説明

懸濁した糖類粒子を含有するチューインガム組成物及び中心充填物菓子ピースの調製方法

【課題】消費の際により強い冷感を与えるチューインガム組成物及び中心充填物菓子ピースの調製方法を提供する。
【解決手段】チューインガム組成物及び中心充填物菓子ピースの調製方法に関する。個々のガムピースは、ガム領域によって囲まれ、かつ、必要に応じてさらにコーティングによって囲まれた中心充填物組成物を含有する。中心充填物組成物は、中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と、この流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子とを含有するスラリーを含み、エリスリトール粒子は、消費の際に高められた冷感および/または食感向上感覚をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2006年9月8日出願の米国仮出願第60/843,056号の利益を主張する、2007年2月16日出願の米国特許出願第11/707,713号の利益を主張する。これらの特許出願のすべての内容を、参照により本願明細書に引用したものとする。
【0002】
本発明は、多層中心充填物菓子製品またはチューインガム製品用の組成物を包含する。本発明の組成物を含む個々の菓子ピースまたはガムピースは、菓子領域またはガム領域に囲まれる中心を含む。この中心は、流動体担体およびその中心領域に懸濁した糖類粒子(特にポリオール粒子)を含む。
【背景技術】
【0003】
液体または中心充填物ガム及びその他菓子製品が、今日、広く求められている。一般に、これらの製品は、固体外側部分と、軟質または液体型中心を有している。外側の部分は、あるタイプのチューインガムまたは風船ガムであることができ、一方液体中心部分は一般にシロップ状の粘稠度を有する風味付材料であることができる。
【0004】
外側に硬質のシュガーまたはシュガーレス殻を備えたチューインガムまたは風船ガムのコアを有する製品もある。これらの製品として、例えばChiclets(登録商標)、Clorets(登録商標)、及びDentyne−Ice(登録商標)の製品名で販売されている、よく知られたペレットガム製品が挙げられる。液体充填及びコーティングガム製品の双方とも、広く需要がある。
【0005】
消費の際に口腔内で冷感を与え、これによって清涼感をもたらす製品に対する消費者需要も存在する。冷感を提供する風味料または生理的冷感剤を含むチューインガム製品および菓子製品が提供されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
消費の際により強い冷感を与える中心充填物製品を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
いくつかの実施形態では、(a)中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と前記流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子とを含むスラリーを含む中心充填物組成物と、(b)前記中心充填物組成物を囲み、ガムベースを含むガム領域と、を含むチューインガム組成物が提供される。このエリスリトール粒子はその製品の消費の際に、その個体に高められた冷感ならびに食感向上感覚をもたらす。
【0008】
上記チューインガム組成物は、前記流動体担体がグリセリン及び水素化デンプン加水分解物を含むことが好ましい。
【0009】
上記チューインガム組成物は、前記エリスリトール粒子が45μm未満の粒子径を有することが好ましい。
【0010】
上記チューインガム組成物は、前記エリスリトール粒子が−43cal/g以下の溶解熱を有することが好ましい。
【0011】
上記チューインガム組成物は、前記エリスリトール粒子が前記チューインガム組成物の4.3重量%〜5.2重量%の量で存在することが好ましい。
【0012】
上記チューインガム組成物は、前記流動体担体が前記チューインガム組成物の8.6重量%〜10.5重量%の量で存在することが好ましい。
【0013】
上記チューインガム組成物は、前記中心充填物組成物が、更に、着香料及び冷感剤を含有するプレミックスを含み、前記冷感剤が前記着香料中に溶解し、前記プレミックスが前記流動体担体に懸濁していることが好ましい。
【0014】
いくつかの実施形態では、(a)中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と前記流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子及びキシリトール粒子とを含むスラリーを含み、前記流動体担体がグリセリン及び水素化デンプン加水分解物を含む中心充填物組成物と、(b)前記中心充填物組成物を囲み、ガムベースを含むガム領域と、を含み、前記エリスリトール粒子が前記中心充填物組成物の10重量%〜50重量%の量で存在し、前記キシリトール粒子が前記中心充填物組成物の10重量%〜50重量%の量で存在するチューインガム組成物が提供される。
【0015】
上記チューインガム組成物は、更に、前記ガム領域の少なくとも一部分を囲むコーティングを含むことが好ましい。また、前記コーティングが、更に、少なくとも1種の冷感剤を含むことが好ましい。
【0016】
上記チューインガム組成物は、前記中心充填物組成物が、更に、着香料及び冷感剤を含有するプレミックスを含み、前記冷感剤が前記着香料中に溶解していることが好ましい。
【0017】
上記チューインガム組成物は、前記グリセリンが前記中心充填物組成物の1.0重量%〜30.0重量%の量で存在し、前記水素化デンプン加水分解物が前記中心充填物組成物の20重量%〜50重量%の量で存在することが好ましい。
【0018】
いくつかの実施形態では、(a)中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と前記流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子及びキシリトール粒子とを含むスラリーを含み、前記流動体担体がグリセリン及び水素化デンプン加水分解物を含む中心充填物組成物と、(b)前記中心充填物組成物を囲み、ガムベースを含むガム領域と、を含み、前記グリセリンが前記中心充填物組成物の1.5重量%〜2.5重量%の量で存在し、前記水素化デンプン加水分解物が前記中心充填物組成物の37重量%〜47重量%の量で存在し、前記エリスリトール粒子が前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在し、前記キシリトール粒子が前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在するチューインガム組成物が提供される。
【0019】
いくつかの実施形態では、中心充填物菓子ピースの調製方法であって、(a)菓子層の中心充填物ロープを押出すステップであって、前記中心充填物ロープは、糖、グルコース、水素化デンプン加水分解物及びこれらの組合せからなる群から選択される流動体担体と、エリスリトール粒子、キシリトール粒子及びこれらの組合せからなる群から選択され、前記流動性担体に懸濁した粒子とを含む中心充填物組成物と、前記中心充填物組成物を囲む菓子部分とを含む、ステップと、(b)前記中心充填物ロープをサイジングするステップと、(c)前記中心充填物ロープを成形機構に供給するステップと、(d)前記中心充填物ロープの個々のピースを成形するステップと、(e)前記個々のピースをコーティングするステップとを含む、方法が提供される。
【0020】
いくつかの実施形態では、中心充填物菓子ピースの調製方法であって、(a)菓子層の中心充填物入りのロープを押出すステップであって、前記中心充填物入りのロープは、中心充填物組成物と、前記中心充填物組成物を囲む菓子部分を含むロープとを含み、前記中心充填物組成物は、前記中心充填物組成物の37重量%〜47重量%の量で存在する水素化デンプン加水分解物と、前記中心充填物組成物の1.5重量%〜2.5重量%の量で存在するグリセリンと、前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在するエリスリトール粒子と、前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在するキシリトール粒子とを含む、ステップと、(b)前記中心充填物ロープをサイジングするステップと、(c)前記中心充填物ロープを成形機構に供給するステップと、(d)前記中心充填物ロープの個々のピースを成形するステップと、(e)前記個々のピースをコーティングするステップとを含む、方法が提供される。
【0021】
上記エリスリトール粒子はその製品の消費の際に、その個体に高められた冷感ならびに食感向上感覚をもたらす。
【0022】
本明細書で使用する場合、移行句「comprising(含んでいる)」(「comprises」等も同様)(「including(含んでいる)」、「containing(含有している)」と同義)または「characterized by(特徴とする)」は、包括的すなわちオープンエンド型であり、請求項の前提部または本体部いずれでの使用に関わらず、付加的な、記載していない要素または方法の工程を除外しない。
【0023】
本明細書で使用する場合、「風船ガム」及び「チューインガム」の用語はほとんど同義で用いられ、双方とも、いかなるガム組成物も含むことを意味する。
【0024】
本明細書で使用する場合、「第一領域」及び「中心充填物」の用語は、組成物の最内領域を称するのに、ほとんど同義で用いられる。「中心充填物」の用語は、ガムピースまたは菓子ピースの対称性を含意するものでなく、「中心充填物」がガムピースまたは菓子ピースの別の領域の中にあることをいうにすぎない。いくつかの実施形態では、1より多くの中心充填物が存在してよい。
【0025】
本明細書で使用する場合、「第二領域」及び「ガム領域」の用語は、中心充填物または最内領域に隣接するかもしくは少なくとも部分的に中心充填物を囲みうる組成物の領域を称するのにほとんど同義で用いられる。同様に、「第二領域」及び「菓子領域」の用語は、中心充填物に隣接するかもしくは少なくとも部分的に中心充填物または最内領域を囲みうる組成物の領域を称するのにほとんど同義で用いられる。
【0026】
本明細書で使用する場合、「第三領域」及び「コーティング」の用語は、組成物の任意の最外領域を称するのにほとんど同義で用いられる。
【0027】
本明細書で使用する場合、「囲む(surround)」、「囲んでいる(surrounding)」などの用語は取り囲むこと(encircling)に限定されない。これらの用語は、すべての側で囲む(enclosing)かまたは閉じ込める(confining)こと、取り囲むかまたは包むこと(enveloping)を指してもよく、ガムまたは菓子製品の領域に対して対称的または同一の厚みであることに限定されない。
【0028】
本明細書で使用する場合、「液体」の用語は、室温および常圧で容易に流動する、または流体特性を維持するであろう組成物を指す。「液体」の用語は、溶液、懸濁液、エマルジョン、半固体、クリーム、ゲル、等であって、完全に液体でなくてもよい。
【0029】
本明細書で使用する場合、「流動体担体」との用語は、その中に懸濁させたときに糖類粒子の少なくとも一部が微粒子の形で残ることを可能にする、上で定義した液体を指す。懸濁した粒子は結晶形態であってもよい。
【0030】
本明細書で使用する場合、「成分」の用語、及び「構成成分」の用語は、いくつかの実施形態のガム組成物に含めてよい添加物、固定剤、物質、材料、薬剤、活性物、要素、または部分のいずれもを言うのにほとんど同義で用いられる。
【0031】
本明細書に記載の実施形態は、少なくとも1つの中心充填物組成物もしくは領域、ならびにこの中心充填物組成物を含むガム領域もしくは菓子領域を含む複数構成成分組成物を提供する。この中心充填物組成物は、流動体担体およびその中に懸濁した糖類粒子を含む。例えば、いくつかの実施形態では、この中心充填物組成物は流動体担体に懸濁した粉末化エリスリトールまたは結晶性エリスリトールを含んでいてもよい。糖類粒子は、消費の際に冷感を提供する。この粒子はまた、個体の舌の上でその個体が知覚できるサイズにあり、これによってその製品の消費の際に食感向上感覚をもたらすものであってもよい。
【0032】
チューインガムの実施形態では、ガム領域は、ガムベースおよび種々の任意の構成成分を含む。菓子の実施形態では、菓子領域は菓子担体および種々の任意の構成成分を含む。個々のガムピースまたは菓子ピースは、最初に噛んだ時にピースにクランチ性をもたらすことができる外側コーティングまたは殻も含んでもよい。個々のピースは、特にペレット、錠剤、ボール、ピロー形、塊状、スティック及びスラブなどの様々な形状をとってよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、チューインガム組成物または菓子組成物の構成成分は、組成物全体の所望の形状に応じて、異なる構成とされてよい。中心充填物領域(単数または複数)は、ガム領域または菓子領域に対して同心円構造であるか、または層状構造であってよい。同心円構造は、ボール、ピローまたはペレット形状に対して許容され得、層状構造は、スラブまたはスティック形状に対してより好適であるかもしれない。例えば、組成物全体がボール形状である場合、ピースの最内領域に中空、円形の殻を形成してもよい。殻は中心充填物組成物で満たされていてもよく、またピースの他の領域または他の層は、中心充填物領域を取り囲んでいてもよい。しかし、組成物全体がスラブ形状である場合、最内領域に形成する中空殻が矩形の形状であってよい。この矩形の形状の殻は中心充填物組成物で充填されていてもよく、ピースの他の領域または層が、矩形のすべての辺で矩形中心充填物領域を囲むまたは閉じ込めてよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、ガム領域または菓子領域は不均一な厚さであってもよい。特に、層状構造の実施形態のガム領域または菓子領域は、ピースの辺よりも端部で薄くなっていてよい。
【0035】
上述のように、ガム組成物または菓子組成物の中心充填物組成物は流動体担体を含む。従って、中心充填物組成物は、液体、半固体等であってよい。かかる中心充填物組成物は、前記のように、製造及び保存期間中に液体中心を保持することについて懸念されるかもしれない。従って、液体中心の漏出を実質的に低減または防止する液体充填製品と共にガム領域組成物または菓子領域組成物を用いることが望ましいかもしれない。好適なガム領域組成物または菓子領域組成物は、詳細に後述する。
【0036】
いくつかの実施形態では、中心充填物領域は、実質的、または完全に、液体または半固体の中心充填物組成物で満たされるとよい。いくつかの他の実施形態では、中心充填物領域は、一部分のみ、液体または半固体の中心充填物組成物で充填されてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、中心充填物領域は、2種以上の中心充填物組成物を含んでもよい。この2種以上の中心充填物組成物の形状は、同じでも異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態は、2種以上の別異の液体の混合物を含有してもよく、これら液体は混和性であってもなくてもよい。同様に、いくつかの実施形態は、2種以上の別異の半固体を中心充填物領域に含有してよい。いくつかの実施形態では、異なる中心充填物形状の混合物を、含んでもよい。例えば、液体及び半固体を、中心充填物領域に包含させてもよい。中心充填物組成物に用いる2種以上の液体及び/または半固体は、同量または異なる量で配合してよく、類似または別異の特性を有してよい。更に詳細には、いくつかの実施形態では、2種以上の中心充填物組成物は、粘度、色、風味、食味、感覚、成分構成成分、機能性構成成分、甘味料等といった種々の特性において異なっていてよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、中心充填物組成物はまた、例えば、風味ビーズ、果実粒子、ナッツ粒子、風味粒子、ゼラチンポーション等といった、付加的な非液体構成成分をも含んでよい。
【0039】
本明細書に記載の中心充填物ガム組成物及び他の組成物は、Degadyらの米国特許第6280780号(「Degady」、本願に引用して、その全体を援用する)に記載の方法を含め、当該技術分野で知られたいかなる技術で形成してもよい。Degadyは、中心充填物ガムペレットを形成するための装置及び方法を記載している。その方法には、先ず、チューインガム層の液体充填ロープを押出し、そのロープを一連の対のプーリ状ローラ部材を含むサイジング機構に通すことが含まれる。ローラ部材は、打錠機構に導入するのに望ましいサイズ及び形状でガム材料のロープまたはストランドが当該一連のローラを離れるように、ガム材料のロープまたはストランドを「サイズ」する。
【0040】
次いで、エンドレスチェーン機構であり、双方がモータ及びギア機構によって同じ速度で回転する一対の回転チェーンダイ部材を含む打錠機構にロープを導く。チェーン機構の各々は、ガム材料のピース(ペレットまたは錠剤)が形成されるダイ空洞を対合、形成させる複数の開放湾曲ダイ溝部材を含む。Degadyは、ペレットまたは錠剤の形状をしたピースの形成に限られるが、ガムピースは前記のような他の形状であってもよい。ダイ溝部材の形状を変更して、なんらかの所望の形状を提供してもよい。
【0041】
ガムは任意に、打錠機構に入れる前、打錠機構を出した後のいずれか、またはその両方に、冷却トンネルを通してもよい。打錠機構に入れる前のロープの冷却は、個々のピースの反跳を妨げるのに有利であるかもしれず、よって生産性の増大をもたらすかもしれない。
【0042】
ガム材料の冷却済みピースは、次いで順化及び更なる加工用の保存容器内に送られる。この時点で、ガム材料の冷却済ピースは、回転トンネル機構などのコーティングトンネル機構へと直接送ることができる。
【0043】
形成されたガム材料のピースを先ず保存容器内に保存して輸送する場合でも、またはコーティングトンネルもしくは機構に直接送る場合でも、ガム材料の個々のピースはその後に、液体充填ガム材料上に硬質外殻を形成させるための、従来の砂糖またはシュガーレスコーティングプロセスに付されてよい。このタイプの様々なコーティングプロセスまたは機構が公知である。いくつかの実施形態では、ガム製品に、適切に均質なコーティングがなされて仕上げられた質の表面を形成するために、材料の数多くの薄層でコーティングを施す。砂糖、マルチトール、ソルビトールまたは本明細書に記載のものを含む他のいずれかのポリオール、及び任意に風味料を含んでよい硬質コーティング材料は、コーティング機構またはコーティングトンネルを通過し、その中で混転及び回転される際にガム材料のペレットに噴霧される。更に、形成した製品上の連続コーティング層の各々を乾燥するために、調整された空気をコーティングトンネルまたは機構内に循環させるか、または送り込む。いくつかの実施形態では、コーティング、すなわち最外領域は、積層、二重もしくは多重押し出し、または最外領域を作り出す他のいずれかのプロセスによって形成させることができる。
【0044】
コーティング組成物は、中心充填物、ガム領域もしくは菓子領域及びコーティングを含む個々のガムピースもしくは菓子ピースの約2重量%〜約80重量%、更に具体的には、約20重量%〜約40重量%の範囲であってよく、更になお具体的には、25重量%〜35重量%及び更に一層具体的には、およそ30重量%であってよい。コーティングは、主要構成成分として砂糖またはマルチトールなどのポリオールを含んでよいが、ガム領域の説明で後述するように風味料、着色料等も含んでよい。コーティングまたは最外領域は、結晶でもよいし、非晶質でもよい。
【0045】
中心充填物製品は上記のように形成することができ、その中心充填物製品は、口腔の中での冷感を高めるために個体の口腔の中へ投与されてもよい。特に、本明細書に記載される中心充填物チューインガムまたは菓子製品は提供され、口腔の中へと入れられる。その製品が消費されるにつれて、糖類粒子がそこから放出される。糖類粒子の放出は口腔での冷感を高め、加えて口腔の中に食感向上感覚をもたらす。
【0046】
いくつかの実施形態では、中心充填物チューインガム製品または菓子製品は、ガム領域または菓子領域に存在する糖類またはポリオール組成物、及びガムベース組成物または菓子組成物の双方を改良することによって、中心充填物からガム領域または菓子領域への水分移動に対する抵抗性をもたらす。これは特に、液体充填物チューインガムの実施形態に関連する。これは、液体中心充填物製品の製造及び保存安定性に関わる問題に充分に対処するものではない前記の従来のアプローチと対照的でありる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態では、より小さなピースのサイズが含まれる。例えば、市販のガムの従来最小のピースサイズは、通常ペレット形状にある。これらのピースサイズは現在、約5〜7グラムの範囲にある。いくつかの実施形態では、液体充填製品は、流動性が喪失したりガム領域内へとまたはコーティングを越えて液体が移動したりすることなく、実質的に更に小さいピースサイズ、すなわち重量で50〜60%小さいピースを用いて作製されている。いくつかの本発明に係る実施形態では、外側の硬質コーティングの殻を加えたものも含め約0.5グラムを上回る、更に具体的には約3グラムを上限として1.5グラムを上回る、液体充填ガムピースのサイズ範囲が提供される。更に、いくつかの実施形態では、ガムピースは中心充填物、ガムベースを含むガム領域、及び外側コーティングを含んでよい。このようなガムピースは、1ピース当たり約2.2グラムの総重量であってよい。
【0048】
このように小さなサイズのピース、特に液体自体の重量に対して比例的により大きな液体充填物表面積を有するガム形状または構造を備えた小さなサイズのピースでは、異なる因子の相互作用に起因して中心の流動性が失われる傾向がより強いことが発見されている。一つの理論に限定されることなく、これらの因子としては、液体充填物に直接接触するガム領域の面積に比して液体充填物の量が少ないこと、中心充填物とその型のエラストマーとの相互作用(すなわち、SBR対非SBR)、液体充填物構成成分とのガム領域構成成分の相溶性、及びガム領域で用いるポリオールの潜在的毛管作用が挙げられる。例えば、米国でガム処方物に通例使用されているソルビトールの構造は、しっかりと詰め込まれた結晶構造を提供せず、ほぼスポンジ状の外観を与える。従って、約3グラム未満の中心充填物ガムピースを提供するために、本発明はいくつかの実施形態でガム及びガムベースを変更して、流動性の喪失に対する抵抗性を備えた中心充填物ガムピースを提供するための従来のソルビトールガム領域処方物におけるスポンジ状構造と異なる、高密度な、しっかりと充填された結晶構造を有するポリオール組成物を配している。
【0049】
ここで使用するための他の有用な中心充填物ガム組成物及び/または構成成分としては、その内容を本願に引用してそれら全体を援用する、以下の同時係属中で共有の特許出願を参照されたい。名称「液体充填チューインガム組成物」の、2006年2月24日出願の米国出願第60/776748号(代理人整理番号1421−5 CIP II/P);名称「液体充填チューインガム組成物」の、2006年2月24日出願の米国出願第60/776642号(代理人整理番号1421−5 CIP III/P);2006年2月24日出願の米国出願第60/776641号(代理人整理番号1421−5 CIP IV/P);名称「バリア層を備えた中心充填物チューインガム」の、2006年2月24日出願の米国出願第60/776508号(代理人整理番号1421−137P);名称「液体充填チューインガム組成物」の、2006年2月24日出願の米国出願第60/776382号(代理人整理番号1421−138P);及び名称「多様式チューインガム組成物」の、2006年2月24日出願の米国出願第60/776699号(代理人整理番号1421−139P)。
【0050】
(ガム領域)
チューインガムの実施形態では、ガム領域は中心充填物組成物を囲む。中心充填物チューインガムの実施形態において、第二領域とも称されるガム領域は、その中に中心充填物を収容するために1以上の空洞を含んでよい。空洞の形状は、チューインガムピースの最終的な構造が大半を決定付けるであろう。
【0051】
いくつかの実施形態では、ガム領域は、液体充填物を取り囲んでこれが移動及び成熟前に放出するのを防止するよう、液体バリアを設けてもよい。液体充填物重量に対して所望の空洞表面積の比を選択することによって、ガム領域への液体充填物の潜在的な移動の低減を最適化できるようになる。これは、ガムピースサイズが従来の市販ガムピースよりも実質的に小さいことが望まれる場合に特に有用である。特に、ガムピース全体の重量で2〜3グラムのサイズを有する液体充填ペレットガムの製造に成功している。しかし、約0.5グラムと更に小さなガムピースが企図される。
【0052】
前述のとおり、いくつかの実施形態、特に液体充填物の実施形態では、本明細書に記載のとおり、ガム領域に組み込む少なくとも1つのポリオールを含む変性ポリオール組成物を組み込むとよい。更に、ガム領域の非SBRガムベースの選択は、変性ポリオール組成物と組合せて、安定な液体充填チューインガム組成物を得るのに特に有用であることが見出されている。
【0053】
ガム領域は、ガムベースを含んでよい。ガムベースは、チューインガム技術で公知の何れの構成成分を含んでもよい。例えば、ガム領域は、エラストマー、増量剤、ワックス、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、充填剤及びそれらの混合物を含んでもよい。中心充填物、ガム領域及びコーティング層を含む3種の構成成分組成物にガム領域を含める場合、ガム領域はチューインガムピースの約40重量%〜約97重量%、更に具体的には約55重量%〜約65重量%、更に具体的には約62重量%含まれるとよい。
【0054】
ガム領域に存在するガムベースの量も、変動してよい。いくつかの実施形態では、ガムベースは、ガム領域の約25重量%〜約45重量%の量でガム領域に含められてよい。いくつかの実施形態では、ガムベースの更に具体的な範囲は、ガム領域の約28重量%〜約42重量%であってよい。更に具体的には、その範囲はいくつかの実施形態では、約28%〜約35%または約28%〜約30%であってよい。あるいは、いくつかの高ガムベースの実施形態では、ガムベースはガム領域の約45重量%〜約100重量%の量で存在してよい。
【0055】
ガムベースに用いられるエラストマー(ゴム類)は、所望のガムベースのタイプ、所望のガム組成物の粘稠度、及び最終的なチューインガム製品を作るため組成物に使用される他の成分などの様々な要因に応じて大幅に変更されよう。エラストマーは、当該技術分野で公知の何れの水不溶性ポリマーでもよく、チューインガム及び風船ガムに利用されるようなガムポリマーが含まれる。ガムベースに好適なポリマーとして、天然及び合成エラストマーの双方が例示できる。例えば、ガムベース組成物で好適なそれらポリマーとして、限定しないが、チクル、天然ゴム、クラウンガム、nispero、rosidinha、jelutong、perillo、niger gutta、tunu、balata、ガッタパーチャ、lechi capsi、sorva、gutta kayなどの(植物由来の)天然物等、及びそれらの組合せ等が挙げられる。合成エラストマーの例として、限定しないが、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、ポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル等、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0056】
更なる有用なポリマーとして、架橋ポリビニルピロリドン、ポリメチルメタクリレート;乳酸のコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート類、可塑化エチルセルロース、ポリビニルアセテートフタレート、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0057】
ガムベースに用いるエラストマーの量は、使用するガムベースのタイプ、所望のガム組成物の粘稠度、及び最終的なチューインガム製品を作るために組成物中で使用する他の成分などの様々な因子に応じて変動してよい。通常、エラストマーは、ガム領域の約10重量%〜約60重量%、望ましくは約35重量%〜約40重量%の量でガムベースに存在することになるであろう。
【0058】
いくつかの実施形態では、ガムベースはワックスを含んでよい。これは、ポリマーエラストマー混合物を軟化させ、且つガムベースの弾力性を向上させる。存在する場合、用いるワックスは、約6O℃未満、好ましくは約45℃から約55℃の間の融点を有するであろう。低融点ワックスは、パラフィンワックスであってよい。ワックスは、ガムベースの約6重量%〜約10重量%、好ましくは約7重量%〜約9.5重量%の量でガムベースに存在してよい。
【0059】
低融点ワックスに加えて、ガムベースの約5重量%を上限とする量で、高融点を有するワックスをガムベース中に使用してもよい。かかる高融点ワックスとして、ビーズワックス、植物性ワックス、カンデリラロウ、カルナウバロウ、殆どの石油ワックス等、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
上記の構成成分に加えて、ガムベースは、エラストマー溶剤、乳化剤、可塑剤、充填剤、及びそれらの混合物から選択される成分など、種々の他の構成成分を含んでもよい。
【0061】
ガムベースは、エラストマー成分の軟化を補助するエラストマー溶剤を含有してもよい。かかるエラストマー溶剤として、当該技術分野で公知のもののようなエラストマー溶剤、例えば、α−ピネンまたはβ−ピネンのポリマーなどのテルピネン樹脂、ロジンのメチル、グリセロール及びペンタエリスリトールエステルならびに水素化、二量化及び重合ロジンなどの修飾されたロジン及びガム、ならびにそれらの混合物が挙げられる。本発明での使用に好適なエラストマー溶剤の例として、部分的に水素化したウッド及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッド及びガムロジンのペンタエリスリトールエステル、ウッドロジンのグリセロールエステル、部分的に二量体化したウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、重合したウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、トール油ロジンのグリセロールエステル、ウッド及びガムロジンならびに部分的に水素化したウッド及びガムロジンのグリセロールエステル、ならびにウッド及びロジンの部分的に水素化したメチルエステル等、ならびにそれらの混合物を挙げてもよい。エラストマー溶剤は、ガムベースの約2重量%〜約15重量%、好ましくは約7重量%〜約11重量%の量でガムベースに用いてよい。
【0062】
ガムベースはまた、単一安定系に非混和性の構成成分を分散させる補助をする乳化剤を含んでもよい。本発明で有用な乳化剤として、グリセリルモノステアレート、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、プロピレングリコールモノステアレート等、及びそれらの混合物が挙げられる。乳化剤は、ガムベースの約2重量%〜約15重量%、更に具体的には、約7重量%〜約11重量%の量で用いてよい。
【0063】
ガムベースはまた、様々な望ましい食感と粘稠特性をもたらすように可塑剤または軟化剤を含んでもよい。これらの成分が低分子量であることから、可塑剤及び軟化剤はガムベースの基本構造に侵入でき、これを可塑性、且つ低粘度にすることになる。有用な可塑剤及び軟化剤として、ラノリン、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、グリセリルトリアセテート、グリセリルレシチン、グリセリルモノステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、アセチル化モノグリセリド、グリセリン等、及びそれらの混合物が挙げられる。ワックス、例えば、天然及び合成ワックス、硬化植物油、ポリウレタンワックスなどの石油ワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、微結晶性ワックス、脂肪ワックス、ソルビタンモノステアレート、獣脂、プロピレングリコール、それらの混合物等も、ガムベースに組み込んでよい。可塑剤及び軟化剤は通常、ガムベースの約20重量%までの量、更に具体的にはガムベースの約9重量%〜約17重量%の量でガムベースに用いられる。
【0064】
可塑剤としては、硬化植物油も挙げられ、これには大豆油及び綿実油が含まれ、単独または組合せて用いてよい。これらの可塑剤により、ガムベースに良好な食感及び柔らかい噛感特性がもたらされる。これらの可塑剤及び軟化剤は通常、ガムベースの約5重量%〜約14重量%の量、更に具体的には約5重量%〜約13.5重量%の量で用いられる。
【0065】
市販の米国薬局方(USP)等級などの無水グリセリンもまた、軟化剤として用いてよい。グリセリンは、甘く好ましい味のシロップ状の液体であり、甘蔗糖の約60%の甘味を有する。グリセリンは吸湿性であるため、無水グリセリンはチューインガム組成物の調製の間中、無水条件下に保たれるとよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、本発明のガムベースは、充填剤及び食感向上剤として働き得る、無機質アジュバントなどの有効な量の増量剤も含んでよい。有用な無機質アジュバントとしては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、タルク、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム等、及びそれらの混合物が挙げられる。これらの充填剤またはアジュバントは、ガムベース組成物において様々な量で使用してよい。充填剤の量は、ガムベースの約ゼロから約40重量%まで、更に具体的には約ゼロから約30重量%の量で存在してよい。いくつかの実施形態では、充填剤の量は、約ゼロから約15%まで、更に具体的には約3%〜約11%とされよう。
【0067】
着色剤、抗酸化物質、保存料、着香剤、高強度甘味料などの様々な慣用の成分を有効な量で、任意にガムベースに配合してもよい。例えば、二酸化チタン、ならびにF.D.&C.染料として公知の食品、薬物及び化粧品用途に好適な他の染料を利用してもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、及びそれらの混合物などの抗酸化物質も配合してよい。チューインガム技術の当業者に公知の他の従来のチューインガム添加物も、ガムベースに用いてよい。ガム領域に、または代わりに液体充填物領域もしくはコーティングに添加してよい種々の構成成分を、以下の「更なる構成成分」の表題の項で更に詳細に記載する。
【0068】
いくつかの実施形態は、中心充填物ガム組成物の製造方法に及ぶ。ガムベース構成成分を混合する様式は決定的でなく、当業者に公知の標準的な技術及び装置を用いて実施される。代表的な方法において、エラストマーをエラストマー溶剤及び/または可塑剤及び/または乳化剤と混合して、1〜30分間撹拌する。低融点ワックスなどの残りの成分は、その後、ガムベース混合物を再度1〜30分間混和しながら、まとめてまたは少しずつ混合する。
【0069】
ガム組成物は、甘味剤(甘味料)、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ワックス、充填剤、増量剤(担体、エクステンダー、増量甘味料)、無機質アジュバント、着香剤(風味料、着香料)、着色剤(着色料、発色料)、抗酸化物質、酸味料、増粘剤、薬品等、及びそれらの混合物からなる群から選択される従来の添加物を所量含んでよい。これらの添加物のいくつかは、1より多くの目的を果たしてもよい。例えば、シュガーレスガム組成物では、マルチトールまたは他の糖アルコールなどの甘味料も、増量剤として機能するかもしれない。
【0070】
ガムベースでの使用に好適であるものとして前記した可塑剤、軟化剤、無機質アジュバント、ワックス及び抗酸化物質もまた、チューインガム組成物で使用してよい。使用してよい従来の他の添加物の例として、レシチン及びグリセリルモノステアレートなどの乳化剤、単独でまたは他の軟化剤と組合せて用いられる、メチルセルロース、アルギネート、カラギーナン、キサンタンガム、ゼラチン、イナゴマメ、トラガント、ローカストビーンガム、ペクチン、アルギン酸塩、ガラクトマンナン、例えばグアーガム、イナゴマメガム、グルコマンナン、ゼラチン、デンプン、デンプン誘導体、デキストリン類、及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体などの増粘剤、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、及びそれらの混合物などの酸味料、ならびに、無機質アジュバントの分類で前記したような充填剤が挙げられる。
【0071】
いくつかの実施形態では、ガム領域はまた、増量剤をも含有してよい。好適な増量剤は、水溶性であるとよく、限定しないが、単糖、二糖、多糖、糖アルコール類、及びそれらの混合物;ポリデキストロースに対する商品名Litesse(登録商標)として流通しており、41−51 Brighton Road、Redhill、Surryey、RHl 6YS、イギリスのDanisco Sweeteners,Ltd.により製造されているポリマーなどの無秩序に結合したグルコースポリマー;イソマルト(Gotlieb−Daimler−Strause 12 a、68165 Mannheim、ドイツのPalatinit Sussungsmittel GmbHにより商品名PALATINITとして製造されているα−D−グルコピラノシル−1,6−マンニトール及びα−D−グルコピラノシル−1,6−ソルビトールののラセミ混合物);マルトデキストリン類;水素化デンプン加水分解物;水素化ヘキソース類;水素化二糖;炭酸カルシウム、タルク、二酸化チタン、リン酸二カルシウムなどのミネラル;セルロース類;及びそれらの混合物から選択される甘味剤が挙げられる。
【0072】
好適な糖増量剤として、キシロース、リブロース、グルコース(デキストロース)、乳糖、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、スクロース(砂糖)、マルトース、転化糖、部分的に加水分解したデンプン及びコーンシロップ固体などの単糖、二糖ならびに多糖、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0073】
好適な糖アルコール増量剤として、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、イソマルト及びそれらの混合物が挙げられる。
【0074】
好適な水素化デンプン加水分解物として、米国特許第4279931号に開示されたもの、及び種々の水素化グルコースシロップ及び/またはソルビトール、マルチトール、水素化二糖、三糖以上の水素化多糖、もしくはそれらの混合物を含有する粉末が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、主に、コーンシロップの制御された接触水素化によって調製される。得られる水素化デンプン加水分解物は、単糖、二糖、及び多糖の混合物である。これらの異なる糖類の比によって、異なる性質の異なる水素化デンプン加水分解物が得られる。フランスのRoquette Freres製造の市販品LYCASIN(登録商標)、及びNew Castle, DelawareのSPI Polyols, Inc.製造の市販品HYSTAR(登録商標)などの、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
【0075】
いくつかの実施形態の組成物に配合してよい甘味剤は、当該技術分野で公知の種々の甘味料のいずれであってもよい。これらは、以下の本明細書の「更なる構成成分」の項で更に詳細に記載するが、甘味の初期噴出及び/または甘味の実感の長期化をもたらす、当該技術分野で周知の多くの別の物理的形状で使用してよい。限定しないが、このような物理的形状として、スプレードライ、粉末、ビーズ形状などの遊離型、カプセル封入型、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0076】
望ましくは、甘味料はアスパルテーム、ネオテーム、スクラロース、及びアセサルフェームカリウム(Ace−K)などの高強度甘味料である。
【0077】
一般的に、有効な量の甘味料を利用して、所望のレベルの甘みをもたらすとよく、この量は選択した甘味料によって変動してよい。いくつかの実施形態では、甘味料の量は、使用する甘味料または甘味料の組合せに応じ、ガム組成物の約0.001重量%〜約3重量%の量にて存在してよい。各タイプの甘味料の量の正確な量の範囲は、当業者によって選択され得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、特に液体充填物の実施形態では、ガム領域は、少なくとも1つのポリオールを含む特定のポリオール組成物を、前記ガム領域の約30重量%〜約80重量%、具体的には50重量%から約60重量%まで含んでよい。いくつかの液体充填物の実施形態では、かかるガム領域組成物は、液体中心の漏出を実質的に低減または防止するかもしれない。ポリオール組成物は、限定しないが、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール及びそれらの組合せを含む当該技術分野で公知のいずれのポリオールを含んでよい。ソルビトール及びマルチトールを含む水素化デンプン加水分解物であるLycasin(登録商標)も、用いてよい。
【0079】
ガム領域で用いるポリオール組成物またはポリオール類の組合せの量は、ガムベースで用いるエラストマーのタイプ及び使用される当該特定のポリオールを含む多くの因子に依存することになる。例えば、ポリオール組成物の総量が、ガム領域の約40重量%から約65重量%の範囲に入っている場合、ガム領域の重量に基づき、約0から約10重量%までの量のソルビトールに加えてマルチトールの量は、約40重量%〜約60重量%であるとよく、更に具体的には、ガム領域の重量に基づき、約5重量%〜約10重量%のソルビトールと組合せてマルチトールの量は、約45重量%〜約55重量%であってよい。
【0080】
マルチトールは、飲料及び食品の調製における増量剤として有用な、甘く水溶性の糖アルコールであり、その開示を本願に引用して援用する、米国特許第3708396号に更に充分に記載されている。マルチトールは、最も一般的な還元二糖であるマルトースの水素化によって製造され、デンプン及びその他天然産物中に認められる。
【0081】
1以上の異なるポリオールを含んでよいポリオール組成物は、遺伝的に改変した生物(「GMO」)またはGMO不含材料に由来するものであってよい。例えば、マルチトールは、GMO不含マルチトールであってもよく、または水素化デンプン加水分解物によって提供されてもよい。本発明の目的について、「GMO不含」の用語は、遺伝的に改変した生物を利用しないプロセスに由来している組成物をいう。
【0082】
いくつかの実施形態は、ソルビトールより結晶密度の大きいマルチトールを含むポリオール組成物を包含してよい。ソルビトールより大きい結晶密度を呈する他のポリオールとして、キシリトール及びマンニトールが挙げられる。ポリオールの結晶密度が大きいほど、バリア特性は良好である。具体的には、結晶密度がより高いポリオールによって、孔が少ない構造が得られ、液体充填物からガム領域への潜在的な水分または流体の移動に対する表面積がより小さくなる。
【0083】
砂糖(スクロース)は、ポリオールを含め甘味料の比較に対する基線として一般に認められているので、いくつかの実施形態のポリオール組成物が同様に表される。例えば、ポリオール組成物は、スクロースの甘味の約50%を上回る甘味を有するかもしれない。更に具体的には、本発明のポリオール組成物は、スクロースの甘味の約70%を上回る甘味を有するかもしれない。
【0084】
いくつかの実施形態のポリオール組成物は、組成物の溶解性でも表してよい。ポリオール組成物の溶解性は、組成物に含まれる1以上のポリオールの溶解性に依存するであろう。例えば、マルチトールがポリオール組成物に含まれる唯一のポリオールであれば、ポリオール組成物の水における溶解性は25℃で約60%であろう。
【0085】
異なるポリオールのブレンドを、いくつかの実施形態で用いてもよい。有用なポリオールの例は、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ソルビトール、イソマルト、及びそれらの組合せである。1より多くのポリオールのブレンドが使用される場合、ポリオール組成物の溶解性は、当該ブレンド中のポリオールの量の重量比、及び含まれる個々のポリオールの各々の溶解性に依存するであろう。例えば、2種以上のポリオールの組合せは、25℃での水溶性が60%であるマルチトール、及び25℃での水溶性が約72%であるソルビトールを含む場合、約60%〜約72%の水溶性範囲を有するかもしれない。含まれる2種以上のポリオールに依存する他の好適な溶解性範囲は、25℃で約40%〜約60%の範囲、及び25℃で55%〜65%の範囲である。溶解性の範囲は、使用される特定のポリオールによって変化するかもしれない。ポリオールの組合せの代替になる好適な溶解性は、スクロースを下回る溶解性(すなわち、67%未満)を有する範囲が含まれる。
【0086】
いくつかの実施形態では、ポリオール組成物は、種々のサイズの粒子を含んでよい。具体的には、ポリオール組成物の平均粒子径は、約30ミクロンから約600ミクロン、更に具体的には、約30ミクロンから約200ミクロンの範囲にある。
【0087】
着色料は、所望の色を生じさせるのに有効な量で使用するとよい。着色剤として色素が挙げられ、これはガム組成物の重量に基づき約6重量%を上限とする量で配合するとよい。例えば、二酸化チタンは、ガム組成物の約2重量%を上限とする量、好ましくは約1重量%未満の量で配合するとよい。着色剤は、天然食品着色料、ならびに食品、薬物及び化粧品での適用に好適な染料も含んでよい。これらの着色剤は、F.D.&C.染料及びレーキ類として公知である。上記の使用に容認できる材料は、好ましくは水溶性である。例示できる限定的でない例として、5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である、F.D.&C.Blue No.2として公知のインジゴイド染料が例示される。同様に、F.D.&C.Green No.1として公知の染料は、トリフェニルメタン染料を含み、これは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−デルタ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の一ナトリウム塩である。F.D.&C.着色剤、及びそれらの対応する化学構造の全ての完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、857〜884頁に示され、この本文を本明細書に引用して援用する。更なる着色構成成分は、以下の「更なる構成成分」の項に記載する。
【0088】
ガム組成物で使用できる好適な油脂として、部分的に水素化された植物性または動物性脂肪、特にヤシ油、パーム核油、牛脂、及びラードなどが挙げられる。これらの成分を使用する場合、一般的にガム組成物の重量の約7重量%を上限とし、好ましくは約3.5重量%を上限とする量で存在する。
【0089】
いくつかの実施形態は、チューインガム及び風船ガム組成物の双方を含めて、ガム領域用の改良されたチューインガム組成物を調製するための方法を包含し得る。チューインガム組成物は、当業者に公知の標準的な技術及び装置を用いて調製してよい。いくつかの実施形態にかかる有用な装置には、チューインガム製造技術で周知の混合及び加温装置が含まれ、従って特定の装置の選択は当業者に明らかなはずである。
【0090】
中心充填物層に関して、ガム領域は、中心充填物組成物の水分活性以上の水分活性を有するとよい。しかし、中心充填物または液体充填物の水分活性の方が高いことが望ましい組成物では、中心充填物組成物の水分活性がガム領域の水分活性より大きくてよい。水分含有量が高いと、中心充填物中に存在する場合、キサンタンガム及びセルロースのような増粘剤の水和が補助されるであろう。
【0091】
ガム領域は、ガム領域の約14重量%の総水分含有量を有してもよく、更に具体的には、約9重量%〜約14重量%の総水分含有量で、約5重量%未満の遊離水分含有量を有してよい。中心充填物は更に、前記中心充填物の約ゼロから約35重量%まで、具体的には約22重量%の、遊離及び固定水分を含む総水分含有量を有してもよい。
【0092】
(菓子領域)
菓子の実施形態において、菓子領域は中心充填物組成物を囲む。中心充填物菓子の実施形態における第二領域とも称されるこの菓子領域は、その中に中心充填物を収容するための1つ以上の空洞を備えていてもよい。空洞の形状は、菓子製品の最終的な構造が大半を決定付けるであろう。
【0093】
菓子領域は菓子担体を含む。菓子組成物中の担体は、増量甘味料(砂糖およびシュガーレス増量甘味料などまたはそれらの混合物)を含んでいてもよい。増量甘味料は、一般にその組成物の約0.05%〜約99重量%の量で存在する。
【0094】
菓子組成物で使用するのに適切な砂糖甘味料としては、一般にスクロース(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(果糖)、ラクトース、転化糖、フルクトオリゴ糖シロップ、部分的に加水分解したデンプン、コーンシロップ固体およびこれらの混合物など(これらに限定されない)の単糖類、二糖類および多糖類が挙げられる。
【0095】
菓子組成物で使用するのに適切なシュガーレス甘味料としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化イソマルツロース(イソマルト)、ラクチトール、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、ステビアおよびこれらの混合物(これらに限定されない)などの糖アルコール(または糖ポリオール)が挙げられる。
【0096】
好適な水素化デンプン加水分解物として、米国特許第4279931号に開示されたもの、及び種々の水素化グルコースシロップ及び/またはソルビトール、マルチトール、水素化二糖、三糖以上の水素化多糖、もしくはそれらの混合物を含有する粉末が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、主に、コーンシロップの制御された接触水素化によって調製される。得られる水素化デンプン加水分解物は、単糖、二糖、及び多糖の混合物である。これらの異なる糖類の比によって、異なる性質の異なる水素化デンプン加水分解物が得られる。フランスのRoquette Freres製造の市販品LYCASIN(登録商標)、及びNew Castle, DelawareのSPI Polyols, Inc.製造の市販品HYSTAR(登録商標)などの、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
【0097】
いくつかの実施形態では、高強度甘味料も菓子組成物に含まれていてもよい。特定の甘味料に限定されることはなく、代表的な分類及び例として以下のものが挙げられる。
(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビア、ステビオシド、rebaudioside A、グリチルリジン、ジヒドロフラベノールなどの水可溶性甘味剤、及びソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール類、ならびにL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドで、米国特許第4619834号に開示のものなど(この開示は本願に引用して援用する)、ならびにこれらの混合物;
(b)可溶性サッカリン塩、すなわちナトリウムまたはカルシウムサッカリン塩、シクラメート塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセサルフェームK)など、サッカリンの遊離酸型、及びこれらの混合物などの水可溶性人工甘味料;
(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3492131号に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、及びこれらの混合物などのなどのL−アスパラギン酸由来甘味料などのジペプチド系甘味料;
(d)普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られている、例えばクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などといったクロロデオキシ糖誘導体などの天然由来の水可溶性甘味料由来の水可溶性甘味料;クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例として、限定しないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フラクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4、1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;及び4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、及びこれらの混合物;
(e)thaumaoccous danielli(タウマチンI及びII)及びタリンなどのタンパク質系甘味料;
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体;ならびに、
(g)甘味料Lo han guo(「Lo han kuo」と呼ばれることもある)。
【0098】
強化甘味剤は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、初期の甘さの噴出及び/または甘さの感覚の長期化を提供するようにしてよい。限定しないが、かかる物理的形態には、遊離型(スプレードライ型、粉末型、ビーズ型等)、封入型、及びこれらの混合形態が含まれる。
【0099】
一般的に、有効な量の強化甘味料を利用して、所望のレベルの甘みをもたらすとよく、この量は選択した甘味料によって変動してよい。強化甘味料は、使用する甘味料または甘味料の組合せに応じ、組成物の約0.001重量%〜約3重量%の量にて存在してよい。各タイプの甘味料の量の正確な範囲は、当業者によって選択され得る。
【0100】
着色剤、抗酸化物質、保存料などの種々の慣用的な成分も有効な量で菓子類に含まれていてよい。着色剤は、所望の色を生じさせるのに有効な量で使用するとよい。着色剤として色素が挙げられ、これは組成物の重量に基づき約6重量%を上限とする量で配合するとよい。例えば、二酸化チタンは、組成物の約2重量%を上限とする量、好ましくは約1重量%未満の量で配合するとよい。着色料は、天然食品着色料、ならびに食品、薬物及び化粧品の用途に好適な染料も含んでよい。これらの着色料は、F.D.&C.染料及びレーキ類として公知である。上記の使用に容認できる材料は、好ましくは水溶性である。例示できる限定的でない例として、5,5−インジゴスズジスルホン酸の二ナトリウム塩である、F.D.&C.Blue No.2として知られるインジゴイド染料が例示される。同様に、F.D.&C.Green No.1として知られる染料はトリフェニルメタン染料を含み、これは4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−デルタ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]の一ナトリウム塩である。F.D.&C.着色料、及びそれらの対応する化学構造の全ての完全な詳説は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻、857〜884頁に示され、この本文を本明細書に引用して援用する。
【0101】
いくつかの実施形態では、菓子製品(例えば、ハードキャンディの実施形態など)の滑らかさを改善するために滑剤も加えることができる。適切な滑剤としては、脂肪、油、アロエベラ、ペクチン、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0102】
当業者に公知の他の従来の添加物もまた、この菓子組成物で使用することができる。
【0103】
いくつかの実施形態は、菓子組成物の調製方法に関する。かかる糖菓は、直火調理器、押出機(cooking extruder)および/または真空調理器などの従来の装置を使用して調製することができる。
【0104】
いくつかの実施形態によれば、菓子担体(例えば増量甘味料)および溶媒(例えば水)は混合容器中で合わされ、スラリーが形成される。このスラリーは約70℃〜120℃に加熱され、あらゆる甘味料の結晶または粒子が溶解され水溶液が形成される。溶解すると、約135℃〜160℃の温度での熱および真空が加えられ、そのバッチが調理され、残留する水分量が約4%未満に到達するまで煮沸して水が取り除かれる。このバッチは結晶相から非晶相に変化する。次いで任意の着香料、冷感剤などが、いかなる他の任意の添加物(着色剤成分など)とともに機械的混合操作によってこのバッチの中で混合される。
【0105】
菓子の製造の間、甘味料、風味料、冷感剤、着色料および他の添加物を均一に混合するために必要とされる最適の混合は、これらの材料の均一な分散を得るのに必要な時間によって決定される。通常、4〜10分間の混合時間が許容できることがわかっている。
【0106】
いくつかの実施形態では、次いでこのバッチは約100℃〜20℃に冷却され、半固体またはプラスチックのような粘稠度が達成される。キャンディの塊が適正に混練されると、それは作業できる大きさに切断されるかまたは正しい重量および寸法を有する所望の形状に成形されてもよい。所望の最終製品の形状およびサイズに応じて種々の成形技法が利用できる。所望の形状が成形されると、冷気が加えられこの食品が均一に固められ、その後それらは中心充填物製品中に組み入れられ、包まれそして包装されてもよい。
【0107】
他の実施形態では、混合されたバッチは所望の形状およびサイズの型の中に置かれる。冷気が加えられてその型に入れた食品が均一に固められ、その後この食品は取り出され、中心充填物製品の中へ配合され、包まれそして包装されてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態に従って有用な装置は、菓子製造の技術分野で周知の調理装置および混合装置を含み、具体的な装置の選択は当業者には明らかである。
【0109】
(中心充填物組成物)
中心充填物組成物、または領域は、上述のガム領域または菓子領域に隣接して、またはそれらの領域に内に配置される。チューインガムまたは菓子組成物の内部部分とも称される中心充填物は、液体または半固体の物理的形態をとることができる。より具体的には、中心充填物組成物は、複数の糖類粒子、特にポリオール粒子が懸濁している流動体担体を含む。従って、この流動体担体は、液体または半固体であってよい。いくつかの実施形態では、中心充填物組成物はその流動体担体および糖類粒子のスラリーを含んでいてもよい。
【0110】
流動体担体は、その中に懸濁したときに糖類粒子の少なくとも一部分が微粒子の形で留まることができるようにするいかなる液体または半固体を含んでいてもよい。この糖類粒子は流動体担体に完全には溶解しないことが望ましい。従って、この糖類粒子はチューインガムまたは菓子組成物の消費の際に個体によって知覚されるかも知れず、これによってその個体の口腔内に高められた冷感および/または食感向上感覚を提供する。
【0111】
適切な流動体担体の例としては、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、コーンシロップ、ソルビトールシロップ、デキストロースシロップ、シュガーシロップ、マルチトールシロップ、プロピレングリコール、親水コロイド、ポリグリシトール(polyglycitol)シロップおよびこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、この流動体担体は、グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物の組合せを含んでいてもよい。
【0112】
好適な水素化デンプン加水分解物として、米国特許第4279931号に開示されたもの、及び種々の水素化グルコースシロップ及び/またはソルビトール、マルチトール、水素化二糖、三糖以上の水素化多糖、もしくはそれらの混合物を含有する粉末が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、主に、コーンシロップの制御された接触水素化によって調製される。得られる水素化デンプン加水分解物は、単糖、二糖、及び多糖の混合物である。これらの異なる糖類の比によって、異なる性質の異なる水素化デンプン加水分解物が得られる。フランスのRoquette Freres製造の市販品LYCASIN(登録商標)、及びNew Castle, DelawareのSPI Polyols, Inc.製造の市販品HYSTAR(登録商標)などの、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
【0113】
一般に、流動体担体は、チューインガムまたは菓子組成物中に全組成物の約8重量%〜約11重量%の量で、より具体的には全組成物の約8.6重量%〜約10.5重量%で、さらにより具体的には全組成物の約9重量%〜約10重量%の量で存在する。いくつかの実施形態は、この流動体担体は中心充填物組成物の約10重量%〜約65重量%の量で中心充填物組成物中に存在する。
【0114】
糖類粒子は中心充填物組成物中の流動体担体内に懸濁している。上述のとおり、糖類粒子は流動体担体とスラリーの状態にあってもよい。いくつかの実施形態では、糖類粒子は粉末化されていてもよくまたは結晶性であってもよい。消費の際に、この糖類粒子は個体の口腔中に高められた冷感をもたらす。特に、いくつかの実施形態では、大きい負の溶解熱を有する糖類が用いられてもよい。溶解熱は熱力学的な概念であり、1モルの溶質が溶媒に溶解したときに発生または吸収する熱量をいう。その物質を溶解するために大量のエネルギーが必要とされる場合、溶解熱は負である。このような場合、吸熱的な冷却効果が知覚される。このことに従って、いくつかの実施形態で使用される糖類は、約−2cal/g未満、より具体的には約−10cal/g未満、さらにより具体的には約−25cal/g未満の溶解熱を有していてよい。いくつかの実施形態では、糖類粒子の溶解熱は約−43cal/g以下であってもよい。
【0115】
適切な糖類の例としては、スクロース、デキストロース、エリスリトール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、イソマルト、ラクチトール、グリセロールおよびこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。ポリオールは特に望ましい。例えば、いくつかの実施形態はエリスリトール粒子を含む。エリスリトールは大きな負の溶解熱、すなわち約−43cal/gを有し、従って消費の際に強い冷却効果を提供する。ソルビトールおよびキシリトールはそれぞれ−26cal/gおよび−36.5cal/gの溶解熱を有するため、これらも望ましいかも知れない。種々の糖類(エリスリトール、ソルビトールおよびキシリトールの粒子など)の組合せも用いることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、微粒子形状にない別の糖類と組合せて糖類粒子を用いることが望ましい場合がある。例えば、エリスリトール粉末が流動体担体に懸濁され、別の非微粒子ポリオールもまた中心充填物組成物に含まれていてもよい。
【0117】
冷感を提供することに加え、糖類粒子は口腔内に食感向上感覚をも提供するかも知れない。特に、粒子は、個体の舌の上で知覚することができ、従ってわずかにザラザラする感触を提供するサイズであってよい。いくつかの実施形態では、例えば、糖類粒子は約45μm未満の粒子径を有していてよい。
【0118】
一般に、糖類粒子は、チューインガムまたは菓子組成物中に全組成物の約3重量%〜約7重量%、より具体的には全組成物の約4.3重量%〜約5.2重量%、さらにより具体的には全組成物の約4.5重量%〜約4.9重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、糖類粒子は、中心充填物組成物中に中心充填物組成物の約5重量%〜約80重量%の量で存在する。
【0119】
中心充填物組成物はまた、少なくとも1種の着香料および/または少なくとも1種の冷感剤を含んでいてもよい。適切な着香料および冷感剤の例は、「更なる構成成分」と題する項で本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、着香料および冷感剤のプレミックスが含まれていてもよい。この着香料は液体(香味油など)であってよく、この中に冷感剤が溶解されていてもよい。例えば、メントールの結晶が香味油に溶解されていてもよい。このプレミックスは、糖類粒子に加えて中心充填物組成物中の流動体担体に加えられ、同様にその中に懸濁していてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、中心充填物組成物は流動体担体、糖類粒子、着香料および冷感剤のスラリーを含む。消費の際に、この冷感剤がチューインガムまたは菓子組成物の冷却効果をさらに高めてもよい。
【0120】
本明細書に記載するいくつかの実施形態では、液体中心は、所望の効果のために操作できる粘度差を呈してよい。いくつかの実施形態では、液体中心は、消費者が清涼感を知覚する低粘度を有するように構成できる。いくつかの実施形態では、液体中心の粘度は、限定しないが、処理効率または望ましい知覚を生み出すことを含め、様々な理由のために操作できる。いくつかの実施形態では、液体中心の粘度は3,000〜10,000パスカル秒であることができる。いくつかの実施形態では、液体中心の粘度4,000〜6,5000パスカル秒であることができる。
【0121】
いくつかの実施形態では、液体中心の水分活性は、限定しないが、微生物安定性または所望の食感の維持を含め、様々な理由のために操作できる。いくつかの実施形態では、液体中心の水分活性は、0.1〜0.7であることができる。いくつかの実施形態では、液体中心の水分活性は、0.25〜0.35であることができる。
【0122】
いくつかの実施形態で液体中心に含めることができる液体は、限定しないが、フルーツジュース;野菜ジュース;フルーツピューレ;フルーツ果肉;植物果肉;植物ピューレ;フルーツソース;植物ソース;ハチミツ;メープルシロップ;糖蜜;コーンシロップ;砂糖シロップ;ポリオールシロップ;水素化デンプン加水分解物シロップ;エマルジョン;植物油;グリセリン;プロピレングリコール;エタノール;リキュール;チョコレートシロップ、ミルク、クリームなどの乳製品系液体等;及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0123】
中心充填物組成物は、中心充填物組成物と組み込んでよい当該技術分野で公知のいかなる構成成分も含めてよい。いくつかの実施形態では、特に液体充填物の実施形態では、例えば、これは、1以上の他のポリオールに加えて、全チューインガム組成物、すなわち、中心充填物組成物、ガム領域及びコーティングを含む組成物のゼロを上回り約20重量%まで、更に具体的には、約10重量%までの量でグリセリンを含んでよい。いくつかの実施形態では、中心充填物は、全チューインガム組成物のおよそ8重量%である。いくつかの実施形態では、他のポリオール構成成分は、望ましくは、マルチトール、ソルビトール、キシリトール、またはそれらの組合せを包含する。
【0124】
いくつかの実施形態では、中心は、チューインガム及び菓子技術で周知の、前記のような着香剤、甘味剤等、及びそれらの混合物などの慣用の成分を含有してよい。菓子添加物に加えて、中心は、薬品、呼気清涼剤、ビタミン、ミネラル、カフェイン、フルーツジュース等、及びそれらの混合物などの医薬添加物を含有してもよい。菓子及び医薬品は、甘味及び風味ならびに/もしくは治療活性の初期噴出、または甘味及び風味ならびに/もしくは治療活性の長期の感覚をもたらすよう、当該技術分野で公知の多くの別異の物理的形状で用いてよい。限定しないが、このような物理的形状として、スプレードライ、粉末及びビーズの形状などの遊離形状、及び封入形状、ならびにそれらの混合形態が挙げられる。いくつかの実施形態で使用するのに例示できる好適な液体中心の限定的でない例として、米国特許第3894154号、第4156740号、第4157402号、第4316915号、及び第4466983号(それら開示を本願に引用して援用する)に開示のものなどの中心が挙げられる。好適な更なる構成成分の具体例として、タウリン、ガラナ、ビタミン、Actizol(登録商標)、クロロフィル、Recaldent(登録商標)歯の再石灰化テクノロジー、及びRetsyn(登録商標)呼気清涼化テクノロジーが挙げられる。
【0125】
いくつかの実施形態では、中心充填物組成物は、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、プロピレングリコールアルギネート(aginate)、寒天及びガムトラガントなどの天然ガムまたは合成ガムも含んでよい。これらの組成物は、組成物中の遊離水の量を低下させることによって粘度を高めるのに役立つ。中心充填物の粘度は、25℃で約300cpから約6,000cpまでの範囲であってよい。周りのガム領域よりも水分活性が高い液体充填物組成物では、粘度は25℃で約3,000cpから約6,000cpまでの範囲であってよい。
【0126】
中心充填物組成物の粘度を高めるのに、キサンタンガムも用いてよい。いくつかの液体充填物の実施形態では、液体の粘度の増大は、ガムピースを通して液体が漏出するのを防ぐのにも役立つ。キサンタンガムは、Signet Chemical CorporationよりKeltrol(登録商標)の商品名で入手できる。
【0127】
いくつかの実施形態は、中心充填物組成物の製造方法に及ぶ。この組成物は、当業者に公知の標準的な技術及び装置を使用して調製してよい。本明細書に記載の実施形態に係る有用な装置には、チューインガム製造技術で周知の混合及び加温装置が含まれ、従って特定の装置の選択は当業者に明らかなはずである。このような方法及び装置は、例えば、米国特許第3806290号及び第3857963号に開示されており、これらの開示を本明細書に引用して援用する。
【0128】
(コーティング組成物)
コーティング組成物は、中心充填物組成物に含める場合、前記の方法を含め、当該技術分野で公知の何れの方法によって施用してもよい。このコーティングは、ガム領域または菓子領域の少なくとも一部分を囲むものであってもよい。コーティング組成物は、中心充填物ガムピースまたは菓子ピースの総量の約2重量%〜約60重量%、更に具体的には約25重量%〜約35重量%、更に一層具体的にはガムピースの約30重量%の量で存在してよい。
【0129】
外側コーティングは、硬質、クランチ質、または軟質であってよい。一般に、外側コーティングは、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、イソマルト、及び他の結晶可能ポリオールを含んでよく、スクロースも用いてよい。更に、コーティング自体を通してチューインガム組成物または菓子組成物が見えなくなるように、コーティングは何層かの不透明層を含んでもよく、これらを審美的、食感的及び保護目的で更なる1以上の透明層で任意に被覆することもできる。外側コーティングはまた、少量の水及びアラビアガムを含有してもよい。コーティングは更に、ワックスでコーティングできる。コーティングは、コーティング溶液の連続的な施用により、各コーティングの間で乾燥しながら従来法にて適用してよい。コーティングが乾燥するにつれ、それは通常不透明になり、普通は白色であるが、他の着色剤を添加してもよい。ポリオールコーティングは、更にワックスでコーティングできる。コーティングは、着色薄片またはスペックルを更に含むことができる。組成物がコーティングを含むのであれば、コーティング全体に1種以上の口腔ケア活性物を分散させることができる。これは、1種以上の口腔ケア活性物が単一相組成物中で活性物の他のものと非相溶性である場合に特に好ましい。風味料を、独自の製品特性を生じさせるのに添加してもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、コーティングは、ガムピースまたは菓子ピースの熱安定性の増大と、液体充填物の漏出防止とを補助するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コーティングはゼラチン組成物を含んでもよい。ゼラチン組成物は、40重量%溶液として添加するとよく、コーティング組成物の約5重量%〜約10重量%、更に具体的には約7重量%〜約8重量%でコーティング組成物中に存在するとよい。ゼラチンのゲル強度は、約130ブルームから約250ブルームまでであってよい。
【0131】
所望の特性をもたらすために、他の材料をコーティングに添加してもよい。これらの材料は、限定しないが、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、プルラン、アルギン酸塩、デンプン、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアガム及びポリ酢酸ビニル(PVA)を含んでよい。
【0132】
コーティング組成物は、任意の硬質コーティングの前に個々のガムピースに添加されるプレコーティングも含んでよい。プレコーティングはポリ酢酸ビニル(PVA)の塗布を含んでよい。これは、PVAの、エチルアルコールなどの溶媒の溶液として施用してよい。外側硬質コーティングが望ましい場合、PVAの塗布量は、総コーティングのおよそ3重量%〜4重量%、またはガムピースまたは菓子ピース(中心充填物、ガム領域もしくは菓子領域、及び硬質コーティングを含む)の総重量の約1重量%であってよい。
【0133】
他の様々なコーティング組成物及び製造方法には、限定しないが、軟質パンニング、二重または多重押出、積層等を含むことも企図される。よって、いくつかの実施形態では、コーティングは、非晶質性または結晶性であってもよく、得られる食感は、硬質、クランチ質、クリスピー、軟質、または噛みごたえのあるものであることができる。
【0134】
(中心充填物ペレットガム)
より具体的にいえば、いくつかの実施形態は、中心充填物ペレットガムピースに関する。中心充填物ペレットガムピースの実施形態では、このピースは中心充填物組成物およびガム領域を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、中心充填物ペレットガムピースはまた、ガム領域の少なくとも一部分を囲むコーティングを含んでいてもよい。適切なコーティングおよびガム領域は、上述のもののいずれのものであってよい。
【0135】
中心充填物ペレットガムピースの中心充填物組成物は、グリセリン、水素化デンプン加水分解物、およびこれらの組合せから選択される流動体担体を含んでいてよい。グリセリンは、中心充填物組成物の約1.0重量%〜約30.0重量%の量で、具体的には中心充填物組成物の約1.5重量%〜約20.0重量%の量で存在していてよい。適切な水素化デンプン加水分解物としては、上記のもののいずれもが挙げられ、中心充填物組成物の約20重量%〜約50重量%、具体的には中心充填物組成物の約35重量%〜約45重量%の量で存在していてよい。グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物は、粘度を調整するために単独で、または組合せて使用してもよい。水素化デンプン加水分解物は非常に粘性が高い中心充填物組成物を提供するかもしれないが、他方、グリセリンはより低い粘性の中心充填物組成物を提供する。グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物の組合せは、高粘度範囲、低粘度範囲および中間の粘度範囲の範囲をもたらし得る。
【0136】
中心充填物組成物はまた、上記流動体担体に懸濁した糖類粒子を含んでいてもよい。適切な糖類粒子としては、エリスリトール粒子、キシリトール粒子およびこれらの組合せを挙げることができる。適切なエリスリトール粒子は上記のもののいずれをも挙げることができ、中心充填物組成物の約10重量%〜約50重量%、より望ましくは中心充填物組成物の約20重量%〜約30重量%の量で存在してよい。キシリトール粒子は、中心充填物組成物の約0重量%〜約50重量%、より望ましくは中心充填物組成物の約15重量%〜約30重量%の量で存在してよい。
【0137】
上で考察したように、糖類粒子は流動体担体とのスラリーの状態にあってもよい。このスラリーはまた、少なくとも1種の着香料および少なくとも1種の冷感剤を含んでいてもよい。適切な糖類粒子の例としては、上述のエリスリトールおよび/またはキシリトール粒子のいずれをも挙げることができる。適切な流動体担体の例としては、上述のグリセリンおよび/または水素化デンプン加水分解物のいずれをも挙げることができる。適切な着香料および冷感剤の例としては、同様に上述のもののいずれをも挙げることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、スラリーの固形分含量は従来の中心充填物組成物より高くてもよい。例えば、中心充填物組成物は約91%の固形分含量を有してよいが、他方、固形分レベルは通常約80〜82%である。このような実施形態がさほど液体感覚をもたらさないとしても、それらは依然として、その中に懸濁したエリスリトールおよび/またはキシリトール粒子に起因して冷却効果をもたらす。
【0139】
いくつかの実施形態は、中心充填物ペレットガムピースの製造方法に及ぶ。組成物は、上述のような当業者に公知の標準的な技法および装置を使用して調製することができる。
【0140】
いくつかの実施形態は、改良された冷感放出プロファイルを個体の口腔に提供する方法に及ぶ。例えば、エリスリトールおよび/またはキシリトール粒子がグリセリンに懸濁したいくつかの実施形態では、グリセリンはエリスリトールおよび/またはキシリトール粒子の遅延した放出を提供し、従って遅延した冷感を口腔で提供する。エリスリトールおよび/またはキシリトール粒子が水素化デンプン加水分解物(LYCASINなど)に懸濁したいくつかの実施形態では、水素化デンプン加水分解物はエリスリトールおよび/またはキシリトール粒子の即座の放出を提供し、従ってグリセリンに懸濁したものと比較して比較的即座の冷感を口腔で提供する。いくつかの実施形態は、グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物の組合せを含み、これによりエリスリトールおよび/またはキシリトール粒子の一部分が即座に放出され一部分が遅延して放出されるようにしてもよい。従って、冷感の開始は即座であるかも知れないが、その冷感はある時間の期間にもわたる。
【0141】
中心充填物チューインガムのいくつかの実施形態は流体物の移動の防止に向けられているが、中心充填物ペレットガムピースのある実施形態は、ガム領域の中に拡散している中心充填物組成物を含んでいてもよい。しかしながら、ガム領域へ中心充填物組成物が拡散しても、個体における改良された冷感放出プロファイルの効果は減少しない。中心充填物組成物がガム領域に吸収されているかも知れないとしても、冷感という感覚は同様に残る。
【0142】
(更なる構成成分)
温感剤、冷感剤、刺激剤、風味料、甘味料、酸味、苦味、塩味、界面活性剤、呼気清涼化剤、抗微生物剤、抗菌剤、歯石予防剤、歯石防止剤、フッ素化合物、再石灰化剤、医薬品、微量栄養素、咽頭ケア活性物、歯白色化剤、活力増強剤、集中力増強剤、食欲抑制薬、着色料および他の活性物などの更なる構成成分も、チューインガムまたは菓子組成物のいずれかの部分もしくはすべての部分またはいずれかの領域もしくはすべての領域に含まれていてよい。このような構成成分は、意図したそれらの効果を成し遂げるのに充分な量で用いるとよい。
【0143】
本明細書で考察する更なる構成成分のいずれも、それらの改良された放出型で、及び/または改良された放出なしで(「遊離」構成成分と称される場合もある)、中心充填物チューインガム組成物または菓子組成物のいずれの領域にでも添加してよい。いくつかの実施形態では、例えば、単一の構成成分を、その改良された放出型、及び遊離型で中心充填物組成物に添加してよい。改良された放出構成成分及び遊離構成成分は、中心充填物組成物の同じ領域に一緒に配合されてもよいし、または、いくつかの実施形態では、2種の構成成分は組成物の異なる領域に配合されてもよい。
【0144】
いくつかの他の実施形態では、例えば、同じ機能性、例えば、2種の異なる風味、甘味、味、感覚等をもたらす2種の異なる構成成分を、中心充填物チューインガム組成物または菓子組成物に配合してよい。いくつかの実施形態では、両構成成分が改良された放出特性を有してもよい。あるいは、いくつかの実施形態では、構成成分の1つが改良された放出型であってよく、一方他の構成成分が遊離型であってもよい。2種の構成成分は、中心充填物組成物の同じかまたは異なる領域に配合してよい。
【0145】
チューインガム組成物または菓子組成物からの、任意の管理された放出が望まれるかもしれない個々の成分の型として、限定しないが、甘味料、風味料、活性物、発泡成分、食欲抑制薬、呼気清涼化剤、歯科ケア成分、乳化剤、風味増強剤、苦味マスキングまたはブロッキング成分、食用酸、微量栄養素、感覚剤(センセート)、口内湿潤化成分、咽頭ケア成分、着色料、酸味料、苦味剤、塩味成分、医薬品、活力増強剤、集中力増強剤、及びそれらの組合せが挙げられる。成分は、例えば、液状形態、スプレードライ形態、または結晶形態などの異なる形態で利用してよい。いくつかの実施形態では、送達システムまたはチューインガム組成物もしくは菓子組成物は、同じタイプの成分を異なる形態で含んでもよい。例えば、チューインガム組成物は、液体風味料と、同じ風味料のスプレードライ型とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、成分は、その遊離または封入形状であってよく、また中心充填物、ガム領域もしくは菓子組成物、またはコーティングなど、ガム組成物もしくは菓子組成物のいずれの領域にでも存在してよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、成分の放出は、消費者がそのチューインガムを噛む際に、または菓子製品を消費する際に、風味もしくは甘味を知覚する時間が長くなったと感じるかもしれないように、及び/または成分が放出もしくはその他長期間にわたって利用可能になるように改良される。改良された放出は、封入など、当該技術分野で公知のいずれの方法によっても成し遂げられてよい。改良された放出が封入に起因する場合、これはスプレーコーティングまたは押出などの様々な手段によって成し遂げられてよい。
【0147】
更に、成分の初期及び長期の放出が望まれる場合、チューインガム組成物または菓子組成物は改良された放出なしの成分(場合により「遊離」成分と称される)、および放出が改良された成分を含むとよい。いくつかの実施形態では、遊離成分を用いて、成分(例えば、風味料、冷感剤)の初期量もしくは「ヒット」、または成分によって引き起こされる初期の感覚もしくは恩恵(例えば、風味、鼻への作用、冷感、温感、刺激(tingling)、唾液産生、呼気清涼化、歯の白色化、咽頭の鎮痛、口内湿潤化等)を送達してもよい。いくつかの実施形態では、同じ成分を改良された放出特性で提供して、付加的または遅延した、同様の感覚または恩恵を提供できる。遊離成分、及び改良された放出特性を備えた成分の双方を用いることによって、その成分に起因する感覚もしくは恩恵が長期間にわたって提供されるかもしれず、且つ/または消費者による感覚もしくは恩恵の知覚が改善されるかもしれない。また、いくつかの実施形態では、成分の初期量または「ヒット」が、そのチューインガム組成物または菓子組成物の消費者の口または知覚を指向させたり慣らしたりするかもしれない。
【0148】
別の例として、いくつかの実施形態では、時間の経過に従うチューインガム組成物または菓子組成物の成分の徐放性を提供することが望ましいかもしれない。徐放性を達成するには、高濃度の成分が短期間放出されるのに対し、長期間にわたって低濃度の成分が放出されることを許容するよう、成分を変性するとよい。成分の徐放は、成分が高濃度で苦みまたは他の悪い味を呈する状況で好都合であるかもしれない。成分の徐放はまた、短期間に高濃度で成分を放出することが結果的に、消費者に最適に送達される成分の量の低下を引き起こす場合にも好都合であるかもしれない。例えば、歯の白色化成分または呼気清涼化成分の場合、成分を過度に速やかに提供し過ぎると、成分が消費者の歯、粘膜、及び/または歯科充填物と相互作用する機会を持つ前に成分の大部分を消費者が飲み込むという結果がもたらされるかもしれず、それにより成分が無駄になるか、または少なくとも、チューインガム組成物または菓子組成物中に成分を有しているという恩恵を低減することになる。
【0149】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、チューインガム組成物のガム領域はまたは菓子組成物の菓子領域、少なくとも1つの変性された放出構成成分を含むとよい。少なくとも1つの変性された放出構成成分は、中心充填物及び/またはコーティングにも任意に添加してよい。中心充填物及び/またはコーティングに含めてもよい更なる変性された放出構成成分は、ガム領域または菓子領域が含有する変性された放出構成成分と同じでも異なっていてもよい。
【0150】
(風味料)
いくつかの実施形態では、香味料としては、天然及び人工香料など、当業者に公知の風味料を挙げることができる。これらの風味料は、合成香味油及び着香芳香剤及び/または油分、植物、葉、花、果実等由来のオレオレジン及びエキス、ならびにこれらの組合せから選択するとよい。限定しない代表的な香味油分として、スペアミント油、シナモン油、ウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)、ペパーミント油、和種はっか油、チョウジ油、ベイ油、アニス油、ユーカリ油、タイム油、ニオイヒバ油、ニクズクの油、オールスパイス、セージの油、メース、クヘントウの油、及びケイヒ油が挙げられる。更に有用な風味剤は、バニラ、及びレモン、オレンジ、ライム、グレープフルーツ、ユズ、スダチを含む柑橘類油分、及びリンゴ、西洋ナシ、モモ、ブドウ、ブルーベリー、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコット、バナナ、メロン、アプリコット、ウメ、チェリー、ラズベリー、ブラックベリー、トロピカルフルーツ、マンゴー、マンゴスチン、ザクロ、パパイヤ等を含むフルーツエッセンスなどの人工、天然及び合成フルーツ香料である。放出プロファイルを管理できる可能性がある他の風味料として、ミルクフレーバー、バターフレーバー、チーズフレーバー、クリームフレーバー、及びヨーグルトフレーバー;バニラフレーバー;緑茶フレーバー、ウーロン茶フレーバー、紅茶フレーバー、ココアフレーバー、チョコレートフレーバー、及びコーヒーフレーバーなどのティまたはコーヒー風味料;ペパーミントフレーバー、スペアミントフレーバー、及び和種はっかフレーバーなどのミント風味料;アサフェティーダフレーバー、アジョワンフレーバー、アニスフレーバー、アンゼリカフレーバー、フェンネルフレーバー、オールスパイスフレーバー、シナモンフレーバー、カモミールフレーバー、マスタードフレーバー、カルダモンフレーバー、キャラウェーフレーバー、クミンフレーバー、チョウジフレーバー、コショウフレーバー、コリアンダーフレーバー、サッサフラスフレーバー、セイボリーフレーバー、山椒フレーバー、エゴマフレーバー、ジュニパーベリーフレーバー、ショウガフレーバー、スターアニスフレーバー、セイヨウワサビフレーバー、タイムフレーバー、タラゴンフレーバー、ディルフレーバー、トウガラシフレーバー、ナツメグフレーバー、バジルフレーバー、マジョラムフレーバー、ローズマリーフレーバー、ベイリーフフレーバー、及びワサビ(日本ワサビ)フレーバーなどの香辛風味料;ワインフレーバー、ウィスキーフレーバー、ブランディフレーバー、ラムフレーバー、ジンフレーバー、及びリキュールフレーバーなどのアルコール風味料;フローラル風味料;ならびに、オニオンフレーバー、ガーリックフレーバー、キャベツフレーバー、ニンジンフレーバー、セロリフレーバー、マッシュルームフレーバー、及びトマトフレーバーなどの植物風味料が挙げられる。これらの着香剤は、液体または固体形状で用いてよく、個々にまたは混合物として用いてもよい。よく用いられる風味料として、ペパーミント、メントール、スペアミントなどのミント、人工バニラ、シナモン誘導体、及び様々なフルーツ風味料が挙げられ、個々にまたは混合物として用いられる。特にミント風味料などの風味料はまた、以下に記載する冷感剤と組合せて用いると呼気清涼化特性ももたらすかもしれない。
【0151】
いくつかの実施形態では、他の風味剤として用いてよいものとして、酢酸シンナミル、シンナムアルデヒド、シトラールジエチルアセタール、酢酸ジヒドロカルビル、ギ酸オイゲニル、p−メチルアミソール(amisol)などの、アルデヒド及びエステルが挙げられる。通常、National Academy of SciencesによるChemicals Used in Food Processing,出版物1274、63−258頁に記載のもののような、風味剤または食品添加物の何れも用いてよい。この出版物は、本願に引用して援用する。これらには、天然香料も合成香料も含んでよい。
【0152】
アルデヒド風味剤の更なる例として、限定しないがアセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)、アニスアルデヒド(カンゾウ、アニス)、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわちα−シトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβ−シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロープ、すなわちピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、α−アミルシンナムアルデヒド(スパイシーなフルーツ様の風味)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性、多くの型)、デカナール(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−8(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−9(シトラスフルーツ)、アルデヒドC−12(シトラスフルーツ)、2−エチルブチルアルデヒド(ベリーフルーツ)、ヘキサナール、すなわちトランス−2(ベリーフルーツ)、トリルアルデヒド(チェリー、アーモンド)、ベラトルアルデヒド(バニラ)、2,6−ジメチル−5−ヘプタナール、すなわちメロナール(メロン)、2,6−ジメチルオクタナール(緑色フルーツ)、及び2−ドデセナール(シトラス、マンダリン)、チェリー、グレープ、ブルーベリー、ブラックベリー、ストロベリーショートケーキ、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0153】
いくつかの実施形態では、着香剤は、液体形状及び/または乾燥形状のいずれかにて用いてもよい。後者の形状で用いる場合、液体のスプレードライなどの好適な乾燥手段を用いてよい。あるいは、着香剤はセルロース、デンプン、砂糖、マルトデキストリン、アラビアガム等の水溶性材料に吸着させても、または封入してもよい。更に別の実施形態では、着香剤はシリカ、ゼオライト等に吸収させてもよい。
【0154】
いくつかの実施形態では、着香剤は多くの別異の物理的形状で使用してよい。限定しないが、このような物理的形状として、スプレードライ、粉末、ビーズ形状などの遊離形状、封入形状、及びそれらの組合せが挙げられる。
【0155】
風味料や、その他の更なる構成成分の封入の例示は、本明細書に記載の実施例に認めることができる。通常、構成成分の封入は、(例えば、チューインガム組成物に成分として添加される送達システムの一部として)封入された構成成分を含むチューインガム組成物または菓子組成物の消費の間での、構成成分の過半量の放出の遅延をもたらすことになる。いくつかの実施形態では、成分、成分を含有する送達システム、及び/もしくはこの送達システムを含有するチューインガム組成物もしくは菓子組成物の様々な特性、ならびに/または送達システムの製造法を管理することによって、成分(例えば、風味料、甘味料等)の放出プロファイルを管理できる。例えば、特性としては、送達システムの引張強度、成分の水溶性、封入材料の水溶性、送達システムの水溶性、送達システム中の封入材料に対する成分の比、成分の平均粒子径または最高粒子径、粉砕した送達システムの平均粒子径または最高粒子径、チューインガム組成物または菓子組成物中の成分または送達システムの量、1以上の成分を封入するのに用いる異なるポリマーの比、1以上の成分を封入するのに用いる1以上のポリマーの疎水性、送達システムの疎水性、送達システム上のコーティングのタイプまたは量、封入前の成分への成分のコーティングのタイプまたは量、等の1種以上が含まれるかもしれない。
【0156】
(甘味成分)
配合される甘味料は、水可溶性甘味料、水可溶性人工甘味料、天然の水可溶性甘味料由来の水可溶性甘味料、ジペプチド系甘味料、及びタンパク質系甘味料と、これらの混合物を含め、広範囲の材料から選択するとよい。特定の甘味料に限定されることはなく、代表的な分類及び例として以下のものが挙げられる。
(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビア、ステビオシド、rebaudioside A、グリチルリジン、ジヒドロフラベノールなどの水可溶性甘味剤、及びソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール類、ならびにL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミドで、米国特許第4619834号に開示のものなど(この開示は本願に引用して援用する)、ならびにこれらの混合物;
(b)可溶性サッカリン塩、すなわちナトリウムまたはカルシウムサッカリン塩、シクラメート塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム、アンモニウムまたはカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセサルフェームK)など、サッカリンの遊離酸型、及びこれらの混合物などの水可溶性人工甘味料;
(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)及び米国特許第3492131号に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−アスパルチル]−L−フェニルアラニン1−メチルエステル(ネオテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリン及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニル−グリシンのメチルエステル、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン;L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン、及びこれらの混合物などのL−アスパラギン酸由来甘味料などのジペプチド系甘味料;
(d)普通の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体、例えば、スクラロースの品名で知られている、例えばクロロデオキシスクロースまたはクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体などといったクロロデオキシ糖誘導体などの天然由来の水可溶性甘味料由来の水可溶性甘味料;クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例として、限定しないが、以下のものが挙げられる:1−クロロ−1’−デオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フラクトフラノシド、または4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース;1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース;4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4、1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース;6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース;4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フラクトフラノシド、または4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース;及び4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、及びこれらの混合物;
(e)thaumaoccous danielli(タウマチンI及びII)及びタリンなどのタンパク質系甘味料;
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体;ならびに、
(g)甘味料Lo han guo(「Lo han kuo」と呼ばれることもある)。
【0157】
強化甘味剤は、当該技術分野で周知の多くの異なる物理的形態で用いて、初期の甘さの噴出及び/または甘さの感覚の長期化を提供するようにしてよい。限定しないが、かかる物理的形態には、遊離型、スプレードライ型、粉末型、ビーズ型、封入型、及びこれらの混合形態が含まれる。一実施形態では、甘味料はアスパルテーム、スクラロース、及びアセサルフェームカリウム(例えば、Ace−K)などの高強度甘味料である。
【0158】
いくつかの実施形態では、甘味料はポリオールであってよい。ポリオールとしては、限定しないがグリセロール、ソルビトール、マルチトール、マルチトールシロップ、マンニトール、イソマルト、エリスリトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、ポリグリシトールシロップ、ポリグリシトール粉末、ラクチトール、及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0159】
送達システムの一部をなす有効構成成分(例えば、甘味料)は、有効成分の使用に伴う望ましい効果(例えば、甘味)を与えるのに必要な量にて用いてよい。一般的に、有効な量の強化甘味料を利用して、所望のレベルの甘みをもたらすとよく、この量は選択した甘味料によって変動してよい。強化甘味料は、使用する甘味料または甘味料の組合せに応じ、組成物の約0.001重量%〜約3重量%の量にて存在してよい。各タイプの甘味料の量の正確な範囲は、当業者によって選択され得る。
【0160】
(感覚剤成分)
感覚剤としては、冷感剤、温感剤、刺激剤、発泡剤、及びそれらの組合せを挙げることができる。様々な周知の冷感剤を用いてよい。例えば、とりわけ有用な冷感剤として、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、メントングリセロールケタール、置換p−メンタン、非環状カルボキサミド、グルタル酸モノメンチル、置換シクロヘキサミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、置換メンタノール、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシメチル誘導体、2−メルカプト−シクロデカノン、2〜6の炭素数のヒドロキシカルボン酸、シクロヘキサミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、イソプレゴール、3−(l−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(l−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸メンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種はっか油、ペパーミント油、3−(l−メントキシ)エタン−1−オール、3−(l−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(l−メントキシ)ブタン−1−オール、l−メンチル酢酸N−エチルアミド、l−メンチル−4−ヒドロキシペンタノエート、l−メンチル−3−ヒドロキシブチレート、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルスクシンアミド、置換p−メンタン、置換p−メンタン−カルボキサミド、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬株式会社、以下「イソプレゴール」);メントングリセロールケタール(FEMA 3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA);3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール(Takasago、FEMA 3784);及び乳酸メンチル;(Haarman & Reimer、FEMA 3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然または合成誘導体)、メントールPGカーボネート、メントールEGカーボネート、メントールグリセリルエーテル、N−tertブチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、P−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプリル−ビシクロ(2.2.1)、ヘプタン−2−カルボキサミド;及びメントールメチルエーテル、及びメンチルピロリドンカルボキシレートが挙げられる。これらの冷感剤や他の好適な冷感剤は、以下の米国特許に更に記載されており、それらすべての全体を、本願に引用して援用する:米国特許第4230688号;第4032661号;第4459425号;第;4136163号;第5266592号;第6627233号。
【0161】
いくつかの実施形態では、温感成分は、使用者に温感信号をもたらすことが知られている多種多様な化合物から選択されるとよい。これらの化合物は、特に口腔内で暖かみを認知する感覚を与え、風味料、甘味料、及びその他の感覚受容性成分の知覚を増強することが多い。いくつかの実施形態では、有用な温感化合物としては、高砂香料工業株式会社、東京、日本により供給されるバニリルアルコールn−ブチルエーテル(TK−1000)や、バニリルアルコールn−プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn−アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn−ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ジンゲロール、ショウガオール、パラドール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、エタノール、イソプロピルアルコール、イソ−アミルアルコール、ベンジルアルコール、グリセリン、及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、刺激を与えるような(tingling)感覚をもたらすことができる。このような刺激感覚の一つは、ジャンブー、オレオレジン、またはスピラントールをいくつかの例示物に添加することによってもたらすことができる。いくつかの実施形態では、ジャンブーまたはサンショールなどの、材料から抽出したアルキルアミドを挙げることができる。更に、いくつかの実施形態では、感覚は発泡に起因して生み出すことができる。このような発泡性は、塩基性物質を酸性物質と合わせることによって生み出される。いくつかの実施形態では、塩基性物質として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩及びそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、酸性物質として、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びそれらの組合せを挙げることができる。「刺激」型感覚剤の例は、米国特許第6780443号に見出すことができ、その内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0163】
感覚剤構成成分は、本願に引用して援用する米国特許出願公開第205/0202118号に開示されるもののようなど、「三叉神経刺激剤」と称されることもあるかもしれない。三叉神経刺激剤は、経口摂食製品または三叉神経を刺激する物質として定義される。三叉神経刺激剤である冷感剤の例として、メントール、WS−3、N−置換p−メンタンカルボキサミド、WS−23を含む非環状カルボキサミド、コハク酸メチル、メントングリセロールケタール、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、及びソルビトールなどの増量甘味料、ならびにそれらの組合せが挙げられる。三叉神経刺激剤は、風味料、刺激剤、ジャンブーエキス、バニリルn−ブチルエーテルなどのバニリルアルキルエーテル、スピラントール、エキナセアエキス、キタサンショウ(Northern Prickly Ash)エキス、カプサイシン、トウガラシオレオレジン、赤コショウオレオレジン、黒コショウオレオレジン、ピペリン、ショウガオレオレジン、ジンゲロール、ショウガオール、シナモンオレオレジン、ケイヒオレオレジン、シンナムアルデヒド、オイゲノール、バニリン及びメントールグリセリンエーテルの環状アセタール、不飽和アミド、ならびにそれらの組合せも含むことができる。
【0164】
(呼気清涼化成分)
呼気清涼化剤には、精油や、様々なアルデヒド、アルコール、及び類似物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、精油としてスペアミント、ペパーミント、ウィンターグリーン、サッサフラス、クロロフィル、シトラール、ゲラニオール、カルダモン、チョウジ、セージ、カルバクロール、ユーカリ、カルダモン、コウボクエキス、マジョラム、シナモン、レモン、ライム、グレープフルーツ、及びオレンジのオイルを挙げることができる。いくつかの実施形態では、シンナムアルデヒド及びサリチルアルデヒドなどのアルデヒドを使用できる。更に、メントール、カルボン、イソ−ガリゴール(iso−garrigol)、及びアネトールなどの化学薬品が、呼気清涼化剤として機能することができる。これらのうち、最もよく用いられるのはペパーミント、スペアミント及びクロロフィルのオイルである。
【0165】
呼気清涼化剤としては、精油及びそれら由来の化学薬品に加えて、限定しないが、いくつかの実施形態では、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、フッ化亜鉛、硫酸亜鉛アンモニウム、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、フルオロケイ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、コハク酸亜鉛、ギ酸亜鉛、クロム酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、ジチオン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸銀、サリチル酸亜鉛、グリセロリン酸亜鉛、硝酸銅、クロロフィル、銅クロロフィル、クロロフィリン、硬化綿実油、二酸化塩素、ベータシクロデキストリン、ゼオライト、シリカ系物質、炭素系物質、ラッカーゼなどの酵素、及びそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、プロバイオティクスの放出プロファイルを、限定しないが、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus curvatus、Lactobacillus plantarum、Lactobacillus jenseni、Lactobacillus casei、Lactobacillus fermentum、Lactococcus lactis、Pedioccocus acidilacti、Pedioccocus pentosaceus、Pedioccocus urinae、Leuconostoc mesenteroides、Bacillus coagulans、Bacillus subtilis、Bacillus laterosporus、Bacillus laevolacticus、Sporolactobacillus inulinus及びそれらの混合物などの乳酸を生産する微生物を含むガムについて管理できる。呼気清涼化剤は、以下の商品名でも知られている:Retsyn(商標)、Actizol(商標)及びNutrazin(商標)。悪臭制御組成物の例は、Staplerらの米国特許第5300305号、及び米国特許出願公開第2003/0215417号及び第2004/0081713号にも挙げられ、これら文献は全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0166】
(歯科ケア成分)
歯科ケア成分(口腔ケア成分としても公知)は、限定しないが、歯の白色化剤、汚れ除去剤、口腔洗浄剤、漂白剤、減感剤、歯科再石灰化剤、抗菌剤、虫歯予防剤、プラーク酸緩衝剤、界面活性剤及び歯石予防剤を含んでもよい。このような成分の非限定例として、タンパク質分解酵素を含む加水分解剤、水和シリカ、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム及びアルミナなどの研磨剤、限定しないがステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、硫酸化ブチルオレート、ナトリウムオレート、フマル酸の塩、グリセロール、ヒドロキシル化レシチン、ラウリル硫酸ナトリウムなどの陰イオン界面活性剤を含む表面活性剤、及び一般に歯石コントロール成分として用いられるポリリン酸塩などのキレート剤などといった他の活性汚れ除去構成成分を挙げることができる。いくつかの実施形態では、歯科ケア成分は、ピロリン酸四ナトリウム及びトリ−ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、キシリトール、ヘキサメタリン酸ナトリウムも含むことができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、過酸化カルバミド、過酸化カルシウム、過酸化マグネシウム、過酸化ナトリウム、過酸化水素、及びペルオキシジホスフェートなどの過酸化物が含まれる。いくつかの実施形態では、硝酸カリウム及びクエン酸カリウムが含まれる。他の例として、カゼイングリコマクロペプチド、カルシウムカゼインペプトン−リン酸カルシウム、カゼインホスホペプチド、カゼインホスホペプチド−非晶質リン酸カルシウム(CPP−ACP)、及び非晶質リン酸カルシウムを挙げることができる。更に他の例として、パパイン、クリラーゼ、ペプシン、トリプシン、リゾチーム、デキストラナーゼ、ミュータナーゼ、グリコアミラーゼ、アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0168】
更なる例として、いくつかの実施形態で予防効果を高め、また歯科ケア成分を更に美容上受け入れられるようにするために用いる、ステアリン酸ナトリウム、リシノール酸ナトリウム、及びラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤などの界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤は、好ましくは組成物に洗浄性及び発泡特性を付与する洗浄性物質であることができる。界面活性剤の具体例は、硬化ココナッツ油脂肪酸のモノ硫酸化モノグリセリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸の水溶性塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホネート、ナトリウムラウリルスルホアセテートなどの高級アルキルスルホアセテート、1,2−ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステル、及び炭素数12〜16の脂肪酸、アルキルまたはアシル基を有するものなど、低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族アシルアミド等である。最後に記載のアミドの例は、N−ラウロイルサルコシン、及びN−ラウロイル、N−ミリストイル、またはN−パルミトイルサルコシンのナトリウム、カリウム、及びエタノールアミン塩である。
【0169】
界面活性剤に加えて、歯科ケア成分は、限定しないが、トリクロサン、クロルヘキシジン、クエン酸亜鉛、硝酸銀、銅、リモネン、及び塩化セチルピリジニウムなどの抗菌剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、更なる虫歯予防剤は、フッ化物イオンまたは無機フッ化物塩などのフッ素をもたらす構成成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、可溶性アルカリ金属塩、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、フルオロケイ酸アンモニウム、モノフルオロリン酸ナトリウムや、フッ化第一スズ及び塩化第一スズなどのフッ化スズを配合することができる。いくつかの実施形態では、例えば、酸へのエナメル溶解性の減少、及び齲食に対する歯の保護など、口腔のケア及び衛生に対して有益な効果を持つフッ素含有化合物も、成分として配合してよい。その例として、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化カリウム、フッ化第一スズカリウム(SnF2−KF)、ヘキサフルオロ第二スズナトリウム、塩化フッ化第一スズ、フルオロジルコン酸ナトリウム、及びモノフルオロリン酸ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態では、尿素が配合される。
【0170】
更なる例は、以下の米国特許、及び米国公開特許出願に記載されており、それらすべての内容全体を、あらゆる目的で本願に引用して援用する:米国特許(Reynoldsの第5227154号、Greenbergの第5378131号、Luoらの第6846500号、Luoらの第6733818号、Luoらの第6696044号、Holmeらの第6685916号、Luoらの第6485739号、Holmeらの第6479071号、Luoらの第6471945号)、米国特許公開(Holmeらの第20050025721号、Gebreselassieらの第2005008732号、及びHolmeらの第20040136928号)。
【0171】
(活性成分)
活性物とは一般に、使用者にそれらがもたらす所望の有益な結果のために送達システム及び/またはチューインガム組成物もしくは菓子組成物に配合される成分をいう。いくつかの実施形態では、活性物は、薬品、栄養素、栄養補助食品、薬草、栄養補給剤、医薬品、薬物等、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0172】
有用な薬物の例としては、ACE阻害剤、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、高コレステロール血症治療薬(anti−cholesterolemic)、鎮痛剤、麻酔薬、抗痙攣薬、抗うつ剤、抗糖尿病薬、下痢止め、解毒剤、抗ヒスタミン薬、血圧降下薬、抗炎症剤、抗高脂血症薬(anti−lipid agent)、抗躁薬、制嘔吐剤、抗卒中薬、抗甲状腺製剤、抗腫瘍薬、抗ウイルス剤、座瘡抑制薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、鎮咳薬、抗尿酸血薬、抗ウイルス薬、同化製剤(anabolic preparation)、全身性抗感染薬および非全身性抗感染薬、抗新生物薬、抗パーキンソン病薬、抗リウマチ薬、食欲刺激薬、生物反応修飾物質、血液修飾物質、骨代謝調節因子、心血管作動薬、中枢神経系刺激薬、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、充血除去剤、栄養補助食品、ドーパミン受容体アゴニスト、子宮内膜症管理薬(endometriosis management agent)、酵素、勃起不全療法(例えば、現在Viagra(商標)として市販されているクエン酸シルデナフィル)、排卵誘発剤、胃腸薬、同種療法、ホルモン、高カルシウム血症管理薬(hypercalcemia management agent)および低カルシウム血症管理薬(hypocalcemia management agent)、免疫刺激剤、免疫抑制剤、片頭痛用製剤、乗り物酔い治療薬、筋肉弛緩剤、肥満症管理薬(obesity management agent)、骨粗しょう症製剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経興奮薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器官用薬、鎮静剤、禁煙補助薬(ブロモクリプチンまたはニコチンなど)、交感神経抑制剤、抗振戦製剤(tremor preparation)、尿路用薬、血管拡張薬、緩下剤、制酸剤、イオン交換樹脂、解熱剤、食欲抑制薬、去痰剤、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症性物質、冠動脈拡張薬、脳血管拡張薬(cerebral dilator)、末梢血管拡張薬、向精神薬、刺激薬、血圧降下薬、血管収縮薬、偏頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固剤、抗血栓剤、催眠薬、制吐剤(anti−emetic)、制嘔吐剤(anti−nauseant)、抗痙攣薬、神経筋薬、血糖上昇薬および血糖降下薬、甲状腺用製剤および抗甲状腺製剤、利尿薬、鎮痙薬、テリン弛緩剤(terine relaxant)、肥満防止薬、赤血球増殖剤、気管支喘息治療薬、鎮咳薬、粘液溶解薬、DNA修飾因子および遺伝子修飾因子、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0173】
本発明での使用が企図される他の活性成分の例としては、制酸剤、H2アンタゴニスト、および鎮痛剤が挙げられる。例えば、制酸剤投与量は、成分の炭酸カルシウムのみを使用してまたは水酸化マグネシウム、および/または水酸化アルミニウムと組み合わせて使用して調製することができる。さらに、制酸剤はH2アンタゴニストと併用して使用することができる。
【0174】
鎮痛剤としては、アヘン剤およびアヘン剤誘導体(オキシコンチン(Oxycontin)(商標)など)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、およびこれらの組合せ(必要に応じてカフェインを含んでいてもよい)が挙げられる。
【0175】
実施形態において使用するための他の薬物有効成分としては、下痢止め(イモジウム(商標)ADなど)、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、充血除去剤、ビタミン、および呼気清涼化剤が挙げられる。抗不安薬(ザナックス(Xanax)(商標)など);抗精神病薬(クロザリル(Clozaril)(商標)およびハルドール(Haldol)(商標)など);非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(イブプロフェン、ナプロキセンナトリウム、ボルタレン(Voltaren)(商標)およびロジン(Lodine)(商標)など)、抗ヒスタミン薬(クラリチン(Claritin)(商標)、ヒスマナル(Hismanal)(商標)、レラフェン(Relafen)(商標)、およびタビスト(Tavist)(商標)など);制吐剤(キトリル(Kytril)(商標)およびセサメット(Cesamet)(商標)など);気管支拡張薬(ベントリン(Bentolin)(商標)、プロベンティル(Proventil)(商標)など);抗うつ剤(プロザック(Prozac)(商標)、ゾロフト(Zoloft)(商標)、およびパキシル(Paxil)(商標)など);抗偏頭痛薬(イミグラ(Imigra)(商標)など)、ACE阻害剤(バソテック(Vasotec)(商標)、カポテン(Capoten)(商標)およびゼストリル(Zestril)(商標)など);抗アルツハイマー病薬(ニセルゴリン(Nicergoline)(商標)など);ならびにCaH−アンタゴニスト(プロカルディア(Procardia)(商標)、アダラート(Adalat)(商標)、およびカラン(Calan)(商標)など)も、本発明における使用が想定される。
【0176】
本発明において使用することが企図される普及したH2アンタゴニストとしては、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジン、エブロチジン(ebrotidine)、ミフェンチジン(mifentidine)、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジン(aceroxatidine)が挙げられる。
【0177】
活性な制酸剤成分としては、水酸化アルミニウム、アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、炭酸水素塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、次サリチル酸ビスマス(bismuth subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸または塩)、アミノ酢酸、硫酸アルミン酸マグネシウム水和物(hydrate magnesium aluminate sulfate)、マガルドレード(magaldrate)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固形分、アルミニウム第1リン酸カルシウムまたはアルミニウム第2リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸およびその塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0178】
事実上いずれのビタミンまたはミネラルなどの種々の他の栄養補給剤もまた活性成分として使用することができる。例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB6、ビタミンB12、チアミン、リボフラビン、ビオチン、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素、鉄、銅、ヨウ素、亜鉛、セレン、マンガン、コリン、クロム、モリブデン、フッ素、コバルトおよびこれらの組合せを使用することができる。
【0179】
活性成分として使用できる栄養補給剤の例は、米国特許出願公開第2003/0157213(A1)号明細書、同第2003/0206993号明細書および同第2003/0099741(A1)号明細書に示されている。これらを、あらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0180】
種々の医薬としての特性または栄養補助特性を有するものなど種々のハーブもまた活性成分として使用できる。ハーブは医薬としてまたは香味料として使用することができる一般に香りの強い植物もしくは植物の一部またはその抽出液である。適切なハーブは、単独で使用することもでき、種々の混合物として使用することもできる。一般に使用されるハーブとしては、エキナセア、ヒドラスチス、キンセンカ、ローズマリー、タイム、カバカバ、アロエ、赤根草、グレープフルーツ種子エキス、ブラックコホッシュ、朝鮮人参、ガラナ、クランベリー、イチョウ、セイヨウオトギリソウ、月見草油、ヨヒンベ樹皮、緑茶、マオウ、マカ、ビルベリー、ルテイン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0181】
(発泡システム成分)
発泡システムは、1以上の食用酸及び1以上の食用塩基性材料を含んでよい。食用酸(単数種または複数種)及び食用塩基性材料(単数種または複数種)は、反応して発泡する。
【0182】
いくつかの実施形態では、塩基性材料(単数種または複数種)は、限定しないが、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸水素塩、及びそれらの組合せから選択してよい。食用酸(単数種または複数種)は、限定しないが、クエン酸、リン酸、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、及びそれらの組合せから選択してよい。いくつかの実施形態では、発泡システムは、例えば、二酸化炭素、口腔ケア成分、香味剤等の、1以上の他の成分を含んでよい。
【0183】
チューインガムでの発泡システムの使用の例については、「Effervescent Pressed Gum Tablet Compositions」の名称で、2004年10月13日に出願の米国仮特許第60/618222号(その内容を、あらゆる目的で本願に引用して援用する)を参照されたい。他の例は米国特許第6235318号に見出すことができ、この内容をあらゆる目的で本願に引用して援用する。
【0184】
(食欲抑制成分)
食欲抑制薬は、食品を摂取したいという欲求を抑圧するように機能する、繊維及びタンパク質などの成分であることができる。食欲抑制薬はまた、ベンズフェタミン、ジエチルプロピオン、マジンドール、フェンジメトラジン、フェンテルミン、フーディア(P57)、Olibra(商標)エフェドラ、カフェイン及びそれらの組合せも含むことができる。食欲抑制薬は、以下の商品名でも知られている:Adipex(商標)、Adipost(商標)、Bontril(商標)、PDM、Bontril(商標)、Slow Release、Didrex(商標)、Fastin(商標)、Ionamin(商標)、Mazanor(商標)、Melfiat(商標)、Obenix(商標)、Phendiet(商標)、Phendiet−105(商標)、Phentercot(商標)、Phentride(商標)、Plegine(商標)、Prelu−2(商標)、Pro−Fast(商標)、PT 105(商標)、Sanorex(商標)、Tenuate(商標)、Sanorex(商標)、Tenuate(商標)、Tenuate Dospan(商標)、Tepanil Ten−Tab(商標)、Teramine(商標)及びZantryl(商標)。以上及びその他の好適な食欲抑制薬は更に、以下の米国特許に記載されており、全てを本願に引用してその全体を援用する:Portmanの米国特許第6838431号、Portmanの米国特許第6716815号、Portmanの米国特許第6558690号、Portmanの米国特許第6468962号、Portmanの米国特許第6436899号。
【0185】
(増強成分)
増強剤は、それら自体の特徴的な食味及び/または芳香の知覚を導くことなく、原材料の食味及び/または芳香の知覚を増感、補充、改良または増強するかもしれない物質からなることができる。いくつかの実施形態では、風味、甘味、酸味、旨み、コクみ、塩味及びそれらの組合せの知覚を増感、補充、改良または増強するように設計された増強剤を含むことができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、好適な増強剤の例は、食味増強剤としても知られ、限定しないが、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、クロロゲン酸、アラピリデイン、シナリン、ミラクリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、グルタミン酸一ナトリウム、グルタミン酸一カリウムなどのグルタミン酸塩、ネオテーム、タウマチン、タガトース、トレハロース、塩化ナトリウムなどの塩、グリチルリジン酸モノアンモニウム、バニラエキス(エチルアルコール中)、糖酸、塩化カリウム、重硫酸ナトリウム、加水分解植物性タンパク質、加水分解動物タンパク質、酵母エキス、アデノシン一リン酸(AMP)、グルタチオン、イノシン一リン酸、イノシン酸二ナトリウム、キサントシン一リン酸、グアニル酸一リン酸、アラピリデイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール分子内塩などのヌクレオチド、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、3−ヒドロ安息香酸、2,4−ジヒドロ安息香酸、シトラスアウランチウム、バニラオレオレジン、サトウキビ葉エッセンス、マルトール、エチルマルトール、バニリン、甘草グリチルリジン酸、G−タンパク質結合性受容体(T2Rs及びT1Rs)に応答する化合物、ならびにコクみを付与する、クロダらの米国特許第5679397号(本願に引用してその全体を援用する)に開示された食味増強剤組成物が挙げられる。「コクみ」とは、「広がり」及び「こく」を付与する物質をいう。
【0187】
食味増強剤の1種である甘味料増強剤は、甘味の食味を増強する。いくつかの実施形態では、典型的な甘味料増強剤としては、限定しないが、グリチルリジン酸モノアンモニウム、甘草グリチルリジン酸、シトラスアウランチウム、アラピリデイン、アラピリデイン(N−(1−カルボキシエチル)−6−(ヒドロキシメチル)ピリジニウム−3−オール)分子内塩、ミラクリン、クルクリン、ストロジン、マビンリン、ギムネマ酸、シナリン、グルピリデイン、ピリジニウム−ベタイン化合物、甜菜エキス、ネオテーム、タウマチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、タガトース、トレハロース、マルトール、エチルマルトール、バニラエキス、バニラオレオレジン、バニリン、甜菜エキス(アルコール抽出液)、サトウキビ葉エッセンス(アルコール抽出液)、G−タンパク質結合性受容体(T2R及びT1R)に応答する化合物、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0188】
塩味を増強するための増強剤の更なる例に、本願に引用して援用する、米国特許第6974597号に開示されたもののような酸性ペプチドが含まれる。酸性ペプチドには、リジン、アルギニン及びヒスチジンなどの塩基性アミノ酸よりも数多くの、アスパラギン酸及びグルタミン酸などの酸性アミノ酸を有するペプチドが含まれる。酸性ペプチドは、ペプチド合成、またはエンドペプチダーゼを用いてタンパク質を加水分解に付し、必要に応じ脱アミド化することによって得られる。酸性ペプチド、またはタンパク質を加水分解及び脱アミド化に付すことによって得られるペプチドの作製における使用に好適なタンパク質として、植物タンパク質(例えば小麦グルテン、トウモロコシタンパク質(例えば、ゼイン及びグルテンミール)、大豆タンパク質単離物)、動物タンパク質(例えば、ミミルクカゼイン及びミルク乳清タンパク質などの乳タンパク質、食肉タンパク質及び魚肉タンパク質などの筋肉タンパク質、卵白タンパク質及びコラーゲン)、ならびに微生物タンパク質(例えば、微生物細胞タンパク質及び微生物により産生されるポリペプチド)が挙げられる。
【0189】
温感または冷感の効果は、本願に引用してその全体を援用する米国特許出願公開第2003/0072842 A1号に記載のように、疎水性甘味料の添加によっても延長されるかもしれない。例えば、このような疎水性甘味料は、以下に示すような式I−XIのものを含む:
【化1】

式中、X、Y及びZは、CH2、O及びSからなる群から選択される;
【化2】

式中、X及びYは、S及びOからなる群から選択される;
【化3】

式中、Xは、SまたはOであり;Yは、OまたはCH2であり;Zは、CH2、SO2またはSであり;Rは、OCH3、OHまたはHであり;R1は、SHまたはOHであり、R2は、HまたはOHである;
【化4】

式中、Xは、CまたはSであり;Rは、OHまたはHであり、R1は、OCH3またはOHである;
【化5】

式中、R、R2及びR3は、OHまたはHであり、R1はHまたはCOOHである;
【化6】

式中、Xは、OまたはCH2であり、Rは、COOHまたはHである;
【化7】

式中、Rは、CH3CH2、OH、N(CH3)2またはClである;
【化8】




【0190】
ペリラルチンを、やはり本願に引用してその全体を援用する、米国特許第6159509号に記載のとおりに添加してもよい。
【0191】
(食用酸成分)
酸には、限定しないが、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びそれらの組合せを含めることができる。
【0192】
(微量栄養素成分)
微量栄養素は、タンパク質、炭水化物、及び脂肪などの多量栄養素と比較して、所望の効果をもたらすのに生物が要求する量が少なくても、生物の栄養上の健康状態に対する影響を有する物質を含むことができる。微量栄養素には、限定しないが、ビタミン、ミネラル、酵素、植生化学物質、抗酸化物質、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0193】
いくつかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンK及びそれらの組合せなどの脂溶性ビタミンを含むことができる。いくつかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンC(アスコルビン酸)、B型ビタミン(チアミン即ちB1、リボフラビン即ちB2、ナイアシン即ちB3、ピリドキシン即ちB6、葉酸即ちB9、シアノコバラミン即ちB12、パントテン酸、ビオチン)、及びそれらの組合せなどの水溶性ビタミンを含むことができる。
【0194】
いくつかの実施形態では、ミネラルは、限定しないが、ナトリウム、マグネシウム、クロム、ヨウ素、鉄、マンガン、カルシウム、銅、フッ化物、カリウム、リン、モリブデン、セレン、亜鉛、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0195】
いくつかの実施形態では、微量栄養素は、限定しないがL−カルニチン、コリン、コエンザイムQ10、α−リポ酸、ω−3−脂肪酸、ペプシン、フィターゼ、トリプシン、リパーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0196】
抗酸化物質は、フリーラジカルを補足除去する物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、抗酸化物質は、限定しないがアスコルビン酸、クエン酸、ローズマリー油、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンEホスフェート、トコフェロール、ジ−α−トコフェリルホスフェート、トコトリエノール、αリポ酸、ジヒドロリポ酸、キサントフィル、ベータクリプトキサンチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、β−カロチン、カロチン、混合カロテノイド、ポリフェノール、フラボノイド、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0197】
いくつかの実施形態では、植生化学物質は、限定しないが、カルテノイド、クロロフィル、クロロフィリン、繊維、フラボノイド、アントシアニン、シアニジング(cyaniding)、デルフィニジン、マルビジン、ペラルゴニジン、ペオニジン、ペチュニジン、フラバノール、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、テアフラビン、テアルビジン、プロアントシアニン、フラボノール、ケルセチン、ケンフェロール、ミリセチン、イソラムネチン、フラボノンシェスペレチン(flavononeshesperetin)、ナリンゲニン、エリオジクチオール、タンゲレチン、フラボン、アピゲニン、ルテオリン、リグナン、フィトエストロゲン、レスベラトロール、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテイン、ダイズイソフラボン、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0198】
(口内湿潤化成分)
口内湿潤剤は、限定しないが、酸及び塩ならびにそれらの組合せなどの唾液刺激剤を含むことができる。いくつかの実施形態では、酸は、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、酪酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、グリコン酸、乳酸、リン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸及びそれらの組合せを含むことができる。
【0199】
口内湿潤剤はまた、水和して口腔表面付着し、口内湿潤化の感覚をもたらすかもしれない親水コロイド材料も含むことができる。親水コロイド材は、植物滲出液、種子ガム、及び海藻エキスなどの天然由来の材料を含むことができ、またはそれらは、セルロース、デンプン、または天然ガム誘導体などの化学的に変性された物質であることができる。いくつかの実施形態では、親水コロイド材料は、ペクチン、アラビアガム、アカシアガム、アルギン酸塩、寒天、カラギーナン、グアーガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、ジェランガム、ガラクトマンナン、トラガントガム、カラヤガム、カードラン、コンニャク、キトサン、キシログルカン、ベータグルカン、フルセララン、ガッティガム、タマリン、細菌ガム、及びそれらの組合せを含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、プロピレングリコールアルギネート、カルボキシメチルローカストビーンガム、低メトキシルペクチン、及びそれらの組合せなどの、変性天然ガムを含むことができる。いくつかの実施形態では、は、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPCM)、及びヒドロキシプロピルセルロース(MPC)、及びそれらの組合せなどの、変性セルロースを含めることができる。
【0200】
同様に、口内に水和の知覚をもたらすことができる湿潤剤を含めることができる。かかる湿潤剤としては、限定しないが、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、及びキシリトール含むことができる。更に、いくつかの実施形態では、脂肪は口内湿潤化を知覚させることができる。このような脂肪としては中鎖トリグリセリド、植物油、魚油、鉱油、及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0201】
(咽頭ケア成分)
咽頭無痛化成分は、鎮痛薬、麻酔薬、粘滑薬、防腐剤、及びそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、鎮痛薬/麻酔薬は、メントール、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、ベンゾカイン、ジクロニン塩酸塩、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、及びそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、粘滑薬としては、限定しないが、スリッペリーニレ樹皮、ペクチン、ゼラチン、及びそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、防腐剤成分は、塩化セチルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化デカリニウム、及びそれらの組合せを含むことができる。
【0202】
いくつかの実施形態では、塩酸クロフェジアノール、コデイン、リン酸コデイン、硫酸コデイン、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸ジフェンヒドラミン、及び塩酸ジフェンヒドラミン、ならびにそれらの組合せなどの鎮咳成分を含むことができる。
【0203】
いくつかの実施形態では、ハチミツ、プロポリス、アロエベラ、グリセリン、メントール及びそれらの組合せなどの咽頭無痛化剤を含むことができる。更に別の実施形態では、鎮咳剤を含むことができる。このような鎮咳剤は、2群すなわち:粘液溶解薬及び去痰薬など、痰の粘稠度または産生を変化させるもの;ならびにコデイン(麻薬性鎮咳剤)、抗ヒスタミン薬、デキストロメトルファン及びイソプロテレノール(非麻薬性鎮咳剤)などの咳反射を抑制するものの2群に分類できる。いくつかの実施形態では、片方または双方の群からの成分を含めることができる。
【0204】
更に別の実施形態では、鎮咳薬は、限定しないが、コデイン、デキストロメトルファン、デキストロファン、ジフェニルヒドラミン、ヒドロコドン、ノスカピン、オキシコドン、ペントキシベリン及びそれらの組合せからなる群を含むことができる。いくつかの実施形態では、抗ヒスタミン薬は、限定しないが、アクリバスタチン、アザタジン、ブロモフェニラミン、クロロフェニラミン、クレマスチン、シプロヘプタジン、デキスブロモフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドキシルアミン、ヒドロキシジン、メクリジン、フェニンダミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、トリペレナミン、トリプロリジン及びそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、非鎮痛性の抗ヒスタミン薬としては、限定しないが、アステミゾール、セチリジン、エバスチン、フェキソフェナジン、ロラチジン、テルフェナジン、及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、去痰薬としては、限定しないが、塩化アンモニウム、グアイフェネシン、トコン流エキス、ヨウ化カリウム及びそれらの組合せを挙げることができる。いくつかの実施形態では、粘液溶解薬としては、限定しないが、アセチルシステイン、アンブロキソール、ブロモヘキシン及びそれらの組合せを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鎮痛、解熱及び抗炎症薬として、限定しないが、アセトアミノフェン、アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ナブメトン、ナプロキセン、ピロキシカム、カフェイン及びそれらの混合物を挙げることができる。いくつかの実施形態では、局所麻酔薬として、限定しないが、リドカイン、ベンゾカイン、フェノール、ジクロニン、ベンゾノテート及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0206】
いくつかの実施形態では、鼻腔内清掃の知覚をもたらす鼻腔鬱血除去薬及び成分を配合できる。いくつかの実施形態では、鼻腔鬱血除去薬としては、限定しないが、フェニルプロパノールアミン、シュードエフェドリン、エフェドリン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、及びそれらの組合せを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鼻腔内清掃の知覚をもたらす成分としては、限定しないが、メントール、カンファー、ボルネオール、エフェドリン、ユーカリ油、ペパーミント油、サリチル酸メチル、酢酸ボルニル、ラベンダー油、ワサビエキス、セイヨウワサビエキス、及びそれらの組合せを挙げることができる。いくつかの実施形態では、鼻腔内清掃の知覚は、木、ガム、花及び他の植物性物質、樹脂、動物分泌物、及び合成芳香族物質からのエキスである発香性精油によって、もたらすことができる。
【0207】
いくつかの実施形態では、1以上の着色料を配合できる。米国食品薬品化粧品法(21C.F.R.73)によって分類されるように、着色料は、認可免除着色料(合成により製造できても、「天然」と称される場合がある)及び認可着色料(「人工」と称される場合がある)、またはそれらの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、認可免除または天然着色料としては、限定しないが、アナットーエキス、(E160b)、ビキシン、ノルビキシン、アスタキサンチン、脱水ビート(ビート粉末)、赤色ビート根/ベタニン(E162)、ウルトラマリンブルー、カンタキサンチン(E161g)、クリプトキサンチン(E161c)、ルビキサンチン(E161d)、ビオランキサンチン(E161e)、ロドキサンチン(E161f)、キャラメル(E150(a−d))、β−アポ−8’−カロテナール(E160e)、β−カロチン(E160a)、αカロチン、γカロチン、β−アポ−8−カロテナールのエチルエステル(E160f)、フラボキサンチン(E161a)、ルテイン(E161b)、コチニールエキス(E120);カルミン(E132)、カルモイシン/アゾルビン(E122)、ナトリウム銅クロロフィリン(E141)、クロロフィル(E140)、焼成し部分的に脱脂し加熱した綿実小麦粉、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、ブドウ色エキス、ブドウ果皮エキス(エノシアニナ)、アントシアニン(E163)、ヘマトコッカスアルガエ(haematococcus algae)粗粉、合成鉄酸化物、鉄酸化物及び水酸化物(E172)、フルーツジュース、植物ジュース、乾燥藻類粗粉、マンジュギク(Aztec marigold)粗粉及びエキス、キャロット油、トウモロコシ胚乳油、パプリカ、パプリカオレオレジン、パフィア(phaffia)酵母、リボフラビン(E101)、サフラン、二酸化チタン、ウコン(E100)、ウコンオレオレジン、アマランサス(E123)、カプサンチン/カプソルビン(E160c)、リコピン(E160d)、及びそれらの組合せを挙げることができる。
【0208】
いくつかの実施形態では、認定着色料としては、限定しないが、FD&Cブルー#1、FD&Cブルー#2、FD&Cグリーン#3、FD&Cレッド#3、FD&Cレッド#40、FD&Cイエロー#5及びFD&Cイエロー#6、タートラジン(E102)、キノリンイエロー(E104)、サンセットイエロー(E110)、紅色(E124)、エリスロシン(E127)、パテントブルーV(E131)、二酸化チタン(E171)、アルミニウム(E173)、銀(E174)、金(E175)、顔料ルビン/リソールルビンBK(E180)、炭酸カルシウム(E170)、カーボンブラック(E153)、ブラックPN/ブリリアントブラックBN(E151)、グリーンS/酸ブリリアントグリーンBS(E142)、及びそれらの組合せを挙げることができる。いくつかの実施形態では、認定着色料としてはFD&Cアルミニウムレーキを含むことができる。これらは、アルミナ水和物の不溶性基材上に広げたアルミニウム塩FD&C染料からなる。更に、いくつかの実施形態では、認定着色料は、カルシウム塩として配合できる。
【0209】
(複数の成分)
いくつかの実施形態では、送達システムまたはチューインガム組成物もしくは菓子組成物は、摂食中にチューインガムまたは菓子からの放出の管理が望まれる2種以上の成分を含むかもしれない。いくつかの実施形態では、成分は、異なる送達システムに別々に封入してもよいし、または別の方法で包接してもよい。あるいは、いくつかの実施形態では、成分は同じ送達システムに封入してもよいし、または別の方法で包接してもよい。別の可能性として、成分の1以上を遊離状態とし(例えば、非封入)、1以上の他の成分を封入してもよい。
【0210】
チューインガムまたは菓子組成物は、チューインガムまたは菓子組成物の摂食中にその放出の管理が望まれる成分の一群を含むかもしれない。チューインガム組成物または菓子組成物の摂食中にチューインガム組成物または菓子組成物からの放出の管理が望まれるかもしれない2種以上の成分の群としては、限定しないが:着色料及び風味料、複数の風味料、複数の着色料、冷感剤及び風味料、温感剤及び風味料、冷感剤及び温感剤、冷感剤及び高強度甘味料、温感剤及び高強度甘味料、複数の冷感剤(例えば、WS−3及びWS−23、WS−3及びコハク酸メンチル)、メントール及び1以上の冷感剤、メントール及び1以上の温感剤、複数の温感剤、高強度甘味料(単数種または複数種)及び歯の白色化活性物(単数種または複数種)、高強度甘味料(単数種または複数種)及び呼気清涼化活性物(単数種または複数種)、何らかの苦味がある成分と、その成分に対する苦味抑制剤、複数の高強度甘味料(例えば、ace−k及びアスパルテーム)、複数の歯の白色化活性物(例えば、研磨剤成分及び抗微生物成分、パーオキサイド及び硝酸塩、温感剤及びポリオール、冷感剤及びポリオール、複数のポリオール、温感剤及び微量栄養素、冷感剤及び微量栄養素、温感剤及び口内湿潤化剤、冷感剤及び口内湿潤化剤、温感剤及び咽頭ケア剤、冷感剤及び咽頭ケア剤、温感剤及び食用酸、冷感剤及び食用酸、温感剤及び乳化剤/界面活性剤、冷感剤及び乳化剤/界面活性剤、温感剤及び着色料、冷感剤及び着色料、温感剤及び風味増強剤、冷感剤及び風味増強剤、甘味増強剤と温感剤、甘味増強剤と冷感剤、温感剤及び食欲抑制剤、冷感剤及び食欲抑制薬、高強度甘味料及び風味料、冷感剤及び歯の白色化剤、温感剤及び歯の白色化剤、温感剤及び呼気清涼化剤、冷感剤及び呼気清涼化剤、冷感剤及び発泡システム、温感剤及び発泡システム、温感剤及び抗微生物剤、冷感剤及び抗微生物剤、複数の歯石予防成分、複数の再石灰化成分、複数の界面活性剤、鉱質除去成分と再石灰化成分、酸緩衝成分と酸性成分、抗菌成分と歯石予防成分、歯石予防成分と再石灰化成分、抗菌成分と再石灰化成分と歯石予防成分、歯石予防成分と界面活性剤成分、抗菌成分と界面活性剤成分、再石灰化成分と界面活性剤成分、抗菌成分と歯石予防成分と界面活性剤、複数のタイプのビタミンまたはミネラル、複数の微量栄養素、複数の酸、複数の抗微生物成分、複数の呼気清涼化成分、呼気清涼化成分及び抗微生物成分、複数の食欲抑制薬、反応して発泡する酸及び塩基、高強度甘味料と苦味化合物、冷感剤及び食欲抑制薬、温感剤及び食欲抑制薬、高強度甘味料及び食欲抑制薬、酸と高強度甘味料、プロバイオテック成分及びプレバイオテック成分、ビタミン及びミネラル、多量栄養素と代謝増強成分、微量栄養素と代謝増強成分、基質と酵素、甘味増強剤と高強度甘味料、冷却化合物と冷却増強剤、風味料と風味増強剤、温感化合物と温感増強剤、風味料と塩、高強度甘味料と塩、酸と塩、冷却化合物と塩、温感化合物と塩、風味料と界面活性剤、渋味化合物と水和の知覚をもたらす成分、等が挙げられる。いくつかの実施形態では、複数の成分は、同じ送達システムの一部でもよいし、または異なる送達システムの一部でもよい。異なる送達システムは、同じ封入材料を用いてもよいし、異なる封入材料を用いてもよい。
【0211】
一般に、複数の成分の封入の結果、(例えば、チューインガムに、一成分として添加される送達システムの一部としての)封入された複数の成分を含むチューインガムまたは菓子組成物の摂食中に、その複数の成分の多くの放出が遅延することになるであろう。これは、成分を別々に封入することにより、異なる放出プロファイルにてそれらの放出を引き起こすかもしれない状況で、特に有益であるかもしれない。例えば、異なる高強度甘味料は、水溶性または他の性質が異なるかもしれないので、異なる放出プロファイルを有するかもしれない。それらを一緒に封入することで、より同期的なそれらの放出が起こるかもしれない。
【0212】
いくつかの実施形態では、複数の成分、この複数の成分を含有する送達システム、及び/もしくはこの送達システムを含有するチューインガムもしくは菓子組成物の様々な特性、ならびに/または前記したような方法でどのように送達システムを作製するかを管理することによって、複数の成分の放出プロファイルをガム用に管理できる。
【0213】
前記のような更なる構成成分を、所望に応じて、中心充填物内、ガム領域もしくは菓子領域内またはコーティングの中など、ガム組成物または菓子組成物の1つ以上の領域もしくは層で使用してもよい。更なる構成成分に対する好適な量を、以下の表1に示す。これらの構成成分に対して提供された量は、その構成要素が含有されていてもよい特定の領域に基づく。さらに、表1に示す量は、通常、遊離型、すなわち、未封入型で中心充填物ガム組成物に添加してよい場合の、構成成分にあてはまる。構成成分が封入型でもたらされるいくつかの実施形態では、更なる構成成分の放出プロファイルが変更されているので、表1に示すそれらの量よりも多い量を用いてよい。また、表1に示す構成成分の多くは任意成分なので、それらの量は、かかる構成成分を組成物中に配合するよう選択した場合に用いる量を表す。すなわち、たとえその構成成分が存在しなくてよいとしても、0%の下限は含まれない。
【0214】
以下の表1に列挙する構成成分は、それらの封入型及び/または未封入型や、他の任意の構成成分の何れかとの組合せにて、中心充填物ガムまたは菓子の1つ以上の領域もしくは層に添加してもよい。例えば、単一の構成成分をその封入型及び未封入型で、中心充填物ガムに添加してよい。異なる2種の型の構成成分は、同量または異なる量で、中心充填物ガムの同じまたは異なる領域に添加してよい。
【0215】
いくつかの実施形態では、単一の構成成分を、2種以上の異なる封入型で添加してよい。特に、異なるポリマーなどの、2種以上の異なる封入材料を用いて、構成成分の2種以上の別々の部分を封入してもよい。同じ構成成分の異なる封入型は、同量または異なる量で、中心充填物製品の同じ領域または異なる領域に添加してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、同じ構成成分に未封入型を、2種以上の異なる封入型と組合せて添加してもよい。構成成分の未封入型は、封入型と同じかまたは異なる量で、中心充填物製品の何れの領域に添加してもよい。さらに、いくつかの実施形態では、2種以上の異なる封入型と組合せて同様の構成成分の封入型を添加してよい。例えば、単一の甘味料の2種の封入型を、異なる甘味料の未封入型と組合せて用いてもよい。
【0216】
いくつかの実施形態では、以下の表1からの2種以上の異なる構成成分の組合せを採用してよい。いくつかの実施形態では、構成成分の少なくとも一つは封入されていてよく、また構成成分の少なくとも一つは未封入であってよい。複数の構成成分は、例えば、2種の異なる甘味料などのように同じタイプの構成成分であってよい。あるいは、この複数の構成成分は、例えば甘味料と温感剤のように、別の異なる分類からの構成成分であってもよい。異なる構成成分は、同量または異なる量で、中心充填物ガムまたは菓子の同じかまたは異なる領域に添加してよい。特定の領域におけるこの構成成分の量は、消費者がこの構成成分を異なる領域でどのようにして知覚するか、その消費者に与えることが所望される知覚経験または機能的利益、規制の問題、任意の1つの領域であまりに多くの量を使用した場合に不味さをもたらすか、などに応じて選択してよい。
【0217】
いくつかの実施形態は、各々封入されている、以下の表1からの複数の構成成分を包含してよい。複数の封入された構成成分を、同量もしくは異なる量で、ガムまたは菓子の同じかもしくは異なる領域に配合してよい。複数の封入された構成成分は、同じタイプの構成成分であっても、または別の異なる分類からのものであってもよい。
【0218】
複数の封入された構成成分を中心充填物ガム組成物または菓子組成物に添加するいくつかの実施形態では、複数の構成成分は、一緒に封入されていてもよいし、別々に封入されていてもよい。複数の構成成分が一緒に封入される実施形態では、構成成分は共に混合し、単一の封入材料により封入してよい。複数の構成成分が別々に封入される実施形態では、構成成分を封入するのに用いる材料は同じでも異なっていてもよい。
【0219】
前記のとおり、表1に、ガム製品または菓子製品の1以上の領域に任意に存在してよい構成成分の一覧を提供する。コーティング、中心充填物またはガム領域に存在してよい好適な量を表に示す。表1の量は、ガム製品の領域または層におけるppmまたは重量%として示す。表1は典型例を示すに過ぎず、その領域に配合できる成分を多少とも限定するものとして解釈されるべきでない。
表1
【表1】


















【0220】
本発明の特徴及び利点を、以下の実施例によってさらに充分に示す。これら実施例は、例示を目的として提供するもので、本発明を多少とも限定するものとして解釈されるべきでない。
【実施例】
【0221】
(実施例A〜H)
表2および表3に示す以下の実施例A〜Hは、いくつかの実施形態の本発明の中心充填物チューインガム組成物に関する。これらの組成物の中心充填物領域は、グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物を含む流動体担体に懸濁した1種以上のポリオール粉末を含む。
表2:液体中心充填物組成物
【表2】


表3:ガム領域組成物
【表3】

【0222】
中心充填物領域およびガム領域を含むガムピースを、組成物A〜Hについての対応する構成成分に従う各領域を備えて、上記の表2および表3中の組成物に従って調製した。
【0223】
中心充填物組成物を調製するために、液体グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物(HSH)成分を混合容器中で合わせ、均質になるまで混合した。次に、冷却化合物を風味料中に可溶化し、グリセリン/HSH混合物に加えた。次いで、着色料および高強度甘味料(すなわち、アセサルフェームK、アスパルテームおよび/またはスクラロース)をこの混合物に、この混合物が均一な色になるまで加えた。最後に、粉末化ポリオール(単数または複数)をこの混合物に加え、均質になるまで混合した。
【0224】
ガム領域を調製するために、ガムベースをミキサー中で融解させた。残りの成分を融解したガムベースに加えた。成分を含む融解したガムベースを混合し、これら成分を完全に分散させた。生成したチューインガム組成物は、冷却してもよく、中心充填物製品を調製するためのプロセスに直接供給してもよい。
【0225】
チューインガム組成物および液体中心充填物組成物を一緒に押出し、段落[0039]〜[0042]で上述したプロセスによって錠剤に成形した。任意のコーティングを、段落[0043]〜[0044]で上述したようにして施してもよい。各ガムピースはおよそ2.2gの全重量を有する。最終のガムピースで、ガム領域は約55〜65重量%であり、液体充填は約0〜20重量%であり、コーティングは約20〜40重量%である。
【0226】
(実施例I〜J)
表4〜表6に示す以下の実施例I〜Jは、本発明の中心充填物ペレットガムピースに関する実施形態である。この組成物の中心充填物領域は、グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物を含む流動体担体に懸濁したエリスリトールおよびキシリトール粒子を含む。
表4:ガム領域組成物
【表4】

表5:中心充填物組成物
【表5】

表6:コーティング組成物
【表6】

【0227】
中心充填物領域およびガム領域を含むガムピースを、組成物IおよびJについての対応する構成成分に従う各領域を備えて、上記の表4〜表6の組成物に従って調製した。
【0228】
中心充填物組成物を調製するために、液体グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物(HSH)成分を混合容器中で合わせ、均質になるまで混合した。次に、高強度甘味料とともにエリスリトールおよびキシリトールをこの混合物に加え、均質になるまで混合した。次いで、この冷却化合物を風味料中で可溶化し、着色料とともにグリセリン/HSH混合物に加えた。この混合物を、均一な色になるまで混合した。
【0229】
ガム領域を調製するために、ガムベースをミキサー中で融解させた。残りの成分を、この融解したガムベースに加えた。成分を含む融解したガムベースを混合し、これらの成分を完全に分散させた。生成したチューインガム組成物を冷却し、中心充填物製品を調製するためのプロセスに直接供給した。
【0230】
チューインガム組成物および液体中心充填物組成物を一緒に押出し、段落[0039]〜[0042]で上述したプロセスによって錠剤に成形した。コーティングを、段落[0043]〜[0044]で上述したようにして施した。各ガムピースはおよそ2.2gの全重量を有した。最終のガムピースで、ガム領域は約63.182重量%であり、液体充填物は約9.545重量%であり、コーティングは約27.273重量%であった。
【0231】
(実施例K〜R)
表7〜表9に示す以下の実施例K〜Rは、本発明の中心充填物菓子ピースに関する実施形態である。この組成物の中心充填物領域は、グリセリンおよび水素化デンプン加水分解物を含む流動体担体に懸濁したエリスリトールおよびキシリトール粒子を含む。
表7:中心充填物組成物
【表7】


表8:菓子領域組成物
【表8】

表9:コーティング組成物
【表9】

【0232】
中心充填物領域、菓子領域、および必要に応じてコーティング領域を含む菓子ピースを、組成物K〜Rについての対応する構成成分に従う各領域を備えて、上記の表7、表8、および表9中の組成物に従って調製した。
【0233】
中心充填物組成物を調製するために、砂糖/グルコースおよび/または水素化デンプン加水分解物(HSH)成分を混合容器中で合わせ、均質になるまで混合した。次に、ペクチンを上記混合物に配合した。次いで、冷却化合物を風味料中に可溶化し、加えた。必要に応じて任意の着色料、塩類、酸および/または高強度甘味料(すなわち、アセサルフェームK、アスパルテームおよび/またはスクロース)を加えて、その混合物が均質になるまで混合してもよい。最後に、粉末化したポリオール(単数または複数)をこの混合物に加え、均質になるまで混合した。
【0234】
菓子領域を調製するために、グルコース/ソルビトール/エリスリトール/HSHを、均質な混合物を生成するために十分な水と混合し、その混合物を約130℃まで加熱処理した。混合物を冷却している間に脂肪、乳化剤、および着色料を加えた。混合物が約90℃に到達したとき、脂肪および乳化剤とともに水和ゼラチン/デンプン/アラビアガム成分を加え、徹底的に混合した。この混合物を冷却台上に置き、ここで風味料および酸を加えた。混合物の温度が約65〜70℃に到達したとき、(必要に応じて)フォンダンを配合した。混合物を所望の粘稠度まで引き、その後で中心充填物製品を調製するためのプロセスに供給した。
【0235】
次いで、菓子および液体中心充填物組成物を一緒に押出し、段落[0039]〜[0042]で上述したプロセスにより所望の形状構造に成形した。表9に示すような任意のコーティング組成物を、段落[0043]〜[0044]で上述したようにして施してもよい。各菓子ピースは、およそ2g〜10gの総重量を有する。最終菓子ピースで、菓子領域は約40〜65重量%であり、液体充填物は約0〜45重量%であり、コーティングは約0〜60重量%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューインガム組成物であって、
(a)中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と前記流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子とを含むスラリーを含む中心充填物組成物と、
(b)前記中心充填物組成物を囲み、ガムベースを含むガム領域と、
を含むチューインガム組成物。
【請求項2】
前記流動体担体がグリセリン及び水素化デンプン加水分解物を含む、請求項1に記載のチューインガム組成物。
【請求項3】
前記エリスリトール粒子が45μm未満の粒子径を有する、請求項1又は2に記載のチューインガム組成物。
【請求項4】
前記エリスリトール粒子が−43cal/g以下の溶解熱を有する、請求項1から3のいずれかに記載のチューインガム組成物。
【請求項5】
前記エリスリトール粒子が前記チューインガム組成物の4.3重量%〜5.2重量%の量で存在する、請求項1から4のいずれかに記載のチューインガム組成物。
【請求項6】
前記流動体担体が前記チューインガム組成物の8.6重量%〜10.5重量%の量で存在する、請求項1から5のいずれかに記載のチューインガム組成物。
【請求項7】
前記中心充填物組成物が、更に、着香料及び冷感剤を含有するプレミックスを含み、前記冷感剤が前記着香料中に溶解し、前記プレミックスが前記流動体担体に懸濁している、請求項1から6のいずれかに記載のチューインガム組成物。
【請求項8】
チューインガム組成物であって、
(a)中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と前記流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子及びキシリトール粒子とを含むスラリーを含み、前記流動体担体がグリセリン及び水素化デンプン加水分解物を含む中心充填物組成物と、
(b)前記中心充填物組成物を囲み、ガムベースを含むガム領域と、
を含み、
前記エリスリトール粒子が前記中心充填物組成物の10重量%〜50重量%の量で存在し、前記キシリトール粒子が前記中心充填物組成物の10重量%〜50重量%の量で存在するチューインガム組成物。
【請求項9】
前記チューインガム組成物が、更に、前記ガム領域の少なくとも一部分を囲むコーティングを含む、請求項8に記載のチューインガム組成物。
【請求項10】
前記コーティングが、更に、少なくとも1種の冷感剤を含む、請求項9に記載のチューインガム組成物。
【請求項11】
前記中心充填物組成物が、更に、着香料及び冷感剤を含有するプレミックスを含み、前記冷感剤が前記着香料中に溶解している、請求項8から10のいずれかに記載のチューインガム組成物。
【請求項12】
前記グリセリンが前記中心充填物組成物の1.0重量%〜30.0重量%の量で存在し、前記水素化デンプン加水分解物が前記中心充填物組成物の20重量%〜50重量%の量で存在する、請求項8から11のいずれかに記載のチューインガム組成物。
【請求項13】
チューインガム組成物であって、
(a)中心充填物組成物に対して10重量%〜65重量%の流動体担体と前記流動体担体に懸濁した結晶質のエリスリトール粒子及びキシリトール粒子とを含むスラリーを含み、前記流動体担体がグリセリン及び水素化デンプン加水分解物を含む中心充填物組成物と、
(b)前記中心充填物組成物を囲み、ガムベースを含むガム領域と、
を含み、
前記グリセリンが前記中心充填物組成物の1.5重量%〜2.5重量%の量で存在し、前記水素化デンプン加水分解物が前記中心充填物組成物の37重量%〜47重量%の量で存在し、前記エリスリトール粒子が前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在し、前記キシリトール粒子が前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在するチューインガム組成物。
【請求項14】
中心充填物菓子ピースの調製方法であって、
(a)菓子層の中心充填物ロープを押出すステップであって、前記中心充填物ロープは、糖、グルコース、水素化デンプン加水分解物及びこれらの組合せからなる群から選択される流動体担体と、エリスリトール粒子、キシリトール粒子及びこれらの組合せからなる群から選択され、前記流動性担体に懸濁した粒子とを含む中心充填物組成物と、前記中心充填物組成物を囲む菓子部分とを含む、ステップと、
(b)前記中心充填物ロープをサイジングするステップと、
(c)前記中心充填物ロープを成形機構に供給するステップと、
(d)前記中心充填物ロープの個々のピースを成形するステップと、
(e)前記個々のピースをコーティングするステップと
を含む、方法。
【請求項15】
中心充填物菓子ピースの調製方法であって、
(a)菓子層の中心充填物入りのロープを押出すステップであって、前記中心充填物入りのロープは、中心充填物組成物と、前記中心充填物組成物を囲む菓子部分を含むロープとを含み、前記中心充填物組成物は、前記中心充填物組成物の37重量%〜47重量%の量で存在する水素化デンプン加水分解物と、前記中心充填物組成物の1.5重量%〜2.5重量%の量で存在するグリセリンと、前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在するエリスリトール粒子と、前記中心充填物組成物の25重量%〜35重量%の量で存在するキシリトール粒子とを含む、ステップと、
(b)前記中心充填物ロープをサイジングするステップと、
(c)前記中心充填物ロープを成形機構に供給するステップと、
(d)前記中心充填物ロープの個々のピースを成形するステップと、
(e)前記個々のピースをコーティングするステップと
を含む、方法。

【公開番号】特開2011−45388(P2011−45388A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247742(P2010−247742)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【分割の表示】特願2009−527338(P2009−527338)の分割
【原出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(507265133)キャドバリー アダムス ユーエスエー エルエルシー (55)
【Fターム(参考)】