説明

成形品取出装置

【課題】従来より少ない動作ステップで成形品を型から取り出すことが可能であり、しかも従来型の取出装置に対して簡単なアレンジを施すことにより得ることが可能な成形品取出装置を提供する。
【解決手段】支持部材24が直線的な移動力を受けて把持位置まで移動して一対の把持部材28が成形品Aの突部A2を把持したときに、このときの移動力を利用して把持部材を突部と一緒に一方の型11側に移動させる型抜機構27を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方向に接離可能で互いの対向面に成形用凹部を有する一対の型を利用して成形された成形品を、一方の型から離間した他方の型の成形用凹部から取り出すための成形品取出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに上下方向に接離可能な上型と下型を具備する金型を利用して成形された成形品は、金型の近傍に配設した取出装置によって金型から取り出される。
取出装置は一般的に、左右一対の支持部材と、各支持部材の先端部にそれぞれ支持した左右一対の把持部材と、を具備している。左右の支持部材は、金型から後方に離間した初期位置と、その先端部が互いに分離した上型と下型の間に位置するまで前進した取出位置との間を金型に対して前後方向(水平方向)に直線的に移動可能であり、また左右方向に離間した退避位置と、互いに左右方向に接近した把持位置との間を左右方向に移動可能である。さらに左右の支持部材は、上下2つの位置の間を上下方向に直線的に移動可能である。
【0003】
この取出装置を利用した成形品の金型(下型)からの取り出し要領は以下の通りである。
上型が下型に接触することにより成形を行っているとき支持部材は初期位置及び退避位置に位置しており、成形が完了して上型が下型から上方に離間すると、成形品が下型の成形用凹部に取り残される。この成形品の上部には、上型に形成されたスプルーによって成形された突部が突設されている。
駆動手段の駆動力によって、左右方向の位置が退避位置にある左右の支持部材が取出位置まで前進すると、一対の支持部材の先端部及び把持部材が成形品の上記突部から左右両側に離れた位置に位置する。
続いて駆動手段の駆動力によって一対の支持部材を把持位置まで移動させ、一対の把持部材によって成形品の上記突部を両側から把持する。さらに駆動手段により支持部材を上方に移動させて、一対の把持部材によって成形品を下型の成形用凹部から上方に抜き取る。
最後に駆動手段が一対の支持部材を初期位置まで後退させることにより、成形品を金型の後方まで移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−199621号公報
【特許文献2】特開昭63−303715号公報
【特許文献3】特開平10−119097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記取出装置は、一対の把持部材を成形品の突部の左右両側に位置させた後に、(1)一対の支持部材を把持位置まで移動させるステップ、(2)支持部材を上方に移動させるステップ、という2つのステップを経て成形品を金型から取り出している。そのため、成形品を金型から取り出すまでに要する動作ステップ数が多くなってしまうので、取り出し完了までのサイクル(時間)が長くなってしまう。
【0006】
本発明は、従来より少ない動作ステップで成形品を型から取り出すことが可能であり、しかも従来型の取出装置に対して簡単なアレンジを施すことにより得ることが可能な成形品取出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の成形品取出装置は、一方向に直線的に接離可能で互いの対向面に成形用凹部を有する一対の型を利用して成形された成形品を、一方の型から離間した他方の型の上記成形用凹部から取り出すための取出装置において、上記一方向に対する直交方向に互いに離間する退避位置と、該退避位置より接近した把持位置との間を該直交方向に移動可能な一対の支持部材と、該一対の支持部材にそれぞれ支持した、該支持部材が退避位置に位置するときは上記成形品の突部から離間し、上記把持位置まで移動したときは両側から上記突部を把持する一対の把持部材と、上記支持部材が上記直交方向の移動力を受けて上記把持位置まで移動して一対の上記把持部材が上記突部を把持したときに、該移動力を利用して該把持部材を上記突部と一緒に上記一方の型側に移動させる型抜機構と、を備えることを特徴としている。
【0008】
上記型抜機構が、上記把持部材を上記一方向及び直交方向に対して直交する軸回りに回転可能として支持し、かつ、上記支持部材が上記把持位置に移動したときに、上記突部を把持している上記把持部材を上記一方の型側に回転させる回転支持機構を具備していてもよい。
【0009】
上記型抜機構が、上記支持部材と上記把持部材に上記一方向及び直交方向に対して直交する軸回りに回転可能として接続し、かつ、該把持部材側の接続部が支持部材側の接続部より上記一方の型側に位置する平行リンクを具備していてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一対の支持部材が退避位置から把持位置まで直線的に移動するとき、型抜機構がこの移動力を利用して一対の把持部材を突部(成形品)と一緒に一方の型側に移動させて、成形品を他方の型の成形用凹部から分離させる。このように、一対の把持部材を互いに近づける動作と一方の型側に移動させる動作とを一つの動作ステップによって実現しているので、従来より一つ少ない動作ステップによって成形品を他方の型から取り出すことが可能である。
さらに、一対の把持部材が突部を把持すると、把持部材は一方の型側に移動する(他方の型と反対側に移動する)ので、把持部材の移動によって他方の型が損傷することがない。
しかも、一般的に従来の取出装置も具備している支持部材に把持部材と型抜機構を付加するという簡単なアレンジにより得ることが可能であるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態の成形品取出装置と金型装置を模式的に表した、一部を断面視して示す側面図である。
【図2】上型が下型から上方に分離した後に支持部材が取出位置まで前進したときの正面図である。
【図3】(a)は支持部材が把持位置まで移動したときの図2と同様の正面図であり、(b)は把持部材が上方に回転したときの正面図である。
【図4】図3(b)の状態となったときの平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の図2と同様の正面図である。
【図6】支持部材が把持位置まで移動したときの正面図である。
【図7】把持位置まで移動した支持部材が持上位置まで上昇したときの正面図である。
【図8】図7の状態となったときの一対の把持部材と成形品の平面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態の一部を省略した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下の説明中の前後、左右、及び、上下の方向は図中の矢印方向を基準としている。
金型装置10は、共に金属製の上型11と下型13を具備している。上型11は上下方向に直線的に移動可能な可動型であり、下型13は床面上に固定した固定型である。上型11の内部には上型11の上面から下面近傍にまで到る管路であるスプルー12Aと、上型11の下面に凹設した平面視円形でスプルー12Aと連通するキャビティ(成形用凹部)12Bと、が形成してあり、下型13の上面にはキャビティ12Bと略上下対称形状であるキャビティ(成形用凹部)14が凹設してある。
上型11は図示を省略したスライド支持機構によって上下方向に移動可能に支持されており、スライド支持機構に設けた型用駆動手段の動力を利用することにより、下型13から上方に離間する分離位置(図1の位置)と、その下面が下型13の上面に接触する型締位置(図示略)との間を上下動可能である。
【0013】
続いて取出装置20の詳しい構造について説明する。
取出装置20は、金属からなる左右一対の支持部材24を移動可能として吊設したスライド支持機構21を有している。スライド支持機構21は内蔵した駆動手段(エアシリンダ(又は単軸ロボット)とエアチャックを有する)22の動力を利用して、左右の支持部材24を前後方向及び左右方向に直線的に移動させる機構である。即ち左右の支持部材24は、金型装置10から後方に退避した初期位置(図1の実線の位置)と、下型13の直上に位置する取出位置との間を前後方向に直線的に移動可能である。さらに左右の支持部材24は、互いに左右方向に離間する退避位置(図2の位置)と、互いに接近する把持位置(図3(a)の位置と図3(b)の位置とを含む両位置の間の位置))との間を左右方向に直線的に移動可能である。左右の支持部材24は互いに同期しながら移動し、常に平面視において左右対称な状態を維持する。
【0014】
支持部材24の前端部に形成した垂下部25には、左右方向に延びる支持孔26が貫通孔として形成してある。
左右の垂下部25の支持孔26には、金属からなる左右一対の把持部材28が取り付けてある。把持部材28は、支持孔26の内部に隙間をもって挿入した取付片29を有しており、取付片29は前後方向に延びる金属製の回転支持軸(型抜機構)(回転支持機構)27によって垂下部25に上下方向に回転可能として支持してある。把持部材28に対して外力を付与しないとき、把持部材28は自身の自重によって下方に回転し取付片29の下面が支持孔26の下面に接触するので、把持部材28はその内側端部が外側端部より下方に位置する初期傾斜位置(図2の位置)に保持される。把持部材28の内側部分には互いに上下に離間する上方保持部30と下方保持部31が形成してある。さらに上方保持部30及び下方保持部31の前後方向の中央部には、開口側端部(内側端部)が断面V字形をなす保持溝32がそれぞれ形成してある。
【0015】
続いて金型装置10と取出装置20の動作について説明する。
図1に示すように、成形動作が開始される前は上型11が分離位置に位置しており、取出装置20の支持部材24は初期位置及び退避位置に位置している。
成形動作を開始すると、まずは型用駆動手段が上型11を型締位置まで下降させ、さらに上型11に接続する射出装置(図示略)がスプルー12Aに成形品の原料となる液状材料(樹脂、ガラス材など)を注入する。すると液状材料がスプルー12Aを通ってキャビティ12B及びキャビティ14に充填されるので、上型11と下型13によって一定時間の型締め及び冷却を行うとスプルー12A、キャビティ12B、及びキャビティ14の内部において液状材料が固化して成形品Aとなる。この後に型用駆動手段によって上型11を分離位置まで上昇させると、上型11(スプルー12A、キャビティ12B)は成形品Aから分離し、成形品Aが下型13のキャビティ14に取り残される。そのため成形品Aは、キャビティ12B、及びキャビティ14によって成形された、平面視円形をなし最終的に製品(レンズ)となる製品部A1と、スプルー12Aによって成形された、製品部A1の上面から上方に突出する棒状(断面円形)の突部A2と、を有している。この後に下型13に接続したイジェクト装置が成形品Aを押し、成形品Aとキャビティ14の間に隙間を形成する。
【0016】
次いで駆動手段22の動力(エアシリンダ(又は単軸ロボット)の動力)を利用して初期位置に位置する左右の支持部材24(及び把持部材28)を図1の仮想線及び図2に示す取出位置まで直線的に前進させて、図2に示すように左右の垂下部25及び把持部材28を突部A2から左右両側に離間させる。
続いて駆動手段22の動力(エアチャックの動力)を利用して退避位置に位置する左右の支持部材24を図3(a)に示す把持位置まで左右方向に(互いに近づく方向に)直線的に移動させて、左右の把持部材28の上方保持部30の保持溝32のみを突部A2に左右両側から嵌合させる(保持溝32の内面を突部A2の表面に接触させる)。すると図3(b)に示すように、左右の支持部材24から各把持部材28に掛かる突部A2側に向かう水平方向の移動力によって左右の把持部材28が持上位置まで回転支持軸27を回転軸として上方回転する。その結果、上方保持部30の保持溝32によって突部A2(成形品A)が図3に示した距離Lだけ上方に持ち上げられ、かつ左右の把持部材28の下方保持部31の保持溝32が左右両側から突部A2に嵌合する(保持溝32の内面が突部A2の表面に接触する)ので、成形品Aの製品部A1が下型13のキャビティ14から上方に脱出する。
続いて駆動手段22の動力(エアシリンダ(又は単軸ロボット)の動力)を利用して左右の支持部材24(及び把持部材28)を初期位置まで直線的に後退させ、さらに駆動手段22の動力(エアチャックの動力)を利用して左右の支持部材24を退避位置まで左右方向に移動させる。すると左右の把持部材28(保持溝32)による突部A2の把持が解除されるので、成形品Aが自由落下して下方に配設してある成形品収納箱(図示略)に回収される。成形品収納箱に回収された成形品Aは、その突部A2を切り落とし、製品部A1の表面をさらに加工(研磨加工若しくはコーティングなど)することにより最終的な製品であるレンズとなる。また持上位置に位置していた左右の支持部材24が自重によって初期傾斜位置まで自動的に回転復帰する。
【0017】
以上説明したように本実施形態では、左右の支持部材24を退避位置から把持位置まで移動させる互いに近づく方向(左右方向)の直線的な移動力によって一対の把持部材28(上方保持部30の保持溝32)が成形品Aの突部A2を把持したときに、回転支持軸27が当該移動力を利用して左右の把持部材28を突部A2と一緒に上昇させて成形品A(製品部A1)を下型13のキャビティ14から上方に分離させる。即ち、一対の把持部材28を互いに近づける動作と把持部材28を上昇させる動作とを一つの動作ステップによって実現しているので、従来より一つ少ない動作ステップによって成形品Aを下型13から取り出すことが可能である。
さらに一対の把持部材28が成形品Aの突部A2を把持すると、把持部材28は上型11側に回転するので、把持部材28の回転動作に起因して下側13が損傷することがない。
さらに把持部材28に形成した断面V字形をなす保持溝32によって棒状(断面円形)の突部A2を把持するので、把持部材28による成形品Aの把持は安定する。そのため、成形品Aを下型13のキャビティ14から取り出すときに、成形品Aがキャビティ14に接触して下型13(キャビティ14)を損傷させるおそれはない。
しかも、一般的に従来の取出装置も支持部材24に相当する支持部材を具備しているので、従来装置の支持部材に回転支持軸27を介して把持部材28を取り付けるという簡単なアレンジにより取出装置20に相当する取出装置を得られるというメリットもある。
【0018】
続いて本発明の第2の実施形態について図5〜図8を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の取出装置35もスライド支持機構21を具備しており(図5〜図8ではスライド支持機構21の図示を省略している)、スライド支持機構21には金属からなる左右一対の支持部材36が吊設してある。支持部材36も支持部材24と同様に、初期位置と取出位置の間を前後方向に直線移動可能、かつ、退避位置(図5の位置)と把持位置(図6の位置と図7の位置とを含む両位置の間の位置)の間を左右方向に直線移動可能である。
左右の支持部材36の前面には前後方向に延びる回転支持ピン39によって上下一対の平行リンク38の外側端部が回転可能に支持してあり、上下の平行リンク38の内側端部は回転支持ピン39と平行な回転支持ピン40によって昇降部材42に回転可能に接続している。上下の平行リンク38は同じ形状(長さ)かつ互いに平行であり、かつ回転支持ピン39同士の距離と回転支持ピン40同士の距離は等しく、一対の平行リンク38、回転支持ピン39、及び回転支持ピン40が平行リンク機構を構成している。平行リンク38は、常に昇降部材42側の端部が支持部材36側の端部より上方に位置し、かつ、外力を付与しないときは図示を省略したストッパの働きにより図5に示す傾斜状態に保持される。
左右の昇降部材42の対向面にはそれぞれ把持部材44が固定してある。把持部材44は側面視略コ字形をなす金属部材であり、左右の昇降部材42の対向面(左右方向に対して直交する平面)の前後方向の中央部には断面形状(平面形状)が半円形をなし、かつ軸線が上下方向に延びる保持溝45(図8参照)が凹設してある。平行リンク38に対して外力を付与しないとき(図5の傾斜状態のとき)、左右の把持部材44は図5に示す下降位置に位置する。
【0019】
続いて取出装置35を用いた成形品Aの取り出し要領について説明する。
上型11と下型13による成形品Aの成形が完了した後に上型11を分離位置まで上昇させたら、駆動手段22の動力を利用して初期位置に位置する左右の支持部材36を取出位置まで前進させて、図5に示すように左右の支持部材36、平行リンク38、昇降部材42、及び、把持部材44を突部A2の左右両側に位置させる。
続いて駆動手段22の動力を利用して退避位置に位置する左右の支持部材36を互いに近づく方向(左右方向)に直線的に移動させる。すると左右の支持部材36は図6に示す把持位置まで移動し、左右の把持部材44の保持溝45が左右両側から突部A2に嵌合する(保持溝45の内面が突部A2の表面に接触する)。この後も左右の支持部材36には駆動手段22から互いに近づく方向の力が掛かるので、図7に示すように左右の平行リンク38が支持部材36に対して上向きに回転し、左右の把持部材44が図7に示す持上位置まで上昇する。そのため、左右の把持部材44によって突部A2(成形品A)が上方に持ち上げられるので、成形品Aの製品部A1が下型13のキャビティ14から上方に脱出する。
この後に駆動手段22の動力を利用して左右の支持部材36を初期位置まで直線的に後退させ、さらに駆動手段22の動力を利用して左右の支持部材36を退避位置まで左右方向に移動させる。すると左右の把持部材44(保持溝45)による突部A2の把持が解除されるので、成形品Aが自由落下して下方に配設してある成形品収納箱に回収される。また、持上位置に位置していた左右の支持部材36が、自重によって平行リンク38を下向きに回転させながら下降位置まで自動的に復帰する。
【0020】
以上説明したように本実施形態においても、一対の把持部材44を互いに近づける動作と把持部材44を上昇させる動作とを一つの動作ステップによって実現しているので、従来より一つ少ない動作ステップによって成形品Aを下型13から取り出すことが可能である。
さらに一対の把持部材44が成形品Aの突部A2を把持すると、把持部材44は上型11側に上昇するので、把持部材44の上昇動作に起因して下側13が損傷することがない。
さらに把持部材44に形成した断面半円形をなす保持溝45によって棒状(断面円形)の突部A2を把持するので、把持部材44による成形品Aの把持は安定する。そのため、成形品Aを下型13のキャビティ14から取り出すときに、成形品Aがキャビティ14に接触して下型13(キャビティ14)を損傷させるおそれはない。
また本実施形態でも、一般的に従来の取出装置も具備している支持部材に平行リンク38を介して昇降部材42及び把持部材44を取り付けるという簡単なアレンジにより取出装置35に相当する取出装置を得ることが可能である。
【0021】
以上本実施形態を利用して本発明を説明したが、本発明は様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば第1の実施形態の取出装置20と第2の実施形態の取出装置35を組み合わせて実施してもよい。図9はその一例であり、取出装置35の左右の昇降部材42に支持孔26を形成し、各昇降部材42に回転支持軸27を利用して把持部材28を回転可能に取り付けてもよい。この変形例によれば、左右の把持部材28の上方保持部30の保持溝32が左右両側から突部A2に嵌合した後に、各昇降部材42(及び把持部材28)が上昇すると共に各把持部材28が上向きに回転するので、第1の実施形態及び第2の実施形態に比べて成形品Aをより高い位置まで持ち上げることが可能になる。
【0022】
また金型装置10の一対の型の接離方向と、一対の支持部材24、36の配置方向(接離方向)は上記実施形態のものには限定されない。例えば、金型装置10を水平方向に接離可能な一対の型により構成し、かつ、一対の支持部材24、36を上下に並べて、支持部材24、36を退避位置と把持位置の間を上下方向にスライド可能として構成してもよい。
さらにレンズ以外の成形品を成形する場合にも本発明を適用できるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0023】
10 金型装置
11 上型
12A スプルー
12B キャビティ(成形用凹部)
13 下型
14 キャビティ(成形用凹部)
20 取出装置
21 スライド支持機構
22 駆動手段
24 支持部材
25 垂下部
26 支持孔
27 回転支持軸(型抜機構)(回転支持機構)
28 把持部材
29 取付片
30 上方保持部
31 下方保持部
32 保持溝
35 取出装置
36 支持部材
38 平行リンク
39 40 回転支持ピン
42 昇降部材
44 把持部材
45 保持溝
A 成形品
A1 製品部
A2 突部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に直線的に接離可能で互いの対向面に成形用凹部を有する一対の型を利用して成形された成形品を、一方の型から離間した他方の型の上記成形用凹部から取り出すための取出装置において、
上記一方向に対する直交方向に互いに離間する退避位置と、該退避位置より接近した把持位置との間を該直交方向に移動可能な一対の支持部材と、
該一対の支持部材にそれぞれ支持した、該支持部材が退避位置に位置するときは上記成形品の突部から離間し、上記把持位置まで移動したときは両側から上記突部を把持する一対の把持部材と、
上記支持部材が上記直交方向の移動力を受けて上記把持位置まで移動して一対の上記把持部材が上記突部を把持したときに、該移動力を利用して該把持部材を上記突部と一緒に上記一方の型側に移動させる型抜機構と、
を備えることを特徴とする成形品取出装置。
【請求項2】
請求項1記載の成形品取出装置において、
上記型抜機構が、
上記把持部材を上記一方向及び直交方向に対して直交する軸回りに回転可能として支持し、かつ、上記支持部材が上記把持位置に移動したときに、上記突部を把持している上記把持部材を上記一方の型側に回転させる回転支持機構を具備している成形品取出装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の成形品取出装置において、
上記型抜機構が、
上記支持部材と上記把持部材に上記一方向及び直交方向に対して直交する軸回りに回転可能として接続し、かつ、該把持部材側の接続部が支持部材側の接続部より上記一方の型側に位置する平行リンクを具備している成形品取出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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