説明

情報記録装置及び情報記録方法

【課題】この発明は、デジタル記録媒体が接続される状況にあって、接続されたデジタル記録媒体における情報記録の信頼性を向上させることを可能とし、十分に実用に適するようにした情報記録装置及び情報記録方法を提供することを目的としている。
【解決手段】生成されたコンテンツを記録手段(13)に記録しながら、その記録したコンテンツを記録手段(13)から記録媒体(12)に記録させる。この場合、記録手段(13)からコンテンツを記録媒体(12)に記録中に、記録媒体(12)にコンテンツを記録し続けることができなくなるようなエラーが発生したとき、コンテンツの記録媒体(12)への記録を中断して、コンテンツの記録手段(13)への記録のみを継続させる。また、コンテンツの記録媒体(12)への記録が完了した状態で、そのコンテンツを記録手段(13)から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デジタル記録媒体に対して情報記録を行なわせる情報記録装置及び情報記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年では、テレビジョン放送のデジタル化が推進されている。例えば、日本国内においては、BS(broadcasting satellite)デジタル放送及び110度CS(communication satellite)デジタル放送等の衛星デジタル放送だけでなく、地上デジタル放送も開始されている。
【0003】
そして、このようなデジタルテレビジョン放送を受信するデジタル放送受信装置にあっては、例えばHDD(hard disk drive)等のような大容量のデジタル記録機器を外部に接続して、受信した番組をデジタル記録させたり、記録した番組を再生させたりすることが可能となっている。
【0004】
ところで、このように、デジタル記録機器を外部に接続して制御可能としたデジタル放送受信装置にあって、特に肝要なことは、性能や機能等の異なる不特定多数のデジタル記録機器が選択的に接続される状況において、信頼性の高い情報記録を行なえるようにすることである。
【0005】
特許文献1には、監視カメラからの画像データをハードディスクに記録するデータパスを維持したまま、ハードディスクに記録された画像データをリムーバブルディスクにコピーするデータパスを確保することにより、リムーバブルディスクの交換中も途切れることなく画像データの記録を行なえるようにすることが開示されている。
【特許文献1】特開2006−109489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、デジタル記録媒体が接続される状況にあって、接続されたデジタル記録媒体における情報記録の信頼性を向上させることを可能とし、十分に実用に適するようにした情報記録装置及び情報記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る情報記録装置は、記録するコンテンツを生成する生成手段と、生成手段で生成されたコンテンツを記録可能な記録手段と、生成手段で生成されたコンテンツを記録手段に記録し、その記録したコンテンツを記録手段から記録媒体に記録させる制御手段とを備え、制御手段は、記録手段からコンテンツを記録媒体に記録中に、記録媒体にコンテンツを記録し続けることができなくなるようなエラーが発生した場合、コンテンツの記録媒体への記録を中断して、生成手段で生成されたコンテンツの記録手段への記録を継続させ、コンテンツの記録媒体への記録が完了した状態で、そのコンテンツを記録手段から削除するようにしている。
【0008】
また、この発明に係る情報記録方法は、記録するコンテンツを生成する第1の工程と、第1の工程で生成されたコンテンツを記録手段に記録し、その記録したコンテンツを記録手段から記録媒体に記録させる第2の工程とを備え、第2の工程では、記録手段からコンテンツを記録媒体に記録中に、記録媒体にコンテンツを記録し続けることができなくなるようなエラーが発生した場合、コンテンツの記録媒体への記録を中断して、第1の工程で生成されたコンテンツの記録手段への記録を継続させ、コンテンツの記録媒体への記録が完了した状態で、そのコンテンツを記録手段から削除するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記した発明によれば、生成されたコンテンツを記録手段に記録し、その記録したコンテンツを記録手段から記録媒体に記録させるようにしたので、デジタル記録媒体が接続される状況にあって、接続されたデジタル記録媒体における情報記録の信頼性を向上させることが可能となり、十分に実用に適するものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態で説明する情報記録システムの概略を示している。この情報記録システムは、情報出力装置としてのデジタル放送受信装置11と、外付け記録媒体としてのHDD12とを、通信ケーブル50によりデータ伝送可能に接続したものである。
【0011】
この場合、HDD12としては、例えば、USB(universal serial bus)規格に準拠したデジタルインターフェースを介して接続されるような外付けHDDを想定している。HDD12は、通信ケーブル50とのインターフェース機能を有するコントローラ12aを備え、これによってデジタル放送受信装置11とのデータ伝送が可能となっている。なお、デジタル放送受信装置11とHDD12との間でデータ伝送を行なうためのデジタルインターフェースとしては、USBに限らず、例えば、HDMI(high definition multimedia interface)、LAN(local area network)、eSATA等、デジタル放送受信装置11とHDD12との関係に応じて種々のものを使用することができる。また、デジタル放送受信装置11とHDD12との間におけるデータ伝送は、無線によるデジタルインターフェースを用いて行なうことも可能である。
【0012】
そして、デジタル放送受信装置11がHDD12を制御することにより、デジタル放送受信装置11で受信した番組コンテンツ(ストリーム)を、HDD12にデジタル記録させることができる。また、上記デジタル放送受信装置11は、HDD13を内蔵しており、受信した番組コンテンツをHDD13のハードディスク13aにデジタル記録することができる。
【0013】
ここで、デジタル放送受信装置11は、詳細は後述するが、受信した番組コンテンツをHDD12にデジタル記録させる場合、受信した番組コンテンツを自己のHDD13のハードディスク13aに記録しながら、その記録した番組コンテンツをHDD13からHDD12に出力してデジタル記録(コピー)させるようにしている。
【0014】
このように、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツを、一旦自己のHDD13を介してハードディスク13aに記録し、その記録した番組コンテンツをHDD13からHDD12に出力して記録させることにより、HDD12に入力されるデータは、デジタル放送受信装置11のHDD13が持つ記録再生機能の性能に応じた、一定水準の信頼性が確保されたものとなる。
【0015】
すなわち、デジタル放送受信装置11から出力されるデータの信頼性を一定の水準に収斂させてから、HDD12に出力している。このため、HDD13の情報記録の信頼性の方が外部接続されるHDD12のそれよりも高いとする前提において、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツを、直接、性能や機能等の異なる不特定多数のデジタル記録機器(この場合、HDD12)に出力して記録させる場合に比して、接続されたデジタル記録機器における情報記録の信頼性を向上させることが可能となる。
【0016】
なお、上記の説明では、デジタル放送受信装置11で受信した番組コンテンツを外付けのHDD12に記録させることについて説明したが、これに限らず、デジタル放送受信装置11が、例えばDVD(digital versatile disk)等の光ディスクやメモリカード等の記録メディアを内部に装着可能である場合には、受信した番組コンテンツをHDD13に記録し、その記録された番組コンテンツをHDD13から光ディスクやメモリカード等に出力して記録させることもできる。このようにすれば、受信した番組コンテンツを光ディスクやメモリカード等に記録する際の情報記録の信頼性を向上させることも可能となる。
【0017】
図2は、上記したデジタル放送受信装置11の主要な信号処理系を示している。すなわち、BS/CSデジタル放送受信用のアンテナ14で受信した衛星デジタル放送信号は、入力端子15を介して衛星デジタル放送用のチューナ部16に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0018】
そして、このチューナ部16で選局された放送信号は、PSK(phase shift keying)復調器17に供給されてTS(transport stream)が復調される。このTSは、TS処理部18に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号等に復号化された後、信号処理部19に出力される。
【0019】
また、地上波放送受信用のアンテナ20で受信した地上デジタルテレビジョン放送信号は、入力端子21を介して地上デジタル放送用のチューナ部22に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。
【0020】
そして、このチューナ部22で選局された放送信号は、OFDM(orthogonal frequency division multiplexing)復調器23に供給されてTSが復調される。このTSは、上記TS処理部18に供給されてデジタルの映像信号及び音声信号に復号化された後、上記信号処理部19に出力される。
【0021】
また、上記地上波放送受信用のアンテナ20で受信した地上アナログテレビジョン放送信号は、入力端子21を介して地上アナログ放送用のチューナ部24に供給されることにより、所望のチャンネルの放送信号が選局される。そして、このチューナ部24で選局された放送信号は、アナログ復調器25に供給されてアナログの映像信号及び音声信号に復調された後、上記信号処理部19に出力される。
【0022】
ここで、上記信号処理部19は、TS処理部18から供給されたデジタルの映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施し、グラフィック処理部26及び音声処理部27に出力している。また、この信号処理部19は、上記アナログ復調器25から供給されたアナログの映像信号及び音声信号をデジタル化し、そのデジタル化された映像信号及び音声信号に対して所定のデジタル信号処理を施した後、グラフィック処理部26及び音声処理部27に出力している。
【0023】
このうち、グラフィック処理部26は、信号処理部19から供給されるデジタルの映像信号に、OSD(on screen display)信号生成部28で生成されるOSD信号を重畳して出力する機能を有する。また、このグラフィック処理部26は、信号処理部19の出力映像信号と、OSD信号生成部289の出力OSD信号とを選択的に出力することや、両出力をそれぞれ画面の半分を構成するように組み合わせて出力することができる。
【0024】
そして、グラフィック処理部26から出力されたデジタルの映像信号は、映像処理部29に供給される。この映像処理部29は、入力されたデジタルの映像信号を、映像表示器30で表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、映像表示器30に出力して映像表示させるとともに、出力端子31を介して外部に導出させる。
【0025】
また、上記音声処理部27は、入力されたデジタルの音声信号を、前記スピーカ32で再生可能なフォーマットのアナログ音声信号に変換した後、スピーカ32に出力して音声再生させるとともに、出力端子33を介して外部に導出させる。
【0026】
ここで、このデジタル放送受信装置11は、上記した各種の受信動作を含むその全ての動作を制御部34によって統括的に制御されている。この制御部34は、CPU(central processing unit)34aを内蔵しており、デジタル放送受信装置11の本体に設置された操作部35からの操作情報、または、リモートコントローラ36から送出され受信部37で受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0027】
この場合、制御部34は、メモリ部34bを利用している。このメモリ部34bは、主として、CPU34aが実行する制御プログラムを格納したROM(read only memory)と、該CPU34aに作業エリアを提供するためのRAM(random access memory)と、各種の設定情報及び制御情報等が格納される不揮発性メモリとを有している。
【0028】
また、この制御部34には、上記HDD13が接続されている。この制御部34は、ユーザによる操作部35またはリモートコントローラ36の操作またはCPU34aが実行する制御プログラムの指示に基づいて、上記TS処理部18から得られるMPEG(moving picture experts group)2−TSのデジタル信号を、暗号化器・復号化器38によって暗号化した後、HDD13に供給してハードディスク13aに記録させるように制御することができる。
【0029】
さらに、この制御部34は、ユーザによる操作部35またはリモートコントローラ36の操作またはCPU34aが実行する制御プログラムの指示に基づいて、上記アナログ復調器25から得られるアナログの映像信号及び音声信号をエンコーダ39によりMPEG2−TSに変換し、上記暗号化器・復号化器38によって暗号化した後、HDD13に供給してハードディスク13aに記録させるように制御することができる。
【0030】
また、この制御部34は、ユーザによる操作部35またはリモートコントローラ36の操作またはCPU34aが実行する制御プログラムの指示に基づいて、HDD13によりハードディスク13aからMPEG2−TSを読み出させ、上記暗号化器・復号化器38によって復号化した後、TS処理部18に供給することによって、以後、上記した映像表示及び音声再生に供させるように制御することができる。
【0031】
また、この制御部34には、デジタル送受信部40が接続されている。このデジタル送受信部40は、USB規格に準拠したデジタルインターフェース機能を持つもので、入出力端子41に接続された上記HDD12と制御部34との相互間でのデータ通信を可能にしている。
【0032】
これにより、この制御部34は、デジタル送受信部40及び入出力端子41を介してHDD12に制御信号を送信し、HDD12を記録状態や再生状態に制御することが可能となる。
【0033】
このため、制御部34は、HDD13によりハードディスク13aに記録されているコンテンツを読み出し、この読み出したコンテンツをデジタル送受信部40及び入出力端子41を介してHDD12に送信して記録させることが可能となる。
【0034】
また、制御部34は、HDD12に記録されているコンテンツを再生させ、この再生されたコンテンツを入出力端子41及びデジタル送受信部40を介して入力し、映像表示や音声再生に供させたり、HDD13のハードディスク13aに記録させたりすることが可能となる。
【0035】
この場合、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツをHDD13のハードディスク13aに記録する動作は、制御部34の記録処理部34cによって制御されている。また、HDD13とHDD12との相互間でコンテンツを転送する動作は、制御部34の移動処理部34dによって制御されている。さらに、HDD13のハードディスク13a及びHDD12等からコンテンツを再生し、映像表示や音声再生に供させる動作は、制御部34の再生処理部34eによって制御されている。
【0036】
上記のような構成となされた情報記録システムにおいて、以下、その動作を説明する。図3は、上記した情報記録システムにおいて、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツを、デジタル放送受信装置11の外部に接続されたHDD12に記録させる処理動作をまとめたフローチャートを示している。
【0037】
この処理は、例えば、ユーザによる操作部35またはリモートコントローラ36の操作や、予め設定された予約記録等に基づいて、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツを、HDD12に記録させる処理が要求されたことにより、開始(ステップS1)される。
【0038】
すると、制御部34は、ステップS2で、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツを、HDD13のハードディスク13aに記録する処理を開始する。その後、制御部34は、ステップS3で、HDD13が、そのハードディスク13aに記録された番組コンテンツをHDD12に記録するための準備が調ったか否かを判別する。
【0039】
そして、準備が完了したと判断された場合(YES)、制御部34は、ステップS4で、HDD13のハードディスク13aに記録した番組コンテンツをHDD12に送信して記録させる、いわゆるコピー動作を開始する。
【0040】
その後、制御部34は、ステップS5で、HDD13からHDD12へのコピー動作中に、回復不可能なエラーが発生したか否かを判別し、発生したと判断された場合(YES)、ステップS6で、コピー動作を中断し、デジタル放送受信装置11が受信した番組コンテンツをHDD13のハードディスク13aに記録する処理のみを、記録動作の停止が要求されるまで継続させて、処理を終了(ステップS12)する。
【0041】
この場合、回復不可能なエラーとは、HDD13からHDD12への番組コンテンツのコピー中に、HDD12に番組コンテンツを記録し続けることができなくなるような状態が発生したことを意味しており、リトライによりHDD13からHDD12に番組コンテンツを記録し続けることができる状態は含まないものとする。
【0042】
これにより、HDD13からHDD12へのコピー動作が、回復不可能なエラーによって不可になった場合でも、ユーザが記録を要求した番組コンテンツは、HDD13のハードディスク13aに記録されて残ることになり、記録の失敗を防止することができる。
【0043】
一方、上記ステップS5で回復不可能なエラーが発生していないと判断された場合(NO)、制御部34は、ステップS7で、ユーザの操作や予約記録等に基づいて、番組コンテンツのHDD12への記録の終了が要求されたか否かを判別し、要求されていないと判断された場合(NO)、ステップS5の処理に戻される。
【0044】
また、上記ステップS7で記録の終了が要求されたと判断された場合(YES)、制御部34は、受信した番組コンテンツをHDD13のハードディスク13aに記録する処理を終了させた後、ステップS8で、HDD13からHDD12へのコピー動作が完了したか否かを判別し、完了していないと判断された場合(NO)、ステップS5の処理に戻される。
【0045】
さらに、上記ステップS8でコピー動作が完了したと判断された場合(YES)、制御部34は、ステップS9で、先にHDD13からHDD12にコピーしていた番組コンテンツが、ユーザにより再生中であるか否かを判別する。すなわち、HDD13に記録された番組コンテンツは、HDD12へのコピー動作中であっても、ユーザの要求によりHDD13のハードディスク13a上から任意に再生し視聴することが可能である。このため、HDD13からHDD12へのコピー動作が完了したとき、コピーしていた番組コンテンツがHDD13から再生中であると判断された場合(YES)、制御部34は、その番組コンテンツの再生を継続させるように制御する。
【0046】
また、上記ステップS9でHDD13からHDD12にコピーしていた番組コンテンツがHDD13から再生中でないと判断された場合(NO)、制御部34は、ステップS10で、先にHDD13からHDD12にコピーしていた番組コンテンツのHDD13からの再生を禁止するとともに、HDD12にコピーされた当該番組コンテンツのHDD12からの再生を許可する。
【0047】
その後、制御部34は、ステップS11で、HDD12にコピーした番組コンテンツを、HDD13のハードディスク13aから削除して、処理を終了(ステップS12)する。
【0048】
ここで、上記ステップS4〜ステップS9の処理期間では、同じ番組コンテンツの一部または全部が、HDD13のハードディスク13aとHDD12との両方に存在することになる。この場合、HDD13に記録された番組コンテンツは前述したように再生することができるが、HDD12に記録された番組コンテンツは再生することができないように制御している。そして、ステップS10において、HDD12に記録された番組コンテンツは再生することができ、HDD13に記録された番組コンテンツは再生することができないように制御している。
【0049】
これは、1度だけ記録を許可する、いわゆるコピーワンス等のコピー制限の付された番組コンテンツを受信し記録することを考慮したもので、番組コンテンツがHDD13とHDD12との両方から再生される状態を回避したものである。
【0050】
具体的な手段としては、例えば、デジタル放送受信装置11とHDD12との間で伝送されるデータに、上記暗号化器・復号化器38により暗号化処理を施してコンテンツ保護を図る際、番組コンテンツ毎に暗号鍵を変えることが可能である場合には、ステップS2においてHDD13のコンテンツ鍵を有効にし、ステップS10においてHDD13のコンテンツ鍵を無効にするとともに、HDD12のコンテンツ鍵を有効にすることで実現される。
【0051】
また、同じHDD13,12内では共通の暗号鍵を使用し、HDD13,12毎に暗号鍵を変える場合には、ステップS2において、HDD12側の暗号鍵を使用してHDD13に記録を開始するとともに、HDD13から記録中の番組コンテンツを再生する場合には、HDD12側の暗号鍵を使用して再生するものとする。ただし、HDD13からHDD12側の暗号鍵を使用して記録中の番組コンテンツを再生することができるのは、ステップS4〜ステップS9の処理期間中のみとする。また、ステップS5にて回復不可能なエラーが発生したと判断された場合(YES)、番組コンテンツをHDD12側の暗号鍵を使用して復号した上で、HDD13側の暗号鍵を使用して暗号化するものとする。
【0052】
ここで、HDD12に対する番組コンテンツの記録状況は、ユーザの操作により、その時点の状況が図4に示すように映像表示部27に表示される。すなわち、ステップS2でHDD13に番組コンテンツの記録が開始されてから、ステップS7でHDD13への番組コンテンツの記録が終了されるまでの期間、その番組コンテンツに対しては「記録中」のメッセージが表示される。
【0053】
また、ステップS7でHDD13への番組コンテンツの記録が終了されてから、ステップS11でHDD13からコピー済みの番組コンテンツが削除されるまでの期間、その番組コンテンツに対しては「後処理中」のメッセージが表示され、以後は、「記録済」のメッセージが表示される。
【0054】
図4に示す表示例の場合、HDD12に4つの番組コンテンツ1〜4が記録され、番組コンテンツ1,2はHDD12に完全に記録済みであり、番組コンテンツ3はHDD13への記録中であり、番組コンテンツ4はHDD13への記録が終了しHDD13から削除されるまでの後処理中であることがわかる。
【0055】
「記録中」と「後処理中」とを分けて表示したのは、HDD13への番組コンテンツの記録が終了した後、そのHDD13には他の番組コンテンツが記録可能となるため、記録中も後処理中も含めて全て「記録中」と表示したのでは、2つの番組コンテンツが同時記録されているような認識をユーザに与えるため、これを防ぐためである。
【0056】
また、HDD13への番組コンテンツの記録中で、かつ、その番組コンテンツがHDD13からHDD12にコピーされている状態において、制御部34は、HDD13への番組コンテンツの記録処理が一定以上の転送レートを確保して実行することができるように制御している。
【0057】
具体的には、HDD13に対する書き込み処理要求と読み出し処理要求とを、それぞれ一定時間で終了可能な単位に分割してリスト管理し、書き込み処理を優先して実行するように制御している。結果として、HDD13への番組コンテンツの記録処理が、HDD13からの番組コンテンツの読み出し処理よりも優先して行なわれる。
【0058】
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、情報記録システムの概略を説明するために示すブロック構成図。
【図2】同実施の形態における情報記録システムを構成するデジタル放送受信装置の信号処理系を説明するために示すブロック構成図。
【図3】同実施の形態における情報記録システムを構成するデジタル放送受信装置の主要な処理動作を説明するために示すフローチャート。
【図4】同実施の形態における情報記録システムを構成するデジタル放送受信装置で行なわれる番組コンテンツの記録状況の表示例を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0060】
11…デジタル放送受信装置、12…HDD、12a…コントローラ、13…HDD、13a…ハードディスク、14…アンテナ、15…入力端子、16…チューナ部、17…PSK復調器、18…TS処理部、19…信号処理部、20…アンテナ、21…入力端子、22…チューナ部、23…OFDM復調器、24…チューナ部、25…アナログ復調器、26…グラフィック処理部、27…音声処理部、28…OSD信号生成部、29…映像処理部、30…映像表示器、31…出力端子、32…スピーカ、33…出力端子、34…制御部、34a…CPU、34b…メモリ部、34c…記録処理部、34d…移動処理部、34e…再生処理部、35…操作部、36…リモートコントローラ、37…受信部、38…暗号化器・復号化器、39…エンコーダ、40…デジタル送受信部、41…入出力端子、50…通信ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録するコンテンツを生成する生成手段と、
前記生成手段で生成されたコンテンツを記録可能な記録手段と、
前記生成手段で生成されたコンテンツを前記記録手段に記録し、その記録したコンテンツを前記記録手段から記録媒体に記録させる制御手段とを具備し、
前記制御手段は、
前記記録手段からコンテンツを前記記録媒体に記録中に、前記記録媒体に前記コンテンツを記録し続けることができなくなるようなエラーが発生した場合、前記コンテンツの前記記録媒体への記録を中断して、前記生成手段で生成されたコンテンツの前記記録手段への記録を継続させ、
前記コンテンツの前記記録媒体への記録が完了した状態で、そのコンテンツを前記記録手段から削除することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記コンテンツの前記記録媒体への記録が完了した時点で、そのコンテンツが前記記録手段から再生されている場合にはそのコンテンツを前記記録手段から削除せず、そのコンテンツの前記記録手段からの再生が終了したときそのコンテンツを前記記録手段から削除することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記記録手段から再生されたコンテンツの前記記録媒体への記録が完了するまでは、そのコンテンツの前記記録媒体からの再生を禁止し、前記記録手段からの再生だけを可能とすることを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記記録手段から再生されたコンテンツの前記記録媒体への記録が完了した状態で、そのコンテンツの前記記録手段からの再生を禁止し、前記記録媒体からの再生だけを可能とすることを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記制御手段は、コンテンツ毎に暗号鍵を分ける場合、
前記生成手段で生成されたコンテンツの前記記録手段への記録時には、前記記録手段に対する暗号鍵を有効にし、
前記コンテンツの前記記録媒体への記録完了時には、前記記録手段に対する暗号鍵を無効にするとともに、前記記録媒体に対する暗号鍵を有効にすることを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記記録手段と前記記録媒体とで暗号鍵を分ける場合、
前記生成手段で生成されたコンテンツの前記記録手段への記録時には、前記記録媒体に対する暗号鍵を用いて記録するとともに、前記記録手段からコンテンツの前記記録媒体への記録中に、そのコンテンツを前記記録手段から再生する場合には、前記記録媒体に対する暗号鍵を用いて再生し、前記記録手段からコンテンツを前記記録媒体に記録中に、前記記録媒体に前記コンテンツを記録し続けることができなくなるようなエラーが発生し、前記コンテンツの前記記録媒体への記録を中断した場合には、前記コンテンツを前記記録媒体に対する暗号鍵を用いて復号化するとともに、前記記録手段に対する暗号鍵を用いて暗号化することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記記録媒体におけるコンテンツの記録状況を示すために、前記生成手段で生成され前記記録手段に記録しているコンテンツと、前記記録手段への記録が終了してから、前記記録媒体に記録され、前記記録手段から削除されるまでの期間にあるコンテンツとを分けて表示する表示手段を具備することを特徴とする請求項1記載の情報記録装置。
【請求項8】
記録するコンテンツを生成する第1の工程と、
前記第1の工程で生成されたコンテンツを記録手段に記録し、その記録したコンテンツを前記記録手段から記録媒体に記録させる第2の工程とを具備し、
前記第2の工程では、
前記記録手段からコンテンツを前記記録媒体に記録中に、前記記録媒体に前記コンテンツを記録し続けることができなくなるようなエラーが発生した場合、前記コンテンツの前記記録媒体への記録を中断して、前記第1の工程で生成されたコンテンツの前記記録手段への記録を継続させ、
前記コンテンツの前記記録媒体への記録が完了した状態で、そのコンテンツを前記記録手段から削除することを特徴とする情報記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−134829(P2009−134829A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−311161(P2007−311161)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】