情報記録再生装置
【目的】 写真フィルムが蛇行して搬送される場合であっても写真フィルムの記録層に情報を確実に記録及び再生できる情報記録再生装置を得る。
【構成】 磁気ヘッド２８及びガイドローラ３６が固定された支持部材２６が矢印Ｃ及びＤ方向に回転可能に支持されている。支持部材２６は、圧縮コイルばね３８によってネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接した状態に付勢され、ネガフィム１６が搬送ローラにより搬送されると、ガイドローラ３６が回転し、ネガフィルム１６を搬送方向へガイドする。ネガフィルム１６がその幅方向に蛇行した状態で搬送されても、支持部材２６は、圧縮コイルばね３８によってガイドローラ３６が常にネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接された状態に付勢され、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向へのずれのない位置に常に保持される。
【構成】 磁気ヘッド２８及びガイドローラ３６が固定された支持部材２６が矢印Ｃ及びＤ方向に回転可能に支持されている。支持部材２６は、圧縮コイルばね３８によってネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接した状態に付勢され、ネガフィム１６が搬送ローラにより搬送されると、ガイドローラ３６が回転し、ネガフィルム１６を搬送方向へガイドする。ネガフィルム１６がその幅方向に蛇行した状態で搬送されても、支持部材２６は、圧縮コイルばね３８によってガイドローラ３６が常にネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接された状態に付勢され、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向へのずれのない位置に常に保持される。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、写真プリンタに用いられる情報記録再生装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、写真フィルム、特にネガフィルムへ透明磁性体を塗布して、このネガフィルムを特定する情報及びネガフィルムに焼付けられた画像を特定する情報を磁気記録することが提案されている（一例として、International PublicationNumber WO 90 /04205）。この磁気情報の記録方法では、ネガフィルムを搬送しながらユーザＩＤの情報等をコード化しコード化された情報に基づいて磁気ヘッドに電気信号を印可することによりフィルムへ情報を記録している。これによれば、画像コマにそれぞれ対応して情報を記憶させることができ、さらに、ラボでは、印画紙への焼付時に画像コマ毎に焼付時の露光量等を記録しておくこともできる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ネガフィルムが蛇行した状態で搬送されると、ネガフィルムにおける磁気層の所定位置で磁気ヘッドを走査させることができないため、トラックずれ（ネガフィルムの幅方向へのずれ）及びアジマスずれ（ネガフィルムの画像形成面と直交する軸回りのずれ）を生じた状態で磁気ヘッドが磁気層を走査するようになり、情報の正確な記録及び再生は困難となる。
【０００４】本発明は上記事実を考慮し、写真フィルムが蛇行して搬送されている場合であっても写真フィルムの記録領域に情報を確実に記録及び再生できる情報記録再生装置を得ることを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】請求項１の情報記録再生装置は、搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドするガイド部材と、前記ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し前記写真フィルムの一方の側端部に前記ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴としている。
【０００６】請求項２の情報記録再生装置は、請求項１記載の情報記録再生装置において、前記ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴としている。
【０００７】請求項３の情報記録再生装置は、請求項１又は請求項２記載の情報記録再生装置において、前記ガイド部材は前記写真フィルムの一方の側端部ところがり接触する接触部材を備えていることを特徴している。
【０００８】請求項４の情報記録再生装置は、請求項１又は請求項２記載の情報記録再生装置において、前記ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴としている。
【０００９】請求項５の情報記録再生装置は、請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載の情報記録再生装置において、前記写真フィルムを前記記録再生手段に押圧する押圧部材を設けたことを特徴としている。
【００１０】請求項６の情報記録再生装置は、搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記第１ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し前記写真フィルムの一方の側端部に前記第１ガイド部材を当接させる付勢部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように固定されると共に前記写真フィルムの他方の側端部が当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、を有することを特徴としている。
【００１１】請求項７の情報記録再生装置は、請求項６記載の情報記録再生装置において、前記第１ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴としている。
【００１２】請求項８の情報記録再生装置は、搬送される写真フィルムのトラックに磁気情報又は光学情報を記録すると共に記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に前記写真フィルムの搬送路近傍に固定されかつ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように配置されると共に前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて前記写真フィルムの他方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ前記写真フィルムの他方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、前記第２ガイド部材を常に前記写真フィルムの他方の側端部に接近する方向へ付勢し前記写真フィルムの他方の側端部に前記第２ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴としている。
【００１３】請求項９の情報記録再生装置は、請求項８記載の情報記録再生装置において、前記第２ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴としている。
【００１４】請求項１０の情報記録再生装置は、請求項６乃至請求項９の何れか１項に記載の情報記録再生装置において、前記第１ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分及び第２ガイド部材の前記写真フィルムの他方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴としている。
【００１５】
【作用】請求項１の情報記録再生装置では、搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録及び再生する記録再生手段がガイド部材に固定されており、このガイド部材は、写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて写真フィルムの一方の側端部に当接する状態に常に付勢手段によって付勢されている。したがって、情報の記録及び再生の際に、写真フィルムが蛇行して搬送されても、ガイド部材は、写真フィルムの蛇行に応じ、写真フィルムの一方の側端部に押圧され付勢手段の付勢力に抗して前記軸回りに回動でき、また、写真フィルムの一方の側端部を押圧しつつ前記軸回りに回動できるため写真フィルムの蛇行に追従する。記録再生手段は、このようにフィルムの蛇行に追従するガイド部材に固定されているため、写真フィルムが蛇行しても、写真フィルムの一方の側端部に当接された状態が常に保持され、記録再生手段の写真フィルムにおける記録領域に対する前記軸回り方向へのずれ、すなわち、写真フィルムの幅方向へのずれ（トラックずれ）を解消できる。
【００１６】請求項２の情報記録再生装置では、請求項１の構成に加えて、ガイド部材が写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りにも回動可能に支持されているため、ガイド部材に固定された記録再生手段も写真フィルムの画像形成面と直交する軸回りに移動でき、トラックずれのみならずアジマスずれ（記録領域における写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りのずれ）も解消できる。
【００１７】請求項３の情報記録再生装置では、写真フィルムの記録領域に磁気情報または光学情報を記録及び再生する際に、写真フィルムは、一方の側端部にガイド部材に備えられた接触部材がころがり接触した状態、すなわち、写真フィルムの一方の側端部と接触部材との摩擦が小さくされた状態で搬送方向へガイドされる。したがって、ガイド部材によって写真フィルムを搬送方向ヘガイドする際に、ガイド部材及び写真フィルムの摩擦、磨耗や削れ屑の発生を抑えることができる。
【００１８】請求項４の情報記録再生装置では、写真フィルムの記録領域に磁気情報または光学情報を記録及び再生する際に、写真フィルムは、一方の側端部がガイド部材の摩擦係数の小さい部分と当接した状態で搬送方向へガイドされる。したがって、ガイド部材によって写真フィルムを搬送方向ヘガイドする際に、ガイド部材及び写真フィルムの磨耗や削れ屑の発生を抑えることができる。
【００１９】請求項５の情報記録再生装置では、押圧手段が設けられており、この押圧部材によって写真フィルムが記録再生手段に押圧された状態で、すなわち、写真フィルムの記録領域と記録再生手段との接触性を向上させた状態で写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録及び再生できる。なお、押圧部材をガイド部材と別体とすれば、押圧部材と写真フィルムとの摩擦が大きい場合であっても、ガイド部材は押圧部材と独立に写真フィルムの搬送方向に沿う一方の側端部に接近及び離反できるため、記録再生手段は、写真フィルムの蛇行に追従して移動できる。
【００２０】請求項６の情報記録再生装置では、記録再生手段が固定され、写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されると共に付勢手段により写真フィルムの一方の側端部と当接状態とされた第１ガイド部材が設けられている。したがって、請求項１と同様の作用によりトラックずれを解消できる。更に、請求項６の情報記録再生装置では、写真フィルムの搬送路近傍に第１ガイド部材と対向するように固定されると共に前記写真フィルムの他方の側端部が当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材が設けられており、写真フィルムは、第１ガイド部材と第２ガイド部材とによって挟持された状態で搬送されるため、写真フィルムの安定した搬送が行える。
【００２１】請求項７の情報記録再生装置では、請求項６記載の情報記録再生装置において、第１ガイド部材が写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りも回動可能に支持されているので、トラックずれのみならずアジマスずれも解消できる。
【００２２】請求項８の情報記録再生装置では、記録再生手段が固定されると共に写真フィルムの搬送路近傍に固定されかつ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態とされた第１ガイド部材が設けられている。また、写真フィルムの搬送路近傍に第１ガイド部材と対向するように配置されると共に写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて写真フィルムの他方の側端部と当接した状態に常に付勢され写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材が設けられている。したがって、情報の記録及び再生の際に、写真フィルムが蛇行して搬送されても、第２ガイド部材は、写真フィルムの蛇行に応じ、写真フィルムの一方の側端部に押圧され付勢手段の付勢力に抗して前記軸回りに回動でき、また、写真フィルムの他方の側端部を押圧しつつ前記軸回りに回動できるため、写真フィルムの蛇行に追従できる。したがって、記録再生手段は、写真フィルムが蛇行しても、写真フィルムの他方の側端部に当接された状態が保持され、トラックずれを解消できる。
【００２３】請求項９の情報記録再生装置では、第２ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されているので、トラックずれのみならずアジマスずれも解消できる。
【００２４】請求項１０の情報記録再生装置では、第１ガイド部材の前記第１ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分及び第２ガイド部材の前記写真フィルムの他方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されているので、写真フィルムが第１ガイド部材及び第２ガイド部材とによって挟持した状態でガイドする際に、ガイド部材及び写真フィルムの磨耗や削り屑の発生を抑えることができる。
【００２５】
【実施例】以下に本発明に係る情報記録再生装置の第１実施例を図１乃至図３にしたがって説明する。
【００２６】図３には、本発明に係る情報記録再生装置が適用された写真プリンタ１０が示されている。写真プリンタ１０は、外部がケーシング１２で覆われており、ケーシング１２から作業テーブル１４が突出している。作業テーブル１４の上面には、ネガフィルム１６（図２参照）がセットされるネガキャリア１８が設置されている。
【００２７】図２に示される如く、ネガキャリア１８には、ネガフィルム１６の搬送方向（図２矢印Ａ方向）に沿って間隔をおいて搬送ローラ２２が複数個配置されており、ネガフィルム１６はこれらの搬送ローラ２２によって搬送される。また、ネガキャリア１８には、磁気ヘッド２８を備えた情報記録再生部２４、及び画像コマのエッジを検出して位置決め等を行うセンサ１５が設けられている。なお、ネガキャリア１８の情報記録再生部２４よりもネガフィルム１６の搬送方向下流側には、開口部１９が形成されており、図示しない露光部より発せられた光がネガフィルム１６へ照射されるようになっている。
【００２８】情報記録再生部２４は、図１に示す如く、ガイド部材としての支持部材２６を備えている。支持部材２６は、磁気ヘッド２８が固定されたブロック状の基部３０を有し、この基部３０の中央部から上方（図１の矢印Ｂ方向）へ向けてブロック状の延出部３２が延出されており、ネガフィルム１６の幅方向（図１矢印Ｅ方向）から見た形状が略Ｔ字状とされている。磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の長手方向に沿って形成された記録領域としてのトラック１７（図２参照）と接触しこのトラック１７にユーザの注文情報やプリント料金情報等を磁気記録でき、該記録情報を再生できるようになっている。
【００２９】支持部材２６における基部３０の図１矢印Ａ方向両端部には、ネガフィルム１６の搬送方向（図１矢印Ａ方向）に沿って互いに反対側へ水平に延出されて各々平板状とされた取付部３０Ａが形成されている。各々の取付部３０Ａの上面には、支持ピン３０Ｂを介して円柱状の接触部材としてのガイドローラ３６が回動可能に支持されている。このガイドローラ３６は、その一部が取付部３０Ａからネガフィルム１６の搬送路側へ突出しており、これにより、各々のガイドローラ３６がネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接できるようになっている。そして、この当接状態で、磁気ヘッド２８がネガフィルム１６のトラック１７を最適な位置で接触できるようになっている。
【００３０】支持部材２６における延出部３２の上端部には、支持ピン３４が貫通した状態で固着されている。支持ピン３４は、その軸方向をネガフィルム１６の搬送方向へ向けて配置されており、支持部材２６は、支持ピン３４を介して写真プリンタ１０の図示しない取付部に、支持ピン３４の軸線回り（図１矢印Ｃ方向及Ｄ方向）へ回動可能に支持されている。したがって、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向を横切る方向（図１矢印Ｅ方向及び矢印Ｅ方向と反対方向）へ移動できるようになっている。また、支持部材２６は、その上端部に突設された支持ピン３５によって図１の矢印Ｆ方向（ネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の画像形成面と平行な方向）へ回動可能に支持されている。
【００３１】また、支持部材２６は、圧縮コイルばね３８によって、支持ピン３４を中心として図１矢印Ｃ方向、すなわち、支持部材２６がネガフィルム１６の側端部１６Ａに接近する方向へ常に付勢されており、これにより、ガイドローラ３６がネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接できるようになっている。各々のガイドローラ３６は、ネガフィルム１６の搬送によって回動されるようになっており、ネガフィルム１６を搬送方向（図１矢印Ａ方向）へとガイドする。
【００３２】さらに、ネガフィルム１６を挟んで一対のガイドローラ３６の各々と対向する位置には、各々ガイドローラ３７が設けられている。各々のガイドローラ３７、図１矢印Ｃ及矢印Ｄ方向へ揺動可能に支持された図示しない支持板に支持ピン３７Ａによって回動可能に支持されている。ガイドローラ３７は、搬送されるネガフィルム１６の側端部１６Ｂに当接した状態でネガフィルム１６の搬送によって回転され、ネガフィルム１６を搬送方向へガイドするようになっている。
【００３３】以下に第１実施例の作用を説明する。ネガフィルム１６は、搬送ローラ２２によって図２矢印Ａ方向に搬送される。この搬送の際に、磁気ヘッド２８によって、ネガフィルム１６のトラック１７に磁気情報が記録され、あるいは記録情報が再生される。
【００３４】ネガフィルム１６の搬送の際には、ガイドローラ３６がネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接した状態で回転されると共に、ガイドローラ３７がネガフィルム１６の側端部１６Ｂに当接した状態で回転し、これにより、ネガフィルム１６が搬送方向へガイドされる。この場合、ガイドローラ３６、３７とネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂとは、ころがり接触で接触しており、ネガフィルム１６は、ガイドローラ３６、３７とネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂとの間の摩擦の小さな状態で搬送方向へガイドされるため、ガイドローラ３６、３７及びネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂの磨耗や削れが著しく減少される。
【００３５】また、本実施例では、ネガフィルム１６が蛇行した状態で搬送されても磁気ヘッド２８によってトラックずれのない良好な状態でトラック１７に情報を記録でき、この記録情報を再生できる。
【００３６】すなわち、ネガフィルム１６が蛇行して、ネガフィルム１６が図１矢印Ｅ方向に揺れると、支持部材２６は、圧縮コイルばね３８の付勢力により、支持ピン３４を中心に図１矢印Ｃ方向に揺動し、さらにガイドローラ３７が支持された前記図示しない支持板も図１矢印Ｃ方向に揺動するので、支持部材２６は、ガイドローラ３６がネガフィルム１６に当接した状態に保持され、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向に対するずれのない位置に配置される。よって、ネガフィルム１６をトラックずれのない状態でトラック１７に接触でき、情報の正確な記録及び再生ができる。また、ネガフィルム１６の搬送の際に、ネガフィルム１６が蛇行して、ネガフィルム１６が図１矢印Ｅ方向方向と反対方向に揺れると、ネガフィルム１６の側端部１６Ａがガイドローラ３６を介して支持部材２６を押圧し、支持部材２６を支持ピン３４を中心として矢印Ｄ方向へ回転させる。したがって、支持部材２６は、ガイドローラ３６がネガフィルム１６に当接した状態に保持され、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向に対するずれのない位置に配置される。よって、磁気ヘッド２８は、トラックずれのない状態でトラック１７に接触でき、情報の正確な記録及び再生ができる。
【００３７】以下に本発明に係る情報記録再生装置の第２実施例を図４にしたがって説明する。
【００３８】本実施例では、支持部材４０、５０がネガフィルム１６の搬送路を挟んで各々対向配置されている。支持部材４０は、略コ字状に屈曲形成されたガイド部４２を備えている。このガイド部４２は、ガラス又はセラミックス等の摩擦係数の小さい材料によって形成されている。ガイド部４２は、長手方向をネガフィルム１６の搬送方向（図４矢印Ａ方向）に沿って配置された平板部４２Ａを備え、平板部４２Ａの図４矢印Ａ方向両端部は、ネガフィルム１６の搬送路側へ各々直角に屈曲されて延出されガイド片４２Ｂとされている。各々のガイド片４２Ｂには、その搬送路側端面を開口部とする矩形状の切欠４２Ｃが形成されており、ネガフィルム１６のガイド用とされている。
【００３９】また、ガイド部４２における平板部４２Ａの長手方向中間部には、ネガフィルム１６の搬送路側に磁気ヘッド２８が固定されている。さらに平板部４２Ａには、支持ピン４１によって押圧ローラ４４が回動可能に支持されており、平板部４２Ａに固定された磁気ヘッド２８と対向している。押圧ローラ４４は、搬送されるネガフィルム１６を磁気ヘッド２８に押しつけるようになっている。
【００４０】支持部材４０における平板部４２Ａの長手方向中間部は、ブロック状の支持板４６の一端に固定されている。支持板４６の他端部は、軸方向を図４矢印Ａ方向に向けて配置された支持ピン４６Ａによって図４矢印Ｃ方向及び矢印Ｄ方向に回動可能に支持されている。さらに、支持板４６は支持ピン４６Ｂによって図４の矢印Ｆ方向（ネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の画像形成面と平行な方向）へ回動可能に支持されている。
【００４１】支持部材４０は、圧縮コイルばね３８によって、図４矢印Ｃ方向、すなわち、ガイド片４２Ｂがネガフィルム１６の側端部１６Ａと接近する方向へ常に付勢されている。
【００４２】なお、支持部材５０については、磁気ヘッド２８及びガイドローラ３６が設けられていない点を除いて支持部材４０と同様であるので、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【００４３】以下に第２実施例の作用を説明する。本実施例では、ネガフィルム１６は、支持部材４０及び支持部材５０の各々の切欠４２Ｃ内にネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂが入り込んだ状態で支持部材４０及び支持部材５０に挟持されて搬送される。
【００４４】本実施例では、ネガフィルム１６の搬送の際に、ネガフィルム１６が蛇行しても、ネガフィルム１６は、支持部材４０及び支持部材５０が、圧縮コイルばね３８の付勢力により、常に支持部材４０及び支持部材５０に挟持された状態で搬送される。本実施例では、このように支持部材４０、５０によってネガフィルム１６が挟持された状態で搬送されるので、ネガフィルム１６の搬送が安定する。さらに、ネガフィルム１６のトラック１７は、押圧ローラ４４によって磁気ヘッド２８に押し付けられるので、トラック１７と磁気ヘッド２８との接触性が向上する。また、ネガフィルム１６は、摩擦係数の小さい材料によって形成されたガイド部４２と当接した状態でガイドされるので、ガイド部４２及びネガフィルム１６の磨耗や削り屑の発生を充分に抑えられる。
【００４５】さらに、支持部材４０及び支持部材５０は、図４の矢印Ｃ方向及びＤ方向に加えて矢印Ｆ方向へも回動されて写真フィルム１６の蛇行に追従する。したがって、磁気ヘッド２８も、図４の矢印Ｃ及びＤ方向へ回動してトラックずれを解消するのみならず、図４の矢印Ｆ方向へも回動されてアジマスずれをも解消する。したがって、より正確な情報の記録及び再生ができる。
【００４６】第２実施例は上記に限定されるものではない。以下に図５を用いて第２実施例の変形例を簡単に説明する。なお、図中、第２実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。本実施例では、支持部材４９が第２実施例の支持部材４０と異なっている。本実施例の支持部材４９は、第２実施例における支持ピン４６Ａ及び支持ピン４６Ｂは設けられておらず、写真プリンタ１０の図示しない固定部に固定されている。なお、支持部材５０は、第２実施例と同様、支持ピン４６Ａによって図４矢印Ｃ方向及び矢印Ｄ方向に回動可能に支持されており、さらに、支持ピン４６Ｂによって図４の矢印Ｆ方向へ回動可能に支持されている。
【００４７】本実施例では、ネガフィルム１６が搬送される際には、側端部１６Ｂが支持部材５０におけるガイド部４２の切欠き４２Ｃの底壁４２Ｄ、側端部１６Ａが支持部材４９におけるガイド部４２の切欠き４２Ｃの底壁４２Ｄに当接した状態で搬送される。この搬送の際には、ネガフィルム１６は、圧縮コイルばね３８の付勢力を支持部材５０を介して受けて側端部１６Ａがガイド部４２の切欠き４２Ｃの底壁４２Ｄに押圧されるため、ネガフィルム１６が蛇行して搬送されても、磁気ヘッド２８とネガフィルム１６のトラック１７との相対位置が常に一定に保持されるので、トラック１７に情報を正確に記録し再生できる。
【００４８】さらに、第２実施例の変形例は図５の変形例に限定されるものではなく、図４の支持部材４０を固定して図４矢印Ｃ及びＤ方向、さらには、図４矢印Ｆ方向へ回動不能状態とし、支持部材５０を図４矢印Ｃ及びＤ方向のみに回動できるようにしてもよい。また、支持部材５０を固定して図４矢印Ｃ及びＤ方向、さらには図４矢印Ｆ方向へ回動不能状態とし、支持部材４０を図４矢印Ｃ及びＤ方向、さらには、図４矢印Ｆ方向へ回動できるようにしてもよい。また、支持部材５０を固定して図４矢印Ｃ及びＤ方向、図４矢印Ｆ方向へ回動不能状態とし、支持部材４０を図４矢印Ｃ及びＤ方向のみに回動できるようにしてもよい。
【００４９】以下に図６及び図７にしたがって本発明の第３実施例を説明する。図６に示す如く、支持部材６０はブロック状とされており、ネガフィルム１６側の端面を開口部とし、ネガフィルム１６の搬送方向に沿って凹部６２が形成されており、ネガフィルム１６のガイド用とされている。さらに、支持部材６０には、凹部６２を形成する底壁６２Ａのネガフィルム１６側の端面を開口部とした嵌入部６２Ｂが形成されており、この嵌入部６２Ｂに磁気ヘッド２８が嵌入された状態で固定されている。また、凹部６２を形成する上壁６２Ｃには、ネガフィルム１６の幅方向側の端面を開口部とする嵌入部６２Ｄが形成されており、支持部材７０の突出部７２が嵌入されている。
【００５０】さらに、支持部材６０の頂面からはブロック状の支持部６４が立設されており、この支持部６４は、支持ピン６６によって図６矢印Ｃ方向及び矢印Ｄ方向へ回動可能に支持されている。支持ピン６６は、支持部６４の上端部を貫通した状態で軸方向を図６の矢印Ａ方向へ向けて固着されている。さらに、支持部６４の上端部には、支持ピン６７が突設されており、支持部材６０は、この支持ピン６７によって図６矢印Ｆ方向（ネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の画像形成面と平行な方向）へ回転可能に支持されている。
【００５１】支持部材７０は、ブロック状に形成されており、写真プリンタ１０の図示しない取付部に固定されている。支持部材７０には、ネガフィルム１６の搬送路側に図６の矢印Ａ方向に沿って凹部７４が形成されており、ネガフィルム１６のガイド用とされている。
【００５２】また、支持部材７０における突出部７２の先端部には、矩形状の貫通孔７４が形成されており、この貫通孔７４内には図７にも示す如く、支持ピン７４を介して押圧ローラ７６が回動自在に設けられている。押圧ローラ７６はネガフィルム１６のトラック１７を磁気ヘッド２８に押しつけるようになっている。
【００５３】支持部材６０は、圧縮コイルばね３８によって、支持ピン６６を中心とする図６の矢印Ｃ方向への回転力が付与されており、ネガフィルム１６の側端部１６Ａに接近する方向へ常に付勢されている。これにより、支持部材６０、支持部材７０は、ネガフィルム１６をその側端部１６Ａ、１６Ｂが各々凹部６２、７４に入り込んだ状態でネガフィルム１６を挟持でき、ネガフィルム１６を搬送方向へガイドできるようになっている。
【００５４】以下に第３実施例の作用を説明する。本実施例では、支持部材６０及び支持部材７０の凹部６２、７４の各々内にネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂが入り込だ状態でネガフィルム１６が搬送される。磁気ヘッド２８による情報の記録及び再生は、押圧ローラ７６でネガフィルム１６のトラック１７が磁気ヘッド２８に押圧された状態でなされるため、磁気ヘッド２８とトラック１７との接触性が充分に確保される。したがって、トラック１７の磁気情報の記録及び再生が確実になされる。。
【００５５】さらに、本実施例では、押圧ローラ７６が固定された支持部材７０は、支持部材６０と別体とされており、また、一般に、磁気ヘッド２８とネガフィルム１６との摩擦は極めて小さいため、押圧ローラ７６とネガフィルム１６との摩擦が大きい場合であっても支持部材６０は支持ピン６６を中心に図６矢印Ｃ及びＤ方向に回動でき、これによりトラックずれを解消できる。
【００５６】上記第１実施例乃至第３実施例では、磁気ヘッド２８によってネガフィルム１６のトラック１７に情報を記録し、再生するようにしているが、磁気ヘッド２８に代えて光学的に情報を記録し、再生する光学情報記録再生手段を支持部材２６、４０、６０の各々に一体に設けてもよい。この場合には、ネガフィルム１６を搬送しながら、光学情報記録再生手段によって、パルス発光等を行い、ネガフィルム１６のベース部にバーコードを記録し、プリント時に該バーコードを光学情報記録再生手段によって再生することによりユーザの注文情報等を考慮してプリントできる。
【００５７】
【発明の効果】以上のように構成されているので、請求項１乃至請求項１０の情報記録再生装置によれば、写真フィルムが蛇行して搬送されている場合であっても写真フィルムのトラックに情報を確実に記録及び再生できるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係る情報記録再生装置の斜視図である。
【図２】ネガキャリアを示す平面図である。
【図３】本発明に係る情報記録再生装置を備えた写真プリンタの斜視図である。
【図４】本発明の第２実施例に係る情報記録再生装置の斜視図である。
【図５】図４の変形例を示す斜視図である。
【図６】本発明の第３実施例に係る情報記録再生装置の斜視図である。
【図７】本発明の第３実施例に係る情報記録再生装置をネガフィルムの幅方向に沿って切断した示す断面図である。
【符号の説明】
１６ ネガフィルム（写真フィルム）
１６Ａ 側端部
１７ トラック
２６ 支持部材（ガイド部材）
２８ 磁気ヘッド（記録再生手段）
３６ ガイドローラ（接触部材）
３８ 圧縮コイルばね（付勢部材）
７６ 押圧ローラ（押圧部材）
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、写真プリンタに用いられる情報記録再生装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、写真フィルム、特にネガフィルムへ透明磁性体を塗布して、このネガフィルムを特定する情報及びネガフィルムに焼付けられた画像を特定する情報を磁気記録することが提案されている（一例として、International PublicationNumber WO 90 /04205）。この磁気情報の記録方法では、ネガフィルムを搬送しながらユーザＩＤの情報等をコード化しコード化された情報に基づいて磁気ヘッドに電気信号を印可することによりフィルムへ情報を記録している。これによれば、画像コマにそれぞれ対応して情報を記憶させることができ、さらに、ラボでは、印画紙への焼付時に画像コマ毎に焼付時の露光量等を記録しておくこともできる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ネガフィルムが蛇行した状態で搬送されると、ネガフィルムにおける磁気層の所定位置で磁気ヘッドを走査させることができないため、トラックずれ（ネガフィルムの幅方向へのずれ）及びアジマスずれ（ネガフィルムの画像形成面と直交する軸回りのずれ）を生じた状態で磁気ヘッドが磁気層を走査するようになり、情報の正確な記録及び再生は困難となる。
【０００４】本発明は上記事実を考慮し、写真フィルムが蛇行して搬送されている場合であっても写真フィルムの記録領域に情報を確実に記録及び再生できる情報記録再生装置を得ることを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】請求項１の情報記録再生装置は、搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドするガイド部材と、前記ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し前記写真フィルムの一方の側端部に前記ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴としている。
【０００６】請求項２の情報記録再生装置は、請求項１記載の情報記録再生装置において、前記ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴としている。
【０００７】請求項３の情報記録再生装置は、請求項１又は請求項２記載の情報記録再生装置において、前記ガイド部材は前記写真フィルムの一方の側端部ところがり接触する接触部材を備えていることを特徴している。
【０００８】請求項４の情報記録再生装置は、請求項１又は請求項２記載の情報記録再生装置において、前記ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴としている。
【０００９】請求項５の情報記録再生装置は、請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載の情報記録再生装置において、前記写真フィルムを前記記録再生手段に押圧する押圧部材を設けたことを特徴としている。
【００１０】請求項６の情報記録再生装置は、搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記第１ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し前記写真フィルムの一方の側端部に前記第１ガイド部材を当接させる付勢部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように固定されると共に前記写真フィルムの他方の側端部が当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、を有することを特徴としている。
【００１１】請求項７の情報記録再生装置は、請求項６記載の情報記録再生装置において、前記第１ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴としている。
【００１２】請求項８の情報記録再生装置は、搬送される写真フィルムのトラックに磁気情報又は光学情報を記録すると共に記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に前記写真フィルムの搬送路近傍に固定されかつ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように配置されると共に前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて前記写真フィルムの他方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ前記写真フィルムの他方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、前記第２ガイド部材を常に前記写真フィルムの他方の側端部に接近する方向へ付勢し前記写真フィルムの他方の側端部に前記第２ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴としている。
【００１３】請求項９の情報記録再生装置は、請求項８記載の情報記録再生装置において、前記第２ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴としている。
【００１４】請求項１０の情報記録再生装置は、請求項６乃至請求項９の何れか１項に記載の情報記録再生装置において、前記第１ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分及び第２ガイド部材の前記写真フィルムの他方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴としている。
【００１５】
【作用】請求項１の情報記録再生装置では、搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録及び再生する記録再生手段がガイド部材に固定されており、このガイド部材は、写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて写真フィルムの一方の側端部に当接する状態に常に付勢手段によって付勢されている。したがって、情報の記録及び再生の際に、写真フィルムが蛇行して搬送されても、ガイド部材は、写真フィルムの蛇行に応じ、写真フィルムの一方の側端部に押圧され付勢手段の付勢力に抗して前記軸回りに回動でき、また、写真フィルムの一方の側端部を押圧しつつ前記軸回りに回動できるため写真フィルムの蛇行に追従する。記録再生手段は、このようにフィルムの蛇行に追従するガイド部材に固定されているため、写真フィルムが蛇行しても、写真フィルムの一方の側端部に当接された状態が常に保持され、記録再生手段の写真フィルムにおける記録領域に対する前記軸回り方向へのずれ、すなわち、写真フィルムの幅方向へのずれ（トラックずれ）を解消できる。
【００１６】請求項２の情報記録再生装置では、請求項１の構成に加えて、ガイド部材が写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りにも回動可能に支持されているため、ガイド部材に固定された記録再生手段も写真フィルムの画像形成面と直交する軸回りに移動でき、トラックずれのみならずアジマスずれ（記録領域における写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りのずれ）も解消できる。
【００１７】請求項３の情報記録再生装置では、写真フィルムの記録領域に磁気情報または光学情報を記録及び再生する際に、写真フィルムは、一方の側端部にガイド部材に備えられた接触部材がころがり接触した状態、すなわち、写真フィルムの一方の側端部と接触部材との摩擦が小さくされた状態で搬送方向へガイドされる。したがって、ガイド部材によって写真フィルムを搬送方向ヘガイドする際に、ガイド部材及び写真フィルムの摩擦、磨耗や削れ屑の発生を抑えることができる。
【００１８】請求項４の情報記録再生装置では、写真フィルムの記録領域に磁気情報または光学情報を記録及び再生する際に、写真フィルムは、一方の側端部がガイド部材の摩擦係数の小さい部分と当接した状態で搬送方向へガイドされる。したがって、ガイド部材によって写真フィルムを搬送方向ヘガイドする際に、ガイド部材及び写真フィルムの磨耗や削れ屑の発生を抑えることができる。
【００１９】請求項５の情報記録再生装置では、押圧手段が設けられており、この押圧部材によって写真フィルムが記録再生手段に押圧された状態で、すなわち、写真フィルムの記録領域と記録再生手段との接触性を向上させた状態で写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録及び再生できる。なお、押圧部材をガイド部材と別体とすれば、押圧部材と写真フィルムとの摩擦が大きい場合であっても、ガイド部材は押圧部材と独立に写真フィルムの搬送方向に沿う一方の側端部に接近及び離反できるため、記録再生手段は、写真フィルムの蛇行に追従して移動できる。
【００２０】請求項６の情報記録再生装置では、記録再生手段が固定され、写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されると共に付勢手段により写真フィルムの一方の側端部と当接状態とされた第１ガイド部材が設けられている。したがって、請求項１と同様の作用によりトラックずれを解消できる。更に、請求項６の情報記録再生装置では、写真フィルムの搬送路近傍に第１ガイド部材と対向するように固定されると共に前記写真フィルムの他方の側端部が当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材が設けられており、写真フィルムは、第１ガイド部材と第２ガイド部材とによって挟持された状態で搬送されるため、写真フィルムの安定した搬送が行える。
【００２１】請求項７の情報記録再生装置では、請求項６記載の情報記録再生装置において、第１ガイド部材が写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りも回動可能に支持されているので、トラックずれのみならずアジマスずれも解消できる。
【００２２】請求項８の情報記録再生装置では、記録再生手段が固定されると共に写真フィルムの搬送路近傍に固定されかつ前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態とされた第１ガイド部材が設けられている。また、写真フィルムの搬送路近傍に第１ガイド部材と対向するように配置されると共に写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて写真フィルムの他方の側端部と当接した状態に常に付勢され写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材が設けられている。したがって、情報の記録及び再生の際に、写真フィルムが蛇行して搬送されても、第２ガイド部材は、写真フィルムの蛇行に応じ、写真フィルムの一方の側端部に押圧され付勢手段の付勢力に抗して前記軸回りに回動でき、また、写真フィルムの他方の側端部を押圧しつつ前記軸回りに回動できるため、写真フィルムの蛇行に追従できる。したがって、記録再生手段は、写真フィルムが蛇行しても、写真フィルムの他方の側端部に当接された状態が保持され、トラックずれを解消できる。
【００２３】請求項９の情報記録再生装置では、第２ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されているので、トラックずれのみならずアジマスずれも解消できる。
【００２４】請求項１０の情報記録再生装置では、第１ガイド部材の前記第１ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分及び第２ガイド部材の前記写真フィルムの他方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されているので、写真フィルムが第１ガイド部材及び第２ガイド部材とによって挟持した状態でガイドする際に、ガイド部材及び写真フィルムの磨耗や削り屑の発生を抑えることができる。
【００２５】
【実施例】以下に本発明に係る情報記録再生装置の第１実施例を図１乃至図３にしたがって説明する。
【００２６】図３には、本発明に係る情報記録再生装置が適用された写真プリンタ１０が示されている。写真プリンタ１０は、外部がケーシング１２で覆われており、ケーシング１２から作業テーブル１４が突出している。作業テーブル１４の上面には、ネガフィルム１６（図２参照）がセットされるネガキャリア１８が設置されている。
【００２７】図２に示される如く、ネガキャリア１８には、ネガフィルム１６の搬送方向（図２矢印Ａ方向）に沿って間隔をおいて搬送ローラ２２が複数個配置されており、ネガフィルム１６はこれらの搬送ローラ２２によって搬送される。また、ネガキャリア１８には、磁気ヘッド２８を備えた情報記録再生部２４、及び画像コマのエッジを検出して位置決め等を行うセンサ１５が設けられている。なお、ネガキャリア１８の情報記録再生部２４よりもネガフィルム１６の搬送方向下流側には、開口部１９が形成されており、図示しない露光部より発せられた光がネガフィルム１６へ照射されるようになっている。
【００２８】情報記録再生部２４は、図１に示す如く、ガイド部材としての支持部材２６を備えている。支持部材２６は、磁気ヘッド２８が固定されたブロック状の基部３０を有し、この基部３０の中央部から上方（図１の矢印Ｂ方向）へ向けてブロック状の延出部３２が延出されており、ネガフィルム１６の幅方向（図１矢印Ｅ方向）から見た形状が略Ｔ字状とされている。磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の長手方向に沿って形成された記録領域としてのトラック１７（図２参照）と接触しこのトラック１７にユーザの注文情報やプリント料金情報等を磁気記録でき、該記録情報を再生できるようになっている。
【００２９】支持部材２６における基部３０の図１矢印Ａ方向両端部には、ネガフィルム１６の搬送方向（図１矢印Ａ方向）に沿って互いに反対側へ水平に延出されて各々平板状とされた取付部３０Ａが形成されている。各々の取付部３０Ａの上面には、支持ピン３０Ｂを介して円柱状の接触部材としてのガイドローラ３６が回動可能に支持されている。このガイドローラ３６は、その一部が取付部３０Ａからネガフィルム１６の搬送路側へ突出しており、これにより、各々のガイドローラ３６がネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接できるようになっている。そして、この当接状態で、磁気ヘッド２８がネガフィルム１６のトラック１７を最適な位置で接触できるようになっている。
【００３０】支持部材２６における延出部３２の上端部には、支持ピン３４が貫通した状態で固着されている。支持ピン３４は、その軸方向をネガフィルム１６の搬送方向へ向けて配置されており、支持部材２６は、支持ピン３４を介して写真プリンタ１０の図示しない取付部に、支持ピン３４の軸線回り（図１矢印Ｃ方向及Ｄ方向）へ回動可能に支持されている。したがって、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向を横切る方向（図１矢印Ｅ方向及び矢印Ｅ方向と反対方向）へ移動できるようになっている。また、支持部材２６は、その上端部に突設された支持ピン３５によって図１の矢印Ｆ方向（ネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の画像形成面と平行な方向）へ回動可能に支持されている。
【００３１】また、支持部材２６は、圧縮コイルばね３８によって、支持ピン３４を中心として図１矢印Ｃ方向、すなわち、支持部材２６がネガフィルム１６の側端部１６Ａに接近する方向へ常に付勢されており、これにより、ガイドローラ３６がネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接できるようになっている。各々のガイドローラ３６は、ネガフィルム１６の搬送によって回動されるようになっており、ネガフィルム１６を搬送方向（図１矢印Ａ方向）へとガイドする。
【００３２】さらに、ネガフィルム１６を挟んで一対のガイドローラ３６の各々と対向する位置には、各々ガイドローラ３７が設けられている。各々のガイドローラ３７、図１矢印Ｃ及矢印Ｄ方向へ揺動可能に支持された図示しない支持板に支持ピン３７Ａによって回動可能に支持されている。ガイドローラ３７は、搬送されるネガフィルム１６の側端部１６Ｂに当接した状態でネガフィルム１６の搬送によって回転され、ネガフィルム１６を搬送方向へガイドするようになっている。
【００３３】以下に第１実施例の作用を説明する。ネガフィルム１６は、搬送ローラ２２によって図２矢印Ａ方向に搬送される。この搬送の際に、磁気ヘッド２８によって、ネガフィルム１６のトラック１７に磁気情報が記録され、あるいは記録情報が再生される。
【００３４】ネガフィルム１６の搬送の際には、ガイドローラ３６がネガフィルム１６の側端部１６Ａに当接した状態で回転されると共に、ガイドローラ３７がネガフィルム１６の側端部１６Ｂに当接した状態で回転し、これにより、ネガフィルム１６が搬送方向へガイドされる。この場合、ガイドローラ３６、３７とネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂとは、ころがり接触で接触しており、ネガフィルム１６は、ガイドローラ３６、３７とネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂとの間の摩擦の小さな状態で搬送方向へガイドされるため、ガイドローラ３６、３７及びネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂの磨耗や削れが著しく減少される。
【００３５】また、本実施例では、ネガフィルム１６が蛇行した状態で搬送されても磁気ヘッド２８によってトラックずれのない良好な状態でトラック１７に情報を記録でき、この記録情報を再生できる。
【００３６】すなわち、ネガフィルム１６が蛇行して、ネガフィルム１６が図１矢印Ｅ方向に揺れると、支持部材２６は、圧縮コイルばね３８の付勢力により、支持ピン３４を中心に図１矢印Ｃ方向に揺動し、さらにガイドローラ３７が支持された前記図示しない支持板も図１矢印Ｃ方向に揺動するので、支持部材２６は、ガイドローラ３６がネガフィルム１６に当接した状態に保持され、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向に対するずれのない位置に配置される。よって、ネガフィルム１６をトラックずれのない状態でトラック１７に接触でき、情報の正確な記録及び再生ができる。また、ネガフィルム１６の搬送の際に、ネガフィルム１６が蛇行して、ネガフィルム１６が図１矢印Ｅ方向方向と反対方向に揺れると、ネガフィルム１６の側端部１６Ａがガイドローラ３６を介して支持部材２６を押圧し、支持部材２６を支持ピン３４を中心として矢印Ｄ方向へ回転させる。したがって、支持部材２６は、ガイドローラ３６がネガフィルム１６に当接した状態に保持され、磁気ヘッド２８は、ネガフィルム１６の幅方向に対するずれのない位置に配置される。よって、磁気ヘッド２８は、トラックずれのない状態でトラック１７に接触でき、情報の正確な記録及び再生ができる。
【００３７】以下に本発明に係る情報記録再生装置の第２実施例を図４にしたがって説明する。
【００３８】本実施例では、支持部材４０、５０がネガフィルム１６の搬送路を挟んで各々対向配置されている。支持部材４０は、略コ字状に屈曲形成されたガイド部４２を備えている。このガイド部４２は、ガラス又はセラミックス等の摩擦係数の小さい材料によって形成されている。ガイド部４２は、長手方向をネガフィルム１６の搬送方向（図４矢印Ａ方向）に沿って配置された平板部４２Ａを備え、平板部４２Ａの図４矢印Ａ方向両端部は、ネガフィルム１６の搬送路側へ各々直角に屈曲されて延出されガイド片４２Ｂとされている。各々のガイド片４２Ｂには、その搬送路側端面を開口部とする矩形状の切欠４２Ｃが形成されており、ネガフィルム１６のガイド用とされている。
【００３９】また、ガイド部４２における平板部４２Ａの長手方向中間部には、ネガフィルム１６の搬送路側に磁気ヘッド２８が固定されている。さらに平板部４２Ａには、支持ピン４１によって押圧ローラ４４が回動可能に支持されており、平板部４２Ａに固定された磁気ヘッド２８と対向している。押圧ローラ４４は、搬送されるネガフィルム１６を磁気ヘッド２８に押しつけるようになっている。
【００４０】支持部材４０における平板部４２Ａの長手方向中間部は、ブロック状の支持板４６の一端に固定されている。支持板４６の他端部は、軸方向を図４矢印Ａ方向に向けて配置された支持ピン４６Ａによって図４矢印Ｃ方向及び矢印Ｄ方向に回動可能に支持されている。さらに、支持板４６は支持ピン４６Ｂによって図４の矢印Ｆ方向（ネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の画像形成面と平行な方向）へ回動可能に支持されている。
【００４１】支持部材４０は、圧縮コイルばね３８によって、図４矢印Ｃ方向、すなわち、ガイド片４２Ｂがネガフィルム１６の側端部１６Ａと接近する方向へ常に付勢されている。
【００４２】なお、支持部材５０については、磁気ヘッド２８及びガイドローラ３６が設けられていない点を除いて支持部材４０と同様であるので、同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【００４３】以下に第２実施例の作用を説明する。本実施例では、ネガフィルム１６は、支持部材４０及び支持部材５０の各々の切欠４２Ｃ内にネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂが入り込んだ状態で支持部材４０及び支持部材５０に挟持されて搬送される。
【００４４】本実施例では、ネガフィルム１６の搬送の際に、ネガフィルム１６が蛇行しても、ネガフィルム１６は、支持部材４０及び支持部材５０が、圧縮コイルばね３８の付勢力により、常に支持部材４０及び支持部材５０に挟持された状態で搬送される。本実施例では、このように支持部材４０、５０によってネガフィルム１６が挟持された状態で搬送されるので、ネガフィルム１６の搬送が安定する。さらに、ネガフィルム１６のトラック１７は、押圧ローラ４４によって磁気ヘッド２８に押し付けられるので、トラック１７と磁気ヘッド２８との接触性が向上する。また、ネガフィルム１６は、摩擦係数の小さい材料によって形成されたガイド部４２と当接した状態でガイドされるので、ガイド部４２及びネガフィルム１６の磨耗や削り屑の発生を充分に抑えられる。
【００４５】さらに、支持部材４０及び支持部材５０は、図４の矢印Ｃ方向及びＤ方向に加えて矢印Ｆ方向へも回動されて写真フィルム１６の蛇行に追従する。したがって、磁気ヘッド２８も、図４の矢印Ｃ及びＤ方向へ回動してトラックずれを解消するのみならず、図４の矢印Ｆ方向へも回動されてアジマスずれをも解消する。したがって、より正確な情報の記録及び再生ができる。
【００４６】第２実施例は上記に限定されるものではない。以下に図５を用いて第２実施例の変形例を簡単に説明する。なお、図中、第２実施例と同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。本実施例では、支持部材４９が第２実施例の支持部材４０と異なっている。本実施例の支持部材４９は、第２実施例における支持ピン４６Ａ及び支持ピン４６Ｂは設けられておらず、写真プリンタ１０の図示しない固定部に固定されている。なお、支持部材５０は、第２実施例と同様、支持ピン４６Ａによって図４矢印Ｃ方向及び矢印Ｄ方向に回動可能に支持されており、さらに、支持ピン４６Ｂによって図４の矢印Ｆ方向へ回動可能に支持されている。
【００４７】本実施例では、ネガフィルム１６が搬送される際には、側端部１６Ｂが支持部材５０におけるガイド部４２の切欠き４２Ｃの底壁４２Ｄ、側端部１６Ａが支持部材４９におけるガイド部４２の切欠き４２Ｃの底壁４２Ｄに当接した状態で搬送される。この搬送の際には、ネガフィルム１６は、圧縮コイルばね３８の付勢力を支持部材５０を介して受けて側端部１６Ａがガイド部４２の切欠き４２Ｃの底壁４２Ｄに押圧されるため、ネガフィルム１６が蛇行して搬送されても、磁気ヘッド２８とネガフィルム１６のトラック１７との相対位置が常に一定に保持されるので、トラック１７に情報を正確に記録し再生できる。
【００４８】さらに、第２実施例の変形例は図５の変形例に限定されるものではなく、図４の支持部材４０を固定して図４矢印Ｃ及びＤ方向、さらには、図４矢印Ｆ方向へ回動不能状態とし、支持部材５０を図４矢印Ｃ及びＤ方向のみに回動できるようにしてもよい。また、支持部材５０を固定して図４矢印Ｃ及びＤ方向、さらには図４矢印Ｆ方向へ回動不能状態とし、支持部材４０を図４矢印Ｃ及びＤ方向、さらには、図４矢印Ｆ方向へ回動できるようにしてもよい。また、支持部材５０を固定して図４矢印Ｃ及びＤ方向、図４矢印Ｆ方向へ回動不能状態とし、支持部材４０を図４矢印Ｃ及びＤ方向のみに回動できるようにしてもよい。
【００４９】以下に図６及び図７にしたがって本発明の第３実施例を説明する。図６に示す如く、支持部材６０はブロック状とされており、ネガフィルム１６側の端面を開口部とし、ネガフィルム１６の搬送方向に沿って凹部６２が形成されており、ネガフィルム１６のガイド用とされている。さらに、支持部材６０には、凹部６２を形成する底壁６２Ａのネガフィルム１６側の端面を開口部とした嵌入部６２Ｂが形成されており、この嵌入部６２Ｂに磁気ヘッド２８が嵌入された状態で固定されている。また、凹部６２を形成する上壁６２Ｃには、ネガフィルム１６の幅方向側の端面を開口部とする嵌入部６２Ｄが形成されており、支持部材７０の突出部７２が嵌入されている。
【００５０】さらに、支持部材６０の頂面からはブロック状の支持部６４が立設されており、この支持部６４は、支持ピン６６によって図６矢印Ｃ方向及び矢印Ｄ方向へ回動可能に支持されている。支持ピン６６は、支持部６４の上端部を貫通した状態で軸方向を図６の矢印Ａ方向へ向けて固着されている。さらに、支持部６４の上端部には、支持ピン６７が突設されており、支持部材６０は、この支持ピン６７によって図６矢印Ｆ方向（ネガキャリア１８にセットされたネガフィルム１６の画像形成面と平行な方向）へ回転可能に支持されている。
【００５１】支持部材７０は、ブロック状に形成されており、写真プリンタ１０の図示しない取付部に固定されている。支持部材７０には、ネガフィルム１６の搬送路側に図６の矢印Ａ方向に沿って凹部７４が形成されており、ネガフィルム１６のガイド用とされている。
【００５２】また、支持部材７０における突出部７２の先端部には、矩形状の貫通孔７４が形成されており、この貫通孔７４内には図７にも示す如く、支持ピン７４を介して押圧ローラ７６が回動自在に設けられている。押圧ローラ７６はネガフィルム１６のトラック１７を磁気ヘッド２８に押しつけるようになっている。
【００５３】支持部材６０は、圧縮コイルばね３８によって、支持ピン６６を中心とする図６の矢印Ｃ方向への回転力が付与されており、ネガフィルム１６の側端部１６Ａに接近する方向へ常に付勢されている。これにより、支持部材６０、支持部材７０は、ネガフィルム１６をその側端部１６Ａ、１６Ｂが各々凹部６２、７４に入り込んだ状態でネガフィルム１６を挟持でき、ネガフィルム１６を搬送方向へガイドできるようになっている。
【００５４】以下に第３実施例の作用を説明する。本実施例では、支持部材６０及び支持部材７０の凹部６２、７４の各々内にネガフィルム１６の側端部１６Ａ、１６Ｂが入り込だ状態でネガフィルム１６が搬送される。磁気ヘッド２８による情報の記録及び再生は、押圧ローラ７６でネガフィルム１６のトラック１７が磁気ヘッド２８に押圧された状態でなされるため、磁気ヘッド２８とトラック１７との接触性が充分に確保される。したがって、トラック１７の磁気情報の記録及び再生が確実になされる。。
【００５５】さらに、本実施例では、押圧ローラ７６が固定された支持部材７０は、支持部材６０と別体とされており、また、一般に、磁気ヘッド２８とネガフィルム１６との摩擦は極めて小さいため、押圧ローラ７６とネガフィルム１６との摩擦が大きい場合であっても支持部材６０は支持ピン６６を中心に図６矢印Ｃ及びＤ方向に回動でき、これによりトラックずれを解消できる。
【００５６】上記第１実施例乃至第３実施例では、磁気ヘッド２８によってネガフィルム１６のトラック１７に情報を記録し、再生するようにしているが、磁気ヘッド２８に代えて光学的に情報を記録し、再生する光学情報記録再生手段を支持部材２６、４０、６０の各々に一体に設けてもよい。この場合には、ネガフィルム１６を搬送しながら、光学情報記録再生手段によって、パルス発光等を行い、ネガフィルム１６のベース部にバーコードを記録し、プリント時に該バーコードを光学情報記録再生手段によって再生することによりユーザの注文情報等を考慮してプリントできる。
【００５７】
【発明の効果】以上のように構成されているので、請求項１乃至請求項１０の情報記録再生装置によれば、写真フィルムが蛇行して搬送されている場合であっても写真フィルムのトラックに情報を確実に記録及び再生できるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例に係る情報記録再生装置の斜視図である。
【図２】ネガキャリアを示す平面図である。
【図３】本発明に係る情報記録再生装置を備えた写真プリンタの斜視図である。
【図４】本発明の第２実施例に係る情報記録再生装置の斜視図である。
【図５】図４の変形例を示す斜視図である。
【図６】本発明の第３実施例に係る情報記録再生装置の斜視図である。
【図７】本発明の第３実施例に係る情報記録再生装置をネガフィルムの幅方向に沿って切断した示す断面図である。
【符号の説明】
１６ ネガフィルム（写真フィルム）
１６Ａ 側端部
１７ トラック
２６ 支持部材（ガイド部材）
２８ 磁気ヘッド（記録再生手段）
３６ ガイドローラ（接触部材）
３８ 圧縮コイルばね（付勢部材）
７６ 押圧ローラ（押圧部材）
【特許請求の範囲】
【請求項１】 搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に、記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に、前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ、前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドするガイド部材と、前記ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し、前記写真フィルムの一方の側端部に前記ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項２】 前記ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項１記載の情報記録再生装置。
【請求項３】 前記ガイド部材は前記写真フィルムの一方の側端部ところがり接触する接触部材を備えていることを特徴とする請求項１又は請求項２記載の情報記録再生装置。
【請求項４】 前記ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の情報記録再生装置。
【請求項５】 前記写真フィルムを前記記録再生手段に押圧する押圧部材を設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載の情報記録再生装置。
【請求項６】 搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に、記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に、前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ、前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記第１ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し、前記写真フィルムの一方の側端部に前記第１ガイド部材を当接させる付勢部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように固定されると共に、前記写真フィルムの他方の側端部が当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項７】 前記第１ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されている請求項６記載の情報記録再生装置。
【請求項８】 搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に、記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に、前記写真フィルムの搬送路近傍に固定され、かつ、前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように配置されると共に、前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて前記写真フィルムの他方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ、前記写真フィルムの他方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、前記第２ガイド部材を常に前記写真フィルムの他方の側端部に接近する方向へ付勢し、前記写真フィルムの他方の側端部に前記第２ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項９】 前記第２ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されている請求項８記載の情報記録再生装置。
【請求項１０】 前記第１ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分、及び第２ガイド部材の前記写真フィルムの他方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴とする請求項６乃至請求項９の何れか１項に記載の情報記録再生装置。
【請求項１】 搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に、記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に、前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ、前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドするガイド部材と、前記ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し、前記写真フィルムの一方の側端部に前記ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項２】 前記ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されていることを特徴とする請求項１記載の情報記録再生装置。
【請求項３】 前記ガイド部材は前記写真フィルムの一方の側端部ところがり接触する接触部材を備えていることを特徴とする請求項１又は請求項２記載の情報記録再生装置。
【請求項４】 前記ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の情報記録再生装置。
【請求項５】 前記写真フィルムを前記記録再生手段に押圧する押圧部材を設けたことを特徴とする請求項１乃至請求項４の何れか１項に記載の情報記録再生装置。
【請求項６】 搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に、記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に、前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて搬送方向に沿う前記写真フィルムの一方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ、前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記第１ガイド部材を常に前記写真フィルムの一方の側端部に接近する方向へ付勢し、前記写真フィルムの一方の側端部に前記第１ガイド部材を当接させる付勢部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように固定されると共に、前記写真フィルムの他方の側端部が当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項７】 前記第１ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されている請求項６記載の情報記録再生装置。
【請求項８】 搬送される写真フィルムの記録領域に磁気情報又は光学情報を記録すると共に、記録された情報を再生するための記録再生手段と、前記記録再生手段が固定されると共に、前記写真フィルムの搬送路近傍に固定され、かつ、前記写真フィルムの一方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第１ガイド部材と、前記写真フィルムの搬送路近傍に前記第１ガイド部材と対向するように配置されると共に、前記写真フィルムの搬送方向と平行な軸回りに回動可能に支持されて前記写真フィルムの他方の側端部に接近及び離反する方向へ移動可能とされ、前記写真フィルムの他方の側端部と当接した状態で前記写真フィルムを搬送方向へガイドする第２ガイド部材と、前記第２ガイド部材を常に前記写真フィルムの他方の側端部に接近する方向へ付勢し、前記写真フィルムの他方の側端部に前記第２ガイド部材を当接させる付勢部材と、を有することを特徴とする情報記録再生装置。
【請求項９】 前記第２ガイド部材が更に前記写真フィルムの画像形成面と直交する方向の軸回りに回動可能に支持されている請求項８記載の情報記録再生装置。
【請求項１０】 前記第１ガイド部材の前記写真フィルムの一方の側端部と当接する部分、及び第２ガイド部材の前記写真フィルムの他方の側端部と当接する部分が摩擦係数の小さい材料により形成されていることを特徴とする請求項６乃至請求項９の何れか１項に記載の情報記録再生装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図７】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図７】
【図６】
【公開番号】特開平６−９５２６５
【公開日】平成６年（１９９４）４月８日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平４−２４５１６６
【出願日】平成４年（１９９２）９月１４日
【出願人】（０００００５２０１）富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【公開日】平成６年（１９９４）４月８日
【国際特許分類】
【出願日】平成４年（１９９２）９月１４日
【出願人】（０００００５２０１）富士写真フイルム株式会社 (7,609)
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