説明

手持ち式装置及びその平面アンテナ

【課題】体積が小さく、設計が簡単で、且つ複数の中心周波数を自由に変えて作動できる平面アンテナ及び手持ち式装置を提供する。
【解決手段】平面アンテナ13はラジエーター131と、この平面アンテナ13が第1の高周波電流経路及び第1の低周波電流経路で作動できるためのフィルター素子133と、この平面アンテナ13が第2の高周波電流経路及び第2の低周波電流経路で作動できるためのスイッチ135とを含む。このスイッチ135をオフする場合に、この平面アンテナ13がこの第1の高周波電流経路に対応する第1の高周波中心周波数及びこの第1の低周波電流経路に対応する第1の低周波中心周波数で作動でき、このスイッチ135をオンする場合に、この平面アンテナ13がこの第2の高周波電流経路に対応する第2の高周波中心周波数及びこの第2の低周波電流経路に対応する第2の低周波中心周波数で作動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手持ち式装置及びその平面アンテナに関する。具体的には、本発明の平面アンテナは、平面アンテナが2つの中心周波数で作動できるためのフィルター素子と、平面アンテナが他の2つの中心周波数で作動できるためのスイッチとを有する。
【背景技術】
【0002】
現代人の無線通信に対する需要がますます増加することに従い、手持ち式装置(例えば、携帯電話、ノートパソコン、タブレットパソコン及び無線ネットワークルーター等の手持ち式装置)もだんだん現代人生活において不可欠なものになっている。現代人の手持ち式装置への信頼を満足させるように、手持ち式装置の関係業者は、皆、手持ち式装置の設計をより人間的に又は人々の要求に対応する方向に向かって発展させ、中でも、多周波作動及び軽量・薄型の外観が現代人に最も期待されている。
【0003】
手持ち式装置が多周波での作動の機能を持つことを達成するために、近年、関係業者たちは多額の投資をして多周波で作動できるアンテナを開発し、中でも、軽量・薄型の外観を有する平面逆Fアンテナ(planar inverted−F antenna;PIFA)が最も注目されている。従来の単周波数逆F平面アンテナは、共振の電流経路として約1/4波長のラジエーターのみを有し、この単周波数平面逆Fアンテナがもっと多くの中心周波数で作動できるためには、その他のパラスティックアンテナ素子(parasitic antenna elements)及び/又はその他のブランチ(Branches)を追加して複数の電流経路を形成することにより達成する必要がある。換言すれば、一般的な従来のアンテナは、2種以上の信号を送受信したければ、2本以上のラジエーターを有して自身の作動周波数をそれぞれ送受信する必要があるが、大きな空間を占めるとともに、アンテナ自身のクリアランス領域(clearance area)も十分に大きくなく、アンテナの送受信品質に影響を与えてしまう。
【0004】
従来の技術において設計された多周波平面逆Fアンテナは、アンテナ素子の追加によってアンテナ素子間に予想外の結合効果が生じ、アンテナの設計上の複雑さが高まるとともに、アンテナ素子の追加によってもアンテナの体積が大きくなって各種の不利が生じる。また、従来の多周波平面逆Fアンテナは自由な切り替えによって複数の中心周波数間で作動することができない。
【0005】
これに鑑みて、体積が小さく、設計が簡単で、且つ複数の中心周波数を自由に変えて作動できる利点を有する平面アンテナを、どのように設計するかは、業界に差し迫った課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、体積が小さく、設計が簡単で、且つ複数の中心周波数を自由に変えて作動できる利点を有する平面アンテナを提供することにある。本発明の平面アンテナは1つのラジエーターのみを有するため、その体積が従来の多周波逆F平面アンテナの体積に対して比較的に小さくなる。なお、本発明の平面アンテナは、複数の中心周波数で作動できるためにその他のパラスティックアンテナ素子及び/又はその他のブランチを追加する必要がないため、平面アンテナの設計上の複雑さも低減できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明はラジエーター、フィルター素子及びスイッチを含む平面アンテナを開示する。このラジエーターは、第1の接触点及び第2の接触点を含む第1の部分と、第3の接触点、第4の接触点及び第5の接触点を含み、この第4の接触点がこの第2の接触点に電気的に接続される第2の部分と、第6の接触点を含む第3の部分とを含む。このフィルター素子は、この平面アンテナが第1の高周波電流経路及び第1の低周波電流経路で作動できるように、この第5の接触点とこの第6の接触点との間に電気的に接続される。このスイッチは、この平面アンテナが第2の高周波電流経路及び第2の低周波電流経路で作動できるように、この第1の接触点とこの第3の接触点との間に電気的に接続される。このスイッチをオフする場合に、この平面アンテナがこの第1の高周波電流経路に対応する第1の高周波中心周波数及びこの第1の低周波電流経路に対応する第1の低周波中心周波数で作動できる。このスイッチをオンする場合に、この平面アンテナがこの第2の高周波電流経路に対応する第2の高周波中心周波数及びこの第2の低周波電流経路に対応する第2の低周波中心周波数で作動できる。
【0008】
本発明の他の目的は、手持ち式装置及びその平面アンテナを提供することにある。この平面アンテナはこの手持ち式装置の基板のクリアランス領域に設置される。本発明の平面アンテナは、体積が従来の多周波逆F平面アンテナの体積に対して比較的に小さく、このクリアランス領域内により有効に設置され、且つこのクリアランス領域を完全に利用できるため、手持ち式装置の通信品質を向上できる。これによれば、クリアランス領域の大きさが平面アンテナの体積により減少しない場合に、本発明はクリアランス領域外の電子素子のこの平面アンテナへの影響を低減できるので、手持ち式装置の通信品質を向上できる。一方、クリアランス領域の大きさが平面アンテナの体積により減少する場合に、本発明は手持ち式装置の内部空間の配置に大きい自由度を与え、且つ電子素子のこの平面アンテナへの影響を最低限に低減して手持ち式装置の通信品質を維持できる。
【0009】
上述した他の目的を達成するために、本発明は、クリアランス領域を有する基板と、クリアランス領域内に設置され、無線周波数信号を送受信するための平面アンテナとを含む手持ち式装置をさらに開示する。この平面アンテナはラジエーター、フィルター素子及びスイッチを含む。このラジエーターは、第1の接触点及び第2の接触点を含む第1の部分と、第3の接触点、第4の接触点及び第5の接触点を含み、この第4の接触点がこの第2の接触点に電気的に接続される第2の部分と、第6の接触点を含む第3の部分とを含む。このフィルター素子は、この平面アンテナが第1の高周波電流経路及び第1の低周波電流経路で作動できるように、この第5の接触点とこの第6の接触点との間に電気的に接続される。このスイッチは、この平面アンテナが第2の高周波電流経路及び第2の低周波電流経路で作動できるように、この第1の接触点とこの第3の接触点との間に電気的に接続される。このスイッチをオフする場合に、この平面アンテナがこの第1の高周波電流経路に対応する第1の高周波中心周波数及びこの第1の低周波電流経路に対応する第1の低周波中心周波数で作動できる。このスイッチをオンする場合に、この平面アンテナがこの第2の高周波電流経路に対応する第2の高周波中心周波数及びこの第2の低周波電流経路に対応する第2の低周波中心周波数で作動できる。
【0010】
前記の目的、技術特徴、及び効果をよりわかりやすくするように、以下、好適な実施例および図面に基づいて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施例の手持ち式装置の模式図である。
【図2】本発明の第1の実施例の平面アンテナの平面図である。
【図3】本発明の第2の実施例の平面アンテナの平面図である。
【図4】本発明の第3の実施例の平面アンテナの平面図である。
【図5】本発明の第4の実施例の平面アンテナの平面図である。
【図6】それぞれ本発明によるフィルター素子およびスイッチ素子を有するアンテナが異なる周波数帯域で作動する電圧定在波比(VSWR)の模式図である。
【図7】それぞれ本発明によるフィルター素子およびスイッチ素子を有するアンテナが異なる周波数帯域で作動する電圧定在波比(VSWR)の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、主に、体積が小さく、設計が簡単で、且つ複数の中心周波数を自由に変えて作動できる利点を有する手持ち式装置及びその平面アンテナに関する。以下、実施例は、例を挙げて本発明の技術内容を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。なお、説明すべきこととしては、以下の実施例及び図面において、本発明に関係ない素子が既に省略して示されなく、且つ図面における各素子間の寸法関係はただ分かりやすくするためのものであり、実際の割合を限定するものではない。
【0013】
本発明の第1の実施例を図1及び図2に示す。具体的には、図1は本発明の手持ち式装置1の模式図であり、図2は手持ち式装置1に用いられる平面アンテナ13の平面図である。
【0014】
図1に示すように、手持ち式装置1は基板11及び平面アンテナ13を含む。注意すべきこととしては、説明を簡単化するために、手持ち式装置1のその他の素子、例えばタッチ表示モジュール、通信モジュール、入力モジュール、電力供給モジュール及び関連する必要な素子はいずれも図に省略され示されていない。基板11はクリアランス領域111及び回路基板113を含み、且つ平面アンテナ13はラジエーター131、フィルター素子133、スイッチ135及び搭載部137を含む。基板11は、一般的に、手持ち式装置1のシステム接地面と見られ、ラジエーター131が搭載部137の上に配置され、平面アンテナ13は手持ち式装置1のクリアランス領域111内に設置され、無線周波数信号を送受信するためのものである。
【0015】
さらには、図2に示すように、ラジエーター131は第1の部分1311、第2の部分1313及び第3の部分1315を含む。第1の部分1311は第1の接触点1311a及び第2の接触点1311bを含み、第2の部分1313は第3の接触点1313a、第4の接触点1313b及び第5の接触点1313cを含み、第3の部分1315は第6の接触点1315aを含む。本実施例において、第1の部分1311の第2の接触点1311bは第2の部分1313の第4の接触点1313bに直接電気的に接続され、即ち、ラジエーター131の第1の部分1311が第2の部分1313に直接実体的に接続される。
【0016】
フィルター素子133は、平面アンテナ13が第1の高周波電流経路及び第1の低周波電流経路を有するように、第5の接触点1313cと第6の接触点1315aとの間に電気的に接続される。具体的には、平面アンテナが第1の周波数帯域作動モードで作動する場合に、フィルター素子133によって、第1の高周波電流経路が第3の部分1315(即ち、第5の接触点1313cと第6の接触点1315aとの間が開路に相当する)を含まず、且つ第1の低周波電流経路が第3の部分1315(即ち、第5の接触点1313cと第6の接触点1315aとの間が短絡に相当する)を含むようにさせる。換言すれば、フィルター素子133によって、平面アンテナのラジエーター131が2つのモードの作動モードを有するようにさせ、即ち、1つの基本周波数及び少なくとも1つの倍増周波数のような2つの主な中心周波数で同時に共振できる。
【0017】
スイッチ135は、平面アンテナ13が第2の高周波電流経路及び第2の低周波電流経路を有するように、第1の接触点1311aと第3の接触点1313aとの間に電気的に接続される。具体的には、スイッチ135をオンする場合に(即ち、第1の接触点1311aと第3の接触点1313aとの間をオンする場合に)、平面アンテナが第2の周波数帯域作動モードで作動し、スイッチ135によって、この第2の高周波電流経路が第3の部分1315を含むことなく第1の接触点1311aと第3の接触点1313aとの間の導体を含むようにさせ、且つこの第2の低周波電流経路が第1の接触点1311aと第3の接触点1313aとの間の導体を含むとともに第3の部分1315を含むようにさせる。これによれば、フィルター素子133によって平面アンテナのラジエーター131が2つの主な中心周波数で同時に共振できるようにさせるとともに、さらにスイッチ135によって平面アンテナのラジエーター131が他の2つの主な中心周波数で共振できるようにさせる。説明されるべきことは、スイッチ135は機械スイッチ、電子スイッチ又は第1の接触点1311aと第3の接触点1313aの結合を制御できるいずれかの素子でよいことである。
【0018】
また、手持ち式装置1が平面アンテナ13により無線周波数信号を送受信するように、ラジエーター131の第1の部分1311は回路基板113の信号端(図示せず)に結合されるフィードインポイント1317をさらに含み、且つラジエーター131の第2の部分1313は回路基板113の接地端(図示せず)に結合される接地点1319をさらに含む。さらには、スイッチ135がオフ状態にある場合に(Diode off)、平面アンテナ13が第1の周波数帯域作動モードで作動し、即ち、この第1の高周波電流経路に対応する第1の高周波中心周波数及びこの第1の低周波電流経路に対応する第1の低周波中心周波数で作動し、スイッチ135がオン状態にある場合に(Diode on)、平面アンテナ13が第2の周波数帯域作動モードで作動し、即ち、この第2の高周波電流経路に対応する第2の高周波中心周波数及びこの第2の低周波電流経路に対応する第2の低周波中心周波数で作動する。
【0019】
図3は本発明の第2の実施例の平面アンテナ13を示す。本実施例において、フィルター素子133はインダクタ及びコンデンサからなる。換言すれば、フィルター素子133は少なくとも1つの被動素子からなり、且つラジエーター131の第2の部分1313の第5の接触点1313cと第3の部分1315の第6の接触点1315aとの間に結合するためのものである。説明されるべきことは、その他の実施例において、フィルター素子133は単一のインダクタでよく、細長い伝送線(narrow transmission line)又はその他の抵抗特性を持つ素子又は素子の組合せに置換されてもよいことである。組合せとは、単一種類の素子又は複数種の素子からなるものを指す。このため、本技術分野において通常知識を持つものは本発明の実施例に記載の技術内容によりフィルター素子133を簡単に置換して同様な効果を達成できる。
【0020】
図4は本発明の第3の実施例の平面アンテナ13を示す。図4に示すように、平面アンテナ33のスイッチ135はダイオード素子である。ダイオード素子の陽極端はラジエーター131の第1の部分1311の第1の接触点1311aに結合され、且つダイオード素子の陰極端はラジエーター131の第2の部分1313の第3の接触点1313aに結合される。
【0021】
また、平面アンテナ13は、無線周波数信号が直流出力端に導入されることを遮断するように、ラジエーター131の第1の部分1311のフィードインポイント1317と回路基板113の直流出力端との間に結合される無線周波数チョーク139をさらに含む。本実施例において、ダイオード素子のオフ又はオンは直流出力端の直流制御信号により制御される。一方、平面アンテナ33は直流抵抗素子141をさらに含む。直流抵抗素子141は、この直流制御信号が第1の部分1311の第2の接触点1311bにより第2の部分1313の第4の接触点1313bに導入されることを遮断するように、ラジエーター131の第1の部分1311の第2の接触点1311bとラジエーター131の第2の部分1313の第4の接触点1313bとの間に結合されるためのコンデンサである。説明されるべきことは、その他の実施形態において、直流抵抗素子141はその他の直流の通過を阻止する素子又は素子の組合せでよく、コンデンサに限定されないことである。
【0022】
さらには、直流出力端の電圧が予定値よりも小さい場合に、ダイオード素子はオンできなく、ラジエーター131の第1の部分1311の第1の接触点1311aと第2の部分1313の第3の接触点1313aとの間が開路に相当する。この時、平面アンテナ33はこの第1の周波数帯域工作モードで作動する。しかしながら、直流出力端の電圧が予定値よりも大きい場合に、ダイオード素子がオンし、ラジエーター131の第1の部分1311の第1の接触点1311aと第2の部分1313の第3の接触点1313aが電流経路を形成する。この時、平面アンテナ33がこの第2の周波数帯域工作モードで作動する。
【0023】
図5は本発明の第4の実施例の平面アンテナ13を示す。第3の実施例と異なるのは、第4の実施例において、平面アンテナ13のフィードインポイント1317はラジエーター131の第2の部分1313に位置し、且つ平面アンテナ13の接地点1319はラジエーター131の第1の部分1311に位置する。平面アンテナ13のスイッチ135もダイオード素子であるが、ダイオード素子の陰極端がラジエーター131の第1の部分1311の第1の接触点1311aに結合され、且つダイオード素子の陽極端がラジエーター131の第2の部分1313の第3の接触点1313aに結合される。つまり、本実施例において、フィードインポイント1317と接地点1319の位置変化に応じて、ダイオード素子が反対の方向で設置される。
【0024】
同様に、平面アンテナ13のフィードインポイント1317は、無線周波数信号が直流出力端に導入されることを遮断するように、回路基板113の直流出力端に結合されるための無線周波数チョーク139に結合される。直流出力端はダイオード素子のオフ又はオンを制御するための直流制御信号を有する。一方、直流抵抗素子141は、この直流制御信号が第1の部分1311の第2の接触点1311bにより第2の部分1313の第4の接触点1313bに導入されることを遮断するように、ラジエーター131の第1の部分1311の第2の接触点1311bからラジエーター1311の第2の部分1313の第4の接触点1313bに結合されるためのコンデンサである。
【0025】
以上に述べたことをまとめれば、本発明の平面アンテナは、フィルター素子133によって2つの周波数帯域作動モードでそれぞれ高周波電流経路及び低周波電流経路を生じるとともに、スイッチ135によってこの2つの周波数帯域作動モードを自由に選んで切り替え、複数の中心周波数上で作動することによって、異なる周波数帯域又は通信システムの無線周波数信号を送受信する目的を達成する。さらには、図6及び図7はそれぞれ本発明のフィルター素子及びスイッチ素子を有するアンテナが異なる周波数帯域で作動する電圧定在波比(VSWR)を示す模式図である。図6に示すように、スイッチがオフ状態にある場合に(Diode off)、このアンテナが中心周波数850MHz及び1775MHzで作動でき、スイッチがオン状態にある場合に(Diode
on)、このアンテナが中心周波数900MHz及び2035MHzで作動できる。すると、このアンテナはグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーション(Global System For Mobile Communication;GSM)システムのGSM850とGSM900、デジタル通信システム(Digital Communication System;DCS)のDCS1800、個人通信サービス(Personal Communications Services;PCS)システムのPCS1900及びユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(Universal Mobile Telecommunications System;UMTS)の周波数帯域を含む。また、図7に示すように、このアンテナも3GPPロング・ターム・エボリューション(3GPP Long Term Evolution;3GPP LTE)システムに必要なwideband周波数帯域(例えば、LTE、GSM、CDMA/WCDMA)に応用でき、スイッチがオフ状態にある場合に、このアンテナが中心周波数698MHz及び1775MHzで作動でき、スイッチがオン状態にある場合に、このアンテナが中心周波数716MHz及び2035MHzで作動できる。これによって、本発明の平面アンテナは場合によって各種の通信システムに応用できる。
【0026】
具体的には、本発明は1つのラジエーターを利用するだけで、非常に大きい作動可能な帯域幅を提供でき、類似の効果を有する伝統的なアンテナ設計に比べて、本発明はアンテナ体積を約1/3縮小でき、且つより良い送受信品質を有する。また、本発明の平面アンテナは1つのラジエーターのみを有し、その他のパラスティックアンテナ素子及び/又はその他のブランチを追加しないので、従来の多周波逆F平面アンテナに対して、本発明の平面アンテナは体積が比較的に小さくなるだけではなく、且つ設計の複雑さも比較的に簡単になることによって、平面アンテナがより有効に手持ち式装置のクリアランス領域内に設置され、手持ち式装置のその他の電子素子から平面アンテナの特性への影響を低減する。一方、平面アンテナの大きさに応じてクリアランス領域の大きさを縮減することを考える場合に、手持ち式装置の内部空間の配置はより大きい自由度を持つことができる。
【0027】
本発明の実施態様及び技術特徴を前記実施例を例として開示したが、これは決して本発明を限定するものではなく、当該分野の技術を熟知しているものであれば、本発明の精神と領域を逸脱しない範囲内で、多様な変更や修正を加えることができる。従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0028】
1 手持ち式装置
11 基板
111 クリアランス領域
113 回路基板
13 平面アンテナ
131 ラジエーター
1311 ラジエーターの第1の部分
1311a 第1の接触点
1311b 第2の接触点
1313 ラジエーターの第2の部分
1313a 第3の接触点
1313b 第4の接触点
1313c 第5の接触点
1315 ラジエーターの第3の部分
1315a 第6の接触点
1317 フィードインポイント
1319 接地点
133 フィルター素子
135 スイッチ
137 搭載部
139 無線周波数チョーク
141 直流抵抗素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接触点及び第2の接触点を含む第1の部分と、第3の接触点、第4の接触点及び第5の接触点を含み、前記第4の接触点が前記第2の接触点に電気的に接続される第2の部分と、第6の接触点を含む第3の部分とを含むラジエーターと、
平面アンテナが第1の高周波電流経路及び第1の低周波電流経路で作動できるように、前記第5の接触点と前記第6の接触点との間に電気的に接続されるフィルター素子と、
前記平面アンテナが第2の高周波電流経路及び第2の低周波電流経路で作動できるように、前記第1の接触点と前記第3の接触点との間に電気的に接続されるスイッチと、を含み、
前記スイッチがオフ状態にある場合に、前記平面アンテナが前記第1の高周波電流経路に対応する第1の高周波中心周波数及び前記第1の低周波電流経路に対応する第1の低周波中心周波数で作動でき、前記スイッチがオン状態にある場合に、前記平面アンテナが前記第2の高周波電流経路に対応する第2の高周波中心周波数及び前記第2の低周波電流経路に対応する第2の低周波中心周波数で作動できる平面アンテナ。
【請求項2】
前記フィルター素子は細長い伝送線及び少なくとも1つの被動素子のうちの1つである請求項1に記載の平面アンテナ。
【請求項3】
前記ラジエーターの前記第1の部分は回路基板に結合されるフィードインポイントをさらに含み、前記ラジエーターの前記第2の部分は前記回路基板の接地端に結合される接地点をさらに含む請求項1に記載の平面アンテナ。
【請求項4】
無線周波数信号が前記直流出力端に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第1の部分の前記フィードインポイントと前記回路基板の直流出力端との間に電気的に接続され、前記スイッチがダイオード素子であり、且つ前記直流出力端が前記ダイオード素子を制御するための直流制御信号を有する無線周波数チョークと、
前記直流制御信号が前記第1の部分の前記第2の接触点により前記第2の部分の前記第4の接触点に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第1の部分の前記第2の接触点から前記ラジエーターの前記第2の部分の前記第4の接触点までに電気的に接続されるための直流抵抗素子と、をさらに含む請求項3に記載の平面アンテナ。
【請求項5】
前記ラジエーターの前記第1の部分は回路基板の接地端に電気的に接続される接地点をさらに含み、前記ラジエーターの前記第2の部分は前記回路基板に電気的に接続されるフィードインポイントをさらに含む請求項1に記載の平面アンテナ。
【請求項6】
無線周波数信号が前記直流出力端に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第2の部分の前記フィードインポイントと前記回路基板の直流出力端との間に電気的に接続され、前記スイッチがダイオード素子であり、且つ前記直流出力端が前記ダイオード素子を制御するための直流制御信号を有する無線周波数チョークと、
前記直流制御信号が前記第2の部分の前記第4の接触点により前記第1の部分の前記第2の接触点に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第1の部分の前記第2の接触点から前記ラジエーターの前記第2の部分の前記第4の接触点までに電気的に接続されるための直流抵抗素子と、をさらに含む請求項5に記載の平面アンテナ。
【請求項7】
クリアランス領域を有する基板と、
前記基板の前記クリアランス領域内に設置され、無線周波数信号を送受信するための平面アンテナであって、第1の接触点及び第2の接触点を含む第1の部分と、第3の接触点、第4の接触点及び第5の接触点を含み、前記第4の接触点が前記第2の接触点に結合される第2の部分と、第6の接触点を含む第3の部分とを含むラジエーターと、
前記平面アンテナが第1の高周波電流経路及び第1の低周波電流経路で作動できるように、前記第5の接触点と前記第6の接触点との間に電気的に接続されるフィルター素子と、
前記平面アンテナが第2の高周波電流経路及び第2の低周波電流経路で作動できるように、前記第1の接触点と前記第3の接触点との間に電気的に接続されるスイッチとを含む平面アンテナと、を含み、
前記スイッチがオフ状態にある場合に、前記平面アンテナが前記第1の高周波電流経路に対応する第1の高周波中心周波数及び前記第1の低周波電流経路に対応する第1の低周波中心周波数で作動でき、前記スイッチがオン状態にある場合に、前記平面アンテナが前記第2の高周波電流経路に対応する第2の高周波中心周波数及び前記第2の低周波電流経路に対応する第2の低周波中心周波数で作動できる手持ち式装置。
【請求項8】
前記フィルター素子は細長い伝送線及び少なくとも1つの被動素子のうちの1つである請求項7に記載の手持ち式装置。
【請求項9】
前記基板は回路基板をさらに含み、前記ラジエーターの前記第1の部分は前記回路基板に電気的に接続されるフィードインポイントをさらに含み、前記ラジエーターの前記第2の部分は前記回路基板の接地端に結合される接地点をさらに含む請求項7に記載の手持ち式装置。
【請求項10】
前記平面アンテナは、
無線周波数信号が前記直流出力端に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第1の部分の前記フィードインポイントと前記回路基板の直流出力端との間に電気的に接続され、前記スイッチがダイオード素子であり、且つ前記直流出力端が前記ダイオード素子を制御するための直流制御信号を有する無線周波数チョークと、
前記直流制御信号が前記第1の部分の前記第2の接触点により前記第2の部分の前記第4の接触点に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第1の部分の前記第2の接触点から前記ラジエーターの前記第2の部分の前記第4の接触点までに電気的に接続されるための直流抵抗素子と、をさらに含む請求項9に記載の手持ち式装置。
【請求項11】
前記基板は回路基板をさらに含み、前記ラジエーターの前記第1の部分は回路基板の接地端に結合される接地点をさらに含み、前記ラジエーターの前記第2の部分は前記回路基板に結合されるフィードインポイントをさらに含む請求項7に記載の手持ち式装置。
【請求項12】
前記平面アンテナは、
無線周波数信号が前記直流出力端に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第2の部分の前記フィードインポイントと前記回路基板の直流出力端との間に電気的に接続され、前記スイッチがダイオード素子であり、且つ前記直流出力端が前記ダイオード素子を制御するための直流制御信号を有する無線周波数チョークと、
前記直流制御信号が前記第2の部分の前記第4の接触点により前記第1の部分の前記第2の接触点に導入されることを遮断するように、前記ラジエーターの前記第1の部分の前記第2の接触点から前記ラジエーターの前記第2の部分の前記第4の接触点までに電気的に接続されるための直流抵抗素子と、をさらに含む請求項11に記載の手持ち式装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−244620(P2012−244620A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179155(P2011−179155)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(509196132)宏達國際電子股▲分▼有限公司 (4)
【Fターム(参考)】