慣性運動装置
調節可能慣性運動装置は、反対巻きのねじ込み部を有する第1及び第2のねじ込み部を備える伸張部材を有する。各々が少なくとも1つのラジアルフランジを有する第1及び第2のナットは、伸張部材の第1及び第2のねじ込み部とそれぞれ回転可能に係合される。スリーブが、第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられる。スリーブは、第1及び第2の軸受けを有する内部穴と、第1及び第2のナットのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを有する。弾性抵抗要素が、第1及び第2のナットと第1及び第2の軸受けとの間に結合する。 第1の方向のスリーブに対する伸張部材の回転によって、ナットが互いから離れて動き、弾性抵抗要素が圧縮される。反対の第2の方向のスリーブに対する伸張部材の回転によって、ナットが互いに向かって動き、且つ弾性抵抗要素を伸張される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の記載は、全般的に、運動器具に関し、より詳細には、上半身を調整するために使用可能な慣性運動装置に関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、「Low−Impact Inertial Exercise Device」と題された2009年7月24日付けで提出の現在係属中の米国特許出願第12/508,921号への優先権を主張する。その内容は、逐語的に明記されたのと同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
在宅用個人向け運動及び体重減少器具は、ますます人気のある消費者製品となっている。 健康クラブの会員権の費用及び健康クラブへ移動するのに必要とされる時間のため、多くの人は在宅での運動を望んでいる。しかし、多くの運動マシンは、非常に高価であり、使用するための専用の領域若しくは部屋及び/又は収納庫を必要とする。こうした理由により、多くの人は、複数の異なる筋肉を運動することが可能な大きな運動マシンを所有することを望まない。
【0004】
大きな家庭用のフィットネスマシンの代用物には、ダンベル等のフリーウェイトが含まれる。ダンベルは、比較的安価であり、且つ使い易いという利点がある。しかし、ダンベルの欠点の1つは、ダンベルが非常に重い場合があるため、使用者が負荷をかけ過ぎ又は使用技術が不十分である場合に、怪我を引き起こし得るということである。更に、各々のダンベルの抵抗量は固定されているので、使用者は、抵抗レベルを変えるために、より重いダンベルと軽いものとを絶えず交換しなければならない。また、多くの異なるダンベル運動があるが、それぞれが多少異なる技術を必要とする。多くの使用者は、全ての異なる潜在的な運動、ましてや各運動に関する適切な技術に気付くことはないであろう。従って、多くの使用者は、単調な同じ運動を何度も繰り返してすることになる。この結果、一部の筋肉を過剰に運動させることになり、他の筋肉は完全に無視されてしまう。
【0005】
従って、使用するのが簡単且つ安全であり、比較的安価であり、使用するための専用の領域又は収納庫を必要とせず、可変の抵抗レベルを使用して複数の異なる筋肉を効果的に運動させる家庭用フィットネス装置が必要とされている。以下に開示される低衝撃性の慣性運動装置の実施形態は、こうした必要性を満たしている。
【発明の概要】
【0006】
請求項に記載された主題の一部の態様の基本的な理解を提供するために、以下の簡略化された概要が提供される。 この概要は、外延的な要約ではなく、主要/重要な要素を特定し又は請求項に記載された主題の範囲を詳述することを意図するものではない。その目的は、後で提示されるより詳細な記載に対する前置きとして簡略的に幾つかの概念を提示することである。
【0007】
開示された実施形態の一態様において、慣性運動装置は、対向する第1及び第2の端部を有する伸張部材と、伸張部材に可動的に結合され且つ伸張部材の第1及び第2の端部の間に配置されるスリーブとを有する。第1の弾性抵抗要素が、伸張部材とスリーブとの間に接続される。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者による律動的な運動によって、伸張部材の第1及び第2の端部がスリーブに対して振動すると、第1の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0008】
第1の弾性抵抗要素は、伸張部材自体に取り付けられてもよい。スリーブは、第1の弾性抵抗要素がスリーブの第1の内部肩部と伸張部材の第1の端部との間に配置されるように、第1の内部肩部を有してもよい。スリーブの第1の内部肩部は、滑り軸受けであってもよく、又はスリーブの内部穴の一部として形成されてもよい。第1の弾性抵抗要素は、バネであってもよく、例えば、伸張部材及びスリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネであってもよい。
【0009】
スリーブは、第1の内部肩部に対向する第2の内部肩部を更に有してもよい。また、運動装置は、伸張部材に取り付けられ且つ第2の内部肩部と伸張部材の第2の端部との間に配置される第2の弾性抵抗要素を有してもよい。その場合、第2の弾性抵抗要素は、第1の弾性抵抗要素が伸張すると圧縮して、第1の弾性抵抗要素が圧縮すると伸張する。
【0010】
運動装置は、伸張部材の第1の端部に取り付けられる第1の重りと、伸張部材の第2の端部に取り付けられる第2の重りとを有してもよい。柔軟性ブーツが、スリーブ及び第1の重りに取り付けられてもよい。この柔軟性ブーツは、第1の弾性抵抗要素を包んでもよい。柔軟性ブーツ、第1の重り、及びスリーブは、伸張部材に沿ったスリーブの使用者による律動的な運動に応じて第1の弾性抵抗要素が圧縮すると、空気ベローズ内の開口から空気を吐き出す空気ベローズを互いに形成してもよい。また、運動装置は、スリーブ及び第2の重りに取り付けられる第2の柔軟性ブーツを有してもよい。第2の柔軟性ブーツは、第2の弾性抵抗要素を包む。伸張部材の中央部は、第1の弾性抵抗要素が伸張部材の外部肩部とスリーブの第1の内部肩部との間に配置されるように、外部肩部を有してもよい。
【0011】
開示された実施形態の別の態様において、慣性運動装置は、中央シャフトによって強固に結合される第1及び第2の末端塊部を有する。第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトは、集合的に慣性を有する。作動スリーブは、中央シャフトの周囲に滑動可能に取り付けられ、第1の周辺肩部を備える内部穴を有する。第1の弾性抵抗要素は、作動スリーブの内部穴の中で中央シャフトに取り付けられ、第1の末端塊部と第1の周辺肩部との間に配置される。第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトは、作動スリーブに対して、第1の弾性抵抗要素が第1の末端塊部及び第1の周辺肩部間で圧縮された第1の位置と、第1の弾性抵抗要素が伸張した第2の位置との間で滑動可能である。第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトの慣性は、慣性運動装置の使用者によって作動スリーブに与えられる交互の律動的線形動作に応答して、第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトに対して作動スリーブを振動させる。
【0012】
また、作動スリーブの内部穴は、第2の周辺肩部を更に有してもよい。また、慣性運動装置は、作動スリーブの内部穴の中で中央シャフトに取り付けられ且つ第2の末端塊部と第2の周辺肩部との間に配置される第2の弾性抵抗要素を有してもよい。その場合、第2の弾性抵抗要素は、第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトが第1の位置にある場合に伸張されて、第2の弾性抵抗要素は、第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトが第2の位置にある場合に第2の末端塊部と第2の周辺肩部との間で圧縮される。
【0013】
第1及び第2の末端塊部は、作動スリーブの内部穴の中に配置されてもよい。また、作動スリーブの第1及び第2の周辺肩部は、作動スリーブの内部穴におけるリッジの対向する面であってもよい。
【0014】
本発明の更に別の態様において、慣性運動装置は、対向する第1及び第2の端部並びに内部穴を備える作動シリンダを有する。少なくとも1つの塊部が、作動シリンダの内部穴に滑動可能に取り付けられる。第1及び第2の弾性抵抗要素は、作動シリンダの内部穴の中に取り付けられて、作動シリンダの端部に向かって少なくとも1つの塊部の動作に抵抗する。少なくとも1つの塊部は、作動シリンダに対して、第1の弾性抵抗要素が圧縮された第1の位置と第1の弾性抵抗要素が伸張された第2の位置との間で滑動可能である。少なくとも1つの塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって作動シリンダに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、作動シリンダに対して少なくとも1つの塊部を振動させる。
【0015】
また、中央シャフトによって少なくとも1つの塊部に強固に接続される第2の塊部を有してもよい。作動シリンダの内部穴は、第1及び第2の周辺肩部を含んでもよい。その場合、第1の弾性抵抗要素は、第1の周辺肩部と少なくとも1つの塊部との間に配置される。また、第2の弾性抵抗要素は、第2の周辺肩部と第2の塊部との間に配置される。少なくとも1つの塊部は、第1の弾性抵抗要素が少なくとも1つの塊部の第1の面と作動シリンダの第1の端部との間に配置されて、第2の弾性抵抗要素が少なくとも1つの塊部の第2の面と作動シリンダの第2の端部との間に配置されるように、第1及び第2の対向する面を有してもよい。
【0016】
別の実施形態では、調節可能運動装置は、対向する第1及び第2の端部並びに対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2のねじ込み部を備える伸張部材を含む。第1のねじ込み部は、右巻きねじ部を有し、第2のねじ込み部は、左巻きねじ部を有する。第1のナットは、伸張部材の第1のねじ込み部と回転可能に係合される。第1のナットは、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。第2のナットは、伸張部材の第2のねじ込み部と回転可能に係合される。また、第2のナットも、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。スリーブは、第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられる。スリーブは、対向する第1及び第2の軸受けを備える内部穴と、第1のナットの少なくとも1つのラジアルフランジ及び第2のナットの少なくとも1つのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを有する。第1の弾性抵抗要素は、第1のナットとスリーブの内部穴の第1の軸受けとの間に結合する。第2の弾性抵抗要素は、第2のナットとスリーブの内部穴の第2の軸受けとの間に結合する。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の振動運動によって、第1及び第2のナット並びに伸張部材に対してスリーブが振動すると、第1及び第2の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0017】
運動装置は、調節可能であってもよい。例えば、第1の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いから離れて動いてもよい。また、反対の第2の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いに向かって動いてもよい。
【0018】
スリーブの内部穴の第1及び第2の軸受けは、内部穴の第1及び第2の内部肩部であってもよい。また、第1及び第2の弾性抵抗要素は、バネであってもよく、それは伸張部材及びスリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネであってもよい。第1の重りは、伸張部材の第1の端部に取り付けられてもよく、第2の重りは、伸張部材の第2の端部に取り付けられてもよい。スリーブは、第1の重りを包む第1の外側部と第2の重りを包む第2の外側部とを含んでもよい。
【0019】
別の実施形態では、運動装置は、対向する第1及び第2の端部並びに対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2のねじ込み部を備える伸張部材を含む。第1のねじ込み部は、右巻きねじ部を有し、第2のねじ込み部は、左巻きねじ部を有する。第1のナットは、伸張部材の第1のねじ込み部と回転可能に係合される。第1のナットは、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。第2のナットは、伸張部材の第2のねじ込み部と回転可能に係合される。また、第2のナットも、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。スリーブは、第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられる。スリーブは、対向する第1及び第2の軸受けを備える内部穴と、第1のナットの少なくとも1つのラジアルフランジ及び第2のナットの少なくとも1つのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを有する。第1の弾性抵抗要素は、第1のナットと伸張部材の第1の端部との間に接続する。また、第2の弾性抵抗要素は、第2ナットと伸張部材の第2の端部との間に接続する。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の振動運動によって、第1及び第2のナット並びに伸張部材に対してスリーブが振動すると、第1及び第2の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。 運動装置は、調節可能であってもよい。例えば、第1の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いから離れて動いてもよい。また、反対の第2の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いに向かって動いてもよい。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の振動運動によって、第1及び第2のナット並びに伸張部材に対してスリーブが振動すると、第1及び第2の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0020】
スリーブの内部穴の第1及び第2の軸受けは、内部穴の第1及び第2の内部肩部であってもよい。第1及び第2の弾性抵抗要素は、バネであってもよく、伸張部材及びスリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネであってもよい。第1の重りは、伸張部材の第1の端部に取り付けられてもよく、第2の重りは、伸張部材の第2の端部に取り付けられてもよい。スリーブは、第1の重りを包む第1の外側部と第2の重りを包む第2の外側部とを含んでもよい。
【0021】
更に別の実施形態では、慣性運動装置は、伸張中央シャフトの対向する端部に取り付けられる1組のハンドルを備える伸張中央シャフトを含む。 1組の肩部が、各ハンドルに隣接して伸張中央シャフトに取り付けられる。1組の肩部の間において伸張中央シャフトに塊部が滑動可能に取り付けられる。1組の弾性抵抗要素が、塊部と各肩部との間において伸張中央シャフトに取り付けられる。塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって中央シャフトに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、中央シャフトに対して塊を振動させる。
【0022】
上述の及び関連する目的を達成するために、以下の記載及び添付の図面に関連して、所定の例示の態様が本明細書に記載される。しかしながら、こうした態様は、請求項に記載した主題の原理が採用され且つ請求項に記載した主題が全てのこのような態様及びその均等物を含むことが意図されている様々な方法の一部の暗示に過ぎない。他の利点及び新規な特徴は、図面と共に考慮すれば以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】慣性運動装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の慣性運動装置の使用時の図である。
【図3】図1の慣性運動装置の分解図である。
【図4】作動スリーブが末端塊部から離れている図1の慣性運動装置の一端の断面図である。
【図5】作動スリーブが末端塊部に隣接している図1の慣性運動装置の一端の断面図である。
【図6】慣性運動装置の代替実施形態の切断図である。
【図7】作動スリーブが末端塊部に隣接している図6の慣性運動装置の断面図である。
【図8】慣性運動装置の別の代替実施形態の断面図である。
【図9】弾性抵抗要素の1つが圧縮されている図8の慣性運動装置の断面図である。
【図10】慣性運動装置の更に別の代替実施形態の断面図である。
【図11】弾性抵抗要素の1つが圧縮されている図10の慣性運動装置の断面図である。
【図12】慣性運動装置を使用する側側運動及び標準的な腹筋運動の間の合計筋肉活動の比較を示すグラフである。
【図13】慣性運動装置で及び標準的なダンベルでの二頭筋カールの間の合計筋肉活動の比較を示すグラフである。
【図14】慣性運動装置を使用する三頭筋反復及び標準的なダンベルの三頭筋伸張の間の合計筋肉活動の比較を示すグラフである。
【図15】伸張された中立構成で示される調節可能慣性運動装置の一実施形態の断面図である。
【図16】一端においてスリーブ運動の伸張構成で示される図15の調節可能慣性運動装置の断面図である。
【図17】圧縮された中立位置で示される図15の調節可能慣性運動装置の断面図である。
【図18】一端においてスリーブ運動の圧縮構成で示される図17の調節可能慣性運動装置の断面図である。
【図19】図15−18の調節可能慣性運動装置のハンドル、伸張部材、及び調節可能ナットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
開示された実施形態の一態様において、慣性運動装置は、対向する第1及び第2の端部を有する伸張部材と、伸張部材に可動的に結合され且つ伸張部材の第1及び第2の端部の間に配置されるスリーブとを有する。 第1の弾性抵抗要素が、伸張部材とスリーブとの間に接続される。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の律動的な運動によって、伸張部材の第1及び第2の端部がスリーブに対して振動すると、第1の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0025】
図1は、慣性運動装置10の一実施形態の斜視図の例示である。この実施形態において、運動装置10は、ダンベルの一般的な形状であり、中央作動スリーブ12及び作動スリーブ12に可動的に結合される対向する末端塊部14を有する。柔軟性ブーツ16が、作動スリーブ12と末端塊部14との間に伸張し、作動スリーブ12を末端塊部14に機能的に結合する内部要素(以下で検討される)を隠す役割を果たす。作動スリーブ12は、片手若しくは両手で、又は体の別の部分で慣性運動装置10を使用者が握り又は保持することが出来るように設けられる。作動スリーブ12、末端塊部14、及び柔軟性ブーツ16の実際の形状又は外形は、設計の好みにより変更されてもよい。従って、慣性運動装置10の形状及び外見への修正又は変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われてもよい。例えば、把持部12は、サイズがより細くてもよく、慣性運動装置10の縦軸18に対して横断的に形成され又は方向付けられてもよい。同様に、慣性運動装置10は、必ずしもダンベルのように形成されず、例えば、直線的シリンダ状シャフトであってもよい。
【0026】
慣性運動装置10は、末端塊部14に対して作動スリーブ12の制限的な独立運動をもたらすように考案されてもよい。即ち、動作時に、使用者が作動スリーブ12を握り又は保持して、図2に示されるように主として縦軸18に沿って慣性運動装置10を「振動」させる。 末端塊部14は作動スリーブ12に対して強固に固定されず、それに対して可動式であるので、末端塊部14は、作動スリーブ12の動作との時間同期から外れるであろう。言い換えれば、末端塊部14の慣性によって、それらは、使用者が縦軸18に沿った一方向に作動スリーブ12を急速に動かした後に、最初は静止状態に留まろうとするであろう。結果的に、末端塊部14は、作動スリーブ12の初期運動と同じ方向に動くが、使用者は、その後、縦軸18に沿った反対方向に作動スリーブ12を急速に動かす。末端塊部14の慣性によって、それらは、使用者が作動スリーブ12を反対方向に急速に動かした後でも、初期の方向で動作状態に留まろうとするであろう。結果的に、末端塊部14は、作動スリーブ12の第2の運動に応答して、反対方向に動き始める。よって、使用者は縦軸18に沿って作動スリーブ12を律動的に動かし又は振動させるために、末端塊部14の慣性を克服しなければならない。末端塊部14の慣性に対するこの持続的な戦いによって、使用者は、末端塊部14の質量が従来のダンベルのものより遥かに小さくても、作動スリーブ12を動かすために使用される筋肉を活発に運動させることが出来る。
【0027】
図3は、慣性運動装置10の一方の端部の分解図を示す。慣性運動装置10は、好ましくは、慣性運動装置10の他方の端部(図示せず)が実質的に同じ構造からなるように、略対称的である。作動スリーブ12は、中央シャフト20のような伸張部材に滑動的又は伸縮自在に取り付けられる。よって、作動スリーブ12は、中央シャフト20に沿って前後に自由に滑動する。中央シャフト20に沿った作動スリーブ12の滑動の動作を支援するために、滑り軸受け24が作動スリーブ12の内部穴の中に圧入される。従って、この実施形態では、作動スリーブ12の内部穴は、中央シャフト20に直接的には接触せずに、滑り軸受け24によってその上に滑動的に支持される。滑り軸受け24は、本実施形態では中央シャフト20に同軸で取り付けられる螺旋バネである弾性抵抗要素30の一端を支持する周辺フランジ又は肩部25を有する。
【0028】
末端塊部14は、末端塊部14が中央シャフト20に対して動くことが出来ないように中央シャフト20に強固に取り付けられる。末端塊部14の容積は、内蓋51と外蓋54との間に挟まれる環状慣性塊部52によって提供される。外蓋54は、中央シャフト20を受け入れる管状突起55を有する。また、外蓋54は、末端塊部14が組み立てられると、内蓋51における開口64と係合する1つ以上のタブ56を有する。最後に、外蓋54は、締め具57を受け入れるために1つ以上の開口66を有する。
【0029】
1つ以上のねじ込み開口60を有する支持円板53が、管状突起55上に取り付けられる。支持円板53は、少なくとも2つの目的を果たす。第1に、それは、弾性抵抗要素30が滑り軸受け24と支持円板53との間で圧縮され得るように、弾性抵抗要素30の外側端部に対する支持面をもたらす。第2に、支持円板53は、末端塊部14の様々な構成要素を互いに固定するために使用される。締め具57が外蓋54の開口66を通じて支持円板53のねじ込み開口60の中に挿入されると、支持円板53が慣性塊部52を間に挟んで内蓋51を外蓋54に固定するように、支持円板53は、内蓋51の周辺フランジ62上に配置される。
【0030】
締め具58は、外蓋54における管状突起55を通過して、中央シャフト20の端部における開口と係合することにより、末端塊部14を中央シャフト20に強固に固定する。最後に、端蓋59が、締め具57を隠すために外蓋54に圧入される。慣性塊部52の外面は、内蓋51及び外蓋54の周辺端部と略面一であってもよく、端蓋59は外蓋54の外面と略面一であってもよいので、末端塊部14には、円滑で流線型の外観がもたらされ得る。
【0031】
また、各末端塊部14と作動スリーブ12の各端部との間に柔軟性ブーツ16が、慣性運動装置10の審美的な魅力を増す。各末端塊部14、柔軟性ブーツ16及び作動スリーブ12の端部は、集合的に空気ベローズを互いに形成する。作動スリーブ12が末端塊部14に向かって移動するので、柔軟性ブーツ16によって囲まれる空気は、1つ以上の開口から排出される。この開口は、柔軟性ブーツ16の中又は末端塊部14の中にあってもよい。このように形成された空気ベローズは、作動スリーブ12が中央シャフト20に対して振動すると開口を出入りする空気の特徴的な音を作る役割、及び作動スリーブ12の端部と各末端塊部14との間における各々の衝突を部分的に和らげる役割をも果たす。言い換えれば、空気ベローズは、作動スリーブ12の端部が末端塊部14に「衝突」して耳障りで場合によって不愉快な音が出ることを防いで、代わりに衝突を和らげて、「吐息」又は「歯擦」音を出す。柔軟性ブーツ16の外観及び柔軟性ブーツ16の内包物によって可能にされる出入りする空気音は共に、慣性運動装置10の審美的に魅力的な特徴である。更に、作動スリーブ12と末端塊部14との間の各衝突を和らげることにより、慣性運動装置10における摩損が減らされる。
【0032】
図4及び5に示されるように、慣性運動装置10の作動スリーブ12は、2つの端部位置の間を移動可能である。図4及び5に示される第1の末端位置において、作動スリーブ12は、第1の末端塊部14aから最大距離にあり、第1の弾性抵抗要素30aが伸張される。また、この第1の末端位置において、作動スリーブ12は、第2の末端塊部14bから最小距離にあり、第2の滑り軸受け24bと第2の支持円板53bとの間で完全に圧縮される。
【0033】
第2の末端位置において、作動スリーブ12は、第1の末端塊部14aから最小距離にあり、第1の弾性抵抗要素30aは第1の滑り軸受け24aと第1の支持円板53aとの間で完全に圧縮される。同時に、作動スリーブ12は、第2の末端塊部14bから最大距離にあり、第2の弾性抵抗要素30bが伸張される。従って、作動スリーブ12の第1及び第2の末端位置は、単純に互いの逆である。即ち、作動スリーブ12が第1の末端塊部14aに最も近づく場合に(即ち、第2の末端位置)、第1の弾性抵抗要素30aは圧縮され、作動スリーブ12が第2の末端塊部14bに最も近づく場合に(即ち、第1の末端位置)、第2の弾性抵抗要素30bは圧縮されて、第1の弾性抵抗要素30aは伸張される。作動スリーブ12は、こうした第1及び第2の末端位置の間で中央シャフト20に沿って滑動可能である。
【0034】
弾性抵抗要素30は滑り軸受け24と支持円板53との間で圧縮されるように示されるが、多くの代替的な設計が可能である。例えば、滑り軸受け24は完全に取り除かれて、弾性抵抗要素30が作動スリーブ12における肩部13によって支持されてもよい。肩部13は、弾性抵抗要素30が肩部13に接触することにより末端塊部14に向かう作動スリーブ12の移動に抵抗するように、弾性抵抗要素30よりも小さな直径の作動スリーブ12の内側穴の領域である。代替的に、滑り軸受け24は、作動スリーブ12と一体的に形成されてもよい。更に、支持円板53は取り除かれて、弾性抵抗要素30が外蓋54に対して圧縮されてもよい。代替的に、支持円板53は、中央シャフト20の端部に一体的に形成され又は取り付けられるフランジによって置換されてもよい。
【0035】
図6及び7に慣性運動装置の別の実施形態が示される。この実施形態では、慣性運動装置100は、中央シャフト120に滑動的に取り付けられる作動スリーブ112を有する。末端塊部114a及び114bは、作動スリーブ112が中央シャフト120及び末端塊部114a及び114bに対して可動的であるように、中央シャフト120の端部に強固に固定される。弾性抵抗要素130a及び130bは、作動スリーブ112の内部穴115内の中央シャフト120に取り付けられる。作動スリーブ112の内部穴115は、弾性抵抗要素130の端部に接触する第1及び第2の周辺肩部113を有する。第1及び第2の周辺肩部113は、内部穴115に形成される1つのリッジ111の対向する面であってもよいが、内部穴115に形成される2つの分かれたリッジ又は突起の表面であってもよい。図6では、作動スリーブ112は、その中立位置で示されており、末端塊部114a及び114bの間で中心に置かれている。
【0036】
滑り軸受け124a及び124bは、中央シャフト120に取り付けられて、中央シャフト120に沿った作動スリーブ112の滑動又は伸縮自在運動を支援する。滑り軸受け124a及び124bは、慣性運動装置100が使用者によって使用される場合に、作動スリーブ112が滑り軸受け124a及び124bに対して移動するように、中央シャフト120に固定的に固定される。従って、作動スリーブ112は、作動スリーブ112が中央シャフト120に沿って前後に滑動すると、滑り軸受け124a及び124bを収容するために、内側穴115の両端にチャンバ117を有する。よって、作動スリーブ112が使用者によって末端塊部114aから離れて且つ末端塊部114bに向かって滑動されると、第2の弾性抵抗要素130bは、第2の周辺肩部113bと第2の滑り軸受け124bとの間で圧縮されることで、作動スリーブ112の動作に抵抗する。作動スリーブ112が末端塊部114bに向かう移動限度に到達すると、図7に示されるように、滑り軸受け124bがチャンバ117の内側端部にあることが見て取れる。同様に、作動スリーブ112が末端塊部114aに向かって滑動するように使用者が作動スリーブ112の動作を逆転する場合、第1の弾性抵抗要素130aは、第1の周辺肩部113aと第1の滑り軸受け124aとの間で圧縮されるので、作動スリーブ112のこのような動作に抵抗する。
【0037】
慣性運動装置100は、末端塊部114a及び114bと作動スリーブ112の各端部との間に伸張する柔軟性ブーツ116を有する。各末端塊部114a及び114b、柔軟性ブーツ116及び作動スリーブ112の端部は、集合的に空気ベローズを互いに形成する。この空気ベローズの機能及び特徴は、先に開示された実施形態に関連して検討された空気ベローズに類似している。作動スリーブ112が中央シャフト120並びに末端塊部114a及び114bに対して振動すると、柔軟性ブーツ116によって囲まれた空気は、空気ベローズにおける開口の内外に排出される。このように形成された空気ベローズは、開口から出る空気の特徴的な音を作る役割、及び作動スリーブ112の端部と末端塊部114との間における各々の衝突を部分的に和らげる役割も果たす。
【0038】
慣性運動装置の他の実施形態は、従来のダンベルの形状である必要は必ずしもないことが理解されるべきである。例えば、図8及び9に示されるように、慣性運動装置200は、シリンダの形状である。作動スリーブ又はシリンダ212は、第1及び第2の周辺肩部213を形成する少なくとも1つの中央リッジ211を有する中空シリンダである。中央シャフト220は、末端塊部214を互いに強固に接続する。末端塊部214及び中央シャフト220が作動スリーブ212内の端から端へと伸縮自在に動くことが出来るように、末端塊部214は、作動スリーブ212内に滑動可能に収容される。しかしながら、この動作は、作動スリーブ212内の中央シャフト220に取り付けられる第1及び第2の弾性抵抗要素230によって抵抗される。各弾性抵抗要素の内側端部は、周辺肩部213に対して固定される。
【0039】
従って、使用者が縦軸218に沿った一方向に作動スリーブを素早く動かすと、末端塊部214及び中央シャフト220の慣性によって、弾性抵抗要素230は周辺肩部213と末端塊部214との間で圧縮されるであろう。言い換えれば、使用者が縦軸218に沿って作動スリーブ212を素早く加速する場合、末端塊部214及び中央シャフト220の慣性によって、それらは作動スリーブ212に対して最初は静止状態に留まるであろう。作動スリーブ212と末端塊部214との間のこの相対運動によって、弾性抵抗要素230の一方が圧縮される。使用者が縦軸218に沿って作動スリーブ212を振動させると、各弾性抵抗要素30は交互に順番に圧縮される。図8は、静止状態にある慣性運動装置200を示し、図9は、使用者が縦軸218に沿って慣性運動装置200を素早く動かした後で、弾性抵抗要素230の一方が圧縮された慣性運動装置200を示す。こうした図面に示されてはいないが、作動スリーブ212の外面は、慣性運動装置200が使用者の手から滑ることを防ぐのに役立つ窪み又は突起のような把持機能を有してもよい。
【0040】
図8及び9に示される実施形態において、作動スリーブ212は、一方又は両方の端部において開放端部となっていてもよい。その場合、末端塊部214は、作動スリーブ212内で振動すると、作動スリーブ212の開放端部から部分的に突出してもよい。
【0041】
図10及び11に別のシリンダ形状の慣性運動装置が示される。慣性運動装置300は、同様に、第1及び第2の周辺肩部313を形成する中央リッジ311を有し得る中空シリンダである作動スリーブ又はシリンダ312を有する。しかしながら、この実施形態では、中央リッジ311及び周辺肩部313は、以前の実施形態とは異なり、弾性抵抗要素330を固定する必要がないので、完全に取り除かれてもよい。末端塊部314及び中央シャフト320が作動スリーブ312内の端から端へと伸縮自在に動くことが出来るように、末端塊部314は、作動スリーブ312内に滑動可能に収容される。しかしながら、この動作は、作動スリーブ312内に取り付けられ且つ末端塊部314と作動スリーブ312の端部との間に配置される第1及び第2の弾性抵抗要素330によって抵抗される。
【0042】
従って、使用者が縦軸318に沿った一方向に作動スリーブを素早く動かすと、末端塊部314及び中央シャフト320の慣性によって、弾性抵抗要素330は作動スリーブ312と末端塊部314の外面との間で圧縮されるであろう。言い換えれば、使用者が縦軸318に沿って作動スリーブ312を素早く加速する場合、末端塊部314及び中央シャフト320の慣性によって、それらは作動スリーブ312に対して最初は静止状態に留まるであろう。作動スリーブ312と末端塊部314との間のこの相対運動によって、弾性抵抗要素330の一方が圧縮される。使用者が縦軸318に沿って作動スリーブ312を振動させると、各弾性抵抗要素330は交互に順番に圧縮される。 図10は、静止状態にある慣性運動装置300を示し、図11は、使用者が縦軸318に沿って慣性運動装置300を素早く動かした後で、弾性抵抗要素330の一方が圧縮された慣性運動装置300を示す。こうした図面に示されてはいないが、作動スリーブ312の外面は、慣性運動装置300が使用者の手から滑ることを防ぐのに役立つ窪み又は突起のような把持機能を有してもよい。
【0043】
この実施形態の変形は、強固に互いに接続される2つの末端塊部ではなく単一の慣性要素(例えば、塊部)を使用することである。例えば、末端塊部314及び中央シャフト320は、ピストンによく似た作動スリーブ312に滑動可能に配置される単一のシリンダ状塊部又は小塊部によって完全に置換されてもよい。使用者が縦軸318に沿って作動スリーブ312を振動させると、小塊部は、その外面と作動スリーブ312の端部との間で各弾性抵抗要素330を交互に圧縮する。
【0044】
上記の実施形態は一般的な形状のダンベル又はシリンダのいずれかであるが、慣性運動装置の厳密な形状は重要ではない。例えば、作動スリーブ及び/又は末端塊部の断面は、円形でなくてもよいばかりか、6角形のような多角形であってもよい。更に、慣性運動装置は、片手だけで使用される小さなサイズ、又は両手で使用されるより大きなサイズを含む多様なサイズで行われてもよい。例えば、慣性運動装置は、1.5インチの外径の作動スリーブ及び3.5インチの直径、1.5インチの厚みの末端塊部を有する約12インチの長さであってもよい。 中央シャフト及び末端塊部に対する作動スリーブの合計の縦方向の運動は、約1.75インチ、又は慣性運動装置の合計長の約15%であってもよい。こうした寸法は、慣性運動装置の可能なサイズの単なる一例であり、何か制限するものと考えられるべきではない。
【0045】
慣性運動装置を製造するために使用される材料も、同様に重要ではない。作動スリーブは樹脂であってもよく、中央シャフトは金属であってもよいが、どのような材料が使用されてもよい。末端塊部は、一般には、装置の慣性を増加させるために金属の慣性塊部を有するが、任意の相対的に高密度の金属が慣性塊部に対して使用されてもよい。弾性抵抗要素は、金属又はエラストマーバネ又はクッションであってもよい。弾性抵抗要素のバネ定数は、重要ではなく、使用される末端塊部の質量に依存する。例えば、2.5ポンドの末端塊部に対して、弾性抵抗要素のバネ定数は、約10lbs/inであってもよい。
【0046】
開示された慣性運動装置の主要な利点の一つは、ユーザが重量のある重りを使わなくても活発に筋肉を運動させることが出来ることである。使用される末端塊部は、それぞれ1又は2ポンド程度の小さなものであってもよいが、縦軸に沿って装置を素早く振動させることにより、使用者は、末端塊部の慣性及び弾性抵抗要素の抵抗と絶えず戦っている。更に、慣性運動装置は、標準のダンベルで可能なよりも遥かに多くの筋肉を一度に運動させるために使用され得る。例えば、縦軸に沿って及び使用者の肩に実質的に平行に慣性運動装置を振動させる使用者は、腕、肩、胸及び腹部の筋肉を同時に運動させるであろう。
【0047】
図15−19に慣性運動装置の別の実施形態が示される。調節可能慣性運動装置400は、図6に示される慣性運動装置100と殆どの点で実質的に同じである。更に、慣性運動装置10又は慣性運動装置100の任意の特徴が調節可能慣性運動装置400に組み込まれ得ることが理解されるべきである。例えば、末端塊部の構成(図3に最良に示される)が、調節可能運動装置400に組み込まれてもよい。調節可能慣性運動装置400と慣性運動装置10及び100との主要な相違点は、調節可能慣性運動装置400が弾性抵抗要素430によってもたらされる抵抗量をユーザに変化させることが出来る点である。
【0048】
図15及び16は、第1の、伸張構成における調節可能慣性運動装置を示す。「伸張構成」によって、弾性抵抗要素430は、慣性運動装置が中立又は静止状態の場合(即ち、図15に示されるように、作動スリーブ412が中間にあって、片側に押されていない場合)、最大可能長にあることが意図される。この伸張構成は、中央シャフト420に作動スリーブ412が滑動可能に取り付けられる伸張部材にねじ込み可能に取り付けられる調節ナット424によって可能になる。中央シャフト420は、各調節可能ナット424がねじ込み式に係合される2つのねじ込み部421を備える。第1の調節可能ナット424Aは、右巻きねじ部を備える第1のねじ込み部421Aとねじ込み式に係合される。第2の調節可能ナット424Bは、左巻きねじ部を備える第2のねじ込み部421Bとねじ込み式に係合される。第1及び第2のねじ込み部421A及び421Bの「反対側」のねじ部によって、所与のナットが、ねじ込み部421A及び421B上で同じ方向に回転されると、反対方向に移動することに留意するべきである。
【0049】
調節可能ナット424、中央シャフト420及び作動スリーブ412の関係を良好に理解するために、図19に示される1つの調節可能ナット424の横断面図を観察することが有益である。調節可能ナット424は、中央シャフト420とねじ込み式に係合される。調節可能ナット424は、調節可能ナット424の表面から放射状に離れて伸張する少なくとも1つのラジアルフランジ425を有する。慣性運動装置10及び100の構成と同様に、作動スリーブ412は、調節可能ナット424及び中央シャフト420上に滑動可能に取り付けられる。しかしながら、この実施形態では、作動スリーブ412は、少なくとも1つの縦溝427を含む内部穴を有する。図19に例示される実施形態では、調節可能ナット424は、2つのラジアルフランジ425を有し、作動スリーブ412は、各々がラジアルフランジ425の一方と滑動可能に係合される2つの縦溝を有する。よって、ラジアルフランジ425の縦溝427との係合は、調節可能ナット424と作動スリーブ412とが調和して回転することを要求することが見て取れる。言い換えれば、作動スリーブ412が中央シャフト420に対して回転される場合、縦溝427がラジアルフランジ425に対して回転力を及ぼすので、調節可能ナット424は、作動スリーブ412と調和して回転させられる。
【0050】
図16に戻ると、図15に対して、作動スリーブ412は、中央シャフト420に沿って移動されたことで、弾性抵抗要素424Bを圧縮することが見て取れる。中央シャフト420に沿った作動スリーブ412のこの移動は、慣性運動装置100を参照して先に記載されたものと実質的に同じである。作動スリーブ412が使用者によって末端塊部414Aから離れて且つ末端塊部414Bに向かって滑動されると、第2の弾性抵抗要素430Bは、周辺肩部413と第2の調節可能ナット424Bとの間で圧縮されることで、作動スリーブ112の動作に抵抗する。同様に、作動スリーブ412が末端塊部414Aに向かって滑動するように使用者が作動スリーブ412の動作を逆転する場合、第1の弾性抵抗要素430Aは、第1の周辺肩部413Aと第1の調節可能ナット424Aとの間で圧縮されるので、作動スリーブ112のこのような動作に抵抗する。 第1の末端塊部414A及び第2の末端塊部414Bに向かって交互に中央シャフト420に沿って作動スリーブ412を律動的に滑動させることで、使用者は、末端塊部414の慣性及び弾性抵抗要素430の抵抗を絶え間なく克服しなければならない。
【0051】
しかしながら、この実施形態では、調節可能ナット424の位置を調節することにより運動をより困難にすることが出来る。この調節を行うために、使用者は、作動スリーブ412及び末端塊部414の一方(中央シャフト420に強固に取り付けられる)を握って、互いに対してその二つを回転させる。上記のように、調節可能ナット424は、ラジアルフランジ425の縦溝427との係合により、作動スリーブ412と調和して回転しなければならない。 従って、使用者が末端塊部414及び中央シャフト420に対して作動スリーブ412を回転させると、調節可能ナット424は、中央シャフト420の各々のねじ込み部に沿って互いに向かって移動するであろう。調節可能ナット424が互いに向かって移動すると、弾性抵抗要素430は、図17に示されるように、調節可能ナット424と内部周辺肩部413との間で圧縮される。図17における調節可能慣性運動装置400Aと図15における調節可能慣性運動装置400との比較は例示である。双方の装置400及び400Aは静止状態で示されるが、弾性抵抗要素430は、調節可能慣性運動装置400Aにおけるよりも調節可能慣性運動装置400においてより長いことが見て取れる。
【0052】
よって、調節可能慣性運動装置400は、使用者に可変量の抵抗を提供する。フックの法則によれば、バネを圧縮するために必要とされる力は、中立状態からのバネの移動のバネ定数倍に比例する(F=kx)。弾性抵抗要素430が調節可能慣性運動装置400の構成におけるよりも調節可能慣性運動装置400Aの構成において静止状態でより圧縮されるので(即ち、中立状態から更に移動される)、使用者は、調節可能慣性運動装置400において作動スリーブ412の律動的振動を開始するために要求されるよりも、調節可能慣性運動装置400Aにおいて作動スリーブ412の律動的振動を開始するためにより大きな力を用いることが要求される。更に、(図16−図18を比べると)より短い距離で弾性抵抗要素430が内部周辺肩部413と調節可能ナット424との間で完全に圧縮されるので、中央シャフト420に沿った作動スリーブ412の合計移動長は、調節可能慣性運動装置400の構成におけるよりも調節可能慣性運動装置400Aの構成においてより短いことが見て取れる。これは、調節可能慣性運動装置400Aにおけるより圧縮された弾性抵抗要素430によって初期に増加された抵抗を克服することに加えて、使用者はまた、中央シャフト420に沿って作動スリーブ412のより短い合計移動長によってより素早く作動スリーブ412を振動させなければならないことを意味する。
【0053】
図15−18は調節可能ナット424と内部周辺肩部413との間に配置される弾性抵抗要素430を示すが、弾性抵抗要素430は、慣性運動装置10の構成に類似した方式で、調節可能ナット424と末端塊部414との間に配置され得ることも考えられることに留意するべきである。この構成では、弾性抵抗要素430によってもたらされる初期抵抗を増加するために、使用者は、調節可能ナット424が互いから離れて移動して、むしろ弾性抵抗要素430が静止状態においてより圧縮されるように、中央シャフト420に対して作動スリーブ412を回転させる。いずれの構成においても、使用者は、調節可能ナット424が静止状態において特定の運動に対して使用者が望む正確な量だけ弾性抵抗要素430を圧縮するまで、中央シャフト420に対して作動スリーブ412を回転させることにより抵抗を変化させることが出来る。
【0054】
図20に慣性運動装置の別の実施形態が示される。慣性運動装置500は、伸張中央シャフト520の対向端部に取り付けられる一組のハンドル502を有する。塊部514が、ハンドル502の間に中央シャフト520上に滑動可能に取り付けられる。塊部514は、ハンドル502に隣接して中央シャフト520に取り付けられる肩部513の間で滑動可能である。肩部513は、ハンドル502と一体的に形成されてもよく、又は中央シャフト520に取り付けられる別個の構成部品であってもよい。弾性抵抗要素530が、中央シャフト520に沿って塊部514が滑動する動作に抵抗する。弾性抵抗要素530は、中央シャフト520上に取り付けられるシリンダ状螺旋バネであってもよい。
【0055】
慣性運動装置500を使用するために、使用者は、それぞれの手で1つのハンドル502を握って、中央シャフト520の縦軸に沿った交互方向に慣性運動装置500を素早く動かし始める。この急速な交互の運動によって、塊部514は、弾性抵抗要素530によりその動作が抵抗されつつ、肩部513の間で前後に振動し始める。よって、慣性運動装置500を使用するために、使用者は、塊部514の慣性及び弾性抵抗要素530の抵抗の双方を克服しなければならない。一部の実施形態では、ハンドル502及び/又は肩部513は、中央シャフト520の中心に向かって又は中心から離れて移動され得るように、中央シャフト520にねじ込み式で取り付けられてもよい。肩部513及び/又はハンドル502のこの動作が、塊部514の合計移動長及び弾性抵抗要素530の合計圧縮距離を増加又は減少させる効果を有するであろうことが理解される。言い換えれば、慣性運動装置500は、一部の実施形態において調節可能な抵抗を提供してもよい。
【0056】
また、先述のいずれの実施形態における弾性抵抗要素も、バネを圧縮するために要求される力がバネの圧縮距離に直接比例する、即ちフックの法則に従うシリンダ状螺旋バネであり得ることにも留意するべきである。これは、開示された実施形態に対する限定として取られるべきではないが、圧縮距離に直接比例する圧縮力を必ずしも要求しない円錐バネのような他の可能な弾性抵抗要素との相違点である。フックの法則に従うシリンダ状螺旋バネを使用することにより、末端塊部に対する作動スリーブの律動的振動の特性が改善される。円錐バネを用いると、バネを圧縮するために要求される力の量はバネが圧縮される距離に比例しなくてもよいが(従って、振動は律動性がより少なくなり且つより不均等になる)、シリンダ状螺旋バネを用いると、力が圧縮に比例するので、より律動的な振動が可能になる。
【0057】
(実例)
開示された慣性運動装置による利益が、合計で20人の被験者(男12人、女8人)の調査で実証された。 被験者の平均年齢は、25.6歳(標準偏差=4.1歳)であり、最年少が21歳で、最年長が31歳であった。全ての被験者は、比較的健康であり、比較的壮健であった。殆どは、何らかの形態の心血管運動プログラム及び/又は筋力訓練プログラムに参加した。
【0058】
被験者には、低衝撃慣性運動装置(以下、「Shake Weight」又は「SW」と呼ぶ)の視覚的実演を与えられた。更に、被験者には、装置との適切な位置決め及び装置の動作範囲での十分な快適性を確実にするため、SWを用いた練習時間が5−10分与えられた。SWに慣れると、被験者は、以下の筋肉の部位に節電図(EMG)電極を装着された。すなわち、外腹斜筋(腹部)、大胸筋(胸部)、中部三角筋(肩部)、上腕二等筋(上腕、前方)、上部僧帽筋及び中部僧帽筋(肩帯)、胸部脊柱起立筋(背中)、及び中央三等筋(上腕、後方)である。接地電極は、上前腸骨棘に設置された。全てのEMG電極は、体の右側に設置された。
【0059】
被験者は、標準的な腹筋及び腕立て伏せのルーチンを行うだけでなく、SW及びダンベルを用いて、12の異なる運動ルーチンを遂行した。このルーチンには以下が含まれる。
【0060】
1 SW 二等筋 シェイク
2 SW 二等筋 完全反復
3 SW 三頭筋 シェイク
4 SW 三等筋 完全反復
5 SW プッシュプル
6 SW ツイスト 側側
7 ダンベル 三頭筋 カール
8 ダンベル 三頭筋 伸張
9 ダンベル 片腕 漕ぐ (前屈)
10 ダンベル 横方向フライ 起立
11 標準 床腹筋運動
12 標準 腕立て伏せ
【0061】
全てのダンベルのルーチンは、6秒反復の均一のペースで行われた。 ペースは、3秒ごとに可聴ビープ音を提供する聴覚メトロノームを使用して維持された。被験者は、ビープ音で方向を変更して、一定の流れる動作を維持するように指示された。被験者は、ダンベルのルーチン並びに腹筋及び腕立て伏せのルーチンの各々について約5回の反復を遂行した。ルーチンの間に60秒の休憩が設けられた。SWのルーチンは、第1、3、5及び6番のルーチンで約6秒間行われた。第2及び4番(SWでの完全反復)のルーチンに対して、被験者は、2度の完全な反復を遂行した。
【0062】
単一の完全な反復に基づいて及び全ての8つの筋肉の総和に基づいて、EMGの合計面積(筋作業の推定値である)が12の運動ルーチンの各々について推定された。面積は、標準の運動の各々について完全な反復を遂行するために確立された時間である6秒に基づく。同じ時間正規化がSW運動について確立された。
【0063】
全てのSWルーチンは、標準的な運動(即ち、ダンベル運動、腹筋運動、腕立てルーチン)のいずれと比べても著しく大きな作業(EMG面積)をもたらした。
【0064】
表1は、12の運動ルーチンの各々についてEMGの平均面積を提供する。この面積は、全ての試験された筋肉の合計である。例えば、ダンベルカール(DBカール)に関する合計面積は、1209.02マイクロボルト秒(μv・s)であり、シェイクウェイト二等筋カール(SW二等筋カール)の単一の反復に関する合計面積は、5004.54μv・sであった。SWは、標準のダンベルカールと比較して、合計筋作業の量の4倍以上(全ての筋肉の総計して)をもたらした。
【0065】
表1 12の運動状態の各々に関する平均(μv・s)及び標準偏差は、全ての8つの筋肉にわたって合計された。
【表1】
【0066】
運動ルーチンに関わらず、SWルーチンは、標準の運動(p<0.05)と比較すると、各筋肉に対して著しく大きな運動単位動員(motor unit recruitment)(EMG)及び作業(面積)を一貫してもたらした。
【0067】
図12は、慣性運動装置を使用する側側運動及び標準的な腹筋運動の間の合計筋肉活動の比較を示す。全ての筋肉についての平均EMG測定値は、慣性運動装置の側側ひねりについて1120μvであり、腹筋運動について178μvであった。
【0068】
図13は、慣性運動装置で及び標準的なダンベルでの二頭筋カールの間の合計筋肉活動の比較を示す。全ての筋肉についての平均EMG測定値は、慣性運動装置の二等筋カールについて1167μvであり、標準のダンベル二等筋カールについて933μvであった。
【0069】
図14は、慣性運動装置を使用する三頭筋反復及び標準的なダンベルの三頭筋伸張の間の合計筋肉活動の比較を示す。全ての筋肉についての平均EMG測定値は、慣性運動装置の三頭筋反復について1123μvであり、標準のダンベルの三頭筋伸張について388μvであった。
【0070】
このように、慣性運動装置が、こうした標準のダンベル運動に対して著しい改善であることが明確に見て取られる。より多くの筋肉が各ルーチンで運動されるだけでなく、こうした筋肉はより大きな活動を有する。
【0071】
先に記載されていることは、1つ以上の実施形態の例示を含んでいる。勿論、先述の実施形態を説明する目的で全ての考えられる構成要素又は方法の組み合わせを記載することは不可能である。しかし、当技術分野における当業者であれば、様々な実施形態の更なる組み合わせ及び置換が可能であることを認識し得る。従って、記載された実施形態は、添付の請求項の精神及び範囲に含まれる全てのこのような変更、修正及び変形を包含することが意図されている。更に、「有する」という用語が詳細な説明又は請求項の何れかで使用される限りにおいて、「含む」という用語が用いられる場合に請求項において遷移語として解釈されるように、このような用語は「含む」という用語と同様に包括的であることが意図されている。
【技術分野】
【0001】
以下の記載は、全般的に、運動器具に関し、より詳細には、上半身を調整するために使用可能な慣性運動装置に関する。
【0002】
(関連出願への相互参照)
本出願は、「Low−Impact Inertial Exercise Device」と題された2009年7月24日付けで提出の現在係属中の米国特許出願第12/508,921号への優先権を主張する。その内容は、逐語的に明記されたのと同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
在宅用個人向け運動及び体重減少器具は、ますます人気のある消費者製品となっている。 健康クラブの会員権の費用及び健康クラブへ移動するのに必要とされる時間のため、多くの人は在宅での運動を望んでいる。しかし、多くの運動マシンは、非常に高価であり、使用するための専用の領域若しくは部屋及び/又は収納庫を必要とする。こうした理由により、多くの人は、複数の異なる筋肉を運動することが可能な大きな運動マシンを所有することを望まない。
【0004】
大きな家庭用のフィットネスマシンの代用物には、ダンベル等のフリーウェイトが含まれる。ダンベルは、比較的安価であり、且つ使い易いという利点がある。しかし、ダンベルの欠点の1つは、ダンベルが非常に重い場合があるため、使用者が負荷をかけ過ぎ又は使用技術が不十分である場合に、怪我を引き起こし得るということである。更に、各々のダンベルの抵抗量は固定されているので、使用者は、抵抗レベルを変えるために、より重いダンベルと軽いものとを絶えず交換しなければならない。また、多くの異なるダンベル運動があるが、それぞれが多少異なる技術を必要とする。多くの使用者は、全ての異なる潜在的な運動、ましてや各運動に関する適切な技術に気付くことはないであろう。従って、多くの使用者は、単調な同じ運動を何度も繰り返してすることになる。この結果、一部の筋肉を過剰に運動させることになり、他の筋肉は完全に無視されてしまう。
【0005】
従って、使用するのが簡単且つ安全であり、比較的安価であり、使用するための専用の領域又は収納庫を必要とせず、可変の抵抗レベルを使用して複数の異なる筋肉を効果的に運動させる家庭用フィットネス装置が必要とされている。以下に開示される低衝撃性の慣性運動装置の実施形態は、こうした必要性を満たしている。
【発明の概要】
【0006】
請求項に記載された主題の一部の態様の基本的な理解を提供するために、以下の簡略化された概要が提供される。 この概要は、外延的な要約ではなく、主要/重要な要素を特定し又は請求項に記載された主題の範囲を詳述することを意図するものではない。その目的は、後で提示されるより詳細な記載に対する前置きとして簡略的に幾つかの概念を提示することである。
【0007】
開示された実施形態の一態様において、慣性運動装置は、対向する第1及び第2の端部を有する伸張部材と、伸張部材に可動的に結合され且つ伸張部材の第1及び第2の端部の間に配置されるスリーブとを有する。第1の弾性抵抗要素が、伸張部材とスリーブとの間に接続される。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者による律動的な運動によって、伸張部材の第1及び第2の端部がスリーブに対して振動すると、第1の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0008】
第1の弾性抵抗要素は、伸張部材自体に取り付けられてもよい。スリーブは、第1の弾性抵抗要素がスリーブの第1の内部肩部と伸張部材の第1の端部との間に配置されるように、第1の内部肩部を有してもよい。スリーブの第1の内部肩部は、滑り軸受けであってもよく、又はスリーブの内部穴の一部として形成されてもよい。第1の弾性抵抗要素は、バネであってもよく、例えば、伸張部材及びスリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネであってもよい。
【0009】
スリーブは、第1の内部肩部に対向する第2の内部肩部を更に有してもよい。また、運動装置は、伸張部材に取り付けられ且つ第2の内部肩部と伸張部材の第2の端部との間に配置される第2の弾性抵抗要素を有してもよい。その場合、第2の弾性抵抗要素は、第1の弾性抵抗要素が伸張すると圧縮して、第1の弾性抵抗要素が圧縮すると伸張する。
【0010】
運動装置は、伸張部材の第1の端部に取り付けられる第1の重りと、伸張部材の第2の端部に取り付けられる第2の重りとを有してもよい。柔軟性ブーツが、スリーブ及び第1の重りに取り付けられてもよい。この柔軟性ブーツは、第1の弾性抵抗要素を包んでもよい。柔軟性ブーツ、第1の重り、及びスリーブは、伸張部材に沿ったスリーブの使用者による律動的な運動に応じて第1の弾性抵抗要素が圧縮すると、空気ベローズ内の開口から空気を吐き出す空気ベローズを互いに形成してもよい。また、運動装置は、スリーブ及び第2の重りに取り付けられる第2の柔軟性ブーツを有してもよい。第2の柔軟性ブーツは、第2の弾性抵抗要素を包む。伸張部材の中央部は、第1の弾性抵抗要素が伸張部材の外部肩部とスリーブの第1の内部肩部との間に配置されるように、外部肩部を有してもよい。
【0011】
開示された実施形態の別の態様において、慣性運動装置は、中央シャフトによって強固に結合される第1及び第2の末端塊部を有する。第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトは、集合的に慣性を有する。作動スリーブは、中央シャフトの周囲に滑動可能に取り付けられ、第1の周辺肩部を備える内部穴を有する。第1の弾性抵抗要素は、作動スリーブの内部穴の中で中央シャフトに取り付けられ、第1の末端塊部と第1の周辺肩部との間に配置される。第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトは、作動スリーブに対して、第1の弾性抵抗要素が第1の末端塊部及び第1の周辺肩部間で圧縮された第1の位置と、第1の弾性抵抗要素が伸張した第2の位置との間で滑動可能である。第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトの慣性は、慣性運動装置の使用者によって作動スリーブに与えられる交互の律動的線形動作に応答して、第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトに対して作動スリーブを振動させる。
【0012】
また、作動スリーブの内部穴は、第2の周辺肩部を更に有してもよい。また、慣性運動装置は、作動スリーブの内部穴の中で中央シャフトに取り付けられ且つ第2の末端塊部と第2の周辺肩部との間に配置される第2の弾性抵抗要素を有してもよい。その場合、第2の弾性抵抗要素は、第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトが第1の位置にある場合に伸張されて、第2の弾性抵抗要素は、第1及び第2の末端塊部並びに中央シャフトが第2の位置にある場合に第2の末端塊部と第2の周辺肩部との間で圧縮される。
【0013】
第1及び第2の末端塊部は、作動スリーブの内部穴の中に配置されてもよい。また、作動スリーブの第1及び第2の周辺肩部は、作動スリーブの内部穴におけるリッジの対向する面であってもよい。
【0014】
本発明の更に別の態様において、慣性運動装置は、対向する第1及び第2の端部並びに内部穴を備える作動シリンダを有する。少なくとも1つの塊部が、作動シリンダの内部穴に滑動可能に取り付けられる。第1及び第2の弾性抵抗要素は、作動シリンダの内部穴の中に取り付けられて、作動シリンダの端部に向かって少なくとも1つの塊部の動作に抵抗する。少なくとも1つの塊部は、作動シリンダに対して、第1の弾性抵抗要素が圧縮された第1の位置と第1の弾性抵抗要素が伸張された第2の位置との間で滑動可能である。少なくとも1つの塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって作動シリンダに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、作動シリンダに対して少なくとも1つの塊部を振動させる。
【0015】
また、中央シャフトによって少なくとも1つの塊部に強固に接続される第2の塊部を有してもよい。作動シリンダの内部穴は、第1及び第2の周辺肩部を含んでもよい。その場合、第1の弾性抵抗要素は、第1の周辺肩部と少なくとも1つの塊部との間に配置される。また、第2の弾性抵抗要素は、第2の周辺肩部と第2の塊部との間に配置される。少なくとも1つの塊部は、第1の弾性抵抗要素が少なくとも1つの塊部の第1の面と作動シリンダの第1の端部との間に配置されて、第2の弾性抵抗要素が少なくとも1つの塊部の第2の面と作動シリンダの第2の端部との間に配置されるように、第1及び第2の対向する面を有してもよい。
【0016】
別の実施形態では、調節可能運動装置は、対向する第1及び第2の端部並びに対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2のねじ込み部を備える伸張部材を含む。第1のねじ込み部は、右巻きねじ部を有し、第2のねじ込み部は、左巻きねじ部を有する。第1のナットは、伸張部材の第1のねじ込み部と回転可能に係合される。第1のナットは、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。第2のナットは、伸張部材の第2のねじ込み部と回転可能に係合される。また、第2のナットも、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。スリーブは、第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられる。スリーブは、対向する第1及び第2の軸受けを備える内部穴と、第1のナットの少なくとも1つのラジアルフランジ及び第2のナットの少なくとも1つのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを有する。第1の弾性抵抗要素は、第1のナットとスリーブの内部穴の第1の軸受けとの間に結合する。第2の弾性抵抗要素は、第2のナットとスリーブの内部穴の第2の軸受けとの間に結合する。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の振動運動によって、第1及び第2のナット並びに伸張部材に対してスリーブが振動すると、第1及び第2の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0017】
運動装置は、調節可能であってもよい。例えば、第1の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いから離れて動いてもよい。また、反対の第2の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いに向かって動いてもよい。
【0018】
スリーブの内部穴の第1及び第2の軸受けは、内部穴の第1及び第2の内部肩部であってもよい。また、第1及び第2の弾性抵抗要素は、バネであってもよく、それは伸張部材及びスリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネであってもよい。第1の重りは、伸張部材の第1の端部に取り付けられてもよく、第2の重りは、伸張部材の第2の端部に取り付けられてもよい。スリーブは、第1の重りを包む第1の外側部と第2の重りを包む第2の外側部とを含んでもよい。
【0019】
別の実施形態では、運動装置は、対向する第1及び第2の端部並びに対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2のねじ込み部を備える伸張部材を含む。第1のねじ込み部は、右巻きねじ部を有し、第2のねじ込み部は、左巻きねじ部を有する。第1のナットは、伸張部材の第1のねじ込み部と回転可能に係合される。第1のナットは、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。第2のナットは、伸張部材の第2のねじ込み部と回転可能に係合される。また、第2のナットも、少なくとも1つのラジアルフランジを含む。スリーブは、第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられる。スリーブは、対向する第1及び第2の軸受けを備える内部穴と、第1のナットの少なくとも1つのラジアルフランジ及び第2のナットの少なくとも1つのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを有する。第1の弾性抵抗要素は、第1のナットと伸張部材の第1の端部との間に接続する。また、第2の弾性抵抗要素は、第2ナットと伸張部材の第2の端部との間に接続する。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の振動運動によって、第1及び第2のナット並びに伸張部材に対してスリーブが振動すると、第1及び第2の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。 運動装置は、調節可能であってもよい。例えば、第1の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いから離れて動いてもよい。また、反対の第2の方向におけるスリーブに対する伸張部材の回転によって、第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張するために伸張部材に沿って第1及び第2のナットが互いに向かって動いてもよい。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の振動運動によって、第1及び第2のナット並びに伸張部材に対してスリーブが振動すると、第1及び第2の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0020】
スリーブの内部穴の第1及び第2の軸受けは、内部穴の第1及び第2の内部肩部であってもよい。第1及び第2の弾性抵抗要素は、バネであってもよく、伸張部材及びスリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネであってもよい。第1の重りは、伸張部材の第1の端部に取り付けられてもよく、第2の重りは、伸張部材の第2の端部に取り付けられてもよい。スリーブは、第1の重りを包む第1の外側部と第2の重りを包む第2の外側部とを含んでもよい。
【0021】
更に別の実施形態では、慣性運動装置は、伸張中央シャフトの対向する端部に取り付けられる1組のハンドルを備える伸張中央シャフトを含む。 1組の肩部が、各ハンドルに隣接して伸張中央シャフトに取り付けられる。1組の肩部の間において伸張中央シャフトに塊部が滑動可能に取り付けられる。1組の弾性抵抗要素が、塊部と各肩部との間において伸張中央シャフトに取り付けられる。塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって中央シャフトに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、中央シャフトに対して塊を振動させる。
【0022】
上述の及び関連する目的を達成するために、以下の記載及び添付の図面に関連して、所定の例示の態様が本明細書に記載される。しかしながら、こうした態様は、請求項に記載した主題の原理が採用され且つ請求項に記載した主題が全てのこのような態様及びその均等物を含むことが意図されている様々な方法の一部の暗示に過ぎない。他の利点及び新規な特徴は、図面と共に考慮すれば以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】慣性運動装置の一実施形態の斜視図である。
【図2】図1の慣性運動装置の使用時の図である。
【図3】図1の慣性運動装置の分解図である。
【図4】作動スリーブが末端塊部から離れている図1の慣性運動装置の一端の断面図である。
【図5】作動スリーブが末端塊部に隣接している図1の慣性運動装置の一端の断面図である。
【図6】慣性運動装置の代替実施形態の切断図である。
【図7】作動スリーブが末端塊部に隣接している図6の慣性運動装置の断面図である。
【図8】慣性運動装置の別の代替実施形態の断面図である。
【図9】弾性抵抗要素の1つが圧縮されている図8の慣性運動装置の断面図である。
【図10】慣性運動装置の更に別の代替実施形態の断面図である。
【図11】弾性抵抗要素の1つが圧縮されている図10の慣性運動装置の断面図である。
【図12】慣性運動装置を使用する側側運動及び標準的な腹筋運動の間の合計筋肉活動の比較を示すグラフである。
【図13】慣性運動装置で及び標準的なダンベルでの二頭筋カールの間の合計筋肉活動の比較を示すグラフである。
【図14】慣性運動装置を使用する三頭筋反復及び標準的なダンベルの三頭筋伸張の間の合計筋肉活動の比較を示すグラフである。
【図15】伸張された中立構成で示される調節可能慣性運動装置の一実施形態の断面図である。
【図16】一端においてスリーブ運動の伸張構成で示される図15の調節可能慣性運動装置の断面図である。
【図17】圧縮された中立位置で示される図15の調節可能慣性運動装置の断面図である。
【図18】一端においてスリーブ運動の圧縮構成で示される図17の調節可能慣性運動装置の断面図である。
【図19】図15−18の調節可能慣性運動装置のハンドル、伸張部材、及び調節可能ナットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
開示された実施形態の一態様において、慣性運動装置は、対向する第1及び第2の端部を有する伸張部材と、伸張部材に可動的に結合され且つ伸張部材の第1及び第2の端部の間に配置されるスリーブとを有する。 第1の弾性抵抗要素が、伸張部材とスリーブとの間に接続される。対向する第1及び第2の端部に交互に向かう伸張部材に沿ったスリーブの使用者誘導の律動的な運動によって、伸張部材の第1及び第2の端部がスリーブに対して振動すると、第1の弾性抵抗要素は交互に圧縮及び伸張する。
【0025】
図1は、慣性運動装置10の一実施形態の斜視図の例示である。この実施形態において、運動装置10は、ダンベルの一般的な形状であり、中央作動スリーブ12及び作動スリーブ12に可動的に結合される対向する末端塊部14を有する。柔軟性ブーツ16が、作動スリーブ12と末端塊部14との間に伸張し、作動スリーブ12を末端塊部14に機能的に結合する内部要素(以下で検討される)を隠す役割を果たす。作動スリーブ12は、片手若しくは両手で、又は体の別の部分で慣性運動装置10を使用者が握り又は保持することが出来るように設けられる。作動スリーブ12、末端塊部14、及び柔軟性ブーツ16の実際の形状又は外形は、設計の好みにより変更されてもよい。従って、慣性運動装置10の形状及び外見への修正又は変更が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われてもよい。例えば、把持部12は、サイズがより細くてもよく、慣性運動装置10の縦軸18に対して横断的に形成され又は方向付けられてもよい。同様に、慣性運動装置10は、必ずしもダンベルのように形成されず、例えば、直線的シリンダ状シャフトであってもよい。
【0026】
慣性運動装置10は、末端塊部14に対して作動スリーブ12の制限的な独立運動をもたらすように考案されてもよい。即ち、動作時に、使用者が作動スリーブ12を握り又は保持して、図2に示されるように主として縦軸18に沿って慣性運動装置10を「振動」させる。 末端塊部14は作動スリーブ12に対して強固に固定されず、それに対して可動式であるので、末端塊部14は、作動スリーブ12の動作との時間同期から外れるであろう。言い換えれば、末端塊部14の慣性によって、それらは、使用者が縦軸18に沿った一方向に作動スリーブ12を急速に動かした後に、最初は静止状態に留まろうとするであろう。結果的に、末端塊部14は、作動スリーブ12の初期運動と同じ方向に動くが、使用者は、その後、縦軸18に沿った反対方向に作動スリーブ12を急速に動かす。末端塊部14の慣性によって、それらは、使用者が作動スリーブ12を反対方向に急速に動かした後でも、初期の方向で動作状態に留まろうとするであろう。結果的に、末端塊部14は、作動スリーブ12の第2の運動に応答して、反対方向に動き始める。よって、使用者は縦軸18に沿って作動スリーブ12を律動的に動かし又は振動させるために、末端塊部14の慣性を克服しなければならない。末端塊部14の慣性に対するこの持続的な戦いによって、使用者は、末端塊部14の質量が従来のダンベルのものより遥かに小さくても、作動スリーブ12を動かすために使用される筋肉を活発に運動させることが出来る。
【0027】
図3は、慣性運動装置10の一方の端部の分解図を示す。慣性運動装置10は、好ましくは、慣性運動装置10の他方の端部(図示せず)が実質的に同じ構造からなるように、略対称的である。作動スリーブ12は、中央シャフト20のような伸張部材に滑動的又は伸縮自在に取り付けられる。よって、作動スリーブ12は、中央シャフト20に沿って前後に自由に滑動する。中央シャフト20に沿った作動スリーブ12の滑動の動作を支援するために、滑り軸受け24が作動スリーブ12の内部穴の中に圧入される。従って、この実施形態では、作動スリーブ12の内部穴は、中央シャフト20に直接的には接触せずに、滑り軸受け24によってその上に滑動的に支持される。滑り軸受け24は、本実施形態では中央シャフト20に同軸で取り付けられる螺旋バネである弾性抵抗要素30の一端を支持する周辺フランジ又は肩部25を有する。
【0028】
末端塊部14は、末端塊部14が中央シャフト20に対して動くことが出来ないように中央シャフト20に強固に取り付けられる。末端塊部14の容積は、内蓋51と外蓋54との間に挟まれる環状慣性塊部52によって提供される。外蓋54は、中央シャフト20を受け入れる管状突起55を有する。また、外蓋54は、末端塊部14が組み立てられると、内蓋51における開口64と係合する1つ以上のタブ56を有する。最後に、外蓋54は、締め具57を受け入れるために1つ以上の開口66を有する。
【0029】
1つ以上のねじ込み開口60を有する支持円板53が、管状突起55上に取り付けられる。支持円板53は、少なくとも2つの目的を果たす。第1に、それは、弾性抵抗要素30が滑り軸受け24と支持円板53との間で圧縮され得るように、弾性抵抗要素30の外側端部に対する支持面をもたらす。第2に、支持円板53は、末端塊部14の様々な構成要素を互いに固定するために使用される。締め具57が外蓋54の開口66を通じて支持円板53のねじ込み開口60の中に挿入されると、支持円板53が慣性塊部52を間に挟んで内蓋51を外蓋54に固定するように、支持円板53は、内蓋51の周辺フランジ62上に配置される。
【0030】
締め具58は、外蓋54における管状突起55を通過して、中央シャフト20の端部における開口と係合することにより、末端塊部14を中央シャフト20に強固に固定する。最後に、端蓋59が、締め具57を隠すために外蓋54に圧入される。慣性塊部52の外面は、内蓋51及び外蓋54の周辺端部と略面一であってもよく、端蓋59は外蓋54の外面と略面一であってもよいので、末端塊部14には、円滑で流線型の外観がもたらされ得る。
【0031】
また、各末端塊部14と作動スリーブ12の各端部との間に柔軟性ブーツ16が、慣性運動装置10の審美的な魅力を増す。各末端塊部14、柔軟性ブーツ16及び作動スリーブ12の端部は、集合的に空気ベローズを互いに形成する。作動スリーブ12が末端塊部14に向かって移動するので、柔軟性ブーツ16によって囲まれる空気は、1つ以上の開口から排出される。この開口は、柔軟性ブーツ16の中又は末端塊部14の中にあってもよい。このように形成された空気ベローズは、作動スリーブ12が中央シャフト20に対して振動すると開口を出入りする空気の特徴的な音を作る役割、及び作動スリーブ12の端部と各末端塊部14との間における各々の衝突を部分的に和らげる役割をも果たす。言い換えれば、空気ベローズは、作動スリーブ12の端部が末端塊部14に「衝突」して耳障りで場合によって不愉快な音が出ることを防いで、代わりに衝突を和らげて、「吐息」又は「歯擦」音を出す。柔軟性ブーツ16の外観及び柔軟性ブーツ16の内包物によって可能にされる出入りする空気音は共に、慣性運動装置10の審美的に魅力的な特徴である。更に、作動スリーブ12と末端塊部14との間の各衝突を和らげることにより、慣性運動装置10における摩損が減らされる。
【0032】
図4及び5に示されるように、慣性運動装置10の作動スリーブ12は、2つの端部位置の間を移動可能である。図4及び5に示される第1の末端位置において、作動スリーブ12は、第1の末端塊部14aから最大距離にあり、第1の弾性抵抗要素30aが伸張される。また、この第1の末端位置において、作動スリーブ12は、第2の末端塊部14bから最小距離にあり、第2の滑り軸受け24bと第2の支持円板53bとの間で完全に圧縮される。
【0033】
第2の末端位置において、作動スリーブ12は、第1の末端塊部14aから最小距離にあり、第1の弾性抵抗要素30aは第1の滑り軸受け24aと第1の支持円板53aとの間で完全に圧縮される。同時に、作動スリーブ12は、第2の末端塊部14bから最大距離にあり、第2の弾性抵抗要素30bが伸張される。従って、作動スリーブ12の第1及び第2の末端位置は、単純に互いの逆である。即ち、作動スリーブ12が第1の末端塊部14aに最も近づく場合に(即ち、第2の末端位置)、第1の弾性抵抗要素30aは圧縮され、作動スリーブ12が第2の末端塊部14bに最も近づく場合に(即ち、第1の末端位置)、第2の弾性抵抗要素30bは圧縮されて、第1の弾性抵抗要素30aは伸張される。作動スリーブ12は、こうした第1及び第2の末端位置の間で中央シャフト20に沿って滑動可能である。
【0034】
弾性抵抗要素30は滑り軸受け24と支持円板53との間で圧縮されるように示されるが、多くの代替的な設計が可能である。例えば、滑り軸受け24は完全に取り除かれて、弾性抵抗要素30が作動スリーブ12における肩部13によって支持されてもよい。肩部13は、弾性抵抗要素30が肩部13に接触することにより末端塊部14に向かう作動スリーブ12の移動に抵抗するように、弾性抵抗要素30よりも小さな直径の作動スリーブ12の内側穴の領域である。代替的に、滑り軸受け24は、作動スリーブ12と一体的に形成されてもよい。更に、支持円板53は取り除かれて、弾性抵抗要素30が外蓋54に対して圧縮されてもよい。代替的に、支持円板53は、中央シャフト20の端部に一体的に形成され又は取り付けられるフランジによって置換されてもよい。
【0035】
図6及び7に慣性運動装置の別の実施形態が示される。この実施形態では、慣性運動装置100は、中央シャフト120に滑動的に取り付けられる作動スリーブ112を有する。末端塊部114a及び114bは、作動スリーブ112が中央シャフト120及び末端塊部114a及び114bに対して可動的であるように、中央シャフト120の端部に強固に固定される。弾性抵抗要素130a及び130bは、作動スリーブ112の内部穴115内の中央シャフト120に取り付けられる。作動スリーブ112の内部穴115は、弾性抵抗要素130の端部に接触する第1及び第2の周辺肩部113を有する。第1及び第2の周辺肩部113は、内部穴115に形成される1つのリッジ111の対向する面であってもよいが、内部穴115に形成される2つの分かれたリッジ又は突起の表面であってもよい。図6では、作動スリーブ112は、その中立位置で示されており、末端塊部114a及び114bの間で中心に置かれている。
【0036】
滑り軸受け124a及び124bは、中央シャフト120に取り付けられて、中央シャフト120に沿った作動スリーブ112の滑動又は伸縮自在運動を支援する。滑り軸受け124a及び124bは、慣性運動装置100が使用者によって使用される場合に、作動スリーブ112が滑り軸受け124a及び124bに対して移動するように、中央シャフト120に固定的に固定される。従って、作動スリーブ112は、作動スリーブ112が中央シャフト120に沿って前後に滑動すると、滑り軸受け124a及び124bを収容するために、内側穴115の両端にチャンバ117を有する。よって、作動スリーブ112が使用者によって末端塊部114aから離れて且つ末端塊部114bに向かって滑動されると、第2の弾性抵抗要素130bは、第2の周辺肩部113bと第2の滑り軸受け124bとの間で圧縮されることで、作動スリーブ112の動作に抵抗する。作動スリーブ112が末端塊部114bに向かう移動限度に到達すると、図7に示されるように、滑り軸受け124bがチャンバ117の内側端部にあることが見て取れる。同様に、作動スリーブ112が末端塊部114aに向かって滑動するように使用者が作動スリーブ112の動作を逆転する場合、第1の弾性抵抗要素130aは、第1の周辺肩部113aと第1の滑り軸受け124aとの間で圧縮されるので、作動スリーブ112のこのような動作に抵抗する。
【0037】
慣性運動装置100は、末端塊部114a及び114bと作動スリーブ112の各端部との間に伸張する柔軟性ブーツ116を有する。各末端塊部114a及び114b、柔軟性ブーツ116及び作動スリーブ112の端部は、集合的に空気ベローズを互いに形成する。この空気ベローズの機能及び特徴は、先に開示された実施形態に関連して検討された空気ベローズに類似している。作動スリーブ112が中央シャフト120並びに末端塊部114a及び114bに対して振動すると、柔軟性ブーツ116によって囲まれた空気は、空気ベローズにおける開口の内外に排出される。このように形成された空気ベローズは、開口から出る空気の特徴的な音を作る役割、及び作動スリーブ112の端部と末端塊部114との間における各々の衝突を部分的に和らげる役割も果たす。
【0038】
慣性運動装置の他の実施形態は、従来のダンベルの形状である必要は必ずしもないことが理解されるべきである。例えば、図8及び9に示されるように、慣性運動装置200は、シリンダの形状である。作動スリーブ又はシリンダ212は、第1及び第2の周辺肩部213を形成する少なくとも1つの中央リッジ211を有する中空シリンダである。中央シャフト220は、末端塊部214を互いに強固に接続する。末端塊部214及び中央シャフト220が作動スリーブ212内の端から端へと伸縮自在に動くことが出来るように、末端塊部214は、作動スリーブ212内に滑動可能に収容される。しかしながら、この動作は、作動スリーブ212内の中央シャフト220に取り付けられる第1及び第2の弾性抵抗要素230によって抵抗される。各弾性抵抗要素の内側端部は、周辺肩部213に対して固定される。
【0039】
従って、使用者が縦軸218に沿った一方向に作動スリーブを素早く動かすと、末端塊部214及び中央シャフト220の慣性によって、弾性抵抗要素230は周辺肩部213と末端塊部214との間で圧縮されるであろう。言い換えれば、使用者が縦軸218に沿って作動スリーブ212を素早く加速する場合、末端塊部214及び中央シャフト220の慣性によって、それらは作動スリーブ212に対して最初は静止状態に留まるであろう。作動スリーブ212と末端塊部214との間のこの相対運動によって、弾性抵抗要素230の一方が圧縮される。使用者が縦軸218に沿って作動スリーブ212を振動させると、各弾性抵抗要素30は交互に順番に圧縮される。図8は、静止状態にある慣性運動装置200を示し、図9は、使用者が縦軸218に沿って慣性運動装置200を素早く動かした後で、弾性抵抗要素230の一方が圧縮された慣性運動装置200を示す。こうした図面に示されてはいないが、作動スリーブ212の外面は、慣性運動装置200が使用者の手から滑ることを防ぐのに役立つ窪み又は突起のような把持機能を有してもよい。
【0040】
図8及び9に示される実施形態において、作動スリーブ212は、一方又は両方の端部において開放端部となっていてもよい。その場合、末端塊部214は、作動スリーブ212内で振動すると、作動スリーブ212の開放端部から部分的に突出してもよい。
【0041】
図10及び11に別のシリンダ形状の慣性運動装置が示される。慣性運動装置300は、同様に、第1及び第2の周辺肩部313を形成する中央リッジ311を有し得る中空シリンダである作動スリーブ又はシリンダ312を有する。しかしながら、この実施形態では、中央リッジ311及び周辺肩部313は、以前の実施形態とは異なり、弾性抵抗要素330を固定する必要がないので、完全に取り除かれてもよい。末端塊部314及び中央シャフト320が作動スリーブ312内の端から端へと伸縮自在に動くことが出来るように、末端塊部314は、作動スリーブ312内に滑動可能に収容される。しかしながら、この動作は、作動スリーブ312内に取り付けられ且つ末端塊部314と作動スリーブ312の端部との間に配置される第1及び第2の弾性抵抗要素330によって抵抗される。
【0042】
従って、使用者が縦軸318に沿った一方向に作動スリーブを素早く動かすと、末端塊部314及び中央シャフト320の慣性によって、弾性抵抗要素330は作動スリーブ312と末端塊部314の外面との間で圧縮されるであろう。言い換えれば、使用者が縦軸318に沿って作動スリーブ312を素早く加速する場合、末端塊部314及び中央シャフト320の慣性によって、それらは作動スリーブ312に対して最初は静止状態に留まるであろう。作動スリーブ312と末端塊部314との間のこの相対運動によって、弾性抵抗要素330の一方が圧縮される。使用者が縦軸318に沿って作動スリーブ312を振動させると、各弾性抵抗要素330は交互に順番に圧縮される。 図10は、静止状態にある慣性運動装置300を示し、図11は、使用者が縦軸318に沿って慣性運動装置300を素早く動かした後で、弾性抵抗要素330の一方が圧縮された慣性運動装置300を示す。こうした図面に示されてはいないが、作動スリーブ312の外面は、慣性運動装置300が使用者の手から滑ることを防ぐのに役立つ窪み又は突起のような把持機能を有してもよい。
【0043】
この実施形態の変形は、強固に互いに接続される2つの末端塊部ではなく単一の慣性要素(例えば、塊部)を使用することである。例えば、末端塊部314及び中央シャフト320は、ピストンによく似た作動スリーブ312に滑動可能に配置される単一のシリンダ状塊部又は小塊部によって完全に置換されてもよい。使用者が縦軸318に沿って作動スリーブ312を振動させると、小塊部は、その外面と作動スリーブ312の端部との間で各弾性抵抗要素330を交互に圧縮する。
【0044】
上記の実施形態は一般的な形状のダンベル又はシリンダのいずれかであるが、慣性運動装置の厳密な形状は重要ではない。例えば、作動スリーブ及び/又は末端塊部の断面は、円形でなくてもよいばかりか、6角形のような多角形であってもよい。更に、慣性運動装置は、片手だけで使用される小さなサイズ、又は両手で使用されるより大きなサイズを含む多様なサイズで行われてもよい。例えば、慣性運動装置は、1.5インチの外径の作動スリーブ及び3.5インチの直径、1.5インチの厚みの末端塊部を有する約12インチの長さであってもよい。 中央シャフト及び末端塊部に対する作動スリーブの合計の縦方向の運動は、約1.75インチ、又は慣性運動装置の合計長の約15%であってもよい。こうした寸法は、慣性運動装置の可能なサイズの単なる一例であり、何か制限するものと考えられるべきではない。
【0045】
慣性運動装置を製造するために使用される材料も、同様に重要ではない。作動スリーブは樹脂であってもよく、中央シャフトは金属であってもよいが、どのような材料が使用されてもよい。末端塊部は、一般には、装置の慣性を増加させるために金属の慣性塊部を有するが、任意の相対的に高密度の金属が慣性塊部に対して使用されてもよい。弾性抵抗要素は、金属又はエラストマーバネ又はクッションであってもよい。弾性抵抗要素のバネ定数は、重要ではなく、使用される末端塊部の質量に依存する。例えば、2.5ポンドの末端塊部に対して、弾性抵抗要素のバネ定数は、約10lbs/inであってもよい。
【0046】
開示された慣性運動装置の主要な利点の一つは、ユーザが重量のある重りを使わなくても活発に筋肉を運動させることが出来ることである。使用される末端塊部は、それぞれ1又は2ポンド程度の小さなものであってもよいが、縦軸に沿って装置を素早く振動させることにより、使用者は、末端塊部の慣性及び弾性抵抗要素の抵抗と絶えず戦っている。更に、慣性運動装置は、標準のダンベルで可能なよりも遥かに多くの筋肉を一度に運動させるために使用され得る。例えば、縦軸に沿って及び使用者の肩に実質的に平行に慣性運動装置を振動させる使用者は、腕、肩、胸及び腹部の筋肉を同時に運動させるであろう。
【0047】
図15−19に慣性運動装置の別の実施形態が示される。調節可能慣性運動装置400は、図6に示される慣性運動装置100と殆どの点で実質的に同じである。更に、慣性運動装置10又は慣性運動装置100の任意の特徴が調節可能慣性運動装置400に組み込まれ得ることが理解されるべきである。例えば、末端塊部の構成(図3に最良に示される)が、調節可能運動装置400に組み込まれてもよい。調節可能慣性運動装置400と慣性運動装置10及び100との主要な相違点は、調節可能慣性運動装置400が弾性抵抗要素430によってもたらされる抵抗量をユーザに変化させることが出来る点である。
【0048】
図15及び16は、第1の、伸張構成における調節可能慣性運動装置を示す。「伸張構成」によって、弾性抵抗要素430は、慣性運動装置が中立又は静止状態の場合(即ち、図15に示されるように、作動スリーブ412が中間にあって、片側に押されていない場合)、最大可能長にあることが意図される。この伸張構成は、中央シャフト420に作動スリーブ412が滑動可能に取り付けられる伸張部材にねじ込み可能に取り付けられる調節ナット424によって可能になる。中央シャフト420は、各調節可能ナット424がねじ込み式に係合される2つのねじ込み部421を備える。第1の調節可能ナット424Aは、右巻きねじ部を備える第1のねじ込み部421Aとねじ込み式に係合される。第2の調節可能ナット424Bは、左巻きねじ部を備える第2のねじ込み部421Bとねじ込み式に係合される。第1及び第2のねじ込み部421A及び421Bの「反対側」のねじ部によって、所与のナットが、ねじ込み部421A及び421B上で同じ方向に回転されると、反対方向に移動することに留意するべきである。
【0049】
調節可能ナット424、中央シャフト420及び作動スリーブ412の関係を良好に理解するために、図19に示される1つの調節可能ナット424の横断面図を観察することが有益である。調節可能ナット424は、中央シャフト420とねじ込み式に係合される。調節可能ナット424は、調節可能ナット424の表面から放射状に離れて伸張する少なくとも1つのラジアルフランジ425を有する。慣性運動装置10及び100の構成と同様に、作動スリーブ412は、調節可能ナット424及び中央シャフト420上に滑動可能に取り付けられる。しかしながら、この実施形態では、作動スリーブ412は、少なくとも1つの縦溝427を含む内部穴を有する。図19に例示される実施形態では、調節可能ナット424は、2つのラジアルフランジ425を有し、作動スリーブ412は、各々がラジアルフランジ425の一方と滑動可能に係合される2つの縦溝を有する。よって、ラジアルフランジ425の縦溝427との係合は、調節可能ナット424と作動スリーブ412とが調和して回転することを要求することが見て取れる。言い換えれば、作動スリーブ412が中央シャフト420に対して回転される場合、縦溝427がラジアルフランジ425に対して回転力を及ぼすので、調節可能ナット424は、作動スリーブ412と調和して回転させられる。
【0050】
図16に戻ると、図15に対して、作動スリーブ412は、中央シャフト420に沿って移動されたことで、弾性抵抗要素424Bを圧縮することが見て取れる。中央シャフト420に沿った作動スリーブ412のこの移動は、慣性運動装置100を参照して先に記載されたものと実質的に同じである。作動スリーブ412が使用者によって末端塊部414Aから離れて且つ末端塊部414Bに向かって滑動されると、第2の弾性抵抗要素430Bは、周辺肩部413と第2の調節可能ナット424Bとの間で圧縮されることで、作動スリーブ112の動作に抵抗する。同様に、作動スリーブ412が末端塊部414Aに向かって滑動するように使用者が作動スリーブ412の動作を逆転する場合、第1の弾性抵抗要素430Aは、第1の周辺肩部413Aと第1の調節可能ナット424Aとの間で圧縮されるので、作動スリーブ112のこのような動作に抵抗する。 第1の末端塊部414A及び第2の末端塊部414Bに向かって交互に中央シャフト420に沿って作動スリーブ412を律動的に滑動させることで、使用者は、末端塊部414の慣性及び弾性抵抗要素430の抵抗を絶え間なく克服しなければならない。
【0051】
しかしながら、この実施形態では、調節可能ナット424の位置を調節することにより運動をより困難にすることが出来る。この調節を行うために、使用者は、作動スリーブ412及び末端塊部414の一方(中央シャフト420に強固に取り付けられる)を握って、互いに対してその二つを回転させる。上記のように、調節可能ナット424は、ラジアルフランジ425の縦溝427との係合により、作動スリーブ412と調和して回転しなければならない。 従って、使用者が末端塊部414及び中央シャフト420に対して作動スリーブ412を回転させると、調節可能ナット424は、中央シャフト420の各々のねじ込み部に沿って互いに向かって移動するであろう。調節可能ナット424が互いに向かって移動すると、弾性抵抗要素430は、図17に示されるように、調節可能ナット424と内部周辺肩部413との間で圧縮される。図17における調節可能慣性運動装置400Aと図15における調節可能慣性運動装置400との比較は例示である。双方の装置400及び400Aは静止状態で示されるが、弾性抵抗要素430は、調節可能慣性運動装置400Aにおけるよりも調節可能慣性運動装置400においてより長いことが見て取れる。
【0052】
よって、調節可能慣性運動装置400は、使用者に可変量の抵抗を提供する。フックの法則によれば、バネを圧縮するために必要とされる力は、中立状態からのバネの移動のバネ定数倍に比例する(F=kx)。弾性抵抗要素430が調節可能慣性運動装置400の構成におけるよりも調節可能慣性運動装置400Aの構成において静止状態でより圧縮されるので(即ち、中立状態から更に移動される)、使用者は、調節可能慣性運動装置400において作動スリーブ412の律動的振動を開始するために要求されるよりも、調節可能慣性運動装置400Aにおいて作動スリーブ412の律動的振動を開始するためにより大きな力を用いることが要求される。更に、(図16−図18を比べると)より短い距離で弾性抵抗要素430が内部周辺肩部413と調節可能ナット424との間で完全に圧縮されるので、中央シャフト420に沿った作動スリーブ412の合計移動長は、調節可能慣性運動装置400の構成におけるよりも調節可能慣性運動装置400Aの構成においてより短いことが見て取れる。これは、調節可能慣性運動装置400Aにおけるより圧縮された弾性抵抗要素430によって初期に増加された抵抗を克服することに加えて、使用者はまた、中央シャフト420に沿って作動スリーブ412のより短い合計移動長によってより素早く作動スリーブ412を振動させなければならないことを意味する。
【0053】
図15−18は調節可能ナット424と内部周辺肩部413との間に配置される弾性抵抗要素430を示すが、弾性抵抗要素430は、慣性運動装置10の構成に類似した方式で、調節可能ナット424と末端塊部414との間に配置され得ることも考えられることに留意するべきである。この構成では、弾性抵抗要素430によってもたらされる初期抵抗を増加するために、使用者は、調節可能ナット424が互いから離れて移動して、むしろ弾性抵抗要素430が静止状態においてより圧縮されるように、中央シャフト420に対して作動スリーブ412を回転させる。いずれの構成においても、使用者は、調節可能ナット424が静止状態において特定の運動に対して使用者が望む正確な量だけ弾性抵抗要素430を圧縮するまで、中央シャフト420に対して作動スリーブ412を回転させることにより抵抗を変化させることが出来る。
【0054】
図20に慣性運動装置の別の実施形態が示される。慣性運動装置500は、伸張中央シャフト520の対向端部に取り付けられる一組のハンドル502を有する。塊部514が、ハンドル502の間に中央シャフト520上に滑動可能に取り付けられる。塊部514は、ハンドル502に隣接して中央シャフト520に取り付けられる肩部513の間で滑動可能である。肩部513は、ハンドル502と一体的に形成されてもよく、又は中央シャフト520に取り付けられる別個の構成部品であってもよい。弾性抵抗要素530が、中央シャフト520に沿って塊部514が滑動する動作に抵抗する。弾性抵抗要素530は、中央シャフト520上に取り付けられるシリンダ状螺旋バネであってもよい。
【0055】
慣性運動装置500を使用するために、使用者は、それぞれの手で1つのハンドル502を握って、中央シャフト520の縦軸に沿った交互方向に慣性運動装置500を素早く動かし始める。この急速な交互の運動によって、塊部514は、弾性抵抗要素530によりその動作が抵抗されつつ、肩部513の間で前後に振動し始める。よって、慣性運動装置500を使用するために、使用者は、塊部514の慣性及び弾性抵抗要素530の抵抗の双方を克服しなければならない。一部の実施形態では、ハンドル502及び/又は肩部513は、中央シャフト520の中心に向かって又は中心から離れて移動され得るように、中央シャフト520にねじ込み式で取り付けられてもよい。肩部513及び/又はハンドル502のこの動作が、塊部514の合計移動長及び弾性抵抗要素530の合計圧縮距離を増加又は減少させる効果を有するであろうことが理解される。言い換えれば、慣性運動装置500は、一部の実施形態において調節可能な抵抗を提供してもよい。
【0056】
また、先述のいずれの実施形態における弾性抵抗要素も、バネを圧縮するために要求される力がバネの圧縮距離に直接比例する、即ちフックの法則に従うシリンダ状螺旋バネであり得ることにも留意するべきである。これは、開示された実施形態に対する限定として取られるべきではないが、圧縮距離に直接比例する圧縮力を必ずしも要求しない円錐バネのような他の可能な弾性抵抗要素との相違点である。フックの法則に従うシリンダ状螺旋バネを使用することにより、末端塊部に対する作動スリーブの律動的振動の特性が改善される。円錐バネを用いると、バネを圧縮するために要求される力の量はバネが圧縮される距離に比例しなくてもよいが(従って、振動は律動性がより少なくなり且つより不均等になる)、シリンダ状螺旋バネを用いると、力が圧縮に比例するので、より律動的な振動が可能になる。
【0057】
(実例)
開示された慣性運動装置による利益が、合計で20人の被験者(男12人、女8人)の調査で実証された。 被験者の平均年齢は、25.6歳(標準偏差=4.1歳)であり、最年少が21歳で、最年長が31歳であった。全ての被験者は、比較的健康であり、比較的壮健であった。殆どは、何らかの形態の心血管運動プログラム及び/又は筋力訓練プログラムに参加した。
【0058】
被験者には、低衝撃慣性運動装置(以下、「Shake Weight」又は「SW」と呼ぶ)の視覚的実演を与えられた。更に、被験者には、装置との適切な位置決め及び装置の動作範囲での十分な快適性を確実にするため、SWを用いた練習時間が5−10分与えられた。SWに慣れると、被験者は、以下の筋肉の部位に節電図(EMG)電極を装着された。すなわち、外腹斜筋(腹部)、大胸筋(胸部)、中部三角筋(肩部)、上腕二等筋(上腕、前方)、上部僧帽筋及び中部僧帽筋(肩帯)、胸部脊柱起立筋(背中)、及び中央三等筋(上腕、後方)である。接地電極は、上前腸骨棘に設置された。全てのEMG電極は、体の右側に設置された。
【0059】
被験者は、標準的な腹筋及び腕立て伏せのルーチンを行うだけでなく、SW及びダンベルを用いて、12の異なる運動ルーチンを遂行した。このルーチンには以下が含まれる。
【0060】
1 SW 二等筋 シェイク
2 SW 二等筋 完全反復
3 SW 三頭筋 シェイク
4 SW 三等筋 完全反復
5 SW プッシュプル
6 SW ツイスト 側側
7 ダンベル 三頭筋 カール
8 ダンベル 三頭筋 伸張
9 ダンベル 片腕 漕ぐ (前屈)
10 ダンベル 横方向フライ 起立
11 標準 床腹筋運動
12 標準 腕立て伏せ
【0061】
全てのダンベルのルーチンは、6秒反復の均一のペースで行われた。 ペースは、3秒ごとに可聴ビープ音を提供する聴覚メトロノームを使用して維持された。被験者は、ビープ音で方向を変更して、一定の流れる動作を維持するように指示された。被験者は、ダンベルのルーチン並びに腹筋及び腕立て伏せのルーチンの各々について約5回の反復を遂行した。ルーチンの間に60秒の休憩が設けられた。SWのルーチンは、第1、3、5及び6番のルーチンで約6秒間行われた。第2及び4番(SWでの完全反復)のルーチンに対して、被験者は、2度の完全な反復を遂行した。
【0062】
単一の完全な反復に基づいて及び全ての8つの筋肉の総和に基づいて、EMGの合計面積(筋作業の推定値である)が12の運動ルーチンの各々について推定された。面積は、標準の運動の各々について完全な反復を遂行するために確立された時間である6秒に基づく。同じ時間正規化がSW運動について確立された。
【0063】
全てのSWルーチンは、標準的な運動(即ち、ダンベル運動、腹筋運動、腕立てルーチン)のいずれと比べても著しく大きな作業(EMG面積)をもたらした。
【0064】
表1は、12の運動ルーチンの各々についてEMGの平均面積を提供する。この面積は、全ての試験された筋肉の合計である。例えば、ダンベルカール(DBカール)に関する合計面積は、1209.02マイクロボルト秒(μv・s)であり、シェイクウェイト二等筋カール(SW二等筋カール)の単一の反復に関する合計面積は、5004.54μv・sであった。SWは、標準のダンベルカールと比較して、合計筋作業の量の4倍以上(全ての筋肉の総計して)をもたらした。
【0065】
表1 12の運動状態の各々に関する平均(μv・s)及び標準偏差は、全ての8つの筋肉にわたって合計された。
【表1】
【0066】
運動ルーチンに関わらず、SWルーチンは、標準の運動(p<0.05)と比較すると、各筋肉に対して著しく大きな運動単位動員(motor unit recruitment)(EMG)及び作業(面積)を一貫してもたらした。
【0067】
図12は、慣性運動装置を使用する側側運動及び標準的な腹筋運動の間の合計筋肉活動の比較を示す。全ての筋肉についての平均EMG測定値は、慣性運動装置の側側ひねりについて1120μvであり、腹筋運動について178μvであった。
【0068】
図13は、慣性運動装置で及び標準的なダンベルでの二頭筋カールの間の合計筋肉活動の比較を示す。全ての筋肉についての平均EMG測定値は、慣性運動装置の二等筋カールについて1167μvであり、標準のダンベル二等筋カールについて933μvであった。
【0069】
図14は、慣性運動装置を使用する三頭筋反復及び標準的なダンベルの三頭筋伸張の間の合計筋肉活動の比較を示す。全ての筋肉についての平均EMG測定値は、慣性運動装置の三頭筋反復について1123μvであり、標準のダンベルの三頭筋伸張について388μvであった。
【0070】
このように、慣性運動装置が、こうした標準のダンベル運動に対して著しい改善であることが明確に見て取られる。より多くの筋肉が各ルーチンで運動されるだけでなく、こうした筋肉はより大きな活動を有する。
【0071】
先に記載されていることは、1つ以上の実施形態の例示を含んでいる。勿論、先述の実施形態を説明する目的で全ての考えられる構成要素又は方法の組み合わせを記載することは不可能である。しかし、当技術分野における当業者であれば、様々な実施形態の更なる組み合わせ及び置換が可能であることを認識し得る。従って、記載された実施形態は、添付の請求項の精神及び範囲に含まれる全てのこのような変更、修正及び変形を包含することが意図されている。更に、「有する」という用語が詳細な説明又は請求項の何れかで使用される限りにおいて、「含む」という用語が用いられる場合に請求項において遷移語として解釈されるように、このような用語は「含む」という用語と同様に包括的であることが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央シャフトによって互いに強固に結合される第1及び第2の末端塊部であって、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトが集合的に慣性を有する第1及び第2の末端塊部と、
前記中央シャフトの周囲に滑動可能に取り付けられる作動スリーブであって、第1の周辺肩部を有する内部穴を備える作動スリーブと、
前記作動スリーブの前記内部穴の中で前記中央シャフトに取り付けられ且つ前記第1の末端塊部と前記第1の周辺肩部との間に配置される第1の弾性抵抗要素と
を備え、
前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトは、前記第1の弾性抵抗要素が前記第1の末端塊部と前記第1の周辺肩部との間で圧縮される第1の位置と、前記第1の弾性抵抗要素が伸張される第2の位置との間で、前記作動スリーブに対して滑動可能であり、
前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトの前記慣性は、慣性運動装置の使用者によって前記作動スリーブに与えられる交互の律動的直線動作に応答して、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトに対して前記作動スリーブを振動させる 、慣性運動装置。
【請求項2】
前記作動スリーブの前記内部穴は、第2の周辺肩部を更に備え、前記慣性運動装置は、前記作動スリーブの前記内部穴の中で前記中央シャフトに取り付けられ且つ前記第2の末端塊部と前記第2の周辺肩部との間に配置される第2の弾性抵抗要素を更に備え、
前記第2の弾性抵抗要素は、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトが前記第1の位置にある場合に、伸張され、且つ
前記第2の弾性抵抗要素は、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトが前記第2の位置にある場合に、前記第2の末端塊部と前記第2の周辺肩部との間で圧縮される、請求項1に記載の慣性運動装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の末端塊部は、前記作動スリーブの前記内部穴の中に配置される、請求項1に記載の慣性運動装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の周辺肩部は、前記作動スリーブの前記内部穴におけるリッジの対向する面である、請求項2に記載の慣性運動装置。
【請求項5】
対向する第1及び第2の端部並びに前記対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2のねじ込み部を有する伸張部材であって、前記第1のねじ込み部は右巻きねじ部を有し、且つ前記第2のねじ込み部は左巻きねじ部を有する伸張部材と、
前記伸張部材の前記第1のねじ込み部と回転可能に係合される第1のナットであって、少なくとも1つのラジアルフランジを備える第1のナットと、
前記伸張部材の前記第2のねじ込み部と回転可能に係合される第2のナットであって、少なくとも1つのラジアルフランジを備える第2のナットと、
前記第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられるスリーブであって、第1及び第2の軸受けを有する内部穴と、前記第1のナットの前記少なくとも1つのラジアルフランジ及び前記第2のナットの前記少なくとも1つのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを備えるスリーブと、
前記第1のナットと前記スリーブの前記内部穴の前記第1の軸受けとの間に結合する第1の弾性抵抗要素と、
前記第2ナットと前記スリーブの前記内部穴の前記第2の軸受けとの間に結合する第2の弾性抵抗要素と
を備える、運動装置。
【請求項6】
第1の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記伸張部材に沿って前記第1及び第2のナットを互いから離し、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮し、
反対の第2の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記伸張部材に沿って前記第1及び第2のナットを互いに向かって移動させ、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張する、請求項5に記載の運動装置。
【請求項7】
前記対向する第1及び第2の端部に交互に向かう前記伸張部材に沿った前記スリーブの使用者誘導の振動運動は、前記第1及び第2のナット並びに前記伸張部材に対して前記スリーブが振動すると、前記第1及び第2の弾性抵抗要素を交互に圧縮及び伸張させる、請求項5に記載の運動装置。
【請求項8】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の軸受けは、前記内部穴の第1及び第2の内部肩部である、請求項5に記載の運動装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の内部肩部は、前記内部穴のラジアルフランジの対向する面である、請求項8に記載の運動装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の弾性抵抗要素は、前記スリーブの前記内部穴の中で前記伸張部材に取り付けられる、請求項9に記載の運動装置。
【請求項11】
前記伸張部材の前記第1の端部に取り付けられる第1の重りと、前記伸張部材の前記第2の端部に取り付けられる第2の重りとを更に備える、請求項5に記載の運動装置。
【請求項12】
前記スリーブは、前記第1の重りを包む第1の外側部と前記第2の重りを包む第2の外側部とを更に備える、請求項11に記載の運動装置。
【請求項13】
対向する第1及び第2の端部並びに前記対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2の縦キャッチを有する伸張部材と、
前記第1及び第2の端部の間で前記伸張部材に滑動可能に取り付けられるスリーブであって、前記スリーブは対向する第1及び第2のねじ込み部を有する内部穴を備え、前記第1のねじ込み部は右巻きねじ部を有し、且つ前記第2のねじ込み部は左巻きねじ部を有するスリーブと、
前記スリーブの前記内部穴の前記第1のねじ込み部とねじ込み式に係合される外部ねじ込み式の第1のナットであって、前記第1の縦キャッチと滑動可能に係合される少なくとも1つのラジアルロックを備える第1のナットと、
前記スリーブの前記内部穴の前記第2のねじ込み部とねじ込み式に係合される外部ねじ込み式の第2のナットであって、前記第2の縦キャッチと滑動可能に係合される少なくとも1つのラジアルロックを備える第2のナットと、
前記第1のナットと前記伸張部材の前記第1の端部との間に接続する第1の弾性抵抗要素と、
前記第2ナットと前記伸張部材の前記第2の端部との間に接続する第2の弾性抵抗要素と
を備える、運動装置。
【請求項14】
第1の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記スリーブの前記内部穴に沿って前記第1及び第2のナットを互いから離し、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮し、
反対の第2の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記スリーブの前記内部穴に沿って前記第1及び第2のナットを互いに向かって動かし、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張させる、請求項13に記載の運動装置。
【請求項15】
前記対向する第1及び第2の端部に交互に向かう前記伸張部材に沿った前記スリーブの使用者誘導の振動運動は、前記第1及び第2のナット並びに前記伸張部材に対して前記スリーブが振動すると、前記第1及び第2の弾性抵抗要素を交互に圧縮及び伸張させる、請求項13に記載の運動装置。
【請求項16】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の軸受けは、前記内部穴の第1及び第2の内部肩部である、請求項13に記載の運動装置。
【請求項17】
前記第1及び第2の弾性抵抗要素はバネである、請求項13に記載の運動装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の弾性抵抗要素は、前記伸張部材及び前記スリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネである、請求項17に記載の運動装置。
【請求項19】
前記伸張部材の前記第1の端部に取り付けられる第1の重りと、前記伸張部材の前記第2の端部に取り付けられる第2の重りとを更に備える、請求項13に記載の運動装置。
【請求項20】
前記スリーブは、前記第1の重りを包む第1の外側部と、前記第2の重りを包む第2の外側部とを更に備える、請求項19に記載の運動装置。
【請求項21】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の縦キャッチは、前記内部穴における溝である、請求項13に記載の運動装置。
【請求項22】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の縦キャッチは、前記内部穴におけるリブである、請求項13に記載の運動装置。
【請求項23】
対向する第1及び第2の端部並びに内部穴を有する作動シリンダと、
前記作動シリンダの前記内部穴に滑動可能に取り付けられる少なくとも1つの塊部と、
前記作動シリンダの前記内部穴の中に取り付けられ、且つ前記作動シリンダの端部に向かう前記少なくとも1つの塊部の動作に抵抗する第1及び第2の弾性抵抗要素と
を備え、
前記少なくとも1つの塊部は、前記第1の弾性抵抗要素が圧縮される第1の位置と、前記第1の弾性抵抗要素が伸張される第2の位置との間で、前記作動シリンダに対して滑動可能であり、
前記少なくとも1つの塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって前記作動シリンダに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、前記作動シリンダに対して前記少なくとも1つの塊部を振動させる 、慣性運動装置。
【請求項24】
中央シャフトによって前記少なくとも1つの塊部に強固に接続される第2の塊部を更に備える、請求項23に記載の慣性運動装置。
【請求項25】
前記作動シリンダの前記内部穴は、第1及び第2の周辺肩部を備え、
前記第1の弾性抵抗要素は、前記第1の周辺肩部と前記少なくとも1つの塊部との間に配置され、且つ
前記第2の弾性抵抗要素は、前記第2の周辺肩部と前記第2の塊部との間に配置される、請求項24に記載の慣性運動装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの塊部は、対向する第1及び第2の面を有し、且つ
前記第1の弾性抵抗要素は、前記少なくとも1つの塊部の前記第1の面と前記作動シリンダの第1の端部との間に配置され、且つ前記第2の弾性抵抗要素は、前記少なくとも1つの塊部の前記第2の面と前記作動シリンダの第2の端部との間に配置される、請求項23に記載の慣性運動装置。
【請求項27】
伸張中央シャフトと、
前記伸張中央シャフトの対向する端部に取り付けられる1組のハンドルと、
各ハンドルに隣接して前記伸張中央シャフトに取り付けられる1組の肩部と、
前記1組の肩部の間において前記伸張中央シャフトに滑動可能に取り付けられる塊部と、
前記伸張中央シャフトに取り付けられる1組の弾性抵抗要素であって、各々が前記塊部と各肩部との間に配置される1組の弾性抵抗要素と
を備え、
前記塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって前記中央シャフトに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、前記中央シャフトに対して前記塊部を振動させる、 慣性運動装置。
【請求項1】
中央シャフトによって互いに強固に結合される第1及び第2の末端塊部であって、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトが集合的に慣性を有する第1及び第2の末端塊部と、
前記中央シャフトの周囲に滑動可能に取り付けられる作動スリーブであって、第1の周辺肩部を有する内部穴を備える作動スリーブと、
前記作動スリーブの前記内部穴の中で前記中央シャフトに取り付けられ且つ前記第1の末端塊部と前記第1の周辺肩部との間に配置される第1の弾性抵抗要素と
を備え、
前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトは、前記第1の弾性抵抗要素が前記第1の末端塊部と前記第1の周辺肩部との間で圧縮される第1の位置と、前記第1の弾性抵抗要素が伸張される第2の位置との間で、前記作動スリーブに対して滑動可能であり、
前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトの前記慣性は、慣性運動装置の使用者によって前記作動スリーブに与えられる交互の律動的直線動作に応答して、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトに対して前記作動スリーブを振動させる 、慣性運動装置。
【請求項2】
前記作動スリーブの前記内部穴は、第2の周辺肩部を更に備え、前記慣性運動装置は、前記作動スリーブの前記内部穴の中で前記中央シャフトに取り付けられ且つ前記第2の末端塊部と前記第2の周辺肩部との間に配置される第2の弾性抵抗要素を更に備え、
前記第2の弾性抵抗要素は、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトが前記第1の位置にある場合に、伸張され、且つ
前記第2の弾性抵抗要素は、前記第1及び第2の末端塊部並びに前記中央シャフトが前記第2の位置にある場合に、前記第2の末端塊部と前記第2の周辺肩部との間で圧縮される、請求項1に記載の慣性運動装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の末端塊部は、前記作動スリーブの前記内部穴の中に配置される、請求項1に記載の慣性運動装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の周辺肩部は、前記作動スリーブの前記内部穴におけるリッジの対向する面である、請求項2に記載の慣性運動装置。
【請求項5】
対向する第1及び第2の端部並びに前記対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2のねじ込み部を有する伸張部材であって、前記第1のねじ込み部は右巻きねじ部を有し、且つ前記第2のねじ込み部は左巻きねじ部を有する伸張部材と、
前記伸張部材の前記第1のねじ込み部と回転可能に係合される第1のナットであって、少なくとも1つのラジアルフランジを備える第1のナットと、
前記伸張部材の前記第2のねじ込み部と回転可能に係合される第2のナットであって、少なくとも1つのラジアルフランジを備える第2のナットと、
前記第1及び第2のナット上に滑動可能に取り付けられるスリーブであって、第1及び第2の軸受けを有する内部穴と、前記第1のナットの前記少なくとも1つのラジアルフランジ及び前記第2のナットの前記少なくとも1つのラジアルフランジと滑動可能に係合される少なくとも1つの縦溝とを備えるスリーブと、
前記第1のナットと前記スリーブの前記内部穴の前記第1の軸受けとの間に結合する第1の弾性抵抗要素と、
前記第2ナットと前記スリーブの前記内部穴の前記第2の軸受けとの間に結合する第2の弾性抵抗要素と
を備える、運動装置。
【請求項6】
第1の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記伸張部材に沿って前記第1及び第2のナットを互いから離し、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮し、
反対の第2の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記伸張部材に沿って前記第1及び第2のナットを互いに向かって移動させ、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張する、請求項5に記載の運動装置。
【請求項7】
前記対向する第1及び第2の端部に交互に向かう前記伸張部材に沿った前記スリーブの使用者誘導の振動運動は、前記第1及び第2のナット並びに前記伸張部材に対して前記スリーブが振動すると、前記第1及び第2の弾性抵抗要素を交互に圧縮及び伸張させる、請求項5に記載の運動装置。
【請求項8】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の軸受けは、前記内部穴の第1及び第2の内部肩部である、請求項5に記載の運動装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の内部肩部は、前記内部穴のラジアルフランジの対向する面である、請求項8に記載の運動装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の弾性抵抗要素は、前記スリーブの前記内部穴の中で前記伸張部材に取り付けられる、請求項9に記載の運動装置。
【請求項11】
前記伸張部材の前記第1の端部に取り付けられる第1の重りと、前記伸張部材の前記第2の端部に取り付けられる第2の重りとを更に備える、請求項5に記載の運動装置。
【請求項12】
前記スリーブは、前記第1の重りを包む第1の外側部と前記第2の重りを包む第2の外側部とを更に備える、請求項11に記載の運動装置。
【請求項13】
対向する第1及び第2の端部並びに前記対向する第1及び第2の端部の間に配置される第1及び第2の縦キャッチを有する伸張部材と、
前記第1及び第2の端部の間で前記伸張部材に滑動可能に取り付けられるスリーブであって、前記スリーブは対向する第1及び第2のねじ込み部を有する内部穴を備え、前記第1のねじ込み部は右巻きねじ部を有し、且つ前記第2のねじ込み部は左巻きねじ部を有するスリーブと、
前記スリーブの前記内部穴の前記第1のねじ込み部とねじ込み式に係合される外部ねじ込み式の第1のナットであって、前記第1の縦キャッチと滑動可能に係合される少なくとも1つのラジアルロックを備える第1のナットと、
前記スリーブの前記内部穴の前記第2のねじ込み部とねじ込み式に係合される外部ねじ込み式の第2のナットであって、前記第2の縦キャッチと滑動可能に係合される少なくとも1つのラジアルロックを備える第2のナットと、
前記第1のナットと前記伸張部材の前記第1の端部との間に接続する第1の弾性抵抗要素と、
前記第2ナットと前記伸張部材の前記第2の端部との間に接続する第2の弾性抵抗要素と
を備える、運動装置。
【請求項14】
第1の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記スリーブの前記内部穴に沿って前記第1及び第2のナットを互いから離し、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を圧縮し、
反対の第2の方向における前記スリーブに対する前記伸張部材の回転は、前記スリーブの前記内部穴に沿って前記第1及び第2のナットを互いに向かって動かし、且つ前記第1及び第2の弾性抵抗要素を伸張させる、請求項13に記載の運動装置。
【請求項15】
前記対向する第1及び第2の端部に交互に向かう前記伸張部材に沿った前記スリーブの使用者誘導の振動運動は、前記第1及び第2のナット並びに前記伸張部材に対して前記スリーブが振動すると、前記第1及び第2の弾性抵抗要素を交互に圧縮及び伸張させる、請求項13に記載の運動装置。
【請求項16】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の軸受けは、前記内部穴の第1及び第2の内部肩部である、請求項13に記載の運動装置。
【請求項17】
前記第1及び第2の弾性抵抗要素はバネである、請求項13に記載の運動装置。
【請求項18】
前記第1及び第2の弾性抵抗要素は、前記伸張部材及び前記スリーブと同軸に取り付けられる螺旋バネである、請求項17に記載の運動装置。
【請求項19】
前記伸張部材の前記第1の端部に取り付けられる第1の重りと、前記伸張部材の前記第2の端部に取り付けられる第2の重りとを更に備える、請求項13に記載の運動装置。
【請求項20】
前記スリーブは、前記第1の重りを包む第1の外側部と、前記第2の重りを包む第2の外側部とを更に備える、請求項19に記載の運動装置。
【請求項21】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の縦キャッチは、前記内部穴における溝である、請求項13に記載の運動装置。
【請求項22】
前記スリーブの前記内部穴の前記第1及び第2の縦キャッチは、前記内部穴におけるリブである、請求項13に記載の運動装置。
【請求項23】
対向する第1及び第2の端部並びに内部穴を有する作動シリンダと、
前記作動シリンダの前記内部穴に滑動可能に取り付けられる少なくとも1つの塊部と、
前記作動シリンダの前記内部穴の中に取り付けられ、且つ前記作動シリンダの端部に向かう前記少なくとも1つの塊部の動作に抵抗する第1及び第2の弾性抵抗要素と
を備え、
前記少なくとも1つの塊部は、前記第1の弾性抵抗要素が圧縮される第1の位置と、前記第1の弾性抵抗要素が伸張される第2の位置との間で、前記作動シリンダに対して滑動可能であり、
前記少なくとも1つの塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって前記作動シリンダに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、前記作動シリンダに対して前記少なくとも1つの塊部を振動させる 、慣性運動装置。
【請求項24】
中央シャフトによって前記少なくとも1つの塊部に強固に接続される第2の塊部を更に備える、請求項23に記載の慣性運動装置。
【請求項25】
前記作動シリンダの前記内部穴は、第1及び第2の周辺肩部を備え、
前記第1の弾性抵抗要素は、前記第1の周辺肩部と前記少なくとも1つの塊部との間に配置され、且つ
前記第2の弾性抵抗要素は、前記第2の周辺肩部と前記第2の塊部との間に配置される、請求項24に記載の慣性運動装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つの塊部は、対向する第1及び第2の面を有し、且つ
前記第1の弾性抵抗要素は、前記少なくとも1つの塊部の前記第1の面と前記作動シリンダの第1の端部との間に配置され、且つ前記第2の弾性抵抗要素は、前記少なくとも1つの塊部の前記第2の面と前記作動シリンダの第2の端部との間に配置される、請求項23に記載の慣性運動装置。
【請求項27】
伸張中央シャフトと、
前記伸張中央シャフトの対向する端部に取り付けられる1組のハンドルと、
各ハンドルに隣接して前記伸張中央シャフトに取り付けられる1組の肩部と、
前記1組の肩部の間において前記伸張中央シャフトに滑動可能に取り付けられる塊部と、
前記伸張中央シャフトに取り付けられる1組の弾性抵抗要素であって、各々が前記塊部と各肩部との間に配置される1組の弾性抵抗要素と
を備え、
前記塊部の慣性は、慣性運動装置の使用者によって前記中央シャフトに与えられる交互の律動的直線運動に応答して、前記中央シャフトに対して前記塊部を振動させる、 慣性運動装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2013−500083(P2013−500083A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−521873(P2012−521873)
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/043235
【国際公開番号】WO2011/011778
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(510242392)フィットネス アイキュー エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Fitness IQ LLC
【住所又は居所原語表記】2387 La Mirada Drive Vista, CA 92081 USA
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月26日(2010.7.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/043235
【国際公開番号】WO2011/011778
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(510242392)フィットネス アイキュー エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】Fitness IQ LLC
【住所又は居所原語表記】2387 La Mirada Drive Vista, CA 92081 USA
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