説明

手毬寿司成型容器並びに該成型容器を折り畳み可能な治具

【課題】 成型された手毬寿司が転動することなく成型工程の後工程においても取扱い容易となり、且つ手毬寿司成型後に容器から手毬寿司を取り出す際にネタがシャリから分離しない手毬寿司成型容器を提供する。
【解決手段】球形の手毬寿司を成型するための手毬寿司成型容器であって、成型容器は、手毬寿司の下部を成型する下部成型窪み部を有する薄肉樹脂製の下部成型部材と、該下部成型部材の1つの縁に対して回動可能に接続するとともに、前記手毬寿司の上部を成型する上部成型窪み部を有する薄肉樹脂製の上部成型部材からなり、該上部成型部材を前記下部成型部材に対して回動させ、前記下部成型部材上に前記上部成型部材を重ね合わせたときに、前記下部成型窪み部と前記上部成型窪み部とで略球形状の成型空間が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球形の手毬寿司を成型するための容器に関する。より詳しくは、成型された手毬寿司が転動しにくく、工業的に製造するのに適した手毬寿司を成型可能な容器に関する。更には、この容器を機械的に折り畳み可能な治具に関する。
【背景技術】
【0002】
手毬寿司は、球形状のシャリの上部に海産物のネタを貼り合わせたものである。従来、シャリの部分は人間の手により球状に形作られるものであった。人間の手により製造することにより、シャリを構成する米粒が押し潰されることなく、一つ一つが米粒本来の形を保ち、米粒が様々な方向に向かって並び、米粒相互間に少しの隙間が形成される。したがって、人間の手によれば、非常に食感のよいシャリ部分を作り出すことが可能である。
しかしながら、米粒を集めて所定形状に成型する工程を機械的に行うとすれば、その形状を維持するために高い押圧力を米粒に加えなければならず、米粒間に生ずる隙間はなくなり、或いは、米粒を潰してしまうこととなる。したがって、機械的な成型は従来困難なものであった。
【0003】
このような問題を解決するための手段が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示される手段はおにぎりを製造するための成型具である。このおにぎり成型具は、撓み変形可能な材料から構成される。特許文献1の開示技術によれば、おにぎり成型具内の米粒塊をおにぎりの形状に成型する際に、成型具に加わる押圧力によって成型具が撓み変形することで、この押圧力を分散可能とし、米粒に必要以上の押圧力が加わることを防止する。これにより食感のよいおにぎりを製造可能である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−267016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されるおにぎり成型具を手毬寿司の製造に応用することも可能であるが、手毬寿司の製造におにぎり成型具を応用した場合、次のような問題を生ずる。
まず、上述の如く、手毬寿司は、全ての面が平面として形成されるおにぎりと異なり、球形状である。したがって、上記のようなおにぎり成型具を応用して、手毬寿司を製造すると、成型具から取り出された手毬寿司は転がりやすく、成型具から取り出した後に行われる包装工程等で手毬寿司の落下等の問題を生じやすくなる。
【0006】
次に、手毬寿司は、具が米粒塊内に収容されて外周面全体に米粒が現れるおにぎりと異なり、手毬寿司の上面には海産物のネタが配される。したがって、手毬寿司の製造におにぎり成型具を応用したとしても、ネタがシャリから分離するという問題を有する。
【0007】
特許文献1に開示されるおにぎり成型具は、おにぎり形状に米粒塊を成型可能な形状の窪み部を有する一対の部材同士を回動可能に連結する形状である。おにぎりは、全ての面に米粒が現れるとともに、全ての面が平面状に形成されるものである。したがって、米粒と窪み部内壁面との間で高い摩擦力を得やすいため、特許文献1に開示される成型具の窪み部に米粒を収容して、回動動作を行ったときでも、米粒塊は窪み部から落下することがない。
【0008】
しかしながら、手毬寿司は球形状であるので、この回動動作を行ったときに、米粒塊が窪み部から落下しやすい。更には、例えば魚の切り身がネタとして用いられた場合、ネタの表面には魚の切り身から生ずる脂が現れているので、窪み部内壁面とネタとの間に生ずる摩擦力は非常に低いものとなる。したがって、窪み部から手毬寿司の上部分が落下しやすいものとなる。
【0009】
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、成型された手毬寿司が転動することなく成型工程の後工程においても取扱い容易となり、且つ手毬寿司成型後に容器から手毬寿司を取り出す際にネタがシャリから分離しない手毬寿司成型容器を提供することを目的とする。
更には、一定の軌跡で容器の開閉を行い、窪み部からシャリ及びネタが落下することを防止することを可能とする成型容器折り畳み治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の発明は、略球形の手毬寿司を成型するための手毬寿司成型容器であって、前記成型容器は、前記手毬寿司の下部を成型する下部成型窪み部を有する薄肉樹脂製の下部成型部材と、該下部成型部材の1つの縁に対して回動可能に接続するとともに、前記手毬寿司の上部を成型する上部成型窪み部を有する薄肉樹脂製の上部成型部材からなり、該上部成型部材を前記下部成型部材に対して回動させ、前記下部成型部材上に前記上部成型部材を重ね合わせたときに、前記下部成型窪み部と前記上部成型窪み部とで略球形状の成型空間が形成され、前記上部成型窪み部の内壁面は、一定の曲率半径で形成され、前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記上部成型窪み部の内壁面と連続するとともに前記手毬寿司の下部側面を形成する面は、前記上部成型窪み部の内壁面と同一の曲率半径で形成され、前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記手毬寿司の底部を形成する面は平坦に形成されることを特徴とする手毬寿司成型容器である。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記上部成型窪み部の内壁面には、該上部成型窪み部中心から所定距離離れた位置を開始点とし、前記上部成型窪み部縁部に向かって延びる複数の溝部が放射状に配列されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器である。
請求項3記載の発明は、前記放射状に配列された前記溝部の開始点を結んだ領域内に環状の溝部が形成されることを特徴とする請求項2記載の手毬寿司成型容器である。
請求項4記載の発明は、前記放射状に延びる溝部の幅及び該溝部の間に形成される畝部の幅が前記上部成型窪み部縁部に近づくにつれて広くなることを特徴とする請求項2記載の手毬寿司成型容器である。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記上部成型窪み部の内壁面と同一の曲率半径で形成される内壁面には、上下方向に延びる複数の溝部が放射状に配列されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器である。
請求項6記載の発明は、前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記平坦に形成される内壁面には、複数の溝部が格子状に配列されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器である。
請求項7記載の発明は、前記格子状に配列される溝部によって、複数の突起部が形成されることを特徴とする請求項6記載の手毬寿司成型容器である。
請求項8記載の発明は、前記上部成型部材と前記下部成型部材の接合部において、前記手毬寿司の水平方向最大直径部分が成型されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器である。
請求項9記載の発明は、前記上部成型部材と前記下部成型部材の接合部において、前記上部成型窪み部は、前記合せ面から突出する環状突出部を備え、前記下部成型窪み部は、前記環状突出部と嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器である。
請求項10記載の発明は、前記上部成型部材と前記下部成型部材の合せ面に、複数の溝部が形成されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器である。
【0013】
請求項11記載の発明は、請求項1に記載の成型容器を折り畳み可能な治具であって、該治具は、平板状の基台部と、該基台部上面から所定高さの位置に配される支軸と、該支軸に対して回動可能に取付けられる一対の回動板と、前記基台部上面から立設するとともに前記支軸の下方に配される支持片からなり、前記一対の回動板は、前記支軸に平行する縁を開口部として平面視コ字状の切り込み部を備え、前記一対の回動板は、前記成型容器の上部成型窪み部並びに下部成型窪み部周縁から水平方向に延設するとともに合せ面を形成するシート状のフラップ部を支持するとき、前記上部成型窪み部並びに前記下部成型窪み部は前記切り込み部により形成される空間内に配され、前記支軸は、前記上部成型窪み部並びに前記下部成型窪み部の接続縁上に位置し、前記支持片が該接続縁を下方から支持することを特徴とする成型容器折り畳み治具である。
請求項12記載の発明は、前記基台部上面から立設する複数の支柱を備え、該支柱の上端が、前記一対の回動板の下面に当接するとき、該一対の回動板の上面は水平面を形成することを特徴とする請求項11記載の成型容器折り畳み治具である。
請求項13記載の発明は、前記一対の回動板の側面に把手が取付けられることを特徴とする請求項11記載の成型容器折り畳み治具である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、薄肉樹脂製の下部成型容器と薄肉樹脂製の上部成型容器から手毬寿司成型容器が形成されるので、手毬寿司成型工程において加わる押圧力を上部成型容器と下部成型容器の撓み変形により分散可能となる。したがって、米粒間の隙間を失うことなく、また、手毬寿司のシャリを構成する米粒を押し潰すことがない。よって食感のよい手毬寿司を製造可能となる。
更に、上部成型窪み部の内壁面が一定の曲率で形成され、また下部成型窪み部の内壁面のうち手毬寿司の下部側面を形成する面が上部内壁面の曲率と同一の曲率半径で形成されるので、消費者の目に触れる部分は完全な球形にすることができる。また、消費者の目に触れない手毬寿司の底面部分を成型する下部成型窪み部内壁面部分は平坦に形成されるので、載置安定性の高い手毬寿司を成型可能となる。したがって、成型工程後の工程において、手毬寿司の取扱いが容易になる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、溝部が形成されることにより上部成型窪み部へのネタ或いはシャリの付着が防止される。上部成型窪み部頂部付近が他の部分よりも撓み変形しやすい構造となる。したがって、上部成型窪み部頂部を押圧することにより、他の部分をほとんど変形させることなく上部成型窪み部頂部付近のみを大きく変形させることが可能である。したがって、上部成型窪み部頂部を押圧することで、成型後の手毬寿司を簡単に取り出すことができ、ネタとシャリの分離を防止可能である。
請求項3記載の発明によれば、ネタと上部成型窪み部頂部との間に空気層を形成でき、ネタの内壁面への付着を防止できる。更に、上部成型窪み部を押圧し、上部成型窪み部頂部付近を大きく変形させたときでも、環状溝部内部領域は平坦な状態を保つこととなり、当該変形によってネタに局所的に高い力が負荷されることが防止される。したがって、ネタの細胞を潰すことがなく、食感だけでなく旨みを損なわない手毬寿司を提供可能となる。
請求項4記載の発明によれば、上部成型部材と下部成型部材との接合部分付近の剛性を高めることができ、手毬寿司成型時の押圧力によって、当該接合部分が開くことを確実に防止できる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、下部成型窪み部内壁面へのシャリの付着を防止することが可能となる。
請求項6記載の発明によれば、下部成型窪み部底面の剛性を低減し、変形しやすくなり、手毬寿司成型時の押圧力を確実に容器内部のシャリやネタに伝達することが可能となる。更には、このような押圧力が加わったときに、変形した面は滑らかな曲面となり、局所的に高い力を手毬寿司に加えることがない。
請求項7記載の発明によれば、下部成型窪み部底面に米粒が付着することを防止できる。
請求項8記載の発明によれば、上部成型部材及び下部成型部材に成型後の手毬寿司が引っかかることなく取り出すことが可能である。
請求項9記載の発明によれば、手毬寿司成型時に上部成型部材が下部成型部材に噛合うこととなり、確実に球形状の成型空間を形成することが可能となる。
請求項10記載の発明によれば、シャリからの熱に起因する合せ面の熱変形を防止することができ、確実に球形状の成型空間を形成することが可能となる。
【0017】
請求項11記載の発明によれば、一定軌跡の回動動作を行うことが可能となり、容器に上下左右方向の揺動動作が生ずることを防止可能である。したがって、手毬寿司などを成型するときに具材が成型容器から落下することが防止される。
請求項12記載の発明によれば、成型容器を開いた状態で水平に保つことができ、上部成型窪み部や下部成型窪み部への具材の収容を容易に行うことを可能にする。
請求項13記載の発明によれば、回動動作を容易に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る手毬寿司成型容器及び成型容器の折り畳み用治具について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る手毬寿司成型容器を示す図であり、図1(a)は、手毬寿司成型容器の平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A線における断面輪郭図である。
図1に示す如く手毬寿司成型容器(1)は、上部成型部材(2)と下部成型部材(3)からなる。上部成型部材(2)と下部成型部材(3)は、1つの縁部で互いに接続し、互いに回動可能である。上部成型部材(2)と下部成型部材(3)の接続縁を、ここではヒンジ部(4)と称する。
【0019】
手毬寿司成型容器(1)は、薄肉の樹脂(ポリプロピレン等)から全体的に形成される。そして、比較的小さな押圧力で押圧部分は撓み変形可能である。
図1に示す例において、上部成型部材(2)には、一対の上部成型窪み部(21)が形成され、下部成型部材(3)には、一対の下部成型窪み部(31)が形成されている。1つの成型容器(1)が備える窪み部(21,31)の数は、図示例に限られるものではなく、単数であってもよいし、3以上の窪み部(21,31)がそれぞれ形成されていてもよい。
【0020】
上部成型部材(2)は、半球形状に形成された内壁面を有する上部成型窪み部(21)を備える。上部成型窪み部(21)の上縁には、縦断面逆U字形状に形成された突出部(211)が形成される。そして突出部(211)の縁から水平方向にシート状のフラップ部(22)が広がっている。
成型容器(1)が開いた状態において、フラップ(22)の上面側が合せ面(221)とされる。突出部(211)は合せ面(221)に対して上方に突出しており、また平面視環状に形成されている。このように薄肉シート状の樹脂を逆U字形状に折り曲げて突出部を形成することで、上部成型部材(2)を下部成型部材(3)に重ね合わせたときに、上部成型部材(2)と下部成型部材(3)との間の接合部分の強度を増すことができ、押圧力を受けても接合部分は変形しにくくなる。
【0021】
フラップ部(22)は、平面視略矩形状に形成される。フラップ部(22)には、複数の溝部(222)が形成され、溝部(222)は、合せ面(221)に対して略U字形状に窪んだ断面を備える。
ヒンジ部(4)の軸に対して直交する軸を境にして、フラップ部(22)の一方の半面側には、ヒンジ部(4)の軸に対して45°の角度で傾斜した方向に溝部(222)は延びている。フラップ部(22)の他の半面側は、前記一方の半面側に対して線対称となるように溝部(222)が形成されている。
このように溝部(222)を形成し、配列することにより、フラップ部(22)の剛性を高めることができ、シャリからの熱に起因するフラップ部(22)の熱変形を防止することができる。
【0022】
上部成型部材(2)に形成された一対の上部成型窪み部(21)の間には、互いの突出部(211)から延出した接続突出部(219)が形成されている。接続突出部(219)は、突出部(211)と同様に薄肉の樹脂シートを折り曲げたような形状とされる。そして、成型容器(1)が開いた状態において、合せ面(221)に対して上方に突出した形状を備え、ヒンジ部(4)の軸に対して直交する軸上での縦断面において略逆U字形状を備える。
このようにして、ヒンジ部(4)の軸に直交する軸を、接続突出部(219)が横切ることとなるので、ヒンジ部(4)の軸に直交する軸を折り曲げ線とするフラップ部(22)の変形も防止可能となる。
【0023】
上部成型窪み部(21)の内壁面は、半球形状に形成され、一定の曲率半径で形成される。この曲率半径は、所望の手毬寿司の大きさに応じて定められる。上部成型窪み部(21)は手毬寿司の約上半分を形成し、上部成型窪み部(21)の上縁は、手毬寿司の水平方向最大径となる位置まで形成する。
上部成型窪み部(21)の内壁面には、複数の溝部(212)が形成される。溝部(212)は、上部成型窪み部(21)平面視中心点から所定の距離をおいて始まり、上部成型窪み部(21)の上縁まで上方に内壁面に沿って延びている。このようにして形成された溝部(212)が上部成型窪み部(21)中心点を中心として、放射状に配列されている。
溝部(212)の幅は、上部成型窪み部(21)の中心点に近い溝部(212)の開始点から上部成型窪み部(21)上縁に向かうにつれて広く形成される。また、溝部(212)の間に形成される畝部(213)の幅も上部成型窪み部(21)の中心点に近い溝部(212)の開始点上部成型窪み部(21)上縁に向かうにつれて広く形成される。
したがって、上部成型窪み部(21)の剛性は、上部成型窪み部(21)の中心に近づくにつれて低くなる。
【0024】
複数の溝部(212)の開始点を結んだ円形領域を、上部成型窪み部(21)の頂部領域(214)と称する。
頂部領域(214)内において、頂部領域(214)に対して同心に環状溝部(215)が形成される。環状溝部(215)は、上部成型窪み部(21)内壁面に対して略U字状に窪んだ断面を有する。
頂部領域(214)内には、上下方向に延びる溝部は存在せず、環状溝部(215)のみが形成されている。したがって、頂部領域(214)は、溝部(212)が形成された領域よりも剛性が低く変形しやすい。
環状溝部(215)は、頂部領域(214)に若干の剛性を与えるとともに、ネタと頂部領域(214)との間に空気層を形成し、ネタが頂部領域(214)の内壁面に密着することを防止する。
【0025】
下部成型部材(3)は、略平坦に形成される底面部(314)と、底面部(314)から上方且つ外方に向かって湾曲して延出する側面部(316)を備える下部成型窪み部(31)を備える。下部成型窪み部(31)は、更に、側面部(316)上縁から延設するともに側面部(316)上縁を囲むように形成された嵌合部(311)を備える。
上部成型部材(2)が、下部成型部材(3)上に重ねられたときに、上部成型部材(2)の突出部(211)は、嵌合部(311)内に嵌合される。
【0026】
嵌合部(311)の上縁から水平方向にシート状のフラップ部(32)が広がっている。
成型容器(1)が開いた状態において、フラップ(32)の上面側が合せ面(321)とされる。成型容器(1)が閉じられると、下部成型部材(3)のフラップ(32)の合せ面(321)と、上部成型部材(2)のフラップ(22)の合せ面(221)とが当接する。
【0027】
フラップ部(32)は、平面視略矩形状に形成される。フラップ部(32)には、複数の溝部(322)が形成され、溝部(322)は、合せ面(321)に対して略U字形状に窪んだ断面を備える。
ヒンジ部(4)の軸に対して直交する軸を境にして、フラップ部(32)の一方の半面側には、ヒンジ部(4)の軸に対して45°の角度で傾斜した方向に溝部(322)は延びている。フラップ部(32)の他の半面側は、前記一方の半面側に対して線対称となるように溝部(322)が形成されている。
このように溝部(322)を形成し、配列することにより、フラップ部(32)の剛性を高めることができ、シャリからの熱に起因するフラップ部(32)の熱変形を防止することができる。
下部成型部材(3)のフラップ部(32)上に形成される溝部(322)は、ヒンジ部(4)を軸として、上部成型部材(2)のフラップ上に形成される溝部(222)と線対称の位置に配置される。
【0028】
下部成型部材(3)に形成された一対の下部成型窪み部(31)の間には、互いの環状に形成された嵌合部(311)から延出した接続嵌合部(319)が形成されている。接続嵌合部(319)は、薄肉の樹脂シートを折り曲げた形状とされる。そして、成型容器(1)が開いた状態において、合せ面(321)に対して下方に窪んだ形状を備え、ヒンジ部(4)の軸に対して直交する軸上での縦断面において略逆U字形状を備える。
このようにして、ヒンジ部(4)の軸に直交する軸を、接続嵌合部(319)が横切ることとなるので、ヒンジ部(4)の軸に直交する軸を折り曲げ線とするフラップ部(32)の変形も防止可能となる。
上部成型部材(2)が下部成型部材(3)に重ね合わせられたときに、上部成型部材の接続突出部(219)は、下部成型部材(3)の接続嵌合部(319)内に嵌合される。
【0029】
下部成型窪み部(31)の側面部(316)の内壁面は、上方から下方に向けて上部成型窪み部(31)の内壁面の曲率半径と同一の曲率半径で形成される。そして、側面部(316)下端付近において、小さな曲率で側面部(316)は形成され、連続的な曲面を形成しながら、平坦な底面部(314)に接続する。
側面部(316)の内壁面には、複数の溝部(312)が形成される。溝部(312)は、側面部(316)下端付近の小さな曲率で形成される部分の下端部から始まり、嵌合部(311)と接続する側面部(316)の上端縁で終わる。このようにして形成された溝部(312)は、平面視円形の下部成型窪み部(31)中心点を中心として、放射状に配列されている。
溝部(312)の幅は、下部成型窪み部(31)の中心点に近い溝部(312)の開始点から側面部(316)上縁に向かうにつれて広く形成される。また、溝部(312)の間に形成される畝部(313)の幅も下部成型窪み部(31)の中心点に近い溝部(312)の開始点から側面部(316)上縁に向かうにつれて広く形成される。
したがって、側面部(316)の剛性は、下方に向かうにつれ低くなる。
上部成型部材(2)が、下部成型部材(3)上に重ね合わせられたとき、下部成型窪み部(31)の内壁面に形成された溝部(312)は、上部成型窪み部(21)内壁面上に形成される溝部(212)と連続的に繋がる。
【0030】
複数の溝部(312)の開始点を結んだ円形領域が、底面部(314)である。
底面部(314)内において、縦横に延びる複数の溝部が格子状に形成されている(図1(a)中、正八角形で現れる領域)。
図2は、格子状に溝部が形成された領域を部分的に抜き出した拡大図である。図2(a)は、格子状に溝部が形成された領域の平面図であり、図2(b)は格子状に溝部が形成された領域の正面図である。
格子状に縦横に延びる溝部(341)によって平面視略正方形状に形成される領域は、突起部(342)である。突起部(342)は、下部成型窪み部(31)内方へ突出する。突起部(342)の形成ピッチは、米粒の平均長さよりも短くされることが好ましく、溝部(341)の幅は、米粒の幅よりも狭く形成されることが好ましい。これにより、手毬寿司の米粒は複数の突起部(342)により支持されることとなるとともに、米粒が溝部(341)に嵌り込むことを防止できる。
【0031】
底面部(314)に細かなピッチで溝部(341)が縦横に複数形成されるので、この領域は、他の部分よりも低い剛性を有する。また細かなピッチで形成される溝部(341)により、この領域の変形は局所的に大きくならず、変形時に滑らかな曲面を描くこととなる。
【0032】
図3は、ヒンジ部(4)の拡大側面図である。
ヒンジ部(4)は、上部成型部材(2)のフラップ部(22)の1つの縁と下部成型部材(3)のフラップ部(32)の1つの縁とを接続する。ヒンジ部(4)は、略半円状の断面輪郭を有し、フラップ部(22,32)に対して下方に向かって湾曲している。ヒンジ部(4)の中心には、若干上方に隆起した突条(41)が形成される。このようにヒンジ部(4)が形成されることにより、上部成型部材(2)並びに下部成型部材(3)の回動動作を滑らかに行うことが可能である。
【0033】
図4は、成型容器(1)を用いて手毬寿司を成型する成型工程の一例を示す。図4(a)から図4(c)は、成型工程の各段階をそれぞれ示す。
図4(a)に示す如く、まず、寿司ネタ(S)が上部成型窪み部(21)内部に配される。寿司ネタ(S)は上部成型窪み部(21)の頂部領域(214)を覆う。このとき環状溝部(215)によって、寿司ネタ(S)と頂部領域(214)内壁面との間に空気層が形成される。これにより、寿司ネタ(S)が頂部領域(214)に密着・付着することが防止される。
その後、図4(b)に示す如く、上部成型窪み部(21)の上端縁まで米粒(R)を上部成型窪み部(21)内に収容する。また、下部成型窪み部(31)の側面部(316)上端縁まで米粒(R)を下部成型窪み部(31)内に収容する。
【0034】
そして、図4(c)に示す如く、上部成型部材(2)と下部成型部材(3)を、ヒンジ部(4)を軸にして回動させる。
このとき、上部成型部材(2)側の突出部(211)は、下部成型部材(3)側の嵌合部(311)内に嵌合される。そして、上部成型窪み部(21)と下部成型窪み部(31)とで略球形状の成型空間が形成される。
成型空間が形成された後、フラップ部(22,32)を保持した状態で、格子状に縦横に走る溝部(341)が形成された下部成型部材(3)の底面部(314)を局所的に押圧する。これにより、成型空間内の米粒が外方に押し出されることとなり、成型空間の内壁面は成型空間内の手毬寿司外部表面を球面状にする。尚、底面部(314)は、格子状に走る溝部(341)により押圧力が負荷されても、局所的な大きな変形を生じず、変形部分は滑らかな曲面を描く。したがって、局所的な押圧力を加えたとしても、手毬寿司底面部の米粒が潰れることはない。
【0035】
成型容器(1)全体は、薄肉のシート状の樹脂から形成される。したがって、このような押圧力が加わると適度に変形することとなる。したがって、成型空間内壁面に米粒が押付けられたときであっても、若干変形し、米粒が潰れることを防止可能である。
更に、押圧力が加わる点と対向する位置には、上部成型部材(2)の頂部領域(214)がある。頂部領域(214)は、環状溝部(215)により他の部分より特に剛性が低くなっているので、押圧力が直接的に加わっても、他の部分より大きく変形可能であり、ネタ(S)の細胞を潰すことがない。したがって、ネタの旨みを逃がすことがなく、食感がよいばかりでなく、味にも優れる手毬寿司を製造することが可能である。
【0036】
更に上面成型部材(2)の突出部(211)は、他の部分よりも剛性が高く変形しにくい。また突出部(211)の周面を下部成型部材(3)の嵌合部(311)が囲むので、突出部(211)が押圧力の負荷によって外方に広がることがない。したがって、上面成型部材(2)と下部成型部材(3)の接合部分は成型容器(1)の変形によって開くことがなく、確実な成型作用をもたらすこととなる。
【0037】
この後、底面部(314)を全体的に押圧し、上記の局所的な押圧により生じた手毬寿司底部のへこみを平坦にする。これにより手毬寿司の全体的な形状が更に整えられることとなる。
尚、成型工程は、図4(c)に示すものに限られるものではない。フラップ(22,23)の一端を摘んで、成型容器(1)を振って手毬寿司を成型してもよいし、或いはフラップ(22,23)の縁部を水平面に当接した状態で、成型容器(1)を転動させてもよい。その他様々な力の加え方を採用可能である。
【0038】
図5は、成型容器(1)から手毬寿司を取り出す取り出し工程を示す図である。図5(a)及び図5(b)は取り出し工程の段階をそれぞれ示す。
上記成型工程の後に、図5(a)に示すように、下部成型部材(3)が、上部成型部材(2)に対して下方に回動される。
下部成型部材(3)の側面部(316)には、溝部(312)並びに畝部(313)が形成されているので、下部成型部材(3)を回動させるとき、手毬寿司下部の米粒が下部成型窪み部(31)側面部(316)に付着することが防止される。また、下部成型部材(3)の底面部(314)には複数の突起部(342)が形成されているので、同様に米粒の底面部(314)への付着も防止される。
【0039】
図5(b)に示す如く、上部成型部材(2)の頂部領域(214)に形成された環状溝部(215)の内側領域を、上部成型窪み部(21)の外方から押圧する。このとき、頂部領域(214)は上部成型窪み部(21)内方へ変形する。
これにより、手毬寿司は上部成型部材(2)から容易に取り出すことが可能となる。
上部成型窪み部(21)は頂部領域(214)を除いて内壁面に溝部(212)並びに畝部(213)が形成されている。したがって、上部成型窪み部(21)内壁面に米粒を付着させることなく手毬寿司を取り出すことが可能となる。
また頂部領域(214)内に形成される環状溝部(215)の存在によって、環状溝部(215)内の領域は、頂部領域(214)の撓み変形にかかわらず、平坦な領域となる。したがって、押圧力が集中的・局所的にネタに負荷されることが防止され、ネタの細胞が潰されることが防止される。
【0040】
図6は、図5に示すものとは逆に、下部成型部材(3)側に成型された手毬寿司を残し、上部成型部材(2)側を先に手毬寿司から離れるように回動させて、成型容器(1)から手毬寿司を取り出す形態を示す。図6(a)は、上部成型部材(2)を回動させた状態を示し、図6(b)は下部成型部材(3)から手毬寿司を押し出す形態を示す。
上部成型部材(2)を下部成型部材(3)に対して回動させる。これにより手毬寿司の上側が成型容器(1)上に現れる。このとき、上部成型窪み部(21)の内壁面に形成された溝部(212)並びに畝部(213)によって、上部成型窪み部(21)にネタや米粒が付着することが防止される。また、環状溝部(215)は、ネタだけが上部成型窪み部(21)内壁面に付着して、シャリから分離してしまうことを防止する。
上部成型部材(2)を回動させた後、下部成型部材(3)の底面部(314)を下から押圧する。そして、下部成型部材(3)から手毬寿司が上方に押し出される。このとき、下部成型部材(3)の側面部(316)に形成された溝部(312)並びに畝部(313)により、手毬寿司下部に現れる米粒が下部成型部材(3)の側面部(316)内壁面に付着することが防止される。また、底面部(314)には複数の突起部(342)が形成されているので、底面部(314)への米粒の付着も同様に防止される。
更には、底面部(314)に形成される複数の溝部(341)によって、底面部(314)下方から押圧力を加えたとしても、底面部(314)は局所的に大きく変形することなく、なだらかな曲面を描くこととなる。したがって、底面部(314)に当接する手毬寿司底部の形状を破壊することが防止される。
【0041】
図7は、上部成型部材(2)及び/又は下部成型部材(3)の回動動作を補助し、これら部材(2,3)の一定の軌跡を得るための成型容器折り畳み治具を示す。図7(a)は、折り畳み治具を左方から見た側面図であり、図7(b)は折り畳み治具の平面図である。
上述の如く、上部成型部材(2)及び/又は下部成型部材(3)を回動させることにより手毬寿司を成型するが、特に上部成型部材(2)の上部成型窪み部(21)は球状に形成されているので、上部成型部材(2)の回動動作中に、回動動作の軸となるヒンジ部(4)が上下方向に移動すると、上部成型窪み部(21)内に配されたシャリやネタが上部成型窪み部(21)から落下する可能性がある。
図7に示す治具は、この回動動作時の回動軸の上下のぶれを防止し、特に上部成型部材(2)に収容されたシャリやネタの落下の防止に寄与するためのものである。
【0042】
折り畳み治具(100)は、平板状の基台部(110)を備える。基台部(110)の上面には、4本の支柱(120)が立設する。また、基台部(110)上面の両側縁近傍に一対の軸支部(130)が配される。軸支部(130)によって、支軸(140)が支持される。支軸(140)は、基台部(110)上面から所定の距離だけ離して配置される。
支軸(140)には、一対の平板状の回動板(150)が支軸(140)に対して回動可能に取付けられている。回動板(150)の下面四隅には、支柱(120)上端が当接し、この状態で一対の回動板(150)上面は水平面を形成する。回動板(150)は、図7に示す例において、3つの部分に分かれ、各部分に平面視コ字形状の輪郭を有する切込み部(151)が形成されている。一対の回動板(150)に形成された切込み部(151)の開口縁は、互いに支軸(140)側に向いている。
回動板(150)の正面縁並びに背面縁には、L字ブラケット(170)を介して取付けられた把手部(180)が配される。把手部(180)を持って、回動板(150)を上下に回動可能であり、このとき回動板(150)は支軸(140)を軸にして回動する。一対の回動板(150)に取付けられた把手部(180)は、一対の回動板(150)を広げた状態で平面視において観察される矩形領域において対角線上に配される。
【0043】
支軸(140)の下方において、支持片(160)が基台部(110)上面から立設する。
図8は、支持片(160)を示し、図7(a)は支持片(160)の側面図であり、図7(b)は支持片(160)の正面図である。
支持片(160)の長手方向軸が支軸(140)の軸に対して平行となるように配される。支持片(160)の上面は、半球形状の凹状に形成される。
【0044】
図9は、成型容器(1)を折り畳み治具(100)に設置した状態を示す。載置される治具は、本明細書にて説明された手毬寿司成型容器(1)に限られるものではなく、窪み部(21,31)の形状の異なる様々な成型容器(1)に対して、折り畳み治具(100)は使用可能である。
折り畳み治具(100)の回動板(150)の切り込み部(151)の縁部上面は、成型容器(1)が備えるフラップ部(22,32)を支持する。そして、成型窪み部(21,31)は、切り込み部(151)により形成された空間内に配される。
【0045】
図10は、図9に示すB−B線断面図である。
図10に示すように、支持片(160)は、成型容器(1)のヒンジ部(4)を下方から支持する。そして、U字状に湾曲したヒンジ部(4)内部には支軸(140)が挿入される。
これにより、回動板(150)が支軸(140)を軸として上下に回動動作を行ったとき、支持片(160)と支軸(140)でヒンジ部(4)は上下に挟持されるので、回動動作中に成型容器(1)は上下に移動することがない。更に、成型容器(1)を閉じるときには、ヒンジ部(4)は支軸(140)を包み込むように動作するので、成型容器(1)が左右に移動することがない。
したがって、成型容器(1)に収容されたシャリやネタが成型容器(1)開閉動作の間に成型容器(1)から落下することが防止される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、手毬寿司の製造に好適に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る手毬寿司成型容器を示す図である。
【図2】本発明に係る手毬寿司成型容器の底面部断面の拡大図である。
【図3】本発明に係る手毬寿司成型容器のヒンジ部の拡大図である。
【図4】本発明に係る手毬寿司成型容器を用いて手毬寿司を成型する工程を示す図である。
【図5】本発明に係る手毬寿司成型容器から手毬寿司を取り出す工程の一例を示す図である。
【図6】本発明に係る手毬寿司成型容器から手毬寿司を取り出す工程の一例を示す図である。
【図7】本発明に係る成型容器折り畳み治具を示す図である。
【図8】本発明に係る成型容器折り畳み治具の支持片を示す図である。
【図9】本発明に係る成型容器折り畳み治具に成型容器を設置した状態を示す平面図である。
【図10】本発明に係る成型容器折り畳み治具に成型容器を設置した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0048】
1・・・・・手毬寿司成型容器
100・・・折り畳み治具
110・・・基台部
120・・・支柱
140・・・支軸
150・・・回動板
151・・・切り込み部
160・・・支持片
180・・・把手
2・・・・・上部成型部材
21・・・・上部成型窪み部
212・・・溝部
213・・・畝部
214・・・頂部領域
215・・・環状溝部
3・・・・・下部成型部材
31・・・・下部成型窪み部
311・・・嵌合部
312・・・溝部
313・・・畝部
314・・・底面部
316・・・側面部
341・・・溝部
342・・・突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略球形の手毬寿司を成型するための手毬寿司成型容器であって、
前記成型容器は、前記手毬寿司の下部を成型する下部成型窪み部を有する薄肉樹脂製の下部成型部材と、
該下部成型部材の1つの縁に対して回動可能に接続するとともに、前記手毬寿司の上部を成型する上部成型窪み部を有する薄肉樹脂製の上部成型部材からなり、
該上部成型部材を前記下部成型部材に対して回動させ、前記下部成型部材上に前記上部成型部材を重ね合わせたときに、前記下部成型窪み部と前記上部成型窪み部とで略球形状の成型空間が形成され、
前記上部成型窪み部の内壁面は、一定の曲率半径で形成され、
前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記上部成型窪み部の内壁面と連続するとともに前記手毬寿司の下部側面を形成する面は、前記上部成型窪み部の内壁面と同一の曲率半径で形成され、
前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記手毬寿司の底部を形成する面は平坦に形成されることを特徴とする手毬寿司成型容器。
【請求項2】
前記上部成型窪み部の内壁面には、該上部成型窪み部中心から所定距離離れた位置を開始点とし、前記上部成型窪み部縁部に向かって延びる複数の溝部が放射状に配列されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器。
【請求項3】
前記放射状に配列された前記溝部の開始点を結んだ領域内に環状の溝部が形成されることを特徴とする請求項2記載の手毬寿司成型容器。
【請求項4】
前記放射状に延びる溝部の幅及び該溝部の間に形成される畝部の幅が前記上部成型窪み部縁部に近づくにつれて広くなることを特徴とする請求項2記載の手毬寿司成型容器。
【請求項5】
前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記上部成型窪み部の内壁面と同一の曲率半径で形成される内壁面には、上下方向に延びる複数の溝部が放射状に配列されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器。
【請求項6】
前記下部成型窪み部の内壁面のうち、前記平坦に形成される内壁面には、複数の溝部が格子状に配列されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器。
【請求項7】
前記格子状に配列される溝部によって、複数の突起部が形成されることを特徴とする請求項6記載の手毬寿司成型容器。
【請求項8】
前記上部成型部材と前記下部成型部材の接合部において、前記手毬寿司の水平方向最大直径部分が成型されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器。
【請求項9】
前記上部成型部材と前記下部成型部材の接合部において、前記上部成型窪み部は、前記合せ面から突出する環状突出部を備え、
前記下部成型窪み部は、前記環状突出部と嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器。
【請求項10】
前記上部成型部材と前記下部成型部材の合せ面に、複数の溝部が形成されることを特徴とする請求項1記載の手毬寿司成型容器。
【請求項11】
請求項1に記載の成型容器を折り畳み可能な治具であって、
該治具は、平板状の基台部と、
該基台部上面から所定高さの位置に配される支軸と、
該支軸に対して回動可能に取付けられる一対の回動板と、
前記基台部上面から立設するとともに前記支軸の下方に配される支持片からなり、
前記一対の回動板は、前記支軸に平行する縁を開口部として平面視コ字状の切り込み部を備え、
前記一対の回動板は、前記成型容器の上部成型窪み部並びに下部成型窪み部周縁から水平方向に延設するとともに合せ面を形成するシート状のフラップ部を支持するとき、前記上部成型窪み部並びに前記下部成型窪み部は前記切り込み部により形成される空間内に配され、
前記支軸は、前記上部成型窪み部並びに前記下部成型窪み部の接続縁上に位置し、
前記支持片が該接続縁を下方から支持することを特徴とする成型容器折り畳み治具。
【請求項12】
前記基台部上面から立設する複数の支柱を備え、
該支柱の上端が、前記一対の回動板の下面に当接するとき、該一対の回動板の上面は水平面を形成することを特徴とする請求項11記載の成型容器折り畳み治具。
【請求項13】
前記一対の回動板の側面に把手が取付けられることを特徴とする請求項11記載の成型容器折り畳み治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−54025(P2007−54025A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246843(P2005−246843)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(390020905)株式会社島津機械製作所 (8)
【Fターム(参考)】