説明

手動バイパス弁操作式流量調整装置

【課題】,従来の技術に係わる燃料油移送において、その所要流量を安価な装置で簡単、且つ正確に調整出来る装置を提供する事である。
【解決手段】タンクより燃料油を所要の流量で供給する場合に、これを供給する電動ポンプに手動流量調整用ニードル弁つきバイパス管を附属し、この調整流量を表示する流量計と、この調整流量を安定化させるための自動調整弁とを装備し、所要流量は流量計の表示を確認しながら流量調整弁により手動操作する装置で、比較的安価な構造で、且つ簡単な操作で所要の流量が正確に調整出来る事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントの燃料供給装置において、供給する燃料油を所要の粘度にするために、別の燃料油で希釈混合または加熱された燃料油で混合加熱する場合の必要流量は、燃料油の品質、周囲温度による放熱の程度等、その時の状態変化に合わせた流量調整が必要である。
その流量調整方法として、操作が容易で、構造簡単、且つ安価な装置で正確な流量調整が出来る手動バイパス弁操作式流量調整装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動ポンプで供給する燃料油を運転タイマーにより流量調整する従来の方法は、その時の状態変化に合せた正確な流量調整に弱点があり、省エネルギーとして不充分である。
【0003】
なお、本発明に関連する公知技術として次の特許文献1を挙げることができる。
【特許文献1】 特開平11−303651号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如く,従来の技術に係わる燃料油供給において、その所要流量を安価な装置で、簡単、且つ正確に調整出来る装置を提供する事である。
【問題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的から本発明の手動パイパス弁操作式流量調整装置は、所要の燃料油を電動供給ポンプにより、その吐出量を流量計で確認しながら流量調整弁を弁開度に合せて、自動調圧弁の設定圧力のもとで手動によりパイパス操作する簡単な装置で所要の流量が正確に調整出来る事を特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように本発明によれば、燃料油を供給する電動供給ポンプの吐出量をパイパス流量調整弁により、流量計の指示を確認して手動操作する流量調整は、簡単な装置で、操作流量か正確であり、安価な流量調整装置としての利用性は極めて有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面にもとずき詳細に説明する。
【0008】
図1は本発明の実施の構造を示すものである。図2は重油を燃料油として使用する船舶の燃料油移送管系統にこの装置を装備する場合の1例である。
【0009】
図1に示すように供給される燃料油は供給管11より電動供給ポンプ12で吸入され、その吐出量はこのポンプのバイパス管13に取付けられた流量調整弁14を手動操作により、調整された流量を流量計15で確認しながら、所要の流量に調整する。この後方にある自動圧力調整弁16は流量調整弁14の流量調整量を安定化させる働きを持ち、その調整圧力は燃料油の粘性抵抗以上の圧力で設定される。
【0010】
図2は船舶デーゼル機関の燃料供給配管系統の1例を示したものである。
燃料貯蔵タンク21と機関燃料油として加熱準備されている燃料澄タンク22及び燃料油常用タンク23とは燃料油移送ポンプ24と電動供給ポンプ12を介して連結されている。前記、電動供給ポンプ12と手動式流量調整弁14、流量計15、及び自動圧力調整弁16が本発明の手動バイパス操作式流量調整装置を示したものである。
【産業上の利用可能性】
【0011】
重油を燃料油として使用する船舶デーゼル機関、火力発電ボイラーの燃料供給装置において、供給する燃料油を所定の粘度に維持する手段として加熱された燃料油を使用して混合加熱する場合の流量調整装置、又は、供給中の燃料油にデーゼル油を混合するブレンダ−の流量調整装置として使用することが出来る
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】手動バイパス弁操作式流量制御装置を燃料移送管に組込んだ斜視図
【図2】船舶機関部の燃料油移送配管系統図
【符号の説明】
【0013】
11、燃料油移送管
12、電動供給ポンプ
13、流量バイパス管
14、手動式燃料流量調整弁
15、流量計
16、自動圧力調整弁
21、燃料油貯蔵タンク
22、燃料油澄タンク
23、燃料油常用タンク
24、燃料油電動移送ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料油を電動ポンプで供給する燃料油供給装置において、その燃料油の供給流量を任意に加減調整する方法として、電動供給ポンプの出入口側を連結したバイパス管と流量調整用ニードル弁を取付け、その出口側には調整された流量を表示する流量計と、安定した流量調整操作のための自動調圧弁とをセットとして取付けた装置で、流体の流量調整が流体の粘性抵抗以上の設定圧力で、その操作が有効なとなる特性を利用した、取扱い簡単、且つ安価な装置で正確な流量調整ができる特徴を持つ手動バイパス弁操作式流量調整装置である。

【図1】
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【図2】
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