説明

手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機

【課題】部品点数が少なく、取り付け作業も容易で、故障し難く災害時でも手動操作により確実に商品を取り出すことができ、更に、手動操作式商品搬出機構の利用後にも電気駆動式商品搬出機構を再び利用できるものの提供。
【解決手段】ソレノイド21のプランジャ27の下端側にリンク部材39のフック部41が後側から入り込んで掛止されているところを利用して、ワイヤー59をフック部41に引掛けながら回して、ワイヤー59を引張り下げることによりリンク部材39を下げるように構成する。通常時には、ソレノイド21による電気駆動により、リンク部材39が上下動するが、リンク部材39が下方の待機位置にあるときには、ワイヤー59のU字状垂下部59Aは軽く弛んだ状態でフック部41に軽く引掛けられている。そして、リンク部材39が上動するときには、U字状垂下部59Aはフック部41の上動に干渉しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料缶等の商品の自動販売機に係り、特に震災等で電力の供給が停止した場合でも手動操作により商品を取り出すことができる手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、自動販売機内では、本体キャビネット内で上下方向に延びた商品収容通路に商品が一列に積み重なった状態で収容されており、待機中は商品収容通路にストッパが進行して商品の下方への移動は規制されているが、コインや紙幣が投入されると、当該ストッパが後退して商品の下方への移動が許容され、移動した商品が商品取出し口に排出されるように構成されている。
このストッパは、電力を駆動源とするソレノイドにより駆動されて後退動作するので、震災等の災害時に停電するとソレノイドが作動せず、自動販売機から商品を取り出すことができなくなる。
【0003】
而して、最近では、自動販売機を備蓄倉庫として活用して、震災等の災害時に対応させることが提案されており、この提案に応えて、電力を供給できないときでも、手動操作によって自動販売機から商品を取り出すことができる手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機が開発され、これが特許文献1に記載されている。
この従来の手動操作式商品搬出機構は、ピンによって回動自在に支持された移動変換カム、この移動変換カムを所定方向へ付勢するコイルばね、移動変換カムに連結されたワイヤー等から構成され、このワイヤーに連結された操作ノブを持ってワイヤーを前方に引くことにより、上記ストッパを後退させて商品を搬出させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許3026805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この従来の手動操作式商品搬出機構は構成する部品が多くコストが高いばかりか、自動販売機に取り付ける作業が煩雑で手間がかかるという問題がある。また、ワイヤーが露出した状態で商品収容通路を横断しているので震災等で販売機が若干傾いただけでも商品に引掛かって取出し難くなる恐れがある。
また、自動販売機自体が高価なので、一時期は手動操作を利用して商品を取り出しても、その後は再び通常の自動販売機として利用したい。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、部品点数が少なく、取り付け作業も容易で、故障し難く災害時でも手動操作により確実に商品を取り出すことができ、更に、手動操作により商品を取出した後にも、電気駆動式商品搬出機構を再び利用できる、新規且つ有用な自動販売機を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、プランジャを下方に向けたソレノイドと、前記プランジャの下端側にフック部が後側から入り込んで掛止され、前記プランジャの上動に連動して弾性的に復元可能に上動するリンク部材と、前記リンク部材の上動により商品収容通路から退避動作するストッパと、U字状に垂下して前記フック部に引掛けられたワイヤーと、前記ワイヤーのU字状垂下部の一端側延長部を固定する固定手段と、前記ワイヤーのU字状垂下部の他端側延長部を曲げて下方に垂下させるガイド手段とを有し、前記ソレノイドへの通電だけでなく前記ワイヤーの他端側の引張りによる引上げでも前記リンク部材が上動する商品搬出機構を備えたことを特徴とする手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、ガイド手段はワイヤーを摺動自在に収容するガイドパイプを有しており、前記ワイヤーは他端側延長部だけでなく一端側延長部でも前記ガイドパイプに摺動自在に収容されてガイドされていることを特徴とする自動販売機である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、ガイドパイプは下方のフック部の両端側に向かう部分は互いに近づきながら後方へ突き出しており、ガイドパイプから出たワイヤーのU字状垂下部を後方に付勢していることを特徴とする自動販売機である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、ガイドパイプはソレノイドの鉄芯上にコイル周りに沿って配されて着脱自在に固定されていることを特徴とする自動販売機である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、ワイヤーの他端側延長部の端部または前記延長部に連設した掴み部は、本体キャビネット内に露出しており、外扉を開放すると手で掴めることを特徴とする自動販売機である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機によれば、部品点数が少なく、取り付け作業も容易で、更に、故障し難く災害時でも手動操作により確実に商品を取り出すことができる。加えて、手動操作により商品を取出した後にも、再び電気駆動による商品取出しが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機を外扉や内扉を開いて本体キャビネット内部を開放した状態を示す図である。
【図2】図1の自動販売機の商品搬出機構の後面図及び側断面図である。
【図3】図2の手動操作式商品搬出機構を説明する斜視図である。
【図4】図2の商品搬出機構の通常時(電気駆動時)の商品取出しの動作状態を説明する後面図及び側断面図である。
【図5】図2の商品搬出機構の非常時(手動操作時)の商品取出しの動作状態を説明する後面図及び側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機1を図面にしたがって説明する。
この自動販売機1は、既存の自動販売機に後付けで部品を取り付けて手動式商品搬出機構を備えさせたものである。
先ず、自動販売機1の全体構成と商品搬出動作を説明する。
図1に示すように、符号3は本体キャビネットを示し、この本体キャビネット3はボックス状を為し、前面が開口している。この本体キャビネット3には商品収容通路5が左右前後方向に複数設けられており、各商品収容通路5には商品、この実施の形態では飲料缶Cが横倒され、上下方向に一列に積み重ねられて収容されている。この商品収容通路5の上方が飲料缶Cの商品補充部7になっている。また、商品収容通路5の下端には商品排出シュート9が連設されている。
本体キャビネット3の左側縁部には内扉11と外扉13とが回動自在に連結されている。内扉11は断熱性で閉鎖すると商品収容通路5に対向する。外扉13の下部には商品取出口15が設けられており、商品収容通路5から商品排出シュート9を介して搬出された飲料缶Cは内扉11の下部に形成された開口(図示省略)を通って、外扉13の商品取出口15に排出される。
【0015】
次に、この自動販売機1の電気駆動式商品排出機構について、図2〜図4にしたがって説明する。
符号17は後方から見て縦長矩形状の基板であり、図1に示すように、商品収容通路5の後面側の下部に配置されて商品収容通路5の一部を構成している。この基板17には矩形状の大きな開口部19が形成されている。
この基板17の後面の上部側に電気的駆動源としてのソレノイド21が取り付けられている。このソレノイド21は鉄芯23とこの鉄芯23の内側に巻装されたコイル25と、このコイルの25の内側から下方に向けて突出した薄板状のプランジャ27とで構成されており、鉄芯23はコイル25より一段低くなっている。プランジャ27の下端側には掛止用穴29が形成されている。
上記ソレノイド21は、コイル25への通電による励磁によりプランジャ27が上方に吸引されるようになっている。
【0016】
基板17の開口部19には2本のリンク軸31、33と支持軸35とが互いに平行に横方向に架設されており、リンク軸31、33はいずれも上下方向に移動可能になっている。そして、リンク軸33と支持軸35との間にはスプリング37が架け渡されてリンク軸33は下方に弾性的に付勢されている。
符号39はリンク部材を示し、このリンク部材39は全体として縦長の薄板状をしており、この上部は前側に折り曲げられてフック部41となっている。このフック部41がソレノイド21のプランジャ27に形成された掛止用穴29に後側から差し込まれて連結されている。また、リンク部材39の左右両側縁は後側に折曲げられて立ち上がった突出部が設けられており、そこに形成された穴にリンク軸31、33が通されている。
上記した構成により、非通電時には、リンク軸31、33は、スプリング37の下方への弾性付勢力により下方の位置にあり、通電時には、リンク軸31、33はリンク部材39の引き上げにより上方の位置にくる。そして、通電が終了すると、弾性的に復元されて下方の位置に戻る。
【0017】
符号43は支持リンクを示し、この支持リンク43は基板17の開口部19の中間部より上側に横方向に架設された支持軸45に回動自在に支持されている。この支持リンク43の係合凹部の上側係合面がリンク軸31の上動に従って押されることで、支持リンク43は回動しながら前方に突出進行し、下側係合面がリンク軸31の下動に従って押されることで、支持リンク43は回動しながら後方に退避後退する。なお、この支持リンク43の上側には上側ストッパ47が設けられており、この上側ストッパ47は支持リンク43の回動に追従して逆方向に回動する。
【0018】
符号49は下側ストッパを示し、この下側ストッパ49は基板17の開口部19に上記支持軸45より下方位置で横方向に架設された支持軸51に回動自在に支持されている。この下側ストッパ49は支持軸51に巻装されたスプリング(図示省略)により、前方に突出する方向に付勢されている。
下側ストッパ49にはストッパ側リンク片53が取り付けられ、相方となる支持軸側リンク片55が支持軸35に回動自在に取り付けられている。この支持軸側リンク片55は支持軸35に巻装されたスプリング(図示省略)により、後方に退避する方向に付勢されている。また、ストッパ側リンク片53の係合凹部には支持軸側リンク片55のリンクピン57が係合するようになっている。
【0019】
また、支持軸側リンク片55にはリンク軸33が係合する係合凹部が設けられている。
リンク軸33が下方の位置にあるときは、支持軸側リンク片55はリンク軸33に押され、弾性付勢力に抗して前方の所定位置まで突出し、これにストッパ側リンク片53が係合することで下側ストッパ49の突出位置が維持されている。そして、リンク軸33の上動に従ってリンク軸33との係合が解除されると、支持軸側リンク片55は弾性付勢力により回動しながら後方に退避し、リンク片どうしの係合が解除される。
【0020】
上記した各部の構成・動作により、ソレノイド21のコイル23に通電されていない待機時には、リンク軸31、33は下方の位置にあり、上側ストッパ47及び支持リンク43は後方に後退して、飲料缶Cには関与せず、下側ストッパ49は前方の突出位置で、その上に載った飲料缶Cの自重に抗してその下方への移動を規制する。
そして、販売時には、ソレノイド21のコイル25に通電されて、リンク部材39がスプリング37の弾性付勢力に抗して上動して、リンク軸31、33を引き上げる。リンク軸31の上動により、上側ストッパ47は前方の商品収容通路5に突出して、最下段の飲料缶Cとその上の飲料缶Cとの間に入り込んで、その上の飲料缶Cの下方への移動を規制する。一方、リンク軸33の上動により、下側ストッパ49は係合支持が解除され、その上に載った飲料缶Cの自重に負けて後退する。そして、その飲料缶Cは下方に移動して搬出される。
【0021】
その飲料缶Cの排出が終了すると、下側ストッパ49は弾性付勢力により前方に再び突出しその位置で維持されると共に、上側ストッパ47が後退して、その上に載っていた飲料缶Cが下側ストッパ49まで落下してその上に載って待機状態となる。
このようにして、飲料缶Cは下段側から1つずつ排出される。
【0022】
次に、自動販売機1の手動操作式商品排出機構について説明する。
手動操作式商品排出機構は、上記した電気駆動式排出機構の構成部品を一部借りて構成されている。
図3において符号59は1本のワイヤーを示し、このワイヤー59の一端側は2本の剛性の金属製パイプ61(61L、61R)に摺動自在に収容されている。金属製パイプ61Lと金属製パイプ61Rとは連結されておらず、その間でワイヤー59は一旦露出している。ワイヤー59の一端側が金属製パイプ61Lの一端側から少しだけ引き出された状態で、その金属製パイプ61Lの一端側が潰されており、これにより金属製パイプ61Lの一端側端部に対してワイヤー59の一端側が固定されている。
図2に示すように、一方、ワイヤー59の他端側は弾性の合成樹脂製パイプ63に摺動自在に収容されており、この合成樹脂製パイプ63は上記した金属製パイプ61よりも大径であり、その一端側が金属製パイプ61Rの他端側に被さっている。
合成樹脂製パイプ63の他端側ではワイヤー59が引き出されており、その端部には掴み部65が取り付けられている。
【0023】
ソレノイド21の鉄芯23の上側水平部には左右両端側にそれぞれネジ穴67が設けられ、鉄芯23の左右両側の垂直部にもそれぞれネジ穴69が設けられている。
上記した金属製パイプ61Lの一端側端部は鉄芯23の上側水平部の中心部に配置され、左方に水平に延びて左側のネジ穴67の下側に回り込みながら、コイル25の角部に沿って折り曲げられ、さらにコイル25に沿って下方に垂直に延びた後、図3の金属製パイプ61Lの拡大側面図に示すように、左側のネジ穴69の上側に回り込んで内方に向かいながら後方に突出する方向で折り曲げられて鉄芯23の下端より若干延び出ている。
金属製パイプ61Rは金属製パイプ61Lと鉄芯23を挟んで右側垂直部側に線対称に配置されており、右側垂直部の上端では右側のネジ穴67の上側に回り込み、さらに水平方向左方に延びて左側のネジ穴67の上側に回り込みながら垂直方向下方に延びている。従って、金属製パイプ61Rは鉄芯23の左側垂直部では金属製パイプ61Lの左方に回り込んで二列に配置されている。
【0024】
ワイヤー59は、上記した金属製パイプ61L、Rと合成樹脂製パイプ63の中に通されており、金属製パイプ61Lと金属製パイプ61Rとの間からはU字状に引き出されている。この引き出された部分はU字状に垂下しており、そのU字状垂下部59Aがリンク部材39のフック部41に引っ掛けられている。
金属製パイプ61のガイド機能により、金属製パイプ61Lから引き出されて露出したワイヤー部分は右方且つ後方に向かう軌道に付勢されており、右側の金属製パイプ61から引き出されて露出したワイヤー部分は左方且つ後方に向かう軌道に付勢されている。そのため、金属製パイプ61Lと金属製パイプ61Rとの間からワイヤー59のU字状垂下部59Aは後方に付勢された状態でリンク部材39のフック部41に引っ掛けられている。
【0025】
このU字状垂下部59Aの右側の延長部は上記したように金属製パイプ61Lを通って上方の位置で固定されている。一方、U字状垂下部59Aの左側の延長部は上記したように金属製パイプ61Rさらには合成樹脂製パイプ63を通って左端側から下方に垂下した状態となっている。
基板17の後面の左端側にはソレノイド21のコイル25への電力供給用の導線を下方に引出すためのガイド溝(図示省略)が設けられており、このガイド溝内に合成樹脂製パイプ63も収容させることで、その中を通るワイヤー59が下方に引き出されて基板17の下端から垂下した状態となっており、その下端部側は図1に示すように商品取出口15の前側にきている。
【0026】
この状態で、後方から鉄芯23のコの字状に相似した若干小さい固定板(図示省略)が当てられ、後側からネジ穴67、69にネジ(図示省略)が螺合され締付けられる。この締付けにより、金属製パイプ61がソレノイド21の鉄芯23の後面上にコイル25周りに沿って配置された状態で着脱自在に固定される。
【0027】
上記した構成により、ワイヤー59の他端側に設けられた掴み部65を引張って下げると、そのU字状垂下部59Aがリンク部材39を上動させることができる。
このように、手動操作式商品搬出機構は、電気駆動式商品搬出機構におけるソレノイド21以外の構成部品をそのまま利用して構成されている。
【0028】
次に、電気駆動時の手動操作式商品搬出機構の状態を説明する。
ソレノイド21による電気駆動により、リンク部材39が上下動するが、図2に示すように、リンク部材39が下方の待機位置にあるときには、ワイヤー59のU字状垂下部59Aは軽く弛んだ状態でフック部41に軽く引掛けられている。そして、リンク部材39が上動するときには、U字状垂下部59Aはフック部41の上動に干渉しない。
図4に示すように、リンク部材39が上動すると、U字状垂下部59Aがフック部41から外れて弛みが大きくなるが、上記したように、フック部41に向かって付勢されているので、プランジャ27と基板17との間の隙間に回り込むことはない。そのため、回り込みによるワイヤーの摩耗や手動動作の故障の心配が無い。そして、リンク部材39が下動すると、ワイヤー59のU字状垂下部59Aは再びフック部41に軽く引掛けられた状態となる。
【0029】
次に、手動操作式商品搬出機構の動作を説明する。
自動販売機1の外扉13を開けると、本体キャビネット3内で掴み部65が商品収容通路5の下方から露出しているので、図5に示すように、それを指で掴んで下方に引張ると、ワイヤー59は合成樹脂製パイプ63と金属製パイプ61の間を摺動して引き出される。それと共に、U字状垂下部59Aが緊張してフック部41を引き上げる。このフック部41の引き上げにより、後は電気駆動式商品搬出機構と同様にして飲料缶Cが取り出される。
掴み部65を離せば、リンク部材39はスプリング37の弾性付勢力により下降して待機時の下方位置に戻る。したがって、手動操作により商品を取出した後にも、再び電気駆動による商品取出しが可能となっている。
【0030】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、ネジ穴69によるネジ止めは金属製パイプ61を上記のような配置に確実に固定するために行ったものであり、ネジ穴67によるネジ止めにより十分であれば、必ずしもネジ穴69を設けてネジ止めする必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の自動販売機によれば、電気駆動式商品搬出機構を備えた自動販売機に後付けで手動操作式商品搬出機構を備えさせることができる。
【符号の説明】
【0032】
1‥‥手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機
3‥‥本体キャビネット 5‥‥商品収容通路
7‥‥商品補充部 9‥‥商品排出シュート
11‥‥内扉 13‥‥外扉
15‥‥商品取出口 17‥‥基板
19‥‥開口部 21‥‥ソレノイド
23‥‥鉄芯 25‥‥コイル
27‥‥プランジャ 29‥‥掛止用穴
31、33‥‥リンク軸 35‥‥支持軸
37‥‥スプリング 39‥‥リンク部材
41‥‥フック部 43‥‥支持リンク
45‥‥支持軸 47‥‥上側ストッパ
49‥‥下側ストッパ 51‥‥支持軸
53‥‥ストッパ側リンク片 55‥‥支持軸側リンク片
57‥‥リンクピン 59‥‥ワイヤー
59A‥‥(ワイヤーの)U字状垂下部 61‥‥金属製パイプ
61R、L‥‥(金属製パイプの)右側部分、左側部分
63‥‥合成樹脂製パイプ 65‥‥掴み部
67、69‥‥ネジ穴
C‥‥飲料缶

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャを下方に向けたソレノイドと、前記プランジャの下端側にフック部が後側から入り込んで掛止され、前記プランジャの上動に連動して弾性的に復元可能に上動するリンク部材と、前記リンク部材の上動により商品収容通路から退避動作するストッパと、U字状に垂下して前記フック部に引掛けられたワイヤーと、前記ワイヤーのU字状垂下部の一端側延長部を固定する固定手段と、前記ワイヤーのU字状垂下部の他端側延長部を曲げて下方に垂下させるガイド手段とを有し、
前記ソレノイドへの通電だけでなく前記ワイヤーの他端側の引張りによる引上げでも前記リンク部材が上動する商品搬出機構を備えたことを特徴とする手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機。
【請求項2】
請求項1に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
ガイド手段はワイヤーを摺動自在に収容するガイドパイプを有しており、前記ワイヤーは他端側延長部だけでなく一端側延長部でも前記ガイドパイプに摺動自在に収容されてガイドされていることを特徴とする自動販売機。
【請求項3】
請求項2に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
ガイドパイプは下方のフック部の両端側に向かう部分は互いに近づきながら後方へ突き出しており、ガイドパイプから出たワイヤーのU字状垂下部を後方に付勢していることを特徴とする自動販売機。
【請求項4】
請求項3に記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
ガイドパイプはソレノイドの鉄芯上にコイル周りに沿って配されて着脱自在に固定されていることを特徴とする自動販売機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した手動操作式商品搬出機構を備えた自動販売機において、
ワイヤーの他端側延長部の端部または前記延長部に連設した掴み部は、本体キャビネット内に露出しており、外扉を開放すると手で掴めることを特徴とする自動販売機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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