情報記録装置および情報再生装置
【課題】信号光に振幅変調の他に位相変調を与えた場合にも光学系が複雑とならない情報記録装置および当該情報記録装置で記録された情報を再生する情報再生装置を提供する。
【解決手段】情報記録装置100は、レーザ光PLを出射するレーザ1と、レーザ光PLを受けて信号光SGLおよび参照光RFLを生成する空間光振幅変調器4と、エンコーダ20から供給されるイメージ情報IMに基づいて信号光SGLの位相をデータ変調する空間光位相変調器5と、信号光SGLと参照光RFLとをホログラム記録媒体15で干渉させる光学系とを備える。空間光位相変調器5は、イメージ情報IMの2次元データパターンに基づいて位相差が与えられる複数のピクセル5PXを含む。
【解決手段】情報記録装置100は、レーザ光PLを出射するレーザ1と、レーザ光PLを受けて信号光SGLおよび参照光RFLを生成する空間光振幅変調器4と、エンコーダ20から供給されるイメージ情報IMに基づいて信号光SGLの位相をデータ変調する空間光位相変調器5と、信号光SGLと参照光RFLとをホログラム記録媒体15で干渉させる光学系とを備える。空間光位相変調器5は、イメージ情報IMの2次元データパターンに基づいて位相差が与えられる複数のピクセル5PXを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報記録装置および情報再生装置に関し、より特定的には、信号光と参照光とによる干渉縞をホログラム記録媒体に記録する情報記録装置、および当該ホログラム記録媒体に参照光を照射してデータを再生する情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホログラム記録は、信号光と参照光とからできる干渉縞をホログラム記録媒体に書き込むことによって行なわれる。具体的には、まず、光源から出射された光ビームを参照光と信号光とに分岐し、空間光変調器で信号光に振幅変調を行なって信号光にイメージ情報を持たせる。この信号光および参照光を集光レンズで集光し、フーリエ変換像としてホログラム記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞をホログラム記録媒体に書き込む。
【0003】
ここで、イメージ情報とは、「0」と「1」とからなるビットデータをエンコーダによって符号化した2次元のデータパターンである。空間光変調器は、これらのデータパターンに応じて信号光にデータ変調を与える。空間光変調器の一例であるデジタルミラーデバイスは、「1」を表わす領域と「0」を表わす領域とで反射方向を変化させることで、信号光に振幅変化を与える。
【0004】
ホログラム記録媒体に記録された情報の再生時には、そのホログラム記録媒体に記録された干渉縞に参照光を照射する。これにより、参照光は干渉縞によって一部回折され、イメージ情報を持った信号光(再生光)が再生される。再生光は、レンズ、偏光ビームスプリッタなどによって撮像素子まで導かれる。撮像素子は、再生光の強度に応じた電気信号をイメージ情報として取り込む。
【0005】
また、従来のホログラフィック記録再生装置は、信号光に位相変調を与える位相マスク構造を有する信号用位相変調部と、参照光に位相変調を与える位相マスク構造を有する参照光用位相変調部とが1つの位相変調素子として平面的に配置された構成を有する(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−107663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ホログラム記録において、上記のように振幅変調を用いてデータ変調を行なう場合、2次元データパターンに応じて信号光の一部は不要な光として反射される。そのため、信号光の強度が損失し、ホログラム記録時の光利用効率が低下するという問題があった。
【0007】
また、フーリエ変換によりホログラム記録を行なう場合、一般には、信号光を集光レンズでホログラム記録媒体に集光し、そこに収束する又は平行な参照光を照射して情報を記録する。ここで、信号光に振幅変調のみが与えられた場合、信号光の空間周波数分布のうち、低周波成分は振幅変調に伴う位相ずれの影響を受けないのに対し、高周波成分は振幅変調に伴う各点からの位相ずれの影響を受ける。
【0008】
そのため、信号光に振幅変調のみが与えられた場合、信号光が集光された焦点面では、信号光の空間周波数分布のうち低周波成分の光強度が、データパターンの再生に必要な高周波成分の光強度と比較して非常に大きくなる。その結果、ホログラム記録媒体の感度を浪費してしまうという問題があった。
【0009】
特許文献1のホログラフィック記録再生装置では、上記したホログラム記録媒体の感度浪費を抑える手法として、信号光にデータパターンとして振幅変調を与えるとともに、位相マスクを挿入し、信号光に位相変調を与えている。これにより、信号光の低周波成分においても位相ずれが生じるため、低周波成分の光強度が抑制される。
【0010】
しかしながら、信号光にデータの振幅変調を与えるとともに位相マスクを挿入した場合、位相マスクにより信号光が回折され、高次の回折光が生じる。この高次の回折光を除去するために、特許文献1のホログラフィック記録再生装置では、空間光振幅変調器の後にリレー光学系が少なくとも1組は必要となる。このため、情報記録再生装置の光学系が複雑になるという問題があった。
【0011】
それゆえに、この発明の目的は、信号光に振幅変調の他に位相変調を与えた場合にも光学系が複雑とならない情報記録装置および当該情報記録装置で記録された情報を再生する情報再生装置を提供することである。
【0012】
この発明の他の目的は、信号光に位相変調のみを与えた場合にも光学系が複雑とならない情報記録装置および当該情報記録装置で記録された情報を再生する情報再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明のある局面によれば、記録媒体内で参照光と信号光とを干渉させ、干渉縞として情報を記録する情報記録装置であって、光ビームを出射する光源と、イメージ情報に基づいて信号光の位相をデータ変調する空間光位相変調器とを備える。空間光位相変調器は、イメージ情報の2次元データパターンに基づいて位相差が与えられる複数のピクセルを含む。
【0014】
好ましくは、光ビームを受けて信号光および参照光を生成する光学素子をさらに備える。光学素子は、空間光振幅変調器を含む。
【0015】
好ましくは、空間光位相変調器は、イメージ情報が「1」の場合には隣り合うピクセルの位相差を与えず、イメージ情報が「0」の場合には隣り合うピクセルの位相差を与える。
【0016】
好ましくは、空間光位相変調器は、イメージ情報が「0」の場合には隣り合うピクセルの位相差をπとする。
【0017】
この発明の他の局面によれば、記録媒体に参照光を照射し情報を再生する情報再生装置であって、光ビームを出射する光源と、記録媒体からの再生光を受光する撮像素子とを備える。撮像素子は、再生光の位相変調によって引き起こされる干渉縞の明暗の分布に基づく強度変化を検出する複数のピクセルを含む。
【0018】
好ましくは、光ビームを受けて参照光を生成する光学素子をさらに備える。光学素子は、空間光振幅変調器を含む。
【0019】
好ましくは、撮像素子は、隣接するピクセルの境界において、位相変調によって与えられた再生光の情報を干渉によって生じる強度分布として検出する。
【0020】
好ましくは、撮像素子は、反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する構造を有する。
【0021】
好ましくは、撮像素子は、反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を検出し、データ変調と関係しない方向の明暗分布を検出しない矩形形状の受光部を含む。
【0022】
好ましくは、撮像素子は、六角形の形状を有する複数のピクセルをハニカム形状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する。
【0023】
好ましくは、撮像素子は、複数のピクセルを格子状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する。
【0024】
好ましくは、撮像素子で検出された検出像に基づいて、反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布をデータ変調に用い、データ変調と関係しない方向の明暗分布をデータ変調のエラー訂正に用いるデコーダをさらに備える。
【0025】
好ましくは、撮像素子は、光軸方向において結像位置付近で干渉縞の明暗分布が最大となる位置に配置される。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、信号光に振幅変調の他に位相変調を与えた場合にも光学系が複雑とならずに済む。
【0027】
また、この発明によれば、信号光に位相変調を与えることで、情報の記録再生を行なうことが可能となり、信号光の利用効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるホログラム記録再生装置100Aの概略的な構成を示した図である。図1を参照して、実施の形態1のホログラム記録再生装置100Aは、レーザ1と、コリメートレンズ2と、空間光振幅変調器4と、空間光位相変調器5と、偏光ビームスプリッタ6と、リレーレンズ10,12と、空間フィルタ11と、1/4波長板13と、対物レンズ14と、撮像素子18と、エンコーダ20と、デコーダ22とを備える。ホログラム記録再生装置100Aは、反射膜16を有するホログラム記録媒体15に対して情報を記録するとともに、ホログラム記録媒体15から情報を再生する。
【0030】
ホログラム記録再生装置100Aの記録動作について説明する。
レーザ1から出射されたレーザ光PLは、コリメートレンズ2によって平行光にされ、空間光振幅変調器4に導かれる。レーザ光PLは、空間光振幅変調器4により信号光SGLと参照光RFLとに分割され、空間光位相変調器5に導かれる。空間光位相変調器5は、エンコーダ20から供給されるイメージ情報IMに基づいて信号光SGLの位相をデータ変調する。なお、レーザ光PLを信号光SGLと参照光RFLとに分割する素子は、空間光振幅変調器4のほかに、可動マスクまたは光シャッターであってもよい。
【0031】
参照光RFLは、位相分布が一様の光であってもよいし、空間光位相変調器5によって位相変調を受けた光であってもよい。信号光SGLの位相変調パターンは、下記に一例として説明するように、「0」と「1」とのビットデータ列をエンコーダ20で符号化したイメージ情報IMに基づいて生成される。
【0032】
図2は、空間光位相変調器5において与えられる位相変調の基本パターンを示した模式図である。図2を参照して、(a)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(0,0)の場合、(b)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(π,π)の場合を示している。図2(a)、(b)の場合、隣り合うピクセル5PXの位相差は0となり、これに対応するイメージ情報IMの値は「1」となる。
【0033】
また、図2において、(c)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(0,π)の場合、(d)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(π,0)の場合を示している。図2(c)、(d)の場合、隣り合うピクセル5PXの位相差はπとなり、これに対応するイメージ情報IMの値は「0」となる。
【0034】
図3は、イメージ情報IMの2次元データパターンの一例を示した模式図である。図4は、図3のイメージ情報IMに対応する空間光位相変調器5での位相変調パターンを示した模式図である。図3に示す2次元データパターンのイメージ情報IMに基づいて空間光位相変調器5で位相変調することによって、図4に示す位相変調パターンにデータ変調された信号光SGLが得られる。なお、図4では矢印Aの方向に信号光SGLが位相変調されるとして説明したが、後に説明するように、ピクセル5PXが隣接している方向であればデータ配列の方向は矢印Aの方向には限られない。
【0035】
図1に戻って、信号光SGLおよび参照光RFLは、経路P1をたどって共に偏光ビームスプリッタ6を透過し、リレーレンズ10によって集光される。リレーレンズ10の集光面には、空間フィルタ11が挿入されている。空間フィルタ11は、信号光SGLおよび参照光RFLの0次回折光を透過させ、位相変調によって生じた高次の回折光を遮断する。その後、信号光SGLおよび参照光RFLは、リレーレンズ12によって再び平行光に戻され、1/4波長板13により円偏光に変換される。
【0036】
円偏光に変換された信号光SGLおよび参照光RFLは、対物レンズ14によりホログラム記録媒体15内に集光される。集光された信号光SGLおよび参照光RFLは、ホログラム記録媒体15内で干渉し、その干渉縞がホログラム記録媒体15に記録される。ホログラム記録媒体15の位置を面内方向にシフトさせ、ホログラムを多重記録するシフト多重を行なうことで、ホログラム記録媒体15の記録容量を増大させることができる。さらに、空間光振幅変調器4で生成される参照光RFLの位置、形状、変調パターンを変化させることで、ホログラム記録媒体15に多重記録を行ない、ホログラム記録媒体15の記録容量を増大させることも可能となる。ホログラム記録媒体15は、たとえば回転光ディスク型またはカード型であり、信号光SGLおよび参照光RFLが入射する面と反対側の面には反射膜16が形成されている。
【0037】
次に、ホログラム記録再生装置100Aの再生動作について説明する。
ホログラム記録再生装置100Aは、再生時の空間光振幅変調器4では、参照光RFLのみを生成し、信号光SGLは生成しない。空間光振幅変調器4によって生成された参照光RFLは、空間光位相変調器5に導かれる。空間光位相変調器5は、記録時に与えられたのと等しい位相変調を参照光RFLに与える。直線偏光の参照光RFLは、記録時と同様に、経路P1の偏光ビームスプリッタ6、リレーレンズ10、空間フィルタ11およびリレーレンズ12をたどって、1/4波長板13により円偏光に変換される。
【0038】
円偏光に変換された参照光RFLは、対物レンズ14によりホログラム記録媒体15内の記録されたホログラムに集光される。これにより、ホログラム記録媒体15内では、記録された干渉縞で参照光RFLが回折され、記録された位相情報が再生される。こうして生成された再生光CFLは、対物レンズ14を通って1/4波長板13で円偏光から直線偏光に変換され、再生時の経路P2であるリレーレンズ12、空間フィルタ11およびリレーレンズ10をたどって、偏光ビームスプリッタ6により反射される。
【0039】
偏光ビームスプリッタ6で反射された再生光CFLは、撮像素子18に導かれる。撮像素子18は、再生光CFLを受けて、記録時に位相変調によって与えられたデータ変調を隣接したピクセル間での干渉により強度変化として再生する。
【0040】
図5は、再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の1局面を示した図である。図5に示すように、撮像素子18の検出面上において、矢印Aの方向に隣接したピクセル18PXで検出される光の位相差がπであれば、その境界では干渉により光強度が弱められる(暗部DP)。一方、矢印Aの方向に隣接したピクセル18PXで検出される光の位相差が0であれば、その境界では干渉により光強度が強められる(明部BP)。
【0041】
上記の明暗の分布を撮像素子18で検出することにより、信号光SGLに与えられた位相の変化を強度の変化として検出することができる。撮像素子18は、検出された検出像GNをデコーダ22に送出する。デコーダ22は、検出像GNに基づいてホログラム記録媒体15の再生信号を生成する。
【0042】
図6は、再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の他の局面を示した図である。図6に示すように、撮像素子18の検出面上において、干渉による明暗の分布は、図5の矢印Aの方向だけでなく、図6の矢印Bの方向に隣接したピクセル18PXの境界にも生じる。しかし、矢印B方向の明暗の分布UBDは、データ変調とは直接関係しないため、撮像素子18に検出されないようにする必要がある。
【0043】
図7は、撮像素子18の一例である撮像素子18Aの構造を示した図である。図7の撮像素子18Aでは、ピクセル18PXaの受光部81の形状を矩形としている。これにより、矢印A方向の明暗の分布BDのみを検出し、矢印B方向の明暗の分布UBDは検出されないようにすることができる。
【0044】
図8は、撮像素子18の他の一例である撮像素子18Bの構造を示した図である。図8の撮像素子18Bでは、六角形の形状を有するピクセル18PXbをハニカム状に配列している。この配列により、矢印Aの方向に生じた明暗の分布BDおよび矢印Bの方向に生じた明暗の分布UBDをピクセル18PXbと1対1に対応させ、効率よく再生光の強度分布を検出することができる。
【0045】
図9は、撮像素子18の他の一例である撮像素子18Cの構造を示した図である。図9の撮像素子18Cでは、菱形の形状を有するピクセル18PXcをマトリックス状に配列している。言い換えると、図9の撮像素子18Cでは、ピクセル18PXcを格子状に配列している。この配列により、図8と同様に、矢印Aの方向に生じた明暗の分布BDおよび矢印Bの方向に生じた明暗の分布UBDをピクセル18PXcと1対1に対応させ、効率よく再生光の強度分布を検出することができる。
【0046】
図8,9の場合において、矢印Bの方向に生じた強度分布を用いて信号処理をすることで、矢印Aの方向に生じたデータ変調のエラー訂正をすることができる。撮像素子18の光軸方向の位置を調整することによって、撮像素子18を焦点位置からデフォーカスさせる。これにより、再生光を回折させ、隣接するピクセル18PX間の干渉領域を拡大させることができる。また、干渉光の暗部の領域を拡大させることができる。
【0047】
なお、上記では、ホログラム記録媒体15に対して情報を記録するとともにホログラム記録媒体15から情報を再生するホログラム記録再生装置100Aを例に説明した。しかし、これは一例であって、ホログラム記録媒体15に対して情報を記録するホログラム情報記録装置と、ホログラム記録媒体15から情報を再生するホログラム情報再生装置とを独立に構成することも可能である。
【0048】
以上のように、この発明の実施の形態1では、空間光位相変調器を用いて信号光の位相のみを変化させることで、信号光にデータ変調を与える。これにより、ホログラム記録時における信号光の強度損失を減らし、ホログラム記録装置のホログラム情報記録装置の光利用効率を高めることができる。また、信号光の空間周波数分布のうち低周波成分の光強度を抑制することができる。
【0049】
また、情報の再生時には、位相変調によって与えられた信号光の情報を、撮像素子面において隣接したピクセル同士で干渉させることで、信号光の位相変調を強度変調として読み取る。通常、光の位相変化を撮像素子で直接検出することは難しい。しかし、撮像素子面において隣接するピクセルの位相変化量がπであれば、その境界では干渉により光強度が0となる。このため、信号光の位相変化を強度変化として撮像素子で検出することができる。これにより、光学系を従来のように複雑化させることなく、信号光の位相変化量を検出することができる。
【0050】
また、データ変調時に信号光に与える位相変化量を0またはπとすることで、撮像素子面での干渉のコントラストを高めることができる。これにより、ホログラム記録媒体の再生信号の品質を向上させることができる。
【0051】
また、撮像素子の各ピクセルにおける受光部の形状を矩形にすることで、データ変調と無関係の干渉光を除去することができる。これにより、ホログラム記録媒体の再生信号の品質を向上させることができる。
【0052】
また、撮像素子を集光レンズの焦点位置から光軸方向にシフトさせ、撮像素子面で再生像を回折させる。これにより、隣接したピクセルの干渉領域を増大させ、信号光の品質を向上させることができる。
【0053】
また、光軸方向において、撮像素子を再生像の結像位置付近で、隣接したピクセルの干渉領域が増大する位置に配置することで、信号光の品質を向上させることができる。
【0054】
また、撮像素子として、六角形の形状のピクセルをハムカム状に配列させることができる。同様に、撮像素子として、菱形の形状のピクセルをマトリックス状に配列させることができる。これらにおいて、撮像素子面のすべての境界で生じる明暗の強度分布と撮像素子のピクセルとを1対1に対応させ得る。これにより、再生光の強度分布を効率よく検出することができる。さらに、これらの強度分布情報をデータ変調およびそのエラー訂正信号として用いることができる。
【0055】
[実施の形態2]
図10は、この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および記録時の動作を示した図である。図10を参照して、実施の形態2のホログラム記録再生装置100Bは、レーザ1と、コリメートレンズ2と、空間光位相変調器5と、偏光ビームスプリッタ6,26と、リレーレンズ10,12と、空間フィルタ11と、1/4波長板13,32と、対物レンズ14と、撮像素子18と、エンコーダ20と、デコーダ22と、1/2波長板23と、ビームエキスパンドレンズ24,25と、回転駆動ミラー27,33と、照射位置調整用レンズ28〜31とを備える。
【0056】
ホログラム記録再生装置100Bは、ホログラム記録媒体15に対して情報を記録するとともに、ホログラム記録媒体15から情報を再生する。ホログラム記録媒体15は、カード型、回転ディスク型のどちらであっても構わない。
【0057】
図10を参照して、ホログラム記録再生装置100Bの記録動作について説明する。
レーザ1から出射されたレーザ光PLは、コリメートレンズ2によって平行光にされ、1/2波長板23で偏光方向が回転させられる。1/2波長板23での回転角は、ホログラム記録媒体15上での信号光SGLと参照光RFLとの光強度比が最適化されるように調整される。レーザ光PLは、偏光ビームスプリッタ6により、経路P3を通る信号光SGLと経路P4を通る参照光RFLとに分離される。
【0058】
信号光SGLは、ビームエキスパンドレンズ24,25によってビーム径を拡大され、経路P5に沿って偏光ビームスプリッタ26を透過する。透過した信号光SGLは、1/4波長板13を通って円偏光に変換され、反射型の空間光位相変調器5に導かれる。空間光位相変調器5は、エンコーダ20から供給されるイメージ情報IMに基づいて信号光SGLの位相をデータ変調する。イメージ情報IMは、実施の形態1の図3で例示したように、エンコーダ20によって符号化された「0」と「1」とのビットデータ列である。空間光位相変調器5によって与えられる位相変調は、実施の形態1の図2〜4において説明したとおりである。
【0059】
空間光位相変調器5で変調された信号光SGLは、1/4波長板13によって空間光位相変調器5への入射時とは偏光方向が異なる直線偏光の光に変換され、経路P6に沿って偏光ビームスプリッタ26で反射される。反射された信号光SGLは、リレーレンズ10によって集光される。リレーレンズ10の集光面に挿入された空間フィルタ11は、集光された信号光SGLのうち位相変調によって生じた高次の回折光を遮断する。高次の回折光が除去された信号光SGLは、リレーレンズ12によって再び平行光に戻され、対物レンズ14により、ホログラム記録媒体15内に集光される。
【0060】
一方、参照光RFLは、回転駆動ミラー27および照射位置調整用レンズ28,29によって、信号光SGLの焦点位置と重なるようにホログラム記録媒体15内に導かれる。信号光SGLおよび参照光RFLは、ホログラム記録媒体15内で干渉し、その干渉縞がホログラム記録媒体15に記録される。回転駆動ミラー27を回転させて参照光RFLの照射位置調整用レンズ28への入射角を変化させることにより、参照光RFLがホログラム記録媒体15へ入射する角度を変化させることができる。これにより、ホログラム記録媒体15への角度多重記録を行なうことが可能となる。
【0061】
図11は、この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および再生時の動作を示した図である。ホログラム記録再生装置100Bの構成は、図10において既に説明したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0062】
図11を参照して、ホログラム記録再生装置100Bの再生動作について説明する。
ホログラム記録再生装置100Bは、再生時には、参照光RFLのみを発生させるように、1/2波長板23の回転角が調整される。参照光RFLは、記録時と同じ経路P4のコリメートレンズ2、1/2波長板23、偏光ビームスプリッタ6、回転駆動ミラー27および照射位置調整用レンズ28,29を通り、ホログラム記録媒体15を透過する。回転駆動ミラー27を回転させて参照光RFLの照射位置調整用レンズ28への入射角を変化させることにより、記録時と同様に、参照光RFLがホログラム記録媒体15へ入射する角度を変化させることができる。
【0063】
ホログラム記録媒体15を透過した参照光RFLは、さらに照射位置調整用レンズ30,31を通り、経路P7の1/4波長板32によって円偏光に変換され、回転駆動ミラー33に入射する。回転駆動ミラー33は、参照光RFLが回転駆動ミラー33に対して垂直に入射するように角度が調整されている。この結果、参照光RFLは、元来た経路P7と逆方向の経路P8を通って1/4波長板32を再び通過し、偏光方向が90度回転した直線偏光に変換される。上述したように参照光RFLの入射角を変化させた場合には、その都度、参照光RFLが回転駆動ミラー33に対して垂直に入射するように回転駆動ミラー33の角度を調整する必要がある。
【0064】
1/4波長板32で直線偏光に変換された参照光RFLは、照射位置調整用レンズ30,31を通ってホログラム記録媒体15に入射する。このとき、参照光RFLは、記録時と逆の方向から入射するので、記録時の参照光TFLと位相共役な光となってホログラム記録媒体15に照射される。これにより、ホログラム記録媒体15内では、記録された干渉縞で参照光RFLが回折され、記録された位相情報が再生される。こうして生成された再生光CFLは、対物レンズ14によって平行光にされ、再生時の経路P9上のリレーレンズ12、空間フィルタ11およびリレーレンズ10を通って、偏光ビームスプリッタ26を透過する。
【0065】
偏光ビームスプリッタ26を透過した再生光CFLは、撮像素子18に導かれる。撮像素子18は、再生光CFLを受けて、隣接したピクセル間での干渉により、記録時に位相変調によって与えられたデータ変調を強度変化として再生する。再生光に付与されたデータの読取り方法は、実施の形態1の図5〜9において説明したとおりである。
【0066】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、回転駆動ミラーを回転させるなどして参照光の照射位置調整用レンズへの入射角を変化させることにより、参照光がホログラム記録媒体へ入射する角度を変化させることができる。これにより、ホログラム記録媒体への角度多重記録を行なうことが可能となる。
【0067】
また、ホログラム記録媒体へ入射する参照光の角度を信号光および再生光とは異なる経路上で調整することによって、参照光の入射角度を信号光および再生光とは独立に調整することができる。さらに、信号光に与えた位相変調を強度変化として検出するため、撮像素子を用いた簡便なホログラム記録再生装置を構成することが可能となる。
【0068】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の実施の形態1によるホログラム記録再生装置100Aの概略的な構成を示した図である。
【図2】空間光位相変調器5において与えられる位相変調の基本パターンを示した模式図である。
【図3】イメージ情報IMの2次元データパターンの一例を示した模式図である。
【図4】図3のイメージ情報IMに対応する空間光位相変調器5での位相変調パターンを示した模式図である。
【図5】再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の1局面を示した図である。
【図6】再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の他の局面を示した図である。
【図7】撮像素子18の一例である撮像素子18Aの構造を示した図である。
【図8】撮像素子18の他の一例である撮像素子18Bの構造を示した図である。
【図9】撮像素子18の他の一例である撮像素子18Cの構造を示した図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および記録時の動作を示した図である。
【図11】この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および再生時の動作を示した図である。
【符号の説明】
【0070】
1 レーザ、2 コリメートレンズ、4 空間光振幅変調器、5 空間光位相変調器、5PX,18PX ピクセル、6,26 偏光ビームスプリッタ、10,12 リレーレンズ、11 空間フィルタ、13,32 1/4波長板、14 対物レンズ、15 ホログラム記録媒体、16 反射膜、18,18A〜18C 撮像素子、20 エンコーダ、22 デコーダ、23 1/2波長板、24,25 ビームエキスパンドレンズ、27,33 回転駆動ミラー、28〜31 照射位置調整用レンズ、81 受光部、100A,100B ホログラム記録再生装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報記録装置および情報再生装置に関し、より特定的には、信号光と参照光とによる干渉縞をホログラム記録媒体に記録する情報記録装置、および当該ホログラム記録媒体に参照光を照射してデータを再生する情報再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホログラム記録は、信号光と参照光とからできる干渉縞をホログラム記録媒体に書き込むことによって行なわれる。具体的には、まず、光源から出射された光ビームを参照光と信号光とに分岐し、空間光変調器で信号光に振幅変調を行なって信号光にイメージ情報を持たせる。この信号光および参照光を集光レンズで集光し、フーリエ変換像としてホログラム記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞をホログラム記録媒体に書き込む。
【0003】
ここで、イメージ情報とは、「0」と「1」とからなるビットデータをエンコーダによって符号化した2次元のデータパターンである。空間光変調器は、これらのデータパターンに応じて信号光にデータ変調を与える。空間光変調器の一例であるデジタルミラーデバイスは、「1」を表わす領域と「0」を表わす領域とで反射方向を変化させることで、信号光に振幅変化を与える。
【0004】
ホログラム記録媒体に記録された情報の再生時には、そのホログラム記録媒体に記録された干渉縞に参照光を照射する。これにより、参照光は干渉縞によって一部回折され、イメージ情報を持った信号光(再生光)が再生される。再生光は、レンズ、偏光ビームスプリッタなどによって撮像素子まで導かれる。撮像素子は、再生光の強度に応じた電気信号をイメージ情報として取り込む。
【0005】
また、従来のホログラフィック記録再生装置は、信号光に位相変調を与える位相マスク構造を有する信号用位相変調部と、参照光に位相変調を与える位相マスク構造を有する参照光用位相変調部とが1つの位相変調素子として平面的に配置された構成を有する(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−107663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ホログラム記録において、上記のように振幅変調を用いてデータ変調を行なう場合、2次元データパターンに応じて信号光の一部は不要な光として反射される。そのため、信号光の強度が損失し、ホログラム記録時の光利用効率が低下するという問題があった。
【0007】
また、フーリエ変換によりホログラム記録を行なう場合、一般には、信号光を集光レンズでホログラム記録媒体に集光し、そこに収束する又は平行な参照光を照射して情報を記録する。ここで、信号光に振幅変調のみが与えられた場合、信号光の空間周波数分布のうち、低周波成分は振幅変調に伴う位相ずれの影響を受けないのに対し、高周波成分は振幅変調に伴う各点からの位相ずれの影響を受ける。
【0008】
そのため、信号光に振幅変調のみが与えられた場合、信号光が集光された焦点面では、信号光の空間周波数分布のうち低周波成分の光強度が、データパターンの再生に必要な高周波成分の光強度と比較して非常に大きくなる。その結果、ホログラム記録媒体の感度を浪費してしまうという問題があった。
【0009】
特許文献1のホログラフィック記録再生装置では、上記したホログラム記録媒体の感度浪費を抑える手法として、信号光にデータパターンとして振幅変調を与えるとともに、位相マスクを挿入し、信号光に位相変調を与えている。これにより、信号光の低周波成分においても位相ずれが生じるため、低周波成分の光強度が抑制される。
【0010】
しかしながら、信号光にデータの振幅変調を与えるとともに位相マスクを挿入した場合、位相マスクにより信号光が回折され、高次の回折光が生じる。この高次の回折光を除去するために、特許文献1のホログラフィック記録再生装置では、空間光振幅変調器の後にリレー光学系が少なくとも1組は必要となる。このため、情報記録再生装置の光学系が複雑になるという問題があった。
【0011】
それゆえに、この発明の目的は、信号光に振幅変調の他に位相変調を与えた場合にも光学系が複雑とならない情報記録装置および当該情報記録装置で記録された情報を再生する情報再生装置を提供することである。
【0012】
この発明の他の目的は、信号光に位相変調のみを与えた場合にも光学系が複雑とならない情報記録装置および当該情報記録装置で記録された情報を再生する情報再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明のある局面によれば、記録媒体内で参照光と信号光とを干渉させ、干渉縞として情報を記録する情報記録装置であって、光ビームを出射する光源と、イメージ情報に基づいて信号光の位相をデータ変調する空間光位相変調器とを備える。空間光位相変調器は、イメージ情報の2次元データパターンに基づいて位相差が与えられる複数のピクセルを含む。
【0014】
好ましくは、光ビームを受けて信号光および参照光を生成する光学素子をさらに備える。光学素子は、空間光振幅変調器を含む。
【0015】
好ましくは、空間光位相変調器は、イメージ情報が「1」の場合には隣り合うピクセルの位相差を与えず、イメージ情報が「0」の場合には隣り合うピクセルの位相差を与える。
【0016】
好ましくは、空間光位相変調器は、イメージ情報が「0」の場合には隣り合うピクセルの位相差をπとする。
【0017】
この発明の他の局面によれば、記録媒体に参照光を照射し情報を再生する情報再生装置であって、光ビームを出射する光源と、記録媒体からの再生光を受光する撮像素子とを備える。撮像素子は、再生光の位相変調によって引き起こされる干渉縞の明暗の分布に基づく強度変化を検出する複数のピクセルを含む。
【0018】
好ましくは、光ビームを受けて参照光を生成する光学素子をさらに備える。光学素子は、空間光振幅変調器を含む。
【0019】
好ましくは、撮像素子は、隣接するピクセルの境界において、位相変調によって与えられた再生光の情報を干渉によって生じる強度分布として検出する。
【0020】
好ましくは、撮像素子は、反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する構造を有する。
【0021】
好ましくは、撮像素子は、反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を検出し、データ変調と関係しない方向の明暗分布を検出しない矩形形状の受光部を含む。
【0022】
好ましくは、撮像素子は、六角形の形状を有する複数のピクセルをハニカム形状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する。
【0023】
好ましくは、撮像素子は、複数のピクセルを格子状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する。
【0024】
好ましくは、撮像素子で検出された検出像に基づいて、反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布をデータ変調に用い、データ変調と関係しない方向の明暗分布をデータ変調のエラー訂正に用いるデコーダをさらに備える。
【0025】
好ましくは、撮像素子は、光軸方向において結像位置付近で干渉縞の明暗分布が最大となる位置に配置される。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、信号光に振幅変調の他に位相変調を与えた場合にも光学系が複雑とならずに済む。
【0027】
また、この発明によれば、信号光に位相変調を与えることで、情報の記録再生を行なうことが可能となり、信号光の利用効率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0029】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるホログラム記録再生装置100Aの概略的な構成を示した図である。図1を参照して、実施の形態1のホログラム記録再生装置100Aは、レーザ1と、コリメートレンズ2と、空間光振幅変調器4と、空間光位相変調器5と、偏光ビームスプリッタ6と、リレーレンズ10,12と、空間フィルタ11と、1/4波長板13と、対物レンズ14と、撮像素子18と、エンコーダ20と、デコーダ22とを備える。ホログラム記録再生装置100Aは、反射膜16を有するホログラム記録媒体15に対して情報を記録するとともに、ホログラム記録媒体15から情報を再生する。
【0030】
ホログラム記録再生装置100Aの記録動作について説明する。
レーザ1から出射されたレーザ光PLは、コリメートレンズ2によって平行光にされ、空間光振幅変調器4に導かれる。レーザ光PLは、空間光振幅変調器4により信号光SGLと参照光RFLとに分割され、空間光位相変調器5に導かれる。空間光位相変調器5は、エンコーダ20から供給されるイメージ情報IMに基づいて信号光SGLの位相をデータ変調する。なお、レーザ光PLを信号光SGLと参照光RFLとに分割する素子は、空間光振幅変調器4のほかに、可動マスクまたは光シャッターであってもよい。
【0031】
参照光RFLは、位相分布が一様の光であってもよいし、空間光位相変調器5によって位相変調を受けた光であってもよい。信号光SGLの位相変調パターンは、下記に一例として説明するように、「0」と「1」とのビットデータ列をエンコーダ20で符号化したイメージ情報IMに基づいて生成される。
【0032】
図2は、空間光位相変調器5において与えられる位相変調の基本パターンを示した模式図である。図2を参照して、(a)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(0,0)の場合、(b)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(π,π)の場合を示している。図2(a)、(b)の場合、隣り合うピクセル5PXの位相差は0となり、これに対応するイメージ情報IMの値は「1」となる。
【0033】
また、図2において、(c)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(0,π)の場合、(d)は隣り合うピクセル5PXに与えられる位相の組が(π,0)の場合を示している。図2(c)、(d)の場合、隣り合うピクセル5PXの位相差はπとなり、これに対応するイメージ情報IMの値は「0」となる。
【0034】
図3は、イメージ情報IMの2次元データパターンの一例を示した模式図である。図4は、図3のイメージ情報IMに対応する空間光位相変調器5での位相変調パターンを示した模式図である。図3に示す2次元データパターンのイメージ情報IMに基づいて空間光位相変調器5で位相変調することによって、図4に示す位相変調パターンにデータ変調された信号光SGLが得られる。なお、図4では矢印Aの方向に信号光SGLが位相変調されるとして説明したが、後に説明するように、ピクセル5PXが隣接している方向であればデータ配列の方向は矢印Aの方向には限られない。
【0035】
図1に戻って、信号光SGLおよび参照光RFLは、経路P1をたどって共に偏光ビームスプリッタ6を透過し、リレーレンズ10によって集光される。リレーレンズ10の集光面には、空間フィルタ11が挿入されている。空間フィルタ11は、信号光SGLおよび参照光RFLの0次回折光を透過させ、位相変調によって生じた高次の回折光を遮断する。その後、信号光SGLおよび参照光RFLは、リレーレンズ12によって再び平行光に戻され、1/4波長板13により円偏光に変換される。
【0036】
円偏光に変換された信号光SGLおよび参照光RFLは、対物レンズ14によりホログラム記録媒体15内に集光される。集光された信号光SGLおよび参照光RFLは、ホログラム記録媒体15内で干渉し、その干渉縞がホログラム記録媒体15に記録される。ホログラム記録媒体15の位置を面内方向にシフトさせ、ホログラムを多重記録するシフト多重を行なうことで、ホログラム記録媒体15の記録容量を増大させることができる。さらに、空間光振幅変調器4で生成される参照光RFLの位置、形状、変調パターンを変化させることで、ホログラム記録媒体15に多重記録を行ない、ホログラム記録媒体15の記録容量を増大させることも可能となる。ホログラム記録媒体15は、たとえば回転光ディスク型またはカード型であり、信号光SGLおよび参照光RFLが入射する面と反対側の面には反射膜16が形成されている。
【0037】
次に、ホログラム記録再生装置100Aの再生動作について説明する。
ホログラム記録再生装置100Aは、再生時の空間光振幅変調器4では、参照光RFLのみを生成し、信号光SGLは生成しない。空間光振幅変調器4によって生成された参照光RFLは、空間光位相変調器5に導かれる。空間光位相変調器5は、記録時に与えられたのと等しい位相変調を参照光RFLに与える。直線偏光の参照光RFLは、記録時と同様に、経路P1の偏光ビームスプリッタ6、リレーレンズ10、空間フィルタ11およびリレーレンズ12をたどって、1/4波長板13により円偏光に変換される。
【0038】
円偏光に変換された参照光RFLは、対物レンズ14によりホログラム記録媒体15内の記録されたホログラムに集光される。これにより、ホログラム記録媒体15内では、記録された干渉縞で参照光RFLが回折され、記録された位相情報が再生される。こうして生成された再生光CFLは、対物レンズ14を通って1/4波長板13で円偏光から直線偏光に変換され、再生時の経路P2であるリレーレンズ12、空間フィルタ11およびリレーレンズ10をたどって、偏光ビームスプリッタ6により反射される。
【0039】
偏光ビームスプリッタ6で反射された再生光CFLは、撮像素子18に導かれる。撮像素子18は、再生光CFLを受けて、記録時に位相変調によって与えられたデータ変調を隣接したピクセル間での干渉により強度変化として再生する。
【0040】
図5は、再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の1局面を示した図である。図5に示すように、撮像素子18の検出面上において、矢印Aの方向に隣接したピクセル18PXで検出される光の位相差がπであれば、その境界では干渉により光強度が弱められる(暗部DP)。一方、矢印Aの方向に隣接したピクセル18PXで検出される光の位相差が0であれば、その境界では干渉により光強度が強められる(明部BP)。
【0041】
上記の明暗の分布を撮像素子18で検出することにより、信号光SGLに与えられた位相の変化を強度の変化として検出することができる。撮像素子18は、検出された検出像GNをデコーダ22に送出する。デコーダ22は、検出像GNに基づいてホログラム記録媒体15の再生信号を生成する。
【0042】
図6は、再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の他の局面を示した図である。図6に示すように、撮像素子18の検出面上において、干渉による明暗の分布は、図5の矢印Aの方向だけでなく、図6の矢印Bの方向に隣接したピクセル18PXの境界にも生じる。しかし、矢印B方向の明暗の分布UBDは、データ変調とは直接関係しないため、撮像素子18に検出されないようにする必要がある。
【0043】
図7は、撮像素子18の一例である撮像素子18Aの構造を示した図である。図7の撮像素子18Aでは、ピクセル18PXaの受光部81の形状を矩形としている。これにより、矢印A方向の明暗の分布BDのみを検出し、矢印B方向の明暗の分布UBDは検出されないようにすることができる。
【0044】
図8は、撮像素子18の他の一例である撮像素子18Bの構造を示した図である。図8の撮像素子18Bでは、六角形の形状を有するピクセル18PXbをハニカム状に配列している。この配列により、矢印Aの方向に生じた明暗の分布BDおよび矢印Bの方向に生じた明暗の分布UBDをピクセル18PXbと1対1に対応させ、効率よく再生光の強度分布を検出することができる。
【0045】
図9は、撮像素子18の他の一例である撮像素子18Cの構造を示した図である。図9の撮像素子18Cでは、菱形の形状を有するピクセル18PXcをマトリックス状に配列している。言い換えると、図9の撮像素子18Cでは、ピクセル18PXcを格子状に配列している。この配列により、図8と同様に、矢印Aの方向に生じた明暗の分布BDおよび矢印Bの方向に生じた明暗の分布UBDをピクセル18PXcと1対1に対応させ、効率よく再生光の強度分布を検出することができる。
【0046】
図8,9の場合において、矢印Bの方向に生じた強度分布を用いて信号処理をすることで、矢印Aの方向に生じたデータ変調のエラー訂正をすることができる。撮像素子18の光軸方向の位置を調整することによって、撮像素子18を焦点位置からデフォーカスさせる。これにより、再生光を回折させ、隣接するピクセル18PX間の干渉領域を拡大させることができる。また、干渉光の暗部の領域を拡大させることができる。
【0047】
なお、上記では、ホログラム記録媒体15に対して情報を記録するとともにホログラム記録媒体15から情報を再生するホログラム記録再生装置100Aを例に説明した。しかし、これは一例であって、ホログラム記録媒体15に対して情報を記録するホログラム情報記録装置と、ホログラム記録媒体15から情報を再生するホログラム情報再生装置とを独立に構成することも可能である。
【0048】
以上のように、この発明の実施の形態1では、空間光位相変調器を用いて信号光の位相のみを変化させることで、信号光にデータ変調を与える。これにより、ホログラム記録時における信号光の強度損失を減らし、ホログラム記録装置のホログラム情報記録装置の光利用効率を高めることができる。また、信号光の空間周波数分布のうち低周波成分の光強度を抑制することができる。
【0049】
また、情報の再生時には、位相変調によって与えられた信号光の情報を、撮像素子面において隣接したピクセル同士で干渉させることで、信号光の位相変調を強度変調として読み取る。通常、光の位相変化を撮像素子で直接検出することは難しい。しかし、撮像素子面において隣接するピクセルの位相変化量がπであれば、その境界では干渉により光強度が0となる。このため、信号光の位相変化を強度変化として撮像素子で検出することができる。これにより、光学系を従来のように複雑化させることなく、信号光の位相変化量を検出することができる。
【0050】
また、データ変調時に信号光に与える位相変化量を0またはπとすることで、撮像素子面での干渉のコントラストを高めることができる。これにより、ホログラム記録媒体の再生信号の品質を向上させることができる。
【0051】
また、撮像素子の各ピクセルにおける受光部の形状を矩形にすることで、データ変調と無関係の干渉光を除去することができる。これにより、ホログラム記録媒体の再生信号の品質を向上させることができる。
【0052】
また、撮像素子を集光レンズの焦点位置から光軸方向にシフトさせ、撮像素子面で再生像を回折させる。これにより、隣接したピクセルの干渉領域を増大させ、信号光の品質を向上させることができる。
【0053】
また、光軸方向において、撮像素子を再生像の結像位置付近で、隣接したピクセルの干渉領域が増大する位置に配置することで、信号光の品質を向上させることができる。
【0054】
また、撮像素子として、六角形の形状のピクセルをハムカム状に配列させることができる。同様に、撮像素子として、菱形の形状のピクセルをマトリックス状に配列させることができる。これらにおいて、撮像素子面のすべての境界で生じる明暗の強度分布と撮像素子のピクセルとを1対1に対応させ得る。これにより、再生光の強度分布を効率よく検出することができる。さらに、これらの強度分布情報をデータ変調およびそのエラー訂正信号として用いることができる。
【0055】
[実施の形態2]
図10は、この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および記録時の動作を示した図である。図10を参照して、実施の形態2のホログラム記録再生装置100Bは、レーザ1と、コリメートレンズ2と、空間光位相変調器5と、偏光ビームスプリッタ6,26と、リレーレンズ10,12と、空間フィルタ11と、1/4波長板13,32と、対物レンズ14と、撮像素子18と、エンコーダ20と、デコーダ22と、1/2波長板23と、ビームエキスパンドレンズ24,25と、回転駆動ミラー27,33と、照射位置調整用レンズ28〜31とを備える。
【0056】
ホログラム記録再生装置100Bは、ホログラム記録媒体15に対して情報を記録するとともに、ホログラム記録媒体15から情報を再生する。ホログラム記録媒体15は、カード型、回転ディスク型のどちらであっても構わない。
【0057】
図10を参照して、ホログラム記録再生装置100Bの記録動作について説明する。
レーザ1から出射されたレーザ光PLは、コリメートレンズ2によって平行光にされ、1/2波長板23で偏光方向が回転させられる。1/2波長板23での回転角は、ホログラム記録媒体15上での信号光SGLと参照光RFLとの光強度比が最適化されるように調整される。レーザ光PLは、偏光ビームスプリッタ6により、経路P3を通る信号光SGLと経路P4を通る参照光RFLとに分離される。
【0058】
信号光SGLは、ビームエキスパンドレンズ24,25によってビーム径を拡大され、経路P5に沿って偏光ビームスプリッタ26を透過する。透過した信号光SGLは、1/4波長板13を通って円偏光に変換され、反射型の空間光位相変調器5に導かれる。空間光位相変調器5は、エンコーダ20から供給されるイメージ情報IMに基づいて信号光SGLの位相をデータ変調する。イメージ情報IMは、実施の形態1の図3で例示したように、エンコーダ20によって符号化された「0」と「1」とのビットデータ列である。空間光位相変調器5によって与えられる位相変調は、実施の形態1の図2〜4において説明したとおりである。
【0059】
空間光位相変調器5で変調された信号光SGLは、1/4波長板13によって空間光位相変調器5への入射時とは偏光方向が異なる直線偏光の光に変換され、経路P6に沿って偏光ビームスプリッタ26で反射される。反射された信号光SGLは、リレーレンズ10によって集光される。リレーレンズ10の集光面に挿入された空間フィルタ11は、集光された信号光SGLのうち位相変調によって生じた高次の回折光を遮断する。高次の回折光が除去された信号光SGLは、リレーレンズ12によって再び平行光に戻され、対物レンズ14により、ホログラム記録媒体15内に集光される。
【0060】
一方、参照光RFLは、回転駆動ミラー27および照射位置調整用レンズ28,29によって、信号光SGLの焦点位置と重なるようにホログラム記録媒体15内に導かれる。信号光SGLおよび参照光RFLは、ホログラム記録媒体15内で干渉し、その干渉縞がホログラム記録媒体15に記録される。回転駆動ミラー27を回転させて参照光RFLの照射位置調整用レンズ28への入射角を変化させることにより、参照光RFLがホログラム記録媒体15へ入射する角度を変化させることができる。これにより、ホログラム記録媒体15への角度多重記録を行なうことが可能となる。
【0061】
図11は、この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および再生時の動作を示した図である。ホログラム記録再生装置100Bの構成は、図10において既に説明したので、ここでは説明を繰り返さない。
【0062】
図11を参照して、ホログラム記録再生装置100Bの再生動作について説明する。
ホログラム記録再生装置100Bは、再生時には、参照光RFLのみを発生させるように、1/2波長板23の回転角が調整される。参照光RFLは、記録時と同じ経路P4のコリメートレンズ2、1/2波長板23、偏光ビームスプリッタ6、回転駆動ミラー27および照射位置調整用レンズ28,29を通り、ホログラム記録媒体15を透過する。回転駆動ミラー27を回転させて参照光RFLの照射位置調整用レンズ28への入射角を変化させることにより、記録時と同様に、参照光RFLがホログラム記録媒体15へ入射する角度を変化させることができる。
【0063】
ホログラム記録媒体15を透過した参照光RFLは、さらに照射位置調整用レンズ30,31を通り、経路P7の1/4波長板32によって円偏光に変換され、回転駆動ミラー33に入射する。回転駆動ミラー33は、参照光RFLが回転駆動ミラー33に対して垂直に入射するように角度が調整されている。この結果、参照光RFLは、元来た経路P7と逆方向の経路P8を通って1/4波長板32を再び通過し、偏光方向が90度回転した直線偏光に変換される。上述したように参照光RFLの入射角を変化させた場合には、その都度、参照光RFLが回転駆動ミラー33に対して垂直に入射するように回転駆動ミラー33の角度を調整する必要がある。
【0064】
1/4波長板32で直線偏光に変換された参照光RFLは、照射位置調整用レンズ30,31を通ってホログラム記録媒体15に入射する。このとき、参照光RFLは、記録時と逆の方向から入射するので、記録時の参照光TFLと位相共役な光となってホログラム記録媒体15に照射される。これにより、ホログラム記録媒体15内では、記録された干渉縞で参照光RFLが回折され、記録された位相情報が再生される。こうして生成された再生光CFLは、対物レンズ14によって平行光にされ、再生時の経路P9上のリレーレンズ12、空間フィルタ11およびリレーレンズ10を通って、偏光ビームスプリッタ26を透過する。
【0065】
偏光ビームスプリッタ26を透過した再生光CFLは、撮像素子18に導かれる。撮像素子18は、再生光CFLを受けて、隣接したピクセル間での干渉により、記録時に位相変調によって与えられたデータ変調を強度変化として再生する。再生光に付与されたデータの読取り方法は、実施の形態1の図5〜9において説明したとおりである。
【0066】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、回転駆動ミラーを回転させるなどして参照光の照射位置調整用レンズへの入射角を変化させることにより、参照光がホログラム記録媒体へ入射する角度を変化させることができる。これにより、ホログラム記録媒体への角度多重記録を行なうことが可能となる。
【0067】
また、ホログラム記録媒体へ入射する参照光の角度を信号光および再生光とは異なる経路上で調整することによって、参照光の入射角度を信号光および再生光とは独立に調整することができる。さらに、信号光に与えた位相変調を強度変化として検出するため、撮像素子を用いた簡便なホログラム記録再生装置を構成することが可能となる。
【0068】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】この発明の実施の形態1によるホログラム記録再生装置100Aの概略的な構成を示した図である。
【図2】空間光位相変調器5において与えられる位相変調の基本パターンを示した模式図である。
【図3】イメージ情報IMの2次元データパターンの一例を示した模式図である。
【図4】図3のイメージ情報IMに対応する空間光位相変調器5での位相変調パターンを示した模式図である。
【図5】再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の1局面を示した図である。
【図6】再生光を受けた撮像素子18における干渉縞の明暗分布の他の局面を示した図である。
【図7】撮像素子18の一例である撮像素子18Aの構造を示した図である。
【図8】撮像素子18の他の一例である撮像素子18Bの構造を示した図である。
【図9】撮像素子18の他の一例である撮像素子18Cの構造を示した図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および記録時の動作を示した図である。
【図11】この発明の実施の形態2によるホログラム記録再生装置100Bの概略的な構成および再生時の動作を示した図である。
【符号の説明】
【0070】
1 レーザ、2 コリメートレンズ、4 空間光振幅変調器、5 空間光位相変調器、5PX,18PX ピクセル、6,26 偏光ビームスプリッタ、10,12 リレーレンズ、11 空間フィルタ、13,32 1/4波長板、14 対物レンズ、15 ホログラム記録媒体、16 反射膜、18,18A〜18C 撮像素子、20 エンコーダ、22 デコーダ、23 1/2波長板、24,25 ビームエキスパンドレンズ、27,33 回転駆動ミラー、28〜31 照射位置調整用レンズ、81 受光部、100A,100B ホログラム記録再生装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体内で参照光と信号光とを干渉させ、干渉縞として情報を記録する情報記録装置であって、
光ビームを出射する光源と、
イメージ情報に基づいて前記信号光の位相をデータ変調する空間光位相変調器とを備え、
前記空間光位相変調器は、前記イメージ情報の2次元データパターンに基づいて位相差が与えられる複数のピクセルを含む、情報記録装置。
【請求項2】
前記光ビームを受けて前記信号光および前記参照光を生成する光学素子をさらに備え、
前記光学素子は、空間光振幅変調器を含む、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記空間光位相変調器は、前記イメージ情報が「1」の場合には隣り合う前記ピクセルの位相差を与えず、前記イメージ情報が「0」の場合には隣り合う前記ピクセルの位相差を与える、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記空間光位相変調器は、前記イメージ情報が「0」の場合には隣り合う前記ピクセルの位相差をπとする、請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項5】
記録媒体に参照光を照射し情報を再生する情報再生装置であって、
光ビームを出射する光源と、
前記記録媒体からの再生光を受光する撮像素子とを備え、
前記撮像素子は、前記再生光の位相変調によって引き起こされる干渉縞の明暗の分布に基づく強度変化を検出する複数のピクセルを含む、情報再生装置。
【請求項6】
前記光ビームを受けて前記参照光を生成する光学素子をさらに備え、
前記光学素子は、空間光振幅変調器を含む、請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記撮像素子は、隣接する前記ピクセルの境界において、位相変調によって与えられた前記再生光の情報を干渉によって生じる強度分布として検出する、請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項8】
前記撮像素子は、前記反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する構造を有する、請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項9】
前記撮像素子は、前記反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を検出し、データ変調と関係しない方向の明暗分布を検出しない矩形形状の受光部を含む、請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項10】
前記撮像素子は、六角形の形状を有する前記複数のピクセルをハニカム形状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する、請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項11】
前記撮像素子は、前記複数のピクセルを格子状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する、請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項12】
前記撮像素子で検出された検出像に基づいて、前記反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布をデータ変調に用い、データ変調と関係しない方向の明暗分布を前記データ変調のエラー訂正に用いるデコーダをさらに備える、請求項5〜11のいずれかに記載の情報再生装置。
【請求項13】
前記撮像素子は、光軸方向において結像位置付近で干渉縞の明暗分布が最大となる位置に配置される、請求項5〜11のいずれかに記載の情報再生装置。
【請求項1】
記録媒体内で参照光と信号光とを干渉させ、干渉縞として情報を記録する情報記録装置であって、
光ビームを出射する光源と、
イメージ情報に基づいて前記信号光の位相をデータ変調する空間光位相変調器とを備え、
前記空間光位相変調器は、前記イメージ情報の2次元データパターンに基づいて位相差が与えられる複数のピクセルを含む、情報記録装置。
【請求項2】
前記光ビームを受けて前記信号光および前記参照光を生成する光学素子をさらに備え、
前記光学素子は、空間光振幅変調器を含む、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記空間光位相変調器は、前記イメージ情報が「1」の場合には隣り合う前記ピクセルの位相差を与えず、前記イメージ情報が「0」の場合には隣り合う前記ピクセルの位相差を与える、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記空間光位相変調器は、前記イメージ情報が「0」の場合には隣り合う前記ピクセルの位相差をπとする、請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項5】
記録媒体に参照光を照射し情報を再生する情報再生装置であって、
光ビームを出射する光源と、
前記記録媒体からの再生光を受光する撮像素子とを備え、
前記撮像素子は、前記再生光の位相変調によって引き起こされる干渉縞の明暗の分布に基づく強度変化を検出する複数のピクセルを含む、情報再生装置。
【請求項6】
前記光ビームを受けて前記参照光を生成する光学素子をさらに備え、
前記光学素子は、空間光振幅変調器を含む、請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項7】
前記撮像素子は、隣接する前記ピクセルの境界において、位相変調によって与えられた前記再生光の情報を干渉によって生じる強度分布として検出する、請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項8】
前記撮像素子は、前記反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する構造を有する、請求項5に記載の情報再生装置。
【請求項9】
前記撮像素子は、前記反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布を検出し、データ変調と関係しない方向の明暗分布を検出しない矩形形状の受光部を含む、請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項10】
前記撮像素子は、六角形の形状を有する前記複数のピクセルをハニカム形状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する、請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項11】
前記撮像素子は、前記複数のピクセルを格子状に配列することにより、データ変調と関係する方向の明暗分布を、データ変調と関係しない方向の明暗分布と分離して検出する、請求項8に記載の情報再生装置。
【請求項12】
前記撮像素子で検出された検出像に基づいて、前記反射光による干渉縞の明暗分布のうち、データ変調と関係する方向の明暗分布をデータ変調に用い、データ変調と関係しない方向の明暗分布を前記データ変調のエラー訂正に用いるデコーダをさらに備える、請求項5〜11のいずれかに記載の情報再生装置。
【請求項13】
前記撮像素子は、光軸方向において結像位置付近で干渉縞の明暗分布が最大となる位置に配置される、請求項5〜11のいずれかに記載の情報再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−130137(P2008−130137A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−312717(P2006−312717)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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