憶手段から前記角度を読み出し、広い方の角度をn+1等分したn本の等分線を算出して当該各等分線に関する情報を表示位置として記憶手段に格納する処理と、
前記表示情報表示手段により、前記記憶手段から前記表示位置を読み出し、文字盤における当該等分線に対応する位置に前記各表示情報を表示する処理と、
をコンピュータシステムに実行させることを特徴とする請求項7又は8記載の情報表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−242717(P2006−242717A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−57970(P2005−57970)
【出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】