説明

感応膜形成用ジグ及び感応膜形成方法

【課題】水晶振動素子の一方の励振電極のみに感応膜を容易に形成することができる感応膜形成用ジグと、感応膜が形成され所定の物質を検出するQCMセンサ素子の検出精度を向上させることができる感応膜形成方法を提供する。
【解決手段】基部と脚部と固定部とからなる保持具に搭載されている水晶振動素子の一方の励振電極に感応膜を形成するときに用いる感応膜形成用ジグであって、第一のジグと第一のOリングと第二のOリングと第二のジグとから構成されており、第一のOリングが第一のジグと水晶振動素子の水晶片とで挟まるように第一のジグに搭載され、第二のOリングが第一のジグと第二のジグとで挟まれるように水晶振動素子が搭載されている第二のジグに搭載され固定することができ、水晶振動素子を搭載したときに、第一のOリングに形成されている
貫通溝によって水晶振動素子の一方の励振電極のみが露出する構造となっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水晶振動素子の一方の励振電極に感応膜を形成するときに用いる感応膜形成用ジグ及びこの感応膜形成用ジグを用いて感応膜を形成する感応膜形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感応膜が励振電極に形成されている水晶振動素子は、微小な量、例えば、1μgを検出することができる水晶振動子微量天秤(Quartz Crystal Microbalance Sensor)に用いられる。
ここで、水晶振動子微量天秤をQCMセンサとする。
また、QCMセンサに用いられ、水晶振動素子の励振電極に感応膜が形成されている水晶振動素子をQCMセンサ素子とする。
従って、QCMセンサ素子は、水晶振動素子と感応膜を備えている。
【0003】
水晶振動素子は、水晶片と励振電極と引き出し電極とから構成されている。
水晶片は、圧電材料である水晶部材が用いられ、例えば、平板状となっている。
励振電極は、例えば、2つ一対となっている。一方の励振電極は、水晶片の一方の主面に設けられている。他方の励振電極は、水晶片の他方の主面であって一方の励振電極に対向する位置に設けられている。
水晶振動素子は、水晶片の圧電効果及び逆圧電効果により、励振電極に電圧が印加されると、水晶片が所定の周波数で振動する特性を有している。
【0004】
感応膜は、所定の物質と反応する性質を有している。
また、感応膜は、所定の液状材料が滴下され、この液状材料が硬化又は乾燥することで形成される。
ここでは、感応膜は、例えば、水晶振動素子の一方の励振電極に滴下されて硬化することで形成される。
また、液状材料は、例えば、高分子脂質から構成されている。
【0005】
QCMセンサ素子は、水晶振動素子の一方の励振電極に所定の物質を反応する感応膜が形成されている。
また、QCMセンサ素子は、所定の物質が含まれている雰囲気中に設けられると、所定の物質が水晶振動素子の一方の励振電極に形成されている感応膜と反応し付着する。
このため、QCMセンサ素子は、所定の物質が一方の励振電極に付着すると所定の物質の重量の分だけ水晶振動素子の水晶片が振動する周波数が変化するので、水晶振動素子の水晶片が振動する周波数の変化量から感応膜が反応し付着した所定の物質の重量を算出することができる。
つまり、QCMセンサ素子は、感応膜が反応し水晶振動素子の水晶片が振動する周波数の変化量から感応膜と反応する所定の物質を検出することができる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
水晶振動素子の一方の励振電極に感応膜を形成する感応膜形成方法として、例えば、スピンコーター装置を用いて感応膜を形成する方法がある。
このような感応膜形成方法は、例えば、搭載工程、配置工程、滴下工程、硬化工程、を備えている。
【0007】
搭載工程は、例えば、感応膜形成用ジグに水晶振動素子を搭載する工程である。
感応膜形成用ジグは、例えば、平板状の平板部と柱部とから構成されている。
また、感応膜形成用ジグは、柱部が設けられている平板部の面に直接、水晶振動素子を搭載し柱部が設けられている平板部の面上で面内回転をさせた場合、搭載されている水晶振動素子の一方の主面の中心が平板部の回転軸上に位置し続けることができる構成となっている。
【0008】
配置工程は、例えば、水晶振動素子が搭載されている感応膜形成用ジグをスピンコーター装置に配置する工程である。
【0009】
滴下工程は、例えば、スピンコーター装置によって回転されている水晶振動素子の一方の励振電極に向かって感応膜となる前の液状材料を滴下する工程である。
また、滴下工程では、水晶振動素子が回転しているので、液状材料が水晶片の滴下された主面上に均一に広がった状態となっている。従って、水晶片の一方の主面に滴下された場合、滴下工程後は感応膜となる液状材料が一方の励振電極及び一方の引き出し電極上に滴下されている状態となる。
【0010】
硬化工程は、スピンコーターから感応膜形成用ジグが取り外された状態で滴下された液状材料を硬化させて感応膜を形成する工程である。
【0011】
従って、このような感応膜形成方法は、水晶振動素子を感応膜形成用ジグに搭載した状態で水晶片の一方の主面上で面内回転するようにスピンコーター装置に配置され、水晶振動素子が回転している状態で水晶振動素子の一方の主面に硬化することで感応膜となる液状材料を滴下し、スピンコーター装置から感応膜形成用ジグを取り外し後、滴下された液状材料を硬化させ、感応膜を形成している。このとき、感応膜は、水晶振動素子の一方の主面全体に形成される。つまり、感応膜は、水晶振動素子の一方の励振電極及び引き出し電極に形成される。
【0012】
感応膜形成方法の一例としてスピンコーターを用いている場合について説明したが、
別の一例として、ピペットを用いて感応膜を形成する場合がある。
このような感応膜形成方法は、例えば、水晶振動素子が保持具に保持されている場合に用いられ、水晶振動素子の一方の励振電極に向かって硬化又は乾燥することで感応膜となる液状材料を滴下し硬化させて感応膜を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−243608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来の感応膜形成用ジグは、水晶振動素子を搭載した状態で水晶振動素子が感応膜の形成される水晶振動素子の水晶片の一方の主面上で面内回転するようにスピンコーター装置に配置される構造となっているので、水晶片の一方の主面側に形成された一方の励振電極に感応膜を形成するとき、水晶片の一方の主面の全面に感応膜が形成される恐れがある。
このため、従来の感応膜形成用ジグを用いて感応膜を形成したQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、一方の引き出し電極で形成された感応膜でも所定の物質が反応してしまい所定の物質を検出する検出精度が低下してしまう恐れがある。
【0015】
また、従来の感応膜形成用ジグは、感応膜が形成される水晶振動素子の一方の主面側を露出するように水晶振動素子の他方の主面側が直接接触するように水晶振動素子が搭載される構造となっているので、水晶片の他方の主面に設けられた他方の励振電極にゴミ等の付着物が付着してしまう恐れがある。
このため、従来の感応膜形成用ジグを用いて感応膜を形成したQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、他方の励振電極に付着している付着物を変化量として検出してしまい所定の物質を検出する検出精度が低下してしまう恐れがある。
【0016】
従来の感応膜形成方法は、保持ジグに搭載されている水晶振動素子の一方の励振電極に、スポイドを用いて感応膜となる液状材料を滴下し硬化させることで感応膜を形成しているので、所定の位置に感応膜となる液状材料を滴下することが困難であり所定の位置に感応膜を形成することができない恐れがある。
このため、感応膜が形成されたQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、水晶振動素子の一方の励振電極に感応膜が形成されず所定の物質を検出する検出精度が低下する恐れがある。
【0017】
また、従来の感応膜形成方法では、水晶振動素子を従来の感応膜形成用ジグに搭載した状態で水晶振動素子が水晶振動素子の一方の主面上で面内回転するにスピンコーター装置に配置され、水晶振動素子が回転している状態で水晶振動子の一方の主面に感応膜となる前の液状材料を滴下し、スピンコーター装置から取り外して滴下された液状材料を硬化させているので、水晶振動素子の一方の主面の全面に感応膜が形成される恐れがある。
このため、感応膜が形成されたQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、一方の引き出し電極に形成された感応膜でも所定の物質が反応してしまい所定の物質を検出する検出精度が低下する恐れがある。
【0018】
また、従来の感応膜形成方法では、水晶振動子の一方の主面に感応膜となる液状材料を滴下し、滴下された液状材料を硬化又は乾燥させているので、液状材料を滴下する位置及びタイミングによって形成される形成される感応膜の厚みが異なってくる恐れがある。
このため、従来の感応膜形成方法では、感応膜の厚みのばらつきが大きくなり、生産性が低減する恐れがある、
【0019】
本発明は、水晶振動素子の一方の励振電極のみに感応膜を容易に形成することができる感応膜形成用ジグと、水晶振動素子に感応膜が形成されたQCMセンサ素子の検出精度を向上させることができる感応膜形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記課題を解決するため、平板状の水晶片の両主面に励振電極及び引き出し電極が設けられつつ、直方体形状の基部の所定の一面から2つ一対の固定部が同一方向に延設され前記固定部が延設されている所定の一面に対向する前記基部の面から2つ一対の脚部が前記固定部と反対方向に延設されている保持具に搭載されている水晶振動素子の前記水晶片の一方の主面に設けられている前記励振電極に感応膜を形成する際に用いる感応膜形成用ジグであって、矩形形状の平板状となっており、
一方の主面に第一の環状溝と前記第一の環状溝の内縁側に第一の凹部空間と前記第一の凹部空間から側面にかけて形成されている脚部用凹部空間とが形成され、前記第一の凹部空間の底面に第二の凹部空間及び前記保持具の前記基部の一部を収納することができる第一の基部収納用凹部空間が形成され、前記第二の凹部空間の底面に第一の環状凸部及び前記第一の環状凸部の内縁側に位置しつつ開口部が前記水晶振動素子の前記励振電極と同じ大きさとなっている貫通孔が形成されている第一のジグと、
外径が前記水晶振動素子の前記励振電極より大きく前記水晶振動素子の前記水晶片より小さくなっており、前記第二の凹部空間の底面及び前記第一の環状凸部に接する位置に配置され前記水晶片と前記第二の凹部空間の底面とで挟まれる第一のOリングと、平板部と両主面が前記第一のジグの前記第一の凹部空間の底面と同じ大きさの円柱凸部とから構成され、前記平板部に接する面に対向する前記円柱凸部の面に第三の凹部空間及び前記保持具の前記基部の一部を収納することができる第二の基部収納用空間が形成され、
前記第三の凹部空間の底面に内縁側の縁部の大きさが前記水晶振動素子の前記励振電極と同じ大きさとなっている第二の環状凸部が形成されている第二のジグと、前記第一のジグの前記第一の環状溝に収納され前記第一のジグと前記第二のジグとではさまれる第二のOリングと、を備え、前記第一のジグの前記第一の基部収納用凹部空間に前記保持具の前記基部の一部を収納する際、前記水晶振動素子の前記励振電極が前記貫通孔の貫通孔と対向する位置し、前記保持具の前記脚部の一部が前記脚部用凹部空間内に収納され、
前記第二のジグの前記第二の基部収納用凹部空間に前記保持具の前記基部の一部を収納するとき、前記第二の環状凸部が前記水晶振動素子の前記水晶片に接触するように前記第二の環状凸部が形成されており、前記円柱凸部を前記第一の凹部空間の底面側を向けつつ前記円柱凸部に前記第一の凹部空間をはめ込んだ際、前記第一の環状凸部と前記第二の環状凸部とが対向する位置に位置していることを特徴とする。
【0021】
また、前記課題を解決するため、感応膜形成用ジグを用い、前記第二の凹部空間の底面であって前記第一の環状凸部の内縁側に位置するように第一のOリングを搭載する第一のOリング搭載工程と、前記第一の基部収納用凹部空間内に前記水晶振動素子が搭載されている前記保持具の前記基部の一部を収納しつつ前記第一のジグに搭載されている第一のOリングの内縁側に前記水晶振動素子の前記励振電極が位置するように配置し、
前記第二の凹部空間の底面と前記水晶振動素子の前記水晶片とで挟むように前記水晶振動素子を搭載する水晶振動素子搭載工程と、前記第一のジグの前記第一の環状溝に前記第二のOリングを搭載する第二のOリング搭載工程と、前記第二のジグの前記円柱凸部を前記第一のジグの前記第一の凹部空間の底面側に向けた状態で前記第一のジグと前記第二のジグとで前記水晶振動素子及び前記第二のOリングとを挟みつつ固定する固定工程と、
前記第一のジグから前記第二のジグに向かう向けで前記第一のジグの前記貫通孔に硬化又は乾燥することで感応膜となる液状材料を滴下する滴下工程と、前記滴下した液状材料を硬化又は乾燥させ感応膜を形成する感応膜形成工程と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
このような感応膜形成用ジグによれば、水晶振動素子の励振電極と同じ大きさの開口部を有する貫通孔が形成されている第一のジグであって、保持具に保持されている水晶振動素子を搭載したとき、第一のOリングを第一のジグと水晶振動素子の水晶片とで挟みつつ貫通孔の開口部と水晶振動素子の励振電極とが対向する位置となるように水晶振動素子を第一のジグに搭載することができる構造となっているので、
第一のジグの貫通孔によって保持具に保持されている水晶振動素子の一方の励振電極のみを露出することができる構造となっている。
このため、このような感応膜形成用ジグによれば、感応膜を形成したQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、露出している一方の励振電極にのみ感応膜を形成することができ従来の感応膜形成用ジグのように感応膜が一方の引き出し電極に形成されないため、従来の感応膜形成用ジグを用いた場合と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0023】
このような感応膜形成用ジグによれば、平板部と平板部に儲けられている円柱凸部とからなり平板部に接する面に対向する円柱凸部の面に第三の凹部空間が形成され第三の凹部空間の底面に第二の環状凸部が形成されている第二のジグであって、第一のジグの第一の環状凸部と第二のジグの第二の環状凸部とが対向する位置する構造となっており、
保持具に搭載されている水晶振動素子を搭載すると貫通孔によって露出されている一方の励振電極と対向する位置に設けられている他方の励振電極が第二のジグ側を向いた状態となっているので、水晶振動素子の水晶片を第二のジグに接触させつつ励振電極を第二のジグに接触させずに水晶振動素子を搭載することができる。
このため、このような感応膜形成用ジグによれば、感応膜を形成したQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、従来の感応膜形成用ジグのように感応膜が形成されない水晶振動素子の他方の励振電極にゴミ等の付着物が付着することを防ぐことができ、従来の感応膜形成用ジグを用いた場合と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0024】
このような感応膜形成方法によれば、水晶振動素子を搭載したときに水晶振動素子の一方の励振電極が貫通孔から露出される構成となっている感応膜形成用ジグに水晶振動素子を搭載し、貫通孔の一方の開口部から水晶振動素子の一方の励振電極に向かって硬化又は乾燥することで感応膜となる液状材料を滴下して硬化させることで感応膜を形成しているので、
液状材料を貫通孔の開口部から滴下することで容易に所定の位置に滴下することができ感応膜を所定の位置に形成することができる。
このため、感応膜が形成されたQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、水晶振動素子の所定の位置、ここでは、一方の励振電極にのみ感応膜が形成されているので、従来の感応膜形成方法と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0025】
また、このような感応膜形成方法によれば、水晶振動素子を搭載したときに水晶振動素子の一方の励振電極が貫通孔から露出される構成となっている感応膜形成用ジグに水晶振動素子を搭載し、貫通孔の一方の開口部から水晶振動素子の一方の励振電極に向かって硬化又は乾燥することで感応膜となる液状材料を滴下して硬化又は乾燥させることで感応膜を形成しているので、
水晶振動素子の一方の励振電極のみに感応膜を形成することができる。
このため、感応膜が形成されたQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、従来の感応膜形成方法のように一方の引き出し電極に感応膜が形成されないので、従来の感応膜形成方法と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0026】
また、このような感応膜形成方法によれば、保持具に保持されている水晶振動素子を感応膜形成用ジグに搭載したとき、保持具の脚部の一部が脚部用凹部空間内に収納されるので、脚部の一部が感応膜形成用ジグから露出された状態となっており、この状態で感応膜を形成することができる。
このため、このような感応膜形成方法によれば硬化又は乾燥することで感応膜となる液状材料を滴下しながら測定することができるので、滴下量を制御することができ、その結果、形成される感応膜の厚みを制御することができる。
従って、このような感応膜形成方法によれば、感応膜の厚みのばらつきを抑えることができ生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(a)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグで形成されたQCMセンサ素子の一例を示す平面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグで形成されたQCMセンサ素子の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグに保持具に保持されている水晶振動素子を搭載しているときの状態の一例を示す分解断面図である。
【図3】(a)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグの第一のジグの一例を示す平面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグの第一のジグの一例を示す断面図である。
【図4】(a)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグの第二のジグの一例を示す平面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグの第二のジグの一例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る感応膜形成方法の第一のOリング搭載工程の状態の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る感応膜形成方法のQCMセンサ素子搭載工程の状態の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る感応膜形成方法の第二のOリング搭載工程の状態の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る感応膜形成方法の第二のジグ搭載工程の状態の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る感応膜形成方法の固定工程の状態の一例を示す断面図である。
【図10】(a)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成方法の形成工程前の状態の一例を示す断面図であり、(b)は、本発明の実施形態に係る感応膜形成方法の形成工程後の状態の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において各構成要素の状態を分かりやすくするために誇張して図示している。
【0029】
まず、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグで形成されたQCMセンサ素子について説明する。
QCMセンサ素子は、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように、水晶振動素子と水晶振動素子が保持されている保持具120と感応膜Kとから主に構成されている。
【0030】
水晶振動素子は、例えば図1(b)に示すように、水晶片111と励振電極112と引き出し電極113とから構成されている。
【0031】
水晶片111は、圧電材料である水晶部材が用いられ、例えば、円板状の平板形状に形成されている。
【0032】
励振電極112は、例えば、図1(b)に示すように、2つ一対となっている。
一方の励振電極112は、図1(b)に示すように、水晶片111の一方の主面に設けられている。
他方の励振電極112は、例えば、図1(b)に示すように、水晶片111の他方の主面であって一方の励振電極112に対向する位置に設けられている。
【0033】
引き出し電極113は、例えば、2つ一対となっている。
一方の引き出し電極113は、図1(a)に示すように、一方の端部が一方の励振電極112に接続されており、他方の端部が水晶片111の一方の主面の端部に位置している。従って、一方の引き出し電極の他方の端部と一方の励振電極とが電気的に接続された状態となっている。
他方の引き出し電極113は、一方の端部が他方の励振電極112に接続されており、他方の端部が水晶片111の他方の端部に位置している。従って、他方の引き出し電極の他方の端部と他方の励振電極とが電気的に接続された状態となっている。
【0034】
従って、水晶振動素子は、平板状の水晶片111の一方の主面に一方の励振電極112及び一方の引き出し電極113が設けられつつ、水晶片111の他方の主面に他方の励振電極112及び他方の引き出し電極113が設けられている。
また、水晶振動素子は、水晶片111の圧電効果及び逆圧電効果により、引き出し電極113に電圧が印加されると、水晶片111が所定の周波数で振動する特性を有している。
【0035】
保持具120は、前述した水晶振動素子を保持している。
また、このような保持具120は、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように、基部121と固定部122と脚部123とから構成されている。
【0036】
基部121は、例えば、図1(a)及び図1(b)に示すように直方体形状となっている。
【0037】
固定部122は、図1(a)に示すように、2つ一対となっている。
また、固定部122は、導電材料が用いられている。
また、固定部122は、図1(a)及び図1(b)に示すように、基部121の所定の一面から同一方向に延設されている。
一方の固定部122は、例えば、導電性接着剤(図示せず)によって、前述した水晶振動素子の一方の引き出し電極113と電気的に接続されつつ固定され保持されている。
他方の固定部122は、例えば、導電性接着剤(図示せず)によって、前述した水晶振動素子の他方の引き出し電極113と電気的に接続されつつ固定され保持されている。
【0038】
脚部123は、例えば、図1(a)に示すように、2つ一対となっている。
また、脚部123は、導電材料が用いられている。
また、脚部123は、図1(a)及び図1(b)に示すように、固定部122が延設されている面に対向する基部121の面から、同一方向に延設されている。従って、2つ一対の脚部123は、固定部122と反対の方向に絹の所定の他の一面か延設されている。
一方の脚部123は、基部121の内部の配線(図示せず)を介して一方の固定部122と電気的に接続されている。従って、一方の脚部123は、一方の励振電極112と電気的に接続されている。
他方の脚部123は、基部121の内部の配線(図示せず)を介して他方の固定部123と電気的に接続されている。従って、他方の脚部123は、他方の励振電極112と電気的に接続されている。
【0039】
従って、保持具120は、基部121の所定の一面から2つ一対の固定部123が延設されつつ所定の一面に対向する基部121の所定の他の一面から2つ一対の脚部123が延設されている。
また、保持具120は、一方の固定部122と一方の脚部123とが電気的に接続されつつ他方の固定部122と他方の脚部123とが電気的に接続されている。
また、保持具120は、例えば、一方の固定部122が水晶振動素子の一方の引き出し電極113に電気的に接続され固定されつつ他方の固定部122が水晶振動素子の他方の引き出し電極113に電気的に接続され固定されることで、
水晶振動素子を保持することができる構造となっている。このとき、水晶振動素子の一方の励振電極112と保持具120の一方の脚部123とが電気的に接続されつつ、
水晶振動素子の他方の励振電極112と保持具120の他方の脚部123とが電気的に接続されている。
【0040】
感応膜Kは、所定の物質と反応し所定の物質に付着する性質を有している。
また、感応膜Kは、所定の液状材料が滴下され、滴下された液状材料が硬化又は乾燥することで形成される。
ここで、感応膜Kは、例えば、硬化することで感応膜となる液状材料が水晶振動素子の一方の励振電極112に滴下され硬化されることで形成される。
なお、ここでは、感応膜Kが水晶振動素子の一方の励振電極112にのみ形成されている場合について説明しているが、他方の励振電極112に形成してもよい。
【0041】
従って、QCMセンサ素子は、水晶振動素子の一方の引き出し電極113が保持具120の一方の固定部122に接続されつつ水晶振動素子の他方の引き出し電極113が保持具120の他方の固定部122に接続されることで、保持具120に水晶振動素子121が保持されている。
また、QCMセンサ素子は、保持具120に保持されている水晶振動素子の一方の励振電極112に所定の物質と反応し所定の物質に付着する感応膜Kが形成されている。
また、QCMセンサ素子は、所定の物質が感応膜Kと反応した場合、所定の物質が感応膜Kに付着することとなり水晶片111が振動する周波数が変化する構成となっているので、振動する周波数の変化量から所定の物質が付着する量を検出することができる。
【0042】
次に、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグについて説明する。
本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグは、前述したように、保持具120に保持されている水晶振動素子に感応膜Kを形成するために用いるジグである。
【0043】
また、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100は、図2に示すように、第一のジグ130と第二のジグ140と第一のOリング150と第二のOリング160とを備えている。
また、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100は、図2に示すように、第一のジグ130に第一のOリング150を挟むように保持具120に保持されている水晶振動素子を搭載し、この水晶振動素子が搭載されている第一のジグ130に第二のOリング160を搭載し、
その後第二のジグ140を搭載した状態で、固定することができる構成となっている。
【0044】
第一のOリング150は、環状となっている弾性体が用いられている。
また、第一のOリング150は、後述する第一のジグ130と保持具120に搭載されている水晶振動素子とで挟まれた際、水晶振動素子に接している面の内縁側の縁部の形状が水晶振動素子の励振電極112と同じ大きさとなっている。
従って、第一のOリング150は、後述する第一のジグ130と保持具120に搭載されている水晶振動素子とで挟まれた際、水晶振動素子の一方の励振電極112と接触せず、かつ、水晶片111の一方の主面と接触する大きさとなっている。
また、第一のOリング150は、水晶振動素子の水晶片111と後述する第一のジグ130とで挟まれた状態で第一のジグ130と第二のジグ140とで固定されているとき、水晶振動素子と第一のジグ130との気密性を保っている。
【0045】
第二のOリング160は、環状となっている弾性体が用いられている。
また、第二のOリング160は、後述する第一のジグ130と後述する第二のジグ140とを固定した際、後述する第一のジグ130の第一の環状溝131に収納することができる大きさとなっている。
【0046】
第一のジグ130は、図2と図3(a)と図3(b)に示すように、矩形形状の平板状となっている。
また、第一のジグ130は、図2と図3(a)と図3(b)に示すように、一方の主面に環状溝131と第一の凹部空間132と脚部用凹部空間133とが形成されている。
また、第一のジグ130は、図2と図3(a)と図3(b)に示すように、第一の凹部空間132の底面に第一の基部収納用凹部空間134と第二の凹部空間135とが形成されている。
また、第一のジグ130は、図2と図3(a)と図3(b)に示すように、第二の凹部空間135の底面に第二の環状溝136と貫通孔137が形成されている。
【0047】
第一の環状溝131は、図3(a)に示すように、第一のジグ130の一方の主面側から見た場合、円形形状の溝となっている。
また、第一の環状溝131には、図2に示すように、第一のジグ130が後述する第二のジグ140が固定される際に、第二のOリング160を収納することができる大きさとなっている。
【0048】
脚部用凹部空間132は、保持具120の脚部123の一部を収納することができるように形成されており、後述する第一の基部収納用凹部空間134に保持具120の基部121の一部を収納した際に保持具120の脚部120に対応する位置に形成されている。
また、脚部用凹部空間132は、第一のジグ130の一方の主面を見た場合、図3(a)に示すように、後述する第一の凹部空間132から第一の環状溝131まで形成されつつ第一の環状溝131から第一のジグ130の縁部まで形成されている。
【0049】
第一の凹部空間132は、図2と図3(a)と図3(b)とに示すように、開口部及び底面が円形形状となっている。
また、第一の凹部空間132は、その底面の大きさが水晶振動素子と水晶振動素子が搭載されている保持具120とを収納することができる大きさとなっている。ただし、このとき、保持具120の脚部123は含まない大きさとなっている。
また、第一の凹部空間132は、図2と図3(a)と図3(b)に示すように、その底面に第一の基部収納用凹部空間134と第二の凹部空間135が形成されている。
【0050】
第一の基部収納用凹部空間134は、保持具120の基部121の一部を収納することができる大きさとなっている。
【0051】
第二の凹部空間135は、第一の基部収納用凹部空間134と連なって形成されており、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子を保持している保持具120の基部121の一部を収納させたとき、保持具120の固定部122と水晶振動素子の水晶片111とを収納することができる大きさとなっている。
また、第二の凹部空間135は、例えば、図3(a)に示すように、その底面が矩形形状となっている。
また、第二の凹部空間135は、図2と図3(a)と図3(b)に示すように、その底面に第一の環状凸部136と貫通孔137とが形成されている。
【0052】
第二の環状凸部136は、第一のジグ130の一方の主面から他方の主面に向かう向きに第一のジグ130の一方の主面を見た場合、図3(a)に示すように、その内縁側の縁部と外縁側の縁部が同心円状の円形形状となっている。
また、第二の環状凸部136は、その内縁側の縁部の大きさが水晶振動素子の励振電極112より大きい大きさとなっている。また、第二の環状凸部136は、その内縁側の縁部の大きさが第一のOリング150の外縁側の縁部と同じ大きさとなっている。
また、第二の環状凸部136は、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子を保持している保持具120の基部121の一部を収納させた際に、水晶振動素子の励振電極112がその内縁側の縁部より内縁側に位置するように形成されている。
【0053】
貫通孔137は、第二の凹部空間135の底面から第二の凹部空間135に対向する面に向かって形成されている。従って、貫通孔137は、第二の凹部空間135の底面から第一のジグ130の他方の主面に向かって形成されている。
また、貫通孔137は、第二の凹部空間135の底面であって、第一の環状凸部136の内縁側の縁部より内側に形成されている。
また、貫通孔137は、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子を保持している保持具120の基部121の一部を収納させた際、開口部が水晶振動素子の励振電極112に対向する位置に形成されている。
【0054】
第一のジグ130には、第二の凹部空間135の底面であって第一の環状凸部136の内縁側の面に接する位置に第一のOリング150を搭載することができる構造となっている。
また、第一のジグ130には、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子が保持されている保持具120の基部121の一部を収納した場合、脚部用凹部空間133に保持具120の脚部123を収納することができる構造となっている。
また、第一のジグ130は、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子が保持されている保持具120の基部121の一部を収納した場合、水晶振動素子の水晶片111と第一の環状凸部136とが接触され、水晶振動素子の励振電極112が貫通孔137の開口部と対向する位置に位置する構造となっている。
また、第一のジグ130は、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子が保持されている保持具120の基部121の一部を収納した場合、第一のOリング160が搭載されているとすると第一のOリング160を第二の凹部空間135の底面と水晶振動素子の水晶片111とで挟むことができる構造となっている。
【0055】
第二のジグ140は、図2と図4(a)と図4(b)に示すように、平板部141と平板部141の一方の主面の中央部に設けられている円柱凸部142とから主に構成されている。
また、第二のジグ140は、円柱凸部142を第一のジグ130の第一の凹部空間132側に向けた場合、第一の凹部空間132内に円柱凸部142を収納することができる大きさとなっている。従って、第二のジグ140は、円柱凸部142が第一のジグ130の第一の凹部空間132と嵌めあうことができる大きさとなっている。
また、第二のジグ140は、円柱凸部142を第一のジグ130の第一の凹部空間132側に向けた場合、第一の基部収納用凹部空間134と対向する位置に第二の基部収納用凹部空間145(145a,145b)が形成されている。
【0056】
平板部141は、例えば、矩形形状の平板状に設けられている。
また、平板部141は、その主面の大きさが第一のジグ130の主面の大きさと同じ大きさとなっている。
【0057】
また、平板部141は、例えば、後述する円柱凸部142に接する面であって第一のジグ130の第一の基部収納用凹部空間134と対向する位置に第二の基部収納用凹部空間145の一部145aが形成されている。
なお、ここでは、第二の基部収納用凹部空間145の一部145aが平板部141に形成されている場合について説明しているが、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグを用いるときに第一のジグ130の第一の基部収納用凹部空間134と第二の基部収納用凹部空間145とで形成される空間内に保持具120の基部121を収納することができれば、後述する円柱凸部142のみに形成していてもよい。
【0058】
円柱凸部142は、両主面が円柱形状となっており、両主面の大きさが第一のジグ130の第一の凹部空間132の底面と同じ大きさとなっている。
また、円柱凸部142は、平板部141の一方の主面に設けられている。
また、円柱凸部142は、平板部141に接触する面に対抗する円柱凸部142の面に第二の基部収納用凹部空間145の一部145bと第三の凹部空間143が形成されている。
また、円柱凸部142は、第三の凹部空間143の底面に第二の環状凸部144が形成されている。
【0059】
第二の基部収納用凹部空間145の一部145bは、第二のジグ140の円柱凸部142を第一のジグ130の第一の凹部空間131側の面に向けた際、第一の基部収納用凹部空間134と対向する位置に形成されている。
また、第二の基部用凹部空間145の一部145bは、平板部141に形成されている第二の基部収納用凹部空間145の一部145aの一部とで第二の基部用凹部空間145を形成している。このとき、第二の基部用凹部空間145内には、保持具120の基部121を収納することができる構造となっている。
【0060】
第三の凹部空間143は、第二の基部収納用凹部空間145に水晶振動素子を保持している保持具120の基部121の一部を収納させた際、保持具120の固定部122と水晶振動素子の水晶片111とを収納することができる大きさとなっている。
また、第三の凹部空間143は、例えば、図4(a)に示すように、その底面が矩形形状となっている。
【0061】
第二の環状凸部144は、図2と図4(a)と図4(b)に示すように、第三の凹部空間143の底面に形成されている。
また、第二の環状凸部144は、第二の基部収納用凹部空間145に保持具120の基部121の一部を収納した場合、第三の凹部空間143の底面に接する面に対向する面が水晶振動素子の水晶片111に接する位置に形成されている。このとき、水晶振動素子の励振電極112が第二の環状凸部144に接していない。
また、第二の環状凸部144は、第二の基部収納用凹部空間145に保持具120の基部121の一部を収納した場合、第二の環状凸部144の内縁側の縁部より水晶振動素子の励振電極112が内縁側に位置するように形成されている。
また、第二の環状凸部144は、図4(a)に示すように、円柱凸部142から平板部141に向かう向きで円柱凸部142を見た場合、内縁側の縁部と外縁側の縁部とが同心円形状となっている。
また、第二の環状凸部144は、第一のジグ130と第二のジグ140とを固定した際、第三の凹部空間143に接する面に対向する面が第一のジグ130の第一の環状凸部136に対向する位置に位置している。
従って、第二の環状凸部144は、内縁側の縁部の大きさが水晶振動素子の励振電極112と同じ大きさとなっている。
【0062】
従って、第二のジグ140は、第二の基部収納用凹部空間145に保持具120の基部121の一部を収納した場合、第二の環状凸部144と水晶振動素子の励振電極112が接触しない状態で第二の環状凸部144の内縁側に励振電極112が位置するように搭載することができる構造となっている。
また、第二のジグ140は、円柱凸部142と第一のジグ130の第一の凹部空間132とが嵌め合わせることができるようになっているので、円柱凸部142を第一の凹部空間132内に収納することで所定の位置に容易に配置することができる。
【0063】
本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100は、特に図示しないが、第一のジグ130と第二のジグ140とを固定することができる構成となっている。
例えば、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100は、第一のジグ130及び第二のジグ140にネジ用貫通孔(図示せず)が形成されており、第二のジグ130のネジ用貫通孔の縁部を形成する面にはネジ加工がされており、第一のジグ130と第二のジグ140とを固定ネジ(図示せず)によって固定することができる構成となっている。このとき、固定ネジのネジ頭が第二のジグ140に接する面に対向する第二のジグ140の面からはみ出していない状態となっている。
【0064】
また、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100は、保持具120に保持されている水晶振動素子に感応膜Kを形成する場合、第一のジグ130に搭載された第一のOリング150を水晶振動素子の励振電極112に接触することなく第一のジグ130の第二の凹部空間135の底面と水晶振動素子の水晶片111とで挟みつつ、第二のジグ140と水晶振動素子の励振電極112とが接触することないように、第一のジグ130と第二のジグ140とで第二のOリング160を挟む構造となっている。
このとき、第一のジグ130の貫通孔137から水晶振動素子の一方の励振電極112が露出された状態となっている。
【0065】
このような本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100によれば、水晶振動素子の励振電極112と同じ大きさの開口部を有する貫通孔137が形成されている第一のジグ130であって、保持具120に保持されている水晶振動素子を搭載したとき、第一のOリング150を第一のジグ130と水晶振動素子の水晶片111とで挟みつつ貫通孔137の開口部と水晶振動素子の励振電極112とが対向する位置となるように水晶振動素子を第一のジグ130に搭載することができる構造となっているので、
第一のジグ130の貫通孔137によって保持具120に保持されている水晶振動素子の一方の励振電極112のみを露出することができる構造となっている。
このため、このような本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100によれば、感応膜Kを形成したQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、露出している一方の励振電極112にのみ感応膜Kを形成することができ従来の感応膜形成用ジグのように感応膜Kが一方の引き出し電極113に形成されないため、従来の感応膜形成用ジグを用いた場合と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0066】
このような本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100によれば、平板部141と平板部141に儲けられている円柱凸部142とからなり平板部141に接する面に対向する円柱凸部142の面に第三の凹部空間143が形成され第三の凹部空間143の底面に第二の環状凸部144が形成されている第二のジグ140であって、第一のジグ130の第一の環状凸部136と第二のジグ140の第二の環状凸部144とが対向する位置する構造となっており、
保持具120に搭載されている水晶振動素子を搭載すると貫通孔137によって露出されている一方の励振電極112と対向する位置に設けられている他方の励振電極112が第二のジグ140側を向いた状態となっているので、水晶振動素子の水晶片111を第二のジグ140に接触させつつ励振電極112を第二のジグ140に接触させずに水晶振動素子を搭載することができる。
このため、このような本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100によれば、感応膜Kを形成したQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、従来の感応膜形成用ジグのように感応膜Kが形成されない水晶振動素子の他方の励振電極にゴミ等の付着物が付着することを防ぐことができ、従来の感応膜形成用ジグを用いた場合と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0067】
また、本発明の実施形態に係る感応膜形成用ジグ100によれば、第一の基部収納用凹部空間134に保持具120の基部121の一部を収納したとき貫通孔137の開口部が水晶振動素子の励振電極112と対向するように貫通孔137が形成されており、第二の基部収納用凹部空間134に保持具120の基部121の一部を収納したとき、第二の環状凸部144が水晶振動素子の励振電極112に接触しないように第二の環状凸部144が形成され、円柱凸部142が第一の凹部空間132の底面側を向くように第二のジグ140を第一のジグにはめ込むと第一の基部収納用凹部空間134の開口部と第二の基部収納用凹部空間145の開口部とが対向する位置に位置する構造となっているので、水晶振動素子が保持されている保持具120の基部120を第一のジグ130に容易に搭載することができ、水晶振動素子が搭載されている第一のジグ130に第二のジグ140を容易に搭載することができる。
【0068】
次に、本発明の実施形態に係る感応膜形成方法について説明する。
本発明の実施形態に係る感応膜形成方法は、前述した感応膜形成用ジグ100(図2参照)が用いられている。
【0069】
本発明の実施形態に係る感応膜形成方法は、第一のOリング搭載工程、水晶振動素子搭載工程、第二のOリング搭載工程、固定工程、滴下工程、硬化工程を備えている。
【0070】
(第一のOリング搭載工程)
第一のOリング搭載工程は、図5に示すように、前記第二の凹部空間135の底面であって前記第一の環状凸部136の内縁側に位置するように第一のOリング150を搭載する工程である。
【0071】
第一のジグ130は、前述したように、矩形形状の平板状に形成されおり、一方の主面に第一の環状溝131と第一の凹部空間132と脚部用凹部空間133(図3(a)参照)が形成されている。また、第一のジグ130は、第一の凹部空間132の底面に第一の基部収納用凹部空間134と第二の凹部空間135が形成されている。また、第一のジグ130は、第二の凹部空間の底面に第一の環状凸部136と貫通孔137が形成されている。
【0072】
第一のOリング150は、前述したように、環状となっており、後述する固定工程で第一のジグ130と保持具120に搭載されている水晶振動素子とで挟まれたとき、水晶振動素子に接している面の内縁側の縁部の形状が水晶振動素子の励振電極112と同じ大きさとなっている。従って、第一のOリング150は、後述する第一のジグ130と保持具120に搭載されている水晶振動素子とで挟まれたとき、水晶振動素子の一方の励振電極112と接触せず、かつ、水晶片111の一方の主面と接触する大きさとなっている。
【0073】
(水晶振動素子搭載工程)
水晶振動素子搭載工程は、図6に示すように、前記第一の基部収納用凹部空間134内に前記水晶振動素子が搭載されている前記保持具120の前記基部121の一部を収納しつつ前記第一のジグ130に搭載されている第一のOリング150の内縁側に前記水晶振動素子の前記励振電極112が位置するように配置し、前記第二の凹部空間135の底面と前記水晶振動素子の前記水晶片111とで挟むように前記水晶振動素子を搭載する工程である。なお、図6において、第一のOリング150は、水晶振動素子の水晶片111と第一のジグ130とで挟まれている際の状態を示している。
【0074】
水晶振動素子は、保持具120に保持されている。
前述したように、水晶振動素子は、平板状の水晶片111の一方の主面に一方の励振電極112及び一方の引き出し電極113(図1(a)参照)が設けられつつ、水晶片111の他方の主面に他方の励振電極112及び他方の引き出し電極113が設けられている。
また、水晶振動素子は、水晶片111の圧電効果及び逆圧電効果により、引き出し電極113に電圧が印加されると、水晶片111が所定の周波数で振動する特性を有している。
【0075】
保持具120は、前述したように、基部121の所定の一面から2つ一対の固定部123が延設されつつ所定の一面に対向する基部121の所定の他の一面から2つ一対の脚部123が延設されている。
また、保持具120は、一方の固定部122と一方の脚部123とが電気的に接続されつつ他方の固定部122と他方の脚部123とが電気的に接続されている。
また、保持具120は、例えば、一方の固定部122が水晶振動素子の一方の引き出し電極113に電気的に接続され固定されつつ他方の固定部122が水晶振動素子の他方の引き出し電極113に電気的に接続され固定されることで、水晶振動素子を保持することができる構造となっている。このとき、水晶振動素子の一方の励振電極112と保持具120の一方の脚部123とが電気的に接続されつつ、水晶振動素子の他方の励振電極112と保持具120の他方の脚部123とが電気的に接続されている。
【0076】
第一のジグ130は、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子が保持されている保持具120の基部121の一部を収納した場合、脚部用凹部空間133に保持具120の脚部123を収納することができる構造となっている。
また、第一のジグ130は、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子が保持されている保持具120の基部121の一部を収納した場合、水晶振動素子の水晶片111と第一の環状凸部136とが接触され、水晶振動素子の励振電極111が貫通孔137の開口部と対向する位置に位置する構造となっている。
【0077】
従って、水晶振動素子搭載工程では、第一の基部収納用凹部空間134に水晶振動素子が保持されている保持具120の基部121の一部を収納し、第一のOリング150を水晶振動素子の水晶片111及び第二の凹部空間135の底面とで挟み、水晶振動素子の励振電極112が貫通孔137の開口部と対向するように、第二の凹部空間135の底面であって第一の環状凸部136の内縁側の面に接する位置に第一のOリング150が搭載されている第一のジグ130に、水晶振動素子を搭載している。
【0078】
(第二のOリング搭載工程)
第二のOリング搭載工程は、前記第一のジグ130の前記第一の環状溝131に前記第二のOリング150を搭載する工程である。
第二のOリング搭載工程では、第一のOリング150及び水晶振動素子が搭載されている第一のジグ130の第一の環状溝131に、第二のOリング160と搭載している。
【0079】
(固定工程)
固定工程は、前記第二のジグ140の前記円柱凸部142を前記第一のジグ130の前記第一の凹部空間132の底面側に向けた状態で前記第一のジグ130と前記第二のジグ140とで前記水晶振動素子及び前記第二のOリング150とを挟みつつ固定する工程である。
【0080】
第二のジグ140は、前述したように、第二の基部収納用凹部空間145に保持具120の基部121の一部を収納した場合、第二の環状凸部144と水晶振動素子の励振電極112が接触しない状態で第二の環状凸部144の内縁側に励振電極112が位置するように搭載することができる構造となっている。
【0081】
また、第二のジグ140は、特に図示していないが、第一のジグ130と固定することができる構造となっている。
例えば、第一のジグ130及び第二のジグ140にネジ用貫通孔(図示せず)が形成されており、第二のジグ130のネジ用貫通孔の縁部を形成する面にはネジ加工がされており、第一のジグ130と第二のジグ140とを固定ネジ(図示せず)によって固定することができる構成となっている。このとき、固定ネジのネジ頭が第二のジグに接する面に対向する第二のジグの面からはみ出していない状態となっている。
【0082】
固定工程では、第一のOリング150と保持具120に保持されている水晶振動素子と第二のOリング160とが搭載されている第一のジグ120に、第二のジグ140の円柱凸部142を第一のジグ130の第一の凹部空間132側に向くように第二のジグ140が搭載され、第一のジグ130と第二のジグ140とが固定される。
このとき、第一のジグ130の貫通孔137から水晶振動素子の一方の励振電極112が露出した状態となっている。
【0083】
(滴下工程)
滴下工程は、前記第一のジグ130から前記第二のジグ140に向かう向けで前記第一のジグ130の前記貫通孔137に硬化又は乾燥することで感応膜Kとなる液状材料を滴下する工程である。
ここでは、前述したように、感応膜Kが所定の液状材料が滴下され硬化する場合を例に説明しているので、感応膜Kが所定の材料が硬化することで形成される場合を例に説明する。
前述したように、第一のOリング150と第二のOリング160と保持具120に保持されている水晶振動素子とが搭載されている第一のジグ130が第二のジグ140に固定されているとき、第一のジグ130の貫通孔137から水晶振動素子の一方の励振電極112が露出した状態となっている。
従って、滴下工程では、第一のジグ130の貫通孔137から露出されている水晶振動素子の一方の励振電極112に硬化することで感応膜Kとなる液状材料を滴下している。
このとき、第一のジグ130の第二の凹部空間135の底面と水晶振動素子の水晶片111との間に第一のOリング150が位置しているので、硬化することで感応膜Kとなる液状材料を滴下しても露出されていない引き出し電極113(図1(a)参照)に液状材料が滴下されることがない。
【0084】
滴下工程では、前述したように、一方の脚部123と水晶振動素子の一方の励振電極112とが電気的に接続されており、他方の脚部123と水晶振動素子の他方の励振電極112とが電気的に接続されているので、感応膜形成用ジグ100から露出されている保持具120の脚部123を測定することで、硬化することで感応膜Kとなる液状材料が滴下されているときの水晶振動素子の水晶片111の周波数や水晶振動素子のクリスタルインピーダンスをリアルタイムで測定することができる。
硬化することで感応膜Kとなる液状材料が滴下されると、一方の励振電極112上に液状材料が滴下されることとなり、滴下された液状材料の分だけ水晶振動素子の水晶片111の周波数及び水晶振動素子のクリスタルインピーダンスが変化する。
従って、滴下工程では、硬化することで感応膜Kとなる液状材料の滴下される量を容易に制御することができ、硬化して形成された感応膜Kの厚みを制御することが可能となる。
つまり、滴下工程では、硬化する前の感応膜Kが滴下される量を制御することを容易にできるので、感応膜Kの厚みばらつきを抑えることができる。
【0085】
(感応膜形成工程)
感応膜形成工程は、前記滴下した液状材料を硬化又は乾燥させ感応膜を形成する工程である。
【0086】
このような本発明の実施形態に係る感応膜形成方法によれば、水晶振動素子を搭載したときに水晶振動素子の一方の励振電極112が貫通孔137から露出される構成となっている感応膜形成用ジグ100に水晶振動素子を搭載し、貫通孔137の一方の開口部から水晶振動素子の一方の励振電極112に向かって硬化することで感応膜Kとなる液状材料を滴下して硬化させることで感応膜Kを形成しているので、硬化することで感応膜Kとなる液状材料を貫通孔137の開口部から滴下することで容易に所定の位置に滴下することができ感応膜Kを所定の位置に形成することができる。
このため、感応膜Kが形成されたQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、水晶振動素子の所定の位置、ここでは、一方の励振電極112にのみ感応膜Kが形成されているので、従来の感応膜形成方法と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0087】
また、このような本発明の実施形態に係る感応膜形成方法によれば、水晶振動素子を搭載したときに水晶振動素子の一方の励振電極112が貫通孔137から露出される構成となっている感応膜形成用ジグ100に水晶振動素子を搭載し、貫通孔137の一方の開口部から水晶振動素子の一方の励振電極112に向かって硬化することで感応膜Kとなる液状材料を滴下し硬化させることで感応膜Kを形成しているので、水晶振動素子の一方の励振電極112のみに感応膜Kを形成することができる。
このため、感応膜が形成されたQCMセンサ素子を用いて所定の物質を検出する場合、従来の感応膜形成方法のように一方の引き出し電極113に感応膜Kが形成されないので、従来の感応膜形成方法と比較して所定の物質を検出する検出精度を向上させることができる。
【0088】
また、このような本発明の実施形態に係る感応膜形成方法によれば、保持具120に保持されている水晶振動素子を感応膜形成用ジグ100に搭載したとき、保持具120の脚部123の一部が脚部用凹部空間133内に収納されるので、脚部123の一部が感応膜形成用ジグ100から露出された状態となっており、この状態で感応膜Kを形成することができる。
このため、このような本発明の実施形態に係る感応膜形成方法によれば、硬化することで感応膜Kとなる液状材料を滴下しながら測定することができるので、滴下量を制御することができ、その結果、形成される感応膜Kの厚みを制御することができる。
従って、このような本発明の実施形態に係る感応膜形成方法によれば、感応膜Kの厚みのばらつきを抑えることができ生産性を向上させることができる。
【0089】
なお、第二のジグの第二の環状凸部と水晶振動素子の水晶片とが直接接触している場合について説明しているが、例えば、第二の環状凸部と水晶振動素子の水晶片との間に環状の緩衝部材を配置してもよい。このとき、環状の緩衝部材は、水晶振動素子の他方の励振電極に接触しない構造となっている。
【0090】
また、第二のジグと第一のジグとがネジによって固定されている場合について説明しているが、第一のジグと第二のジグとを固定することができれば、例えば、クリップを用いて固定してもよい。
【0091】
また、第二のジグと第一のジグとがネジによって固定されている場合について説明しているが、第一のジグと第二のジグとを固定することができれば、例えば、第一のジグにかかる重力によって固定してもよい。
【0092】
また、保持されている水晶振動素子に感応膜を形成するジグについて説明しているが、例えば、複数の水晶振動素子を同時に形成できるように複数個連結させてもよい。
【0093】
また、感応膜が所定の液状材料が滴下され硬化することで形成されている場合について説明しているが、所定の他の一つの液状材料を滴下し乾燥させて感応膜を形成してもよい。
【符号の説明】
【0094】
110 水晶振動素子
111 水晶片
112 励振電極
113 引き出し電極
120 保持具
121 基部
122 固定部
123 脚部
K 感応膜
130 第一のジグ
131 第一の環状溝
132 第一の凹部空間
133 脚部用凹部空間
134 第一の基部収納用凹部空間
135 第二の凹部空間
136 第一の環状凸部
137 貫通孔
140 第二のジグ
141 平板部
142 円柱凸部
143 第三の凹部空間
144 第二の環状凸部
145 第二の基部収納用凹部空間
150 第一のOリング
160 第二のOリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の水晶片の両主面に励振電極及び引き出し電極が設けられつつ、直方体形状の基部の所定の一面から2つ一対の固定部が同一方向に延設され前記固定部が延設されている所定の一面に対向する前記基部の面から2つ一対の脚部が前記固定部と反対方向に延設されている保持具に搭載されている水晶振動素子の前記水晶片の一方の主面に設けられている前記励振電極に感応膜を形成する際に用いる感応膜形成用ジグであって、
矩形形状の平板状となっており、一方の主面に第一の環状溝と前記第一の環状溝の内縁側に第一の凹部空間と前記第一の凹部空間から側面にかけて形成されている脚部用凹部空間とが形成され、前記第一の凹部空間の底面に第二の凹部空間及び前記保持具の前記基部の一部を収納することができる第一の基部収納用凹部空間が形成され、前記第二の凹部空間の底面に第一の環状凸部及び前記第一の環状凸部の内縁側に位置しつつ開口部が前記水晶振動素子の前記励振電極と同じ大きさとなっている貫通孔が形成されている第一のジグと、
外径が前記水晶振動素子の前記励振電極より大きく前記水晶振動素子の前記水晶片より小さくなっており、前記第二の凹部空間の底面及び前記第一の環状凸部に接する位置に配置され前記水晶片と前記第二の凹部空間の底面とで挟まれる第一のOリングと、
平板部と両主面が前記第一のジグの前記第一の凹部空間の底面と同じ大きさの円柱凸部とから構成され、前記平板部に接する面に対向する前記円柱凸部の面に第三の凹部空間及び前記保持具の前記基部の一部を収納することができる第二の基部収納用空間が形成され、前記第三の凹部空間の底面に内縁側の縁部の大きさが前記水晶振動素子の前記励振電極と同じ大きさとなっている第二の環状凸部が形成されている第二のジグと、
前記第一のジグの前記第一の環状溝に収納され前記第一のジグと前記第二のジグとではさまれる第二のOリングと、
を備え、
前記第一のジグの前記第一の基部収納用凹部空間に前記保持具の前記基部の一部を収納する際、
前記水晶振動素子の前記励振電極が前記貫通孔の貫通孔と対向する位置し、
前記保持具の前記脚部の一部が前記脚部用凹部空間内に収納され、
前記第二のジグの前記第二の基部収納用凹部空間に前記保持具の前記基部の一部を収納するとき、前記第二の環状凸部が前記水晶振動素子の前記水晶片に接触するように前記第二の環状凸部が形成されており、
前記円柱凸部を前記第一の凹部空間の底面側を向けつつ前記円柱凸部に前記第一の凹部空間をはめ込んだ際、前記第一の環状凸部と前記第二の環状凸部とが対向する位置に位置している
ことを特徴とする感応膜形成用ジグ。
【請求項2】
前記請求項1に記載の感応膜形成用ジグを用い、
前記第二の凹部空間の底面であって前記第一の環状凸部の内縁側に位置するように第一のOリングを搭載する第一のOリング搭載工程と、
前記第一の基部収納用凹部空間内に前記水晶振動素子が搭載されている前記保持具の前記基部の一部を収納しつつ前記第一のジグに搭載されている第一のOリングの内縁側に前記水晶振動素子の前記励振電極が位置するように配置し、前記第二の凹部空間の底面と前記水晶振動素子の前記水晶片とで挟むように前記水晶振動素子を搭載する水晶振動素子搭載工程と、
前記第一のジグの前記第一の環状溝に前記第二のOリングを搭載する第二のOリング搭載工程と、
前記第二のジグの前記円柱凸部を前記第一のジグの前記第一の凹部空間の底面側に向けた状態で前記第一のジグと前記第二のジグとで前記水晶振動素子及び前記第二のOリングとを挟みつつ固定する固定工程と、
前記第一のジグから前記第二のジグに向かう向けで前記第一のジグの前記貫通孔に硬化又は乾燥することで感応膜となる液状材料を滴下する滴下工程と、
前記滴下した液状材料を硬化又は乾燥させ感応膜を形成する感応膜形成工程と、
からなることを特徴とする感応膜形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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