説明

打刻装置、パターン形成方法及びプログラム

【課題】パターンを構成するドットを正確なピッチで形成することを可能とする。
【解決手段】複数の打刻ピンを有するヘッド30を列方向へステップ移動させながら、打刻面に、複数のドットからなる二次元コードを形成する際に、列方向へのヘッド30の移動量が大幅に大きくなることがないように、ヘッド30を順次位置決めする。これにより、ヘッド30が大幅にステップ移動する際に生じる誤差が分散され、結果的に、パターンを構成するドットを精度よくマトリクス状に形成することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打刻装置、パターン形成方法、及びプログラムに係り、更に詳しくは、打刻面に複数のドットからなるパターンを形成する打刻装置、打刻面に複数のドットからなるパターンを形成するためのパターン形成方法、及び打刻装置の制御に用いるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工業製品の生産工程などでは、例えばQRコード(登録商標)や、データマトリックスなどに代表される二次元コードを、工業製品に直接描画或いは刻印して、製品の管理やトレーサビリィティを実現するダイレクトマーキング技術が注目されている。
【0003】
工業製品に直接形成された二次元コードは、例えばラベルなどのように製造工程で剥離する心配がなく、汚染による劣化や経年劣化なども比較的少ない。このため、高温下や、薬品などにさらされる劣悪な環境下にある製造工程などでは、ダイレクトマーキング技術は必要不可欠な技術になりつつある。
【0004】
このダイレクトマーキング技術は、YAGレーザやCOレーザなどで、対象物に非接触でマーキングを行う方法と、例えば打刻ピンなどで対象物の表面を打刻してマーキングを行う方法とがある。
【0005】
対象物の表面を打刻してマーキングする方法は、金属部品などによく用いられるマーキング方法であり、例えば特許文献1に記載された打刻装置によって実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4157261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された装置に代表される打刻装置では、対象物に所定のピッチでマトリクス状にドットを打刻することで、最終的なパターンが形成される。このため、例えば対象物に二次元コードをマーキングする場合などには、コードを読み取るスキャナの読み取り精度との関係を考慮して、打刻ピンを精度よく位置決めし、所望の径のドットをある程度正確なピッチで形成する必要がある。
【0008】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、パターンを構成するドットを正確なピッチで形成することが可能な打刻装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の打刻装置は、物体の打刻面に複数のドットからなるパターンを形成する打刻装置であって、一端が前記打刻面に対向し、前記打刻面に沿った第1方向に関して等間隔に配置された複数の打刻ピンを有するヘッドと、前記打刻面に沿って、前記ヘッドを、前記物体に対して、前記第1方向、及び前記第1方向に交差する第2方向へ相対移動させる移動手段と、前記打刻ピンをそれぞれ駆動して、前記打刻面にドットを形成する打刻手段と、前記第1方向に関して隣接する前記ドットそれぞれが、相互に異なる前記打刻ピンによって形成されるように、前記移動手段を制御する制御手段と、を備える。
【0010】
また、前記制御手段は、前記移動手段により前記ヘッドを前記第1方向に移動せしめ、前記ヘッドの改行を行うものであり、前記打刻ピン間の間隔が、必要な解像度を得るための最小改行幅よりも大きい場合において、前記最小改行幅を1ピッチとし、前記打刻ピン間の間隔がmピッチであるときに、前記ヘッドが改行する改行ピッチ数は、前記複数の打刻ピンの並び幅に対応する最大改行ピッチ数よりも少ないピッチ数であるとともに、前記mピッチで割ったときに、割り切れることが無いようなピッチ数であり、前後する改行において異なるピッチ数で改行を行う場合には、異なる改行ピッチ数間の差が、前記mピッチよりも小さくなるように前記ヘッドを移動させることとしてもよい。
【0011】
また、前記打刻手段は、前記打刻ピンとともに前記打刻面に直交する第3方向へ移動する可動子と、前記可動子に電磁力を作用させて前記可動子を前記第3方向へ駆動する固定子と、前記固定子にパルス電圧を印加する印加手段と、を備えることとしてもよい。
【0012】
また、前記印加手段は、前記パルス電圧のパルス幅及び電圧値のうちの少なくともいずれかを制御して、前記パターンの解像度の変更にともなって、打刻面に形成されるドットの大きさを制御することとしてもよい。
【0013】
また、前記打刻ピンの前記一端部は、他端に向かうにつれて径が大きくなる形状であることとしてもよい。
【0014】
また、前記第1方向と前記第2方向とは、直交することとしてもよい。
【0015】
また、前記パターンは二次元コードであることとしてもよい。
【0016】
本発明のパターン形成方法は、第1方向に関して等しい間隔に配置された複数の打刻ピンを有するヘッドを駆動して、物体の打刻面に複数のドットからなるパターンを形成するためのパターン形成方法であって、前記ヘッドを前記第1方向へ交差する第2方向へ移動させて、前記第2方向へ前記ドットを順次形成する第1工程と、前記第1方向に関して隣接する前記ドットそれぞれが、相互に異なる前記打刻ピンによって形成されるように、前記ヘッドを第1方向へ移動する工程と、を交互に繰り返す。
【0017】
本発明のプログラムは、第1方向に関して等しい間隔に配置された複数の打刻ピンを有するヘッドを駆動して、物体の打刻面に複数のドットからなるパターンを形成する打刻装置の制御手段に、前記ヘッドを前記第1方向へ交差する第2方向へ移動させて、前記第2方向へ前記ドットを順次形成する手順と、前記第1方向に関して隣接する前記ドットそれぞれが、相互に異なる前記打刻ピンによって形成されるように、前記ヘッドを第1方向へ移動する手順と、を交互に実行させる。
【発明の効果】
【0018】
パターンを構成するドットが正確なピッチで形成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る打刻装置のブロック図である。
【図2】打刻ユニットの斜視図である。
【図3】ヘッドを+Y側から見た図である。
【図4】打刻ピンの配置を説明するための図である。
【図5】打刻ユニットのブロック図である。
【図6】図6(A)は、パルス信号を示す図である。また、図6(B)は、打刻ピンの変位と時間との関係を表す曲線を示す図である。
【図7】打刻ユニットの配置を説明するための図である。
【図8】対象物に形成される二次元コードの一例を示す図である。
【図9】300dpi相当のドットを打刻するときの打刻装置の動作を説明するための図である。
【図10】200dpi相当のドットを打刻するときの打刻装置の動作を説明するための図である。
【図11】打刻装置の動作の変形例を説明するための図である。
【図12】従来の打刻方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図11を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る打刻装置10の概略的な構成を示すブロック図である。この打刻装置10は、外部装置や外部システムから出力された二次元コードを、対象物に打刻する装置である。なお、この管理情報は、対象物のロット番号やシリアル番号などを含む情報である。
【0021】
図1に示されるように、打刻装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、主記憶部12、補助記憶部13、入力部14、検出部15、インターフェイス16、及び打刻ユニット20を備えている。
【0022】
前記主記憶部12は、RAM(Random Access Memory)等を含んで構成されている。この主記憶部12は、CPU11の作業領域として用いられる。
【0023】
前記補助記憶部13は、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリ等の不揮発性メモリを含んで構成されている。この補助記憶部13は、CPU11が実行するプログラム、及びプログラムの実行に必要な各種パラメータなどを記憶している。また、CPU11による処理結果などを含む情報を逐次記憶する。
【0024】
前記入力部14は、電源スイッチや打刻装置10に対する指令を入力するための操作パネルなどを含んで構成されている。ユーザの指示は、この入力部14を介して入力され、システムバス10aを経由してCPU11に通知される。
【0025】
前記打刻ユニット20は、対象物の表面に複数のドットから構成される二次元コードなどのパターンを形成する。図2は、打刻ユニット20の斜視図である。図2に示されるように、打刻ユニット20は、ベース部材21、ベース部材21に対してY軸に沿って移動可能に設けられたY移動体23、Y移動体23に対してX軸に沿って移動可能に設けられたX移動体24、X移動体24にホルダ25を介して取り付けられたヘッド30、及び打刻ユニット20の制御を行うドライバ26を備えている。
【0026】
前記ベース部材21は、長手方向をX軸方向としXY平面に平行な板状の第1部分21aと、長手方向をX軸方向としXZ面に平行な板状の第2部分21bの2部分からなる断面L字状の部材である。また、このベース部材21に形成された第1部分21aの+Y側端部には、長手方向をX軸方向とする支持プレート22が固定されている。
【0027】
前記支持プレート22の−Y側の面と、ベース部材21に形成された第2部分21bの+Y側の面とはほぼ平行になっている。そして、支持プレート22とベース部材21の第2部分21bの間には、一端部が支持プレート22に固定され、他端部が第2部分21bに固定された、長手方向をY軸方向とする円柱状のYガイド52A,52Bがそれぞれ架設されている。
【0028】
前記Y移動体23は、X軸方向を長手方向とする板状の移動部23aと、移動部23aの+Y側端部及び−Y側端部から−Z方向へ延びる一対の支持部23bとからなる部材である。また、Y移動体23の移動部23aの中央部には、Y軸方向に貫通する円形開口23cが形成され、この円形開口23cの+X側及び−X側には円形開口23dがそれぞれ形成されている。そして、Y移動体23の一対の支持部23bの間には、両端部が一対の支持部23bにそれぞれ固定された、長手方向をY軸方向とする円柱状のXガイド51A,51Bがそれぞれ架設されている。
【0029】
上述のように構成されたY移動体23は、移動部23aの円形開口23dにそれぞれ挿入された1組のYガイド52A,52Bによって、ベース部材21に対してY軸方向に移動可能に支持されている。
【0030】
また、Y移動体23の移動部23aに形成された円形開口23cには、ベース部材21の第2部分21b、及び支持プレート22に、+Y側端部及び−Y側端部が回転可能に支持された送りネジ60Yが螺合されている。Y移動体23は、送りネジ60YがYモータ50Yによって回転されることで、Y軸方向に移動される。
【0031】
前記X移動体24は、Z軸方向を長手方向とする直方体状の部材である。このX移動体24の中央部にはX軸方向に貫通する円形開口24aが形成され、この円形開口24aの+Z側及び−Z側には円形開口24bがそれぞれ形成されている。
【0032】
上述のように構成されたX移動体24は、円形開口24bにそれぞれ挿入されたXガイド51A,51Bによって、Y移動体23に対してX軸方向に移動可能に支持されている。
【0033】
また、X移動体24に形成された円形開口24aには、両端部がY移動体23に形成された支持部23bによって回転可能に支持された送りネジ60Xが螺合されている。X移動体24は、送りネジ60XがXモータ50Xによって回転されることで、X軸方向に移動される。
【0034】
前記ヘッド30は、X移動体24の+Y側の面に固定されたU字状のホルダ25によって支持されている。図3は、ヘッド30を+Y側から見た図である。図3に示されるように、ヘッド30は、9本の打刻ピン33と、打刻ピン33それぞれをZ軸方向へ移動可能に保持する保持部材32と、保持部材32に保持された9本の打刻ピン33それぞれを駆動する9つの駆動ユニット40(図3には不図、図5参照)と、駆動ユニット40が収容される円筒状のケーシング31とを有している。
【0035】
前記打刻ピン33それぞれは、−Z側端部が下方に向かって細くなる円錐状、或いは球状に整形されている。そして、−Z側端部が保持部材32から突き出た状態で、保持部材32によってZ軸方向へ所定のストロークで移動可能に保持されている。以下、説明の便宜上、打刻ピン33が最も+Z側(上方)にきたときの打刻ピン33の位置を待機位置と定義し、最も−Z側(下方)にきたときの打刻ピン33の位置を打刻限界位置と定義する。
【0036】
前記駆動ユニット40は、一例として、特許第4110158号公報に開示されているように、打刻ピン33に設けられた可動子と、可動子を電磁的に駆動することで打刻ピン33を−Z方向に駆動する駆動コイルと、打刻ピン33を+Z方向へ付勢するスプリングなどを含んで構成されている。この駆動ユニット40は、駆動コイルが励磁されていない間は、スプリングの弾性力によって打刻ピン33を待機位置に待機させ、駆動コイルに電圧が印加されると可動子を駆動して、打刻ピン33を待機位置から打刻限界位置へ向けて移動させる。
【0037】
図4は、打刻ピン33の配置を示す図である。図4に示されるように、本実施形態では、打刻ピン33は、対象物に当接する下端(以下、当接部ともいう)のXY面における位置が、XY面上の円Cの円周上に位置するように、保持部材32によって保持されている。また、打刻ピン33は、当接部がY軸方向に関して距離dずつ離間するように、保持部材32によって保持されている。この距離dは、解像度を200dpiとするパターンを構成するドットD2の径の2倍の距離に概ね相当し、解像度を300dpiとするパターンを構成するドットD3の径の3倍の距離に概ね相当する。以下、9本の打刻ピン33について、最も−Y側にある打刻ピン33を打刻ピン33と表示し、+Y方向に向かってそれぞれの打刻ピン33を打刻ピン33、33、…33とも表示する。
【0038】
図5は、打刻ユニット20のブロック図である。前記ドライバ26は、ベース部材21に形成された第2部分21bの+Y側に配置され、Xモータ50X、Yモータ50Y、及びヘッド30と電気的に接続されている。そして、図5を参照するとわかるように、CPU11の指示に基づいて、Xモータ50X及びYモータ50Yを駆動して、ヘッド30をX軸方向及びY軸方向へ移動する。また、ヘッド30の打刻ピン33〜33を駆動する駆動ユニット40〜40それぞれの駆動コイルにパルス信号を供給する。
【0039】
図6(A)には、ドライバ26が、駆動ユニット40〜40それぞれの駆動コイルに供給するパルス信号P2及びパルス信号P3が示されている。パルス信号P2は、対象物に解像度を200dpiとするパターンを構成するドットを打刻するための電圧信号の1例であり、パルス信号P3は、対象物に解像度を300dpiとするパターンを構成するドットを打刻するための電圧信号の1例である。また、パルス信号P2は、最大電圧がV2であり、パルス幅がTの矩形波である。一方、パルス信号P3は、最大電圧がV2よりも小さいV3であり、パルス幅がTの矩形波である。
【0040】
ここで、解像度200dpiと300dpiでは異なるドットを打刻しなければならない理由について説明する。本発明では、隣接するドットは互いの外形が重ならないように配置される。300dpiの解像度で連続線を打刻する場合を考えると、打刻するドットの径は、互いに重ならない程度であって、かつ見かけ上連続しているように見える程度の大きさとする必要がある。従って、この場合のドット径は最大でも互いの外径が接する直径となる。次に300dpiにおけるドット径と同じドット径で200dpiにおけるドットを打刻をすると、200dpiにおけるドットの配置間隔は300dpiのときの配置間隔よりも広いため、連続線にならずに点線になってしまう。
【0041】
この問題を解決するためには、200dpiにおけるドットを打刻する場合にも、そのドット径を互いに重ならない程度であって、かつ見かけ上連続しているように見える程度の大きさとする必要がある。具体的には200dpiにおけるドットを打刻する際のドットの径を300dpiにおけるドットの径よりも大きくする必要がある。このように200dpiのパターンを形成する場合と300dpiのパターンを形成する場合では解像度に応じて適切なドット径を選択する必要がある。これが解像度が200dpiの打刻を行う場合と解像度が300dpiの打刻を行う場合とで、ドットの径を変えなければならない理由である。
【0042】
一例として、図6(B)には、打刻ピン33の、待機位置Dからの変位と時間との関係を示す曲線S2及び曲線S3が示されている。曲線S2は、駆動ユニット40にパルス信号P2が供給されたときの打刻ピン33の変位と時間との関係を示す曲線である。また、曲線S3は、駆動ユニット40にパルス信号P3が供給されたときの打刻ピン33の変位と時間との関係を示す曲線である。
【0043】
曲線S2と曲線S3とを見るとわかるように、打刻ピン33はパルス信号がハイレベルとなる時刻t1から少し遅れて移動を開始する。移動を開始した打刻ピン33は、パルス信号がローレベルとなる時刻t2までの間に加速され、パルス信号がローレベルとなった後も移動を継続し、変位がDとなる対象物に当接する位置に達する。そして、しばらくその位置に留まった後に変位がDとなる待機位置まで戻る。
【0044】
ここで図6(B)は時間と変位とを表す曲線なので、傾きの大きさは速度と等価である。このため、打刻ピン33が対象物に当接するときの変位Dにおける曲線の傾きは、打刻ピン33が対象物に当接するときの速度となる。
【0045】
図6(B)において、打刻ピン33が対象物に当接するときの変位DTにおける傾きは曲線S3よりも曲線S2の方が大きい。すなわちパルス信号P3で駆動された打刻ピン33の速度よりも、パルス信号P2で駆動された打刻ピン33の速度の方が速い。従ってパルス信号P2で駆動された打刻ピン33の方が大きな運動エネルギーを持っている。
【0046】
ところで、本実施形態において対象物は打刻ピン33よりも柔らかい部材で構成されている。また、打刻ピン33の対象物との当接部は円錐状、或いは球状に整形されている。このため、打刻ピン33が対象物に当接すると、当接部は打刻ピン33の運動エネルギーの大きさに従って対象物に食い込む。すなわち運動エネルギーが大きければ深く食い込み、少なければ浅く食い込む。
【0047】
このように、打刻ピン33の当接部が対象物に食い込むことによってドットが形成されるが、打刻ピン33の対象物との当接部は円錐状、あるいは球状に形成されているので、当接部が対象物に食い込む深さによって、形成されるドットの径は異なる。具体的には当接部が深く食い込むほどドットの径は大きくなる。
【0048】
上記したように、パルス信号P2で駆動された打刻ピン33の方が、パルス信号P3で駆動された打刻ピン33よりも運動エネルギーが大きい。従ってパルス信号P2で駆動された打刻ピン33の当接部の方が対象物に深く食い込む。従って、ドットの径が大きくなる。一方、パルス信号P3で駆動された打刻ピン33によって形成されるドットの径は、パルス信号P2で駆動された場合よりも小さくなる。
【0049】
このようにパルス信号の条件を変えることで、所望するドット径を得ることが可能となる。本実施形態においてはパルス信号P2によって得られるドット径が、200dpiのパターンを形成するためのドット径であり、パルス信号P3によって得られるドット径が300dpiのパターンを形成するためのドット径となるように設定されている。
【0050】
なお、本実施形態においては駆動電圧を変えることでドットの径を変えたが、例えばパルス幅を変更することによってもドットの径を変えることができる。
【0051】
ドライバ26は、CPU11からの指示により、最大電圧値及びパルス幅がそれぞれ異なるパルス信号P2、及びパルス信号P3を選択的に駆動ユニット40〜40それぞれに供給する。これにより、対象物に当接するときの打刻ピン33〜33の速度が解像度に見合った速度となり、対象物に、解像度が300dpiのパターンを構成するドットと、解像度200dpiのパターンを構成するドットとを選択的に打刻することができる。
【0052】
上述のように構成された打刻ユニット20は、図7を参照するとわかるように、ベース部材21の上面がほぼ水平となった状態で、例えばベルトコンベア120の上方にヘッド30が位置するように不図示の支持部材によって支持されている。また、本実施形態では、ベルトコンベア120に載置された対象物100の上面は、打刻ピン33の待機位置と打刻限界位置との間に位置した状態となっている。
【0053】
図1に戻り、前記検出部15は、打刻ユニット20の下方にある対象物100を検出しこの検出結果を含む情報を出力する。
【0054】
前記インターフェイス16は、シリアルインターフェイス又はLAN(Local Area Network)インターフェイスなどの入力ポートと、入力ポートに入力された情報を一時蓄積するバッファなどを備えている。本実施形態では、パソコンなどの外部装置などがインターフェイス16に接続され、このインターフェイス16とシステムバス10aを介して、対象物100の管理情報がCPU11に通知される。
【0055】
前記CPU11は、補助記憶部13に記憶されたプログラムなどを読み出して、このプログラムに従って、打刻ユニット20などの各部を統括的に制御する。
【0056】
次に、上述のように構成された打刻装置10の動作について説明する。前提として、対象物100は、図7に示されるように、打刻ユニット20の下方に搬送され、CPU11によって検出部15を介して検出されているものとする。また、本実施形態では、一例として図8に示される二次元コードを、174行174列のマトリクス上に300dpiの分解能に相当するドットを打刻して形成するものとする。以下、説明の便宜上、上記174行174列のマトリクスを単にコードマトリクス(CM)という。
【0057】
まず、CPU11は、外部装置などから二次元コードが供給されると、この管理情報から対象物100に形成するパターンを生成する。本実施形態では、図8に示される二次元コードが生成される。
【0058】
次に、CPU11は、打刻ユニット20を制御して、生成した二次元コードを対象物100の上面に打刻する。以下、この動作について図9を参照しつつ説明する。なお、図9においては、打刻ピン33〜33それぞれは、1〜9までの番号が割り当てられ、この番号を囲む丸で示されている。また、Y軸方向への移動距離は、1/300インチをDとして、このDを用いて示すものとする。
【0059】
CPU11は、ヘッド30を移動させて、図9に示されるように、コードマトリクスCMの1行目、4行目、7行目の+X側に、打刻ピン33〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン33〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCMの1行目、4行目、7行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0060】
コードマトリクスCMの1行目、4行目、7行目の打刻が完了すると、CPU11は、ヘッド30を距離10Dだけ+Y方向へ移動させ、コードマトリクスCMの2行目、5行目、8行目、11行目、14行目、17行目の+X側に、打刻ピン33〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン33〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCMの2行目、5行目、8行目、11行目、14行目、17行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0061】
コードマトリクスCMの2行目、5行目、8行目、11行目、14行目、17行目の打刻が完了すると、CPU11は、ヘッド30を距離10Dだけ+Y方向へ移動させ、コードマトリクスCMの3行目、6行目、9行目、12行目、15行目、18行目、21行目、24行目、27行目の+X側に、打刻ピン33〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン33〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCMの3行目、6行目、9行目、12行目、15行目、18行目、21行目、24行目、27行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0062】
コードマトリクスCMの3行目、6行目、9行目、12行目、15行目、18行目、21行目、24行目、27行目の打刻が完了すると、CPU11は、ヘッド30を距離7Dだけ+Y方向へ移動させ、コードマトリクスCMの10行目、13行目、16行目、19行目、22行目、25行目、28行目、31行目、34行目の+X側に、打刻ピン33〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン33〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCMの10行目、13行目、16行目、19行目、22行目、25行目、28行目、31行目、34行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0063】
以下、CPU11は、上述の動作を繰り返しながら、コードマトリクスCMのすべての行について、二次元コードを構成するドットを打刻する。そして、CPU11は、対象物100に対する二次元コードの生成が完了すると、処理を終了する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態では、対象物100に、コードマトリクス上に配置された複数のドットからなる二次元コードを形成する際に、列方向へのヘッド30の移動量、すなわち改行量が大幅に大きくなることがない。このため、対象物100に形成されたパターンに生じる列方向のピッチずれを抑制することがきる。したがって、パターンを構成するドットが正確なピッチで配列され、結果的に対象物にノイズ成分の少ない二次元コードなどのパターンを形成することができる。
【0065】
具体的には、本実施形態では、図12に示されるように、ヘッド30を+Y方向へ順次距離D、距離D、距離25Dと移動させながら対象物100にドットを形成する場合に比較して、ヘッド30が一度に大幅に+Y方向に移動することがない。例えば図12では、27行目を打刻した後に28行目を打刻するためにヘッド30を+Y方向に25Dだけ動かさなければならないが、本実施形態によれば、このように長距離を移動することがなくなる。このため、本実施形態では、ヘッド30が大幅に移動することにより生じるヘッド30の位置決め誤差が分散され、ドットがコードマトリクス上に均一に配置される。
【0066】
具体的には、図12に示されるようなヘッド30の移動方法によると、1行目から27行目までを打刻する場合には1Dずつヘッド30を+Y方向に移動させていくので、ヘッド30の位置きめ誤差も小さい。従って精度よくドットをコードマトリクス上に配置することができる。
【0067】
ところが、27行目を打刻した後に28行目を打刻するためにはヘッド30を+Y方向に25Dだけ動かさなければならない。そのため、大幅に移動することによる位置決め誤差が大きくなるので、27行目が打刻されている位置に対する28行目の位置決め精度が悪くなる。例えば27行目に打刻されたドット位置に対して28行目に打刻されたドット位置が通常よりも離れてしまう。
【0068】
それに対して、本実施形態に示すような移動方法によれば、図12に示すような移動方法に比べれば、大幅に移動することが無くなる。したがって、結果的に精度よくノイズ成分の少ない二次元コードなどのパターンを形成することができる。
【0069】
本実施形態では、図12に示すような大幅な移動を無くすために、次のようにヘッド30を移動させる。すなわち、本実施形態で要求される解像度を得るための最小改行幅を1ピッチとし、打刻ピン33〜33間の間隔がmピッチであるときに、ヘッド30が改行する改行ピッチ数は、打刻ピン33〜33の並び幅すなわち打刻ピン33の中心軸から打刻ピン33の中心軸までの間隔に対応する最大改行ピッチ数よりも少ないピッチ数であるとともに、前記mピッチで割ったときに、割り切れることが無いようなピッチ数であり、前後する改行において異なるピッチ数で改行を行う場合には、異なる改行ピッチ数間の差が、前記mピッチよりも小さくなるように前記ヘッドを移動させる。
【0070】
また、本実施形態では、打刻ピン33〜33の駆動ユニット40〜40それぞれに供給されるパルス信号の電圧及びパルス幅を変更することにより、解像度が200dpiのパターン及び解像度が300dpiのパターンの双方を形成することができる。
【0071】
以下に、200dpiのパターンを打刻する際の打刻装置10の動作について、図10を参照しつつ説明する。前提として、図8に示される二次元コードを、116行116列のコードマトリクスCM2上に200dpiの分解能に相当するドットを打刻して形成するものとする。また、Y軸方向への移動距離は、1/200インチをDとして、このDを用いて示すものとする。
【0072】
CPU11は、ヘッド30を移動させて、図10に示されるように、コードマトリクスCM2の2行目、4行目、6行目、8行目の+X側に、打刻ピン33〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン33〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCM2の2行目、4行目、6行目、8行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0073】
コードマトリクスCM2の2行目、4行目、6行目、8行目の打刻が完了すると、CPU11は、ヘッド30を距離9Dだけ+Y方向へ移動させ、コードマトリクスCM2の1行目、3行目、5行目、7行目、9行目、11行目、13行目、15行目、17行目の+X側に、打刻ピン331〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン331〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCM2の1行目、3行目、5行目、7行目、9行目、11行目、13行目、15行目、17行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0074】
コードマトリクスCM2の1行目、3行目、5行目、7行目、9行目、11行目、13行目、15行目、17行目の打刻が完了すると、CPU11は、ヘッド30を距離9Dだけ+Y方向へ移動させ、コードマトリクスCM2の10行目、12行目、14行目、16行目、18行目、20行目、22行目、24行目、26行目の+X側に、打刻ピン33〜33を位置決めする。そして、この状態から、ヘッド30を−X方向へ移動させながら、打刻ピン33〜33をそれぞれ駆動して、コードマトリクスCM2の10行目、12行目、14行目、16行目、18行目、20行目、22行目、24行目、26行目に、二次元コードを構成するドットを打刻していく。
【0075】
以下、CPU11は、上述の動作を繰り返しながら、コードマトリクスCM2のすべての行について、二次元コードを構成するドットを打刻する。そして、CPU11は、対象物100に対する二次元コードの生成が完了すると、処理を終了する。
【0076】
以上説明したように、本実施形態によれば、対象物100にQRコード(登録商標)などを形成する場合には、二次元コードを読み取るスキャナの分解能などに応じて、二次元コードを形成するパターンの分解能を変えることができる。これにより、分解能が低いパターンを形成する場合には、例えば200dpiのパターンを形成し、分解能が高いパターンを形成する場合には、例えば300dpiのパターンを形成することで、低分解能のパターンを短時間に形成することが可能となる。
【0077】
具体的には、QRコード(登録商標)のモデル2Ver3(29×29セル)を300dpiの分解能で1セルあたり6ドットでマーキングした際の大きさは、14.73×14.73となり、ドットの打刻回数は30,276回(=174×174)となる。それに対して上述のQRコード(登録商標)を、200dpiの分解能でマーキングするとドット経が大きいために、1セルあたりのドット数は4ドットで構成できる。したがって必要なドットの打刻回数は、13、456回となり、300dpiで打刻した場合の44%程度の打刻回数でQRコード(登録商標)を形成できる。したがって、同じパターンを短時間に形成することが可能となる。また、打刻回数も少なくなるので、打刻ピンの劣化を抑制することが可能となる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。
【0079】
例えば、上記実施形態では、解像度が300dpiのパターンを形成する際に、ヘッド30を+Y方向へ順次距離10D、距離10D、距離7Dと移動させながら対象物100にドットを形成する場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図11を参照するとわかるように、ヘッド30を+Y方向へ順次距離8D、距離8D、距離11Dと移動させながら対象物100にドットを形成してもよい。
【0080】
また、+Y方向への移動量は、打刻ピン33のY軸方向への配列ピッチにより決定することができ、この他にも、種々の移動パターンが考えられる。
【0081】
また、本実施形態では、パルス信号の電圧値とパルス幅とを変更することにより、対象物に形成されるドットの径を変更したが、これに限らず、パルス信号の最大電圧、或いはパルス幅のいずれかのみを変更することにより、対象物に形成されるドットの径を変更することとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、解像度が200dpi及び300dpiのパターンを形成する場合について説明したが、これに限らず、対象物に当接するときの打刻ピン33の速度を制御することで、種々の解像度のパターンを構成するドットを打刻することができる。一般に、対象物に当接するときの打刻ピンの速度とドット径とは比例関係にある。この特性を利用して、打刻ピン33の速度を制御することで、種々の解像度のパターンを構成するドットを打刻することができる。
【0083】
また、上記実施形態では、行方向(X軸方向)にヘッド30を移動して、行ごとにドットを打刻する場合について説明したが、これに限らず、列方向(Y軸方向)にヘッド30を移動して、列ごとにドットを打刻してもよい。この場合には、行方向へ等間隔に配置された打刻ピンを有するヘッドを用い、このヘッドをX軸方向へ、順次距離10D、距離10D、距離7Dと移動させながら、或いはX軸方向へ順次距離8D、距離8D、距離11Dと移動させながら対象物100にドットを形成すればよい。
【0084】
また、本実施形態では、対象物100に対してヘッド30を移動させながら対象物100にパターンを形成したが、これに限らず、ヘッド30に対して、対象物100を移動させてもよい。
【0085】
また、本実施形態に係る打刻ユニット20では、ヘッド30を相互に直交するX軸方向及びY軸方向へ移動させる場合について説明したが、これに限らずヘッド30は、対象物100の打刻面に沿って移動可能な構成であればよい。
【0086】
また、上記実施形態において打刻装置10の補助記憶部13に記憶されているプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することとしてもよい。
【0087】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしても良い。
【0088】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等しても良い。
【0089】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の打刻装置は、対象物にドットを打刻して、ドットから構成されるパターンを形成するのに適している。また、本発明のパターン形成方法及びプログラムは、対象物に打刻されたドットからなるパターンを形成するのに適している。
【符号の説明】
【0091】
10 打刻装置
11 CPU
12 主記憶部
13 補助記憶部
14 入力部
15 検出部
16 インターフェイス
20 打刻ユニット
21 ベース部材
21a 第1部分
21b 第2部分
22 支持プレート
23 Y移動体
23a 移動部
23b 支持部
23c,23d 円形開口
24 X移動体
24a,24b 円形開口
25 ホルダ
26 ドライバ
30 ヘッド
31 ケーシング
32 保持部材
33 打刻ピン
40 駆動ユニット
50X Xモータ
50Y Yモータ
51A,51B Xガイド
52A,52B Yガイド
60X,60Y 送りネジ
100 対象物
120 ベルトコンベア



【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の打刻面に複数のドットからなるパターンを形成する打刻装置であって、
一端が前記打刻面に対向し、前記打刻面に沿った第1方向に関して等間隔に配置された複数の打刻ピンを有するヘッドと、
前記打刻面に沿って、前記ヘッドを、前記物体に対して、前記第1方向、及び前記第1方向に交差する第2方向へ相対移動させる移動手段と、
前記打刻ピンをそれぞれ駆動して、前記打刻面にドットを形成する打刻手段と、
前記第1方向に関して隣接する前記ドットそれぞれが、相互に異なる前記打刻ピンによって形成されるように、前記移動手段を制御する制御手段と、
を備える打刻装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記移動手段により前記ヘッドを前記第1方向に移動せしめ、前記ヘッドの改行を行うものであり、前記打刻ピン間の間隔が、必要な解像度を得るための最小改行幅よりも大きい場合において、
前記最小改行幅を1ピッチとし、前記打刻ピン間の間隔がmピッチであるときに、前記ヘッドが改行する改行ピッチ数は、前記複数の打刻ピンの並び幅に対応する最大改行ピッチ数よりも少ないピッチ数であるとともに、前記mピッチで割ったときに、割り切れることが無いようなピッチ数であり、前後する改行において異なるピッチ数で改行を行う場合には、異なる改行ピッチ数間の差が、前記mピッチよりも小さくなるように前記ヘッドを移動させる請求項1に記載の打刻装置。
【請求項3】
前記打刻手段は、
前記打刻ピンとともに前記打刻面に直交する第3方向へ移動する可動子と、
前記可動子に電磁力を作用させて前記可動子を前記第3方向へ駆動する固定子と、
前記固定子にパルス電圧を印加する印加手段と、
を備える請求項1又は2に記載の打刻装置。
【請求項4】
前記印加手段は、前記パルス電圧のパルス幅及び電圧値のうちの少なくともいずれかを制御して、前記パターンの解像度の変更にともなって、前記打刻面に形成されるドットの大きさを制御する請求項3に記載の打刻装置。
【請求項5】
前記打刻ピンの前記一端部は、他端に向かうにつれて径が大きくなる形状である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の打刻装置。
【請求項6】
前記第1方向と前記第2方向とは、直交する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の打刻装置。
【請求項7】
前記パターンは二次元コードである請求項1乃至6のいずれか一項に記載の打刻装置。
【請求項8】
第1方向に関して等しい間隔に配置された複数の打刻ピンを有するヘッドを駆動して、物体の打刻面に複数のドットからなるパターンを形成するためのパターン形成方法であって、
前記ヘッドを前記第1方向へ交差する第2方向へ移動させて、前記第2方向へ前記ドットを順次形成する第1工程と、
前記第1方向に関して隣接する前記ドットそれぞれが、相互に異なる前記打刻ピンによって形成されるように、前記ヘッドを第1方向へ移動する工程と、
が交互に繰り返されるパターン形成方法。
【請求項9】
第1方向に関して等しい間隔に配置された複数の打刻ピンを有するヘッドを駆動して、物体の打刻面に複数のドットからなるパターンを形成する打刻装置の制御手段に、
前記ヘッドを前記第1方向へ交差する第2方向へ移動させて、前記第2方向へ前記ドットを順次形成する手順と、
前記第1方向に関して隣接する前記ドットそれぞれが、相互に異なる前記打刻ピンによって形成されるように、前記ヘッドを第1方向へ移動する手順と、
を交互に実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−208101(P2010−208101A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−55475(P2009−55475)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)