説明

抄紙機とその原料供給方法および原料供給装置

【課題】 抄紙機において白水中に落ちた微細物を再度利用することを可能とし、抄紙機内を循環する微細物を減少させ、微細物の堆積を防止して、汚れ、紙切れ防止し、装置負荷の軽減を可能とする。
【解決手段】 抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給方法、装置において、抄紙用ヘッドボックス内部を多層に仕切って多層ヘッドボックスに構成し、ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られる原料供給配管を、多層ヘッドボックスの層毎に接続して抄紙原料を供給し、多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に紙原料の噴出を行うとともに、ワイヤを介して脱水により排出された白水を回収し、白水から回収された微細物原料を多層ヘッドボックスに対しては多層の内のワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製紙設備における抄紙機に関し、特に抄紙機の多層抄紙用のヘッドボックスへの抄紙に係る原料の供給方法および供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6から図9に基づき、従来の抄紙機とその原料供給方法および原料供給装置を説明する。図6は従来の抄紙機のフォーマ部から上流側を示す要部構成図であり、抄紙に係る原料のフロー図を示す。図7は図6中のヘッドボックスの拡大断面図、図8は抄紙機の原料供給装置の改良された従来例の説明図、図9は改良された他の従来例の説明図である。
【0003】
図6において、10はミキシングボックスであり、通常、複数の紙原料1、2が供給され、混合したものを、高濃度原料3としてミキシングチェスト11に送る。高濃度原料3は、ミキシングチェスト11において後述のディスクセーブオール12から送られた微細繊維、填料等の微細物を多く含む高濃度原料4(本明細書において「微細物原料4」という)と混合され成分、濃度等の調整が行われ、その後、原料の水頭を一定に保つためのマシンチェスト15へ送られ、さらに、ごみ等を取り繊維濃度を一定にするためのスタッフボックス16を経た後、白水サイロ17からの白水6により抄紙濃度に希釈され、抄紙原料5としてスクリーン18を介してヘッドボックス20に供給される。
【0004】
ヘッドボックス20は抄紙方向に対して横方向に数m〜10m程度の幅と10mm程度の間隙を有するノズル21を備えるが、図7に示すように、ヘッドボックス20内には複数の通路22が並列にノズル21方向に穿設され、抄紙原料5はヘッドボックス20内の上流側空間23から各通路22に分流した後ノズル21内で合流しつつ噴出することによりノズル21から一様に噴出されて、フォーマ部30において抄紙原料5を挟むように噴出方向に移動する一対のワイヤ(抄紙網)31間に供給される。
【0005】
抄紙原料5は、以後、フォーマ部30、図示しないプレス部、ドライヤ部、カレンダ部、リール部等を経て紙製品となるが、フォーマ部30およびプレス部での脱水工程において脱水された白水6は、白水サイロ17に回収される。抄紙機のフォーマ部30やプレス部で紙原料より脱水される白水6中には、純粋な水だけでなく、微細な繊維分及び填料が多量に含まれている。填料とは、抄紙の際にパルプに加えられる炭酸カルシウム、シリカ等の灰分である。
【0006】
そこで、白水6は微細繊維や填料等の微細物を回収するため、白水サイロ17から白水ピット24を介して、ディスクセーブオール12と呼ばれる分離機に送られる。ディスクセーブオール12での分離は、目の細かいフィルタを通して行われるが、実際にはミキシングボックス10で混合された複数の紙原料1、2からなる未使用の高濃度原料3の一部(スウィートナーと呼ばれる)がディスクセーブオール12内でのフィルタ要素として白水6に加えられ、微細物が溜り易いようにしている。
【0007】
ディスクセーブオール12で回収された微細物原料4は、前述のようにミキシングチェスト11に送られ、通常の原料としての高濃度原料3に混合され、高濃度原料3の成分、濃度等を調整するために用いられる。その後、高濃度原料3は、上述のように、マシンチェスト15、スタッフボックス16に送られ、白水サイロ17の白水6により抄紙濃度に希釈され抄紙原料5としてスクリーン18を通過させた後、原料供給配管19によりヘッドボックス20に送られるシステムに構成されている。
【0008】
なお、ディスクセーブオール12で濾過、分離された低濃度白水7は、セーブオールピット25に排出され、シャワー水等に再利用される。また、図6中、Pは各フロー中の主要なポンプである。
【0009】
このような従来のシステムにおいては、フォーマ部30や図示しないプレス部の脱水工程で一度白水6中に抜け落ちた微細物は、回収されて循環し、再び抄紙原料5内に取り入れられてヘッドボックス20からフォーマ部30のワイヤ31上へ噴射されるループを形成するが、一度抜け落ちた微細物のため、再び抜け落ちる可能性が高い。従って、白水6中の微細物は何度も上記ループを循環することになり、上記ループ及び抄紙機のヘッドボックス20やフォーマ部30に堆積し塊(フロック)になり易く、抄紙機を汚す原因となっている。
【0010】
また、その塊が何かの拍子に剥がれ落ちると紙切れにつながり、紙製造効率の低下を招く。更に、ディスクセーブオール12の負荷をはじめ、上記ループ中の各機器の負荷を増加させる等の問題がある。
【0011】
従来から紙層形成の改良技術は種々考えられており、その改良例1として、特公昭60−181397号公報(特許文献1)に示されるものを図8により説明する。この例は、紙層形成方法に関するものであり、ヘッドボックス60内を長繊維Lが供給される流路60a、60aと、その間に形成され短繊維Sが供給される流路60bを設け、ヘッドボックス60のノズル部61を挟むように両側にフォーマ部62のワイヤ63を配し、流路60aの出口61aが先ずワイヤ63に対して開口し、ついで長繊維Lの紙層形成可能範囲長さ64だけ下流側に流路60bの出口61bがワイヤ63に対して開口するように構成されている。
【0012】
そして、最初に流路60aの出口61aからフォーマ部62のワイヤ63に長繊維Lを付着させ、長繊維Lの紙層形成後に流路60bの出口61bから短繊維Sを噴射させることにより、短繊維Sを長繊維Lでサンドイッチ状に挟み紙層を形成するものであり、長繊維Lが濾過助剤の役目を行うことで短繊維Sがワイヤ63から抜け難くし、紙層構造を改良する、としている。
【0013】
しかしながら、上記の従来の改良例1は紙層構造の改善を目的としており、ヘッドボックスへ供給する原料供給配管系統を長繊維と短繊維とに分けて、層状の紙層構造を形成することにのみ着目しており、白水中に落ちた微細物を再度利用することに関しては示していない。
【0014】
また、他の従来の改良例2として、特表2002−529611公報に示されるものを図9により説明する。この例は、簡易な基準紙料システムによる多層ウエブの地合構成方法に関するものであるが、特に、いくつかの層を含む紙料システムにおいて、各層の特性を追加紙料によってさまざまに調整する方法を示している。図9に示すように、基準紙料源Mを分割して2〜n本の別々の部分流M1〜Mnとし、それらに追加紙料B1〜Bnを混合して基準紙料との均質な混合物を生成し、均質な混合物をさらにポンプA1〜Anによって機械スクリーンS1〜Snを介して多層ヘッドボックスHの入口ヘッダの中へ送り込む方式である。
【0015】
上記の従来の改良例2は、基準紙料源Mを分割した複数本の別々の部分流にそれぞれ追加紙料を混合して基準紙料との均質な混合物を生成し、均質な混合物を供給する方式であって多層ウエブの地合改良を行うものであるが、改良例2も、白水中に落ちた微細物を再度利用することに関しては示していない。
【0016】
【特許文献1】特公昭60−181397号公報(第1、2頁、図2)
【特許文献2】特表2002−529611公報(第5、6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記の従来例の問題点を解消し、抄紙機において白水中に落ちた微細物を再度利用することを可能とし、且つ、フォーマ部及び原料配管ラインを循環する微細物を減少させ、微細物の堆積を防止して、汚れ、紙切れ防止ができるとともに装置負荷の軽減も可能とする、抄紙機とその原料供給方法および原料供給装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するためになされ、下記の(1)から(11)の手段を提供するものであり、以下、特許請求の範囲に記載の順に説明する。
【0019】
(1)その第1の手段として、抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給方法において、前記抄紙用ヘッドボックス内部を多層に仕切って多層ヘッドボックスに構成し、ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られる原料供給配管を、前記多層ヘッドボックスの前記層毎に接続して抄紙原料を供給し、同多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に紙原料の噴出を行うとともに、
同ワイヤを介して脱水により排出された白水を回収し、回収された同白水から微細物原料をディスクセーブオールで回収した後、回収された微細物原料を前記多層ヘッドボックスに対しては前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法を提供する。
【0020】
(2)第2の手段としては、第1の手段の抄紙機の原料供給方法において、前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給すると共に、同回収された微細物原料の一部を前記ミキシングチェストに供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法を提供する。
【0021】
(3)また、第3の手段として、第1の手段または第2の手段の抄紙機の原料供給方法において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、中間層、下層の3層に構成し、前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記3層の内の中間層にのみ供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法を提供する。
【0022】
(4)第4の手段として、第1の手段または第2の手段の抄紙機の原料供給方法において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、下層の2層に構成し、前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記2層の内の上層にのみ供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法を提供する。
【0023】
(5)第5の手段として、抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給装置において、前記抄紙用ヘッドボックスは内部を多層に仕切って構成した多層ヘッドボックスとし、ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られるとともに前記多層ヘッドボックスの前記各層毎に接続して抄紙原料を供給する原料供給配管と、同多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に噴出された抄紙原料から同ワイヤを介して脱水により回収された白水が供給され同白水中から微細物原料を回収するディスクセーブオールと、前記多層ヘッドボックスの前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層に接続する前記原料供給配管のみに接続して前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を供給する微細物供給配管とを備えてなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置を提供する。
【0024】
(6)第6の手段として、第5の手段の抄紙機の原料供給装置において、前記微細物供給配管と同微細物供給配管が接続する原料供給配管とが接続した下流側に混合部を設けてなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置を提供する。
【0025】
(7)第7の手段として、第5の手段の抄紙機の原料供給装置において、前記微細物供給配管と同微細物供給配管が接続する原料供給配管とに流量調整弁を設けてなることを特徴とする抄紙機械の原料供給装置を提供する。
【0026】
(8)第8の手段として、第5の手段の抄紙機の原料供給装置において、前記微細物供給配管はその分岐管が、前記ミキシングチェストにも接続して同ミキシングチェストに前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を供給するように構成されてなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置を提供する。
【0027】
(9)第9の手段として、第5の手段ないし第8の手段のいずれかの抄紙機の原料供給装置において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、中間層、下層の3層に構成され、前記微細物供給配管は、前記3層のそれぞれに接続する前記原料供給配管に対しては前記中間層に接続する紙原料供給配管にのみ接続してなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置を提供する。
【0028】
(10)第10の手段として、第5の手段ないし第8の手段のいずれかの抄紙機の原料供給装置において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、下層の2層に構成され、前記微細物供給路は、前記2層のそれぞれに接続する前記原料供給配管に対しては前記上層に接続する紙原料供給配管にのみ接続してなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置を提供する。
【0029】
(11)第11の手段として、第5の手段ないし第10の手段のいずれかの抄紙機の原料供給装置を備えてなることを特徴とする抄紙機を提供する。
【発明の効果】
【0030】
(1)特許請求の範囲に記載の請求項1の発明によれば、抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給方法において、前記抄紙用ヘッドボックス内部を多層に仕切って多層ヘッドボックスに構成し、ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られる原料供給配管を、前記多層ヘッドボックスの前記層毎に接続して抄紙原料を供給し、同多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に紙原料の噴出を行うとともに、同ワイヤを介して脱水により排出された白水を回収し、回収された同白水から微細物原料をディスクセーブオールで回収した後、回収された微細物原料を前記多層ヘッドボックスに対しては前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給するように構成したので、ワイヤに最も近い層以外の微細物を多く含んだ層の脱水は、ワイヤに最も近い層の抄紙原料により形成されたワイヤ上のマットを介して行われるため、マットがフィルタの役目をして微細物を捕捉し、ワイヤからの抜け落ちを防止する。そのため、フォーマ部およびプレス部と原料供給の各配管ラインを循環する微細物が減少するので、微細物の堆積が防止でき、汚れ、紙切れ防止が可能となる。またディスクセーブオールやその他の機器の負荷が軽減できる。さらに、微細物中の微細繊維は紙層間の結合を向上させるバインダーとして働くため、紙の層間強度を向上させる効果が得られる。
【0031】
(2)請求項2の発明によれば、請求項1に記載の抄紙機の原料供給方法において、前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給すると共に、同回収された微細物原料の一部を前記ミキシングチェストに供給するように構成したので、請求項1の発明の作用効果に加え、ミキシングチェストで紙原料を混合調整した高濃度原料に微細物原料の一部を混合して高濃度原料の成分、濃度等の調整が行える。
【0032】
(3)請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の抄紙機の原料供給方法において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、中間層、下層の3層に構成し、前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記3層の内の中間層にのみ供給するように構成したので、請求項1または請求項2の発明の作用効果を3層の多層抄紙で奏することができ、ツインワイヤ式抄紙機等の一対のワイヤの間に抄紙原料を噴射するタイプの抄紙機において、多層ヘッドボックスの3層のうちのフォーマ部のワイヤに最も近い上下層以外の層、すなわち中間層に微細物原料が供給されて、その作用効果を効果的に発揮する。
【0033】
(4)請求項4の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の抄紙機の原料供給方法において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、下層の2層に構成し、前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記2層の内の上層にのみ供給するように構成したので、請求項1または請求項2の発明の作用効果を2層の多層抄紙で奏することができ、長網式抄紙機のように、下方で移動するワイヤ上に抄紙原料を載せるように噴射する抄紙機において、多層ヘッドボックスの2層のうちのフォーマ部のワイヤに最も近い下層以外の層、すなわち上層に微細物原料が供給されて、その作用効果を効果的に発揮する。
【0034】
(5)請求項5の発明によれば、抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給装置において、前記抄紙用ヘッドボックスは内部を多層に仕切って構成した多層ヘッドボックスとし、ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られるとともに前記多層ヘッドボックスの前記各層毎に接続して抄紙原料を供給する原料供給配管と、同多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に噴出された抄紙原料から同ワイヤを介して脱水により回収された白水が供給され同白水中から微細物原料を回収するディスクセーブオールと、前記多層ヘッドボックスの前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層に接続する前記原料供給配管のみに接続して前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を供給する微細物供給配管とを備えてなるように構成したので、ワイヤに最も近い層以外の微細物を多く含んだ層の脱水は、ワイヤに最も近い層の抄紙原料により形成されたワイヤ上のマットを介して行われるため、マットがフィルタの役目をして微細物を捕捉し、ワイヤからの抜け落ちを防止する。そのため、フォーマ部およびプレス部と原料供給の各配管ラインを循環する微細物が減少するので、微細物の堆積が防止でき、汚れ、紙切れ防止が可能となる。またディスクセーブオールやその他の機器の負荷が軽減できる。さらに、微細物中の微細繊維は紙層間の結合を向上させるバインダーとして働くため、紙の層間強度を向上させる効果が得られる。
【0035】
(6)請求項6の発明によれば、請求項5に記載の抄紙機の原料供給装置において、前記微細物供給配管と同微細物供給配管が接続する原料供給配管とが接続した下流側に混合部を設けてなるように構成したので、請求項5の発明の作用効果に加え、抄紙原料と微細物原料の拡散、混合が十分に行われ、より均一な紙品質が得られる。
【0036】
(7)請求項7の発明によれば、請求項5に記載の抄紙機の原料供給装置において、前記微細物供給配管と同微細物供給配管が接続する原料供給配管とに流量調整弁を設けてなるように構成したので、請求項5の発明の作用効果に加え、抄紙原料と微細物原料の混合割合を調整することができ、紙品質の設定、管理をより確実に行える。
【0037】
(8)請求項8の発明によれば、請求項5に記載の抄紙機の原料供給装置において、前記微細物供給配管はその分岐管が、前記ミキシングチェストにも接続して同ミキシングチェストに前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を供給するように構成されてなるように構成したので、請求項5の発明の作用効果に加え、ミキシングチェストで紙原料を混合調整した高濃度原料に微細物原料の一部を混合して高濃度原料の成分、濃度等の調整が行える。
【0038】
(9)請求項9の発明によれば、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、中間層、下層の3層に構成され、前記微細物供給配管は、前記3層のそれぞれに接続する前記原料供給配管に対しては前記中間層に接続する紙原料供給配管にのみ接続してなるように構成したので、請求項5ないし請求項8のいずれかの発明の作用効果を3層の多層抄紙で奏することができ、ツインワイヤ式抄紙機等の一対のワイヤの間に抄紙原料を噴射するタイプの抄紙機において、多層ヘッドボックスの3層のうちのフォーマ部のワイヤに最も近い上下層以外の層、すなわち中間層に微細物原料が供給されて、その作用効果を効果的に発揮する。
【0039】
(10)請求項10の発明によれば、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置において、前記多層ヘッドボックス内部は上層、下層の2層に構成され、前記微細物供給路は、前記2層のそれぞれに接続する前記原料供給配管に対しては前記上層に接続する紙原料供給配管にのみ接続してなるように構成したので、請求項5ないし請求項8のいずれかの発明の作用効果を2層の多層抄紙で奏することができ、長網式抄紙機のように、下方で移動するワイヤ上に抄紙原料を載せるように噴射する抄紙機において、多層ヘッドボックスの2層のうちのフォーマ部のワイヤに最も近い下層以外の層、すなわち上層に微細物原料が供給されて、その作用効果を効果的に発揮する。
【0040】
(11)請求項11の発明によれば、抄紙機を、請求項5ないし請求項10のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置を備えてなるように構成したので、請求項5ないし請求項10のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置の作用効果を奏することで、原料供給の各配管ラインを循環する微細物が減少し、微細物の堆積が防止でき、汚れ、紙切れ防止が可能となり、各機器の負荷が軽減できる。また、微細物中の微細繊維は紙層間の結合を向上させるバインダーとして働くため、紙の層間強度を向上できる抄紙機となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明は、上記の課題に対して、スクリーンを通過させた後の抄紙原料を送る原料供給配管を複数系統に分岐し、ヘッドボックス内部を多層に分割した多層ヘッドボックスの各層へ、分岐した各原料供給配管を接続し抄紙原料の供給を行うと共に、ディスクセーブオールで回収された微細物原料を送る微細物供給配管を、多層抄紙用ヘッドボックスの多層の内のフォーマ部のワイヤ(抄紙網)に最も近い層以外の層に接続する原料供給配管のみに接続し、微細物原料を供給する。またさらに、微細物供給配管を分岐し、微細物原料の一部をミキシングチェストに供給するようにした。
【0042】
本発明を実施するための最良の形態として、以下に本発明の実施例1および実施例2を説明する。
【実施例1】
【0043】
図1、図2に基づき、本発明の実施例1に係る抄紙機とその原料供給方法および原料供給装置を説明する。図1は本実施例の抄紙機のフォーマ部から上流側を示す要部構成図であり、抄紙に係る原料のフロー図を示す。図2は図1中のヘッドボックスの拡大断面図である。本実施例は、図1、図2により説明した上述の従来例に対して、多層ヘッドボックスと多層ヘッドボックスに接続する原料供給配管、微細物供給配管の構成が異なる他は同様であるので、同様部分には同符号を付して説明を省略し、異なる点を主に以下説明する。
【0044】
本実施例において、ミキシングボックス10に複数の紙原料1、2が供給され、混合したものを、高濃度原料3としてミキシングチェスト11に送り、ミキシングチェスト11においてディスクセーブオール12から送られた微細繊維、填料等の微細物を多く含む高濃度原料である微細物原料4と混合されて成分、濃度等の調整が行われ、その後、原料の水頭を一定に保つためのマシンチェスト15へ送られ、さらにごみ等を取り繊維濃度を一定にするためのスタッフボックス16を経た後、白水サイロ17からの白水6により抄紙濃度に希釈され、抄紙原料5としてスクリーン18を通過後、ヘッドボックスに供給される点は、前述の従来例と同様である。
【0045】
本実施例のヘッドボックスは多層抄紙用の多層ヘッドボックス40を形成しており、多層ヘッドボックス40は抄紙方向に対して横方向に数m〜10m程度の幅と10mm程度の間隙を有するノズル41を備えるが、図2に示すように、多層ヘッドボックス40内には複数の通路42が並列にノズル41方向に穿設されている。
【0046】
また、多層ヘッドボックス40内の上流側空間43は、フォーマ部30のワイヤ31の面に沿う方向の仕切り部44で多層(本実施例では3層の場合を示し、以下、3層の場合を例に説明する)に仕切られ、上層空間43a、中間層空間43b、下層空間43cに
区画されている。
【0047】
複数の通路42は、その上流側が上層空間43a、中間層空間43b、下層空間43cそれぞれに連通するもの(図2においては、上下2段分ずつ)に分けられ、ノズル41内も各通路42出口から下流側に向けて延設されたシート群45でノズル41先端近くまで仕切られている。従って、多層ヘッドボックス40内は全体が上流から下流にかけて、上層40a、中間層40b、下層40cの3層に構成され、ノズル41内の先端近くで合流する構造となっている。
【0048】
スクリーン18を通過後の抄紙原料5の原料供給配管19は、3系統の原料供給配管19a、19b、19cに並列に分岐し、それぞれ多層ヘッドボックス40の上層空間43a、中間層空間43b、下層空間43cに接続して、各空間それぞれに個別に抄紙原料5を供給するようになっている。
【0049】
上層空間43a、中間層空間43b、下層空間43cそれぞれに供給された抄紙原料5は、多層ヘッドボックス40内の上層40a、中間層40b、下層40cを通過後ノズル41内の先端近くで合流しつつノズル41から噴出することにより、フォーマ部30において噴出する抄紙原料5を挟むように噴出方向に移動する一対のワイヤ31間に供給される。
【0050】
一方、ディスクセーブオール12で回収された微細物原料4は、微細物供給配管26を通り、多層ヘッドボックス40の3層のうちのフォーマ部30のワイヤ31に最も近い上層40a、下層40c以外の層、すなわち中間層40bに接続する原料供給配管19bに供給される。
【0051】
また、微細物供給配管26から分岐した分岐管26aをミキシングチェスト11に接続し、微細物原料4の一部をミキシングチェスト11に供給するようにし、高濃度原料3と混合して高濃度原料3の成分、濃度等の調整を行えるように構成している。
【0052】
ミキシングチェスト11で微細物原料4を取り込んだ高濃度原料3は、白水6と混合されて抄紙原料5に希釈され、スクリーン18に送られる。希釈された抄紙原料5はスクリーン18通過後、並列3系統に分岐された原料供給配管19a、19b、19cへ送られるが、中間層40bへの原料供給配管19bには前述の微細物供給配管26が合流し回収された微細物原料4が送り込まれてくる。
【0053】
このように微細繊維や填料等を多量に含む微細物原料4を多層ヘッドボックス40の中間層40bに入れることにより、多層ヘッドボックス40から噴出する抄紙原料5は微細物の多い中間層と、微細物の少ない上層、下層とで構成され、フォーマ部30のワイヤ31で挟まれて脱水される。
【0054】
フォーマ部30の脱水過程では、抄紙原料5の上下層がワイヤ31に接触し脱水が始まり、ワイヤ31上にマットが形成される。微細物を多く含んだ中間層の脱水は、ワイヤ31上に形成されたマットを介して行われる為、マットがフィルタの役目をして微細物を捕捉し、ワイヤ31からの抜け落ちを防止する。図示しないプレス部の脱水過程でも同様に微細物の抜け落ちが防止される。
【0055】
本実施例によれば、微細物を多く含んだ中間層の脱水は、上下層の抄紙原料5により形成されたワイヤ31上のマットを介して行われる為、マットがフィルタの役目をして微細物を捕捉し、ワイヤ31からの抜け落ちを防止する。抄紙原料5中の微細物のワイヤ31からの抜け落ちが低減され、フォーマ部30およびプレス部と原料供給の各配管ラインを循環する微細物が減少するため、微細物の堆積が防止でき、汚れ、紙切れ防止が可能となる。またディスクセーブオール12やその他の機器の負荷が軽減できる。さらに、微細物中の微細繊維は紙層間の結合を向上させるバインダーとして働くため、紙の層間強度を向上させる効果がある。
【実施例2】
【0056】
図3から図5に基づき、本発明の実施例2に係る抄紙機とその原料供給方法および原料供給装置を説明する。図3は本実施例における原料供給配管と微細物供給配管との接続部周辺のフロー図である。図4は図3中の混合部の一例の説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)中A−A矢視断面図である。図5は同じく混合部の他の例の説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中B−B矢視断面図である。
【0057】
本実施例は、原料供給配管19bと微細物供給配管26との接続部の構成が実施例1と異なる他は、図1、図2に示した実施例1と同様であり、同様部分は同符号を付して説明を省略し、また図1および図2も参照することとし、実施例1と異なる点を主に以下説明する。
【0058】
本実施例においては、図3に示すように、原料供給配管19bと微細物供給配管26との接続部50の下流側において混合部51を設け、接続部50の上流側において原料供給配管19bに流量調整弁52、微細物供給配管26に流量調整弁53を設けている。
【0059】
すなわち、抄紙濃度に希釈された抄紙原料5は3系統に分岐された原料供給配管19a、19b、19cにより多層ヘッドボックス40に送られてくるが、中間層40bへの原料供給配管19bにはディスクセーブオール12で回収された微細物原料4が微細物供給配管26で送り込まれてくる。ここで抄紙原料5と微細物原料4の混合が不十分な場合は、原料の分散状態や紙の強度が不均一となり、紙品質が低下する。
【0060】
それを防止するため、本実施例では、中間層への原料供給配管19bと微細物供給配管26が合流した後、抄紙原料5と微細物原料4が均一に混合するための混合部51を設けている。また、抄紙原料5と微細物原料4の混合割合を調整するために流量調整弁52、53を、原料供給配管19bと微細物供給配管26にそれぞれ介装している。
【0061】
混合部51は適宜の構造のものが適用されるが、その例51′、51″を図4、図5に示す。混合部51においては、混合される両流体中の繊維等の微細物に対して剪断力を繰り返しかけて分散を促進することが混合上効果的である。
【0062】
図4に示す混合部51′は、原料供給配管19bと微細物供給配管26との接続部50の下流側の原料供給配管19bに大径部54と小径部55とを交互に設けたものである。小径部55から大径部54に拡大するところで流速は遅くなり、大径部54から小径部55に縮小するところで流速は加速され、加減速によって流体に剪断力が働き、液体中の繊維等が引伸ばされて拡散が促進され、混合される。
【0063】
図5に示す混合部51″は、図4のものと同様に接続部50の下流側の原料供給配管19bに設けたものであるが、矩形ボックス56を介装したものである。矩形ボックス56の上流側には円断面から矩形断面に変換接続する拡管部57、下流側には矩形断面から円断面に変換接続する縮管部58を設け原料供給配管19bに接続するとともに、矩形ボックス56内の上面56a、下面56bを流れ方向に従いジグザグな傾斜面として、流れ方向で流路断面積の拡大、縮小を繰り返すように形成している。
【0064】
小流路断面積部59aから大流路断面積部59bに拡大するところでは流速は遅くなり、逆に縮小するところでは流速は加速され、加減速によって流体に剪断力が働き、液体中の繊維が引伸ばされて拡散が促進され、混合される。
【0065】
なお、例示した混合部51′、51″はいずれも拡散、混合の効果が高い上、主に筒型部材の組み合わせ、または、主に板部材の組み合わせから構成でき、構造的に簡潔、低コストのものとできる。
【0066】
本実施例によれば、混合部51を設けることにより、上記実施例1の作用効果に加えて、抄紙原料5と微細物原料4の拡散、混合が十分に行われ、より均一な紙品質が得られる。また、流量調整弁52、53を設けることにより抄紙原料5と微細物原料4の混合割合を調整することができ、紙品質の設定、管理をより確実に行える。
【0067】
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は上記の実施例に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構成および構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0068】
例えば、上記実施例は多層ヘッドボックス40内を3層に形成したものを示したが、それ以上の多層のものにおいても同様に適用でき、逆に上層、下層の2層に形成した2層ヘッドボックスにおいても適用でき、同様の作用効果を奏する。
【0069】
尤も2層の場合は、上記実施例のようにフォーマ部30がいわゆるツインワイヤ式抄紙機等の一対のワイヤの間に抄紙原料5を噴射するタイプではなく、いわゆる長網式抄紙機のように、下方で移動するワイヤ上に抄紙原料5を載せるように噴射するタイプの抄紙機においてその作用効果を効果的に発揮する。その場合、ディスクセーブオール12で回収された微細物原料4は、微細物供給配管26を通り、2層ヘッドボックスの2層のうちのフォーマ部のワイヤに最も近い下層以外の層、すなわち上層に接続する原料供給配管に供給される。
【0070】
しかし、実施例で示したような3層ヘッドボックス40によれば、ツインワイヤ式抄紙機等の一対のワイヤの間に抄紙原料5を噴射するタイプの抄紙機において本発明の作用効果を効果的に発揮するものとなる。
【0071】
また、本発明の要件を有すれば、抄紙機、およびその原料供給装置の原料のフローは、図1の実施例のフローと同一でなく一部変形、追加、削除されたフローを行うものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施例1に係る抄紙機のフォーマ部から上流側を示す要部構成図であって、抄紙に係る原料のフローを示す。
【図2】図1中のヘッドボックスの拡大断面図である。
【図3】本発明の実施例2に係る抄紙機における原料供給配管と微細物供給配管との接続部周辺のフロー図である。
【図4】図3中の混合部の一例の説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)中A−A矢視断面図である。
【図5】図3中の混合部の他の例の説明図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中B−B矢視断面図である。
【図6】従来の抄紙機のフォーマ部から上流側を示す要部構成図であり、抄紙に係る原料のフローを示す。
【図7】図6中のヘッドボックスの拡大断面図である。
【図8】抄紙機の原料供給装置の改良された従来例の説明図である。
【図9】抄紙機の原料供給装置の改良された他の従来例の説明図である。
【符号の説明】
【0073】
1 紙原料
2 紙原料
3 高濃度原料
4 微細物原料
5 抄紙原料
6 白水
7 低濃度白水
10 ミキシングボックス
11 ミキシングチェスト
12 ディスクセーブオール
15 マシンチェスト
16 スタッフボックス
17 白水サイロ
18 スクリーン
19 原料供給配管
19a、b、c 原料供給配管
24 白水ピット
25 セーブオールピット
26 微細物供給配管
26a 分岐管
30 フォーマ部
31 ワイヤ
40 多層ヘッドボックス
40a 上層
40b 中間層
40c 下層
41 ノズル
42 通路
43 上流側空間
43a 上層空間
43b 中間層空間
43c 下層空間
44 仕切り部
45 シート群
50 接続部
51、51′、51″ 混合部
52、53 流量調整弁
54 大径部
55 小径部
56 矩形ボックス
56a 上面
56b 下面
57 拡管部
58 縮管部
59a 小流路断面部
59b 大流路断面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給方法において、
前記抄紙用ヘッドボックス内部を多層に仕切って多層ヘッドボックスに構成し、
ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られる原料供給配管を、前記多層ヘッドボックスの前記層毎に接続して抄紙原料を供給し、
同多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に紙原料の噴出を行うとともに、
同ワイヤを介して脱水により排出された白水を回収し、
回収された同白水から微細物原料をディスクセーブオールで回収した後、
回収された微細物原料を前記多層ヘッドボックスに対しては前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法。
【請求項2】
請求項1に記載の抄紙機の原料供給方法において、
前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、
前記多層ヘッドボックスに対しては前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層にのみ供給すると共に、
同回収された微細物原料の一部を前記ミキシングチェストに供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の抄紙機の原料供給方法において、
前記多層ヘッドボックス内部は上層、中間層、下層の3層に構成し、
前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記3層の内の中間層にのみ供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の抄紙機の原料供給方法において、
前記多層ヘッドボックス内部は上層、下層の2層に構成し、
前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を、前記多層ヘッドボックスに対しては前記2層の内の上層にのみ供給することを特徴とする抄紙機の原料供給方法。
【請求項5】
抄紙原料を抄紙用ヘッドボックスに供給する抄紙機の原料供給装置において、
前記抄紙用ヘッドボックスは内部を多層に仕切って構成した多層ヘッドボックスとし、
ミキシングチェストで混合調整した紙原料に白水を加えて調整した抄紙原料が送られるとともに前記多層ヘッドボックスの前記各層毎に接続して抄紙原料を供給する原料供給配管と、
同多層ヘッドボックスからフォーマ部のワイヤ上に噴出された抄紙原料から同ワイヤを介して脱水により回収された白水が供給され同白水中から微細物原料を回収するディスクセーブオールと、
前記多層ヘッドボックスの前記多層の内の前記ワイヤに最も近い層以外の層に接続する前記原料供給配管のみに接続して前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を供給する微細物供給配管とを備えてなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置。
【請求項6】
請求項5に記載の抄紙機の原料供給装置において、
前記微細物供給配管と同微細物供給配管が接続する原料供給配管とが接続した下流側に混合部を設けてなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置。
【請求項7】
請求項5に記載の抄紙機の原料供給装置において、
前記微細物供給配管と同微細物供給配管が接続する原料供給配管とに流量調整弁を設けてなることを特徴とする抄紙機械の原料供給装置。
【請求項8】
請求項5に記載の抄紙機の原料供給装置において、
前記微細物供給配管はその分岐管が、前記ミキシングチェストにも接続して同ミキシングチェストに前記ディスクセーブオールで回収された微細物原料を供給するように構成されてなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置。
【請求項9】
請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置において、
前記多層ヘッドボックス内部は上層、中間層、下層の3層に構成され、
前記微細物供給配管は、前記3層のそれぞれに接続する前記原料供給配管に対しては前記中間層に接続する紙原料供給配管にのみ接続してなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置。
【請求項10】
請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置において、
前記多層ヘッドボックス内部は上層、下層の2層に構成され、
前記微細物供給路は、前記2層のそれぞれに接続する前記原料供給配管に対しては前記上層に接続する紙原料供給配管にのみ接続してなることを特徴とする抄紙機の原料供給装置。
【請求項11】
請求項5ないし請求項10のいずれかに記載の抄紙機の原料供給装置を備えてなることを特徴とする抄紙機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−63455(P2006−63455A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243729(P2004−243729)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】