成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの製造方法及び装置
成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを製造する方法及びそれから作成される拭取り布が提供される。また、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを作成するための装置も提供される。本発明の方法及び装置により製造される成形非平坦化スパンレース不織布ウェブも提供される。また、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブも提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを製造する方法及びそれから作成される拭取り布が提供される。また、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを作成する装置も提供される。本発明の方法及び装置によって製造される成形非平坦化スパンレース不織布ウェブも提供される。また、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブも提供される。
【背景技術】
【0002】
歴史的には、様々な種類の不織布ウェブが、使い捨てウェットタオルとしての使用に利用されてきた。使用される様々な種類の不織布は、通常はそれらを製造する際に使用する特定の生産方法のために、視覚及び触覚特性が異なる。しかしながら、あらゆる場合、乳児用拭取り布として使用するのに適する使い捨て拭取り布の消費者は、清浄能力などの他の機能的属性に加えて、強度、厚さ、可撓性、質感及び柔軟性を要求する。強度、厚さ及び可撓性は、ある種の測定可能な物理変数に関係づけることができるが、知覚される柔軟性及び質感は、実際にはより主観的であることが多く、消費者は、ウェットタオルを評価する際、視覚及び触覚特性に反応することが多い。所望の特性の全てを最適化するのは不可能であることが多い。例えば、特性を釣り合わせることにより、所望の柔軟性又は強度レベルが低くなることが多い。例えば、乳児用拭取り布として使用するウェットタオルは、使用中の完全性を維持するために湿っても十分強く、しかし使用者に喜ばしい心地よい接触感を与えるために十分柔らかくなければならない。それらは、貯蔵中は湿りを維持し、ユーザーの汚れた皮膚を清浄する際には効果的であるように十分な厚さ、多孔性及び質感を維持するような、流体保持特性を有するべきである。更に、形成後に濡れているか、又は拭取り布を作成するためのローション若しくは組成物と組み合わせた場合は、十分な厚さ及び質感が保持されていなければならない。
【0003】
不織布ウェブの強度は、様々な既知の方法により生成することができる。熱可塑性繊維を使用する場合、通風接着又は熱ロールカレンダーのいずれかにより、溶融して強度を付与することができる。接着剤結合も、繊維を結合して不織布の強度を増大させるのに一般的に使用される。しかしながら、これらのプロセスは、不織布の強度を増大させるものの、一般に、柔軟性及び可撓性などの他の望ましい特性を損なう。繊維性構造の水流交絡により、柔軟性、可撓性及び強度が大きい不織布が生成されるが、典型的には材料の厚さが低減する。かかる厚さの低減は、ウェットタオル用途など、不織布ウェブの多くの用途には望ましくない。ウェットタオルを使用する理由である清浄作業の性質から、消費者は、見かけ上の嵩又はそれに関連する厚さが大きい拭取り布の方を好む。出発材料の坪量を増加して、これにより材料を水流交絡後に乳児用拭取り布として使用するに十分な厚さを維持するようにすることは、コスト上不可能に近い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水流交絡された不織布ウェブと関連する柔軟性及び可撓性を有するが、水流交絡プロセス中に失われた厚さを保持する不織布ウェブに対する必要性が残る。また、水流交絡された不織布ウェブと関連する柔軟性及び可撓性を有し、形成後に濡れているか、又は拭取り布を作成するためのローション又は組成物と組み合わせても、十分な厚さ及び質感を保持する不織布ウェブに対する必要性がある。同様に、通風接着されるか、又は接着剤結合された不織布ウェブと関連する厚さを有するが、通風接着又は接着剤結合プロセス中に失われた柔軟性及び可撓性を保持する不織布ウェブに対する必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様は、繊維基材プレフォームから、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する方法であって、
前記基材プレフォームを、フォーミングスクリーンと接触させて配置し、それと同時に前記基材を水流交絡プロセスに供する工程であって、前記フォーミングスクリーンは、高さhcを有する上部メッシュ部材(又はそれと同等の構造)と、前記上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材(又はそれと同等の構造)とを具備し、前記繊維基材プレフォームは平均繊維長flを有する(但し、flは、hcよりも大きい)工程を含む方法を提供する。
【0006】
本発明の第二の態様は、非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する装置であって、
(a)有効開放直径dcを有する上部メッシュ部材(又はそれと同等の構造)と、有効開放直径dfを有し、前記上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材(又はそれと同等の構造)とを具備するフォーミングスクリーンであって、dc2/df2は50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さいフォーミングスクリーンと、
(b)前記フォーミングスクリーンと結合する水流交絡手段と
を具備する装置を提供する。
【0007】
本発明の第三の態様は、約10mm〜約60mmの平均長を有する繊維を含む成形非平坦化スパンレース不織布ウェブであって、前記ウェブは、陸領域の間にある谷が相互接続され、前記谷の各々の表面積が約0.1mm2〜約8mm2であるような前記谷及び前記陸領域の模様を含む表面を有する不織布ウェブを提供する。
【0008】
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。特に指定しない限り、すべてのパーセント、比率、及び割合は重量に対してであり、すべての温度は摂氏温度(℃)である。すべての測定値は、特に指定しない限りSI単位によるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付の図面と関連してなされた本発明の説明を参照することにより、本発明の上述及び他の構成及び目的、並びにそれらを達成する方法がより明白になり、本発明自体がよりよく理解されるであろう。
【0010】
本明細書で使用する時、略語「gsm」は、「1平方メートル当りのグラム数」を意味する。
【0011】
不織布ウェブ又は繊維基材プレフォームに関して本明細書で使用する時、用語「機械方向」又は「MD」は、例えば、市販の不織布製造装置上で不織布ウェブを製造する際にウェブが移動する方向を指す。同様に、用語「横断方向」又は「CD」は、不織布ウェブの平面内で機械方向に垂直である方向を指す。個々の拭取り布に関し、これらの用語は、拭取り布が作成されるウェブに対応する拭取り布の方向を指す。試験サンプルが試験中にどの向きであるかによって不織布ウェブの機械的特性が変わり得るので、これらの方向は、本明細書で注意深く区別される。例えば、不織布ウェブの伸張特性は、構成繊維の配向及び他のプロセスに関連する要因のために、機械方向と横断方向で異なる。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「メッシュ部材」は、メッシュ又はメッシュの同等物を意味する。1つの可能な「同等物」は、正方形、菱形、丸みを帯びた菱形などの固体形状の反復パターンであり、本発明の方法及び装置において、これらの固体形状は連続していないが、メッシュのように作用する。この及び他の可能な「同等物」については、本明細書中で更に詳細に検討し、説明する。
【0013】
図1及び図2を参照すると、フォーミングスクリーン10の1つの可能な実施形態が例証されており、このフォーミングスクリーン10は、編込金属ワイヤ40及び50を含む上部メッシュ部材20と、編込ワイヤ60及び70を含む下層メッシュ部材30とを具備する。ワイヤ40,50,60及び70は、ステンレス鋼、外科用鋼、特殊鋼などの様々な種類のスチール;銅、真鍮などの金属、ナイロン及び他の好適なポリマーなどのポリマー類、及び金属及び/又はポリマーとの組み合わせを含むが、これらに限定されない好適な材料から成るものでもよい。いずれにせよ、上部メッシュ部材及び下層メッシュ部材が作成される材料は、本発明の方法の条件に耐え得るものでなければならない。また、ワイヤも、正方形、円形、楕円形、方形、五角形、六角形、菱形、丸みを帯びた菱形、犬用骨形などを含むが、これらに限定されないあらゆる断面形状のものであってもよい。
【0014】
上部メッシュ部材及び下層メッシュ部材は、好ましくは、図1〜図3に見られるように、特定形状の開口の反復パターンを画定する。これら開口は、同一の又は異なる外形パターンであってもよく、好ましくは、正方形、円形、楕円形、方形、五角形、六角形、菱形、丸みを帯びた菱形、犬用骨形三角形及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。更に、これらの形状は均一であっても、サイズ形状及び配向が異なっていてもよい。
【0015】
図1及び図2を見ると、上部メッシュ部材20及び下層メッシュ部材30の両方は、正方形形状を有する開放空間の反復単位の同じ一般的な種類を画定する。一方、図3では、上部メッシュ部材110は六角形の形状を画定し、下層メッシュ部材120は正方形を画定する。
【0016】
本発明のフォーミングスクリーンは、ベルト、ドラム、シリンダーなどを含むが、これらに限定されないあらゆる好適な形状のものであってもよい。本発明の1つの実施形態において、フォーミングスクリーンは、回転式ドラム又はシリンダーなどの回転式である。
【0017】
このフォーミングスクリーン10の8に沿った断面図が図2に例証されており、上部メッシュ部材80の高さ(hc)は、上部メッシュ部材20の最下点から最上点までを測定したものであることが分かる。上部メッシュ部材90の幅(wc)は、上部メッシュ部材20を具備する個々の要素(この場合はワイヤ)の幅である。下層メッシュ部材30及び上部メッシュ部材20は、永久的に共に接合されていても、共に接合されていなくてもよいが、いずれにせよ、互いに密接に接触している。
【0018】
図3は、フォーミングスクリーン100の別の可能な実施形態を例証しており、このフォーミングスクリーン100は、開放空間150及び閉鎖空間160の反復網状組織を含む上部メッシュ部材110と、編込金属ワイヤ130及び140を含む下層メッシュ部材120とを具備する。本発明のこの実施形態において、上部メッシュ部材110は、下層メッシュ部材120に永久的に取り付けられている。上部メッシュ部材がポリマーであるフォーミングスクリーン100の作成に関する更なる情報は、米国特許第4,637,859号(トロクハン(Trokhan)、1987年1月20日発行)及び同第5,895,623号(トロクハン、1999年4月10日発行)に見ることができる。
【0019】
図4は、フォーミングスクリーン200の別の代替実施形態であり、このフォーミングスクリーン200は、形状210の反復パターンを含む上部メッシュ部材210と、編込金属ワイヤ230を含む下層メッシュ部材220とを具備する。それら形状は、反復パターンが存在する限り、均一であっても、サイズ形状及び配向が異なっていてもよく、これら3つは全て任意の様式で変更されてもよい。本発明のこの代替実施形態において、メッシュの同等物を形成する上部メッシュ部材210は、下層メッシュ部材220に永久的に取り付けられている。上部メッシュ部材210が下層メッシュ部材220に永久的に取り付けられているフォーミングスクリーン200の作成に関する更なる情報は、米国特許第4,637,859号(トロクハン(Trokhan)、1987年1月20日発行)、同第5,895,623号(トロクハン、1999年4月10日発行)、同第4,514,345号(ジョンソン(Johnson)、1985年4月30日発行)、同第5,098,522号(スムルコスキー(Smurkoski)、1992年3月24日発行)、同第4,528,239号(トロクハン、1985年7月9日発行)及び同第5,245,025号(トロクハン、1993年9月14日発行)に見ることができる。
【0020】
図5は、図1のフォーミングスクリーン10の上部メッシュ部材20の反復部分の1つの分解図である。図5は、図1のフォーミングスクリーン10の上部メッシュ部材300の有効直径(dc)を示す。上部メッシュ部材300の有効直径は、編込金属ワイヤ40及び50の面積内に描くことができる最も大きい円の直径である。図5はまた、図1のフォーミングスクリーン10の下層メッシュ部材310の有効直径(df)を示す。上部メッシュ部材310の有効直径は、編込金属ワイヤ60及び70の面積内に描くことができる最も大きい円の直径である。メッシュの同等物を形成する、図4に例証したものと同様のフォーミングスクリーンについて、上部メッシュ部材の有効直径、即ちdcは、形状210の反復パターンの形状のいずれかの面積内に描くことができる最も大きい円の直径である。本発明の1つの任意の実施形態において、dc2/df2は約50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さい。
【0021】
繊維基材プレフォームは、あらゆる従来の様式で形成され得るが、好ましくは、水流交絡プロセスで使用するのに適する不織布ウェブである。繊維基材プレフォームは、ほぐれた繊維のウェブ、マット又はバットから成ってもよく、カーディング、エアレイなどにより製造され得るもののように、互いにランダムな関係で、又はある程度整列した状態で配置される。
【0022】
カーディングは、繊維の固まりを個々の繊維に開繊して、同時に整合したウェブに作成する機械的プロセスである。カーディングは、典型的に、固まりを引いて梳いて離すための、細かい角度付きの密接した歯、ワイヤ、若しくは同等物の対向して動くベッド又は表面を利用した機械上で実行される。2つの対向する表面の歯は、典型的に、反対方向に傾いていて、互いに関して異なる速度で動く。
【0023】
一方、エアレイは、空気を用いてフォーミングヘッドから繊維を分離し移送して不規則に配置し、整合したほぼ等方性のウェブを形成するプロセスである。エアレイ装置及び方法は、当該技術分野において既知であり、クロイヤー(Kroyer)装置又はダン(Dan)ウェブ装置(例えば、木材パルプエアレイに好適)、並びにランド(Rando)ウェバー装置(例えば、短繊維エアレイに好適)が含まれる。
【0024】
繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維は、あらゆる天然の材料、セルロース性の材料及び/又は完全に合成の材料であり得る。好適な天然繊維としては、木材パルプ繊維などのセルロース繊維、綿、レーヨン(ビスコースとしても知られている)及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な合成繊維は、織物に一般的に使用される繊維を包含し、ポリエステル、ポリオレフィン類(ポリプロピレンなど)及び合成繊維の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維は、天然繊維と合成繊維との組み合わせであり得る。1つの実施形態において、柔軟性と(エンボス加工時の)結合性の経済的なバランスのために、ビスコース(レーヨン)を、ポリプロピレンと組み合わせて使用する。ビスコースは、優れた柔軟性と布様特性を呈し、単独で使用される時にはフランネルのようなウェブを生成する傾向がある。ポリプロピレンは、任意のエンボス加工工程でウェブを熱結合させる。
【0025】
繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維は、実質的にはあらゆるサイズのものであり得、約10mm〜約60mmの平均長を有するのが好ましい。平均繊維長は、真っ直ぐに伸ばした場合の個々の繊維の長さを指す。いずれにせよ、本発明の方法において、平均繊維長、即ちflは、上部メッシュ部材の高さ(hc)よりも大きくなければならない。
【0026】
繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維の断面は円形、犬用骨形、デルタ(即ち、三角形の断面)、3葉形、リボン又はステープル繊維として典型的に製造される他の形状であり得る。同様に、その繊維は、二成分繊維などの抱合体繊維とすることもできる。繊維はけん縮加工されていてもよく、潤滑剤などの仕上げ剤が塗布されていてもよい。
【0027】
本発明の繊維基材プレフォームは、好ましくは、約15gsm〜約100gsm、より好ましくは約30gsm〜約75gsm、更により好ましくは約40gsm〜約65gsmの坪量を有する。本発明で使用するのに適する1つの繊維基材プレフォームは、フィンランドのJ.W.スオミネン社(J.W.Suominen Company)から入手可能であり、フィブレラ(Fibrella)という商品名で販売されているが、例えば、フィブレラ(Fibrella)3100及びフィブレラ(Fibrella)3160は、本発明の繊維基材プレフォームとして有用であることが分かった。フィブレラ(Fibrella)3100は、1.5デニールポリプロピレン繊維を50%、及び1.5デニールビスコース繊維を50%含む、62GSMの不織布ウェブである。フィブレラ(Fibrella)3160は、1.5デニールのポリプロピレン繊維を60%、1.5デニールのビスコース繊維を40%含む58gsmの不織布ウェブである。これら市販の繊維基材プレフォームの両方において、平均繊維長は約38mmである。
【0028】
本発明の方法は、繊維基材プレフォームがフォーミングスクリーンと接触している間、この繊維基材プレフォームを水流交絡プロセスに供することを含む。水流交絡プロセス(スパンレーシング又はスパンボンディングとしても知られている)は、不織布ウェブを製造する既知のプロセスであり、繊維のマトリックスを、例えばカードウェブ又はエアレイドウェブとし、繊維を交絡させて合着ウェブを形成することを含む。交絡は、典型的には、好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、更により好ましくは複数の好適に配置されたウォータージェットから出る高圧水と繊維のマトリックスを衝突させること(水流交絡と称することが多い)により達成される。ウォータージェットの水圧と同様に、オリフィスのサイズ及びウォータージェットにより繊維基材プレフォームに付与されるエネルギーは、従来の水流交絡プロセスのそれと同じであり、典型的には、交絡エネルギーは約0.1kwh/kgである。圧縮空気などの他の流体を衝突媒体として使用することもできるが、水が好ましい媒体である。ウェブの繊維は、このようにして交絡されるが、互いに物理的に結合してはいない。故に、水流交絡されたウェブの繊維は、熱結合又は化学結合により形成されたウェブの繊維よりも動きの自由度が高い。特に、事前湿潤化ウェットタオルとして濡らされることにより円滑になる時、かかるスパンレースウェブは、非常に低い曲げトルクと低い弾性率を有し、これにより柔軟性としなやかさを維持するウェブを提供する。
【0029】
水流交絡に関する更なる情報は、米国特許第3,485,706号(エヴァンズ(Evans)、1969年12月23日発行)、同第3,800,364号(カルヴァイツ(Kalwaites)、1974年4月2日発行)、同第3,917,785号(カルヴァイツ、1975年11月4日発行)、同第4,379,799号(ホルメス(Holmes)、1983年4月12日発行)、同第4,665,597号(スズキ(Suzuki)、1987年5月19日発行)、同第4,718,152号(スズキ、1988年1月12日発行)、同第4,868,958号(スズキ、1989年9月26日発行)、同第5,115,544号(ウィデン(Widen)、1992年5月26日発行)及び同第6,361,784号(ブレンナン(Brennan)、2002年3月26日発行)において見ることができる。
【0030】
本発明において、繊維基材プレフォームをフォーミングスクリーンと接触させ、それと同時に水流交絡プロセスを行うことにより、本発明の方法により処理されていない坪量が同じである水流交絡ウェブに比べて、その湿潤厚さと乾燥厚さの両方が増大した成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが生成される。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの湿潤厚さと乾燥厚さの両方は、本発明の方法により処理されていない坪量が同じである水流交絡ウェブに比べて、好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%、更により好ましくは約15%増大することが好ましい。更に、この厚さ及び質感の増大は、従来の水流交絡ウェブと比べて、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを生成するのに必要な交絡エネルギー(ウォータージェットによりウェブに移動するエネルギー)量を増大させることはない。
【0031】
本発明の1つの代替実施形態は、実質的に開口を有さない、好ましくは全く有さない、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブである。このように開口を有さないことは、本明細書中で更に詳細に説明されるように、本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが再湿潤化された拭取り布で使用される時に特に望ましい。
【0032】
別の任意の実施形態において、繊維基材プレフォームは、それが本発明のフォーミングスクリーンと接触する前に、別個の水流交絡プロセスを受ける。この更なる任意の方法工程は、繊維基材プレフォーム、及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブに更なる強度を付与するために用いられてもよい。この任意の実施形態の1つの好ましい実施形態において、繊維基材プレフォームは、従来のフォーミングスクリーン(およそ10メッシュのワイヤ)を使用して、好適に配置された複数のウォータージェットから出る高圧水と繊維基材プレフォームを衝突させ、次いで繊維基材プレフォームを裏返し、他方の側を好適に配置された複数のウォータージェットに供することを含む。この二部構成の「事前水流交絡」は、本明細書に記載される最終的な成形/非平坦化工程のために、繊維基材プレフォームが図1、図3又は図4に示すもののようなフォーミングスクリーンと接触する前に、繊維基材プレフォーム(及び、後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ)に更なる強度、安定性及び柔軟性を与える。
【0033】
意外にも、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが形成された後、ウェブはエンボス加工などの更なる任意の方法工程に効果的に供され得る。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをエンボス加工することにより、ウェブは更なる美観を得て、ウェットタオルとして使用するのに特に適した成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する。更に、エンボス加工によって、より良好な美観に加えて他の有利な物理的特性が、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブに付与される。例えば、十分に高い温度で、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをエンボス加工することにより、圧縮領域において、更なる熱結合が達成され、これにより、より良好な表面繊維結合が得られる。この表面繊維結合が、ほぐれた繊維を「締めつけ」、その結果、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブのリンティングが低減する。更に、エンボス加工作業の熱結合は、特にウェットタオル用途に使用される時、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの強度を増大させる。加えられたエンボス加工は、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの利用可能なCD伸びの低減に寄与する。過剰なCD伸びは、カードウェブの特性であることが多いが、一般的にウェットタオルでは好ましくない。CD伸びを低下させることにより、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの伸張特性はより均一になり、ウェットタオルとしての使用により適する。
【0034】
事前湿潤化拭取り布(「ウェットタオル」、「拭取り布」及び「濡れナプキン」としても称され得る)を作成するのに使用できる本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、乳児を清潔にする際に使用するのに適し、また全世代の人に関連する清浄作業での用途も見出し得る。かかる拭取り布はまた、物質を身体に適用するために使用する物品を含むことができ、メークアップ、皮膚コンディショナー、軟膏、日焼け止め剤、防虫剤、及び医療品の適用などが挙げられるが、これらに限定されない。かかる拭取り用品はまた、ペットを清浄するか又は手入れをするために使用する物品、並びに家庭台所及び浴室表面、眼鏡、運動及び体操道具、自動車表面などの、表面及び物体の一般清浄に使用する物品を含むことができる。かかる拭取り布は、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ及びこのウェブと除去可能に組み合わせる物質組成物を含有する。拭取り布を介して塗布されるのに適する組成物の製造は周知であり、本発明の一部を形成するものではない。ウェットタオルを製造するために、本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブと除去可能に結合され得る組成物及び/又は成分の例は、米国特許第6,300,301号(ムーア(Moore)、2001年10月9日発行)、同第6,361,784号(ブレンナン(Brennan)、2002年3月26日発行)、同第6,083,854号(ボグダンスキー(Bogdanski)、2000年7月4日発行)、同第5,648,083号(ブリエズナー(Blieszner)、1997年7月15日発行)、同第5,043,155号(プチャルスキー(Puchalski)、1997年7月15日発行)、同第6,207,596号(ルーケ(Rourke)、2001年3月27日発行)、同第5,888,524号(コーレ(Cole)、1999年3月30日発行)、同第5,871,763号(ルー(Luu)、1999年2月16日発行)、同第4,741,944号(ジャクソン(Jackson)、1988年5月3日発行)、同第3,786,615号(バウアー(Bauer)、1974年1月22日発行)及び同第6,440,437号(クルジック(Krzysik)、1974年1月22日発行)及び多様な式において見ることができる。
【0035】
本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを含有する拭取り布は、積み重ねて折った拭取り布のタブからの分配に特に適している。それらはまた、「ポップアップ」拭取り布としての分配にも適し、この場合、タブから拭取り布を一枚引出すと、次の拭取り布の縁部が出て、分配し易くなる。拭取り布は、C折りなどの既知の多様な折り畳みパターンのいずれでも折ることができるが、Z折りが好ましい。Z折り構成により、折った拭取り布の積み重ねは、重なる部分で交互配置が可能になる。代表的な折り畳みパターンは、米国特許第6,213,344号(ヒル(Hill)、2001年4月10日発行)、同第6,202,845号(ヒル、2001年3月20日発行)、同第5,332,118号(マッケンフス(Muckenfuhs)、1994年7月26日発行)、同第6,030,331号(ザンダー(Zander)、2000年2月29日発行)、同第5,964,351号(ザンダー、1999年10月12日発行);及び同第5,540,332号(コパッツ(Kopacz)、1996年7月30日発行)においてより詳細が開示される。あるいは、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、Z折りとC折りの交互パターンなどの交互構成で折ってもよい。この交互折り畳みパターンの例は、米国特許第6,250,495号(バンドウ(Bando)、2001年6月26日発行)において見ることができる。
【0036】
本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを含む拭取り布は、その成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ1グラム当り、約0.1グラム〜約10グラム、より好ましくは約1グラム〜約8グラム、更により好ましくは約2グラム〜約5グラムの物質組成物を除去可能に含有することが好ましい。
【0037】
図6は、本発明の1つの可能な装置の図である。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ420を形成するための装置400は、フォーミングスクリーン430と、水流交絡手段440とを具備する。図6において、水流交絡手段440は、単一のウォータージェットとして示されているが、水流交絡手段として複数のウォータージェットを使用すること、また、真空手段を任意に包含すること、一旦それが接合点450にて繊維基材プレフォーム410と接触すると、水の除去に役立ち、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ420を生成することは、本発明の範囲内である。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ400を形成するための装置は、任意に支持手段(典型的には穿孔ドラム又はシリンダー)を具備し、その上にフォーミングスクリーン430が配置される。任意の支持手段を使用することにより、装置400の保守及び/若しくは修理、又は磨耗したフォーミングスクリーン430の交換、又はフォーミングスクリーン430を異なる成形質感を有する成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを生成するフォーミングスクリーンと交換することが必要な時、フォーミングスクリーン430の除去及び交換が可能となる。
【0038】
繊維基材プレフォーム410は、フォーミングスクリーン430と接触する前に、本明細書に開示される方法のいずれかで処理されてもよい。同様に、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ420は、フォーミングスクリーン430上の450で形成された後、本明細書に開示される方法のいずれかで処理されてもよい。
【0039】
図7は、本発明の別の可能な装置を例証する。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ590を形成するための装置500は、繊維基材プレフォーム510がその上に移動し、水流交絡手段520により交絡される第一ドラム530を具備する。第一ドラム530及び第二ドラム560は、穿孔ドラム、真空ドラムなど、水流交絡プロセスで使用するのに適するいかなるドラムでもよい。最も好適であるのは、従来の水流交絡プロセスで使用されるドラムであり、水流交絡に関する教示のために、本明細書中で参照した米国特許において検討されている。水流交絡手段520は、2つのウォータージェットを有して示されているが;水流交絡手段520として、又は本発明の水流交絡手段のいずれかのために単一のウォータージェット又は複数のウォータージェットを使用することも本発明の範囲内である。述べるように、水流交絡手段520の一部として、又は本発明の水流交絡手段のいずれかのために、真空手段を任意に使用することができる。真空手段は、一旦それが繊維基材プレフォーム510と接触すると、水を除去するのに役立つ。
【0040】
繊維基材プレフォーム510は、次いで、第二ドラム560と接触する繊維基材プレフォーム510の表面が、第一ドラム530と接触した表面と反対の表面であるように、装置内の多様なローラ(540として識別される)上を移動する。この交互の交絡は、理論により制限されることは意図しないが、繊維基材プレフォーム510の全体的な強度を向上させると考えられている。第二ドラム560上を移動する繊維基材プレフォーム510は、次いで、水流交絡手段550により交絡される。繊維性基材プレフォーム510は、次いで、フォーミングスクリーン570上に移動し、水流交絡手段580から出る水と接合点595で接触され、それにより、本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する。
【0041】
本発明の装置及び方法の両方において、いかなる水流交絡手段も、フォーミングスクリーンに対してほぼ垂直である少なくとも1つのウォータージェットを具備することが好ましい。しかしながら、好ましくはないが、フォーミングスクリーンにほぼ垂直ではない少なくとも1つのウォータージェットを具備する水流交絡手段を有することもまた本発明の範囲内である。垂直から30°以内の角度が有用である。
【0042】
本発明の装置のフォーミングスクリーンは、あらゆる好適なフォーミングスクリーンであってもよい。かかる好適なフォーミングスクリーンの例は、本明細書中、図1〜図5(含む)に例証されている。他のフォーミングスクリーンは、そのdc2/df2が約50と等しいか、それよりも大きく、約300と等しいか、それよりも小さい場合には、本発明での使用に適する。
【0043】
成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの他の任意の後処理としては、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを乾燥させること;成形非平坦化スパンレース不織布ウェブへ物質組成物を添加すること;貯蔵などのために、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをロール上へローリングすること;成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをより短い長さに切断すること;特に成形非平坦化スパンレース不織布ウェブがより短い長さに切断される時、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをC折り、Z折りなどの様々な構成に折り畳むこと;及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の別の態様によれば、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが提供される。この成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、任意には、本発明の方法又は装置により製造されてもよい。更に、この成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、任意には、物質の組成物の添加、エンボス加工、特定の長さへの切断、及び/又は折り畳みなど、又は本明細書において詳述する他の多様な後処理により後処理されてもよい。
【0045】
本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、好ましくは、約15gsm〜約100gsm、より好ましくは約30gsm〜約75gsm、更により好ましくは約40gsm〜約65gsmの坪量を有する。
【0046】
本発明の1つの任意の実施形態において、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、平均繊維長が約20mm〜約45mm、より好ましくは約30mm〜約40mmであり、直径が約1デニール〜約2デニール、より好ましくは約1.2デニール〜約1.75デニールである繊維を含む。
【0047】
図8は、水流交絡された不織布ウェブ600の理想化した側面図を例証し、一方、図9は、従来のように水流交絡された不織布ウェブ600と同じ坪量を有する本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ700の理想化した側面図を例証している。水流交絡不織布ウェブ610の厚さ(Tum)は、水流交絡不織布ウェブ600の最大厚さである。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ710の厚さ(Tm)は、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ700の最大厚さである。
【0048】
本発明の1つの任意の実施形態において、上部メッシュ部材の高さ(hc)は、0よりも大きく、Tumと等しいか、それよりも小さいことが好ましい。
【0049】
本発明の別の任意の実施形態において、上部メッシュ部材の有効開放直径(dc)(ここで、dc/Tumは1と等しいか、それよりも大きく、4と等しいか、それよりも小さい)が好ましい。
【0050】
図10及び図11は、従来の水流交絡ウェブの構造内に質感及び成形が不足していることを例証している。図10及び図11のウェブは、本明細書において識別される従来の水流交絡ウェブに係る問題を全て有する。図12及び図13は、従来の孔あき水流交絡ウェブを示し、このウェブは、ウェットタオル、特に乳児用拭取り布などの幾つかの用途に対して不適切であるという更なる不利点を有する。これら2つの従来のように水流交絡されたウェブと、図14及び図15に例証されるような本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブとを比較されたい。図14及び図15に示す質感及び成形は、図10及び図11に示す従来の水流交絡ウェブにおける質感及び/又は成形の不足とは、全く対照的である。更に、図14及び図15に例証されるような本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、図12及び図13に例証されるような従来の水流交絡ウェブと比べて、開口を有さずに質感及び成形を付与するという更なる利点を有する。
[発明を実施するための最良の形態]で引用されたすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0051】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のフォーミングスクリーンの1つの実施形態の拡大平面図。
【図2】図1のフォーミングスクリーンの8に沿った断面図。
【図3】本発明のフォーミングスクリーンの別の実施形態の拡大平面図。
【図4】上部メッシュ構造を具備する本発明のフォーミングスクリーンの別の実施形態の拡大平面図。
【図5】図1のフォーミングスクリーンの領域95の拡大図。
【図6】本発明の装置の1つの実施形態の側面図。
【図7】本発明の装置の別の実施形態の側面図。
【図8】本発明に従わない従来の水流交絡不織布ウェブの理想化した側面図。
【図9】本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの理想化した側面図。
【図10】本発明に従わない従来の水流交絡不織布ウェブの写真。
【図11】図10の従来の水流交絡不織布ウェブの電子顕微鏡写真。
【図12】本発明に従わない従来の孔あき水流交絡不織布ウェブの写真。
【図13】図12の従来の孔あき水流交絡不織布ウェブの電子顕微鏡写真。
【図14】本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの写真。
【図15】図14の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの電子顕微鏡写真。
【技術分野】
【0001】
成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを製造する方法及びそれから作成される拭取り布が提供される。また、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを作成する装置も提供される。本発明の方法及び装置によって製造される成形非平坦化スパンレース不織布ウェブも提供される。また、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブも提供される。
【背景技術】
【0002】
歴史的には、様々な種類の不織布ウェブが、使い捨てウェットタオルとしての使用に利用されてきた。使用される様々な種類の不織布は、通常はそれらを製造する際に使用する特定の生産方法のために、視覚及び触覚特性が異なる。しかしながら、あらゆる場合、乳児用拭取り布として使用するのに適する使い捨て拭取り布の消費者は、清浄能力などの他の機能的属性に加えて、強度、厚さ、可撓性、質感及び柔軟性を要求する。強度、厚さ及び可撓性は、ある種の測定可能な物理変数に関係づけることができるが、知覚される柔軟性及び質感は、実際にはより主観的であることが多く、消費者は、ウェットタオルを評価する際、視覚及び触覚特性に反応することが多い。所望の特性の全てを最適化するのは不可能であることが多い。例えば、特性を釣り合わせることにより、所望の柔軟性又は強度レベルが低くなることが多い。例えば、乳児用拭取り布として使用するウェットタオルは、使用中の完全性を維持するために湿っても十分強く、しかし使用者に喜ばしい心地よい接触感を与えるために十分柔らかくなければならない。それらは、貯蔵中は湿りを維持し、ユーザーの汚れた皮膚を清浄する際には効果的であるように十分な厚さ、多孔性及び質感を維持するような、流体保持特性を有するべきである。更に、形成後に濡れているか、又は拭取り布を作成するためのローション若しくは組成物と組み合わせた場合は、十分な厚さ及び質感が保持されていなければならない。
【0003】
不織布ウェブの強度は、様々な既知の方法により生成することができる。熱可塑性繊維を使用する場合、通風接着又は熱ロールカレンダーのいずれかにより、溶融して強度を付与することができる。接着剤結合も、繊維を結合して不織布の強度を増大させるのに一般的に使用される。しかしながら、これらのプロセスは、不織布の強度を増大させるものの、一般に、柔軟性及び可撓性などの他の望ましい特性を損なう。繊維性構造の水流交絡により、柔軟性、可撓性及び強度が大きい不織布が生成されるが、典型的には材料の厚さが低減する。かかる厚さの低減は、ウェットタオル用途など、不織布ウェブの多くの用途には望ましくない。ウェットタオルを使用する理由である清浄作業の性質から、消費者は、見かけ上の嵩又はそれに関連する厚さが大きい拭取り布の方を好む。出発材料の坪量を増加して、これにより材料を水流交絡後に乳児用拭取り布として使用するに十分な厚さを維持するようにすることは、コスト上不可能に近い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、水流交絡された不織布ウェブと関連する柔軟性及び可撓性を有するが、水流交絡プロセス中に失われた厚さを保持する不織布ウェブに対する必要性が残る。また、水流交絡された不織布ウェブと関連する柔軟性及び可撓性を有し、形成後に濡れているか、又は拭取り布を作成するためのローション又は組成物と組み合わせても、十分な厚さ及び質感を保持する不織布ウェブに対する必要性がある。同様に、通風接着されるか、又は接着剤結合された不織布ウェブと関連する厚さを有するが、通風接着又は接着剤結合プロセス中に失われた柔軟性及び可撓性を保持する不織布ウェブに対する必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の態様は、繊維基材プレフォームから、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する方法であって、
前記基材プレフォームを、フォーミングスクリーンと接触させて配置し、それと同時に前記基材を水流交絡プロセスに供する工程であって、前記フォーミングスクリーンは、高さhcを有する上部メッシュ部材(又はそれと同等の構造)と、前記上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材(又はそれと同等の構造)とを具備し、前記繊維基材プレフォームは平均繊維長flを有する(但し、flは、hcよりも大きい)工程を含む方法を提供する。
【0006】
本発明の第二の態様は、非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する装置であって、
(a)有効開放直径dcを有する上部メッシュ部材(又はそれと同等の構造)と、有効開放直径dfを有し、前記上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材(又はそれと同等の構造)とを具備するフォーミングスクリーンであって、dc2/df2は50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さいフォーミングスクリーンと、
(b)前記フォーミングスクリーンと結合する水流交絡手段と
を具備する装置を提供する。
【0007】
本発明の第三の態様は、約10mm〜約60mmの平均長を有する繊維を含む成形非平坦化スパンレース不織布ウェブであって、前記ウェブは、陸領域の間にある谷が相互接続され、前記谷の各々の表面積が約0.1mm2〜約8mm2であるような前記谷及び前記陸領域の模様を含む表面を有する不織布ウェブを提供する。
【0008】
引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。特に指定しない限り、すべてのパーセント、比率、及び割合は重量に対してであり、すべての温度は摂氏温度(℃)である。すべての測定値は、特に指定しない限りSI単位によるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付の図面と関連してなされた本発明の説明を参照することにより、本発明の上述及び他の構成及び目的、並びにそれらを達成する方法がより明白になり、本発明自体がよりよく理解されるであろう。
【0010】
本明細書で使用する時、略語「gsm」は、「1平方メートル当りのグラム数」を意味する。
【0011】
不織布ウェブ又は繊維基材プレフォームに関して本明細書で使用する時、用語「機械方向」又は「MD」は、例えば、市販の不織布製造装置上で不織布ウェブを製造する際にウェブが移動する方向を指す。同様に、用語「横断方向」又は「CD」は、不織布ウェブの平面内で機械方向に垂直である方向を指す。個々の拭取り布に関し、これらの用語は、拭取り布が作成されるウェブに対応する拭取り布の方向を指す。試験サンプルが試験中にどの向きであるかによって不織布ウェブの機械的特性が変わり得るので、これらの方向は、本明細書で注意深く区別される。例えば、不織布ウェブの伸張特性は、構成繊維の配向及び他のプロセスに関連する要因のために、機械方向と横断方向で異なる。
【0012】
本明細書で使用する時、用語「メッシュ部材」は、メッシュ又はメッシュの同等物を意味する。1つの可能な「同等物」は、正方形、菱形、丸みを帯びた菱形などの固体形状の反復パターンであり、本発明の方法及び装置において、これらの固体形状は連続していないが、メッシュのように作用する。この及び他の可能な「同等物」については、本明細書中で更に詳細に検討し、説明する。
【0013】
図1及び図2を参照すると、フォーミングスクリーン10の1つの可能な実施形態が例証されており、このフォーミングスクリーン10は、編込金属ワイヤ40及び50を含む上部メッシュ部材20と、編込ワイヤ60及び70を含む下層メッシュ部材30とを具備する。ワイヤ40,50,60及び70は、ステンレス鋼、外科用鋼、特殊鋼などの様々な種類のスチール;銅、真鍮などの金属、ナイロン及び他の好適なポリマーなどのポリマー類、及び金属及び/又はポリマーとの組み合わせを含むが、これらに限定されない好適な材料から成るものでもよい。いずれにせよ、上部メッシュ部材及び下層メッシュ部材が作成される材料は、本発明の方法の条件に耐え得るものでなければならない。また、ワイヤも、正方形、円形、楕円形、方形、五角形、六角形、菱形、丸みを帯びた菱形、犬用骨形などを含むが、これらに限定されないあらゆる断面形状のものであってもよい。
【0014】
上部メッシュ部材及び下層メッシュ部材は、好ましくは、図1〜図3に見られるように、特定形状の開口の反復パターンを画定する。これら開口は、同一の又は異なる外形パターンであってもよく、好ましくは、正方形、円形、楕円形、方形、五角形、六角形、菱形、丸みを帯びた菱形、犬用骨形三角形及びこれらの組み合わせから成る群から選択される。更に、これらの形状は均一であっても、サイズ形状及び配向が異なっていてもよい。
【0015】
図1及び図2を見ると、上部メッシュ部材20及び下層メッシュ部材30の両方は、正方形形状を有する開放空間の反復単位の同じ一般的な種類を画定する。一方、図3では、上部メッシュ部材110は六角形の形状を画定し、下層メッシュ部材120は正方形を画定する。
【0016】
本発明のフォーミングスクリーンは、ベルト、ドラム、シリンダーなどを含むが、これらに限定されないあらゆる好適な形状のものであってもよい。本発明の1つの実施形態において、フォーミングスクリーンは、回転式ドラム又はシリンダーなどの回転式である。
【0017】
このフォーミングスクリーン10の8に沿った断面図が図2に例証されており、上部メッシュ部材80の高さ(hc)は、上部メッシュ部材20の最下点から最上点までを測定したものであることが分かる。上部メッシュ部材90の幅(wc)は、上部メッシュ部材20を具備する個々の要素(この場合はワイヤ)の幅である。下層メッシュ部材30及び上部メッシュ部材20は、永久的に共に接合されていても、共に接合されていなくてもよいが、いずれにせよ、互いに密接に接触している。
【0018】
図3は、フォーミングスクリーン100の別の可能な実施形態を例証しており、このフォーミングスクリーン100は、開放空間150及び閉鎖空間160の反復網状組織を含む上部メッシュ部材110と、編込金属ワイヤ130及び140を含む下層メッシュ部材120とを具備する。本発明のこの実施形態において、上部メッシュ部材110は、下層メッシュ部材120に永久的に取り付けられている。上部メッシュ部材がポリマーであるフォーミングスクリーン100の作成に関する更なる情報は、米国特許第4,637,859号(トロクハン(Trokhan)、1987年1月20日発行)及び同第5,895,623号(トロクハン、1999年4月10日発行)に見ることができる。
【0019】
図4は、フォーミングスクリーン200の別の代替実施形態であり、このフォーミングスクリーン200は、形状210の反復パターンを含む上部メッシュ部材210と、編込金属ワイヤ230を含む下層メッシュ部材220とを具備する。それら形状は、反復パターンが存在する限り、均一であっても、サイズ形状及び配向が異なっていてもよく、これら3つは全て任意の様式で変更されてもよい。本発明のこの代替実施形態において、メッシュの同等物を形成する上部メッシュ部材210は、下層メッシュ部材220に永久的に取り付けられている。上部メッシュ部材210が下層メッシュ部材220に永久的に取り付けられているフォーミングスクリーン200の作成に関する更なる情報は、米国特許第4,637,859号(トロクハン(Trokhan)、1987年1月20日発行)、同第5,895,623号(トロクハン、1999年4月10日発行)、同第4,514,345号(ジョンソン(Johnson)、1985年4月30日発行)、同第5,098,522号(スムルコスキー(Smurkoski)、1992年3月24日発行)、同第4,528,239号(トロクハン、1985年7月9日発行)及び同第5,245,025号(トロクハン、1993年9月14日発行)に見ることができる。
【0020】
図5は、図1のフォーミングスクリーン10の上部メッシュ部材20の反復部分の1つの分解図である。図5は、図1のフォーミングスクリーン10の上部メッシュ部材300の有効直径(dc)を示す。上部メッシュ部材300の有効直径は、編込金属ワイヤ40及び50の面積内に描くことができる最も大きい円の直径である。図5はまた、図1のフォーミングスクリーン10の下層メッシュ部材310の有効直径(df)を示す。上部メッシュ部材310の有効直径は、編込金属ワイヤ60及び70の面積内に描くことができる最も大きい円の直径である。メッシュの同等物を形成する、図4に例証したものと同様のフォーミングスクリーンについて、上部メッシュ部材の有効直径、即ちdcは、形状210の反復パターンの形状のいずれかの面積内に描くことができる最も大きい円の直径である。本発明の1つの任意の実施形態において、dc2/df2は約50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さい。
【0021】
繊維基材プレフォームは、あらゆる従来の様式で形成され得るが、好ましくは、水流交絡プロセスで使用するのに適する不織布ウェブである。繊維基材プレフォームは、ほぐれた繊維のウェブ、マット又はバットから成ってもよく、カーディング、エアレイなどにより製造され得るもののように、互いにランダムな関係で、又はある程度整列した状態で配置される。
【0022】
カーディングは、繊維の固まりを個々の繊維に開繊して、同時に整合したウェブに作成する機械的プロセスである。カーディングは、典型的に、固まりを引いて梳いて離すための、細かい角度付きの密接した歯、ワイヤ、若しくは同等物の対向して動くベッド又は表面を利用した機械上で実行される。2つの対向する表面の歯は、典型的に、反対方向に傾いていて、互いに関して異なる速度で動く。
【0023】
一方、エアレイは、空気を用いてフォーミングヘッドから繊維を分離し移送して不規則に配置し、整合したほぼ等方性のウェブを形成するプロセスである。エアレイ装置及び方法は、当該技術分野において既知であり、クロイヤー(Kroyer)装置又はダン(Dan)ウェブ装置(例えば、木材パルプエアレイに好適)、並びにランド(Rando)ウェバー装置(例えば、短繊維エアレイに好適)が含まれる。
【0024】
繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維は、あらゆる天然の材料、セルロース性の材料及び/又は完全に合成の材料であり得る。好適な天然繊維としては、木材パルプ繊維などのセルロース繊維、綿、レーヨン(ビスコースとしても知られている)及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な合成繊維は、織物に一般的に使用される繊維を包含し、ポリエステル、ポリオレフィン類(ポリプロピレンなど)及び合成繊維の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維は、天然繊維と合成繊維との組み合わせであり得る。1つの実施形態において、柔軟性と(エンボス加工時の)結合性の経済的なバランスのために、ビスコース(レーヨン)を、ポリプロピレンと組み合わせて使用する。ビスコースは、優れた柔軟性と布様特性を呈し、単独で使用される時にはフランネルのようなウェブを生成する傾向がある。ポリプロピレンは、任意のエンボス加工工程でウェブを熱結合させる。
【0025】
繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維は、実質的にはあらゆるサイズのものであり得、約10mm〜約60mmの平均長を有するのが好ましい。平均繊維長は、真っ直ぐに伸ばした場合の個々の繊維の長さを指す。いずれにせよ、本発明の方法において、平均繊維長、即ちflは、上部メッシュ部材の高さ(hc)よりも大きくなければならない。
【0026】
繊維基材プレフォーム及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの繊維の断面は円形、犬用骨形、デルタ(即ち、三角形の断面)、3葉形、リボン又はステープル繊維として典型的に製造される他の形状であり得る。同様に、その繊維は、二成分繊維などの抱合体繊維とすることもできる。繊維はけん縮加工されていてもよく、潤滑剤などの仕上げ剤が塗布されていてもよい。
【0027】
本発明の繊維基材プレフォームは、好ましくは、約15gsm〜約100gsm、より好ましくは約30gsm〜約75gsm、更により好ましくは約40gsm〜約65gsmの坪量を有する。本発明で使用するのに適する1つの繊維基材プレフォームは、フィンランドのJ.W.スオミネン社(J.W.Suominen Company)から入手可能であり、フィブレラ(Fibrella)という商品名で販売されているが、例えば、フィブレラ(Fibrella)3100及びフィブレラ(Fibrella)3160は、本発明の繊維基材プレフォームとして有用であることが分かった。フィブレラ(Fibrella)3100は、1.5デニールポリプロピレン繊維を50%、及び1.5デニールビスコース繊維を50%含む、62GSMの不織布ウェブである。フィブレラ(Fibrella)3160は、1.5デニールのポリプロピレン繊維を60%、1.5デニールのビスコース繊維を40%含む58gsmの不織布ウェブである。これら市販の繊維基材プレフォームの両方において、平均繊維長は約38mmである。
【0028】
本発明の方法は、繊維基材プレフォームがフォーミングスクリーンと接触している間、この繊維基材プレフォームを水流交絡プロセスに供することを含む。水流交絡プロセス(スパンレーシング又はスパンボンディングとしても知られている)は、不織布ウェブを製造する既知のプロセスであり、繊維のマトリックスを、例えばカードウェブ又はエアレイドウェブとし、繊維を交絡させて合着ウェブを形成することを含む。交絡は、典型的には、好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは少なくとも2つ、更により好ましくは複数の好適に配置されたウォータージェットから出る高圧水と繊維のマトリックスを衝突させること(水流交絡と称することが多い)により達成される。ウォータージェットの水圧と同様に、オリフィスのサイズ及びウォータージェットにより繊維基材プレフォームに付与されるエネルギーは、従来の水流交絡プロセスのそれと同じであり、典型的には、交絡エネルギーは約0.1kwh/kgである。圧縮空気などの他の流体を衝突媒体として使用することもできるが、水が好ましい媒体である。ウェブの繊維は、このようにして交絡されるが、互いに物理的に結合してはいない。故に、水流交絡されたウェブの繊維は、熱結合又は化学結合により形成されたウェブの繊維よりも動きの自由度が高い。特に、事前湿潤化ウェットタオルとして濡らされることにより円滑になる時、かかるスパンレースウェブは、非常に低い曲げトルクと低い弾性率を有し、これにより柔軟性としなやかさを維持するウェブを提供する。
【0029】
水流交絡に関する更なる情報は、米国特許第3,485,706号(エヴァンズ(Evans)、1969年12月23日発行)、同第3,800,364号(カルヴァイツ(Kalwaites)、1974年4月2日発行)、同第3,917,785号(カルヴァイツ、1975年11月4日発行)、同第4,379,799号(ホルメス(Holmes)、1983年4月12日発行)、同第4,665,597号(スズキ(Suzuki)、1987年5月19日発行)、同第4,718,152号(スズキ、1988年1月12日発行)、同第4,868,958号(スズキ、1989年9月26日発行)、同第5,115,544号(ウィデン(Widen)、1992年5月26日発行)及び同第6,361,784号(ブレンナン(Brennan)、2002年3月26日発行)において見ることができる。
【0030】
本発明において、繊維基材プレフォームをフォーミングスクリーンと接触させ、それと同時に水流交絡プロセスを行うことにより、本発明の方法により処理されていない坪量が同じである水流交絡ウェブに比べて、その湿潤厚さと乾燥厚さの両方が増大した成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが生成される。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの湿潤厚さと乾燥厚さの両方は、本発明の方法により処理されていない坪量が同じである水流交絡ウェブに比べて、好ましくは少なくとも約5%、より好ましくは少なくとも約10%、更により好ましくは約15%増大することが好ましい。更に、この厚さ及び質感の増大は、従来の水流交絡ウェブと比べて、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを生成するのに必要な交絡エネルギー(ウォータージェットによりウェブに移動するエネルギー)量を増大させることはない。
【0031】
本発明の1つの代替実施形態は、実質的に開口を有さない、好ましくは全く有さない、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブである。このように開口を有さないことは、本明細書中で更に詳細に説明されるように、本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが再湿潤化された拭取り布で使用される時に特に望ましい。
【0032】
別の任意の実施形態において、繊維基材プレフォームは、それが本発明のフォーミングスクリーンと接触する前に、別個の水流交絡プロセスを受ける。この更なる任意の方法工程は、繊維基材プレフォーム、及び後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブに更なる強度を付与するために用いられてもよい。この任意の実施形態の1つの好ましい実施形態において、繊維基材プレフォームは、従来のフォーミングスクリーン(およそ10メッシュのワイヤ)を使用して、好適に配置された複数のウォータージェットから出る高圧水と繊維基材プレフォームを衝突させ、次いで繊維基材プレフォームを裏返し、他方の側を好適に配置された複数のウォータージェットに供することを含む。この二部構成の「事前水流交絡」は、本明細書に記載される最終的な成形/非平坦化工程のために、繊維基材プレフォームが図1、図3又は図4に示すもののようなフォーミングスクリーンと接触する前に、繊維基材プレフォーム(及び、後には成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ)に更なる強度、安定性及び柔軟性を与える。
【0033】
意外にも、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが形成された後、ウェブはエンボス加工などの更なる任意の方法工程に効果的に供され得る。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをエンボス加工することにより、ウェブは更なる美観を得て、ウェットタオルとして使用するのに特に適した成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する。更に、エンボス加工によって、より良好な美観に加えて他の有利な物理的特性が、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブに付与される。例えば、十分に高い温度で、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをエンボス加工することにより、圧縮領域において、更なる熱結合が達成され、これにより、より良好な表面繊維結合が得られる。この表面繊維結合が、ほぐれた繊維を「締めつけ」、その結果、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブのリンティングが低減する。更に、エンボス加工作業の熱結合は、特にウェットタオル用途に使用される時、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの強度を増大させる。加えられたエンボス加工は、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの利用可能なCD伸びの低減に寄与する。過剰なCD伸びは、カードウェブの特性であることが多いが、一般的にウェットタオルでは好ましくない。CD伸びを低下させることにより、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの伸張特性はより均一になり、ウェットタオルとしての使用により適する。
【0034】
事前湿潤化拭取り布(「ウェットタオル」、「拭取り布」及び「濡れナプキン」としても称され得る)を作成するのに使用できる本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、乳児を清潔にする際に使用するのに適し、また全世代の人に関連する清浄作業での用途も見出し得る。かかる拭取り布はまた、物質を身体に適用するために使用する物品を含むことができ、メークアップ、皮膚コンディショナー、軟膏、日焼け止め剤、防虫剤、及び医療品の適用などが挙げられるが、これらに限定されない。かかる拭取り用品はまた、ペットを清浄するか又は手入れをするために使用する物品、並びに家庭台所及び浴室表面、眼鏡、運動及び体操道具、自動車表面などの、表面及び物体の一般清浄に使用する物品を含むことができる。かかる拭取り布は、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ及びこのウェブと除去可能に組み合わせる物質組成物を含有する。拭取り布を介して塗布されるのに適する組成物の製造は周知であり、本発明の一部を形成するものではない。ウェットタオルを製造するために、本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブと除去可能に結合され得る組成物及び/又は成分の例は、米国特許第6,300,301号(ムーア(Moore)、2001年10月9日発行)、同第6,361,784号(ブレンナン(Brennan)、2002年3月26日発行)、同第6,083,854号(ボグダンスキー(Bogdanski)、2000年7月4日発行)、同第5,648,083号(ブリエズナー(Blieszner)、1997年7月15日発行)、同第5,043,155号(プチャルスキー(Puchalski)、1997年7月15日発行)、同第6,207,596号(ルーケ(Rourke)、2001年3月27日発行)、同第5,888,524号(コーレ(Cole)、1999年3月30日発行)、同第5,871,763号(ルー(Luu)、1999年2月16日発行)、同第4,741,944号(ジャクソン(Jackson)、1988年5月3日発行)、同第3,786,615号(バウアー(Bauer)、1974年1月22日発行)及び同第6,440,437号(クルジック(Krzysik)、1974年1月22日発行)及び多様な式において見ることができる。
【0035】
本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを含有する拭取り布は、積み重ねて折った拭取り布のタブからの分配に特に適している。それらはまた、「ポップアップ」拭取り布としての分配にも適し、この場合、タブから拭取り布を一枚引出すと、次の拭取り布の縁部が出て、分配し易くなる。拭取り布は、C折りなどの既知の多様な折り畳みパターンのいずれでも折ることができるが、Z折りが好ましい。Z折り構成により、折った拭取り布の積み重ねは、重なる部分で交互配置が可能になる。代表的な折り畳みパターンは、米国特許第6,213,344号(ヒル(Hill)、2001年4月10日発行)、同第6,202,845号(ヒル、2001年3月20日発行)、同第5,332,118号(マッケンフス(Muckenfuhs)、1994年7月26日発行)、同第6,030,331号(ザンダー(Zander)、2000年2月29日発行)、同第5,964,351号(ザンダー、1999年10月12日発行);及び同第5,540,332号(コパッツ(Kopacz)、1996年7月30日発行)においてより詳細が開示される。あるいは、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、Z折りとC折りの交互パターンなどの交互構成で折ってもよい。この交互折り畳みパターンの例は、米国特許第6,250,495号(バンドウ(Bando)、2001年6月26日発行)において見ることができる。
【0036】
本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを含む拭取り布は、その成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ1グラム当り、約0.1グラム〜約10グラム、より好ましくは約1グラム〜約8グラム、更により好ましくは約2グラム〜約5グラムの物質組成物を除去可能に含有することが好ましい。
【0037】
図6は、本発明の1つの可能な装置の図である。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ420を形成するための装置400は、フォーミングスクリーン430と、水流交絡手段440とを具備する。図6において、水流交絡手段440は、単一のウォータージェットとして示されているが、水流交絡手段として複数のウォータージェットを使用すること、また、真空手段を任意に包含すること、一旦それが接合点450にて繊維基材プレフォーム410と接触すると、水の除去に役立ち、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ420を生成することは、本発明の範囲内である。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ400を形成するための装置は、任意に支持手段(典型的には穿孔ドラム又はシリンダー)を具備し、その上にフォーミングスクリーン430が配置される。任意の支持手段を使用することにより、装置400の保守及び/若しくは修理、又は磨耗したフォーミングスクリーン430の交換、又はフォーミングスクリーン430を異なる成形質感を有する成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを生成するフォーミングスクリーンと交換することが必要な時、フォーミングスクリーン430の除去及び交換が可能となる。
【0038】
繊維基材プレフォーム410は、フォーミングスクリーン430と接触する前に、本明細書に開示される方法のいずれかで処理されてもよい。同様に、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ420は、フォーミングスクリーン430上の450で形成された後、本明細書に開示される方法のいずれかで処理されてもよい。
【0039】
図7は、本発明の別の可能な装置を例証する。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ590を形成するための装置500は、繊維基材プレフォーム510がその上に移動し、水流交絡手段520により交絡される第一ドラム530を具備する。第一ドラム530及び第二ドラム560は、穿孔ドラム、真空ドラムなど、水流交絡プロセスで使用するのに適するいかなるドラムでもよい。最も好適であるのは、従来の水流交絡プロセスで使用されるドラムであり、水流交絡に関する教示のために、本明細書中で参照した米国特許において検討されている。水流交絡手段520は、2つのウォータージェットを有して示されているが;水流交絡手段520として、又は本発明の水流交絡手段のいずれかのために単一のウォータージェット又は複数のウォータージェットを使用することも本発明の範囲内である。述べるように、水流交絡手段520の一部として、又は本発明の水流交絡手段のいずれかのために、真空手段を任意に使用することができる。真空手段は、一旦それが繊維基材プレフォーム510と接触すると、水を除去するのに役立つ。
【0040】
繊維基材プレフォーム510は、次いで、第二ドラム560と接触する繊維基材プレフォーム510の表面が、第一ドラム530と接触した表面と反対の表面であるように、装置内の多様なローラ(540として識別される)上を移動する。この交互の交絡は、理論により制限されることは意図しないが、繊維基材プレフォーム510の全体的な強度を向上させると考えられている。第二ドラム560上を移動する繊維基材プレフォーム510は、次いで、水流交絡手段550により交絡される。繊維性基材プレフォーム510は、次いで、フォーミングスクリーン570上に移動し、水流交絡手段580から出る水と接合点595で接触され、それにより、本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する。
【0041】
本発明の装置及び方法の両方において、いかなる水流交絡手段も、フォーミングスクリーンに対してほぼ垂直である少なくとも1つのウォータージェットを具備することが好ましい。しかしながら、好ましくはないが、フォーミングスクリーンにほぼ垂直ではない少なくとも1つのウォータージェットを具備する水流交絡手段を有することもまた本発明の範囲内である。垂直から30°以内の角度が有用である。
【0042】
本発明の装置のフォーミングスクリーンは、あらゆる好適なフォーミングスクリーンであってもよい。かかる好適なフォーミングスクリーンの例は、本明細書中、図1〜図5(含む)に例証されている。他のフォーミングスクリーンは、そのdc2/df2が約50と等しいか、それよりも大きく、約300と等しいか、それよりも小さい場合には、本発明での使用に適する。
【0043】
成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの他の任意の後処理としては、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを乾燥させること;成形非平坦化スパンレース不織布ウェブへ物質組成物を添加すること;貯蔵などのために、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをロール上へローリングすること;成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをより短い長さに切断すること;特に成形非平坦化スパンレース不織布ウェブがより短い長さに切断される時、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブをC折り、Z折りなどの様々な構成に折り畳むこと;及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本発明の別の態様によれば、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブが提供される。この成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、任意には、本発明の方法又は装置により製造されてもよい。更に、この成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、任意には、物質の組成物の添加、エンボス加工、特定の長さへの切断、及び/又は折り畳みなど、又は本明細書において詳述する他の多様な後処理により後処理されてもよい。
【0045】
本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、好ましくは、約15gsm〜約100gsm、より好ましくは約30gsm〜約75gsm、更により好ましくは約40gsm〜約65gsmの坪量を有する。
【0046】
本発明の1つの任意の実施形態において、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、平均繊維長が約20mm〜約45mm、より好ましくは約30mm〜約40mmであり、直径が約1デニール〜約2デニール、より好ましくは約1.2デニール〜約1.75デニールである繊維を含む。
【0047】
図8は、水流交絡された不織布ウェブ600の理想化した側面図を例証し、一方、図9は、従来のように水流交絡された不織布ウェブ600と同じ坪量を有する本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ700の理想化した側面図を例証している。水流交絡不織布ウェブ610の厚さ(Tum)は、水流交絡不織布ウェブ600の最大厚さである。成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ710の厚さ(Tm)は、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブ700の最大厚さである。
【0048】
本発明の1つの任意の実施形態において、上部メッシュ部材の高さ(hc)は、0よりも大きく、Tumと等しいか、それよりも小さいことが好ましい。
【0049】
本発明の別の任意の実施形態において、上部メッシュ部材の有効開放直径(dc)(ここで、dc/Tumは1と等しいか、それよりも大きく、4と等しいか、それよりも小さい)が好ましい。
【0050】
図10及び図11は、従来の水流交絡ウェブの構造内に質感及び成形が不足していることを例証している。図10及び図11のウェブは、本明細書において識別される従来の水流交絡ウェブに係る問題を全て有する。図12及び図13は、従来の孔あき水流交絡ウェブを示し、このウェブは、ウェットタオル、特に乳児用拭取り布などの幾つかの用途に対して不適切であるという更なる不利点を有する。これら2つの従来のように水流交絡されたウェブと、図14及び図15に例証されるような本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブとを比較されたい。図14及び図15に示す質感及び成形は、図10及び図11に示す従来の水流交絡ウェブにおける質感及び/又は成形の不足とは、全く対照的である。更に、図14及び図15に例証されるような本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブは、図12及び図13に例証されるような従来の水流交絡ウェブと比べて、開口を有さずに質感及び成形を付与するという更なる利点を有する。
[発明を実施するための最良の形態]で引用されたすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0051】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のフォーミングスクリーンの1つの実施形態の拡大平面図。
【図2】図1のフォーミングスクリーンの8に沿った断面図。
【図3】本発明のフォーミングスクリーンの別の実施形態の拡大平面図。
【図4】上部メッシュ構造を具備する本発明のフォーミングスクリーンの別の実施形態の拡大平面図。
【図5】図1のフォーミングスクリーンの領域95の拡大図。
【図6】本発明の装置の1つの実施形態の側面図。
【図7】本発明の装置の別の実施形態の側面図。
【図8】本発明に従わない従来の水流交絡不織布ウェブの理想化した側面図。
【図9】本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの理想化した側面図。
【図10】本発明に従わない従来の水流交絡不織布ウェブの写真。
【図11】図10の従来の水流交絡不織布ウェブの電子顕微鏡写真。
【図12】本発明に従わない従来の孔あき水流交絡不織布ウェブの写真。
【図13】図12の従来の孔あき水流交絡不織布ウェブの電子顕微鏡写真。
【図14】本発明の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの写真。
【図15】図14の成形非平坦化スパンレース不織布ウェブの電子顕微鏡写真。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維基材プレフォームから、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する方法であって、
平均繊維長flを有する基材プレフォームと、フォーミングスクリーンとを提供し、該フォーミングスクリーンは、flと等しいか、それよりも大きい高さhcを有する上部メッシュ部材と、該上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材とを具備し、
前記繊維基材プレフォームをフォーミングスクリーンと接触させて配置し、該フォーミングスクリーンは、
同時に前記基材を水流交絡プロセスに供する工程を特徴とする方法。
【請求項2】
前記上部メッシュ部材は、有効開放直径dcを有し、前記下層メッシュ部材は、有効開放直径dfを有し、dc2/df2は50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フォーミングスクリーンが、回転式シリンダーである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記水流交絡プロセスは更に、前記基材が前記フォーミングスクリーンと接触する前に、前記繊維基材プレフォームを少なくとも1つのウォータージェットと接触させることを含み、前記少なくとも1つのウォータージェットは、前記繊維基材プレフォームに対してほぼ垂直に、前記繊維基材プレフォーム上に指向される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維基材プレフォームは、カード基材プレフォーム及びエアレイド基材プレフォームからなる群から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する装置であって、
a)有効開放直径dcを有する上部メッシュ部材と、有効開放直径dfを有し、前記上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材とを特徴とするフォーミングスクリーンであって、dc2/df2は50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さいフォーミングスクリーンと、
b)前記フォーミングスクリーンと結合する水流交絡手段と
を具備する装置。
【請求項7】
前記フォーミングスクリーンが、シリンダーの形状をなす請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フォーミングスクリーンが、液体透過性の回転式支持シリンダーを包囲する請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記水流交絡手段が、前記フォーミングスクリーンに対してほぼ垂直である少なくとも1つのウォータージェットを具備する請求項6〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記上部メッシュ部材及び前記下層メッシュ部材は、正方形、円形、楕円形、方形、五角形、六角形、菱形、丸みを帯びた菱形、犬用骨形三角形及びこれらの組み合わせからなる群から選択される同一の又は異なる幾何学模様を含む請求項6〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項1】
繊維基材プレフォームから、成形非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する方法であって、
平均繊維長flを有する基材プレフォームと、フォーミングスクリーンとを提供し、該フォーミングスクリーンは、flと等しいか、それよりも大きい高さhcを有する上部メッシュ部材と、該上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材とを具備し、
前記繊維基材プレフォームをフォーミングスクリーンと接触させて配置し、該フォーミングスクリーンは、
同時に前記基材を水流交絡プロセスに供する工程を特徴とする方法。
【請求項2】
前記上部メッシュ部材は、有効開放直径dcを有し、前記下層メッシュ部材は、有効開放直径dfを有し、dc2/df2は50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さい請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フォーミングスクリーンが、回転式シリンダーである請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記水流交絡プロセスは更に、前記基材が前記フォーミングスクリーンと接触する前に、前記繊維基材プレフォームを少なくとも1つのウォータージェットと接触させることを含み、前記少なくとも1つのウォータージェットは、前記繊維基材プレフォームに対してほぼ垂直に、前記繊維基材プレフォーム上に指向される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記繊維基材プレフォームは、カード基材プレフォーム及びエアレイド基材プレフォームからなる群から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
非平坦化スパンレース不織布ウェブを形成する装置であって、
a)有効開放直径dcを有する上部メッシュ部材と、有効開放直径dfを有し、前記上部メッシュ部材と密接に接触する下層メッシュ部材とを特徴とするフォーミングスクリーンであって、dc2/df2は50と等しいか、それよりも大きく、300と等しいか、それよりも小さいフォーミングスクリーンと、
b)前記フォーミングスクリーンと結合する水流交絡手段と
を具備する装置。
【請求項7】
前記フォーミングスクリーンが、シリンダーの形状をなす請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フォーミングスクリーンが、液体透過性の回転式支持シリンダーを包囲する請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記水流交絡手段が、前記フォーミングスクリーンに対してほぼ垂直である少なくとも1つのウォータージェットを具備する請求項6〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記上部メッシュ部材及び前記下層メッシュ部材は、正方形、円形、楕円形、方形、五角形、六角形、菱形、丸みを帯びた菱形、犬用骨形三角形及びこれらの組み合わせからなる群から選択される同一の又は異なる幾何学模様を含む請求項6〜9のいずれか一項に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2006−506543(P2006−506543A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−552063(P2004−552063)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/035931
【国際公開番号】WO2004/044296
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/035931
【国際公開番号】WO2004/044296
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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