抄紙機内の構成
本発明は、抄紙機又は類似物内の構成に関し、1つ又はそれ以上のプレスニップ(13.1,13.2)を備えるプレス区画(1)と、ウェブ支持ウェブ移動部を含む乾燥区画とを含む。プレスと第一乾燥シリンダとの間には、コンパクトに配置された事前衝突乾燥部(20)と、垂直衝突乾燥部(21)とがある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機又は類似物内の構成に関し、1つ又はそれ以上のプレスニップを備えるプレス区画と、ウェブ支持閉塞ウェブ移動部を含む乾燥区画と、垂直衝突乾燥部と、1つ又はそれ以上の後続のシリンダ乾燥部群とを含む。具体的には、本発明は、ウェブに直接的に吹き付ける衝突ユニット用途に関する。
【背景技術】
【0002】
抄紙機速度の増大に伴って、運転性を向上するためにの対策が同時に取られない限り、抄紙機の運転性が極めて重要になる。連続的な段階間の速度差を用いて十分なウェブ張力を維持することによって、ある程度まで運転性を向上し得る。この方法でさえ、紙品質が劣化し始める段階で消耗するようになる。
【0003】
増大する抄紙機速度は、好ましくはプレス区画から乾燥区画まで、具体的には、多シリンダ乾燥部内では、単一布運転構成、可能な限り、シリンダ乾燥部にまでさえ、閉塞移動部を用いる傾向を招く。これらは自由ウェブ移動中に起こるフラッタリング及び類似の現象を除去するために用いられる。しかしながら、プレス区画の中央ロールから、開放移動部を用いて、紙ウェブを乾燥区画に持ち上げ得る。
【0004】
単に多シリンダ乾燥部を用いるに過ぎない抄紙機乾燥区画は、高速(30〜40m/s)でかなり長くなる。フィンランド国特許第102623号(WO97/130131)及びフィンランド国特許出願第20002429号によれば、具体的には、乾燥シリンダで完全蒸気圧力を用い得ない、或いは、第一シリンダの蒸気供給がしばしば完全に閉塞される乾燥区画の開始に、乾燥シリンダと置換するために衝突乾燥部が用いられる。湿った紙ウェブが熱いシリンダ面に付着し、その故に、より低いシリンダ面温度を使用することが必要であり、その結果、乾燥能力は失われる。
【0005】
衝突が布を通じてではなく紙ウェブに対して直接的に起こる衝突乾燥ユニットにおいて、かなり高い吹付け温度(250℃〜700℃)を使用することが可能であり、よって、極めて効率的な加熱効果を達成する。紙ウェブは、支持布の上を進行するよう設定され、支持布は、直線運転において或いは大きな曲線半径のいずれかで一組のロールによって吹付け領域内に支持される。吸引/吹付けボックスが、抄紙機を支持布に対して保持するためのロールの間に配置される。
【0006】
フィンランド国特許出願20002429号(WO02/36880)によれば、1つ又はそれ以上の垂直衝突ユニットを用いることによって、機械指向性長さを控えることが可能である。支持布は、少なくとも乾燥シリンダ線で、垂直方向において、機械指向性寸法と比べ顕著に長いループを有する。支持布は吹付けに関して紙ウェブの下に留まり、その結果、熱に晒されない。ループの両面に、概ね衝突ユニットがあり、よって、それらの双方は数メートルでさえある乾燥長さを有する。紙ウェブを支持布に付着し続けることは、内部吸引装置を使用することによって保証され、それは支持布を介して内部から紙ウェブに吸引効果を方向付ける。衝突面の側面プロファイルは、破線の形状に或いはこれらの組み合わせに、直線的であり、僅かに湾曲し、場合によっては、可変に湾曲する。
【0007】
衝突ユニットは、紙ウェブ及び吹付け室のための支持をもたらすウェブ構成を含み、それは、空気又は他の熱いガスを吹付け面上に分配するために、そのウェブ側面上に穿孔を有する。
【0008】
ユニットは如何なる場合にも抄紙機の下(又は上)の空間に配置されるので、ユニットの向きが垂直から著しく偏向するような場合でさえも、空間節約が実現される。他方、垂直構造は、地球の重力が支持面への布の付着を妨げ得ないという利点を有する。
【0009】
閉塞移動では、支持布から成る多数の布ループが必要とされる。これらの数と全長が増大すると、ウェブ破損の危険性は一般的に増大する。従って、それらの数及び長さの最適化が目標とされる。
【0010】
上述の既知の衝突解決策は、高速での運転性及び長手方向における機械サイズに関して従来技術に比べ改良をもたらしたが、状況は必ずしも完全に満足の行くものではない。より単純でありながら信頼性のある着想が依然として求められる。
【0011】
紙のバルク(cm3/g)は、多くの紙等級に関し顕著な品質要因である。しかしながら、プレス後の高い乾燥含有率の達成は高いニップ圧力を要求するので、良好なバルクは最大プレス部脱水と矛盾する。
【0012】
フィンランド国特許第102623号によれば、衝突ユニットは、プレス区画の後方で第一乾燥シリンダの前方に配置されている。発明に従って布を通じて吹き付けるユニットは、噴射空気温度限界を被る。何故ならば、今日の乾燥布は200℃よりも熱い噴射空気(又は蒸気)で加圧され得ないからである。しかしながら、構造は比較的長くなり、機械長手方向節約は単純な解決策で顕著に達成されない。フィンランド国特許出願20002429号に従った垂直衝突ユニットを用いて、顕著な節約が機械長さにおいてより迅速に達成される。垂直衝突ユニットを使用した提案の解決策を用いると、運転性は、プレス区画後、今日よりも良好ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、垂直衝突ユニットが用いられる抄紙機内の改良された構成を提供することである。本発明を用いることで、上述の欠点の解消又は少なくとも最小限化が目標とされる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に従った抄紙機内の構成は、添付の請求項に記載されていることによって特徴付けられる。衝突乾燥部は、それらの能力が蒸気圧力の減少の故に幾分不十分であるに留まるため、第一シリンダ乾燥部を正に置換するために最良に用いられる。その代わり、直線的な衝突のための類似の制約はなく、ウェブに直接的に吹き付けるとき、その内部で非常な高温を用い得る。しかしながら、運転性を保証するために、効率的な垂直衝突乾燥部は、少なくともある程度は、並びに、底面に向かって成長する湿度勾配を動かすことによって、紙ウェブの反対側面を乾燥するための事前衝突乾燥部を必要とする。同時に、先行する効率的なウェブ加熱は、垂直ユニットの完全乾燥能力を可能にする。好ましくは、第一シリンダから開始して完全又はほぼ完全な蒸気圧力、即ち、スティッキングの危険性なしにシリンダ面上に高い乾燥温度を加え得るよう、垂直衝突乾燥部は一方向的に乾燥し、第一シリンダ乾燥部と同一側面に向けられる。
【0015】
ここで、「水平」及び「垂直」は、45°さえもの偏位を含むよう広く理解されるべきである。加えて、衝突面は、湾曲し得るし、曲線形状又はこれらの組み合わせを模倣する多角形であり得る。
【0016】
他の実施態様において、垂直衝突ユニットの衝突室の頂面は、パルパーシュートを形成する。
【0017】
第三の実施態様において、垂直衝突ユニットは、積み重なって幾つかの支持ロールを有し、布ループの内部から支持布を支持する。これらのロールの間には、そのように既知の方法で、ウェブ方向に並びに布面の近傍に、吸引ボックスが配置されている。
【0018】
第四の実施態様において、事前衝突乾燥部はプレス移動ベルトの区画の上に配置され、紙ウェブはそこから直接的に垂直衝突乾燥部の布ループに移動される。これは2つの別個の移動布ループさえも置換するために用いられる。この種類の組み合わせは特にコンパクトである。
【0019】
事前衝突は、既にプレス布或いは移動部或いはプレス部後の乾燥布上のプレスの直後に続く。機械設計の残余は、どれぐらいプレス部に近いか、即ち、事前衝突をどれぐらいコンパクトに実施し得るかを決定する。
【0020】
事前衝突乾燥部(概ね水平)と垂直衝突乾燥部並びにそれらの後に続く第一乾燥シリンダとの間の相対的な距離は、ウェブが非加熱区画で過剰に冷却されるのは好ましくないという事実によって制限される。事前衝突から利益を享受するために、ウェブは空気吹付けの間に冷却するべきではなく、通常蒸発の冷却効果は、後に付与される寸法を備える実体のために依然として有利である。他方、繊維等の有害なスティッキングを回避するために、ウェブ表面温度は、乾燥シリンダ表面温度(通常、抄紙機内でほぼ80℃)から15℃未満、最も好ましくは8℃未満、偏位すべきである。通常、この間隔は最大4メートル、好ましくは2メートル未満であることが許容される。コンパクトな構造において、事前衝突は、プレス部から2メートル未満、最も好ましくは1メートル未満の距離で開始する。
【0021】
より高い蒸気圧力が広い機械において用いられ、よって、シリンダ表面温度は130℃ほどの高さであり得る。その結果、偏位もより大きくあり得る。加えて、シリンダは、縁部がシリンダの残部よりも暖かい温度プロファイルを有し得る。事前衝突及び/又は蒸気ボックスをプロファイル化することによって、それも考慮し得る。
【0022】
短い事前衝突乾燥部及び垂直衝突乾燥部がプレス部と第一シリンダ群との間にコンパクトに据え付けられるとき、本発明を完全に利用し得る。ここで、2つの対向するユニットを備える垂直衝突乾燥部を短い機械長さに適用可能であり、その直後に続く第一乾燥シリンダを本質的に完全蒸気圧力に適用し得る。1つ以上の垂直衝突乾燥部を機械方向に次々にコンパクトに据付け得ない。何故ならば、対向するフードが相互に比較的離れて据え付けられなければならないからである。その代わりに、下方ユニットに加えて、対向する衝突ユニットを機械の上に有することは可能である。何故ならば、そのような構成は機械長さを増大しないからである。
【0023】
本発明の一部の実施態様を例証する添付の図面を参照して、本発明を以下により詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1乃至4は抄紙機を描写しており、プレス区画11、乾燥区画の第一区画の一部、即ち、事前衝突乾燥部20、垂直衝突乾燥部21、及び、シリンダ群14の開始が示されている。第一乾燥シリンダは、参照番号14.1で指し示されている。
【0025】
構成の様々な部分、即ち、プレス区画、衝突乾燥部、及び、シリンダ乾燥部は、それらの基本設計に関して、例えば、上述の特許公報から既知である。
【0026】
双子ニッププレス11は、ニップ13.1及び13.2を有する。紙ウェブは、既知の方法で、ピックアップロール15.1でプレス区画11に持ち上げられ、紙ウェブは、プレスフェルト12及び移動ベルト28を用いて、ニップを通じて移動される。本発明に関して、プレス区画の設計は大いに変化し得る。しかしながら、特に本質的なことは、プレス区画11の後に(或いはその端部と一体化されて)、水平又は事前衝突乾燥部20があることであり、事前衝突乾燥部は、図1及び3では、乾燥布17を用いており、吹付けユニット20.1が乾燥布に対して配置されている。従来技術の技法によれば、中心ロール解決策では、プレスから乾燥への移動に開放区間があり、この実施態様を用いることでも、プレスに拘わらず、衝突乾燥からシリンダ乾燥にシフトするときに、必要であれば、開放/開放可能区間を配置することが可能である。
【0027】
図1を参照すると、紙ウェブは、移動吸引ロール15.3を用いて、移動ベルト28から取り上げられて移動布16に導かれ、移動布は、移動吸引ロール15.4を用いて、紙ウェブを水平衝突乾燥部20の乾燥布17に輸送する。
【0028】
紙ウェブは吹付けユニット20.1の下から乾燥布17の上を進行し、その結果、紙ウェブは強い加熱効果に晒される。短い吹付けゾーン内で、乾燥が比較的少なく生じるが、ウェブは暖まり、その頂面は僅かに乾燥する。しかしながら、これは運転性に関して顕著である。同時に、ウェブの厚さ方向における湿度勾配は、底面に向かって強く成長するようになる。乾燥布ループ17の内部には、ウェブを前記布17に付着し続けるための支持ロール20.2と、真空ボックス20.3とがある。
【0029】
水平衝突乾燥部20の後、紙ウェブは、真空ロール17.1の後の乾燥布17から、第一乾燥シリンダ群14の乾燥布14.2の上に移動される。この同一の乾燥布14.2は、垂直衝突乾燥部21によっても用いられる。そのように既知の方法では、紙ウェブは、垂直衝突乾燥部21の真空ロール(吸引ロール又はVACロール)として機能する最上部ロール21.3を用いて、乾燥布14.2に移動される。ロール21.3は、3°〜10°の領域内に布ラップを有する。乾燥布14.2は、幾つかの小さな支持ロール21.5によって吹付け面を形成する直線区画内に支持され、支持ロールの間には吹付けボックス21.6があり、移動布の底面上に、即ち、紙ウェブの反対面上に真空を創成するための吸引をもたらし、その結果、紙ウェブは移動布14.2に対して吸引されるようになる。
【0030】
垂直衝突乾燥部21は、2つの対向する衝突ユニット21.1及び21.2を有し、それらは、側面から見られるときに、狭い乾燥布ループの両側上に設定されている。衝突面は、上記配置されたロール21.3と回転吸引ロール21.4との間に主として境界付けられるが、それらのフードは湾曲区画に延び得る。これらの間には、両面上に、より正確には布ループ内部に、例えば、フィンランド国特許出願20002429号に示されるように、支持ロール21.5及び吹付けボックス21.6がある。支持ロールは、溝付きロール、VACロール、又は、吸引ロールであり得る。
【0031】
垂直衝突乾燥部が依然として機械指向性空間を節約するよう、垂直衝突乾燥部21の中心線は、垂直から最大35°だけ偏向し得る。
【0032】
衝突乾燥部(20,21)内の噴射ガスの温度は、好ましくは200℃〜700℃の範囲内であり、最も好ましくは250℃〜400℃の範囲内である。衝突乾燥部の事前加熱のために用いられる蒸気ボックス(16.1)の蒸気は、好ましくは、僅かに(通常は7℃)過熱され、ウェブに接触後に凝縮するのが、未だ蒸気ボックス内にない。ウェブ温度は、衝突空気湿度(空気吹付け再循環)によっても影響され得る。
【0033】
第一乾燥シリンダ14.1のドクタに、ウェブ破損状況のためのウェブノックダウンが設計される。この場合には、損紙は、吹付けユニット21.2フードの上方側面21.21に沿って、パルパー30に運搬される。尾部スレッディングでは、ウェブは、全幅で、プレス部及び衝突ユニットを通じてパルパーに進められる。尾部スレッディングのために、シリンダ14.1(図示せず)の近傍に配置された尾部噴射がある。中心ロールプレスでは、尾部スレッディングは、前記ドクタまで吹付けユニット上の帯として実施される。
【0034】
通常の状況において、紙ウェブは、乾燥布14.2と共に、シリンダ群を通じて後続の群に進行する。
【0035】
水平衝突乾燥部の衝突長さは、衝突の全ウェブ長さの最大50%、最も好ましくは15〜35%である。より大きな事前吹付け長さは、事前加熱と共に均一な乾燥をもたらす。
【0036】
図2は、図1と比べたときに、本発明に従った構成の好適な変形を示している。機能的に類似の部分は、上記と同一の参照番号を用いて参照されている。
【0037】
ここでは、水平衝突乾燥部20がプレス移動ベルト28の上に配置されているので、2つの移動布ループを省くことが可能である。移動ベルト28から、紙ウェブは、垂直衝突乾燥部の乾燥布19に移動される。この図面では、それは別体であるが、上記のような第一シリンダ群の乾燥布14.2の一部でもあり得る。
【0038】
移動ベルト28から乾燥布19への紙ウェブの移動は、そのように既知の方法で行われる。回転ロール28.1は共に布ループを取り、移動吸引ロール21.3は紙ウェブを独自の乾燥布19上に持ち上げる。垂直衝突乾燥部が独自の布ループを備えるとき、追加的な移動が第一シリンダに関連してもたらされ、その移動地点で、運転性を維持するために速度差を用いることが可能である。乾燥含有率がより低いとき、これは以下に示されるような特別の重要性を有する。
【0039】
一般的に、垂直衝突ユニットに、
−後続のウェブ乾燥含有率が48〜54%であるときに、独自の布ループが配置され、或いは、
−吹付けユニット後の乾燥含有率が52〜57%であるときに、短い(最大3つの乾燥シリンダの)乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置されに、或いは、
−吹付けユニット後の乾燥含有率が56〜65%であるときに、長い(4又はそれ以上のシリンダの)乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置される。
【0040】
品質の理由のために(例えば、弱い完成紙料/ウェブと共に、或いは、図2に従った実施態様において)、必要であれば、より高い乾燥含有率と共に独自の布ループを使用することも可能であり、よって、1つの追加的な移動地点を配置する。
【0041】
図3aの構成は、大部分が図1におけるものと類似している。しかしながら、乾燥布ループの内部に、補助回転ロール21.4と真空ロール21.3との間に、これらのロールと同一サイズの支持ロール21.5が用いられるよう、衝突ユニットの設計は単純化されている。支持ロールは好ましくは真空ロールであり、実際には乾燥シリンダの回転吸引ロールと同一である。これらの間の吸引ボックスは、上記と同一の種類である。この図面中に破線で示されているのも、可能な蒸気ボックス16.1であり、その使用は、衝突の完全に新しい可能性をもたらす。この図面には、それはウェブの下に配置されているが、第一衝突ボックスを蒸気ボックスと完全に置換することも可能である。蒸気ボックスの用途可能性が以下に議論される。1つの変形では、布がより長い距離に亘ってロールと接触するよう、支持ロール21.5はロール21.3及び21.4よりも大きい。これは吸引効果を向上し、それはさらに運転性を強化する。
【0042】
特定の等級に関する紙の値を向上するために、本発明に従った構成を用い得いることができる。そこでは、紙のバルクが重要である。図4によれば、プレス後の乾燥含有率及びバルクは、異なる紙等級で逆に相関する。プレスで高いニップ圧力(1000kN/m)を使用する代わりに、ニップ圧力は、第一及び第二ニップにおいて、400〜800kN/mの範囲に減少される。本発明を用いることで、紙のバルクが維持されるよう、乾燥物質の1〜2%の乾燥はプレス区画から衝突部に移動される。衝突段階のための乾燥含有率の増大は、乾燥シリンダ前で、好ましくは全体で3〜12%、より正確には400%(±100%)/ベース重量[g/m2]であり、その場合には、揺動成分の大きな範囲が、乾燥含有率に対する抄紙機速度の影響を補償する。
【0043】
本発明を用いることで、ウェブが衝突吹付けで乾燥され、可能であれば、1回以上さえも布から他に移動されるという事実にも拘わらず、プレスと第一シリンダとの間のドロー差が2.9%未満、最も好適には2.5%未満に設定されるが、運転性は維持される。
【0044】
図3bは、他の蒸気ボックス用途を示しており、そこでは、事前衝突が蒸気で実施されるので、全ての衝突吹付けは紙ウェブの同一面上にある。参照番号付けは、適用可能な部分に関して以前の図面に対応している。ここでは、第一乾燥群14の布14.2上に据え付けられて、第一乾燥シリンダ14.1の前に、蒸気ボックス16.1、垂直(直線)衝突ユニット20.1、及び、真空ロールの衝突ユニット21もある。紙ウェブは、布14.2の底面上を進行し、紙ウェブは移動吸引ロール14.3で布上に移動される。蒸気ボックス16.1は、紙ウェブ温度を効率的に上昇し、その結果、短い衝突区画さえも、シリンダ側の上でウェブ面を乾燥し、紙ウェブが第一乾燥シリンダに付着するのを防止する。真空ロール14.4を低くすることによって、衝突長さはこの実施態様においても増大され、よって、事前加熱及び垂直の組み合わせに接近する。
【0045】
ガス動作衝突と異なり、蒸気凝縮によってもたらされる加熱効果は、ガス対流に比べ特に強力なので、蒸気ボックスを垂直衝突と同一の紙ウェブの側上に良好に配置し得る。蒸気ボックスは既にそのようにプロファイル化されているが、それは機械横方向におけるプロファイリング化成分にさらに分割され得る。凝縮は水を紙ウェブに持ち込むが、衝突を用いるとき、これは大きな欠点ではない。何故ならば、如何なる場合にも、紙ウェブ表面はそれを用いない場合よりも乾燥させられ、第一乾燥シリンダにおいて完全圧力を可能にするからである。
【0046】
以下の利点は蒸気ボックスの使用と関連する。
−プロセスのようなものとして知られ、プレスで現在用いられている。蒸気ボックスは温度プロファイルを創成し、乾燥は乾燥区画内のより暖かい場所からより徹底的に継続する。現象は提案の構成で強化される。
−ウェブはプロファイリング後に再び湿らないので、(プレスでの従来的な蒸気ボックスの使用と比べ)より正確、精密、且つ、効率的に湿度プロファイルが制御される。
−ウェブ温度は衝突前に20〜30℃だけ上昇するので、乾燥能力が増大する。
−より暖かい場所は冷たい場所よりも早く乾燥するので、湿度プロファイルは乾燥区画全体を通じて制御される。
−例えば、バルクを必要とする解決策(プレスでの負荷減少)において、プレス負荷のより良好な最適化を可能にする。
【0047】
図5乃至10は、本発明の第二群の実施態様を示しており、他に指し示されない限り、対応する部分のために同一の参照記号が用いられている。
【0048】
図5に従った実施態様において、ウェブWは、プレス区画10から、ロール12,13の間に形成されたプレス区画の最終プレスニップNから、最終布の表面上で、最適には、移動ベルト又はフェルト11の表面上で、第一移動布20に導かれ、ウェブWはピックアップロール21を用いて第一移動布20に移動される。移動布20上で、ウェブは吹付けボックス25によって支持され、吹付けボックスは、最適には、PressRunの商品名で出願人によって市販されている種類のボックスである。後にこれが続いて、ウェブのスレッディング尾部を切断するための尾部噴射26又は類似素子があり、その後に可動位置を備えたロール30が続き、可動位置は適切に平滑であり、ドクタ31を備える。尾部スレッディングのために、可動位置を備えたロール30は、図面中に破線で示される上部位置に引き上げられる。平滑ロール30から、尾部スレッディング中に、ウェブはドクタ31でパルパー41にドクタリングされる。パルパーへのウェブの移動は、ガイドプレート42によって保証され、シュート43が、擾乱において/必要時にパルパーにさらに前進するウェブを案内する。シュート43は、衝突フード51と別体であり得るし、ウェブをパルパー41に案内するための水シャワーを含む。第一移動布20から、ウェブは第二移動布36に導かれ、ウェブは第二移動布上で移動吸引ロール35を用いて移動される。これは移動布36上のウェブの上に位置する衝突乾燥ユニット40によって続かれ得る。ガイド、及び、第一移動布ループのリードロールは、参照番号22で指し示されている。ガイド、及び、第二移動布ループのリードロールは、参照番号38で指し示されている。第二移動布から、ウェブは垂直衝突乾燥に、その乾燥布59上に導かれ、ウェブは、乾燥布を用いて、移動吸引ロール55を介して移動される。ガイド、及び、乾燥布ループ59のリードロールは、参照番号54で指し示されている。先ず、ウェブは、本質的に垂直に下方に進行し、その結果、ウェブは衝突ユニット51で乾燥され、然る後、ウェブ進行方向は、ロール53で逆転され、然る後、ウェブW進行は、本質的に垂直に上向きであり、その進行中、ウェブは衝突ユニット52によって提供される空気吹付けによって乾燥される。この後、ウェブは乾燥布59上でシリンダ乾燥に導かれ、そこで、乾燥されるべきウェブWは、乾燥布59と被加熱シリンダ面56との間に留まり、ウェブW進行は、通常の単一の布運転に適合し、その結果、その進行は、回転ロール又は回転シリンダ57と共に巻取状に回転される。ウェブの尾部スレッディング期間に亘って、移動吸引ロールも尾部スレッディング位置に移動し得る。移動吸引ロールのために、この位置は標準的な動作位置でもあるので、尾部スレッディング及び通常動作は、移動吸引ロールの真空レベルに関して、概して尾部スレッディング中に用いられる真空がより高いという点で相違する。
【0049】
以下の図6乃至8に示される本発明の例示的な実施態様は、他に指し示されない限り、図5の例示的な実施態様に対応している。
【0050】
図6に示される実施態様において、ウェブ進行は本質的に線状であり、これは第二移動布36が第一移動布ループ20の領域に延びるよう配置され、ウェブのために両側支持をもたらし、それはウェブ進行を本質的に線状に配置することを可能にする。この実施態様では、ウェブは移動吸引ロール37を用いて移動布36に移動され、移動吸引ロール55を備える衝突乾燥群の乾燥布59にさらに移動される。この実施態様において、第一移動布ループ20は吹付けボックス25を備え、吹付けボックスはウェブ進行を案内するために用いられる。
【0051】
図7に示される実施態様において、可動位置を備えるロールは尾部スレッディング中にガイド及び移動布ループのリードロールの1つを同時に形成するので、可動位置を備えるロールは第一移動布ループ20の内部に配置され、それは参照番号22Bで指し示されている。このロールは可動であるので、移動布ループは、移動布ループ20の張力を維持するために調節可能な位置を備える他のロール22aを追加的に備える。図7に示される実施態様において、第二移動布ループ36は、主として移動吸引ロール37の領域内の短い距離に亘って、並びに、ウェブWが移動吸引ロール55で衝突乾燥群の乾燥布59と衝突する短い区画に亘ってのみ、ウェブWを輸送する。図面中に矢印で例証されるように、移動布ループ36の他のロール34はその位置に亘って移動可能であり、移動位置は破線によって記されている。よって、ウェブWが擾乱において/必要時にシュート43を介してパルパーに導かれ得るよう、移動布ループ36は、衝突乾燥群の移動吸引ロール55との接点から離れて移動され得る。
【0052】
図8に示される実施態様において、移動布20は同時に垂直群の移動布であり、それは移動地点の数、よって、移動吸引ロールの必要を削減する。ロール33は好ましくは吹付けロールであり、吸引ボックス58はウェブWが上向きの布進行で布20に従うことも確認し得る。このようにして、衝突乾燥区画の長さを増大することも同時に可能である。ロール33は好ましくは吹付けロールであるが、真空装置58を強化することによって、この位置にシリンダを配置することさえ可能であるが、尾部スレッディング状況では、それは僅かに余り有利ではない代替手段であり得る。何故ならば、その場合には、吹付けロールの反対側で、シリンダを進行する幅に亘ってだけ制御可能に使用することが必要だからである。ロール33が吹付けロールである場合、ロールは、例えば、ロール内部が約140℃と暖かい吹付けロールであり得るし、或いは、ロールは、溝サイズが1×1mmであり且つその効果が真空装置58で強化される溝付きロールであり得る。
【0053】
図6乃至8の実施態様において、衝突乾燥は、図3bに従った蒸気ボックスを用いて達成される。
【0054】
図5乃至8の実施態様を参照すると、ウェブ乾燥含有率は抄紙機の乾燥区画内で十分な値に上昇され、乾燥シリンダが乾燥のために用いられる前に、典型的には50〜65%の乾燥物質、70%の乾燥物質でさえある。本発明によれば、このように、紙ウェブは、シリンダ乾燥前の垂直衝突乾燥群内に衝突乾燥を用いて乾燥シリンダ後に乾燥される。本発明によれば、方法において、紙ウェブは、少なくとも1つの移動布を用いて、プレス区画から、プレス区画の最終布からの垂直衝突乾燥群、即ち、移動ベルト又はフェルトに導かれる。
【0055】
本発明(特に図5乃至8)に関連して、ウェブをプレス区画から乾燥区画の第一垂直衝突乾燥群に導くために用いられる少なくとも1つの移動布と共に配置されて、可動位置を備えるロール又は類似物があるのが好ましく、例えば、それは尾部スレッディングの期間に亘って尾部スレッディング位置に移動され、尾部スレッディング後、ウェブ進行に影響を及ぼさない位置に移動される。例えば、この所望の幅に亘ってロールを湿潤させることによって、可動ロールからパルパーに導かれるべきウェブの区画を選択可能であり、このように、尾部スレッディング内にさらに進み続けるロール内の尾部位置は乾燥しており、相応して、広いウェブ全体を下方に流れ下るとき、幅全体に亘ってロールを湿潤させることが可能である。移動布と関連して配置されて、好ましくは吹付けボックスがあり、真空効果をもたらし、それによって、ウェブは移動布の運搬内に保持される。本発明の1つの好適な追加的な機能によれば、第一移動布は第二移動布によって後続され、第二移動布はウェブの下に位置し、それによって、ウェブは垂直衝突乾燥群の乾燥布に導かれる。
【0056】
本発明の1つの好適実施態様によれば、ウェブは、最終布、最適には移動ベルト又はフェルトの表面上のプレス区画の最終プレスニップから導かれ、ウェブはそこから第一移動布に移動される。次に、ウェブ移動は、ウェブスレッディング尾部を切断するための尾部噴射又は類似装置によって後続される。これは可動位置を備えるロール、最適にはドクタと関連付けられた平滑ロールによって後続される。ウェブは、最大幅で、第一移動布ループのピックアップロールから、即ち、ウェブを以前の布から持ち上げるロールから、可動位置を備えるロールに動かされる。ロールは尾部スレッディング位置に、頂部位置に移動されるのに対し、ピックアップロールは降下し、プレス区画の最終布からウェブを持ち上げる。移動布は可動位置を備えるロールの一部を覆うので、ウェブはロールに従い、ロールドクタに達し、ウェブはそこからパルパーに滑り降りる。この後、本着想は、ウェブを垂直衝突乾燥群の乾燥布に持ち込む第二移動布を含む。垂直衝突乾燥ユニットは、ウェブをシリンダ乾燥に導く前に、ウェブ乾燥含有率を50〜65%のレベルの乾燥物質に、最適には55〜63%の乾燥物質に上昇し得るような乾燥効果とされる。ウェブスレッディング尾部が垂直衝突ユニットに亘って輸送される間、移動可能な位置を備えるロールは頂部位置にあり、一旦ウェブが広げられると、可動位置を備えるロールは、開放間隙に関して問題地点を創成しないよう、ウェブ進行に影響を及ぼさない位置に、底部位置に下げられる。何故ならば、この場合には、ウェブ進行に有害な真空の複雑な運転性がさもなければ創成される開放間隙が形成されないからである。第一移動布のループ内部に位置付けられているのは、ウェブ進行を保証するために、最適にはPressRunの商品名で出願人によって市販されている種類のボックスである。
【0057】
図9に示される本発明の例示的な実施態様において、ウェブWは、プレス区画Pから、プレスの底布11を備えるプレス区画の最終ニップNxから、ウェブW進行がロール12で垂直衝突乾燥部20への急勾配の下向き曲線を取る位置Xlに導かれ、ウェブWは垂直乾燥ユニット21によって提供される乾燥空気吹付けを用いて垂直乾燥部の下向き区画内で乾燥される。布11のリードロール及びガイドロールは、参照番号23で指し示されている。最終プレスニップNxと位置Xlとの間の区画内に配置されて、事前衝突のための衝突乾燥ユニット15があり、それは好ましくは衝突乾燥のためのより多くの乾燥吹付け長さをもたらす。この実施態様においても、最終プレス区画布11を使用するとき、布構成及び関連するロール構成における節約がなされる。下向き衝突乾燥部20の後、ウェブWは、第一乾燥部群R1の乾燥布32上に導かれ、第一乾燥部群上で、ウェブWは、ウェブWが真空ボックス33によって支持される水平区画の後、先ず、ロール35を用いて垂直の上向き衝突乾燥部30に回転され、その結果、ウェブWは、衝突乾燥ユニット36を備える乾燥空気吹付けで乾燥され、然る後、ウェブWは、単一布運転構成を提供するシリンダ乾燥部に持ち込まれ、そこで、ウェブWは乾燥シリンダ43及び吸引又は回転シリンダ42上を巻取状に進行する。ウェブWの運転性は、真空構成要素によって強化される。尾部スレッディング及びウェブ破損のようなノックダウン状況では、その第一乾燥シリンダの1つで、ウェブWをシリンダ乾燥区画R1からパルパー50に導くことが可能である。パルパーシュートは、参照番号59で指し示されている。
【0058】
図10に示される本発明の実施態様において、ウェブWは、プレス区画の最終底布11の表面上の最終プレスニップNxから導かれ、そこで、プレスニップNxは先ず水平衝突乾燥ユニット15内の事前衝突によって後続され、然る後、位置Xlにおいて、ウェブWは、布11上のロール12で下向き曲線を取り、そこから、ウェブは移動吸引ロール38で第一乾燥群Rlの乾燥布上に取り上げられ、ウェブWは垂直衝突乾燥部20に導かれ、そこで、ウェブWは、衝突乾燥ユニット21によって提供される乾燥空気吹付けを用いて、本質的に下向き区画内で乾燥される。布32表面に付着されたウェブWの維持は、真空ボックス34によって促進される。ウェブW進行は、ロール35で本質的に上向き方向に回転され、そこで、上向き進行ウェブWは、衝突乾燥ユニット36によってもたらされる乾燥空気蕗付きを用いて垂直衝突乾燥部30で乾燥され、然る後、ウェブWは、単一布運転構成を適用するシリンダ乾燥に導かれる。パルパーは参照番号50で指し示され、パルパーシュートは参照番号59で指し示されている。ノックダウン状況において、ウェブWは、その第一乾燥部群のその第一シリンダの1つからパルパー50に導かれる。本発明のこの実施態様は、プレス区画Pの後で垂直衝突乾燥部20の前に、他のパルパー55を配置することを可能にする。
【0059】
1つのシミュレーションにおいて、使用された紙等級は上質紙78g/m2、事前衝突長さ6mであり、プレス区画から来る紙温度は、45℃であると推定された。この場合では、事前吹付けが、ウェブを74℃に暖めた。これは後続の布へ並びに新しい衝突ユニットに移動しながらの2.7メートルの吹付けなし運転によって後続され、その結果、ウェブ温度は65℃に降下し、換言すれば、ほぼ9℃が29℃の温度上昇から失われた。6メートルに亘って、減少は6.5℃以上であった。8メートルの吹付けなし間隔に亘って、ウェブ温度は、さらに55.5℃に、即ち、19.5℃だけ減少した。より軽量の紙はより高速に冷却し、より重い紙は相応してより低速に冷却した。例えば、ウェブ移動幾何、布から他への移動、リードロールによって必要とされる空間、又は、所要移動布に起因して、この吹付けなし長さは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】プレス部の後に衝突部を用いる抄紙機の構成を示す概略図である。
【図2】本発明に従った他の構成を示す概略図である。
【図3】本発明に従った第三の構成を示す概略図である。
【図3b】蒸気ボックスを用いた他の実施態様を示す概略図である。
【図4】一部の紙等級に関するプレス後のバルクと乾燥物質との間の相互依存性を示す概略図である。
【図5】本発明の第二群の実施態様を示す概略図である。
【図6】本発明の第二群の第二実施態様を示す概略図である。
【図7】本発明の第二群の第三実施態様を示す概略図である。
【図8】本発明の第二群の第四実施態様を示す概略図である。
【図9】本発明の第二群の第五実施態様を示す概略図である。
【図10】本発明の第二群の第六実施態様を示す概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、抄紙機又は類似物内の構成に関し、1つ又はそれ以上のプレスニップを備えるプレス区画と、ウェブ支持閉塞ウェブ移動部を含む乾燥区画と、垂直衝突乾燥部と、1つ又はそれ以上の後続のシリンダ乾燥部群とを含む。具体的には、本発明は、ウェブに直接的に吹き付ける衝突ユニット用途に関する。
【背景技術】
【0002】
抄紙機速度の増大に伴って、運転性を向上するためにの対策が同時に取られない限り、抄紙機の運転性が極めて重要になる。連続的な段階間の速度差を用いて十分なウェブ張力を維持することによって、ある程度まで運転性を向上し得る。この方法でさえ、紙品質が劣化し始める段階で消耗するようになる。
【0003】
増大する抄紙機速度は、好ましくはプレス区画から乾燥区画まで、具体的には、多シリンダ乾燥部内では、単一布運転構成、可能な限り、シリンダ乾燥部にまでさえ、閉塞移動部を用いる傾向を招く。これらは自由ウェブ移動中に起こるフラッタリング及び類似の現象を除去するために用いられる。しかしながら、プレス区画の中央ロールから、開放移動部を用いて、紙ウェブを乾燥区画に持ち上げ得る。
【0004】
単に多シリンダ乾燥部を用いるに過ぎない抄紙機乾燥区画は、高速(30〜40m/s)でかなり長くなる。フィンランド国特許第102623号(WO97/130131)及びフィンランド国特許出願第20002429号によれば、具体的には、乾燥シリンダで完全蒸気圧力を用い得ない、或いは、第一シリンダの蒸気供給がしばしば完全に閉塞される乾燥区画の開始に、乾燥シリンダと置換するために衝突乾燥部が用いられる。湿った紙ウェブが熱いシリンダ面に付着し、その故に、より低いシリンダ面温度を使用することが必要であり、その結果、乾燥能力は失われる。
【0005】
衝突が布を通じてではなく紙ウェブに対して直接的に起こる衝突乾燥ユニットにおいて、かなり高い吹付け温度(250℃〜700℃)を使用することが可能であり、よって、極めて効率的な加熱効果を達成する。紙ウェブは、支持布の上を進行するよう設定され、支持布は、直線運転において或いは大きな曲線半径のいずれかで一組のロールによって吹付け領域内に支持される。吸引/吹付けボックスが、抄紙機を支持布に対して保持するためのロールの間に配置される。
【0006】
フィンランド国特許出願20002429号(WO02/36880)によれば、1つ又はそれ以上の垂直衝突ユニットを用いることによって、機械指向性長さを控えることが可能である。支持布は、少なくとも乾燥シリンダ線で、垂直方向において、機械指向性寸法と比べ顕著に長いループを有する。支持布は吹付けに関して紙ウェブの下に留まり、その結果、熱に晒されない。ループの両面に、概ね衝突ユニットがあり、よって、それらの双方は数メートルでさえある乾燥長さを有する。紙ウェブを支持布に付着し続けることは、内部吸引装置を使用することによって保証され、それは支持布を介して内部から紙ウェブに吸引効果を方向付ける。衝突面の側面プロファイルは、破線の形状に或いはこれらの組み合わせに、直線的であり、僅かに湾曲し、場合によっては、可変に湾曲する。
【0007】
衝突ユニットは、紙ウェブ及び吹付け室のための支持をもたらすウェブ構成を含み、それは、空気又は他の熱いガスを吹付け面上に分配するために、そのウェブ側面上に穿孔を有する。
【0008】
ユニットは如何なる場合にも抄紙機の下(又は上)の空間に配置されるので、ユニットの向きが垂直から著しく偏向するような場合でさえも、空間節約が実現される。他方、垂直構造は、地球の重力が支持面への布の付着を妨げ得ないという利点を有する。
【0009】
閉塞移動では、支持布から成る多数の布ループが必要とされる。これらの数と全長が増大すると、ウェブ破損の危険性は一般的に増大する。従って、それらの数及び長さの最適化が目標とされる。
【0010】
上述の既知の衝突解決策は、高速での運転性及び長手方向における機械サイズに関して従来技術に比べ改良をもたらしたが、状況は必ずしも完全に満足の行くものではない。より単純でありながら信頼性のある着想が依然として求められる。
【0011】
紙のバルク(cm3/g)は、多くの紙等級に関し顕著な品質要因である。しかしながら、プレス後の高い乾燥含有率の達成は高いニップ圧力を要求するので、良好なバルクは最大プレス部脱水と矛盾する。
【0012】
フィンランド国特許第102623号によれば、衝突ユニットは、プレス区画の後方で第一乾燥シリンダの前方に配置されている。発明に従って布を通じて吹き付けるユニットは、噴射空気温度限界を被る。何故ならば、今日の乾燥布は200℃よりも熱い噴射空気(又は蒸気)で加圧され得ないからである。しかしながら、構造は比較的長くなり、機械長手方向節約は単純な解決策で顕著に達成されない。フィンランド国特許出願20002429号に従った垂直衝突ユニットを用いて、顕著な節約が機械長さにおいてより迅速に達成される。垂直衝突ユニットを使用した提案の解決策を用いると、運転性は、プレス区画後、今日よりも良好ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、垂直衝突ユニットが用いられる抄紙機内の改良された構成を提供することである。本発明を用いることで、上述の欠点の解消又は少なくとも最小限化が目標とされる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に従った抄紙機内の構成は、添付の請求項に記載されていることによって特徴付けられる。衝突乾燥部は、それらの能力が蒸気圧力の減少の故に幾分不十分であるに留まるため、第一シリンダ乾燥部を正に置換するために最良に用いられる。その代わり、直線的な衝突のための類似の制約はなく、ウェブに直接的に吹き付けるとき、その内部で非常な高温を用い得る。しかしながら、運転性を保証するために、効率的な垂直衝突乾燥部は、少なくともある程度は、並びに、底面に向かって成長する湿度勾配を動かすことによって、紙ウェブの反対側面を乾燥するための事前衝突乾燥部を必要とする。同時に、先行する効率的なウェブ加熱は、垂直ユニットの完全乾燥能力を可能にする。好ましくは、第一シリンダから開始して完全又はほぼ完全な蒸気圧力、即ち、スティッキングの危険性なしにシリンダ面上に高い乾燥温度を加え得るよう、垂直衝突乾燥部は一方向的に乾燥し、第一シリンダ乾燥部と同一側面に向けられる。
【0015】
ここで、「水平」及び「垂直」は、45°さえもの偏位を含むよう広く理解されるべきである。加えて、衝突面は、湾曲し得るし、曲線形状又はこれらの組み合わせを模倣する多角形であり得る。
【0016】
他の実施態様において、垂直衝突ユニットの衝突室の頂面は、パルパーシュートを形成する。
【0017】
第三の実施態様において、垂直衝突ユニットは、積み重なって幾つかの支持ロールを有し、布ループの内部から支持布を支持する。これらのロールの間には、そのように既知の方法で、ウェブ方向に並びに布面の近傍に、吸引ボックスが配置されている。
【0018】
第四の実施態様において、事前衝突乾燥部はプレス移動ベルトの区画の上に配置され、紙ウェブはそこから直接的に垂直衝突乾燥部の布ループに移動される。これは2つの別個の移動布ループさえも置換するために用いられる。この種類の組み合わせは特にコンパクトである。
【0019】
事前衝突は、既にプレス布或いは移動部或いはプレス部後の乾燥布上のプレスの直後に続く。機械設計の残余は、どれぐらいプレス部に近いか、即ち、事前衝突をどれぐらいコンパクトに実施し得るかを決定する。
【0020】
事前衝突乾燥部(概ね水平)と垂直衝突乾燥部並びにそれらの後に続く第一乾燥シリンダとの間の相対的な距離は、ウェブが非加熱区画で過剰に冷却されるのは好ましくないという事実によって制限される。事前衝突から利益を享受するために、ウェブは空気吹付けの間に冷却するべきではなく、通常蒸発の冷却効果は、後に付与される寸法を備える実体のために依然として有利である。他方、繊維等の有害なスティッキングを回避するために、ウェブ表面温度は、乾燥シリンダ表面温度(通常、抄紙機内でほぼ80℃)から15℃未満、最も好ましくは8℃未満、偏位すべきである。通常、この間隔は最大4メートル、好ましくは2メートル未満であることが許容される。コンパクトな構造において、事前衝突は、プレス部から2メートル未満、最も好ましくは1メートル未満の距離で開始する。
【0021】
より高い蒸気圧力が広い機械において用いられ、よって、シリンダ表面温度は130℃ほどの高さであり得る。その結果、偏位もより大きくあり得る。加えて、シリンダは、縁部がシリンダの残部よりも暖かい温度プロファイルを有し得る。事前衝突及び/又は蒸気ボックスをプロファイル化することによって、それも考慮し得る。
【0022】
短い事前衝突乾燥部及び垂直衝突乾燥部がプレス部と第一シリンダ群との間にコンパクトに据え付けられるとき、本発明を完全に利用し得る。ここで、2つの対向するユニットを備える垂直衝突乾燥部を短い機械長さに適用可能であり、その直後に続く第一乾燥シリンダを本質的に完全蒸気圧力に適用し得る。1つ以上の垂直衝突乾燥部を機械方向に次々にコンパクトに据付け得ない。何故ならば、対向するフードが相互に比較的離れて据え付けられなければならないからである。その代わりに、下方ユニットに加えて、対向する衝突ユニットを機械の上に有することは可能である。何故ならば、そのような構成は機械長さを増大しないからである。
【0023】
本発明の一部の実施態様を例証する添付の図面を参照して、本発明を以下により詳細に記載する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1乃至4は抄紙機を描写しており、プレス区画11、乾燥区画の第一区画の一部、即ち、事前衝突乾燥部20、垂直衝突乾燥部21、及び、シリンダ群14の開始が示されている。第一乾燥シリンダは、参照番号14.1で指し示されている。
【0025】
構成の様々な部分、即ち、プレス区画、衝突乾燥部、及び、シリンダ乾燥部は、それらの基本設計に関して、例えば、上述の特許公報から既知である。
【0026】
双子ニッププレス11は、ニップ13.1及び13.2を有する。紙ウェブは、既知の方法で、ピックアップロール15.1でプレス区画11に持ち上げられ、紙ウェブは、プレスフェルト12及び移動ベルト28を用いて、ニップを通じて移動される。本発明に関して、プレス区画の設計は大いに変化し得る。しかしながら、特に本質的なことは、プレス区画11の後に(或いはその端部と一体化されて)、水平又は事前衝突乾燥部20があることであり、事前衝突乾燥部は、図1及び3では、乾燥布17を用いており、吹付けユニット20.1が乾燥布に対して配置されている。従来技術の技法によれば、中心ロール解決策では、プレスから乾燥への移動に開放区間があり、この実施態様を用いることでも、プレスに拘わらず、衝突乾燥からシリンダ乾燥にシフトするときに、必要であれば、開放/開放可能区間を配置することが可能である。
【0027】
図1を参照すると、紙ウェブは、移動吸引ロール15.3を用いて、移動ベルト28から取り上げられて移動布16に導かれ、移動布は、移動吸引ロール15.4を用いて、紙ウェブを水平衝突乾燥部20の乾燥布17に輸送する。
【0028】
紙ウェブは吹付けユニット20.1の下から乾燥布17の上を進行し、その結果、紙ウェブは強い加熱効果に晒される。短い吹付けゾーン内で、乾燥が比較的少なく生じるが、ウェブは暖まり、その頂面は僅かに乾燥する。しかしながら、これは運転性に関して顕著である。同時に、ウェブの厚さ方向における湿度勾配は、底面に向かって強く成長するようになる。乾燥布ループ17の内部には、ウェブを前記布17に付着し続けるための支持ロール20.2と、真空ボックス20.3とがある。
【0029】
水平衝突乾燥部20の後、紙ウェブは、真空ロール17.1の後の乾燥布17から、第一乾燥シリンダ群14の乾燥布14.2の上に移動される。この同一の乾燥布14.2は、垂直衝突乾燥部21によっても用いられる。そのように既知の方法では、紙ウェブは、垂直衝突乾燥部21の真空ロール(吸引ロール又はVACロール)として機能する最上部ロール21.3を用いて、乾燥布14.2に移動される。ロール21.3は、3°〜10°の領域内に布ラップを有する。乾燥布14.2は、幾つかの小さな支持ロール21.5によって吹付け面を形成する直線区画内に支持され、支持ロールの間には吹付けボックス21.6があり、移動布の底面上に、即ち、紙ウェブの反対面上に真空を創成するための吸引をもたらし、その結果、紙ウェブは移動布14.2に対して吸引されるようになる。
【0030】
垂直衝突乾燥部21は、2つの対向する衝突ユニット21.1及び21.2を有し、それらは、側面から見られるときに、狭い乾燥布ループの両側上に設定されている。衝突面は、上記配置されたロール21.3と回転吸引ロール21.4との間に主として境界付けられるが、それらのフードは湾曲区画に延び得る。これらの間には、両面上に、より正確には布ループ内部に、例えば、フィンランド国特許出願20002429号に示されるように、支持ロール21.5及び吹付けボックス21.6がある。支持ロールは、溝付きロール、VACロール、又は、吸引ロールであり得る。
【0031】
垂直衝突乾燥部が依然として機械指向性空間を節約するよう、垂直衝突乾燥部21の中心線は、垂直から最大35°だけ偏向し得る。
【0032】
衝突乾燥部(20,21)内の噴射ガスの温度は、好ましくは200℃〜700℃の範囲内であり、最も好ましくは250℃〜400℃の範囲内である。衝突乾燥部の事前加熱のために用いられる蒸気ボックス(16.1)の蒸気は、好ましくは、僅かに(通常は7℃)過熱され、ウェブに接触後に凝縮するのが、未だ蒸気ボックス内にない。ウェブ温度は、衝突空気湿度(空気吹付け再循環)によっても影響され得る。
【0033】
第一乾燥シリンダ14.1のドクタに、ウェブ破損状況のためのウェブノックダウンが設計される。この場合には、損紙は、吹付けユニット21.2フードの上方側面21.21に沿って、パルパー30に運搬される。尾部スレッディングでは、ウェブは、全幅で、プレス部及び衝突ユニットを通じてパルパーに進められる。尾部スレッディングのために、シリンダ14.1(図示せず)の近傍に配置された尾部噴射がある。中心ロールプレスでは、尾部スレッディングは、前記ドクタまで吹付けユニット上の帯として実施される。
【0034】
通常の状況において、紙ウェブは、乾燥布14.2と共に、シリンダ群を通じて後続の群に進行する。
【0035】
水平衝突乾燥部の衝突長さは、衝突の全ウェブ長さの最大50%、最も好ましくは15〜35%である。より大きな事前吹付け長さは、事前加熱と共に均一な乾燥をもたらす。
【0036】
図2は、図1と比べたときに、本発明に従った構成の好適な変形を示している。機能的に類似の部分は、上記と同一の参照番号を用いて参照されている。
【0037】
ここでは、水平衝突乾燥部20がプレス移動ベルト28の上に配置されているので、2つの移動布ループを省くことが可能である。移動ベルト28から、紙ウェブは、垂直衝突乾燥部の乾燥布19に移動される。この図面では、それは別体であるが、上記のような第一シリンダ群の乾燥布14.2の一部でもあり得る。
【0038】
移動ベルト28から乾燥布19への紙ウェブの移動は、そのように既知の方法で行われる。回転ロール28.1は共に布ループを取り、移動吸引ロール21.3は紙ウェブを独自の乾燥布19上に持ち上げる。垂直衝突乾燥部が独自の布ループを備えるとき、追加的な移動が第一シリンダに関連してもたらされ、その移動地点で、運転性を維持するために速度差を用いることが可能である。乾燥含有率がより低いとき、これは以下に示されるような特別の重要性を有する。
【0039】
一般的に、垂直衝突ユニットに、
−後続のウェブ乾燥含有率が48〜54%であるときに、独自の布ループが配置され、或いは、
−吹付けユニット後の乾燥含有率が52〜57%であるときに、短い(最大3つの乾燥シリンダの)乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置されに、或いは、
−吹付けユニット後の乾燥含有率が56〜65%であるときに、長い(4又はそれ以上のシリンダの)乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置される。
【0040】
品質の理由のために(例えば、弱い完成紙料/ウェブと共に、或いは、図2に従った実施態様において)、必要であれば、より高い乾燥含有率と共に独自の布ループを使用することも可能であり、よって、1つの追加的な移動地点を配置する。
【0041】
図3aの構成は、大部分が図1におけるものと類似している。しかしながら、乾燥布ループの内部に、補助回転ロール21.4と真空ロール21.3との間に、これらのロールと同一サイズの支持ロール21.5が用いられるよう、衝突ユニットの設計は単純化されている。支持ロールは好ましくは真空ロールであり、実際には乾燥シリンダの回転吸引ロールと同一である。これらの間の吸引ボックスは、上記と同一の種類である。この図面中に破線で示されているのも、可能な蒸気ボックス16.1であり、その使用は、衝突の完全に新しい可能性をもたらす。この図面には、それはウェブの下に配置されているが、第一衝突ボックスを蒸気ボックスと完全に置換することも可能である。蒸気ボックスの用途可能性が以下に議論される。1つの変形では、布がより長い距離に亘ってロールと接触するよう、支持ロール21.5はロール21.3及び21.4よりも大きい。これは吸引効果を向上し、それはさらに運転性を強化する。
【0042】
特定の等級に関する紙の値を向上するために、本発明に従った構成を用い得いることができる。そこでは、紙のバルクが重要である。図4によれば、プレス後の乾燥含有率及びバルクは、異なる紙等級で逆に相関する。プレスで高いニップ圧力(1000kN/m)を使用する代わりに、ニップ圧力は、第一及び第二ニップにおいて、400〜800kN/mの範囲に減少される。本発明を用いることで、紙のバルクが維持されるよう、乾燥物質の1〜2%の乾燥はプレス区画から衝突部に移動される。衝突段階のための乾燥含有率の増大は、乾燥シリンダ前で、好ましくは全体で3〜12%、より正確には400%(±100%)/ベース重量[g/m2]であり、その場合には、揺動成分の大きな範囲が、乾燥含有率に対する抄紙機速度の影響を補償する。
【0043】
本発明を用いることで、ウェブが衝突吹付けで乾燥され、可能であれば、1回以上さえも布から他に移動されるという事実にも拘わらず、プレスと第一シリンダとの間のドロー差が2.9%未満、最も好適には2.5%未満に設定されるが、運転性は維持される。
【0044】
図3bは、他の蒸気ボックス用途を示しており、そこでは、事前衝突が蒸気で実施されるので、全ての衝突吹付けは紙ウェブの同一面上にある。参照番号付けは、適用可能な部分に関して以前の図面に対応している。ここでは、第一乾燥群14の布14.2上に据え付けられて、第一乾燥シリンダ14.1の前に、蒸気ボックス16.1、垂直(直線)衝突ユニット20.1、及び、真空ロールの衝突ユニット21もある。紙ウェブは、布14.2の底面上を進行し、紙ウェブは移動吸引ロール14.3で布上に移動される。蒸気ボックス16.1は、紙ウェブ温度を効率的に上昇し、その結果、短い衝突区画さえも、シリンダ側の上でウェブ面を乾燥し、紙ウェブが第一乾燥シリンダに付着するのを防止する。真空ロール14.4を低くすることによって、衝突長さはこの実施態様においても増大され、よって、事前加熱及び垂直の組み合わせに接近する。
【0045】
ガス動作衝突と異なり、蒸気凝縮によってもたらされる加熱効果は、ガス対流に比べ特に強力なので、蒸気ボックスを垂直衝突と同一の紙ウェブの側上に良好に配置し得る。蒸気ボックスは既にそのようにプロファイル化されているが、それは機械横方向におけるプロファイリング化成分にさらに分割され得る。凝縮は水を紙ウェブに持ち込むが、衝突を用いるとき、これは大きな欠点ではない。何故ならば、如何なる場合にも、紙ウェブ表面はそれを用いない場合よりも乾燥させられ、第一乾燥シリンダにおいて完全圧力を可能にするからである。
【0046】
以下の利点は蒸気ボックスの使用と関連する。
−プロセスのようなものとして知られ、プレスで現在用いられている。蒸気ボックスは温度プロファイルを創成し、乾燥は乾燥区画内のより暖かい場所からより徹底的に継続する。現象は提案の構成で強化される。
−ウェブはプロファイリング後に再び湿らないので、(プレスでの従来的な蒸気ボックスの使用と比べ)より正確、精密、且つ、効率的に湿度プロファイルが制御される。
−ウェブ温度は衝突前に20〜30℃だけ上昇するので、乾燥能力が増大する。
−より暖かい場所は冷たい場所よりも早く乾燥するので、湿度プロファイルは乾燥区画全体を通じて制御される。
−例えば、バルクを必要とする解決策(プレスでの負荷減少)において、プレス負荷のより良好な最適化を可能にする。
【0047】
図5乃至10は、本発明の第二群の実施態様を示しており、他に指し示されない限り、対応する部分のために同一の参照記号が用いられている。
【0048】
図5に従った実施態様において、ウェブWは、プレス区画10から、ロール12,13の間に形成されたプレス区画の最終プレスニップNから、最終布の表面上で、最適には、移動ベルト又はフェルト11の表面上で、第一移動布20に導かれ、ウェブWはピックアップロール21を用いて第一移動布20に移動される。移動布20上で、ウェブは吹付けボックス25によって支持され、吹付けボックスは、最適には、PressRunの商品名で出願人によって市販されている種類のボックスである。後にこれが続いて、ウェブのスレッディング尾部を切断するための尾部噴射26又は類似素子があり、その後に可動位置を備えたロール30が続き、可動位置は適切に平滑であり、ドクタ31を備える。尾部スレッディングのために、可動位置を備えたロール30は、図面中に破線で示される上部位置に引き上げられる。平滑ロール30から、尾部スレッディング中に、ウェブはドクタ31でパルパー41にドクタリングされる。パルパーへのウェブの移動は、ガイドプレート42によって保証され、シュート43が、擾乱において/必要時にパルパーにさらに前進するウェブを案内する。シュート43は、衝突フード51と別体であり得るし、ウェブをパルパー41に案内するための水シャワーを含む。第一移動布20から、ウェブは第二移動布36に導かれ、ウェブは第二移動布上で移動吸引ロール35を用いて移動される。これは移動布36上のウェブの上に位置する衝突乾燥ユニット40によって続かれ得る。ガイド、及び、第一移動布ループのリードロールは、参照番号22で指し示されている。ガイド、及び、第二移動布ループのリードロールは、参照番号38で指し示されている。第二移動布から、ウェブは垂直衝突乾燥に、その乾燥布59上に導かれ、ウェブは、乾燥布を用いて、移動吸引ロール55を介して移動される。ガイド、及び、乾燥布ループ59のリードロールは、参照番号54で指し示されている。先ず、ウェブは、本質的に垂直に下方に進行し、その結果、ウェブは衝突ユニット51で乾燥され、然る後、ウェブ進行方向は、ロール53で逆転され、然る後、ウェブW進行は、本質的に垂直に上向きであり、その進行中、ウェブは衝突ユニット52によって提供される空気吹付けによって乾燥される。この後、ウェブは乾燥布59上でシリンダ乾燥に導かれ、そこで、乾燥されるべきウェブWは、乾燥布59と被加熱シリンダ面56との間に留まり、ウェブW進行は、通常の単一の布運転に適合し、その結果、その進行は、回転ロール又は回転シリンダ57と共に巻取状に回転される。ウェブの尾部スレッディング期間に亘って、移動吸引ロールも尾部スレッディング位置に移動し得る。移動吸引ロールのために、この位置は標準的な動作位置でもあるので、尾部スレッディング及び通常動作は、移動吸引ロールの真空レベルに関して、概して尾部スレッディング中に用いられる真空がより高いという点で相違する。
【0049】
以下の図6乃至8に示される本発明の例示的な実施態様は、他に指し示されない限り、図5の例示的な実施態様に対応している。
【0050】
図6に示される実施態様において、ウェブ進行は本質的に線状であり、これは第二移動布36が第一移動布ループ20の領域に延びるよう配置され、ウェブのために両側支持をもたらし、それはウェブ進行を本質的に線状に配置することを可能にする。この実施態様では、ウェブは移動吸引ロール37を用いて移動布36に移動され、移動吸引ロール55を備える衝突乾燥群の乾燥布59にさらに移動される。この実施態様において、第一移動布ループ20は吹付けボックス25を備え、吹付けボックスはウェブ進行を案内するために用いられる。
【0051】
図7に示される実施態様において、可動位置を備えるロールは尾部スレッディング中にガイド及び移動布ループのリードロールの1つを同時に形成するので、可動位置を備えるロールは第一移動布ループ20の内部に配置され、それは参照番号22Bで指し示されている。このロールは可動であるので、移動布ループは、移動布ループ20の張力を維持するために調節可能な位置を備える他のロール22aを追加的に備える。図7に示される実施態様において、第二移動布ループ36は、主として移動吸引ロール37の領域内の短い距離に亘って、並びに、ウェブWが移動吸引ロール55で衝突乾燥群の乾燥布59と衝突する短い区画に亘ってのみ、ウェブWを輸送する。図面中に矢印で例証されるように、移動布ループ36の他のロール34はその位置に亘って移動可能であり、移動位置は破線によって記されている。よって、ウェブWが擾乱において/必要時にシュート43を介してパルパーに導かれ得るよう、移動布ループ36は、衝突乾燥群の移動吸引ロール55との接点から離れて移動され得る。
【0052】
図8に示される実施態様において、移動布20は同時に垂直群の移動布であり、それは移動地点の数、よって、移動吸引ロールの必要を削減する。ロール33は好ましくは吹付けロールであり、吸引ボックス58はウェブWが上向きの布進行で布20に従うことも確認し得る。このようにして、衝突乾燥区画の長さを増大することも同時に可能である。ロール33は好ましくは吹付けロールであるが、真空装置58を強化することによって、この位置にシリンダを配置することさえ可能であるが、尾部スレッディング状況では、それは僅かに余り有利ではない代替手段であり得る。何故ならば、その場合には、吹付けロールの反対側で、シリンダを進行する幅に亘ってだけ制御可能に使用することが必要だからである。ロール33が吹付けロールである場合、ロールは、例えば、ロール内部が約140℃と暖かい吹付けロールであり得るし、或いは、ロールは、溝サイズが1×1mmであり且つその効果が真空装置58で強化される溝付きロールであり得る。
【0053】
図6乃至8の実施態様において、衝突乾燥は、図3bに従った蒸気ボックスを用いて達成される。
【0054】
図5乃至8の実施態様を参照すると、ウェブ乾燥含有率は抄紙機の乾燥区画内で十分な値に上昇され、乾燥シリンダが乾燥のために用いられる前に、典型的には50〜65%の乾燥物質、70%の乾燥物質でさえある。本発明によれば、このように、紙ウェブは、シリンダ乾燥前の垂直衝突乾燥群内に衝突乾燥を用いて乾燥シリンダ後に乾燥される。本発明によれば、方法において、紙ウェブは、少なくとも1つの移動布を用いて、プレス区画から、プレス区画の最終布からの垂直衝突乾燥群、即ち、移動ベルト又はフェルトに導かれる。
【0055】
本発明(特に図5乃至8)に関連して、ウェブをプレス区画から乾燥区画の第一垂直衝突乾燥群に導くために用いられる少なくとも1つの移動布と共に配置されて、可動位置を備えるロール又は類似物があるのが好ましく、例えば、それは尾部スレッディングの期間に亘って尾部スレッディング位置に移動され、尾部スレッディング後、ウェブ進行に影響を及ぼさない位置に移動される。例えば、この所望の幅に亘ってロールを湿潤させることによって、可動ロールからパルパーに導かれるべきウェブの区画を選択可能であり、このように、尾部スレッディング内にさらに進み続けるロール内の尾部位置は乾燥しており、相応して、広いウェブ全体を下方に流れ下るとき、幅全体に亘ってロールを湿潤させることが可能である。移動布と関連して配置されて、好ましくは吹付けボックスがあり、真空効果をもたらし、それによって、ウェブは移動布の運搬内に保持される。本発明の1つの好適な追加的な機能によれば、第一移動布は第二移動布によって後続され、第二移動布はウェブの下に位置し、それによって、ウェブは垂直衝突乾燥群の乾燥布に導かれる。
【0056】
本発明の1つの好適実施態様によれば、ウェブは、最終布、最適には移動ベルト又はフェルトの表面上のプレス区画の最終プレスニップから導かれ、ウェブはそこから第一移動布に移動される。次に、ウェブ移動は、ウェブスレッディング尾部を切断するための尾部噴射又は類似装置によって後続される。これは可動位置を備えるロール、最適にはドクタと関連付けられた平滑ロールによって後続される。ウェブは、最大幅で、第一移動布ループのピックアップロールから、即ち、ウェブを以前の布から持ち上げるロールから、可動位置を備えるロールに動かされる。ロールは尾部スレッディング位置に、頂部位置に移動されるのに対し、ピックアップロールは降下し、プレス区画の最終布からウェブを持ち上げる。移動布は可動位置を備えるロールの一部を覆うので、ウェブはロールに従い、ロールドクタに達し、ウェブはそこからパルパーに滑り降りる。この後、本着想は、ウェブを垂直衝突乾燥群の乾燥布に持ち込む第二移動布を含む。垂直衝突乾燥ユニットは、ウェブをシリンダ乾燥に導く前に、ウェブ乾燥含有率を50〜65%のレベルの乾燥物質に、最適には55〜63%の乾燥物質に上昇し得るような乾燥効果とされる。ウェブスレッディング尾部が垂直衝突ユニットに亘って輸送される間、移動可能な位置を備えるロールは頂部位置にあり、一旦ウェブが広げられると、可動位置を備えるロールは、開放間隙に関して問題地点を創成しないよう、ウェブ進行に影響を及ぼさない位置に、底部位置に下げられる。何故ならば、この場合には、ウェブ進行に有害な真空の複雑な運転性がさもなければ創成される開放間隙が形成されないからである。第一移動布のループ内部に位置付けられているのは、ウェブ進行を保証するために、最適にはPressRunの商品名で出願人によって市販されている種類のボックスである。
【0057】
図9に示される本発明の例示的な実施態様において、ウェブWは、プレス区画Pから、プレスの底布11を備えるプレス区画の最終ニップNxから、ウェブW進行がロール12で垂直衝突乾燥部20への急勾配の下向き曲線を取る位置Xlに導かれ、ウェブWは垂直乾燥ユニット21によって提供される乾燥空気吹付けを用いて垂直乾燥部の下向き区画内で乾燥される。布11のリードロール及びガイドロールは、参照番号23で指し示されている。最終プレスニップNxと位置Xlとの間の区画内に配置されて、事前衝突のための衝突乾燥ユニット15があり、それは好ましくは衝突乾燥のためのより多くの乾燥吹付け長さをもたらす。この実施態様においても、最終プレス区画布11を使用するとき、布構成及び関連するロール構成における節約がなされる。下向き衝突乾燥部20の後、ウェブWは、第一乾燥部群R1の乾燥布32上に導かれ、第一乾燥部群上で、ウェブWは、ウェブWが真空ボックス33によって支持される水平区画の後、先ず、ロール35を用いて垂直の上向き衝突乾燥部30に回転され、その結果、ウェブWは、衝突乾燥ユニット36を備える乾燥空気吹付けで乾燥され、然る後、ウェブWは、単一布運転構成を提供するシリンダ乾燥部に持ち込まれ、そこで、ウェブWは乾燥シリンダ43及び吸引又は回転シリンダ42上を巻取状に進行する。ウェブWの運転性は、真空構成要素によって強化される。尾部スレッディング及びウェブ破損のようなノックダウン状況では、その第一乾燥シリンダの1つで、ウェブWをシリンダ乾燥区画R1からパルパー50に導くことが可能である。パルパーシュートは、参照番号59で指し示されている。
【0058】
図10に示される本発明の実施態様において、ウェブWは、プレス区画の最終底布11の表面上の最終プレスニップNxから導かれ、そこで、プレスニップNxは先ず水平衝突乾燥ユニット15内の事前衝突によって後続され、然る後、位置Xlにおいて、ウェブWは、布11上のロール12で下向き曲線を取り、そこから、ウェブは移動吸引ロール38で第一乾燥群Rlの乾燥布上に取り上げられ、ウェブWは垂直衝突乾燥部20に導かれ、そこで、ウェブWは、衝突乾燥ユニット21によって提供される乾燥空気吹付けを用いて、本質的に下向き区画内で乾燥される。布32表面に付着されたウェブWの維持は、真空ボックス34によって促進される。ウェブW進行は、ロール35で本質的に上向き方向に回転され、そこで、上向き進行ウェブWは、衝突乾燥ユニット36によってもたらされる乾燥空気蕗付きを用いて垂直衝突乾燥部30で乾燥され、然る後、ウェブWは、単一布運転構成を適用するシリンダ乾燥に導かれる。パルパーは参照番号50で指し示され、パルパーシュートは参照番号59で指し示されている。ノックダウン状況において、ウェブWは、その第一乾燥部群のその第一シリンダの1つからパルパー50に導かれる。本発明のこの実施態様は、プレス区画Pの後で垂直衝突乾燥部20の前に、他のパルパー55を配置することを可能にする。
【0059】
1つのシミュレーションにおいて、使用された紙等級は上質紙78g/m2、事前衝突長さ6mであり、プレス区画から来る紙温度は、45℃であると推定された。この場合では、事前吹付けが、ウェブを74℃に暖めた。これは後続の布へ並びに新しい衝突ユニットに移動しながらの2.7メートルの吹付けなし運転によって後続され、その結果、ウェブ温度は65℃に降下し、換言すれば、ほぼ9℃が29℃の温度上昇から失われた。6メートルに亘って、減少は6.5℃以上であった。8メートルの吹付けなし間隔に亘って、ウェブ温度は、さらに55.5℃に、即ち、19.5℃だけ減少した。より軽量の紙はより高速に冷却し、より重い紙は相応してより低速に冷却した。例えば、ウェブ移動幾何、布から他への移動、リードロールによって必要とされる空間、又は、所要移動布に起因して、この吹付けなし長さは異なる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】プレス部の後に衝突部を用いる抄紙機の構成を示す概略図である。
【図2】本発明に従った他の構成を示す概略図である。
【図3】本発明に従った第三の構成を示す概略図である。
【図3b】蒸気ボックスを用いた他の実施態様を示す概略図である。
【図4】一部の紙等級に関するプレス後のバルクと乾燥物質との間の相互依存性を示す概略図である。
【図5】本発明の第二群の実施態様を示す概略図である。
【図6】本発明の第二群の第二実施態様を示す概略図である。
【図7】本発明の第二群の第三実施態様を示す概略図である。
【図8】本発明の第二群の第四実施態様を示す概略図である。
【図9】本発明の第二群の第五実施態様を示す概略図である。
【図10】本発明の第二群の第六実施態様を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又はそれ以上のプレスニップを備えるプレス区画と、ウェブ支持ウェブ移動部、垂直衝突乾燥部、及び、1つ又はそれ以上のシリンダ乾燥部群を含む乾燥区画とを含み、第一シリンダ乾燥部群の第一乾燥シリンダが、前記垂直衝突乾燥部に後続する抄紙機又は類似物内の構成であって、
前記垂直衝突部の前に前記紙ウェブを事前加熱するために、前記垂直衝突乾燥部の直前に事前衝突乾燥部を含むことを特徴とする構成。
【請求項2】
前記事前衝突乾燥部はガス駆動され、且つ、前記垂直衝突乾燥部とは異なる前記紙ウェブの側面を乾燥するよう設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
前記事前衝突乾燥部は、衝突長さ全体の最大50%、最も好ましくは15〜35%を含むことを特徴とする、請求項2に記載の構成。
【請求項4】
前記事前衝突乾燥部は直線的であり、傾斜は水平から最大60℃偏位することを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【請求項5】
前記プレス区画の前記最終ニップと関連付けられて、移動ベルトによって形成されるループがあり、前記事前衝突乾燥部が前記移動ベルト上に設定されることを特徴とする、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項6】
前記垂直衝突乾燥部は、同一紙ウェブ側面を乾燥するよう配置された、機械方向で短い、下方に延びるウェブ移動部の反対側上に設定された2つの事前衝突乾燥部を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項7】
前記垂直衝突乾燥部は、幾つかのロールを含み、該幾つかのロールは、前記布ループの内側上の前記乾燥布の前記下方に延びるウェブ移動部を支持し且つ導くことを特徴とする、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
前記垂直衝突乾燥部の中心線は、垂直から最大35°偏位することを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項9】
少なくとも1つの衝突乾燥部内の前記吹付けガス温度は、250℃〜700℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項10】
前記垂直衝突乾燥部は、前記第一後続乾燥シリンダと同一側面を一方向的に乾燥するよう設定されていることを特徴とする、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項11】
前記プレスから前記第一シリンダへのドロー差が、2.9%未満、最も好ましくは2.5%未満になるよう構成されていることを特徴とする、請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項12】
前記垂直衝突乾燥ユニットのために、
後続のウェブ乾燥含有率−湿度が48〜54%であるときに、独自の布ループが配置され、或いは、
吹付けユニット後の乾燥含有率−湿度が52〜57%であるときに、短い乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置され、或いは、
吹付けユニット後の乾燥含有率−湿度が56〜65%であるときに、長い乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置されることを特徴とする、
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項13】
前記事前衝突乾燥部は、蒸気ボックスを含むことを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【請求項1】
1つ又はそれ以上のプレスニップを備えるプレス区画と、ウェブ支持ウェブ移動部、垂直衝突乾燥部、及び、1つ又はそれ以上のシリンダ乾燥部群を含む乾燥区画とを含み、第一シリンダ乾燥部群の第一乾燥シリンダが、前記垂直衝突乾燥部に後続する抄紙機又は類似物内の構成であって、
前記垂直衝突部の前に前記紙ウェブを事前加熱するために、前記垂直衝突乾燥部の直前に事前衝突乾燥部を含むことを特徴とする構成。
【請求項2】
前記事前衝突乾燥部はガス駆動され、且つ、前記垂直衝突乾燥部とは異なる前記紙ウェブの側面を乾燥するよう設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【請求項3】
前記事前衝突乾燥部は、衝突長さ全体の最大50%、最も好ましくは15〜35%を含むことを特徴とする、請求項2に記載の構成。
【請求項4】
前記事前衝突乾燥部は直線的であり、傾斜は水平から最大60℃偏位することを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【請求項5】
前記プレス区画の前記最終ニップと関連付けられて、移動ベルトによって形成されるループがあり、前記事前衝突乾燥部が前記移動ベルト上に設定されることを特徴とする、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項6】
前記垂直衝突乾燥部は、同一紙ウェブ側面を乾燥するよう配置された、機械方向で短い、下方に延びるウェブ移動部の反対側上に設定された2つの事前衝突乾燥部を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項7】
前記垂直衝突乾燥部は、幾つかのロールを含み、該幾つかのロールは、前記布ループの内側上の前記乾燥布の前記下方に延びるウェブ移動部を支持し且つ導くことを特徴とする、請求項6に記載の構成。
【請求項8】
前記垂直衝突乾燥部の中心線は、垂直から最大35°偏位することを特徴とする、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項9】
少なくとも1つの衝突乾燥部内の前記吹付けガス温度は、250℃〜700℃の範囲内にあることを特徴とする、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項10】
前記垂直衝突乾燥部は、前記第一後続乾燥シリンダと同一側面を一方向的に乾燥するよう設定されていることを特徴とする、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項11】
前記プレスから前記第一シリンダへのドロー差が、2.9%未満、最も好ましくは2.5%未満になるよう構成されていることを特徴とする、請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項12】
前記垂直衝突乾燥ユニットのために、
後続のウェブ乾燥含有率−湿度が48〜54%であるときに、独自の布ループが配置され、或いは、
吹付けユニット後の乾燥含有率−湿度が52〜57%であるときに、短い乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置され、或いは、
吹付けユニット後の乾燥含有率−湿度が56〜65%であるときに、長い乾燥シリンダ群と共通の布ループが配置されることを特徴とする、
請求項1乃至10のうちいずれか1項に記載の構成。
【請求項13】
前記事前衝突乾燥部は、蒸気ボックスを含むことを特徴とする、請求項1に記載の構成。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2007−517989(P2007−517989A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526466(P2006−526466)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/FI2005/050006
【国際公開番号】WO2005/068713
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(507009216)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (76)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【国際出願番号】PCT/FI2005/050006
【国際公開番号】WO2005/068713
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(507009216)メッツォ ペーパー インコーポレイテッド (76)
【Fターム(参考)】
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