説明

手洗い補助装置

【課題】手洗い実行者に正しい手順と時間で手洗いを意欲的に実施させることが出来る、新規な構造の手洗い補助装置を提供すること。
【解決手段】手洗い作業の手順と時間を指示する手洗い補助装置10であって、以下の構成を備える。(I)手洗い作業の各工程毎の手洗い部位を視覚的に認識可能に表示した複数の工程図柄22。(II)全ての工程図柄22が整列されて同時に視認可能に表示された表示パネル14。(III)複数の工程図柄22の中から選択的に一つの工程図柄22を指し示す指示手段28。(IV)指示手段28によって指し示す工程図柄22を変化させることにより、指示する手洗い部位を順次に移行させる指示図柄の移行順序制御手段30。(V)指示手段28によって指し示す時間を各工程図柄22毎に計測する計時手段30。(VI)手洗い部位の移行を各工程図柄22毎に予め設定された時間経過を待って行なわせる移行時間制御手段30。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、手を洗う或いは歯磨きをする等といった人体の一部を自身が手作業で洗う広義の「手洗い」行為に際して、手洗いの時間や方法を管理又は指示することで、手洗いの作業を補助するための手洗い補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、流行性感冒(インフルエンザ)等のウイルス感染症や病原性細菌による食中毒等を予防するための有効な手段の1つとして、洗剤等で両手を擦り洗いする狭義の「手洗い」が励行されている。手洗いは、特別な洗浄装置を必要とすることなく各個人が行うことの出来る簡単な疾患予防策であるが、ウイルスや細菌に起因する疾患を効果的に防止できることが知られている。
【0003】
ところで、手洗いによりウイルスや細菌等を洗い流して病気の予防効果を有効に得るためには、それなりの作業が必要となるが、残念ながら、現状では、有効な手洗いの作業を一般人が知っているとは言い難い。
【0004】
このような問題に鑑み、特許文献1(実用新案登録第3130316号公報)に手洗い用タイマー装置が提案されていると共に、特許文献2(特開2001−292918号公報)に手洗い設備が提案されている。
【0005】
ところが、これら特許文献1,2で提案された装置は、何れも、単に手洗いに費やす時間を計時して管理するだけに過ぎない。それ故、例えば両手指先だけを重ね合わせて擦り動かすといった単純な手洗い作業だけを所定時間に亘って繰り返しただけでも、正しい手洗いが完了したとの主観的及び客観的な認識を抱かせることとなる。
【0006】
すなわち、手洗いは各個人が簡易に実行できる有効な疾患予防策であるものの、その目的とする効果は、「正しい手洗いの作業内容」と「正しい手洗いの作業時間」とを確保し得た場合にしか得られないのである。そして、前述のとおり、従来の手洗い補助装置では、これら「正しい手洗いの作業内容」と「正しい手洗いの作業時間」との両者を実現させることが出来なかったのであり、それ故、目的とする手洗いの効果を充分に期待できるとは言い難い状況だったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3130316号公報
【特許文献2】特開2001−292918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、医療分野の専門家として疾患予防及び治療等を長年に亘って研究している本発明者が、簡易な手洗いに着目し、その本来の効果を発揮させることをもって有効な疾患予防策となり得るものであるとの認識のもと、鋭意研究開発を重ねて完成したものである。
【0009】
そして、本発明の解決課題は、手洗いする各個人に対して「正しい手洗いの作業内容」と「正しい手洗いの作業時間」との両者を意欲的に且つ正確に実行させることが出来、それによって目的とする手洗いの効果を有効に発揮させ得る、新規で且つ簡単な構造の手洗い補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第一の態様は、手洗いの作業に際して手順と時間を指示する手洗い補助装置であって、前記手洗いの作業が互いに異なる手洗い部位毎に複数の工程に分割されて、それら各工程毎に各手洗い部位が視覚的に認識可能に表示された複数の工程図柄と、それら複数の工程図柄が整列されて同時に全てが視認可能に表示された表示パネルと、該表示パネルにおいて、前記複数の工程図柄の中から選択的に一つの工程図柄を特定して指し示す指示手段と、該指示手段によって指し示す工程図柄を予め設定された順序に従って変化させることにより、指示する手洗い部位を順次に移行させる指示図柄の移行順序制御手段と、前記指示手段によって前記複数の工程図柄を指し示す時間を各工程図柄毎に計測する計時手段と、該計時手段による計測時間に基づいて、前記工程図柄の移行順序制御手段で指示する手洗い部位の移行を、各工程図柄毎に予め設定された時間経過を待って行なわせる移行時間制御手段とを、有することを特徴とする。
【0011】
このような第一の態様によれば、手洗いをする者が指示手段によって指し示されている工程図柄を確認しながら、工程図柄の指示に従って手洗い作業を実行することにより、手洗いをする者が正しい手洗い方法を知らない場合にも、手洗いを正しく実施することが出来る。しかも、指示手段によって指し示される工程図柄が移行順序制御手段によって予め設定された順序に従って移行することから、指示手段によって指し示される工程図柄に従って手洗いをすることで、手洗いの全工程を正しい順序で実施することが出来る。
【0012】
さらに、指示手段によって複数の工程図柄を指し示す時間が、計時手段によって各工程図柄毎に計測されるようになっている。そして、指示手段が指し示す工程図柄が、計時手段によって計測された経過時間に基づいて移行時間制御手段で切り替えられるようになっている。これにより、各手洗い工程毎に何れも正しい時間の手洗い作業を実行させることが出来て、工程図柄による正しい手洗い方法の指示との協働により、洗い残しの無い洗浄を実現することが出来て、ウィルスや細菌等を含む汚れを効果的に洗い落とすことが出来る。
【0013】
このように、本発明に係る手洗い補助装置では、複数の工程図柄を表示パネルに表示するだけでなく、工程図柄の1つを選択的に指示手段で指し示し、作業工程の進行に合わせて指示手段によって指し示される工程図柄を移行させることにより、手洗いの実行者の関心を惹いて作動に注目させることが出来る。そこにおいて、手洗い補助装置が工程図柄と指示手段によって分かり易く手洗いの方法を示すことにより、手洗い実行者は、指示されているという精神的なストレスを感じることなく、手洗いの方法や時間を主体的に管理することが出来る。換言すれば、本発明に係る手洗い補助装置は、作動によって手洗い実行者の興味や関心を惹くと共に、手洗い作業をゲーム感覚で実施させることにより、手洗い実行者の作業意欲を引き出して、手洗い実行者が長期に亘って継続して正しい手洗いを実施するようにサポートすることが出来るのである。
【0014】
また、表示パネルには、複数の工程図柄が整列されて同時に全ての工程図柄が視認できるように表示されており、手洗いをする者が手洗いの全工程を予め知ることが出来るようになっている。これにより、手洗いをする者は、手洗いの進捗状況を把握することが出来ると共に、手洗い終了までの所要時間や次の手洗い部位を予測することが出来る。その結果、手洗いをする者は、目標を持って手洗い作業を進めることで作業によるストレスを低減されると共に、手洗い工程の進行に対して速やかに対応することが出来て手洗い作業を効率的に実施することが出来る。
【0015】
なお、「手洗い」とは、手によって、手で直接に或いはタオルやブラシ等を使って間接的に人体の一部を洗う作業であって、洗浄液(石鹸液や消毒液等)を用いた両手の洗浄の他にも、顔や足の洗浄,歯磨き等、人体各部の洗浄を含む。また、手を洗ってから顔を洗い、その後歯を磨くといったように、複数の洗浄作業を組み合わせたり交互等にして同時に行なうものであっても良い。
【0016】
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載された手洗い補助装置において、非接触形センサが設けられており、該非接触形センサの検出信号に基づいて手洗い補助が開始されるようになっているものである。
【0017】
このような第二の態様によれば、水や洗浄液によって濡れた手で触れて操作することなく、手洗い補助装置を作動させることが出来る。それ故、手洗い補助装置の故障を防止できると共に、洗浄液等によって表面が汚れるのを回避できる。また、該手洗い補助装置に汚れ、ウィルスや細菌等が付着している場合は、該汚れ、ウィルスや細菌等が手に付着・感染することを回避できる。なお、このような非接触形センサを用いた手洗い補助の開始機構を有する場合には、手洗い補助が手洗い工程の一巡又は所定回数完了をもって自動的に停止されて、非接触形センサの検出信号が再度発信されるまで待機状態に保持されることが望ましい。
【0018】
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様に記載された手洗い補助装置において、非接触形センサが設けられており、該非接触形センサの検出信号に基づいて手洗い補助が停止されるようになっているものである。
【0019】
このような第三の態様によれば、手洗い作業を中断する必要が生じた場合に、非接触で手洗い補助装置を停止させることが出来る。それ故、手洗い補助装置が水の侵入によって故障したり、石鹸液等の付着によって汚れるのを、防止することが出来る。また、手洗い作業の完了後に停止させることも出来ることから、作動し続けることによるエネルギの浪費を防ぐことが出来ると共に、作動による光や音が周囲に不快感を与え続けるのを回避できる。さらに、該手洗い補助装置に汚れ、ウィルスや細菌等が付着している場合は、手洗いの途中又は完了後に、該汚れ、ウィルスや細菌等が手に付着・感染することを防止できる。
【0020】
本発明の第四の態様は、第一〜第三の何れか1つの態様に記載された手洗い補助装置において、前記指示手段が前記表示パネルの各工程図柄を択一的に指し示して点灯する発光体とされているものである。
【0021】
このような第四の態様によれば、発光体の点灯によって選択されている工程図柄が、手洗いをする者に対して明確に視認される。それ故、誤った工程図柄を見てしまい、間違った手順で手洗いするのを防止することが出来る。なお、発光体は、電球のようなものであっても良いし、発光ダイオードであっても良い。
【0022】
本発明の第五の態様は、第一〜第四の何れか1つの態様に記載された手洗い補助装置において、前記指示手段で指し示される前記工程図柄の移行を報知する発音手段を備えているものである。
【0023】
このような第五の態様によれば、発音手段によってブザー音や楽曲,ガイド音声等を出力することにより、手洗い実行者は、視覚的に手洗い工程を把握するだけでなく、聴覚的にも手洗い工程を把握することが出来る。特に、手洗いをする者は、手洗い時に作業部位を見ていることが多いことから、手洗い工程の移行を音で知らされることにより、手洗い工程の移行を見逃すことなく且つ安心して作業を続けることが出来る。
【0024】
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか1つの態様に記載された手洗い補助装置において、前記表示パネルを表面に備えたケースを有すると共に、前記指示手段と前記移行順序制御手段と前記計時手段と前記移行時間制御手段とそれらに電源を供給する電源装置とを何れも該ケースに収容したものである。
【0025】
このような第六の態様によれば、電源装置を含む各構造を何れもケース内に収容することで、本発明に係る手洗い補助装置を持ち運び可能とすることが出来る。しかも、電源装置を含む全ての構造をケース内部に収容することで、ケースのシール性を確保することによって容易に防水性能を得ることが出来る。
【発明の効果】
【0026】
本発明に従う構造の手洗い補助装置によれば、工程図柄を指示手段によって順次に且つ所定時間ずつ指し示して、手洗い実行者に現在の手洗い工程と手洗い工程全体を把握させることにより、手洗いを正しく且つ効率的に実施させることが出来る。その結果、ウィルス感染や細菌による病気の発症等を効果的に防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態としての手洗い補助装置を示す斜視図。
【図2】図1に示された手洗い補助装置の正面図。
【図3】図1に示された手洗い補助装置の背面図。
【図4】図1に示された手洗い補助装置のケース背面部分を取り除いた断面図。
【図5】図1に示された手洗い補助装置の内部構造を説明するためのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1〜図3には、本発明の一実施形態としての手洗い補助装置10が示されている。手洗い補助装置10は、箱状とされたケース12に表示パネル14と回路基板16を収容した構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向とは、特に説明がない限り、図1中の上下方向をいうものとする。
【0030】
ケース12は、透明な硬質の合成樹脂で形成された開放箱状の前部カバー18と、前部カバー18の背面側開口部に組み付けられる硬質合成樹脂製の後部カバー20とを、互いの開口部同士を組み合わせるように固定することで形成されている。
【0031】
また、前部カバー18の正面側には、複数の工程図柄22a〜fを同時に視認可能な態様で表示された表示パネル14が取り付けられている。表示パネル14は、6つの工程図柄22a〜fを左右方向に3つずつ上下2段で整列して表示されたシート又はプレートであって、透明とされた前部カバー18の正面部分にケース12の内部側から重ね合わされている。なお、表示パネル14が前部カバー18の正面部分と別体である必要はなく、前部カバー18の正面部分に工程図柄22を描くことで前部カバー18の一部が表示パネルとされていても良い。
【0032】
工程図柄22は、図2に示されているように、手洗いの作業を異なる手洗い部位毎に工程に分割し、それら工程を視覚的に認識可能に表示したものである。具体的には、工程図柄22aは両手の掌を擦り合せて洗う工程を、工程図柄22bは両手の指を組んで指の間を洗う工程を、工程図柄22cは一方の手の掌を他方の手の甲に重ね合わせて手の甲を擦り洗いする工程を、工程図柄22dは一方の手の指先を他方の手の掌に擦り付けて指先を洗う工程を、工程図柄22eは一方の手の親指を他方の手で握って一方の手の親指回りに回転させることで親指とその付け根部分を洗う工程を、工程図柄22fは一方の手の手首を他方の手で握って一方の手の手首周りに回転させることで手首を洗う工程を、それぞれ示している。
【0033】
また、左右方向で隣り合う工程図柄22は、左側に位置する工程図柄22の右端と右側に位置する工程図柄22の左端が、それらの上下方向中央において一体的に連結されており、工程の連続性が表現されている。また、工程図柄22b〜eの左右両端部には、それぞれ右向きの矢印24が記載されており、手洗い工程の順番が矢印24によって案内されるようになっている。更に、手洗いの第1工程を示す工程図柄22aには、右端部にのみ右向きの矢印24が記載されていると共に、手洗いの最終工程を示す工程図柄22fには、左端部にのみ右向きの矢印24が記載されている。更にまた、工程図柄22aの左方に「はじめ」の文字が記載されていると共に、工程図柄22fの右方に「おわり」の文字が記載されており、表示パネル14における工程図柄22の表示順(手洗い工程の順序)が分かり易く示されている。
【0034】
また、工程図柄22の上端部には、工程図柄22に示された洗浄方法を左右何れの手に施すかを示す詳細表示部26が設けられている。即ち、工程図柄22aと工程図柄22bには、それらの左上角部に「両手」と記載された詳細表示部26が設けられており、両手を同時に洗浄する工程であることが示されている。一方、工程図柄22c〜fには、それらの左上角部に「右手」と記載されていると共に、それらの右上角部に「左手」と記載された詳細表示部26が設けられており、後述する発光ダイオード28を選択的に点灯させることによって、洗浄作業を片手ずつ順番に行うように指示可能とされている。
【0035】
また、手洗い工程の進行に合わせて現在行われるべき工程を択一的に指し示す指示手段(発光体)として、発光ダイオード(LED)28が設けられている。発光ダイオード28は、図2に破線で示されているように、表示パネル14の裏側に収容されており、回路基板16に取り付けられて回路基板16上の電気回路に電気的に接続されている。そして、発光ダイオード28の点灯によって、6つの工程図柄22から1つの工程図柄22が選択的に特定されて現在行われるべき工程が指示されると共に、詳細表示部26の指示内容記載部分が選択的に発光することにより何れの手を洗浄する工程であるかが把握可能とされている。なお、本実施形態では、工程図柄22の左上角部に配設される発光ダイオード28が赤色とされていると共に、右上角部に配設される発光ダイオード28が緑色とされており、左右何れの手を洗浄する工程であるかが色覚によって明確に識別されるようになっている。
【0036】
この発光ダイオード28は、回路基板16上に実装されている。回路基板16は、図4に示されているように、絶縁性を有する合成樹脂等の材料で形成されたプレートであって、厚さ方向に貫通する多数の小径円形孔が略等間隔に形成されている。そして、回路基板16の一方の面(正面)には、複数の発光ダイオード28が端子部を円形孔に差し込まれて実装されていると共に、図示しない電気回路が形成されている。一方、回路基板16の他方の面(背面)には、制御チップ30が取り付けられている。なお、発光ダイオード28が配設された回路基板16の正面側には、発泡合成樹脂等で形成された絶縁性の緩衝体32が重ね合わされており、緩衝体32が回路基板16と表示パネル14の間に介装されることによって、それら回路基板16と表示パネル14の直接的な接触が防止されている。また、緩衝体32には、複数の孔が形成されており、かかる孔に発光ダイオード28が差し込まれている。
【0037】
制御チップ30は、任意のプログラムを入力可能とされたDIP形のデジタルICであって、回路基板16上に実装されている。この制御チップ30は、発光ダイオード28の点灯と消灯を制御することにより、複数の工程図柄22a〜fから選択的に1つの工程図柄22を特定して指し示すようになっている。即ち、複数の発光ダイオード28から1つを選択的に点灯させると共に、点灯する発光ダイオード28を手洗い工程の進行順に切り替えることにより、現在の手洗い工程を使用者に視覚的に認識させて、手洗い部位を順次に移行させるようになっている。このような1つの発光ダイオード28を選択的に特定して順次に発光させるプログラムを、制御チップ30が実行することによって、指示図柄の移行順序制御手段が実現されている。
【0038】
また、制御チップ30には、各発光ダイオード28の点灯信号によって図示しない水晶発信器等の機械振動子による計時を開始させるプログラムが入力されている。かくの如きプログラムを制御チップ30が実行することによって、手洗い作業の各工程毎の経過時間を計測する計時手段が実現されている。
【0039】
また、制御チップ30には、計時手段による計測時間(工程開始からの経過時間)を取得して、計測時間を予め設定された設定時間と比較参照し、計測時間が設定時間以上であると判定された場合に、指示図柄の移行順序制御手段によって発光ダイオード28の点灯を次に移行させるプログラムが入力されている。このような計測時間と設定時間の比較結果に基づいて指示図柄の移行順序制御手段の実行を制御するプログラムを、制御チップ30が実行することによって、移行時間制御手段が実現されている。
【0040】
また、回路基板16における制御チップ30の左右両側には、複数の抵抗器34が実装されている。
【0041】
また、ケース12には、回路基板16上の電気回路に電源を供給する電源装置36が収容されている。電源装置36は、電池ボックス38とそれに収容される乾電池によって構成されており、電池ボックス38に設けられた電源スイッチ40をONにすることで給電用配線42を通じて回路基板16上の電気回路に電源を供給するようになっている。これにより、回路基板16上に実装された発光ダイオード28や制御チップ30等にも電源が供給される。なお、電源装置36は、必ずしも内蔵式ではなくても良く、外部から電源を供給されるようになっていても良い。
【0042】
また、電源装置36から延び出す給電用配線42上には、第一の非接触形センサとしての赤外線センサ44が配設されている。赤外線センサ44は、全体として略円形円柱状であって、軸方向上方に向かって赤外線を照射する赤外線発光ダイオードを内蔵している。手洗い補助装置10を使用する際には、赤外線発光ダイオードから照射された赤外線を手で遮ることにより、差し込まれた手からの反射光がフォトダイオードで検出されて、検出信号が制御チップ30に送信される。そして、赤外線センサ44から送信された検出信号に基づいて、制御チップ30が手洗い手順に沿った発光ダイオード28の点灯制御を開始するようになっている。
【0043】
電源装置36に接続された給電用配線42は、図5に示されているように、赤外線センサ44を介して、回路基板16に接続されている。即ち、給電用配線42の端部に取り付けられたコネクタ46が回路基板16の円形孔に差し込まれることにより、給電用配線42が回路基板16上の電気回路に接続されている。また、赤外線センサ44から延び出す検出信号送信用の第一の信号用配線48もコネクタ46を介して回路基板16に接続されており、赤外線センサ44の検出信号が電気回路を介して制御チップ30で受信されるようになっている。
【0044】
さらに、赤外線センサ44から延び出す検出信号送信用の第二の信号用配線50は、後部カバー20に取り付けられた発音手段としてのスピーカ52に接続されている。スピーカ52は、所謂コンデンサスピーカであって、薄肉円形の金属板で形成された振動板と、その厚さ方向一方の面(ケース12の内部空間側の面)に取り付けられた固定電極とを備えたコンデンサに対して、直流バイアス電圧に信号電圧を重畳して加えることにより、振動板を振動させて所定の音を発するようになっている。このスピーカ52は、後部カバー20の背面部分に貫通形成されたスピーカ取付孔54に嵌め込まれて、接着等の手段で固定されている。なお、スピーカ52から発せられる音は、発光ダイオード28の点灯/消灯の切替えタイミングに合わせたブザー音や楽曲の他、音声によるガイダンス等であっても良い。本実施形態では、指示図柄(発光ダイオード28によって選択的に指し示された工程図柄22)の移行を曲調の変化によって手洗い実行者に報知する楽曲が発音されるようになっている。
【0045】
以上のような構造を有する手洗い補助装置10は、手洗いや歯磨き,洗顔等といった人体の一部を、手によって直接或いは間接的に洗う手洗い作業時に用いられる。本実施形態に示された手洗い補助装置10は、特に手を洗う際に用いられるものであるが、表示パネル14の工程図柄22や設定時間などを変更することにより、略同一の構成によって歯磨き用や洗顔用の手洗い補助装置を実現可能である。
【0046】
手洗い作業時には、先ず、電源装置36の電源スイッチ40をONに切り替えて電源を投入する。これにより、発光ダイオード28が工程図柄22aから工程図柄22fに向かって作業工程順で1つずつ選択的に点灯して、電源の投入完了が使用者に通知される。また、工程図柄22fの右側の発光ダイオード28が点灯後に消灯することで、発光ダイオード28の点灯試験が完了し、手洗い作業の補助が開始される。
【0047】
すなわち、発光ダイオード28の点灯によって、工程図柄22aの詳細表示部26が発光すると共に、スピーカ52から所定の楽曲が発せられる。使用者は、工程図柄22aに示された手の写真と、詳細表示部26に記載された「両手」の指示に従って、両掌を擦り洗いする。
【0048】
次に、計時手段によって計測された掌擦り洗い工程の経過時間が予め設定された所要時間を経過すると、制御チップ30によって、工程図柄22aの発光ダイオード28が消灯されると共に、工程図柄22bの発光ダイオード28が点灯される。これにより、手洗い補助装置10の使用者は、手洗いの工程が次の指間擦り洗い工程に移行したことを目視で確認して、工程図柄22bに示された手の写真と、詳細表示部26に記載された「両手」の指示に従って、両手の指間を擦り洗いする。なお、スピーカ52から発せられる楽曲は、発光ダイオード28の点灯と消灯に合わせてリズムや曲調,曲目等が明確に変化するようになっており、手洗い工程の移行が聴覚によっても確認可能とされている。このような発光ダイオード28と楽曲の同調は、予め発光ダイオード28の切替時間に合わせて変化する楽曲を選択しても良いし、制御チップ30によってスピーカ52を同時に制御することで実現しても良い。
【0049】
かかる工程の移行を、工程図柄22c〜fについても繰り返すことにより、正しい手洗い作業を完遂することが出来る。なお、工程図柄22c〜fでは、各工程図柄22に2個ずつ発光ダイオード28が設けられているが、その場合には、「右手」を発光させて所定時間が経過した後、「右手」の発光を停止すると共に、「左手」を所定時間だけ発光させる。その後、「左手」の発光を停止して、次の工程図柄22に移行する。
【0050】
そして、最終の工程図柄である工程図柄22fの「左手」の手洗い作業が完了すると、全ての発光ダイオード28が消灯状態に保持されると共に、スピーカ52による発音が停止されて、待機状態に移行する。かかる待機状態では、消費電力を抑えつつ、赤外線センサ44による検出機能が維持されており、赤外線センサ44が手の存在を感知することによって、上述の如き手洗い補助を再開するようになっている。要するに、電源装置36の電源スイッチ40を予めONにしておくことで、手洗い作業者(使用者)は、手洗い作業の開始時に手洗い補助装置10の上方に手をかざすことにより、手洗い補助装置10を接触することなく起動させることが出来る。
【0051】
このような本実施形態に従う構造とされた手洗い補助装置10によれば、全ての工程図柄22a〜fを整列して表示パネル14に表示させることにより、手洗い作業の実行者に正しい手洗い方法を示すことが出来る。加えて、手洗い工程の進行に応じて1つの工程図柄22において発光ダイオード28を選択的に点灯させることにより、現在の手洗い工程を手洗い実行者に明確に把握させることが出来る。このようにして、手洗い実行者に正しい手洗い方法を指示することにより、効果的な洗浄効果を得ることが出来て、ウィルスや細菌を含む汚れを洗い落とすことが出来る。
【0052】
また、各発光ダイオード28の点灯時間が、各工程図柄22に示された手洗い工程に対して必要とされる洗浄時間に応じて制御チップ30で制御されるようになっている。これにより、各手洗い工程において、洗浄時間が必要以上に長かったり、必要な時間に満たなかったりするのを防ぐことが出来て、両手の各部位を洗い残し無く洗浄することが出来る。
【0053】
また、手洗い補助装置10には、スピーカ52が設けられており、点灯する発光ダイオード28の切り替わりに応じて曲調が変化する楽曲が発せられるようになっている。これにより、手洗い実行者は、手洗い工程の移行を工程図柄22と発光ダイオード28によって視覚的に把握するだけでなく、聴覚的にも把握することが出来て、正しい方法での手洗いをより確実に実施させることが出来る。また、単純なブザー音等を採用する場合に比べて、楽曲を利用して手洗い作業を補助することで、小児が利用する場合等にも手洗い作業に対する倦怠感を軽減して意欲的に且つ自発的に手洗いをさせることが出来る。しかも、楽曲のリズムや歌詞と手の動き(手洗い工程の進捗具合)とが相互にリンクして記憶されることにより、次第に視覚による手洗い工程の確認を要することなく、聴覚だけで正しい時間を確認しながら手洗い作業を行うことも可能となり得る。
【0054】
また、手洗い補助装置10は、3本の単三乾電池を電源とする小型軽量な構造とされていると共に、表示パネル14や回路基板16,電源装置36等の構成部品が何れもプラスチック製のケース12に収容されている。これにより、手洗い補助装置10は、容易に持ち運ぶことが可能であると共に、ケース12の液密性によって、ケース12の内部に収容された電気回路や制御チップ30等の電子部品が手洗い時の洗浄水の飛散等から保護される。
【0055】
また、赤外線センサ44の検出信号によって作動する構造とされていることから、手洗い実行者は手洗い補助装置10に触れることなく、手洗い補助機能を利用することが出来る。それ故、ケース12が洗浄液によって汚れるのを防ぐことが出来ると共に、ケース12の内部に水が浸入するのを回避することが出来る。さらに、該手洗い補助装置に汚れ、ウィルスや細菌等が付着している場合は、手洗いの途中又は完了後に、該汚れ、ウィルスや細菌等が手に付着・感染することを回避できる。
【0056】
また、表示パネル14がケース12の内部に収容されており、透明とされた前部カバー18の正面部分に重ね合わされることで、工程図柄22を外部から視認可能とされている。このように表示パネル14をケース12内に収容することにより、表示パネル14がケース12によって保護されて、表示パネル14に表示された工程図柄22の視認性が洗浄液や埃等の付着によって低下するのを防ぐことが出来る。加えて、ケース12は硬質のプラスチック製とされていることから、汚れが付着した場合にも容易に拭き取ることが出来る。
【0057】
なお、本発明に係る手洗い補助装置10を採用することによって、手洗い実行者が正しい手洗いを実施可能となることは、実際の試験によっても確認されている。以下、試験内容とその結果について説明する。
【0058】
先ず、5人の被験者(被験者A〜E)に手洗いを補助し得る何らの器具も用いることなく1分間の手洗いを実施するよう指示した。その結果、被験者Aは、手洗い回数が10回で、洗浄時間は37秒であった。被験者Bは、手洗い回数が11回で、洗浄時間が44秒であった。被験者Cは、手洗い回数が11回で、洗浄時間が57.6秒であった。被験者Dは、手洗い回数が13回で、洗浄時間が39.2秒であった。被験者Eは、手洗い回数が10回で、洗浄時間が17.1秒であった。被験者A〜Eの洗浄時間の平均は、39秒であり、指定した1分間よりも大幅に短かった。また、5人の被験者が行った手洗いにおいて、工程図柄22a〜fに示された工程と一致する正しい手洗い方法を実施した割合は、18%であった。このように、被験者A〜Eでそれぞれ洗浄回数と洗浄時間の何れも大きくばらついていると共に、洗浄方法の正解率は極めて低く、正しい手洗いが行われたとは言えなかった。なお、以上の結果から、被験者A〜Eは、正しい手洗い方法を知らないことが明らかである。
【0059】
次に、同じ被験者に手洗い補助装置10を使用しながら1分間の手洗いを実施するよう指示した。なお、手洗い補助装置10は、工程図柄22a,bに示された手洗い工程が各6秒、工程図柄22c〜fに示された手洗い工程が片手につき6秒で各12秒を要するように設定されており、全工程が1分間で完了するようになっている。
【0060】
その結果、被験者A〜Eの全員が、各工程毎に5回ずつの手洗いを行った。また、5人の被験者の洗浄時間の平均値は、60.1秒と指定した1分間に極めて近かった。更に、洗浄工程の正解率は95%であり、見間違えや工程図柄22の誤解等による手洗い方法の誤りも殆ど生じることがなく、正しい手洗い方法と充分な手洗い時間で効果的な手洗いが実施された。以上のように、正しい手洗い方法を知らない被験者A〜Eであっても、本発明に係る手洗い補助装置10を使用することにより、正しい手洗いを実施可能であることが確認された。
【0061】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態に示された手洗い補助装置10では、ケース12内に各構成部品を収容した持ち運び可能な構造が示されているが、手洗い補助装置は持ち運び不能な据付式のものであっても良い。即ち、表示パネルやスピーカ,非接触形センサ等は、洗面室の天井や壁面に固設することも可能であり、これによって、表示パネルを大画面化することによる工程図柄22の視認性向上や、高音質スピーカの採用,非接触形センサにおける検出方向の自由度や検出精度等の向上といった効果を実現可能となる。更に、電源装置として壁面に設けられたプラグソケット(コンセント)やケースの外部に配設された大容量のバッテリー等を利用することにより、待機状態を長時間に亘って維持して、手洗い実行者が何時でも非接触で手洗い補助装置を起動させ得るようにしても良い。具体的には、例えば、学校や職場、病院等の手洗い場所が設備されている場合に、複数の人(手洗い場を利用している人)から見える壁面に大きな表示パネルを設置すると共に、電源をコンセント等から取っても良い。なお、複数の人が手洗いを同時に開始することは考え難いが、どの工程から初めても、任意の工程をスタート地点と定めることで一通りの洗浄を実現可能である。
【0062】
また、手洗い補助装置10では、発光ダイオード28を用いた視覚的な指示手段が採用されているが、指示手段は視覚的なものに限定されるものではない。即ち、発光ダイオード28による視覚を利用した指示手段を省略して、複数の工程図柄22から1つを選択的に特定し得るガイド音声をスピーカ52から発音させても良い。具体的には、各工程図柄22に通し番号を付して、現在の工程に対応する工程図柄22の番号をスピーカ52から発音させることにより、音声による指示手段を実現することが出来る。また、視覚的な指示手段を採用する場合にも、発光ダイオード28によるものではなくても良く、例えば、現在の手洗い工程が左上隅に位置するように工程図柄22が移動するようになっていても良いし、工程図柄22の1つを指し示すポインタが手洗い工程の進行に応じて移動するようになっていても良い。
【0063】
また、本発明において、スピーカ52からの発音による聴覚を利用した手洗い補助機能は省略可能であって、音の発生が近隣の迷惑となる場合や、静謐性の維持が要求される場合には、視覚による手洗い補助のみを行う構造を採用することも出来る。更に、スピーカ52による発音の有無を変更設定できるようになっていても良く、手洗い工程の途中でも発音と消音を切替可能とされていることがより望ましい。
【0064】
さらに、スピーカ52から生じる音は必ずしも楽曲でなくても良く、楽曲に代えて或いは楽曲に加えて、手洗い工程の切替えに対応してブザー音が発せられたり、音声によって現在の手洗い工程が説明されるようになっていても良い。
【0065】
また、前記実施形態では、工程図柄22として静止した写真が採用されているが、例えば、発光ダイオード28で選択されている1つの工程図柄22が手洗い動作を動画によって表示するようになっていても良い。これによれば、工程図柄22の誤認が効果的に低減されて、正しい手洗いをより確実に実施させることが可能となり得る。なお、右手と左手でそれぞれ同じ部位を洗浄する工程では、表示される手の組み合わせ方を右手洗浄時と左手洗浄時で逆にする(実際の手洗いに合わせた表示に切り替える)ことによって、詳細表示部26を省略した構造でより正確に手洗い工程を把握させることも可能となる。
【0066】
また、赤外線センサ44は必須ではなく、例えば、多人数が入れ代わりで常時使用することが予想される場合には、指示手段を常時連続作動させておくことも考えられることから、赤外線センサ44が省略されていても良い。更に、手洗い補助装置10が連続作動状態に保持されると共に、第二の非接触形センサとしての赤外線センサ44の検出信号によって作動が停止されるようになっていても良い。これによれば、手洗い作業の完了後に停止させることで、省エネルギを実現できると共に、発光ダイオード28の光やスピーカ52の音によって周囲に不快感を与えるのを回避できる。加えて、手洗い作業の途中で停止させる際には、水や石鹸液で濡れた手によって手洗い補助装置に触れる必要が無くなり、故障の発生や汚れの付着、該手洗い補助装置に汚れ、ウィルスや細菌等が付着している場合は、接触による該汚れ、ウィルスや細菌等の手への付着・感染を回避できる。
【符号の説明】
【0067】
10:手洗い補助装置、12:ケース、14:表示パネル、22:工程図柄、28:発光ダイオード(指示手段,発光体)、30:制御チップ(指示図柄の移行順序制御手段,計時手段,移行時間制御手段)、36:電源装置、44:赤外線センサ(非接触形センサ)、52:スピーカ(発音手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手洗いの作業に際して手順と時間を指示する手洗い補助装置であって、
前記手洗いの作業が互いに異なる手洗い部位毎に複数の工程に分割されて、それら各工程毎に各手洗い部位が視覚的に認識可能に表示された複数の工程図柄と、
それら複数の工程図柄が整列されて同時に全てが視認可能に表示された表示パネルと、
該表示パネルにおいて、前記複数の工程図柄の中から選択的に一つの工程図柄を特定して指し示す指示手段と、
該指示手段によって指し示す工程図柄を予め設定された順序に従って変化させることにより、指示する手洗い部位を順次に移行させる指示図柄の移行順序制御手段と、
前記指示手段によって前記複数の工程図柄を指し示す時間を各工程図柄毎に計測する計時手段と、
該計時手段による計測時間に基づいて、前記指示図柄の移行順序制御手段で指示する手洗い部位の移行を、各工程図柄毎に予め設定された時間経過を待って行なわせる移行時間制御手段と
を、有することを特徴とする手洗い補助装置。
【請求項2】
第一の非接触形センサが設けられており、該第一の非接触形センサの検出信号に基づいて手洗い補助が開始されるようになっている請求項1に記載の手洗い補助装置。
【請求項3】
第二の非接触形センサが設けられており、該第二の非接触形センサの検出信号に基づいて手洗い補助が停止されるようになっている請求項1又は2に記載の手洗い補助装置。
【請求項4】
前記指示手段が前記表示パネルの各工程図柄を択一的に指し示して点灯する発光体とされている請求項1〜3の何れか1項に記載の手洗い補助装置。
【請求項5】
前記指示手段で指し示される前記工程図柄の移行を報知する発音手段を備えている請求項1〜4の何れか1項に記載の手洗い補助装置。
【請求項6】
前記表示パネルを備えたケースを有すると共に、前記指示手段と前記移行順序制御手段と前記計時手段と前記移行時間制御手段とそれらに電源を供給する電源装置とを何れも該ケースに収容した請求項1〜5の何れか1項に記載の手洗い補助装置。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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