説明

感光体の塗膜形成用分散液の製造方法及び感光体の製造方法

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機、無機の顔料が均一に分散含有された感光体用の塗膜形成用分散液の製造方及び感光体の製造方法に係り、特に光導電性顔料が分散含有された感光体の塗膜形成用分散液の製造方法、及び前記塗膜形用分散液を用いた電子写真感光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明は導電性基板又は導電性を有する円筒状支持体上に有機・無機の顔料、特に光導電性顔料の分散液を塗布加工して電子写真用感光体を形成する場合分散液に適用され、前記いづれの場合においても、分散液中の顔料の分散の良否は、塗布加工して得られる感光体の品質を左右する重要な因子となる。
【0003】そこで従来、分散液の沈降度、濁度、粒度分布等の測定、或は塗布加工された製品の特性の測定、電子顕微鏡写真判定等を行い前記分散液の良否の判断を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、これらは、いづれも分散液又は仕上り製品の良否を検定するものであって、分散液の作成条件、即ちどのような条件で分散液を作成すべきかの知見を与えるものではなく、単なる後追い的記録に止り、積極的に技術発展に資する所はない。技術的或は生産効率の向上には良好な分散液をうるための条件に遡及した原点からの再検討が必要と考えられる。
【0005】
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、感光体用の有機若しくは無機の顔料、特に光導電性有機又は無機の顔料を円筒状支持体上に塗布加工して塗膜形成に用いる電子写真感光体用の塗膜形成用分散液の製造方法を提供すること、及び前記塗膜形成用分散液を用いた電子写真感光体の製方法を提供することにある。
【0007】
【発明の構成】前記目的に沿って検討した結果、塗膜特性の優れた、延いては目的特性の良好な分散液の要件として分散液の流動特性が密接に関与している知見をえた。この知見に基いて本発明の構成は;顔料を分散含有する分散液を支持体上に塗布して感光体の塗膜形成に用いる前記分散液を測定し、下記式(1)及び(2)を満足する流動特性を有することを特徴とする塗膜形成用分散液の製造方法によって達成される。
【0008】τ=τ0+ηDn …(1)
1.0≧n≧0.7 …(2)
式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne/cm2sec)、τ0はD=0のときのτの値である。
【0009】更に顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した分散液を測定し、前記式(1)及び(2)で規定される流動特性を有する分散液を、円筒状支持体に、円形スライドホッパ、円形押出し又は円形少量ディップ方式の塗布機を用いて塗布する感光体の製造方法によって達成される。
【0010】また前記顔料を光導電性顔料とすることによって電子写真用塗膜形成分散液及び円筒状感光体がえられる。
【0011】本発明の塗膜の形成方法では、例えば建築材料等の着色分散液による塗膜の形成、磁気記録材料等の磁性体分散液による塗膜の形成、電子写真材料等の光導電性顔料の分散液による塗膜の形成等いづれも包含され、特に光導電性顔料の分散液による塗膜の形成が重要である。
【0012】ところで前記各種塗膜の製品としての品質特性は分散液の分散状態により左右され、本発明では前記分散液の良好な分散状態を、該分散液の流動特性を前記式(1)及び(2)で規制する特定の範囲に制御することによって現出するものである。
【0013】前記分散液の流動特性は例えば市販のロトビスコRV100型流動特性測定器によって測定される。
【0014】この測定器は、第1図に示すようにモータMにより回転駆動される外筒と、該外筒内の分散液に浸漬され、支持枠にばねを介して支持された内筒とから構成されている。前記外筒がモータMにより剪断速度D(1/sec)で回転駆動されるとき、内筒には介在する分散液の粘性係数η(dyne/cm2sec)に基づくトルクを生じ、このトルクはばねの捩れを生ずる。このばねの捩れ角をトルクセンサにより検知し、分散液の剪断応力τ(dyne/cm2)が測定される。
【0015】第2図は、式(1)
τ=τ0+ηDn …(1)
で示される分散液の流動特性を説明するための模式的グラフである。該グラフには、分散速度D(1/sec)(横軸)と剪断応力τ(dyne/cm2)(縦軸)を関数関係として分散特性の異なるA,B,C及びDの各分散液の流動特性が示され、又該グラフからマイコンにより計算される各流動特性の指数n=1.0,0.7,0.5及び1.2が示されている。なお縦軸には補助的に剪断応力τとしてパスカル(Pa)のスケールも示した。
【0016】第2図において、例えば分散液Aは、指数nが1.0の場合であり、剪断速度Dの増大と共に、剪断応力τが直線的に増大し、かつ粘性係数ηが剪断速度の変化に係らず一定である所謂ニュートン液体であり、理想液体と称される。このような分散液は塗布加工の過程で粘性の変化がなく物性が安定していて極めて均質な塗膜が得られる。
【0017】本発明においては、前記ニュートン液体の特性を示す分散液の外、剪断速度Dが増大する過程で分子間会合等により粘性の増大を伴うものと、分子の配向、分子の分解、凝集の解離等により粘性の減少を伴うものが含まれるが前記粘性の増大を伴う分散液、即ち指数nが1.0を越えるもの、例えば分散液D(n=1.2)の如きものは塗布加工性に乏しく、本発明においては排除される。
【0018】また前記粘性の減少を伴うものとしての分散液Bは、指数nが0.7であり、剪断速度Dの増大の過程で粘性減少を伴うが、塗布加工を行う上で支障のない範囲であり、本発明の下限である。ところが前記分散液Cの場合は、指数nが0.5であって、前記分散液Bの指数nの0.7を下廻るもので塗布加工中粘性等の物性変化が大きく塗布むら、塗布筋、液垂れ等を生じて不適格であり、本発明の範囲外である。
【0019】即ち本発明では、分散液の良否は、剪断速度D(1/sec)と剪断応力τ(dyne/cm2)をパラメータとして、ロトビスコ流動特性測定器等により測定される分散液の流動特性の指数nにより規定され、該指数nにより本発明の範囲が限定される。
【0020】更に前記のように本発明に係る分散液の良否は指数nにより規定されるが、同時に該分散液の良否は分散液の粘性との係り合いが大である。従って本発明では指数nと共に粘性係数ηを併せて考慮するが、この粘性係数ηは、粘性係数η(dyne/cm2・sec)
=剪断応力τ(dyne/cm2)/剪断速度D(1/sec)
の関係があり、前記ロトビスコ測定器により剪断速度Dに対応する剪断応力が測定される際、同時に演算されて粘性係数ηが算出される。
【0021】また前記測定器に表示される単位は、実用上剪断応力にパスカル(Pa)を用い、粘性係数ηにセンチポイズ(CP)を用いるので、本発明においてはηの値は便宜上(CP)で表示される。
【0022】ここで前記単位の換算式は以下のようである。
【0023】剪断応力1Pa=10dyne/cm2粘性係数1dyne/cm2・sec=100CPなお後記実施例で示される粘性係数η(CP)は、測定器の機能上の制約により慣用粘性係数ηが用いられる。
【0024】例えば特定の剪断速度300(1/sec)における剪断応力τの縦軸と分散液B又は分散液Cの特性曲線との交点B又はCと原点とを結ぶ直線の傾きにより示される。
【0025】又前記流動特性の測定では剪断速度D=0(1/sec)から例えばD=300(1/sec)への行きの測定と、逆にD=0(1/sec)への戻りの測定とがあるが、前記戻りの測定においてτが有限の値を示すことが多い。しかし本発明では前記行きの測定を基準としているため、近似的にτ=0として処理される。
【0026】以上本発明に係る顔料を分散含有する分散液に関る流動特性である。
【0027】次に本発明に係る分散液の組成について述べる。
【0028】本発明に係る塗膜中に含有される無機顔料としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫化カドミウム、硫化水銀、硫化鉛、酸化錫、マグネタイト、フェライト、カーボンブラック、金属粉等の無機顔料、ローズベンガル(C.I.No.45435)、ピグメントレッド(C.I.No.60745)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、ピグメントイェロー(C.I.No.21095)等の有機顔料がある。又光導電性無機顔料として、例えば光導電性酸化亜鉛、酸化チタン、硫化カドミウム、セレン、セレン化砒素、セレン化テルル、クリスタルシリコン、アモルファスシリコン、ガリウム砒素等があり、更に又後述する有機光導電性顔料がある。
【0029】前記有機,無機の顔料のうち用途に応じて選択された顔料は、例えばポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコン樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン等の樹脂を例えばブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2-ジクロルエタン、ジクロルメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤に溶解して得た溶液中に混合・分散して分散液が形成される。前記分散液を作成するには、溶剤1000重量部中にバインダ樹脂1〜300重量部を溶解し、得られた溶液中にバインダ樹脂100重量部当り顔料を10〜1000重量部混合・分散して分散液が作成される。なお前記分散液の作成は、前記流動特性を満足するようバインダ樹脂の種類、量、溶剤の種類、量が選択される。得られた分散液はフィルム状、板状、円筒状等の支持体上に、例えばスプレー塗布、ブレード塗布、ロール塗布、浸漬塗布等公知の塗布手段及び特に円筒状支持体の場合、後述する円形スライドホッパ塗布、円形押出し塗布、円形少量ディップ塗布等の支持体の外周を囲繞して塗布する円形塗布手段により塗布加工して塗膜が形成される。
【0030】次に本発明の塗膜の形成方法において、特に重要とされる電子写真用感光体ドラムの製造方法であって、近時重要視される有機光導電性感光体ドラムの製造方法につき更に詳述する。
【0031】電子写真材料としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性物質を主成分とする感光層を有する無機感光体又は後述する有機光導電性物質を主成分とする有機感光体とがあり、中でも該有機感光体は前記光導電性物質の選択範囲が広く、目的に応じて任意の特性の感光体が得られ、塗布加工により、低コストで製造することができる等の利点があるため、重要視されるようになった。前記有機感光体は機能分離型であることが好ましく、第3図の如く通常導電性支持体上に中間層、電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む感光層を有する単層構成か、電荷輸送物質を含む電荷輸送層、電荷発生物質を含む電荷発生層及び必要により保護層等を設けた積層構成とされる。第3図(a)は導電性支持体1上に中間層5及び電荷発生物質及び電荷輸送物質を含む単層構成の感光層4を有する感光体、第3図(b)は導電性支持体1上に中間層5、電荷輸送層2、電荷発生層3をこの順に積層した感光層を有する感光体の例である。又第3図(c)は導電性支持体1上に中間層5、電荷発生層3、電荷輸送層2をこの順に積層した感光層を有する感光体、第3図(d)は第3図(b)の感光体の表面に保護層6を設けた構成の例である。
【0032】前記複数の層を含む有機感光層は画像形成装置に組込むため通常導電性支持体を構成する円筒状支持体上に塗布して形成される。本発明では、前記円筒状支持体上に複数の層を形成する場合、それらの層の少なくとも1つの層に前記支持体を囲繞する円形塗布機、即ち円形スライドホッパ塗布機、円形押出し塗布機又は円形少量ディップ塗布機により塗布される。
【0033】この場合、塗布液が必要量づつ補給され、塗布液に無駄がなく、かつ加工精度大で高能率塗布、例えば連続塗布が可能となる。又前記円形塗布機を用いた場合、分散液の流動特性が、該特性を表す前記式の指数nを0.7に近づけたときでも高精度の塗布加工が可能であり、電子写真性に優れていて、像形成時の高耐久性が確保され、画像むら、筋、ぽち等の画像欠陥のない感光体が得られる。
【0034】前記感光体の感光層は光導電性顔料から成る電荷発生物質及び電荷輸送物質を含有する機能分離型が好ましく、前記電荷輸送物質としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ビスイミダゾリン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ピラゾリン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ-N-ビニルカルバゾール、ポリ-1-ビニルピレン、ポリ-9-ビニルアントラセン等を挙げることができる。
【0035】前記電荷輸送物質のうち、特に好ましいものとして、下記一般式(1)のカルバゾール誘導体、一般式(2)〜(5)のヒドラゾン化合物、一般式(6)のピラゾリン誘導体、一般式(7)のスチリル化合物及び一般式(8)のアミン誘導体がある。
【0036】
【化1】


【0037】前記一般式(1)中、R1は置換若しくは無置換のアリール基、R2は水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基、置換アミノ基、R3は置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換の複素環基を表す。
【0038】
【化2】


【0039】前記一般式(2)中、R4、R5はそれぞれ、水素原子又はハロゲン原子、R6、R7はそれぞれ、置換若しくは無置換のアリール基、Ar1は置換若しくは無置換のアリーレン基を表す。
【0040】前記一般式(3)中、R8は置換若しくは無置換のアリール基又は置換若しくは無置換の複素環基、R9は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基又は、置換若しくは無置換のアリール基、Qは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アミノ基、アルコキシ基又はシアノ基、pは0または1の整数を表す。
【0041】前記一般式(4)中、R10は置換若しくは無置換のアリール又は置換若しくは無置換の複素環基、R11は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アミノ基、アルコキシ基又はシアノ基、qは0又は1の整数を表す。
【0042】前記一般式(5)中、R12、R13は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
【0043】アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられ、アリール基としてはフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基等が挙げられる。置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、置換アミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジベンジルアミノ基)等が例示される。またDは、置換若しくは無置換のフェニル基、置換若しくは無置換のカルバゾリル基を表す。具体的には、前記の基が挙げられ、R14、R15、R21はR12、R13と同様のものを表す。R16、R17、R18、R19、R20、R22はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を表す。
【0044】
【化3】


【0045】前記一般式(6)中、lは0又は1の整数、R23、R24、R25は置換若しくは無置換のアリール基、R26、R27は水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基若しくはアラルキル基(但、R26及びR27は共に水素原子であることはなく、lが0のときはR26は水素原子ではない)である。
【0046】前記一般式(7)中、R28、R29は置換若しくは無置換のアルキル基、フェニル基を表し、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、フェニル基を用いる。R30は置換若しくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基又は複素環基を表し、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、フェニル基を用いる。R31は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、フェニル基を表す。R32、R33、R34、R35は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアルキルアミノ基を表す。
【0047】前記一般式(8)中、Ar2、Ar3は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、ニトロ基、アルコキシ基を用いる。Ar4は置換若しくは無置換のフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基、複素環基を表し、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アリールオキシ基、アリール基、アミノ基、ニトロ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ナフチル基、アンスリル基及び置換アミノ基を用いる。但し、置換アミノ基の置換基としてアシル基、アルキル基、アリール基、アラルキル基を用いる。
【0048】前記一般式(1)〜一般式(8)に含まれる具体的化合物例は例えば特開昭60-172044号第6頁下右欄2行目〜第21頁上右欄20行目に記載されている。
【0049】次に前記感光体の感光層又は電荷発生層中に含有される電荷発生物質としては;
(1)モノアゾ顔料、ポリアゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料、ピラゾロンアゾ顔料、スチルベンアゾ顔料及びチアゾールアゾ顔料等のアゾ系顔料(2)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料(3)アントラキノン誘導体、アントアントロン誘導体、ジベンズピレンキノン誘導体、ピラントロン誘導体、ビオラントロン誘導体及びイソビオラントロン誘導体等のアントラキノン系又は多環キノン系顔料(4)インジゴ誘導体及びチオインジゴ誘導体等のインジゴイド系顔料(5)金属フタロシアニン及び無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料(6)ジフェニルメタン系顔料、トリフェニルメタン顔料、キサンテン顔料及びアクリジン顔料等のカルボニウム系顔料(7)アジン顔料、オキサジン顔料及びチアジン顔料等のキノンイミン系顔料(8)シアニン顔料及びアゾメチン顔料等のメチン系顔料(9)キノリン系顔料(10)ニトロ系顔料(11)ニトロソ系顔料(12)ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料(13)ナフタルイミド系顔料(14)ビスベンズイミダゾール誘導体等のペリノン系顔料等がある。前記各種顔料のうち特に好ましい電荷発生物質として下記一般式(9)〜一般式(11)の多環キノン顔料がある。
【0050】
【化4】


【0051】上記各一般式中、Xはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アシル基又はカルボキシル基を表し、nは0〜4の整数、mは0〜6の整数を表す。
【0052】又、使用可能な電荷発生物質として下記一般式(12)〜一般式(14)のビスアゾ化合物を用いることができる。
【0053】
【化5】


【0054】この一般式(12)中、Ar5、Ar6はそれぞれ置換若しくは無置換の炭素環式芳香族環基、又は置換若しくは無置換の複素環式芳香族環基、R36、R37はそれぞれ電子吸引性基又は水素原子(但、R36、R37の少なくとも1つは−CN、−Cl等のハロゲン、−NO2等の電子吸引性基)、またAのXは、−OH基、−N(R39)−R40又は−NHSO2R41(但、R39およびR40はそれぞれ、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、R41は置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基)、Yは、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基又は置換若しくは無置換のスルファモイル基(但、mが2以上のときは、互いに異なる基であってもよい。)、Zは、置換若しくは無置換の炭素環式芳香族環基又は置換若しくは無置換の複素環式芳香族環基を構成するに必要な原子群、R38は、水素原子、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、カルボキシル基又はそのエステル基、Bは、置換若しくは無置換のアリール基、nは、1又は2の整数、mは、0〜4の整数である。
【0055】前記一般式(12)のうち特に好ましい電荷発生物質が下記一般式(12a)に示される。
【0056】
【化6】


【0057】但、Ar7、Ar8及びAは一般式(12)において定義されたものと同じである。更に好ましいものは、特に一般式(12a)におけるAr7、Ar8が置換若しくは無置換のフェニル基を表し、置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、水酸基及びシアノ基から選択された化合物である。
【0058】又、本発明に係る電荷発生層中の好ましい電荷発生物質が下記一般式(13)に示される。
【0059】
【化7】


【0060】前記Aにおいて、Zは置換若しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環を構成するに必要な原子群、Yは水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基若しくはそのエステル基、スルホ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、又は置換若しくは無置換のスルファモイル基、R42は水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のカルバモイル基、カルボキシル基若しくはそのエステル基、又はシアノ基、Ar9は置換若しくは無置換のアリール基、R43は置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアラルキル基、又は置換若しくは無置換のアリール基を表す。
【0061】前記一般式(13)のうち下記一般式(13a)のカルバゾール基を有するビスアゾ化合物が特に好ましい。
【0062】
【化8】


【0063】前記一般式(13a)中、R44、R45はアルキル基、アルコキシ基又はアリール基、R46、R47、R48、R49、R50、R51は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、水酸基、アリール基である。
【0064】又、本発明に係る電荷発生層中の好ましい電荷発生物質が下記一般式(14)に示される。
【0065】
【化9】


【0066】一般式(14)においてX1及びX2は、それぞれ、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、X1及びX2のうち少なくとも1つはハロゲン原子である。
【0067】p及びqはそれぞれ0、1又は2の整数を表し、p及びqは同時に0となることはなく、且つ、pが2のときはX1は互いに同一の又は異なる基であってよく、qが2のときはX2は互いに同一の又は異なる基であってよい。
【0068】更にAのAr10は少なくとも弗素化炭化水素基を有する芳香族炭素環基又は芳香族複素環基を表す。Zは置換若しくは無置換の芳香族炭素環又は置換若しくは無置換の芳香族複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。
【0069】m及びnはそれぞれ0、1又は2の整数を表す。但し、m及びnが同時に0となることはない。
【0070】一般式(14)のX1及びX2により表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、弗素原子、沃素原子を挙げることができる。X1及びX2のうち、少なくとも一方がハロゲン原子を有している。
【0071】X1及びX2で表されるアルキル基としては炭素原子数1ないし4個の置換若しくは無置換のアルキル基が好ましく、このようなアルキル基の例としては、例えばメチル基、エチル基、β-シアノエチル基、iso-プロピル基、トリフルオロメチル基、t-ブチル基等が挙げられる。
【0072】またX1及びX2で表されるアルコキシ基は、炭素原子数が1ないし4個の置換若しくは未置換のアルコキシ基が好ましく、このようなアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、β-クロルエトキシ基、sec-ブトキシ基等が挙げられる。
【0073】更にまた、X1及びX2で表される置換若しくは無置換のアミノ基としては、例えばアルキル基、アリール基(好ましくはフェニル基)等で置換されたもの、例えばN-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基や、更にはアシル基で置換されたアセチルアミノ基、p-クロルベンゾイルアミノ基等が挙げられる。前記一般式(14)においてp及びqは、それぞれ、0、1又は2を表すが、p及びqは同時に0となることはなく、好ましくはp=1、q=0又はp=1、q=1の場合である。
【0074】更にまたp又はqが2のときは、X1又はX2は、それぞれ同一又は異なる基をとることができる。
【0075】前記一般式(14)で表されるビスアゾ化合物は、好ましくは下記一般式(14a)、(14b)、(14c)、(14d)で表される。
【0076】
【化10】


【0077】
【化11】


【0078】前記式中、X1a、X1b、X2a及びX2bは、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基又は置換若しくは無置換のアミノ基を表し、X1a、X1b、X2a及びX2bのうち、少なくとも1つはハロゲン原子である。X1aおよびX1b、並びにX2a及びX2bは、それぞれ互いに同一又は異なる基であってもよい。
【0079】Ar″は前記一般式(14)におけるAr10と同義である。
【0080】Yは前記一般式(14)におけるZの置換基と同義である。
【0081】前記一般式(14)で表されるビスアゾ化合物は、公知の方法により容易に合成することができる。
【0082】なお、前記一般式(9)〜一般式(14)の具体的化合物例は、例えば特開昭60-172044号第23頁下右欄1行目〜第46頁上右欄8行目に記載されている。
【0083】又前記フタロシアニン系顔料のうち本発明に好ましく用いられる顔料としては、例えば銅、コバルト、鉛、亜鉛等を中心原子とする金属フタロシアニンとこれらを含まない無金属フタロシアニンとがあり、結晶型としてα型、β型、γ型、X型、τ型、τ’型、η型、η’型等が好ましく用いられる。かかるフタロシアニン系顔料の更に詳細な説明は特開昭62-79470号、特開昭62-47054号に記載されている。
【0084】さらに特に好ましいフタロシアニン顔料として、CuKα特性X線回折スペクトルのブラック角2θが少くとも9.6±0.2°及び27.2±0.2°において夫々X線強度のピークを示す結晶状態のチタニルフタロシアニン顔料がある前記電荷輸送物質、電荷発生物質、バインダ樹脂を用いて感光体、例えば前記第3図(C)の層構成を有する感光体を作成する場合、導電性支持体1を円筒状支持体とした場合の感光体ドラムを製造するには、まずアルミニウム、スチール、ステンレス、銅、真鍮、亜鉛等の金属円筒、又はプラスチック円筒に金属等の導電材料を蒸着若しくはラミネートして導電層を形成して成る円筒状支持体上に必要に応じて0.01〜2μm厚の中間層5が設けられる。
【0085】前記中間層5は前述した塗膜のバインダ樹脂、好ましくはポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン等をアセトン、メチルエチルケトン、ジクロルエタン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水等の溶剤に溶解した溶液を、前記円筒状支持体上に例えばスプレー塗布、浸漬塗布等の公知の塗布手段又は前記円形塗布手段により塗布される。
【0086】前記中間層5は支持体1の表面欠陥の遮蔽、感光層との接着、支持体1からの電荷注入阻止、感光層の画質調整等を目的として設けられ、前記膜厚0.01μmを下廻ると前記目的が達成されず、2μmを上廻ると感光層上への像露光時残留電荷が大となり、かぶりを増大し、繰返し像形成の過程で、電子写真性能が劣化するようになる。
【0087】次に前記中間層5上に前記光導電性顔料から成る電荷発生物質を含有する電荷発生層3が設けられる。前記電荷発生層3を形成するには、例えば、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、メラミン樹脂、ポリウレタン、スチレン-アクリル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、スチレン-アルキッド樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、その他特開昭60-172044号、同60-172045号、同63-65444号、同63-148263号、特開平1-269942号、同1-269942号等に記載のポリカーボネート樹脂を前記中間層用として記載した溶剤群から電荷発生層用として選択された溶剤1000重量部に対し、1〜100重量部混合溶解する。得られた溶液に前記電荷発生物質をバインダ樹脂100重量部当り10〜1000重量部、好ましくは20〜500重量部を混合分散し、得られた分散液を前記中間層5上に、円形スライドホッパ塗布機、円形押出し塗布機又は円形少量ディップ塗布機等の円形塗布手段により乾燥後の膜厚が0.05〜3μmとなるよう塗布される。
【0088】前記電荷発生層の層厚が0.05μmを下廻ると、均一な塗布層が得にくく、かつ像露光により十分な電荷の発生が得られず、感度不足となる。又3μmを越えると像露光光が到達しない領域が多くなり、表面で発生した電荷をトラップして残留電荷が大となり、繰返し像形成を行ったとき疲労劣化を生ずる。又バインダ樹脂に対する電荷発生物質の含有量が10重量部を下廻ると感度不足、残留電荷の増大を招き、1000重量部を越えると受容電位が低下し、帯電不良となる。
【0089】前記電荷発生層3を塗布加工により形成するための分散液は、その分散状態が前記分散液の流動特性を表す第2図においてnが0.7から1.0の領域に入ることが必須の要件とされ、そのため適性なバインダ樹脂及び溶剤が選択される。なお、前記電荷発生層3を形成するためのスライドホッパ塗布機、円形押出し塗布機及び円形少量ディップ塗布機は第4図、第5図及び第6図に示される。
【0090】前記電荷発生層3上に電荷輸送層2が設けられる。即ち前記電荷発生層及び中間層用として記載した樹脂群及び溶剤群から電荷輸送層用のバインダ樹脂及び溶媒を選択し、該溶媒1000重量部にバインダ樹脂50〜300重量部を溶解し、得られた溶液に前記電荷輸送物質をバインダ樹脂100重量部当り30重量部以上、好ましくは30〜300重量部混合溶解して電荷輸送層用塗布液を作成し、これを前記電荷発生層上に前記中間層形成時に記載した塗布方法のいづれかを用いて塗布加工して5〜50μm厚、好ましくは10〜40μm厚の電荷輸送層2を形成する。
【0091】前記電荷輸送層2の層厚が5μmを下廻ると電位低下を招き、かつ電荷輸送機能が不足して感度低下を招き、50μmを越えると電荷輸送のパスが過大となり、矢張り感度不足を生ずる。
【0092】次にバインダ樹脂に対する電荷輸送物質の量が、30重量部を下廻ると電荷輸送機能が不足して感度不足を生じ、300重量部を越えると、感光層の暗抵抗が低下し、電位不足を生ずる。
【0093】なお以上の感光体は第3図(c)の層構成の場合であり、電荷発生層3を下層とし、電荷輸送層2を上層としているが、電荷輸送層2を下層とし、電荷発生層3を上層とした第3図(b)及び第3図(d)の構成としてもよく、又第3図(a)の如く電荷発生物質と電荷輸送物質が混在する単層構成の感光層を有する感光体としてもよい。
【0094】以下光導電性顔料を分散含有する感光層4又は電荷発生層3を形成するための塗布機について説明する。
【0095】前記第4図において10はA方向に搬送される円筒状支持体、11は円形スライドホッパ塗布機で、12は該塗布機11の塗布液分配室、13は塗布液分配スリット、14は塗布液供給パイプ、15は液受け、16はホッパエッジ、17は塗布液スライド面、18は塗布層であり、第5図(a)は円筒状支持体10を含む塗布機11の断面図、第4図(b)はその一部破断斜視図である。
【0096】塗布時塗布液Sがポンプ等により、塗布液供給パイプ14へと必要量供給され、塗布液分配室12によって円周方向へと均一に分配され、分配スリット13を通過し、スライド面17を円周方向に均一に流下する。しかる後、塗布液Sはホッパエッジ16と円筒状支持体10外周面との間にビードが形成され、このビードと支持体10外周面とが接触した状態で支持体10が矢印A方向へと搬送され、表面に塗布層18が形成される。かかる塗布機によれば、塗布層18から速やかに溶剤が蒸発するので簡単な乾燥装置を設けることにより容易に乾燥塗膜が得られる。又塗布液Sは必要量だけ送られるので塗布液の無駄がなく、材料のコスト低減が計られる。又円形塗布であるため継目のない均一塗布が可能であり、塗布膜が液供給量、粘度、被塗布体の移動速度で決まり、塗布厚の制御が容易であり、又塗布中ビードの作用で塗布厚の変動が少ないため高品質、高生産性の塗布が可能である。前記円形スライドホッパ塗布機では、スライド面終端部の径と円筒状支持体の外径との間隙は0.05〜1mmが好ましく、0.1〜0.6mmがより好ましい。スライド面の傾斜角は水平に対して10°〜70°が好ましく、20°〜45°が更に好ましい。
【0097】塗布液の粘度は0.5〜700CPの範囲内が良く、1〜500CPが更に良い。
【0098】なお、塗布液が塗布液分配スリットから円周方向に均一に流出するようにするためには、スライドホッパ装置にあっては、分配室抵抗(Pc)と塗布液分配スリットを流れるときのスリット抵抗(Ps)とがPs/Pc≧80で、より好ましくは100〜100,000の範囲である。
【0099】次に第5図は円形押出し塗布機11’の断面図であり、第4図と同一内容には同一符号が付される。前記円形押出し塗布装置11’においては、ポンプ等により塗布に必要な量の塗布液Sが塗布液供給パイプ14へと供給され、塗布液分配室12によって円周方向へと均一に分配され、分配スリット13内を押し出され、ホッパエッジ16より均一かつ連続的に流出して支持体外周面との間に塗布液ビードを形成し、これにより塗布層18が塗布される。
【0100】ホッパエッジ16の長さは0.1〜10mm、好ましくは0.5〜4mmがよい。ホッパエッジの傾斜角は鉛直下方から30°迄の範囲内がよく、鉛直下方から20°迄の範囲内とするのが更によい。ホッパエッジの傾斜角が30°を超えると塗布液の架橋が短くなり、良好な塗膜を得にくくなる。
【0101】又前記押し出し塗布機11’にあっては、分配室抵抗(Pc)と、塗布液分配スリットを流れる際のスリット抵抗(Ps)とがPs/Pc≧40、より好ましくは40〜100,000の範囲内の関係に保たれる事により、塗布液を安定且つ均一に塗布することが可能である。
【0102】これら分配室抵抗(Pc)、スリット抵抗(Ps)は、塗布液供給速度、粘度、供給圧に応じて決定すればよい。さらに又前記押し出し塗布機11’においては、ホッパエッジは被塗布体外径より0.05〜1mm大きく、より好ましくは塗布膜厚をhommとすると2ho mmから4ho mmまでの範囲であり、塗布方向長さ0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜4mmを有するものであるのが望ましい。
【0103】第6図は円形少量ディップ塗布機11”の断面図であり、図中底板21が積載板20に固定され、液止め用ブレード23が前記底板21の上面と押圧板22とにより狭着保持されている。塗布液Sは液槽24に収容され、該液槽24に塗布液Sを補給するための液補給板25が液槽24の上面に設けられ、該液補給板25に一対の液供給口26が設けられている。
【0104】塗布機11”全体は円筒状に形成されている。前記液止め用ブレード23は可撓性ゴム、合成樹脂等により形成され、支持体10を狭着保持できるように構成されている。
【0105】底板21、押圧板22、液槽24には孔部27a、27a′、27a″が貫設されると共に前記液補給板25には孔部27a、27a′、27a″よりも小径の孔部27bが貫設され、かつ前記ブレード23には孔部27bより小径の孔部27cが貫設されている。
【0106】又ブレード23の孔部27c周縁が支持体10の外周面に密着されていると共に液補給板25の孔部27b周縁が支持体外周面に極めて僅かな間隙を形成して対面されているため、塗布時塗布液の蒸発が抑制され、塗布直後の急激な乾燥が防止される。液槽24では、その下半部に液収容室28が設けられ、上半部には液溜部29が設けられている。前記液溜部29中の塗布液Sを下半部の液収容室28に補給するため複数の連通孔30が周方向に配設され、かつ収容部28の外周壁にはオーバフロー用の還流孔31が設けられていて、液面を常に一定に保つように設計されている。又収容部28の内周壁には周方向に複数の空気孔33が設けられ、孔部27bを介して外気と連通されている。この円形少量ディップ塗布機では収容部28に一定レベルの少量の液が安定して保有され、円形液端面が支持体の外周に接触して塗布される。以上本発明の感光体の製造方法に用いられる円形スライドホッパ塗布機11、円形押出し塗布機11'及び円形少量ディップ塗布機11'''の代表例を説明したが、これらの塗布機のいづれもが円筒状支持体に塗布液を塗布するに適合していて、特に感光体の表面層を形成する場合、下層の溶解、浸蝕を伴うことが少なく、高速で均一塗布が可能であり、感光体の高品質、高生産性を達成することができる。
【0107】なお、前記円筒状支持体の塗布には、例えば第7図の如き搬送塗布装置45が用いられる。図中、40a、40b、40cは円筒状支持体10a、10b(10c)等を交互に嵌合、連結するスペーサであり、前記支持体と一体的に垂直方向に搬送され、前記円形スライドホッパ塗布、円形押出し塗布又は円形少量ディップ塗布を行う円形塗布機41により連続塗布が可能にされている。前記支持体の搬送は、支持体10bの上下に嵌着されたスペーサ40b、40cを把持して支持体10bを上方に搬送する上下一対の把持部42a、42bを有する把持具43A及び支持体10aの上下に嵌着されたスペーサ40a、40bを把持して支持体10aを上方に搬送する上下1対の把持部42c、42dを有する把持具43Bにより遂行される。前記把持具43A及び43Bは装置本体45に支持され、図示しない駆動源により回転駆動されるボールネジ44A、44Bに螺合された昇降部材46A、46Bと緩衝部材であるコイルスプリング47A、47Bを介して結合されており、前記ボールネジ44A、44Bの回転に連動する昇降部材46A、46Bの昇降に伴って上下動される。なお前記昇降部材46A、46Bは所定のプログラム信号に基いて、上下動され、一方の昇降部材がスペーサを把持して支持体を上方に搬送中、他方の昇降部材は互に衝突することなく把持を解除した状態で下降され、次の支持体を搬送するため下方のスペーサを把持するようになる。
【0108】また49は支持体供給用ハンドであり、これに例えばロボット等により円筒状支持体をタイミングに合せて連続してセットしてやれば、該ハンドの所定位置迄の上昇運動と、前記把持具43A又は43Bの上方への搬送動作との協動により支持体は円形塗布機41へと連続して送られ、塗布加工され、該塗布機41のすぐ上のエアジェット乾燥器47により乾燥されてドラム状感光体が形成される。この感光体は搬出用ハンド48により装置外に吸着搬送、搬出される。
【0109】前記搬送塗布装置45の外、例えば特開昭56-101149号に記載されるように多数の弾性グリッパを設けた左右一対のチエンベルトにより円筒状支持体を連続して垂直上方に搬送して塗布するようにしてもよい。
【0110】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の実施の態様がこれにより限定されるものではない。なお以降の電荷発生物質、電荷輸送物質、電荷発生層及び電荷輸送層をCGM、CTM、CGL及びCTLと略称する。
【0111】(円筒状支持体の調製)長さ355.5mm、外径80mmのアルミ管体11本を用意し、これらの管体のそれぞれに塩化ビニル-酢酸ビニル-無水マレイン酸共重合体(積水化学社製、エスレックMF−10)10重量部を1000重量部のメチルエチルケトンに溶解し、得られた溶液を通常の浸漬塗布法により塗布、乾燥して乾燥膜厚0.1μmの中間層を形成し、11本のテスト用円筒状支持体を調製した。
【0112】(本発明テスト用感光体の調製)
〔テストNo.1〜No.3感光体の調製〕(CGL(1)の形成)前記中間層を有する11本の支持体のうち3本に下記処方のCGL(1)用組成物をサンドグラインダで24時間分散して分散液を得、該分散液を第4図の円形スライドホッパ塗布機11が組込まれた塗布装置45により塗布・乾燥してテストNo.1感光体用の1μm厚のCGL(1)を形成した。
【0113】CGL(1)用組成物: ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製;エスレックBX−1) 10重量部 下記構造のCGM(1) 30重量部 メチルエチルケトン 1000重量部ここで、前記分散液の粘性係数η(CP)は、3.2、指数nは0.88であった。
【0114】
【化12】


【0115】(CGL(2)の形成)次にCGL(2)用組成物を用い、粘性係数η(CP)を4.0とし、指数ηを0.95の分散液とした他はテストNo.1の感光体のCGL(1)と同様にして1μm厚のテストNo.2感光体用CGL(2)を形成した。
【0116】CGL(2)用組成物;
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、エスレックBM−S) 10重量部 前記構造のCGM(1) 30重量部 シクロヘキサノン 1000重量部(CGL(3)の形成)次にCGL(3)用組成物を用い、粘性係数η(CP)を5.2、指数n=0.75とした他はCGL(1)と同様にして1μm厚のテストNo.3感光体用CGL(3)を形成した。
【0117】CGL(3)用組成物: ポリカーボネート樹脂(三菱瓦斯化学社製PCZ−200) 10重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックMF−10) 1重量部 前記構造のCGM(1) 30重量部 シクロヘキサノン 1000重量部(CTL(1)の形成)次いで前記CGL(1)、CGL(2)、CGL(3)を形成した3種類の支持体上に下記CTL(1)用組成物を通常の浸漬塗布法により塗布・乾燥して、それぞれ18μm厚のCTLを形成し、テストNo.1、No.2、No.3の3本の感光体を得た。
【0118】CTL(1)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 150重量部 下記構造のCTM(1) 150重量部 ジクロルメタン 1000重量部
【0119】
【化13】


【0120】〔テストNo.4〜No.6感光体の調製〕(CTL(2)の形成)前記中間層を有する残りの8本の支持体のうちの3本に下記処方のCTL(2)用組成物の溶液を第4図の円形スライドホッパ塗布機11が装置の塗布部41に組込まれた塗布装置45により、それぞれ塗布・乾燥して、テストNo.4〜No.6感光体用の18μm厚のCTL(2)を形成した。
【0121】CTL(2)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 150重量部 下記構造のCTM(2) 150重量部 ジクロルメタン 1000重量部
【0122】
【化14】


【0123】(CGL(4)の形成)次に前記CTL(2)が形成された3本の支持体のうちの1本をとり、下記処方のCGL(4)用組成物をサンドクラインダで24時間分散して得た分散液を前記円形スライドホッパ塗布装置45により塗布・乾燥して1μm厚のCGL(4)を形成してテストNo.4感光体を得た。
【0124】CGL(4)用組成物: ポリカーボネート(PCZ−200) 10重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックEC−110) 1重量部 前記構造のCGM(2) 50重量部 ジクロルエタン 1000重量部なお前記分散液の粘性係数η(CP)は6.8で指数nは0.80であった。
【0125】
【化15】


【0126】(CGL(5)の形成)次に前記CTL(2)が形成された3本の支持体のうちの他の1本をとり、CTMの含有量を80重量部とした他はCTL(4)と同様のCGL(5)用組成物を用い粘性係数η(CP)を7.4とし、指数nを0.72とする分散液を用いた他はCGL(4)と同様にして1μm厚のCGL(5)を形成してテストNo.5感光体を得た。
【0127】(CGL(6)の形成)次に前記CTL(2)が形成された3本の支持体の残りの支持体をとり、下記処方のCTL(6)用組成物を用い、粘性係数η(CP)を6.4とし、指数nを0.88とした分散液を用いた他はCGL(4)と同様にして1μm厚のCGL(6)を形成してテストNo.6の感光体を得た。
【0128】〔テストNo.7の単層構成の感光体の調製〕(感光層(1)の作成)次に前記中間層を有する残りの5本の支持体のうちの1本をとり、下記処方の感光層(1)用組成物をサンドグラインダで24時間分散して得た分散液を前記円形少量ディップ塗布機11″を装置の塗布部41に組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して20μm厚の感光層(1)を形成し、テストNo.7感光体を得た。
【0129】感光層(1)用組成物: ポリカーボネート(PCZ−200) 150重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックMF−10) 5重量部 CTM(1) 100重量部 CGM(1) 100重量部 シクロヘキサノン 1000重量部なお前記組成物を分散して得た分散液の粘性係数η(CP)は23.5、指数nは0.76であった。
【0130】〔テストNo.8の比較感光体の調製〕(CGL(7)の形成)次に前記中間層を有する残りの4本の支持体のうち1本をとり、下記処方のCGL(7)用組成物をサンドグラインダで24時間分散して得た分散液を前記円形押出し塗布機11′を組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して1μm厚のCGL(7)を形成した。
【0131】CGL(7)用組成物: ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、エスレックBH−3) 50重量部 CGM(1) 80重量部 メチルエチルケトン 1000重量部なお前記分散液の粘性係数η(CP)は、8.8、指数nは0.60であった。
【0132】(CTL(3)の形成)前記CGL(7)が形成された支持体上に前記CTL(1)の場合と同様のCTL(3)用組成物を円形押出し塗布機11′を組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して18μm厚のCTL(3)を形成し、テストNo.8の比較感光体を得た。
【0133】〔テストNo.9の比較感光体の調製〕(CTL(4)の形成)次に前記中間層を有する残りの3本の支持体のうちの1本をとり、前記CTL(1)の場合と同様のCTL(4)用組成物を円形押出し塗布機11′を組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して18μm厚のCTL(4)を形成した。
【0134】(CGL(8)の形成)前記CTL(4)が形成された支持体上に下記処方のCGL(8)用組成物をサンドグラインダで24時間分散して得た分散液を円形押出し塗布機11′を組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して1μm厚のCGL(8)を形成しテストNo.9の比較感光体を得た。
【0135】CGL(8)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 50重量部 CGM(1) 60重量部 シクロヘキサノン 1000重量部なお前記分散液の粘性係数η(CP)は11.2、指数nは0.63であった。
【0136】〔テストNo.10の単層構成の比較感光体の調製〕(感光層(2)の作成)次に前記中間層を有する残りの2本の支持体のうちの1本をとり、下記処方の感光層(2)用組成物をサンドグラインダで24時間分散して得た分散液を円形少量ディップ塗布機11″を装着した塗布装置45により塗布・乾燥して20μm厚の感光層(2)を形成しテストNo.10の比較感光体を得た。
【0137】感光層(2)用組成物: ポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイロン200) 200重量部 CTM(1) 150重量部 CGM(1) 100重量部 ジクロルエタン 1000重量部なお前記組成物を分散して得た分散液の粘性係数η(CP)は42.3、指数nは0.58であった。
【0138】〔テストNo.11の比較感光体の調製〕(CGL(9)の形成)次に前記中間層を有する最後の残りの支持体をとり、下記処方のCGL(9)用組成物を同じくサンドグラインダで24時間分散して得た分散液を円形スライドホッパ塗布機11を組込んだ塗布装置45により塗布・乾燥して1μm厚のCGL(9)を形成した。
【0139】CGL(9)用組成物: ポリカーボネート樹脂(PCZ−200) 30重量部 塩化ビニル樹脂(積水化学社製、エスレックMF−10) 10重量部 CGM(1) 100重量部 ジクロルメタン 1000重量部なお前記分散液の粘性係数η(CP)は9.2、指数nは0.64であった。
【0140】(CTL(5)の形成)前記CGL(9)が形成された支持体上に、前記CTL(1)の場合と同様のCTL(5)用組成物と通常の浸漬塗布装置により浸漬塗布加工して18μm厚のCTL(5)を形成し、テストNo.11の比較感光体を得た。
【0141】前記試料の諸元を第1表にまとめた。尚表中に用いた標記記号は下記の意義である。
【0142】またCGL用組成物は共通してサンドグラインダで24時間分散処理し、またCTL用組成物は夫々のCTM150重量部、また共通してポリカーボネート150重量部、ジクロルメタン100重量部の混合溶液である。
【0143】使用バインダポリビニルブチラール VBポリカーボネート PCポリエステル Es塩化ビニル VC溶剤シクロヘキサノン CHNジクロルエタン DCEジクロルメタン DCMメチルエチルケトン MEK塗布浸漬方式 P1円形スライドホッパ方式 P2円形押出し方式 P3円形少量ディップ方式 P4層構成CTL上 CGL下 ACGL上 CTL下 B単層 C
【0144】
【表1】


【0145】(テスト方法)
前記本発明テスト用感光体No.1〜No.7並びに比較テスト用感光体No.8〜No.11をコニカ社製U−Bix3035に装着し、CGLを下層とし、CTLを上層とするテストNo.1,2,3,8,11の感光体は負帯電とし、CTLを下層、CGLを上層とするテストNo.4,5,6,9及び単層構成のテストNo.7及び10の各感光体は正帯電として静電特性のテスト及び像形成のテストを行った。またテスト条件として相対湿度60%、温度20℃の雰囲気下で各テスト共繰返し10000回の実写テストを行い、10000回目の画像濃度とかぶりの度合いを評価し、その結果を第2表に示した。
【0146】又、前記10000回目の繰返し実写テストの前後における感光体の黒紙電位(VB)及び白紙電位(VW)を測定し、その結果を第2表に示した。
【0147】なお、第2表の黒紙電位(V)は反射濃度1.3の原稿に対する感光体の表面電位、白紙電位(V)は反射濃度「0」の原稿に対する感光体の表面電位であって、いづれも実写前後に現像器の位置に電位計のブローブを配置して測定した。
【0148】
【表2】


【0149】第1表及び第2表より、本発明の製造方法により得られた感光体は比較感光体に比して塗布加工がすぐれているため、筋、むら、ポチ等の画像欠陥を生せず、電子写真性能にすぐれており、繰返し像形成の過程での感光層の減耗が少なく高耐久性であり、その外、塗布加工能率もすぐれているなどの利点も有している。
【0150】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の感光体の塗膜形成用分散液の製造方法、及び感光体の製造方法によれば、塗布加工性及び生産性にすぐれていて、得られる感光体は、像形成に供したとき、画像むら、筋、ぽち等を生せず、かつ電子写真性能及び繰返し使用時の耐久性にすぐれている等の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は分散液の流動特性を測定する装置の断面図。
【図2】第2図は分散液の流動特性を表すグラフ。
【図3】第3図(a),(b),(c),(d)は感光体の層構成を表す断面図。
【図4】第4図(a)は円形スライドホッパ塗布機の断面図、第4図(b)は一部破断斜視図。
【図5】第5図は円形押出し塗布機の断面図、第6図は円形少量ディップ塗布機の断面図。
【図6】第7図は円筒状支持体を搬送塗布する塗布装置を表す正面図。
【符号の説明】
1 …導電性支持体
2 …電荷輸送層
3 …電荷発生層
10 …円筒状被塗布体(円筒状支持体)
11,11′,11″,41 …塗布機
12 …塗布液分配室
13 …分配スリット
16 …ホッパエッジ
23 …液止め用ブレード
24 …液槽
28 …液収容部
40a,b,c…スペーサ
41 …塗布機
42a,b,c,d…把持部
45 …塗布装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 顔料を分散含有する分散液を支持体上に塗布して塗膜形成に用いる前記分散液を測定し、下記式(1)及び(2)を満足する流動特性を有することを特徴とする感光体の塗膜形成用分散液の製造方法
τ=τ0+ηDn・・・・・(1)
1.0≧n≧0.7・・・(2)
〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne/cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値である。〕
【請求項2】 前記顔料が光導電性顔料である請求項1に記載の感光体の塗膜形成用分散液の製造方法
【請求項3】 顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した分散液を測定し、下記式(1)及び(2)で規定される流動特性を有する分散液を円筒状支持体に、円形スライドホッパ塗布機を用いて塗布することを特徴とする感光体の製造方法。
τ=τ0+ηDn・・・・・(1)
1.0≧n≧0.7・・・(2)
〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne/cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値である。〕
【請求項4】 前記顔料が光導電性顔料である請求項3に記載の感光体の製造方法。
【請求項5】 顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した分散液を測定し、下記式(1)及び(2)で規定される流動特性を有する分散液を円筒状支持体に、円形押出し塗布機を用いて塗布することを特徴とする感光体の製造方法。
τ=τ0+ηDn・・・・・(1)
1.0≧n≧0.7・・・(2)
〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne/cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値である。〕
【請求項6】 前記顔料が光導電性顔料である請求項5に記載の感光体の製造方法。
【請求項7】 顔料をバインダ樹脂溶液に分散含有した分散液を測定し、下記式(1)及び(2)で規定される流動特性を有する分散液を円筒状支持体に、円形少量ディップ塗布機を用いて塗布することを特徴とする感光体の製造方法。
τ=τ0+ηDn・・・・・(1)
1.0≧n≧0.7・・・(2)
〔式中、τは分散液の剪断応力(dyne/cm2)、Dは剪断速度(1/sec)、ηは粘性係数(dyne/cm2・sec)、τ0はD=0のときのτの値である。〕
【請求項8】 前記顔料が光導電性顔料である請求項7に記載の感光体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【特許番号】特許第3273256号(P3273256)
【登録日】平成14年2月1日(2002.2.1)
【発行日】平成14年4月8日(2002.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−76524
【出願日】平成3年4月9日(1991.4.9)
【公開番号】特開平4−311783
【公開日】平成4年11月4日(1992.11.4)
【審査請求日】平成10年4月9日(1998.4.9)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(000001270)コニカ株式会社 (4,463)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−143762(JP,A)
【文献】特開 昭62−127843(JP,A)
【文献】特開 平1−147461(JP,A)
【文献】特開 昭61−13255(JP,A)
【文献】特開 昭60−12551(JP,A)
【文献】特開 平1−158452(JP,A)
【文献】特開 昭63−172159(JP,A)
【文献】特開 昭63−55552(JP,A)
【文献】特開 平3−17658(JP,A)
【文献】特開 平3−33859(JP,A)
【文献】特開 昭60−177347(JP,A)
【文献】特開 昭61−26043(JP,A)
【文献】特開 昭61−107249(JP,A)