説明

扉用ロックハンドル装置

【課題】ケーシングを合成樹脂で構成する場合、シリンダ錠の取り付け作業を簡易化して、製作容易にできる扉用ロックハンドル装置を提供する。
【解決手段】扉用ロックハンドル装置1の合成樹脂製ケーシング2は、底板15と、この底板15上にハンドル3を収納する収納部Sと、底板15上にシリンダ錠6を嵌合固定する錠取付部とを具備する。シリンダ錠6は、円筒状ケース32に錠機構を内蔵し、前面側から挿入されるキーの操作で施錠位置と解錠位置の間で正逆回転自在である。ケース32の外周に環状の係合溝34を持つ。錠取付部は、底板15から起立する錠受筒16と、その縁から円形開口20の中心に向かって突出する複数の弾性係合爪16aとを具備する。係合爪16aは、係合溝34にスナップ係合し、シリンダ錠6を軸方向に抜け止めし、軸周り回転を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配電盤収納ボックス等に使用される扉用のロックハンドル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の扉用ロックハンドル装置として、特許文献1に示されるものが知られている。このロックハンドル装置においては、ケーシングが扉パネルに固着され、このケーシングに対してハンドルが起伏回転するように一端側で枢支されている。ハンドルは、ケーシングに対してこれを前後に貫通するシャフトを介して枢支されている。シャフトには、ケーシングの背面側に位置してラッチ板が固着されている。ハンドルが起立した状態で、これを旋回操作すると、ハンドルを枢支するシャフトが回転し、これに固着されたラッチ板が回転して扉のロックを操作できるようになっている。扉を施錠するシリンダ錠がケーシングの内部に取付けられ、常時はこのシリンダ錠の前面が倒伏したハンドルに覆われる構造となっている。シリンダ錠の前面を覆うハンドルには、キー挿通孔が形成され、ハンドルを倒伏させた状態のままで、キー挿通孔からキーをシリンダ錠に挿入してこれを操作できるようになっている。
ハンドルがケーシングに対して垂直または斜めに起立回転する時に、ハンドルからケーシングの背面側へ突出する駆動突子によってラッチ板を回転駆動する形式のロックハンドル装置でも、シリンダ錠とハンドルとの取り合いに関し同様の構造が採用されている。
このようなロックハンドル装置のケーシングは、いずれも金属製で、シリンダ錠の取り付けは、ねじ止め等の固着手段によるもので、取り付け作業に比較的多くの手数がかかっている
【特許文献1】特開平11−210277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の扉用ロックハンドル装置は、全体がほとんど金属部材で構成されるが、これに対して、設置場所の条件や、製造コストの条件に対応するために、ロックハンドル装置全体を合成樹脂で構成するという要請がある。このうち、ケーシングを合成樹脂で構成する場合、シリンダ錠の取り付け作業を簡易化して、製作容易にできる扉用ロックハンドル装置を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、この出願の発明に係る扉用ロックハンドル装置1は、ケーシング2の主要部が合成樹脂で一体成形される。ケーシング2は、扉パネルPの前面と平行に配置される底板15と、この底板15上に、倒伏状態のハンドル3を収納するように設けられるハンドル収納部Sと、同底板15上にシリンダ錠6を嵌合固定するように設けられる錠取付部とを具備する。この錠取付部に装着されるシリンダ錠6は、円筒状ケース32に錠機構を内蔵し、前面側から挿入されるキーの操作により、施錠位置と解錠位置の間で所定角度正逆回転自在で、円筒状ケース32の外周に環状の係合溝34を具備する。錠取付部は、ケーシングの底板15から起立して内側に底板15を貫通する円形開口20を有する錠受筒16と、この錠受筒16の縁から円形開口20の中心に向かって突出する複数の弾性係合爪16aとを具備する。錠受筒16内には、シリンダ錠6を嵌合可能である。弾性係合爪16aは、受け入れたシリンダ錠6を軸方向に抜け止めしつつ軸周り回転を許容するように、環状の係合溝34にスナップ係合する。
好ましくは、ハンドル3は、倒伏状態においてケーシング2上のシリンダ錠6の前面側に重なるように配置され、当該シリンダ錠6の前面に対応する位置に、キー挿入窓36を有する。このキー挿入窓36を通してシリンダ錠をキー操作するように構成される。
また好ましくは、シリンダ錠6は、円筒状ケース32の外周から半径方向へ突出した施錠突子33を具備する。ハンドル3は、倒伏状態において、シリンダ錠6の施錠突子33がその回転角度により係合又は離脱する係合部35を有する。
【発明の効果】
【0005】
この出願に係る発明の扉用ロックハンドル装置1によれば、シリンダ錠6は、ケーシング2の前面側から錠受筒16内に軸方向に押し込むだけで、所定位置で自動的に係合爪16aが係合溝34に係合することで、その組み込み作業が完了する。
以上、添付図面の符号を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面を参照してこの発明の実施の形態を説明する。図1はロックハンドル装置の正面図、図2は図1のロックハンドル装置の背面図、図3は図1のロックハンドル装置の側面図、図4は図1のロックハンドル装置の平面図、図5は図1のロックハンドル装置のハンドルを倒伏させた状態の断面図、図6は図1のロックハンドル装置のハンドルを起立させた状態の断面図、図7は図1のロックハンドル装置の前面側の分解斜視図、図8は図1のロックハンドル装置におけるケーシングの背面側の分解斜視図、図9は図1のロックハンドル装置における補強金具を示すもので(a)は正面図、(b)は側面図、図10は図1のロックハンドル装置におけるハンドルを示すもので(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は平面図、図11は図1のロックハンドル装置におけるケーシングの一部を示すもので(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は背面図、図12は図1のロックハンドル装置の一部の拡大断面図、図13は図1のロックハンドル装置におけるケースロック部材の拡大側面図、図14は同ケースロック部材の説明図である。
【0007】
図1〜5に示すように、ロックハンドル装置1は、扉パネルPの取付開口P1に嵌合して固着されるケーシング2と、このケーシング2に起伏回転可能に一端(図5において上端、以下、他の部材についても同じ)側で枢着されるハンドル3と、このハンドル3の起伏回転に連動してロック位置と非ロック位置との間を往復回転するようにケーシング2に装着されるラッチ板4と、ハンドル3を伏倒状態に拘束する拘束位置とハンドル3の起立回転を許容する非拘束位置との間を往復回転するようにケーシング2に装着されるストッパ5と、施錠状態においてストッパ5の動作如何に関わらずハンドル3を伏倒状態に拘束して扉を施錠するようにケーシング2に装着されるシリンダ錠6とを具備する。
【0008】
扉パネルPは、閉鎖状態で、それが取り付けられる筐体の外側に配置されることとなる前面P2(図5において左側面、以下、他の部材についても同じ)とその反対側の背面(図5において右側面、以下、他の部材についても同じ)P3とを有し、ほぼ矩形の取付開口P1が、前面P2と背面P3間を貫通している。
【0009】
ケーシング2は、図7,8に示すように、主要部をなす合成樹脂製の本体7と、この本体7に嵌合固定される補強金具8とで構成される。ケーシング本体7は、前面側に開放する矩形の開口9aを有する箱状部9と、この開口9aの周りに広がるフランジ板10とを具備する。箱状部9は、扉パネルの矩形の取付開口P1内に挿入される。箱状部9は、フランジ板10から背面側へ直角に起立した四方(図1において左右上下)の側板11,12,13,14と、左右側板11,12間を接続する底板15とを具備する。側板11,12,13,14と底板15とで囲まれた空間Sに、伏倒状態のハンドル3が収納され(図5)、この状態でハンドル3の前面がフランジ板10の前面とほぼ面一となる。底板15上に、シリンダ錠6を保持する錠取付部としての錠受け筒16が形成される。左右側板11,12の上下には、ケースロック部材17が形成される。
【0010】
フランジ板10は、扉パネルPの取付開口P1を囲む矩形枠状で、背面が扉パネルPの取付開口P1周辺の前面P2に当接する(図5)。箱状部9の側板11,12,13,14は、扉パネルPの取付開口P1の4つの内辺に沿うように配置される。
【0011】
図13,14に示すように、ケースロック部材17は、側板11,12の上下端の背面側角縁からそれぞれ上方又は下方へ湾曲しつつ延びる弾性部18と、これに連続して、それぞれフランジ板10の背面に向かって延び当該背面との間に所定間隔を置いて終結する係合部19とを具備する。係合部19は、フランジ板10の背面に向かって徐々に広がる斜面19aと、当該背面からの距離がそれぞれ異なる当接面19bを有する複数の段部19cを備える。扉パネルPの取付開口P1の上下方向寸法は、上下のケースロック部材17の上下端間の距離より小さく形成され、ケーシング2の箱状部9を取付開口P1内へ挿入しようとするときに、取付開口P1の上下縁が、ケースロック部材17の斜面19aに当接するように設定されている。したがって、この状態でケーシング2を取付開口P1内へ押し込むと、ケースロック部材17の係合部19が取付開口P1の上下縁に押され、これにより弾性部18が撓み、係合部19が取付開口P1を通過するのを許容する。その後、弾性部18の弾性によって係合部19は、元位置に復帰する。このとき、扉パネルPの厚さt1,t1,t3に応じて、いずれかの当接面19bが取付開口P1の上下縁の背面P3に当接し、フランジ板10との間に扉パネルPを挟むことにより、ケーシング2を扉パネルPに固定する。
【0012】
図11に示すように、底板15は、前面と背面間に貫通する円形の開口20を有し、この開口20の周縁から前面側へ錠受け筒16が起立している。錠取付部である錠受け筒16は、開口20の周縁から中心に向かって突出する複数の弾性係合爪16aを有する。図12に示すように、弾性係合爪16aは、錠受け筒16に前面側から挿入されるシリンダ錠6の外周の係合溝34に弾性的に係合してシリンダ錠6を抜け止めする。図8に示すように、底板15は、上下の端が、それぞれ上下側板13,14に至っておらず、この部位で空間Sが背面側へ開放している。
【0013】
図8に示すように、ケーシング2の一部を構成する補強金具8は、底板15の上方の開放部位に嵌合固定される。図8,9に示すように、補強金具8は、底板15の上端に連続して上側板13に至る基板22と、基板22から直角に起立して左右側板11,12の内側に沿う左右一対の軸受板23とを具備する。基板22の左右方向中央には、上下方向に延びるスリット24が形成される。基板22の下端縁には、底板15の上端縁15aの内側に係合する係合突起25が形成され、上端縁には、上側板13の係合孔13aにスナップ係合する係合突起26が形成される。
【0014】
したがって、補強金具8は、ケーシング2の背面側から押し込んで、容易にケーシング本体7に嵌合固定することができる。すなわち、基板22の下端縁を底板15の上端縁に接合させると共に、その内側に下部係合突起25を掛け、上部係合突起26を上側板13の端縁に当てた状態で、基板22の上部を前面側へ押し込めば、係合突起26が、斜面26a(図9b)で上側板13を上方へ弾性的に撓ませつつ、基板22の下端縁を中心に補強金具8が回転し、所定位置で係合突起26が上側板13の係合孔13aに落ち込んで抜け止めされる(図5,6)。また、基板22には、ラッチ板4を枢支するピン27と、ラッチ板4の回転を案内するガイドピン28を螺合させる2つのねじ穴29,30が形成される。ねじ穴29,30は、基板22の背面から軸受板23内まで進入している。
【0015】
図5,12に示すように、シリンダ錠6は、受け筒16に対して軸周りに90°正逆回転可能に、軸方向には抜け止めされて装着される。常時はディスクタンブラ31が円筒状のケース32から突出してケーシングの受け筒16に係合しており、回転不可能であるが、図示しないキーの挿入によりディスクタンブラ31をケース32内へ引き込むと、受け筒16に対して90°正逆回転可能となる。ケース32は、外周に、半径方向に突出する施錠突子33を有すると共に、環状の係合溝34を有する。このシリンダ錠6を90°正逆回転させて、施錠位置と解錠位置に切り替える。施錠位置では、施錠突子33が、伏倒位置にあるハンドル3の係合部35(図7)に係合することによって、ハンドル3を施錠する。シリンダ錠6の前面は、伏倒位置にあるハンドル3のキー挿入窓36を通して前面側へ一部が露出ので、ハンドル3の前面、背面間に貫通する挿入窓36を通してキーを鍵穴37へ挿入してシリンダ錠6を解錠又は施錠操作することができる。シリンダ錠6の前面には、鍵穴37の脇に位置して相互に90°の回転角度離れた位置に、2つのインジケータ38,39が形成される。インジケータ38,39は、それぞれシリンダ錠6の施錠状態、解錠状態を表示するためのものである。
【0016】
図5,6,10に示すように、ハンドル3は、合成樹脂製の本体40と金属製の駆動突子41とを有し、枢軸42により、上端側においてケーシング2に枢支される。具体的には、枢軸42は、補強金具8の左右軸受板23と左右側板11,12に支持される。
【0017】
ハンドル本体40は、枢軸42を中心に扉パネルPの前面P2側へ起立し又はケーシング2内へ伏倒するように回転可能で、ばね43によって起立方向へ回転付勢される。ハンドル3が伏倒した状態で、キー挿入窓36がシリンダ錠6に重なり、これを前面側へ露出させる。ハンドル3には、挿入窓36の縁に連続して、表示窓44が形成される。表示窓44は、インジケータ38,39を前面側へ露出させることによって、シリンダ錠6が施錠、解錠のいずれの状態にあるかを視認可能とする。シリンダ錠6が解錠状態にあっても、ストッパ5を操作しない限りハンドル3は起立しないから、ハンドル3の状態のみではシリンダ錠6の施・解錠を確認できないが、表示窓44を通してインジケータ38,39を視認できるので、これで施錠、解錠を容易に確認できる。
【0018】
図5,6に示すように、駆動突子41は、本体40の一端側から補強金具8のスリット24を自由に貫通して背面側へ突出し、ラッチ板4と係合する。ハンドル本体40の起伏回転に伴う駆動突子41の回動によって、金属製のラッチ板4をロック位置又は非ロック位置へ回転駆動する。
【0019】
ストッパ5は、合成樹脂製で、伏倒状態のハンドル3の下端側に隣接して、ケーシング2の空間S内において、枢軸45によってケーシング2の側板11,12間に枢支され、常時は伏倒位置にあるハンドル3の先端部に係合し(図5)、これを拘束するように、ばね46で回転付勢される。拘束位置にあるストッパ5をハンドルの前面側から指先でケーシング2内へ押し込むように回転させる(図6)と、ハンドル3との係合が外れ、ハンドル3の起立動作を許容する。
【0020】
ハンドル3の駆動突子41は、金属板材を打ち抜いて形成され、その厚さ方向がハンドルの背面と平行になるように配置される。駆動突子41は、ステム部47と、突出部48と、軸挿部49とを具備する。駆動突子41は、合成樹脂製のハンドル本体40と一体にインサート成型される。ステム部47は、ハンドル本体40内に埋没し、ハンドル本体40に沿って延び、一部がハンドル本体40の背面から隆起する。ハンドル本体40は、駆動突子のステム部47を埋没させるように、ハンドル本体40の背面から隆起したリブ50を有する。突出部48は、ステム部47の一端側から所定角度で延びてハンドル本体40から突出する。軸挿部49は、ステム部47と突出部48と間に位置し、枢軸42を貫通させる軸孔51を有し、ハンドル本体の背面から直角に膨出した軸受保持部52に埋没している。
【0021】
ハンドル3の起伏回転操作において、比較的大きな衝撃や負荷がかかるハンドル3の軸挿部49、ケーシング2の軸受板23、これを支える基板22およびラッチ板4を打ち上げる駆動突子41が、すべて金属で構成されるから、ロックハンドル装置1を堅牢に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ロックハンドル装置の正面図である。
【図2】図1のロックハンドル装置の背面図である。
【図3】図1のロックハンドル装置の側面図である。
【図4】図1のロックハンドル装置の平面図である。
【図5】図1のロックハンドル装置のハンドルを倒伏させた状態の断面図である。
【図6】図1のロックハンドル装置のハンドルを起立させた状態の断面図である。
【図7】図1のロックハンドル装置の前面側の分解斜視図である。
【図8】図1のロックハンドル装置におけるケーシングの背面側の分解斜視図である。
【図9】図1のロックハンドル装置における補強金具を示すもので(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図10】図1のロックハンドル装置におけるハンドルを示すもので(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
【図11】図1のロックハンドル装置におけるケーシングの一部を示すもので(a)は正面図、(b)は断面図、(c)は背面図である。
【図12】図1のロックハンドル装置の一部の拡大断面図である。
【図13】図1のロックハンドル装置におけるケースロック部材の拡大側面図である。
【図14】図1のロックハンドル装置におけるケースロック部材の説明図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ロックハンドル装置
2 ケーシング
3 ハンドル
4 ラッチ板
5 ストッパ
6 シリンダ錠
7 ケーシング本体
8 補強金具
9 箱状部
9a 開口
10 フランジ板
11 左側板
12 右側板
13 上側板
14 下側板
15 底板
16 受筒
17 ケースロック部材
18 弾性部
19 係合部
19a 斜面
19b 当接面
19c 段部
20 円形開口
22 基板
23 軸受板
24 スリット
25 係合突起
26 係合突起
27 枢ピン
28 ガイドピン
29 ねじ穴
30 ねじ穴
31 ディスクタンブラ
31 本体
32 円筒状ケース
33 施錠突子
34 係合溝
35 係合部
36 キー挿入窓
37 鍵穴
38 インジケータ
39 インジケータ
40 ハンドル本体
41 駆動突子
42 枢軸
43 ばね
44 表示窓
45 枢軸
46 ばね
47 ステム部
48 突出部
49 軸挿部
50 リブ
51 軸孔
52 軸受保持部
P 扉パネル
P1 開口
P2 前面
P3 背面
S ハンドル収納空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面とその反対側の背面とを有する扉パネルのほぼ矩形の開口に嵌合して固着されるケーシングと、
このケーシングに対して、一端側において扉の前面側へ起伏回転可能に枢支され、他端側へ延びるハンドルと、
前記ケーシング上に設けられ、施錠状態で前記ハンドルを倒伏位置に拘束し、解錠状態でハンドルの起立動作を許容するシリンダ錠とを具備し、
前記ハンドルの起伏回転又は起立後の一端側を中心にした旋回操作に連動して扉をロック又は非ロック状態に切り替える扉用ロックハンドル装置において、
前記ケーシングは、主要部が合成樹脂で一体成形され、前記扉パネルの前面と平行に配置される底板と、この底板上に倒伏状態の前記ハンドルを収納するように設けられるハンドル収納部と、同底板上に前記シリンダ錠を嵌合固定するように設けられる錠取付部とを具備し、
前記シリンダ錠は、円筒状ケースに錠機構を内蔵し、前面側から挿入されるキーの操作により、施錠位置と解錠位置の間で前記ケーシングの錠取付部に対して所定角度正逆回転自在で、円筒状ケースの外周に環状の係合溝を具備し、
前記錠取付部は、前記ケーシングの底板から起立して内側に底板を貫通する円形開口を有する錠受筒と、この錠受筒の縁から円形開口の中心に向かって突出する複数の弾性係合爪とを具備し、錠受筒内に前記シリンダ錠を嵌合可能で、
前記錠受筒の弾性係合爪は、受け入れた前記シリンダ錠を軸方向に抜け止めしつつ軸周り回転を許容するように、シリンダ錠の環状の係合溝にスナップ係合することを特徴とする扉用ロックハンドル装置。
【請求項2】
前記ハンドルは、倒伏状態において前記ケーシング上のシリンダ錠の前面側に重なるように配置され、当該シリンダ錠の前面に対応する位置に、前面、背面間に貫通するキー挿入窓を有し、このキー挿入窓を通してシリンダ錠をキー操作するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の扉用ロックハンドル装置。
【請求項3】
前記シリンダ錠は、円筒状ケースの外周から半径方向へ突出した施錠突子を具備し、
前記ハンドルは、倒伏状態において、前記シリンダ錠の施錠突子がその回転角度により係合又は離脱する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の扉用ロックハンドル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−144416(P2010−144416A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322410(P2008−322410)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000108708)タキゲン製造株式会社 (256)