房付きトップシートを有する吸収性物品
トップシート及び吸収性コアを有する吸収性物品。トップシートは、一対の房領域の側部境界線を有する。房領域の側部境界線のそれぞれは、房を有さないトップシートの部分から複数個の房を分離する線又は線の一部により画定されている。房領域の側部境界線は、長手方向中心線の両側に対称的に配置されている。房領域の側部境界線は、長手方向中心線の少なくとも一部に沿って長手方向に延びる。房領域の末端部境界線は、平行横断方向軸における最小値から、房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部における最大値へ徐々に増大する距離により互いに離間され、又は平行横断方向軸における最大値から、房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部における最小値へ徐々に減少する距離により互いに離間されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
房付きトップシートを有する吸収性物品。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、失禁製品、生理用品等の吸収性物品は広く使用されており、これらの物品の効果及び機能を改良する多大な努力が為されている。一般に、それらの物品は、流体透過性トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の吸収性コアを有する。
【0003】
吸収性物品に使用されている従来のトップシートは典型的に、トップシートの流体獲得/保持性能と、トップシートの着用者の皮膚に対する心地よさとの間の妥協点を有する。着用された際に、吸収性物品の異なる部分が異なる利益を提供するように設計され得る。例えば、吸収性物品の中心部分は、高い流体獲得率を有するトップシートが望ましい場合がある。更に、吸収性物品の中心部分には、着用者の陰唇に対してべたべたくっつく感覚を感じないように、逆湿潤が限られているトップシートが望ましい場合がある。吸収性物品の中心部分以外の部分では、着用者が動いて、吸収性物品の周縁部分が着用者の身体に対して擦れるときに生じ得る擦過傷を低減するよう柔軟でしなやかな表面触感が望ましい場合がある。
【0004】
吸収性物品は一般に、着用された際、着用者の身体の三次元形状に一致する。女性の股領域内には、多様な曲線状の構造(features)が存在する。例えば、脚が股内にて人の体幹に連結する箇所には、脚と体幹との間に曲線状の境界線が存在する部分がある。女性の股の陰唇領域は、曲線状の境界線を有する領域により画定される傾向もある。女性の股領域内で着用されて、着用者の膣から放出される流体を捕捉するよう設計された生理用ナプキン等の吸収性物品に関しては、吸収性物品は女性のパンティーに取り付けられてもよく、この吸収性物品に取り付けられているフラップがパンティーの股領域の縁の周りをくるむ。通常のパンティーの股領域の脚開口部は、湾曲している傾向にあり、吸収性物品の身体対面表面は、一般に着用された際にこの曲線に一致する。
【0005】
通常入手可能な吸収性物品は、トップシートの表面が概して均一であるトップシートを有する傾向がある。その理由は、トップシートとして比較的安価な材料が使用されてもよく、また製造コストが比較的低い傾向があり得ることを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、トップシートの異なる部分が異なる特徴を有し、それらの特徴がトップシートの異なる部分に異なる利益を提供するトップシートを有する吸収性物品の必要性が未だ対処されず存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
吸収性物品は、トップシートと、トップシートと対面関係にある吸収性コアとを備える。トップシートは、長手方向中心線と、長手方向中心線と直交し、かつ交差する横断方向中心線と、横断方向中心線と平行な平行横断方向軸とを有する。長手方向中心線は、3分割されることができる。長手方向中心線の3分の1は、中間1/3である。平行横断方向軸は、長手方向中心線の中間1/3と交差する。トップシートは、繊維状不織布ウェブ及び房を含む。房は、繊維状不織布ウェブと一体的で、かつ繊維状不織布ウェブから延びる繊維を有する。房の複数個の繊維は、ループ状繊維である。トップシートは、長手方向中心線の両側に対照的に配置された一対の房領域の側部境界線を含む。房領域の側部境界線のそれぞれは、長手方向中心線の少なくとも一部に沿って延びる線又は線の一部により画定され、かつ房を有さないトップシートの部分から複数個の房を分離している。房領域の末端部境界線は、平行横断方向軸における最小値から、房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方若しくは両方における最大値へ徐々に増大する距離により互いに離間され、又は平行横断方向軸における最大値から、房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方若しくは両方における最小値へ徐々に減少する距離により互いに離間されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】吸収性物品の概略上部切除図。
【図2】パンティ内に配置された吸収性物品の概略図。
【図3】繊維状不織布ウェブ及び房の概略図。
【図4】房の断面の概略図。
【図5】房の走査型電子顕微鏡写真。
【図6】繊維状不織布ウェブ及び房を有する積層体の概略図。
【図7】房がキャップを有する、房付き積層体ウェブの斜視図。
【図8】図7で示されたウェブの一部分の拡大図。
【図9】図8の断面9−9の断面図。
【図10】図9で示されたウェブの一部分の平面図。
【図11】トップシートが積層体から形成されている吸収性物品の概略上部切除図。
【図12】吸収性物品の概略平面図。
【図13】吸収性物品の概略平面図。
【図14】房が第1の色を有し、房を有さないトップシートの部分が第2の色を有する、吸収性物品の概略平面図。
【図15】吸収性物品の概略上部切除図。
【図16】房を形成するための装置の概略図。
【図17】ロールの嵌合の概略図。
【図18】歯を有するロールの概略図。
【図19】ロール上の歯の概略図。
【図20】房がキャップを有する、積層体ウェブの走査型電子顕微鏡写真。
【図21】房がキャップを有する、積層体ウェブの走査型電子顕微鏡写真。
【図22】房がキャップを有する、積層体ウェブの走査型電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、トップシート30、バックシート10、及びトップシート30とバックシート10との間に配置された吸収性コア20を備える吸収性物品5の部分切除図を示す。トップシート30は、吸収性コア20と対面関係にある。トップシート30と吸収性コアとは、トップシートの一表面が吸収性コア20に向かって配向されている場合、対面関係にあると考慮され得る。トップシート30は、トップシート30と吸収性コア20との間に材料の更なる層(1つ又は複数)が存在した場合でも、吸収性コア20と対面関係にあることができる。吸収性コア20は、トップシート30と流体連通していると記載することができる。即ち、流体はトップシート30から直接、又はトップシート30と吸収性コア20との間の中間層(1つ又は複数)を介して吸収性コア20に透過し得る。例えば、トップシート30と吸収性コア20とは、トップシート30の片面が吸収性コア20に面するように、対面関係にあることができる。トップシート30は本明細書では略平面状の二次元ウェブと称され、その長さ及び幅は、ウェブの厚さよりも実質的に大きい。吸収性コア20は、Procter & Gamble Co.製のALWAYS Ultra又はINFINITY生理用ナプキンに使用されている吸収性コアであってもよい。吸収性コアは、Buckeye Technologies Inc.,Memphis,TNから入手可能なFoley Fluffパルプであってもよく、このパルプは分解され、約0.07グラム/立方センチメートル(g/cm3)の密度と約10mm未満の厚さとを有するコアに形成される。
【0010】
トップシート30は長手方向中心線Lを有する。吸収性物品の最長寸法に関して対称的な吸収性物品5において、長手方向中心線Lは、吸収性物品を半分に分割することができ、吸収性物品5の最長寸法であることができる。例えば、着用者の股領域に着用される吸収性物品5において、長手方向中心線Lは吸収性物品5を左及び右半分に分割してもよく、この左及び右は、吸収性物品5を適切に着用している着用者からの視点から採用される。トップシート30は、長手方向中心線Lに直交し、長手方向中心線Lを二分する横断方向中心線Tを有する。長手方向中心線L及び横断方向中心線Tは、使用前にトップシート30の二次元平面を画定し、図示した実施形態において、吸収性物品5を高速製造ラインで作製する当該技術分野にて通常知られているように、縦方向MD及び機械横方向CDと関連して示されている。
【0011】
トップシート30は、横断方向中心線Tと平行な平行横断方向軸TPを有してもよい。長手方向中心線Lは3分割、即ち、長手方向中心線Lに沿って測定して等しい長さを有する3つの部分、前方1/3 131、中間1/3 50、及び後方1/3 140に分割されてもよい。前方1/3 131は、吸収性物品5が着用された際に、一般に着用者の前方恥部範囲に向かって配向されたトップシート30の部分である。後方1/3 140は、吸収性物品5が着用された際に、一般に着用者の肛門に向かって配向されたトップシート30の部分である。中間1/3 50は、一般に着用者の脚の間で膣に隣接した股範囲と整合されるトップシート30の部分である。前方1/3 131及び後方1/3 140は、吸収性物品5の長手方向に配置された末端部に存在し、中間1/3 50は、前方1/3 131 と後方1/3 140との間である。平行横断方向軸TPは、吸収性物品5の中間1/3 50内で長手方向中心線Lと交差している。長手方向中心線Lは、長手方向中心線に沿って測定されたトップシート30の寸法により画定される長さ142を有する。
【0012】
吸収性物品5は、吸収性物品5の使用中に着用者に向かって配向された吸収性物品5の面である、身体対面表面120を有する。
【0013】
トップシート30は、繊維状不織布ウェブ60及び房70を含んでもよい。トップシートは更に、一対の房領域の側部境界線80を含んでもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの両側に対称的に配置されてもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向に対向する末端部81を有する。房領域の末端部境界線80のそれぞれは、房70を有さないトップシート30の部分から、複数個の房70を分離する線又は線の一部により画定されてもよい。線は点を移動することにより生成され、点の経路に沿ってのみ延長を有する直線状又は曲線状の幾何学的構造と考えることができる。吸収性コア20は、そこから房70が延びる繊維状不織布ウェブ60と、バックシート10との間に存在してもよい。吸収性コア20は、長手方向中心線Lから離間された一対のコア側部縁160を有してもよい。
【0014】
房領域の側部境界線80は、本明細書では、明確さのため線と称され、この線は、トップシート30の異なる部分の間の境界線を表す。実際の線(例えば、印刷された線、着色された線等)が、房領域の側部境界線80を区別するためにトップシート30上に出現する必要はない。むしろ、房領域の側部境界線80は、繊維状不織布ウェブ60の房70を有する部分と、繊維状不織布ウェブ60の房70を有さない部分との間にコントラストが存在する位置であってもよい。
【0015】
図1に示すように、房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの両側に対称的に配置されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lに関して互いに鏡像であってもよい。房領域の側部境界線80は、トップシート30の長手方向中心線Lの横断方向に対向する側において、長手方向中心線Lの少なくとも一部に沿って延びていてもよい(例えば、長手方向中心線Lの2つ以上の位置において、長手方向中心線Lに由来し、かつ長手方向中心線Lに直交する直線が、房領域の側部境界線80と交差するであろう)。したがって、吸収性物品5の身体対面表面120を見た場合、房領域の側部境界線80はトップシート30を少なくとも3つの区別される部分に分割してもよく、その2つは吸収性物品5の側部縁32に向かって離間され、その1つは、長手方向中心線Lと概ね一致するトップシート30の中央部分34である。
【0016】
トップシート30の中央部分34は主に流体収集構成要素として機能してもよく、側部縁32に向かって離間されたトップシートの部分は、皮膚に対する心地よさを提供し、及び/又は流体の流出のバリアとして機能してもよい。
【0017】
房領域の側部境界線80は距離100により互いに離間されてもよく、距離100は、平行横断方向軸TPにおける最小値から、房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する。距離100は、長手方向中心線Lに沿った位置の関数として徐々に増大するため、房領域の側部境界線80の部分が直線状又は曲線状である。房領域の側部境界線80の末端部は、必ずしも、その末端部を越えるとトップシート30が房を全く有さない自由末端部というわけではない。
【0018】
房領域の側部境界線80の1つ以上は、房領域の側部境界線80がトップシート30の長さ142の1/4より長いように、長手方向中心線Lの長さ142の少なくとも一部に沿って延びていてもよく、房領域の側部境界線80の長さは、房領域の側部境界線80に沿って測定される。房領域の側部境界線80は、トップシート30の長さ142の1/3より長くてもよい。房領域の側部境界線80は、トップシート30の長さ142の1/2より長くてもよい。
【0019】
平行横断方向軸TPにおける最小値から、房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部における最大値へ徐々に増大する距離100により互いに離間された房領域の側部境界線80は、多数の利益を提供する可能性がある。図2は、着用者のパンティ150の股領域内に配置された吸収性物品5の図である。より完全な適用範囲を有するパンティー150は、ひも状スタイルとは反対に、曲線状の脚開口部152を有する傾向がある。曲線状の脚開口部152は、着用者の脚と着用者の股との交差地点に隣接してフィットする傾向がある。パンティ150内に吸収性物品5が着用された際、吸収性物品5は、パンティ150の股と一致し、又は曲線状の脚開口部152を僅かに越えて外側に延びる傾向があり得る。平行横断方向軸TPにおける最小値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81における最大値へ徐々に増大する距離100により互いに離間された房領域の側部境界線80は、女性の脚が股に連結する箇所において女性の股の自然の輪郭と一致する傾向があり得る。房領域の側部境界線80を越えて外側の、即ち長手方向中心線Lから離れたトップシート30上の、柔軟でしなやかな繊維状不織布ウェブ60から形成されている房70を有する柔軟でしなやかな房70は、女性が動くときに、吸収性物品5を着用者に対してより心地よいものとすることができる。房領域の側部境界線80と長手方向中心線Lとの間のトップシート30の部分は、房70を有さなくてもよい。房領域の側部境界線80と長手方向中心線Lとの間のトップシート30の部分は、例えば孔等の他の構造的特徴を含んで、改良された流体獲得及び流体保持を提供してもよい。
【0020】
房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約35%超に沿って延びてもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約35%〜約85%に沿って延びてもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約40%〜約60%に沿って延びてもよい。理論に束縛されるものではないが、房領域の側部境界線80は、典型的な着用者の陰唇領域の長さ、又は着用者の脚と股との間の交差部分の長さとおおよそ同一又はより大きい長さを有してもよく、実用的であると思われる。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約50mm超に沿って延びてもよい。
【0021】
房領域の側部境界線80の間の距離100は、平行横断方向軸TPにおいて約10mmの最小値であってもよい。距離100は、約120mmの最大値であってもよい。
【0022】
房70は、流体獲得を補助し、着用者の身体とトップシート30との間に幾分かの分離を提供し、改良された再湿潤特性を提供することもできる。房70を房領域の側部境界線80の間(即ち、外側方向の内向き)の位置、即ちトップシート30の長手方向中心線Lに向かったトップシートの部分内の位置に有することによって、着用者の陰唇及び膣に隣接するという特徴を提供することができ、そのような特徴は、流体獲得及び保持が最大の関心事でなくともよい側部縁に向かった外側よりも、最も有意義な利益を提供する可能性がある。即ち、房領域の側部境界線80と長手方向中心線との間のトップシート30の部分は、房70を含んでもよい。房70は、房70の繊維が房の基部に集まることによって、高い吸引力を有する小さい毛細管を形成して流体の流れを促進するため、改良された流体獲得を提供することができる。房70のループ状繊維110は、圧縮に抵抗する繊維110のアーチとして構造的に作用して、着用者の身体とトップシート30との間の分離を提供することができ、また繊維のアーチは、圧縮による再湿潤を低減させることができる。房は、複数個の隆起した繊維のループ又は繊維のパイルであってもよく、このループ又はパイルは、そこからループ又はパイルが延びるウェブと一体的で、ウェブの面外にある。
【0023】
繊維状不織布ウェブ60及び房70を含むトップシート30の一部分を、図3に示す。繊維状不織布ウェブ60は、第1の表面12及び第2の表面14と、不織布ウェブの分野で通常知られているように、縦方向MD及び機械横方向CDと、面外Z方向とを有する。第1の表面12は、トップシート30の身体対面表面120であってもよい。繊維状不織布ウェブ60は、実質的に無作為に配向された、少なくともMD及びCDに関して無作為に配向された繊維を含んでもよい。実質的に無作為に配向された、は、プロセス条件により、CDよりもMDに又はその逆に、より多くの繊維が配向されてもよいことを意味する。例えば、スパンボンド及びメルトブローンプロセスにおいては、繊維の連続的なストランドが、MDに移動する支持材上に堆積される。スパンボンド又はメルトブローン不織布ウェブの繊維の配向を「無作為化」するように試みても、通常は高い割合の繊維が、CDではなくMDに配向される。
【0024】
繊維状不織布ウェブ60は、本明細書に記載するトップシート30を形成するのに十分な伸長特性を有する繊維を含む任意の公知の不織布ウェブであってもよい。繊維状不織布ウェブ60は複数個の房70を含んでもよく、房70は、繊維状不織布ウェブ60と一体的で、かつ繊維状不織布ウェブ60から延びる繊維110を含む。房70を形成している複数個の繊維110は、ループ状繊維110であってもよい。不連続16は繊維状不織布ウェブの第2の表面14に関連してもよく、この不連続16は、繊維状不織布ウェブ60の繊維110を一体的に伸長して房70を形成する際に生じる。
【0025】
房70は、繊維状不織布ウェブ60にて開始及び終結するループ状繊維110を含んでもよい。ループ状繊維110は、一般に、単一の房70内でMD及びCD方向に互いに整合されてもよい。房70は、トンネル形状の房70を形成する複数個のループ状整合繊維110を含んでもよい。トンネル形状の房70は、開放したトンネル形状の房70であってもよく、房70の内部が開放し又は概ね開放し、例えば、房70を通して開放し又は概ね開放していてもよい開放内部空所79を有するように構成されている。トンネル形状の房70は、房の内部が繊維110を含むトンネル形状の房70であってもよい。トンネル形状の房70は、吸収性コア20等の、吸収性物品5のより深い構造へ流体源から流体を輸送する導管として機能することができる。トンネル形状の房70は、房領域の側部境界線80の間のトップシートの部分上に存在して流体を収集し、また房領域の側部境界線80を越えて外側のトップシートの部分上に存在してトップシート30から流出し得る流体を捕捉するバックアップ構造を提供することが望ましい可能性がある。
【0026】
繊維状不織布ウェブという用語は、相互配置された個々の繊維又は糸からなる構造を有するが、無作為に配向された繊維を有さない織布又は編布で見られるような反復パターンのものではないウェブを指す。不織布ウェブ又は布地は、例えば、メルトブローイングプロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡プロセス、スパンレーシングプロセス、エアレイイング、及びボンデッドカーデッドウェブプロセス(bonded carded web process)のような、多数のプロセスにより形成されてきた。不織布の坪量は、1平方メートル当たりのグラム(gsm)で通常表わされ、繊維直径はマイクロメートルで通常表わされる。繊維径はデニールで表すこともできる。繊維状不織布ウェブ60の坪量は、10gsm〜500gsmの範囲であってもよい。繊維状不織布ウェブ60の構成成分繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びそれらの混合物のようなポリマーからなり得る。繊維110は、セルロース、レーヨン、綿若しくは他の天然材料、又はポリマー及び天然材料のブレンドを含み得る。繊維110はまた、ポリアクリレート等の超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。繊維110は、1成分、2成分及び/又は2構成成分、丸形又は非丸形繊維(例えば、成形繊維又は毛細管溝繊維)であってもよく、0.1〜500マイクロメートルの範囲の主な断面寸法(例えば、丸形繊維の場合、直径)を有することができる。例えば、繊維状不織布ウェブ60に適した繊維110の一種は、ナノ繊維を含む。前駆体ウェブの構成成分繊維はまた、化学的構造、成分、直径、形状等の特徴が異なる異種の繊維との混合物であってもよい。
【0027】
繊維状不織布ウェブ60は、房70を形成する部分を有するように、十分な伸長特性を有する繊維を備えていてもよい。房は、繊維状不織布ウェブ60の別個の、局部的部分で、Z方向の面外に繊維110を駆り立てることにより形成される。面外に駆り立てることは、繊維変位のためであり得、即ち繊維を他の繊維に対して移動させ、いわば面外に「引っ張られる」ことができる。いくつかの繊維状不織布ウェブ60の場合、面外に駆り立てることは、房70の繊維110が少なくとも部分的に可塑的に伸張され、永久に変形されて房70を形成するためである。繊維状不織布ウェブ60の構成成分繊維110は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、及び又は少なくとも約100%の破断伸び(elongation to break)を有することができる。破断伸びは、インストロン引張り試験装置の使用によるような引張り試験により定義でき、そのような繊維又はウェブの供給元からの材料データシート上で一般に見出すことができる。繊維状不織布ウェブ60の繊維110は、十分な塑性変形及び引張伸長をすることが可能な繊維を含むことができ、又はループ状繊維110が形成されるような十分な繊維移動性が可能である。
【0028】
一体的という用語は、繊維状不織布ウェブ60から発している房70の繊維110を指す。房70のループ状繊維110は、可塑的に変形され、かつ引き伸ばされた繊維状不織布ウェブ60の繊維110であってもよい。一体的は、房を作製するために別個の前駆体ウェブに導入又は追加される繊維とは区別されるべきである。房70内の繊維110の平均繊維径は、形成プロセスの結果としてそこから房70が延びる繊維状不織布ウェブ60のランド領域部分1内の繊維110の平均繊維径よりも小さくてもよい。面外に駆り立てられて房70を形成した繊維110のいくつかは、ループを形成していなくてもよいが、図4に示すように、切断され、自由な又は切断した繊維18の末端部を有してもよい。
【0029】
房70は、繊維状不織布の第1の表面12から房70の頂点まで測定される房高さHを有してもよい。房70の平均の高さは、1平方センチメートルの面積内に位置する房に基づき決定されてもよい。
【0030】
房70は、房基部72を有してもよい。房基部は、繊維状不織布ウェブ60の第1の表面12に隣接する房70の部分である。複数個のループ状繊維110は、房基部72にて一点に集まっていてもよい。図5に、房70の一実施形態の走査型電子顕微鏡写真を示す。房70は、房70の基部にて小さい毛細管が高い吸引力を生じ得ることを考えれば、流体コレクターとして機能して流体を吸収性コア20内により深く輸送することができる。
【0031】
房高さHは、約0.25mmより大きくてもよい。房高さHは、約0.5mmより大きくてもよい。房高さHは、0.25mm〜2mmであってもよい。MD−CD平面上に突出する房の最大寸法は、少なくとも約0.4mmであってもよい。
【0032】
房70を含むトップシート30の部分は、房面密度を有してもよい。房面密度は、単位面積当たりの房の数である。房面密度は、1房/平方センチメートル〜100房/平方センチメートルの範囲であってもよい。房面密度は、少なくとも5房/平方センチメートルであってもよい。房面密度は、1平方センチメートル面積内の房の数を計数することにより決定され得る。より大きい房面密度は、改良された柔軟性、改良されたしみ遮蔽、及び/又は改良された圧縮抵抗を提供することができる。
【0033】
房領域の側部境界線80は、水に対する親和性が異なるトップシート30の部分の間に存在してもよい。水に対する親和性は、繊維状不織布ウェブ60内の繊維110に対する水の接触角として定量化することができる。繊維110の水に関する親和性は、繊維110に対する水の接触角が減少するにつれて増大する。繊維110の水に対する親和性は、水により大きい又はより小さい親和性を有することが所望される繊維状不織布ウェブ60の部分に、界面活性剤(親水性又は疎水性)又はローション(親水性又は疎水性)を適用することにより操作されてもよい。繊維110の水に対する親和性はまた、水に特定の親和性を有することが所望される繊維状不織布ウェブ60の部分に、概ね疎水性物質を適用することにより操作されてもよい。繊維110は、繊維110自体が親水性であり、又はある方法で親水性とされた場合に、親水性とみなすことができる。材料が90°未満の水との静的接触角を有するか、又は90°未満の水との静的接触角を有するようにされた場合に、その材料を親水性とみなすことができる。房領域の側部境界線80のそれぞれは、疎水性ローションを含むトップシート30の部分と長手方向中心線Lとの間にあってもよい。そのような配置では、ローションは、吸収性物品5の改良された着用時の心地よさを提供し得る。房領域の側部境界線80の間の繊維状不織布ウェブ60の部分を界面活性剤で処理して、流体獲得を補助してもよい。それにより、房領域の側部境界線80は、吸収性物品が有し得る追加の流体容量がどれくらいかに関する着用者に対する視覚的な手がかりとして機能することができ、界面活性剤は、流体がトップシートの中央部分34から、より吸収性物品の側部縁32の方向に位置するトップシート30の部分に向かって拡大することを防止することを補助し得る。
トップシート30の実際的な一実施形態は、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分が、房領域の側部境界線80の外側のトップシート30の部分と比較して、比較的親水性であるトップシート30であってもよい。房領域の側部境界線80の外側のトップシート30の部分は、房70を含んでもよい。そのような房70は、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分と比較して比較的疎水性であってもよい(又は親水性が低くてもよい)。この配置は、流体を急速に獲得できるトップシート30の中央部分34を提供することができ、房領域の側部境界線80を越えるトップシート30の部分は、トップシート30の身体対面表面120からの流出に対するバリアとして機能することができる。
【0034】
トップシート30は、図6に示すように、繊維状不織布ウェブ60とポリマーフィルム130とからなる積層体125を含んでもよい。房70は、ポリマーフィルム130を通して延びていてもよい。積層体125は少なくとも2つの層を含む。層は、略平面状の二次元ウェブであり、その長さ及び幅は、個々のウェブの厚さよりも実質的に大きい。繊維状不織布ウェブ60とポリマーフィルム130とは接着剤、熱接着、超音波接着等により結合され、又はポリマーフィルム130の第1の表面12を通して、及び又は第1の表面12の上方に出現する繊維状不織布ウェブ60からの房70の機械的係合により結合されてもよい。
【0035】
積層体トップシートは、このような配置によって、それぞれ異なる利益又は機能を提供できる2種の異なる材料を有するトップシート30の身体対面表面120を着用者の身体に提示できるため、望ましい場合がある。
【0036】
積層体125は第1の表面12及び第2の表面14を有し、第1の表面12及び第2の表面14は積層体の側面を形成している。積層体の各層は、第1の表面12及び第2の表面14を有することができる。したがって、積層体125は、ポリマーフィルム130の第2の表面14が繊維状不織布ウェブ60の第1の表面12に面するように配置されていると記載することができる。繊維状不織布ウェブ60の第2の表面12は、吸収性コア20に面していてもよく、吸収性コア20と流体連通していてもよい。
【0037】
積層体125は、ポリマーフィルム130の第1の表面12の露出部分と、繊維状不織布ウェブ60の繊維110の一体的な伸長部である複数個の房70とを有することができる。房70は、ポリマーフィルム130を有さない繊維状不織布ウェブ60上に配置された房70に関して上述した房70と同一の物理的構造を有してもよい。
【0038】
ポリマーフィルム130は、吸収性物品5のトップシートとして使用するのに適した任意のポリマーフィルムであってもよい。ポリマーフィルム130は、本明細書に記載するプロセスによって本明細書に記載する積層体125を形成するのに十分な一体性を有し得る。ポリマーフィルム130は、繊維状不織布ウェブ60に対して十分低い伸長特性を有し得るため、ポリマーフィルム130の方向において面外に駆り立てられている繊維状不織布ウェブ60から繊維10のひずみを受けるとポリマーフィルム130は破壊され、それにより繊維状不織布ウェブ60から繊維110がポリマーフィルム130を通して延びて、房70を形成することができる。
【0039】
ポリマーフィルム130は、図7に示すように、ポリマーフィルム130のキャップ331が房70の遠位部分(例えば、房70の頂部)上に残留し、破裂位置253が存在するよう破壊されてもよく、破裂位置は、ポリマーフィルムの第1の表面12と繊維状不織布ウェブ60との間の流体連通の経路を提供する。
【0040】
キャップ331は、ポリマーフィルム130の一体的な伸長部であってもよい。キャップ331は、可塑的に変形された、引き伸ばされたポリマーフィルム130の基材であってもよく、ポリマーフィルム130と一体的である。キャップ331に関連して、一体的とは、ポリマーフィルム130から発していることを意味し、キャップの作製のために別個の前駆体ウェブに導入又は追加される基材とは区別されるべきである。
【0041】
ポリマーフィルム130は、微細構造化(microtextured)ポリマーフィルムであってもよい。微細構造化とは、前駆体ウェブ内の房70の間に複数個の微細構造(microfeature)が存在し、そのような微細構造が、複数個の微細構造が隣接する房70の間にフィットする大きさ及び寸法を有することを意味する。即ち、微細構造は、微細構造が隣接する房70の間の距離の1/2より小さい最大寸法を有し得る大きさ及び寸法である。微細構造は、例えば微細孔又は微細気泡であってもよく、それらの例は、Stone et al.に発行された米国特許第7,402,732号及びCurro et al.に発行された米国特許第4,839,216号、Curro et al.に発行された米国特許第4,609,518号、及びCurro et al.に発行された米国特許第4,609,518号に開示されている。ポリマーフィルム130は、孔あきポリマーフィルム130であってもよく、その孔はそれぞれ約0.01mm2〜約0.78mm2の面積を有する。微細構造は、隆起部分であってもよい。隆起部分は、ポリマーフィルム130の一体的な伸長部であってもよく、又はポリマーフィルム130の表面に加えられた材料であってもよい。
【0042】
キャップ331は、ポリマーフィルム130の一体的な伸長部である。房70のそれぞれの遠位部分231の少なくとも一部は、キャップ331により覆われていてもよい。図7〜10に示すように、キャップ331は、第1の開口部251及び第2の開口部252を有するトンネル形状のキャップ331であってもよい。第1の開口部251は、ポリマーフィルム130内の破裂位置253を含み、房70は破裂位置253の上方に延びる。キャップ331は、破裂位置253に隣接したポリマーフィルム130から一体的に延びる。破裂位置253は、点又は線であってもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130を少なくとも1つの破裂位置253にて裂いて、ポリマーフィルム130の第1の表面12の平面から外部へポリマーフィルム130を伸長して、第1の開口部251、又は第1の開口部251及び第2の開口部252等の開口部を形成することにより形成される。破裂位置253は、開口部4の境界線の少なくとも一部を画定することができる。開口部4の残りは、1つ以上の追加の破裂位置、又はキャップ331が第2のポリマーフィルム130から一体的に延びるポリマーフィルム130の位置に隣接したキャップ331の部分により画定されてもよい。ポリマーフィルム130は、破裂位置253の不在下で流体不浸透性であってもよい。
【0043】
第1の開口部251は、第1の開口部251がポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して最も広く、一般に、房70の遠位部分231を覆うキャップの部分に向かって狭くなるアーチ形であってもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接してキャップ基部271を有してもよい。キャップ基部271は、キャップ基部271から離れたキャップ331の部分よりも狭くてもよい。第1の開口部251は大文字のオメガ形(W)であってもよく、例えば第1の開口部251は、房70の房基部72と遠位部分231との中途位置よりもポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して狭くなっている。同様に、第2の開口部252が存在する場合、第2の開口部252は、第2の開口部252がポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して最も広く、一般に房70の遠位部分231を覆うキャップ331の部分に向かって狭くなるアーチ形であってもよい。第2の開口部252は、大文字のオメガ形(W)であってもよく、例えば第2の開口部252は、房70の房基部72と遠位部分231との中途位置よりもポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して狭くなっている。第2の開口部252は、房70が第2の開口部252と第1の開口部251との間に存在するように、第1の開口部251と対向していてもよい。第1の開口部251、第2の開口部252、及び任意の追加の開口部は、積層体125を流体透過性とすることができる。
【0044】
第1の開口部251及び第2の開口部252が存在する場合、キャップ331は、第1の開口部251及び第2の開口部252により互いに離間された少なくとも2つの延長位置254において、ポリマーフィルム130から一体的に延びてもよい。少なくとも2つの伸長位置254は、房70の両側の対向する位置にあってもよい。キャップ331は、少なくとも2つの延長位置254においてポリマーフィルム130から一体的に延びてもよく、各延長位置254は破裂位置253に隣接する。第1の開口部251及び第2の開口部252に加えて、追加の開口部が存在してもよい。例えば、3つ以上の開口部(例えば、第1の開口部251、第2の開口部252、及び第3の開口部)が存在する場合、キャップ331は、開口部(例えば、第1の開口部251、第2の開口部252、及び第3の開口部)により互いに離間された少なくとも3つの伸長位置254において、ポリマーフィルム130から延びてもよい。
【0045】
図10に示すように、キャップ331は、キャップ長161及びキャップ幅162を有することができる。キャップ331のキャップ長161は、第1の開口部251と第2の開口部末端252との間と考えられる。キャップ331は、キャップ331のキャップ長161に直交して測定して、キャップ331の最大寸法と考えられるキャップ幅162も有し得る。キャップ331の平面縦横比は、キャップ331のキャップ長161とキャップ幅162との比と定義することができる。キャップ331の縦横比は、約0.5より大きくてもよい。キャップ331の縦横比は、約1より大きくてもよい。キャップ331の縦横比は、約1.5より大きくてもよい。キャップ331の縦横比は、約2より大きくてもよい。一般に、より大きい縦横比を有するキャップ331は、積層体125の観察者に対してより目立つ可能性があり、また房70の長軸Laに直交する方向のウェブ1の表面に沿った流体の流れに対して、より高い抵抗を有する可能性があり得ると思われる。
【0046】
積層体125内のキャップ331は、積層体125により収集され、房70を形成している繊維110の間の毛細管内に残留する流体を遮蔽又は部分的に遮蔽すると思われる。ティッシュ、生理用ナプキン、タンポン、又はおむつ等の吸収性物品内に使用されるそのような積層体ウェブは、房70を形成している繊維110の間の毛細管内に保持された、ともすれば見苦しい尿、月経分泌物、糞便、又は他の液体が、見る人から覆い隠され又は部分的に覆い隠される点で使用者(又は介護人)にアピールする可能性がある。キャップ331が不在の生理用ナプキン等の吸収性物品では、房70は、本質的に、生理用ナプキンの使用者に魅力のない場合がある月経分泌物の色を有し得る。キャップ331は月経分泌物が保持されている房を覆い又は部分的に覆い、積層体125を薄まった赤色で現すことができ、積層体125がその未使用の色(例えば、流体で汚される前の)を維持することさえも可能にし得る。
【0047】
ポリマーフィルム130と、ポリマーフィルム130から延びるキャップ331とが、二酸化チタン等の漂白剤を含むポリマーフィルムである場合、キャップ331は房70の毛細管内に保持された材料を、より効果的に視界から覆い隠すことができる。そのようなキャップ331は、知覚される白色をより良好に維持することができ、この白色は多数の消費者が清潔さと関連付ける。
【0048】
キャップ331は、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、又は約90%超の不透明度を有してもよい。キャップ331は、不透明であってもよい。ポリマーフィルム130は、不透明性を有してもよい。キャップ331の不透明度は、例えば、ポリマーフィルムを伸長してキャップ331を形成した結果として、そこからキャップ331が延びるポリマーフィルム130の不透明度よりも低い可能性がある。キャップ331は、第2の前駆体ウェブの不透明度の約80%〜約95%である不透明度を有してもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約50%〜約95%である不透明度を有してもよい。キャップは、ポリマーフィルム130の不透明度の約35%〜約95%である不透明度を有してもよい。キャップ331の不透明度が増大するほど、房70の毛細管内に保持された液体の覆い隠しにおいてキャップ331がより効果的となり得る。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約90%未満の不透明度を有してもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約75%未満の不透明度を有してもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約50%未満の不透明度を有してもよい。
【0049】
本明細書で使用するとき、「不透明度」という用語は、観測が行われる点に対して基材の後ろに配置された対象物を隠す又は視界から覆い隠す基材の能力を測る基材又は印刷基材の特性を指す。不透明度は、0.5%の反射率を有する黒色体によって支持された基材の拡散反射率と、89%の絶対反射率を有する白色体で支持された同じ基材の拡散反射率とのパーセントでの比として報告できる。不透明度は、ASTM D 589−97、紙の不透明度の標準試験方法(15°/拡散光源A、89%反射率支持及び紙支持)に記載されるように測定できる。
【0050】
不透明度の高い基材の場合、基材を通過する光があったとしても多くない。不透明度の低い基材の場合、基材を通過する光がほぼ全てではないが、かなり多い。不透明度は、0〜100%の範囲であることができる。本明細書で使用するとき、「不透明度の低い」という用語は、50%未満の不透明度を有する基材又は印刷基材を指す。本明細書で使用するとき、「不透明度の高い」という用語は、50%以上の不透明度を有する基材又は印刷基材を指す。本明細書で使用するとき、「不透明」という用語は、50%以上の不透明度を有する基材又は印刷基材を指す。
【0051】
ポリマーフィルム130はポリマーフィルム厚tを有してもよく、キャップ331はキャップ厚tcを有してもよい。キャップ331はポリマーフィルム130の一体的な伸長部であり、ポリマーフィルム130の第1の表面12の面外に駆り立ててポリマーフィルム130を伸長することにより形成されるため、キャップ331の一部分のキャップ厚tcはポリマーフィルム厚tよりも小さい場合がある。即ち、キャップ331を形成するために引き伸ばされたポリマーフィルムは、そこからキャップ331が延びるポリマーフィルムの平面部分と比較して、キャップ331の少なくともいくつかの部分において薄くなっている。キャップ厚tcは、第1の開口部251及び/又は第2の開口部252全体の周りにて均一ではない可能性がある。キャップ331の遠位部分のキャップ厚tcは、ポリマーフィルム厚tと同一か又はポリマーフィルム厚tよりも小さい可能性がある。キャップ331の遠位部分のキャップ厚tcは、ポリマーフィルム厚tと同一か又はポリマーフィルム厚tよりも小さい可能性があり、キャップ331の遠位部分とポリマーフィルム130との間のキャップ331の部分のキャップ厚tcは、ポリマーフィルム厚tよりも小さい可能性がある。キャップ331の薄化により、柔軟な手触り(hand)を有するキャップ331が提供され得る。更に、キャップ331は薄い場合があり、容易に変形され得るため、キャップ331の下にある房70の特性が、キャップ331を有する房70が付与する触感を支配する可能性がある。したがって、房70の特性は、積層体125が付与する触覚の印象に重要であり得る。
【0052】
繊維状不織布ウェブ60から出現する房70は、キャップ基部271が房70(及び/又は第2の房)上を絞り得るため、ポリマーフィルム130と機械的に係合し得る。このことは、ポリマーフィルム130を引き戻すことにより、房70を束縛する傾向があり得るキャップ基部271が所定の量だけ回復することを示している。互いに密に離間された複数個の房70が存在し得るため、房70は、ポリマーフィルム130を実質的に覆うことができる。そのような配置は、フィルムをトップシート30のいくつかの部分内で身体対面表面120として提示し、不織布をトップシート30の他の部分内で身体対面表面120として提示する複合トップシート30を提供することができる。
【0053】
繊維状不織布ウェブ60は、ポリマーフィルム130と比較して比較的親水性である場合がある。即ち、繊維状不織布ウェブは、ポリマーフィルム130の水に対する接触角よりも小さい、水に対する接触角を有し得る。流体との相互作用特性における基材の差異は、材料の選択及び/又は材料自体への化学処理の適用からなるプロセスの一部として制御することができる。比較的親水性の繊維状不織布ウェブ60は、流体を吸収性物品5中に引き込むよう作用し得る。比較的疎水性のポリマーフィルム130により、着用者は吸収性物品を乾燥していると感じることができる。
【0054】
図11に、繊維状不織布ウェブ60とポリマーフィルム130との積層体125を有するトップシート30を含む吸収性物品5の切除図を示す。ポリマーフィルムは、ALWAYS(登録商標)Ultra Thin生理用ナプキンに使用されているDRIWEAVE(登録商標)として公知の孔あきフィルム、並びにRadel et al.に発行された米国特許第4,342,314号、Ahr et al.に発行された米国特許第4,463,045号、Stone et al.に発行された米国特許第7,402,723号、及びCurro et al.に発行された米国特許第4,629,643号に記載されているポリマーフィルムであってもよい。
【0055】
図11に示すように、房領域の側部境界線80が、平行横断方向軸TPにおける最大値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最小値へ徐々に減少する距離110により互いに離間されている実施形態も、実用的であり得る。距離100は長手方向中心線Lに沿った位置の関数として徐々に減少するため、房領域の側部境界線80の部分が直線状又は曲線状である。房領域の側部境界線80の末端部は、必ずしも、その末端部を越えるとトップシート30が房を全く有さない自由末端部というわけではない。例えば、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を含んでもよく、また房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分で包囲されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分により包囲された複数個の房70を含む島であってもよい。そのような配置は、着用者の陰唇領域に、柔軟でしなやかな房70からの心地よさを提供することができる。
【0056】
平行横断方向軸TPにおける最大値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最小値へ徐々に減少する距離100により互いに離間された房領域の側部境界線80は、多数の利益を提供する可能性がある。例えば、女性の股の陰唇領域は、一般に女性の前方及び後方に向かって幾分狭くなり、陰唇の前方部分と陰唇の後方部分との間がより広い形状を有し得る。したがって、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、女性の陰唇領域と同一の平面形状を有するように構成され得る。そのような範囲には、柔軟で、流体の捕捉を助け得る房70を提供し得る。代替的に、房70は、房領域の側部境界線80と吸収性物品の側部縁32との間に提供されて、流体がトップシート30の表面から外側へ流れることに抵抗し得る。更に、着用者の身体からの分泌物による吸収性物品5上のしみパターンは、幾分楕円形であり得、その楕円形の長軸は、着用者の前方から後方にかけての着用者の股と整合する。したがって、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、平行横断方向軸TPにて最も広く、房領域の側部境界線80の間の領域の長手方向に対向する末端部に向かってテーパ付けされた形状を有するように構成されてもよい。房領域の側部境界線80に関連したしみの位置は、着用者が吸収性物品5を交換する必要があるか否かの視覚的な手がかりを提供することができる。
【0057】
トップシート30は、繊維状不織布ウェブ60と第2の不織布ウェブとからなる積層体125を含んでもよく、第2の不織布ウェブは、図6に示したポリマーフィルム130を代替している。房70は、第2の不織布ウェブを通して延びていてもよい。積層体125は少なくとも2つの層を含む。層は、略平面状の二次元ウェブであり、その長さ及び幅は、個々のウェブの厚さよりも実質的に大きい。繊維状不織布ウェブ60と第2の不織布ウェブとは接着剤、熱接着、超音波接着等により結合され、又は第2の不織布ウェブを通して出現する繊維状不織布ウェブ60からの房70の機械的係合により結合されてもよい。繊維状不織布ウェブ60は第2の不織布と比較して比較的親水性であり、流体を吸収性物品5内により深く引き込むことを補助することができる。
【0058】
房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81は、必ずしもそれを越えるとトップシート30が房70を有さない自由末端部というわけではない。図12に示すように、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さなくてもよく、また房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を含むトップシート30の部分で包囲されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70の海により包囲された房70を有さない島であってもよい。そのような配置では、房70の面外構造は、流体がトップシート30から流出する可能性を低減し、また着用者の陰唇と接触するトップシート30の最中心部から離れたトップシート30の範囲内で着用者に心地よさを提供するよう使用することができる。
【0059】
房領域の末端部境界線82は、長手方向中心線Lの両側にある房領域の側部境界線80を接続し得る。房領域の末端部境界線82は、房70を有さないトップシートの部分から複数個の房70を分離する線又は線の一部により画定されてもよい。
【0060】
房領域の側部境界線80は、複数個の房70を含むトップシート30の部分と、房70を有さないトップシートの部分との間の境界線の、房領域の側部境界線80の間の距離が、平行横断方向軸TPにおける最小値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する部分のみであってもよい。したがって、図12において、房領域の末端部境界線82は、房領域の側部境界線80の一部ではないと考慮することができ、これは、もしも房領域の末端部境界線82の一部がそのようなものとして考慮された場合、房領域の側部境界線80の間の距離が、平行横断方向軸TPにおける最小値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する距離により互いから離間されないためである。
【0061】
房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81は、必ずしもそれを越えるとトップシート30が複数個の房70を含む自由末端部というわけではない。例えば、図13に示すように、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を含んでもよく、また房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分で包囲されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分により包囲された複数個の房70を含む島であってもよい。そのような配置では、房70の面外構造を使用して、着用者の陰唇と接触し得るトップシート30の部分上に心地よい表面触感を提供することができる。
【0062】
吸収性物品5のトップシート30は、多くの場合白色であり、使用前又は使用中に吸収性物品5の清潔さを示唆する。トップシート30として使用される繊維状不織布ウェブ60が白色の場合、不織布ウェブ上の房70は、使用者が視覚的に識別することが困難であり得る。房70を含むトップシート30の部分に色を提供することにより、房70を有さないトップシート30の部分に対して着用者がその部分を識別することが容易となり得る。房70の海により包囲された島である房70を有さないトップシート30の部分を備えた実施形態では、房70を含むトップシート30の部分と、房70を有さないトップシート30の部分との間に色の差異を提供することによって、使用した吸収性物品5を新しい吸収性物品5と交換する必要があるか否かをより容易に評価するための視覚的な手がかり及び境界線を着用者に提供することができる。色は、レーザー印刷、インクジェット印刷、輪転グラビア印刷、又は他の好適な印刷技術を用いて、房70上に印刷することにより提供されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、図14に示すように、複数個の房70は第1の色157を有し、房70を有さないトップシート30の部分は第2の色151を有する。第1の色157は、第2の色151と異なることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約3.5を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約1.1を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約6を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、少なくとも1.1であることができる。
【0064】
色差は、CIE LABの尺度を用いて特徴付けることができ、Hunter Labscan XE 45/0幾何学的反射分光光度計(geometry reflectance spectrophotometer)を使用して測定された。 システムの技術的説明は、R.S.Hunterによる記事「photoelectric color difference Meter」,Journal of the Optical Society of America,Vol.48,pp.985〜95,1958に見出すことができる。Hunterスケールで色を測定するために特別に設計された装置が、米国特許第3,003,388号(Hunter et al.、1961年10月10日発行)に記載されている
色は、人の目に知覚される全ての色を数値コードに変換した、国際的に認められた3D色実線図により測定することができるCIE LABシステムはHunterのL、a、及びbと類似しており、3つの寸法、具体的にはL*、a*、及びb*に基づく。
【0065】
このシステムに従って色を規定した場合、L*は明るさを表し(0=黒色、100=白色)、a*及びb*は独立にそれぞれ2つの色軸を表し、a*は赤色/緑色軸(+a=赤色、−a=緑色)を表し、b*は黄色/青色軸(+b=黄色、−b=青色)を表す。
【0066】
色は、特有のΔE値(即ち、何らかの基準又は参照との色差)によって識別され得、次の等式により数学的に表わされる。
【0067】
ΔE*=[(L*X.−L*Y)2+(a*X.−a*Y)2+(b*X−b*Y)2]1/2
「X」は、標準又は基準サンプルを表し、「Y」は、変形である。
【0068】
Hunter色彩計は、3つの値(L*、a*、b*及び、合計色であるΔE*)を提示する。L*値は、標的とするサンプルから反射されて検出器に当たる反射(ソース)光の百分率である。光沢白色サンプルは、100の近傍のL*値を与えるであろう。無光沢黒色サンプルは、約0のL*値を与えるであろう。a*及びb*値は、サンプルの分光情報を含む。プラスのa*値は、サンプル中に含まれる緑の量を示す。
【0069】
ポートの直径は、色の測定が行われる面積に基づいて選択され、ポートのサイズは、色の測定が行われる面積より小さい面積の観察ができる利用可能な最大のポートのサイズである。直径5.1mm(0.2インチ)のポートを使用することができる。12.7mm(0.5インチ)の面積の観察ができる直径17.8mm(0.7インチ)のポートを使用することができる。計器の使用前に、計器の製造業者が提供した基準白黒タイルを用いて計器の検量を行う。
【0070】
工業界で認められている標準的な手順を使用して、L*、a*、及びb*値を測定する。トップシートの部分の色は、ASTM E 1164−94の「Standard Practice for Obtaining Spectrophotometric Data for Object−Color Evaluation」に従った反射分光光度計を用いて測定する。この規格の方法に従うが、明確さのために、特定の計器設定及びサンプリング手順をここに記す。サンプルの色は、ASTM E 1164−94及びASTM D2264−93の6.2項に規定されているCIE1976色彩座標規格の値により報告され得る。これには3つの値が含まれ、L*はサンプルの「照度」を測定し、a*は赤色度又は緑色度を測定し、b*は黄色度又は青色度を測定する。
【0071】
装置
反射分光光度計.....45°/0°Hunter Labscan XE、又はこれと同等物
HunterLab Headquarters、11491 Sunset Hills Road,Reston VA 20190−5280、電話:703−471−6870 ファクス:703−471−4237、http://www.hunterlab.com。
規格プレート.......Hunter白色基準タイルソース:Hunter Color。
【0072】
設備の準備
1.分光光度計が以下の構成であることを確認する。
照明........C型
標準オブザーバ...2°
外形........45/0°測定角
ポート直径.....色彩測定を行う面積に基づいてポート直径を選択する
表示面積......色彩測定を行う面積に基づいて選択される
UVフィルター:標準
2.いかなる試験を開始する前に、製造業者の指示に従い、計器とともに供給された黒色及び白色の基準タイルを使用して、分光光度計を検量する。
【0073】
サンプルの調製
1.包装を取り外し、製品又は物品サンプルを開き、身体対面表面の色に接触せず、変更しないようにして、平らに寝かせる。
2.測定には、以下を含む製品表示面上のエリアを選択すべきである。
・表示面の参照領域。
・表示面の変形領域。
・表示面のうち、参照又は変形領域と異なる目視又は測定可能な色を有する他の任意の部分。2つのシェード部分の境界線を重ねた測定はすべきでない
【0074】
試験手順
1.計器製造業者の指示に従ってHunter色彩計を作動する。
2.吸収性物品は、計器の開口を覆うように平らに寝かせて測定すべきである。白色タイルをパッドの後ろに配置すべきである。
3.吸収性物品の長手方向を計器に対して垂直に配置すべきである。
4.少なくとも3つの反復試験サンプルについて、上記の選択された同じ区域を測定する。
【0075】
計算報告
1.報告された結果が真にCIE L*、a*、b*であることを確認する。
2.L*、a*、b*値を0.1単位で記録する。
3.測定した各区域の平均L*、a*、b*値を取る。
4.有色領域と背景との間のΔE*を計算する。
【0076】
図15に示すように、吸収性コアは、長手方向中心線Lから離間された一対のコア側部縁160を有してもよい。房領域の側部境界線80と吸収性コア20とは、房領域の側部境界線80のいずれも吸収性コア20のコア側部縁160を越えて延びない大きさ及び寸法に形成され得る。そのような構成は、着用者の吸収性物品5を取り替える時の視覚的な手がかりを着用者に提供することができる。例えば、着用者が着用者の吸収性物品5を調べ、着用者の身体からの分泌物によるしみ範囲が房領域の側部境界線80の一方若しくは両方に接近し、又は房領域の側部境界線80の境界の外側にある(即ち、流体がコア側部縁160の一方又は両方に向かって侵入し得る)かを見た場合、着用者は吸収性コア20がその設計された流体容量に接近し、着用者の吸収性物品5を取り替える時であり得ることを識別することができる。コア側部縁160の内側に房領域の側部境界線80を有することにより、流体が房領域の側部境界線80に接近し、又は越えたことに対する着用者の認識が遅れた場合の利益を着用者に提供するであろう。即ち、吸収性コアは、しみが房領域の側部境界線80の一方又は両方を越えて外側に進行した状況下で、幾分かの追加の貯蔵容量を有することができる。房領域の側部境界線80は、トップシート30の房付きでない部分内のしみと、房70を含む部分との外観の差異、又は、しみの不在下では、着用者に提示される表面触感の差異による外観の差異に基づき識別可能であり得る。
【0077】
繊維状不織布ウェブ60の房70は、多様な方法のいずれかを用いて形成することができる。房70の製造方法としては、針穿孔、クレーピング、水流交絡、上部に歯が配置された噛合ロール、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
房70を有する多様な不織布ウェブ60と、積層体ウェブを含むそれらのウェブの作製方法とは、Curro et al.に発行された米国特許第7,410,683号、Turner et al.による米国特許公開第2004/0131820号、Hoying et al.による米国特許公開第2007/0116926号、Turner et al.による米国特許公開第2006/0019056号、Curro et al.による米国特許公開第2005/0281976号、及びCurro et al.による米国特許公開第2006/0286343号に開示されている。
【0079】
図16を参照すると、繊維状不織布ウェブ60及び房70を含むトップシート30を作製する装置及び方法が示されている。装置1000は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛合ロール1020及び1040を具備し、これら軸Aは同一平面内で平行である。ロール1020は、ロール1020の円周全体にとぎれずに延出する複数個の隆起部1060と、対応する溝1080とを具備する。ロール1040はロール1020に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出する隆起部を有さず、ロール1040は、ロール1040の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯1100の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を具備する。ロール1040の歯1100の個々の列は、対応する溝1120により分離される。動作時には、ロール1020の隆起部1060がロール1040の溝1120の中まで延び、ロール1040の歯1100がロール1020の溝部1080の中まで延びてニップ1160を形成するように、ロール1020及び1040が噛み合う。ロール1020及び1040の両方又はいずれかは、ホットオイルを充填したローラー又は電気的に加熱されたローラーを使用する等の、当該技術分野において既知の手段により加熱され得る。歯1100は、房領域の側部境界線80の所望の形状と、房領域の側部境界線80に関連した房70の位置とに対応するようロール1040上に配置されてもよい。即ち、歯を有さないロール1040の部分は房を有さないトップシートの部分に対応し得、歯を有するロール1040の部分は房70を有するトップシートの部分に対応し得る。
【0080】
トップシート30は、繊維状不織布ウェブ60、又は繊維状不織布ウェブ60と第2のウェブ135とからなる積層体を機械的に変形することにより作製することができる。第2のウェブ135は、ポリマーフィルム130又は第2の不織布ウェブであり得る。ロール1040の歯1100は、前縁及び後縁に関連した特定の形状を有し、この前縁及び後縁は、歯が繊維状不織布ウェブ60、又は繊維状不織布ウェブ60と第2のウェブ135とからなる積層体を通して本質的に「穿孔」することを可能にする。2つの層からなる積層体125において、歯1100は、繊維状不織布ウェブ60から繊維を面外に駆り立て、同時に第2のウェブ135を通して駆り立てる。第2のウェブ135は、歯1100を押して繊維110に通すことにより、いわば穿刺されて、房70が形成される。
【0081】
トップシート30内に存在する繊維状不織布ウェブ60及び任意の他の層は供給ロールから提供され、逆回転噛合ロール1020及び1040のニップ1160に向かう方向に移動されてもよい。存在する繊維状不織布ウェブ60及び他の層は十分なウェブ張力にて保持されて、ウェブ取扱いの分野で公知の手段により概ね平らな状態でニップ1160内に導入されてもよい。繊維状不織布ウェブ60がニップ1160を通過するにつれ、ロール1020の溝1080と噛み合うロール1040の歯1100が、繊維状不織布ウェブ60の一部をウェブの面外に駆り立てて房70を形成する。積層体125のトップシート30が所望される場合、積層体125がニップ1160を通過するにつれ、ロール1020の溝1080と噛み合うロール1040の歯1110が、繊維状不織布ウェブ60の一部をウェブの面外に駆り立て、かつ第2のウェブ135を通して駆り立てて房70を形成する。実際には、歯1100は、第2のウェブ135を通して繊維状不織布ウェブ60の繊維を「押し」又は「穿孔する」。
【0082】
歯1100の先端が繊維状不織布ウェブ60を通して押すにつれて、歯1100を横切ってCDに優位に配向された繊維状不織布ウェブ60の繊維の部分が、歯1100によって繊維状不織布ウェブ60の面外に駆り立てられる。繊維を、繊維移動度により、又はZ方向に伸長及び/又は可塑的に変形することにより、面外に駆り立てできる。積層体125のトップシート30において、房70は、それにより積層体125の第1の表面12上に形成されることができる。
【0083】
前述の記載によって、トップシート30が積層体125である場合、繊維状不織布ウェブ60と第2のウェブ135とは、破損、例えば引張応力による破損前に、伸長する材料の能力に関して、異なる材料特性を所有する必要があることが理解され得る。特に、繊維状不織布ウェブ60は、より高い繊維移動度及び/又は第2のウェブ135と比較して、より大きな繊維伸長特性を有し得るので、追加の層が破裂する、即ち房70を形成するために必要な程度まで伸長しない一方で、その繊維が、房70を形成するために十分に移動又は伸長できる。
【0084】
繊維状不織布ウェブ60の繊維が、塑性変形なく面外に伸長できる程度は、前駆体ウェブの繊維間結合の程度に依存し得る。例えば、繊維状不織布ウェブの繊維が極めてただ緩く互いに絡み合っている場合、それらは互いに滑り、したがって房70を形成するために面外により容易に伸長できる。一方で、例えば高レベルの熱点結合、水流交絡不織、又はその同種により、より強く結合された不織布前駆体ウェブの繊維は、おそらく伸長された面外房内で、より高程度の塑性変形を必要とする。したがって、繊維状不織布ウェブ60の繊維が面外に伸張でき、一方第2の不織布ウェブが伸長できないように、繊維状不織布ウェブ60は、比較的低い繊維間結合を有する繊維状不織布ウェブであり得、第2の不織布ウェブは、存在する場合、比較的高い繊維間結合を有する不織布ウェブであり得る。
【0085】
積層体125から形成されているトップシート30において、第2のウェブ135は、課される引っ張りにより生成される張力負荷の下で実際に破損し得る。即ち、積層体125の第1の面12上に配置される房70に関しては、第2の不織布ウェブ又はポリマーフィルム130は、そのいずれが存在するとしても、十分に低い繊維移動度(存在する場合)及び/又は比較的低い破断伸びを有することにより、張力下で局所的に(即ち、引っ張りの範囲内で)破損して、その内部を房70が延びることができる開口部が形成される。一実施形態では、第2のウェブ135は、1%〜5%の範囲の破断伸びを有する。実際に求められる破断伸びは、トップシート30を形成するために誘発されるひずみによって決まるが、いくつかの実施形態では、第2のウェブ135は、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%以上のウェブの破断伸びを呈することがあると認識される。また、実際の破断伸びは、図16に示されている装置においては、ライン速度の関数であるひずみ速度によって決まり得ることが認識される。本発明で使用されるウェブの破断伸びは、Instron,MTS,Thwing−Albert等によって製造されているもの等のような標準的な引張試験器を用いる標準的な引張試験法等、当該技術分野において既知の手段によって測定することができる。
【0086】
繊維状不織布ウェブ60及び第2のウェブ135からなる積層体125であるトップシート30に関しては、第2のウェブ135は、繊維状不織布ウェブ60よりも小さい繊維移動度(存在する場合)及び/又は小さい破断伸び(即ち、個々の繊維の破断伸び、又はフィルムの場合、フィルムの破断伸び)を有して、房70の限度において面外に延びるのではなく、例えば装置1000の歯1100により、房70の形成により生成されるひずみによる張力下で破損する必要がある。一般に、第2のウェブ135は、繊維状不織布ウェブ60の破断伸びの少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、又は少なくとも約100%小さい破断伸びを有する必要があると思われるウェブの相対的な破断伸び値は、Instron,MTS,Thwing−Albert等によって製造されているもの等のような標準的な引張試験器を用いる標準的な引張試験法等、当該技術分野において既知の手段によって測定することができる。
【0087】
房70の数、空隙、及び寸法は、歯1100の数、空隙、及び寸法により、並びにロール1040及び/若しくはロール1020に必要な対応寸法を変えることにより変わり得る。更に、トップシート30上の房70のパターン、並びに房領域の側部境界線80の大きさ、形状及び位置は、ロール1040上の歯1100のパターンを変えることによって変えることができる。即ち、ロール1040の部分は、いずれの歯1100も有さない場合がある。ロール1020内において、ロール1020の部分が溝1080及び溝1060のいずれも有さない場合がある、同様の変更を行うことができる。
【0088】
噛合ロール1020及び1040、並びに隆起部1060及び歯1100の一部の断面が、図17に示されている。図示されるように、歯1100は、歯の高さTH(THは、その上隆起部高さに加えられ得ることに留意すること;一実施形態において、歯の高さ及び隆起部高さは、等しい)、並びにピッチPと示される歯間空隙部(若しくは隆起部間空隙部)を有する。図示されるように、嵌合部Eの深さは、ロール1020と1040との噛み合いレベルの測定値であり、隆起部1060の先端から歯1100の先端までを測定する。嵌合部Eの深さ、歯の高さTH、及びピッチPは、繊維状不織布ウェブ60、及び存在する場合第2のウェブ135と、トップシート30の所望の特性とに応じて変更されてもよい。例えば、一般に、嵌合部Eのレベルが大きくなるほど、繊維状不織布ウェブ60の繊維が所有するべき必要な伸長及び繊維間移動度特性が大きくなる。その上、所望の房密度が大きくなるほど、ピッチは小さくなるべきであり、歯の長さTL及び歯の距離TDは、下記のように、小さくなるべきである。
【0089】
図18は、約60gsm〜100gsmの坪量とポリマーフィルム130(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン)とを有する繊維状不織布ウェブ60からトップシート30を作製するのに有用な、複数個の歯1100を有するロール1040の一実施形態を示す。
【0090】
歯1100の拡大図が、図19に示される。このロール1040の実施形態では、歯1100は、約1.25mmの歯の先端1110で前縁LEから後縁TEまで一般に測定される均一周辺長さ寸法TLを有することができ、約1.5mmの距離TDにより周囲方向に互いから均等に離間される約60〜約100gsmの範囲の総坪量を有する繊維状不織布ウェブ60からトップシート30を作製するためには、ロール1040の歯1100は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL及び約0.5mm〜約3mmの空隙TDと、約0.5mm〜約5mmの範囲の歯の高さTHと、約1mm(0.040インチ)〜約5mm(0.200インチ)のピッチPとを有することができる。嵌合部Eの深さは、約0.5mm〜約5mm(最大歯の高さTHと等しくなるまで)であり得る。当然ながら、所望の大きさ、空隙、及び房面密度を実現するために、E、P、TH、TD、及びTLを、相互に独立して変えることができる。
【0091】
LE及びTEは、ロール1040の局部的周囲表面1200にほぼ直交すべきであると考えられている。同様に、先端1110及びLE又はTEからの遷移は、歯1100がLE及びTEで繊維状不織布ウェブ60、及び存在する場合第2のウェブ135に押し通されるような、十分に小さな曲率半径を有する直角のような、鋭角であるべきである。理論に束縛されるものではないが、歯1100の先端とLE及びTEとの間において比較的鋭く角度付けされた先端遷移を有することによって、歯1100が繊維状不織布ウェブ60又は積層体125をきれいに、即ち局部的にかつ画然と穿孔し、繊維状不織布ウェブ60の第1の面12又は積層体125の第1の面12が房70を含むことができると思われる。ライン速度は、繊維状不織布ウェブ60に適用されるひずみ速度に影響を与えるため、房70の特性は、ライン速度の関数として変更され得る。
【0092】
繊維状不織布ウェブ60は、最小限の繊維間結合が存在する不織布ウェブであってもよい。例えば、前駆体ウェブは、不連続な熱点結合のパターンを有する不織布ウェブであってもよい。房70の形成の間、最大の繊維移動度及び転位を許容するように、結合点の数を最小化し、空隙を最大化することが望ましい可能性がある。一般に、比較的大きな直径、及び/又は比較的高い破壊するまでの伸張、及び/又は比較的高い繊維移動度を有する繊維を使用することは、より優れた、より個別に形成される房70を生じことができる。
【0093】
図20は、本明細書に開示した積層体の走査型電子顕微鏡写真(SEM)の平面図である。図12に示すように、キャップ331は特定の房70の遠位部分231を覆っている。図12において、キャップ331は、房70の対向する側の少なくとも2つの伸長位置254から一体的に延び、第1の開口部251及び第2の開口部252により分離されている。上方から見た場合、特定の房の遠位部分231を覆うキャップ331は、房70を形成する繊維110からなる毛細管内に保持された月経分泌物等の流体を視界から覆い隠すことを補助し得る。図20にポリマーウェブの微細構造も示し、この微細構造は微細孔172である。
【0094】
図21は、本明細書に開示した積層体の輪郭のSEMである。図13に示すように、積層体ウェブに隣接したキャップ基部271は、キャップ基部271から離れたキャップ331の部分よりも狭い。図21のキャップ331は、略オメガ(Ω)形である。
【0095】
図22は、本明細書に開示した積層体の正面の輪郭のSEMである。図14に示すように、キャップ331は3つ以上の開口部を有し、それによりキャップは4つ以上の別個の位置にてポリマーフィルム130から延びることができる。
【0096】
トップシート又はカバーラップとして使用できる積層体は、本明細書に開示した装置を使用して製作することができる。不織布60に適した材料は、BBA Nonwovensから入手可能なBBA Bico,28gsm,GCAS 95001796,50/50 PE/PP,philic不織布であり得る。ポリマーフィルム130に適した材料は、Tredegar Corp.から獲得可能な100メッシュ前駆体ウェブであるTredegar X−33350(philic)であり得る。表1に列挙した2組のプロセスパラメータを使用して、本明細書に開示した積層体ウェブを形成することができる。歯1110は、距離TD1.524mm(0.060in)により互いに周囲方向に離間された均一な周囲方向長さ寸法TL3.0mm(0.120インチ)、ピッチP1.524mm(0.060in)、嵌合部Eの深さ2.896mm(0.114in)、歯の高さTL4.699mm(0.185in)、歯110及び溝108の先端の曲率半径0.127mm(0.005in)、並びに歯1110と溝1108との間の谷部内の曲率半径0.381mm(0.015in)を有してもよい。不織布の温度は、約25℃であってもよい。ポリマーフィルムの温度は、25℃より高くてもよい。25℃を超える、例えば約50℃のポリマーフィルムの温度を有することにより、許容できるキャップ331が形成され得る。一般に、加工される材料の弾性率、温度、ポリマーフィルムの微細構造、並びに装置の上流側及び下流側のウェブ張力は、結果として得られる積層体の構造に影響を与える因子であり得ると考えられる。
【表1】
【0097】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0098】
本明細書で引用される、相互参照付きの、又は関連する、特許及び出願を含むいずれの文献も、明白に排除されない限り、また別の方法で制限されない限り、本明細書にその全体が参照によって組み入れられる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本明細書中で開示又は特許請求の範囲に記載されるいずれかの発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0099】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【技術分野】
【0001】
房付きトップシートを有する吸収性物品。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、失禁製品、生理用品等の吸収性物品は広く使用されており、これらの物品の効果及び機能を改良する多大な努力が為されている。一般に、それらの物品は、流体透過性トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間の吸収性コアを有する。
【0003】
吸収性物品に使用されている従来のトップシートは典型的に、トップシートの流体獲得/保持性能と、トップシートの着用者の皮膚に対する心地よさとの間の妥協点を有する。着用された際に、吸収性物品の異なる部分が異なる利益を提供するように設計され得る。例えば、吸収性物品の中心部分は、高い流体獲得率を有するトップシートが望ましい場合がある。更に、吸収性物品の中心部分には、着用者の陰唇に対してべたべたくっつく感覚を感じないように、逆湿潤が限られているトップシートが望ましい場合がある。吸収性物品の中心部分以外の部分では、着用者が動いて、吸収性物品の周縁部分が着用者の身体に対して擦れるときに生じ得る擦過傷を低減するよう柔軟でしなやかな表面触感が望ましい場合がある。
【0004】
吸収性物品は一般に、着用された際、着用者の身体の三次元形状に一致する。女性の股領域内には、多様な曲線状の構造(features)が存在する。例えば、脚が股内にて人の体幹に連結する箇所には、脚と体幹との間に曲線状の境界線が存在する部分がある。女性の股の陰唇領域は、曲線状の境界線を有する領域により画定される傾向もある。女性の股領域内で着用されて、着用者の膣から放出される流体を捕捉するよう設計された生理用ナプキン等の吸収性物品に関しては、吸収性物品は女性のパンティーに取り付けられてもよく、この吸収性物品に取り付けられているフラップがパンティーの股領域の縁の周りをくるむ。通常のパンティーの股領域の脚開口部は、湾曲している傾向にあり、吸収性物品の身体対面表面は、一般に着用された際にこの曲線に一致する。
【0005】
通常入手可能な吸収性物品は、トップシートの表面が概して均一であるトップシートを有する傾向がある。その理由は、トップシートとして比較的安価な材料が使用されてもよく、また製造コストが比較的低い傾向があり得ることを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、トップシートの異なる部分が異なる特徴を有し、それらの特徴がトップシートの異なる部分に異なる利益を提供するトップシートを有する吸収性物品の必要性が未だ対処されず存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
吸収性物品は、トップシートと、トップシートと対面関係にある吸収性コアとを備える。トップシートは、長手方向中心線と、長手方向中心線と直交し、かつ交差する横断方向中心線と、横断方向中心線と平行な平行横断方向軸とを有する。長手方向中心線は、3分割されることができる。長手方向中心線の3分の1は、中間1/3である。平行横断方向軸は、長手方向中心線の中間1/3と交差する。トップシートは、繊維状不織布ウェブ及び房を含む。房は、繊維状不織布ウェブと一体的で、かつ繊維状不織布ウェブから延びる繊維を有する。房の複数個の繊維は、ループ状繊維である。トップシートは、長手方向中心線の両側に対照的に配置された一対の房領域の側部境界線を含む。房領域の側部境界線のそれぞれは、長手方向中心線の少なくとも一部に沿って延びる線又は線の一部により画定され、かつ房を有さないトップシートの部分から複数個の房を分離している。房領域の末端部境界線は、平行横断方向軸における最小値から、房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方若しくは両方における最大値へ徐々に増大する距離により互いに離間され、又は平行横断方向軸における最大値から、房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方若しくは両方における最小値へ徐々に減少する距離により互いに離間されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】吸収性物品の概略上部切除図。
【図2】パンティ内に配置された吸収性物品の概略図。
【図3】繊維状不織布ウェブ及び房の概略図。
【図4】房の断面の概略図。
【図5】房の走査型電子顕微鏡写真。
【図6】繊維状不織布ウェブ及び房を有する積層体の概略図。
【図7】房がキャップを有する、房付き積層体ウェブの斜視図。
【図8】図7で示されたウェブの一部分の拡大図。
【図9】図8の断面9−9の断面図。
【図10】図9で示されたウェブの一部分の平面図。
【図11】トップシートが積層体から形成されている吸収性物品の概略上部切除図。
【図12】吸収性物品の概略平面図。
【図13】吸収性物品の概略平面図。
【図14】房が第1の色を有し、房を有さないトップシートの部分が第2の色を有する、吸収性物品の概略平面図。
【図15】吸収性物品の概略上部切除図。
【図16】房を形成するための装置の概略図。
【図17】ロールの嵌合の概略図。
【図18】歯を有するロールの概略図。
【図19】ロール上の歯の概略図。
【図20】房がキャップを有する、積層体ウェブの走査型電子顕微鏡写真。
【図21】房がキャップを有する、積層体ウェブの走査型電子顕微鏡写真。
【図22】房がキャップを有する、積層体ウェブの走査型電子顕微鏡写真。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、トップシート30、バックシート10、及びトップシート30とバックシート10との間に配置された吸収性コア20を備える吸収性物品5の部分切除図を示す。トップシート30は、吸収性コア20と対面関係にある。トップシート30と吸収性コアとは、トップシートの一表面が吸収性コア20に向かって配向されている場合、対面関係にあると考慮され得る。トップシート30は、トップシート30と吸収性コア20との間に材料の更なる層(1つ又は複数)が存在した場合でも、吸収性コア20と対面関係にあることができる。吸収性コア20は、トップシート30と流体連通していると記載することができる。即ち、流体はトップシート30から直接、又はトップシート30と吸収性コア20との間の中間層(1つ又は複数)を介して吸収性コア20に透過し得る。例えば、トップシート30と吸収性コア20とは、トップシート30の片面が吸収性コア20に面するように、対面関係にあることができる。トップシート30は本明細書では略平面状の二次元ウェブと称され、その長さ及び幅は、ウェブの厚さよりも実質的に大きい。吸収性コア20は、Procter & Gamble Co.製のALWAYS Ultra又はINFINITY生理用ナプキンに使用されている吸収性コアであってもよい。吸収性コアは、Buckeye Technologies Inc.,Memphis,TNから入手可能なFoley Fluffパルプであってもよく、このパルプは分解され、約0.07グラム/立方センチメートル(g/cm3)の密度と約10mm未満の厚さとを有するコアに形成される。
【0010】
トップシート30は長手方向中心線Lを有する。吸収性物品の最長寸法に関して対称的な吸収性物品5において、長手方向中心線Lは、吸収性物品を半分に分割することができ、吸収性物品5の最長寸法であることができる。例えば、着用者の股領域に着用される吸収性物品5において、長手方向中心線Lは吸収性物品5を左及び右半分に分割してもよく、この左及び右は、吸収性物品5を適切に着用している着用者からの視点から採用される。トップシート30は、長手方向中心線Lに直交し、長手方向中心線Lを二分する横断方向中心線Tを有する。長手方向中心線L及び横断方向中心線Tは、使用前にトップシート30の二次元平面を画定し、図示した実施形態において、吸収性物品5を高速製造ラインで作製する当該技術分野にて通常知られているように、縦方向MD及び機械横方向CDと関連して示されている。
【0011】
トップシート30は、横断方向中心線Tと平行な平行横断方向軸TPを有してもよい。長手方向中心線Lは3分割、即ち、長手方向中心線Lに沿って測定して等しい長さを有する3つの部分、前方1/3 131、中間1/3 50、及び後方1/3 140に分割されてもよい。前方1/3 131は、吸収性物品5が着用された際に、一般に着用者の前方恥部範囲に向かって配向されたトップシート30の部分である。後方1/3 140は、吸収性物品5が着用された際に、一般に着用者の肛門に向かって配向されたトップシート30の部分である。中間1/3 50は、一般に着用者の脚の間で膣に隣接した股範囲と整合されるトップシート30の部分である。前方1/3 131及び後方1/3 140は、吸収性物品5の長手方向に配置された末端部に存在し、中間1/3 50は、前方1/3 131 と後方1/3 140との間である。平行横断方向軸TPは、吸収性物品5の中間1/3 50内で長手方向中心線Lと交差している。長手方向中心線Lは、長手方向中心線に沿って測定されたトップシート30の寸法により画定される長さ142を有する。
【0012】
吸収性物品5は、吸収性物品5の使用中に着用者に向かって配向された吸収性物品5の面である、身体対面表面120を有する。
【0013】
トップシート30は、繊維状不織布ウェブ60及び房70を含んでもよい。トップシートは更に、一対の房領域の側部境界線80を含んでもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの両側に対称的に配置されてもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向に対向する末端部81を有する。房領域の末端部境界線80のそれぞれは、房70を有さないトップシート30の部分から、複数個の房70を分離する線又は線の一部により画定されてもよい。線は点を移動することにより生成され、点の経路に沿ってのみ延長を有する直線状又は曲線状の幾何学的構造と考えることができる。吸収性コア20は、そこから房70が延びる繊維状不織布ウェブ60と、バックシート10との間に存在してもよい。吸収性コア20は、長手方向中心線Lから離間された一対のコア側部縁160を有してもよい。
【0014】
房領域の側部境界線80は、本明細書では、明確さのため線と称され、この線は、トップシート30の異なる部分の間の境界線を表す。実際の線(例えば、印刷された線、着色された線等)が、房領域の側部境界線80を区別するためにトップシート30上に出現する必要はない。むしろ、房領域の側部境界線80は、繊維状不織布ウェブ60の房70を有する部分と、繊維状不織布ウェブ60の房70を有さない部分との間にコントラストが存在する位置であってもよい。
【0015】
図1に示すように、房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの両側に対称的に配置されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lに関して互いに鏡像であってもよい。房領域の側部境界線80は、トップシート30の長手方向中心線Lの横断方向に対向する側において、長手方向中心線Lの少なくとも一部に沿って延びていてもよい(例えば、長手方向中心線Lの2つ以上の位置において、長手方向中心線Lに由来し、かつ長手方向中心線Lに直交する直線が、房領域の側部境界線80と交差するであろう)。したがって、吸収性物品5の身体対面表面120を見た場合、房領域の側部境界線80はトップシート30を少なくとも3つの区別される部分に分割してもよく、その2つは吸収性物品5の側部縁32に向かって離間され、その1つは、長手方向中心線Lと概ね一致するトップシート30の中央部分34である。
【0016】
トップシート30の中央部分34は主に流体収集構成要素として機能してもよく、側部縁32に向かって離間されたトップシートの部分は、皮膚に対する心地よさを提供し、及び/又は流体の流出のバリアとして機能してもよい。
【0017】
房領域の側部境界線80は距離100により互いに離間されてもよく、距離100は、平行横断方向軸TPにおける最小値から、房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する。距離100は、長手方向中心線Lに沿った位置の関数として徐々に増大するため、房領域の側部境界線80の部分が直線状又は曲線状である。房領域の側部境界線80の末端部は、必ずしも、その末端部を越えるとトップシート30が房を全く有さない自由末端部というわけではない。
【0018】
房領域の側部境界線80の1つ以上は、房領域の側部境界線80がトップシート30の長さ142の1/4より長いように、長手方向中心線Lの長さ142の少なくとも一部に沿って延びていてもよく、房領域の側部境界線80の長さは、房領域の側部境界線80に沿って測定される。房領域の側部境界線80は、トップシート30の長さ142の1/3より長くてもよい。房領域の側部境界線80は、トップシート30の長さ142の1/2より長くてもよい。
【0019】
平行横断方向軸TPにおける最小値から、房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部における最大値へ徐々に増大する距離100により互いに離間された房領域の側部境界線80は、多数の利益を提供する可能性がある。図2は、着用者のパンティ150の股領域内に配置された吸収性物品5の図である。より完全な適用範囲を有するパンティー150は、ひも状スタイルとは反対に、曲線状の脚開口部152を有する傾向がある。曲線状の脚開口部152は、着用者の脚と着用者の股との交差地点に隣接してフィットする傾向がある。パンティ150内に吸収性物品5が着用された際、吸収性物品5は、パンティ150の股と一致し、又は曲線状の脚開口部152を僅かに越えて外側に延びる傾向があり得る。平行横断方向軸TPにおける最小値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81における最大値へ徐々に増大する距離100により互いに離間された房領域の側部境界線80は、女性の脚が股に連結する箇所において女性の股の自然の輪郭と一致する傾向があり得る。房領域の側部境界線80を越えて外側の、即ち長手方向中心線Lから離れたトップシート30上の、柔軟でしなやかな繊維状不織布ウェブ60から形成されている房70を有する柔軟でしなやかな房70は、女性が動くときに、吸収性物品5を着用者に対してより心地よいものとすることができる。房領域の側部境界線80と長手方向中心線Lとの間のトップシート30の部分は、房70を有さなくてもよい。房領域の側部境界線80と長手方向中心線Lとの間のトップシート30の部分は、例えば孔等の他の構造的特徴を含んで、改良された流体獲得及び流体保持を提供してもよい。
【0020】
房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約35%超に沿って延びてもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約35%〜約85%に沿って延びてもよい。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約40%〜約60%に沿って延びてもよい。理論に束縛されるものではないが、房領域の側部境界線80は、典型的な着用者の陰唇領域の長さ、又は着用者の脚と股との間の交差部分の長さとおおよそ同一又はより大きい長さを有してもよく、実用的であると思われる。房領域の側部境界線80は、長手方向中心線Lの長さの約50mm超に沿って延びてもよい。
【0021】
房領域の側部境界線80の間の距離100は、平行横断方向軸TPにおいて約10mmの最小値であってもよい。距離100は、約120mmの最大値であってもよい。
【0022】
房70は、流体獲得を補助し、着用者の身体とトップシート30との間に幾分かの分離を提供し、改良された再湿潤特性を提供することもできる。房70を房領域の側部境界線80の間(即ち、外側方向の内向き)の位置、即ちトップシート30の長手方向中心線Lに向かったトップシートの部分内の位置に有することによって、着用者の陰唇及び膣に隣接するという特徴を提供することができ、そのような特徴は、流体獲得及び保持が最大の関心事でなくともよい側部縁に向かった外側よりも、最も有意義な利益を提供する可能性がある。即ち、房領域の側部境界線80と長手方向中心線との間のトップシート30の部分は、房70を含んでもよい。房70は、房70の繊維が房の基部に集まることによって、高い吸引力を有する小さい毛細管を形成して流体の流れを促進するため、改良された流体獲得を提供することができる。房70のループ状繊維110は、圧縮に抵抗する繊維110のアーチとして構造的に作用して、着用者の身体とトップシート30との間の分離を提供することができ、また繊維のアーチは、圧縮による再湿潤を低減させることができる。房は、複数個の隆起した繊維のループ又は繊維のパイルであってもよく、このループ又はパイルは、そこからループ又はパイルが延びるウェブと一体的で、ウェブの面外にある。
【0023】
繊維状不織布ウェブ60及び房70を含むトップシート30の一部分を、図3に示す。繊維状不織布ウェブ60は、第1の表面12及び第2の表面14と、不織布ウェブの分野で通常知られているように、縦方向MD及び機械横方向CDと、面外Z方向とを有する。第1の表面12は、トップシート30の身体対面表面120であってもよい。繊維状不織布ウェブ60は、実質的に無作為に配向された、少なくともMD及びCDに関して無作為に配向された繊維を含んでもよい。実質的に無作為に配向された、は、プロセス条件により、CDよりもMDに又はその逆に、より多くの繊維が配向されてもよいことを意味する。例えば、スパンボンド及びメルトブローンプロセスにおいては、繊維の連続的なストランドが、MDに移動する支持材上に堆積される。スパンボンド又はメルトブローン不織布ウェブの繊維の配向を「無作為化」するように試みても、通常は高い割合の繊維が、CDではなくMDに配向される。
【0024】
繊維状不織布ウェブ60は、本明細書に記載するトップシート30を形成するのに十分な伸長特性を有する繊維を含む任意の公知の不織布ウェブであってもよい。繊維状不織布ウェブ60は複数個の房70を含んでもよく、房70は、繊維状不織布ウェブ60と一体的で、かつ繊維状不織布ウェブ60から延びる繊維110を含む。房70を形成している複数個の繊維110は、ループ状繊維110であってもよい。不連続16は繊維状不織布ウェブの第2の表面14に関連してもよく、この不連続16は、繊維状不織布ウェブ60の繊維110を一体的に伸長して房70を形成する際に生じる。
【0025】
房70は、繊維状不織布ウェブ60にて開始及び終結するループ状繊維110を含んでもよい。ループ状繊維110は、一般に、単一の房70内でMD及びCD方向に互いに整合されてもよい。房70は、トンネル形状の房70を形成する複数個のループ状整合繊維110を含んでもよい。トンネル形状の房70は、開放したトンネル形状の房70であってもよく、房70の内部が開放し又は概ね開放し、例えば、房70を通して開放し又は概ね開放していてもよい開放内部空所79を有するように構成されている。トンネル形状の房70は、房の内部が繊維110を含むトンネル形状の房70であってもよい。トンネル形状の房70は、吸収性コア20等の、吸収性物品5のより深い構造へ流体源から流体を輸送する導管として機能することができる。トンネル形状の房70は、房領域の側部境界線80の間のトップシートの部分上に存在して流体を収集し、また房領域の側部境界線80を越えて外側のトップシートの部分上に存在してトップシート30から流出し得る流体を捕捉するバックアップ構造を提供することが望ましい可能性がある。
【0026】
繊維状不織布ウェブという用語は、相互配置された個々の繊維又は糸からなる構造を有するが、無作為に配向された繊維を有さない織布又は編布で見られるような反復パターンのものではないウェブを指す。不織布ウェブ又は布地は、例えば、メルトブローイングプロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡プロセス、スパンレーシングプロセス、エアレイイング、及びボンデッドカーデッドウェブプロセス(bonded carded web process)のような、多数のプロセスにより形成されてきた。不織布の坪量は、1平方メートル当たりのグラム(gsm)で通常表わされ、繊維直径はマイクロメートルで通常表わされる。繊維径はデニールで表すこともできる。繊維状不織布ウェブ60の坪量は、10gsm〜500gsmの範囲であってもよい。繊維状不織布ウェブ60の構成成分繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びそれらの混合物のようなポリマーからなり得る。繊維110は、セルロース、レーヨン、綿若しくは他の天然材料、又はポリマー及び天然材料のブレンドを含み得る。繊維110はまた、ポリアクリレート等の超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。繊維110は、1成分、2成分及び/又は2構成成分、丸形又は非丸形繊維(例えば、成形繊維又は毛細管溝繊維)であってもよく、0.1〜500マイクロメートルの範囲の主な断面寸法(例えば、丸形繊維の場合、直径)を有することができる。例えば、繊維状不織布ウェブ60に適した繊維110の一種は、ナノ繊維を含む。前駆体ウェブの構成成分繊維はまた、化学的構造、成分、直径、形状等の特徴が異なる異種の繊維との混合物であってもよい。
【0027】
繊維状不織布ウェブ60は、房70を形成する部分を有するように、十分な伸長特性を有する繊維を備えていてもよい。房は、繊維状不織布ウェブ60の別個の、局部的部分で、Z方向の面外に繊維110を駆り立てることにより形成される。面外に駆り立てることは、繊維変位のためであり得、即ち繊維を他の繊維に対して移動させ、いわば面外に「引っ張られる」ことができる。いくつかの繊維状不織布ウェブ60の場合、面外に駆り立てることは、房70の繊維110が少なくとも部分的に可塑的に伸張され、永久に変形されて房70を形成するためである。繊維状不織布ウェブ60の構成成分繊維110は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、及び又は少なくとも約100%の破断伸び(elongation to break)を有することができる。破断伸びは、インストロン引張り試験装置の使用によるような引張り試験により定義でき、そのような繊維又はウェブの供給元からの材料データシート上で一般に見出すことができる。繊維状不織布ウェブ60の繊維110は、十分な塑性変形及び引張伸長をすることが可能な繊維を含むことができ、又はループ状繊維110が形成されるような十分な繊維移動性が可能である。
【0028】
一体的という用語は、繊維状不織布ウェブ60から発している房70の繊維110を指す。房70のループ状繊維110は、可塑的に変形され、かつ引き伸ばされた繊維状不織布ウェブ60の繊維110であってもよい。一体的は、房を作製するために別個の前駆体ウェブに導入又は追加される繊維とは区別されるべきである。房70内の繊維110の平均繊維径は、形成プロセスの結果としてそこから房70が延びる繊維状不織布ウェブ60のランド領域部分1内の繊維110の平均繊維径よりも小さくてもよい。面外に駆り立てられて房70を形成した繊維110のいくつかは、ループを形成していなくてもよいが、図4に示すように、切断され、自由な又は切断した繊維18の末端部を有してもよい。
【0029】
房70は、繊維状不織布の第1の表面12から房70の頂点まで測定される房高さHを有してもよい。房70の平均の高さは、1平方センチメートルの面積内に位置する房に基づき決定されてもよい。
【0030】
房70は、房基部72を有してもよい。房基部は、繊維状不織布ウェブ60の第1の表面12に隣接する房70の部分である。複数個のループ状繊維110は、房基部72にて一点に集まっていてもよい。図5に、房70の一実施形態の走査型電子顕微鏡写真を示す。房70は、房70の基部にて小さい毛細管が高い吸引力を生じ得ることを考えれば、流体コレクターとして機能して流体を吸収性コア20内により深く輸送することができる。
【0031】
房高さHは、約0.25mmより大きくてもよい。房高さHは、約0.5mmより大きくてもよい。房高さHは、0.25mm〜2mmであってもよい。MD−CD平面上に突出する房の最大寸法は、少なくとも約0.4mmであってもよい。
【0032】
房70を含むトップシート30の部分は、房面密度を有してもよい。房面密度は、単位面積当たりの房の数である。房面密度は、1房/平方センチメートル〜100房/平方センチメートルの範囲であってもよい。房面密度は、少なくとも5房/平方センチメートルであってもよい。房面密度は、1平方センチメートル面積内の房の数を計数することにより決定され得る。より大きい房面密度は、改良された柔軟性、改良されたしみ遮蔽、及び/又は改良された圧縮抵抗を提供することができる。
【0033】
房領域の側部境界線80は、水に対する親和性が異なるトップシート30の部分の間に存在してもよい。水に対する親和性は、繊維状不織布ウェブ60内の繊維110に対する水の接触角として定量化することができる。繊維110の水に関する親和性は、繊維110に対する水の接触角が減少するにつれて増大する。繊維110の水に対する親和性は、水により大きい又はより小さい親和性を有することが所望される繊維状不織布ウェブ60の部分に、界面活性剤(親水性又は疎水性)又はローション(親水性又は疎水性)を適用することにより操作されてもよい。繊維110の水に対する親和性はまた、水に特定の親和性を有することが所望される繊維状不織布ウェブ60の部分に、概ね疎水性物質を適用することにより操作されてもよい。繊維110は、繊維110自体が親水性であり、又はある方法で親水性とされた場合に、親水性とみなすことができる。材料が90°未満の水との静的接触角を有するか、又は90°未満の水との静的接触角を有するようにされた場合に、その材料を親水性とみなすことができる。房領域の側部境界線80のそれぞれは、疎水性ローションを含むトップシート30の部分と長手方向中心線Lとの間にあってもよい。そのような配置では、ローションは、吸収性物品5の改良された着用時の心地よさを提供し得る。房領域の側部境界線80の間の繊維状不織布ウェブ60の部分を界面活性剤で処理して、流体獲得を補助してもよい。それにより、房領域の側部境界線80は、吸収性物品が有し得る追加の流体容量がどれくらいかに関する着用者に対する視覚的な手がかりとして機能することができ、界面活性剤は、流体がトップシートの中央部分34から、より吸収性物品の側部縁32の方向に位置するトップシート30の部分に向かって拡大することを防止することを補助し得る。
トップシート30の実際的な一実施形態は、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分が、房領域の側部境界線80の外側のトップシート30の部分と比較して、比較的親水性であるトップシート30であってもよい。房領域の側部境界線80の外側のトップシート30の部分は、房70を含んでもよい。そのような房70は、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分と比較して比較的疎水性であってもよい(又は親水性が低くてもよい)。この配置は、流体を急速に獲得できるトップシート30の中央部分34を提供することができ、房領域の側部境界線80を越えるトップシート30の部分は、トップシート30の身体対面表面120からの流出に対するバリアとして機能することができる。
【0034】
トップシート30は、図6に示すように、繊維状不織布ウェブ60とポリマーフィルム130とからなる積層体125を含んでもよい。房70は、ポリマーフィルム130を通して延びていてもよい。積層体125は少なくとも2つの層を含む。層は、略平面状の二次元ウェブであり、その長さ及び幅は、個々のウェブの厚さよりも実質的に大きい。繊維状不織布ウェブ60とポリマーフィルム130とは接着剤、熱接着、超音波接着等により結合され、又はポリマーフィルム130の第1の表面12を通して、及び又は第1の表面12の上方に出現する繊維状不織布ウェブ60からの房70の機械的係合により結合されてもよい。
【0035】
積層体トップシートは、このような配置によって、それぞれ異なる利益又は機能を提供できる2種の異なる材料を有するトップシート30の身体対面表面120を着用者の身体に提示できるため、望ましい場合がある。
【0036】
積層体125は第1の表面12及び第2の表面14を有し、第1の表面12及び第2の表面14は積層体の側面を形成している。積層体の各層は、第1の表面12及び第2の表面14を有することができる。したがって、積層体125は、ポリマーフィルム130の第2の表面14が繊維状不織布ウェブ60の第1の表面12に面するように配置されていると記載することができる。繊維状不織布ウェブ60の第2の表面12は、吸収性コア20に面していてもよく、吸収性コア20と流体連通していてもよい。
【0037】
積層体125は、ポリマーフィルム130の第1の表面12の露出部分と、繊維状不織布ウェブ60の繊維110の一体的な伸長部である複数個の房70とを有することができる。房70は、ポリマーフィルム130を有さない繊維状不織布ウェブ60上に配置された房70に関して上述した房70と同一の物理的構造を有してもよい。
【0038】
ポリマーフィルム130は、吸収性物品5のトップシートとして使用するのに適した任意のポリマーフィルムであってもよい。ポリマーフィルム130は、本明細書に記載するプロセスによって本明細書に記載する積層体125を形成するのに十分な一体性を有し得る。ポリマーフィルム130は、繊維状不織布ウェブ60に対して十分低い伸長特性を有し得るため、ポリマーフィルム130の方向において面外に駆り立てられている繊維状不織布ウェブ60から繊維10のひずみを受けるとポリマーフィルム130は破壊され、それにより繊維状不織布ウェブ60から繊維110がポリマーフィルム130を通して延びて、房70を形成することができる。
【0039】
ポリマーフィルム130は、図7に示すように、ポリマーフィルム130のキャップ331が房70の遠位部分(例えば、房70の頂部)上に残留し、破裂位置253が存在するよう破壊されてもよく、破裂位置は、ポリマーフィルムの第1の表面12と繊維状不織布ウェブ60との間の流体連通の経路を提供する。
【0040】
キャップ331は、ポリマーフィルム130の一体的な伸長部であってもよい。キャップ331は、可塑的に変形された、引き伸ばされたポリマーフィルム130の基材であってもよく、ポリマーフィルム130と一体的である。キャップ331に関連して、一体的とは、ポリマーフィルム130から発していることを意味し、キャップの作製のために別個の前駆体ウェブに導入又は追加される基材とは区別されるべきである。
【0041】
ポリマーフィルム130は、微細構造化(microtextured)ポリマーフィルムであってもよい。微細構造化とは、前駆体ウェブ内の房70の間に複数個の微細構造(microfeature)が存在し、そのような微細構造が、複数個の微細構造が隣接する房70の間にフィットする大きさ及び寸法を有することを意味する。即ち、微細構造は、微細構造が隣接する房70の間の距離の1/2より小さい最大寸法を有し得る大きさ及び寸法である。微細構造は、例えば微細孔又は微細気泡であってもよく、それらの例は、Stone et al.に発行された米国特許第7,402,732号及びCurro et al.に発行された米国特許第4,839,216号、Curro et al.に発行された米国特許第4,609,518号、及びCurro et al.に発行された米国特許第4,609,518号に開示されている。ポリマーフィルム130は、孔あきポリマーフィルム130であってもよく、その孔はそれぞれ約0.01mm2〜約0.78mm2の面積を有する。微細構造は、隆起部分であってもよい。隆起部分は、ポリマーフィルム130の一体的な伸長部であってもよく、又はポリマーフィルム130の表面に加えられた材料であってもよい。
【0042】
キャップ331は、ポリマーフィルム130の一体的な伸長部である。房70のそれぞれの遠位部分231の少なくとも一部は、キャップ331により覆われていてもよい。図7〜10に示すように、キャップ331は、第1の開口部251及び第2の開口部252を有するトンネル形状のキャップ331であってもよい。第1の開口部251は、ポリマーフィルム130内の破裂位置253を含み、房70は破裂位置253の上方に延びる。キャップ331は、破裂位置253に隣接したポリマーフィルム130から一体的に延びる。破裂位置253は、点又は線であってもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130を少なくとも1つの破裂位置253にて裂いて、ポリマーフィルム130の第1の表面12の平面から外部へポリマーフィルム130を伸長して、第1の開口部251、又は第1の開口部251及び第2の開口部252等の開口部を形成することにより形成される。破裂位置253は、開口部4の境界線の少なくとも一部を画定することができる。開口部4の残りは、1つ以上の追加の破裂位置、又はキャップ331が第2のポリマーフィルム130から一体的に延びるポリマーフィルム130の位置に隣接したキャップ331の部分により画定されてもよい。ポリマーフィルム130は、破裂位置253の不在下で流体不浸透性であってもよい。
【0043】
第1の開口部251は、第1の開口部251がポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して最も広く、一般に、房70の遠位部分231を覆うキャップの部分に向かって狭くなるアーチ形であってもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接してキャップ基部271を有してもよい。キャップ基部271は、キャップ基部271から離れたキャップ331の部分よりも狭くてもよい。第1の開口部251は大文字のオメガ形(W)であってもよく、例えば第1の開口部251は、房70の房基部72と遠位部分231との中途位置よりもポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して狭くなっている。同様に、第2の開口部252が存在する場合、第2の開口部252は、第2の開口部252がポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して最も広く、一般に房70の遠位部分231を覆うキャップ331の部分に向かって狭くなるアーチ形であってもよい。第2の開口部252は、大文字のオメガ形(W)であってもよく、例えば第2の開口部252は、房70の房基部72と遠位部分231との中途位置よりもポリマーフィルム130の第1の表面12に隣接して狭くなっている。第2の開口部252は、房70が第2の開口部252と第1の開口部251との間に存在するように、第1の開口部251と対向していてもよい。第1の開口部251、第2の開口部252、及び任意の追加の開口部は、積層体125を流体透過性とすることができる。
【0044】
第1の開口部251及び第2の開口部252が存在する場合、キャップ331は、第1の開口部251及び第2の開口部252により互いに離間された少なくとも2つの延長位置254において、ポリマーフィルム130から一体的に延びてもよい。少なくとも2つの伸長位置254は、房70の両側の対向する位置にあってもよい。キャップ331は、少なくとも2つの延長位置254においてポリマーフィルム130から一体的に延びてもよく、各延長位置254は破裂位置253に隣接する。第1の開口部251及び第2の開口部252に加えて、追加の開口部が存在してもよい。例えば、3つ以上の開口部(例えば、第1の開口部251、第2の開口部252、及び第3の開口部)が存在する場合、キャップ331は、開口部(例えば、第1の開口部251、第2の開口部252、及び第3の開口部)により互いに離間された少なくとも3つの伸長位置254において、ポリマーフィルム130から延びてもよい。
【0045】
図10に示すように、キャップ331は、キャップ長161及びキャップ幅162を有することができる。キャップ331のキャップ長161は、第1の開口部251と第2の開口部末端252との間と考えられる。キャップ331は、キャップ331のキャップ長161に直交して測定して、キャップ331の最大寸法と考えられるキャップ幅162も有し得る。キャップ331の平面縦横比は、キャップ331のキャップ長161とキャップ幅162との比と定義することができる。キャップ331の縦横比は、約0.5より大きくてもよい。キャップ331の縦横比は、約1より大きくてもよい。キャップ331の縦横比は、約1.5より大きくてもよい。キャップ331の縦横比は、約2より大きくてもよい。一般に、より大きい縦横比を有するキャップ331は、積層体125の観察者に対してより目立つ可能性があり、また房70の長軸Laに直交する方向のウェブ1の表面に沿った流体の流れに対して、より高い抵抗を有する可能性があり得ると思われる。
【0046】
積層体125内のキャップ331は、積層体125により収集され、房70を形成している繊維110の間の毛細管内に残留する流体を遮蔽又は部分的に遮蔽すると思われる。ティッシュ、生理用ナプキン、タンポン、又はおむつ等の吸収性物品内に使用されるそのような積層体ウェブは、房70を形成している繊維110の間の毛細管内に保持された、ともすれば見苦しい尿、月経分泌物、糞便、又は他の液体が、見る人から覆い隠され又は部分的に覆い隠される点で使用者(又は介護人)にアピールする可能性がある。キャップ331が不在の生理用ナプキン等の吸収性物品では、房70は、本質的に、生理用ナプキンの使用者に魅力のない場合がある月経分泌物の色を有し得る。キャップ331は月経分泌物が保持されている房を覆い又は部分的に覆い、積層体125を薄まった赤色で現すことができ、積層体125がその未使用の色(例えば、流体で汚される前の)を維持することさえも可能にし得る。
【0047】
ポリマーフィルム130と、ポリマーフィルム130から延びるキャップ331とが、二酸化チタン等の漂白剤を含むポリマーフィルムである場合、キャップ331は房70の毛細管内に保持された材料を、より効果的に視界から覆い隠すことができる。そのようなキャップ331は、知覚される白色をより良好に維持することができ、この白色は多数の消費者が清潔さと関連付ける。
【0048】
キャップ331は、約10%超、約20%超、約30%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、約80%超、又は約90%超の不透明度を有してもよい。キャップ331は、不透明であってもよい。ポリマーフィルム130は、不透明性を有してもよい。キャップ331の不透明度は、例えば、ポリマーフィルムを伸長してキャップ331を形成した結果として、そこからキャップ331が延びるポリマーフィルム130の不透明度よりも低い可能性がある。キャップ331は、第2の前駆体ウェブの不透明度の約80%〜約95%である不透明度を有してもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約50%〜約95%である不透明度を有してもよい。キャップは、ポリマーフィルム130の不透明度の約35%〜約95%である不透明度を有してもよい。キャップ331の不透明度が増大するほど、房70の毛細管内に保持された液体の覆い隠しにおいてキャップ331がより効果的となり得る。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約90%未満の不透明度を有してもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約75%未満の不透明度を有してもよい。キャップ331は、ポリマーフィルム130の不透明度の約50%未満の不透明度を有してもよい。
【0049】
本明細書で使用するとき、「不透明度」という用語は、観測が行われる点に対して基材の後ろに配置された対象物を隠す又は視界から覆い隠す基材の能力を測る基材又は印刷基材の特性を指す。不透明度は、0.5%の反射率を有する黒色体によって支持された基材の拡散反射率と、89%の絶対反射率を有する白色体で支持された同じ基材の拡散反射率とのパーセントでの比として報告できる。不透明度は、ASTM D 589−97、紙の不透明度の標準試験方法(15°/拡散光源A、89%反射率支持及び紙支持)に記載されるように測定できる。
【0050】
不透明度の高い基材の場合、基材を通過する光があったとしても多くない。不透明度の低い基材の場合、基材を通過する光がほぼ全てではないが、かなり多い。不透明度は、0〜100%の範囲であることができる。本明細書で使用するとき、「不透明度の低い」という用語は、50%未満の不透明度を有する基材又は印刷基材を指す。本明細書で使用するとき、「不透明度の高い」という用語は、50%以上の不透明度を有する基材又は印刷基材を指す。本明細書で使用するとき、「不透明」という用語は、50%以上の不透明度を有する基材又は印刷基材を指す。
【0051】
ポリマーフィルム130はポリマーフィルム厚tを有してもよく、キャップ331はキャップ厚tcを有してもよい。キャップ331はポリマーフィルム130の一体的な伸長部であり、ポリマーフィルム130の第1の表面12の面外に駆り立ててポリマーフィルム130を伸長することにより形成されるため、キャップ331の一部分のキャップ厚tcはポリマーフィルム厚tよりも小さい場合がある。即ち、キャップ331を形成するために引き伸ばされたポリマーフィルムは、そこからキャップ331が延びるポリマーフィルムの平面部分と比較して、キャップ331の少なくともいくつかの部分において薄くなっている。キャップ厚tcは、第1の開口部251及び/又は第2の開口部252全体の周りにて均一ではない可能性がある。キャップ331の遠位部分のキャップ厚tcは、ポリマーフィルム厚tと同一か又はポリマーフィルム厚tよりも小さい可能性がある。キャップ331の遠位部分のキャップ厚tcは、ポリマーフィルム厚tと同一か又はポリマーフィルム厚tよりも小さい可能性があり、キャップ331の遠位部分とポリマーフィルム130との間のキャップ331の部分のキャップ厚tcは、ポリマーフィルム厚tよりも小さい可能性がある。キャップ331の薄化により、柔軟な手触り(hand)を有するキャップ331が提供され得る。更に、キャップ331は薄い場合があり、容易に変形され得るため、キャップ331の下にある房70の特性が、キャップ331を有する房70が付与する触感を支配する可能性がある。したがって、房70の特性は、積層体125が付与する触覚の印象に重要であり得る。
【0052】
繊維状不織布ウェブ60から出現する房70は、キャップ基部271が房70(及び/又は第2の房)上を絞り得るため、ポリマーフィルム130と機械的に係合し得る。このことは、ポリマーフィルム130を引き戻すことにより、房70を束縛する傾向があり得るキャップ基部271が所定の量だけ回復することを示している。互いに密に離間された複数個の房70が存在し得るため、房70は、ポリマーフィルム130を実質的に覆うことができる。そのような配置は、フィルムをトップシート30のいくつかの部分内で身体対面表面120として提示し、不織布をトップシート30の他の部分内で身体対面表面120として提示する複合トップシート30を提供することができる。
【0053】
繊維状不織布ウェブ60は、ポリマーフィルム130と比較して比較的親水性である場合がある。即ち、繊維状不織布ウェブは、ポリマーフィルム130の水に対する接触角よりも小さい、水に対する接触角を有し得る。流体との相互作用特性における基材の差異は、材料の選択及び/又は材料自体への化学処理の適用からなるプロセスの一部として制御することができる。比較的親水性の繊維状不織布ウェブ60は、流体を吸収性物品5中に引き込むよう作用し得る。比較的疎水性のポリマーフィルム130により、着用者は吸収性物品を乾燥していると感じることができる。
【0054】
図11に、繊維状不織布ウェブ60とポリマーフィルム130との積層体125を有するトップシート30を含む吸収性物品5の切除図を示す。ポリマーフィルムは、ALWAYS(登録商標)Ultra Thin生理用ナプキンに使用されているDRIWEAVE(登録商標)として公知の孔あきフィルム、並びにRadel et al.に発行された米国特許第4,342,314号、Ahr et al.に発行された米国特許第4,463,045号、Stone et al.に発行された米国特許第7,402,723号、及びCurro et al.に発行された米国特許第4,629,643号に記載されているポリマーフィルムであってもよい。
【0055】
図11に示すように、房領域の側部境界線80が、平行横断方向軸TPにおける最大値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最小値へ徐々に減少する距離110により互いに離間されている実施形態も、実用的であり得る。距離100は長手方向中心線Lに沿った位置の関数として徐々に減少するため、房領域の側部境界線80の部分が直線状又は曲線状である。房領域の側部境界線80の末端部は、必ずしも、その末端部を越えるとトップシート30が房を全く有さない自由末端部というわけではない。例えば、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を含んでもよく、また房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分で包囲されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分により包囲された複数個の房70を含む島であってもよい。そのような配置は、着用者の陰唇領域に、柔軟でしなやかな房70からの心地よさを提供することができる。
【0056】
平行横断方向軸TPにおける最大値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最小値へ徐々に減少する距離100により互いに離間された房領域の側部境界線80は、多数の利益を提供する可能性がある。例えば、女性の股の陰唇領域は、一般に女性の前方及び後方に向かって幾分狭くなり、陰唇の前方部分と陰唇の後方部分との間がより広い形状を有し得る。したがって、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、女性の陰唇領域と同一の平面形状を有するように構成され得る。そのような範囲には、柔軟で、流体の捕捉を助け得る房70を提供し得る。代替的に、房70は、房領域の側部境界線80と吸収性物品の側部縁32との間に提供されて、流体がトップシート30の表面から外側へ流れることに抵抗し得る。更に、着用者の身体からの分泌物による吸収性物品5上のしみパターンは、幾分楕円形であり得、その楕円形の長軸は、着用者の前方から後方にかけての着用者の股と整合する。したがって、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、平行横断方向軸TPにて最も広く、房領域の側部境界線80の間の領域の長手方向に対向する末端部に向かってテーパ付けされた形状を有するように構成されてもよい。房領域の側部境界線80に関連したしみの位置は、着用者が吸収性物品5を交換する必要があるか否かの視覚的な手がかりを提供することができる。
【0057】
トップシート30は、繊維状不織布ウェブ60と第2の不織布ウェブとからなる積層体125を含んでもよく、第2の不織布ウェブは、図6に示したポリマーフィルム130を代替している。房70は、第2の不織布ウェブを通して延びていてもよい。積層体125は少なくとも2つの層を含む。層は、略平面状の二次元ウェブであり、その長さ及び幅は、個々のウェブの厚さよりも実質的に大きい。繊維状不織布ウェブ60と第2の不織布ウェブとは接着剤、熱接着、超音波接着等により結合され、又は第2の不織布ウェブを通して出現する繊維状不織布ウェブ60からの房70の機械的係合により結合されてもよい。繊維状不織布ウェブ60は第2の不織布と比較して比較的親水性であり、流体を吸収性物品5内により深く引き込むことを補助することができる。
【0058】
房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81は、必ずしもそれを越えるとトップシート30が房70を有さない自由末端部というわけではない。図12に示すように、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さなくてもよく、また房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を含むトップシート30の部分で包囲されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70の海により包囲された房70を有さない島であってもよい。そのような配置では、房70の面外構造は、流体がトップシート30から流出する可能性を低減し、また着用者の陰唇と接触するトップシート30の最中心部から離れたトップシート30の範囲内で着用者に心地よさを提供するよう使用することができる。
【0059】
房領域の末端部境界線82は、長手方向中心線Lの両側にある房領域の側部境界線80を接続し得る。房領域の末端部境界線82は、房70を有さないトップシートの部分から複数個の房70を分離する線又は線の一部により画定されてもよい。
【0060】
房領域の側部境界線80は、複数個の房70を含むトップシート30の部分と、房70を有さないトップシートの部分との間の境界線の、房領域の側部境界線80の間の距離が、平行横断方向軸TPにおける最小値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する部分のみであってもよい。したがって、図12において、房領域の末端部境界線82は、房領域の側部境界線80の一部ではないと考慮することができ、これは、もしも房領域の末端部境界線82の一部がそのようなものとして考慮された場合、房領域の側部境界線80の間の距離が、平行横断方向軸TPにおける最小値から房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する距離により互いから離間されないためである。
【0061】
房領域の側部境界線80の長手方向に対向する末端部81は、必ずしもそれを越えるとトップシート30が複数個の房70を含む自由末端部というわけではない。例えば、図13に示すように、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を含んでもよく、また房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分で包囲されていてもよい。即ち、房領域の側部境界線80の間のトップシート30の部分は、房70を有さないトップシート30の部分により包囲された複数個の房70を含む島であってもよい。そのような配置では、房70の面外構造を使用して、着用者の陰唇と接触し得るトップシート30の部分上に心地よい表面触感を提供することができる。
【0062】
吸収性物品5のトップシート30は、多くの場合白色であり、使用前又は使用中に吸収性物品5の清潔さを示唆する。トップシート30として使用される繊維状不織布ウェブ60が白色の場合、不織布ウェブ上の房70は、使用者が視覚的に識別することが困難であり得る。房70を含むトップシート30の部分に色を提供することにより、房70を有さないトップシート30の部分に対して着用者がその部分を識別することが容易となり得る。房70の海により包囲された島である房70を有さないトップシート30の部分を備えた実施形態では、房70を含むトップシート30の部分と、房70を有さないトップシート30の部分との間に色の差異を提供することによって、使用した吸収性物品5を新しい吸収性物品5と交換する必要があるか否かをより容易に評価するための視覚的な手がかり及び境界線を着用者に提供することができる。色は、レーザー印刷、インクジェット印刷、輪転グラビア印刷、又は他の好適な印刷技術を用いて、房70上に印刷することにより提供されてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、図14に示すように、複数個の房70は第1の色157を有し、房70を有さないトップシート30の部分は第2の色151を有する。第1の色157は、第2の色151と異なることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約3.5を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約1.1を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、約6を超えることができる。色差は、CIE LABの尺度で特徴付けた場合で、少なくとも1.1であることができる。
【0064】
色差は、CIE LABの尺度を用いて特徴付けることができ、Hunter Labscan XE 45/0幾何学的反射分光光度計(geometry reflectance spectrophotometer)を使用して測定された。 システムの技術的説明は、R.S.Hunterによる記事「photoelectric color difference Meter」,Journal of the Optical Society of America,Vol.48,pp.985〜95,1958に見出すことができる。Hunterスケールで色を測定するために特別に設計された装置が、米国特許第3,003,388号(Hunter et al.、1961年10月10日発行)に記載されている
色は、人の目に知覚される全ての色を数値コードに変換した、国際的に認められた3D色実線図により測定することができるCIE LABシステムはHunterのL、a、及びbと類似しており、3つの寸法、具体的にはL*、a*、及びb*に基づく。
【0065】
このシステムに従って色を規定した場合、L*は明るさを表し(0=黒色、100=白色)、a*及びb*は独立にそれぞれ2つの色軸を表し、a*は赤色/緑色軸(+a=赤色、−a=緑色)を表し、b*は黄色/青色軸(+b=黄色、−b=青色)を表す。
【0066】
色は、特有のΔE値(即ち、何らかの基準又は参照との色差)によって識別され得、次の等式により数学的に表わされる。
【0067】
ΔE*=[(L*X.−L*Y)2+(a*X.−a*Y)2+(b*X−b*Y)2]1/2
「X」は、標準又は基準サンプルを表し、「Y」は、変形である。
【0068】
Hunter色彩計は、3つの値(L*、a*、b*及び、合計色であるΔE*)を提示する。L*値は、標的とするサンプルから反射されて検出器に当たる反射(ソース)光の百分率である。光沢白色サンプルは、100の近傍のL*値を与えるであろう。無光沢黒色サンプルは、約0のL*値を与えるであろう。a*及びb*値は、サンプルの分光情報を含む。プラスのa*値は、サンプル中に含まれる緑の量を示す。
【0069】
ポートの直径は、色の測定が行われる面積に基づいて選択され、ポートのサイズは、色の測定が行われる面積より小さい面積の観察ができる利用可能な最大のポートのサイズである。直径5.1mm(0.2インチ)のポートを使用することができる。12.7mm(0.5インチ)の面積の観察ができる直径17.8mm(0.7インチ)のポートを使用することができる。計器の使用前に、計器の製造業者が提供した基準白黒タイルを用いて計器の検量を行う。
【0070】
工業界で認められている標準的な手順を使用して、L*、a*、及びb*値を測定する。トップシートの部分の色は、ASTM E 1164−94の「Standard Practice for Obtaining Spectrophotometric Data for Object−Color Evaluation」に従った反射分光光度計を用いて測定する。この規格の方法に従うが、明確さのために、特定の計器設定及びサンプリング手順をここに記す。サンプルの色は、ASTM E 1164−94及びASTM D2264−93の6.2項に規定されているCIE1976色彩座標規格の値により報告され得る。これには3つの値が含まれ、L*はサンプルの「照度」を測定し、a*は赤色度又は緑色度を測定し、b*は黄色度又は青色度を測定する。
【0071】
装置
反射分光光度計.....45°/0°Hunter Labscan XE、又はこれと同等物
HunterLab Headquarters、11491 Sunset Hills Road,Reston VA 20190−5280、電話:703−471−6870 ファクス:703−471−4237、http://www.hunterlab.com。
規格プレート.......Hunter白色基準タイルソース:Hunter Color。
【0072】
設備の準備
1.分光光度計が以下の構成であることを確認する。
照明........C型
標準オブザーバ...2°
外形........45/0°測定角
ポート直径.....色彩測定を行う面積に基づいてポート直径を選択する
表示面積......色彩測定を行う面積に基づいて選択される
UVフィルター:標準
2.いかなる試験を開始する前に、製造業者の指示に従い、計器とともに供給された黒色及び白色の基準タイルを使用して、分光光度計を検量する。
【0073】
サンプルの調製
1.包装を取り外し、製品又は物品サンプルを開き、身体対面表面の色に接触せず、変更しないようにして、平らに寝かせる。
2.測定には、以下を含む製品表示面上のエリアを選択すべきである。
・表示面の参照領域。
・表示面の変形領域。
・表示面のうち、参照又は変形領域と異なる目視又は測定可能な色を有する他の任意の部分。2つのシェード部分の境界線を重ねた測定はすべきでない
【0074】
試験手順
1.計器製造業者の指示に従ってHunter色彩計を作動する。
2.吸収性物品は、計器の開口を覆うように平らに寝かせて測定すべきである。白色タイルをパッドの後ろに配置すべきである。
3.吸収性物品の長手方向を計器に対して垂直に配置すべきである。
4.少なくとも3つの反復試験サンプルについて、上記の選択された同じ区域を測定する。
【0075】
計算報告
1.報告された結果が真にCIE L*、a*、b*であることを確認する。
2.L*、a*、b*値を0.1単位で記録する。
3.測定した各区域の平均L*、a*、b*値を取る。
4.有色領域と背景との間のΔE*を計算する。
【0076】
図15に示すように、吸収性コアは、長手方向中心線Lから離間された一対のコア側部縁160を有してもよい。房領域の側部境界線80と吸収性コア20とは、房領域の側部境界線80のいずれも吸収性コア20のコア側部縁160を越えて延びない大きさ及び寸法に形成され得る。そのような構成は、着用者の吸収性物品5を取り替える時の視覚的な手がかりを着用者に提供することができる。例えば、着用者が着用者の吸収性物品5を調べ、着用者の身体からの分泌物によるしみ範囲が房領域の側部境界線80の一方若しくは両方に接近し、又は房領域の側部境界線80の境界の外側にある(即ち、流体がコア側部縁160の一方又は両方に向かって侵入し得る)かを見た場合、着用者は吸収性コア20がその設計された流体容量に接近し、着用者の吸収性物品5を取り替える時であり得ることを識別することができる。コア側部縁160の内側に房領域の側部境界線80を有することにより、流体が房領域の側部境界線80に接近し、又は越えたことに対する着用者の認識が遅れた場合の利益を着用者に提供するであろう。即ち、吸収性コアは、しみが房領域の側部境界線80の一方又は両方を越えて外側に進行した状況下で、幾分かの追加の貯蔵容量を有することができる。房領域の側部境界線80は、トップシート30の房付きでない部分内のしみと、房70を含む部分との外観の差異、又は、しみの不在下では、着用者に提示される表面触感の差異による外観の差異に基づき識別可能であり得る。
【0077】
繊維状不織布ウェブ60の房70は、多様な方法のいずれかを用いて形成することができる。房70の製造方法としては、針穿孔、クレーピング、水流交絡、上部に歯が配置された噛合ロール、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0078】
房70を有する多様な不織布ウェブ60と、積層体ウェブを含むそれらのウェブの作製方法とは、Curro et al.に発行された米国特許第7,410,683号、Turner et al.による米国特許公開第2004/0131820号、Hoying et al.による米国特許公開第2007/0116926号、Turner et al.による米国特許公開第2006/0019056号、Curro et al.による米国特許公開第2005/0281976号、及びCurro et al.による米国特許公開第2006/0286343号に開示されている。
【0079】
図16を参照すると、繊維状不織布ウェブ60及び房70を含むトップシート30を作製する装置及び方法が示されている。装置1000は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛合ロール1020及び1040を具備し、これら軸Aは同一平面内で平行である。ロール1020は、ロール1020の円周全体にとぎれずに延出する複数個の隆起部1060と、対応する溝1080とを具備する。ロール1040はロール1020に類似しているが、円周全体にとぎれずに延出する隆起部を有さず、ロール1040は、ロール1040の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯1100の列となるように修正された、周囲方向に延出する複数個の隆起部の列を具備する。ロール1040の歯1100の個々の列は、対応する溝1120により分離される。動作時には、ロール1020の隆起部1060がロール1040の溝1120の中まで延び、ロール1040の歯1100がロール1020の溝部1080の中まで延びてニップ1160を形成するように、ロール1020及び1040が噛み合う。ロール1020及び1040の両方又はいずれかは、ホットオイルを充填したローラー又は電気的に加熱されたローラーを使用する等の、当該技術分野において既知の手段により加熱され得る。歯1100は、房領域の側部境界線80の所望の形状と、房領域の側部境界線80に関連した房70の位置とに対応するようロール1040上に配置されてもよい。即ち、歯を有さないロール1040の部分は房を有さないトップシートの部分に対応し得、歯を有するロール1040の部分は房70を有するトップシートの部分に対応し得る。
【0080】
トップシート30は、繊維状不織布ウェブ60、又は繊維状不織布ウェブ60と第2のウェブ135とからなる積層体を機械的に変形することにより作製することができる。第2のウェブ135は、ポリマーフィルム130又は第2の不織布ウェブであり得る。ロール1040の歯1100は、前縁及び後縁に関連した特定の形状を有し、この前縁及び後縁は、歯が繊維状不織布ウェブ60、又は繊維状不織布ウェブ60と第2のウェブ135とからなる積層体を通して本質的に「穿孔」することを可能にする。2つの層からなる積層体125において、歯1100は、繊維状不織布ウェブ60から繊維を面外に駆り立て、同時に第2のウェブ135を通して駆り立てる。第2のウェブ135は、歯1100を押して繊維110に通すことにより、いわば穿刺されて、房70が形成される。
【0081】
トップシート30内に存在する繊維状不織布ウェブ60及び任意の他の層は供給ロールから提供され、逆回転噛合ロール1020及び1040のニップ1160に向かう方向に移動されてもよい。存在する繊維状不織布ウェブ60及び他の層は十分なウェブ張力にて保持されて、ウェブ取扱いの分野で公知の手段により概ね平らな状態でニップ1160内に導入されてもよい。繊維状不織布ウェブ60がニップ1160を通過するにつれ、ロール1020の溝1080と噛み合うロール1040の歯1100が、繊維状不織布ウェブ60の一部をウェブの面外に駆り立てて房70を形成する。積層体125のトップシート30が所望される場合、積層体125がニップ1160を通過するにつれ、ロール1020の溝1080と噛み合うロール1040の歯1110が、繊維状不織布ウェブ60の一部をウェブの面外に駆り立て、かつ第2のウェブ135を通して駆り立てて房70を形成する。実際には、歯1100は、第2のウェブ135を通して繊維状不織布ウェブ60の繊維を「押し」又は「穿孔する」。
【0082】
歯1100の先端が繊維状不織布ウェブ60を通して押すにつれて、歯1100を横切ってCDに優位に配向された繊維状不織布ウェブ60の繊維の部分が、歯1100によって繊維状不織布ウェブ60の面外に駆り立てられる。繊維を、繊維移動度により、又はZ方向に伸長及び/又は可塑的に変形することにより、面外に駆り立てできる。積層体125のトップシート30において、房70は、それにより積層体125の第1の表面12上に形成されることができる。
【0083】
前述の記載によって、トップシート30が積層体125である場合、繊維状不織布ウェブ60と第2のウェブ135とは、破損、例えば引張応力による破損前に、伸長する材料の能力に関して、異なる材料特性を所有する必要があることが理解され得る。特に、繊維状不織布ウェブ60は、より高い繊維移動度及び/又は第2のウェブ135と比較して、より大きな繊維伸長特性を有し得るので、追加の層が破裂する、即ち房70を形成するために必要な程度まで伸長しない一方で、その繊維が、房70を形成するために十分に移動又は伸長できる。
【0084】
繊維状不織布ウェブ60の繊維が、塑性変形なく面外に伸長できる程度は、前駆体ウェブの繊維間結合の程度に依存し得る。例えば、繊維状不織布ウェブの繊維が極めてただ緩く互いに絡み合っている場合、それらは互いに滑り、したがって房70を形成するために面外により容易に伸長できる。一方で、例えば高レベルの熱点結合、水流交絡不織、又はその同種により、より強く結合された不織布前駆体ウェブの繊維は、おそらく伸長された面外房内で、より高程度の塑性変形を必要とする。したがって、繊維状不織布ウェブ60の繊維が面外に伸張でき、一方第2の不織布ウェブが伸長できないように、繊維状不織布ウェブ60は、比較的低い繊維間結合を有する繊維状不織布ウェブであり得、第2の不織布ウェブは、存在する場合、比較的高い繊維間結合を有する不織布ウェブであり得る。
【0085】
積層体125から形成されているトップシート30において、第2のウェブ135は、課される引っ張りにより生成される張力負荷の下で実際に破損し得る。即ち、積層体125の第1の面12上に配置される房70に関しては、第2の不織布ウェブ又はポリマーフィルム130は、そのいずれが存在するとしても、十分に低い繊維移動度(存在する場合)及び/又は比較的低い破断伸びを有することにより、張力下で局所的に(即ち、引っ張りの範囲内で)破損して、その内部を房70が延びることができる開口部が形成される。一実施形態では、第2のウェブ135は、1%〜5%の範囲の破断伸びを有する。実際に求められる破断伸びは、トップシート30を形成するために誘発されるひずみによって決まるが、いくつかの実施形態では、第2のウェブ135は、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%以上のウェブの破断伸びを呈することがあると認識される。また、実際の破断伸びは、図16に示されている装置においては、ライン速度の関数であるひずみ速度によって決まり得ることが認識される。本発明で使用されるウェブの破断伸びは、Instron,MTS,Thwing−Albert等によって製造されているもの等のような標準的な引張試験器を用いる標準的な引張試験法等、当該技術分野において既知の手段によって測定することができる。
【0086】
繊維状不織布ウェブ60及び第2のウェブ135からなる積層体125であるトップシート30に関しては、第2のウェブ135は、繊維状不織布ウェブ60よりも小さい繊維移動度(存在する場合)及び/又は小さい破断伸び(即ち、個々の繊維の破断伸び、又はフィルムの場合、フィルムの破断伸び)を有して、房70の限度において面外に延びるのではなく、例えば装置1000の歯1100により、房70の形成により生成されるひずみによる張力下で破損する必要がある。一般に、第2のウェブ135は、繊維状不織布ウェブ60の破断伸びの少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、又は少なくとも約100%小さい破断伸びを有する必要があると思われるウェブの相対的な破断伸び値は、Instron,MTS,Thwing−Albert等によって製造されているもの等のような標準的な引張試験器を用いる標準的な引張試験法等、当該技術分野において既知の手段によって測定することができる。
【0087】
房70の数、空隙、及び寸法は、歯1100の数、空隙、及び寸法により、並びにロール1040及び/若しくはロール1020に必要な対応寸法を変えることにより変わり得る。更に、トップシート30上の房70のパターン、並びに房領域の側部境界線80の大きさ、形状及び位置は、ロール1040上の歯1100のパターンを変えることによって変えることができる。即ち、ロール1040の部分は、いずれの歯1100も有さない場合がある。ロール1020内において、ロール1020の部分が溝1080及び溝1060のいずれも有さない場合がある、同様の変更を行うことができる。
【0088】
噛合ロール1020及び1040、並びに隆起部1060及び歯1100の一部の断面が、図17に示されている。図示されるように、歯1100は、歯の高さTH(THは、その上隆起部高さに加えられ得ることに留意すること;一実施形態において、歯の高さ及び隆起部高さは、等しい)、並びにピッチPと示される歯間空隙部(若しくは隆起部間空隙部)を有する。図示されるように、嵌合部Eの深さは、ロール1020と1040との噛み合いレベルの測定値であり、隆起部1060の先端から歯1100の先端までを測定する。嵌合部Eの深さ、歯の高さTH、及びピッチPは、繊維状不織布ウェブ60、及び存在する場合第2のウェブ135と、トップシート30の所望の特性とに応じて変更されてもよい。例えば、一般に、嵌合部Eのレベルが大きくなるほど、繊維状不織布ウェブ60の繊維が所有するべき必要な伸長及び繊維間移動度特性が大きくなる。その上、所望の房密度が大きくなるほど、ピッチは小さくなるべきであり、歯の長さTL及び歯の距離TDは、下記のように、小さくなるべきである。
【0089】
図18は、約60gsm〜100gsmの坪量とポリマーフィルム130(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン)とを有する繊維状不織布ウェブ60からトップシート30を作製するのに有用な、複数個の歯1100を有するロール1040の一実施形態を示す。
【0090】
歯1100の拡大図が、図19に示される。このロール1040の実施形態では、歯1100は、約1.25mmの歯の先端1110で前縁LEから後縁TEまで一般に測定される均一周辺長さ寸法TLを有することができ、約1.5mmの距離TDにより周囲方向に互いから均等に離間される約60〜約100gsmの範囲の総坪量を有する繊維状不織布ウェブ60からトップシート30を作製するためには、ロール1040の歯1100は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL及び約0.5mm〜約3mmの空隙TDと、約0.5mm〜約5mmの範囲の歯の高さTHと、約1mm(0.040インチ)〜約5mm(0.200インチ)のピッチPとを有することができる。嵌合部Eの深さは、約0.5mm〜約5mm(最大歯の高さTHと等しくなるまで)であり得る。当然ながら、所望の大きさ、空隙、及び房面密度を実現するために、E、P、TH、TD、及びTLを、相互に独立して変えることができる。
【0091】
LE及びTEは、ロール1040の局部的周囲表面1200にほぼ直交すべきであると考えられている。同様に、先端1110及びLE又はTEからの遷移は、歯1100がLE及びTEで繊維状不織布ウェブ60、及び存在する場合第2のウェブ135に押し通されるような、十分に小さな曲率半径を有する直角のような、鋭角であるべきである。理論に束縛されるものではないが、歯1100の先端とLE及びTEとの間において比較的鋭く角度付けされた先端遷移を有することによって、歯1100が繊維状不織布ウェブ60又は積層体125をきれいに、即ち局部的にかつ画然と穿孔し、繊維状不織布ウェブ60の第1の面12又は積層体125の第1の面12が房70を含むことができると思われる。ライン速度は、繊維状不織布ウェブ60に適用されるひずみ速度に影響を与えるため、房70の特性は、ライン速度の関数として変更され得る。
【0092】
繊維状不織布ウェブ60は、最小限の繊維間結合が存在する不織布ウェブであってもよい。例えば、前駆体ウェブは、不連続な熱点結合のパターンを有する不織布ウェブであってもよい。房70の形成の間、最大の繊維移動度及び転位を許容するように、結合点の数を最小化し、空隙を最大化することが望ましい可能性がある。一般に、比較的大きな直径、及び/又は比較的高い破壊するまでの伸張、及び/又は比較的高い繊維移動度を有する繊維を使用することは、より優れた、より個別に形成される房70を生じことができる。
【0093】
図20は、本明細書に開示した積層体の走査型電子顕微鏡写真(SEM)の平面図である。図12に示すように、キャップ331は特定の房70の遠位部分231を覆っている。図12において、キャップ331は、房70の対向する側の少なくとも2つの伸長位置254から一体的に延び、第1の開口部251及び第2の開口部252により分離されている。上方から見た場合、特定の房の遠位部分231を覆うキャップ331は、房70を形成する繊維110からなる毛細管内に保持された月経分泌物等の流体を視界から覆い隠すことを補助し得る。図20にポリマーウェブの微細構造も示し、この微細構造は微細孔172である。
【0094】
図21は、本明細書に開示した積層体の輪郭のSEMである。図13に示すように、積層体ウェブに隣接したキャップ基部271は、キャップ基部271から離れたキャップ331の部分よりも狭い。図21のキャップ331は、略オメガ(Ω)形である。
【0095】
図22は、本明細書に開示した積層体の正面の輪郭のSEMである。図14に示すように、キャップ331は3つ以上の開口部を有し、それによりキャップは4つ以上の別個の位置にてポリマーフィルム130から延びることができる。
【0096】
トップシート又はカバーラップとして使用できる積層体は、本明細書に開示した装置を使用して製作することができる。不織布60に適した材料は、BBA Nonwovensから入手可能なBBA Bico,28gsm,GCAS 95001796,50/50 PE/PP,philic不織布であり得る。ポリマーフィルム130に適した材料は、Tredegar Corp.から獲得可能な100メッシュ前駆体ウェブであるTredegar X−33350(philic)であり得る。表1に列挙した2組のプロセスパラメータを使用して、本明細書に開示した積層体ウェブを形成することができる。歯1110は、距離TD1.524mm(0.060in)により互いに周囲方向に離間された均一な周囲方向長さ寸法TL3.0mm(0.120インチ)、ピッチP1.524mm(0.060in)、嵌合部Eの深さ2.896mm(0.114in)、歯の高さTL4.699mm(0.185in)、歯110及び溝108の先端の曲率半径0.127mm(0.005in)、並びに歯1110と溝1108との間の谷部内の曲率半径0.381mm(0.015in)を有してもよい。不織布の温度は、約25℃であってもよい。ポリマーフィルムの温度は、25℃より高くてもよい。25℃を超える、例えば約50℃のポリマーフィルムの温度を有することにより、許容できるキャップ331が形成され得る。一般に、加工される材料の弾性率、温度、ポリマーフィルムの微細構造、並びに装置の上流側及び下流側のウェブ張力は、結果として得られる積層体の構造に影響を与える因子であり得ると考えられる。
【表1】
【0097】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0098】
本明細書で引用される、相互参照付きの、又は関連する、特許及び出願を含むいずれの文献も、明白に排除されない限り、また別の方法で制限されない限り、本明細書にその全体が参照によって組み入れられる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本明細書中で開示又は特許請求の範囲に記載されるいずれかの発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他のあらゆる参照文献との組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が、援用文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。
【0099】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップシート(30)と、前記トップシートと対面関係にある吸収性コア(20)とを備えた吸収性物品(5)であって、
前記トップシートが、長手方向中心線(L)と、前記長手方向中心線と直交し、かつ交差する横断方向中心線(T)と、前記横断方向中心線と平行な平行横断方向軸(TP)とを有し、前記長手方向中心線が3分割され、前記長手方向中心線の3分の1は中間1/3(50)であり、前記平行横断方向軸が、前記長手方向中心線の前記中間1/3と交差し、
前記トップシートが繊維状不織布ウェブ(60)及び房(70)を含み、
前記房が、前記繊維状不織布ウェブと一体的で、かつ前記繊維状不織布ウェブから延びる繊維(110)を含み、前記房の複数個の前記繊維は、ループ状繊維であり、
前記トップシートが、前記長手方向中心線の両側に対称的に配置された一対の房領域の側部境界線(80)を含み、前記房領域の側部境界線のそれぞれは、長手方向に対向する末端部(81)を有し、前記長手方向中心線の少なくとも一部に沿って延びる線又は線の一部により画定され、かつ前記房を有さない前記トップシートの部分から複数個の前記房を分離し、
前記房領域の側部境界線が、前記平行横断方向軸において最小であると共に前記房領域の側部境界線の前記長手方向に対向する末端部に向かって徐々に増大する距離(100)により互いに離間され、又は前記平行横断方向軸において最大であると共に前記房領域の側部境界線の前記長手方向に対向する末端部に向かって徐々に減少する距離により互いに離間されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記房領域の側部境界線が、水に対する親和性において異なる前記トップシートの部分の間にある、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が前記房を有さない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が前記房を含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記トップシートが、前記繊維状不織布ウェブ及びポリマーフィルム(130)からなる積層体(125)を含み、前記房が前記ポリマーフィルムを通して延びる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記繊維状不織布ウェブが、前記ポリマーフィルムと比較して比較的親水性である、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記トップシートが、前記繊維状不織布ウェブ及びポリマーフィルム(130)からなる積層体(125)を含み、前記房のそれぞれが、前記繊維状不織布ウェブに隣接した房基部(72)と、前記房基部の反対側の遠位部分(231)とを有し、前記房のそれぞれの前記遠位部分の少なくとも一部がキャップ(331)により覆われ、前記キャップのそれぞれは、個々の前記房の前記遠位部分上に延びる前記ポリマーフィルムの一体的な伸長部であり、前記キャップは、前記ポリマーフィルム上方を前記房が延びる前記ポリマーフィルム内の破裂位置(253)を有する第1の開口部(251)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が、前記房を含み、前記房を有さない前記トップシートの部分により包囲されている、請求項1、2、及び4〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が、前記房を有さず、前記房を含む前記トップシートの部分により包囲されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記トップシートが、前記繊維状不織布ウェブ及び第2の不織布ウェブからなる積層体(125)を含み、前記房が前記第2の不織布ウェブを通して延びる、請求項1〜4、8、及び9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記繊維状不織布ウェブが、前記第2の不織布ウェブと比較して比較的親水性である、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記複数個の前記房が第1の色(157)を有し、前記房を有さない前記トップシートの前記部分が第2の色(151)を有し、前記第1の色が、CIE LABの尺度で定量化した際に少なくとも1.1の大きさだけ前記第2の色と異なる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記吸収性コアが、前記長手方向中心線から離間された一対のコア側部縁(160)を有し、前記房領域の側部境界線のいずれも前記吸収性コアの前記コア側部縁を越えて延びない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記房領域の側部境界線が、前記平行横断方向軸における最小値から、前記房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する距離(100)により互いに離間されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記房領域の側部境界線が、前記平行横断方向軸における最大値から、前記房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最小値へ徐々に減少する距離(100)により互いに離間されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項1】
トップシート(30)と、前記トップシートと対面関係にある吸収性コア(20)とを備えた吸収性物品(5)であって、
前記トップシートが、長手方向中心線(L)と、前記長手方向中心線と直交し、かつ交差する横断方向中心線(T)と、前記横断方向中心線と平行な平行横断方向軸(TP)とを有し、前記長手方向中心線が3分割され、前記長手方向中心線の3分の1は中間1/3(50)であり、前記平行横断方向軸が、前記長手方向中心線の前記中間1/3と交差し、
前記トップシートが繊維状不織布ウェブ(60)及び房(70)を含み、
前記房が、前記繊維状不織布ウェブと一体的で、かつ前記繊維状不織布ウェブから延びる繊維(110)を含み、前記房の複数個の前記繊維は、ループ状繊維であり、
前記トップシートが、前記長手方向中心線の両側に対称的に配置された一対の房領域の側部境界線(80)を含み、前記房領域の側部境界線のそれぞれは、長手方向に対向する末端部(81)を有し、前記長手方向中心線の少なくとも一部に沿って延びる線又は線の一部により画定され、かつ前記房を有さない前記トップシートの部分から複数個の前記房を分離し、
前記房領域の側部境界線が、前記平行横断方向軸において最小であると共に前記房領域の側部境界線の前記長手方向に対向する末端部に向かって徐々に増大する距離(100)により互いに離間され、又は前記平行横断方向軸において最大であると共に前記房領域の側部境界線の前記長手方向に対向する末端部に向かって徐々に減少する距離により互いに離間されている、吸収性物品。
【請求項2】
前記房領域の側部境界線が、水に対する親和性において異なる前記トップシートの部分の間にある、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が前記房を有さない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が前記房を含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記トップシートが、前記繊維状不織布ウェブ及びポリマーフィルム(130)からなる積層体(125)を含み、前記房が前記ポリマーフィルムを通して延びる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記繊維状不織布ウェブが、前記ポリマーフィルムと比較して比較的親水性である、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記トップシートが、前記繊維状不織布ウェブ及びポリマーフィルム(130)からなる積層体(125)を含み、前記房のそれぞれが、前記繊維状不織布ウェブに隣接した房基部(72)と、前記房基部の反対側の遠位部分(231)とを有し、前記房のそれぞれの前記遠位部分の少なくとも一部がキャップ(331)により覆われ、前記キャップのそれぞれは、個々の前記房の前記遠位部分上に延びる前記ポリマーフィルムの一体的な伸長部であり、前記キャップは、前記ポリマーフィルム上方を前記房が延びる前記ポリマーフィルム内の破裂位置(253)を有する第1の開口部(251)を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が、前記房を含み、前記房を有さない前記トップシートの部分により包囲されている、請求項1、2、及び4〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記房領域の側部境界線と前記長手方向中心線との間の前記トップシートの部分が、前記房を有さず、前記房を含む前記トップシートの部分により包囲されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記トップシートが、前記繊維状不織布ウェブ及び第2の不織布ウェブからなる積層体(125)を含み、前記房が前記第2の不織布ウェブを通して延びる、請求項1〜4、8、及び9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記繊維状不織布ウェブが、前記第2の不織布ウェブと比較して比較的親水性である、請求項10に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記複数個の前記房が第1の色(157)を有し、前記房を有さない前記トップシートの前記部分が第2の色(151)を有し、前記第1の色が、CIE LABの尺度で定量化した際に少なくとも1.1の大きさだけ前記第2の色と異なる、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記吸収性コアが、前記長手方向中心線から離間された一対のコア側部縁(160)を有し、前記房領域の側部境界線のいずれも前記吸収性コアの前記コア側部縁を越えて延びない、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記房領域の側部境界線が、前記平行横断方向軸における最小値から、前記房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最大値へ徐々に増大する距離(100)により互いに離間されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記房領域の側部境界線が、前記平行横断方向軸における最大値から、前記房領域の側部境界線の長手方向に対向する末端部の一方又は両方における最小値へ徐々に減少する距離(100)により互いに離間されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2011−530341(P2011−530341A)
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522234(P2011−522234)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/052945
【国際公開番号】WO2010/017353
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/052945
【国際公開番号】WO2010/017353
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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