説明

手術室用フロアマット

【課題】軽量で弾力性、断熱性に優れ、手術室用のフロアマットを提供する。
【解決手段】塩化ビニルシートの上に上段が下段より小さい2段より成る発泡倍率が6〜40倍であるポリエチレン系発泡体を貼り合わせてなる手術室用フロアマット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術室用フロアマットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
手術室用フロアマットは、手術室にて医師が手術をする際、手術台との高さ調整及び足下の保温等の用途に使用されている。
【0003】
現状のフロアマットは、塩化ビニルシートよりなっている。
【0004】
フロアマットにクッション材を使用する方法(特開2004−261565号公報、特開2005−168637号公報)が知られているが、手術室用のフロアマットは知られていない。
【特許文献1】特開2004−261565号公報
【特許文献2】特開2005−168637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
塩化ビニルシートよりなるフロアマットは重量があり、弾力性にも劣るため、手術室への持ち運びや手術時の足もとの感触が悪かった。
【0006】
ポリエチレン系発泡体のみのマットでは、弾力性があり軽量であるが、使用中にマットが滑って移動してしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の手術室用フロアマットは、塩化ビニルシートの上に上段が下段より小さい2段より成るポリエチレン系発泡体を貼り合わせてなるものである。
本発明において、ポリエチレン系発泡体の発泡倍率は6〜40倍が好ましい。
【0008】
塩化ビニルシートとポリエチレン系発泡体を積層する方法は、接着、融着等の公知の方法が用いられる。
ポリエチレン系発泡体の上段と下段の加工は、ルーター加工が好ましい。
【0009】
本発明に係るポリエチレン系発泡体は、ポリエチレン系樹脂100重量部に有機過酸化物、発泡剤、発泡助剤、充填剤を添加混練して加熱発泡させてなる独立気泡体である。ポリエチレン系樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、メタロセン触媒を使用して重合したポリエチレン系樹脂、塩素化ポリエチレン等が使用できる。
【0010】
本発明において、ポリエチレン系発泡体の発泡倍率は、6〜40倍が好ましく、20〜40倍が特に好ましい。6倍未満の場合は、クッション性が不足するとともに重量が重くなってしまう。40倍を超える場合は、硬さが不足して使用を重ねることにより厚みが減少してしまう。
塩化ビニルシートのCタイプ硬度は70〜85が好ましい。70未満の場合は、足元が不安定になり、85を超えるとクッション性が不足する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の方法によれば、軽量で弾力性、断熱性に優れた手術室用のフロアマットを得ることが出来、適度の弾力性は使用者の疲労軽減になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施形態を図面に基づき説明する。図1,図2は本発明の手術室用のフロアマットの全体構成を示す斜視図と断面図である。
塩化ビニルシート2は、Cタイプ硬度78、ポリエチレン系発泡体1は、低密度発泡体を発泡させたもので、発泡倍率30倍(三和化工株式会社製、商品名:サンペルカL−2500)であり、上段1(a)の高さは10mm、下段1(b)の高さは12mmである。
【0013】
本願発明のフロアマットは、塩化ビニルシート2の上面にポリエチレン系発泡体1を積層したものである。
【0014】
塩化ビニルシートを下面にすることにより、手術中に医者が動いてもフロアマットは移動することがなく、安定して手術ができる。
【0015】
ポリエチレン系発泡体を上面にすることにより、断熱性があるため冬でも足もとが冷えることが無く、また弾力性があるため疲れにくい。
【0016】
塩化ビニルシートの厚みは2〜5mmが好ましい。2mm未満の場合は滑り止めの効果がなくなり、5mmを超えると重量が重くなり移動等が困難になる。
【0017】
ポリエチレン系発泡体の厚みは20〜50mmが好ましく、20mm未満の場合は弾力性、断熱性が劣り、50mmを超えると足もとが不安定になり手術に支障をきたす。
【0018】
本願発明のフロアマットの形状は、長方形のものに限らず正方形、円形、その他多角形であってもよい。
ポリエチレン系発泡体は2段より成り、各段の高さは10〜15mmが好ましく、15mmを超えるとつまずき易くなる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
以上のように、本発明の方法によれば、塩化ビニルシートとポリエチレン系発泡体を積層したフロアマットを得ることが出来る。本発明の方法によって製造されたフロアマットは、軽量で弾力性、断熱性に優れ、手術室用のフロアマットの用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る手術室用フロアマットの実施例を示す斜視図
【図2】本発明に係る手術室用フロアマットの実施例を示す断面図
【符号の説明】
【0021】
1(a) ポリエチレン系発泡体の上段
1(b) ポリエチレン系発泡体の下段
2 塩化ビニルシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニルシートの上に上段が下段より小さい2段より成るポリエチレン系発泡体を貼り合わせてなる手術室用フロアマット。
【請求項2】
ポリエチレン系発泡体の発泡倍率が6〜40倍である請求項1記載の手術室用フロアマット。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−72488(P2009−72488A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246413(P2007−246413)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000177380)三和化工株式会社 (21)
【出願人】(507319078)富士護謨産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】