説明

情報記録装置及び情報出力装置

【課題】繰り返し送出される主情報を記録する場合に、当該主情報の先頭が再び配信されることを待つことなく記録を開始し、本来の構成順序に則って再生可能なように記録することが可能な情報記録装置及び情報出力装置を提供する。
【解決手段】繰り返し送出される主情報を構成する部分情報と、前記部分情報が記録されるべき記録媒体上の位置を示すアドレス情報とを、ネットワークを介して受信して前記部分情報を情報記憶媒体に記録する情報記録装置であって、前記部分情報を受信する部分情報受信手段と、前記部分情報に対応する前記アドレス情報を受信するアドレス情報受信手段と、前記アドレス情報が示す上記記録媒体上の位置に、前記部分情報を記録する記録手段と、前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出する検出手段と、前記検出手段による検出に応じて、前記部分情報の記録を停止する停止制御手段と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録装置及び情報出力装置の技術分野に属し、より詳細には、離隔して設置されている情報記録装置及び情報出力装置との間で種々の情報の送受が可能な情報記録装置及び情報出力装置の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報通信分野におけるネットワーク化の進展により、音楽又は映画等の情報(以下、当該情報を適宜コンテンツと称する。)をインターネット回線又はケーブルテレビジョン回線等の電気通信回線を介して配信し、光ディスク等の記録可能な記録媒体に記録することが一般化しつつある。
【0003】
このとき、従来の上述したコンテンツの配信システムにおいては、配信側においては同一の内容を有するコンテンツを予め設定されている期間繰り返し配信し、記録側においては、上記電気通信回線を介してこれを取得し、取得した順に記録する構成とされているのが一般的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のコンテンツ配信・記録方法によると、記録側においては所望するコンテンツの先頭から当該記録を開始することが通常であるため、記録側で記録を開始しようとしたタイミングにおいて当該所望するコンテンツの途中の部分が配信中であるときは、その先頭から再度の配信が開始されるまで待機しなければならず、所望コンテンツの記録のために不要な時間を費やさなければならないという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて為されたもので、その課題は、繰り返し配信されているコンテンツを記録する場合に、当該コンテンツの先頭が再び配信されることを待つことなく記録を開始し、本来の構成順序に則って再生可能なように記録することが可能な情報記録装置及び情報出力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、繰り返し送出される主情報を構成する部分情報と、前記部分情報が記録されるべき記録媒体上の位置を示すアドレス情報とを、ネットワークを介して受信して前記部分情報を情報記憶媒体に記録する情報記録装置であって、前記部分情報を受信する部分情報受信手段と、前記部分情報に対応する前記アドレス情報を受信するアドレス情報受信手段と、前記アドレス情報が示す上記記録媒体上の位置に、前記部分情報を記録する記録手段と、前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出する検出手段と、前記検出手段による検出に応じて、前記部分情報の記録を停止する停止制御手段と、を有することを特徴とする情報記録装置である。
【0007】
よって、繰り返し送出される主情報について、主情報を構成する部分情報と、当該部分情報に対応するアドレス情報を受信して、当該アドレス情報が示す記録媒体上の位置に部分情報を記録するので、主情報の途中から取得した場合であっても、本来の構成順序に則って再生可能なように主情報を記録媒体に記録でき、主情報を構成する全ての部分情報の記録が完了したときに、部分情報の記録を停止することができる。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項2に記載の発明は、前記検出手段は、前記主情報について最初に取得した前記部分情報と同じ内容の前記部分情報を再度取得した場合に前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置である。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項3に記載の発明は、前記主情報について、最初に取得した前記部分情報に対応する前記アドレス情報を記憶する開始アドレス情報記憶手段を有し、前記停止制御手段は、前記開始アドレス情報記憶手段に記憶されたアドレス情報と同じアドレス情報に対応する前記部分情報を再度受信した場合に、前記部分情報の記録を停止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記録装置である。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項4に記載の発明は、前記記録手段による前記部分情報の記録が、前記記録媒体における所定の第一位置に達したことを検出する最終記録位置検出手段と、前記最終記録位置検出手段による検出に応じて、前記所定の第一位置に記録した前記部分情報に後続する前記部分情報の記録を、前記記録媒体における所定の第二位置から再開させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報記録装置である。
【0011】
上記の課題を解決するために、請求項5に記載の発明は、前記所定の第一位置は、前記情報記録媒体における記録エリアの最外周位置であり、前記所定の第二位置は、前記情報記録媒体における記録エリアの最内周位置であることを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置である。
【0012】
上記の課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、主情報を構成する部分情報を出力する第1出力手段と、前記部分情報の前記主情報における構成順序及び前記部分情報が記録されるべき記録媒体上の位置を示すアドレス情報を、前記部分情報の再生時系列に沿って出力する第2出力手段と、前記第1出力手段による出力、及び前記第2出力手段による出力を、前記主情報を1のサイクルとして複数サイクル繰り返させる制御手段と、を備えることを特徴とする情報出力装置である。
【0013】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、主情報を構成する部分情報を出力する第1出力手段と、前記部分情報の記録媒体における記録順序を示す順序情報を前記部分情報の再生時系列に沿って出力する第2出力手段と、前記第1出力手段による出力、及び前記第2出力手段による出力を、前記主情報を1のサイクルとして複数サイクル繰り返させる制御手段と、を備えることを特徴とする情報出力装置である。
【0014】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、主情報を構成する部分情報を出力する第1出力手段と、前記部分情報の記録媒体における記録順序を示す順序情報を前記部分情報の再生時系列に沿って出力する第2出力手段と、前記第1出力手段による出力、及び前記第2出力手段による出力を、前記主情報を1のサイクルとして複数サイクル繰り返させる制御手段と、を備える情報出力装置から出力される前記部分情報を記録する情報記録装置であって、前記部分情報を、前記主情報における途中から受信可能な部分情報受信手段と、前記部分情報に対応する前記順序情報を受信する順序情報取得手段と、前記順序情報に対応する前記部分情報を前記順序情報に従って記録する記録手段と、前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出する検出手段と、前記検出手段による検出に応じて、前記部分情報の記録を停止する停止制御手段と、を有することを特徴とする情報記録装置である。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本願によれば、繰り返し送出される主情報について、主情報を構成する部分情報と、当該部分情報に対応するアドレス情報を受信して、当該アドレス情報が示す記録媒体上の位置に部分情報を記録するので、主情報の途中から取得した場合であっても、本来の構成順序に則って再生可能なように主情報を記録媒体に記録でき、主情報を構成する全ての部分情報の記録が完了したときに、部分情報の記録を停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】コンテンツ配信システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】プレーヤの細部構成を示すブロック図である。
【図3】再生信号におけるコンテンツの態様を説明する図(I)である。
【図4】再生信号におけるコンテンツの態様を説明する図(II)である。
【図5】再生信号におけるコンテンツの態様を説明する図(III)である。
【図6】DVD−Rの構造を示す断面斜視図である。
【図7】DVD−Rにおける記録フォーマットを示す図である。
【図8】DVD−Rにおけるブロックアドレス番号等を示す図である
【図9】レコーダの細部構成を示すブロック図である。
【図10】第1実施形態の記録処理を示すフローチャートである。
【図11】第1実施形態における記録態様を示す図である。
【図12】第2実施形態における記録処理を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態における記録態様を示す図である。
【図14】第2実施形態のレコーダにおける再生処理を示すフローチャートである。
【図15】第3実施形態の記録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する各実施の形態は、コンテンツが記録されているDVD(従来のCD(Compact Disc)に比して数倍記録容量を高めた光ディスク)から当該コンテンツを再生し、これをインターネット回線を介して配信する出力装置と、当該配信されたコンテンツを、記録可能なDVDであるDVD−R(DVD-Recordable)に対して記録する記録装置と、を含むコンテンツ配信システムに対して本発明を適用した場合の実施の形態である。
【0018】
(I)第1実施形態
最初に、本発明に係る第1実施形態について、図1乃至図11を用いて説明する。
【0019】
先ず、第1実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成及び全体動作について、図1を用いて説明する。なお、図1は当該全体構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、第1実施形態に係るコンテンツ配信システムSは、コンテンツ(当該コンテンツの再生態様(再生順序又は再生速度等)を制御するための再生制御情報を含む)をインターネット回線INを介して出力(配信)する出力装置10と、当該出力されたコンテンツをインターネット回線INから取得し、これをDVD−Rに記録する記録装置11と、により構成されている。
【0021】
また、出力装置10は、コンテンツが記録されているDVDから当該コンテンツを再生し、再生信号Sdとして出力するプレーヤ12と、当該再生信号Sdに対して予め設定された変調処理等を施し、インターネット回線INに出力する配信手段としての送信装置13と、により構成されている。
【0022】
更に、記録装置11は、当該出力されたコンテンツをインターネットINから取得し、記録信号Srとして出力する受信用の取得手段としてのセットトップボックス(SET TOP BOX)14と、当該出力された記録信号Srを後述する方法によりDVD−Rに記録する記録手段としてのレコーダ15と、により構成されている。
【0023】
(A)プレーヤの構成及び動作
次に、第1実施形態に係るプレーヤ12の細部構成及び動作について、図2乃至図5を用いて説明する。
【0024】
なお、図2はプレーヤ12の細部構成を示すブロック図であり、図3乃至図5は再生信号Sdに含まれるコンテンツの態様を説明する図である。
【0025】
図2に示すように、第1実施形態のプレーヤ12は、コンテンツが記録されているDVD72を予め設定された回転数で回転させるスピンドルモータ50と、ドライバ52と、位相比較器51と、ピックアップ60と、RF(Radio Frequency)アンプ61と、クロック抽出部62と、デコーダ67と、出力手段及び変更手段としてのCPU68と、により構成されている。
【0026】
ここで、当該コンテンツは、いわゆるMPEG(Moving Picture Experts Group)方式等の圧縮方式により、時間軸とは無関係に(すなわち、いわゆるヴァリアブルビットレートにより)圧縮されている。
【0027】
次に、動作を説明する。
【0028】
先ず、ピックアップ60は、予め設定された一定強度を有する情報再生用の光ビームBをDVD72上の情報記録面に対して照射し、その反射光に基づいて当該DVD72に記録されているコンテンツに対応するRF信号Spを生成し、RFアンプ61へ出力する。
【0029】
これにより、RFアンプ61は、当該RF信号Spに対して波形整形処理及び増幅処理等を施し、増幅信号Sapを生成してクロック抽出部62及びデコーダ67に出力する。
【0030】
次に、クロック抽出部62は、当該増幅信号Sapからスピンドルモータ50の回転制御を行うために用いられる同期信号Sclを抽出し、位相比較器51へ出力する。
【0031】
そして、位相比較器51は、当該同期信号Sclと予め設定されている当該回転制御の基準となる基準クロックとを比較し、その位相差を示す位相差信号Scpを生成してドライバ52へ出力する。
【0032】
次に、ドライバ52は、位相差信号Scpに基づいて、当該位相差信号Scpにより示される位相差が零となるようにスピンドルモータ50を回転させるための駆動信号Ssdを生成して当該スピンドルモータ50へ出力する。
【0033】
これにより、スピンドルモータ50は、当該駆動信号Ssdに基づいて回転することで、DVD72を上記予め設定された回転数で回転させる。
【0034】
一方、上記増幅信号Sapが入力されるデコーダ67は、当該増幅信号Sapに対して予め設定された復調処理等を施し、上記DVD72に記録されていたコンテンツに対応する復調信号Sdcを生成し、CPU68へ出力する。
【0035】
そして、CPU68は、当該復調信号Sdcを上記再生信号Sdとして送信装置13へ出力し更にインターネットINに出力することを同一のコンテンツについて繰り返すと共に、上記各構成部材の動作を統括制御し、プレーヤ12として上記繰り返し動作を実行させる。
【0036】
次に、上記再生信号Sdに含まれている再生されたコンテンツの態様について図3乃至図5を用いて説明する。
【0037】
DVD72に記録されている上記コンテンツは、図3最上段に示すデータセクタ20を複数個含む物理構造を成して構成されている。
【0038】
そして、一のデータセクタ20中には、その先頭から、データセクタ20の当該コンテンツ内における再生位置(再生順序)を示すセクタアドレス番号を含むID情報21と、当該ID情報21の誤りを訂正するためのID情報誤り訂正コード(IEC(ID Data Error correction Code ))22と、予備データ23と、上記コンテンツに含まれる画像又は音そのもの等であるデータ24と、データ24におけるエラーを検出するためのエラー検出コード(EDC(Error Detection Code))25と、により構成され、このデータセクタ20が複数連続することにより上記コンテンツが構成されている。
【0039】
次に、ID情報21について詳細には、図3中段に示すように、当該ID情報21は、それが含まれるデータセクタ20に関する諸情報であるセクタ情報45と、上記セクタアドレス番号46と、により構成されている。
【0040】
更に、セクタ情報45は、図3最下段に示すように、DVD72における記録フォーマットの形式(すなわち、いわゆるCLV(Constant Line Velocity)形式であるか否か等のフォーマット形式)を示す情報であるセクタ形式情報47と、DVD72におけるトラッキングの方式(すなわち、いわゆるグルーブトラッキング方式であるか否か等の方式)を示す情報であるトラッキング方法情報48と、DVD72における光ビームBの反射率の設計値を示す情報である反射率情報49と、何ら情報が含まれない予備エリア80と、そのデータセクタ20が記録されているDVD72上の領域の区分(すなわち、そのデータセクタ20がDVD72上の記録エリアに記録されているものなのか、リードインエリアに記録されているものなのか等の区分)を示す情報である領域情報81と、データセクタ20に含まれているデータ24の形式(すなわち、当該データ24が画像又は音そのものであるか、或いは書換可能光ディスクにおける接続領域内の情報であるかの形式)を示す情報であるデータ形式情報82と、データセクタ20が記録されている情報記録面の番号(すなわち、情報記録面が二以上あるDVDの場合のその情報記録面番号)を示す情報である記録面番号83と、により構成されている。
【0041】
次に、DVD72上で上記データセクタ20を複数個用いて構成されているECC(Error Correcting Code)ブロックの構成について、図4を用いて説明する。
【0042】
ここで、当該ECCブロックとは、コンテンツをDVD72から再生する際にデコーダ67において実行されるエラー訂正処理の基本単位となるデータの集合である。
【0043】
複数個のデータセクタ20により構成されるECCブロックには、先ず、一のデータセクタ20を172バイト毎に分割した夫々のデータ(このデータを、以下データブロック33と称する。)を垂直方向に12行並べて構成されるデータの集合体(図4左参照)に対して、10バイトのECC内符号(PI(Pality In )符号)31を当該データブロック33の最後に夫々付加して得られる訂正ブロック34が複数個含まれている。
【0044】
このとき、一のデータセクタ20には12個(12行)の訂正ブロック34が相当することとなるが、一のECCブロック30内にはこの訂正ブロック34が16のデータセクタ20分だけ(すなわち、192行の訂正ブロック34に相当する分だけ)含まれている。
【0045】
更に、ECCブロック30内においては、上記192行の訂正ブロック34が垂直方向に並べられた状態で、今度は、当該192行の訂正ブロック34が1バイト毎に最初から垂直方向に分割され、分割された夫々のデータに対して16個のECC外符号(PO(Pality Out)符号)32が付加されている。なお、当該ECC外符号32は、上記訂正ブロック34のうち、ECC内符号31の部分に対しても付加されている。
【0046】
以上の構成により、16のデータセクタ20を含む一のECCブロック30が図4右に示すように形成されていることとなるが、このとき、一のECCブロック30内に含まれる情報の総量は、
[数1]
(172+10)バイト×(192+16)行=37856バイト
であり、この内、実際のデータ24は、
[数2]
2048バイト×16=32768バイト
となる。
【0047】
また、図4に示すECCブロック30においては、1バイトのデータを「D#.*」で示している。例えば、「D1.0」は第1行第0列に配置されている1バイトのデータを示しており、「D190.170」は第190行第170列に配置されている1バイトのデータを示している。従って、ECC内符号31は第172列乃至第181列に配置され、ECC外符号32は第192行乃至第207行に配置されていることとなる。
【0048】
更に、一の訂正ブロック34はDVD72上では連続して記録されている。
【0049】
ここで、図4右に示すように、ECCブロック30をECC内符号31とECC外符号32の双方を含むように構成するのは、図4右における水平方向に並んでいるデータの訂正をECC内符号31で行い、図4右における垂直方向に並んでいるデータの訂正をECC外符号32で行うためである。すなわち、図4右で示すECCブロック30内においては、水平方向と垂直方向の二重に誤り訂正することが可能となる。
【0050】
この点についてより具体的には、例えば、一の訂正ブロック34(上述のように、一行分のECC内符号31を含んで計182バイトのデータを含み、連続してDVD72上に記録されている。)が全てDVD72のキズ等により破壊されたとしても、それを垂直方向から見ると、1列のECC外符号32に対して1バイトのデータ破壊でしかない。従って、夫々の列のECC外符号32を用いて再生時にデコーダ67において誤り訂正を行えば、たとえ一の訂正ブロック34の全てが破壊されていても、正しく誤り訂正を行って正確に再生することができるのである。
【0051】
次に、DVD72上における上記ECCブロック30の実際の記録態様について図5を用いて説明する。
【0052】
なお、図5において、「D#.*」で示されるデータは、図4右内に記述されている各データに対応している。
【0053】
DVD72上のECCブロック30は、図5最上段に示すように、ECCブロック30を訂正ブロック34毎に水平方向に一列に並べてインターリーブすることにより得られる16のレコーディングセクタ40に分割されて記録されている。
【0054】
このとき、一のレコーディングセクタ40は、2366バイト(37856バイト÷16)の情報を含むこととなり、この中には、データセクタ20とECC内符号31又はECC外符号32が混在している。但し、各レコーディングセクタ40の先頭には、データセクタ20におけるID情報21(図3参照)が配置される。
【0055】
次に、一のレコーディングセクタ40は、91バイト毎のデータ41に分割された上で夫々にヘッダHが付加されており、この状態でレコーディングセクタ40を夫々のデータ41毎にいわゆる8−16変調して得られる一のシンクフレーム42としてコンテンツがDVD72に記録されている。
【0056】
このとき、一のシンクフレーム42はヘッダH’とデータ43とにより構成される。また、一のシンクフレーム42内の情報量は、
[数3]
91バイト×8×(16/8)=1456バイト
となり、このシンクフレーム42が連続した形態でDVD72にコンテンツが記録されている。このとき、一のレコーディングセクタ40は、26のシンクフレーム42を含むこととなる。
【0057】
以上説明した記録フォーマットを構成してDVD72に記録されていることにより、当該コンテンツを再生する際に8−16復調及びデインターリーブを行えば(図5参照)、もとのECCブロック30を復元することができ、上記のように強力な誤り訂正を行ってコンテンツを正確に再生し再生信号Sdとして送信装置13に出力することが可能となるのである。
【0058】
なお、送信装置13を介してインターネットINに出力される上記再生信号Sdは、図5上から二段目に示すID情報21を先頭としてレコーディングセクタ40が並んだ状態で当該インターネットIN上に出力される。
【0059】
(B)レコーダの構成及び動作
次に、第1実施形態に係るレコーダ15の細部構成及び動作について、図6乃至図11を用いて説明する。
【0060】
なお、図6乃至図8はレコーダ15によりコンテンツが記録されるDVD−Rの構成を示す図であり、図9はレコーダ15の細部構成を示すブロック図であり、図10及び図11はレコーダ15における記録処理を示すフローチャート等である。
【0061】
先ず、レコーダ15の動作について説明する前に、上記インターネットINを介して出力されてくるコンテンツが記録されるDVD−Rの構成及び記録態様について、図6乃至図8を用いて説明する。
【0062】
先ず、図6を用いて第1実施形態のDVD−Rの構造について説明する。
【0063】
図6において、線速度一定方式により回転されるDVD−R1は色素膜5を備えた一回のみ情報の書込みが可能な色素型DVD−Rであり、コンテンツが記録されるべきトラックであるグルーブトラック2と当該グルーブトラック2に再生光又は記録光としてのレーザビーム等の光ビームBを誘導するためのランドトラック3とが形成されている。
【0064】
また、それらを保護するための保護膜7及び記録された情報を再生する際に光ビームBを反射するための金蒸着面6を備えている。そして、このランドトラック3にプリ情報に対応するプリピット4が形成されている。このとき、当該プリピット4はDVD−R1を出荷する前に予め形成されているものである。
【0065】
ここで、上記プリ情報としては、コンテンツを記録すべきDVD−R1上の位置を示すアドレス番号(以下、プリピット4を用いてDVD−R1上に記録されているアドレス番号をブロックアドレス番号と称する。)が上記プリピット4により記録されている。
【0066】
更に、当該DVD−R1においては、グルーブトラック2を当該DVD−R1の回転速度に対応する周波数でウォブリングさせている。このグルーブトラック2のウォブリングによる回転制御用の同期信号の記録は、上記プリピット4と同様にDVD−R1を出荷する前に予め実行されるものである。
【0067】
そして、DVD−R1に上記コンテンツを記録する際には、レコーダ15においてグル−ブトラック2のウォブリングの周波数を検出することにより上記同期信号を取得してDVD−R1を所定の回転速度で回転制御すると共に、プリピット4を検出することにより予めプリ情報を取得し、それに基づいて記録光としての光ビ−ムBの最適出力等が設定されると共に、コンテンツを記録すべきDVD−R1上の位置であるブロックアドレス番号等が取得され、このブロックアドレス番号に基づいて当該コンテンツが上記出力されてくるID情報21に対応する記録位置に記録される。
【0068】
ここで、コンテンツの記録時には、光ビームBをその中心がグルーブトラック2の中心と一致するように照射してグルーブトラック2上に記録情報に対応する記録ピットを形成することにより当該コンテンツを記録する。
【0069】
この時、光スポットSPの大きさは、図6に示すように、その一部がグルーブトラック2だけでなくランドトラック3にも照射されるように設定される。そして、このランドトラック3に照射された光スポットSPの一部の反射光を用いてプッシュプル法(DVD−R1の回転方向に平行な分割線により分割された光検出器を用いたラジアルプッシュプル法)によりプリピット4から上記プリ情報を検出して当該プリ情報が取得されると共に、グルーブトラック2に照射されている光スポットSPの一部の反射光を用いてグルーブトラック2からウォブリング信号が検出されて回転制御用の同期信号等が取得される。
【0070】
次に、第1実施形態のDVD−R1に予め記録されているプリ情報及び回転制御情報並びに上記記録情報の記録フォーマットについて、図7を用いて説明する。
【0071】
なお、図7において、上段は記録情報における記録フォーマットを示し、下段の波型波形は当該記録情報を記録するグルーブトラック2のウォブリング状態(すなわち、グルーブトラック2の平面図)を示し、記録情報とグルーブトラック2のウォブリング状態の間の上向き矢印は、プリピット4が形成される位置を模式的に示すものである。
【0072】
ここで、図7においては、グルーブトラック2のウォブリング状態は、理解の容易のため実際の振幅よりも大きい振幅を用いて示してあり、記録情報は当該グルーブトラック2の中心線上に記録される。
【0073】
図7に示すように、第1実施形態においてDVD−R1に記録される記録情報は、上述したように予めシンクフレーム42毎に分割される。そして、26のシンクフレームにより情報単位としての一のレコーディングセクタ40が形成され、更に、16のレコ−ディングセクタ40により上記ECCブロック30が形成される。
【0074】
なお、一のシンクフレーム42は、上記記録情報を記録する際の記録フォーマットにより規定されるビット間隔に対応する単位長さ(以下、Tという。)の1488倍(1488T)の長さを有しており、更に、一のシンクフレーム42の先頭における14Tの長さの部分にはシンクフレ−ム毎に記録時の同期を取るための同期情報SYが上記ヘッダH’(図5最下段参照)として記録される。
【0075】
一方、第1実施形態においてDVD−R1に記録されているプリ情報は、シンクフレーム42毎に記録されている。ここで、プリピット4によるプリ情報の記録においては、コンテンツ内のシンクフレーム42の夫々における同期情報SYが記録される領域に隣接するランドトラック3上に、プリ情報における同期信号(以下、当該プリ情報における同期信号を、DVD−R1の回転制御のための上記同期信号と区別すべく、シンクコードと称する。)を示すものとして必ず一のプリピット4が形成されていると共に、当該同期情報SY以外の当該シンクフレーム42内の前半部分に隣接するランドトラック3上に、記録されているプリ情報の内容(ブロックアドレス番号)を示すものとして二又は一のプリピット4が形成される(なお、同期情報SY以外の当該シンクフレーム内の前半部分については、記録すべきプリ情報の内容によってはプリピット4が形成されない場合もある。また、一のレコーディングセクタ40における先頭のシンクフレーム42(後述のEVENフレーム)では、その前半部分に必ず三つのプリピット4が連続して形成される。)。
【0076】
ここで、第1実施形態のDVD−R1では、一のレコ−ディングセクタ40においては、偶数番目のシンクフレーム42(以下、EVENフレームという。)のみ又は奇数番目のシンクフレーム42(以下、ODDフレームという。)のみにプリピット4が形成されてプリ情報が記録されている。すなわち、図7において、EVENフレームにプリピット4が形成された場合には(図7において実線上向き矢印で示す。)、それに隣接するODDフレームにはプリピット4は形成されていない。
【0077】
更に、グルーブトラック2のウォブリングとプリピット4の位置の関係については、当該ウォブリングにおける最大振幅の位置にプリピット4が形成されている。
【0078】
このとき、プリピット4におけるプリ情報の内容と形成される位置との関係についてより具体的に説明すると、同期情報SYが記録される領域に隣接するランドトラック3上に形成されているプリピット4を「プリピットB2」とし、同期情報SY以外のシンクフレーム内の前半部分に隣接するランドトラック3上に形成されているプリピット4をその先頭から「プリピットB1」及び「プリピットB0」とすると、以下の表1に示すように、一レコーディングセクタの先頭のEVENフレームにおけるシンクコードに対応する個所にはプリピットB2乃至B0が全て形成されており、ODDフレームにおけるシンクコードに対応する個所にはプリピットB2及びB1のみが形成されており、シンクコード以外のプリ情報としてのデータ「1」に対応する個所にはプリピットB2及びB0のみが形成されており、シンクコード以外のプリ情報としてのデータ「0」に対応する個所にはプリピットB2のみが形成されている。
【0079】
【表1】

【0080】
一方、グルーブトラック2は、全てのシンクフレーム42に渡って約140kHz(一のシンクフレーム42がグルーブトラック2の変動波形の8波分に相当する周波数)の一定ウォブリング周波数でウォブリングされている。そして、レコーダ15において、当該一定のウォブリング周波数を検出することでDVD−R1を回転させるための後述するスピンドルモータ50の回転制御用の上記同期信号が検出される。
【0081】
次に、上述したプリ情報として記録されているブロックアドレス番号の内容について、DVD−R1の全体構造と共に、図8を用いて説明する。
【0082】
図8上段に示すように、DVD−R1全体としては、その内周側から、コンテンツの記録の際に制御情報として用いられる情報が予め記録されている制御情報領域CDと、DVD−R1に記録済みのコンテンツの再生を開始する際に用いられる開始情報等が記録されるリードインエリアLIと、記録されるコンテンツに含まれる各データの階層構造等を示す情報が記録されるファイルシステム情報エリアFAと、実際にコンテンツそのものが記録される記録エリアDAと、DVD−R1に記録済みのコンテンツの再生を終了する際に用いられる終了情報等が記録されるリードアウトエリアLOと、により構成されている。
【0083】
このとき、上記リードインエリアLI、ファイルシステム情報エリアFA及びリードアウトエリアLOについては、DVD−R1へのコンテンツの記録が完了した後に当該コンテンツの内容に応じて形成されるものである。
【0084】
また、リードインエリアLIの先頭に記録されるべきコンテンツにおける上記ID情報21内のセクタアドレス番号は図8下段に示すように「022FA0h(「h」は十六進表示であることを示す。以下同様)」とされ、更にファイルシステム情報エリアFAの先頭に記録されるべきコンテンツにおける上記ID情報21内のセクタアドレス番号は図8下段に示すように「030000h」とされることが規格化されている。
【0085】
一方、上記プリ情報としてプリピット4により予め記録されているブロックアドレス番号は、図8縦軸に示すように、制御情報領域CDの最内周部を最低値としてDVD−R1の外周に向かって昇順となるように記録されている。
【0086】
このとき、プリ情報としてのブロックアドレス番号とコンテンツ内のセクタアドレス番号との関係については、前者が後者の10h倍である関係となるべきことが規格化されている。
【0087】
次に、上述したDVD−R1に対して上記出力装置10からインターネットINを介して出力されてきたコンテンツを記録する記録装置11内のレコーダ15の細部構成及び動作について、図9乃至図11を用いて説明する。
【0088】
なお、第1実施形態のレコーダ15は、DVD−R1へのコンテンツの記録だけでなく、そのDVD−R1からの再生も可能なレコーダである。
【0089】
また、図9に示すブロック図において、図2に示すブロック図と同様の構成部材については、同様の部材番号を付して細部の説明は省略する。
【0090】
図9に示すように、第1実施形態のレコーダ15は、コンテンツが記録されるDVD−R1を予め設定された回転数で回転させるスピンドルモータ50と、ドライバ52と、位相比較器51と、ピックアップ60と、RFアンプ61と、バンドパスフィルタ(Band Pass Filter)69と、ウオブル検出部63と、LPP(Land Pre Pit)検出部64と、LPPデコーダ66と、デコーダ67と、メモリ68mを含むCPU68と、アドレス検出回路70と、インタフェース部71と、により構成されている。
【0091】
先ず、DVD−R1に既にコンテンツが記録されている場合においてこれを再生するときの動作について説明する。
【0092】
当該再生においては、スピンドルモータ50、ドライバ52、位相比較器51、ピックアップ60、RFアンプ61、デコーダ67及びCPU68は、上述したプレーヤ12と同様の動作を行って回転するDVD−R1に記録されているコンテンツに対応する復調信号Sdcを生成し、インタフェース71を介して外部の図示しないアンプ等に出力信号Soとして出力する。
【0093】
このとき、位相比較器51における基準クロックとの比較対象となる同期信号Sclについては、増幅信号Sapから上記グルーブトラック2のウォブリングの周数に対応する同期信号を含むバンドパス信号Sbpをバンドパスフィルタ69により抽出し、更に当該抽出したバンドパス信号Sbpから上記140kHzのウォブリングに対応する周波数を有する上記同期信号Sclを生成する。
【0094】
次に、セットトップボックス14において受信されて出力される記録信号Srに含まれるコンテンツをDVD−R1に記録する場合の動作について説明する。
【0095】
先ず、レコーダ15に入力された記録信号Sr(DVD−R1に記録すべきコンテンツを含む記録信号Sr)は、インタフェース部71において予め設定されたインタフェース処理が実行され、処理記録信号SriとしてCPU68内のメモリ68mに蓄積されると共に、アドレス検出回路70へ出力される。
【0096】
一方、コンテンツの記録に先立って、ピックアップ60は、DVD−R1上のプリピット4に対して光ビームBを照射し、当該プリピット4に対応するRF信号Spを生成してRFアンプ61に出力する。
【0097】
これにより、RFアンプ61は、当該RF信号Spに対して増幅処理等の処理を施し、増幅信号Sapを生成してバンドパスフィルタ69へ出力する。
【0098】
そして、バンドパスフィルタ69は、増幅信号Sapから上記グルーブトラック2のウォブリングの周数に対応する同期信号及び上記プリピット4に対応するブロックアドレス番号を含むバンドパス信号Sbpを生成し、上記ウォブル検出部63及びLPP検出部64へ出力する。
【0099】
次に、ウォブル検出部63は、コンテンツの再生時と同様に当該バンドパス信号Sbpからから上記ウォブリングに対応する周波数を有する同期信号Sclを生成して位相比較器51及びクロストーク除去部65へ出力する。
【0100】
これにより、位相比較部51及びドライバ52は、上述したプレーヤ12の場合と同様の動作により、DVD−R1を予め設定された回転数で回転させる。
【0101】
他方、バンドパス信号Sbpが入力されるLPP検出部64は、当該バンドパス信号Sbpから上記ブロックアドレス番号に対応する信号成分を検出し、LPP信号Slppとしてクロストーク除去部65及びLPPデコーダ66へ出力する。
【0102】
そして、クロストーク除去部65は、LPP信号Slppに基づいて同期信号Sclからプリピット4の存在に起因するクロストーク成分を除去し、コンテンツの記録時における基準となる周波数を有する記録クロック信号Swckを生成してエンコーダ91へ出力する。
【0103】
更に、LPPデコーダ66は、LPP信号Slppの内容を解析し、ブロックアドレス番号(すなわち、現在光ビームBが照射されているDVD−R1上の位置を示すブロックアドレス番号)信号Sdlを生成してCPU68へ出力する。
【0104】
次に、アドレス検出回路70は、当該処理記録信号Sri内に含まれている上記レコーディングセクタ40毎のID情報21中のセクタアドレス番号を当該処理記録信号Sriから抽出し、アドレス信号SaddとしてCPU68へ出力する。
【0105】
そして、CPUは、当該処理記録信号Sriをメモリ68m内に一時的に蓄積すると共に、アドレス番号信号Sdlの内容とアドレス信号Saddの内容とを比較し、双方が予め設定された対応関係(すなわち、後者が前者の10h倍)であるタイミングでエンコーダ91へ出力する。
【0106】
これにより、エンコーダ91は、上記記録クロック信号Swckを基準として処理記録信号Sriに対して予め設定されている変調処理等を施し変調信号Seを生成してパワー制御部92へ出力する。
【0107】
そして、パワー制御部92は、CPU68からの制御信号Scに基づいて、変調信号Seに対応するように記録用の光ビームBの強度を変調すべく、パワー制御信号Spcを生成してレーザ駆動部93へ出力する。
【0108】
その後、レーザ駆動部93は、当該パワー制御信号Spcにより示される強度変化をもって光ビームBをDVD−R1上の上記グルーブトラック2に照射すべく、当該光ビームBを射出するピックアップ60内の図示しない半導体レーザを駆動するための駆動信号Sldを生成して当該ピックアップ60へ出力する。
【0109】
以上の一連の動作により、レコーダ15としてアドレス信号Saddに対応するアドレス番号信号Sdlが取得されるDVD−R1上の記録位置に、当該アドレス信号Saddに含まれているセクタアドレス番号に対応するコンテンツ(レコーディングセクタ40)を記録することができることとなる。
【0110】
次に、上述したコンテンツのDVD−R1への記録処理の全体の流れについて、図10及び図11を用いて詳説する。なお、以下に説明する記録処理は、主としてCPU68を中心として制御・実行される処理である。
【0111】
図10に示すように、当該記録処理においては、先ず、アドレス信号Saddが入力されてきたか否かを監視することにより、記録信号Srの入力が開始されたことを認識し、その入力されてきたコンテンツ中の先頭のセクタアドレス番号を検出する(ステップS1)。
【0112】
次に、記録用の光ビームBの照射位置を、上記検出したセクタアドレス番号と上記対応関係にあるブロックアドレス番号(このブロックアドレス番号を「T」とし、CPU68内の図示しない他のメモリ内に記憶させておく。)の位置まで移動する(ステップS2)。ここでは、この処理により、当該照射位置が図11中※で示される位置に移動したとする。
【0113】
そして、その状態で、コンテンツにおけるECCブロック30の先頭を検出したか否かを監視し(ステップS3)、検出していないときは(ステップS3;NO)そのままコンテンツの監視を継続し、一方、当該先頭を検出したときは(ステップS3;YES)、次に、入力されているコンテンツのメモリ68mへの充填を開始する(ステップS4)。
【0114】
次に、メモリ68mが満杯となったか否かを監視し(ステップS5)、満杯となっていないときは(ステップS5;NO)そのまま充填を継続し、満杯となったときは(ステップS5;YES)、当該メモリ68m内のコンテンツのDVD−R1への記録を開始する(ステップS6)。
【0115】
このステップS6におけるコンテンツの記録処理においては、図11に上から三段目に示すように、ステップS2において検出したブロックアドレス番号Tの位置からDVD−R1の外周側に向かってコンテンツが記録されていくこととなる。このときの当該コンテンツの記録態様としては、上記図5最下段に示したように、シンクフレーム42毎に記録されて行く。
【0116】
なお、当該記録処理においては、図11に示すように、一のレコーディングセクタ40が形成されて記録される度に上記同期情報SYも併せて形成され記録されていくこととなる。
【0117】
次に、ステップS6における記録処理中においては、DVD−R1上の最終(最外周)ブロックアドレス番号が検出されたか否かが監視されている(ステップS7)。
【0118】
そして、最終ブロックアドレス番号が検出されないときは(ステップS7;NO)、未だDVD−R1における記録エリアDAにおいてコンテンツの記録が継続できるとしてそのまま記録処理を継続し、一方、最終ブロックアドレス番号が検出された(すなわち、記録エリアDAの最外周にあるブロックアドレス番号まで対応するセクタアドレス番号を有するコンテンツが記録された)ときは(ステップS7;YES)、次に、記録を一時停止し(ステップS8)、更に光ビームBの照射位置を記録エリアDAの最内周部まで移動し(ステップS9)、その移動後に中断していた記録処理を再開する(ステップS10)。この処理により、図11上から四段目に示すように、記録エリアDAの最内周部から引き続きコンテンツの記録が実行されることとなる。
【0119】
次に、記録処理が再開された後には、上記ステップS2において記録を開始した時に記憶したブロックアドレス番号「T」が再度検出されたか否かが監視されている(ステップS11)。
【0120】
そして、検出されるブロックアドレス番号が上記「T」でないときは(ステップS11;NO)、図11中※印で示す記録位置までコンテンツの記録が進行していない(すなわち、DVD−R1に対するコンテンツの全記録が完了していない)として引き続き記録処理を外周側に向かって継続し(ステップS10)、一方、ブロックアドレス番号「T」が検出されたときは(ステップS11;YES)、」DVD−R1に対するコンテンツの全記録が完了したとして記録を終了し(ステップS12)、更に、図11最下段乃至下から三段目に示すように、リードアウトエリアLOに記録すべき終了情報等であるリードアウトデータLOD、リードインエリアLIに記録すべき開始情報等であるリードインデータLID及びファイルシステム情報エリアFAに記録すべきファイル情報等であるファイルシステム情報FADを、夫々データ又は情報に対応するDVD−R1上の領域に記録して(ステップS13)全ての記録処理を完了する。
【0121】
このとき、ステップS13におけるファイルシステム形成処理では、コンテンツの先頭としては、記録を開始したセクタアドレス番号(図11中※の位置に対応するセクタアドレス番号)ではなく、記録エリアDAの最内周部に相当するセクタアドレス番号を当該先頭としてファイルシステムを形成し、更に(※に対応するセクタアドレス番号−1h)に相当するセクタアドレス番号が当該※に対応するセクタアドレス番号に接続されていることを記述してファイルシステムを形成することとなる。
【0122】
以上説明したような記録処理が完了した後は、図11最下段に示すように、図11中の※位置(ブロックアドレス番号「T」に対応する)から始まるコンテンツが、記録エリアDAの最外周まで連続して記録された後記録エリアDAの最内周部から連続して記録され、当該※で示される位置で一連のコンテンツの記録が終了していることとなる。
【0123】
以上説明したように、第1実施形態のコンテンツ配信システムSの動作によれば、記録すべきコンテンツ内のセクタアドレス番号が共に配信されるので、当該コンテンツをDVD−R1に記録する際に、当該配信されるコンテンツの途中から記録を開始する場合でも、本来の構成順序に則って再生可能なようにコンテンツを記録することができる。
【0124】
また、インターネット回線INを介してコンテンツ及びセクタアドレス番号を配信するので、出力装置10と記録装置11とが離隔している場合でも、迅速且つ確実にコンテンツ及びセクタアドレス番号を配信することができる。
【0125】
更に、DVD72に記録されていたコンテンツを再生してそのまま配信するので、当該コンテンツ内に再生制御情報をもセクタアドレス番号と共に記録装置11に配信するので、記録装置11に出力してDVD−R1に記録後、これを再生する際に当該再生制御情報に基づいて種々の再生態様で再生することができる。
【0126】
なお、上述した第1実施形態においては、出力装置10と記録装置11とを接続する回線としてインターネット回線INを用いる場合について説明したが、これ以外に、双方を、ケーブルテレビジョン回線、衛星放送回線又は地上波ディジタル回線のいずれか又は二つ以上を用いて接続してもよい。
【0127】
また、レコーダ15における記録媒体としては、DVD−R1の他に、複数回の書換えが可能なDVD−RW(DVD‐Re‐Recordable)又はDVD−RAM(DVD‐Random Access Memory)を用いてもよい。更に、プレーヤ12に装填される記録媒体としても、再生専用であるDVD72の他に、記録済みのDVD−R、DVD−RW又はDVD−RAMを用いることができる。
【0128】
(II)第2実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第2実施形態について、図12乃至図14を用いて説明する。
【0129】
なお、図12は第2実施形態のプレーヤにおける再生処理を示すフローチャートであり、図13は第2実施形態のレコーダにおける記録処理を説明する図であり、図14は当該レコーダにおける再生処理を示すフローチャートである。
【0130】
上述した第1実施形態においては、DVD72に記録されていたコンテンツをそのままセクタアドレス番号と共に配信し、DVD−R1に記録する場合について説明したが、以下に説明する第2実施形態では、出力装置から記録装置までの間で不法に取得され複写されたコンテンツが不法に再生されることを防止するためのいわゆる不法複写防止処理が施された後に配信される。
【0131】
また、第2実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける出力装置及び記録装置の構成は、第1実施形態に係るコンテンツ配信システムSにおける出力装置10及び記録装置11と全く同様であるので、細部の説明は省略する。
【0132】
先ず、第2実施形態のプレーヤにおいて実行されるコンテンツの再生処理について、図12を用いて説明する。
【0133】
始めに、前提として、第2実施形態に係るプレーヤにより再生されるコンテンツ内には、当該コンテンツが一度複写された後の再複写の回数を規制するための規制情報であるCCI(Copy control Information)データが電子透かし技術等の公知の手法により含まれている。このとき、当該CCIデータの内容としては、複写を一切禁止する旨の複写禁止データ(以下、当該複写禁止データをNC(Never Copy)情報と称する。)と、現状以上の複写を一切禁止する旨の再複写禁止データ(以下、当該再複写禁止データをNMC(No More Copy)情報と称する。)と、複写を一度だけ許可する旨の許可データ(以下、当該許可データをCO(Copy Once)情報と称する。)と、複写(回数)を自由とする旨の許可データ(以下、当該許可データをCF(Copy Free)情報と称する。)と、がある。
【0134】
図12に示すように、第2実施形態のプレーヤにおける再生処理では、先ず、第1実施形態の場合と同様にして繰り返し再生処理が開始されると(ステップS15)、次に、当該再生すべきコンテンツに含まれているCCIデータを検出し、その内容がNC情報であるか否かを判定する(ステップS16)。
【0135】
そして、それがNC情報であるときは(ステップS16;YES)、後述するステップS24においてコンテンツ内のセクタアドレス番号を一律にシフトさせるオフセット値を「16h」として(ステップS17)当該ステップS24へ移行する。
【0136】
一方、ステップS16の判定において、CCIデータがNC情報でないときは(ステップS16;NO)、次に、当該CCIデータの内容がNMC情報であるか否かを判定する(ステップS18)。
【0137】
そして、それがNMC情報であるときは(ステップS18;YES)、上記オフセット値を「32h」として(ステップS19)ステップS24へ移行する。
【0138】
一方、ステップS18の判定において、CCIデータがNMC情報でないときは(ステップS18;NO)、次に、当該CCIデータの内容がCO情報であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0139】
そして、それがCO情報であるときは(ステップS20;YES)、上記オフセット値を「48h」として(ステップS21)ステップS24へ移行する。
【0140】
一方、ステップS20の判定において、CCIデータがCO情報でないときは(ステップS20;NO)、次に、当該CCIデータの内容がCF情報であるか否かを判定する(ステップS22)。
【0141】
そして、それがCF情報であるときは(ステップS22;YES)、上記オフセット値を「64h」として(ステップS23)当該ステップS24へ移行する。
【0142】
一方、ステップS22の判定において、CCIデータがCF情報でもないときは(ステップS22;NO)、CCIデータが改竄されている可能性があるとして不法複写を防止すべく再生処理そのものを中止する。
【0143】
次に、各オフセット値が設定されると(ステップS17、S19、S21、S23)、そのオフセット値をコンテンツに含まれている各セクタアドレス番号に加算した値を新たなセクタアドレス番号とし(ステップS24)、その新たなセクタアドレス番号を含むコンテンツのインターネット回線INへの出力を実行する(ステップS25)。
【0144】
そして、全てのコンテンツの再生処理が完了したか否かが判定され(ステップS26)、完了していないときは(ステップS26;NO)ステップS26に戻ってコンテンツの出力を継続し、一方、完了したときは(ステップS26;YES)そのまま再生処理を終了する。
【0145】
次に、上述の如く第2実施形態の出力装置から出力されたコンテンツを、第1実施形態の場合と同様の記録処理(図10参照)によりDVD−R1に記録した場合の記録態様について図13を用いて説明する。
【0146】
図12に示した再生処理により再生・出力されたコンテンツを第1実施形態のレコーダ15と同様にしてDVD−R1に記録した場合には、コンテンツ内のセクタアドレス番号が上述したように一律にシフトされているため、結果としてその記録処理は、図13に示す如く、長さNDの未記録部分Nを記録エリアDAの先頭に残した状態で、コンテンツが第1実施形態の場合と同様に記録されることとなる。
【0147】
この場合、未記録部分Nの長さNDは、再生処理時におけるオフセット値が「16h」であったときはセクタアドレス番号で16個分に相当する長さとなり、再生処理時におけるオフセット値が「32h」であったときはセクタアドレス番号で32個分に相当する長さとなり、再生処理時におけるオフセット値が「48h」であったときはセクタアドレス番号で48個分に相当する長さとなり、再生処理時におけるオフセット値が「64h」であったときはセクタアドレス番号で64個分に相当する長さとなる。
【0148】
このとき、当該未記録部分Nは、再生時の障害となるので、上記記録処理における最後のステップS13の処理においては、実際にはその未記録部分Nに例えばゼロデータからなるダミーデータが記録され、当該未記録部分Nがダミーデータ記録部分Nとされる。
【0149】
次に、上述のようにしてDVD−R1に記録されているコンテンツを、不法複写防止処理を施しつつ第2実施形態のレコーダで再生する場合の処理を、図14を用いて説明する。
【0150】
当該レコーダにおける再生処理においては、先ず、DVD−R1に記録されているコンテンツの最先頭の位置のセクタアドレス番号を検出する(ステップS25)。ここでは、当該検出されたセクタアドレス番号が「AD」であったとする(図13最下段参照)。
【0151】
次に、当該検出されたセクタアドレス番号「AD」が、DVD−R1におけるファイルシステム情報エリアFAの最外周部のブロックアドレス番号に対応しているかを判定する(ステップS26。なお、ここでは当該最外周部のブロックアドレス番号を「T2」とする。)。
【0152】
そして、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」とが本来の対応関係(すなわちセクタアドレス番号「AD」がブロックアドレス番号「T2」の16進法で10倍)であるときは(ステップS26;YES)、現在第2実施形態のレコーダに装填されているDVDにおいては未記録部分Nが存在していないこととなり、従ってこの場合は、当該DVDはそのコンテンツについていわゆるオリジナルの再生専用DVDであることとなるので、そのまま通常の再生処理に移行する(ステップS36)。
【0153】
一方、ステップS26の判定において、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」とが本来の対応関係でないときは(ステップS26;NO)、次に、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「16h」を加算した値とが本来の対応関係にあるか否かが判定される(ステップS27)。
【0154】
そして、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「16h」を加算した値とが本来の対応関係にあるときは(ステップS27;YES)、この時点でNC情報に対応するコンテンツを複写していることとなり、これ自体が違法行為であるので、そのまま再生しない旨の告知を行う処理に移行し(ステップS29)、その後再生処理を終了する。
【0155】
次に、ステップS27の判定において、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「16h」を加算した値とが本来の対応関係にないときは(ステップS27;NO)、次に、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「32h」を加算した値とが本来の対応関係にあるか否かが判定される(ステップS30)。
【0156】
そして、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「32h」を加算した値とが本来の対応関係にあるときは(ステップS30;YES)、次に、現在検出されているコンテンツ内にあるCCIデータがNMC情報であるか否かが判定される(ステップS31)。
【0157】
これにより、CCIデータがNMC情報であるときは(ステップS31:YES)、未記録部分Nの長さとCCIデータの内容とが正規の関係にあるとして通常の再生処理に移行する(ステップS36)。
【0158】
一方、ステップS31の判定において、CCIデータがNMC情報でないときは(ステップS31:NO)、未記録部分Nの長さとCCIデータの内容とが正規の関係になく、現在再生しつつあるコンテンツが不法複写されたものである可能性が高いとして非再生を告知し(ステップS29)再生処理を終了する。
【0159】
他方、ステップS30の判定において、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「32h」を加算した値とが本来の対応関係にないときは(ステップS30;NO)、次に、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「48h」を加算した値とが本来の対応関係にあるか否かが判定される(ステップS32)。
【0160】
そして、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「48h」を加算した値とが本来の対応関係にあるときは(ステップS32;YES)、次に、上記CCIデータがCO情報であるか否かが判定される(ステップS33)。
【0161】
これにより、CCIデータがCO情報であるときは(ステップS33:YES)、未記録部分Nの長さとCCIデータの内容とが正規の関係にあるとして通常の再生処理に移行する(ステップS36)。
【0162】
一方、ステップS31の判定において、CCIデータがCO情報でないときは(ステップS33:NO)、未記録部分Nの長さとCCIデータの内容とが正規の関係になく、現在再生しつつあるコンテンツが不法複写されたものである可能性が高いとして非再生を告知し(ステップS29)再生処理を終了する。
【0163】
他方、ステップS32の判定において、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「48h」を加算した値とが本来の対応関係にないときは(ステップS32;NO)、次に、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「64h」を加算した値とが本来の対応関係にあるか否かが判定される(ステップS34)。
【0164】
そして、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「64h」を加算した値とが本来の対応関係にあるときは(ステップS34;YES)、次に、現在検出されているコンテンツ内にあるCCIデータがCF情報であるか否かが判定される(ステップS35)。
【0165】
これにより、CCIデータがCF情報であるときは(ステップS35:YES)、未記録部分Nの長さとCCIデータの内容とが正規の関係にあるとして通常の再生処理に移行する(ステップS36)。
【0166】
一方、ステップS35の判定において、CCIデータがCF情報でないときは(ステップS35:NO)、未記録部分Nの長さとCCIデータの内容とが正規の関係になく、現在再生しつつあるコンテンツが不法複写されたものである可能性が高いとして非再生を告知し(ステップS29)再生処理を終了する。
【0167】
他方、ステップS34の判定において、セクタアドレス番号「AD」とブロックアドレス番号「T2」に「64h」を加算した値とが本来の対応関係にないときは(ステップS34;NO)、現在再生しつつあるコンテンツが何らかの他の不正な処理が為されて記録されたコンテンツである可能性が高いとしてやはり非再生を告知し(ステップS29)再生処理を終了する。
【0168】
そして、再生処理(ステップS36)中においては、全てのコンテンツの再生を完了したか否かが監視され(ステップS37)、完了してないときは(ステップS37;NO)完了するまで再生を継続すると共に、完了しているときは(ステップS37;YES)、そのまま再生処理を終了する。
【0169】
以上説明したように、第2実施形態のコンテンツ配信システムの動作によれば、第1実施形態のコンテンツ配信システムSの動作による効果に加えて、コンテンツにはCCIデータが含まれていると共に、当該CCIデータの内容に対応して各セクタアドレス番号を一律に変更し、当該変更したセクタアドレス番号をコンテンツと共に記録装置に出力すると共に、記録装置によりDVD−R1に記録されたコンテンツを再生する際には、当該CCIデータと変更されたセクタアドレス番号との組合せ状態を確認して再生を行うので、不法に複写されたコンテンツが不法に再生されることを防止することができる。
【0170】
なお、上述した第2実施形態においては、DVD−R1上でスタート位置のセクタアドレス番号をオフセットさせる構成について説明したが、これ以外に、送信時にセクタアドレス番号をオフセットさせる構成とすることもできる。
【0171】
(III)第3実施形態
次に、本発明に係る他の実施形態である第3実施形態について、図15を用いて説明する。
【0172】
なお、図15は第3実施形態のレコーダにおける記録処理を示すフローチャートである。
【0173】
上述した第1実施形態においては、DVD72に記録されていたコンテンツをそのままセクタアドレス番号と共に配信し、DVD−R1における対応するブロックアドレス番号の位置に記録する場合について説明したが、以下に説明する第3実施形態では、配信されるセクタアドレス番号の内容に無関係にDVD−R1における記録エリアDAの先頭からコンテンツの記録を開始する。
【0174】
また、第3実施形態に係るコンテンツ配信システムにおける出力装置及び記録装置の構成は、レコーダにおけるに記録処理を除いて第1実施形態に係るコンテンツ配信システムSにおける出力装置10及び記録装置11と同様であるので、細部の説明は省略する。
【0175】
次に、第3実施形態のレコーダにおいて実行されるコンテンツ記録処理について、図15を用いて説明する。
【0176】
第3実施形態の記録処理においては、先ず、出力装置10からコンテンツの配信が開始されたか否かを判定し(ステップS40)、配信されていないときは(ステップS40;NO)そのまま配信があるまで待機し、一方、配信が開始されたときは(ステップS40;YES)、次に、当該配信における先頭セクタアドレス番号をCPU68内の図示しないメモリ内に記憶しておく(ステップS41)と共に、メモリ68m内に配信されたコンテンツを蓄積していく。
【0177】
そして、予め設定されている蓄積量の蓄積が完了すると、次に、当該蓄積されているコンテンツ内のセクタアドレス番号を、記録エリアDAの先頭に対応するセクタアドレス番号(具体的には、「30000h」)を起算点として昇順となるように変換する(ステップS42)。
【0178】
次に、当該蓄積されているコンテンツ内に、当該コンテンツの再生態様を制御するための再生制御情報(より具体的には、例えば、DVD規格におけるいわゆるPGCI(Program Chain Information)等)が含まれているか否かを判定する(ステップS43)。
【0179】
そして、再生制御情報が含まれているときは(ステップS43;YES)、その再生制御情報に含まれているセクタアドレス番号を上記ステップS42において変更後のセクタアドレス番号に対応付けるように変換し(ステップS44)、ステップS45へ移行する。
【0180】
一方、ステップS43において、コンテンツ内に再生制御情報が含まれていないときは(ステップS43;NO)そのままステップS45へ移行する。
【0181】
そして、ステップS45においては、配信され(ステップS40;YES)、セクタアドレス番号を変換された(ステップS42、S44)コンテンツをDVD−R1における記録エリアDAの先頭から順に記録する(ステップS45)。
【0182】
そして、当該記録中においてステップS41において記憶したセクタアドレス番号に対応するコンテンツが再度配信されたか否かを監視し(ステップS46)、再配信されていないときは(ステップS46;NO)、上述した動作を継続配信されてくるコンテンツに対して繰り返すべくステップS42に戻り、一方、同じ記録済みの内容を含むコンテンツが再度配信されてきたときは(ステップS46;YES)、一連のコンテンツの記録が完了しているとして記録を終了し(ステップS47)、更に第1実施形態の図10ステップS13と同様にしてリードアウトデータLOD、リードインデータLID及びファイルシステム情報FADを、夫々データ又は情報に対応するDVD−R1上の領域に記録し(ステップS48)全ての記録処理を完了する。
【0183】
以上説明したように、第3実施形態のレコーダの処理によれば、繰り返し配信されてくるセクタアドレス番号に基づいて再生制御情報の内容を変換しつつコンテンツを記録するので、DVD−R1の先頭から本来の再生態様により再生可能なようにコンテンツを記録することができる。
【0184】
なお、上述した記録処理又は再生処理に対応するプログラムをフレキシブルディスク又はハードディスク等の情報記録媒体に記録し、これをパーソナルコンピュータ等により実行することで、当該パーソナルコンピュータを各実施形態におけるレコーダ及びプレーヤとして機能させることも可能である。
【0185】
また、上述の各実施形態においては、出力装置10から記録装置11にインターネットINを介して出力される再生信号Sdについては、図5上から二段目に示すID情報21を先頭としてレコーディングセクタ40が並んだ状態となっている場合について説明したが、これ以外に、当該図5下から二段目又は最下段の形態で再生信号Sdを形成し(すなわち、RF信号に相当する態様で再生信号Sdを形成し)、これをインターネットINに出力するように構成することもできる。
【0186】
更に、出力装置10から記録装置11へ出力する際の伝送速度については、2倍速以上の高速で伝送するように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0187】
1…DVD−R
2…グルーブトラック
3…ランドトラック
4…プリピット
5…色素膜
6…金蒸着膜
7…保護膜
10…出力装置
11…記録装置
12…プレーヤ
13…送信装置
14…セットトップボックス
15…レコーダ
20…データセクタ
21…ID情報
22…ID情報誤り訂正コード
23…予備データ
24、41、43…データ
25…エラー検出コード
30…ECCブロック
31…ECC内符号
32…ECC外符号
33…データブロック
34…訂正ブロック
40…レコーディングセクタ
42…シンクフレーム
45…セクタ情報
46…セクタアドレス番号
47…セクタ形式情報
48…トラッキング方法情報
49…反射率情報
50…スピンドルモータ
51…位相比較部
52…ドライバ
60…ピックアップ
61…RFアンプ
62…クロック抽出部
63…ウォブル検出部
64…LPP検出部
65…クロストーク除去部
66…LPPデコーダ
67…デコーダ
68…CPU
68m…メモリ
69…バンドパスフィルタ
70…アドレス検出回路
71…インタフェース
72…DVD
80…予備エリア
81…領域情報
82…データ形式情報
83…記録面番号
S…コンテンツ配信システム
B…光ビーム
H、H’…ヘッダ
N…未記録部分(ダミーデータ記録部分)
IN…インターネット回線
SY…同期情報
CD…制御情報領域
LI…リードインエリア
FA…ファイルシステム情報エリア
DA…記録エリア
LO…リードアウトエリア
Sd…再生信号
Sr…記録信号
Sp…RF信号
Sap…増幅信号
Sdc…復調信号
Scl…同期信号
Scp…位相差信号
Ssd、Sld…駆動信号
So…出力信号
Sbp…バンドパス信号
Sri…処理記録信号
Slpp…LPP信号
Swck…記録クロック信号
Sdl…アドレス番号信号
Sadd…アドレス信号
Se…変調信号
Sc…制御信号
Spc…パワー制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰り返し送出される主情報を構成する部分情報と、前記部分情報が記録されるべき記録媒体上の位置を示すアドレス情報とを、ネットワークを介して受信して前記部分情報を情報記憶媒体に記録する情報記録装置であって、
前記部分情報を受信する部分情報受信手段と、
前記部分情報に対応する前記アドレス情報を受信するアドレス情報受信手段と、
前記アドレス情報が示す上記記録媒体上の位置に、前記部分情報を記録する記録手段と、
前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出する検出手段と、
前記検出手段による検出に応じて、前記部分情報の記録を停止する停止制御手段と、
を有することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記主情報について最初に取得した前記部分情報と同じ内容の前記部分情報を再度取得した場合に前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記主情報について、最初に取得した前記部分情報に対応する前記アドレス情報を記憶する開始アドレス情報記憶手段を有し、
前記停止制御手段は、前記開始アドレス情報記憶手段に記憶されたアドレス情報と同じアドレス情報に対応する前記部分情報を再度受信した場合に、前記部分情報の記録を停止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記記録手段による前記部分情報の記録が、前記記録媒体における所定の第一位置に達したことを検出する最終記録位置検出手段と、
前記最終記録位置検出手段による検出に応じて、前記所定の第一位置に記録した前記部分情報に後続する前記部分情報の記録を、前記記録媒体における所定の第二位置から再開させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記所定の第一位置は、前記情報記録媒体における記録エリアの最外周位置であり、
前記所定の第二位置は、前記情報記録媒体における記録エリアの最内周位置であることを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置。
【請求項6】
主情報を構成する部分情報を出力する第1出力手段と、
前記部分情報の前記主情報における構成順序及び前記部分情報が記録されるべき記録媒体上の位置を示すアドレス情報を、前記部分情報の再生時系列に沿って出力する第2出力手段と、
前記第1出力手段による出力、及び前記第2出力手段による出力を、前記主情報を1のサイクルとして複数サイクル繰り返させる制御手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項7】
主情報を構成する部分情報を出力する第1出力手段と、
前記部分情報の記録媒体における記録順序を示す順序情報を前記部分情報の再生時系列に沿って出力する第2出力手段と、
前記第1出力手段による出力、及び前記第2出力手段による出力を、前記主情報を1のサイクルとして複数サイクル繰り返させる制御手段と、
を備えることを特徴とする情報出力装置。
【請求項8】
主情報を構成する部分情報を出力する第1出力手段と、前記部分情報の記録媒体における記録順序を示す順序情報を前記部分情報の再生時系列に沿って出力する第2出力手段と、前記第1出力手段による出力、及び前記第2出力手段による出力を、前記主情報を1のサイクルとして複数サイクル繰り返させる制御手段と、を備える情報出力装置から出力される前記部分情報を記録する情報記録装置であって、
前記部分情報を、前記主情報における途中から受信可能な部分情報受信手段と、
前記部分情報に対応する前記順序情報を受信する順序情報取得手段と、
前記順序情報に対応する前記部分情報を前記順序情報に従って記録する記録手段と、
前記主情報を構成する全ての前記部分情報の記録が完了したことを検出する検出手段と、
前記検出手段による検出に応じて、前記部分情報の記録を停止する停止制御手段と、
を有することを特徴とする情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−140510(P2009−140510A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6882(P2009−6882)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【分割の表示】特願2000−187355(P2000−187355)の分割
【原出願日】平成12年6月22日(2000.6.22)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】