情報記憶装置および電子機器
【課題】発熱部品の温度上昇をより抑制することができる情報記憶装置および電子機器を提供する。
【解決手段】実施形態の情報記憶装置は、情報記憶媒体と、筐体と、発熱部品と、凸部と、を備える。前記情報記憶媒体は、回転駆動される。前記筐体は、前記情報記憶媒体を収容し、前記情報記憶媒体の回転により発生する気流の流路が設けられる。前記発熱部品は、前記筐体における前記流路側の裏側の部分で熱的に接続される。前記凸部は、前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記流路側の部分に設けられて前記流路に配設される。
【解決手段】実施形態の情報記憶装置は、情報記憶媒体と、筐体と、発熱部品と、凸部と、を備える。前記情報記憶媒体は、回転駆動される。前記筐体は、前記情報記憶媒体を収容し、前記情報記憶媒体の回転により発生する気流の流路が設けられる。前記発熱部品は、前記筐体における前記流路側の裏側の部分で熱的に接続される。前記凸部は、前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記流路側の部分に設けられて前記流路に配設される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報記憶装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ディスク装置において、発熱する電子部品の温度上昇を抑制するために、プリント回路基板と筐体との間に放熱シートを配置して、電子部品の熱を筐体側に逃がすという技術が知られている。
【0003】
また、電子部品の一般的な放熱技術として、フィン構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−101270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気ディスク等の情報記憶装置では、電子部品の温度上昇をより抑制することが望まれている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発熱部品の温度上昇をより抑制することができる情報記憶装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報記憶装置は、情報記憶媒体と、筐体と、発熱部品と、凸部と、を備える。前記情報記憶媒体は、回転駆動される。前記筐体は、前記情報記憶媒体を収容し、前記情報記憶媒体の回転により発生する気流の流路が設けられる。前記発熱部品は、前記筐体における前記流路側の裏側の部分で熱的に接続される。前記凸部は、前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記流路側の部分に設けられて前記流路に配設される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる情報記憶装置としての磁気ディスク装置を示す分解斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかる磁気ディスク装置の一部を示す縦断面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかる磁気ディスク装置の内部に発生する気流の流れ方向を概略的示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかるベースプレートを示す斜視図である。
【図5】図5は、図1のF5領域を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1の磁気ディスク装置の一部をF6方向から見て示す斜視図である。
【図7】図7は、図1のF7領域を示す斜視図である。
【図8】図8は、第1の実施形態の第1の変形例にかかる第1の凸部を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図である。
【図9】図9は、第1の実施形態の第2の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。
【図10】図10は、第1の実施形態の第3の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。
【図11】図11は、第2の実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる情報記憶装置としての磁気ディスク装置を示す分解斜視図である。図1に示すように、磁気ディスク装置10は、情報を記憶する情報記憶媒体としての磁気ディスク11と、ヘッドアッセンブリ12と、これらの磁気ディスク11およびヘッドアッセンブリ12を収容した筐体13と、を備えている。なお、図1では、磁気ディスク11の一部が省略されている。
【0010】
図1に示すように、磁気ディスク11は、円板状に形成されている。磁気ディスク11は、中心部に孔が形成されている。そして、本実施形態では、磁気ディスク11の径方向での内周縁と外周縁との中間部、に対する外周側が、磁気ディスク11の外周部11aである。一方、磁気ディスク11の径方向での内周縁と外周縁との中間部、に対する内周側が、磁気ディスク11の内周部である。本実施形態では、複数の磁気ディスク11が設けられている。複数の磁気ディスク11は、相互に積層された状態で配置されている。なお、磁気ディスク11は、複数枚に限るものでなく、1枚だけであってもよい。各磁気ディスク11の中心部は、筐体13のスピンドル取付孔13c(図4参照)に配設されたスピンドルモータ14に連結されており、各磁気ディスク11は、スピンドルモータ14によって回転駆動される。スピンドルモータ14は、磁気ディスク11を回転駆動する駆動源である。図1に、磁気ディスク11の回転方向を矢印Rで示してある。
【0011】
ヘッドアッセンブリ12は、アクチュエータアーム15と、アクチュエータアーム15の先端部に設けられた磁気ヘッド16と、を有している。アクチュエータアーム15は、支軸24によって回動可能に支持されており、アーム駆動源17により駆動されることで支軸24を中心として回動する。アーム駆動源17は、ボイスコイルモータ等によって構成され、磁力を用いてアクチュエータアーム15を駆動する。磁気ヘッド16は、磁気ディスク11に対して移動可能に設けられ、磁気ディスク11に対する情報の読み書きを行う。なお、磁気ヘッド16は、磁気ディスク11に対する情報の書き込みと読み出しとの少なくとも一方を行うものであればよい。
【0012】
筐体13は、有底箱状のベースプレート18と、ベースプレート18に取り付けられたカバー19と、を有している。ベースプレート18の第1の面18bには開口部18aが設けられており、カバー19は、開口部18aを覆う位置に取り付けられている。カバー19は、ベースプレート18にねじなどの固定手段(図示せず)によって固定されている。ベースプレート18およびカバー19は、例えば金属製である。筐体13の内部には、磁気ディスク11やヘッドアッセンブリ12、アーム駆動源17等が配置された内部空間13aが形成されている。
【0013】
図2は、本実施形態にかかる磁気ディスク装置の一部を示す縦断面図であり、詳細には図1中のF5領域の縦断面図である。図2に示すように、筐体13におけるベースプレート18の外底部18c側には、回路基板としてのプリント基板20が取り付けられている。プリント基板20には、第1の電子部品21(図5参照)および第2の電子部品22(図7参照)を含む複数の電子部品が実装されている。第1の電子部品21および第2の電子部品22は、例えばCPUやメモリ等の比較的に発熱量の大きい発熱部品である。プリント基板20は、複数の電子部品によって電気回路基板25を構成している。電気回路基板25には、磁気ヘッド16やスピンドルモータ14、アーム駆動源17が電気的に接続されている。磁気ヘッド16は、筐体13内に設けられた接続部30を介して、電気回路基板25に接続されている。
【0014】
図2に示すように、第1の電子部品21および第2の電子部品22(図7参照)は、熱伝導材23を介してベースプレート18に熱的に接続されている。第1の電子部品21および第2の電子部品22で発生した熱は、熱伝導材23を介してベースプレート18に伝達される。熱伝導材23は、シート状に形成されている。熱伝導材23は、例えばプラスチックラバーによって構成されている。
【0015】
磁気ディスク装置10では、電気回路基板25が、磁気ヘッド16やスピンドルモータ14、アーム駆動源17を制御して、磁気ディスク11を回転させながら磁気ヘッド16を移動させて磁気ヘッド16と磁気ディスク11との位置を相対的に変化させる。これにより、磁気ディスク11上の種々の位置で、磁気ヘッド16による磁気ディスク11に対する情報の読み書きが可能となっている。この際、磁気ディスク11の回転によって筐体13の内部に気流(内部流)が発生する。ここで、図3は、本実施形態にかかる磁気ディスク装置の内部に発生する気流の流れ方向を概略的に示す図である。図3中の矢印が磁気ディスク装置10の内部に発生する気流の流れ方向を示している。本実施形態では、この気流を利用して第1の電子部品21や第2の電子部品22の放熱を行う。なお、図3以外にも、図5、図6、図8、図9、図10において、気流の流れ方向を矢印で示している。
【0016】
次に、ベースプレート18とベースプレート18に設けられた放熱構造について詳しく説明する。図4は、本実施形態にかかるベースプレート18を示す斜視図である。図4に示すように、ベースプレート18の第1の面18bには、第2の面としての外底部18c(図2参照)に向かって凹んだ収容部18dが設けられている。収容部18dに、磁気ディスク11やヘッドアッセンブリ12、アーム駆動源17等が収容されている。収容部18dの開口がベースプレート18の開口部18aとなっている。第1の面18bと外底部18cとは表裏関係をなしている。
【0017】
図4に示すように、収容部18dの内部は、筐体13の内部空間13aを構成している。内部空間13aは、ベースプレート18とカバー19とによって密閉状態となる。そして、図2や図3に示すように、筐体13では、収容された各部(磁気ディスク11やヘッドアッセンブリ12、接続部30など)が位置していない空間が、磁気ディスク11の回転によって発生する気流の流路13bとなっている。例えば、収容部18dの内面と磁気ディスク11との間や、収容部18dの内面とヘッドアッセンブリ12との間、収容部18dの内面と接続部30との間、磁気ディスク11とヘッドアッセンブリ12との間、磁気ディスク11と接続部30との間、磁気ディスク11同士の間、ヘッドアッセンブリ12と収容部18dとの間などが、流路13bとなっている。このように筐体13の内部空間13aは、流路13bを含んでいる。
【0018】
図4に示すように、収容部18dの底部18eは、ある磁気ディスク11の端面11b(図2参照、図2では、最下段の磁気ディスク11の端面11b)と対向する第1の部分18fと、磁気ディスク11の端面11bと対向しない第2の部分18gと、を有している。第1の部分18fにおけるヘッドアッセンブリ12の移動領域には、凹部18pが形成されている。
【0019】
ここで、第1の電子部品21と第2の電子部品22とは、筐体13における流路13b側の部分の一部としての収容部18dの底部18eの裏側の部分の一部である外底部18cに、熱的に接続されている。別の言い方をすると、第1の電子部品21は、筐体13における磁気ディスク11の板厚方向の端面11bと対向する部分の一部としての収容部18dの底部18eの裏側の部分(外底部18cの一部)に、接続されている。また、第1の電子部品21と第2の電子部品22とは、筐体13における磁気ディスク11側の部分(収容部18dの内面)の裏側の部分の一部(外底部18c)に接続されている。筐体13における磁気ディスク11側の部分は、筐体13の内面であり、磁気ディスク11側の部分の裏側の部分は、筐体13の外面である。
【0020】
そして、ベースプレート18には、図4に示すように、複数の第1の凸部18hと複数の第2の凸部18iとが設けられている。複数の第1の凸部18hは、第1の放熱部18rを構成し、複数の第2の凸部18iは、第2の放熱部18sを構成している。第1の凸部18hと第2の凸部18iは、フィン構造である。
【0021】
図5は、図1のF5領域を示す斜視図であり、図6は、図1の磁気ディスク装置の一部をF6方向から見て示す斜視図である。なお、図6では、磁気ディスク11の一部が省略されている。図5および図6に示すように、第1の凸部18hは、収容部18dの底部18eの第1の部分18fの一部の領域に設けられている。詳細には、第1の凸部18hは、筐体13における流路13b側の裏側の部分(外底部18c)における第1の電子部品21が接続された部分の裏側の流路13b側の部分(収容部18dの底部18e)に設けられている。つまり、第1の凸部18hは、流路13bに配設されている。別の言い方をすると、第1の凸部18hは、筐体13における、磁気ディスク11の板厚方向の端面11bと対向する部分の裏側の部分(外底部18c)のうち第1の電子部品21が接続された部分の裏側の、磁気ディスク11の板厚方向の端面と対向する部分(収容部18dの底部18e)に配設され、磁気ディスク11の端面11bと対向している。
【0022】
また、図5および図6に示すように、筐体13における流路13b側の部分の一部としての収容部18dの底部18eには、第1の凹部18jが設けられており、この第1の凹部18jの底面18lに、第1の凸部18hが設けられている。第1の凹部18jは、収容部18dの底部18eに設けられている。
【0023】
図2に示すように、第1の凸部18hおよび第1の凹部18jは、磁気ディスク11の板厚方向での磁気ディスク11の端面11bと対向して配置されている。詳細には、第1の凸部18hおよび第1の凹部18jは、磁気ディスク11の外周部11aと対向した位置に配置されている。また、第1の凸部18hおよび第1の凹部18jは、磁気ディスク11の端面11bと対向する領域のうちヘッドアッセンブリ12の移動領域A(図3)の外側の領域に配置されている。
【0024】
図2および図5に示すように、第1の凸部18hの全体は、細長く形成され、第1の凹部18j内に設けられている。特に、図5に示すように、第1の凸部18hは、磁気ディスク11の回転にて発生する気流の流れ方向での上流側端部18tから下流側端部18uに向かう方向が長手方向となっている。複数の第1の凸部18hは、筐体13に形成されたスピンドル取付孔13の中心に対する径方向に、相互に間隔をあけて配置されている。各第1の凸部18hには、磁気ディスク11の回転によって発生する気流が当たる。
【0025】
図4や図6に示すように、第1の凹部18jは、磁気ディスク11の回転によって発生する気流が流入する流入部18mと、その気流が流出する流出部18nと、を有している。流入部18mと流出部18nとの間に第1の凸部18hが配置されている。
【0026】
また、図4や図6に示すように、第1の凹部18jには、第1の傾斜部18oと第2の傾斜部18qとが設けられている。第1の傾斜部18oは、流入部18mから第1の凸部18hに向かって延出した傾斜部である。この第1の傾斜部18oは、磁気ディスク11の端面11bに対して傾斜していて、気流を第1の凸部18hに案内する。第2の傾斜部18qは、磁気ディスク11の端面11bに対して傾斜していて、第1の凸部18hを通過した気流を流出部18nに案内する。
【0027】
また、図4や図5に示すように、第1の凹部18jは、流入部18mから第1の凸部18hに向かうにしたがい相互の距離が近くなる一対の側面18xを有している。これにより、第1の凹部18jは、流入部18mから第1の凸部18hに向かうにしたがい、その幅(図4、図6中のW方向の幅)が狭くなっている。
【0028】
図3に示すように、第1の凹部18jは、磁気ディスク11の回転中心軸(スピンドルモータ14)回りに弧状に形成されている。
【0029】
図4に示すように、第2の凸部18iは、収容部18dの底部18eの第2の部分18gの一部の領域に設けられている。詳細には、第2の凸部18iは、筐体13における流路13b側の裏側の部分(外底部18c)における第2の電子部品22が接続された部分の、裏側の流路13b側の部分(収容部18dの底部18e)に設けられている。つまり、第2の凸部18iは、流路13bに配設されている。別の言い方をすると、第2の凸部18iは、筐体13における磁気ディスク11側の裏側の部分(外底部18c)のうち第2の電子部品22が接続される部分の裏側の磁気ディスク11側の部分(収容部18dの底部18e)に配設されている。図3に示すように、第2の凸部18iは、磁気ディスク11の端面11bと対向しない位置に配置されている。
【0030】
図7は、図1のF7領域を示す斜視図である。図7に示すように、収容部18dの底部18eには、第2の凹部18kが設けられており、この第2の凹部18kの底面18vに、第2の凸部18iが設けられている。第2の凸部18iの全体は、第2の凹部18k内に設けられている。第2の凸部18iは、概略正六面体状に形成されている。第2の凸部18iは、行列状に複数配置されている。各第2の凸部18iには、磁気ディスク11の回転によって発生する気流が当たる。
【0031】
第2の凹部18kは、流路13bに設けられている。第2の凹部18kの底面18vは、矩形状に形成されており、底面18vの周縁部には、気流を案内する傾斜部18wが形成されている。図3に示すように、第2の凹部18kは、磁気ディスク11の端面11bと対向しない位置に配置されている。
【0032】
以上の構成の磁気ディスク装置10では、第1の電子部品21で発生した熱は、熱伝導材23を介して第1ベースプレート18の第1の凸部18hに伝達されて、第1の凸部18hから筐体13内に放出される。この際、磁気ディスク11が回転することで発生する気流が第1の凸部18hに当たるので、第1の凸部18hによる放熱量が大きくなり、第1の電子部品21で発生した熱が良好に放熱される。また、第2の電子部品22で発生した熱は、熱伝導材23を介して第1ベースプレート18の第2の凸部18iに伝達されて、第2の凸部18iから筐体13の内部に放出される。この際、磁気ディスク11が回転することで発生する気流が第2の凸部18iにも当たるので、第2の凸部18iによる放熱量が大きくなり、第2の電子部品22で発生した熱が良好に放熱される。そして、このようにして、第1の凸部18hおよび第2の凸部18iによって、第1の電子部品21および第2の電子部品22から筐体13内に放出された熱は、磁気ディスク11が回転することで発生する気流によって筐体13内の広範囲に分散されて筐体13から外部に放出される。
【0033】
以上説明したとおり、本実施形態では、第1の凸部18hと第2の凸部18iとが、筐体13における流路13b側の裏側の部分の一部としての外底部18cにおける第1の電子部品21および第2の電子部品22が接続された部分の裏側部分において、流路13bに配設されている。したがって、磁気ディスク11が回転することで発生する気流を利用して、第1の電子部品21および第2の電子部品22から発生する熱を効率的に放出することができる。よって、第1の電子部品21および第2の電子部品22の温度上昇を上記従来技術に比べてより抑制することができる。また、このように磁気ディスク11が回転することで発生する気流を利用することで、放熱専用にファンを設ける場合に比べて、磁気ディスク装置10の構成を簡素で安価なものとすることができる。
【0034】
また、本実施形態では、第1の凸部18hが、磁気ディスク11の端面11bと対向して配設されているので、磁気ディスク11の回転によって発生した気流を効率的に第1の凸部18hに当てることができる。
【0035】
また、本実施形態では、第1の凸部18hは、円板状の磁気ディスク11の外周部11aと対向した位置に配置されているので、比較的に速い流速の気流を効率的に第1の凸部18hに当てることができる。
【0036】
また、本実施形態では、第1の凹部18jに第1の凸部18hが、第2の凹部18kに第2の凸部18iが設けられている。したがって、第1の凸部18h、第2の凸部18iの高さを確保しつつ、磁気ディスク装置10が大型化するのを抑制することができる。また、ベースプレート18における凹部18j部分が凹部18jの周辺の部分によりも薄くなっているので、凹部18jから第1の凸部18hに熱が伝わり易いという利点もある。
【0037】
また、本実施形態では、第1の凸部18h、第2の凸部18iの全体が、第1の凹部18j、第2の凹部18k内に設けられている。即ち、第1の凸部18h、第2の凸部18iは、その高さ方向で、第1の凹部18j、第2の凹部18k内に収まっている。したがって、磁気ディスク11の回転によって発生した気流を、第1の凸部18hが乱すことを抑制することができるとともに、磁気ディスク11と第1の凸部18hとの隙間を十分に確保することができる。
【0038】
また、本実施形態では、第1の凹部18j内に、流入部18mから第1の凸部18hに向かって延出し、磁気ディスク11の端面11bに対して傾斜した第1の傾斜部18oが設けられている。したがって、磁気ディスク11の回転によって発生した気流が乱れるのを抑制しつつ、その気流の一部を第1の凹部18j内に良好に流入させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、流入部18mから第1の凸部18hに向かうにしたがい第1の凹部18jの幅が狭くなるので、第1の凸部18hに向けてより多くの空気を集めることができる。
【0040】
また、本実施形態では、第1の凹部18jは、磁気ディスク11の回転中心軸(スピンドルモータ14)回りに弧状である。したがって、磁気ディスク11の回転によって発生した気流が乱れるのを抑制しつつ、その気流の一部を第1の凹部18j内に流入させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1の凸部18hおよび第2の凸部18iは、磁気ディスク11の端面11bと対向するヘッドアッセンブリ12の移動領域Aの外側に配置されている。したがって、ヘッドアッセンブリ12の移動領域Aで、磁気ディスク11の回転によって発生した気流が乱れるのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、第1の凸部18hは、気流の流れ方向での上流側端部18tから下流側端部18uに向かう方向が長手方向である。したがって、気流の流れを方向を大きく変更させずに済み、気流が乱れるのを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、複数の第2の凸部18iが行列状に配置されている。したがって、ヘッドアッセンブリ12の変位によって気流の流れ方向が変わっても第2の凸部18iのそれぞれに気流が当たり、放熱することができるという利点がある。また、個々の第2の凸部18iの表面積を比較的に大きくすることができるという利点もある。
【0044】
次に、本実施形態の変形例を説明する。
【0045】
図8は、本実施形態の第1の変形例にかかる第1の凸部を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図である。第1の変形例では、第1の凸部18hが、複数列に複数配置されており、隣り合う列の第1の凸部18hが千鳥状に配置されている。
【0046】
図9は、第1の実施形態の第2の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。第2の変形例では、複数の第1の凸部18hが、円弧状に形成されている。この円弧は、磁気ディスク11の周方向に略沿っているのが好適である。
【0047】
図10は、第1の実施形態の第3の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。第3の変形例では、第1の凸部18hが、磁気ディスク11の径方向に細長く形成されている。
【0048】
以上の各変形例でも、第1の凸部18hに、磁気ディスク11の回転によって発生する気流があたるので、第1の電子部品21から生じた熱を効率的に放出することができる。
【0049】
なお、第2の凸部18iの形状として、上述した第1の凸部18hの形状を適用してもよいし、第1の凸部18hの形状として、上述した第2の凸部18iの形状を適用してもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
図11は、本実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータを示す斜視図である。パーソナルコンピュータ100は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータ100は、一対の筐体(電子機器筐体)101,102を備えている。一対の筐体101,102は、ヒンジ103によって相互に回動可能に連結されている。一方の筐体101には、キーボード104が設けられている。他方の筐体102には、ディスプレイ105が設けられている。そして、一方の筐体101の内部には、第1の実施形態で説明した磁気ディスク装置10が収容されている。本実施形態では、一方の筐体101が第2の筐体に相当する。なお、磁気ディスク装置10は、第1の実施形態の各変形例のものであってもよい。
【0051】
以上説明したとおり、上記各実施形態によれば、発熱部品としての電子部品(第1の電子部品21および第2の電子部品22)の温度上昇をより抑制することができる。
【0052】
なお、上記の各実施形態では、情報記憶装置として磁気ディスク装置の例を説明したが、これに限るものではなく、情報記憶装置としては、例えば光ディスクを備えた光ディスク装置等であってもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、電子機器としてパーソナルコンピュータの例を説明したが、これに限るものではなく、電子機器としては、例えばテレビジョン受像機等であってもよい。
【0054】
また、上記の各実施形態では、熱伝導材(接続部材)を介して筐体に発熱部品を接続した例を説明したが、これに限るものではなく、発熱部品を筐体に直接接続してもよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
11…磁気ディスク(情報記憶媒体)
11b…端面
13…筐体
13b…流路
18c…外底部
18e…底面
18h…第1の凸部(凸部)
18i…第2の凸部(凸部)
18j…第1の凹部
18k…第2の凹部
18m…流入部
18o…第1の傾斜部
18t…上流側端部
18u…下流側端部
21…第1の電子部品(発熱部品)
22…第2の電子部品(発熱部品)
100…パーソナルコンピュータ(電子機器)
101…筐体
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報記憶装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、磁気ディスク装置において、発熱する電子部品の温度上昇を抑制するために、プリント回路基板と筐体との間に放熱シートを配置して、電子部品の熱を筐体側に逃がすという技術が知られている。
【0003】
また、電子部品の一般的な放熱技術として、フィン構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−101270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気ディスク等の情報記憶装置では、電子部品の温度上昇をより抑制することが望まれている。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、発熱部品の温度上昇をより抑制することができる情報記憶装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の情報記憶装置は、情報記憶媒体と、筐体と、発熱部品と、凸部と、を備える。前記情報記憶媒体は、回転駆動される。前記筐体は、前記情報記憶媒体を収容し、前記情報記憶媒体の回転により発生する気流の流路が設けられる。前記発熱部品は、前記筐体における前記流路側の裏側の部分で熱的に接続される。前記凸部は、前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記流路側の部分に設けられて前記流路に配設される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、第1の実施形態にかかる情報記憶装置としての磁気ディスク装置を示す分解斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態にかかる磁気ディスク装置の一部を示す縦断面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態にかかる磁気ディスク装置の内部に発生する気流の流れ方向を概略的示す図である。
【図4】図4は、第1の実施形態にかかるベースプレートを示す斜視図である。
【図5】図5は、図1のF5領域を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1の磁気ディスク装置の一部をF6方向から見て示す斜視図である。
【図7】図7は、図1のF7領域を示す斜視図である。
【図8】図8は、第1の実施形態の第1の変形例にかかる第1の凸部を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図である。
【図9】図9は、第1の実施形態の第2の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。
【図10】図10は、第1の実施形態の第3の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。
【図11】図11は、第2の実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる情報記憶装置としての磁気ディスク装置を示す分解斜視図である。図1に示すように、磁気ディスク装置10は、情報を記憶する情報記憶媒体としての磁気ディスク11と、ヘッドアッセンブリ12と、これらの磁気ディスク11およびヘッドアッセンブリ12を収容した筐体13と、を備えている。なお、図1では、磁気ディスク11の一部が省略されている。
【0010】
図1に示すように、磁気ディスク11は、円板状に形成されている。磁気ディスク11は、中心部に孔が形成されている。そして、本実施形態では、磁気ディスク11の径方向での内周縁と外周縁との中間部、に対する外周側が、磁気ディスク11の外周部11aである。一方、磁気ディスク11の径方向での内周縁と外周縁との中間部、に対する内周側が、磁気ディスク11の内周部である。本実施形態では、複数の磁気ディスク11が設けられている。複数の磁気ディスク11は、相互に積層された状態で配置されている。なお、磁気ディスク11は、複数枚に限るものでなく、1枚だけであってもよい。各磁気ディスク11の中心部は、筐体13のスピンドル取付孔13c(図4参照)に配設されたスピンドルモータ14に連結されており、各磁気ディスク11は、スピンドルモータ14によって回転駆動される。スピンドルモータ14は、磁気ディスク11を回転駆動する駆動源である。図1に、磁気ディスク11の回転方向を矢印Rで示してある。
【0011】
ヘッドアッセンブリ12は、アクチュエータアーム15と、アクチュエータアーム15の先端部に設けられた磁気ヘッド16と、を有している。アクチュエータアーム15は、支軸24によって回動可能に支持されており、アーム駆動源17により駆動されることで支軸24を中心として回動する。アーム駆動源17は、ボイスコイルモータ等によって構成され、磁力を用いてアクチュエータアーム15を駆動する。磁気ヘッド16は、磁気ディスク11に対して移動可能に設けられ、磁気ディスク11に対する情報の読み書きを行う。なお、磁気ヘッド16は、磁気ディスク11に対する情報の書き込みと読み出しとの少なくとも一方を行うものであればよい。
【0012】
筐体13は、有底箱状のベースプレート18と、ベースプレート18に取り付けられたカバー19と、を有している。ベースプレート18の第1の面18bには開口部18aが設けられており、カバー19は、開口部18aを覆う位置に取り付けられている。カバー19は、ベースプレート18にねじなどの固定手段(図示せず)によって固定されている。ベースプレート18およびカバー19は、例えば金属製である。筐体13の内部には、磁気ディスク11やヘッドアッセンブリ12、アーム駆動源17等が配置された内部空間13aが形成されている。
【0013】
図2は、本実施形態にかかる磁気ディスク装置の一部を示す縦断面図であり、詳細には図1中のF5領域の縦断面図である。図2に示すように、筐体13におけるベースプレート18の外底部18c側には、回路基板としてのプリント基板20が取り付けられている。プリント基板20には、第1の電子部品21(図5参照)および第2の電子部品22(図7参照)を含む複数の電子部品が実装されている。第1の電子部品21および第2の電子部品22は、例えばCPUやメモリ等の比較的に発熱量の大きい発熱部品である。プリント基板20は、複数の電子部品によって電気回路基板25を構成している。電気回路基板25には、磁気ヘッド16やスピンドルモータ14、アーム駆動源17が電気的に接続されている。磁気ヘッド16は、筐体13内に設けられた接続部30を介して、電気回路基板25に接続されている。
【0014】
図2に示すように、第1の電子部品21および第2の電子部品22(図7参照)は、熱伝導材23を介してベースプレート18に熱的に接続されている。第1の電子部品21および第2の電子部品22で発生した熱は、熱伝導材23を介してベースプレート18に伝達される。熱伝導材23は、シート状に形成されている。熱伝導材23は、例えばプラスチックラバーによって構成されている。
【0015】
磁気ディスク装置10では、電気回路基板25が、磁気ヘッド16やスピンドルモータ14、アーム駆動源17を制御して、磁気ディスク11を回転させながら磁気ヘッド16を移動させて磁気ヘッド16と磁気ディスク11との位置を相対的に変化させる。これにより、磁気ディスク11上の種々の位置で、磁気ヘッド16による磁気ディスク11に対する情報の読み書きが可能となっている。この際、磁気ディスク11の回転によって筐体13の内部に気流(内部流)が発生する。ここで、図3は、本実施形態にかかる磁気ディスク装置の内部に発生する気流の流れ方向を概略的に示す図である。図3中の矢印が磁気ディスク装置10の内部に発生する気流の流れ方向を示している。本実施形態では、この気流を利用して第1の電子部品21や第2の電子部品22の放熱を行う。なお、図3以外にも、図5、図6、図8、図9、図10において、気流の流れ方向を矢印で示している。
【0016】
次に、ベースプレート18とベースプレート18に設けられた放熱構造について詳しく説明する。図4は、本実施形態にかかるベースプレート18を示す斜視図である。図4に示すように、ベースプレート18の第1の面18bには、第2の面としての外底部18c(図2参照)に向かって凹んだ収容部18dが設けられている。収容部18dに、磁気ディスク11やヘッドアッセンブリ12、アーム駆動源17等が収容されている。収容部18dの開口がベースプレート18の開口部18aとなっている。第1の面18bと外底部18cとは表裏関係をなしている。
【0017】
図4に示すように、収容部18dの内部は、筐体13の内部空間13aを構成している。内部空間13aは、ベースプレート18とカバー19とによって密閉状態となる。そして、図2や図3に示すように、筐体13では、収容された各部(磁気ディスク11やヘッドアッセンブリ12、接続部30など)が位置していない空間が、磁気ディスク11の回転によって発生する気流の流路13bとなっている。例えば、収容部18dの内面と磁気ディスク11との間や、収容部18dの内面とヘッドアッセンブリ12との間、収容部18dの内面と接続部30との間、磁気ディスク11とヘッドアッセンブリ12との間、磁気ディスク11と接続部30との間、磁気ディスク11同士の間、ヘッドアッセンブリ12と収容部18dとの間などが、流路13bとなっている。このように筐体13の内部空間13aは、流路13bを含んでいる。
【0018】
図4に示すように、収容部18dの底部18eは、ある磁気ディスク11の端面11b(図2参照、図2では、最下段の磁気ディスク11の端面11b)と対向する第1の部分18fと、磁気ディスク11の端面11bと対向しない第2の部分18gと、を有している。第1の部分18fにおけるヘッドアッセンブリ12の移動領域には、凹部18pが形成されている。
【0019】
ここで、第1の電子部品21と第2の電子部品22とは、筐体13における流路13b側の部分の一部としての収容部18dの底部18eの裏側の部分の一部である外底部18cに、熱的に接続されている。別の言い方をすると、第1の電子部品21は、筐体13における磁気ディスク11の板厚方向の端面11bと対向する部分の一部としての収容部18dの底部18eの裏側の部分(外底部18cの一部)に、接続されている。また、第1の電子部品21と第2の電子部品22とは、筐体13における磁気ディスク11側の部分(収容部18dの内面)の裏側の部分の一部(外底部18c)に接続されている。筐体13における磁気ディスク11側の部分は、筐体13の内面であり、磁気ディスク11側の部分の裏側の部分は、筐体13の外面である。
【0020】
そして、ベースプレート18には、図4に示すように、複数の第1の凸部18hと複数の第2の凸部18iとが設けられている。複数の第1の凸部18hは、第1の放熱部18rを構成し、複数の第2の凸部18iは、第2の放熱部18sを構成している。第1の凸部18hと第2の凸部18iは、フィン構造である。
【0021】
図5は、図1のF5領域を示す斜視図であり、図6は、図1の磁気ディスク装置の一部をF6方向から見て示す斜視図である。なお、図6では、磁気ディスク11の一部が省略されている。図5および図6に示すように、第1の凸部18hは、収容部18dの底部18eの第1の部分18fの一部の領域に設けられている。詳細には、第1の凸部18hは、筐体13における流路13b側の裏側の部分(外底部18c)における第1の電子部品21が接続された部分の裏側の流路13b側の部分(収容部18dの底部18e)に設けられている。つまり、第1の凸部18hは、流路13bに配設されている。別の言い方をすると、第1の凸部18hは、筐体13における、磁気ディスク11の板厚方向の端面11bと対向する部分の裏側の部分(外底部18c)のうち第1の電子部品21が接続された部分の裏側の、磁気ディスク11の板厚方向の端面と対向する部分(収容部18dの底部18e)に配設され、磁気ディスク11の端面11bと対向している。
【0022】
また、図5および図6に示すように、筐体13における流路13b側の部分の一部としての収容部18dの底部18eには、第1の凹部18jが設けられており、この第1の凹部18jの底面18lに、第1の凸部18hが設けられている。第1の凹部18jは、収容部18dの底部18eに設けられている。
【0023】
図2に示すように、第1の凸部18hおよび第1の凹部18jは、磁気ディスク11の板厚方向での磁気ディスク11の端面11bと対向して配置されている。詳細には、第1の凸部18hおよび第1の凹部18jは、磁気ディスク11の外周部11aと対向した位置に配置されている。また、第1の凸部18hおよび第1の凹部18jは、磁気ディスク11の端面11bと対向する領域のうちヘッドアッセンブリ12の移動領域A(図3)の外側の領域に配置されている。
【0024】
図2および図5に示すように、第1の凸部18hの全体は、細長く形成され、第1の凹部18j内に設けられている。特に、図5に示すように、第1の凸部18hは、磁気ディスク11の回転にて発生する気流の流れ方向での上流側端部18tから下流側端部18uに向かう方向が長手方向となっている。複数の第1の凸部18hは、筐体13に形成されたスピンドル取付孔13の中心に対する径方向に、相互に間隔をあけて配置されている。各第1の凸部18hには、磁気ディスク11の回転によって発生する気流が当たる。
【0025】
図4や図6に示すように、第1の凹部18jは、磁気ディスク11の回転によって発生する気流が流入する流入部18mと、その気流が流出する流出部18nと、を有している。流入部18mと流出部18nとの間に第1の凸部18hが配置されている。
【0026】
また、図4や図6に示すように、第1の凹部18jには、第1の傾斜部18oと第2の傾斜部18qとが設けられている。第1の傾斜部18oは、流入部18mから第1の凸部18hに向かって延出した傾斜部である。この第1の傾斜部18oは、磁気ディスク11の端面11bに対して傾斜していて、気流を第1の凸部18hに案内する。第2の傾斜部18qは、磁気ディスク11の端面11bに対して傾斜していて、第1の凸部18hを通過した気流を流出部18nに案内する。
【0027】
また、図4や図5に示すように、第1の凹部18jは、流入部18mから第1の凸部18hに向かうにしたがい相互の距離が近くなる一対の側面18xを有している。これにより、第1の凹部18jは、流入部18mから第1の凸部18hに向かうにしたがい、その幅(図4、図6中のW方向の幅)が狭くなっている。
【0028】
図3に示すように、第1の凹部18jは、磁気ディスク11の回転中心軸(スピンドルモータ14)回りに弧状に形成されている。
【0029】
図4に示すように、第2の凸部18iは、収容部18dの底部18eの第2の部分18gの一部の領域に設けられている。詳細には、第2の凸部18iは、筐体13における流路13b側の裏側の部分(外底部18c)における第2の電子部品22が接続された部分の、裏側の流路13b側の部分(収容部18dの底部18e)に設けられている。つまり、第2の凸部18iは、流路13bに配設されている。別の言い方をすると、第2の凸部18iは、筐体13における磁気ディスク11側の裏側の部分(外底部18c)のうち第2の電子部品22が接続される部分の裏側の磁気ディスク11側の部分(収容部18dの底部18e)に配設されている。図3に示すように、第2の凸部18iは、磁気ディスク11の端面11bと対向しない位置に配置されている。
【0030】
図7は、図1のF7領域を示す斜視図である。図7に示すように、収容部18dの底部18eには、第2の凹部18kが設けられており、この第2の凹部18kの底面18vに、第2の凸部18iが設けられている。第2の凸部18iの全体は、第2の凹部18k内に設けられている。第2の凸部18iは、概略正六面体状に形成されている。第2の凸部18iは、行列状に複数配置されている。各第2の凸部18iには、磁気ディスク11の回転によって発生する気流が当たる。
【0031】
第2の凹部18kは、流路13bに設けられている。第2の凹部18kの底面18vは、矩形状に形成されており、底面18vの周縁部には、気流を案内する傾斜部18wが形成されている。図3に示すように、第2の凹部18kは、磁気ディスク11の端面11bと対向しない位置に配置されている。
【0032】
以上の構成の磁気ディスク装置10では、第1の電子部品21で発生した熱は、熱伝導材23を介して第1ベースプレート18の第1の凸部18hに伝達されて、第1の凸部18hから筐体13内に放出される。この際、磁気ディスク11が回転することで発生する気流が第1の凸部18hに当たるので、第1の凸部18hによる放熱量が大きくなり、第1の電子部品21で発生した熱が良好に放熱される。また、第2の電子部品22で発生した熱は、熱伝導材23を介して第1ベースプレート18の第2の凸部18iに伝達されて、第2の凸部18iから筐体13の内部に放出される。この際、磁気ディスク11が回転することで発生する気流が第2の凸部18iにも当たるので、第2の凸部18iによる放熱量が大きくなり、第2の電子部品22で発生した熱が良好に放熱される。そして、このようにして、第1の凸部18hおよび第2の凸部18iによって、第1の電子部品21および第2の電子部品22から筐体13内に放出された熱は、磁気ディスク11が回転することで発生する気流によって筐体13内の広範囲に分散されて筐体13から外部に放出される。
【0033】
以上説明したとおり、本実施形態では、第1の凸部18hと第2の凸部18iとが、筐体13における流路13b側の裏側の部分の一部としての外底部18cにおける第1の電子部品21および第2の電子部品22が接続された部分の裏側部分において、流路13bに配設されている。したがって、磁気ディスク11が回転することで発生する気流を利用して、第1の電子部品21および第2の電子部品22から発生する熱を効率的に放出することができる。よって、第1の電子部品21および第2の電子部品22の温度上昇を上記従来技術に比べてより抑制することができる。また、このように磁気ディスク11が回転することで発生する気流を利用することで、放熱専用にファンを設ける場合に比べて、磁気ディスク装置10の構成を簡素で安価なものとすることができる。
【0034】
また、本実施形態では、第1の凸部18hが、磁気ディスク11の端面11bと対向して配設されているので、磁気ディスク11の回転によって発生した気流を効率的に第1の凸部18hに当てることができる。
【0035】
また、本実施形態では、第1の凸部18hは、円板状の磁気ディスク11の外周部11aと対向した位置に配置されているので、比較的に速い流速の気流を効率的に第1の凸部18hに当てることができる。
【0036】
また、本実施形態では、第1の凹部18jに第1の凸部18hが、第2の凹部18kに第2の凸部18iが設けられている。したがって、第1の凸部18h、第2の凸部18iの高さを確保しつつ、磁気ディスク装置10が大型化するのを抑制することができる。また、ベースプレート18における凹部18j部分が凹部18jの周辺の部分によりも薄くなっているので、凹部18jから第1の凸部18hに熱が伝わり易いという利点もある。
【0037】
また、本実施形態では、第1の凸部18h、第2の凸部18iの全体が、第1の凹部18j、第2の凹部18k内に設けられている。即ち、第1の凸部18h、第2の凸部18iは、その高さ方向で、第1の凹部18j、第2の凹部18k内に収まっている。したがって、磁気ディスク11の回転によって発生した気流を、第1の凸部18hが乱すことを抑制することができるとともに、磁気ディスク11と第1の凸部18hとの隙間を十分に確保することができる。
【0038】
また、本実施形態では、第1の凹部18j内に、流入部18mから第1の凸部18hに向かって延出し、磁気ディスク11の端面11bに対して傾斜した第1の傾斜部18oが設けられている。したがって、磁気ディスク11の回転によって発生した気流が乱れるのを抑制しつつ、その気流の一部を第1の凹部18j内に良好に流入させることができる。
【0039】
また、本実施形態では、流入部18mから第1の凸部18hに向かうにしたがい第1の凹部18jの幅が狭くなるので、第1の凸部18hに向けてより多くの空気を集めることができる。
【0040】
また、本実施形態では、第1の凹部18jは、磁気ディスク11の回転中心軸(スピンドルモータ14)回りに弧状である。したがって、磁気ディスク11の回転によって発生した気流が乱れるのを抑制しつつ、その気流の一部を第1の凹部18j内に流入させることができる。
【0041】
また、本実施形態では、第1の凸部18hおよび第2の凸部18iは、磁気ディスク11の端面11bと対向するヘッドアッセンブリ12の移動領域Aの外側に配置されている。したがって、ヘッドアッセンブリ12の移動領域Aで、磁気ディスク11の回転によって発生した気流が乱れるのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、第1の凸部18hは、気流の流れ方向での上流側端部18tから下流側端部18uに向かう方向が長手方向である。したがって、気流の流れを方向を大きく変更させずに済み、気流が乱れるのを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、複数の第2の凸部18iが行列状に配置されている。したがって、ヘッドアッセンブリ12の変位によって気流の流れ方向が変わっても第2の凸部18iのそれぞれに気流が当たり、放熱することができるという利点がある。また、個々の第2の凸部18iの表面積を比較的に大きくすることができるという利点もある。
【0044】
次に、本実施形態の変形例を説明する。
【0045】
図8は、本実施形態の第1の変形例にかかる第1の凸部を示す図であって、(a)は、斜視図、(b)は、平面図である。第1の変形例では、第1の凸部18hが、複数列に複数配置されており、隣り合う列の第1の凸部18hが千鳥状に配置されている。
【0046】
図9は、第1の実施形態の第2の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。第2の変形例では、複数の第1の凸部18hが、円弧状に形成されている。この円弧は、磁気ディスク11の周方向に略沿っているのが好適である。
【0047】
図10は、第1の実施形態の第3の変形例にかかる第1の凸部を示す斜視図である。第3の変形例では、第1の凸部18hが、磁気ディスク11の径方向に細長く形成されている。
【0048】
以上の各変形例でも、第1の凸部18hに、磁気ディスク11の回転によって発生する気流があたるので、第1の電子部品21から生じた熱を効率的に放出することができる。
【0049】
なお、第2の凸部18iの形状として、上述した第1の凸部18hの形状を適用してもよいし、第1の凸部18hの形状として、上述した第2の凸部18iの形状を適用してもよい。
【0050】
(第2の実施形態)
図11は、本実施形態にかかる電子機器としてのパーソナルコンピュータを示す斜視図である。パーソナルコンピュータ100は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータである。パーソナルコンピュータ100は、一対の筐体(電子機器筐体)101,102を備えている。一対の筐体101,102は、ヒンジ103によって相互に回動可能に連結されている。一方の筐体101には、キーボード104が設けられている。他方の筐体102には、ディスプレイ105が設けられている。そして、一方の筐体101の内部には、第1の実施形態で説明した磁気ディスク装置10が収容されている。本実施形態では、一方の筐体101が第2の筐体に相当する。なお、磁気ディスク装置10は、第1の実施形態の各変形例のものであってもよい。
【0051】
以上説明したとおり、上記各実施形態によれば、発熱部品としての電子部品(第1の電子部品21および第2の電子部品22)の温度上昇をより抑制することができる。
【0052】
なお、上記の各実施形態では、情報記憶装置として磁気ディスク装置の例を説明したが、これに限るものではなく、情報記憶装置としては、例えば光ディスクを備えた光ディスク装置等であってもよい。
【0053】
また、上記の実施形態では、電子機器としてパーソナルコンピュータの例を説明したが、これに限るものではなく、電子機器としては、例えばテレビジョン受像機等であってもよい。
【0054】
また、上記の各実施形態では、熱伝導材(接続部材)を介して筐体に発熱部品を接続した例を説明したが、これに限るものではなく、発熱部品を筐体に直接接続してもよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
11…磁気ディスク(情報記憶媒体)
11b…端面
13…筐体
13b…流路
18c…外底部
18e…底面
18h…第1の凸部(凸部)
18i…第2の凸部(凸部)
18j…第1の凹部
18k…第2の凹部
18m…流入部
18o…第1の傾斜部
18t…上流側端部
18u…下流側端部
21…第1の電子部品(発熱部品)
22…第2の電子部品(発熱部品)
100…パーソナルコンピュータ(電子機器)
101…筐体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体を収容し、前記情報記憶媒体の回転により発生する気流の流路が設けられる筐体と、
前記筐体における前記流路側の裏側の部分で熱的に接続される発熱部品と、
前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記流路側の部分に設けられて前記流路に配設される凸部と、
を備える情報記憶装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記情報記憶媒体の板厚方向の端面と対向して配設される請求項1に記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記流路側の部分に設けられて底部に前記凸部が設けられる凹部を備える請求項1または2に記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記凹部は、
前記気流が流入する流入部と、
前記流入部から前記凸部に向かって延出し前記情報記憶媒体の前記端面に対して傾斜している傾斜部と、
を有する請求項3に記載の情報記憶装置。
【請求項5】
前記凸部は、前記気流の流れ方向での上流側端部から下流側端部に向かう方向が長手方向に形成される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記憶装置。
【請求項6】
前記凸部は、行列状に複数配置される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記憶装置。
【請求項7】
前記凸部は、複数列に複数配置され、
隣り合う列の前記凸部が千鳥状に配置される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記憶装置。
【請求項8】
回転駆動される情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体を収容する筐体と、
前記筐体における前記情報記憶媒体の板厚方向の端面と対向する部分の裏側の部分で熱的に接続される発熱部品と、
前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記対向する部分に配設されて前記情報記憶媒体の前記端面と対向する凸部と、
を備える情報記憶装置。
【請求項9】
回転駆動される情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体を収容する筐体と、
前記筐体における前記情報記憶媒体側の裏側の部分で熱的に接続される発熱部品と、
前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記情報記憶媒体側の部分に配設される凸部と、
を備える情報記憶装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載の情報記憶装置と、
前記情報記憶装置を収容する第2の筐体と、
を備える電子機器。
【請求項1】
回転駆動される情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体を収容し、前記情報記憶媒体の回転により発生する気流の流路が設けられる筐体と、
前記筐体における前記流路側の裏側の部分で熱的に接続される発熱部品と、
前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記流路側の部分に設けられて前記流路に配設される凸部と、
を備える情報記憶装置。
【請求項2】
前記凸部は、前記情報記憶媒体の板厚方向の端面と対向して配設される請求項1に記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記流路側の部分に設けられて底部に前記凸部が設けられる凹部を備える請求項1または2に記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記凹部は、
前記気流が流入する流入部と、
前記流入部から前記凸部に向かって延出し前記情報記憶媒体の前記端面に対して傾斜している傾斜部と、
を有する請求項3に記載の情報記憶装置。
【請求項5】
前記凸部は、前記気流の流れ方向での上流側端部から下流側端部に向かう方向が長手方向に形成される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記憶装置。
【請求項6】
前記凸部は、行列状に複数配置される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記憶装置。
【請求項7】
前記凸部は、複数列に複数配置され、
隣り合う列の前記凸部が千鳥状に配置される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の情報記憶装置。
【請求項8】
回転駆動される情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体を収容する筐体と、
前記筐体における前記情報記憶媒体の板厚方向の端面と対向する部分の裏側の部分で熱的に接続される発熱部品と、
前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記対向する部分に配設されて前記情報記憶媒体の前記端面と対向する凸部と、
を備える情報記憶装置。
【請求項9】
回転駆動される情報記憶媒体と、
前記情報記憶媒体を収容する筐体と、
前記筐体における前記情報記憶媒体側の裏側の部分で熱的に接続される発熱部品と、
前記裏側の部分のうち前記発熱部品が接続される部分の裏側の前記情報記憶媒体側の部分に配設される凸部と、
を備える情報記憶装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載の情報記憶装置と、
前記情報記憶装置を収容する第2の筐体と、
を備える電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−4108(P2013−4108A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130482(P2011−130482)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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