説明

抄紙機の紙表面平滑化装置

【課題】湿紙の巻き付きおよび繊維流れの発生を防止し、かつ最終的に所定の圧力でカレンダー加工を行なうことができる抄紙機の紙表面平滑化装置を提供する。
【解決手段】搬送面に湿紙124を載置して搬送する下搬送ベルト33と、湿紙先端の通過を検出する湿紙用センサ60と、湿紙用センサ60の出力値に応じて、湿紙124を下搬送ベルト33との間で挟持するプレス位置と湿紙124から離間する退避位置とにわたって変位可能なプレスローラ41を有したカレンダ部4を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機の紙表面平滑化装置に関し、古紙を離解させた再生パルプから紙を製造する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な製紙工場で行なっている製紙方法は、パルプ工程、抄紙工程、仕上工程からなり、古紙を原料として使用する場合には古紙パルプ工程が加わる。
このうち、抄紙工程では、抄紙機のワイヤーパート、プレスパート、ドライヤーパート、カレンダーパート、コーターパートを経て製品の紙とする。ワイヤーパートでは調製(再生)されたパルプを抄紙用の網(ワイヤー)に乗せて脱水して紙を抄き、プレスパートではワイヤーパートから出た水分を多く含んだ湿紙の水分を除去する。ドライヤーパートでは蒸気で加熱されたドライヤーに紙を通して乾燥させ、カレンダーパートではロール間に紙を通して表面の凹凸を平滑化し、コーターパートでは原紙に塗料を塗工する。
【0003】
特許文献1に記載する古紙再生装置は、古紙を離解し叩解して古紙パルプを製造するパルプ製造部と、パルプ製造部で製造された古紙パルプを抄紙して再生紙を製造する抄紙部と、平滑面無端ベルト上の湿紙を加熱乾燥する加熱乾燥部を備えている。
【0004】
加熱乾燥部は走行経路途中箇所に配されたヒータプレートを加熱部として備えており、ヒータプレートが平滑面無端ベルト上の湿紙を間接的に加熱乾燥させる。平滑面無端ベルトの走行途中には、カレンダー用の平滑面仕上げロールをヒータプレートと対向して並列状に配置しており、両平滑面仕上げロールが平滑面無端ベルト上の湿紙を順次転動加圧して湿紙を適正な平滑面に仕上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−84967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した従来の構成において、一般的な製紙工場のカレンダーパートは抄紙後に乾燥させた用紙に高圧力で行なっており、機械部品には高圧に耐えるものを使用している。しかしながら、小型製紙機に高圧力のカレンダーパートを設けることは耐久性に不安があり、また装置コストが高くなる問題があった。
【0007】
このため、特許文献1に示すように、乾燥途中の湿紙にカレンダー加工を施すものがある。しかし、抄紙後の湿紙をプレスする場合には、湿紙がプレスローラに巻き付いたり、湿紙中の繊維が移動する繊維流れが発生して湿紙にダメージを与える。
【0008】
本発明は上記した課題を解決するものであり、湿紙の巻き付きおよび繊維流れの発生を防止し、かつ最終的に所定の圧力でカレンダー加工を行なうことができる抄紙機の紙表面平滑化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の抄紙機の紙表面平滑化装置は、搬送面に湿紙を載置して搬送する搬送ベルトと、湿紙先端の通過を検出するセンサと、センサの出力値に応じて、湿紙を搬送ベルトとの間で挟むプレス位置と湿紙から離間する退避位置とにわたって変位可能なプレスローラを有したカレンダ部を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の抄紙機の紙表面平滑化装置は、搬送面に湿紙を載置して搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトを介して湿紙を加熱する乾燥ローラと、搬送ベルトの搬送方向に沿って、かつ乾燥ローラに対向する位置を含む複数箇所に配置する複数のカレンダ部を備え、各カレンダ部は湿紙を搬送ベルトとの間で挟むプレスローラを有し、カレンダ部の配置位置が搬送ベルトの搬送方向下流側であるほどにプレスローラのプレス圧を高く設定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の抄紙機の紙表面平滑化装置において、センサはカレンダ部より搬送方向下流側に配置し、カレンダ部はセンサが湿紙先端の通過を検出した場合にプレスローラをプレス位置に配置することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の抄紙機の紙表面平滑化装置において、センサはカレンダ部より搬送方向上流側に配置し、カレンダ部はセンサが湿紙先端の通過を検出して所定時間経過した後にプレスローラをプレス位置に配置することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の抄紙機の紙表面平滑化装置において、各カレンダ部のプレス圧は各カレンダ部に対応する位置での湿紙の含水率に応じて設定することを特徴とする。
本発明の抄紙機の紙表面平滑化装置は、搬送面に湿紙を載置して搬送する搬送ベルトと、搬送ベルト上にパルプを供給する供給ポンプの起動、停止を検出する検出手段と、湿紙を搬送ベルトとの間で挟むプレス位置と湿紙から離間する退避位置とにわたって変位可能なプレスローラを有したカレンダ部を備え、カレンダ部は検出手段が供給ポンプの起動を検出して所定時間経過した後にプレスローラをプレス位置に配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上のように本発明によれば、湿紙先端の通過をセンサで検出してプレスローラをプレス位置に変位させることにより、プレスローラは搬送ベルト上の湿紙の途中位置から湿紙に圧接して湿紙をプレスする。このため、プレスローラが湿紙の先端を巻き込むことを防止でき、湿紙段階で紙表面平滑化処理、つまりカレンダー加工を行なうことができる。
【0015】
複数のカレンダ部のプレスローラのプレス圧を搬送ベルトの搬送方向下流側に位置するカレンダ部のものほど高く設定することで、含水率の高い湿紙にはプレスローラが低圧で当接し、乾燥ローラによる乾燥によって含水率が低下した湿紙にはプレスローラが高圧で圧接してプレスする。このため、含水率の高い湿紙がプレスローラに巻き付くことを防止できるとともに、含水率の高い湿紙を高い圧力でプレスすることにより生じる湿紙中の繊維の移動を防止してプレスが湿紙に与えるダメージを抑制しつつ、湿紙段階で紙表面平滑化処理、つまりカレンダー加工を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における抄紙機の紙表面平滑化装置を示す模式図
【図2】同実施の形態における紙表面平滑化装置のカレンダ部の退避位置を示す斜視図
【図3】同実施の形態における紙表面平滑化装置のカレンダ部の退避位置を示す要部拡大図
【図4】同実施の形態における紙表面平滑化装置のカレンダ部のプレス位置を示す斜視図
【図5】同実施の形態における紙表面平滑化装置のカレンダ部のプレス位置を示す要部拡大図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1から図5において、抄紙機である古紙処理装置は、抄紙部1と脱水部2と乾燥部3とカレンダ部4を備えており、図示を省略するが、その他に古紙を離解して再生パルプを調製する再生パルプ部と、インク、トナー等の異物を繊維から分離して脱墨パルプを調製する脱墨パルプ部を備えており、古紙から再生紙を調製するものである。
【0018】
抄紙部1は、脱墨パルプを抄紙して再生紙を調製(再生)するものであり、ヘッドボックス11、ワイヤー部12からなる。ワイヤー部12は両側のローラ121および中間のローラ122に掛け渡して展張したメッシュベルト123を有し、メッシュベルト123が無端軌道を形成している。メッシュベルト123にはヘッドボックス11から脱墨パルプを含む脱墨パルプ含有液を均一に噴出させ、メッシュベルト123で水切りして繊維の層をなす湿紙124を形成する。
【0019】
脱水部2は、複数のローラ21の間に掛け渡したフェルトからなる吸水ベルト22を有し、湿紙124をメッシュベルト123から吸水ベルト22に転移させ、吸水ベルト22で吸水して脱水するものであり、吸水ベルト22の搬送軌道上にプレス部23を形成している。プレス部23はローラ21と後述する乾燥部3のローラ31の間で吸水ベルト22と後述する乾燥部3の下搬送ベルト33の間に挟んだ湿紙124を押圧して脱水するものであり、プレス部23を通過した湿紙124が吸水ベルト22から下搬送ベルト33に転移する。
【0020】
乾燥部3は、複数のローラ31と内部にヒーターを備えた乾燥ローラ32の間に掛け渡したスチール製の下搬送ベルト33と、複数のローラ34と乾燥ローラ32の間に掛け渡した網状をなす樹脂製の上搬送ベルト35を有し、下搬送ベルト33と上搬送ベルト35が湿紙124を挟んで乾燥ローラ32の表面上で重なり、乾燥ローラ32に圧接させて湿紙124を乾燥させるものである。
【0021】
カレンダ部4は、下搬送ベルト33の搬送方向に沿って複数箇所に配置し、少なくとも一つは乾燥ローラ32に対向する位置に配置する。各カレンダ部4は湿紙124を下搬送ベルト33との間で挟むプレスローラ41を湿紙124に当接するプレス位置と湿紙124から離間する退避位置とにわたって変位可能に備えている。最上流位置の第1のカレンダ部4はプレスローラ41がカウンターローラ40に対向し、第2、第3のカレンダ部4はプレスローラ41が乾燥ローラ32に対向している。
【0022】
図2乃至図5に示すように、カレンダ部4は、プレスローラ41の回転軸の両端をそれぞれ軸受けブロック42で回転自在に保持しており、サイドプレート43が上下方向に長い形状をなす孔44の内部に軸受けブロック42を上下動可能に保持し、孔44に配置した付勢体、ここではスプリング45が軸受けブロック42を下方へ押圧している。
【0023】
双方のサイドプレート43はそれぞれハンガープレート46を介して駆動部47に連結している。駆動部47は、装置本体で回転自在に保持するドライブシャフト48を備えるとともに、装置本体に固定した固定プレート49、50を有し、一方の固定プレート49に駆動装置であるモータ51を設け、他方の固定プレート50に位置検出センサ52を設けている。
【0024】
モータ51に設けたピニオンギア53はドライブシャフト48の一方端側に設けた従動ギア54に噛合している。ドライブシャフト48の他端側には位置検出センサ52の遮光プレート55を設けており、ドライブシャフト48の回転に伴って遮光プレート55が位置検出センサ52の発光部52aと受光部52bの間の光軸を遮る遮光位置と光軸から離間する退避位置とにわたって回動する。
【0025】
ドライブシャフト48の両端にはそれぞれ偏芯ブロック56を設けており、偏芯ブロック56の偏芯位置、つまりドライブシャフト48の回転軸心から離れた位置にハンガープレート46をネジ57で枢着している。ハンガープレート46は上下方向に長い形状をなす孔58に挿通したネジ59でサイドプレート43に連結しており、孔58においてネジ59を上下動可能に保持している。
【0026】
図1に示すように、下搬送ベルト33の搬送軌道上にはカレンダ部4より搬送方向下流側の位置に湿紙用センサ60を配置しており、湿紙用センサ60は湿紙124の先端の通過を検出するものである。カレンダ部4は、湿紙用センサ60の出力値が湿紙124の先端の通過を検出した値である場合に、モータ51を駆動してプレスローラ41をプレス位置に配置する。
【0027】
カレンダ部4におけるプレスローラ41のプレス圧はスプリング45を変更することで任意に設定可能であり、本実施の形態ではカレンダ部4の配置位置が下搬送ベルト33の搬送方向下流側であるほどにカレンダ部4のプレスローラ41のプレス圧を高く設定している。また、本実施の形態では、各カレンダ部4のプレス圧はそれぞれが対応する位置における湿紙124の含水率に応じて設定しており、湿紙124は下搬送ベルト33の搬送方向下流側であるほどに乾燥によって含水率が低下する。
【0028】
以下、上記構成の作用を説明する。古紙処理装置の運転開始時において、図2および図3に示すように、カレンダ部4は、ハンガープレート46がサイドプレート43を介してプレスローラ41を吊り上げて退避位置に保持している。
【0029】
この状態で、図1に示すように、メッシュベルト123にヘッドボックス11から脱墨パルプを含む脱墨パルプ含有液を均一に噴出させ、メッシュベルト123で水切りして繊維の層をなす湿紙124を形成する。
【0030】
そして、湿紙124をメッシュベルト123から吸水ベルト22に転移させ、吸水ベルト22で吸水して脱水し、プレス部23で吸水ベルト22と下搬送ベルト33の間に挟んだ湿紙124を押圧して脱水し、プレス部23を通過した湿紙124を吸水ベルト22から下搬送ベルト33に転移させる。
【0031】
下搬送ベルト33の移動によって湿紙124が第1のカレンダ部4を通過し、その後に湿紙用センサ60を通過すると、湿紙用センサ60が湿紙124の先端の通過を検出する。湿紙用センサ60の出力値が湿紙124の先端の通過を検出した値、ここではONとなると、第1のカレンダ部4はモータ51を駆動してプレスローラ41をプレス位置に配置する。
【0032】
すなわち、図4および図5に示すように、モータ51の駆動によりピニオンギヤ53および従動ギヤ54を介してドライブシャフト48が回転することでハンガープレート46が下端位置に移動し、サイドプレート43で支持するプレスローラ41が湿紙124に当接するプレス位置に達し、プレスローラ41とカウンターローラ40との間で下搬送ベルト33、湿紙124を挟む。
【0033】
このように、湿紙先端の通過を湿紙用センサ60で検出してプレスローラ41をプレス位置に変位させることにより、プレスローラ41は下搬送ベルト33上の湿紙124の途中位置から湿紙124に圧接して湿紙124をプレスする。このため、プレスローラ41が湿紙124の先端を巻き込むことを防止でき、湿紙段階で紙表面平滑化処理、つまりカレンダー加工を行なうことができる。
【0034】
プレス位置では、ハンガープレート46の孔58の上端縁がネジ59に当接してサイドプレート43およびプレスローラ41を下方へ押し圧し、さらにスプリング45がプレスローラ41にプレス圧を与える。
【0035】
このとき、第1のカレンダ部4のプレス圧は第1のカレンダ部4に対応する位置における湿紙124の含水率に応じたものであり、本実施の形態では50〜60%の含水率の高い湿紙124にプレスローラ41が低圧で当接し、乾燥ローラ32による加熱乾燥前の含水率の高い湿紙124がプレスローラ41に巻き付くことを防止できるとともに、含水率の高い湿紙124を高い圧力でプレスすることにより生じる湿紙124に含まれた繊維の移動を防止してプレスが湿紙124に与えるダメージを抑制できる。
【0036】
次に、乾燥部3では、下搬送ベルト33と上搬送ベルト35が湿紙124を挟んで乾燥ローラ32の表面上で重なり、乾燥ローラ32に圧接させて湿紙124を乾燥させる。第2および第3のカレンダ部4では上搬送ベルト35が湿紙124から離間してカレンダ部4を越えて移動する。
【0037】
なお、このように上搬送ベルト35が湿紙124から離間してカレンダ部4を越えて移動する構成を備えることで、湿紙124は上搬送ベルト35と下搬送ベルト33とに挟まれた状態でプレスされないので、湿紙124に上搬送ベルト35の網目の跡形が付くことがなく、確実に紙表面平坦化処理が施される。
【0038】
第1のカレンダ部4と同様に、下搬送ベルト33の移動によって湿紙124が第2のカレンダ部4を通過し、湿紙用センサ60が湿紙124の先端の通過を検出すると、第2のカレンダ部4はモータ51を駆動してプレスローラ41をプレス位置に配置し、プレスローラ41と乾燥ローラ32との間で下搬送ベルト33、湿紙124を挟む。
【0039】
同様にして、第3のカレンダ部4においてもプレスローラ41と乾燥ローラ32との間で下搬送ベルト33、湿紙124を挟む。
このように、湿紙先端が通過した後にプレスローラ41をプレス位置に変位させ、プレスローラ41を湿紙124の途中位置から湿紙124に圧接させて湿紙124をプレスすることで、プレスローラ41が湿紙124の先端を巻き込むことを防止できる。
【0040】
この第2および第3のカレンダ部4のプレス圧はそのカレンダ部4に対応する位置における湿紙124の含水率に応じたもので、本実施の形態では、第2のカレンダ部4において湿紙124の含水率が40〜50%であり、第3のカレンダ部4において湿紙124の含水率が30〜40%であり、搬送方向下流側に位置するカレンダ部4のものほどプレス圧を高く設定することで、乾燥ローラ32による乾燥によって含水率が低下した乾燥途中の湿紙124にプレスローラ41が高圧で圧接してプレスする。
【0041】
本実施の形態では、湿紙用センサ60をカレンダ部4の搬送方向下流側に配置した構成を例示したが、湿紙用センサ60はカレンダ部4の搬送上流側に配置することも可能である。この場合に、カレンダ部4は湿紙用センサ60が湿紙先端の通過を検出して所定時間経過した後にプレスローラ41をプレス位置に配置する。
【0042】
また、湿紙用センサ60に代えて、メッシュベルト123の上にパルプを供給する供給ポンプの起動、停止を検出する検出手段を設けることも可能である。この場合に、カレンダ部4は検出手段が供給ポンプの起動を検出して所定時間経過した後にプレスローラ41をプレス位置に配置する。検出手段としては、一般的なセンサや、CPUがポンプの起動、停止を命ずるために発する指令信号を検出するものがある。
【符号の説明】
【0043】
1 抄紙部
2 脱水部
3 乾燥部
4 カレンダ部
11 ヘッドボックス
12 ワイヤー部
21、31、34、121、122、 ローラ
22 吸水ベルト
23 プレス部
33 下搬送ベルト
32 乾燥ローラ
35 上搬送ベルト
40 カウンターローラ
41 プレスローラ
42 軸受けブロック
43 サイドプレート
44、58 孔
45 スプリング
46 ハンガープレート
47 駆動部
48 ドライブシャフト
49、50 固定プレート
51 モータ
52 位置検出センサ
52a 発光部
52b 受光部
53 ピニオンギア
54 従動ギア
55 遮光プレート
56 偏芯ブロック
57、59 ネジ
60 湿紙用センサ
123 メッシュベルト
124 湿紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送面に湿紙を載置して搬送する搬送ベルトと、湿紙先端の通過を検出するセンサと、センサの出力値に応じて、湿紙を搬送ベルトとの間で挟むプレス位置と湿紙から離間する退避位置とにわたって変位可能なプレスローラを有したカレンダ部を備えることを特徴とする抄紙機の紙表面平滑化装置。
【請求項2】
搬送面に湿紙を載置して搬送する搬送ベルトと、搬送ベルトを介して湿紙を加熱する乾燥ローラと、搬送ベルトの搬送方向に沿って、かつ乾燥ローラに対向する位置を含む複数箇所に配置する複数のカレンダ部を備え、各カレンダ部は湿紙を搬送ベルトとの間で挟むプレスローラを有し、カレンダ部の配置位置が搬送ベルトの搬送方向下流側であるほどにプレスローラのプレス圧を高く設定することを特徴とする抄紙機の紙表面平滑化装置。
【請求項3】
センサはカレンダ部より搬送方向下流側に配置し、カレンダ部はセンサが湿紙先端の通過を検出した場合にプレスローラをプレス位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の抄紙機の紙表面平滑化装置。
【請求項4】
センサはカレンダ部より搬送方向上流側に配置し、カレンダ部はセンサが湿紙先端の通過を検出して所定時間経過した後にプレスローラをプレス位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の抄紙機の紙表面平滑化装置。
【請求項5】
各カレンダ部のプレス圧は各カレンダ部に対応する位置での湿紙の含水率に応じて設定することを特徴とする請求項2に記載の抄紙機の紙表面平滑化装置。
【請求項6】
搬送面に湿紙を載置して搬送する搬送ベルトと、搬送ベルト上にパルプを供給する供給ポンプの起動、停止を検出する検出手段と、湿紙を搬送ベルトとの間で挟むプレス位置と湿紙から離間する退避位置とにわたって変位可能なプレスローラを有したカレンダ部を備え、カレンダ部は検出手段が供給ポンプの起動を検出して所定時間経過した後にプレスローラをプレス位置に配置することを特徴とする抄紙機の紙表面平滑化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−1820(P2012−1820A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134623(P2010−134623)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】