説明

情報表示装置

【課題】 観察者の眼に疲労を与えることなく、使用目的に応じた情報を表示することができる、簡単な構成の情報表示装置を提供する。
【解決手段】 撮影情報を虚像として表示する際には、液体レンズ121により虚像位置が被写体位置となるように調整して、右眼用のシースルー画像表示部6aにより表示し、撮影情報以外の情報を虚像として表示する際には、右眼用のシースルー画像表示部6aおよび左眼用のシースルー画像表示部6bにより両眼で観察されるように表示する。ここに、両眼用の表示を行う際には、左眼用のシースルー画像表示部6bの固定焦点距離のレンズ121’に合わせて、上記液体レンズ121を調整するとともに、その表示位置が輻輳距離と一致するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察者が実質的に直接観察するものに重畳されるように画像を虚像として表示し得る情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、頭部に装着して映像を観察する表示装置や、頭部に装着して撮影する撮影装置や、あるいはこれらの両方の機能を備えた装置が知られている。
【0003】
例えば、特開2003−337364号公報には、頭部装着具を装着した撮影者の少なくとも片方の眼の前方に配置されるように透明板を設けて、この透明板に撮影範囲を示す指標を表示し、この指標により示される撮影範囲に基づいて、当該頭部装着具に取り付けられているカメラにより撮影を行うようにする技術が記載されている。
【0004】
また、特開平6−235885号公報には、視差をもった映像を表示する左右の映像表示素子と、これら左右の映像表示素子により表示された映像を観察者の左右の眼球に投影するために各眼球の前方に位置するようにそれぞれ配設された投影光学系と、を備えた表示装置が記載されている。この表示装置は、さらに、上記映像表示素子および投影光学系を移動させるための移動手段と、左右の眼球の近傍に配設された視線検出器と、を有するものとなっている。そして、上記視線検出器から出力される信号に基づいて、上記移動手段により映像表示素子および投影光学系を移動させるように構成されている。より具体的には、左右の眼球の視線を検出して、検出された視線の情報に基づいて輻輳角θを求め、瞳孔間隔をIとしたときに、眼球と虚像との距離ZがZ=I/θを満たすように、移動手段により虚像の位置を移動させるものとなっている。
【特許文献1】特開2003−337364号公報
【特許文献2】特開平6−235885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2003−337364号公報に記載された技術は、上記指標が表示されている透明板が、眼のせいぜい数センチ〜十数センチ程度前方に配置されることを想定したものであり、眼からそれ以上離れて配置されるものとは考えられない。これに対して、撮影者から被写体まで距離は、通常、数メートルから数十メートル以上あることが多く、このような距離にある被写体と、眼前の数センチ程度の距離に配置された透明板の指標と、を同時に鮮明に、つまり両方に同時に焦点を合わせて、観察するのは困難である。従って、該特開2003−337364号公報に記載された技術は、至近から無限大までの様々な位置にある被写体を観察する際に、指標も同時に鮮明に観察し得るような、汎用性のある技術であるとはいえなかった。
【0006】
また、上記特開平6−235885号公報に記載された技術では、観察者に対する任意の輻輳位置に映像を表示する構成が複雑になるために、装置が高価になったり重量が増したりする。頭部に装着するタイプの表示装置は、軽量であることが求められるために、このような構成が必ずしも最適なものとはいえない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、観察者の眼に疲労を与えることなく、使用目的に応じた情報を表示することができる、簡単な構成の情報表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、第1の発明による情報表示装置は、被写体までの距離に相応した位置に撮影に必要な所定の撮影情報を表わす虚像を片方の眼で観察し得るように表示する第1の表示手段と、所定距離の位置に上記撮影情報以外の情報を表わす2つの虚像を両眼で観察し得るように外界に重畳して表示する第2の表示手段と、を具備したものである。
【0009】
また、第2の発明による情報表示装置は、上記第1の発明による情報表示装置において、上記第2の表示手段が、上記所定距離としての輻輳距離の位置に、上記2つの虚像を表示するものである。
【0010】
さらに、第3の発明による情報表示装置は、上記第1の発明による情報表示装置において、上記第1の表示手段が、画像を生成するための表示素子と、上記表示素子により生成された画像を観察者が実質的に直接観察する観察対象に重畳されるように虚像として表示するための光学素子と、上記表示素子と上記光学素子との間に配設されていてレンズの形状を変化させて焦点距離を調整することにより上記光学素子から上記虚像までの距離を調整するための液体レンズと、を有して構成されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、観察者の眼に疲労を与えることなく、使用目的に応じた情報を表示することができる、簡単な構成の情報表示装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1から図40は本発明の実施例1を示したものであり、図1は画像システムの使用形態を示す斜視図である。
【0014】
この画像システム1は、図1に示すように、略めがね型をなし画像を撮像する機能を備えた頭部装着部2と、この頭部装着部2に対して無線で通信を行うことにより該頭部装着部2に係る操作入力を遠隔で行うとともに該頭部装着部2において撮像された画像データを無線で受信して記憶する画像記録/再生部4と、に大別される。
【0015】
ここに、該画像システム1は、情報を表示する機能を備えたものであるために、情報表示装置を兼ねたものとなっている。また、この画像システム1は、静止画像や動画像を撮像する機能を備えたものであるために、撮像装置を兼ねたものともなっている。
【0016】
上記頭部装着部2は、シースルー表示時に観察対象である被写体を実質的に直接観察することが可能であるとともに、該被写体の撮像も行うことができるように構成されたものである。この頭部装着部2は、形状が略めがね型をなすことで分かるように、視度補正用の一般的な眼鏡とほぼ同様にして頭部に装着し用いるものとなっており、重量やサイズ等も通常の眼鏡に極力近似するように小型軽量化が図られている。
【0017】
上記画像記録/再生部4は、撮像のための各種操作信号を上記頭部装着部2へ無線で送信するとともに、該頭部装着部2により撮像された画像を無線で受信して記録を行い、さらに記録後の画像を編集し得るように構成されたものである。この画像記録/再生部4には、後述するような第2操作スイッチ171(図11および図5参照)が設けられていて、この第2操作スイッチ171は、上記頭部装着部2のシースルー表示の制御や撮影動作の制御などの比較的頻繁に行われる操作を、撮影者が遠隔操作により手元で行うためのものである。従って、この画像記録/再生部4は、例えば片手の掌に収まる程度の小型な大きさとなるように、可能な範囲内での小型軽量化が図られたものとなっている。また、この画像記録/再生部4は、腰のベルト等に取り付けた状態、あるいは上着の内ポケット等に収納した状態、などの各種の状態でも使用することができるように構成されている。
【0018】
これらの頭部装着部2と画像記録/再生部4とは、本実施例では互いに別体として構成されており、これにより、頭部装着部2を小型軽量化することによる装着感の向上、画像記録/再生部4の採用による操作性の向上、などを図るようにしている。
【0019】
さらに、頭部装着部2と画像記録/再生部4とは、上述したように、無線で通信するようになっているために、例えば互いにケーブルで接続したときのような取り回しの不便さや拘束感がなく、自由で軽快に操作することができる。情報表示装置は、高い機動性や操作性が要求されるために、このような構成を採用することが特に有効となっている。
【0020】
次に、図2から図4を参照して、頭部装着部2の外観および概要について説明する。図2は情報表示装置を構成する頭部装着部を示す正面図、図3は情報表示装置を構成する頭部装着部を示す平面図、図4は情報表示装置を構成する頭部装着部を示す右側面図である。
【0021】
この頭部装着部2は、一般的な眼鏡におけるレンズ、リム、ブリッジ、智などに相当する部分であるフロント部11と、このフロント部11の左右両側から後方(被写体と反対側)に向けて各延設されており該フロント部11に対して折り畳み可能となっているテンプル部12と、を有して構成されている。
【0022】
上記フロント部11は、画像表示用の光学系の一部や電気回路等を内蔵する保持手段たるフレーム部13を有して構成されている。
【0023】
このフレーム部13は、略中央部に被写体までの距離を測定するために用いられる測距手段たる投光用発光部16が、左右両側部に被写体側からの音声をステレオで収録するための第1マイク17および第2マイク18が、それぞれ設けられている。
【0024】
さらに、上記フレーム部13には、左右両眼に各対応するように導光部材たる透明光学部材14,15が取り付けられている。そして、後述するように、再生画像については上記透明光学部材14,15の両方により画像を表示して両眼で観察することができるようにし、一方、撮影画枠などの撮影に必要な情報については上記透明光学部材14,15の何れか一方にのみ表示して片眼でのみ観察することができるように構成されている。加えて、これらの透明光学部材14,15は、それぞれの機能を果たすために必要な最小限の大きさとなるように形成されている。
【0025】
上記透明光学部材14には、コンバイナとしてのHOE(Holographic Optical Element:ホログラフィー光学素子)24が配設されており、同様に、上記透明光学部材15には、コンバイナとしてのHOE25が配設されている。
【0026】
加えて、上記フレーム部13には、上記透明光学部材14,15の被写体側に位置するように、視度調整のためのレンズ21,22がそれぞれ着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0027】
すなわち、フレーム部13には、上記レンズ21,22を取り付けるための取付手段たるリム20が、例えば中央側と、左眼の左横側と、右眼の右横側と、でそれぞれビス28により取り付けられるようになっている。
【0028】
このリム20には、鼻梁を左右から支持することにより、鼻梁に対してこの頭部装着部2を載置するための一対の鼻パッド19が、一対のクリングス23を介して設けられている。
【0029】
このような構成において、上記ビス28を外すことにより、リム20およびレンズ21,22を容易に取り外すことができるようになっており、また、レンズ21,22を他の視度に対応するものに交換して、再び取り付けることも容易となっている。
【0030】
このとき、リム20を所定以上の弾力性のある素材により形成すれば、1つのビス28を外すかまたは緩めるだけで、左眼用のレンズ21または右眼用のレンズ22の一方のみを選択的に(独立して)着脱することができて利便性が高まる。
【0031】
さらに、フレーム部13の左眼側(つまり、図2や図3における右側)の側面の継手29には、被写体像を撮像するための撮像手段であり測距手段も兼ねた撮像部30が、台座33を介して、撮影方向を調節可能に固定されるようになっている。
【0032】
この台座33は、ビス34,35により上記継手29に対して取り付けられ、ビス36,37を介して自己の上に上記撮像部30を取り付けるように構成されている。該台座33を介して、撮像部30の上記フロント部11に対する相対的な角度を調整することにより、後述するように、該撮像部30に含まれる撮影光学系31(図10等も参照)の光軸と視軸とを調整することができるようになっている。
【0033】
そして、上記撮像部30の背面側からは、ケーブル38が一旦延出されて、左眼側のテンプル部12の下側を潜った後に、上記フレーム部13に接続されている。これにより、フレーム部13内の電気回路と、撮像部30内の電気回路とが互いに接続されている。
【0034】
また、上記撮像部30からは、スピーカ32が延出して配設されており、左耳で音声を聴取することができるように構成されている。なお、ここでは左耳側にのみスピーカ32を配設してモノラル音声を聴取することができるようにしたが、両耳側にそれぞれスピーカを配設してステレオ音声を聴取することができるように構成しても構わない。
【0035】
上記テンプル部12は、丁番78,79を用いて上記フロント部11と接続されていて、これにより該フロント部11に対して折り畳み可能となっている。すなわち、非使用時には、テンプル部12をフロント部11の中央部に向けて折り曲げ、該フロント部11に沿って折り畳まれた位置を取らせることができるために、小型化して収納や運搬を便利に行うことが可能となっている。また、左右の各テンプル部12の先端部には、耳にかけるための先セルモダン26がそれぞれ設けられている。
【0036】
右眼側のテンプル部12には、この頭部装着部2に係る各種の電子回路の一部と、この頭部装着部2内の各回路へ電源を供給するための電源回路の構成要素である着脱可能な電池と、を収納するための収納部27が設けられている。そして、該収納部27からは、ケーブル27aが延設されて、上記フレーム部13内の各回路に接続されており、さらには上記撮像部30内の回路を介して、上記画像記録/再生部4の回路と接続されるようになっている。
【0037】
次に、図5から図9を参照して、画像記録/再生部4の外観および概要について説明する。図5は操作パネルを閉じた状態の画像記録/再生部4を示す平面図、図6は操作パネルを閉じた状態の画像記録/再生部4を示す右側面図、図7は操作パネルを閉じた状態の画像記録/再生部4を示す左側面図、図8は操作パネルに配置された操作スイッチ類を示す平面図、図9は操作パネルを開いた状態の画像記録/再生部4を示す斜視図である。
【0038】
この画像記録/再生部4は、本体部41と、この本体部41に対してヒンジ43を介して開閉自在に設けられた操作パネル42と、を有して構成されている。
【0039】
上記本体部41は、後述するような各回路を内蔵するとともに、上記操作パネル42を開いたときに観察可能となる位置に液晶モニタとして構成された表示手段であるLCD表示素子(以下、「LCD」と省略する。)48が配設されたものとなっている。このLCD48は、再生時に画像を表示するのに用いられる他に、各種のモードを設定するためのメニュー画面等の表示にも用いられるようになっている。
【0040】
この本体部41の上面側には、図5に示すように、上記操作パネル42が閉じ状態であっても操作可能な辺縁角部に電源スイッチ44が配設され、さらに、該操作パネル42を開閉する際に指先等を掛け易いように、凹部45が形成されている。
【0041】
また、この本体部41の右側面には、図6に示すように、ヒンジ46により該本体部41に対して開閉自在となる蓋52が設けられており、該蓋52の係止部52aを本体部41側の被係止部52bに係止させることで、閉じ状態が保たれるようになっている。この蓋52を開くと、該図6に示すように、電源を供給するためのバッテリを着脱自在に挿入するためのバッテリ挿入口55と、テレビと接続するための端子であるAV/S接続端子50と、パーソナルコンピュータ(PC)と接続するための端子であるPC接続端子51と、が露呈する。このように、コード類は、本体部41の右側面において、まとめて接続されるようになっており、他の面からコード類が延出することがなく、コードを取り回すときの煩わしさを軽減することができるようになっている。
【0042】
一方、本体部41の左側面にも、図7に示すように、ヒンジ47により該本体部41に対して開閉自在となる蓋53が設けられており、該蓋53の係止部53aを本体部41側の被係止部53bに係止させることで、閉じ状態が保たれるようになっている。この蓋53を開くと、該図7に示すように、着脱式の記録手段たるディスク249(図11参照)を挿入するためのディスク挿入口54が露呈するようになっている。
【0043】
上記操作パネル42は、閉じた状態でも操作可能に露呈する外面側に図5に示すように比較的操作される頻度の高いスイッチ類が配設されていて、さらに、開いた状態でのみ操作可能に露呈する内面側に図8に示すように比較的操作される頻度の低い操作スイッチ類が配置されている。
【0044】
すなわち、上記操作パネル42の外面側には、上記第2操作スイッチ171が配設されている。この第2操作スイッチ171は、図5に示すように、FA/A/Mスイッチ71と、F/Vスイッチ72と、レリーズスイッチ(REL)73と、録画スイッチ(REC)74と、ズームスイッチ75と、露出補正スイッチ76と、を有して構成されている。これらのスイッチ類は、上述したように、撮影動作の際に変更する頻度が比較的高い情報を設定するためのスイッチ類である。
【0045】
上記FA/A/Mスイッチ71は、切換手段であって、所定の焦点距離以上の望遠撮影時に撮影範囲を示す撮影画枠に対応する撮影画像を拡大して電子ビューとしてシースルー表示する動作を、全自動(FA:フルオートモード)で行うか、自動(A:オートモード)で行うか、手動(M:マニュアルモード)で行うか、を切り替えるためものである。上記フルオートモードは、画像編集の処理も自動的に行うことができるようにするモードである。
【0046】
上記F/Vスイッチ72は、切換手段であって、上記透明光学部材15におけるシースルー表示を、撮影範囲を示す撮影画枠(F)にするか、あるいは撮像部30からの撮影画像(V)(電子ビュー)にするか、を切り替えるためのものである。
【0047】
上記レリーズスイッチ(REL)73は、映像に比して高精細な静止画の撮影を開始するためのものである。
【0048】
上記録画スイッチ(REC)74は、映像の録画開始と録画停止とを押される毎に切り替えるためのものである。
【0049】
上記ズームスイッチ75は、撮影画枠設定手段であって、上記撮影光学系31を含む撮像部30のズーム(光学ズームおよび/または電子ズーム)を、望遠(T:テレ)側に行うためのテレスイッチ75aと、広角(W:ワイド)側に行うためのワイドスイッチ75bと、を含んで構成されている。
【0050】
上記露出補正スイッチ76は、撮影される画像の露出補正をマイナス側に行うためのマイナス露出補正スイッチ76aと、該露出補正をプラス側に行うためのプラス露出補正スイッチ76bと、を含んで構成されている。
【0051】
なお、上記撮影光学系31のズーム動作と、観察者でもある撮影者から観察する撮影画枠の視角の変更と、は連動して行われるように構成されているために、上記ズームスイッチ75は、撮影者から観察する撮影画枠の視角を縮小するためのテレスイッチ75aと、該視角を拡大するためのワイドスイッチ75bと、を有するものであると言い換えることもできる。
【0052】
また、「撮影画枠」とは、上記撮像部30により撮影される被写体の範囲を表す指標である。
【0053】
一方、上記操作パネル42の内面側には、音声を再生するためのスピーカ56と、このスピーカ56から発生される音声のボリュームを大きくするためのスイッチ57と、該ボリュームを小さくするためのスイッチ58と、記録媒体としてのディスク249に記録された画像情報を再生したり一時停止したりするための再生/停止スイッチ59と、画像を逆方向に早送りしてサーチするためのスイッチ61と、画像を順方向に早送りしてサーチするためのスイッチ62と、画像システム1に係る各種の機能や日付などを設定したり、画像編集のための各種操作情報を設定するためのメニュー画面を上記LCD48に表示するためのメニューボタン63と、該メニュー画面に表示されている各項目の内の着目項目を上、下、左、右の各方向へ移動したり表示情報をスクロールしたりするためのメニュー選択スイッチ66,67,68,69と、表示されている着目項目等を確定するための確定スイッチ65と、が配設されている。これらのスイッチ類は、上述したように、撮影動作の際に変更する頻度が比較的低い情報を設定するためのスイッチ類である。再生画像を画像記録/再生部4のLCD48に表示するか、頭部装着部2のシースルー画像表示部6に表示するかの選択も上記メニュー選択スイッチを操作することにより行う。
【0054】
図10は、頭部装着部2の主として電子回路に係る構成を示すブロック図である。
【0055】
この画像システム1の構成は、上述したように、撮像機能を有する頭部装着部2と、この頭部装着部2および自己に係る各種操作入力を受けて制御を行うとともに該頭部装着部2により撮影された画像を記録し編集する機能を備えた画像記録/再生部4(図11参照)と、に大別される。これらの内でも上記頭部装着部2は、さらに、撮像を行うための撮像手段たる撮像部30と、主としてシースルー表示を行うための表示手段であるシースルー画像表示部6と、画像記録/再生部4と無線により信号の授受を行うための受信手段であり送信手段たる通信部8と、当該頭部装着部2内の各回路に電源を供給するための電源回路174と、に分けられる。これら撮像部30とシースルー画像表示部6とは、何れも、上記通信部8を介して、上記画像記録/再生部4と通信するようになっている。また、電源回路174は、電池を有して構成されており、この電池は、上述したように、上記収納部27(図2参照)に対して着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0056】
上記シースルー画像表示部6は、左右両眼に対してシースルー表示を行うことができるように、右眼に対応するシースルー画像表示部6aと、左眼に対応するシースルー画像表示部6bと、を有し、さらに、投光用LED16aと、LEDドライバ118と、集光レンズ16bと、上記スイッチ39と、第3CPU111と、を有して構成されている。
【0057】
上記シースルー画像表示部6aは、LEDドライバ112と、LED113と、集光レンズ114と、LCD115と、LCDドライバ117と、液体レンズ121と、電圧制御回路122と、HOE116と、HOE25と、を有して構成されており、第1の表示手段と第2の表示手段とを兼ねたものである。
【0058】
また、上記シースルー画像表示部6bは、LEDドライバ112’と、LED113’と、集光レンズ114’と、LCD115’と、LCDドライバ117’と、レンズ121’と、HOE116’と、HOE24と、を有して構成されており、第2の表示手段である。
【0059】
本実施例においては、撮影情報(撮影範囲を示す撮影画枠など)は、シースルー画像表示部6aのみにより表示され、片方の眼(この例では、右眼)のみにより観察されるようになっている。一方、再生画像は、シースルー画像表示部6aと、シースルー画像表示部6bと、の両方により表示され、両方の眼により観察されるようになっている。
【0060】
シースルー画像表示部6aとシースルー画像表示部6bとの構造上の主な相違点は、前者が電圧制御回路122により液体レンズ121の焦点距離を変更することが可能になっているのに対して、後者が液体レンズの代わりに固定焦点距離のレンズ121’を用いている点と、各部材が基本的に左右対称(つまり、シースルー画像表示部6aの部材と、シースルー画像表示部6bの部材と、が左右対称)となるように配置されている点である。それ以外のシースルー画像表示部6bの構成は、シースルー画像表示部6aと基本的に同様であるために、以下ではシースルー画像表示部6aについてのみ説明する。
【0061】
上記LEDドライバ112は、上記第3CPU111の制御に基づき上記LED113、を発光させるものである。
【0062】
上記LED113は、発光源であって投影手段を構成するものであり、上記LEDドライバ112により駆動されて光を発光するようになっている。このLED113は、例えば、R(赤),G(緑),B(青)の3色の光をそれぞれ発光可能なダイオードを含んで構成されている。
【0063】
上記集光レンズ114は、上記投影手段を構成するものであって、このLED113により発光された光を集光するものである。
【0064】
上記LCD115は、上記投影手段を構成するものであって、上記撮影画枠や撮影された映像などを表示するためのものであり、上記集光レンズ114を介したLED113の光により背面側から照明される透過型の液晶表示手段となっている。
【0065】
上記LCDドライバ117は、上記第3CPU111の制御に基づいて、LCD115を駆動して撮影画枠等を表示させるものであり、後述するようなパララックスを補正するための補正手段も兼ねている。
【0066】
上記液体レンズ121と電圧制御回路122とは、シースルー画像表示部6aにより形成される虚像の位置を調節するためのものである。これらの詳細な構造や作用については、後で説明する。
【0067】
上記HOE116は、上記LCD115を介して射出される光を、後述するように収差を補正しながら鉛直下方(図14、図15参照)へ向けて反射する反射光学部材である。
【0068】
上記HOE25は、反射型コンバイナとしての機能を果たすものとなっている。すなわち、HOE25は、上記HOE116からの光を撮影者の眼へ向けて反射し回折させることにより、上記LCD115に表示された撮影画枠等を観察可能に投影するとともに、外界光を撮影者の眼へ向けて透過させ得るように構成されている。なお、この実施例1のHOE25は、最小限の大きさとなるように構成された上記透明光学部材15に合わせて、同様に、最小限の大きさとなるように構成されている。
【0069】
上記投光用LED16aは、上記測距を行うための上記投光用発光部16に含まれていて、測距用の光を発光する発光源である。
【0070】
上記集光レンズ16bは、上記投光用LED16aにより発光された測距用の光を、被写体に向けて投影するためのものである。
【0071】
上記LEDドライバ118は、上記第3CPU111の制御に基づいて、上記投光用LED16aを駆動するためのものである。
【0072】
上記スイッチ39は、上記第3CPU111に接続されていて、該スイッチ39が閉じたことが第3CPU111により検出されると、該第3CPU111がこのシースルー画像表示部6の表示を禁止するようになっている。この画像システム1は、撮影動作にとらわれることなく通常の行動をしながら撮影することが可能となるように構成されたものであるために、例えば、歩行時や車の運転時にも使用してしまいがちである。しかし、撮影者がこのような状態にあるときにシースルー表示がされると、その表示に気をとられることもあり得る。従って、これを未然に防止するために、スイッチ39を設けて、シースルー表示を禁止することができるようにしている。なお、このときには表示は禁止されるが、撮影自体は継続することが可能となっている。
【0073】
上記第3CPU111は、制御手段であって、このシースルー画像表示部6内の各回路を制御するものであり、上記撮像部30の後述する第2CPU103と双方向に接続されて連携を取りながら、制御動作を行うようになっている。
【0074】
このようなシースルー画像表示部6aの作用は、ほぼ次のようになっている。
【0075】
第3CPU111は、LEDドライバ112を介してLED113を発光させる。
【0076】
LED113から発光された光は、集光レンズ114により集光されて、LCD115を背面から照明する。
【0077】
LED113は、画像を表示する場合には、上記R(赤),G(緑),B(青)の3色の光を発光させるダイオードの内の、例えばG(緑)のダイオードのみを発光させる。
【0078】
第3CPU111が画像に対応する信号を生成してLCDドライバ117へ転送するとともに、発光を行わせる制御信号をLEDドライバ112へ転送すると、LCDドライバ117が、該信号に基づきLCD115を駆動して画像を表示面上に表示させるとともに、LED113が発光して該LCD115を背面側から照明する。
【0079】
こうして照明されたLCD115から投影される上記撮影画枠の映像は、液体レンズ121を透過し、HOE116により収差を補正されながら鉛直下方に反射される。上記液体レンズ121により結像した画像はHOE25に投影される。HOE25は、上記HOE116からの光線を、撮影者の眼へ向けて反射する。これにより、撮影者は、撮影範囲を示す撮影画枠を虚像として観察することができる。
【0080】
そして、上記画像が撮影画枠などの撮影情報であるときは、シースルー画像表示部6bによる表示は行われず、シースルー画像表示部6aのみにより表示が行われる。従って、このときには、片方の眼(この例では右眼)により撮影情報を観察することになる。さらに、液体レンズ121の焦点距離を変更することにより、撮影情報の表示位置が、被写体の近傍となるようにしている。ここに、被写体までの距離は、後述する測距により算出されるようになっている。なお、撮影情報の観察は、通常は短い時間だけ行われるために、片眼で観察したとしても眼に疲労を与えることはほぼない。そして、このような構成を採用することにより、両眼で観察できるように撮影情報を被写体位置に表示するのに比べて、構成を簡単にすることが可能となる。
【0081】
一方、上記画像が再生画像であるときは、シースルー画像表示部6aとシースルー画像表示部6bとの両方で画像を表示するようになっている。従って、このときには、両眼により画像を観察することになる。このときの虚像の表示位置は、眼から例えば40cmの位置となるように、上記レンズ121’の焦点距離が決められている。そして、液体レンズ121の焦点距離も、該レンズ121’と同じ焦点距離になるように、上記電圧制御回路122により制御されるようになっている。加えて、長時間観察しても眼精疲労を少なくすることができるように、輻輳角に基づく画像までの距離(輻輳距離)と、水晶体調節に基づく画像までの距離(眼のピントによる距離)と、が一致するように、左眼の視軸が右眼の視軸に対して傾くように構成されている。つまり、眼のピントによる距離が上記40cmとなる上記例においては、輻輳距離も40cmとなるように構成されたものとなっている。こうして、輻輳距離と両視軸の交差する位置とを等しくすることにより、眼の疲労を軽減する軽減するようにしている。
【0082】
測距を行う場合には、第3CPU111が、測距用の発光を行わせる制御信号をLEDドライバ118へ転送する。
【0083】
LEDドライバ118は、上記制御信号を受けると、投光用LED16aを発光させる。この投光用LED16aにより発光された測距用の光は、上記集光レンズ16bにより平行光に変換されて、被写体へ向けて投光される。
【0084】
こうして投光された照明光は、被写体により反射され、該反射光が上記撮像部30により受光されて、後述するように測距演算が行われることになる。
【0085】
次に、上記撮像部30は、撮影光学系31と、ローパスフィルタ86と、CCD87と、CDS/AGC回路88と、A/D変換回路89と、TG(タイミングジェネレータ)90と、CCDドライバ91と、USMドライバ95と、絞りシャッタドライバ96と、AE処理回路97と、AF処理回路98と、上記第1マイク17と、上記第2マイク18と、増幅回路99と、増幅回路100と、A/D変換回路101と、EEPROM102と、上記スピーカ32と、メモリ104と、第2CPU103と、を有して構成されている。
【0086】
上記撮影光学系31は、光学的な被写体像を結像するためのものであり、焦点距離可変なズーム光学系として構成されている。
【0087】
上記ローパスフィルタ86は、この撮影光学系31を通過した光束から不要な高周波成分を取り除くためのものである。
【0088】
CCD87は、撮像素子であって、このローパスフィルタ86を介して上記撮影光学系31により結像された光学的な被写体像を電気的な信号に変換して出力するものである。
【0089】
上記CDS/AGC回路88は、信号処理手段であって、このCCD87から出力される信号に後述するようなノイズ除去や増幅の処理を行うものである。
【0090】
上記A/D変換回路89は、信号処理手段であって、このCDS/AGC回路88から出力されるアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換するものである。
【0091】
上記メモリ104は、このA/D変換回路89から出力されるデジタルの画像信号を一時的に記憶するためのものである。
【0092】
上記CCDドライバ91は、上記CCD87を制御して駆動するためのものである。
【0093】
上記TG(タイミングジェネレータ)90は、上記CDS/AGC回路88,A/D変換回路89,CCDドライバ91に、タイミングを制御するための信号をそれぞれ供給するものである。このTG90は、第2CPU103と双方向に接続されて制御されるようになっている。
【0094】
上記USMドライバ95は、上記撮影光学系31に含まれる後述するUSM(Ultra Sonic Motor:超音波モータ)92,93,94を選択的に駆動するための駆動回路である。このUSMドライバ95は、第2CPU103と双方向に接続されて制御されるようになっている。
【0095】
上記絞りシャッタドライバ96は、上記撮影光学系31に含まれる後述する絞りシャッタ84を制御して駆動するための駆動回路である。この絞りシャッタドライバ96は、第2CPU103と双方向に接続されて制御されるようになっている。
【0096】
上記AE処理回路97は、上記A/D変換回路89の出力に基づいて、露出制御用の算出を行うオート露出処理回路であり、演算結果を上記第2CPU103へ出力するようになっている。
【0097】
上記AF処理回路98は、上記A/D変換回路89の出力に基づいて、オートフォーカス(AF)制御用の算出を行うオートフォーカス処理回路であり、演算結果を上記第2CPU103へ出力するものである。
【0098】
上記第1マイク17および第2マイク18は、上述したように、被写体側からの音声をステレオで収録するためのものである。
【0099】
上記増幅回路99および増幅回路100は、上記第1マイク17および第2マイク18から入力された音声信号をそれぞれ増幅するためのものである。
【0100】
上記A/D変換回路101は、上記増幅回路99および増幅回路100によりそれぞれ増幅されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換して上記第2CPU103へ出力するものである。
【0101】
上記EEPROM102は、露出制御やオートフォーカス処理等のための各種補正データが画像システム製造時に記録されたものである。このEEPROM102に記録されたデータは、上記第2CPU103により読み出されるようになっている。
【0102】
上記スピーカ32は、上述したように、この頭部装着部2を装着する使用者が例えば左耳で音声を聴取することができるように、音を発生するための音発生手段である。
【0103】
上記第2CPU103は、この撮像部30内の各回路を制御するための制御手段であり、上記シースルー画像表示部6の第3CPU111と連携を取りながら制御動作を行うようになっている。さらに、この第2CPU103は、上記画像記録/再生部4の後述する第1CPU161と双方向に通信を行って制御されるようになっている。また、この第2CPU103は、時間を計測するためのタイマ123を有して構成されている。
【0104】
上記撮影光学系31は、さらに詳しくは、フロントレンズ81と、バリエータレンズ82と、コンペンセータレンズ83と、絞りシャッタ84と、フォーカスレンズ85と、USM92,93,94と、を有して構成されている。
【0105】
上記フロントレンズ81は、撮影光学系31に含まれる複数のレンズの中で最も被写体側に位置するものである。
【0106】
上記バリエータレンズ82は、この撮影光学系31の焦点距離を変更するためのものである。
【0107】
上記コンペンセータレンズ83は、上記バリエータレンズ82により撮影光学系31の焦点距離を変化させるのに伴うピント位置のずれを、補正するためのものである。
【0108】
上記絞りシャッタ84は、撮影光学系31を通過する光束の通過範囲を規定するための絞りの機能と、該光束の通過時間を規定するためのシャッタの機能と、を兼用するものである。
【0109】
上記フォーカスレンズ85は、この撮影光学系31のピントを調整するためのものであり、ピントが調整されたときには、上記CCD87に被写体像が合焦して結像される。
【0110】
上記USM92,93,94は、上記バリエータレンズ82,コンペンセータレンズ83,フォーカスレンズ85をそれぞれ駆動するための駆動源である。
【0111】
上記通信部8は、通信制御部173と、送受信部172と、を有して構成されている。
【0112】
上記通信制御部173は、フレーム同期(時分割多重方式でフレーム単位に同期をとること。)と、フレームの構成要素であるスロット(このスロットは、属性と属性値のペアを含んで構成されている。)のデータフォーマット処理と、を行うものである。
【0113】
上記送受信部172は、無線送受信用のアンテナや、送信するデジタル信号をアンテナ発信用のアナログ信号に変換したり該アンテナを介して受信した信号をデジタル信号に変換したりするモデムなどを有して構成されている。
【0114】
このような通信部8の送受信時の動作は次のようになっている。
【0115】
上記通信制御部173の受信側は、送受信部172のモデムから供給される受信データから、所定のタイミングで1スロット分のデータを取り出す。そして、該通信制御部173の受信側は、このデータの中から同期信号を抽出して、フレーム同期信号を生成し、スクランブル等を解除する。その後、通信制御部173の受信側は、画像記録/再生部4から送信された、各種の操作信号、あるいは、ディスク(図11参照)に記録された画像データ、を第2CPU103へ送出する。
【0116】
また、上記通信制御部173の送信側は、上記A/D変換回路89からメモリ104を介して出力される映像信号と、上記第2CPU103を介して出力される音声データとを、該第2CPU103から出力されるタイマ情報に基づいて、同一時刻に生成された映像信号と音声データとが互いに関連性をもつように多重化する。そして、該通信制御部173の送信側は、スクランブル等を付与した後に同期信号を付加して、1スロット分の送信データを作成する。その後、通信制御部173の送信側は、作成した送信データを所定のタイミングでフレーム内の所定スロットに挿入して、送受信部172のモデムに送出する。これにより、送受信部172から、無線によってデータが送信される。
【0117】
次に、図11は、画像記録/再生部4の構成を示すブロック図である。
【0118】
この画像記録/再生部4は、図11に示すように、通信部4aと、記録部4bと、再生部4cと、ディスクドライブ部4dと、に大別される構成を備えており、その他に、第1操作スイッチ162と、第2操作スイッチ171と、第1CPU161と、表示部165と、電源回路164と、をさらに備えている。
【0119】
上記通信部4aは、頭部装着部2から送信された映像データや音声データを受信するとともに、撮影のための各種操作信号、あるいは、画像記録/再生部4により再生された映像データや音声データ、などを頭部装着部2へ送信するものである。
【0120】
上記記録部4bは、上記通信部4aで受信したデータを、記録媒体としての後述するディスク249に記録するためのものである。
【0121】
上記ディスクドライブ部4dは、記録媒体としてのディスク249を回転駆動して、このディスク249に対する情報の読み書きを実行するものである。
【0122】
上記再生部4cは、上記記録部4bによりディスク249に記録された上記各種データを再生するためのものである。
【0123】
上記第1操作スイッチ162は、頭部装着部2の撮影に係る各種操作を指示入力するための操作手段である。この第1操作スイッチ162は、上記第1CPU161に接続されている。
【0124】
上記第2操作スイッチ171は、画像記録/再生部4に係る各種操作を入力するための操作手段である。この第2操作スイッチ171は、上記第1CPU161に接続されている。
【0125】
上記表示部165は、第1,第2操作スイッチ162,171による各種操作情報や、再生部4cにより再生された映像等を表示するための表示手段であり、上記図9に示したようなLCD48を含んで構成されている。この表示部165は、上記第1CPU161に接続されて制御されるようになっている。
【0126】
上記電源回路164は、この画像記録/再生部4内の各回路に電源を供給するためのものであり、例えば着脱式のバッテリ等を含んで構成されている。
【0127】
上記第1CPU161は、この画像記録/再生部4を制御するのみならず、頭部装着部2の第2CPU103と通信を行うことによりこの画像システム1全体の動作を統括的に制御する制御手段である。
【0128】
上記通信部4a、記録部4b、再生部4c、ディスクドライブ部4dの更なる詳細について説明する。
【0129】
まず、上記通信部4aは、送受信部163と、通信制御部151と、を有して構成されている。
【0130】
上記記録部4bは、DSP回路152と、画像圧縮回路153と、音声圧縮回路154と、副映像圧縮回路157と、フォーマッタ158と、バッファメモリ159と、記録再生用データプロセッサ231と、記録再生用バッファメモリ232と、を有して構成されている。
【0131】
上記再生部4cは、記録再生用データプロセッサ231と、記録再生用バッファメモリ232と、セパレータ233と、映像デコーダ(VDEC)234と、副映像デコーダ(SDEC)235と、音声デコーダ(ADEC)236と、D/A変換器(DAC)240と、上記スピーカ56と、動画プロセッサ237と、D/A変換器(DAC)238と、モニタTV239と、を有して構成されている。
【0132】
すなわち、上記記録再生用データプロセッサ231と記録再生用バッファメモリ232とは、記録部4bと再生部4cとの双方に兼用して含まれる回路部となっている。
【0133】
ディスクドライブ部4dは、ディスク249に対して画像の記録(録画)を行ったり、該ディスク249に記録されている画像を再生したりするものであり、サーボ回路245と、モータ247と、ピックアップ部246と、システムタイムクロック(STC(System Time Clock))部248と、を有して構成されている。
【0134】
上述したような各構成要素の機能について、画像システム1の作用に沿って、該作用とともに説明する。
【0135】
上記撮影光学系31を通過した光束は、ローパスフィルタ86を介して、CCD87の撮像面に結像する。
【0136】
上記画像記録/再生部4の第1操作スイッチ162により映像記録の操作が行われるか、または、該画像記録/再生部4のレリーズスイッチ73により静止画撮影の操作が行われると、上記CCD87により被写体像が光電変換されて、アナログの画像信号が出力される。
【0137】
このCCD87からの画像信号は、CDS/AGC回路88に入力されて、該CDS/AGC回路88内のCDS回路部により公知の相関二重サンプリングなどが行われてリセットノイズが除去されるとともに、該CDS/AGC回路88内のAGC回路部により所定の信号レベルへの増幅が行われて出力される。
【0138】
このCDS/AGC回路88からのアナログの画像信号は、続くA/D変換回路89によって、デジタルの画像信号(画像データ)に変換された後に、上記メモリ104に一時的に記憶される。本実施例においては、このA/D変換回路89の出力信号をRAW画像データということにする。すなわち、本実施例におけるRAW画像データは、CCD87からのアナログ出力信号を最初にA/D変換した直後のデジタルデータとして定義され、他のデジタル信号処理等を施す前のデータとなっている。
【0139】
これらCDS/AGC回路88、上記A/D変換回路89へは、上記TG90により生成されたタイミング制御信号が入力されるようになっており、該TG90からのタイミング制御信号は、さらに上記CCDドライバ91へも入力される。
【0140】
一方、上記第1マイク17および第2マイク18からの出力信号は、増幅回路99,100によってそれぞれ増幅された後に、A/D変換回路101により所定のサンプリング周期で時分割的にデジタルデータに変換され、第2CPU103へ転送される。第2CPU103は、デジタルデータに変換された音声データを、所定のタイミングで通信制御部173に転送する。
【0141】
上記A/D変換回路89からの出力信号である画像データと、上記第1マイク17および第2マイク18からの音声データと、上記第2CPU103のタイマ123により計時されたタイマ情報と、が通信制御部173により多重化される。
【0142】
このようなデジタル化されたデータを含むユニット単位のデータが、複数、上記送受信部172を介して画像記録/再生部4へ出力される。
【0143】
このように、撮像部30は、CCD87で生成された画像信号のアナログ信号処理を行って、画像データをデジタル信号に変換した後に出力するようになっているために、アナログ信号が該撮像部30から外部に出力されることがない。従って、上記送受信部172などを介して画像信号を伝送する際に受ける可能性があると考えられる外来ノイズにも強い構成となっている。
【0144】
また、撮像部30は、RAW画像データを出力するようになっているために、色分離やホワイトバランス調整等の信号処理回路を該撮像部30の内部に設ける必要がなく、該撮像部30が設けられている頭部装着部2の小型軽量化を図ることが可能となっている。
【0145】
上記送受信部172から画像記録/再生部4へ伝送された信号は、該画像記録/再生部4内の通信部により、画像データとそれ以外のデータとに再び分離される。
【0146】
送受信部163により受信され通信制御部151により分離された映像データは、DSP回路512により、輝度成分Yと、色差成分Cr(またはY−R)と、色差成分Cb(またはY−B)と、に分離される。これらの信号は、画像圧縮回路153により、MPEG2規格に準拠した圧縮処理が施される。
【0147】
また、通信制御部151により分離された音声データは、音声圧縮回路154により所定の圧縮処理が施される。
【0148】
さらに、第1操作スイッチ162を介して入力された映像のタイトルなどの副映像データは、副映像圧縮回路157により所定の圧縮処理が施される。
【0149】
上述したように圧縮処理された映像データと音声データと副映像データとは、フォーマッタ158に入力される。
【0150】
フォーマッタ158は、フォーマット用のバッファメモリ159をワークエリアとして使用しながら、入力された映像データと音声データと副映像データとに対してそれぞれ所定の信号処理を行い、後述するフォーマット(ファイル構造)に合致した記録データを記録再生用データプロセッサ231へ出力する。
【0151】
このとき、このフォーマッタ158は、データの最小単位としてのセルを設定し、セル再生情報(C_PBI)を作成する。
【0152】
次に、フォーマッタ158は、プログラムチェーンを構成するセルの構成と、映像、副映像、および音声の属性等と、を設定し、種々の情報を含めたビデオタイトルセット管理情報VTSI(Video Title Set Information)を作成する。
【0153】
エンコード(圧縮処理)されたビデオデータ(ここに「ビデオデータ」は、後述するように、映像データ、音声データ、および副映像データを総称したものである。)は、一定サイズ(2048バイト)のパックに細分化される。これらのパック内には、適宜、PTS(Presentation Time Stamp)、DTS(Decoding Time Stamp)等のMPEG準拠のタイムスタンプが記述される。なお、タイムスタンプとは9000Hzの基準クロックでカウントする32ビットで表記される時間系であり、後述するような、フレームを単位として時、分、秒、フレームをBCD(Binary Coded Decimal)で表記したタイムコードとは区別される。
【0154】
そして、各データのタイムコード順に再生することができるように、VOBU(Video Object Unit)単位でその先頭にナビゲーションパックNV(Navigation Pack)を配置しながら各データセルが配置されて、複数のセルを含んでなるVOB(Video Object)が構成される。このVOBを1つ以上まとめたVOBS(Video Object Set)が、図35に示すようなビデオタイトルセットVTS(Video Title Set)の構造にフォーマットされる。
【0155】
なお、記録フォーマットについては、後で詳細に説明する。
【0156】
記録再生用バッファメモリ232は、記録再生用データプロセッサ231を介してディスク249に書き込まれるデータの内の一定量分をバッファイリングしたり、ディスクドライブ部4dを介してディスク249から再生されたデータの内の一定量分をバッファリングするのに利用される。
【0157】
記録再生用データプロセッサ231は、第1CPU161の制御に従って、フォーマッタ158からの記録用データをディスクドライブ部4dに供給したり、ディスク249から再生された再生信号をディスクドライブ部4dから取り出したり、ディスク249に記録された管理情報を書き換えたりする。
【0158】
上記第1CPU161は、内部に、RAMと、制御プログラムを格納するROMと、を備えており、この制御プログラムに従って動作を行うようになっている。すなわち、第1CPU161は、内部のRAMをワークエリアとして用いて、記録量(録画パック数)検出、残量検出、警告、記録モード変更指示、画像記録/再生部4全体の制御、その他の処理、を実行する。
【0159】
セパレータ233は、パック構造をなす再生データから、各パックを分離して取り出す。
【0160】
映像デコーダ(VDEC)234は、上記セパレータ233により分離されたビデオパックをデコードする。
【0161】
副映像デコーダ(SDEC)235は、上記セパレータ233により分離された副映像パックの内容をデコードする。
【0162】
音声デコーダ(ADEC)236は、上記セパレータ233により分離された音声パックの内容をデコードする。
【0163】
動画プロセッサ237は、上記映像デコーダ(VDEC)234からの映像データに、副映像デコーダ(SDEC)235からの副映像データを適宜合成して、映像にメニュー、ハイライトボタン、字幕その他の副映像を重ねて出力する。
【0164】
この動画プロセッサ237の出力は、D/A変換器(DAC)238を介してアナログ信号に変換された後に、モニタTV239へ供給される。なお、このモニタTV239は、上記図9に示したようなLCD48を用いても良いし、上記図6に示したようなAV/S接続端子50を介して接続される外付けのモニタであっても構わない。
【0165】
また、音声デコーダ(ADEC)236からの出力は、D/A変換器(DAC)240を介してアナログ信号に変換された後に、スピーカ56へ供給される。このスピーカ56も、上記図8や図9に示したスピーカ56をここでは用いているが、外付けのモニタを用いる場合には同様に外付けのスピーカを用いるようにしても構わない。
【0166】
また、上記第1操作スイッチ162のメニューボタン63やメニュー選択スイッチ66,67,68,69、確定スイッチ65などの操作により記録済みの画像が選択されて、上記再生/停止スイッチ59の操作により再生の指示が行われた場合には、ディスク249に記憶されている圧縮されたデータが再生されて、LCD48に表示される。
【0167】
一方、上記A/D変換回路89からのデジタル画像データは、該撮像部30内のAE処理回路97とAF処理回路98とへそれぞれ入力される。
【0168】
上記AE処理回路97は、1フレーム(1画面)分の画像データの輝度値を算出して重み付け加算する等の処理を行うことにより、被写体の明るさに対応したAE評価値を算出し、算出結果を第2CPU103へ出力する。第2CPU103は、上記AE評価値に基づいて、CCD87の露光時間の制御や、絞りシャッタ84の制御を行うようになっている。
【0169】
また、AF処理回路98は、上記第2CPU103の制御に基づいて、1フレーム(1画面)分の画像データの輝度成分にハイパスフィルタなどを用いて高周波成分を抽出し、抽出した高周波成分の累積加算値を算出する等により高周波域側の輪郭成分等に対応したAF評価値を算出し、算出結果を該第2CPU103へ出力する。第2CPU103は、AF処理回路98により算出された上記AF評価値に基づいて、上記USMドライバ95を介して上記フォーカスレンズ85を駆動し、焦点検出を行って合焦状態を得るようになっている。
【0170】
上記EEPROM102は、露出制御やオートフォーカス処理等に必要な各種補正データが画像システム製造時に記録されたものであり、第2CPU103は、必要に応じて、このEEPROM102から補正データを読み出し、各種の演算を行うようになっている。
【0171】
次に、図12〜図15を参照して、シースルー画像表示部6の主として光学的な構成について説明する。図12はシースルー画像表示部の光学系の原理を説明するための図、図13は撮影光軸と2つのシースルー画像表示部の光軸との関係を示す図、図14はシースルー画像表示部の光学系の構成を示す一部断面を含む正面図、図15はシースルー画像表示部の光学系の構成を示す左側面図である。
【0172】
このシースルー画像表示部6は、撮影者が実質的に直接観察している被写体上に、撮影範囲を示す撮影画枠を虚像としてスーパーインポーズ表示することができるようになっており、このような表示を、以下では、シースルー表示と呼ぶことにする。なお、「実質的に直接観察している」とは、肉眼で観察している場合だけでなく、ガラスやプラスチックなどで形成された略平板な透明部材を介して観察している場合や、あるいは視度調整用のレンズを介して観察している場合などを含んでいる。
【0173】
まず、図12を参照して、この実施例1におけるシースルー画像表示部6aの光学系(以下、「シースルー画像表示光学系」という。)によりシースルー画像を表示する原理について説明する。
【0174】
以下の説明においては、シースルー画像表示部6aとシースルー画像表示部6bとの原理や構成について、同様である場合にはシースルー画像表示部6aのみを例に挙げて説明し、シースルー画像表示部6aと異なる部分がある場合にのみシースルー画像表示部6bについても述べることにする。
【0175】
なお、上述したように、本実施例においては、撮影情報(撮影範囲を示す撮影画枠など)は、シースルー画像表示部6aのみにより表示するようになっているために、片方の眼(右眼)のみにより観察可能となっている。一方、再生画像は、シースルー画像表示部6aとシースルー画像表示部6bとの両方により表示するために、両眼により観察可能となっている。
【0176】
このときの、シースルー画像表示部6aとシースルー画像表示部6bとの光軸の関係は、図13に示すようになっている。
【0177】
まず、シースルー画像表示部6aの光軸L1は、撮像部30の撮影光学系31の撮影光軸L2と並行となるように構成されている。これに対して、シースルー画像表示部6bの光軸L3は、輻輳距離をもってシースルー画像表示部6aの光軸L1と交差するように構成されている。この輻輳距離は、上述したように、水晶体調節に基づく画像までの距離と等しくなるように構成されている。
【0178】
そして、シースルー画像表示部6aでのみ表示される上記撮影情報は、この光軸L1上の任意の位置、または離散的に定められた複数の所定位置、の何れかにおいて虚像として観察されるようになっている。
【0179】
一方、シースルー画像表示部6aとシースルー画像表示部6bとの両方により表示される映像は、上記光軸L1と光軸L3との交差する位置P1に、虚像として観察されるようになっている。
【0180】
このような構成により、撮影情報を被写体とほぼ同一の位置に表示することができ、撮影被写体と撮影情報との両方に眼のピントを同時に合わせて観察することが可能となる。
【0181】
そして、片方の眼で撮影情報を観察するようにしたために、構成を簡単にすることが可能となる。このとき、撮影中は撮影情報を観察する時間が短いために、片眼による観察であっても眼精疲労を少なくすることができる。
【0182】
一方、撮影情報以外の情報を表示するときには、予め定められた位置に表示するようにしているために、構成を簡単にすることができるとともに、両眼での観察となるために長時間観察したとしても眼精疲労を少なくすることができる。
【0183】
このように、長時間観察をする可能性が高く、かつ外界像と同時にピントが合う必要のない情報については所定の位置で両眼により観察することができるようにし、相対的に短時間の観察となり、かつ被写体と同時にピントが合う必要がある撮影情報については、被写体位置において片眼で観察することができるようにしたために、構成が簡単でありながらそれぞれの目的に合った眼精疲労の少ない情報表示装置となる。
【0184】
LED113により発光された光は、集光レンズ114により集光されて、LCD115を背面から照明する。LED113は、上述したように、撮影画枠を表示する場合には、例えばG(緑)のダイオードのみを発光させる。
【0185】
第3CPU111は、撮影範囲を示す撮影画枠に対応する信号を生成して、LCDドライバ117へ出力する。LCDドライバ117は、この信号に基づいてLCD115を駆動することにより、該LCD115に撮影画枠を表示させる。
【0186】
上記LED113の光を受けてLCD115から射出された撮影画枠の像は、HOE25によって反射された後に、撮影者の眼に導かれる。こうして、撮影者は、撮影範囲を示す撮影画枠や再生画像を虚像VIとして観察することができる。なお、この図12では原理を説明しているために、HOE116の図示は省略している。
【0187】
HOE25は、フォトポリマーや重クロム酸ゼラチン等の感光材料を使用した体積位相型のホログラフィー光学素子であり、上記LED113により発光されるR,G,Bの各波長において最大の反射率で光を反射する特性を備えるように設計されている。従って、撮影画枠を表示するときにGの光を発光させる場合には、グリーンの撮影画枠が虚像としてクリアに表示されることになる。HOEは、優れた波長選択性を備えており、上述したR,G,Bの各波長の光線に対しては極めて狭い波長幅において高い反射特性を示す一方で、それ以外の波長の光線に対しては高い透過特性を示す。従って、表示光と同じ波長域の外界光は回折反射されて撮影者の瞳に届かないが、それ以外の波長域の外界光は撮影者の瞳に到達する。一般に、可視光は、波長の帯域幅が広いために、R,G,Bの各波長を含む極めて狭い波長幅の光が到達しなくても、何等支障なく外界像を観察することが可能である。
【0188】
また、このシースルー画像表示部6aは、上記撮像部30により撮像された画像をカラー画像としてシースルー表示することも可能となっており、この場合には、LCD115に撮像された映像を表示させるとともに、上記LED113によりR,G,B3色の光を発光させれば良い。これにより、撮像された映像が、HOE25から、撮影者の瞳に虚像として到達することになる。
【0189】
上記HOE116は、LCD115からの光をHOE25に導くように反射するだけでなく、像面歪曲も補正する機能を備えたものとなっている。なお、ここではHOE116を用いたが、これに代えて、自由曲面の光学素子を用いることも可能である。自由曲面の光学素子は、小型軽量でありながら複雑な収差を補正することができるために、重量をあまり増加させることなく収差の少ないクリアな像を表示することが可能となる。
【0190】
続いて、図14および図15を参照して、上記シースルー画像表示光学系の具体的な配置例を説明する。
【0191】
上記フレーム部13の内部における上記透明光学部材15の上部となる位置に、上記LED113,集光レンズ114,LCD115,液体レンズ121、HOE116が図14に示すように順に配置されている。なお、シースルー画像表示部6bにおいては、上記液体レンズ121の代わりに固定焦点レンズ121’が設けられている。これらの各部材は、フレーム部13内に設けられた保持枠により挟み込まれるようにして固定されている。このとき、上記LED113は、電気回路基板181に実装された状態で、上記保持枠により固定されるようになっている。また、これらの内のHOE116は、上述したように、LED113からの光を鉛直下方へ向けて反射するように、傾けて配置されている。
【0192】
上記透明光学部材15は、図15に示すように、透明なガラスやプラスチック等により所定の厚みを有するように形成された導光部材182,183と、これらの導光部材182,183の間に挟み込まれながら後方へ向けて光を反射するように傾けて配設された上記HOE25と、を有して構成されている。このような構成において、上記HOE116から反射された光は、HOE25の上側に配置された導光部材182の内部を透過して、該HOE25に到達するようになっている。なお、この導光部材182の内部における光の伝播は、図15に示すように透過のみであっても良いが、透過と内面における全反射とを組み合わせたものであっても構わない。透過と全反射とを組み合わせるような光学設計を行った場合には、透明光学部材15を肉薄にすることが可能となるために、頭部装着部2の軽量化をより一層図ることができる。
【0193】
なお、シースルー画像表示光学系は、上述したような各部材の内の、LED113と、集光レンズ114と、LCD115と、HOE116と、HOE25と、導光部材182,183と、を含むものとなっている。
【0194】
次に、図16から図20を参照して、被写体と虚像とを同時に眼のピントを合わせて観察し得るようにする構成について説明する。なお、この構成は上記したようにシースルー画像表示部6aのみのものであり、シースルー画像表示部6bによる虚像表示位置は所定位置に固定されている。
【0195】
眼から撮影画枠の虚像までの距離と、眼から被写体までの距離と、の差が大きいと、これらの両方に同時に眼のピントを合わせることができないために、撮影画枠と被写体とを同時に鮮明に観察することができない。
【0196】
そこで、眼から撮影画枠の虚像までの距離が、眼から被写体までの距離に一致するように設定して、撮影画枠と被写体とを同時に鮮明に観察することができるようにする構成について説明する。
【0197】
まず、図16は眼から虚像までの位置を変更する原理を説明するための図である。なお、この図16においては、他の部材等に煩わされることなく原理のみを簡潔に説明するために、上記HOE116等の図示や該HOE116等に係る説明などを省略している。
【0198】
HOE25の焦点距離をf、LCD115に表示された撮影画枠201の位置からHOE25までの距離をLl、HOE25から虚像VIまでの距離をLi、撮影者が撮影画枠201の対角線の虚像を見込む角度(視角)を2δ、LCD115に表示される撮影画枠の対角線の長さをXlとすると、次の数式1および数式2に示すような関係が成り立つ。
[数1]

[数2]

【0199】
これらの数式に現れる各変数や定数の内、fはHOE25を設計するときに定まるものであるが、δは撮影者が所望に設定するものであり、虚像までの距離Liが被写体までの距離に一致するようにしたい距離(すなわち、例えば測距により求められる被写体距離)である。従って、これらの値を数式1へ代入することにより、被写体距離と同じ距離の位置に虚像を表示させるためのLCD115の表示位置Llが求まり、さらに、上記各値を数式2へ代入することにより、撮影画枠の視角を撮影画角と一致させるための、LCD115に表示する撮影画枠の大きさXlが求まることになる。
【0200】
図17は、LCD115を虚像距離調整手段たるアクチュエータ252により光軸方向に駆動する構成例を示す図である。この例では、アクチュエータ252として、例えば、電磁モータ、超音波モータ(USM)、静電アクチュエータなど公知のアクチュエータを用いて、上記Llを変更するようにしている。すなわち、LCD115は集光レンズ114の光軸方向に移動可能となるように設けられており、該LCD115を支持する枠部材等に該LCD115を光軸方向に変位させるための虚像距離調整手段たる例えばラック251などが設けられている。このラック251には、アクチュエータ252の回転軸に固定されたピニオンギヤ252a等が噛合して駆動力が伝達されるようになっている。これによって、該アクチュエータ252を所望の量だけ回転させることにより、LCD115を所望の量だけ光軸方向に移動させることができるようになっている。このような構成により、虚像VIまでの距離Liが被写体までの距離に一致するように、上記Llを変更することになる。また、この構成を用いてLlを変更したときには、上記数式2に示すようなXlになるように、視角調整手段たるLCDドライバ117により該LCD115に表示する撮影画枠の大きさを変更することも勿論である。
【0201】
なお、上記図17、または次に説明する図18に示す例では、虚像位置を変更すると倍率(被写体を見込む角度2δ)が変化するために、視角調整手段たるLCDドライバ117を用いてLCD115に表示する像の大きさを補正することにより、上記倍率が一定になるように補正を行う。具体的には、LCD115に表示された撮影画枠201の位置からHOE25までの距離Llと、LCD115に表示される撮影画枠201の対角線の長さXlと、の比が一定になるように、LCD115に表示する像の大きさを補正することになる。
【0202】
次に、図18は、LCD115の像を一次結像させるようにし、この一次結像の位置を光軸方向に変化させるようにした構成の一例を示す図である。この例では、LCD115を通過した光束の光路上に結像光学系たる結像レンズ253が配設されており、この結像レンズ253によって、該結像レンズ253とHOE25との間の光路上の位置254において、該LCD115の像が一次結像されるようになっている。上記結像レンズ253は、光軸方向に移動可能となるように設けられており、該結像レンズ253を支持する鏡枠等の部材に該結像レンズ253を光軸方向に変位させるための虚像距離調整手段たる例えばラック255などが設けられている。このラック255には、上述と同様に、虚像距離調整手段たるアクチュエータ256の回転軸に固定されたピニオンギヤ256a等が噛合して駆動力が伝達されるようになっている。これによって、該アクチュエータ256を所望の量だけ回転させることにより、結像レンズ253を光軸方向に移動させて、一次結像面の位置254を所望の量だけ光軸方向に移動させることができる。このような構成を用いて、虚像VIまでの距離Liが被写体までの距離に一致するように、上記Llを変更することになる。なお、上記図16で説明した原理におけるLlは、この図18に示す例では、一次結像面の位置254からHOE25までの距離を指すことになる。また、このときにも、LCD115に表示する撮影画枠の大きさを変更するのはいうまでもない。
【0203】
なお、ここでは、被写体距離に追従して眼から撮影画枠の虚像VIまでの距離を調整するようにしているが、この場合には、被写体距離が変化する毎に撮影画枠の位置を時々刻々と変更することになるために、撮影画枠を高い精度で連続的に調整しないと、視覚的に違和感を生じてしまう可能性がある。また、撮影画枠の位置を時々刻々と調整すると電力消費も大きくなる。そこで、撮影画枠の位置を至近から無限大の距離で数段階(例えば3段階)に分けて調整するようにしてもよい。
【0204】
上記図17や図18に示したような構成例は、LCD115や結像レンズ253をアクチュエータにより機械的に移動させるものであったために、構成がやや複雑であるとともに、アクチュエータ等を配置するスペースが必要になったり、重量が増したりする。さらに、アクチュエータを用いているために、駆動時に雑音が少し発生する可能性があり、このときに発生する雑音が撮影者に不快感を与えることもあり得る。こうした点は、頭部に装着して用いるカメラにおいてはできるだけ解消することが望ましい。次に、図19を参照して説明する構成例は、このような点に鑑みてなされたものである。
【0205】
図19は、LCDの像を一次結像させるようにし、この一次結像の位置を光軸方向に変化させるようにした構成の他の例を示す図、図20は、上記図19における液体レンズの詳細な構成を示す図である。
【0206】
これら図19および図20に示す構成例は、上記図18に示した結像レンズ253に代えて、液体レンズ(Fluid Focusレンズ)121を用いるようにしたものである。以下に説明する液体レンズ121は、2004年3月3日にロイヤルフィリップスエレクトロニクス社により発表されたものを用いる例となっている。
【0207】
まず、図20を参照して、液体レンズ121の構成について説明する。
【0208】
液体レンズ121は、図20(A),図20(B)に示すように、透明な伝導性液体(Conducting Fluid)265と、この伝導性液体265とは異なる屈折率(異なる光学特性)をもち該伝導性液体265とは混じり合わない(不混和性の)非伝導液体(Insulating Fluid)266とを、透明な短い円筒状部材の内部に封止して構成されている。上記伝導性液体265は例えば水性の液体であり、上記非伝導液体266は例えば油性の液体となっている。そして、これら伝導性液体265と非伝導液体266との境界面が、レンズ面を構成するようになっている。
【0209】
上記円筒状部材は、ガラス等で構成された円筒261aと、この円筒261aの底面側を封止するガラス等で構成された円板261bと、該円筒261aの上面側を封止するガラス等で構成された円板261cと、を有して構成されている。
【0210】
上記円板261bの上面側外周部から周面にかけて、断面略L字状の電極262bが設けられるとともに、上記円筒261aの内周面、外周面、および上面にかけて、断面略コの字状の電極262aが設けられており、これらは互いに非接触となるように配設されている。
【0211】
上記円筒261aおよび電極262aの内周側には、円筒状の絶縁体263が配設されていて、この絶縁体263の下端側が電極262bに接触して、電極262aと電極262bとが絶縁されるようになっている。
【0212】
この絶縁体263の内周側から上記円板261cの下面側にかけて、疎水性(撥水性)コーティング(Hydrophobic coating)264が設けられている。
【0213】
そして、この疎水性コーティング264の内部に、上記伝導性液体265および非伝導液体266が封止されている。なお、上記電極262bは、伝導性液体265に電気的に接続されるように、疎水性コーティング264よりも内周側に延出されている。
【0214】
このような構成において、上記電極262a,262bに特に電圧を印加しないときには、伝導性液体265が疎水性コーティング264により退けられて、図20(A)に示すように、底面側に集まる略半球状をなし、それ以外の、疎水性コーティング264に接触する部分に非伝導液体266が配分される。
【0215】
一方、上記電極262aがマイナス、電極262bがプラスとなるように電圧Vを印加すると、図20(B)に示すように、プラスの電荷が上記電極262bから伝導性液体265に伝達される。そして、電極262aの表面にマイナスの電荷が分布するとともに、上記絶縁体263および疎水性コーティング264を介して該電極262aに対向する伝導性液体265の表面にプラスの電荷が分布する。このような電気的誘導によって、伝導性液体265の表面張力(より正確には、伝導性液体265が疎水性コーティング264と接触する界面の張力)が変化する。表面張力が変化すると、伝導性液体265は、疎水性コーティング264の内周面をぬらし始める。このような、電場による疎水性コーティング264の疎水性が弱まるプロセスを、「電子ウェッティング(electrowetting)」という。
【0216】
こうして、電圧Vを印加することにより、伝導性液体265と非伝導液体266との間のレンズ面の曲率半径が変化するために、レンズの焦点距離が変化する。
【0217】
このような焦点距離の変化は、電極262aと電極262bとの間に印加する電圧を調整することにより、制御することができる。例えば、印加する電圧Vをより高くしてやることにより、分布する電荷量が増えて、図20(A)に示すように凸状(略半球状)をなす伝導性液体265の表面が、完全に平らになったり(レンズ効果なし)、あるいは、図20(B)に示すような凹状になったりする。この図20(B)に示す例では、接触角φが90度よりも小さくなっている。このようにして、収束レンズから発散レンズへスムーズに移行し、またスムーズに元に戻るレンズを実現することができる。
【0218】
図19は、上記図20に示したような液体レンズを用いて、LCD115の像の一次結像の位置を変化させるようにした構成例を示している。
【0219】
すなわち、LCD115とHOE25との間の光路上には、結像光学系であり虚像距離調整手段たる液体レンズ121が配設されていて、この液体レンズ121によるLCD115の像の一次結像面の位置254は、該液体レンズ121に印加する電圧Vを変化させることにより、変更することができるようになっている。
【0220】
すなわち、該液体レンズ121に印加される電圧Vは、虚像距離調整手段たる電圧制御回路122により制御されるように構成されている。
【0221】
この電圧制御回路122は、例えば上記第3CPU111に接続されていて、撮影画枠の虚像VIまでの距離Liが、被写体までの距離に一致されるように制御される。
【0222】
なお、このときにも、液体レンズ121の焦点距離を変化させると虚像VIの倍率が変化するために、該液体レンズ121の焦点距離に応じて、LCD115に表示する撮影画枠の大きさを変更することはいうまでもない。
【0223】
このような、液体レンズ121の焦点距離を変化させて虚像VIまでの距離Liを被写体までの距離に一致させる構成を採用することにより、構成が簡単になって装置をより一層小型軽量化することができる。さらに、アクチュエータが用いられていないために、騒音が発生することはなく、撮影者に不快感を与えることもない。従って、このような構成は、頭部に装着して用いるタイプの頭部装着型カメラや頭部装着型表示装置などの画像システムに、特に有効となる。
【0224】
なお、上記図19では、虚像VIとして撮影画枠が表示されるときに、該虚像VIの位置を調整する例を示したが、これに限らず、虚像として画像や文字等が表示される場合にも(すなわち、画像や文字を虚像として表示するような表示装置においても)、同様に適用可能であるのはもちろんである。
【0225】
次に、撮像部30を、フレーム部13の側面に対して、ピッチ方向およびヨー方向に相対的に角度調整可能となるように取り付ける構成について、図21および図22を参照して説明する。図21は撮像部30をフレーム部13に取り付ける構成を示す平面図および右側面図、図22は撮像部30を取り付けるためにフレーム部13に設けられた孔の構成を示す右側面図である。
【0226】
本実施例の画像システム1は、撮影者が撮影範囲を示す撮影画枠を指定し、指定された撮影画枠の視角に対応する画角で撮影を行うものであるために、パララックスを補正する必要がある。このパララックスの発生原因として、撮影者の視軸と撮影光軸との水平方向の位置的なずれと、視軸と撮影光軸との角度のずれと、があるが、後者の角度のずれの影響が非常に大きいために、この角度のずれを精密に補正することができるような調整機構(調整手段)を設けたものとなっている。
【0227】
フレーム部13とテンプル部12とは、図21(A)に示すように、丁番78を介して、折り畳み可能に接続されている。この丁番78は、上記フレーム部13から延設されるやや長めの継手29を介して、右眼側の丁番79よりもややフロント部11側から離れた位置に配設されている。
【0228】
上記継手29の側面には、該側面に沿った形状部33aと、該側面から略垂直に立設される形状部33bと、を備えた、正面から見たときに略L字形状をなす調整機構(調整手段)たる台座33が接続されるようになっている。この調整機構は、頭部装着型カメラの調整方法が適用される頭部装着型カメラの調整装置における、フロント部11と撮像部30との相対的な角度を調整するための機構であり、該調整機構を用いることにより、撮像部30に含まれる撮影光学系31の光軸と視軸とを調整することが可能となっている。
【0229】
すなわち、上記継手29には、図22に示すように、前方側にピッチ方向調整手段たる孔191が、後方側に該孔191を中心とした円弧状をなすピッチ方向調整手段たる長孔192が、それぞれ穿設されている。これらの孔191,192を介して、ピッチ方向調整手段たるビス34,35をそれぞれ台座33の上記形状部33aに螺合することにより、該台座33が継手29に対して取り付けられている。
【0230】
また、上記台座33の形状部33bには、図21(A)に示すように、前方側にヨー方向調整手段たる孔193が、後方側に該孔193を中心とした円弧状をなすヨー方向調整手段たる長孔194が、それぞれ穿設されている。これらの孔193,194を介して、図21(B)に示すように、ヨー方向調整手段たるビス36,37をそれぞれ撮像部30の底面側に螺合することにより、該撮像部30が台座33に対して取り付けられている。なお、上記撮像部30の背面側からはケーブル38が延出されていて、被写体側に曲折された後に、上記フレーム部13内の電気回路等に接続されている。
【0231】
このような構成において、ビス34およびビス35をやや緩めた状態で、ビス35が挿通される長孔192内の位置を変更することにより、台座33がビス34を中心として回動し、台座33、ひいてはこの台座33に取り付けられている撮像部30のピッチ方向の角度調整を行うことができる。こうして、所望の位置に調整された後には、上記ビス34およびビス35を固締めすれば良い。
【0232】
同様に、ビス36およびビス37をやや緩めた状態で、ビス37が挿通される長孔194内の位置を変更することにより、撮像部30がビス36を中心として台座33に対して回動し、該撮像部30のヨー方向の角度調整を行うことができる。こうして、所望の位置に調整された後には、同様に、上記ビス36およびビス37を固締めすることになる。
【0233】
このような構成によれば、シースルー画像表示部6と撮像部30との相対的なピッチ方向およびヨー方向の角度調整を行うことが可能となる。さらに、撮像部30が台座を介してフロント部11に固定されているために、テンプル部12を折り畳んでも撮像部30が折り畳まれることはなく、撮像部30とシースルー画像表示部6との相対的な角度ずれが発生する可能性が小さくなる。また、調整機構が簡単であるために、安価に構成することが可能となる。
【0234】
なお、上述においては、撮像部30と台座33との相対的なヨー方向の角度を調整し、フレーム部13の側面の継手29と台座33との相対的なピッチ方向の角度を調整するようにしたが、これとは逆に、台座33に対する撮像部30の取り付け位置を変更することにより、撮像部30と台座33との相対的なピッチ方向の角度を調整し、台座33に対するフレーム部13の取り付け位置を変更することにより、フレーム部13の側面の継手29と台座33との相対的なヨー方向の角度を調整するように構成することも可能である。
【0235】
続いて、図23から図31を参照して、シースルー画像表示部6による画像の表示例について説明する。
【0236】
まず、図23は、シースルー表示における初期状態の表示例を示す図である。カメラ1の電源を投入するか、またはシステムをリセットしたときに、この図23に示すような表示が行われるようになっている。このときには、図示のように、標準レンズ(例えば、画角が50度であるものとする)に相当する撮影範囲を示す撮影画枠201がシースルー表示される(つまり、撮影者から見たときの視角が50度となるような撮影画枠201がシースルー表示される)ようになっている。
【0237】
次に、図24は、テレへのズームが行われたときの表示例を示す図である。表示される撮影画枠201が、上記図23に示したよりもテレに対応する撮影範囲を示すものになっている。この撮影画枠201の変更は、上述したように、例えば上記ズームスイッチ75の操作により行われ、このときには撮像部30の撮影画角も該撮影画枠201の視角に一致するように、上記撮影光学系31の焦点距離が変更される。具体的には、上記図23に示したような標準レンズの焦点距離に対応する撮影範囲において、該ズームスイッチ75のテレスイッチ75aを操作することにより、この図24に示すような望遠側への変更が行われる。
【0238】
続いて、図25は、ワイドへのズームおよび露出補正が行われたときの表示例を示す図である。表示される撮影画枠201が、上記図23に示したよりもワイドに対応する撮影範囲を示すものになっているとともに、この撮影画枠201の例えば右下に、露出補正量が情報表示202として表示されている。この図に示す例では、例えば上記露出補正スイッチ76により、+1.0の露出補正が行われたことが示されている。なお、露出補正は、数字で示すに限るものではなく、棒グラフや指標などの各種の表示を用いても構わないことは勿論である。また、この図25に示すような撮影画枠201は、例えば上記図23に示したような標準レンズの焦点距離に対応する撮影範囲において、上記ズームスイッチ75のワイドスイッチ75bを操作することにより、設定される。
【0239】
また、図26は、電子ビュー表示を行うときの表示例を示す図である。例えば上記F/Vスイッチ72によりビューモード(V)が選択されると、この図に示すように、撮像部30で撮像された電子画像203が虚像として撮影者の目に投影されるようになっている。なお、この電子ビューとして表示する画像の大きさは、該画像の解像度により設定することができ、例えば解像度が低い場合は画像を小さく表示すれば良い。
【0240】
図27は、動画を録画中の表示例を示す図である。例えば上記録画スイッチ74が操作されて録画中となったときには、この図27に示すように、撮影範囲を示す撮影画枠201が表示されるとともに、録画中であることを示す情報表示204が「REC」の文字として、撮影画枠201の例えば右下に表示されるようになっている。この録画中であることを示す表示も、上述と同様に、文字に限るものではない。
【0241】
図28は、マニュアルモード時の表示例を示す図である。例えば上記FA/A/Mスイッチ71が操作されることによりマニュアルモード(M)に設定されているときには、該マニュアルモード(M)を示す情報表示205が「MANU」の文字として、撮影画枠201の例えば右下に表示されるようになっている。一方、「MANU」の情報表示205が行われていないときには、オートモード(A)であることになる。
【0242】
図29は、撮影光学系31の焦点距離fが焦点調節可能な下限値k1に達しているにもかかわらず、さらに小さい方へ操作されようとしている場合にシースルー表示される警告表示208の例を示す図である。すなわち、ワイド側へのズーム操作を行ってズームのワイド端に達したときに、依然としてワイド側へのズーム操作が行われている場合に、この警告表示208が撮影範囲を示す撮影画枠201の表示とともに行われる。
【0243】
図30は、撮影光学系31の焦点距離fが焦点調節可能な上限値k2に達しているにもかかわらず、さらに大きい方へ操作されようとしている場合にシースルー表示される警告表示209の例を示す図である。すなわち、テレ側へのズーム操作を行ってズームのテレ端に達したときに、依然としてテレ側へのズーム操作が行われている場合に、この警告表示209が撮影範囲を示す撮影画枠201の表示とともに行われる。
【0244】
図31は、静止画を撮影する操作が行われたときの表示例を示す図である。このときには、撮影範囲を示す撮影画枠201が表示されるとともに、静止画を記録したことを示す情報表示210が「REL」の文字として、撮影画枠201の例えば右下に表示されるようになっている。この静止画を記録したことを示す表示も、上述と同様に、文字に限るものではない。
【0245】
なお、上述したような各表示において、通常の情報表示は上記LED113の中の例えばG(緑)のダイオードを発光させることにより行い、警告表示は上記LED113の中の例えばR(赤)のダイオードを発光させることにより行うようにすると良い。
【0246】
次に、以上説明したような画像システムの動作について、図32および図33を参照して説明する。図32は画像システムの動作の一部を示すフローチャート、図33は画像システムの動作の他の一部を示すフローチャートである。これら図32および図33は、画像システムの動作の流れを、図面の都合上、2図に分割して示したものである。
【0247】
この画像システム1の電源を投入するか、またはシステムをリセットすると、標準レンズ(上述したように、例えば、画角が50度となる。)に相当する撮影範囲を示す撮影画枠を、上記シースルー画像表示部6aにより上記図23に示したようにシースルー表示する(ステップS1)。
【0248】
次に、上記第2CPU103に内蔵されているタイマ123をチェックすることにより、所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS2)。
【0249】
ここで、所定時間が経過していると判断された場合には、図8に示したような第1操作スイッチ162や、図10に示したような第2操作スイッチ171などの各種スイッチの入力状況をモニタする(ステップS3)。
【0250】
なお、上記ステップS2におけるタイマは、所定時間が経過して上記ステップS3に移行した時点で、再度、計時を開始するものとなっている。そして、タイマによる計時が所定時間に達していないときには、上記ステップS3におけるスイッチのモニタは行わないようになっている。このように、タイマをチェックしながら所定の時間間隔でスイッチの入力状況を確認することにより、各CPUの負荷を軽減することができるとともに、スイッチのチャタリングによる誤動作を防止することも可能となっている。なお、後述するステップS12,S17のタイマは、上記ステップS2におけるタイマと同様の機能を果たすものとなっている。
【0251】
このステップS3の処理が終了するか、または上記ステップS2において所定時間が経過していないと判断された場合には、露出補正が設定されているか否かを判断する(ステップS4)。
【0252】
ここで、露出補正が設定されていると判断された場合には、例えば図25に示したように、設定されている露出補正量(補正値)を情報表示202としてシースルー表示する(ステップS5)。
【0253】
このステップS5の処理が終了するか、または上記ステップS4において露出補正が設定されていないと判断された場合には、画像システム1が、撮像部30で撮像された画像をシースルー表示するビューモード(V)に設定されているか、または、撮影範囲である撮影画枠のみを表示するフレームモード(F)に設定されているかを判断する(ステップS6)。このモード設定は、上述したように、F/Vスイッチ72の操作により行われるものである。
【0254】
ここで、モードがフレームモード(F)に設定されていると判断されたときには、次に、画像システム1が、オートモード(A)に設定されているか、または、マニュアルモード(M)に設定されているか、を判断する(ステップS7)。このモード設定は、上述したように、FA/A/Mスイッチ71の操作により行われるものである。
【0255】
ここに、オートモード(A)は、撮影光学系31の焦点距離が所定値以上であるときは、フレームモード(F)に設定されていても、撮像部30により撮像された画像を自動的に拡大してシースルー表示するモードとなっている。このような表示を行うことにより、望遠撮影においても面倒な操作を行うことなく被写体の詳細を容易に確認することができるとともに、通常の焦点距離(上記所定値未満の焦点距離)においては撮影範囲を示す撮影画枠が表示されるのみであるために、長時間の撮影においても違和感なく撮影を行うことが可能となる。
【0256】
一方、マニュアルモードは、上述したように、上記シースルー表示を行うか否かをマニュアルで設定するものであり、通常は撮影画枠の表示のみを行うモードである。
【0257】
上記ステップS7において、マニュアルモード(M)が選択されていると判断された場合には、上記図28に示したように「MANU」の情報表示205を行う(ステップS8)。
【0258】
一方、上記ステップS7において、オートモード(A)に設定されていると判断されたときは、次に、撮影光学系31の焦点距離が所定値αよりも大きい望遠側に設定されているか否かを判断する(ステップS9)。
【0259】
ここで、撮影光学系31の焦点距離が所定値αよりも大きいと判断された場合、あるいは上記ステップS6において、ビューモード(V)が設定されていると判断された場合には、撮像部30により撮像した電子画像をシースルー画像表示部6により被写体に重畳してシースルー表示する(ステップS10)。
【0260】
このステップS10の処理が終了した場合、上記ステップS8の処理が終了した場合、または上記ステップS9において撮影光学系31の焦点距離が所定値α以下であると判断された場合には、撮影者が上記画像記録/再生部4のワイドスイッチ75bを操作することにより、撮影画枠の大きさを広く(W)したか否かを判断する(ステップS11)。
【0261】
ここで、撮影画枠の大きさを広く(W)する操作が行われていると判断された場合には、タイマをチェックすることにより、所定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS12)。
【0262】
そして、所定時間が経過していると判断された場合には、撮影光学系31の焦点距離fが、焦点調節可能な下限値k1に達しているにもかかわらず、さらにこの下限値k1よりも小さい方へ操作されようとしているか否かを判断する(ステップS13)。
【0263】
ここで、焦点調節可能な下限値k1よりも小さい方へ操作されようとしている場合には上記図29に示したように、シースルーにより警告表示208を行う(ステップS14)。また、焦点距離fが焦点調節可能な下限値k1にまだ達していない場合には、撮影光学系31のバリエータレンズ82を駆動することにより焦点距離fを小さくして、撮影者が設定した撮影範囲になるように撮影光学系31の焦点距離を設定する(ステップS15)。
【0264】
一方、上記ステップS11において、撮影画枠の大きさを広く(W)する操作が行われていないと判断された場合には、上記画像記録/再生部4のテレスイッチ75aを介して、撮影画枠の大きさを狭く(T)する操作が行われているか否かを判断する(ステップS16)。
【0265】
ここで、撮影画枠の大きさを狭く(T)する操作が行われていると判断された場合には、タイマをチェックすることにより、所定時間が経過しているか否かを判断する(ステップS17)。
【0266】
そして、所定時間が経過していると判断された場合には、撮影光学系31の焦点距離fが、焦点調節可能な上限値k2に達しているにもかかわらず、さらにこの上限値k2よりも大きい方へ操作されようとしているか否かを判断する(ステップS18)。
【0267】
ここで、焦点調節可能な上限値k2よりも大きい方へ操作されようとしている場合には上記図30に示したように、シースルーにより警告表示209を行う(ステップS19)。また、焦点距離fが焦点調節可能な上限値k2にまだ達していない場合には、撮影光学系31のバリエータレンズ82を駆動することにより焦点距離fを大きくして、撮影者が設定した撮影範囲になるように撮影光学系31の焦点距離を設定する(ステップS20)。
【0268】
上記ステップS16において撮影画枠の大きさを狭く(T)する操作が行われていないと判断された場合、上記ステップS12あるいはステップS17において所定時間が経過していないと判断された場合、または、上記ステップS14,S15,S19、あるいはステップS20の処理が終了した場合、には、画像記録/再生部4の第2操作スイッチ171に含まれる録画スイッチ74による映像記録の操作(あるいは、第1操作スイッチ162による映像記録の操作)が行われて録画モードが設定された否かを判断する(ステップS21)。
【0269】
ここで、録画モードが設定されている場合には、図27に示したように、「REC」の文字による情報表示204をシースルーにより行ってから(ステップS22)、録画を開始する(ステップS23)。
【0270】
このステップS23の処理が終了するか、または、上記ステップS21において録画モードが設定されていないと判断された場合には、画像記録/再生部4の第2操作スイッチ171に含まれるレリーズスイッチ73による静止画撮影の操作(あるいは、第1操作スイッチ162による静止画撮影の操作)が行われたか否かを判断する(ステップS24)。
【0271】
ここで、静止画撮影の操作が行われたと判断される場合には、まず、静止画像の記録を行ってから(ステップS25)、図31に示したように、静止画の記録が行われたことを示す「REL」の文字による情報表示210をシースルーにより行う(ステップS26)。
【0272】
このステップS26が終了するか、または、上記ステップS24においてレリーズスイッチ73による静止画撮影の操作が行われていないと判断される場合には、上記ステップS2の処理に戻って、上述したような動作を繰り返して行う。
【0273】
次に、記録媒体であるディスク249のファイル構成について説明する。
【0274】
図34はディスク249の論理構造を示す図である。
【0275】
ディスク249に構成される物理セクタは、セクタアドレスにより昇順に配置されていて、セクタアドレスに含まれる識別情報に基づいて、図34(A)に示すように、リードイン領域LIと、このリードイン領域LIに続くボリューム領域VSと、このボリューム領域VSに続くリードアウト領域LOと、に大別することができるようになっている。
【0276】
上記リードイン領域LIは、ディスク再生装置の読み出し開始時の動作安定用データ等が記録される領域である。
【0277】
これに対してリードアウト領域LOは、再生装置に再生終了を告知するために用いられる領域であり、それ以外の意味のあるデータは記録されていない。
【0278】
また、上記ボリューム領域VSは、アプリケーションを構成するデジタルデータが格納される領域であり、所属する物理セクタを論理セクタとして、管理が行われるようになっている。この論理セクタは、データ記録領域の先頭の物理セクタを0番として、連続する物理セクタに連番を付与した単位で識別される。図34(B)は、ボリューム領域VSに構成されている(n+1)個のセクタでなる論理セクタ群(LS#0〜LS#n)を示している。
【0279】
このボリューム領域VSは、図34(C)に示すように、さらに、ボリューム管理領域VFSとファイル領域FDSとに分割される。
【0280】
上記ボリューム管理領域VFSは、複数の論理ブロックをファイルとして管理するためのファイルシステム管理情報が格納される領域である。ここに、ファイルシステム管理情報とは、複数のファイルのそれぞれのファイル名と、各ファイルが占めている論理ブロック群のアドレスと、の対応付けを明示した情報のことである。ディスク再生装置は、このファイルシステム管理情報を手掛かりとして、ファイル単位のディスクアクセスを実現するようになっている。すなわち、ファイル名が与えられると、全てのシステム管理情報を参照して、該ファイル名のファイルが占めている全ての論理ブロック群を算出し、これらの論理ブロック群にアクセスして、所望のデジタルデータ(つまり、該ファイル名のファイルに含まれるデジタルデータ)のみを取り出すようになっている。
【0281】
図34(D)は、ファイル領域FDSの構成を示したものである。ファイル領域FDSは、この図34(D)に示すように、ビデオマネージャVMG(Video Manager)と、複数のビデオタイトルセットVTS(図示の例では、k個のビデオタイトルセットVTS)と、が格納される領域である。このファイル領域FDSは、複数の連続ファイルを含んで構成されており、上述したファイルシステム管理情報に基づいて、記録されている場所が算出されるようになっている。
【0282】
上記ビデオタイトルセットVTSは、タイトルと称される1つ以上のアプリケーションをグループ化して格納することにより、共有する映像データを効率良く管理することができるようになっている。
【0283】
上記ビデオマネージャVMG(Video Manager)は、複数のビデオタイトルセットVTSに格納される全てのタイトルからユーザが再生すべきタイトルを選択するための、メニューに関する情報を格納する領域となっている。
【0284】
次に、図35は、ビデオタイトルセットVTSのファイル構成を示す図である。
【0285】
図35(A)に示すビデオタイトルセットVTSは、より詳しくは図35(B)に示すように、ビデオタイトルセット管理情報VTSI(Video Title Set Information)と、プレゼンテーションデータとしてVTSM_VOBS(Video Object Set for VTS Menu)と、複数のビデオオブジェクトVOB(VOB#1〜VOB#m)と、を格納して構成されている。
【0286】
上記ビデオタイトルセット管理情報VTSI(Video Title Set Information)は、複数のビデオオブジェクトVOBの再生順序を管理するためのナビゲーションデータとして記録されるものである。
【0287】
上記VTSM_VOBS(Video Object Set for VTS Menu)は、タイトルに対するメニューのプレゼンテーションデータとして記録されるものである。
【0288】
複数のビデオオブジェクトVOB(VOB#1〜VOB#m)は、VTSタイトル用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBS(VOBS for Title)を構成するものである。各ビデオオブジェクトVOB(VOB#1〜VOB#m)は、少なくとも1つの映像データを含み、さらに、音声データと副映像データとを含み得るように構成されている。なお、以下においては、映像データ、音声データ、副映像データを総称したものをビデオデータと呼ぶことにする。
【0289】
そして、該ビデオオブジェクトVOBは、上記ビデオデータと、その管理情報と、を含むマルチメディア化されたデータである。
【0290】
各ビデオオブジェクトVOBは、図35(C)に示すように、1つまたは2つ以上のセルC#1〜C#qを含んで構成されている。
【0291】
ビデオオブジェクトVOBを構成する各セルCは、さらに図35(D)に示すように、1つまたは2つ以上のビデオオブジェクトユニットVOBU(Video Object Unit)#1〜VOBU#rを含んで構成されている。このビデオオブジェクトユニットVOBUは、約0.5秒〜約1.0秒程度の再生データとなっている。
【0292】
各ビデオオブジェクトユニットVOBUは、ビデオエンコードのリフレッシュ周期であるグループオブピクチャー(GOP)の複数個と、それに相当する時間の音声および副映像と、を含んで構成されている。
【0293】
すなわち、ビデオオブジェクトユニットVOBUは、図35(E)に示すように、先頭にナビゲーションパックNV(Navigation Pack)を含み、さらに、映像パックV1,V2と、音声パックA1,A2と、副映像パックS1,S2と、を例えば含む、複数種別のパックデータにより構成されている。
【0294】
上記パックデータは、それぞれ所定のデータサイズとして構成されており、これら種類別のパックデータをそれぞれ集めて再統合することにより、各々、映像データ、音声データ、副映像データを構成するデジタルデータ列が復元されるようになっている。
【0295】
次に、図36は、ビデオタイトルセット管理情報VTSIの構成を示す図である。
【0296】
ビデオタイトルセット管理情報VTSIは、図35(B)に示したように、ビデオタイトルVTSの先頭に記録されている。
【0297】
図36(A)に示すこのビデオタイトルセット管理情報VTSIは、図36(B)に示すように、主に、VTSI管理テーブルVTSI_MATと、VTSプログラムチェーン(VTSPGC)情報管理テーブルVTS_PGCITと、を含んで構成されている。
【0298】
そして、再生時に上記ビデオタイトルセット管理情報VTSIを参照することにより、例えば、編集前の原画像データである「オリジナルビデオ」、編集後の画像データである「編集済ビデオデータ」等の、一連のストリームデータを再生するようになっている。
【0299】
上記VTSI管理テーブルVTSI_MATは、ビデオタイトルセットVTSの内部構成や、ビデオタイトルセットVTSの格納場所等が記述されているテーブルである。
【0300】
上記VTSPGC情報管理テーブルVTS_PGCITは、図36(C)に示すように、映像データの再生順序を制御するプログラムチェーン(PGC)を表すk個(kは255以下の自然数)のPGC情報(VTS_PGCI#1〜VTS_PGCI#k)(映像再生プログラムチェーン情報)を記録したテーブルである。
【0301】
各エントリーのプログラムチェーン(PGC)情報VTS_PGCIは、セルの再生順を記述した複数のセル再生情報C_PBI(C_PBI#1〜#n)を記録したものである。例えば、プログラムチェーンVTS_PGCI#1には、編集前のビデオデータの再生順を制御する情報を記述することができ、プログラムチェーンVTS_PGCI#2には、編集後のビデオデータの再生順を制御する情報を記述することができる。
【0302】
すなわち、PGC情報(VTS_PGCI#1〜VTS_PGCI#k)の各々は、図36(D)に示すようにプログラムチェーン一般情報(PGC_GI)を含み、さらに、、プログラムチェーンコマンドテーブル(PGC_CMDT)と、プログラムチェーンプログラムマップ(PGC_PGMAP)と、セル再生情報テーブル(C_PBIT)と、セル位置情報テーブル(C_POSIT)と、を含んで構成されている。
【0303】
上記プログラムチェーン一般情報PGC_GIは、より詳しくは、プログラムチェーンの内容(PGC_CNT)と、プログラムチェーンの再生時間(PGC_PB_TM(PGC Playback Time))と、プログラムチェーンのナビゲーション制御情報(PGC_NV_CTL)と、等が記録されている。
【0304】
ここに、プログラムチェーンの内容PGC_CNTは、そのプログラムチェーン内のプログラム数およびセル数(最大255)を示している。例えば、ビデオオブジェクトVOBなしのプログラムチェーンでは、プログラム数は「0」となる。
【0305】
また、プログラムチェーンの再生時間PGC_PB_TMは、そのプログラムチェーン内のプログラムの合計再生時間をタイムコード(時間、分、秒、およびビデオのフレーム数)で示したものである。このプログラムチェーンの再生時間PGC_PB_TMには、ビデオフレームのタイプを示すフラグ(tc_flag)も記述されており、このフラグの内容によって、フレームレート(毎秒25フレームあるいは毎秒30フレーム)等が指定されるようになっている。
【0306】
さらに、上記プログラムチェーンのナビゲーション制御情報PGC_NV_CTLは、現在再生中のプログラムチェーンの次に再生すべきプログラムチェーン番号を示すNext_PGCNと、ナビゲーションコマンドによって引用されるプログラムチェーン番号(PGCN)を示すPrevious_PGCNと、そのプログラムチェーンからリターンすべきプログラムチェーン番号を示すGoUp_PGCNと、シーケンシャル再生、ランダム再生、シャッフル再生等のプログラムの再生モードを示す「PG Playback mode」と、そのプログラムチェーンの再生後のスチル時間を示す「Still time value」と、を含んで構成されたものである。
【0307】
エントリーされたPGC情報C_PBI#jの各々は、セル再生処理情報と、セル情報テーブルと、を含んで構成されている。
【0308】
ここに、上記セル再生処理情報は、再生時間と、繰り返し回数などのセルの再生に必要な処理情報と、を含んで構成されている。
【0309】
すなわち、PGC情報C_PBI#jの各々は、図36(E)に示すように、セルブロックモードCBM(cell block mode)と、セルブロックタイプCBT(cell block type)と、シームレス再生フラグSPF(seamless playback flag)と、インターリーブブロック配置フラグIAF(interleaved allocation flag)と、STC再設定フラグSTCDF(STC resetting flag)と、セル再生時間C_PBTM(Cell Playback Time)と、シームレスアングル切替フラグSACF(seamless angle change flag)と、セル先頭VOBU開始アドレスC_FVOBU_SAと、セル終端VOBU開始アドレスC_LVOBU_SAと、を有して構成されている。
【0310】
上記セルブロックモードCBMは、複数のセルが1つの機能ブロックを構成しているか否かを示すものである。機能ブロックを構成する各セルのセル再生情報は、連続的にPGC情報内に配置されていて、その先頭に配置されるセル再生情報のCBMには「ブロックの先頭セル」を示す値が、その最後に配置されるセル再生情報のCBMには「ブロックの最後のセル」を示す値が、そしてこれらの間に配置されるセル再生情報のCBMには「ブロック内のセル」を示す値が、それぞれ記録されている。セルブロックタイプCBTは、セルブロックモードCBMで示されるブロックの種類を示すものとなっている。
【0311】
上記シームレス再生フラグSPFは、映像、音声、副映像等のマルチメディアデータを、各データおよび情報を中断することなく再生するためのフラグである。すなわち、シームレス再生フラグSPFは、該セルが、前に再生されるセルまたはセルブロックと、シームレスに接続して再生するか否かを示すフラグとなっている。ここで、対象となるセルを、前セルまたは前セルブロックとシームレスに接続して再生する場合には、該セルのセル再生情報のSPFにはフラグ値1が設定される。一方、シームレスに接続して再生しない場合には、フラグ値0が設定される。
【0312】
上記インターリーブブロック配置フラグIAFは、該セルがインターリーブ領域に配置されているか否かを示すフラグである。このインターリーブブロック配置フラグIAFは、該セルがインターリーブ領域に配置されている場合にはフラグ値1を設定し、そうでない場合にはフラグ値0を設定するようになっている。
【0313】
上記STC再設定フラグSTCDFは、同期をとる際に使用するSTC部248(図11参照)をセルの再生時に再設定する必要があるか否かを示す情報である。このSTC再設定フラグSTCDFは、再設定が必要な場合にはフラグ値1を設定し、そうでない場合にはフラグ値0を設定するようになっている。
【0314】
上記セル再生時間C_PBTMは、セルの再生時間をタイムコードで表記したものである。
【0315】
上記セル先頭VOBU開始アドレスC_FVOBU_SAは、文字通り、セル先頭VOBU開始アドレスを示したものであり、VTSタイトル用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBSの先頭セルの論理セクタからの距離をセクタ数で示している。
【0316】
上記セル終端VOBU開始アドレスC_LVOBU_SAは、文字通り、セル終端VOBU開始アドレスを示したものであり、その値は、VTSタイトル用ビデオオブジェクトセットVTSTT_VOBSの先頭セルの論理セクタからの距離をセクタ数で示している。
【0317】
次に、図37は、映像パックのデータ構造を示す図である。
【0318】
映像パック(V)は、図56に示すように、MPEG(Moving Picture Coding Experts Group)に規定されたパックヘッダPKHと、パケットヘッダPTHと、ビデオデータフィールドと、を含むデータ構造となっていて、1パック当たり2Kバイト(byte)のデータサイズとなっている。
【0319】
上記パックヘッダPKHは、パックスタートコード、システムクロックリファレンスSCR(System Clock Reference)、マルチプレクス(MUX:Multiplex)レートといったMPEG準拠のデータが記述されている。
【0320】
また、上記パケットヘッダPTHは、ストリームID、パケット長、PTS(Presentation Time Stamp)、DTS(Decoding Time Stamp)等のMPEG準拠のデータが記述されている。
【0321】
上記パケットヘッダPTH内のストリームIDには、このパックが形成するエレメンタリストリームが映像ストリームであることを示すコードが設定されている。映像パックのシステムクロックリファレンスSCRおよびPTSは、音声パックの復号処理との同期調整、および副映像パックの復号処理との同期調整に用いられるものである。具体的には、ディスク再生装置側のビデオデコーダは、システムクロックリファレンスSCRに基づいて基準クロックの時間合わせを行い、データフィールド内の映像データを復号して、PTSに記載されている時間が、基準クロックにより計時されるのを待機する。そして、基準クロックが当該時間を計時したところで、その復号結果をディスプレイ側へ出力する。このようなPTSの記載内容に基づく出力待ちにより、ビデオデコーダは、副映像出力との同期誤差、および音声出力との同期誤差を解消することができるようになっている。
【0322】
図38は、音声パックのデータ構造を示す図である。
【0323】
この音声パックA1〜A3のデータ構造は、上述した映像パックのデータ構造と、基本的には同様となっている。この音声パックA1〜A3のデータ構造が上記映像パックのデータ構造と異なっている点は、パケットヘッダPTH内のストリームIDが音声パックであることを示す値に設定されている点と、データフィールドの先頭8ビットにサブストリームIDが設けられている点と、の2点である。
【0324】
図39は、副映像パックのデータ構造を示す図である。
【0325】
この副映像パックのデータ構造は、上述した音声パックのデータ構造と、基本的には同様である。
【0326】
図40は、ナビゲーションパックNVの構造を示す図である。
【0327】
図40(A)に示すナビゲーションパックNVは、上記図35(E)に示したように、ビデオオブジェクトユニットVOBUの先頭に必ず1つ配置されており、ビデオオブジェクトユニットVOBUの再生が行われる間、有効な管理情報が格納される。上述したような、映像パック、音声パック、および副映像パックがそれぞれ1パケットで構成されるのに対して、このナビゲーションパックNVは2パケットで構成される点が異なっている。ナビゲーションパックNVを構成する2パケットの内の、1つをPCIパケット(Presentation Control Information Packet)、他の1つをDSIパケット(Data Search Information)と称する。すなわち、ナビゲーションパックNVのデータ構造は、映像パックや音声パック等とは異なり、図40(B)に示すように、パックヘッダ(PKH)、システムヘッダ(SYSH)、PCIパケットのパケットヘッダ(PTH)、PCIパケットのデータフィールド、DSIパケットのパケットヘッダ(PTH)、DSIパケットのデータフィールド、を有して構成されている。
【0328】
上記システムヘッダ(SYSH)には、このナビゲーションパックNVを先頭に持つビデオオブジェクトユニットVOBU全体に必要とされる転送レートや、映像ストリーム、音声ストリーム、副映像ストリーム毎に必要とされる転送レートや、バッファサイズ管理情報が、MPEGに準拠して格納されている。
【0329】
また、ナビゲーションパックNVの2個のパケットヘッダのストリームIDには、ナビゲーションパックであることを示す識別コードが設定されている。
【0330】
上記DSIパケットは、早送り再生や巻き戻し再生等の飛び先情報などを含む情報で構成されている。
【0331】
上記PCIパケットは、図40(C)に示すように、所属するビデオオブジェクトユニットVOBUの再生開始時間VOBU_S_PTM(Presentation Start Time of VOBU)や終了時間VOBU_E_PTM(Presentation End Time of VOBU)、セル経過時間C_ELTM(Cell Elapse Time)等を示すPCI一般情報、ユーザからの指示を受け付けるためのメニューにおけるメニュー項目のための制御情報である「ハイライト情報」、などを含んで構成されている。
【0332】
上記ビデオオブジェクトユニットVOBUの再生開始時間VOBU_S_PTMは、PCI情報が含まれるビデオオブジェクトユニットVOBUの再生開始時間をタイムスタンプで表記したものである。
【0333】
上記ビデオオブジェクトユニットVOBUの再生終了時間VOBU_E_PTMは、PCI情報が含まれるビデオオブジェクトユニットVOBU内の再生終了時間をタイムスタンプで表記したものである。
【0334】
上記セル経過時間C_ELTMは、セルの最初のビデオフレームから、ビデオオブジェクトユニットVOBUの最初のビデオフレームまでの相対的な再生時間を、タイムコード(BCD(Binary Coded Decimal)形式の時間、分、秒、およびフレーム)で記述したものである。
【0335】
ナビゲーションパックNVのパケットヘッダのストリームIDには、プライベートストリームであることを示す識別コードが設定されている。
【0336】
なお、上述したように、この画像記録/再生部4に適用されるディスク249の再生時間に関連する情報として、プログラムチェーンPGC内のプログラムの合計再生時間をタイムコードで示したPGC_PB_TM、セルの再生時間をタイムコードで表記したセル再生時間C_PBTM、タイムスタンプで表記されたビデオオブジェクトユニットVOBUの再生開始時間VOBU_S_PTMや終了時間VOBU_E_PTM、およびセル経過時間C_ELTMがある。
【0337】
次に、ディスク249へのデータの記録動作について説明する。
【0338】
まず、第1CPU161が第1操作スイッチ162から録画命令を受けると、ディスクドライブ部4dを介して管理データを読み込み、ディスク249上における書き込む領域を決定する。
【0339】
次に、決定された領域に対して、データを書き込めるように管理領域に管理用のデータを設定し、映像、音声等のデータの書き込みスタートアドレスをディスクドライブ部4dに設定して、上記データを記録する準備を行う。
【0340】
続いて、第1CPU161は、STC部248に時間のリセットを行わせる。ここに、STC部248は、システムのタイマとなっており、該STC部248で計測されている値を基準にして、録画や再生を行うようになっている。
【0341】
第1CPU161は、さらにその他の各種設定についても行う。
【0342】
頭部装着部2により撮像が行われて、該頭部装着部2の送受信部172のモデムから映像が送信されると、画像記録/再生部4では、通信部4aの送受信部163により受信を行う。そして、該送受信部163は、受信データから所定のタイミングで1スロット分のデータを取り出し、この1スロット分のデータの中から同期信号を抽出して、フレーム同期信号を生成する。さらに、該送受信部163は、スクランブル等を解除した後に、再び映像データと音声データとに分離する。
【0343】
上記通信制御部151は、分離された各データの内の、映像データをDSP回路152を介して画像圧縮回路153へ、音声データを音声圧縮回路154へ、それぞれ出力する。
【0344】
フォーマッタ158は、上記各圧縮回路で圧縮された信号を2Kバイト(byte)単位でパケット化し、フォーマッタ158へ出力する。ここに、フォーマッタ158は、STC部248の値に従って、各パケットのPTS(Presentation Time Stamp)、DTS(Decoding Time Stamp)を必要に応じて決定する。
【0345】
さらに、フォーマッタ158は、パケットデータをバッファメモリ159へ一時的に保存して、その後に、入力された各パケットデータをパック化し、グループオブピクチャーGOP毎に、頭にナビゲーションパックNVを追加して、記録再生用データプロセッサ231へ出力する。
【0346】
上記記録再生用データプロセッサ231は、所定数のパック毎にまとめてディスクドライブ部4dへ出力する。ただし、ディスクドライブ部4dがディスク249への記録準備ができていない場合には、記録しようとするデータを、一時的に、記録再生用バッファメモリ232へ転送して、データを記録する準備ができるまで待機する。そして、ディスクドライブ部4dがディスク249への記録準備ができた段階で、該記録再生用バッファメモリ232からデータを読み出して記録を開始する。
【0347】
次に、ビデオデータの再生について説明する。
【0348】
まず、第1CPU161は、再生命令を受けると、記録再生用データプロセッサ231とディスクドライブ部4dとを介して、ビデオデータに関する管理領域のデータを読み込み、再生するアドレスを決定する。
【0349】
次に、第1CPU161は、先ほど決定された再生するデータのアドレスとリード命令とを、ディスクドライブ部4dへ転送する。
【0350】
すると、ディスクドライブ部4dは、受信したアドレスとリード命令とに基づいて、ディスク249からセクタデータを読み出し、記録再生用データプロセッサ231によりエラー訂正を行った後に、パックデータにしてセパレータ233へ転送する。
【0351】
セパレータ233は、受信したパックデータを、映像データと音声データと副映像データとに分離して、それぞれのデータの種類に応じて転送する。つまり、受信したデータが、映像パケットデータ(MPEG2データ)である場合には映像デコーダ(VDEC)234へ、音声パケットデータである場合には音声デコーダ(ADEC)236へ、副映像パケットデータである場合には副映像デコーダ(SDEC)235へ、それぞれ転送する。また、ナビゲーションパックNVは、第1CPU161が処理する際に必要となるために、該第1CPU161の内部メモリであるRAM等へ保存する。
【0352】
各パケットデータは、転送が開始されるときに、ヘッダに含まれているPTS(Presentation Time Stamp)がSTC部248へロードされる(すなわち、第1CPU161がナビゲーションパックNV内のPTSをSTC部248へセットするか、または、映像デコーダ(VDEC)234が映像データのPTSを自動的にSTC部248へセットする)。
【0353】
その後、各デコーダは、パケットデータ内のPTSの値に同期して(PTSとSTC部248の値とを比較しながら)再生処理を行い、映像デコーダ(VDEC)234からの映像データと副映像デコーダ(SDEC)235からの副映像データとが動画プロセッサ237により適宜合成されて、モニタTV239、表示部165、または頭部装着部2のシースルー画像表示部6により音声字幕付きの映像として再生される。
【0354】
なお、映像デコーダ(VDEC)234、副映像デコーダ(SDEC)235、音声デコーダ(ADEC)236は、第1CPU161へも接続されていて、上記第1操作スイッチ162により選択されたモードに応じて、映像、音声、副映像等のマルチメディアデータを、画像記録/再生部4のLCD48等で構成される表示部165へ表示したり、あるいは頭部装着部2のシースルー画像表示部6に表示したりするようになっている。
【0355】
ここに、上記マルチメディアデータを頭部装着部2で再生する場合には、映像データ、音声データ、および副映像データを、通信制御部151、および送受信部163を介して頭部装着部2へ送信することになる。
【0356】
また、上述では、記録媒体としてDVDなどの光ディスクを用いているが、もちろんこれに限るものではなく、例えば半導体メモリ等の記録媒体を用いるようにしても構わない。
【0357】
さらに、上述では、被写体までの距離に対応する位置に、撮影画枠やモードなどの撮影情報を虚像として片方の眼で観察し得るように表示しているが、表示する撮影情報は、上記撮影画枠やモードなどに限るものではなく、撮影に必要な情報を広く表示することが可能である。
【0358】
同様に、上述では、予め定められた位置に、再生された映像を外界に重ねた2つの虚像として左右両眼で観察し得るように表示しているが、両眼で観察する際に表示する映像は、上記再生された映像に限るものではなく、撮影に必要な情報以外の情報を広く表示することが可能である。
【0359】
このような実施例1によれば、撮影情報を被写体とほぼ同一の位置に表示することができるために、撮影被写体と撮影情報との両方に眼のピントを同時に合わせて観察することが可能となる。
【0360】
そして、片方の眼で撮影情報を観察するようにしたために、構成を簡単にすることが可能となる。このとき、撮影中は撮影情報を観察する時間が短いために、片眼による観察であっても眼精疲労を少なくすることができる。
【0361】
一方、撮影情報以外の情報を表示するときには、予め定められた位置に表示するようにしているために、構成を簡単にすることができるとともに、両眼での観察となるために長時間観察したとしても眼精疲労を少なくすることができる。
【0362】
特に、撮影情報以外の情報を表示する所定の位置が、輻輳距離となるようにしているために、輻輳による距離感覚と、水晶体調節による距離感覚とが一致し、長時間の観察における眼精疲労をより低減することが可能となる。
【0363】
このように、長時間観察をする可能性が高く、かつ外界像と同時にピントが合う必要のない情報については所定の位置で両眼により観察することができるようにし、相対的に短時間の観察となり、かつ被写体と同時にピントが合う必要がある撮影情報については、被写体位置において片眼で観察することができるようにしたために、構成が簡単でありながらそれぞれの目的に合った眼精疲労の少ない情報表示装置となる。
【0364】
また、撮影情報に係る虚像の表示位置の調整を、液体レンズにより行うようにしているために、情報表示装置としての画像システムにおける頭部装着部の小型軽量化を図ることができるとともに、アクチュエータによりレンズを駆動して焦点調節するのに比して、駆動音の発生を抑制することができる。従って、特に、頭部に装着して使用するタイプの情報表示装置において、快適な使用感を得ることができる。
【0365】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0366】
本発明は、観察者が実質的に直接観察するものに重畳されるように画像を虚像として表示し得る情報表示装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0367】
【図1】本発明の実施例1における画像システムの使用形態を示す斜視図。
【図2】上記実施例1における頭部装着部を示す正面図。
【図3】上記実施例1における頭部装着部を示す平面図。
【図4】上記実施例1における頭部装着部を示す右側面図。
【図5】上記実施例1において、操作パネルを閉じた状態の画像記録/再生部を示す平面図。
【図6】上記実施例1において、操作パネルを閉じた状態の画像記録/再生部を示す右側面図。
【図7】上記実施例1において、操作パネルを閉じた状態の画像記録/再生部を示す左側面図。
【図8】上記実施例1において、操作パネルに配置された操作スイッチ類を示す平面図。
【図9】上記実施例1において、操作パネルを開いた状態の画像記録/再生部を示す斜視図。
【図10】上記実施例1における頭部装着部の主として電子回路に係る構成を示すブロック図。
【図11】上記実施例1における画像記録/再生部の主として電子回路に係る構成を示すブロック図。
【図12】上記実施例1におけるシースルー画像表示部の光学系の原理を説明するための図。
【図13】上記実施例1において、撮影光軸と2つのシースルー画像表示部の光軸との関係を示す図。
【図14】上記実施例1におけるシースルー画像表示部の光学系の構成を示す一部断面を含む正面図。
【図15】上記実施例1におけるシースルー画像表示部の光学系の構成を示す左側面図。
【図16】上記実施例1において、眼から虚像までの位置を変更する原理を説明するための図。
【図17】上記実施例1において、LCDをアクチュエータにより光軸方向に駆動する構成例を示す図。
【図18】上記実施例1において、LCDの像を一次結像させるようにし、この一次結像の位置を光軸方向に変化させるようにした構成の一例を示す図。
【図19】上記実施例1において、LCDの像を一次結像させるようにし、この一次結像の位置を光軸方向に変化させるようにした構成の他の例を示す図。
【図20】上記図18における液体レンズの詳細な構成を示す図。
【図21】上記実施例1において、撮像部をフレーム部に取り付ける構成を示す平面図および右側面図。
【図22】上記実施例1において、撮像部を取り付けるためにフレーム部に設けられた孔の構成を示す右側面図。
【図23】上記実施例1のシースルー表示における初期状態の表示例を示す図。
【図24】上記実施例1において、テレへのズームが行われたときの表示例を示す図。
【図25】上記実施例1において、ワイドへのズームおよび露出補正が行われたときの表示例を示す図。
【図26】上記実施例1において、電子ビュー表示を行うときの表示例を示す図。
【図27】上記実施例1において、動画を録画中の表示例を示す図。
【図28】上記実施例1において、マニュアルモード時の表示例を示す図。
【図29】上記実施例1において、撮影光学系の焦点距離が焦点調節可能な下限値に達しているにもかかわらず、さらに小さい方へ操作されようとしている場合にシースルー表示される警告表示の例を示す図。
【図30】上記実施例1において、撮影光学系の焦点距離が焦点調節可能な上限値に達しているにもかかわらず、さらに大きい方へ操作されようとしている場合にシースルー表示される警告表示の例を示す図。
【図31】上記実施例1において、静止画を撮影する操作が行われたときの表示例を示す図。
【図32】上記実施例1における画像システムの動作の他の一部を示すフローチャート。
【図33】上記実施例1における画像システムの動作の一部を示すフローチャート。
【図34】上記実施例1における、ディスクの論理構造を示す図。
【図35】上記実施例1における、ビデオタイトルセットVTSのファイル構成を示す図。
【図36】上記実施例1における、ビデオタイトルセット管理情報VTSIの構成を示す図。
【図37】上記実施例1における、映像パックのデータ構造を示す図。
【図38】上記実施例1における、音声パックのデータ構造を示す図。
【図39】上記実施例1における、副映像パックのデータ構造を示す図。
【図40】上記実施例1における、ナビゲーションパックの構造を示す図。
【符号の説明】
【0368】
1…画像システム
2…頭部装着部
4…画像記録/再生部
4a…通信部
4b…記録部(映像データ記録手段)
4c…再生部(映像データ読出手段)
4d…ディスクドライブ部(映像データ読出手段、映像データ記録手段)
6…シースルー画像表示部(表示手段)
6a…シースルー画像表示部(第1の表示手段、第2の表示手段)
6b…シースルー画像表示部(第2の表示手段)
8…通信部(受信手段、送信手段)
11…フロント部
12…テンプル部
13…フレーム部
14,15…透明光学部材
16…投光用発光部
16a…投光用LED
16b…集光レンズ
17…第1マイク
18…第2マイク
19…鼻パッド
20…リム
21,22…視度調整用のレンズ
24,25…ホログラフィー光学素子(HOE)
26…先セルモダン
27…収納部
30…撮像部(撮像手段、測距手段、カメラ)
31…撮影光学系
32…スピーカ
33…台座
34,35,36,37…ビス
39…スイッチ
41…本体部
42…操作パネル
44…電源スイッチ
48…LCD表示素子(表示手段)
50…AV/S接続端子
51…PC接続端子
54…ディスク挿入口
55…バッテリ挿入口
56…スピーカ
59…再生/停止スイッチ
61,62…スイッチ
63…メニューボタン
65…確定スイッチ
66,67,68,69…メニュー選択スイッチ
71…FA/A/Mスイッチ
72…F/Vスイッチ
73…レリーズスイッチ
74…録画スイッチ
75…ズームスイッチ
76…露出補正スイッチ
78,79…丁番
87…CCD(撮像素子)
88…CDS/AGC回路
89…A/D変換回路
90…タイミングジェネレータ(TG)
91…CCDドライバ
92,93,94…超音波モータ(USM)
95…USMドライバ
96…絞りシャッタドライバ
97…オート露出処理回路(AE処理回路)
98…オートフォーカス処理回路(AF処理回路)
102…EEPROM
103…第2CPU
104…メモリ
111…第3CPU
112,112’…LEDドライバ
113,113’…LED
114,114’…集光レンズ
115,115’…LCD表示素子
116,116’…ホログラフィー光学素子(HOE)
117,117’…LCDドライバ
118…LEDドライバ
121…液体レンズ
121’…レンズ
122…電圧制御回路
123…タイマ
151…通信制御部
152…DSP回路
153…画像圧縮回路
154…音声圧縮回路
157…副映像圧縮回路
158…フォーマッタ
159…バッファメモリ
161…第1CPU(制御手段)
162…第1操作スイッチ
163…送受信部
164…電源回路
165…表示部
171…第2操作スイッチ
172…送受信部
173…通信制御部
174…電源回路
181…電気回路基板
182,183…導光部材
191,193…孔
192,194…長孔
201…撮影画枠
202,204,205,210…情報表示
203…電子画像
208,209…警告表示
231…記録再生用データプロセッサ
232…記録再生用バッファメモリ
233…セパレータ
234…映像デコーダ(VDEC)
235…副映像デコーダ(SDEC)
236…音声デコーダ(ADEC)
237…動画プロセッサ
238…D/A変換器(DAC)
239…モニタTV
240…D/A変換器(DAC)
245…サーボ回路
246…ピックアップ部
247…モータ
248…STC部
249…ディスク(記録媒体)
251,255…ラック
252,256…アクチュエータ
253…結像レンズ
254…一次結像面の位置
261a…円筒
261b,261c…円板
262a,262b…電極
263…絶縁体
264…疎水性コーティング
265…伝導性液体
266…非伝導液体
代理人 弁理士 伊 藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体までの距離に相応した位置に、撮影に必要な所定の撮影情報を表わす虚像を、片方の眼で観察し得るように表示する第1の表示手段と、
所定距離の位置に、上記撮影情報以外の情報を表わす2つの虚像を、両眼で観察し得るように外界に重畳して表示する第2の表示手段と、
を具備したことを特徴とする情報表示装置。
【請求項2】
上記第2の表示手段は、上記所定距離としての輻輳距離の位置に、上記2つの虚像を表示するものであることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
上記第1の表示手段は、
画像を生成するための表示素子と、
上記表示素子により生成された画像を、観察者が実質的に直接観察する観察対象に重畳されるように、虚像として表示するための光学素子と、
上記表示素子と上記光学素子との間に配設されていて、レンズの形状を変化させて焦点距離を調整することにより、上記光学素子から上記虚像までの距離を調整するための液体レンズと、
を有して構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2006−50165(P2006−50165A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227213(P2004−227213)
【出願日】平成16年8月3日(2004.8.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】