説明

情報装置

【課題】RFIDタグに対する確実かつ効率的な書き込み処理を実現すること。
【解決手段】本発明にかかる情報装置100は、RFIDタグ121に対して情報の読み取りおよび書き込みを行うRFID処理部3と、光学情報記録媒体122に対して情報の読み取りを行う光学情報読み取り部4と、RFID処理部3と光学情報読み取り部4とが読み取ったRFIDタグ121の情報と光学情報記録媒体122の情報とをそれぞれ照合し、この照合の結果、RFIDタグ121の情報と光学情報記録媒体122の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、この共通情報を有するRFIDタグ121の識別情報を出力する照合部91と、RFID処理部3に対して照合手段が出力した識別情報を有するRFIDタグ121に対して情報の書き込みを指示する書き込み制御部92と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、少なくとも所定の識別情報が記録された第1の情報媒体と第2の情報媒体とに対して非接触で情報の読み取りおよび/または書き込みを行う情報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無線通信システムの1つとして、RFID(Radio Frequency Identification)システムが開発されており、入退室管理、商品管理等に利用されている。RFIDシステムでは、識別情報等を記憶するRFIDタグを個人認証カードなどの管理対象に付し、専用の情報端末装置がRFIDタグに対して所定周波数の電波を用いて読取処理、書込処理を行なうことによって管理対象を管理している。
【0003】
近年、RFIDタグの情報の読み取りおよび書き込みを行う情報装置として、RFIDタグの情報の読み書きを行う機能のほかに、符号化された各種の情報を表示した光学情報記録媒体の情報を光学的に読み取る機能をさらに備えた情報装置が開発されている。このような情報装置として、RFIDタグおよび光学情報記録媒体のいずれが存在するのかを判断し、存在する情報媒体の種別に対応した読み取り処理を行うなど各種機能を備えた情報装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−348133号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、情報装置は、所定周波数の電波の送受信をRFIDタグとの間で行うことによって、RFIDタグに対して情報の読み取りおよび書き込みを行っている。情報装置では、まず、RFIDタグに記憶された識別情報を読み取り、読み取った識別情報のうち、書き込み対象であるRFIDタグの識別情報を付して情報の書き込みを要求する電波を送信することによって書き込み処理を行っている。
【0006】
しかしながら、情報装置の通信エリア内に複数のRFIDタグが存在する場合、読み取ったRFIDタグの識別情報のうち、いずれの識別情報が書き込み対象であるRFIDタグの識別情報であるかを判別することが困難であった。また、誤った識別情報を付して情報の書き込みを要求する電波を送信した場合、書き込み対象であるRFIDタグと異なるRFIDタグに対して情報を書き込んでしまい、書き込み処理を確実に行うことができなかった。特に、管理対象が重なり合って配置されている場合には、書き込み処理の確実性を確保することが困難であった。また、書き込み処理を確実に行うため、通信エリア内にRFIDタグを一枚ずつ配置して書き込み処理を行った場合、書き込み処理を効率よく行うことができなかった。
【0007】
この発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、RFIDタグに対する情報の書き込みの確実化および書き込み処理効率の向上化を可能とする情報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる情報装置は、少なくとも所定の識別情報が記録された第1の情報媒体と第2の情報媒体とに対して非接触で情報の読み取りおよび/または書き込みを行う情報装置において、当該情報装置が読み取った前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とをそれぞれ照合し、該照合の結果、前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、前記第1の情報媒体に対して情報の書き込みを行うことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる情報装置は、前記第1の情報媒体に対して情報の読み取りおよび書き込みを行う読取書込手段と、前記第2の情報媒体に対して少なくとも情報の読み取りを行う読み取り手段と、前記読取書込手段と前記読み取り手段とが読み取った前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とをそれぞれ照合し、該照合の結果、前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、前記第1の情報媒体の識別情報を検出する照合手段と、前記照合手段が検出した識別情報が記録された前記第1の情報媒体への情報の書き込みを前記読取書込手段に対して指示する制御手段と、を備え、前記読取書込手段は、前記制御手段が情報の書き込みを指示した前記第1の情報媒体に対して情報を書き込むことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる情報装置は、少なくとも所定の識別情報が記録された第1の情報媒体と第2の情報媒体とに対して非接触で情報の読み取りおよび/または書き込みを行う情報装置において、当該情報装置が読み取った前記第2の情報媒体の情報のうち前記第1の情報媒体を特定する情報がある場合、該第1の情報媒体に対して情報の書き込みを行うことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる情報装置は、前記第2の情報媒体が有する情報は、前記第1の情報媒体に記録された識別情報を含むことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる情報装置は、前記第1の情報媒体に対して情報の読み取りおよび書き込みを行う読取書込手段と、前記第2の情報媒体に対して少なくとも情報の読み取りを行う読み取り手段と、前記読み取り手段が読み取った前記第2の情報媒体の情報のうち前記第1の情報媒体を特定する識別情報がある場合、該識別情報が記録された前記第1の情報媒体への情報の書き込みを前記読取書込手段に対して指示する制御手段と、を備え、前記読取書込手段は、前記制御手段が情報の書き込みを指示した前記第1の情報媒体に対して情報を書き込むことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる情報装置は、前記読取書込手段は、所定周波数の電波を介して、前記第1の情報媒体に対して情報の読み取りおよび書き込みを行い、前記読み取り手段は、前記第2の情報媒体の情報を光学的に読み取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる情報装置によれば、当該情報装置が読み取った第1の情報媒体の情報と第2の情報媒体の情報とをそれぞれ照合し、該照合の結果、第1の情報媒体の情報と第2の情報媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、第1の情報媒体に対して情報の書き込みを行うことによって、第1の情報媒体に対する情報の書き込み処理を確実かつ効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である情報装置について説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0016】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1にかかる情報装置について説明する。本実施の形態1にかかる情報装置は、当該情報装置が読み取ったRFIDタグの情報と光学情報記録媒体の情報とをそれぞれ照合し、RFIDタグの情報と光学情報記録媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、この共通情報を備えたRFIDタグに対して情報の書き込みを行う。図1は、本実施の形態1にかかる情報装置の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
図1には、本実施の形態1にかかる情報装置100のほか、RFIDタグ121および光学情報記録媒体122を付した管理対象120も示す。ここで、RFIDタグ121とは、所定周波数の応答要求電波に応じて、蓄積した識別情報等の各種情報に対応する応答電波を送信する情報媒体であり、RFIDタグが蓄積する各種情報は、書き込みおよび読み取りを指示する所定周波数の電波を介して、読出しが可能であるとともに、書き込み、書き換えが可能である。また、光学情報記録媒体122とは、符号化された各種の情報を表示した情報媒体である。情報装置100を備えた通信システムでは、管理対象120にそれぞれRFIDタグ121および光学情報記録媒体122が付され、情報装置100を用いることによって、RFIDタグ121および光学情報記録媒体122の情報を読み取り、RFIDタグ121の情報の書き換えおよび情報の書き込みを行うことによって、管理対象120を管理する。
【0018】
また、図1に示すように、情報装置100は、入力部2と、RFID処理部3と、光学情報読み取り部4と、出力部5と、外部通信部6と、ストレージデバイス7と、記憶部8と、制御部9とを備える。RFID処理部3は、アンテナ31を備える。制御部9は、照合部91と、書き込み制御部92とを備える。入力部2と、RFID処理部3と、出力部5と、外部通信部6と、ストレージデバイス7と、記憶部8とは、制御部9に電気的に接続される。
【0019】
入力部2は、情報装置100の動作指示および情報装置100が行なう処理の指示情報を入力し、各指示情報の入力を受け付けるとともに受け付けた指示情報の内容を制御部9に送出する。
【0020】
RFID処理部3は、制御部9の制御のもと、所定周波数の電波を介して、RFIDタグ121の情報を読み取るRFID読み取り処理およびRFIDタグ121に情報を書き込む書き込み処理を行う。
【0021】
RFID読み取り処理では、RFID処理部3は、RFIDタグ121に対して応答を求める指示に対応した電気信号を必要に応じて増幅、変調し、アンテナ31に送出する。RFID処理部3は、アンテナ31に対して、この電気信号に対応する応答要求電波を送信させるよう制御する。また、RFID処理部3は、アンテナ31を介してRFIDタグ121からの応答電波を受信する。RFID処理部3は、この応答電波に対応する電気信号を必要に応じて復調し、RFIDタグ121に記録された識別情報等を取得する。RFID処理部3は、取得した識別情報等を制御部9に送出し、RFIDタグ121の情報を読み取る読み取り処理を達成する。書き込み処理では、RFID処理部3は、書き込み対象であるRFIDタグ121の識別情報と情報の書込みを求める指示とに応じた電気信号を必要に応じて増幅、変調し、アンテナ31に送出する。RFID処理部3は、アンテナ31に対して、この電気信号に対応する電波を送信させて、RFIDタグ121に対する書き込み処理を行なう。なお、RFID処理部3は、RFIDタグ121がバッテリー機能を備えていない場合には、所定周波数の電波を送信してRFIDタグ121に電力供給を行なう場合がある。
【0022】
アンテナ31は、RFID処理部3の制御のもと、通信エリア内に存在するRFIDタグ121との間において、所定周波数の電波を送受信する。アンテナ31は、RFID処理部3から入力された電気信号に対応する所定の電波をRFIDタグ121に対して送信する。また、アンテナ31は、RFIDタグ121から送信された応答電波を受信し、受信した応答電波に対応する電気信号をRFID処理部3に送出する。
【0023】
光学情報読み取り部4は、光学情報記録媒体122に対して赤外光または可視光を送信する半導体レーザ素子または発光ダイオード等の光源と、この光学情報記録媒体122からの反射光を受信するフォトセンサ等の受光素子とによって実現され、受信した光を処理することによって、光学情報記録媒体122の情報を取得する。CCD(Charge Coupled Diode)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等と、結像した入力光を電気信号に変換する光電変換部と、光電変換部からの入射光を結像させる光学系とによって実現され、光学情報記録媒体122を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、光学情報記録媒体122の情報を読み取ってもよい。
【0024】
出力部5は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイおよび発光ダイオードなどによって実現され、制御部9の制御のもと、RFIDタグ121および光学情報記録媒体122の情報などの各種情報を表示出力する。また、出力部5は、マイクロフォンおよびスピーカーによって実現され、外部からの音声情報の入力および制御部9から入力された音声情報の外部への出力を行なう。なお、出力部5は、各構成部位による処理の開始または完了を報知する所定の報知表示および/または報知音声を出力し、または、情報装置100において処理動作に関するエラーが発生した場合に、このエラーを報知する所定のエラー表示および/またはエラー音声を出力してもよい。また、光学情報読み取り部4が光学情報記録媒体122を撮像するように機能する場合、出力部5は、制御部9における制御のもと、光学情報読み取り部4によって撮像された画像情報を表示出力してもよい。
【0025】
外部通信部6は、RS232C、USB、またはIEEE1394等の外部通信用インターフェース、あるいはIrDA規格に準拠した赤外線通信インターフェース等を用いて実現され、外部のホストコンピュータ(図示せず)等に対する情報通信を行う。
【0026】
ストレージデバイス7は、制御部9の制御のもと、外部から挿入されたスマートメディア、メモリスティック、マルチメディアカード、またはSDメモリカード等の記憶媒体を駆動させて、記憶媒体に記憶される情報を読み取る。さらに、ストレージデバイス7は、制御部9の制御のもと、制御部9から入力された情報を記憶媒体に対して記録するように機能してもよい。なお、記憶媒体は、ストレージデバイス7に対して着脱可能である。
【0027】
記憶部8は、処理プログラム等の各種データが予め記憶されたROM(Read Only Memory)と、各処理の演算パラメータ、情報記録媒体から読み取られた各種情報、あるいは音声情報等を記憶するRAM(Random Access Memory)とを用いて実現される。
【0028】
制御部9は、記憶部8に記憶された処理プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を備える。また、入力部2、RFID処理部3、光学情報読み取り部4、出力部5、外部通信部6、ストレージデバイス7および記憶部8の各処理または動作を制御する。この場合、制御部9は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行い、この情報に対して所定の情報処理を行う。制御部9は、外部通信部6を介して、RFID処理部3、光学情報読み取り部4から入力された情報を外部の管理装置に送出し、その後、この管理装置によって情報処理がなされた情報を受信してもよい。
【0029】
照合部91は、RFID処理部3が読み取ったRFIDタグ121の情報と光学情報読み取り部4が読み取った光学情報記録媒体122の情報とをそれぞれ照合する。照合部91は、この照合の結果、RFIDタグ121の情報と光学情報記録媒体122の情報との少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、この共通情報を備えたRFIDタグ121の識別情報を検出し、照合結果として書き込み制御部92に出力する。本実施の形態1では、RFIDタグ121の情報と光学情報記録媒体122の情報との少なくとも一部が一致する共通情報を備えたRFIDタグ121が書き込み処理の対象であるRFIDタグ121となる。
【0030】
書き込み制御部92は、照合部91から出力された識別情報を有するRFIDタグ121が書き込み対象であるRFIDタグ121であるとして、RFID処理部3に対して、この識別情報が記憶されたRFIDタグ121への書き込み処理を指示する。
【0031】
つぎに、情報装置100におけるRFIDタグ121に対する書き込み処理について説明する。ここで、情報装置100は、図1に示すように、複数の管理対象120が重なり合った管理対象群120Aのうち、所定の管理対象120に付されたRFIDタグ121に対して書き込み処理を行う場合について説明する。図2は、情報装置100におけるRFIDタグ121に対する書き込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0032】
図2に示すように、制御部9は、入力部2から出力されたRFIDタグ121に対する書き込み処理を指示する指示情報を入力され(ステップS102)、書き込み処理を開始する。
【0033】
まず、情報装置100は、管理対象群120Aの中から、書き込み処理の対象であるRFIDタグ121が付された管理対象120を選択し、光学情報読み取り部4において、この管理対象120に付された光学情報記録媒体122の読み取り処理を行う(ステップS104)。光学情報読み取り部4において読み取られた光学情報記録媒体122の情報は、制御部9に出力される。つぎに、情報装置100は、RFID処理部3において、通信エリア内に位置する全ての管理対象120に付されたRFIDタグ121の情報を一括で読み取るRFID一括読み取り処理を行う(ステップS106)。RFID処理部3において読み取られたRFIDタグ121の情報は、制御部9に出力される。
【0034】
照合部91は、制御部9に出力されたRFIDタグ121の所定の情報と光学情報記録媒体122の所定の情報とをそれぞれ照合し、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121があるか否かを判断する照合処理を行う(ステップS108)。照合部91は、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121がある場合には、このRFIDタグ121の識別情報を検出し、この識別情報を照合結果として書き込み制御部92に出力する。また、照合部91は、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121がない場合には、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121がないことを書き込み制御部92に対して通知する。
【0035】
書き込み制御部92は、照合部91における照合結果をもとに、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121があったか否かを判断する(ステップS110)。
【0036】
書き込み制御部92は、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121があったと判断した場合には(ステップS110:Yes)、RFID処理部3に対して、書き込み指示を行う(ステップS112)。具体的には、書き込み制御部92は、照合部91から出力された照合結果における識別情報を書き込み指示とともにRFID処理部3に出力し、RFID処理部3に対して、この識別情報を付して情報の書き込みを指示する電波を送信させる。RFID処理部3は、書き込み制御部92による書き込み指示にしたがって、この識別情報を有するRFIDタグ121に対して書き込み処理を行う(ステップS114)。
【0037】
一方、書き込み制御部92は、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121がないと判断した場合には(ステップS110:No)、出力部5に対して、光学情報記録媒体122の所定の情報と一致する情報を有するRFIDタグ121がなく、指示された書き込み処理を行うことができなかったことを報知させるため、所定の警告表示または警告音声を出力させる。出力部5は、書き込み制御部92の制御のもと、所定の警告表示または警告音声を出力する警告出力を行う(ステップS116)。
【0038】
つぎに、図2に示す情報装置100の処理手順について具体的に説明する。図3は、照合部91が行う照合処理を説明する図であり、情報装置100によって読み取られた光学情報記録媒体121の情報とRFIDタグ122の情報の一部を例示している。
【0039】
たとえば、図3に示すように、照合部91は、RFID処理部3がRFID一括読み取り処理において読み取ったRFIDタグ121の情報と、光学情報読み取り部4が光学情報読み取り処理において読み取った光学情報記録媒体122の情報とのうち、社員番号を所定の情報として照合を行う。
【0040】
照合部91は、光学情報記録媒体122の読み取り情報のうち社員番号情報を含む光学読み取り情報122Aと、RFIDタグ121の読み取り情報のうち社員番号情報を含むRFIDタグ情報121Aとを比較する。RFID一括読み取り処理では、RFID処理部3は、通信エリア内に位置する全ての管理対象120に付されたRFIDタグ121の情報を読み取っている。このため、RFIDタグ情報121Aには、複数のRFIDタグ121にそれぞれ対応する社員番号情報が含まれている。
【0041】
したがって、照合部91は、光学読み取り情報122Aにおける社員番号情報を、RFIDタグ情報121Aにおける社員番号情報のそれぞれと順次比較する。図3に示すように、照合部91は、図3に示すように、光学読み取り情報122Aの社員番号情報とRFIDタグ情報121Aの読み取り番号「1」,「2」,「3」,「4」の社員番号情報とを比較する。この場合、RFIDタグ情報121Aの読み取り番号「1」,「2」,「3」,「4」の社員番号情報のうち、読み取り番号「4」の社員番号情報が光学読み取り情報122Aの社員番号情報と一致する。このため、照合部91は、図2に示す照合処理において、読み取り番号「4」の識別情報「987654」を検出し、書き込み制御部92に出力する。書き込み制御部92は、RFID処理部3に対して、読み取り番号「4」の識別情報「987654」を備えたRFIDタグ121への情報の書き込みを行わせる。
【0042】
図4に示すように、情報装置100では、照合部91は、管理対象120aに付されたRFIDタグ121aに情報の書き込みを行う場合、走査光を照射し光学情報読み取り部4が読み取った光学情報記録媒体122aの情報と、所定周波数の電波を介してRFID処理部3が読み取ったRFIDタグ121a,121bとのいずれの情報が一致するかを照合する。書き込み制御部92は、光学情報記録媒体122aの情報と一致する情報を有するRFIDタグ121aを特定して、このRFIDタグ121aに対する書き込み処理をRFID処理部3に行わせる。このため、管理対象120a,120bが重なりあっている場合であっても、情報の書き込み対象であるRFIDタグ121aを特定して、情報の書き込みを指示する電波を送信することができ、RFIDタグ121aに対して確実に情報を書き込むことができる。したがって、情報装置100は、通信エリア内に位置する他の管理対象120bに付されたRFIDタグ121bを特定した書き込み指示電波を送信せず、RFIDタグ121bに対して情報を書き込むことはない。
【0043】
このように、本実施の形態1にかかる情報装置100は、RFIDタグ121の情報を読み取るとともに、情報の書き込み対象であるRFIDタグ121が付された管理対象120における光学情報記録媒体122の情報を読み取る。その後、情報装置100は、読み取ったRFIDタグ121の情報と光学情報記録媒体122の情報とをそれぞれ照合し、この照合の結果、光学情報記録媒体122の所定の情報とRFIDタグ121の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、この共通情報を備えたRFIDタグ121を特定して情報の書き込みを行う。このため、情報装置100によれば、RFIDタグ121が付された管理対象120が通信エリア内に複数存在していた場合であっても、情報装置100によって情報を読み取った光学情報記録媒体122が付された管理対象120のRFIDタグ121に対して書込み処理を行うため、操作者は、どのRFIDタグ121に対して書き込み処理を行ったかを明確に判別することができる。
【0044】
また、本実施の形態1にかかる情報装置100によれば、光学情報記録媒体122の所定情報と一致する所定情報を備えたRFIDタグ121を特定した上で、情報を書き込むため、書き込み対象であるRFIDタグ121への書き込み処理を確実に行うことが可能である。
【0045】
さらに、情報装置100によれば、RFIDタグ121をそれぞれ付した管理対象120が重なり合った状態であっても、情報の書き込み対象であるRFIDタグ121に対して確実に書き込み処理を行うことができるため、通信エリア内にRFIDタグを一枚ずつ配置した状態で書き込み処理を行う必要がなく、書き込み処理を効率よく行うことができる。
【0046】
なお、本実施の形態1では、図2に示すように、光学情報読み取り処理(ステップS104)を行った後に、RFID一括読み取り処理(ステップS106)を行う場合について説明したが、これに限らず、光学情報読み取り処理の前にRFID一括読み取り処理を行なってもよく、また、光学情報読み取り処理とRFID一括読み取り処理とを同時に行ってもよい。光学情報読み取り処理とRFID一括読み取り処理とは、光学情報読み取り処理において読み取った光学情報記録媒体122の情報とRFID一括読み取り処理において読み取ったRFIDタグ121の情報とを照合する照合処理の前に行えば足りる。
【0047】
また、本実施の形態1では、照合部91が照合する所定情報として社員番号情報を例として説明したが、これに限らず、所属部署情報などでもよい。また、RFIDタグ121および光学情報記録媒体122が付された管理対象120の製造年月日、製造工程および製造工場などの製造情報、製品名およびバージョン情報などの製品情報、前回メンテナンスを行った年月日やメンテナンス内容などのメンテナンス情報、管理対象120の移動先情報およびRFIDタグ121の識別情報などでもよい。
【0048】
また、本実施の形態1では、図2に照合処理として、照合部91が、光学情報記録媒体122の所定情報とRFIDタグ121の所定情報とが全て一致するか否かを判断する場合について説明したが、これに限らず、所定情報の一部が一致するか否かを判断してもよい。照合部91は、たとえば、社員番号情報を比較する場合には、先頭3桁の情報が一致するか否かを判断してもよい。
【0049】
また、本実施の形態1では、管理対象群120Aのうち1つの管理対象120に付されたRFIDタグ121を特定し書き込み処理を行った場合について説明したが、これに限らず、複数の管理対象120にそれぞれ付されたRFIDタグ121に対して書き込み処理を行ってもよい。
【0050】
たとえば、2つの管理対象120にそれぞれ付されたRFIDタグ121に対して書き込み処理を行う場合には、まず、一枚書き込みモードまたは複数書き込みモードのいずれかを選択し、書き込み処理を行うRFIDタグ121の数量「2」を選択指示する。つぎに、図2に光学情報読み取り処理(ステップS104)において、光学情報読み取り部4は、書き込み対象であるRFIDタグ121が付された管理対象120の光学情報記録媒体122の情報をそれぞれ読み取る。その後、RFID処理部3がRFID一括読み取り処理(ステップS106)を行う。照合部91は、光学情報読み取り処理において読み取られた2つの光学情報記録媒体122の所定情報と、RFIDタグ一括読み取り処理において読み取られたRFIDタグ121の所定情報とをそれぞれ照合する。照合部91は、光学情報読み取り処理において読み取られた2つの光学情報記録媒体122の所定情報と一致する所定情報を有するRFIDタグ121をそれぞれ特定し、このRFIDタグ121の各識別情報を書き込み制御部92に出力する。RFID処理部3は、各識別情報を有するRFIDタグ121に対して情報の書き込みを指示する電波をそれぞれ送信し、書き込み処理を行なう。
【0051】
また、本実施の形態1では、光学情報読み取り部4は、符号化された各種の情報を表示した光学情報記録媒体122を読み取る場合に説明したが、これに限らず、管理対象120の表面に記載された文字情報を読み取ってもよい。この場合、光学情報読み取り部4は、文字情報が記載された管理対象120に光を照射し、この反射光の強弱をもとに前もって記憶されたパターンとの照合により文字を特定し、記載された文字情報を読み取っている。
【0052】
また、情報装置100は、光学情報読み取り部4が読み取った情報をさらに処理した情報と、RFID処理部3が読み取った情報とを照合してもよい。たとえば、図5の光学情報122Bに示すように、光学情報記録媒体122から読み取った読み取り情報が社員氏名情報である場合を例に説明する。たとえば、記憶部8に各社員氏名情報に応じた社員番号情報を対応づけた関係テーブルが記憶されていた場合、照合部91は、この関係テーブルを参照し、光学情報記録媒体122から読み取った社員指名情報に対応する社員番号情報を取得する。この結果、図5に示すような光学情報122Bが生成される。その後、照合部91は、光学情報122Bの社員番号情報とRFIDタグ情報121Aの各社員番号情報とを照合し、照合処理を行う。この場合も、書き込み処理の対象であるRFIDタグ121に対して、確実かつ効率的に書き込み処理を行うことができる。
【0053】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態1にかかる情報装置は、情報装置が読み取ったRFIDタグの情報と光学情報記録媒体の情報とをそれぞれ照合し、RFIDタグの情報と光学情報記録媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致するRFIDタグに対して情報の書き込みを行ったが、実施の形態2にかかる情報装置は、情報装置が読み取った光学情報記録媒体のうち、RFIDタグを特定する情報があった場合、このRFIDタグに対して情報の書き込みを行う。
【0054】
図6は、実施の形態2にかかる情報装置の概略構成を示すブロック図である。図6には、本実施の形態2にかかる情報装置200のほか、RFIDタグ121および光学情報記録媒体222を付した管理対象220も示す。ここで、光学情報記録媒体222が有する情報には、同じ管理対象220に付されたRFIDタグ121の識別情報が含まれる。
【0055】
図6に示すように、情報装置200は、実施の形態1にかかる情報装置100と比較し、書き込み制御部92に代えて書き込み制御部292を有する制御部290を備える。このように、情報装置200は、情報装置100と比較し、照合部91を削除した構成を有する。書き込み制御部292は、光学情報読み取り部4が読み取った光学情報記録媒体222の情報のうちRFIDタグ121を特定する識別情報がある場合、このRFIDタグ121に対する書き込み処理をRFID処理部3に対して指示する。光学情報記録媒体222が有する情報の中には、同じ管理対象220に付されたRFIDタグ121の識別情報が含まれるため、書き込み制御部292は、光学情報読み取り部4が読み取った光学情報記録媒体222の情報に含まれるRFIDタグ121の識別情報を参照し、この識別情報を有するRFIDタグ121への書き込み処理を指示する。
【0056】
つぎに、図6に示す情報装置200における書き込み処理について説明する。図7は、情報装置200におけるRFIDタグ121に対する書き込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0057】
図7に示すように、制御部290は、実施の形態1と同様に、入力部2から出力されたRFIDタグ121に対する書き込み処理を指示する指示情報を入力され(ステップS202)、書き込み処理を開始する。
【0058】
まず、情報装置200は、管理対象群220Aの中から、書き込み処理の対象であるRFIDタグ121が付された管理対象220を選択し、光学情報読み取り部4において、この管理対象220に付された光学情報記録媒体の読み取り処理を行う(ステップS204)。光学情報読み取り部4において読み取られた光学情報記録媒体222の情報は、制御部290に出力される。
【0059】
書き込み制御部292は、光学情報読み取り部4が読み取った光学情報記録媒体222の情報のうち、RFIDタグ121の識別情報を参照する。この識別情報は、この光学情報記録媒体222と同じ管理対象220に付されたRFIDタグ121の識別情報となる。書き込み制御部292は、この識別情報が記録されたRFIDタグ121を書き込み処理の対象として指示する(ステップS206)。書き込み制御部292は、この識別情報を書き込み指示とともにRFID処理部3に出力し、RFID処理部3に対して、この識別情報を付して情報の書き込みを指示する電波を送信させる。RFID処理部3は、書き込み制御部292による書き込み指示にしたがって、この識別情報が記録されたRFIDタグ121に対して書き込み処理を行う(ステップS208)。
【0060】
このように、実施の形態2では、同じ管理対象220に付されたRFIDタグ121の識別情報を含む情報が記録された光学情報記録媒体222の情報を読み取ることによって、書き込み処理の対象であるRFIDタグ121を特定している。この結果、実施の形態2にかかる情報装置200は、実施の形態1にかかる情報装置100と同様の効果を奏することが可能である。
【0061】
なお、実施の形態1,2では、RFIDタグの情報を読み取るRFID処理部3を備えた情報装置100,200について説明したが、これに限らず、所定周波数の電波を用いて、識別情報記録媒体との間で無線通信を行なう無線通信処理部を備えた情報装置に適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1にかかる情報装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す情報装置におけるRFIDタグに対する書き込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す照合部における照合処理を説明する図である。
【図4】図1に示す情報装置における書き込み処理を説明する図である。
【図5】図1に示す照合部における照合処理を説明する図である。
【図6】実施の形態2にかかる情報装置の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す情報装置におけるRFIDタグに対する書き込み処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
100,200 情報装置
2 入力部
3 RFID処理部
31 アンテナ
4 光学情報読み取り部
5 出力部
6 外部通信部
7 ストレージデバイス
8 記憶部
9,290 制御部
91 照合部
92,292 書き込み制御部
120,120a,120b,220 管理対象
121,121a,121b RFIDタグ
121A RFIDタグ情報
122,122a,222 光学情報記録媒体
122A 光学読み取り情報
122B 光学情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも所定の識別情報が記録された第1の情報媒体と第2の情報媒体とに対して非接触で情報の読み取りおよび/または書き込みを行う情報装置において、
当該情報装置が読み取った前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とをそれぞれ照合し、該照合の結果、前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、前記第1の情報媒体に対して情報の書き込みを行うことを特徴とする情報装置。
【請求項2】
前記第1の情報媒体に対して情報の読み取りおよび書き込みを行う読取書込手段と、
前記第2の情報媒体に対して少なくとも情報の読み取りを行う読み取り手段と、
前記読取書込手段と前記読み取り手段とが読み取った前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とをそれぞれ照合し、該照合の結果、前記第1の情報媒体の情報と前記第2の情報媒体の情報とのうち少なくとも一部が一致する共通情報がある場合、前記第1の情報媒体の識別情報を検出する照合手段と、
前記照合手段が検出した識別情報が記録された前記第1の情報媒体への情報の書き込みを前記読取書込手段に対して指示する制御手段と、
を備え、
前記読取書込手段は、前記制御手段が情報の書き込みを指示した前記第1の情報媒体に対して情報を書き込むことを特徴とする請求項1に記載の情報装置。
【請求項3】
少なくとも所定の識別情報が記録された第1の情報媒体と第2の情報媒体とに対して非接触で情報の読み取りおよび/または書き込みを行う情報装置において、
当該情報装置が読み取った前記第2の情報媒体の情報のうち前記第1の情報媒体を特定する情報がある場合、該第1の情報媒体に対して情報の書き込みを行うことを特徴とする情報装置。
【請求項4】
前記第2の情報媒体が有する情報は、前記第1の情報媒体に記録された識別情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の情報装置。
【請求項5】
前記第1の情報媒体に対して情報の読み取りおよび書き込みを行う読取書込手段と、
前記第2の情報媒体に対して少なくとも情報の読み取りを行う読み取り手段と、
前記読み取り手段が読み取った前記第2の情報媒体の情報のうち前記第1の情報媒体を特定する識別情報がある場合、該識別情報が記録された前記第1の情報媒体への情報の書き込みを前記読取書込手段に対して指示する制御手段と、
を備え、
前記読取書込手段は、前記制御手段が情報の書き込みを指示した前記第1の情報媒体に対して情報を書き込むことを特徴とする請求項4に記載の情報装置。
【請求項6】
前記読取書込手段は、所定周波数の電波を介して、前記第1の情報媒体に対して情報の読み取りおよび書き込みを行い、
前記読み取り手段は、前記第2の情報媒体の情報を光学的に読み取ることを特徴とする請求項2または5に記載の情報装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate