説明

情報記憶媒体、情報記録方法、情報再生方法

【課題】記録可能メディアの性能向上を図る技術を提供すること。
【解決手段】情報記憶媒体は、管理情報を記憶するための管理領域と、データを記憶するためのデータ領域とを備え、前記データ領域は、順次形成される複数の記録領域を記憶する領域であって、M(M:自然数)番目の記録領域の閉鎖を条件として形成されるM+1番目の記録領域を記憶し、前記管理領域は、各記録領域の開始位置情報を記憶するための第1の領域と、前記データ領域に記憶された記録領域の個数情報を記憶するための第2の領域とを含み、前記第1の領域は、最大N個(M<N、N:自然数)の記録領域の開始位置情報を記憶可能な領域であり、前記第2の領域は、最大N+1の値を記憶可能な領域であり、前記第1の領域が、M+1番目の記録領域の開始位置情報を記憶することにより、M番目の記録領域の閉鎖条件の一つを満たし、前記第2の領域が、N+1の値を記憶することにより、N番目の記録領域の閉鎖条件の一つを満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の情報記憶媒体、このような情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録、このような情報記憶媒体から情報を再生する情報再生等の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録可能な光ディスクの普及により、ユーザサイドで個人の嗜好に合わせた記録ディスクを作成することが可能になっている。また、記録可能な光ディスクに関する様々な技術も提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−129116
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1には、例えば、複数の記録管理作業領域(RZone)の情報を保持した管理情報を記録する技術が記載されている。しかしながら、特許文献1には、ディスクに形成可能な記録管理作業領域の数の制限に関する記述、及びこれを制限するための管理情報に関する記述はない。
【0004】
記録可能な光ディスクでは、互換性の確保が重要である。つまり、特定のドライブで記録された光ディスクを、他のドライブでも再生可能な状態にすることが重要である。記録管理作業領域の数の制限が異なると、異なるドライブ間で互換性が取れなくなることがある。
【0005】
本発明の目的は、記録可能メディアの性能向上を図る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一実施形態に係る情報記憶媒体は、管理情報を記憶するための管理領域と、
データを記憶するためのデータ領域とを備え、前記データ領域は、順次形成される複数の記録領域を記憶する領域であって、M(M:自然数)番目の記録領域の閉鎖を条件として形成されるM+1番目の記録領域を記憶し、前記管理領域は、各記録領域の開始位置情報を記憶するための第1の領域と、前記データ領域に記憶された記録領域の個数情報を記憶するための第2の領域とを含み、前記第1の領域は、最大N個(M<N、N:自然数)の記録領域の開始位置情報を記憶可能な領域であり、前記第2の領域は、最大N+1の値を記憶可能な領域であり、前記第1の領域が、M+1番目の記録領域の開始位置情報を記憶することにより、M番目の記録領域の閉鎖条件の一つを満たし、前記第2の領域が、N+1の値を記憶することにより、N番目の記録領域の閉鎖条件の一つを満たす。
【0007】
この発明の一実施形態に係る情報記録方法は、上記した情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録方法であって、M番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第1の領域に対してM+1番目の記録領域の開始位置情報を記録し、N番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第2の領域に対してN+1の値を記録するとともに、N+1番目の記録領域の形成を禁止する。
【0008】
この発明の一実施形態に係る情報記録装置は、上記した情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録装置であって、情報記憶媒体に対して情報を記録する記録手段を備え、前記記録手段は、M番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第1の領域に対してM+1番目の記録領域の開始位置情報を記録し、N番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第2の領域に対してN+1の値を記録するとともに、N+1番目の記録領域の形成を禁止する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、記録可能メディアの性能向上を図る技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(光ディスクシステムの説明)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報記録再生システムの概略構成を示す図である。図1に示すように情報記録再生システムは、光ディスク10及びプレーヤ/レコーダ16を備えている。また、プレーヤ/レコーダ16は、光ディスク装置12及びホスト14を備えている。
【0012】
光ディスク10は、映像及び/又はユーザデータ等の情報を記憶する媒体である。光ディスク装置12は、光ディスク10に情報を記録したり、光ディスク10から情報を再生したりする。ホスト14は、光ディスク装置12に指令を発行し、光ディスク装置12を介して光ディスク10から必要な情報を読み出し、映像の再生やユーザへの情報の表示等を行う。
【0013】
ホスト14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)、設定パラメータ及びその他電源が落とされても保持しておくべき種々のデータを記憶保持するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリを備える。これらの不揮発性メモリには、ユーザの要求に対して実行される種々のプログラム及び処理に必要なデータやファイル管理に必要なファイルシステム等が記録されている。たとえば、DVDビデオフォーマットのUDFブリッジファイルシステム、DVDビデオレコーディングフォーマットのUDFファイルシステム、また、次世代ビデオフォーマットのUDFファイルシステム、次世代ビデオレコーディングフォーマットのUDFファイルシステム、アプリケーションソフトなどが搭載されている。
【0014】
一方、パーソナルコンピュータ等のシステムでは、図2に示すようにパーソナルコンピュータがホストPC18となる。光ディスク装置12に対する指示の発行は、OS(オペレーションソフト)やライティングソフト、ビデオ再生ソフトといったアプリケーションソフトを実行することにより行われる。
【0015】
(光ディスク装置)
図3は、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置のブロック図である。光ディスク装置は、光学ヘッド(ピックアップヘッド:PUH)アクチュエータ22から出射されるレーザー光を光ディスク10の情報記録層に集光することで、情報の記録再生を行っている。光ディスク10から反射した光は、再び、PUHアクチュエータ22の光学系を通過し、フォトディテクター(PD)24で電気信号として検出する。検出された電気信号は、プリアンプ26で増幅され、サーボ回路28、RF信号処理回路30、アドレス信号処理回路32に出力される。サーボ回路28では、フォーカス、トラッキング、チルト等のサーボ信号が生成され、各信号がそれぞれ、PUHアクチュエータ(フォーカス、トラッキング、チルトアクチュエータ)22に出力される。RF信号処理回路30、アドレス信号処理回路32における記録されたデータの読み取りや、アドレス信号等のこの際の復調方法としては、スライス方式やPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式がある。光ディスク装置は記録再生の対象となる光ディスク10とPUHアクチュエータ22によって形成される集光ビームスポットのサイズによって最適な復調方式を選択する。スライス方式には、再生信号に線形な波形等化を行った後に信号を2値化する方法や、再生信号の低域の高振幅成分を一定の値に制限するリミットイコライザと呼ばれる非線形等化器によって等化した後に信号を2値化する方法などがある。また、PRML方式に関しても、再生信号の周波数特性に対応して、最適なPRクラスたとえば、PR(1,2,2,21)や、PR(1,2,1)、PR(1,2,2,1)、PR(3,4,4,3)等が選択される。アドレス信号処理回路32では、検出された信号を処理することにより、光ディスク上の記録位置を示す物理アドレス情報を読み出し、コントローラー34に出力する。コントローラー34はこのアドレス情報を元に、所望の位置のユーザデータ等のデータを読み出したり、所望の位置にデータを記録したりする。この際、データは記録信号処理回路36で光ディスク記録に適した記録波形制御信号に変調される。この信号を元にLD駆動回路(LDD)38は光学ヘッド22内のレーザダイオード(LD)を発光させ、光ディスク10に情報を記録する。
【0016】
また、本実施形態ではレーザダイオードの波長は405±15nmである。また、光学ヘッド22内で上記波長の光を光ディスク上に集光させるために用いられる対物レンズのNA値は0.65である。また、対物レンズに入射する直前の入射光の強度分布として、中心強度を“1”とした時の対物レンズ周辺(開口部境界位置)での相対的な強度を“RIMIntensity”と呼ぶ。HD_DVDフォーマットにおける前記RIM Intensityの値は55〜70%になるように設定してある。この時の光学ヘッド22内での波面収差量は使用波長λに対して最大0.33λ(0.33λ以下)になるように光学設計されている。
【0017】
またコントローラー34は、光ディスクに対してRZoneを形成する機能(RZone形成のために必要な情報を記録する機能)、光ディスクに形成されたRZoneを閉鎖する機能(RZone閉鎖のために必要な情報を記録する機能)、光ディスクに記録する記録マネジメントデータ(RMD)を生成する機能(RMDを記録する機能及びRMDを複製する機能)、最新のRMDのインビジブルRZone番号からホストへの応答を判断する機能、光ディスクに記録された最新のRMDを検索する機能、RMDシリアル番号からRMD初期化処理を実行するか否か判断する機能、RMD初期化処理を実行する機能等を有している。
【0018】
(光ディスク)
図4に本発明の実施形態の一つである2つの情報記録再生層を有する情報記録媒体である光ディスク10の模式図を示す。なお、情報記録媒体は、単層であってもよい。光ディスク10は、クランプ孔を備え、さらに、複数の情報記録層(以下レイヤー)を備える。レイヤーは、光の入射側から順にレイヤーL0(レイヤーナンバー0)、レイヤーL1(レイヤーナンバー1)が配置されている。また、光ディスク10は、記録マークを一箇所に一回だけ可能な追記型と記録マークの上書き、消去が可能な書き換え型の2種類がある。
【0019】
図5に本発明の実施形態の一つである光ディスク10のエンボス領域と書換え可能な記録領域の物理仕様を示す。ここで、回転制御方式のCLVとはConstant liner velocityの略で、線方向の速度を一定に保った回転制御方法を意味している。また、ETM(Eight to Twelve modulation)とは変調方式の一つで、8ビットの情報ビットごとに、冗長性を持たせた12ビットのチャネルビットに変換して信号を記録する方式である。この冗長性を持たせた事により、直接情報ビットを光ディスクに記録する場合に比べ情報の記録再生の信頼度が飛躍的に向上している。
【0020】
光ディスク10の各レイヤーL0、L1には情報の記録再生の案内溝となる凹凸、グルーブが形成されている。ここで、光入射側から見て手前をグルーブ、奥をランドと呼ぶ。ディスクには、グルーブのみに記録を行うもの、ランドのみに記録を行うもの、グルーブとランドの両方に記録を行うものがある。さらに、この案内溝は半径方向にサイン波状に蛇行(ウォブル)している。そしてこのサイン波の位相を切り替えることにより情報記録領域における物理的な位置を示す物理アドレス情報やディスクの固有情報を記録している。ウォブルの変調領域は、93ウォブル中16ウォブル設けられており、さらにウォブル信号に記録する情報の1ビットに当たる1シンボルは4ウォブルで構成される。ウォブルの形状は特にこれに限定するものではないが、以下特に断りのない限りこの値を参考に説明を進める。
【0021】
(情報記録層のレイアウト)
図6に2層の情報記録層を有する光ディスク10(以下2層光ディスク)の各層の構成を示す。2つのレイヤーL1、L2の構成はほぼ同じであるが、BCA領域に関しては、一番奥の層、今回の例ではレイヤーL1にのみ配置される。これは、BCA領域からの情報の読み出しを安定化するためである。BCA領域の信号の記録に用いられるBCAマークは層間のクロストークが大きいため、BCA領域を2つのレイヤーL1、L2に用いると、相互の信号の干渉が発生し、情報の読みだしが困難になる。
【0022】
レイヤーL1の領域の構成は内周側からバーストカッティング(BCA:Burst cutting area)領域、エンボス管理領域(System Lead-in or System Lead-out area)、接続領域(Connection area)、内周記録可能管理領域(Data Lead-in or Data Lead-out are)、データ領域(Data area)、外周記録可能管理領域(Middle area)に区分されている。BCA領域には、基板の溝や、反射膜の剥離、記録媒体の変化によってBCAマークがあらかじめ記録されている。BCAマークは光ディスクの円周方向に変調されており、半径方向には同一の情報が並ぶ櫛型のマークである。BCAコードは、RZ変調方法により変調されて記録される。パルス幅が狭い(=反射率の低い)パルスは、この変調されたBCAコードのチャネルクロック幅の半分よりも狭い必要が有る。また、BCAマークは半径方向に同一の形状を持っているため、トラッキングをかける必要がなく、フォーカスをかけただけで情報の再生が可能となる。
【0023】
エンボス管理領域にはエンボスピットで情報が記録されている。この情報は、ディスクの識別情報やデータ領域の容量といった、光ディスク10の管理情報である。これらの情報が、コントロールデータセクションの物理フォーマット情報、ディスク製造者情報、コピーライトデータセクションの情報として保存されている。また、この領域のエンボスピットの最短マーク長はデータ領域の倍の値になっている。この結果、通常のデータ領域はPRML方式を用いて再生されるが、エンボス管理領域においては、スライス方式を用いても情報の復調が可能となるほか、情報の読み取りの信頼性が高くなるという特徴がある。エンボス管理領域には、ディスクの情報読み出しの基本となる管理情報や、コピー権マネジメントの情報等が記録されるため、エンボス管理領域の読み取り信頼性を高めることは重要である。
【0024】
接続領域は、なにもグルーブやピット等がなにも形成されていない領域である。
【0025】
次に記録可能管理領域には、データ領域と同じように、案内溝であるグルーブが形成されている。この領域には、データ領域と同じ密度で信号の記録の記録を行う。この領域には、試し書きようのテスト領域や、データ領域の記録状態を把握するためのマネジメント領域、DPDトラッキング用のトラッキングオーバーラン領域、層間のクロストーク量を一定に保つためのガード領域等が配置される。
【0026】
データ領域には、映像データやユーザデータといったデータ等が記録される。
図示しないが、情報記録層が1層の光ディスク10(以下単層光ディスク)の場合、情報記録層は内周側から、バーストカッティング(BCA:Burst cutting area)領域、エンボス管理領域(System Lead-in area)、接続領域(Connection area)、内周記録可能管理領域(Data Lead-in are)、データ領域(Data area)、外周記録可能管理領域(Data Lead-out are)に区分される。
【0027】
(詳細レイアウト)
図7に本発明の実施形態の一つである2層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す。レイヤーL0の内周記録可能管理領域には、内側から、第1ブランク領域Z1、ガードトラック領域Z2、ドライブテスト領域Z3、ディスクテスト領域Z4、第2ブランク領域Z5、記録マネジメントデータ複製領域Z6、記録マネジメント領域Z7、R物理フォーマット情報領域Z8、リファレンスコード領域Z9が設定されている。
【0028】
レイヤーL1の内周側記録可能管理領域には、内側から第5ブランク領域Z23、ディスクテスト領域Z22、ドライブテスト領域Z21、ガードトラック領域Z20が配置されている。
【0029】
ブランク領域は境界を分離することや、記録領域の層間のクロストーク量を一定にする目的で配置されたデータをまったく記録しない領域である。この記録領域の層間のクロストーク量を一定にする領域をクリアランスとも呼ぶ。ガード領域は、DPDトラッキングのオーバーラン対策や層間クロストーク対策の為に、ダミーデータが記録される領域である。テスト領域は、光ディスク11に管理情報やユーザ情報を記録する前に、記録波形を最適化するための試し書きをする領域である。マネジメント領域及びマネジメントデータ複製領域は、データ領域に記録中のデータの状態を管理するためのマネジメントデータが記録される領域である。
【0030】
レイヤーL0のテスト領域Z12,Z13はエンボス管理領域のクロストークを避けるため、エンボス管理領域からクリアランス(第1ブランク領域Z1)の分だけ離れた位置に配置されている。そして、レイヤーL0のテスト領域Z3,Z4とマネジメント領域Z6,Z7は狭いブランク領域Z5をはさんで近接して配置されており、これらの領域はレイヤーL1のガード領域Z20と重なるように設けられている。そして、レイヤーL1のガード領域Z20は、レイヤーL0のテスト領域Z3,Z4の幅とマネジメント領域Z6、Z7の幅の合計に対して、両側のクリアランスの分だけ広い幅となっている。一方、レイヤーL1のテスト領域Z21,Z22は、レイヤーL0のガード領域Z2と重なるように設けられており、両側のクリアランスの分だけレイヤーL0のガード領域Z2より幅が狭くなっている。
【0031】
ここで、光ディスク装置12はガード領域Z2に対しては、ユーザデータの記録とは関係なく、均一にダミーデータの記録をしたり、未記録のまま保持したりしておく。このように本実施形態に係る光ディスク装置12では、テスト領域Z21,Z22とマネジメント領域Z6,Z7と重なる反対の層の状態が常に、記録状態か、未記録状態の一定の状態とすることで、安定した試し書きや、マネジメントデータの記録が可能になるという特徴がある。
【0032】
次に、レイヤーL0の外周記録可能管理領域には内側からガード領域Z11、ドライブテスト領域Z12、ディスクテスト領域Z13、ブランク領域Z14が配置される。同様に、レイヤーL1の外周側記録可能管理領域には内側からガード領域Z18、ドライブテスト領域Z17、ディスクテスト領域Z16、ブランク領域Z15が配置される。
【0033】
ここでも内周側と同様に、テスト領域Z21,Z22と重なる反対側のレイヤーL0にはガード領域Z2が配置されており、ガード領域Z2の幅はテスト領域の幅の両側にクリアランスの幅を設けた幅よりも広くなっている。
【0034】
図8に本発明の実施形態の一つである単層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す。各領域の目的や使用方法は2層光ディスクと同様である。
【0035】
(管理領域)
図9に記録マネジメントデータ複製領域及び、記録マネジメント領域を含むマネジメント領域の構成を示す。記録マネジメントデータ複製領域の最初のブロックにはリードイン記録マネジメントデータ(リードインRMD)が記録される。次に、記録マネジメントデータ複製領域の残りのブロックにはRMDを記録する領域が割り当てられる。記録マネジメント領域は全体がRMDを記録する領域である。ここで、リードインRMDは光ディスク装置12がマネジメント領域に最初にデータを記録する際に記録する情報である。この中には記録を行う光ディスク装置12の製造会社の識別番号である記録再生装置製造会社識別番号や、その装置のシリアル番号、モデル番号が設定される。ディスク固有番号にはディスク識別用にディスク毎に固有な番号を光ディスク装置12が記録する。
【0036】
次に、記録マネジメントデータ複製領域のRMDを記録するための領域には、「データ領域にマネジメント領域が拡張された場合」、「光ディスクがファイナライズ状態になった場合でかつ記録マネジメントデータ複製領域に空き領域がある場合」のいずれかの場合に、記録マネジメント領域に記録された最新のRMDの複製を記録する。
【0037】
記録マネジメント領域にはデータ領域の記録状態を表すRMDをRMDの内容が変更されたことに合わせて1ブロック毎に記録していく。ここで、追記型ディスクでは情報の上書きができないため、RMDの内容が更新されるたびに、内周側から次の未使用ブロックに次々に情報が追記されていく。したがって、もっとも外側にある情報が最新のRMD情報ということになる。書き換え型のディスクでも順にRMDを更新していくが、一旦外側まで記録が実施された場合には、再び内周側からRMDを上書きしていく。この場合には、一番外側のRMDが最新でない場合もある。このような場合には最新のRMDの判定に後述のRMDシリアル番号が用いられる。
【0038】
(RMDの内容)
図10にRMDの構成を示す。RMDは32のセクタで構成されており、第一のセクタであるセクタ0は予備のフィールドとなっており、通常すべて0のデータが保存されている。次のセクタ1からセクタ22までは順番にフィールドが割り当てられており、それぞれ異なる情報が記録されている。フィールド0には、光ディスクの記録状態や、テスト領域の位置など光ディスクの状態を示す情報が保存される。また、フィールド1には、ドライブが使用したドライブテスト領域の位置や、最適化した記録波形、記録波形最適化の為の目標値など記録波形に関わる情報が保存される。フィールド2には、ユーザが指定した任意の情報が保存される。フィールド3にはデータ領域に形成されたボーダの範囲や、データ領域に拡張された拡張記録マネジメント領域の範囲が保存される。フィールド4からフィールド21には、データ領域に記録されたユーザデータの範囲を管理する単位であるRZoneの範囲が保存される。フィールド4には特に、情報の記録が可能なRZoneの番号などの情報が保存されている。
【0039】
(フィールド0)
図11にフィールド0の内容を示す。RMD記録形式識別子には、RMDのデータの記録形式を表す情報が記録される。例えば、追記型のディスクであれば、0001h、書き換え型のディスクであれば0002hを記録する。ディスク状態情報には、光ディスクの状態を表す情報が記録される。例えば、00hはデータ領域に有効なユーザデータが記録されていないエンプティ状態を示す。02hは光ディスクに情報が記録されているが、ファイナライズされていない状態を示す。03hは光ディスクがファイナライズされている情報であることを示す。その他の番号には、光ディスクがユーザーモード(MODE U)で記録されている状態や、フォーマット動作中の状態、記録禁止の状態等が割り当てられている。
【0040】
ユニークディスクIDには、リードインRMDのディスク固有番号と同様の情報が記録される。データエリア構造には、光ディスク10のユーザデータ記録可能領域、即ちデータ領域の開始物理セクタの物理セクタ番号(PSN)や終了物理セクタの物理セクタ番号(PSN)を記録する。更新データエリア構造には、光ディスク10のデータ領域の大きさを変更した際に、その範囲を記録する。図12に更新データエリア構造の内容を示す。更新識別子には、データエリア構造を更新したか否かを示すフラグ情報、または更新の方法を示すフラグ情報を記録する。例えば、更新されていない場合には00h、ミドル領域の拡張によりデータエリアの構造が更新されていれば、01hを記録する。パディング状態情報は、情報の各ビットが、図7や図8に示す光ディスク10の各エリアと対応しており、対応したエリアがパディング済みの場合はそのビットを1bに、パディングがすんでいない場合には、0bに設定する。RMD初期化識別子は、RMD初期化が実行された場合には、1bが設定され、光ディスク10がRMD初期化されたことがあるか否かを判定することに利用される。ターミネータの最終記録PSNには、ターミネータの記録を途中で中断した場合に、中断した位置を保存するための領域である。テスト領域配置情報は、光ディスク10に複数配置されたテスト領域のそれぞれの開始PSNと終了PSNが記録される。
【0041】
RMD位置情報は、7ビットのRMD set番号、2ビットのRMDオーダー番号、22ビットのRDMシリアル番号で構成されている。RMDオーダー番号はRMDがRMD setという単位で取り扱われる場合に、RMD set内のRMDの順序を示す番号である。また、RMDシリアル番号はRMDの更新回数を示す情報で、はじめのRMDの記録ではこのシリアル番号を0とし、RMDの内容を書き換えて、RMDを更新するたびに、1ずつ増加させていく。また、RMD set番号は記録マネジメント領域内のRMD setの位置を示す情報で、記録マネジメント領域内のすべてのRMD setに順番に番号が振られている。追記型のディスクでは記録マネジメント領域の最外周に記録されたRMDが最新のRMDとなる。一方、書き換え型ディスクでは、記録マネジメント領域を繰り返し使用するため、もっとも外周にある情報が最新のRMDとは限らない。従って、書き換え型の光ディスク10ではこの記録マネジメントデータを更新した回数であるRMDシリアル番号が最大のものを検索することで、最新の記録マネジメントデータを決定することが可能となる。
【0042】
(フィールド3)
RMDのフィールド3には、図13に示すように光ディスク10に形成されるボーダの範囲と、データ領域に拡張された拡張記録マネジメント領域(B/U−記録マネジメント領域)の範囲を表す情報が保存される。ボーダの範囲は、N番目ボーダアウト開始PSNという形で、128個まで保存することが可能である。また、拡張記録マネジメント領域はN番目のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNとそのサイズという形で127個まで保存することが出来る。さらに、現在使用中のB/U−記録マネジメント領域の番号を保存するオープンB/U−記録マネジメント領域番号が用意されている。
【0043】
(フィールド4)
RMDのフィールド4には、図14に示すように光ディスク10のデータ領域に記録されたユーザデータの位置を管理するためのRZoneの範囲を表す情報が保存される。インビジブルRZone番号は、データ領域に配置されたインビジブルRZoneの番号、または光ディスク10に記録されたすべてのRZoneの個数の総和を示す値が記録される。また第一オープンRZone番号には現在ユーザデータの記録が可能なRZoneの番号が保存される。また第二オープンRZone番号にも同様に現在ユーザデータの記録が可能な他のRZoneの番号が保存される。RZoneの範囲はN番目のRZoneの開始PSN及び、N番目のRZoneの最終記録PSNという形で保存される。フィールド4にはこのRZoneの開始PSNと最終記録PSNが254個保存可能である。
【0044】
(フィールド5から21)
RMDのフィールド5から21には、図15に示すようにRMDのフィールド4と同様の方法で、RZoneの開始PSNと最終記録PSNが保存される。結果として、RMDのフィールド4から21の間で、4606個分のRZoneの開始PSNと最終記録PSNを保存することが出来る。
【0045】
(インビジブルRZone番号)
ここで本発明の実施形態の一つである光ディスクシステムのインビジブルRZone番号の特殊な用法について述べる。光ディスク10のインビジブルRZone番号には、RMDのフィールド4から21で設定可能なRZoneの数である4606個よりも1多い、4607までの値を設定することが出来る。さらに、光ディスク10はインビジブルRZone番号にこの4607が設定された場合には、データ領域の4607番のインビジブルRZoneへの記録を禁止する。
【0046】
一方、光ディスク装置12は4606番目のRZoneに記録を行い、これを閉じた場合には、インビジブルRZone番号に4607を設定し、それ以降は4607番のインビジブルRZoneへの記録を実施しない。
【0047】
(物理フォーマット情報)
図16にR物理フォーマット情報領域に保存される、物理フォーマット情報(PFI)の構成を示す。PFIは2048バイトで構成されている。ブックタイプは光ディスク10のフォーマット及び再生専用、追記型、書き換え型等を示す識別子である。パートバージョンは、そのフォーマットのバージョン管理情報である。ディスクサイズにはそのディスクの直径を示す情報が記録される。例えば12cmのディスクであれば0000b、8cmのディスクであれば0001bが記録される。最大転送レートには必要であれば、ディスクに記録されたデータを正常に再生するのに必要となる最大の転送レートが記録される。ディスク構造には、そのフォーマットのレイヤーの数、各レイヤーでトラックが内周側から外周側に向かっているか、内周側に向かっているかの極性を示す情報、そのレイヤーが再生専用であるか、追記型か、書き換え型であるかといった情報が記録される。記録密度には、ディスク接線方向の密度とトラックピッチを表す情報が記録される。データエリア構造にはボーダアウトまたはターミネータまでの範囲が記録される。BCA識別子には、BCAがあるか無いかを示す情報を記録する。記録可能速度識別情報には、そのディスクに対して記録が可能な記録速度を表す情報が記録される。また、拡張パートバージョンにはパートバージョンの拡張情報を記録する。最大再生スピードには、ディスクに記録されたデータを正常に再生するのに必要となる最大の線速度が記録される。レイヤー情報にはレイヤーL0及びレイヤーL1に配置されたディスクの種類が記録される。
【0048】
マーク極性情報には記録マークの反射率が未記録部に対して、高いか低いかを示す情報が記録されている。ここが00000000bであれば、記録マークの反射率は未記録部より高く、ここが10000000bであれば、記録マークの反射率が未記録部よりも低いことを示す。標準速度情報には、標準の記録速度が記録される。たとえば本実施形態の光ディスク10では6.6m/sとなる。
【0049】
次に、リム強度情報には、後述の記録波形情報を決定した際のPUHのリム強度の値を記録する。再生パワー情報には、データ領域を再生する場合に必要な再生パワーの値を指定する。実効記録スピード情報には、そのディスクが対応可能な記録スピードの実際の値がすべて記録されている。データ領域反射率(L0)にはレイヤーL0のデータ領域にデータを記録した後の反射率が示されている。
【0050】
ここで、マーク極性情報が00000000bであれば、マーク部の反射率10000000bであれば、非マーク(スペース)部の反射率が記録される。次に、プッシュプル信号振幅情報(L0)にはレイヤーL0のプッシュプル信号を和信号で正規化した値と、記録再生を行うトラックを示すトラック情報が記録される。トラック情報が0bである場合、信号の記録再生はグルーブで実施することになり1bである場合には、ランドで実施することになる。また、オントラック信号情報(L0)は、レイヤーL0のデータ領域の未記録部の和信号レベルをエンボス管理領域の最大反射レベルで規格化した値が記録される。データ領域反射率情報(L1)からオントラック信号情報(L1)までのバイトには、レイヤーL1の情報がそれぞれ記録される。
【0051】
次に、記録波形情報(L0)及び(L1)にはそれぞれ、ディスク製造メーカが推奨するレイヤーL0及びレイヤーL1の最適な記録波形情報が記録される。これは、記録波形のピークパワーの値やボトムパワーの値、先頭、中間、最終パルスの開始終了位置などの値である。これらの情報は基本的に、データエリア構造を除いて、エンボス管理領域に記録されている物理フォーマット情報と同一の情報となっている。データエリア構造については、データ領域に形成されたRZoneの範囲やボーダの範囲によって変化する。
【0052】
(記録手順)
図17A、図17Bに本発明の実施形態の一つである光ディスク10に対する記録の手順を示す。
【0053】
本実施形態の光ディスクシステムは、光ディスク10に対して記録を開始する際には、まずリードインRMDを記録マネジメント複製領域に記録する。続いて、データ領域にユーザデータ等のデータを記録し、その状態を表したRMD“L”を記録マネジメント領域に記録する。この状態が、図17Aの(1)の状態となる。ここで、RMDのフィールド4の1番目のRZoneの開始PSNにはデータ領域の開始PSNが保存される。1番目のRZoneの最終記録PSNには図の“a”番が保存される。一方、インビジブルRZone番号には1が設定される。残りの値はすべて0である。
【0054】
次に、光ディスクシステムは、一通りユーザデータの記録が完了したら、RZoneを閉じることが出来る。これが図17Aの(2)の状態である。光ディスクシステムのホスト部から、光ディスク装置12に対して、RZoneを閉じる指示が発行された場合、光ディスク装置12は光ディスク10に新たなRMD“L”を記録する。ここで、このRMDのフィールド4の1番目のRZoneの開始PSNにはデータ領域の開始PSNが保存される。1番目のRZoneの最終記録PSNには図の“a”番が保存される。次に、2番目のRZoneの開始PSNには図の“a”+1番が保存される。一方、インビジブルRZone番号には2が設定される。残りの値はすべて0である。このように、本実施形態の光ディスク10では、RZone#1を閉じると、自動的に新たなRZone#2が形成される。ここで、RZoneが閉じた状態となるためには、インビジブルRZone番号が4607となる特殊な条件を除き、以下の3つの条件を満たす必要がある。
【0055】
1.そのRZoneの次のRZoneの開始PSNがRMDのフィールド4に保存されている。
【0056】
2.そのRZoneの開始PSNで指定された物理セクタから、次のRZoneの開始PSNに保存された物理セクタのひとつ前のPSNまでがすべて記録されている。
【0057】
3.そのRZoneの番号が、第一もしくは第二オープンRZone番号に保存されていない。
【0058】
次に、光ディスクシステムは状況に応じて、記録マネジメント領域をデータ領域に拡張することが可能である。このデータ領域に拡張された記録マネジメントデータをU-記録マネジメント領域と呼ぶ。これが図17Aの(3)の状態である。光ディスクシステムのホスト部から、光ディスク装置12に対して、記録マネジメント領域を拡張する指示が発行された場合、光ディスク装置12は光ディスク10に新たなRMD“L”を記録する。この時、現在使用している記録マネジメント領域全体にこの新たなRMD“L”を記録し、さらに、記録マネジメントデータ複製領域にも一つだけ、新たなRMD“L”をコピーする。ここで、新たなRMD“L”のフィールド3の1番目のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNには、“a”+1番が保存される。1番目のB/U−記録マネジメント領域のサイズには拡張したU-記録マネジメント領域の物理セクタ数、例えば128(10進数)が保存される。オープンB/U−記録マネジメント領域番号には1が保存される。また、フィールド4の2番目のRZoneの開始PSNには図の“b”番が保存される。一方、インビジブルRZone番号には2が設定される。残りの値はすべて0である。
【0059】
通常、光ディスクシステムは、光ディスク10のインビジブルRZoneにはユーザデータ等のデータが記録可能であるため、ユーザ指示に応じて再度データを記録することが出来る。この状態が図17Aの(4)の状態である。ここで、新たなRMD“L”は拡張されたU−記録マネジメント領域に記録されることになる。この新たなRMD“L”のフィールド4の2番目のRZoneの開始PSNには図の“b”番が保存される。2番目のRZoneの最終記録PSNには図の“c”番が保存される。一方、インビジブルRZone番号には2が設定される。
【0060】
光ディスクシステムは、RZoneの予約という処理を行うことが可能である。この状態が図17Bの(5)の状態である。光ディスクシステムのホスト部から、光ディスク装置12に対して、2番目のRZoneの予約を行う指示が発行された場合、光ディスク装置12は光ディスク10に新たなRMD“L”を記録する。ここで、新たなRMD“L”のフィールド4の2番目のRZoneの開始PSNには図の“b”番が保存される。2番目のRZoneの最終記録PSNには図の“c”番が保存される。さらに、3番目のRZoneの開始PSNには図の“d”番が保存される。また、インビジブルRZone番号には3が設定され、第一オープンRZone番号には2が設定される。残りの値はすべて0である。即ち、本実施形態の光ディスクシステムでは、2番目のRZoneの予約によって、自動的に新たなインビジブルRZone#3が形成される。この状態では、第一オープンRZoneに設定されたRZone#2の“c”番の次の物理セクタからユーザデータの記録が可能であることに加え、インビジブルRZoen#3の“d”番の物理セクタからもユーザデータの記録が可能である。
【0061】
次に、光ディスクシステムは状況に合わせて、光ディスク装置12のボーダを閉じることが出来る。この状態が図17Bの(6)の状態である。光ディスクシステムのホスト部から、光ディスク装置12に対して、ボーダを閉じる指示が発行された場合、光ディスク装置12は光ディスクに次の情報を記録する。まず、記録済みのRZoneの次の物理セクタからボーダアウトを記録する。次に、R物理フォーマット情報を記録する。さらに、使用中の記録マネジメント領域(この例ではU-記録マネジメント領域)の残りの領域すべてに新たなRMD“L”を記録し、加えて、記録マネジメントデータ複製領域に1つだけ、新たなRMD“L”をコピーする。また、ボーダインの一部には図示されないが、B−記録マネジメント領域が形成されている。ここで、新たなRMD“L”のフィールド3の1番目ボーダアウトの開始PSNには“d”番が保存される。また、2番目のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNには“e”番が保存され、2番目のB/U−記録マネジメント領域のサイズには、ボーダインに形成されたB−記録マネジメント領域のサイズが保存される。さらに、オープンB/U−記録マネジメント領域番号には2が保存される。フィールド4の3番目のRZoneの開始PSNには図の“f”番が保存される。また、インビジブルRZone番号には3が設定される。この状態ではオープンなRZoneは存在しないため、第一オープンRZone番号には0が設定される。
【0062】
次に、インビジブルRZone#3にユーザデータ等のデータを記録した状態が図17Bの(7)の状態である。この状態では新たなRMD“L”はボーダイン内のB−記録マネジメント領域に記録される。
【0063】
最後に光ディスクシステムは状況に応じて光ディスク10をファイナライズすることが可能である。図17Bの(8)に示す状態がこの状態である。光ディスクシステムのホスト部から、光ディスク装置12に対して、ボーダを閉じる指示が発行された場合、光ディスク装置は光ディスクに次の情報を記録する。まず、記録済みのRZoneの次の物理セクタからボーダアウトを記録する。ここで、通常データ領域に記録する物理セクタに設定される物理セクタの領域タイプは、データ領域属性であるが、このボーダアウトの物理セクタに設定される物理セクタの領域タイプはリードアウト属性とする。次に、更新物理フォーマット情報“U”をボーダインの先頭に記録する。さらに、使用中の記録マネジメント領域(この例ではB−記録マネジメント領域)の残りの領域すべてに新たなRMD“L”を記録し、加えて、記録マネジメントデータ複製領域に記録可能領域が残っていた場合には1つだけ、新たなRMD“L”をコピーする。このファイナライズされた光ディスク10における新たなRMD“L”のフィールド3の1番目ボーダアウトの開始PSNには“d”番が、2番目のボーダアウトの開始PSNには“g”番が保存される。また、フィールド4のインビジブルRZone番号は、3となる。ここで、ボーダインからボーダアウト2までの間は第二ボーダと呼ばれる。
【0064】
また図示しないが、図17Bの(6)の状態の光ディスク10をファイナライズ状態にする場合には、ボーダインとされている領域にターミネータを記録し、さらに記録マネジメントデータ複製領域に記録可能領域が残っていた場合には1つだけ、新たなRMD“L”をコピーする。このファイナライズされた光ディスク10における新たなRMD“L”のフィールド3の1番目ボーダアウトの開始PSNには“d”番が保存される。また、フィールド4のインビジブルRZone番号は、2となり、3番目のRZone開始番号に記録されていた値“f”番は消去される。ここで、ターミネータとは、含まれたすべての物理セクタに設定される物理セクタの領域タイプがリードアウト属性であり、データがすべて0となっている領域である。
【0065】
このように、光ディスク10ではデータ領域上に、複数のRZone、ボーダ、記録マネジメント領域を配置することが可能である。このように、光ディスク10ではデータ領域に記録マネジメント領域を拡張していくことが可能であるため、追記型の光ディスクであっても、大量のRMDをディスクに記録することが可能となる。
【0066】
(RZone数の限界例)
図18A、図18Bに本実施形態の光ディスク10において、RMDのフィールド4のインビジブルRZone番号が4606になった場合と、4607になった場合の状況を示す。図18Aの状態では、光ディスク10上に4606個のRZoneが形成されている。RMDのフィールド4のインビジブルRZone番号は4606である。またこの例では、第一オープンRZoneが5番、第二オープンRZoneが4604番となっている。さらに、1番目から4605番目までのRZone開始PSNおよび、最終記録PSNにはそれぞれのRZoneに対応した値が記録されており、さらに4606番目のRZone開始PSNには4606番目のインビジブルRZoneのはじめの物理セクタのPSNが保存されている。
【0067】
この状態では、光ディスク10の5番目、4604番目のRZone、4606番目のインビジブルRZoneに対してユーザデータ等のデータを記録することが出来る。
【0068】
次に、4606番目のRZoneにデータを記録して閉じると自動的に4607番目のインビジブルRZoneが形成される。図18Bの状態は、4606番目のRZoneにデータを記録して閉じた状態を示している。この状態では、最新のRMDのフィールド4のインビジブルRZone番号は4607である。またこの例では、第一オープンRZoneが5番、第二オープンRZoneが4604番となっている。さらに、1番目から4606番目までのRZone開始PSNおよび、最終記録PSNにはそれぞれのRZoneに対応した値が記録されている。本実施形態の光ディスク10では、この時形成されるインビジブルRZone#4607にはユーザデータ等のデータの記録を禁止している。これは、この領域にデータを記録した場合、RMDのフィールド4にはそのデータの最終記録PSNを保存する領域が無いため、記録データの管理が不可能となってしまうためである。従って、この例では5番目、4604番目のRZoneにデータの記録が可能となる。
【0069】
このように、本実施形態の光ディスクシステムでは、RMDの管理情報に、4606個のRZoneの開始PSNと最終記録PSNを保存可能である。さらにインビジブルRZone番号にはこの値より一つ大きい4607番までの値を設定可能であり、かつ実際に形成された4607番のインビジブルRZoneにはデータの記録を禁止している。また、光ディスクシステムでは、インビジブルRZone番号に4607番が設定されていている場合には、4606番目のRZoneは閉じられていると判断するとしている。また、本実施形態の光ディスクシステムでは、インビジブルRZoneに設定可能な番号の一つ小さい番号、すなわち4606番のRZoneの予約を禁止している。これは、予約を行う場合には、予約するRZoneの次のRZoneの開始PSNをRMDフィールド4に保存する必要があるからである。
【0070】
ここで、RZoneの開始PSNの保存数とインビジブルRZone番号に設定可能な最大値が同じ4606であったとする。その場合、4606番目のRZoneを閉じることが困難になる。これは、RZoneが閉じられているか否かの判断の基準のひとつが、「次のRZoneの開始PSNが設定されているか否か」であるからである。RZoneが設定可能な最後のRZone、即ち4606番目の場合、次のRZoneの開始PSNを設定する場所がRMDには存在しない。従って、4606番目のRZoneを閉じようとしても、この場合には、従来の光ディスク装置はRZoneを閉じることができない。
【0071】
一方で、本実施形態の光ディスクシステムであれば、このような状況でも、インビジブルRZone番号に4607番を設定すれば、4606番目のRZoneを閉じたとみなすことが可能となる。このように本実施形態の光ディスクシステムでは、最後のRZoneまで互換性を保った状態で、データの記録状態を管理することが可能である。
【0072】
つまり、本実施形態の光ディスクは、RZoneの個数を保持する領域に設定可能な最大数を、ディスクに形成可能なRZoneの最大数(N個)より一つ多い数(N+1)とする。その上で、光ディスクのRZoneの個数を保持する領域が最大数(N+1)を記憶している場合、N+1番目のRZoneの形成を禁止する。これにより、信頼性の高いディスクを提供することができる。
【0073】
図19に光ディスク10が挿入された際の、光ディスク装置12の応答を表すフローチャートを示す。
【0074】
光ディスク装置12は、まずホストからデータ領域へのデータの記録の指示を受信する(Step1)。次に、光ディスク装置12は指定された記録位置がインビジブルRZoneであった場合、そのインビジブルRZone番号が4607番であるか否かを判断する(Step2)。光ディスク装置12はインビジブルRZone番号が4607番であった場合には、ホストに対して、書き込みが禁止であることを示すエラーを返答する(Step3)。一方、インビジブルRZone番号が4607番より小さい番号であった場合、指定されたインビジブルRZoneに対して通常の記録動作を実施する(Step4)。
【0075】
(最新のRMDの検索)
次に、光ディスク装置12が光ディスク10に記録されたRMDうち、最新のRMDを検索し、光ディスク10の状態を確定する作業について説明を行う。本実施形態の光ディスクシステムではこれまでに説明したように、複数の記録マネジメント領域を形成可能である。一方で、本実施形態の光ディスク装置12は光ディスク10の認識時にはこれらの複数の記録マネジメント領域の中から最新の情報を検索する機能を有している。
【0076】
図20及び図21に光ディスク10が挿入された際の、再生の手順を示す。図20は記録マネジメントデータ複製領域の一部にRMDが記録されている状態を示している。図21は記録マネジメントデータ複製領域すべてにRMDが記録されている状態を示している。図の下部の実線の矢印は光ディスク装置12の再生動作、点線の矢印はシーク動作を示している。また、条件1及び条件3は記録マネジメントデータ複製領域で再生された最後のRMDのフィールド0のディスク状態情報が「光ディスクに情報が記録されているが、ファイナライズされていない状態」を示していた場合、条件2及び条件4は「光ディスクがファイナライズされた状態」の検索手順を示している。
【0077】
条件1では光ディスク装置12は光ディスク10が挿入された場合、BCA及びエンボス管理領域の情報を再生する。ここで、物理フォーマット情報等から、ディスクの種類等を判別する。光ディスク10が、追記型、もしくは書き換え型の光ディスク10であった場合には、光ディスク装置12は再生位置を記録マネジメントデータ複製領域に移し、この領域のRMDを再生する。次に、光ディスク装置12は再生したRMDのうち最後のRMDのフィールド0のディスク状態情報を読み出す。ここで、ディスク状態情報が、「光ディスクに情報が記録されているが、ファイナライズされていない状態」を示していた場合、そのRMDのフィールド3のオープンB/U−記録マネジメント領域番号及び、そこで指定された番号のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNから、最新のB/U−記録マネジメント領域を決定する。最後に、再生箇所を最新のB/U−記録マネジメント領域に移し、その領域内で最新のRMDを検索する。ここで、再生されたRMDが最新のRMDであり、ここに保存された情報が光ディスク10の最新の状態を示す情報となる。また、この領域が未記録であった場合には、記録マネジメントデータ複製領域で再生された最後のRMDの情報が光ディスク10の最新の状態を示す情報となる。
【0078】
条件2では、条件1と同様にエンボス管理領域再生後に、記録マネジメントデータ複製領域で再生された最後のRMDのフィールド0のディスク状態情報を読み出す。ここで、ディスク状態情報が、「光ディスクがファイナライズされた状態」を示していた場合、そのRMDに保存された情報が光ディスク10の最新の状態を示す情報となる。
【0079】
条件3では、条件1と同様にエンボス管理領域再生後に、記録マネジメントデータ複製領域で再生された最後のRMDのフィールド0のディスク状態情報を読み出す。ここで、ディスク状態情報が、「光ディスクに情報が記録されているが、ファイナライズされていない状態」を示していた場合、そのRMDのフィールド3のオープンB/U−記録マネジメント領域番号及び、そこで指定された番号のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNから、最新のB/U−記録マネジメント領域を決定する。次に、再生位置をその領域に移す。ここで、最新のB/U−記録マネジメント領域として決定された領域全体が未記録であった場合、記録マネジメントデータ複製領域で再生された最後のRMDの情報が光ディスク10の最新の状態を示す情報となる。また、最新のB/U−記録マネジメント領域として決定された領域にターミネータが記録されていた場合、光ディスク10の状態はファイナライズ状態として認識される。即ち、ターミネータは管理情報の一つとして取り扱われる。最新のB/U−記録マネジメント領域として決定された領域にRMDが記録されていた場合、そのうちの最後のRMDの情報が光ディスク10の最新の状態を示す情報となる。
【0080】
条件4では、条件1と同様にエンボス管理領域再生後に、記録マネジメントデータ複製領域で再生された最後のRMDのフィールド0のディスク状態情報を読み出す。ここで、ディスク状態情報が、「光ディスクがファイナライズされた状態」を示していた場合、そのRMDに保存された情報が光ディスク10の最新の状態を示す情報となる。
【0081】
図22に最新のRMD検索と最新のディスク状態の決定手順のフローチャートを示す。
【0082】
光ディスク装置12はディスクが挿入されたら、まずBCA及びエンボス管理領域等を再生する(Step1)。次に、BCAまたはエンボス管理領域の物理フォーマット情報等からディスクの種類を読み出し、挿入されたディスクが追記型、書き換え型の光ディスク10であるか否かを判別する(Step2)。ここで、挿入されたディスクが追記型、書き換え型の光ディスク10でない場合には、RMDの検索を中止し、処理を終了する。追記型、書き換え型の光ディスク10と判定された場合には、光ディスク装置12は記録マネジメントデータ複製領域を再生する(Step3)。次に、記録マネジメントデータ複製領域に記録された最新のRMDを検索し、その内容を読み出す(Step4)。最新のRMDのフィールド0に保存されたディスク状態情報を読み出し、光ディスク10の状態がファイナライズ状態であるか否かを判定する(Step5)。ここで、ファイナライズ状態であった場合には、光ディスク装置12は光ディスク10の最新のRMDを現在読み出し中のRMDと決定し、現在の状態はファイナライズ状態であると判定する(Step6)。RMDに保存された情報がファイナライズ状態を示していない場合、光ディスク装置12は現在読み出し中のRMDが記録マネジメントデータ複製領域の最外端のブロックに記録されたRMDであるか否か、すなわち記録マネジメントデータ複製領域がすべて記録済みか否かを判定する(Step7)。最外端のブロックに記録されたRMDで無い場合には、次にRMDのフィールド3のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNに保存された、最も大きい番号のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNに移動し、その領域を再生する(Step8)。次に、再生した領域が未記録であるか否かを判定する(Step9)。未記録である場合には、Step4で読み出した記録マネジメントデータ複製領域のRMDが最新のRMDであると決定し、そのRMDのフィールド0のディスク状態情報が示す状態が光ディスク10の最新の状態となる(Step10)。Step8で再生した領域にRMDが記録されていた場合、このB/U−記録マネジメント領域に記録された最新のRMDが光ディスク10の最新のRMDとなる。さらに、そのRMDのフィールド0のディスク状態情報が示す状態が光ディスク10の最新の状態となる(Step11)。一方、Step7で最外端のRMDであると判定された場合、光ディスク装置12は次にRMDのフィールド3のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNに保存された、最も大きい番号のB/U−記録マネジメント領域の開始PSNに移動し、その領域を再生する(Step12)。次に、再生した領域が未記録であるか否かを判定する(Step13)。未記録である場合には、Step4で読み出した記録マネジメントデータ複製領域のRMDが最新のRMDであると決定し、そのRMDのフィールド0のディスク状態情報が示す状態が光ディスク10の最新の状態となる(Step14)。記録されていると判定された場合には、記録された情報が、ターミネータであるか否かを判定する(Step15)。ターミネータではなく、RMDが記録されていた場合、このB/U−記録マネジメント領域に記録された最新のRMDが光ディスク10の最新のRMDとなる。さらに、そのRMDのフィールド0のディスク状態情報が示す状態が光ディスク10の最新の状態となる(Step16)。ターミネータが記録されていた場合には、その前に読みだしたRMDの情報に関わらず、光ディスク装置12は光ディスク10の最新の情報をファイナライズ状態と判定する(Step17)。
【0083】
このように本実施形態の光ディスク装置12は複数の記録マネジメント領域を有する可能性のある光ディスク10に対して、迅速に最新のRMDを検索する機能を有している。
【0084】
(書き換え型ディスクにおけるRMDの更新手順)
図23に書き換え型光ディスク10のマネジメント領域の利用方法のその他の実施例を示す。これまでの説明では、記録マネジメント領域には一つずつRMDを記録する手順を説明したが、書き換え型光ディスク10の場合、情報の上書きが可能であるため、同じ範囲の記録マネジメント領域に対して、追記型より多くのRMDの更新をすることが可能となる。従って、本実施形態の一つである書き換え型の光ディスク10では、図に示すように複数のRMD、例えば4個のRMDを一つのRMD setとして同一の情報を記録し、情報の更新の際にはRMD setを更新していくようにすることが可能である。この例では、記録マネジメント領域に98個のRMD setを配置可能としている。この場合、何らかの不具合により、RMD set内のいくつかのRMDが読み取り不可能になっても、残ったRMDの情報から、正しい情報を得ることが可能になる。また、図に示すように記録マネジメントデータ複製領域に予備領域をもうけ、RMDを記録するための領域を追記型よりも少なくすることで、RMDの検索範囲を減らすことも可能である。
【0085】
図24A〜図24Dに書き換え型光ディスク10の記録マネジメント領域の利用方法の一例と、その際にRMDに保存するRMD set番号、RMDオーダー番号、RMDシリアル番号の値について説明を行う。
【0086】
図24Aは光ディスク10が未記録の状態から順にRMD setを更新していった状態を示している。この例では、5回RMD setを更新している。ここで、RMDオーダー番号はRMD set内のRMDの順序を示す情報であるため、どのRMD setも記録マネジメント領域の内側から順に、0から3までの番号が振られている。次に、RMD set番号と、RMDシリアル番号はRMD set毎に1つずつ増加している。この状態では一番外側に記録されたRMDシリアル番号4番のRMD setが最新の情報となる。
【0087】
図24Bは、記録マネジメント領域に上書きが発生した状態を示している。この状態は、RMD setを記録マネジメント領域の内周側から順に更新していき、最外周まで記録した後に発生する。最外周にRMD set番号97番のRMD setを記録した後、次にRMD setを更新する場合には、最内周に再度RMD setを記録する。この時、RMD set番号は、位置に関する情報であるため、再び0を設定する。一方、RMDシリアル番号は、更新回数にかかわる番号であるので、前のRMD setから1増やして、98とする。図の例ではRMDシリアル番号100のRMD setが最新の情報となる。このように本実施形態の光ディスク装置12では、RMDシリアル番号を記録することで、記録マネジメント領域のRMDを上書きしても最新の情報を得ることが可能になる。
【0088】
次に、RMDシリアル番号が最大まで達した場合の手順について説明する。例えば、RMDシリアル番号の最大設定可能な値が100であった場合、図24Bの状態からRMD setを更新することが出来なくなる。そこで、本実施形態の光ディスク装置12は、このような場合には次の手順でRMD setの更新を行う。まず、光ディスク装置12は図24Cに示すように、記録マネジメント領域のすべてに、RMDシリアル番号が0のRMD setを記録する。この時、記録するRMDはRMDオーダー番号以外の値にすべて同じ値がsetされている。次に、図24Dに示すように、最内周にRMDシリアル番号を1つ増加させたRMD setを記録する。このRMD setが最新のRMD setとなる。ここで、図24Cにしめした処理は、記録マネジメント領域だけでなく、図示しない記録マネジメント複製領域でも実施される。具体的には、記録マネジメント複製領域のRMDを記録する領域全体に、RMDシリアル番号0のRMDを記録する作業である。この作業をRMD初期化処理と呼ぶ。
【0089】
本実施形態の光ディスク装置12は、このようにRMDシリアル番号が最大まで達した場合には、RMD初期化処理を行うことなく、RMD setを更新することを禁止している。RMDシリアル番号が最大まで達した場合に、RMD setを更新する場合には、RMDの初期化処理を実行する。この結果、RMDシリアル番号が最大まで達した後でも、さらに情報の記録が可能になる。また、RMDシリアル番号が最大のものが常に最新のRMD setであるという状態が保たれるため、RMDシリアル番号を利用した迅速な管理情報の検索が可能となる。今回の説明では簡単の為、RMDシリアル番号の最大値を100としたが、例えば、RMDフィールド0にRMDシリアル番号を保存するビットを22ビット用意した場合には、この値は16進数で3FFFFFhとなる。即ち、光ディスク10ではRMDシリアル番号が、10進数で4194303となった場合に、次のRMD setを記録する場合には、RMD初期化処理をする必要がある。
【0090】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の一実施形態に係る情報記録再生システムの概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る情報記録再生システム(パーソナルコンピュータ等のシステム)の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る光ディスク装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の一つである2つの情報記録再生層を有する情報記録媒体である光ディスクの模式図である。
【図5】本発明の実施形態の一つである光ディスクのエンボス領域と書換え可能な記録領域の物理仕様の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態の一つである2層光ディスクの各層の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施形態の一つである2層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態の一つである単層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す図である。
【図9】記録マネジメントデータ複製領域、及び記録マネジメント領域を含むマネジメント領域の構成の一例を示す図である。
【図10】RMDの一例を示す図である。
【図11】RMDのフィールド0の内容の一例を示す図である。
【図12】RMDのフィールド0の更新データエリア構造の内容の一例を示す図である。
【図13】RMDのフィールド3の内容の一例を示す図である。
【図14】RMDのフィールド4の内容の一例を示す図である。
【図15】RMDのフィールド5から21の内容の一例を示す図である。
【図16】R物理フォーマット情報領域に保存される、物理フォーマット情報(PFI)の構成の一例を示す図である。
【図17A】光ディスクに対する記録手順の一例を示す図である。
【図17B】光ディスクに対する記録手順の一例を示す図である。
【図18A】光ディスク10におけるRMDのフィールド4のインビジブルRZone番号が4606(最大値)になった場合の状況を説明するための図である。
【図18B】光ディスク10におけるRMDのフィールド4のインビジブルRZone番号が4607(最大値+1)になった場合の状況を説明するための図である。
【図19】光ディスクが挿入された際の、光ディスク装置による記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】光ディスク10が挿入された際の、光ディスク装置による再生処理の一例を示す図である。
【図21】光ディスク10が挿入された際の、光ディスク装置による再生処理の一例を示す図である。
【図22】最新のRMD検索と最新のディスク状態の決定手順の一例を示すフローチャートである。
【図23】書き換え型光ディスクの記録マネジメント領域及び記録マネジメントデータ複製領域を説明するための図である。
【図24A】書き換え型光ディスクの記録マネジメント領域のRMDに保存されるRMD set番号、RMDオーダー番号、RMDシリアル番号について説明するための図である。
【図24B】書き換え型光ディスクの記録マネジメント領域のRMDに保存されるRMD set番号、RMDオーダー番号、RMDシリアル番号について説明するための図である。
【図24C】書き換え型光ディスクの記録マネジメント領域のRMDに保存されるRMD set番号、RMDオーダー番号、RMDシリアル番号について説明するための図である。
【図24D】書き換え型光ディスクの記録マネジメント領域のRMDに保存されるRMD set番号、RMDオーダー番号、RMDシリアル番号について説明するための図である。
【符号の説明】
【0092】
10…光ディスク、12…光ディスク装置、14…ホスト、16…プレーヤ/レコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理情報を記憶するための管理領域と、
データを記憶するためのデータ領域と、を備え、
前記データ領域は、順次形成される複数の記録領域を記憶する領域であって、M(M:自然数)番目の記録領域の閉鎖を条件として形成されるM+1番目の記録領域を記憶し、
前記管理領域は、各記録領域の開始位置情報を記憶するための第1の領域と、前記データ領域に記憶された記録領域の個数情報を記憶するための第2の領域とを含み、
前記第1の領域は、最大N個(M<N、N:自然数)の記録領域の開始位置情報を記憶可能な領域であり、
前記第2の領域は、最大N+1の値を記憶可能な領域であり、
前記第1の領域が、M+1番目の記録領域の開始位置情報を記憶することにより、M番目の記録領域の閉鎖条件の一つを満たし、
前記第2の領域が、N+1の値を記憶することにより、N番目の記録領域の閉鎖条件の一つを満たす、
ことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項2】
請求項1に記載の情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録方法であって、
M番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第1の領域に対してM+1番目の記録領域の開始位置情報を記録し、
N番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第2の領域に対してN+1の値を記録するとともに、N+1番目の記録領域の形成を禁止する、
ことを特徴とする情報記録方法。
【請求項3】
請求項1に記載の情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録装置であって、
情報記憶媒体に対して情報を記録する記録手段を備え、
前記記録手段は、
M番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第1の領域に対してM+1番目の記録領域の開始位置情報を記録し、
N番目の記録領域の閉鎖指示に対応して、前記第2の領域に対してN+1の値を記録するとともに、N+1番目の記録領域の形成を禁止する、
ことを特徴とする情報記録装置。
【請求項4】
管理情報を記憶するとともに、管理情報の内容変更に対応し最新の管理情報をさらに記憶するための管理領域と、
管理情報の複製を記憶するための管理複製領域と、
順次形成される複数の記録領域を記憶し、管理領域の拡張処理に対応し拡張管理領域を記憶するためのデータ領域と、を備え、
前記管理複製領域は、ファイナライズ処理が完了し且つこの管理複製領域に空き領域がある場合に、ファイナライズ済みであることを示す最新の管理情報の複製を記憶する、
ことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項5】
請求項4に記載の情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録方法であって、
前記管理複製領域から最新の管理情報の複製を読み出し、前記最新の管理情報の複製に記録されたディスクの状態がファイナライズ済みでない場合には、最後に形成された前記拡張管理領域を読み出し、前記拡張管理領域が未記録である場合には、前記最新の管理情報の複製に記録された情報に基づいて、前記記録媒体に対して記録を実施し、前記拡張管理領域が記録済みである場合には、前記拡張管理領域に記録済みの情報に基づいて、前記記録媒体に対して記録を実施することを特徴とする情報記録方法。
【請求項6】
請求項4に記載の情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録装置であって、
情報記憶媒体から情報を再生する再生手段と、
情報記憶媒体に対して情報を記録する記録手段と、を備え、
前記再生手段は、前記管理複製領域から最新の管理情報の複製を読み出し、前記最新の管理情報の複製に記録されたディスクの状態がファイナライズ済みでない場合には、最後に形成された前記拡張管理領域を読み出し、
前記記録手段は、前記拡張管理領域が未記録である場合には、前記最新の管理情報の複製に記録された情報に基づいて、前記記録媒体に対して記録を実施し、前記拡張管理領域が記録済みである場合には、前記拡張管理領域に記録済みの情報に基づいて、前記記録媒体に対して記録を実施する、
ことを特徴とする情報記録装置。
【請求項7】
請求項4に記載の情報記憶媒体から情報を再生する情報再生方法であって、
前記管理複製領域から最新の管理情報の複製を読み出し、前記最新の管理情報の複製に記録されたディスクの状態がファイナライズ済みでない場合には、最後に形成された前記拡張管理領域を読み出し、前記拡張管理領域が未記録である場合には、前記最新の管理情報の複製に記録された情報に基づいて、前記情報記録媒体の状態を確定し、前記拡張管理領域が記録済みである場合には、前記拡張管理領域に記録済みの情報に基づいて、前記情報記録媒体の状態を確定することを特徴とする情報再生方法。
【請求項8】
請求項4に記載の情報記憶媒体から情報を再生する情報再生装置であって、
情報記憶媒体から情報を再生する再生手段を備え、
前記再生手段は、前記管理複製領域から最新の管理情報の複製を読み出し、前記最新の管理情報の複製に記録されたディスクの状態がファイナライズ済みでない場合には、最後に形成された前記拡張管理領域を読み出し、前記拡張管理領域が未記録である場合には、前記最新の管理情報の複製に記録された情報に基づいて、前記情報記録媒体の状態を確定し、前記拡張管理領域が記録済みである場合には、前記拡張管理領域に記録済みの情報に基づいて、前記情報記録媒体の状態を確定することを特徴とする情報再生装置。
【請求項9】
管理情報セットを記憶するとともに、更新された最新の管理情報セットをさらに記憶する管理領域と、
順次形成される複数の記録領域を記憶するためのデータ領域と、を備え、
前記管理領域は、最大X個の管理情報セットを記憶するためのX個のセット領域が記憶可能であり、
各管理情報セットは、記憶された順序を示すシリアル番号を含み、
1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットからX番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットまでのX個の管理情報セットを、1番目のセット領域からX番目のセット領域までのX個のセット領域で順に記憶し、
さらに管理情報を記憶する場合、X+1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットを1番目のセット領域で記憶し、
設定可能な最大のシリアル番号を含む管理情報セットを所定のセット領域に記憶した後、さらに管理情報を記憶する場合、0番目を示すシリアル番号を含むX個の初期化用の管理情報セットを1番目のセット領域からX番目のセット領域で記憶し、1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットを1番目のセット領域で記憶する、
ことを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項10】
請求項9に記載の情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録方法であって、
1番目のセット領域からX番目のセット領域までのX個のセット領域に対して、順に、1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットからX番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットまでのX個の管理情報セットを記録し、
さらに管理情報を記憶する場合、1番目のセット領域に対して、X+1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットを記録し、
設定可能な最大のシリアル番号を含む管理情報セットを所定のセット領域に記憶した後、さらに管理情報を記憶する場合、1番目のセット領域からX番目のセット領域に対して、0番目を示すシリアル番号を含むX個の初期化用の管理情報セットを記録し、1番目のセット領域に対して1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットを記録する、
ことを特徴とする情報記録方法。
【請求項11】
請求項9に記載の情報記憶媒体に対して情報を記録する情報記録装置であって、
情報記憶媒体に対して情報を記録する記録手段を備え、
前記記録手段は、
1番目のセット領域からX番目のセット領域までのX個のセット領域に対して、順に、1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットからX番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットまでのX個の管理情報セットを記録し、
さらに管理情報を記憶する場合、1番目のセット領域に対して、X+1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットを記録し、
設定可能な最大のシリアル番号を含む管理情報セットを所定のセット領域に記憶した後、さらに管理情報を記憶する場合、1番目のセット領域からX番目のセット領域に対して、0番目を示すシリアル番号を含むX個の初期化用の管理情報セットを記録し、1番目のセット領域に対して1番目を示すシリアル番号を含む管理情報セットを記録する、
ことを特徴とする情報記録装置。
【請求項12】
請求項9に記載の情報記憶媒体から情報を再生する情報再生方法であって、
1番目のセット領域からX番目のセット領域に記憶された管理情報セットの中で、最大のシリアル番号を含む管理情報セットを最新の管理情報セットとして読み出すことを特徴とする情報再生方法。
【請求項13】
請求項9に記載の情報記憶媒体から情報を再生する情報再生装置であって、
情報記憶媒体から情報を再生する再生手段を備え、
前記再生手段は、
1番目のセット領域からX番目のセット領域に記憶された管理情報セットの中で、最大のシリアル番号を含む管理情報セットを最新の管理情報セットとして読み出すことを特徴とする情報再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【公開番号】特開2009−99193(P2009−99193A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−269464(P2007−269464)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】